2022年5月19日 06:00
熱中症リスク、子供への影響…感染症専門医語る「7月にマスクを外すべき理由」
専門医による“マスクを外すべき”という発言の根拠を聞いてみよう。
「’03年に流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)は、“症状が出た人”がウイルスを伝播させていたため、発症者を隔離することが感染抑制につながりました。いっぽう新型コロナは“無症状の人”も周囲に感染させる特性がある。感染を抑え込むことが困難であり、『ウィズコロナ』と捉えることが前提となります。そのうえで『重症化』を予防することがポイントです」(矢野先生・以下同)
矢野先生は、マスクを外すための重要な条件として“ワクチン3回目接種”“国産のコロナ治療薬の開発”“コロナウイルスの弱毒化”を最初に挙げる。
「3回目のワクチン接種で、重症化予防の高い効果を得られることが明らかになっています。国内でも接種が進んでおり、6月末には希望者への接種が終わりそうです。また、服用しやすいコロナ治療薬もカギ。
塩野義製薬が開発中で実用化のめどが立っている『3CLプロテアーゼ阻害薬』も、重症化予防の効果が期待できます。さらに、20世紀初頭に流行したスペインかぜが年月をかけて弱毒化し、現在のインフルエンザの型のひとつになったように、新型コロナにおいても、今後出現する変異株では重症化率が下がる可能性が考えられます」