急激な温度変化に要注意…“梅雨明け1カ月間”に心疾患リスクが激増
「そうした行動特性も、この時季の心筋梗塞や脳卒中を招く一因かもしれません」 さらに、今回の研究で注目すべき結果があると藤本先生は話す。それは、体が高温にさらされてから血管の疾患を発症するまでの経過時間に関すること。大きな山は2つあり、「暑さにさらされてから1時間後」(33%)と「暑さにさらされてから23時間後」(40%)に見られたという。
「この結果は私たちにとっても新たな発見でした。外出直後に体が変調をきたすのは、急に気温の高いところにさらされた体が十分に適応できないことが原因かもしれません。発汗による脱水や、血液の濃縮による血栓ができたり、もともと動脈硬化があった人はプラークが破綻して心臓や脳の血管が詰まってしまうのです。いっぽう、23時間後の発症は外出の翌日に起こるわけですが、高齢者は、若い人に比べて気温の影響が体にこもりやすい傾向があります。脱水状態にあるのに、それに対する体の反応が遅く、時間差で不調が現れてしまう可能性があるのです」
気温が30度を上回ると、これらのリスクが右肩上がりに高まるが、7月16日には群馬県桐生市で今年の国内最高となる39.7度を記録するなど、すでに私たちは命を脅かす暑さに直面しているともいえる。