利用者数60万人(※1)のPMS(月経前症候群)対策アプリ「ケアミー」を運営するヘルスアンドライツは、3月8日の国際女性デーにあわせて、15歳から49歳の男性300人を対象に、女性のPMSに関する意識調査を実施しました。働く女性の66%が経験している生理前のPMS(※2)。イライラや集中力の低下、憂うつといった精神的症状や、頭痛や腰痛などの身体的症状が代表的です。ケアミーの過去の調査からは、PMSの症状を抱える女性をパートナーに持つ男性もまた悩んでいることが分かりました(※3)。そこで今回は、PMSに関する男性の悩みについてさらに詳しく調査しています。(※1)PMSの対策アプリ「ケアミー」利用者数60万人を突破!憂鬱な生理前を変えるフェムテック、男性からも支持(プレスリリースURL:)(※2)⽇本医療政策機構(2018年)「働く⼥性の健康増進に関する調査2018」(※3)約2人に1人の男性がパートナーのPMSに悩んでいる。そのうち91.1%がPMSの理解を深めたい。(プレスリリースURL:)■パートナーのPMSに関する悩み、1位は「不調の原因がPMSかどうか分からない」ケアミーの過去の調査では、これまでにパートナーがいたことのある男性のうち、約2人に1人がパートナーのPMSに「悩んだことがある」と回答しました(※3)。では、男性は具体的にどのような悩みを抱えているのでしょうか。いちばん多かった回答は、「パートナーの不調や精神的な変化が、PMSのせいなのか、他の理由なのか分からない」で50.2%、次いで「パートナーのPMSに対して、自分が何をしてあげられるのか分からない」が34.8%、「PMSのせいで不調であることは分かるが、どう接したらいいのか分からない」が34.5%でした。パートナーのPMSに悩む男性の2人に1人が、不調の原因がはっきり分からないことで悩んでおり、さらに、不調の原因がPMSと分かっている場合でも、パートナーにどう接したらよいのか対応に悩む男性が多いことがうかがえます。■パートナーとのコミュニケーションに悩む男性たちパートナーのPMSに関する悩みについて具体的なエピソードを尋ねてみると、さまざまな回答が寄せられました。ここでは、その一部を紹介しています。コメントからは、PMSについてパートナーとうまくコミュニケーションがとれずに悩みを抱える男性の姿が浮かび上がってきました。◇パートナーのPMSに関する悩みについて、具体的に教えてください・付き合いたての頃は気軽に聞いていい問題なのか迷った。(20代)・些細な冗談でも怒られる。(20代)・旅行などの予定を立てにくい。 遊びに行ってもすぐに帰りたそうな態度を取られてしまう。(20代)・不調の原因がPMSかもと思っても指摘しにくくて、こちらも疲れ、不調になってしまう。(30代)・何故そこまで怒っているのかが理解できない。怒るにしても、理性的に言えないものかと。 また、こちらのメンタルをエグるようなセリフが出るからかなりきつい。(30代)・いつも怒ることではないようなことでもイライラしており、少しでも気に障れば怒られる。(30代)・普段は怒るようなことではないことで怒られ、怒り返してもいいのか分からなかった。(30代)・明らかに不機嫌になる時があるが対処がわからなくて、触れづらいから会話も減ってしまう。(30代)・生理だから怒ってるの?と聞くとさらに怒られ、原因がわからない。(30代)・症状について詳しく教えてもらうまでは、なぜ感情に起伏ができるのかよくわからず、こちらも感情的になってしまうことがあった。(40代)・相手が不調の理由を伝えてくれないと接し方がわからない。(40代)・毎回ではなく、突然なるからわかりにくい。(40代)・自分に経験がないことなので、どのように接してあげるのが正解なのか分からなくて困った。(40代)・デリケートな問題なので、あまり自分から積極的に言えない。それが相手にとってはイラっとする要因の一つであるようでしょっちゅう喧嘩してしまう。(40代)・自分に対してちょっとした事で怒る、子どもに理不尽に怒る。(40代)・妻は、短気になったり、ヒステリックになることがよくあり、 子どもがかわいそう。自分もイライラしてしまい どう接すればよいか分からない。(40代)■調査結果パートナーのPMSに関する悩み、1位は「不調の原因がPMSかどうか分からない」(50.2%)、2位が「パートナーのPMSに対して、自分が何をしてあげられるのか分からない」(34.8%)、3位が「PMSのせいで不調であることは分かるが、どう接したらいいのか分からない」(34.5%)でした。集まったエピソードからは、「些細な冗談でも怒られる」「PMSかもと思っても指摘しにくい」「遊びに行ってもすぐに帰りたそうな態度を取られる」など、PMSにまつわるパートナーとのコミュニケーションに課題を抱える男性が多いことが分かりました。■調査概要調査期間:2024年2月28日〜2月29日調査対象:パートナーの生理に関連して起こる不調に悩んだことがある15〜49歳の男性300名調査方法:インターネット調査※構成比(%)は小数点第2位以下を四捨五入しています。合計しても100%にならない場合があります。(エボル)
2024年03月23日月経ディスク「MOLARA(モララ)」を企画、製造販売するMONA companyは、インターネット調査「MOLARA調べ生理のストレスと仕事のパフォーマンス」を実施しました。■働く女性の75%が「生理のストレスが無くなると仕事のパフォーマンスが上がる」既婚、未婚を含む一都三県で働く女性N=600(20代から40代)に対して、「仕事中に、生理のストレスが無くなれば、あなたの仕事のパフォーマンスは向上すると思いますか?」と質問したところ、「はい、とても向上すると思います」と回答した人が29.8%(179人)、「少し向上すると思います」が45.0%(270人)、「あまり変わらないと思います」が25.2%(151人)という結果となりました。「とても向上する」「少し向上する」と回答した人を合わせると75%の女性が生理のストレスが無くなることで、仕事に貢献できると回答をしています。■45%の働く女性が、「110%以上のパフォーマンスを出せる」と回答続けて「生理のストレスが無くなると、通常時に比べて仕事のパフォーマンスはどの程度(%)になると思いますか?」と聞いたところ、「100%(変わらない)」と回答した人が55.2%(331人)、「110%」が17.7%(106人)、「120%」が15.8%(95人)、「130%」が7.2%(43人)、「140%」が0.8%(5人)、「150%以上」が3.3%(20人)という結果となりました。55%は「通常時と変わらない」と回答しているものの、45%の女性が通常時よりもアップすると回答し、「110%以上のパフォーマンスを出せる」ことがわかりました。モナカンパニー代表・向井桃子さんは「企業で人材不足が叫ばれる中で、女性の社会活躍の機会創出も重要な要素です。しかし女性に対して生理が及ぼす影響は大きく、特に仕事の環境に対するストレスは相当の負担だと思います。すべての女性が生理のストレスから解放されることが、企業のパフォーマンス向上にも貢献できるのではと考えています」と語ります。■生理でストレスを感じている女性は74%、ストレスで効率低下は64%同じ600人に対して「仕事中に生理でストレスを感じたことはありますか?」と質問したところ、「はい、あります」と回答した人が74.3%(446人)、「いいえ、ありません」が17.5%(105人)、「どちらでもない」が8.2%(49人)という結果となりました。続けて「生理になると仕事のパフォーマンスは低下しますか?」と聞いたところ、「はい、低下します」と回答した人が63.5%(381人)、「いいえ、低下しません」が18.2%(109人)、「どちらでもない」が18.3%(110人)という結果となりました。冒頭のアンケートでもあった通り、7割の女性は仕事中に、生理による何らかのストレスを感じており、そのストレスが原因で6割の女性が、仕事のパフォーマンスにも影響していると実感しているようです。向井さんは「6割を超える女性が、生理のストレスで仕事のパフォーマンスが上がらないといった事実は、私たちも重く受け止めないといけません。ストレスには再現性があるようです。今後は、そのストレスを軽減するような企業の取り組みやサービスがこれから重要視されていくと考えています」とコメント。■生理のストレスが原因で、仕事のパフォーマンスは平均49.4%に低下続けて、仕事のパフォーマンスが低下すると回答したN=381人に対して、「生理になると、通常時に比べて仕事のパフォーマンスはどの程度(%)になりますか?」と確認したところ、いちばん多いのが「70%」で19.2%(73人)、2番目が「60%」で16.0%(61人)、3番目が「30%」で15.2%(58人)、4番目が「50%」で14.2%(54人)という結果となりました。グラフで見ると、「70%」の山と「30%」の山、2つの山(グループ)があるように感じられ、それぞれの割合を合算して全体の人数で割った平均値を見ると49.4%と、半数を下回る結果となりました。向井さんは「生理のストレスが仕事に及ぼす影響はとても大きく、全体でみると通常時に比べてパフォーマンスは半分になり、企業の経済損失にもつながりかねません」と語りました。■生理のストレスの傾向について先述した「仕事中にストレスを感じている」と回答した446人に対して、「仕事中に、生理が理由でどんなストレスを感じているか」について自由回答を依頼したところ、大きく6つに分類されました。「ナプキンから横漏れしてないか?」という経血の漏れに対するストレスが3割と多く、それに関連して「仕事中に交換できない」「トイレに行けない」という物理的なストレスも2割を超えました。「意味もなくイライラする」「少しのことでイライラする」といった内容のコメントも非常に多く、生理痛が酷く、結果として、倦怠感や眠気、怠さを生じたり、仕事に集中できないという声がありました。これに対して、向井さんは「生理の血の匂いが苦手という声も。MOLARAを利用すると、経血を膣の奥で受け止めるため、空気に触れることもなく、いやな臭いがしません。また、ナプキンは3時間おきに交換が必要ですが、MOLARAは12時間交換が不要です。働く女性が抱える生理のストレスが改善できると考えています」とコメントしました。■調査概要調査対象:一都三県に在住、20代から40代の働く女性(会社員、会社経営者、派遣社員、専門職、公務員、自営業を含む)調査人数:合計600人(世代均等割)インターネット調査:クロスマーケティング社のQiqumoを利用(エボル)
2024年01月14日イベントが多い年末年始は、食生活や生活リズムが乱れてストレスもたまりがち。気づけばぽってりお腹に…なんて人が続出するシーズンでもあります。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、心身のバランスを整え、ダイエットにもつながる食事と、危険なNG習慣を教えてくれます!年末年始のストレスから太り気味の人はいませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 245忙しく、忘年会もあり、クリスマスもあり、大晦日もあり、盛りだくさんな1か月ですよね。そろそろストレスがたまってきていませんか?ここで、ちょっと深呼吸をしましょう。息をつく間もなくあれこれ考え、動き、スケジュールを埋めていく人も多いと思います。ストレスに強い人でも、気が付かないうちにリラックスを求めていることもあるのではないでしょうか。リラックスしたいときに、簡単にできる方法として、甘いスイーツを食べたり、甘いカフェラテを飲んだりすることってありますよね。ホッと一息つくと殺伐としていた日常にも一瞬だけ華やぎを取り戻すことができ、再び頑張ることができます。ただ、これに頼りすぎていると、ここぞというときに眠気がやってきたり、持久力がなくなったりしてしまうこともあるかもしれません。さらには、太ってしまうということもありますよね。冬はただでさえ、食べたり飲んだりする機会が増えるので、太りやすい時です。だからといって、運動量も増やしたくはないので、行動一つひとつに気をつけなければならないですよね。ということで、今週はストレス太りを予防する食薬習慣を紹介していきます。今週は、ストレス太り対策のための食薬習慣仲のいい人に「ちょっと太った?」といわれたり、冬服でお腹やお尻の周りが隠れることを嬉しく思ったりすることはないでしょうか。「春になる前にダイエットしたらいいよね」と開き直っている人は注意です。そう簡単に、痩せないからです。冬は、運動量が減り、食べる量が増えることで太ります。つまり、脂肪が増え、筋肉量が減り、痩せにくい体形になるからです。そこで、ご自身の生活を見直してみましょう。集中できないとき、イライラしたとき、眠気が強いときなどに甘いものに頼ってはいませんか?今の時期は、濃厚なクリーム系やチョコレート系などの季節限定スイーツも増えています。誘惑が多いですよね。漢方医学では、ストレスに強くなるために『肝』を強化し、代謝を上げていくためには『気』を補うことが必要だと考えます。ということで、『肝』の働きを強化し『気』の巡りを促し、『気』を補う食薬習慣が大切です。今週食べるとよい食材は【ベリービネガードリンク】です。逆にNGな習慣は、【甘いカフェラテ】です。食薬ごはん【ベリービネガードリンク】漢方医学では、「気」の巡りを促し、ストレス解消に役立つとされるお酢。血糖値の上昇を抑えることで、心の安定やダイエットにつながったり、消化を助け栄養の吸収を助けたり、便通をうながしたり、内臓脂肪の燃焼に役立ったり、疲労回復につながったりします。抗酸化作用が高く、疲れ目対策やストレスケア、美肌にも役立つビタミンCやアントシアニンを豊富に含むベリー系を合わせて、手軽にベリービネガーを作りましょう。ミックスベリーやブルーベリー、イチゴなどはコンビニやスーパーの冷凍コーナーに売っていますよ。<材料>冷凍ミックスベリー110g(1袋)酢100ml蜂蜜50gくらい水お好みで<作り方>清潔な容器に材料を入れ、全体になじませる。1時間以上おいたら、お水や炭酸水で割ってお召し上がりください。3~4日するとより味がなじみます。NG行動【甘いカフェラテ】カフェラテやカフェオレには、糖質や脂質が多く含まれています。ちなみに、カフェラテ1杯には、約10g程度の糖質が含まれていることがあります。ちょっと休憩と思い、カフェラテとクッキーやビスケットをつまんでいると、糖質やカロリーの摂取量がいつもの食事に上乗せされる形になるので、習慣化すると当然太ってしまいますよね。とくに、今の時期から1月にかけては食べ癖がつきやすい時期です。なるべく、習慣化しないようにしていきたいですね。年末年始は、数か月ぶり、1年ぶりなど久しぶりに会う人が増えますよね。ベストコンディションの心と体と外見をもって楽しめるように、日ごろからできることは取り入れていきましょうね。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。※1農林水産省サイト「アツアツな飲み物にご注意!」Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©autumnn/Adobe Stock文・大久保愛
2023年12月21日秋も段々と深まり、寒いと感じる日も増えてきました。今は夏に消費したエネルギーを回復し、さらに冷え込む冬に向けて備える大切な季節。ゆったりとリラックスした気持ちで秋の夜長を過ごしたいですよね。今回のテーマはこの時期に気滞体質さんが抱えやすいお悩みである「秋うつ」。漢方の考え方と取り入れたい養生法について、わたし漢方のさっち先生に教えていただきました。秋が深まるにつれて増える「秋うつ」――秋うつとは、具体的にどのようなものなのでしょうか?日照時間の長さが影響する心の不調は、総称して「季節性うつ病」と呼ばれます。特にこの時期に起こるものが「秋うつ」です。夏から秋にかけて日照時間が短くなる季節は、気力がわかなかったり、気分の落ち込みや不安を抱えやすかったりするといわれています。――日照時間が影響するのはなぜですか?私たちの体は、日光を浴びると、脳内で「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンを生成します。◎ノルアドレナリン …ストレスを受けると自律神経を刺激して活動的な状態をつくる◎ドーパミン …ストレスを解消した時の喜びや達成感を与えるセロトニンはこのふたつの働きをコントロールして、心のバランスを保ってくれるのですが、秋になって日照時間が減るとセロトニンを作る量が徐々に減ってしまいます。このコントロールが上手くいかなくなると、アンバランスが生じて攻撃的になったり、不安や気分の落ち込みなど、うつの症状が出やすくなったりするといわれているんです。――せっかく夏が終わって過ごしやすくなったのに、体調が良くないのは嫌ですね……。そうですよね。季節の要因としては日照時間の減少以外にも、夏の高温多湿による身体へのダメージが残っていることや急な冷え込みに身体が対応できないことも挙げられます。身体が回復しづらい状態では、心もなかなか安定しないのではないでしょうか。他にも、女性ホルモンが低下するとともにセロトニンも減少するため、特に更年期の女性は注意が必要です。秋うつの症状と気滞体質――秋うつになると、どのような症状が出るのでしょうか?気分の落ち込みや不安感のような精神的な不安定さが目立つようになります。寝すぎてしまったり、だるさを感じるようになる方も多く見られますね。自律神経が弱っている方はこの時期に起こりやすい寒暖差や台風・雨による気圧と湿度の変化にも弱いので、頭痛やめまいのような症状が出るケースもあります。――元気も気力もなくなってしまえば、たくさんの不調が出てしまいますよね。まさにそうです。実際、秋うつの症状を放置した結果、さまざまな不調に繋がってしまうケースがあります。たとえば、気分が落ち込むことで睡眠の質が下がったり、寝すぎてしまうことで規則正しい睡眠が崩れてしまったり、不眠症を発症してしまうという方はこの時期多く見られます。――秋うつになりやすいのはどのような人ですか?漢方には体質という考えがあるのですが、中でも“気滞”と呼ばれる状態になっている方は秋うつを抱えやすいといえます。気滞は身体のエネルギーになる「気」が身体の中で滞って巡っていかない状態を指します。元気の「気」であると同時に、気力や気持ちの面もコントロールする役割があるので、気滞の状態になると精神は不安定になりがちで、苛立ちや怒りの感情、気持ちの落ち込みを感じやすくなります。気滞の特徴的な症状としては、のどに何かが詰まったような違和感やお腹の張り、胸やみぞおちの苦しさなどが挙げられます。女性の場合は生理周期が乱れたり、生理前に胸が張るという方も多いです。――そういえば、漢方は「体質にあったものを使うのが大事」と聞いたことがあります。同じ症状でも、体質が違えば原因も変わってきます。「体質に合ったものを使う」とはつまり、身体に足りていなかったり、循環していなかったりする要素を補って巡らせてあげるということです。たとえば、「気」が足りない方には滋養強壮の働きがある「気」を補う漢方薬を。一人ひとり違うお悩みや体質に寄り添ってアプローチを考えていけるのが漢方の強みですね。秋うつを改善するには?――秋うつにならないために、私たちはどうすれば良いのでしょうか?やはり、なんといっても大切なのは生活習慣の改善ですね。日常生活が乱れていては、いくら身体に合った漢方を使っても効果を半減させてしまいます。普段から整った生活をして、季節の変化に強い健康な身体を作っていくのは、一番の近道だと思います。秋に不足しやすい幸せホルモンを不足させない生活を心がけていきましょう。――幸せホルモンを増やすにはどうしたら良いですか?セロトニンの生成には日光の力が不可欠なので、就寝・起床時間をきちんと決めて規則正しい生活をしましょう。まず、起床時にカーテンを開けることから始めてみてください。朝に時間の余裕がある方は、ウォーキングなどの軽い運動をおこなうのもおすすめですよ。慢性的なストレスを感じているという方は、元となるストレスを減らす工夫や環境づくりを心がけていきましょう。親子やペットとのふれあいやマッサージ、入浴など、自分に合った癒やしのアプローチもセロトニンの生成にとても効果的です。――なるほど! 日常生活に少しずつ取り入れていけそうで安心しました。いきなり生活リズムの全てを変えるといった無理をしすぎても、長く続かないと思います。「気づかないうちに無理をしていないか?」と客観的に自分を見つめ直す時間をゆっくりと取ったり、趣味に時間を使ったり、生活の中に気持ちの余裕を持つことが大切ですね。がんばりすぎてしまいがちな方は「気」を消耗しやすい傾向にあり、気滞の状態が続くとエネルギーが不足した「気虚」の状態も招いてしまいます。私たちの身体のはたらきは、お互いに影響し合って成り立っています。どこかひとつが崩れた状態を放置してしまうと、症状が慢性化したり、より多くの不調を抱えたりしてしまいます。回復させるどころか健康からどんどん遠ざかってしまいますよね。いま身体で起こっている不調を改善するのはもちろん大切ですが、不調が悪化・慢性化しないようにすることも同じくらい大切です。食からもエネルギーを得て巡らせよう――他に取り入れやすいおすすめの生活習慣はありますか?やはり食生活ですね。季節や体質を問わず、整った食事は身体にとって良い影響を与えてくれます。気滞の方には気を巡らせる効果のある食材がおすすめです。また、旬の食材はおいしいだけでなく、その時期に自然から与えられる恵みを最も吸収しているので、新鮮で栄養価がとても高いです。免疫力やバランスの整った身体をつくるうえでとても相性が良いですよ。★気を巡らせる食材・ジャスミン茶・カモミール茶・シソ・香草など★旬の食材・さつまいも・里芋・ぶなしめじ・ごぼう・長芋など★セロトニンの生成を手助けする食材・大豆製品・乳製品・牛レバーや鶏肉などの肉類・マグロやカツオなどの魚類・バナナ・ごまなど――ご飯が美味しい季節なので、つい食べ過ぎてしまうことが多いのですが……。食欲の秋ともいいますし、お気持ちはわかります。秋うつになると、食欲がなくなるケースもありますが、ストレスのせいで過食が目立つという方も多く見られます。丈夫な体をつくることは大切ですし、ストレスのたまらない程度に楽しむのは良いのですが、この時期の体は寒い冬に備えて栄養を蓄えようと働くので、過剰な食事量は肥満の原因にもなります。――そうですよね、なるべく食べ過ぎないように気をつけます。腹八分目を心がけていきましょう!考えすぎも良くないですし、仮に食べすぎてしまっても、「それなら運動をしよう!」と前向きに考えるのも大事だと思いますよ。食べすぎたからといって、極端に炭水化物を抜いたダイエットをおこなうのはNGです。たしかに炭水化物を抜くと、糖質の摂取量が抑えられるのでダイエットには効果的かもしれませんが、エネルギー源である炭水化物を全く食べないというのは長い目で見るとやはり良いとはいえませんからね。セロトニンの生成にも影響が出るので、適切な量と栄養バランスが保てるように心がけていきましょう。生活習慣を見直して「秋うつ」対策を――今回は、わたし漢方のさっち先生に秋うつの対策についてお話いただきました。さっち先生、ありがとうございました!こちらこそ、ありがとうございました。秋は食欲の秋だけではなく、読書の秋、芸術の秋、スポーツの秋……など、楽しみが盛りだくさんな季節ですから、身近にある秋を感じて素敵な毎日を過ごせるように、自分に合った養生法を見つけていきましょう。自分を見つめ直す良いきっかけになればとても嬉しいです。***わたし漢方では、忙しかったり、近くになかったりといったさまざまな理由で、なかなか病院や漢方薬局に行けない方でも、LINEで薬剤師へ漢方相談ができます。ご興味があれば、ぜひご相談くださいね。初回限定で無料の体質診断もおこなっておりますので、お気軽に友だち追加していただければと思います。■「わたし漢方」で自分のための漢方をオーダーしよう「わたし漢方」は、LINEで身体の悩みを薬剤師に相談すると、自分にあった漢方薬を自宅に配送してくれるオンライン漢方相談サービス。カウンセリングはすべてLINE上で、最初の問診は24時間相談可能。漢方の専門家が直接お悩みにお答えいたします。初回の問診はすべて無料。体質改善の相談と漢方薬の服用を希望する場合は有料プランとなります。※ こちらは2022年10月28日に公開した記事内のリンク切れなどを修正した上で再掲載したものです。
2023年11月15日天気は晴れ、気温35℃。今日も相変わらずの猛暑日だけど、西日本では台風が猛威を振るっている。昼間の上司との面談で言われた言葉がずっと心に残って、1日中モヤモヤしたまま終わってしまった。いつもだったら素直に「分かりました」と言えるはずなのに、今日はそれが言えなかった。家に帰ってからもなんだか気がかりで、落ち着かない。そわそわする気持ちを抑えるために、ハーブティーなんか入れてみたけど、今日の私には効かないらしい。そんな時、引っ越し祝いにもらったお香があることを思い出した。まだ一度も使ったことがなかったけど、今こそ試すときじゃないのか……。さっそく、イライラや沈んだ心を鎮めてくれるというティーツリーの香りを焚いてみる。ゆらゆらと揺れる煙を眺めていると、頭の中のモヤモヤがほぐれていき、だんだん無に近い状態に。気づいたら、あっという間に10分が経っていた。「ああ、今日みたいな日もあるな」。あれだけ頭の中を支配していた気持ちが、煙と共にふわふわと消えていった感覚。部屋中に広がるふんわりとしたティーツリーの香りが、いい夢に導いてくれそうだ。■今回使用したアイテムhibi「hibi 10MINUTES AROMA 005 ティーツリー」8本入り/マット付き770円(文・写真:あっさん/マイナビウーマン編集部)
2023年08月11日「あ〜あ、マジで私って本当にしょうもない」仕事も恋も、人並みに頑張っているはずなのに、些細なことで簡単に傷つけられる私の自己肯定感。SNSを見ていると、私だけが周りと比べて劣っている気がする。土日に養った英気も、週の真ん中には枯れ果てて、いつか生きることすらも嫌になるんじゃないかなんて、不安に押しつぶされそうになりながら眠りにつく。それでも寝つけない長い夜に「自己肯定感低い」なんて、人には言いづらい検索ワードを検索窓に入れてみる。そんなこと、インターネットに聞いてみたって解決するわけない、そう思っていた。だけど、眠れないのをいいことに色々なページを見ていくうちに、あるワードにたどり着く。「セルフラブ」ができるようになると、自分自身を肯定的に捉え、ありのままを受け入れることができるようになるのだという。■「我慢ばっかしてた」私が出会ったセルフラブ色々調べてみたところ、セルフラブとは、その名の通り自分に愛を向けることなんだとか。日常的に「自分らしく生きられていない」「我慢が多い」と感じる人は、自分に対する愛が希薄になっている可能性があるらしい。たしかに、自分のことをどれくらい好きかと聞かれれば、不満もあるなと感じる。もっと痩せていればとか、もっと頭が良ければとか、周囲と比べてしまっては、ないものねだり。だけど社会に出れば、それなりに順応して生きていくしかない。我慢せずに生きることができる人なんて、一握りの人だけなんじゃないか。最初は、そう思ってしまった。「セルフラブ」の本質が分からなかった私は、とある人物に話を聞くことにした。セルフラブに関するセミナーやプロダクト開発を行う、クリエイティブデザイナーでセルフラブガイドのMutsumi Leeさん。彼女に話を聞いてみて、はじめて「自分を愛すること」がどういうことなのか分かった。『SELF LOVE CARD』開発者と考える「自分と世界の愛し方」今の自分が苦痛に感じることには、何かしらの原体験がある。私は何が嫌で、なぜそのことを嫌と思うのか。自分を深く知らなければ、自分を受け入れることもできないのだという。自分に問いかけを繰り返していくと、意外にも、自分のことを知ろうとしていなかったのは、他でもない自分自身なんだと知ることになる。セルフラブなんて考えたこともなく、なんとなく自分を否定し続けていた私。そんな私がセルフラブを始められたきっかけは、Lim Loveのプロダクトである「SELF LOVE CARD」との出会いだった。■セルフラブ習慣で、初めて知る今までの“偽りの自分”“世界から不必要な痛みをなくす”をコンセプトに設立されたLim Loveが作った「SELF LOVE CARD」には、自己肯定を促すきっかけを作る、50の質問が書かれている。カードの質問は、自分のパーソナリティを掘り下げるようなものが多い。幼少期や思春期に心に残っていることはどんなことか、最近悲しかったこと、人生でつらかったことは何かなど、人生を振り返るような内容も。説明書によれば、質問に対しては素直な気持ちで回答を考えるだけでいいという。善悪をジャッジする必要はなく、ただ自身がこれまで生きてきた中で培ってきた価値観を、見つめ直すだけでいい。まずは、1日1枚カードを引くことから始めた。最初は、カードに書かれている内容を重く受け止めてしまい、つらいと感じることもあった。「人にかけてほしいと感じる言葉を、自分にかけてあげられているか」。「育った環境は、自分を愛することにどんな影響を与えていると思うか」。自己否定と一緒に、蓋をして自分の奥底に閉まっておきたくなるような深い質問。SELF LOVE CARDを日常に取り入れてみるまで、自分の深いところに潜ることは、むしろ自分を傷つけるだけだと思っていた。自分のダメさを思い知ることになるだけだと……。けれど、1日1枚カードを引き続けるうちに、私の中にある感情が芽生えるようになっていった。自分の価値観や、これまでの人生と向き合ってみると、自分に対する捉え方が変わった。「なぜこうじゃないんだろう」という考えが少なくなっていき、「もともとこうだったのだから、しかたない」と考えられるようになったのだ。しかたないというのは、自分に対する諦めじゃない。「あ〜、私って、こういうの昔から嫌だったもんね」と、自分に対して客観的な視点が芽生えた感覚。SELF LOVE CARDを引き続けてみたら、質問に対して明確な経験やエピソードを引っ張り出せるようになっていった。最初はぼんやりとしていた答えが、何度か同じカードを引いて、同じ質問に対し考えを深めていくうちに、どんどんと鮮明になっていった。逆に、こんなに何度も真剣に問いかけないと、自分の本当の性質に気づけなかったことに驚きも感じた。そして、今まで私が自己否定していた自分は、よそ行きの自分だったことに気がついた。今までの私の価値観は「社会人なんだからちゃんとしなきゃ」とか「仕事なんだから我慢しなきゃ」とか、わがままな自分に言い聞かせてどうにか大人ぶってみせるようなものばかりだった。我慢してでもちゃんとして見せることができる自分が、自分なのだと思っていた。けれど、そうじゃない。本当は、我慢できない自分もいる。だから、涙があふれて止まらなくなる夜だってあったはずなのに。私は、そんな私の「本当の気持ち」を、ずっと無視し続けてきたのだ。■セルフラブは「頑張っている私」を認めてあげるための習慣SELF LOVE CARDを引くようになってから、私は少しだけ生きやすくなった。そりゃ生きていれば、嫌なことはあるし、我慢をすることもある。けれど「我慢している私って偉い」とは思わなくなった。急に涙があふれて止まらなくなることがあったあの頃は、なぜ自分がこんなにも苦しいのか分からなかった。だけど今は、その理由が分かる。だから、本当に苦しいことからは「逃げちゃえ!」と思える気楽さが生まれたし、我慢をする時はそんな自分を「おうおう、頑張ってるねえ」と客観視するようになった。社会人として生きていれば、面の皮を厚くして、本当に思っていることと違うことを言う時もある。だけど、そういう自分は「本当の自分」とは違う、社会人モードの自分なのだと割り切れるようになった。だから、仕事が終われば甘いものだって食べちゃうし、ベッドで動画を見て終わる休日もある。だってしょうがない、社会人モードの自分は、頑張っているんだから。自分に対して常に厳しく「ダメなやつめ」と責め立てることもなくなった。自分を受け入れて愛するということがどういうことなのか、言葉で説明するのは難しい。けれど、SELF LOVE CARDを生活に取り入れてみれば、人生に対する捉え方はきっと変わる。1日10分の瞑想ルーティン。今では、出張先にカードを持っていくほど大切な、私の習慣。(文:ミクニシオリ、写真:鈴木麻葉/マイナビウーマン編集部)◇Information「SELF LOVE CARD」自分との対話のきっかけ、セルフラブへのヒントや気づき、日々の自己肯定をうながす50の質問が書かれたおしゃれなカード。一人でふとした時に引いてみたり、友人やパートナーと引き合って楽しむこともできます。
2023年07月26日寝苦しい夜が多く、睡眠の質の低下など眠りにまつわる問題を抱えている人が増えているよう。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、良質な睡眠を妨げるNG習慣と対策を教えてくれます!最近、睡眠の質が落ちていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 223最近、よく眠れていますか?湿度が高かったり、汗でパジャマや枕がべとついたり、不快な夜は睡眠の質が低下してしまいますよね。除湿器をかけたり、エアコンの風向きを調整したり、タイマーをかけたり、空調設備の調節に苦戦しますよね。この時期は、エアコンの電気代よりも睡眠の質を下げない環境維持の方が価値が高いものとなるかもしれません。夏の疲れは、長期的に続き、だるさや風邪、秋の不調まで続いてしまうことがあるからです。そんな夏のダメージをいち早くリセットしてくれるのが、良質な睡眠です。ということで、睡眠の質が悪いのに寝る直前まで動画を見ていたり、寝酒をしたり、週末に寝だめをしたりと睡眠の質をさらに低下させるような行動をとっていたりしないか振り返ってみましょう。今週は、この時期の元気に欠かせない睡眠のリズムを整える食薬習慣を紹介します。今週は、睡眠のリズムを整える食薬習慣集中力が低下したり、昼食後猛烈に眠くなったり、横になりたいほどだるい日があったり、休日は昼まで起きることができなかったりすることはないでしょうか。思い当たる人は、もしかすると睡眠の質が低下しているかもしれません。暑いからとお風呂につからずにシャワーですませたり、食事をパンや麺、お惣菜などで簡単にすませたり、寝る前にアイスを食べたり、お風呂上りに冷たい水分をがぶ飲みしたりと間接的に睡眠の質を低下させる原因となる習慣が身についてしまっているかもしれません。思い当たる人は、注意しましょうね。漢方医学では、睡眠の質が低下しやすい人を栄養状態が悪い『心血虚』や『肝血虚』とよびます。暑さが厳しくなればなるほど、私たちは偏食になりやすく、栄養状態が悪くなりやすいので、暑い時ほど納豆や玉子、豆腐、枝豆、シーフードミックスなど手軽に糖質や脂質以外の栄養補給できる食材を常備しておきましょう。ということで、今週は『心血』や『肝血』などを補うことのできる食薬がおすすめです。今週食べるとよい食薬は、【梅干し納豆】。逆にNGな習慣は、『気血両虚』の原因となる可能性のある【寝る前のアイス】です。食薬ごはん【梅干し納豆】睡眠に必要なセロトニン、メラトニンの材料となるトリプトファンや記憶力を高めるレシチン、脳の血流を促すナットウキナーゼなどを含む納豆に疲労回復に役立つクエン酸やマグネシウムなどのミネラルを含む梅干しを組み合わせて睡眠サポートをしていきましょう。作り方は簡単!まぜるだけです。<材料>納豆1個梅干し1/2個(包丁でたたく)すりゴマ・あおさなど適量オリーブオイル・アマニ油など適量<作り方>材料を混ぜたら完成。NG行動【寝る前のアイス】まず、睡眠の質を高めるためには睡眠の2~3時間前に食事を済ませていることが推奨されています。さらに、胃腸を冷やすほど冷たく、血糖値を急上昇させてしまうような甘い食べ物は、睡眠の質を向上させたいときには避けるのが無難です。暑苦しくて、アイスが食べたいと気が向くままに行動してしまうと、結果的にカラダを疲れさせてしまう行動が習慣化されてしまうこともあるかもしれません。疲れたな、肌荒れしたな、やる気がでないな、頭痛がするな、むくんだなと様々な不調を感じた時には、やはり寝るのが一番のクスリとなりますよね。良質な睡眠がよいとわかってはいるけど、呼吸のように当たり前になりすぎて、その質を見直すタイミングが減ってしまっていることもあるのではないでしょうか。つらい夏ほど、睡眠の質を見直すことで不調を遠ざけていきたいですね。そのほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©ayakono/Gettyimages©Kathrin Ziegler/Gettyimages文・大久保愛
2023年07月21日取材・文:ミクニシオリ撮影・編集:鈴木麻葉/マイナビウーマン編集部昨今、さまざまな場面で耳にすることの多い「自己承認」という言葉。自分を承認するって、当たり前のことのように聞こえるけれど、肯定してあげたい気持ちとは裏腹に、色々なシーンで傷つけられていく私たちのココロ。自分くらいは、自分を肯定してあげたい。そんな気持ちはあっても、その余力が持てないほどに、日々の暮らしや周りの関係、他人からのちょっとした言葉に疲弊してしまいます。自分を愛すること……「セルフラブ」という文化は、日本ではまだ本質的に根づいているとは言いづらいかもしれません。そもそも、自分を愛するってどういうことなのでしょうか?些細なようで、人生そのものに関わるこの疑問に答えてくれたのは、セルフラブ・セクシャルウェルネスを学ぶプロダクト『SELF LOVE CARD』を開発するLimLoveのクリエイティブプロデューサーで、セルフラブガイドのMutsumi Leeさん。クリエイターとして、人生を賭してキャリアを築いていた彼女は、病的なワーカホリックや幼少期からのさまざまな経験から、自己統一を模索する中でセルフラブの重要さに気づいたのだと言います。セルフラブ……自分を愛することがなんなのかを聞いてうちに、自分にとっての「幸せ」がなんなのかも考えさせられます。セルフラブ=自己承認。社会に認められても、自分を否定し続けた過去――Mutsumiさんはなぜ、セルフラブに関心を持つようになったのですか?私はもともと、幼少期から自身に対しセルフラブできていなかったのですが、自分ではそのことに気がついていませんでした。クリエイターとしてキャリアをスタートさせ、40歳までは、仕事で認められることが私の目標でした。息をつく間もないほど働き、仕事や自己表現の分野で、やりたいことを全てやり尽くしたんです。働き始めた頃は、目標が更新されていくことが楽しかった。40歳ともなればキャリアとしてはもうベテランですし、会社もいくつか経営していましたが、その頃には何をやっても達成感が得られず、やりたいこともどんどん少なくなっていきました。――キャリアは充実していても、満たされている実感がなかったんですね。そもそも私は幼少期から生きにくさを抱えていましたし、だからこそ自身で選んで仕事をする環境を作っていきました。けれど蓋を開けてみれば、40歳を迎えた時の私は幸せではなかったんです。自分の存在価値を認めてもらうために、仕事をして社会的地位を獲得したのに、幸せにはなれなかったんです。がむしゃらに行動を続ける中で、とうとう身体も壊しました。そこで、自身を自己承認できない限り、この生きにくさはなくならないのだということに気がつきました。――自分を承認できないからこそ、社会や他人に承認を求めてしまう気持ちは分かる気がします。誰しもが承認欲求を持っているものですし、何かに承認されていないと存在価値を見出だせないのは人間の性です。しかし、いかに社会や周囲から承認されても「まだ足りない」と感じてしまうのは、私自身が私を承認していなかったから。40歳を迎えて、その事実を受け入れてみた時に、私はやっと自分との戦いから開放されたんです。周囲でも、自分自身を受け入れられないことが原因で悩みや生きにくさを抱える人が多くいました。私も、そのことに気がつくまでにとても長い時間をかけ、その間ずっと自分を傷つけ続けていました。セルフラブを仕事にしようと思ったのは、その気づきがきっかけでした。セルフラブの存在や自分の現状を、もっと自然に受け入れられるカルチャーを広めたい。そう思ったタイミングに、たまたま私はウェルネスのメッカでもあるロサンゼルスを拠点に活動していました。せっかくなら、セルフラブを広める活動をしたいと考え、LimLoveというチームを立ち上げることにしました。「なぜ自分が嫌い?」自己啓発の前に、自分を知る――LimLoveの活動についても教えてください。ウェルネス関係のイベントの企画プロデュースやセミナー活動、それに『SELF LOVE CARD』を始めとするプロダクトの開発などを行っています。ロサンゼルスで立ち上がったチームですが、現在は日本向けに活動を行っていて、去年は「SELF LOVE FES」をラフォーレ原宿とミヤシタパークで2回開催しました。――『SELF LOVE CARD』は、どのようなプロダクトなのでしょうか?カードには自身を見つめる質問が書いてあるので、ご自身のタイミングでそのカードを引き、質問と向き合います。質問が書いてあるけれど、目的は質問に対し「答えを出すこと」ではありません。普段は聞かれないような深い質問と向き合ってみると、答えは簡単に出ないと思います。けれど『SELF LOVE CARD』で自身に問いかけを続けていくと、自分自身を深く知るきっかけを得ることができるんです。カードを使うと、まずは自分がどれだけ、自分の気持ちを理解できていないのかを知ることになると思います。――私たちは、実は自分のことをよく知らない……そういうことなのでしょうか?私自身、自分が「なぜ」自己承認をできていないのか、本当に長い間気づけずにいました。自分を受け入れるためにまず必要なのは、本当の自分を知ることなんです。みなさん、悩みごとがあった時に「自己啓発」をしますよね。落ち込んだ時、理想の自分に近づくために新しい活動を始めようとする。でも、傷が回復していないうちに新しいことを初めて、より苦しくなってしまった経験がある人もいるのでないでしょうか。傷ついている今の自分を受け入れるために必要なのは、努力して新しいスキルを身につけることではないんです。自分が何を心地よく感じ、何に悲しみを覚えるのかを「自己潜水」を通して知ることなんです。――自信をつけようと自己啓発本を読んだのに、啓発をうまく活かせず「自分はダメだ」と余計に傷つく、というのはよくある話ですよね。「なぜそう感じるのか」を自分に問いかけていくと、トラウマのきっかけや幼少時の体験など、コンプレックスの根源に辿り着くはず。すると、今の自分が「なぜこんなに傷ついているのか」が分かります。悩みやすい物事には、昔傷ついた思い出があることが多いんです。私自身、そのことに気づいた時は本当にほっとしました。分からないのに悩んでいた時の方が、ずっとつらかった。自己嫌悪にも原因があることを知れたから、自身を受け入れることができたんです。――自分を愛することが、自分を深く知ることとつながっているとは思っていませんでした。セルフラブ、自分を愛そうって一言で言われても、どうしたら自分を愛せるのか分からない人がほとんどだと思います。セルフラブというからには、愛する対象が必要なんです。その対象は自分だし、そこには自分が嫌いだと感じる自分も、トラウマに苦しむ自分も含まれているんですよ。つらいことって色々あるけど、無視をされるのって苦しいじゃないですか。つらい経験をした自分を、自分自身が無視している。存在に気づいてもらえない「トラウマを持っている自分」は、とても悲しいと思いませんか?■自分を愛することで、相手も世界も愛せる――自身のトラウマと向き合うのはつらいことだし、自愛のためには、トラウマとは向き合わない方がいいと思っていました。トラウマに向き合い続けて、乗り越える必要はありませんよ。ただ、傷を隠していく限り、自己否定も終わりません。蓋をして隠してしまっている自分や、忘れてしまっていた自分に再会して「よくがんばったね。もう大丈夫だよ」と声をかけて包容する。このように、つらかった時の自分自身と再会して包容するというビジュアライゼーションを繰り返していくと、自分で自分を癒やせることが実感できると思います。だから、1日1枚の『SELF LOVE CARD』で、自身に潜水する癖づけをしてみてほしいんです。使い方はそれぞれの方法でいいのですが、セルフラブには自然に慣れていくのがいいと思います。自身と向き合えるルーティンが習慣になるプロダクトにしたくて、カードを作りました。スマホアプリにすることも考えたけれど、現代人って忙しいから、スマホやWEBを見ていると、心が休まりきらないでしょう?私も、メッセージが来ていたら返してしまうタチなんです。でも、カードを引く時はスマホからは離れている時なので、邪魔されずにゆっくり自分と向き合うことができます。――『現代人の「忙しさ」は、セルフラブとも関わりがあるのでしょうか?あると思いますよ。情報が多い分、若いみなさんも意識が高い人が多いと思います。だから、一生懸命考えて自己啓発をして、心を疲弊させてしまうんですよね。――私たちは、セルフラブのためにどんなことができるのでしょうか?30代って、とっても悩む年代だと思います。キャリアに結婚、出産、周りからあれこれ言われることも多いでしょう。両親やパートナーと話し合えば解決できることばかりじゃないと思います。自分を知らないと、人との関わり方も選択肢が少なくなっていくんですよ。だって、自分が捉えられる範囲でしか、相手のことも捉えられないのだから。自分の感度が広がると、世界が変わりますよ。相手への捉え方だって変わります。自分の世界は、自分の意識を変えるだけでいくらでも変わるんです。今の環境にある悩みの受け取り方も、感じ方次第で悩むことではなくなることもたくさんあります。自分らしくのびのびと生きたいと思うなら、社会や他人の価値観ではなく自分の目線で世界を捉えることが重要なんです。――自分の価値観を知ることが、セルフラブの第一歩ですね。まずは自分がどう世界を捉えたいのか、つまり自分の価値観を知って、そこから少しずつ広げていくことが大切だと思います。若いみなさんには、社会が作ったルールを世界そのものだと思わないでほしいんです。それは社会の価値観だから、あなたの価値観と違っても当たり前でしょう?社会の概念に忠実に生きなきゃと思ったから、私は生きにくかったんですよ。――人を自分と比べてしまうのは、自分が社会に合わせて生きようとしているからなんですね。周りと違うことは、最初は不安かもしれません。でも、自分にとって必要のないルールもあると思うんです。何が不要で、何が必要かを知るためには、自分を知らなきゃ。たくさん話してしまったけれど、セルフラブって「自分にとっての幸せが何か」を本質的に知ることなんですよ。それさえ分かれば、社会のルールも友人のマウンティングも、気にならなくなりますよ。今後は、みなさんがセルフラブを身近に感じられるような「体験」ができる場所も作っていくことも検討しています。興味があったら、ぜひLimLoveの発信を追いかけてみてください。――今まで漠然と悩んでいたことを、言語化していただいてほっとしました。貴重なお話をありがとうございました。こちらこそありがとう。みなさんも、自身の人生を楽しんで!
2023年07月20日ちょっとしたことでイライラしてしまう、最近特に怒りっぽいのは暑さのせい?中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、イライラしやすい人の特徴とNG習慣、対策を教えてくれます!最近、怒りっぽくなっていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 222暑い日が続きますが、頭までヒートアップしていませんか?朝イチのメール、急な頼まれごと、仕事終わりの疲れなどをきっかけとしてイライラし始めたらとまらない!ということはないでしょうか。イライラして怒っているときには、冷静な判断ができないことがありますよね。少し時間をおいて、冷静に考えるとそこまでイライラする問題ではなかったり、きつい言葉を発してしまったことに深く反省することもあるかもしれません。このイライラは、暑さが原因でしょうか。いいえ、それだけではありません。自律神経を乱してしまう、日ごろのあなたの行動も原因となっていることがあります。暑苦しく、面倒なことは後回しにして、その場しのぎで生きていたい気分になりますが、イライラが収まらない!という人は、一度日常生活の見直しをしてみるのもよいかもしれませんね。ということで、今週は、夏のイライラ対策となる食薬習慣を紹介します。今週は、夏のイライラ対策となる食薬習慣最近、イライラしやすいと感じることはないでしょうか。ちょっとした他人の言葉が記憶に残り、何度も思い出してはイライラして、ああ言い返せばよかったなどと頭の中をモクモクと怒りの感情が巡ることはないでしょうか。お天気では最近停滞前線が多いですが、それに伴い頭の中にも怒りの感情が停滞してしまうことがあるようです。低気圧の状況下では、自律神経が乱れやすいのですが、漢方では水分代謝の悪い『脾腎』の働きが弱い人、甘いものやパンなどを食べ過ぎ『痰湿』がたまっている人、栄養バランスが乱れている『気血両虚』の人は、特にイライラ、頭痛、めまい、むくみ、寝つきが悪い、胃もたれしやすい、PMSなどの不調を強く感じることがあります。イライラしているなと思い当たる人は、食事の内容、運動習慣、睡眠のパターンなどの見直しをしてみましょうね。と、言葉では簡単に改善策を話すことができますが、実際に行動することは至難の業かもしれません。暑苦しいなか、運動や睡眠の質を高めることは難しいと思うので、簡単にできる朝食に食べるとよい食薬を紹介したいと思います。『脾腎』の働きをサポートしながら『気血』を補う食薬です。今週食べるとよい食材は、【鯖のトマトスープ】。逆にNGな習慣は、『気血両虚』の原因となる可能性のある【朝のパン】です。食薬ごはん【鯖のトマトスープ】朝食は、暑苦しいと、パンや栄養ドリンク、コーヒーなどで終わらせることもあるかもしれません。ですが、それでは自律神経を整えるために必要な『気血』の摂取が不十分です。そんなときには、鯖缶のストックをしているととっても便利。心とカラダに必要なタンパク質、ビタミンB群、ミネラル、オメガ3脂肪酸など穏やかで元気に過ごすために必要な栄養を手っ取り早くとることができます。また、トマトのリコピンと合わせることで、1日のストレスや紫外線で発生する活性酸素の対策をすることができます。<材料>鯖の水煮缶1個トマトジュース200ml味噌小さじ1<あれば>玉ねぎ1/2個(みじん切り)トマト1個(さいの目)<作り方>材料を煮込んだら完成。あっというまです。NG行動【朝のパン】朝のタイミングは、タンパク質と食物繊維、抗酸化物質の摂取が、心の安定、睡眠の質の安定、筋肉の構築、整腸作用、ストレス対策などによいと考えられています。そのため、朝にパンを食べる習慣がある人は注意が必要です。朝にパンを食べると多くの場合には、和食と比較するとタンパク質、食物繊維の量が減る傾向があるからです。毎日、パンにコーヒーという朝食が定番となっている人は注意しましょう。イライラするのは夏だから、暑苦しくて睡眠不足だからと何かのせいにすることもありますが、イライラして一時の感情にまかせて人に強い言葉を投げてしまうと、傷つくのは後の自分かもしれません。心の状態も栄養状態で変わることがあります。心とカラダの平穏のために食薬をとりいれてみてはいかがでしょうか。そのほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©yopinco/Gettyimages©Anna Efetova/Gettyimages文・大久保愛
2023年07月14日最近の暑さで心身がバテて、パフォーマンスの低下からストレスが溜まり、甘いものやお酒で発散していませんか。そんな人は肌トラブルが生じやすくなっているかもしれません。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、肌荒れするNG習慣と対策を教えてくれます!最近、肌の調子が悪くありませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 2217月に入りましたが、あつい、眠い、だるいの三拍子がそろい、もう溶けてしまいたい気持ちになることはないでしょうか。とりあえず、少し横になって動画など観て休んでから仕事をしようと、やるべきことを後回しにしたり、毎日のルーティンもいつも以上に時間がかかってしまう日ってありますよね。心とカラダがバテていると何をするにも億劫になり、タイムパフォーマンスが悪くなってしまいます。そんな毎日では、ストレスがたまり、自然と何かで発散しようとすることもあるかもしれません。最近、甘いものを食べる頻度はあがっていないでしょうか?甘いものは、食べた瞬間から幸せになり、ストレスも和らぎますよね。ですが、それを継続しているとメンタルは逆に不安定になり、甘いものの食べ過ぎは、ニキビやかゆみなどの肌トラブルを悪化させてしまうことがあります。そこで、今週はニキビやかゆみなどの肌トラブルの対策となる食薬習慣を紹介していきます。今週は、ニキビやかゆみなどの肌トラブルの対策となる食薬習慣蒸し暑い日が続くと、汗や皮脂の分泌が増えたり、紫外線の刺激を受けることにより、ニキビやあせも、汗荒れ、日焼け、シミ、シワ、かゆみ、赤みなどの肌トラブルが増えていきますよね。この時期、紫外線対策やそれに伴う洗顔、保湿ケア、冷房による乾燥対策なども肌トラブルの対策として必須となりますが、内側からのケアも美肌を保つためには最も重要と考えられる時期となります。日々の蒸し暑さやだるさなど夏バテにより、生活の質が落ちたり、仕事の効率が落ちることでストレスが増え、甘いものやお酒など、瞬時にリラックスできる食に走ってはいないでしょうか。食べ物の内容も美肌の維持には欠かせないものです。最近、ニキビや肌のかゆみ、赤ら顔などで悩むことはないでしょうか。漢方では、ニキビやかゆみ、赤ら顔などの肌トラブルがある状態を『湿熱』『血熱』など慢性炎症を表す言葉で表現します。そこで、肌トラブルを感じたときには、炎症の原因となる腸内環境を整えたり、抗炎症作用のあるものをとることで、『清熱』していきます。そこで今週食べるとよい食薬は、【モロヘイヤとオクラのお浸し】です。逆にNGな習慣は、『湿熱』『欠熱』の原因となる可能性のある【グミの食べ過ぎ】です。食薬ごはん【モロヘイヤとオクラのお浸し】モロヘイヤには、紫外線によるシミやシワの対策となる抗酸化作用の高いβカロテンやビタミンC、代謝に関わるビタミンB群も豊富です。とくにβカロテンは乾燥肌に、ビタミンCはコラーゲンの生成に、ビタミンB群は肌荒れやニキビを防止のために役立ちます。 腸内環境を整えるオクラと一緒に合わせて、美肌を保ちましょう。<材料>モロヘイヤ1束(固いところを除き3㎝切る)オクラ5個(一口大)お酢・醤油各大さじ1<作り方>モロヘイヤとオクラをレンジ(600w)で1分、それをお酢と醤油であえて完成。NG行動【グミの食べ過ぎ】ストレスがたまった時には、頻繁に甘いものを食べたくなることもあるかもしれません。最近では、固めのものを咀嚼することでストレスの緩和につながったり、ビタミンCや乳酸菌、コラーゲンなどを含むものもあり、いろんな種類のグミを食べ比べたくなりますよね。ですが、そんなグミも美味しいからこそ、一度開けたら一袋食べきってしまったり、作業をしながら常に食べてしまったりと食べ過ぎてしまっては注意が必要になります。糖質過多になったり、腸内環境を乱す原因となってしまうことで、炎症体質となりニキビやかゆみなどの肌トラブルを感じることがあるからです。食べ過ぎに注意することで、癒しのアイテムとなるように距離感を保ちましょう。夏は、紫外線や汗、冷房の刺激などで、肌トラブルが起こりやすいときでもあります。外的ダメージが増える時期には、内側からのダメージを極力へらしていきたいですね。そのほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方がぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©ayakono/Gettyimages©momentimages/Gettyimages文・大久保愛
2023年07月07日高温多湿、気圧の変化などで自律神経が乱れ、早くも夏バテを感じていませんか。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、バテやすいNG習慣と対策を教えてくれます!最近、バテていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 220今年の夏は、各地で数年ぶりの花火大会やお祭り、フェスなどさまざまなイベントが再開し、心待ちにしている人も多いのではないでしょうか。そして、徐々に蒸し暑さが定着してくる今日この頃、ジトっとした肌感にも慣れてきた頃だと思います。それに伴い、ジワジワと気力の低下、だるさ、日中の眠気など夏バテの始まりを感じることもあるかもしれません。楽しいことが多い一方で、不調の原因となる環境要因が非常に多いのも夏の特徴です。みなさん、早々とバテはじめてはいないでしょうか。高温多湿に低気圧、うっとうしい雨、強い紫外線に負けていては、せっかくの夏の時間がもったいないです。心とカラダの基礎は日々の生活習慣の積み重ねによって構築されます。ということで、今週は少しでも快適な夏を過ごすことができるよう食薬習慣を紹介していきます。今週は、夏バテに悩まないようにする食薬習慣今年も半年が早くも過ぎようとしています。上半期、充実した時間を過ごすことができましたか?そして、下半期も充実した毎日を過ごすことができるように健康管理はしっかりとしていきたいですよね。心とカラダが元気であるということは、やりたいこと、目標、計画などをワクワクしながら考えることができ、考えたことを効率よくアクティブに行動し、実現していく力があるということです。元気は、失いたくないですよね。ということで、まずは夏バテに悩まないようにすることが、今できることではないでしょうか。7月は、紫外線、冷房、湿度、低気圧などの環境要因により、自律神経が乱されやすい時期でもあるため、いつもなら問題なくこなしていたタスクやストレスに対する耐久性が低下しやすい時期です。なので、余裕をもった行動や丁寧な生活が必要となります。暑いからと適当にそうめんや総菜パン、栄養ドリンクなどで食事をすます毎日を過ごしてしまっていては、近い将来弱いカラダになってしまうかもしれませんよ。漢方では、夏バテしやすい状態を『気血両虚』と考えます。日頃から、タンパク質やミネラル、ビタミンなどの『気血』を補う食材を取り入れておくことが対策になります。ということで、今週は『気血』を補う、胃腸が弱っているときにでも食べることのできるスープを紹介します。食べるといい食薬は、【ピーマンと手羽元の鶏白湯】です。そして、今週のNG行動は、【そうめん・冷やし中華の常食】です。食薬ごはん【ピーマンと手羽元の鶏白湯】骨付きの手羽元、手羽先などのお肉は、栄養満点のお出汁がでます。バテてきたと感じるときのスープやお鍋には、骨付きの鶏肉を使って、低分子化されたコラーゲンやミネラルなどで『気血』を補いましょう。また、ピーマンを入れることで、βカロテンやビタミンCなど抗酸化ビタミンを摂取することができます。紫外線量が増えるこれからの時期は、小まめに抗酸化物質の摂取を行い、紫外線疲労や光老化対策も常に意識していきたいですね。<材料>2人前手羽元5~10本生姜1片(千切り)ピーマン4つ(半分に切る)水500ml醤油大さじ1みりん小さじ2<作り方>中弱火で30分以上煮込んだら完成。NG行動【そうめんや冷やし中華の常食】暑苦しくなると、のど越しのよい食べ物が欲しくなりますよね。ちゅるんと食べられるそうめんや冷やし中華は、夏の風物詩ともいえるメニューです。暑い夏の間、氷の入った麺つゆでいただく麺類は涼しげな時間を作ってくれますよね。ただ、麺類は嗜好品の一つと考え、常食として定着させないように気を付ける必要があります。夏は、汗をかいてミネラルを消耗し、食材が傷みやすい時期のためインスタントや総菜が増えたり、簡単な食事で済ませようとしてしまう時期と考えることもできます。カラダの元気の源であるタンパク質やミネラル、ビタミンなどが不足し、夏バテを加速させてしまわないように、バランスの取れた和定食のような食事を目指しましょう。夏は、まだ始まったばかりです。コロナで中止していた夏のイベントも数年ぶりに開催したりと、今年の夏はアクティブに楽しみたいと考えている人も多いと思います。夏バテに悩まないように、早期に解消するように、食薬を活用してケアしていきましょう。そのほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©tora-nosuke/Gettyimages©Giselleflissak/Gettyimages文・大久保愛
2023年06月30日気温や気圧の変化が激しく自律神経が乱れやすい今の時期、いつにも増して月経前の不調(PMS)を強く感じていませんか。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、PMSが酷くなりやすいNG習慣と対策を教えてくれます!最近、月経前の不調(PMS)が酷くなっていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 219大きな雨粒が冷たく感じることもありますが、季節は夏のスタートである夏至を迎え、本格的な夏への扉を開けました。低気圧に高温多湿、室内の冷房、紫外線の強さに私たちのカラダは、てんやわんやしてしまいますよね。ジトっとしたべたつく汗は、蒸発しづらく体温調節に苦戦し、自律神経を乱してしまうこともあると思います。特に女性の場合には、月経前のほてり、のぼせ、寝汗、過食などで熱症状や爆発的な感情の波を感じることもあります。また、普段運動していない人の汗は、よりべとつきやすく、汗臭さが、ひときわ増してしまいます。爽やかな汗をかいで、余分な熱がカラダにこもらないようにするためには、自律神経を乱さないようにする食事や睡眠習慣、さらっとした汗をかくための運動習慣も大切です。ということで、今週は月経前の不調に対抗する食薬習慣を紹介していきます。今週は、月経前の不調に対抗する食薬習慣春分・夏至・秋分・冬至と四季の切り替わりとなる日には、その季節の気候特性をはっきりと感じるようになります。それとともに、今年も半分以上過ぎてしまったんだなと時間の過ぎるスピードに驚いてしまいますよね。そして、月に1度やってくるのが、月経です。何も不調がないという方もいらっしゃいますが、PMSや月経痛、排卵痛などに当たり前のように悩まされている人は多いようです。とくにこの時期、月経前の不調を強く感じることはないでしょうか。体温調節のためにかいている汗はうまく蒸発できず、水分やミネラルの補充は間に合わず、寝苦しくて睡眠不足になり、低気圧で頭痛やむくみにイライラし、強い紫外線で活性酸素は増え…自律神経やホルモンバランスは乱れてしまいます。そのため、カラダに熱がこもりやすくなり、月経前には微熱がでたり、のぼせたり、手足が暑くて眠れなくなったり、過食になったり、猛烈にイライラしたり、落ち込んだりと不調が増えてしまうかもしれません。漢方医学では、この状態を『肝胆湿熱』、『陰虚火旺』などと表現します。そこで今週は、カラダを潤し余分な熱を冷ますように『補陰』をして、『清熱』する食薬習慣を取り入れていきます。食べるといい食薬は、【ササミのバンバンジー】です。そして、今週のNG行動は、【総菜パン】を食べることです。食薬ごはん【ササミのバンバンジー】バンバンジーといえば、清熱作用のあるキュウリ、カラダを潤すゴマをふんだんに使う料理です。また、PMSを感じやすい人は、糖質を好んで食べ、タンパク質が不足しているケースもあるため、高タンパク食材の代表ササミを使います。体調がすぐれないPMSの時期でも、ポリ袋を使ってすぐに完成する手抜きレシピです。<材料>ササミ2本味噌・みりん・酒各大さじ1すりゴマ大さじ2きゅうり1本(細切り)<作り方>ササミと調味料、ゴマを耐熱ポリ袋に入れレンチン。ササミ2本なら500Wで2分目安です。袋の上から手で調味料を和えながらササミをほぐす。きゅうりの上にササミをのせ、ゴマをまぶしたら完成。NG行動【総菜パン】まず、総菜パンは栄養価的に食事の代わりにはなりません。焼きそばパン、コロッケパン、カレーパンなどの総菜パンは満足感もあり美味しいですが、タンパク質や食物繊維、ビタミン、ミネラルは少なく、糖質や脂質ばかり摂取してしまうことになります。自律神経やホルモンバランスを整えたいときには、なるべく定食スタイルの食事を選び、バランスよく栄養をとっていきましょう。毎月PMSに心とカラダを乱されていては、時間がもったいないですよね。心とカラダを整える習慣は、月経前だけではなく、日ごろから行い、カラダの土台作りをしていきましょう。ほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©ayakono/Gettyimages©Catherine Delahaye/Gettyimages文・大久保愛
2023年06月23日不規則な生活や気圧の変化などで自律神経が乱れ、特に月経前などに肌トラブルを起こしがちな人が増えているよう。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、ニキビなどの肌荒れしやすいNG行動と対策を教えてくれます!最近、ニキビなどの肌トラブルに悩んでいませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 218朝起きて鏡を見たときにニキビがある、赤みがあるなど肌トラブルを発見してしまったときには、朝から気分がブルーになってしまいますよね。人に会うのが嫌になったり、外出する気がなくなってしまったり、一日の気分にも影響してしまうこともあると思います。また、自律神経が乱れやすい低気圧がやってくる高温多湿のこの時期には、ストレスに敏感になる、だるさを感じやすいなどに加え、ホルモンバランランスも連動して乱れてしまうことがあります。ホルモンバランスの乱れは、月経前のニキビの原因になってしまうことも。また、糖質、脂質の多い食事をとる習慣などがあったり、寝不足、ストレスが多い人は、当たり前の話になりますが、肌トラブルになやまされやすくなります。とくに高温多湿で肌がベトつき皮脂分泌も増えるこの時期、月経前にできやすいフェイスラインのニキビ対策となる食薬習慣を紹介していきます。今週は、月経前の肌トラブルの対策となる食薬習慣じんわりと汗をかくようになりましたね。皮脂分泌も増え、毛穴が詰まりやすくなる今日この頃ですが、紫外線量も増え、角栓ができ、毛穴が黒ずみやすくなりますよね。さらに、低気圧やエアコンなどの影響から自律神経が乱れやすい時期とも言えます。そうすると、睡眠の質が低下したり、過食になりやすくなったり、ストレスに弱くなったりとお肌にとってダメージを与える要素がてんこ盛りになります。また、自律神経が乱れるとホルモン分泌も乱れやすく、月経前のにきび、過食、イライラ、気分の落ち込みなどに悩まされることも増えてしまいます。この状況を漢方医学では、『肝気鬱結』、『湿熱』がたまっている状態と考えます。そこで、自律神経を整えるために『気滞』を解消し、腸内環境を整え、抗酸化を行うために『清熱』し『湿熱』を除去することを考えます。ということで食べるといい食薬は、【アボカドとトマトのサラダ】です。そして、今週のNG行動は、常習的な【パスタランチ】です。食薬ごはん【アボカドとトマトのサラダ】味付けを粒マスタードとお酢で整えるので、香り高いイソチオシアネートやクエン酸などの酸味によって「気滞」の改善を促します。また、アボカドやトマトなど抗酸化作用の高い野菜を使うことで、「清熱」や「湿熱」の除去を行います。粒マスタードは常備していない家庭も多いですが、夏野菜のサラダやソテーにスプーン1杯くらい加えると味が締まり、さっぱりとして、機能性も高まるのでおすすめ調味料の一つです。<材料>酢・オリーブオイル・粒マスタード各大さじ1アボカド1/2個(一口大)レタス4枚(ちぎる)トマト2個塩お好みで<作り方>材料をまぜたら完成です。スライスマッシュルームやパプリカ、砕いたナッツなどを入れてもよいです。NG行動【パスタランチ】麺類は、たまには良いのですが、常習的になっていたら注意です。パスタランチを想像してみてください。野菜などの食物繊維、お肉や魚介類などのタンパク質が具材として含まれていたとしても、圧倒的に糖質の量が多くはないでしょうか。また、一般的なパスタは油と一緒に和えられていることが多く、糖質や脂質のとりすぎとなってしまい、栄養バランスが乱れやすいメニューの一つとも考えることができます。皮脂分泌が多く肌がベトベトしているとき、ニキビができているとき、便秘がちなときには、和食を中心とするようにしていきましょう。カラダの状態が反映されるのが、お肌です。毎月、ニキビで悩んでいる方は、肌トラブルだけに注目するのではなく、カラダ全体を整えるようにケアしてみてはいかがでしょうか。ほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方がぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information<筆者情報>大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©toofuneko/Gettyimages©PeopleImages/Gettyimages文・大久保愛
2023年06月16日関東甲信地方も梅雨入りとなり、心身の不調に悩む人が増えているよう。なかでも今回は便秘をクローズアップ。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、便秘になりやすいNG行動と対策を教えてくれます!最近、便秘に悩んでいませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 217今年も本格的にジメジメしはじめましたね。空模様がどんよりしていると、気分もどんよりしてきます。そして、低気圧が頻繁にやってくると、その都度自律神経は乱され、胃腸の不調やむくみ、頭痛、耳鳴り、やる気の低下などなんとなく感じる不調が増え始めます。心もカラダもスッキリしない毎日が続くと簡単にできるストレス発散法に手を出し始めます。例えば、甘いものを食べる、お酒を飲みすぎる、動画を長時間観る、夜更かしをするなど、思い当たることはないでしょうか。本来、ストレスがある、だるいなど不調を感じるときには、食事の内容に気をつけ、しっかり睡眠をとることがベストとされています。ですが、実際不調を感じるときには、思ったように行動できないものです。スッキリしない毎日から抜け出すためにとった行動の結果として悪化するもののひとつが便秘です。便秘で悩んでいる方は、最近の自分の行動パターンを見直してみましょうね。また、便秘が続くと免疫が低下したり、肌荒れしたり、メンタルが不安定になったり、太りやすくなったりと良いことはありません。そこで、今週は便秘の対策となる食薬習慣を紹介していきます。今週は、便秘の対策となる食薬習慣最近、すっきり便はでていますか?コロコロしていて固かったり、黒っぽかったり、ベトリと便器についたり、ニオイがきつくなったり、残便感を感じたり、お腹がはったり…と便通があったとしてもすっきりしないときには腸内で悪玉菌が増えてしまっているかもしれません。漢方医学では、腸の働きが悪いことを『脾気虚』とよび、便が固い状態を『陰血不足』、粘性が強く黒っぽくニオイが強い状態を『湿熱』がたまっている状態、ストレスで便通が悪い時を『気滞』と考えます。便秘には、まだまだいろいろな分類が存在しますが、この時期多いのは、季節特有の高温多湿、低気圧によって自律神経が乱され、胃腸の働きが低下する『脾気虚』や食習慣の乱れや運動不足、夜更かしなどによって生じる『湿熱』の蓄積だと考えられます。そこで、今週は『脾』を整え、『湿熱』を取り除き、腸の働きを促す食薬がおすすめです。今週食べるとよい食薬は、【めかぶとトマトの和え物】です。そして、今週のNG行動は、【お肉の食べ過ぎ】です。食薬ごはん【めかぶとトマトの和え物】水溶性食物繊維の多いめかぶと不溶性食物繊維の多い切り干し大根をつかった腸活レシピ。さらに抗酸化作用の高いトマトとレモンで味を整えることで『湿熱』の除去にも役立ちます。乾物は、水でふやかして使うイメージがありますが、調味料の水分でふやかしてしまえば、手間もなく栄養素も水に流れず作れます。<材料>めかぶ1パックトマト2個(さいのめ)切り干し大根2つまみレモン汁小さじ2醤油小さじ1<作り方>ポリ袋に材料を入れ30分くらいおいたら完成。NG行動【肉の食べ過ぎ】ダイエットとして高たんぱく、低脂質、低糖質を掲げ、野菜や海藻などを食べずに肉ばかり食べる人も多いようです。その影響からか逆にダイエットの大敵となる便秘を強く感じたり、下腹部が張ってしまい、老廃物をため込んでいるケースもあるようです。お肉は、腸内で悪玉菌の増殖を促し、便秘の改善を妨げてしまうこともあります。お肉をたくさん食べるときには、一緒に野菜や海藻、キノコ類、発酵食品などもとりいれ、腸内環境を乱さないように気をつけましょう。また、逆に脂質の多いお肉を食べすぎた時には、お腹を下してしまうこともあるかもしれません。どちらにせよ、お肉の質や量は腸内環境に影響を与えるものとなるので、お腹と相談しながらタンパク質摂取を行っていきましょう。食物繊維が多い食材は、腸活にもなりますが、同時に血糖値の急上昇を抑えるためにも役立ち、一石二鳥です。食後の眠気がきつい人、太りやすい人、生活習慣病が気になる人は、食事の初めに今回ご紹介した小鉢を食べ、血糖の急上昇をおさえることで、不調の緩和にも役立ててみてはいかがでしょうか。ほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方がぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©hisa nishiya/Gettyimages©Westend61/Gettyimages文・大久保愛
2023年06月09日雨の多い時期となり、気圧の影響からか何をするにも腰が重くなっていませんか。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生によれば、特に食生活がおろそかになると、体臭に変化が出るそう。愛先生がカラダのニオイがキツくなるNG行動と対策を教えてくれます!最近、カラダのニオイが気になりませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 2166月がはじまりましたが、早々に台風や梅雨前線が日本列島を覆い、雨雲に悩まされる地域も多くなりました。今後、徐々に梅雨入りする地域は増え続け、高温多湿・低気圧の環境に自律神経を乱されるタイミングが増えていていくことが予想されます。そうすると、私たちの行動変化として目先の面倒なことを避ける傾向になり、食事をインスタント食品や菓子パン、総菜パンなど加工食品で済ませてしまったりすることもあるかもしれません。さらに、人工的な味付けや糖質や脂質の多いものは依存性を生じるものが多く、夏に向けて偏食が進んでしまうこともあるかもしれません。その結果として、洗濯物が生乾きになりニオイが気になるシーズンではありますが、カラダからも気になるニオイを発生してしまうことになるかもしれません。そして、近年食生活の乱れによって、若年性加齢臭を発する人も増えているようです。そこで、今週はニオイが気になる梅雨時の体臭対策となる食薬習慣を紹介していきます。今週は、体臭対策となる食薬習慣梅雨入りを迎える地域は増えてきていますが、梅雨といえば気になるのはニオイではないでしょうか。特に洗濯物は、乾くまで時間がかかるようになり、その間に雑菌が増殖し、特有のニオイを発生させます。同様に頭皮や髪の毛も悪臭を発するポイントとなってしまいます。さらに、このジメジメとした気候が作り出すのが体臭です。高温多湿の季節になると、足のはやい食材はすぐに傷んでしまうので、野菜の買い控えをする人も増えてきます。また、低気圧により自律神経を乱している人は、目先のことが面倒になり、レトルトやインスタント食品など手軽なものばかりを利用する機会が増えてくることが予想されます。その結果、偏食となり腸内環境も乱れ、漢方医学で考える『痰湿・湿熱』がたまり、皮脂の分泌が増えて酸化し、ぺラルゴン酸という加齢臭のようなニオイを発する物質が生じてしまうことがあります。そこで今週は『痰湿・湿熱』を取り除く食薬がおすすめです。今週食べるとよい食薬は、【セロリとパプリカのピクルス】です。そして、今週は取り入れるより、控える食材に注目することが大切です。今週のNG行動は、忙しいときの【カップラーメンや総菜パン】です。食薬ごはん【セロリとパプリカのピクルス】抗酸化作用の高い野菜とお酢の組み合わせで『痰湿・湿熱』を除去してくれます。また、抗酸化ビタミンであるβカロテンは、油と一緒にとると吸収が高まるので、ピクルス液にオリーブオイルやアマニ油などを加えるとさらによいのでおすすめです。<材料>パプリカ半分(一口大)セロリ1/2本(一口大)酢・みりん各大さじ2オリーブオイルお好みで<作り方>ポリ袋に材料を入れ30分くらいおいたら完成。NG行動【カップラーメンや総菜パン】体臭は、食事だけの影響ではありませんが、無関係ということもありません。そのため、体臭が気になるときには、食事の見直しを行うことも体臭対策となります。特に飽和脂肪酸や糖質を多く含む食事は、過剰に皮脂分泌を増やし、ニオイの原因となることがあるので注意が必要。面倒だから、忙しいからという理由でカップラーメンや総菜パンなどに頼るのは控え、コンビニでランチを購入するときにも、おにぎり、味噌汁、焼き魚、サラダなど単品で購入し、極力バランスをとるようにするのがベターです。梅雨時になると、毎年洗濯物、髪の毛、体臭、口臭とニオイ問題が悩みの種として話題になります。香水や制汗スプレーなどでの対処もよいですが、カラダの中からニオイを発する原因を取り除くために食事の内容に気を遣うことも大切です。体臭が気になるなという人は、食事の見直しも体臭ケアの一つとして組み込んでみてはいかがでしょうか。ほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©SENRYU/Gettyimages©Catherine Delahaye/Gettyimages文・大久保愛
2023年06月02日ディスカヴァー・トゥエンティワンは5月26日、『「誰かのため」に生きすぎない』を刊行しました。同書の著者は、「世界一受けたい授業」などテレビ番組にも多数出演している人気精神科医・藤野智哉さん。Twitterでは、精神科医としてのアドバイスに加えて、自分自身を大切にするためのメッセージを発信し、フォロワーは7万人にものぼります。藤野さんがこんな発信を続ける背景には、幼いころ、川崎病という病気の後遺症が原因で、大きくなるまで生きられるかどうかわからないと言われたという経験があります。運動もできず、あきらめなければいけないこともたくさんあったそうです。今も薬を飲み続けなければならず、制限される部分も大きいです。しかし、この「人より人生が短いかもしれない」と切実に感じた経験が、自分を大切にしてやりたいことをやることの重要性を感じることにつながったとも言えます。つらさ、しんどさがたまってしまうと、うつなどの「心の病気」になってしまう人もいます。そうなる前にラクになってほしい、持ち直してほしいとの考えから、SNSで発信したり、本を執筆したりしています。同書では、一生懸命だったり、優しいあまりに頑張りすぎてしまう人が、適切に休んだり甘えたりすることができるよう、疲れてしんどい心にしみ込む、ゆるっと優しい言葉たちと精神科医の知見を贈ります。自分をいたわり、大切にするためのメッセージとともに、ちょっとしたワークも収録。書籍に書き込みながら、自分自身に目を向ける練習をしましょう。すでにさまざまな人より好評を得ており、発売前に重版が決定している、話題の書籍です。仕事でも家庭でもついがんばりすぎてしまう人、人間関係で「誰か」の決めた価値観やルールに合わせすぎたり、振り回されてしまいがちな人が、立ち止まって、少しだけ自分をねぎらう、自分をケアする、自分を大切にするきっかけになる1冊。「しんどい」「もうイヤ」と感じたときに、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。◇【目次】1章まずは「お休みする」だけでいい2章もっと自分のことを気にしてあげよう3章あなたの体の声が教えてくれること4章無理せずがんばりすぎない人間関係のヒント5章うかつに幸せになってもいいんじゃないかな◇早期購入特典あり!同書を5月31日までに予約・購入した人限定で、著者による限定メッセージ動画を配信します。「しんどいときは、まず休む」ことの大切さや、藤野先生自身が「明日はちょっと休もう」と気づくとき、藤野先生が普段の人間関係で大切にしていることなど、藤野先生自身の自分を大切にして力を抜くコツについて話しています。詳細は以下を確認してください。■書誌概要『「誰かのため」に生きすぎない』発売日:2023年5月26日刊行:ディスカヴァー・トゥエンティワン仕様:四六判/240ページISBN:978-4-7993-2951-1定価:1,650円【同書の購入はこちら】<紙書籍>Amazon:楽天ブックス:<電子書籍>Kindle:楽天Kobo:(エボル)
2023年06月01日私たちは日々の中で、様々なストレスにさらされていることが多いです。そして、ストレスを我慢しすぎた結果、体調を崩してしまうことも…。我慢をしすぎているとき、体からは色々なサインが出ています。今回は、体調を崩してしまう前に自分で気付くべき3つのサインと、自分でできる対処法についてお話しします。注意すべき3つのサインとは?我慢のしすぎで体調を崩す前には、自分自身から色々なサインが発せられています。「心のサイン」「体のサイン」「行動のサイン」に注目して、ストレスが溜まっていることに早く気付くことが大切。それぞれ詳しく見ていきましょう。心のサイン1.イライラが続く我慢のしすぎでストレスが溜まってくると、些細なことでイライラしやすくなります。特にイライラが続くときは、高いストレス状態が続いていることを示しています。2.不安感や恐怖感が強まるストレスが蓄積すると、不安感や恐怖感が強まることがあります。これは、心のバランスが崩れていることを示唆しているでしょう。3.悲観的な考えが増えるストレスによって、ネガティブな考えや悲観的な考えが増えることがあります。特に、ネガティブ思考を頭の中で何度も繰り返してしまう「反芻(はんすう)思考」の状態に陥ると、抑うつ状態が悪化しやすくなると考えられます。気付いたら同じ悩みについて、何度も繰り返し考えてしまっているような場合は要注意。また、自分に自信が持てなくなるなど、ポジティブな考えが減っている場合も注意が必要です。体のサイン1.頭痛や肩こりが続くストレスが溜まると、筋肉が緊張しやすくなり、頭痛や肩こりが続くことがあります。2.胃腸の調子が悪くなるストレスが原因で胃腸の働きが悪くなり、胃痛や食欲不振、便秘や下痢などの症状として現れることがあります。3.睡眠障害ストレスが溜まると、寝つきが悪くなる、途中で目が覚める、疲れが取れないなどの睡眠障害が起こることがあります。反対に、いくら寝てもすっきりしない、眠気がとれないといった「過眠」の症状が出る場合もあるでしょう。行動のサイン1.人間関係のトラブルが増えるストレスが溜まると、人とのコミュニケーションがうまくいかなくなり、人間関係のトラブルが増えることがあります。2.仕事や学業のパフォーマンスが低下するストレスが溜まっていると、集中力が低下しやすくなります。考えがまとまりづらくなったり、気付いたらぼーっとしてしまったりして、仕事や学業のパフォーマンスが低下することも。また、思うように活動できない自分を過剰に責めてしまう症状がでることもあります。3.過食や過活動状態になっているストレスが溜まると、過食症状が現れることがあります。また、ストレスで抑うつ状態になる人もいれば、躁状態になる人も。躁状態になると、たとえば眠気を感じなくなって夜中にランニングをし始めるなど、疲れを感じず異常に活発になったり、次々に思考が頭に浮かんでどんどん行動したくなったり……といった症状が現れます。それにもかかわらず、「自分は絶好調だ」と捉えてしまい、心身の不調を認識しにくい場合があります。体調を崩す前にできること心と体、行動のサインを意識しつつ、実際に体調を崩してしまわないように、食事・睡眠・ストレスケアを行っていきましょう。1.食事バランスの良い食事を心がけて、体に必要な栄養を摂取し、ストレスに対抗できる力をつけましょう。【食事のポイント】・シリアルやパン、おにぎりといった手軽な糖質で食事を済ませていると、タンパク質やビタミン、ミネラルといった栄養素が欠乏し、体調もメンタルも悪化しやすくなるので注意する・主菜の他に、副菜やサラダなどを一緒に摂るようにする。外食なら定食メニューにするなどして、タンパク質、ミネラル、ビタミンをしっかり摂る【メンタル安定のために大切な栄養素】・ビタミンB3(ナイアシン)…不安、不眠、緊張、注意力低下といった症状の軽減が期待できる・カルシウム、マグネシウム…メンタルの安定と筋肉の正常な働きに重要・ビタミンB6、葉酸…メンタルを安定させるセロトニンを体内で合成する(※1)2.睡眠睡眠不足が続くとストレスホルモンが上昇し、メンタル状態の悪化を起こしやすくなります。良質な睡眠を確保することで、心身をリフレッシュさせ、ストレスの蓄積を防ぎましょう。枕やベッド、パジャマは寝心地の良いもので揃えてみてください。寝室は真っ暗にして、騒音がない状態が理想です。寝る前はカフェインをとらず、TVやスマホなどの光刺激を避けましょう。リラックスできる習慣を取り入れるのも効果的です。3.ストレスケアストレスを解消する方法は人それぞれですが、運動や趣味、リラクゼーションなど、自分に合う方法を見つけて実践しましょう。運動をすると、ストレスホルモンが代謝され、体への悪影響が軽減されます。趣味やリラクゼーションで気持ちを切り替えることで、前述した反芻思考を断ち切れることも。また、仲間と楽しい時間を過ごすと、ストレス解消効果が期待できます。まとめ我慢のしすぎに気を付けて、体調を崩さないようにしましょう。自分が感じているサインに敏感になることで、体調の変化に早めに対処し、より健やかな生活を送ることができます。それでも体調がすぐれない場合は、ひとりで抱え込まずに誰かに相談したり、気軽に医師に相談してみてくださいね。【参考】※1 厚生労働省.e-ヘルスネットセロトニン©︎RUNSTUDIO/sinceLF/kazuma seki/Eri Miura/gettyimagesママ女医ちえこ(産婦人科医)産婦人科専門医であり、プライベートでは3人の子どもを育てる母。2020年からはYouTuberとしても活躍し、性教育としての医学情報や健康情報を中心に、女性が自分の体について考えるきっかけになる専門性を生かした情報を発信。現在のチャンネル登録者数は14万人を超える。著書に『子宮にいいこと大全 産婦人科医が教える、オトナ女子のセルフケア』(KADOKAWA)、『医師がすすめる エビデンスベースの「体にいい」食習慣』(クロスメディア・パブリッシング(インプレス))がある。YouTube:女医ちえこ産婦人科専門医/ママ女医ちえこ
2023年05月28日マスクを外す人が増えた今、口臭を気にする人も増加しているよう。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が口臭対策と臭いがキツくなるNG行動を教えてくれます。最近、口臭が気になりませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 215蒸し蒸しした日が続き、以前にも増してマスクをする人が減ってきましたよね。そこで、気になることといえば、口臭ではないでしょうか。マスクがなくなると、口からのニオイがダイレクトに人へ届いてしまいます。今まで、マスクをしているとニンニクを食べたり、コーヒーを飲んだりしても口臭をそこまで気にしなくてもよかったと思います。ですが、マスクをしていない人同士で会話をすると、口臭について気になり始めるのではないでしょうか。とりあえず、マナーとしてニオイがきつい食材を避け、マウスウォッシュやガム、口臭タブレットなどで対策をとるというかたも多いかもしれません。そういった行動は、もちろん有効ですが、ほかにもできることがありますので、お困りの方は食薬や生活習慣の見直しを並行して行っていくとさらに効果的だと思います。また、口臭の原因となるものには、口呼吸や食事の噛む回数やストレス、歯周病、扁桃炎、副鼻腔炎、肝機能や腎機能の低下、糖尿病、胃腸の不調などさまざまな問題があります。そのため、一時的な措置だけではなく生活習慣を見直し、カラダの内側からのケアも行うことは、口臭だけではなく、健康管理にも役立つものとなります。口臭が気になり始めたことをきっかけに健康習慣をスタートしてみてはいかがでしょうか。ということで、今週は気になる口臭対策となる食薬習慣についてご紹介していきます。今週は、口臭対策となる食薬習慣マスクを取り外すと開放的な気分になりますが、今までの長期化したマスク習慣により、ほうれい線が増えたり、口元がたるんだり、ニキビができていたり、唇がむけていたり、口呼吸が癖になってしまっていたり、呼吸が浅くなっていたりと地味に後遺症を引きずるケースも多いようです。そして、自分だけの問題だけでも困りものですが、他人にまで迷惑をかけてしまう口臭まで発生させてしまったら、再びマスク習慣を始めたくなってしまいますよね。口臭の原因は多岐にわたるため、一時的な対処に加え、体調や習慣の見直しを行うことは必須としていただきたいものです。漢方医学で口臭が気になる状態を偏食や睡眠不足、運動不足、ストレスなどが原因としてできる『湿熱』がたまっていると考えます。また、舌の苔が増えたり、苔の色がうっすら黄色くなったりすることで判断することがあるので、舌苔の状態をチェックしてみるのも良いと思います。また、消化器系との働きがダメージを受けている『胃熱』の状態でも口臭が悪化するともいわれています。そこで、今週は『湿熱・胃熱』を清熱し、胃腸の働きを整える食薬がおすすめです。ということで今週食べるよい食薬は【キャベツとグレープフルーツのマリネ】です。そして、逆にNG行動は【チーズ、カフェラテ、クリーム系など乳製品】です。食薬ごはん【キャベツとグレープフルーツのマリネ】グレープフルーツやレモン汁などのほどよい酸味が唾液の分泌を促し、口腔内を乾燥の対策となります。また、キャベジン、ビタミンC、食物繊維が豊富で胃腸の働きを整えたり、清熱に働くことで『湿熱』『胃熱』の改善に役立つ食薬キャベツを活用することで口臭対策を行っていきます。<材料>キャベツ6枚グレープフルーツ1/2個オリーブオイル・レモン汁各大さじ2塩・ブラックペッパー適量<作り方>キャベツは千切りにする。グレープフルーツは薄皮を残し、皮をむいたら一口大に切る。ポリ袋にすべての材料をいれ、良く揉んで10分程度おいたら完成。NG行動【チーズ、カフェラテ、クリーム系など乳製品を摂る】乳製品には含硫アミノ酸が多く含まれているため、口腔内細菌のエサとなり、口臭の原因となる細菌が増殖し、不快なニオイを発することがあります。口臭が気になるときには、チーズや牛乳、クリーム系のメニューを少し控えてみましょう。同時に噛む回数が少なかったり、口呼吸になったり、ストレスが多かったりしても唾液の分泌は減少し、さらに口臭を強く感じさせてしまうこともあります。1口30回噛むことを目指したり、呼吸の見直しをしたりすることで、対策の強度をあげていきましょう。マウスウォッシュやガムでその場の対策をすることもできますが、食べるもの、食べ方、生活習慣などの見直しなども一緒に行い、口臭の原因を1つでも多く減らしていけるようにするのがおすすめです。そうすることで、口臭対策だけではなく、健康管理にもつながります。悩みを部分的にとらえるのではなく、カラダ全体の問題と捉え、日々の習慣を見つめなおしてみてはいかがでしょうか。ほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©sashimi/Gettyimages©JGI/Jamie Grill/Gettyimages次ページ>>「口臭がキツくなるNG行動」まとめはコチラ文・大久保愛
2023年05月26日気温差が激しかったり、新生活での慣れないことに戸惑っていたり…。この時期、睡眠の質の低下から疲労を強く感じている人が多いよう。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、疲労が取れないNG習慣と対策を教えてくれます。最近、特に疲れていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 214ここ最近、暑い日が続いたり、雨の日が続いたり、今は何月なのか分からなくなるような気温変化の多い気候が続いていますね。暑さに慣れない中、外にでると紫外線にやられぐったりしたり、寝苦しく睡眠の質が落ち日中の眠気を感じたりと、疲労感からいつもの自分の本領を発揮できないといった毎日を過ごしているのではないでしょうか。また、良かれと思って目覚ましのスイーツを食べたら血糖値の乱高下によって逆に猛烈な眠気を感じたり、目覚ましで夕方に飲んだコーヒーによって夜中目が冴えてしまったり、休日の寝だめで疲労を解消しようとしたら逆に生活リズムが乱れてしまったり、寝酒を飲んだら睡眠の質が落ちしまったりと、元気を出そうと即効性を期待をした結果、ずるずると疲れがとれないという負のスパイラルを作り出してしまっている人も多いのではないでしょうか。ということで、今週はため込んだ疲れを癒す食薬習慣を紹介していきます。今週は、疲れをため込んだときの食薬習慣朝からだるいな、カラダが重い、疲れが取れない、横になっていたい、むくむ、やる気が出ないなどシャッキリしない日はないでしょうか。例年、梅雨入り後にこのような不調を感じる方が多いと思いますが、湿度が高かったり、気温が異常に高かったり、低気圧がやってきたりすることで、本来穏やかな気候が特徴の5月にもだるさや疲労感を感じる方も多いようです。漢方医学では、栄養不足の『気血』が不足している状態や水分代謝が悪い『痰湿』がたまっている状態、自律神経が乱れている『気』の巡りが滞っている状態であるときに、気候の変化や低気圧にダウンしやすいとされています。そのため、今週は、『気血』を補い、『痰湿』を取り除き、『気』の巡りを促す食薬がおすすめです。また、疲労感がひどい時には、健康の基本である食事・運動・睡眠・呼吸などの見直しも同時に行うことが大切です。1年のなかでもバテバテになる時期といえば、これから夏に向けてだと思います。今の時期の気候の変動にダウンしていたのであれば、これから先が大変です。だるさ・疲労感を感じた日から生活習慣の見直しを強化していきましょう。ということで今週食べるとよい食薬は【ホタテとバジルのイタリアンオムレツ】です。そして、逆にNG行動は疲れたときにしたくなる休日の【寝だめ】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食薬:ホタテとバジルのイタリアンオムレツ】ホタテにはグリシンという良質な睡眠を得るために役立つアミノ酸が豊富に含まれています。また、ビタミンB群や脳疲労を和らげるプラズマローゲン、タンパク質、ミネラルが豊富に含まれていて『気血』を補います。そのため、睡眠不足と感じた時に食べたい代表的な食薬の1つとも言えます。また、香り高い食材は『気』の巡りを整え自律神経を整えるために役立つとされているため、たっぷりとバジルを入れてみましょう。そうすることで『痰湿』の除去にもつながります。また、アミノ酸スコア100の玉子で食材をまとめて、美味しく睡眠から疲労を軽減していきたいですね。<材料>玉子2個ホタテ4個バジル1つかみみりん・醤油各小さじ2<作り方>材料をよく混ぜ、クッキングシートを引いたフライパンで焼いて形を整えたら完成。NG行動【寝だめ】休日など自由に寝ても良い日には、いつもより2時間以上多く寝てしまうということはないでしょうか。そんな人には、睡眠負債があるといわれています。睡眠負債は、自分にとって適切な睡眠時間が確保できていない日が続くことによって、睡眠不足が慢性化した状態を表します。睡眠負債は、日中のパフォーマンスを下げてしまったり、あらゆる不調の原因となってしまうことがあります。睡眠は、貯金することができず、たまった負債は一度の寝だめで解消することはできません。例えば、40分の睡眠負債があった場合には、その返済に3週間もの時間がかかるともいわれています。寝だめで昼まで寝ていることは、その日の夜の睡眠の質の低下にもつながり、睡眠のリズムをさらに乱してしまいます。これを社会的時差ボケといいます。ですから、疲れていてもリズムを乱さないように、なるべく睡眠時間が通常に比べて2時間を超えないようにコントロールし、日ごろの睡眠のタイミングを見直していくことが根本的な疲れ対策となります。現代人にとって、睡眠の質の向上は永遠の課題といってもいいほど、睡眠の質を落としてしまうような出来事が身近にたくさん存在します。忙しいときには、時間を作るために睡眠時間を削る人がほとんどだと思いますが、実際は睡眠の質を上げ、日中のパフォーマンスを高めた方がタスク処理の効率的にも体にとってもプラスとなります。頭ではわかっていても、すぐに行動を改めることは難しい問題ですが、慢性的な疲れに悩む人は、日々の習慣から整えていきましょう。ほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Natalia Vetrova/Gettyimages©aire images/Gettyimages次ページ>>「疲労が取れないNG行動」まとめはコチラ文・大久保愛
2023年05月19日GWが明け、いつもの日常が戻ってきました。今週は積もり積もったタスク処理に追われ、ヘロヘロに疲れている人も多いでしょう。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生によると、心身ともに疲れると自律神経やホルモンの分泌バランスが乱れ、婦人科系の不調が感じやすくなるのだそう。愛先生が月経痛が重くなりやすいNG行動と対処法を教えてくれます!最近、月経痛が酷くなっていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 213GW直後はストップしていたものが、いきなり動き始め、やることが山のように積みあがりますよね。息をつく間もない1週間だったという人は多いのではないでしょうか。そして、忙しいときに私たちが感じるのは、プレッシャーや集中力が続かないことなどの多大なるストレスではないでしょうか。また、それに加え日中やりきれなかったタスクの処理に追われ、睡眠時間が削られてしまうこともあると思います。その結果として、女性の場合には、月経痛やPMS、おりものの変化、月経不順など婦人科系の不調を感じる可能性が高まります。今回の月経痛はちょっと重かったなと感じている人も多いかもしれませんね。1か月の通信簿のようにして現れる月経痛ですが、もしもいつもよりひどいと感じてしまっていたとしたら、睡眠、ストレス、食事、姿勢、運動、入浴などの見直しをして、1つでも改善できるポイントを増やしていくことをお勧めします。ということで、今週はストレスや忙しさが極まり月経痛を強く感じてしまった人のための食薬習慣を紹介していきます。今週は、月経痛がひどいときの食薬習慣今週もお疲れさまでした。心身ともに疲れると女性のカラダにはさまざまな不調が現れてきます。男性と違い、1か月の中で女性ホルモンの分泌にリズムがあり、元気を保つためにはそのバランスを保つ必要がありますが、バランスの乱れが生じた場合には不調を感じやすくなってしまいます。女性ホルモンの分泌は、自律神経や血流、食事内容なども関わるため、忙しくなり何気ない毎日の生活をおろそかに扱ってしまうと、途端にカラダに不調として表れてしまいます。そのため、新年度で慌ただしかった4月、一息つくことができたGW、連休明けの激務と生活スタイルが翻弄されていた人は、婦人科系の不調を強く感じてしまう可能性があります。漢方ではこのことを自律神経が乱される『肝気鬱結』やそれによって血流も悪くなる『気滞血瘀』などと表現します。また、鉄欠乏ぎみである『肝血』が不足しがちな人は、より不調を感じる傾向にあります。そこで、今週は『肝血』を補い『肝気』を巡らせる食薬がおすすめです。食べるとよい食薬は、【アスパラの大葉肉巻き】です。そして、逆にNG行動は、骨盤のゆがみにつながり、血流を悪くしてしまう【足を組むこと】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食薬:アスパラの大葉肉巻き】ストレスが多い時は、ストレス解消に役立つ香り高い大葉が『肝気』を巡らせてくれます。また、元気の源である豚肉、代謝を高めるアスパラを組み合わせることで『気血』を補い、多方面からサポートしてくれます。心身ともに疲れてしまったときには、豚巻きを作ってみましょう。豚バラまきに大葉はすごくあいますよ。<材料>豚バラ200gアスパラ1束紫蘇10枚塩・胡椒お好みで<作り方>アスパラに、紫蘇、豚バラの順番で巻き、巻き上がったらアスパラを3等分にする。フライパンで両面焼いて塩と胡椒で味を整えたら完成。NG行動【足を組むこと】足を組むと当然お尻のどちらかに体重が乗りつづけることになるため、骨盤のゆがみに繋がります。その結果、骨盤内臓器が圧迫されたり、血流が滞ったり、腰痛を感じてしまうことがあります。骨盤周りの血行が良いことは、婦人科系を整えるために必要なことだと皆さんご存じだと思います。不調を感じる人は、全部完璧にすることは無理なので、1つでもNG行動を減らしていけるように努力してみてはいかがでしょうか。体調を整えるためには、カラダの中と外からの両方のアプローチが大切です。女性の不調は、酷い人の場合、月経痛、排卵通、PMSと1か月の間ほとんど何かしらの悩みを感じることもあります。快適な時間をどれだけ増やすことができるかどうかということには、自分の日常の生活習慣も少なからず影響するものです。見直すことができるポイントはないか、一度考えてみてはいかがでしょうか。ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©dafunia arieda/Gettyimages©DjelicS/Gettyimages文・大久保愛
2023年05月12日GWは温泉でのんびり…という人もいると思いますが、お尻のケアは大丈夫ですか?中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生によると、さまざまな原因により、お尻の黒ずみやニキビに悩んでいる人が意外といるのだとか。愛先生がNG習慣と対処法を教えてくれます。お尻、荒れていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 2125月がスタートし、過ごしやすい気候と休日の始まりに心休まる時間が増えた人は、多いのではないでしょうか。GWに向けてさまざまな締め切りが押し寄せて多忙な毎日を過ごしていた人、本当にお疲れさまでした。そして、いっぱいいっぱいだった4月がすぎ、晴れ晴れとした気分で自分へのご褒美の時間を満喫してる人も多いことでしょう。なかには、温泉に出かけたり、新しい洋服を買ったり、エステでゆっくりすることもあるかもしれません。そんなときに密かに気になるポイントといえば、お尻のニキビや黒ずみではないでしょうか。意外とコンプレックスに感じている人は多いようです。複合的な要因によってできてしまうものなので、清潔にしていてもニキビが繰り返してできてしてしまうこともあるので、厄介な存在ですよね。ということで、長期休暇で開放的な気分に浸ることのできる今週は、お尻の黒ずみやお尻ニキビに悩む人におすすめな食薬習慣を紹介していきます。今週は、お尻の黒ずみ・お尻ニキビで困ったときの食薬習慣息をつく間もなく走り抜けてきた4月が過ぎ、ちょっと時間ができると自分磨きをしたくなることはないでしょうか。コスメやダイエット系のYouTubeを見たり、基礎化粧品や下着などを買い替えてみたり、今まで忙しくてできなかった部分に目を向けられるようになりますよね。そしてこの時期、長時間のデスクワークや生活リズムの乱れなどが続いた結果、湧いてくる悩みの一つとしてお尻の質感があります。お尻は、汗や皮脂の分泌が多い部分ですが、そんなお尻には常に下着に触れていたり、デスクワークが多かったりすることで摩擦刺激をうけたり、プラスチックの椅子などに上半身の重みがすべて乗ることで通気性の悪い環境になったり、女性の場合にはナプキンで湿気がこもったりすることもあります。そんな環境の中、皮脂分泌が増えたり、ターンオーバーが乱れてしまうと肌がガサガサになって黒ずんだり、毛穴が詰まってアクネ菌が繁殖することでニキビができてしまったりします。そこで、睡眠やストレス、食事などの見直しを行うことで、ホルモン分泌やターンオーバーを整えたり、クッションに座ったり、ショーツの素材を気にしたり、皮脂や汚れを洗い流したり、保湿したりすることが大切なケアとなります。近年、美尻といえば筋トレをイメージする機会が増えましたが、お尻がすべすべでで黒ずみのない状態であることも注目すべきポイントだと思います。とくにお尻ニキビが赤く腫れて痛みを感じたり、膿が生じてしまっている場合には、今すぐできることを何でも試したい気持ちになりますよね。ということで、食薬習慣としてできることをご紹介します。まず、漢方ではターンオーバーが整えるためには『気・血・水』を補うことが必要です。そして、炎症や酸化作用のある『湿熱』の元となるものを摂らないようにすることと、『湿熱』を取り除くものを摂ることが必要となります。そこで今週食べるとよい食薬は、『気・血・水』を補い『湿熱』を取り除く【チンゲン菜とツナの小鉢】です。そして、逆にNG行動は【唐揚げの食べすぎ】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食薬:チンゲン菜とツナの小鉢】チンゲン菜にはβカロテン、ビタミンCなど美肌に必要な栄養素が含まれています。また、老廃物や炎症の解消に役立つイソチオシアネートや腸から整える食物繊維なども豊富な特徴もあり、『湿熱』の除去に役立ちます。また、意外と食べ応えもあり、香り高く満足感も得られます。そして、そこにお肌のターンオーバーに欠かせないタンパク質、ビタミン、ミネラルをバランスよく含んだ『気・血・水』を補うツナ缶を合わせた、肌トラブル対策レシピがおすすめです。お肌に対して外側からのケアだけに注目していて、栄養状態に目を向けられていない人は、便秘していないか、野菜は足りているか、タンパク質は足りているか考えてみましょう。<材料>チンゲン菜1株(一口大に切る)お酢大さじ1ツナ缶1個<作り方>すべての材料をポリ袋に入れ、1分半くらいレンジでチンしたら完成。NG行動【唐揚げの食べすぎ】コンビニでも手軽に手に入る唐揚げです。タンパク質も摂取できるし、おやつや小腹がすいた時に食べる習慣がついている人も多いかもしれません。油には、炎症を悪化させてしまうオメガ6脂肪酸と炎症を抑えるオメガ3脂肪酸があります。残念ながら、唐揚げなど揚げ物に多く含まれる油は、オメガ6脂肪酸なので、赤みや腫れ、痛みを感じるニキビに悩む人は控えめにすることが望ましいです。また、脂質の代謝にビタミンB2が消費されますが、ビタミンB2の不足は肌の状態を脂性に導く可能性があるため注意です。肌トラブル全般に言えますが、美肌を目指したいときには油の質を見直すようにしましょう。お尻ニキビやお尻の黒ずみには、複数の原因が隠されていることがあると考えられますが、その原因の一つの改善策として今回の食薬を活用いただけたらと思います。ただ、食事には即効性がないので、中長期的に油の質の見直しやターンオーバーを整えたり、抗炎症を促す食材とりいれ、カラダのメンテナンスを続けていくことも大切です。ほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー®』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©hisa nishiya/Gettyimages©Xavier Lorenzo/Gettyimages文・大久保愛
2023年05月03日日によって気温差はありますが、薄着の季節となりました。となると、肌の露出が増えてお肉のたるみが気になるところ。ダイエットやトレーニングを意識し始めている人も多いでしょう。ですが中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生によると、美や健康に通じるある行動が、おならを臭くする一因になり得るのだとか。愛先生がそのNG行動と対処法を教えてくれます!最近、おならが急に臭くなっていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 2114月もあっという間でしたね。怒涛の日々を過ごし、度胸やストレス耐性などが身についた人も多いかもしれませんね。ですが、それに伴い忙しく過ごした結果、不摂生が蓄積され、お腹周りにどっしりとお肉までもが身に付き、心とともに見た目もたくましくなってはいないでしょうか。初夏の暑さを感じつつGWが近づくと、少し開放的な感覚が頭をよぎり、ダイエットを意識し始める人も多いかもしれません。そんなときには、プロテインを採り始める人も多いことでしょう。コンビニやスーパーでもタンパク質がたっぷり入った健康食品が手軽に手に入るので、栄養管理には困らない時代になりましたよね。ただ、ここで注意したいのがおならです。もし、おならのニオイが急に臭くなり始めた人は、ダイエットや健康に良いと思っている行動がその原因となっているかもしれません。ということで、今週はおならが急にクサくなった人のための食薬習慣を紹介していきます。今週は、おならがクサイ人のための食薬習慣全力で走り続けた4月もあと少し!GWというゴールが見えてきましたね。お出かけしたり、おしゃれをすることもあるかもしれませんが、そんなときに気になるのは、ウエスト周りのお肉ではないでしょうか。忙しいなか、とりあえず栄養バランスではなくエネルギーを補充という感じで、その日を必死に生きている感覚だった人も多かったかもしれませんね。そんな状況に運動不足や寝不足が重なり、代謝は落ち、疲れやすさや強烈な日中の眠気などの不定愁訴が、ポコポコと出てきては気合で乗り切る体育会系の人も増えたことでしょう。そして、少しでも健康維持、ダイエットにつながるようにタンパク質をたくさんとろうと考える人が多いのではないでしょうか。このように心身ともに疲労困憊で、代謝がおちている状態を『脾気虚』といいます。そこで、気を補う食薬が必要となるため、タンパク質を採ることは非常に有効です。ですが、良いからといって過剰にタンパク質だけを採ろうとする人がいます。そして過剰に採りすぎると、人によっては、胃や腸、肝臓、腎臓などに負担がかかってしまうことも考えられます。また、採りすぎの目安となるのが、おならのニオイです。急におならが強烈にクサくなってきたという人は、胃腸に負担がかかるほどタンパク質を採ってしまっている可能性があります。タンパク質の適正量は個人差があります。今の流行として高タンパク=健康・ダイエットというイメージが先行しがちですが、腸と相談しながら消化を助ける梅干しやレモンやオレンジなど酸味のあるもの、ワカメや切り干し大根など腸内を整えるものなども取り入れつつ、タンパク質の摂取量を自分にとってちょうどいい量で調整することをおすすめします。おならや便の強烈なニオイはカラダからの「生活を改善してほしい」という合図となりますので、真摯に受け止めましょう。そこで今週は、『脾』の働きを助ける食薬をとり入れることも意識していきましょう。食べるとよい食薬は、【白菜と切り干し大根のサラダ】です。逆にNG行動は【プロテインの採りすぎ】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食薬:白菜と切り干し大根のサラダ】タンパク質の分解を助ける胃酸分泌を促すお酢と腸内環境を整える白菜、切り干し大根、ゴマを合わせた消化器系応援セットが4月のラストスパートには。また、フェンネルシードには、胃腸を整える働き、口臭予防、デトックス作用などがあります。切り干し大根の食物繊維と合わせることでより、腸からの排泄力を高めるので、香りが嫌いでなければ加えてみましょう。<材料>白菜4枚(一口大)切り干し大根20gすり胡麻大さじ1酢・みりん・水各大さじ2醬油お好みでフェンネルシードお好みで<作り方>材料をポリ袋に入れ、よくもみ15分程度おいたら完成。切り干し大根が硬いときはお水を少し足して調整してください。NG行動【プロテインの飲みすぎ】これだけでプロテイン15gが採れる20gが採れるといったおやつなどの食品は多いですよね。忙しいと食事をおろそかにして、そういった食品だけに頼り切ってしまい、過剰に食べてしまうことはないでしょうか。過剰に摂取したプロテインの一部は腸内の悪玉菌に分解され、硫黄のようなクサイおならを作り出したり、便秘につながってしまうことも。どうしてものときのサポートに活用し、胃腸のケアを合わせつつ、過剰摂取にならないよう胃腸と相談しながら量を調整するようにしましょう。私たちの日々の習慣は、おなら、便や痰、鼻水、汗、おりものなど分泌物に反映されることが多いです。ちょっといつもと違うなと感じた時には、その原因を見つけ、改善するようにしてみましょうね。ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方がぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー®』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Satome Yokote/Gettyimages©Ezra Bailey/Gettyimages文・大久保愛
2023年04月27日30代までは髪の悩みなんてなかった私。しかし、生活環境が変わりストレスのかかる日々が続いていた40歳を過ぎたころ、一気に増殖したものがあります。それは、白髪!! 白髪を受け入れられない私がどう白髪と向き合っているのかお話しします。★関連記事:「白髪対策迷子」から脱却! 白髪歴20年の私がたどり着いた3つの合わせ技とは【体験談】ストレスの日々と白髪私は3年おきに3人出産したこともあり、仕事に復帰したときには40歳を超えていました。子どもを小学校に送り出し、保育園に預けてから仕事に行くという毎日は、過酷なものでした。子どもの送迎だけで息は切れるし、仕事も以前のようにこなすのが難しくなっていました。仕事が終わっても休む暇などなく、家に帰ってからも重い体を引きずって家事や育児をこなす日々。こんなに過酷な日々にもかかわらず、体重は減らないのです。40代の体の現実におびえています。仕事復帰という環境の変化でストレスの多い日々が続き、1カ月がたったころだったでしょうか。私は朝、鏡を見ていて白髪を1本発見しました。「あらあら」と思い、毛抜きで抜きました。今までそうしてきたし、それでよかったのです。でも、この日は違いました。すぐ近くにまた1本の白髪を発見してしまったのです。私は髪の束を恐る恐るめくってみました。するとどうでしょう。白髪がまとまって10本以上、出てきたではありませんか!白髪がこんなにも増えていたのに気付かなかったことにショックを受けつつ、仕事前で時間もなかったので、目につくものだけ急いで抜きました。もともと髪は多いほうなので、抜くことにそこまで抵抗がなかった私も、このときはさすがに不安になりました。髪にツヤがなくなり抜け毛が増えた思えば、髪質も少しずつ変化していました。美容院に行ってもすぐにきしんできて、ツヤもなく、抜け毛が増えています。髪質はこのように変化していたのに、若いときよりも手入れをしなくなっていました。子どものことばかりで自分のことがおろそかになっていたのだと痛感しました。今までは多少のストレスがあったとしても、それが体に出るなんてことはありませんでした。自分の年齢を目の前に突きつけられた感じがして、さらに落ち込みます。今まで白髪の悩みがなかった分、対処の仕方も知りません。スマホで調べてみると抜かずに切るほうがいいと書いてありますが、私の髪はコシがあるので、切るとピンと立って、伸びたときに目立ってしまうのです。仕方なく抜くのですが、数が数だけに今度は分け目の周りの髪が減ってしまうのではと不安になります。これ以上増えたら、染めるしかないのかな。そうなると手間だな。ただでさえストレスの多い日々に白髪の悩みまで加わり、もう情けなくて仕方がありませんでした。娘は白髪を楽しんでいてなかなか美容院の予約も取れず、白髪を持て余したまま、日が過ぎていきました。私はいつものように鏡と向き合って、毛抜きを手に白髪と格闘していました。目も悪くなったのか、目当ての白髪を毛抜きでうまくつかむことができません。そんな私の様子を見た長女が「ママ、何してるの?」と話しかけてきました。ちょうど困っていたところだったので、「白髪抜いてるの。手伝ってくれる?」とお願いしてみました。私がソファーに座り、長女が白髪を抜いていると、次女も「何してるの?」と寄ってきました。そこから娘2人は、われ先に白髪を見つけようと私の髪をごそごそ触り始めました。「あった!」「わ! これは長い! 最高記録だ!」まるで宝探しのようです。その時間は何だか楽しくて、白髪も悪くないかなと思えたのでした。まとめきっとこれからも白髪は増え続け、抜くだけでは間に合わなくなるでしょう。それはうれしいことではないけれど、悩んでも仕方がないことなのかなと思いました。いつまで抜くのか、いつから染めるのか、対処法はまだわかりません。今は子どもたちと白髪抜き遊びを楽しみながら、長い付き合いになる白髪とどう付き合っていくか、考えていきたいと思います。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/黒田愛美先生(Zetith Beauty Clinic副院長)美容・アンチエイジング専門医。トライアスリート。1979年東京生まれ。2003年獨協医科大学医学部卒業後、東京女子医科大学内分泌乳腺外科に入局。2007年品川美容外科へ入職、2011年品川スキンクリニック新宿院の院長に就任。2013年同クリニック、表参道院院長に就任。その後、予防医学と分子栄養学を改めて学び、美容外科、美容皮膚科、アンチエイジング内科の非常勤医師として複数のクリニックの勤務を経て、現在に至る。著者/桃野ゆか(42歳)9歳、6歳、3歳の三姉妹の母。小学校教員として19年勤め、その間に育休や仕事復帰を経験。現在は子育てや仕事の経験を元に、執筆活動中。
2023年04月27日中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生によると、自律神経の乱れから心身に不調が出るもののひとつに、肩こりが挙げられるそう。そして、今の時期はその肩こりが酷くなる人が多いとか。愛先生が対処法と、逆に肩こりが悪化するNG行動を教えてくれます!最近、肩こりが酷くなっていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 210夏のような季節外れの暑さや日差しの強い日が続いたエリアもありましたね。そして、1日の中で気温差が10度以上にもなる日もあり、カラダに負担がかかる気候だったと思います。ただ、そんなエリアも少しずつ寒さが逆戻りすると予報されています。これもまた負担となりますが、さらにこの時期特有の花粉や黄砂、強風、連休前の忙しさ、人間関係の変化によるストレスなどの環境的な変化が加わり、自律神経も大荒れとなってしまうこともあるかもしれません。肩こり、頭痛、不眠、冷え、頻尿など病気とは言えないさまざまな不調がでてくることもありますよね。最近、寝つきが悪く、寝たと思ったら何回もトイレで起きてしまい、ぐっすり眠れず疲れが取れなかったり、イライラして歯ぎしりや食いしばりをしたりと心身ともに休まらないということはないでしょうか。ということで、今週は自律神経を乱す原因がたくさん存在する今の時期の肩こりを軽減する食薬習慣を紹介していきます。今週は、自律神経と血流を整え肩こりを軽減する食薬習慣生活環境も自然環境も目まぐるしく変化を重ね、変化に弱い私たちは、心とカラダの余裕がなくなってきていることがあるかもしれません。カラダには、恒常性といって外界に変化があってもカラダを一定の状態に保とうとする機能が備わっています。そのため、周囲の目まぐるしい変化は、私たちの自律神経を乱します。漢方では、このことを『肝気鬱結』といいます。また、春は1年のなかでも『肝』の働きにダメージを受けやすく、『肝気鬱結』が生じやすい季節ともいわれています。そして、『肝気鬱結』が悪化することで『瘀血』という血行不良の状態が起りやすいと考えられています。そのため、もともと肩こりや頭痛を感じていた人は、コリの悪化を感じてしまうかもしれません。また、良質な睡眠は自律神経を整えるためにも大切な働きを担っていますが、そもそも自律神経が乱れていることによって睡眠の質が低下させてしまいます。その結果、春の自律神経の乱れは負のスパイラルに陥りやすく、心とカラダが健全な状態を取り戻すためには時間がかかってしまうこともありそうです。そこで、今週は『肝気』と『血』の巡りを促す食薬をとりいれましょう。また、自律神経を乱し、睡眠の質を低下させるカフェインが入った飲みものを遅い時間に摂取することを控えることが意識すべき点です。ということで、今週食べるとよい食薬は、【玉ねぎカレー】です。逆にNG行動は睡眠の質を低下させる【おやつの時間以降のコーヒー】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食薬:タマネギカレー】無駄をすべて省いた超簡単カレーです。香り高く『肝気』と『血』の巡りを改善する玉ねぎとスパイスの組み合わせが肩こりや頭痛などの不調をやわらげてくれます。また、鶏ひき肉もたっぷりで、自律神経を整えるために必要な脳の神経伝達物質の材料となる鉄やタンパク質、ビタミンB群の摂取もできます。さらに、カレールーではなく、カレーパウダーを使うことで『気血』の巡の不調につながる余分な脂質や小麦粉などの摂取も控えることができます。シンプルな食材だけの組み合わせで簡単にできるので、自律神経の乱れや血流の悪さを感じている人は、ぜひお試しください。レシピはこちらです。<材料>Aみじん切りタマネギ1個鶏ひき肉150gニンニク1片オートミール大さじ2トマト2個(なくても良い)水 500mlB味噌大さじ2カレーパウダー大さじ1.5醤油お好み<作り方>タマネギとひき肉とニンニクを炒めて、Aの材料をすべて入れて10分くらい煮込み、Bを加え味を整え完成。仕上げにブラックペッパーをかけても美味しいです。NG行動【おやつの時間以降のコーヒー】ランチの後、午後の仕事は集中力がもたなかったり、眠くなったりすることで、コーヒーを飲むタイミングが増えることもあるかもしれません。ただ、夜中にトイレで起きてしまったり、睡眠の質が低下しているようなときには、おやつの時間以降からの飲み物の内容を見直すほうが良い場合もあります。睡眠時の不快感に関しては、寝る直前の飲食物や生活スタイルなどが影響しているように感じられますが、覚醒や利尿に働くカフェインの摂取は夕方くらいから注意してみたほうがよさそうです。というのも、カフェインによる影響は個人差が非常に大きく、半減期も2~8時間と幅があるからです。寝つきが悪く、夜中にトイレで起きてしまう人は、おやつの時間以降のカフェイン摂取の内容を見直してみましょう。毎日何かに追われるように過ごし、気絶するように寝て、それでも夜中に起きてしまい、疲れやストレスも日に日に蓄積されてしまう人は、食べるとよいものや食べないようにするもの、そしてタイミングなどにも目を向けて、カラダの中から自律神経を整えるように食事を整えてみましょう。ほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Takao/Gettyimages©Willie B. Thomas/Gettyimages文・大久保愛
2023年04月21日新年度になり、仕事や家事、学業に追われ、ストレスフルな生活を送っている人が多いかもしれません。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、ストレス&疲労対策を教えてくれます!最近、ストレスが溜まっていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 2094月も後半に差し掛かり、あっという間にGW目前となりましたね。そろそろ日ごろの人間関係や終わらないタスクにストレスを強く感じる人も増えているのではないでしょうか。ピリピリとした空気を醸し出してしまう人や他人の何気ない発言にひどく傷つき落ち込んでしまう精神状態と戦うこともあるかもしれません。今月は、毎日を楽しむというよりも毎日をこなすように生活し、みんなの心とカラダに余裕がなくなってしまいやすい時期でもあります。大変な時期だから仕方のないことではありますが、とげのある発言やちょっと悪意のある行動などは、人の記憶から消去されるまでなかなか時間がかかるものです。今の時期は、他人に寛大に自分に優しく過ごすようにしていきたいですね。ということで、今週はストレスフルな中、心穏やかに過ごすための食薬習慣を紹介していきます。今週は、穏やかな毎日を取り戻すための食薬習慣突然ですが、その場で大きく息を吸い込み、背筋を伸ばし、その2倍の時間をかけて息を吐ききってみましょう。どうでしょうか。今まで猫背で呼吸が浅くなっていたことに気がつきませんか?忙しくストレスが多い時には、姿勢までもが前のめりになり、首への負担がかかり、背中が丸まり、座りっぱなしで骨盤周辺の血流も低下していることが予想されます。忙しい時ほど、日常の中で、姿勢や呼吸といった部分の質を高めるよう意識して、カラダに良いことがゼロにならないように気をつけましょうね。漢方医学ですぐに傷つく繊細な人、もしくはすぐにイライラしてしまう人を「肝気鬱結」や「肝血虚」などと考えます。そして、これを加速させるのが、胃腸へ負担のかかる食事や寝不足の蓄積によって作られる『脾腎陽虚』というタイプです。みなさん、こんな経験ないでしょうか。イライラしてしまった日の深夜に一息ついてアイスを食べながら動画を観て夜更かしといった、リラックスタイム。こんな時ほど、睡眠の質を高めることを意識して、冷たい物や血糖値が急上昇しやすいものを寝る前に採り睡眠不足に追い打ちをかけるような行動で疲労を増してしまうようなことは控えたいものです。ということで、今週食べるとよい食材は、『肝血』を補い『肝気』の巡りを促す【青梗菜とササミのバンバンジー】です。逆にNG行動は『脾腎』にダメージを与える【寝る前のアイス】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食材:青梗菜とササミのバンバンジー】春は「肝血虚」になり心が繊細になりがちなシーズンです。チンゲン菜には、鉄と鉄の吸収を高めるビタミンCが豊富なため『肝血』を補うために役立ちます。また、食物繊維や肝臓の働きを支えるイソチオシアネートなども同時に摂取できるので『肝気』の巡りを促すために役立ちます。また、高たんぱくなササミをバンバンジーにすることで、整腸作用のある味噌とオリゴ糖と胡麻、胃酸の分泌を促したり、血糖値の急上昇を抑えるお酢で味付けることができるので、心とカラダが整うスペシャルな一品となります。5分くらいで完成するので、生活リズムが乱れた慌ただしい日の副菜にピッタリ。レシピはこちらです。<材料>ささみ3本すり胡麻大さじ2味噌・みりん・酢大さじ1醤油・オリゴ糖小さじ1青梗菜1/2株ブロッコリースプラウトお好みで<作り方>1.ササミの筋をとり、ポリ袋に入れレンジで5分温め、ほぐす。2.青梗菜をレンジで2分温め皿に盛り付ける。1に調味料を加えよくなじませ、2にのせたら完成。ブロッコリースプラウトはお好みで。NG行動【寝る前のアイス】今日も一日お疲れ!という気分で、ほっと一息ついて寝る前にアイスを食べるという日もあるかもしれません。ですが、寝る前にお腹を冷やしたり、血糖が急上昇してしまうことは、疲労回復には逆効果。こういった夜のリラックスタイムは日中のストレスに対する感受性を高めてしまう可能性もあるので、なるべく睡眠の質を落とさないように、お風呂にアロマを入れたり、軽くストレッチしたり、穏やかな音楽を聴くことでストレス対策をして、睡眠の向上を目指すことをお勧めします。今の時期、忙しかったり、ストレスが多かったりするのは、みんな同じです。自分だけがつらいわけではなく、強く当たってくる人も、実はつらいのかもしれません。ストレスフルな状況を変えるために頼る先として、他人でも気合いでもなく、食事の内容というように視点を切り替えてみてはいかがでしょうか。ちょっと気分が軽くなるかもしれません。ほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©ichico/Gettyimages©Tatiana Buzmakova/Gettyimages文・大久保愛
2023年04月14日生活や環境がガラリと変わることが多い今の時期、おりもののにおいや色がいつもと違うということはありませんか?中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生によると、カラダの不調がおりものの異常として現れることも多いのだそう。そういった場合は生活習慣を見直すことが必要。そこで、愛先生が対策とNG習慣を教えてくれます。最近、おりものの色やにおいに異変を感じていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 2074月がスタートし、怒涛の毎日を送っている人は多いのではないでしょうか。忙しくてあれもこれもしないと…と思っていると、一番初めに手を抜き始める部分といえば、食事や睡眠、運動の時間ではないでしょうか。生活に支障がないように恥をかかないようにと大量のタスクをこなしていくために、健康管理がおろそかになってしまうことってありますよね。ただ、一時的と思ってた生活の乱れをそのまま引きずってしまうと、5月にうつうつとした気分になってしまったり、肌トラブルや便秘、体重の増加などに悩んでしまったりすることもあるでしょう。そんなときに、カラダの状態を確認することができるポイントがあります。それは、便、おりもの、舌の苔などさまざまな分泌物です。それぞれ、健康管理に気をつけましょうね!というカラダの合図をいち早く教えてくれる部分でもあります。そこで、今週はおりものの状態が気になる人のための食薬習慣を紹介していきます。今週はおりものが気になるときの食薬習慣3月、4月と生活が激変し、食事や睡眠のリズムなどが大きく乱れた日々が続いていたというかたも多いのではないでしょうか。そして、注意しなければならないのが、そのまま生活習慣が乱れた状態をスタンダードとしてしまうことです。実際は、忙しい時ほどカラダに加わるダメージをその都度軽減するために、健康管理が重要となりますが、時間がない中で生活習慣を整えることはかなり強い意思が必要となりますよね。ただ、乱れた毎日も長期化するとさまざまな何となく感じる不調の種となってしまいます。漢方医学では、体調のチェックをするために、おりものの状態をチェックすることがあります。基本的に半透明から白っぽい色で、少し粘り気がある状態は正常です。また、月経周期によってある程度質的な変化が生じるものでもあり、膣内でデーテルライン桿菌という善玉菌がカンジダや大腸菌などの雑菌が繁殖しないように働いてくれています。抗生剤をよく飲んだり、膣内を過度に洗いすぎることも膣内環境を乱し、バリア機能を低下させてしまうことがありますが、小麦製品や精製糖などが多いときにもおりもののニオイや色、質に違和感を感じることが増えます。食事がダイレクトに影響する腸内細菌と膣内環境はお互いに関連していることもあり、おりものシートやデリケートゾーン用のソープなどにたよってばかりいても根本的な原因を絶つことにはなかなかつながりません。漢方では、黄色みが強く、ニオイがきついおりものがでるとき慢性炎症の原因になる『湿熱』がたまっていると考えます。そして、『湿熱』を放置しているとアレルギー症状や肌トラブル、口臭や体臭などさまざまな迷惑な症状へと進展していくと考えるため、おりものの指標を確認したときには生活の見直しが必要と考えます。ということで、今週食べるとよい食薬は、『湿熱』対策になる【キャベツとオレンジのサラダ】です。逆にNG行動は悪玉菌の餌となり『湿熱』を生じる【朝のパン習慣】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食薬:キャベツとオレンジのサラダ】時間がない時、そしてストレスがある時には、甘い物や揚げ物などちょっとジャンクなものが食べたくなりますよね。ですが、そういった食材は体調を整えるためにはプラスに働きません。そこで、食物繊維が多く、抗酸化力があったり、血糖値の安定に役立つことでメンタルの安定にもつながる『湿熱除去』サラダがおすすめ。おすすめ食材であるキャベツには胃の働きを助けるキャベジンや腸の働きを助ける食物繊維、炎症を抑え解毒作用のあるスルフォラファン、抗酸化作用のあるビタミンCを含むキャベツ。ストレスや肌トラブルに対してもオールマイティにサポートしてくれます。また、オレンジも粒マスタードに含まれる香り成分にも、『気』の巡りを促しストレス緩和につながるため、突発的にイライラした日のメニューにもぴったりです。レシピはこちらです。<キャベツとオレンジのサラダ><材料>キャベツ4枚(千切り)オレンジ1個(薄皮はとらず輪切りに)オリーブオイル大さじ1粒マスタード大さじ1塩・レモン汁お好みで<作り方>ポリ袋に材料を入れて、よくなじませたら完成。NG行動【朝のパン】朝は時間がないからパンに決めているということはないでしょうか。たまに、パン屋さんの美味しいパンを味わって食べるのであればよいですが、毎日の日課になっていたら腸内環境や膣内環境の悪化につながる可能性があります。また、『湿熱』を作り出す食材でもあるので、おりものに異変を感じているときには小麦製品と精製糖は控えめにすることが、おりものだけではなく全身的な健康管理につながります。忙しい時ほど、和食をチョイスするようにしてみましょうね。おりものの変化は、食生活の見直しの合図である可能性も考え、ほかの不調が増える前にチェックして行動を変えてみましょうね。ほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©mari_matayoshi/Gettyimages©Dimitri Otis/Gettyimages次ページ>>「おりものに異常が出やすいNG習慣」まとめはコチラ文・大久保愛
2023年04月07日春は、過ごしやすい気候になってきたり、新しい生活が始まったりと、ワクワクしている人も多いですよね。一方で、環境の変化によって、心やカラダに疲れを感じやすい季節でもあります。美容や健康に関心が高い女性が集まるanan Beauty+ clubのメンバー約100人に、春のメンタルケアについてリサーチしました!心やカラダの不調を感じたことは?※anan Beauty+ club…美容・健康・エコ好きな女性たち約100名が集まるanan Beauty+の読者組織。まずは、周りの環境が変わったことで、心やカラダにマイナスの変化が現れたことがあるか聞いてみました。「YES」と回答した人は80%、「NO」と回答した人は20%でした。多くの人が、心やカラダにマイナスの変化を感じているという結果になりました。新生活の始まりなど、環境が変わるタイミングは、緊張や不安で自律神経のバランスも崩れやすいと言われているので、心やカラダへの影響は仕方ないものなのかもしれませんね。ストレスで肌荒れも続いて、どのように環境が変わって、心やカラダにどうのような変化が現れたかを教えてもらいました。「元々一緒に働いていた同僚が異動してしまい、その代わりに異動してきた先輩が合わず憂うつで仕方なかった」(34歳・会社員)「職場が変わって気を遣うので、疲れ方が倍以上になった」(35歳・専門職)環境が変わると、気分が落ち込んだり、疲れを感じたりすることがありますよね。私は、新しい部署に異動する時は毎度、数週間くらい帰宅後すぐに寝てしまいます。きっと気疲れしているのだと思います。気持ちだけでなく、体調への影響が出てしまったという人も多くいました。「最初の会社に入った際に、仕事も周りの人もまったく合わなくて蕁麻疹がひどくなった」(35歳・専門職)「大学を卒業してから社会人になる時、あまりにも環境が変わり過ぎて、ものすごくネガティブ思考になった。食べられなくなったり、肌も荒れたりした」(39歳・専門職)「社内で人間関係が変わりうまくいかなくなった時は、PCを見ると手が震えたり、涙が止まらなくなったりしたことがある」(31歳・会社員)肌荒れや蕁麻疹などの症状が出てしまったり、食欲がなくなったり、症状はさまざまですが、仕事や普段の生活にも影響が出るほど苦しんだ経験がある人は少なくなさそうです。私は以前、転勤が決まった時に、急激に食欲がなくなり5キロ近く体重が減ったことがありました。当時、気持ちがとても落ち込んだという自覚はなかったのですが、今思うと知らず知らずのうちにストレスや緊張を感じていたのかもしれないです。症状は改善する?みなさん、いろいろな症状に悩まされてきたようですね。その症状は改善したのか聞いてみたところ、「YES」と回答したい人が83%、「NO」と回答した人が17%という結果に。全ての人ではありませんが、8割以上の人が改善したというのは、今も症状に悩んでいる人にとっても少し希望がもてそうでしょうか。焦らずマイペースが大事ストレスを減らすのは簡単ではなさそうですが、少しでも穏やかに過ごせたら嬉しいですよね。症状が改善した人たちに、どのように対応をしてきたのかを教えてもらいました。「その時の目の前の仕事を頑張る」(34歳・会社員)「慣れ」(35歳・専門職)「新しい生活の中で、人間関係ができてきた時。ちゃんと今までの居場所を思い出にできたと思った」(39歳・専門職)自然に環境に慣れていき、ストレスを感じなくなったという声が複数ありました。新生活のスタートによる一時的な緊張や不安は、時間が解決してくれることもありそうですね。最初はつらくても、いい出会いや経験の場になったという人もいるので、状況がよくなることを信じて、環境に順応していくのをマイペースに待つというのもいいかもしれません。ほかには、自分のペースを取り戻す方法についてもコメントが集まりました。「静かな時間を楽しみながら、人と一定の距離感で付き合えるようになり、自分のペースを取り戻した。今は、外出しても、人とたくさん会っても自分のペースでいられる」(46歳・自営業)「友達と飲んだり、山登りをしたり、本を読んだりする」(41歳・会社員)みなさん、趣味の時間をつくったり、友人に話したりすることで、心穏やかに過ごせる方法を見つけていますね。私は、気持ちが落ち込むことは誰でもたまにはあるものだと思って、普段から自己肯定感が上がり、前向きなれるような映画をブックマークしています。仕事がうまくいかなかったり、悲しいことがあったりした時は、休日にひたすら映画鑑賞をして気分を上げています。一方で、大きな決断をしたという人たちもいます。「転職した」(35歳・会社員)「その会社から離れることにした。その後はすぐに改善し、元気になった」(31歳・会社員)職場環境にストレスを感じていた人の中には、転職をしたという人もいました。転職はエネルギーも必要で、大きな決断ではありますが、つらいと感じる環境にずっと身を置くのは苦しいですよね。ストレスを我慢せず、勇気をもって環境を変えることで、気持ち新たに進んでいけそうです。みなさん、いろいろな方法でストレスを乗り越えてきましたが、解決策を見つけるのが難しかったり、本当につらくなったりした時は、病院に頼ったりすることも選択肢の1つかもしれません。自分にあった方法で、前向きに過ごしていきたいですね。忙しい時こそ気分転換を春のメンタルケアリサーチ、いかがでしたか? 新生活のはじまりは忙しいかもしれませんが、ちょっと太陽の光を浴びてみたり、湯船にゆっくり浸かってみたりすることも、気分転換にいいそうです。最近疲れたかもと感じたら、みなさんのコメントを参考に、リフレッシュする時間もつくってみてください。穏やかな春を過ごせることを願っています!(C)Jamie Grill/Getty Images文・高橋あやか
2023年04月03日今の時期は気候や環境の変化で、ちょっとしたことでイライラしたり、些細なことをいつまでも気にかけてしまったりと、気持ちが不安定になる人が多いようです。中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、すぐできるメンタル不調対策と、逆にしてはいけないNG行動を教えてくれます。最近、気持ちが不安定になっていませんか?【カラダとメンタル整えます愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 206最近、時間に追われ、心もカラダも余裕がなくなるタイミングが増えてはいないでしょうか。やることや考えることがありすぎて、神経過敏になって怒りっぽくなってしまったり、そうかと思えば急に集中力が途切れたり、仕事に追われ睡眠時間を削り疲労困憊したりとギリギリで生きている方も多いと思います。いっときであればよいのですが、例年4月いっぱいは多くの人が慌ただしく過ごしている印象です。GWに入るまで怒涛の日々が待っていることだと思います。実は漢方医学でも春の不調の特徴として、些細なことに怒ってしまったり、処理する情報量が増え、それに伴い目を酷使することになり、頭痛や肩こりなどの不調を感じることが増えるといわれています。これを『肝』の働きがダメージを受けていると表現したりします。ということで、今週は春のイライラが悪化してしまうNG習慣と食べるとよい食材を紹介していきます。今週は、イライラの対策となる食薬習慣突然ですが、ちょっと思い返してみてください。最近、いつもなら流せるようなことに言い返してしまったり、他人の一言にひどく傷ついてしまったり、一人になると反省会をしてしまうようなことはないでしょうか。春の寒暖差に気圧の変化、人間関係の変化、目を使う前かがみの姿勢の長時間作業など、不調につながる環境が存在しています。その結果、神経過敏になったり、感情が顔や行動、言葉に出てしまうことが考えられます。人間関係やさまざまな段取りにも影響してしまいますよね。さらに、女性の場合には月経周期によってもイライラが加速する時期もあり、余計に怒りや食欲などを爆発的に感じる機会が増えてしまうこともあるかもしれません。この症状を漢方医学では、『肝血虚』や『肝気鬱結』であると考えます。そこで、自律神経を整えるべく鉄やビタミンB群、タンパク質を補給することで『肝血』を補い、ストレスによって発生する活性酸素を減らす『疎肝理気』作用のある食薬を取り入れることがおすすめです。ですが、ストレスが多い時には、すぐにストレスから解放してくれて満足感が高いメリットがあり、体内でイライラの素となる『痰湿・湿熱』に変換されるデメリットのある食事を欲してしまう可能性が高まります。その代表的存在がスイーツです。さらに、お菓子だけでお腹が満たされ栄養補給するタイミングが減ってしまい、『血虚』の後押しをしてしまうことも考えられます。そのため、『肝血』を補い『疎肝理気』してくれる食材を十分に食べ、なるべく『痰湿・湿熱』の材料となる食べ物を控えることが必要です。今週食べるとよい食薬は、【ピーマンの海老詰め】です。逆にNG行動は【ご褒美スイーツ】です。食薬ごはん【今週食べるとよい食薬:ピーマンの海老詰め】『肝血』を補う高タンパク食材でビタミンB群やミネラルも豊富な海老と鶏肉を『理気』作用のあるビタミンE、ビタミンC、βカロテン、クロロフィルなどの抗酸化物質を含むピーマンに詰め込んだメニューが便利。また、海老の赤い色素アスタキサンチンや鶏肉のイミダゾールジペプチドも疲れた頭を癒してくれます。レシピはこちらです。<材料>タネむき海老100g(荒くミンチ)鶏ひき肉200gオートミール大さじ1味噌大さじ1生姜1かけ(みじん切り)ーーーピーマン4つ(種は捨てずに半分に切る)ーーー調味料酒・水大さじ1醤油小さじ1<作り方>タネの材料をポリ袋に入れてよくこねて、ピーマンに詰める。クッキングシートを長めに切ってフライパンに敷き、ピーマンを並べ、調味料を回しかけ、クッキングシートで包むようにたたむ。フライパンとクッキングシートの隙間に水を150ml程度入れ、蓋をして10分程度中弱火で蒸したら完成。※面倒な人は軽くラップをかけ5~6分レンジにかけてもOK。NG行動【ご褒美スイーツ】気分転換やご褒美として食べるスイーツがNGです。私たちは忙しくて感情がコントロールできないときほど、甘い物を欲しやすくなってしまいますが、そんなときこそ間食や食事の質を、自分のカラダにとって必要な栄養素になるように調整することがベターです。とはいえ、即リラックスでき幸福度をアップしてくれるスイーツは、魅力的で意識的に控えることは難しいかもしれません。そのため、食べてしまったときには、血糖値の急上昇を抑えるように片付けや掃除をして歩き回ったり、お散歩をしたりと気分転換の行動となる運動習慣もセットで取り入れるようにしましょう。血糖値の安定は、感情の安定にもつながりますよ。イライラした時ほど、負のスパイラルに陥らないように食生活を整えたいものですが、なかなかそうはいかないものです。思うようにコントロールできないと感じた人は、忙しさや月経前のイライラがひと段落した心もカラダも元気な時の生活を見直すことから始めてみましょう。体調が悪い時に、生活習慣を変えることは難しいです。元気なときに健康意識のレベルを少しずつ上げて体調の波を小さくできるようにしていきたいですね。ほかにも心とカラダを強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。※食薬とは…『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。Information大久保 愛 先生漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン』の開発運営や『食薬アドバイザー』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。公式LINEアカウント@aika『1週間に一つずつ心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。©Alexey Yaremenko/Gettyimages©Aja Koska/Gettyimages文・大久保愛
2023年03月31日私は頭頂部の髪が薄いことが気になり何とか隠そうとしてもうまくいかなくてガッカリ……ということを繰り返しています。そんなとき、思い出すのは学生のころのこと。当時テスト勉強中に髪の毛を抜く癖があり、気が付くとゴミ箱に髪の毛がたまっていたことも。あのとき抜いてなければ、今も頭頂部にもう少し髪があったかもしれない! そして今でも髪の毛を抜く癖が出ることに気が付き、克服したいと思ったことをお話しします。★関連記事:更年期になると薄毛や抜け毛が増えるのはなぜ? やってはいけないNG行動は?【医師監修】無意識に手が伸びてしまう…大人になってもつい髪の毛を抜いてしまう癖を自覚したのは、会社の研修中におこなわれる課題テストの勉強をしているときでした。テストに備えて自宅で課題テキストを読みノートに書いてを繰り返していたら、無意識に後頭部の髪に手が伸びてプツンと抜いていました。そしてゴミ箱には数本の髪の毛が……。これは学生のころと同じことをしている! と気が付いてびっくり。しかも、頭頂部の薄さが気になっていると自覚しているからなのか、目立たない髪の内側の毛を抜いていました。原因を調べてみるとただでさえ加齢による髪のダメージを感じているのに自分で抜いてしまうなんてよくない、この癖を直したいと思いました。ネットで調べてみると、ストレスを感じたときに髪の毛を抜いてしまうという癖が当てはまるようです。たしかに、推し活など何かを夢中になって楽しんでいるときは髪の毛を抜きません。今回は仕事の課題テストで良い点数を取りたいという焦りがストレスとなり、髪の毛を抜く癖が復活したように思えました。意外なアイテムが活躍!?まず焦りや緊張を和らげてリラックスすることが大事だと考えて、勉強する前に香りの良いハーブティーを用意しました。その香りをかぎながら深呼吸を繰り返し、落ち着いてきた所で勉強をスタート。しかし、これだけでは集中力が途切れてきたときに髪を抜くかもしれないので、予防アイテムとして使用したのは薄手のストールです。頭を締め付けない程度にゆるくストールを巻いてみました。これで無意識に手がのびてもストールにさまたげられて、髪を触らずに済みました。まとめこの癖を直したいと思ったもう一つの理由は、髪の毛を抜くと痛みを感じるのに止められず、自分を痛め続けていることに気が付いたからです。髪の毛も自分の一部なのだから大事にしたいと今回のことで実感しました。これからもストレスを感じることはたびたびあるかもしれませんが、その中でもできるだけ自分をリラックスさせる方法を考えて過ごしていきたいと思います。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。著者/滝内 まい(50歳)出版社や眼鏡屋など、あらゆる職種を経験。趣味はイラストを描くことや美術館でアートに触れること、読書など。
2023年03月27日免疫を担う白血球を正常に働かせるには、自律神経を整えることが大切。そのためには呼吸法が強い味方に。ストレスを感じたとき、睡眠が浅いときなど、場面に合わせた呼吸をマスターすれば、免疫力アップだけでなく、メンタルの安定など大きなメリットが。シーンに合った呼吸で自律神経をコントロール。「免疫力を高めるには、自律神経をコントロールすることが大切。自力で自律神経にアプローチできるのが呼吸法です」と言うのは、医学博士の根来秀行先生。自律神経とは、呼吸や消化器官、体温調節など、全身の機能を司る神経のこと。おもに日中に行動を活発化する交感神経と、おもに日が暮れる頃から優位になり体をリラックスさせる副交感神経の2つがある。「免疫は、血中の白血球が担当しており、なかでも大きな役割を果たすのが顆粒球とリンパ球。交感神経優位のときに増える顆粒球は大きな異物や細菌に、副交感神経優位のときに増えるリンパ球はウイルスやがん細胞などに立ち向かいます」自律神経が正常に働いていれば、顆粒球とリンパ球もしっかり働き、病気などにもかかりにくくなる。「ストレスなどが多いと交感神経が優位になり、自律神経のバランスが崩れます。それを調整できるのが呼吸法。正しく行うことで、自律神経だけでなく、脳内ホルモン、心拍数、血管、心の状態にも影響を与えることができます。回数やタイミング、呼吸の仕方、深さなどによっても効果が変わってくるので、そのときどきで使い分けて、免疫力を強化しましょう」自律神経整え呼吸法まずはこれを習慣に!ベースの呼吸法副交感神経のスイッチを入れる呼吸法。「吐く息を長く」を意識すればよいだけなので、気がついたときにこまめに行って、疲労を軽減しよう。HOW TO1、鼻から軽く息を吐く。2、お腹をふくらませながら、ゆっくりと4秒間かけて鼻から息を吸う。お腹が数cmふくらむようにしっかりと息を吸い込んで。慣れないうちは、おへその上に手を当てて確認しながら行おう。3、お腹を絞るようなイメージでへこませながら、鼻からゆっくりと8秒間かけて息を吐く。2と3を落ち着くまで続けよう。METHOD1 ストレスを感じたら4・4・8呼吸法不安やストレスを感じたときに交感神経が優位になるのを食い止める呼吸法。心拍数や血圧の上昇を防ぎ、頭もスッキリ!HOW TO1、楽な姿勢で椅子に座り、おへその上に軽く手を置く。2、2~3回、腹式呼吸をし、息を吐ききる。3、4秒かけて息を吸う。4、4秒、息を止める。5、お腹を絞るようなイメージで8秒かけて息を吐く。3~5を4回繰り返す。METHOD2 お風呂上がりにリンパ呼吸法おへその裏にある、リンパ液が溜まっている「乳び槽」にほどよい圧力をかけられる呼吸法。リンパがスムーズに流れ、疲労やむくみが解消。HOW TO1、全身の力を抜いて膝を軽く曲げた状態で、仰向けに寝転がる。2、息を軽く吐ききる。3、ゆっくりと鼻から息を吸い、お腹を大きくふくらませる。4、お腹をへこませながら、吸った時間よりも長めにゆっくりと鼻から息を吐く。METHOD3 眠る前に10・20呼吸法じっくりと心と体を癒す呼吸法。1分間に2回の深い呼吸を10~20分行うのが理想的。照明を落として行うと効果アップ。HOW TO1、姿勢を正して座り、下腹部をゆっくり絞るようにして息を吐ききる。2、下腹部と肛門の力を抜いて、下腹部をゆっくりふくらませていき、10数えながら自然に息を吸い込む。3、首から胸にかけてゆっくり力を抜きながら、自然に息を吐く。そのまま下腹部をゆっくり絞りながら20数えて、さらに息を吐いていく。同時に肛門もゆっくり閉じていき、そのまま息を吐ききる。2~3を20~40回、自分のペースで行う(20回で約10分)。METHOD4 睡眠が浅いときはマインドフルネス呼吸法雑念を払い、「吸って、吐いて」に集中することで、脳を休めてクリアな状態に。睡眠中に目が覚めてしまったときなどにもおすすめ。HOW TO1、背筋を伸ばして座る。2、目を閉じて、体の感覚に意識を向ける。3、呼吸をコントロールしないで、あるがままに息をしながら空気の出入りや胸・お腹の動きなどの感覚を意識する。4、雑念がわいてくるのは当然と考えてとらわれず、すぐに切り上げ、呼吸に注意を戻す。全身で呼吸をするイメージで、体全体に意識を広げる。METHOD5 集中力を保ちながらリラックスしたいときは5・5呼吸法脈拍や血圧を下げるので、ストレスによるパニックに陥ったときにも役立つ呼吸法。浅い呼吸を正すことで全身の細胞に酸素を届けられる。HOW TO1、楽な姿勢で座る。2、ゆっくりと息を吐ききる。3、5秒間、息を止める。4、お腹をふくらませながら5秒で息を吸う。5、5秒間、息を止める。6、お腹をへこませながら5秒でゆっくりと息を吐く。3~6を5回程度、繰り返す。根来秀行先生医師、医学博士。ハーバード&ソルボンヌ大学客員教授。著書は『ハーバード&ソルボンヌ大学 Dr.根来が教える ストレス リセット呼吸術』(KADOKAWA)など。※『anan』2023年3月29日号より。イラスト・岡田 丈取材、文・古屋美枝(by anan編集部)
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