2020年8月7日 06:00
“一文無し”主婦が発明した「瞬読」は俳優も着目する脳トレ
この「瞬読」の原点は、山中さんがわが子のために考え出したものだという。
「リーマンショックがあったとき、私は専業主婦だったんですね。主人の仕事がダメになって、文字どおりの一文なしになりました。子どもがそのとき小3と幼稚園で下の子の幼稚園の月謝2万5,000円もついに払えなくなった。どうやって生きていこうと……しかもそんなとき、長男が『塾に行きたい』って言いだしたんです」
’08年、山中さんは一念発起し、小さな部屋を借りて自ら学習塾を経営することを決意した。
「自分の子どものための塾なので、よそのような合格率を重視するのではなく、“自分の考えや意見を伝えられる子”を育てられるような塾を作ろうと思いました」
受け身でテレビやネットから流れてくるニュースを見ているだけでは、自分の言葉で何も語ることはできない。
「そんな子を育てるために、どんなことをしてあげたらいいか。それにはまず、本をたくさん読ませることによって、基礎学力や語彙力、知識を増やさないといけない。
そして時間を無駄にしないためには、量だけでなく速く読ませることも重要だと思いました。そして編み出したのが瞬読でした」
瞬読によって、子どもたちの判断力や思考力が磨かれていくことを山中さんは発見。