【医師解説】不眠症対策の悩みを解消!病院の選び方から睡眠薬まで <日本睡眠学会認定医 佐藤幹先生>
そして、睡眠衛生の修正だけでは改善しない場合には、睡眠薬を使い、睡眠薬を使用しても効果が少ない場合は睡眠時間制限法や刺激コントロール法を試みます。最近では特に若い方の場合、睡眠薬を使うことにあまり抵抗がなく、とりあえずなんとかして寝て明日に備えたいという患者さんも多くなっていますが、安易に薬物治療に頼るべきではありません。
睡眠薬は「必要な時にだけ使う」
就寝直前に眠気がある日は、基本的に睡眠薬は使わないようにします。就寝直前になっても眠気がないとき、または眠気があって布団に入ってもその後20〜30分経っても眠れない、眠気がとんでしまって眠れそうにないというときに睡眠薬を使います。これを頓用(とんよう)といいます。睡眠薬は必要なときにだけ使うということが大事です。
ただし、長年不眠を患っている方の場合には、最初からある程度の期間、薬を使っていただくこともあります。
睡眠薬の副作用や依存性の心配は?
私が診ている患者さんに関して言えば、不眠を主に訴えて受診される方のうち、3分の1から半分程度の方はリピーターとして来られることはありません。ほとんどの方は睡眠薬を1回処方して終わるため、薬に依存するようなケースはあまりありません。