【医師取材】すべての疲れは脳の疲労だった!疲労と睡眠の関係
慢性的な疲労の2つの要因
慢性疲労を起こす理由は2つあります。ひとつは睡眠では回復できないほど日中の疲労の負荷が強すぎること。もうひとつは睡眠の質が悪く前日の疲労を十分に回復できないことです。つまり、慢性的な疲労を蓄積させないためには、昼間の疲労を軽減するか、夜に疲労の回復を促すか、この2つしか克服法はありません。
一度起こってしまった疲労を昼間のうちに回復させることはできません。日常生活で疲れにくくするための方法はさまざまなものがありますが、それらは疲労を回復させているのではなく、それ以上悪化することを防いでいるだけです。つまり、疲労を回復させる手段は睡眠しかないのです。
すべての疲れは脳が感じている「自律神経の疲労」だった
私たちの研究の結果、運動疲労(肉体疲労)だけでなく、精神作業疲労と呼ばれるデスクワークの疲労や眼精疲労も含めて、昼間に起こっている疲れは自律神経の疲労であるということが明らかになってきました。
たとえば運動をしたときには心拍や呼吸が早くなりますが、それを調節しているのは脳の中にある自律神経の中枢であり、汗を出して体温を調節しているのもまた自律神経です。ゴルフであれマラソンであれ、真夏の炎天下と11月では同じ時間・同じ距離であってもその疲れ方は大きく異なります。