【医師解説】不眠症対策の悩みを解消!病院の選び方から睡眠薬まで <日本睡眠学会認定医 佐藤幹先生>
高齢者にみられる睡眠の悩みの傾向
ご自分が眠れていないという思いがどうしても強い方は、健康に不安があり病気ではないかと気になってしまうような、いわゆる心気的(しんきてき)な傾向がある方に多いです。特にご高齢の方に多くみられます。また、これまで長い間不眠で悩んでこられたような方は、SASやPLMDなど別の要因がないかチェックする必要もあります。それらの要因が何もないような方たちは、心気症(hypochondriasis)、いわゆるノイローゼなどに近い不眠症ということになります。
睡眠日誌をつけていただくと、ご高齢の方の場合、眠くなくても早い時間に布団に入っているようなケースがかなり見られます。「年を取ると早く寝るようになる」と思っている方が多いのですが、眠気が来るまでは起きていても構わないのです。たとえば日頃から21時に就床している方達に、「23時まで起きているようにしてみましょう」というと皆さん驚かれるのですが、実際に眠くなるまで頑張って起きているように指導すると、それだけで不眠がよくなる方もいらっしゃいます。
途中で目が覚めてしまうというのは、加齢による変化として当然起こりうることです。