国産CPAPで睡眠時無呼吸症候群の治療を変える、メトランの挑戦
人工呼吸器にしてもCPAPにしても、医師が経験を積む機会がまだ少なく、特にCPAPの分野では、海外の大手メーカーも機械のアルゴリズムを絶対に教えないようにしています。 私は先日、ある医師から教育講演を依頼されたとき、自社製品のアルゴリズムを全部公開しました。そうしなければCPAPの機械が実際にどのように制御されているのかということが医師にわからないからです。現状では、それを理解しているのは医療機器販売会社の社員だけですが、肝心のところは公開していないというのが実際のところです。
CPAP治療からドロップアウトした患者さんのリスクとは
現在、CPAP治療からドロップアウトする患者さんは30%以上と言われています。睡眠時無呼吸症候群の患者さんはおよそ40万人とされていますから、その30%というと12万人になります。一方で、睡眠時無呼吸症候群の治療を受けないと、30%の人が将来糖尿病になるというデータもあります。 つまり、40万人のうち治療を拒否した人たちが30%いて、そのうちの30%、3〜4万人の人たちが糖尿病や高血圧になるということです。
これは社会的にも極めて大きな問題です。なぜそれほど多くの患者さんがドロップアウトするかというと、睡眠時無呼吸症候群の治療をしている医療機関であっても、メーカーから提供される情報が十分でないことなどから、CPAPの使い方を正しく理解されていないところが多いからだと思います。