2020年1月23日 15:50
7時間未満で発症リスク増――医師が解説「寝不足が招く認知症」
また、ワシントン大学・ジュ教授の研究でも、寝床で横になっている時間に対する実際の睡眠時間の割合を示す「睡眠効率」がよいほどアミロイドβの値が低いことが示されている。
「20歳以上で、睡眠時間が6時間未満の人が認知症を発症すると仮定すると、国民の3人に1人が認知症という大変な時代が訪れることになります。今からでもけっして遅くはないので、生活習慣を改めて睡眠時間をきちんと確保するように心がけましょう」
寝不足による脳へのダメージはほかにもある。人の脳内では19時ごろから睡眠ホルモンのメラトニンが分泌される。このホルモンが十分でないと新しい細胞が生成されにくくなる。睡眠時間を確保できていても、夜遅く寝て昼近く起きるというのはNGなのだ。
「夜型の生活は、新陳代謝が遅くなり、老化が早まるという負のスパイラルを招きます。また、朝起きて脳を活性化させるのは脳内神経伝達物質のドーパミンという物質ですが、メラトニンを止める効果があるドーパミンの分泌が不十分だと、覚醒しないでぼんやりしたり、やる気が起きなかったりします。
うつ病などの精神疾患にもかかりやすくなってしまいます」
寝不足だからといって休日に寝だめをする人もいるが、体内時計を正常に保つためにも、就寝と起床の時間は一定にするのが基本。