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藤井聡太七段(*)が幼いころ受けていたことで注目を集めている『モンテッソーリ教育』。その歴史は古く、とくに海外では優秀な人材を育てる教育法として確固たる地位を築いています。一方で、「興味はあるけど、近所にモンテッソーリ教育の幼稚園や保育施設がない……」と諦めている方もいるのではないでしょうか?たしかにモンテッソーリ教育は、専門の知識を身につけた教員のもと、専用の教具を使わなければ学ぶことが難しいと思われがちです。しかし、自宅でもその要素を取り入れて遊ぶことは可能なのです。今回は、モンテッソーリ教育を取り入れた遊びの紹介と、それによって子どものどんな能力が伸びるのか、詳しくご説明します。*…2019年1月現在自立心と自己肯定感が育まれる独自の教育メソッドまずは、モンテッソーリ教育について簡単におさらいしましょう。■モンテッソーリ教育とは?女性医師であり教育家でもあったマリア・モンテッソーリによって、20世紀初頭にイタリアで考案された、子どもの自発性を重視する教育法。「子どもには自分を育てる力(自己教育力)が備わっている」という考え方が根本にあり、「自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢を持った人間を育てる」ことがモンテッソーリ教育の目的。40年以上にわたりモンテッソーリ教育を実践している『愛珠幼稚園』の園長・天野珠子先生は、「子どもの自主性を尊重し、それを大人が気づき、手伝うことで子どもの自立につなげていくことを大切にしています」と話します。つまり、親がすべきことは、「手取り足取りフォローしてあげるのではなく、挑戦する心を育てて応援すること」なのです。天野先生は「一人でできることが増えるほど、子どもの自己肯定感は育ちます」と述べています。モンテッソーリ教育とは、子どもを自立へと導き、自分で考えて物事に対応できるようになる、いわば“生きる力”を育む教育法でもあるのです。■モンテッソーリ教育の特色子どもは、その時期の発達に沿って「一人でやりたいこと」が出てくる。それは、“ある時期”に“ある行為”のみに現れることがわかっており、その時期を『敏感期』と呼ぶ。敏感期には、その時期に合わせた専用の教具を使って遊ぶ。それらの教具を使ったあらゆる学習活動を『お仕事』と呼び、子ども自身が自由に選んで遊ぶことで発育と自立をうながす。天野先生によると、「敏感期に合わせて、夢中になることを満足するまでやらせてあげるという経験が子どもの成長には必要」とのこと。敏感期に適切な環境に出合うと、子どもは集中現象を起こします。そして、集中現象が次々に満たされていくと心が満足し、お腹が空いたのも忘れるほど夢中になるらしいのです。私たち大人は、子どもが夢中になって何かに取り組んでいる様子を見守りたい反面、時間の都合や周囲への遠慮などから「さ、もう充分遊んだでしょ?」と切り上げてしまうことがよくあります。しかし、子どもの“夢中”は、大きな成長につながる重要な鍵です。時間や状況が許す限り、満足するまでとことんやらせてあげましょう。続いて、『敏感期』と『お仕事』について詳しくご説明します。敏感期に寄り添う優れた教育プログラムまず、本格的な『敏感期』に入る前に幼稚園で最初に行うのは【日常生活の練習】です。これはモンテッソーリ教育の基礎にもなるので、しっかりと身につけなければなりません。その後、【感覚教育】【言語教育】【算数教育】【文化教育】と続きます。■日常生活の練習大人のまねをしたがる「模倣期」と、身体が発達する「運動の敏感期」を利用して、自分の体を意志通りにコントロールする能力を身につけることが目的です。・ボタンをかける・室内を掃く・洗濯をする・ものを磨く・縫うなど、日常生活で行うさまざまな動作を大人がお手本を見せながら練習します。「自分のことを自分でできるようになる」という自立心や独立心のベースを築くことができます。■感覚教育言語・算数・文化教育という知的教育分野の基礎となります。感覚器官を使ってさまざまなことを練習し、感覚を洗練させることで、外界からより繊細な情報を収集できるようになり、知性や情緒が発達します。・対にする・段階づける・仲間分けするという3つの操作法が組み込まれた教具を使うことで、「ものを観察する能力」と「ものを考える方法」が身につきます。■言語教育絵カードや文字カードを使い、ことばの発達段階に合わせてきめ細やかなステップを踏んで、語彙を豊富にしたり文法を覚えたりします。「日常生活の練習」や「感覚教育」と合わせて行うことで、自然と文字の読み書きができるようになります。■算数教育算数教具を手で扱いながら、数の概念の基礎、十進法から簡単な計算までを学びます。ビーズを使い、数の具大量や十進法で桁が上がることを体感したり、数種類の切手を交換して掛け算を覚えたりします。■文化教育「ことば」と「数」以外の幅広い分野を学びます。世界地図パズルや時計などの教具に触れながら、子どもの知りたいという要求に応えるのです。分野を統合した「総合学習」のようなものです。幼稚園や教育施設で使用される教具は360種類にものぼり、すべて体系的につながっています。赤、青、黄の三原色をベースにした色鮮やかなものが多く、優れた教育的効果を発揮するだけではなく、子どもが思わず触りたくなるような魅力あふれるものばかりです。モンテッソーリで学ぶ子どもの「お仕事」モンテッソーリは著書の中で、「大人の仕事が生産的労働であるならば、子どもの仕事は人間を形成すること」と述べています。「つまみたい」「並べたい」といった衝動も、子どもの内面からあふれる自立への強い欲求であると言えるでしょう。つまり、家庭の中での自立や人間形成につながる事柄はみんな、子どもが自分自身を創るための「お仕事」でもあるのです。「モンテッソーリのメソッドを家庭で取り入れるためには、何よりも大人の子どもに対する接し方を重視する必要があります」と語るのは、モンテッソーリ教育施設「吉祥寺こどもの家」園長の百枝義雄先生。まずは、子どもをよく「観察」することから始めましょう。親にとっては不可解に見える子どもの行動にも、子どもが大きく成長するヒントが隠されているのです。子どもの “こだわり” と “伸びる能力” の関係性は以下です。同じことを同じ順序で繰り返したい「順序へのこだわり」→段取り力へ発展同じことを同じようにしたい「習慣へのこだわり」→集中力を育てる同じ場所に同じ人がいないと気持ちがわるい「場所へのこだわり」→倫理観へ発展高いところに乗って歩きたい「運動へのこだわり」→バランス感覚をつける3本指を使いたい「指先運動へのこだわり」→器用な手先をつくる(引用元:東洋経済ONLINE|家でもできる「モンテッソーリ教育」のコツ)このように、「こだわりを満足させることで伸びる能力」について理解できていれば、家庭でもモンテッソーリのメソッドを取り入れやすくなるはずです。家庭で子どもの能力を引き出すポイント次に、モンテッソーリ教育を取り入れた簡単な遊びをご紹介します。おすすめは「親指・人差し指・中指」の三指を使うお仕事です。【あけ移し】トングなどを使って豆や石を一方の容器からもう一方の容器に移します。100円ショップでも手に入るシュガートングが、子どもの手にはちょうどいいですよ。慣れてきたらピンセットを使って、大きめのビーズのあけ移しにも挑戦してみましょう。仕切りのあるケースを使えば、色別に分けて入れることもできます。色を認識し、判断して選り分けるという工程が生まれるので、難易度もアップしますよ。【お料理のお仕事】玉ねぎの皮むきや茹でたじゃがいもの皮むき、またはゆで卵の殻をむく、など「むく」という作業は料理を始める最初のステップとして非常に有効です。指先を使うだけの作業なので危険度が低く、すぐに達成感が得られるのもいいですね。また、前出の百枝先生による『「自分でできる子」が育つ モンテッソーリの紙あそび』(PHP研究所)では、モンテッソーリ園と同じ「お仕事」を自宅で再現する方法が紹介されています。この本を参考に、ハサミやのり、とじ針と毛糸などの道具を用意すれば、付属の型紙を使って気軽に「お仕事」に挑戦できます。たとえば、型紙を写して線に沿って「切る」、線に沿って一定間隔で描かれた点を目印にして「穴をあける」または「縫う」など、モンテッソーリのメソッドに基づいた手法で遊ぶことができるのです。そして、あの藤井七段が子どものころ100個作ったことで話題になった「ハートバッグ」の型紙と編み方も載っています。最後に、子どもが興味を抱き「やってみたい!」となったとき、親は次の点に注意しましょう。・親のお手本を子どもが見ているときには話さない・説明するときは動きを止める・手出しや口出しはしない・子ども自身が試行錯誤するチャンスを奪わない・出来ばえを評価しない穴をあける道具(「かるこ」など)や、抜い差し用の針は、初めて使わせるとき「危なくないかな?」と心配になるかもしれません。使うときは危なくないように見守ったり、子どもの手でも扱いやすい小さめの道具を用意したりと、「どうしたら子どもがうまく使えるか」ということを考えて取り組ませるといいでしょう。『「自分でできる子」が育つ モンテッソーリの紙あそび』(PHP研究所)***モンテッソーリ教育を家庭でも取り入れるには、道具を揃えるより先に「親の心がけ」が必要です。子どもが夢中で取り組んでいる様子を黙って見守り続けるーー簡単なようで難しいですよね。しかし、子どもには大人が思っている以上の能力が備わっています。子どもの自己教育力を信じて、見守ってあげましょう。(参考)Study Hacker こどもまなび☆ラボ|藤井聡太六段、Amazon共同創立者ジェフ・ベゾスが幼児期に受けていた「モンテッソーリ教育」とは?日本モンテッソーリ教育綜合研究所|モンテッソーリ教育についてStudy Hacker こどもまなび☆ラボ|子どもの自主性を尊重し、集中力と柔軟な対応力を育む「モンテッソーリ教育」【愛珠幼稚園園長 天野珠子先生】Study Hacker こどもまなび☆ラボ|子どもたちが自ら育つ力を応援する「モンテッソーリ教育」のメソッド【愛珠幼稚園園長 天野珠子先生】産経WEST|天才・藤井四段も学んだ「モンテッソーリ教育」とはー集中力と自分らしさ、周囲に流されず「好きなことをとことん追求する子供」に『できる子になる!0歳からのお手伝い』クーヨンBOOKS12,2015年6月,クレヨンハウス.東洋経済ONLINE|家でもできる「モンテッソーリ教育」のコツ百枝義雄・百枝知亜紀 著(2018年),『「自分でできる子」が育つ モンテッソーリの紙あそび』,PHP研究所.
2019年01月29日『こどもまなび☆ラボ』では、これまでに何度も読書の大切さや読書と学力の関係性についてお伝えしてきました。さらに、小さいうちから読書を習慣づけることで、勉強面だけではなくあらゆる面で良い影響を及ぼすこともわかっています。では実際に、東大や一流大学に通っているような人は、幼少時どのような読書環境で過ごしてきたのでしょうか。また、親は子どもにどのような読書環境を与えてあげるべきなのでしょうか。賢いから本を読むの?本を読むから賢いの?「東大家庭教師友の会」が約7,000人の現役東大生から集めた経験談を分析した結果によると、8割以上が親に「勉強しなさい」と言われずに勉強し、東大に合格したといいます。『こどもまなび☆ラボ』の過去の記事からも、子どもに「勉強しろ」と口うるさく言うことが逆効果であることは明らかになっています。(「勉強しろ」は逆効果!統計でわかった、親が本当にやるべき3つのこと)ただし「読書」に関しては、子どもが小さいうちから親が導き、促してあげることで、確実にその習慣は身につきます。あらゆる調査結果からも、一流大学に通う学生の多くは幼少期からたくさんの本を与えられて育ち、成長後も読書が習慣になっていることがわかっています。プレジデント社が行ったアンケートで、現役東大生の小学校時代の読書冊数は、平均で月7.4冊という結果が出ました。全国平均が月5.6冊(学研教育総合研究所 小学生白書Web版「小学生の日常生活に関する調査」2014年より)だったので、小学校6年間で130冊もの読書量の差が出るという結論が導き出されました。この結果を見て、「将来東大に合格するような子は、そもそも普通の子どもより賢いからたくさんの本を読んでいるんじゃない?」という感想を抱いた方もいるのではないでしょうか。でも実は、賢いから本を読む、という認識は間違っているのです。教育や子育てに関する数多くのベストセラーをもつ教育環境設定コンサルタントの松永暢史氏は「賢い人は本が好きだと思っている人はいると思いますが、逆です」と述べています。「(中略)本を数多く読むと言語的な理解力が上がり、言語を使いこなす能力も身につきます。さらに、考える時間も増えて思考力が高まる。結果、勉強もできるようになるわけです」(引用元:産経Biz|賢さの鍵握る“読書体験”東大生が小学生時代に読んだ本って何だろう?)つまり、本をたくさん読むからこそ思考力や理解力が高まり、成績に結びつくのです。東大などの一流大学に通う学生たちは読書家が多く、幼い頃からの読書習慣のおかげで合格することができた、という話もよく聞きます。そのような子たちは、どんなきっかけで本を好きになり、読書習慣を身につけることができたのでしょうか。また、そのために親ができることはあるのでしょうか。調べるうちに、いくつかの共通点が見えてきました。読書に熱中する “ハマり体験” が子どもの脳を刺激する!『プレジデントFamiliy(2018年秋号)』の特集「東大生192人頭のいい子の本棚」では、東大生が小学生におすすめしたい本を紹介しています。「ハリーポッター」シリーズ(1位)、「かいけつゾロリ」シリーズ(2位)、「ズッコケ三人組」シリーズ(3位)というランキング結果から、東大生も子どものころは普通の小学生が読むような娯楽作品を好んでいたことがわかります。ここで注目すべきは、「シリーズもの」を読むことをすすめている、という点です。東大生の多くは、小学生のうちに「シリーズものの本を読みきった」という経験があります。また、「学校の図書室の本をほとんど読み尽くした」と語るほど読書に熱中したことがある東大生も少なくありません。東北大学加齢医学研究所の瀧靖之教授は、「自分の好奇心の赴くままに好きなことに熱中しているうちに、わからないことは誰に聞けばいいのか、どうやって調べればいいのか、というストラテジー(戦略)が身につきます」と述べています。それがのちに勉強や仕事の面で非常に役立つのです。また、夢中になって楽しめることが多ければ多いほど、神経伝達物質のひとつであるドーパミンが放出されます。シリーズ物に熱中することもいわゆる「ハマり体験」の一種であり、それにより脳が大いに刺激されたということも考えられるでしょう。親がつくる『アラカルト本棚』のすごい効果偏差値35から読書習慣の改善で東大合格を果たした西岡壱誠氏は、東大生100人にアンケートをとり、彼らの幼少期の読書遍歴や読書法について著書(『東大生の本棚』・東洋経済新報社)にまとめています。西岡氏は、子どもに無理やり「親が読ませたい本」を読ませることだけはしてはいけない、と説きます。誰しも「この本を読みなさい!」と押し付けられるのは億劫であり、それがきっかけとなって読書嫌いにもなりうる危険性もあります。ですから、子どもが「自分で読みたい本」を選ばせてあげる必要があるのです。さらに、親から押し付けられるのではなく、「多くの本をおすすめしてくれたのが良かった」と非常に多くの東大生が答えたそう。その中でも、『親が作ったおすすめの本の本棚』=『アラカルト本棚』の存在が、その後の読書習慣に強く影響を及ぼしていることがわかりました。アラカルト本棚には、文化系の本も理系の本も、雑誌も漫画も小説も、ジャンルや本の形態も飛び越えた「おすすめ」が並びます。ある学生は、そこに置いてあった科学アドベンチャーシリーズを読んで理系に興味を持ち、東大理学部に進んだそうです。つまり、子どもに特定の本や特定の分野だけを無理に押し付けるのではなく、その時々の興味関心に沿って自由に選べる本棚を作ることで、子どもは自然と興味のある本に手を伸ばすようになるのです。「知りたい!」「読みたい!」そのタイミングを逃さない中学受験指導を行っている浜学園の国語科講師・木村潤一先生は、「レベルが上位のクラスほど読書量が多い」といいます。塾の教材やテストで、物語やエッセーなどいろいろな本を活用していますが、引用するのは本の中の一部でしかないんですね。そこで授業後に、全体を読んでみようと自ら考えるのは、やはり上位クラスの子供たちです。もともと知的好奇心が強く、自分の知らないことがあったらすぐに知りたがる子が多い。教材で使った翌日には、本を手に入れて読んでいる子もいますよ。(引用元:PRESIDENT Online|できる子の家で読まれている本50冊)つまり、「続きが気になるけど……まあいいか」「また今度、時間があるときに続きを読もう」とならずに、知的好奇心が抑えきれずに、すぐに行動に移して「気になること」を即解決するのも、賢い子の特徴であると言えるでしょう。読後にアウトプットする習慣がある前出の『東大生の本棚』著者・西岡壱誠氏は、東大生の読書法の特徴について次のように語っています。東大生は読書法の工夫で「思考力」も鍛えています。「自分の頭で考えて、自分の地頭を鍛えるような読書」をしている。(中略)しかもそれを、小さい頃から実践しているのです。(引用元:PRESIDENT Online|東大式“読んで終わり”にしない本の読み方)たとえば、本を読み終えて「ああ、面白かった!」と確かに感じたのに、しばらくすると内容を忘れてしまった……ということはありませんか?いくら印象深い内容でも、時間が経てば忘れてしまうのは脳の構造的にも当然なのですが、西岡氏によると「東大生は読んだ内容を忘れにくく、本から得た知識を活用できている」らしいのです。それは東大生の多くが、小さい頃から「あること」をしているから。「それ」は何かというとーー「感想」です。東大生は、本を読んだ後、「感想」をアウトプットするから忘れないのです。(引用元:同上)西岡氏によると、本を読んだ後に生じる感情を言語化することが記憶の定着につながるだけではなく、「感想を誰かに聞いてもらう」「それに対してフィードバックしてもらえる」という経験が重要であるとのこと。なるほど、インプットした知識をアウトプットすることが大切なのですね。お子さまのアウトプットの習慣をつけるために、以下のことを取り入れてみてはいかがでしょうか。■読書日記をつける感想は一行でもOK。もちろんたくさん書ける子はどんどん書かせてあげましょう。感じたことを自分の言葉で残すことで表現力も高まります。また市販の読書日記や読書ノートを利用するのも手です。ぬりえやシールなど子どものテンションを上げる仕掛けがたくさんあるので、アウトプットがしやすいかもしれません。いろいろな読書日記があるので、親子で読書日記を選ぶところから始めてみるのもおすすめです。■感想を話し合う「〇〇が△△したところがおもしろかった」など、本の内容についてお子さんに話してもらいましょう。どんなところに心が動かされたのか、お子さんの考えを聞くよい機会になると思います。また、親子で同じ本を読み、感想を話し合ったりする「親子読書」も◎ですよ。本についての会話を楽しむことで、インプットした知識をしっかりと記憶に根付かせることができるでしょう。***東大生の幼少時代の読書環境や読書法は、なにも特別なものではありません。むしろ子どもの好奇心を伸ばし、あらゆることに興味をもつきっかけづくりとしての読書体験が必要なのですね。(参考)Study Hacker こどもまなび☆ラボ|東大生の親の4つの特徴。「勉強ができる子」の脳を育てるために、親がするべき心がけ産経Biz|賢さの鍵握る“読書体験”東大生が小学生時代に読んだ本って何だろう?「東大生192人頭のいい子の本棚」,プレジデントFamily,2018年秋号.東洋経済ONLINE|頭のいい子に共通する小学校時代の過ごし方東洋経済ONLINE|東大生の親が子にかけた「本好きになる魔法」PRESIDENT Online|できる子の家で読まれている本50冊PRESIDENT Online|東大式“読んで終わり”にしない本の読み方神奈川県大和市|家読(うちどく)の推進について大分県竹田市立都野小学校|親子読書のすすめ
2019年01月29日関西人主婦で二児の母のモチコです。毎年、年末年始とGW、お盆休みに義実家へ帰省しています。義実家への帰省、まあ疲れますよね。我が家はお義母さんとの関係は良好ですが、それでも気を遣わないわけではないですし、勝手の違う家にしばらく住むので疲れます。旦那も実家ではあるのですが、個室もなく疲れるようです。そんな中、我が家でなるべく疲れないための帰省ワザを身につけました!ここでシェアさせていただきます!早朝……より、さらに早く出発!我が家は車で帰省するのですが、帰省当日は、気合いを入れて朝4時に起き、5時に出発しています!この時間だと、道路はまだ混んでいないので渋滞を回避できるんです! 渋滞にかからないだけでかなりストレスフリーに!ただメリットはそれだけではないのです……。この早朝発の1番のメリットは、移動時間の大半を子どもが寝てくれること!長時間の移動になると、どうしても子どもが騒いでしまいます。「お腹空いた! 」「まだー? 」「もう飽きた! 」「遊びたい! 」……気持ちはわかる。お母さんも同じ気持ちや。でもちょっと静かにしといて……。つ、疲れる……。早朝発だとこの事態を回避できるのです! ありがたや……。おもちゃに頼る!義実家には子ども用のおもちゃはありません。そのため自宅からいくつか持っていきます。オススメは折り紙と色鉛筆。折り紙遊びで4歳のイチコは楽しく過ごせますし、飛行機やカエルを作ったら1歳の二太郎もしばらく遊べました!折り紙は落書き用の紙としても使えるので、イチコはお絵かきを楽しみ、二太郎には好きなキャラクターを描いてあげて楽しみました。ただ家から持ってきたおもちゃはどうしても飽きてしまいます。……ということで、現地調達!100均で室内用のボールを買ったり、「おともだち」「めばえ」などの子ども用の雑誌を買ったりしてお部屋遊びを充実させました。子ども用の雑誌、私も小さい頃おじいちゃんに買ってもらったので、似たような帰省の思い出ができて嬉しいです。子どもの成長を待つ!義実家には仏具や床の間の置き物、剥き出しのコードなど、触ってはいけないものがたくさん!去年、二太郎が0歳のときは、あちこち触りたがる二太郎を追いかけるので忙しい!まだ外遊びもできなかったので、ひたすら室内で二太郎を追いかけ回していました。それが今年は「触ったらダメ」もわかるし、それでも触るけど加減がわからないわけではないし、やたら舐めたりかじったりしないし……。去年に比べて格段に楽になりました!きょうだいでのおもちゃの取り合いは激化しましたけどね……。でも命に関わることではないから気楽なもんです。「成長を待つ」、コントロールできない部分なので、現時点ではどうしようもできないですが、「来年は今より楽になる!」と思うだけでも気持ちが軽く……なりませんかね?これから子ども達がどんどん育っていって、帰省もどんどん楽になっていくんでしょうね〜。ありがたいですが、なんだかちょっぴり寂しい……いや、去年の大変さはもういいわ(笑)。これからも楽なワザを追求して、楽しく帰省していきたいです。●ライター/モチコ
2019年01月24日「人は教えることによって、もっともよく学ぶ」という古代ローマの哲学者セネカによる名言や「教うるは学ぶの半ば」という中国のことわざにもあるように、学習の定着にはインプットとともにアウトプットも大切です。学校ではアクティブ・ラーニングを取り入れ、子どもたちがアウトプットする機会が増えてきているとはいえ、まだまだ「学習=インプット」というイメージが根強いのが現状ではないでしょうか?今回はアウトプットの効果にくわえて、アウトプットの具体的な学習方法を紹介します。アウトプットは脳内の記憶を定着させるインプットとは、脳の中にさまざまな情報を「入力」することを、逆にアウトプットは脳の中に取り込んだ情報を処理して外へ「出力」することをいいます。子どもの勉強で言えば、インプットは教科書を読んだり先生の話を聞くこと、アウトプットは問題を解いたりテストを受けたり、あるいは文章を書いたり発表したりすることが当てはまるでしょう。インプットとアウトプットの最も大きな違いについて、精神科医の樺沢紫苑氏は自著において「運動」があるかどうかだと述べています。「書く」「話す」といった運動神経を使った記憶は、「運動性記憶」と呼ばれます。運動性記憶の特徴は、一度覚えるとその後はほとんど忘れることはないということです。3年ぶりに自転車に乗ったら乗り方を忘れていた、ということはないはずです。(引用元:樺沢紫苑(2018),『学びを結果に変える アウトプット大全』p.22, サンクチュアリ出版)これを学習面に置き換えると、「手で書いて覚える」「声を出して覚える」などの動きを伴うアウトプットは記憶を定着させることになります。また皆さんが学生のころ、友だちから「分からないから教えて」と言われたり、分からないところを教え合ったりしたことはありませんか?いざ、教えるとなると分かっていたつもりなのにうまく教えられなかったことや教えてみてはじめて本当に理解できたと感じた経験は多かれ少なかれあるでしょう。「教える」ことも記憶を定着させるための重要なアウトプットのひとつなのです。『強烈なオヤジが高校も塾も通わせずに3人の息子を京都大学に放り込んだ話』の著者である宝槻泰伸氏は小さいころに以下のようなアウトプットをしていたとのこと。たとえば、本を読んだら感想文を書く。もし感想文が長くなりそうであれば、口頭で説明(ドライブ中や入浴中)をさせられたそう。これは、本やマンガ(歴史ものや伝記など)の内容の定着をはかり、プレゼンの練習にもなりますよね。(引用元:Study Hackerこどもまなび☆ラボ|知識の詰め込みではない「答えを導き出すための力」をつける、今注目の「探究学習」とは?)アウトプットはこんなに効果があるのですね。であれば、ぜひ子どもたちにもアウトプットの機会を増やしてあげたいものです。記憶定着のためのアウトプット法7つ家庭でできる学習や記憶が定着しやすいアウトプットの方法を7つご紹介します。お子さまの生活にどんどん取り入れて、学習効果をアップさせたいですね。■覚えたいことは手で書く「書く」という動作は記憶を定着しやすくさせます。プリンストン大学とカリフォルニア大学ロサンゼルス校との共同研究で、講義でとったノートが「手書き」か「ノートパソコン」かで学生を分けて試験を行なったところ、「手書き」の学生のほうが良い成績をとったことが明らかになったそうです。■落書きは見つけても叱らない授業中、教科書の人物写真や肖像画にこっそり落書きをしたりノートの端にパラパラマンガを描いたりして遊んだことはないでしょうか? 実は、落書きをしている間、私たちの喜怒哀楽の感情が刺激され、それが記憶力を高める効果があるそうです。■教科書はサッと確認して問題集をたくさんこなす教科書に書かれていることを完全に理解してから問題集に取り組むよりも、サッと確認してすぐに問題集を解き、間違ったところを教科書で確認して再び問題集に取り組むようにしましょう。細切れでインプットとアウトプットを繰り返すことで記憶が定着しやすくなります。■本を読み終わったら内容や感想を聞く子どもが本を1冊読み終わったら、「どんなお話だった?」と内容を尋ねたり、「どんな気持ちになった? それは、どうして?」と感想を聞いてみましょう。■普段の会話で質問するときは「教えてほしい」という姿勢で学校でその日にあったことを子どもが話してくれたら、「それって、どういうこと?もうちょっと聞かせて」のように、1つでも質問をするようにして「教える」体験を積み重ねるといいようです。■叱るときも「教えてほしい」を意識して何か態度を改めさせたいときや反省を促したいときにも親の意見を聞かせる(インプットさせる)のではなく、「どうして、○○だと思うの?」などの質問を通して「教えてほしい」と意思表示をするようにします。■教える手段は「言葉」以外でもOK言葉で伝えたり言い表すことがスムーズにできなかったり苦手に感じていたりするお子さんには、無理に話をさせる必要はありません。自分の気持ちを表現する手段は、紙に文字で書いたり絵を描いたりしてもいいのです。「アウトプット:インプット=7:3」が最適アウトプットをインプットより多くする上で最適な割合は「7:3」と言われています。これは心理学者アーサー・ゲイツ博士によるコロンビア大学での実験結果から明らかになったものです。小3から中2までの100名を超す子どもたちを対象に、「紳士録」(人名年鑑)にある人物プロフィールを9分間で記憶し暗唱させました。この実験で最も高い結果を出したのは、「覚える時間」に約40%を使ったグループで、さらに、年上の子どもの場合は約30%を使ったグループの得点が高かったのだそう。慣れないうちはインプットの時間を4割ほど費やし、だんだん減らして3割にすると、アウトプットとインプットのバランスが良い状態だと言えます。これは前述のアウトプット法「教科書はサッと確認して問題集をたくさんこなす」で言えば、教科書を読む時間を3~4割、残りを問題集に充てるのが最適です。かなりアウトプットの比率が大きいように感じますが、逆に言えば私たちはインプット過多の傾向が強いのかもしれませんね。今回ご紹介したアウトプット法に限らず、子どもに対して常に「意見を教えてほしい」という姿勢で接することが、子どものアウトプットの機会を増やすことになるようです。さっそく、できるところから試してみてはいかがでしょうか。(参考)Study Hackerこどもまなび☆ラボ|知識の詰め込みではない「答えを導き出すための力」をつける、今注目の「探究学習」とは?ベネッセ教育情報サイト|インプットよりアウトプットで子どもは伸びるSTUDY HACKER|世界の教育、基準は “アウトプット” に移行中!グローバル人材になるための「アウトプット力」の磨き方。名古屋商科大学|インプットからアウトプットへ福島みんなのニュース|今週の名言【人は教えることによって、もっともよく学ぶ】セネカ樺沢紫苑(2018),『学びを結果に変える アウトプット大全』, サンクチュアリ出版
2019年01月23日「プログラム学習」というものを知っていますか?2020年度から小学校で始まる「プログラミング教育」とは別物です。この「プログラム学習」とは、現在は大学などで幅広く利用されている「eラーニング」や子ども向けタブレット教材などの基盤になったもの。心理学の理論を応用した、専用の機械を使う学習方法です。難しそう……と思われるかもしれませんが、プログラム学習の概要を知っておくと、家庭における子どもの教育に応用できたり、タブレット教材ならではの学習効果を理解しやすくなったりします。そこで今回は、プログラム学習についてわかりやすくご紹介しましょう。スキナーのプログラム学習とはプログラム学習(programmed instruction)を提唱したバラス・フレデリック・スキナー(1904~1990)は、米国の心理学者。人間や動物の感情よりも行動に着目して実験・観察を行う「行動分析学」の祖として知られています。スキナーの成果として特に有名なのが「オペラント条件づけ(operant conditioning)」です。これは簡単にいうと、人間・動物が特定の行動をとるように条件を与えること。たとえば、箱に入れたネズミに、箱のなかのレバーを押してほしいとします。その場合、まずネズミが偶然レバーを押したとき、ネズミにとって「報酬(reward)」となるエサを与えます。これを、行動を「強化(reinforcing)」するといいます。そして、ネズミがまたレバーを押した際にはエサを与えます。繰り返すと、ネズミは積極的にレバーを押すようになるのです。このようなプロセスはオペラント条件づけと呼ばれます。ご存知のように、犬や馬の調教に使われている手法ですね。そして、オペラント条件づけを人間の教育に応用したのがプログラム学習です。プログラム学習には、「ティーチングマシン(teaching machine)」という専用のデバイスが使われます。ティーチングマシンは学習者に対し、説明および説明を理解したか確認する設問を次々に提示します。学習者が解答すると、正解・不正解がすぐに知らされ、次の問題に移行します。これを繰り返すうち、最終的に当初の学習目標を達成できるようになるのです。ゲーム機やPCの普及した現代、多くの人がこのような形式のクイズゲームや教材に触れたことがあるのではないでしょうか?プログラム学習における5つの原理スキナーのプログラム学習には、5つの「原理(principle)」があると考えられています。スキナー自身の言葉とともにご紹介しましょう。学習者が積極的である学校における一斉授業の多くは、教師がしゃべり、生徒が聞くという形式です。皆さんも経験があると思いますが、このやり方では、先生の話をぼーっと聞き流すことも可能。生徒が何も学習しないまま授業が終わる、ということもありえます。しかし、プログラム学習で用いられるティーチングマシンは、常に学習者自身が動かす必要があります。問題が出題され、学習者が「解答」という行為をしてはじめて次に進むのです。そのためプログラム学習においては、常に学習者の積極性が必要とされています。プログラムと生徒のあいだでは常にやり取りが発生する。講義や教科書、一般的な視聴覚教材と違い、ティーチングマシンは持続的な行動を引き起こす。生徒は絶えず集中し、やることを抱えている。(引用元:Burrhus Frederic Skinner (1968), The Technology of Teaching, New York, Appleton-Century-Crofts.)学習者に即時のフィードバックを与える学校の宿題やテストは、子どもが問題を解いてから正解・不正解がわかるまで、およそ数日のブランクがありますよね。答え合わせ・採点が終わり結果がわかったときにはもう、問題を解くときに自分が何を考えていたかなど忘れていることが多いのではないでしょうか。しかし、プログラム学習においては、学習者が問題に答えた直後に正誤が判明します。時間をおいてからまとめて結果を通知されるよりも、1問答えるごとにフィードバックをもらえるほうが、より強い印象を受けるはず。ティーチングマシンは家庭教師のごとく、正しい返答をするたびに生徒を強化する。このような即座のフィードバックを利用し、生徒の行動を最大限効果的に形成するだけでなく、一般人が「生徒の興味関心を保つ」と表現するような方法で、行動を維持するのだ。(引用元:同上)ゆるやかに難易度が上がるプログラム学習において、教材の作り方は非常に重要です。皆さんも想像できるように、簡単な問題ばかりやっても難しい問題ばかりやっても、効果的な学習にはなりません。また、それまでは順調に問題をクリアしていたのに、ある時点から急激に難しくなって先に進めなくなったら、学習者は意欲を失ってしまうでしょう。そうならないよう、プログラム学習の教材の難易度は、ほんの少しずつ上げる必要があります。それぞれのステップを難なくこなしていくうちに、いつのまにか目標を達成しているというわけです。生徒は複雑な行動を修得するにあたって、慎重に設計された、多くの場合は相当に長い一連のステップを経なければならない。それぞれのステップは、生徒が必ず理解できるくらい小さく、かつ行動の充分な修得にいくらか近づくものでなければならない。ティーチングマシンは、これらのステップが慎重に規定された順番で提供されるようにしなければならない。(引用元:同上)学習者に合ったペースで学べるスキナーはプログラム学習を提唱するにあたって、教室に生徒を集めて講義する従来型の教え方を批判しました。現在の学校制度も同じですが、大勢を一度に教えようとすると、指導側はどうしても平均的な理解度の人に合わせがち。そうなると、理解のスピードが遅めの人には難しすぎてついていけず、理解が速い人には簡単で退屈です。しかし、プログラム学習においては学習者がそれぞれのペースで学びを進めるので、あらゆるタイプの人に対応できるのです。優れた家庭教師のように、ティーチングマシンは生徒が次の段階に進む前に、教えた要点をひとつひとつ完璧に理解することを要求してくる。一方、講義や教科書、それに類する機械は、生徒が理解したかどうかを確認せずに進行してしまい、生徒をたやすく置き去りにしてしまう。(引用元:同上)ティーチングマシンの成功を説明するにあたっては、それぞれの生徒が自分のペースで自由に進められるという事実も重要だ。教育的な目的から、生徒たちを一つのクラスにまとめて収容することは、おそらく教育における非能率性の最大要因である。複数の生徒を一度に指導しようとすれば、速い学習者も遅い学習者も害することになる。優秀な生徒の窮状はこれまで認識されてきたが、遅い学習者はさらに悲惨な結果をこうむっているのだ。当人の自然なスピードを超えて進行することへのプレッシャーの効果は累積する。最初のレッスンを完全にマスターしていない生徒は、次のレッスンもマスターしにくいものだ。(引用元:Burrhus Frederic Skinner (1999), Cumulative Record: Definitive Edition, Xanedu Pub.)学習者によって検証されるプログラム学習の教材が優れているかどうか決めるのは、作成者ではなく学習者です。そして、学習者がプログラム学習をどのように行ったかのデータを通じて、教材は改良されていきます。たとえば、複数の学習者たちが教材の同じ部分でつまづくのであれば、そのレッスンにおける解説が不充分だということです。教材の解説を手厚くしたりといった対応をとることで、プログラム学習の教材はより効果的なものへとアップデートされるのです。優れたプログラムは芸術でありつづけるべきか、それとも科学技術となるべきか。最終的に決定するのは生徒であると知ることは安心材料となる。ティーチングマシンによる学習が持つ予期せぬアドバンテージは、プログラム作成者へのフィードバックであることがわかった。(引用元:Burrhus Frederic Skinner (1968), The Technology of Teaching, New York, Appleton-Century-Crofts.)プログラム学習の例では実際、プログラム学習の教材はどのように「プログラム」されているのでしょうか?以下はスキナーが提示した、小学生に「manufacture(製造する)」という動詞のつづりを覚えさせるための設問です。1.manufactureとは、作る(make)ことや建てる(build)ことを意味します。Chair factories manufacture chairs.(椅子工場は椅子を製造する。)単語をここに写してください。□□□□□□□□□□□2.この単語の一部は、factoryという単語の一部と似ています。どちらの部分も、makeやbuildを意味する古い言葉に由来します。manu□□□□ure3.この単語の一部は、manual(手動の)という単語の一部と似ています。どちらの部分も、hand(手)を意味する古い言葉に由来します。かつて、多くのものは手で作られていました。□□□□facture4.どちらの空欄にも同じ文字が入ります。m□nuf□cture5.どちらの空欄にも同じ文字が入ります。man□fact□re6.Chair factories □□□□□□□□□□□ chairs.(引用元:同上)このように丁寧な解説と設問があれば、manufactureという単語を初めて知った人でも、つづりを覚えられそうですね。ひとつひとつのステップは非常に簡単ですが、こなしているうち、最後には目的を達成できるのです。プログラム学習の優れた点さて、スキナーのプログラム学習を知ったところで、私たちはそれをどう現在に応用できるのでしょう?注目してほしいのが、上で挙げた5つの特徴。これらはプログラム学習だけでなく、一般的な勉強においても知っておいてほしいことばかりです。あらためて振り返ってみましょう。インプットとアウトプットを交互に行うプログラム学習においては、学習者の積極性が必要とされます。教材をぼーっと見たり聞いたりしているだけでは学習は進まないのです。上で挙げた例のように、プログラム学習ではインプットとアウトプットを交互に行います。これは非常に学習効果のある方法。ただ教科書を読んだり授業を聞いたりしているだけでは、インプットに偏りすぎ。インプットしたことを記憶として定着させるには、アウトプットが不可欠なのです。勉強というものは、単純化するとインプットとアウトプットの繰り返しです。新しい知識を頭に入れて、それを問題を解くという形式でアウトプットする。この流れがスムーズに行えれば、たいていの問題は解くことができるはずなのです。(引用元:StudyHacker|効率的勉強法 —— これだけは知っておきたい5つの基本。)脳には出力依存性というものがあるので、「インプットしよう、記憶しよう」とするだけでは情報はなかなか入っていきません。逆に、「情報を使おう」「表現しよう」とすれば入っていきやすくなる。記憶するために「情報を使う」ことは、「アウトプットする」ことですよね。これが重要になるのです。(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|記憶力の要は「記憶の仕方」にあり。親が知っておくべき「記憶の脳科学」)即時のフィードバックが受けられるプログラム学習においては、学習者が問題に答えた直後、正解・不正解がわかります。この「即時フィードバック」は、学習者の能力を引き出すのに非常に重要です。「フロー理論」を提唱したことで有名な心理学者、ミハイ・チクセントミハイ教授(クレアモント大学院大学)によれば、人間は特定の条件が整うと「フロー」もしくは「ゾーン」という極度に集中した状態に入ることができます。そうなると、その状況を心から楽しいと思い、集中しても疲労を感じず、優れたパフォーマンスを発揮することができるのです。その「フロー」になるために必要な条件のひとつが「明確なフィードバックが即座に得られる」状態です。自分の行動に対する反応がすぐに返ってこないようでは、「フロー」は生まれません。たとえば、学校の宿題を自宅でやり、翌日の授業で答え合わせをする。学校でテストを受け、数日後もしくは1週間後に答案が返却される。このような状態では、行動とフィードバックのあいだにタイムラグがありすぎるため、「フロー」は生じません。しかし、プログラム学習ならば「フロー」発生の条件を整えることができるのです。子どもが自宅で勉強する際も、できるだけ速いペースでフィードバックが受けられるようにしましょう。たとえば、1ページ分の問題を解いたらすぐに答え合わせをさせる、もしくはしてあげる。タブレットなどのデジタル教材で勉強するのも、即時フィードバックという意味では効果があります。勉強でわかりやすいフィードバックと言えば点数でしょう。テストや練習問題の正誤で自分の取り組みの成果を確認することができます。しかし、テストのための勉強はするけれど、参考書の章の終わりなどにある練習問題をおろそかにしていませんか?この練習問題は、理解の確認はもちろん、勉強の成果を自分で実感し次の集中につなげるために必要なものです。(中略)テストや練習問題は狭い範囲ごとに細かく行うことが大事です。章の途中などで、区切りが難しいときは、その日やった問題をもう一度やり直すだけでも効果を実感できるはずです。(引用元:StudyHacker|「勉強に集中」のコツは、身近な “ゲーム” に隠れていた!?『集中力アップ』3つのきほん)スモールステップ学習法プログラム学習において、出題される課題はほんのわずかずつ難易度が上がっていきます。「急に難しくなって分からなくなった」という断絶が起こらないよう、注意して設計されているのです。このような学習法は「スモールステップ」と呼ばれています。最初から高い目標を掲げるのではなく、目標を細分化することで、“小さな成功” が得やすくなります。この成功体験を少しずつ積み重ねることで、最終目標に近づいていけるのです。(引用元:StudyHacker|「何をやっても続かない人」が陥っている “3つの大いなる誤解”)そして「スモールステップ」は、上述した「フロー」状態をもたらす必要条件にも関係しています。なぜなら、「フロー」になるには、向き合っている課題の難易度が適切でなければいけないから。余裕でこなせるくらい簡単でもいけないし、達成不可能なほど難しくてもいけないのです。少しずつ難易度が上がっていくプログラム学習ならば、「フロー」になりやすい条件が整っているといえるでしょう。最もフロー状態に入るためには、取り組む課題が簡単すぎても、難し過ぎてもいけません。適切な難易度は、自分の能力を少し超える、「背伸びすれば何とか達成できる」程度の難易度だと言われています。ですので、取り組む課題の難易度を、ちょうどいいレベルになるようきちんと設定することが大切です。(引用元:StudyHacker|フロー状態で勉強が効果的?コツは “ちょっと高め” の目標設定)自分のペースで学ぶ自分のペースで学ぶということは、プログラム学習だけでなく、学ぶという行為全般において大切なことです。物事に関する説明を読んだり聞いたりして理解できる速度は人によって違うものですし、学ぶジャンルによっても異なるでしょう。個人個人のペースに配慮しない一斉授業では、「全然わからなかった……もう嫌だ」「簡単すぎて退屈。授業に出る意味がない」というストレスを生みかねません。自分のペースで学べるプログラム学習は、そのような問題を解決してくれます。海外のオルタナティブ教育として知られる「イエナプラン」や「ドルトンプラン」では、生徒が自分で計画を立てて科目の自習を進めることが重視されています。日本でも、学校の一斉授業についていけない子どもを1対1の個別指導塾に通わせる親は珍しくありません。一斉授業の弊害を危惧している人は多いのですね。子どもに合った教材を選ぶ何かを自習するとき、目的に応じた教材が必須です。そして教材を選ぶときに考慮するべきなのは、「ベストセラーだから」「著名人が書いたから」ということではなく、それが学ぶ人に合っているかどうか。当たり前といえば当たり前ですが、意外と忘れてしまうこともあるのではないでしょうか。たとえば教材に書かれていることが難しすぎてわからないと感じても、「理解できないのは自分が勉強不足だから。もっとよく読まなければ」と思うのではないでしょうか?それで解決する場合もあるかもしれませんが、実はその教材自体がそもそも説明不足だったり、学習者に合っていなかったりするかもしれません。「すごくわかりやすい!これならスムーズに学習できる」と確信できる別の教材を選び直したほうが、学習の目的を達成しやすいのではないでしょうか。お子さんの勉強を応援するのであれば、お子さんの理解度やペースに適した教材を吟味して選んであげましょう。最初はどの本や参考書を選べばいいか分からず、とりあえずネットで評判がいいものを探してみるかもしれません。しかし、どんなに評判がよくても、名著といわれていても、必ずしも自分にとっていい本とは限らないといいます。何を選べばいいか分からないとき、柳川氏(※)の場合はまず信頼できる人に紹介してもらうそう。しかし、それでも自分に合う本と出会うためには試行錯誤が必要とのこと。自分が理解しやすいパターンと、その本の説明や論旨の展開がかみ合っていないと、内容が頭に入ってこないからです。自分の学びスタイルの確定にもつながるので、数ページ読んでやめてしまう本があっても気にせず、合う本が見つかるまで試行錯誤を繰り返しましょう。そのほうが、結果的には効率がよくなるはずです。(※東京大学大学院経済学研究科教授・柳川範之氏)(引用元:StudyHacker|東大教授とハーバード合格者が教える「最高の独学法」)***ともすれば、古典的な知識だと思われてしまうプログラム学習。しかしその理論には、効果的な学びに欠かせない要素が詰まっていたのです。明日から使えそうなものはありましたか?(参考)Burrhus Frederic Skinner (1968), The Technology of Teaching, New York, Appleton-Century-Crofts.Burrhus Frederic Skinner (1999), Cumulative Record: Definitive Edition, Xanedu Pub.eLearning Industry|Instructional Design Models and Theories: Programmed Instruction Educational ModeleLearning Industry|Cognitive Flow And Online Learning: 4 Steps For Putting Your Learners In The Zone脳科学辞典|オペラント条件づけコトバンク|プログラム学習The B. F. Skinner Foundation|DifinitionSimply Psychology|Skinner – Operant ConditioningStudyHacker|効率的勉強法 —— これだけは知っておきたい5つの基本。StudyHacker|「勉強に集中」のコツは、身近な “ゲーム” に隠れていた!?『集中力アップ』3つのきほんStudyHacker|「何をやっても続かない人」が陥っている “3つの大いなる誤解”StudyHacker|フロー状態で勉強が効果的?コツは “ちょっと高め” の目標設定StudyHacker|東大教授とハーバード合格者が教える「最高の独学法」StudyHackerこどもまなび☆ラボ|記憶力の要は「記憶の仕方」にあり。親が知っておくべき「記憶の脳科学」StudyHackerこどもまなび☆ラボ|尾木ママ絶賛!“日本教育の3周先を行く“オランダの「イエナプラン教育」StudyHackerこどもまなび☆ラボ|ドルトンプランの学校が日本にもできるってホント?知っておくべき3つの基本
2019年01月21日こんにちは。イラストレーターの大貫ミキエです。 普段は「夫婦のじかん」というコンビ名で、旦那とよしもと芸人として活動もしております。芸人とイラストレーター、二足のわらじを履く私なのですが、日々生活をより良くするために神アイテム探しに奔走! 今回は、知育おもちゃのお話です。 ※直径39mm以下(トイレットペーパーの芯を通るもの)は誤飲するおそれがありま す。赤ちゃんに渡さないでください。 私自身、子どものころに積み木やブロック遊びが好きだったので、息子にも遊んでほしいなと思っていました。というのも、ブロック遊びのおかげなのか、私は数学の図形問題や展開図問題が非常に得意でした。 必ずしも得意になるとは言い切れませんが、カラフルな色を見ているだけでも楽しそうで、ご機嫌です! ※本商品で遊ぶ際は誤飲等にご注意ください。お子さまが遊んでいる間はそばで見守るようにしましょう。 著者:イラストレーター よしもと芸人 大貫ミキエ夫とのお笑いコンビ「夫婦のじかん」としても活動するイラストレーター。息子(2018.3生)との3人暮らし。Instagramやブログにて育児漫画更新中。
2019年01月17日3〜5歳くらいは「なぜなぜ期」とも言われるように、子ども自身に疑問が溢れ出てくる時期。空はなぜ青いのか、悲しくなるとどうして涙が出るのか、ダンゴムシが丸くなるのはなぜか……。大人が簡単には答えられないような質問を、次から次へと投げかけてくる子も多いはず。また、そんな「質問攻撃」にやれやれ、と疲れを感じてしまう親御さんもいることでしょう。しかし、この質問こそが多方面への好奇心の表れであり、順調に知能が発達している証拠なんだそう。半分は親との受け答えを楽しんでいるだけとも捉えられますが、実はこの“なぜなぜ期”、子どもが“勉強好き”“理科好き”に育つチャンスなのです。「これなあに?」から「なぜ?どうして?」へ「これなあに?」に対して「◯◯だよ」と答えるだけでよかった2〜3歳の頃に比べ、3〜4歳になると質問も多様化。ことばと文字が頭の中で一致し、覚えたことばを上手に使えるようになる時期だからこそ、探究心が溢れ出てくるようです。子どもというのは元来、強い探究心を持っています。これは人間がまだ野生動物だった頃の名残なのです。野生動物は生まれた瞬間に、過酷な自然環境の中に急に投げ出されます。その瞬間に周囲から様々な情報を入手して分析し行動しなければ、たちまち天敵の餌食になってしまいます。そのため動物には、先天的に強い探究心が備わっているのです。幼い子どもが何にでも興味を示し、「なぜ?」「なに?」と訊いてくるのはそのためです。それを上手に育んでいけば、あとは勝手に「理科が得意の子」に育っていきます。(引用元:All About|理科のできる子に育てる低学年からの学習法)いろいろな科目の中でも、答えを導き出すにあたり、数値を使って計算したり、いろいろな作業をしたりしないといけない問題が多いのが理科。ひょんな「なぜ?」をきっかけに、答えを見つけ出すための姿勢が身についていけば、理科がきっと楽しいものと感じられるようになるはずです。子どもの好奇心を肯定し同じ目線に立つでは、「なぜ?」と聞かれたらどう答えるのがベストなのでしょうか。子どものためには、なんでもすぐに答えられるのが立派な大人、という認識は捨ててしまいましょう。すぐ答えが与えられることが習慣になっていると、子どもは「ママに聞けばなんでも答えがわかる」と頼り切ってしまい、自分で考える力が伸びないのだそうです。(引用元:曽田照子(2013) ,『ママ、言わないで!子どもが自信を失う言葉66』,学研パブリッシング.)子どもから科学的な質問をされたとき、知的探究心を伸ばすポイントをまとめてみました。【1.質問を肯定する】まず「よくそこに気づいたね!」と疑問に思ったこと自体を肯定してあげましょう。ただし調子を合わせて形式的にそう言っても、子どもには見抜かれてしまいます。「どうして寒いと体が震えるの?」と聞かれたら、たとえ当たり前だ、そういうものだ、と思っていても、本気で考えてみるのです。大人が何気なく理解しているつもりになっていることも実はよくわかっていなかったりするもので、たしかに不思議がいっぱいです。【2.すぐに答えず、一緒に疑問を持つ】質問にすぐ答えられてしまった子どもは、考えることの面白さを実感することができません。また、答がすぐに導き出せない問題は投げ出してしまう、根気のない子に育ってしまう可能性も否定できません。もしも答えがわかっていたとしても「どうしてなんだろうね」と寄り添い、自ら答えを探し始めるように促してあげましょう。【3.わからなかったらネットや図鑑に頼ってOK】親たるもの、なんでも答えられなくては!と威厳を保とうとする必要はありません。知ったかぶりは最もNG。親の役割は、知識を与えることではなく勉強の仕方や調べ方を伝えること。ネットや図鑑の力を借りながら、子どもが理解できるよう、かみくだいて説明してあげましょう。するといずれ、子ども自らが疑問解決のために勉強する姿勢が見られるはずです。なぜ?に対する「NGワード」「NG行動」逆に、質問に対してNGなのは、以下のような受け答え。いずれもせっかくの好奇心・探究心を、根元からスッパリ切り落としてしまうような残念な答え方です。×「そんなこと知らなくていいのよ。」×「そういうものなの!」×「そんなの◯◯に決まってるじゃない」このほかにも「またあとでね」とその場をやり過ごした場合は、実際にあとになっても何もしないでいると子どももがっかり。信頼を失いかねません。もちろん、手が空いてから改めてこどもの質問に向き合うのであればOKです。また、子どもの質問は無邪気なものでつい笑ってしまいたくなることもありますが、一笑に付すのもNG。子どもは大人が思っている以上にナイーブ。一度笑われてしまうと恥ずかしさや恐怖心を覚え、質問できなくなってしまう場合もあります。幼い子の場合は、質問自体がうまく説明できず、何を言っているのかわかりにくい時も。そんなときは「なにがききたいのかわからないよ」と切り捨てるのではなく、やさしく寄り添って質問内容を引き出してあげましょう。実際の観察や体験を通して説明を本や図鑑で調べるのももちろんよいですが、「百聞は一見に如かず」。勉強の楽しさを知っている子は、机の上以外のあらゆる場所から学びのチャンスを得ています。本来、何かを学ぶことは心をウキウキさせ、楽しいものです。「勉強」感覚が希薄な幼児期にこそ、その「楽しさ」を体感させることが大切なのです。(引用元:祖川泰治(2015) ,『IQがみるみる伸びる0歳から6歳までの遊び方・育て方』,廣済堂出版.)わからないなら机に向かって調べましょう!ばかりではなく、体感することで理解につながれば、親も子も学びの楽しさを実感できるはず。「なぜ?」をきっかけにして、近所の図書館や川や公園へ出かけたり。また、答えを見つけられそうな動物園や博物館、キャンプや登山などを週末に計画すれば、親子一緒にワクワクできますね。***子どもの疑問に寄り添いたいのはやまやまだけれども、毎日忙しくそんなに余裕はない、という親御さんも多いことでしょう。ならば、ときには「◯年生になったら学校で教えてもらえるよ」と未来へ希望をもたせてみたり、「お母さんもわからないから、◯◯くんが大きくなったら勉強して教えてくれる?」とお願いしてみたり。夏休みの自由研究のテーマにしよう、と提案し、疑問を忘れないようにメモしておくのもいいですね。その時はわからなくても、ほかのことを勉強していくうちに知識と知識が結びつき、「なんだ、そういうことか!」と心から納得できる時が来ることもあるはずです。親が真摯に向き合うべきなのは、質問自体ではなく、こどもの“好奇心”の方。「なぜ?」は勉強の楽しさを知るワクワクの芽。大事に育てていけるといいですね。文/酒井絢子(参考)ベネッセ教育情報サイト|「なんで?」と言われても、「間違っているから違う」としか言えません[中学受験]AERA dot.|「9歳のころがカギ」 自分の子どもを「理系」にする方法gooニュース|子どもの 「なぜなぜ攻撃」に、正確な知識で答えるのはNG!?All About|カンタン! 子どもの知的好奇心を引き出す方法All About|理科のできる子に育てる低学年からの学習法All About|これからの教育キーワードは「没頭力」汐見稔幸・高濱正伸対談祖川泰治(2015) ,『IQがみるみる伸びる0歳から6歳までの遊び方・育て方』,廣済堂出版.キャシー・ウォラード(2012) ,『なぜ?どうして?身のまわりの疑問、まるわかり大事典』,飛鳥新社.立石美津子(2014) ,『1人でできる子が育つ「テキトー母さん」のすすめ』,日本実業出版社.曽田照子(2013) ,『ママ、言わないで!子どもが自信を失う言葉66』,学研パブリッシング.
2019年01月17日「子どもにやらせたい習い事」として、しばしば挙げられるスイミング。かつて自分もやっていたという親御さんも多いのではないでしょうか。子どもは保育園・幼稚園でプール遊びを始め、小学校で泳ぎ方を習うことが多いと思いますが、習い事としては何歳から始めさせるのが効果的なのでしょう?今回は、子どもにスイミングを何歳から習わせるべきか、3つの観点から考察します。みんなは何歳からスイミングを習っているの?実際のところ、どれだけの子どもがスイミングを習っていて、何歳から始めているのでしょう?広告代理店の博報堂が2016年3月、「小学生の長子がいる母親」1,428名を対象にインターネット調査を実施したところ、小学生の81.0%が習い事をしていると判明しました。なかでも最多だったのが「水泳教室」(31.1%)。「低学年」では39.8%、「中学年」では35.6%と、3分の1を超える多さでした。一方、「高学年」では17.8%と、第5位にまで落ち込んでしまっています。代わりに第1位となったのが「通信教育、宅配教材」でした。また、「習い事を始めた年齢」の平均について、「水泳教室」は5.6歳。これは「ピアノ、音楽教室」「野球やサッカー等の運動クラブ」など19個の項目のうち、「ダンスなどのパフォーマンス教室(バレエ含む)」と並んで第4番目の早さです。一方、「続けさせたい年齢」の平均は「水泳教室」だと11.3歳で、同じく第4番目でした。「体力作りのために小さい頃から水泳をやらせていたけれど、高学年になったらやめさせて勉強に注力させる」という図がイメージできますね。別の調査結果も参照してみましょう。ベネッセ教育総合研究所が2017年3月、「3~18歳(高校3年生)の子どもを持つ母親」16,170名を対象に行ったアンケートによると、最も人気の習い事はやはり「スイミング」。幼児の23.0%、小学生の33.6%が習っていました。両方のアンケート結果を見ると、およそ3割の子がスイミングを習っていて、就学前から始める子も小学生から始める子も多い、ということですね。スイミングを習うメリットどうしてこんなにも多くの親が、子どもにスイミングを習わせているのでしょう?それは、スイミングを習うことには「泳ぎが得意になる」という以上のメリットが数多くあるからです。体力をつけられる「元・水泳日本代表選手、萩原智子さんに聞いた『習い事としての水泳をオススメしたい5つの理由』」でもご紹介したように、スイミングは健康な体づくりに最適です。健康のためというなら、ほかのスポーツでもよさそうですが、スイミングならではの大きなメリットがいくつもあります。温水プールの水温はおよそ28~30℃ですが、体温より低い水中で運動を繰り返すことで、体温調節機能が強化され、カゼを引きにくくなると言われています。水泳は最高スピードで泳いでも、最大筋力の1/3程度しか使わず、テンポが毎分60回程度であるため、筋の血流量が最大となり、筋の持久的能力の発達を促します。また、最大筋力を必要としないので、筋・腱や関節・骨への負担が小さく、成長期の児童・生徒も安全に運動することができます。水泳はテニスやバドミントン等とちがって、左右両側の筋を交互にバランスよく使用するので、均整のとれた身体の発達が期待できます。また、特定の腕や脚を集中的に使うことがないので、関節が未発達な、幼児や児童にも安心して泳がせることができます。様々なスポーツ傷害に関する報告書をみても、水泳はサッカー・テニス・野球のような、特有のスポーツ傷害が最も少ないスポーツの一つです。(太字による強調は編集部で施した)(引用元:文部科学省|学校体育実技指導資料第4集「水泳指導の手引(三訂版)」)自分もスイミングを習っていたという親御さんなら、うなずける点が多いのではないでしょうか。スイミングは全身を使ううえ、水の浮力のおかげで体に負担がかかりすぎず、腕や脚など特定の部位を傷めることが少ないのです。小さな子にも安心して運動させられますね。空間認識能力を鍛えられる「空間認識能力を鍛える楽しい方法。ゲームとおもちゃが意外と使える!」で詳しくお伝えしたように、「空間認識能力」は「人間が秘めた最大の潜在能力」かもしれないと考えられています。空間認識能力が高いと、各種のスポーツでパフォーマンスを発揮しやすくなったり、設計関係の職業に就きやすくなったりするだけでなく、空間認識能力は創造力・イノベーションと関連しているとまでいわれているのです。この空間認識能力を伸ばすにはいくつか方法がありますが、そのひとつがスイミング。人類学者のグウェン・デワー氏によると、子どもの空間認識能力を育てるには、子どもがものの大きさや方向を意識できるような声かけをするのが効果的だそう。そして、数学教育などを研究するロビン・ヨルゲンセン教授(キャンベラ大学)によれば、スイミング教室のコーチが指導で使う言葉には、家庭ではなかなか出会えない空間的な表現(「突き出しの角にある赤いリング」「背泳ぎできるように向きを変えて、目は上に」など)が多く含まれています。実際、ヨルゲンセン教授が、スイミングを習っている3~5歳の子ども177人に認知機能測定テストを受けさせたところ、「Understanding Directions(方向理解)」分野での得点平均が、一般の平均より約16点も高いという結果でした。集中力がつくスイミングスクール「ケーニーズ」によると、スイミングは「何もしなければ水中に沈んでしまう」ため、一生懸命に泳ぐことによって集中力がつくそう。たしかに、泳いでいるあいだは早くゴールに着こうと必死ですよね。それに、正しいフォームで泳がないと沈んでしまい、適切なタイミングで息継ぎをしないと水を飲んで苦しい思いをします。そのため、泳いでいるあいだは自分の体の動きに全神経を集めるので、集中力がつくのかもしれません。東京大学の学生にスイミング経験者が多いのは有名な話ですが、「スイミングのおかげで集中力がついた」と話す東大生もいるようです。スイミングは何歳から始められるのかさて、スイミングには多くのメリットがあることがわかりましたね。すぐにでも子どもにやらせたくなりそうですが、実際のところ、スイミング教室に通えるのは何歳からなのでしょうか?実は、0歳から通えるスイミングスクールは多いのです。2018年12月時点で29都道府県に展開している「コナミスポーツクラブ」は、4カ月~高校生まで年齢に応じた5種類の子ども向けスイミング教室を展開。4カ月~2歳の子どもが保護者といっしょに参加する「ベビースイミング」は、親子で水遊びをしたり子どもが水に浮かぶのに慣れるのを促したりするコース。泳ぐ練習はしませんが、親子のスキンシップには最適ですし、水への恐怖心を小さいうちに取り除くことには大きな意味があります。スイミングを何歳から始めるべきか1:運動神経を鍛える『栄養・生化学辞典』によると、運動神経とは「筋肉を支配し、身体の運動や姿勢を制御する神経」。運動が上手にできる人のことを、俗に「運動神経がよい」と言いますね。さて、この運動神経ですが、米国の高名な人類学者リチャード・スキャモン(1883~1952)によると、神経の発達は4歳頃に全体の約8割が、6歳でおよそ9割が完了するそう。そして12歳でほぼ10割です。つまり、神経の発達期間が終わってしまう前に、さまざまな経験を子どもにさせて神経に刺激を与えることにより、「運動神経を良くする」ことが重要だといえます。そのため、神経が急速に発達している4歳までにスイミングを習わせはじめるのが特に効果的だといえるでしょう。幸いなことに、スイミングスクールには0歳から通えるので、運動神経を刺激するのに最適だというわけです。スイミングを何歳から始めるべきか2:子どもに意欲はあるか?4歳までにスイミングを始めるのが効果的とはいえ、あくまで目安にすぎません。2016年に引退した水泳のマイケル・フェルプス選手は、五輪で計23個もの金メダルを獲得した伝説的人物ですが、水泳を始めたのは7歳だったそう。ADHD(注意欠陥・多動性障害)だと診断され、「エネルギーをコントロールするため」にスイミングを勧められたそうです。スイミングは神経の発達に効果があるとはいっても、小さい子どもが嫌がっているならば、無理に通わせるのは賢明ではないかもしれません。ベネッセ教育総合研究所が2009年3月、「3歳~17歳(高校2年生)の子どもを持つ母親」15,450名を対象に実施したアンケートによると、小学生の親が運動系の習い事を選ぶ際に最も重視している点は「子どもが楽しんでいる」(95.8%)かどうか。これに対して「成果が目に見える」はわずか18.8%でした。我が子にスイミングを習わせたいと思ったら、まずは子どもの意思を確認してみましょう。「ぜひやってみたい」と前向きならよいのですが、あまり乗り気ではなかったり、スイミングがどんなものかよく知らなかったりする場合、とりあえず体験教室に行かせてはどうでしょうか。そこで水遊びを楽しいと思えたら入会すればよいし、やはり嫌だと思ったらやめればよいのです。以前はスイミングを嫌がった子どもでも、成長とともに興味を持ち、やってみたくなるかもしれません。幼稚園や小学校のお友だちに触発されて「うまく泳げるようになりたい」と一念発起するかもしれませんよ。「運動神経をよくするために、すぐにでもやらせなきゃ!」と焦らずとも、子どもが意欲を持つまで待ってみてもよいのではないでしょうか。スイミングを何歳から始めるべきか3:水を怖がっているか?子どもにスイミングを習わせるメリットのひとつには、「子どもが水に慣れ、水を怖がらなくなる」ことがあります。皆さんのお子さんのなかにも、お風呂を嫌がったり、プールを怖がったりする子がいるのではないでしょうか。そうなると、子どもをお風呂に入れるのに苦労したり、小学校の水泳の授業が心配になったりしますよね。もし今、子どもが水を怖がっているのなら、小さいうちにスイミングに通わせることで水に慣れさせることができるかもしれません。浅いプールで水遊びをしたり、ほかの子どもたちが泳いでいるのに触発されたりして、だんだんと水への恐怖を克服できる可能性がありますよ。もっとも、「小さい頃に無理やりスイミングに行かされてトラウマになり、ずっとプールが苦手」という人もいますので、注意が必要です。スイミングを習うのに必要な費用スイミングが持つ数々のメリットと、習いはじめるのに適切な時期を確認しました。すぐにでも始めたくなったかもしれませんね。そこで気になるのは、お金の問題です。楽器などほかの習い事に比べれば安いイメージがありますが、実際、どれくらいの費用がかかるのでしょう?上述したベネッセによる2009年のアンケートでは、子どもにスイミングを習わせている親が払う関連費用は、平均で6,100円/月。運動系と芸術系を合わせた40種類の活動のうち、9番目の高さです。ほかの運動系の習い事は、野球・ソフトボールが3,900円、サッカー・フットサルが4,200円、空手が4,200円などでした。意外に費用が高めなのはどうしてでしょう?それは、スイミングを習っている子の多くは民間企業のスクールに通っている一方、野球やサッカーを習っている子は地域ボランティアや自治体が運営する団体に所属することが多いから。ベネッセの同調査によると、民間企業のスクールに通う場合の支出平均は、スイミングが6,900円。サッカーが6,400円、野球が6,000円。いずれも安くありません。ところが地域ボランティアが運営する団体だと、それぞれ2,600円、3,300円、3,000円にまで激減します。そして、民間スクールに通う子の割合は、スイミングで86%、サッカーで32%、野球で9%。この差が、習い事にかかる費用の相違に直結しているのです。スイミングにかかるお金を節約したいのなら、地元の自治体やボランティア団体が運営する教室を探すのがよいといえます。***あまりにもメリットの大きい習い事、スイミング。お財布と相談しつつ、ぜひ小さいうちから習わせてあげたいものですね。(参考)StudyHackerこどもまなび☆ラボ|元・水泳日本代表選手、萩原智子さんに聞いた「習い事としての水泳をオススメしたい5つの理由」StudyHackerこどもまなび☆ラボ|東大生の約6割が習っていた「スイミング」。いつから習いはじめるべき?StudyHackerこどもまなび☆ラボ|子どもの「集中力」を養う方法。遊びや習い事を活用しよう!StudyHackerこどもまなび☆ラボ|東大生の幼少期の習い事の第1位は「スイミング」!そのメリットとは?StudyHackerこどもまなび☆ラボ|空間認識能力を鍛える楽しい方法。ゲームとおもちゃが意外と使える!ジュニア スイミング スクール ケーニーズ|水泳から得られる効果とはコナミスポーツクラブ|スイミングスクールプレジデントオンライン|水泳で頭が良くなる?東大生の6割が小学生時代にスイミング公立はこだて未来大学|身体的な発達心理学コトバンク|運動神経博報堂|【博報堂こそだて家族研究所】「子どもの習い事・身につけさせたいスキル」レポートベネッセ教育総合研究所|第1回 学校外教育活動に関する調査 2009ベネッセ教育総合研究所|第3回 学校外教育活動に関する調査 2017(データブック)文部科学省|学校体育実技指導資料第4集「水泳指導の手引(三訂版)」Olympics|Michael PHELPSRobyn Jorgensen Consulting | Adding Capital to Young AustraliansEarly Childhood Australia| Australasian Journal of Early Childhood Vol. 37 No. 2 June 2012
2019年01月08日新年あけましておめでとうございます!今年もよろしくお願いいたします。新年一発目の記事は、「しつけ」についてです!約1年半前のことです。上の子イチコは3歳。0歳の子どもがいる友だち、1歳になりたての子どもがいる友だちと集まりました。そこであることを聞かれたのです。3歳のイチコに注意することが日常すぎて、いつから声かけをし始めたか、まったく覚えていませんでした!育児って目の前のことに必死すぎて、振り返ると本当いろんなこと忘れてる…。その後どうだったか記憶をたぐり…そしてふと思い出したんです!イチコが0歳のとき私も同じことで悩んで、近くの保育園の先生に聞いたことを…!先生のおっしゃるとおり、泣かずにおもちゃを貸せるようになるのは、3歳の終わり…いや、4歳になってからだったと思います(まさかのそこ曖昧)。でも先生の言う、「親が『まだわからんやろ』『できひんやろ』と決めつけて何も言わないより、子どもがわかってなさそうでも、できなくても伝え続ける」って大事な気がします。いつかわかってくれるときは来るし、それを行動に移してくれるときも来る。それを想像して…いまイヤイヤ期でおもちゃを貸せない二太郎に、「貸してあげようね」と言い聞かせる日々です。ふぅぅぅ…。(デカめのため息)
2019年01月07日お手伝いはどんどんさせたほうがいい、と頭ではわかっているものの、子どもにやらせると失敗して逆に時間がかかったり、教える手間が惜しかったりと「面倒だな」という気持ちが先に立ってしまいませんか?忙しい日々のなか、時間的にも精神的にも余裕がなくて、つい「今度ね」と言ってしまっていませんか?今回は、お手伝いがもたらす想像以上のメリットについて、詳しくご説明します。“お手伝い” こそが、いま子どもに与えるべき「学びの機会」■「やりたい!」気持ちが芽生えたときがチャンスNGO「ピースボード」の船上にあるモンテッソーリ保育園「ピースボード子どもの家」の代表を務める小野寺愛さんは、「子どもが「やりたい!」と言ったときを逃してはいけません」と力説します。お手伝いと言っても、子どもが小さいうちは、かえって手がかかります。でもそこで『こぼすからママがやるよ』とか、『あぶないから、あっちへ行ってて』と遠ざけてしまうと、実際にちゃんとできるようになる頃には、『面倒くさい』『やりたくない』と、なってしまう。子どもが『やりたい!』と言ったときに、一緒にやってみる。また、どうしたらできるのかを考えて、環境を整える。そして、『できたね』『たのしいね』という体験を積み重ねることが、こころも成長させるし、自分のことは自分でやる習慣につながります。(引用元:『できる子になる!0歳からのお手伝い』クーヨンBOOKS12,2015年6月,クレヨンハウス.)子どもの「やりたい!」気持ちを大切に。誰だって最初からうまくできないのだから、親としてまず一番に心がけることは、“長い目で見守ってあげること” なのかもしれませんね。しかも、お手伝いには「自立心」を育むだけではなく、教育的効果も存分に期待できることがわかっています。■生活習慣と学力の深い関係国立青少年教育振興機構の鈴木みゆき理事長は、「お手伝い」についてインタビューで次のように言及しています。【お手伝いがもたらす効果】・子どもの自己肯定感を高める・マナーを学ぶことにつながる・「時間の感覚」を身につけられるより良い人生を歩むためにはどれも重要ですね。また、生活習慣が身についている子どもほど学力が高い、というデータから、次の結果を導き出しています。「お手伝い」が「時間の感覚」を身につけさせ、「時間の感覚」が「生活習慣」を身につけさせ、「生活習慣」が「高い学力」をもたらすというわけです。(引用元:Study Hacker こどもまなび☆ラボ|「お手伝い」が子どもにもたらすいくつものメリットーーお手伝いの習慣が高い学力につながる理由)■お手伝いが子どもの “生きる力” に直結する!『お手伝い至上主義』の著者であり東大卒MBA教授の三谷宏治氏は、「家庭での仕事を自分が責任をもってやるという “お手伝い” は、生きていくうえでもっとも大切なことのひとつ」だと述べます。そして、幼少期にお手伝いをしてきたかどうかで、就職や仕事への向き合い方に大きな違いが出ると断言しています。三谷氏によると、お手伝いをしてきた人たちには次のような特長が見られるそうです。・段取りがいい・指示をされなくても自分で仕事をつくることができる・自分で考えてトラブルに対応しようとする・自分の意思で決定することができる・思いやりの気持ちを持ち、よく気が利く・感謝を忘れないつまり、「コミュニケーションスキル」や「問題解決スキル」といった『生きる力』が身についているのです。生活習慣やマナーがが身につく、学力が高くなる、生きる力が育まれる……お手伝いっていいことだらけ!面倒がらずにどんどんお手伝いをさせれば、いずれ必ず、お子さんにとっても親御さんにとっても、良い結果をもたらすはずです。では続いて、それぞれの “お手伝い” にどんな教育的効果があるのか、詳しく見ていきましょう。マルチタスクが必要とされる『料理』は小さいうちから!以前コラム(Study Hacker こどもまなび☆ラボ|小学校の「国語・算数・理科・社会」につながっていく!子どもが料理をするメリット)でご紹介したように、子どもがが料理を手伝うことは国語や算数の力にも直結します。【国語】料理は五感を磨きます。その磨かれた五感は、作文や日記で表現する力を豊かにしてくれます。また、レシピを読み、作業工程を理解する力も、広い意味では“国語力”と呼べるでしょう。【算数】料理は、ただ「作るだけ」ではありませんよね。材料の準備から片付けまで、必要な段取りを順序立てて考える力=ロジカルシンキングを養います。また、2人分のレシピを4人分に計算し直したり、大さじ1(15cc)と小さじ1(5cc)の関係性を理解したりと、頭の中でパッと計算する訓練にもなるでしょう。【理科】野菜のどの部分を料理に使うのかを知ることは、植物の勉強になります。また、水を火にかけて沸騰させると蒸発して水の量が減るということを実際に目で見て体験すれば、理科の勉強にもつながります。さらに、料理を手伝って得られることは、長い目で見ると、子どもたちの将来にも大きな影響を及ぼします。以前ご紹介したコラム(Study Hacker こどもまなび☆ラボ|五感が鍛えられるだけじゃない!集中力や思考力も高まるメリットだらけの「親子料理」)では、次の3つの能力が料理によって発達すると説明しています。【能力1:豊かな表現力】料理をお手伝いすることで「自分の考えをわかりやすく説明できる」「感情コントロールがうまくできる」「率先して行動できる」といった能力につながることが、内閣府の調査結果でも証明されています。【能力2:高い集中力、忍耐強さ】料理中の集中力は達成感につながり、さらに次への意欲や頑張る気力と忍耐力が育まれるプラスのループを引き起こします。「ひとつのことに集中して取り組む」というルーティンは、家庭での学習習慣にも好影響をあたえることがわかっています。【能力3:創造力と思考力】料理とは、クリエイティビティと論理性が必要な知的作業です。完成形を想像しながら、食材の組み合わせを考えて計画的に作業することは、実はとても難易度が高いのです。自己肯定感が育まれる『掃除・片づけ』掃除や片づけは、どうしても大人がパッとやってしまいがちです。ではなぜ子どもに掃除させようとするともたついてしまうのでしょうか?それはきっと「道具」が合っていないのかもしれません。前出の「ピースボード子どもの家」代表の小野寺さんは、娘さんが2歳のときに「子どもの小さな手でも使いやすいように」と、モンテッソーリ園にあったものを真似て小さなミトン型のふきんを作ったそうです。すると、手を入れてしっかりと拭けるようになったとのこと。また、そのふきんをしまいこまずに、子どもの手が届く『いつもの場所』に置くことがポイントだと言います。(中略)それからは、たとえば牛乳をこぼしても、子どもを叱ったり責めたりせず、『あのふきんで拭こうよ!』と前向きなことばをかけられるようになったこともよかったです。(引用元:『できる子になる!0歳からのお手伝い』クーヨンBOOKS12,2015年6月,クレヨンハウス.)まずは、子どもの手に馴染む道具を用意してあげましょう。そして、いつでも取り出せる場所に置くだけで、「汚したら自分できれいにする」習慣が身につきます。また、調布市にあるシュタイナー教育を実践する「ぎんのいずみ子ども園」の山本ひさの園長は「片づけは食事や掃除と同様に大人になってもやるべき当たり前のこと」と述べます。きれいに片づくと、周囲が「気持ち良い」と感じ、自分の行為が「役立った」という感覚が生まれるそう。そのとき『できた!』という自己肯定感が育つのです。一般社団法人「親・子の片づけ教育研究所」代表理事である澁川真希さんによると、「収納を工夫することで想像力が養われたり、元の場所に戻すことで習慣力もついてきます。また、自分にとって必要なもの、必要でないものがわかるようになります」と、片づけがもたらす効果は数え切れないとのこと。整理整頓の習慣がしっかりと身についていれば、自然と学習環境を整えるという動作にもつながっていきます。効率よく学習に取り組むためにも、まずは机周りやお部屋の環境を整えるクセをつけたいものですね。目の前の課題に挑戦し、問題解決能力を磨くことができる『洗濯』毎日洗濯をしている親御さんにとっては、あまりにも当たり前すぎて気づかないことがあります。たとえば、大人は無意識のうちにバランスをとって、洗濯物をまっすぐに干すことができますよね。しかし子どもにやらせてみると、片方は重たいズボンで反対側はなぜか靴下だけ……と、明らかに傾いてしまうことはありませんか?そこで、「どのバランスだと傾かずに洗濯物が干せるかな?」ということを考えさせましょう。重さを均等にして、より効率的に乾かす、という “重さの原理” が学べます。また同様に、「お日さまが当たるところに干すと乾きやすいよ」「シワを伸ばすと、きれいに干せるね」と、干し方のコツを理由を添えて説明してあげることで、太陽の光の動きと温度・湿度の関係などを経験から学ぶことができるでしょう。さらに、洗濯物が乾いてからも学びのチャンスです。洗濯物の分類、整頓、収納までの流れを自分の頭で考えながら同時に手を動かすということは、最初のうちは意外と難しいものです。しかし、回数をこなしていくうちに、必ず手際よく作業ができるようになるでしょう。もしくは子ども自身が試行錯誤して、「もっとやりやすいやり方がある!」と新しい方法を見つけるかもしれませんね。毎日の洗濯を手伝うことが時間的に難しければ、週に一回、持ち帰った上履きを自分で洗わせてもいいでしょう。「どうすればもっと汚れが落ちるかな?」「どこに干したらよく乾くかな?」と、考察と挑戦を繰り返すことで、課題をクリアする達成感を得ることができるはずです。『買い物・おつかい』で判断力・決断力・自己管理能力の総合的な力が鍛えられる最後に、お買い物のお手伝いやひとりでおつかいに行くことも、ある程度の年齢になったら必ず経験させたいことです。一緒に買い物へ行くことは、普段食べている料理にはどのような食材が使われているのか、調理する前はどのような形で売られているのか、お菓子とお野菜ってどっちが高いのかな?など、子どもに知っておいてもらいたい「食育」の知識をたっぷりと吸収することができるからです。また、「この予算内で○○と△△を買ってきてね。お金が残ったら好きなお菓子を1つだけ買ってもいいよ」と、おつかいに行かせるとします。すると、子どもは頭をフル回転させて、品物を選び、お金を計算し、判断力と決断力を駆使してその課題をやり遂げるでしょう。お買い物は、瞬時の計算力と判断力、そして何より “自己管理能力” を鍛えることができます。失敗を繰り返しながらも経験を重ねることで「生きた勉強」にもなり、国語や算数などの教科にも確実に活かされるのではないでしょうか。***せっかく子どもが「お手伝いしたい!」と言っているのに、させないなんてもったいないと思いませんか?時間と心に少し余裕を持って、親御さんがゆったりとした気持ちでお手伝いをさせてあげることで、思わぬ教育的効果をもたらすかもしれませんよ。(参考)『できる子になる!0歳からのお手伝い』クーヨンBOOKS12,2015年6月,クレヨンハウス.Study Hacker こどもまなび☆ラボ|「お手伝い」が子どもにもたらすいくつものメリットーーお手伝いの習慣が高い学力につながる理由日経DUAL|子の就職力を高める「ヒマ・貧乏・お手伝い」習慣Study Hacker こどもまなび☆ラボ|小学校の「国語・算数・理科・社会」につながっていく!子どもが料理をするメリットStudy Hacker こどもまなび☆ラボ|五感が鍛えられるだけじゃない!集中力や思考力も高まるメリットだらけの「親子料理」いこーよ|子供が「お手伝い」するのに「お片付け」しない理由対策も紹介
2019年01月03日年始は親戚の集まりが多いですよね。大人は話に夢中になって、集まった子どもたちが退屈してしまうなんてことも。せっかく集まったのだから、年齢が違う子ども同士、楽しくみんなで遊べるような、簡単に作れる工作を紹介します。段ボールと新聞紙で作る「はてなボックス」家にあるものを使って作る工作遊び。子どもたちだけで協力し合って作り、楽しく遊べる「はてなボックス」とは?《材料と使うもの》・段ボール・新聞紙・ガムテープ・はさみ《作り方》1.段ボールを箱型に組みたてて、片面は開くようにして、ガムテープで固定します2.段ボールの側面に手が入るくらいの穴をはさみを使って、両サイドにあけます3.あけた穴に縦長に切り裂いた新聞紙を両サイドに貼り付けます4.あいている部分に新聞紙か画用紙などを貼り付けて完成!紙を貼るときは、上の部分だけをガムテープで付けて、簡単にあけられるようにしておきましょう家にあるものを入れて、「はてなボックス」で遊んでみよう!上記の方法で作った「はてなボックス」を使って、箱の中身を当てるゲームの遊び方は、とってもわかりやすいので、小さな子どもでも楽しめます。1.はじめに、箱の中に手を入れる人を決めます2.1で決まった人には、目を閉じていてもらい、その間に家の中にあるもの(おもちゃや雑貨など、触っても安全なものを選びましょう)を箱の中に入れます3.1の人は箱の中に手を入れて、何が入っているのかを当てます。なかなか答えられない場合は、ヒントを出してあげて!とっても単純なゲームですが、子どもたちは大盛り上がり。あまりにも楽しそうで、見ている大人も参加したくなるかも!?身近なアイテムでも、手で触るだけでは意外とわからないもの。ぜひ、みなさんもチャレンジしてみてくださいね!ねんどなど触ったときに、感触があるものを選ぶと盛り上がります。動いてもいないのに、「動いてる~!こわい~」と想像が膨らんで子どもたちは大興奮して楽しんでくれます。箱の中に入っている物の形を当てるゲームは、小学1年生の算数の授業でも取り入れられています。「学校でやったことがある」というお子さんもいるかもしれませんね。あまった段ボールで、くじ引きも作ってみよう!段ボールがあまっていたら、手を入れる人を決めるくじ引きを作っても楽しめます。箱型の段ボールに手が入る穴を作って、名前を書いたくじを入れれば完成!おみくじ遊びとしても活用できます。工作遊びをはじめると、子どもの想像力がどんどん広がり、自分たちで新しい遊び方をみつけます。大人は、そのきっかけづくりを手伝ってあげられたらいいですね!<文:フリーランスライターやまさきけいこ>
2019年01月02日2018年2月にスタートした『StudyHacker こどもまなび☆ラボ』では、たくさんの学びの情報を読者のみなさまにお届けしてきました。その中でも最も人気の高かった記事をランキング形式にしてご紹介します。ここからは上位(5位〜1位)にランクインした記事をダイジェストでお届けします!★第5位★『“親の愛情” で子どもの海馬が大きくなる!?子どもの脳を育てる5つのヒント』脳が発達する幼少期、親がしてあげられることとは?習い事や運動が脳に及ぼす影響はもちろん、自然体験や絵本の読み聞かせも脳科学の視点から非常に良い影響を与えていることがわかりました。「子どものために」と信じて行なっているけれど、はたして脳科学的に効果があるのかな?と不安を感じている親御さんが、安心して子育てできる情報が満載です。ワシントン医科大学のJoan Luby博士らの研究グループはMRIを用いて92人の子どもの脳をスキャンしました。その結果、親からの愛情を充分に浴びて育った子どもは、そうでない子どもに比べて、脳の海馬の大きさが10%近くも大きかったそうです。脳とはとても不思議なもので、親の愛情のかけ方さえも子どもの発達に大きな影響を与えるのですね。他にも、自然体験では脳の前頭葉機能を改善してくれたり、読み聞かせが感情や情動にかかわる「大脳辺縁系」が活性化したりすることもわかっています。記事の中でより詳しく説明しているので、ぜひお読みください。★第4位★『「10歳の壁」「9歳の壁」「小4の壁」とは?子どもの発達段階を意識した4つの対処法』「○○の壁」という言葉、最近よく耳にするようになりましたよね。とくに9〜10歳という年齢は子どもの成長にとって大きな転換期であり、抽象的な概念も理解できるようになる大事な時期です。勉強がぐんと難しくなる時期でもあるので、ここでつまずかないためにも、この壁はぜひ乗り越えたいところ。そんな不安を抱えた親御さんたちからたくさんの支持を得たこの記事が第4位です。10歳ごろになると「他者意識」が発達し、他人との比較を通じて自分を認識するようになるため、子どもの自己評価や自尊心が低下してしまうのだそう。嫉妬などのネガティブな感情も生まれ、気に入らない相手を無視したり、その人について悪いうわさを流したりといった「関係性攻撃」につながってしまう場合もあるとのことです。勉強面だけではなく、精神面でも大きな変化が現れるこの時期。深刻な問題としてメディアなどでも取り上げられるようになり、いっきに注目が集まりました。そこでこの時期、親として子どもにどのように接したらいいか、記事の中で詳しく解説しています。「ほめて自信をつけさせる」「家事を手伝わせる」「体験活動をさせる」など、難しいことは一つもありません。ぜひ記事を読んで試してみてくださいね。★第3位★『「落ち着いて」はNGワード!?“本番に強い子”になる、正しい言葉かけと簡単トレーニング』子どもが本番で実力を発揮できないのは、「緊張しているから」だと思い込んでいませんか?でも緊張は誰でもするものです。ここで重要なのは「緊張していても実力が発揮できるか」ということ。この記事は「本番に強い子になるための方法を知りたい!」と願う多くの親御さんたちの心に響き、堂々の3位にランクインしました。森川氏は、「自己肯定感」が本番で力を発揮するための大きなポイントになると言います。(中略)“緊張したけどできた”という成功体験を積み重ね、自己肯定感を育てることが、“本番に強い子”につながっていくと言います。大事な本番前、ついつい「落ち着いて!」「あなたなら絶対にできる!」と励ましてしまいがちですが、これらの言葉を子どもにプレッシャーを与えてしまいNGだそう。ポイントは、子ども自身が「どれくらいできそう」かを確認する手助けをしてあげること。そして、「自分ができそうな行動(=OKライン)」を決めてあげて、ひとつひとつクリアしていくことです。これなら難しくありませんね。★第2位★『フランスの子どもは消しゴムを使わない。「間違いを消さない」がとても大切な理由』『StudyHacker こどもまなび☆ラボ』がスタートしてからすぐに公開されたこの記事は、長きにわたりランキング上位に君臨してきました。しかも、10ヶ月が経過したこの時期にも人気記事ランキングに再浮上するなど、その注目の高さがうかがえます。日本とは違うフランスの学習環境や学習への取り組み方、きっと参考になるはずですよ。消しゴムによって、子どもたちが書いた内容を初期化させないことで、教師は子どもたちの情報のすべてを把握できるのです。プロセスも含めて“思考の進化”が記録されることで、子どもの個性までが筒抜けになるため、採点する教師としては的確な評価と指導が可能になります。大事なのは、「正しいか」「間違っているか」ではなくそこに至るまでのプロセスなのですね。思考の過程を教師が把握することこそが、それぞれの子どもたちに合った指導を可能にしているのです。また、消せない文房具を使うことについて、「美しさ」を重視するフランスらしい理由も。文房具から見える教育への姿勢に驚き、感心したという読者からの熱い支持により、堂々の2位を獲得しました!★第1位★『観劇に出かける親子は驚異的に少ない。メリットだらけの演劇鑑賞、しないなんてもったいない!』映えある第1位に輝いたのは、『演劇鑑賞』のメリットをご紹介したこの記事です。公開後じわじわと話題を呼び、異例のロングランを記録したこの記事は、とある劇場からも問い合わせがくるほどに注目が集まりました。世の親御さんたちの「本当はもっと子どもを観劇に連れて行きたい!」という切なる願いがランキングの結果につながったように感じます。子どもたちは演劇を鑑賞することにより、人とのかかわり方、自分の意見の持ち方などを考えることができます。演劇鑑賞は、学力としては測ることのできない共感力や社会性などを養うことができる絶好の機会なのです。子どもの情操教育にも大きなメリットが期待できる演劇鑑賞について、今一度考えさせられる充実した内容の記事でした。豊かな感情表現を養い、共感力や社会性も育まれる演劇鑑賞は、子どもが小さいからこそぜひ親子で一緒に楽しみたいですね。記事では、子ども向け演劇の紹介もしていますので、ぜひ参考になさってください。***『2018年人気記事ランキング第6位~第10位』はこちら
2019年01月01日2018年2月にスタートした『StudyHacker こどもまなび☆ラボ』。新しい学びを提案した記事の数々が評判を呼び、夏には読書感想文講座を開催したり、「絵本部」として定期的にイベントを開催して読者の方たちと交流を広げたりと、その活動も多岐にわたってきています。2019年もますます多くの最新の学びの情報をみなさんにお伝えしていきますので、お楽しみに!今回は、2018年の1年間に公開された記事の中から、最も人気が高かった記事10本をランキング形式でご紹介します。まずは10位から6位までをダイジェストでお届けします。★第10位★『「勉強しろ」は逆効果!統計でわかった、親が本当にやるべき3つのこと』ついつい口うるさく子どもに「勉強しなさい」と言ってしまい、後悔することはありませんか?そんな気持ちを抱えた多くの親御さんたちの共感を得たのがこの記事です。声かけをした場合としなかった場合、子どもの勉強時間にどのような違いが出てくるのか、驚きの結果が明らかに!?「勉強しなさい」と言われた子どもの平均勉強時間は、言われなかった子どもよりも3.6分少なかったことがわかりました。このデータを見ると、「勉強しなさい」と言うことは、子どもの勉強時間を増やすのにあまり効果的ではなく、むしろ逆効果な場合もあるといえるでしょう。人は「○○しなさい」と命令されると自分の自由が制限されたと感じ、反対の行動をとる傾向があります。これを「心理的リアクタンス」と言います。「勉強しなさい」と言われると反発したくなるのにはちゃんと理由があったのですね。子どもが勉強したくなるポイントは「将来の話をする」「いっしょに勉強の計画を立てる」「夢中になれる体験をさせる」こと。記事で詳しく説明していますのでぜひご参考にしてくださいね。★第9位★『朝食で子どもの未来が決まる!?恐ろしい……ウソのような「朝ごはん」の事実。』親御さんたちにとって、子どもの朝ごはんについての悩みはつきませんよね。実は毎日の朝食が子どもの学力や脳の発達、さらに将来にも大きな影響を与えているのです。そんな衝撃的な事実にハッとした方も多いのではないでしょうか。朝食について改めて考えさせられたという反響が大きい記事でした。「朝食あり」の子どもの3割が、偏差値65以上の大学に合格している。「朝ごはんをほぼ毎日とり続けた人」たちは高収入層に固まりやすく、「朝ごはんを毎日は食べていなかった人」たちは低収入層に固まりやすい。朝食が大事であることは周知の事実ですね。ただし、朝食を用意する際には、「おにぎりだけ・トーストだけ」では不十分です。おかずの種類が多いほど発達指数が高くなる、というデータも出ていることから、バランスの良い献立が理想的です。記事では、時間のない朝でも簡単に作れるオススメのメニューもご紹介しています。★第8位★『今日から実践!子どもの可能性をぐんぐん伸ばすための「言葉かけ」』子どものテストの結果が悪かったとき、「なんでできないの?」と声をかけてしまっていませんか?この声かけ、実はNGです。子どもの能力を伸ばす声かけのコツは「プロセス」や「努力」を褒めること。すぐに実践できる声かけの仕方がわかりやすく紹介されていると評判を呼び、話題になった記事です。「プロセス・努力」を褒められて育った子どもは、たとえ天才であっても努力をする必要があると考え、挫折したときは、時間と努力を積み重ねることで乗り越えられると信じています。できる子だと思われるよりも、学ぶこと自体に価値を置き、困難な問題にも粘り強く取り組みます。「足が速いね!」「頭がいいね!」と褒めてしまうのはよくあることです。しかし、それは「才能」や「人格」を褒める言葉であり、その結果「成功は生まれつきの才能や頭の良さの結果だと信じるタイプ」へと導いてしまうそう。この記事では、子どもの努力やプロセスを褒めることの重要性と、声かけと同じくらい大切な「子どもの話を聞くこと」についても解説しています。★第7位★『一生に一度のゴールデンエイジに運動能力を一気に伸ばす!幼児期に重要な3つの外遊び。』ゴールデンエイジとは、体を鍛えて運動能力をアップさせるのに最も適している時期を指します。そしてそのゴールデンエイジの前段階である「プレゴールデンエイジ」とは、まさに『こどもまなび☆ラボ』読者のお子さま(3歳から小学校3年生)に当てはまるのです。この記事を公開すると、お子さまにスポーツをやらせたい、すでに本格的にスポーツに取り組んでいる、という親御さんから「非常に役に立った」というお声がたくさん届きました。年齢は多少前後しますが、いずれの場合もゴールデンエイジが「最も神経の発達するころであり、自分が経験したことのない運動でも見ただけで習得できるほどの能力を発揮する時期」という認識という点は共通しています。プレゴールデンエイジを充実させる幼児期の運動は、特別なスポーツを始めさせるよりも、子どもたちが日頃から慣れ親しんでいる「遊び」が最も効果的なのです。たとえば、基礎体力がついてとっさの判断力や素早い瞬発力が鍛えられる『鬼ごっこ』や、手足を巧みに動かす「巧緻性(こうちせい)」が身につく『ボール投げ』など、いつも公園などで遊んでいることこそが、プレゴールデンエイジに必要な能力を高めてくれるなんて驚きですよね。★第6位★『我が子を “自己チュー” にしないための3つの習慣 ~自己肯定感と自己寛容の関係~』近頃話題の「自己肯定感」。『こどもまなび☆ラボ』では、子どもの自己肯定感についていくつもの記事で紹介してきました。その中でもとくに反応が大きかったのが、「我が子を“自己チュー”にしない」というインパクトがあるこの記事です。自己肯定感と同じくらい大切なのは「自己寛容」という言葉に、大きな影響を受けた読者の方も多かったようですよ。「自己寛容」の要素が欠けたまま「自己肯定感」だけを育むと、自分を過信し、できない自分を認めないうえに、それを人のせいにするようになってしまうのです。本記事では「自己肯定感」と「自己寛容」がちょうど良いバランスで育まれるために、親としてできることをわかりやすく紹介しています。「GOODニュースを毎日語り合う」「得意なことを徹底して「認める」」「「ではどうしたらうまくいくだろう」を口癖にする」など、毎日のちょっとした会話の中でできる工夫が盛りだくさんなので、「読んですぐ実践したくなった」という感想がたくさん寄せられました。***『2018年人気記事ランキング第1位~第5位』はこちら
2019年01月01日今年の4月より新1年生になった息子。新生活でお友達ができるのか、楽しく過ごしていけるのかとても心配だったある日。こっそり下校の様子を見に行くと、なんと全然知らない上級生のお兄さんと談笑しながら下校しているのを発見。そんな1年生は誰もいないのでびっくりしました。年上のお兄さんと盛り上がった「ライダーベルト」の話帰宅した息子に、お兄さんと何の話をしていたのかそれとなく聞き出してみると、どうらや「仮面ライダー」の話をしながら帰宅してきた様子。もちろん6年生のお兄さん、「仮面ライダー」はもう見ていません。息子も1年生になり、めっきり見なくなってはいたのですが、今はどんなライダーなのか、過去どんなキャラクターだったのか、懐かしいね!こんなライダーベルト持ってたよ!など会話が盛り上がっていたそう。友達の輪を広げたのは、おもちゃやゲームの話題小学校入学後のクラス発表では、幼稚園からの友達は誰もいない状況でのスタートになりました。初登校を終えた日、クラスではどう過ごしていたのか聞いてみると、息子の名前シールのイラストを見て、ひとりの男の子が「あ!マリオ!ゲームしてるの?」と話しかけてくれたそうです。そこから話は盛り上がり、ゲーム機の話、どんなソフトをやったことがあるか。ユーチューブでのゲーム実況は見てるのか?とたくさん話ができたそう。またその会話を聞いて話に加わる子も多かったようで、息子は楽しく一日を終えて帰宅。明日はこんな話も聞いてみる!とうれしそうに話していました。子どもの日常で、どんなものがどんな場面で役に立つのかはわからない。正直、子どものおもちゃなんてムダ。ゲーム、ユーチューブなんてやらせるべきではないと私は思っていました。しかし、わが家には4年生の娘がおり、彼女が勉強の際に、つい静かにしてほしいという理由から、息子にゲームなどを渡してしまっていたのです。それが″会話のきっかけ″になり、息子の小学校生活はスムーズにスタートすることができたよう。誰も知り合いのいない中、早い段階でお友達との会話が進んだことは、とてもよかったと思います。また「仮面ライダー」や「ベイブレード」など1年ごとにモデルチェンジがあるが続いているおもちゃの話題は、上級生も懐かしがって会話のきっかけになっているようです。おもちゃやゲームは、いつ、どんなタイミングで与えるかは悩みますし、親としては必要性を感じないものばかり。できるなら、その時間を勉強にあててほしいと思ったりもします。ただ、今回のことをきっかけに、おもちゃやゲームは大人が考えている以上にコミュニケーションツールとしての役割を担ってるということを知りました。もちろん、モノに頼らず仲間が増やせるのが一番いいのですが、会話の入り口として共通の話題があるとよりスムーズに輪を広げていけると思います。もちろん、勉強や外で体をうごかして遊ぶ時間も必要。おもちゃやゲームをただ与えるのではなく、大人が見守りながらバランスよくかかわっていけるようにしたいと思います。<文・写真:フリーランス記者あんぱんだYO>
2018年12月30日凧揚げ、羽根つき、こままわし、かるた……。伝統的なお正月遊びは、日本文化に親しむことに加えて、子どものさまざまな能力を伸ばす効果も期待できます。今回は、代表的なお正月遊びがもたらす脳や運動能力への影響について詳しく解説していきます。日本ならではのお正月遊びで子どもの能力を上げる!スポーツや遊びの要素を取り入れたトレーニング・プログラムとして注目されている『コーディネーション運動』の教室「アープスコーディネーションスタジオ」によると、お正月の伝統的な遊びには、運動能力を伸ばす要素がたくさん含まれているとのこと。また運動能力以外にも、頭を使う遊びも多いため、知育の面からも非常に役立つようですよ。また、子育てに行事文化を取り入れた「行事育」を提唱している和文化研究家の三浦康子氏は、お正月の伝統的な遊びの成り立ちや意味を教えてあげることで、子どもたちはより日本の文化に親しみを覚えると述べます。『こどもまなび☆ラボ』の読者である親御さんたち世代ですと、さらに上の年代の方に教えてもらう機会も減ってきましたよね。今回は代表的なお正月遊びにまつわる意味や成り立ちも解説しています。ぜひ参考にしてください。せっかくのお正月。おじいちゃんやおばあちゃん、普段めったに会えないたくさんの親戚が集まるときこそ、特別な遊びで忘れられない思い出づくりをしたいものですね。体力アップと調整能力が身につく『凧揚げ』■凧揚げの成り立ちもともとは中国で占いや戦いに使われていた凧。平安時代ごろに日本に伝わり、江戸時代には男の子の誕生を祝って凧揚げするようになりました。その後、庶民の遊びとして広まり、お正月の風物詩としてたくさんの子どもたちに親しまれるようになったのです。凧が高く揚がるほど神様に近づくので、願い事が叶い、元気に育つと言われています。■遊び方糸を引いて揚力(ようりょく)をおこし、空中に飛ばします。和凧、洋たこ(カイト)と色々な種類があり、今では100円ショップなどでも簡単に手に入るようになりました。土手や原っぱなど、思い切り走り回れる広い場所さえあれば、ぜひ家族で一緒に挑戦したいですね「昔は敵陣までの距離を測ったり、遠方へ放火したりする兵器としても凧を使ったんだよ」などと話せば、ゲームとは違う凧の操縦に興味を持つかもしれません。■凧揚げによって伸びる能力・まず、うまく上がるまでひたすら走ることになるので、いつのまにかかなりの運動量になり体力がつきます。・ただ走るだけではなく、凧を揚げるという目的のため、試行錯誤することで創意工夫する力も養われます・風をつかんで凧糸を出したり引いたりする微調整が必要とされるので、調整能力が鍛えられます。相手を打ち負かすのはダメ。長く続けて邪気を払う『羽根つき』■羽根つきの成り立ち室町時代に中国から伝わり、邪気を払うために行われていました。羽根に使うムクロジ(の種)は「無患子」=患わない子と書きます。昔は蚊が媒介する病気で子どもが亡くなることが多かったため、羽根を“蚊を食べてくれるトンボ”に見立てて打って飛ばしました。■遊び方健やかな健康を願って一年の厄をたくさん払いのけたいため、羽根つきは相手を打ち負かすのではなく、長く続けた方がいいと言われています。打ち損じたときに顔に墨を塗るのは、魔除けのおまじない。罰ゲームではなく、羽根を落としても守ってあげるよという優しさなのです。■羽根つきによって伸びる能力・見た目も動きもラケットスポーツに共通するものなので、テニスやバドミントンなどと同様の能力を必要とする遊びです。・自分と物体との距離感を調整する「定位能力」と、羽子板を操作する「識別能力」が鍛えられます。手首の柔らかさやコントロール力が必要な『こま回し』■こままわしの成り立ちその歴史は古く、平安時代にはすでにこまを使って遊んでいたという記録が残っています。こままわしは、「物事や人生が円満にまわる」「子どもが早く独り立ちできる」ことを願ったものだと言われています。■遊び方こまに紐を巻きつけ、指でひねって回します。胴体の底面の逆円錐の部分に下から紐を巻きつけ、紐の片方を持って胴体を投げ出して、紐を引くことで回転をつけます。■こままわしによって伸びる能力・こまを地面と水平にするために投げる角度を調整したり、手首を柔らかく使い、最後には紐を引くという動作が加わったりするため、テクニックが必要とされます。・タイミングを計ったりコントロールしたりする力が養われます。記憶能力と反応能力が試される『かるた・百人一首』■かるた・百人一首の成り立ちポルトガル語で「カード」という意味の「カルタ」が元だと言われています。一方、百人一首は宮中の遊びだったものが庶民に広まったものです。■遊び方読み札を聞いて取り札を取ります。■かるた・百人一首によって伸びる能力・まさに「反応能力」が試される遊びです。・取り札の位置を記憶すると有利になるので、「記憶能力」と「空間把握」のトレーニングになります。◉おすすめはいもとようこさんのかるた!リズミカルな文章で、「あいうえお」がすいすい覚えられる!と評判の『あいうえおかるた』(金の星社)。いもとようこさんが描く可愛らしいイラストが小さな子どもの心をつかみます。絵札の裏にはひらがなの書き方も載っているので、文字を書く練習にも◎。また、「ありがとう」や「ごめんなさい」など、大切なことばを取り上げているので、遊びながら挨拶や礼儀も身につきます。おじいちゃんやおばあちゃん、普段会わない親戚が集まった時でも、「うさぎさんうとうとうっかりひるね」なんて可愛らしいことばと絵柄できっと会話も弾むはずです。◉「かるた」と「百人一首」ってどう違うの?百人一首とは、100人の歌人の歌を、ひとりにつき1首ずつ選んだ歌集のこと。読み手が読み札を読んで、読まれた札と合ったものを取るのは、かるたも百人一首も一緒です。ただし、百人一首の場合、取り札は和歌の下の句しか書かれていません。読み札は上の句から読まれるため、和歌をすべて覚えていることで早く札を取ることができるのです。記憶力のトレーニングに非常に適しています。指先の感覚と記憶能力がキモ!『福笑い』ほかにも、幼い子どもでもすぐに挑戦できる遊びに「福笑い」があります。「笑う門には福来たる」と縁起の良い遊びであり、特別な知識やテクニック、運動能力は必要とされないので、老若男女誰でも簡単に楽しめます。遊び方は、目を瞑るか目隠しをして、顔のパーツを選び、顔の輪郭に並べて言います。パーツを選ぶ指先の感覚と、どこに並べるかの位置関係が出来栄えを左右するため、意外と緊張感が高まる遊びでもあります。目を閉じた状態での空間把握と記憶能力のトレーニングにもなりますよ。***お正月の遊びは、いつも子どもたちが遊んでいるものとは一味違う面白さや新鮮味がありますよね。伝統文化に触れることで、日本に伝わる行事の意味や歴史を知ることは大事です。そして、ご紹介したようにさまざまな能力の向上にもつながるのなら、これほど嬉しいことはありませんね。(参考)アープスコーディネーションスタジオ|お正月遊びのメリット「三浦康子の「行事育」のススメ 子育て歳時記 お正月遊び」,プレジデントファミリー,2018年冬号,pp144-145.Milly|家族みんなで楽しめる凧!人気が高いおすすめアイテム12選Study Hacker こどもまなび☆ラボ|絵本のさんぽみち|“はじめてのひらがな”はこれで決まり!人気絵本作家いもとようこさんの「あいうえおシリーズ」チャイビ|語彙を増やすことば遊びとしてもおすすめ!厳選かるた5選のご紹介Milly|百人一首の選び方・覚え方は?人気のおすすめ商品11選
2018年12月28日「パパのオタクグッズを処分したい!」そんなふうに思っているママは少なからずいるでしょう。オタクではない人にとって、アニメやゲームなどのオタクグッズはまるで価値の分からないもの。邪魔になるので処分してしまいたいと思うのは仕方ないこと。とはいえ、夫のオタクグッズを勝手に捨ててしまって、離婚問題に発展した夫婦もいるそうです。筆者はママの立場ですが、子どもが生まれる前は自宅に大量のオタクグッズを所蔵していました。今回は、オタクの筆者がオタクグッズの処分に踏み切った理由についてお話します。夫に何度も説得されたけれど…筆者は好きなアニメのブルーレイやキャラクターフィギュア、ポスター、イラスト集、CDやゲームディスク、プラモデルなど、さまざまなオタクグッズを持っていました。壁や棚に飾っていたものもあれば、ロフトや収納ケースに保管していたものもあります。結婚してからというもの、夫は度々オタクグッズを処分するように要求してきました。「自宅の限られた収納スペースを独占していて邪魔になる」「部屋がごちゃごちゃして見えるし、掃除もしにくい」といった理由からでした。しかし、筆者としてはオタクグッズの大半は独身時代に自分のお金で買ったもので、時間と労力をかけて集めたもの。せっかく手に入れたオタクグッズを手放したくないという気持ちが強く、夫の要求を断り続けていました。オタクグッズの処分を決めた理由筆者がオタクグッズの処分に踏み切ったのは、妊娠中のことでした。ある日、夫が今までにない本気トーンで説得し始めたのです。「子どもが生まれたら、ベビーグッズやおもちゃが増えて収納場所が必要になる。フィギュアやプラモデルなどの小さな部品は幼い子どもにとって危険。オタクグッズの中には小さな子どもの教育上よくない内容の漫画やゲームもある。」これらの理由から、「子どもが生まれる前にオタクグッズを処分したい」と言われました。悩みましたが、自分がこれから母親になるという責任感と、生まれてくる赤ちゃんのことを思い、ついにオタクグッズの処分を決めました。オタクグッズは捨てるとただのゴミになってしまいますし、0円の価値になってしまうのはもったいないもの。しかし、貴金属や食器を売っているような一般的な中古ショップに持ち込むのは気が引けますし、オタクグッズの場合は値がつかないことも。オタクグッズを車にのせて自力で中古ショップまで運ぶのも大変だったので、筆者はオタクグッズ専門の宅配買取業者を利用しました。オタクグッズをダンボール箱に詰めて郵便局に持っていく作業は手間でしたが、その後の査定などの取引はすべてネットで行えるのでラク。売却額は購入時の1割にも満たない金額でしたが、少しでも報酬があって嬉しかったです。オタクグッズの処分をパパにお願いするときには子育て中の今、あの時オタクグッズを処分して正解だったと感じています。当時、オタクグッズを置いていた収納棚には現在、子どもに触れられたくない物やおもちゃ箱に入りきらないおもちゃなどを置いています。子どもが生まれるととにかく物が増えるので、収納場所は多いに越したことはありません。子どものケガや誤飲事故につながりやすい電池やハサミ、カッター、ホッチキスなどが入った収納ボックスも棚に置くことができました筆者が処分したオタクグッズの中にはゾンビやモンスターが登場し、流血を伴うようなゲームもありましたが、バイオレンス、グロテスク、セクシーといった成人向けの要素がある作品を幼い子どもの目に触れさせるのは、やはりよくないだろうと思います。実際、そういった作品にはR指定がされていることが多いので、自宅に置いてある場合は注意すべきでしょう。オタクグッズを処分するようにパパを説得したいときには「邪魔」「目ざわり」といった感情を抜きにして、合理的に説得することをおすすめします。パパも父親である以上、子どもを第一に考えた部屋づくりに協力するのは当然のこと。すべてのオタクグッズを処分するのは難しいかもしれませんが、せめて数を減らす、別の場所に移動するなど、夫婦で妥協点を見つけましょう。<文:フリーランスライター奥汐紀>
2018年12月28日幼稚園や学校が長期休みに入るタイミングで、帰省や旅行を計画するご家族も多いのではないでしょうか。「おじいちゃんやおばあちゃんと何をして遊ぼうかな~」「行った先でどんな美味しいものを食べようかな~」と、ワクワクした気持ちでいざ出発したものの、長時間の移動で子どもはぐずり親はぐったり……。小さいお子さんをお持ちのご家族なら、長距離移動が旅の楽しみを半減させてしまったこともあるかと思います。そこで今回は、長時間の移動に備えて、子どもが楽しめて知育にも役立つグッズや遊びをご紹介します。「これならうちの子も楽しめそう!」と思えるものがきっとあるはずですよ。2時間おとなしくしていられる子どもなんていない2018年にソニー損保が行った調査によると、帰省の際に利用する交通手段の割合は「自家用車:88.4%」「鉄道(電車・新幹線):13.6%」「飛行機:6%」(回答者1,000名)という結果でした。そして、帰省にかかる片道の移動時間の平均は、自家用車2.3時間、鉄道3.5時間、飛行機4.4時間でした。もちろん住んでいる地域や目的地にもよりますが、旅行に置き換えてみても、日常から離れるということは長距離・長時間の移動を覚悟しなければなりません。2時間~4時間、同じ場所でじっとできる子どもはほとんどいないでしょう。また、年齢が下になるほど、飽きて騒ぎ出してしまう子や、退屈から不機嫌になってしまう子、おしゃべりが好きなのにそれを止められてストレスが溜まってしまう子……さまざまなパターンで親御さんの悩みのタネになっているのではないでしょうか。また、「前回は効果があったのに、今回はまるでダメだわ……」と途方に暮れることも。そんな親御さんの不安を少しでも解消できるヒントをご紹介します。4歳までは道具を使う4歳くらいまでのお子さんは、絵本やおもちゃなどに頼りましょう。その際には、子どもだけにわたすのではなく、親子で一緒に楽しむことが鉄則です。持っていくおもちゃや絵本は、何度遊んでも飽きていない「実績のあるもの」と、念のため用意した「目新しいもの」の両方を持っていくと安心です。■磁石ブック磁石仕様の本ならば、乗り物でもパーツをなくしにくく、貼って剥がして長時間楽しめます。シールブックも同様に、何度でも繰り返し遊べます。■探し絵絵本『ウォーリーをさがせ!』シリーズなど、たくさんのキャラクターの中から指定された一人を見つけ出す絵本は、大人も夢中になってしまうほど集中して楽しめます。親子で一緒に探すだけではなく、「○○はど~こだ?」と問題を出してあげてもいいでしょう。■リングカードあたたかく優しい画風が魅力の人気絵本作家・いもとようこさんが手がける『あいうえおシリーズ』(金の星社)。お子さまが “あいうえお” を覚えるのにぴったりのリング式カードは、手に持ちやすい形でお出かけにも便利です。「まマma」というように、ひらがな以外の書き方も教えられます。■巾着袋おもちゃコンサルタントやあそびプランナーとして活躍中のツバメさんがおすすめするのは、巾着袋を使った「何が入っているかな?」ゲームです。巾着袋におもちゃやお菓子などを入れて、手の感触だけで中身を当てっこすると子どもは大喜び!出先で拾った石やどんぐりなどを入れて、「何個入っているかな?」と応用することも。指先を使うことで集中力がつきますよ。■紙とペン/ホワイトボード小さなメモ帳やスケッチブックと、携帯しやすい色鉛筆、クーピーなどをかばんに入れておけば、持ってきたおもちゃに飽きたときに役立ちます。ホワイトボードやマグネット式のお絵かきボードなどでもいいでしょう。・お絵かきしりとり親子で交互に「りんご」→「ゴリラ」→「ラッパ」……と、次の人にわかるように絵を描きます。しりとり遊びをしながら、伝える力と表現力も身につきます。・親と子でひとつの絵を完成させる子どもに○をひとつ描かせて、次に親が髪の毛を描く。次は……と順番に書き加えていくと、想像もしなかった不思議な絵が完成します。それは旅の思い出とともに、ずっと残しておきたい親子の宝物にもなるかもしれません。・シンプルですが、9マスのマルバツゲームも一緒に楽しめます。簡単なので、ルールを教えれば子どもでもすぐに覚えられるでしょう。5歳以降は頭を使う言葉の読み書きや意味への理解が進むこの時期は、子どもでもわかる簡単な単語をたくさん使って、“ことば遊び” を楽しみましょう。特別な道具がいらず、思い立ったらすぐできることば遊びは、楽しみながら子どもの成長を感じることもできます。■車窓から見えるものを探す移りゆく景色を眺めながら「一番背が高い建物はあるかな?」「赤いものは見える?」など、ゲーム感覚で競争しましょう。親御さんに褒めてもらおうとして、必死になって探すはずですよ。また、子ども自身に問題を考えてもらってもいいでしょう。■限定しりとりただのしりとりよりも、テーマを決めることで難易度が増し、子どもの思考力が高まります。「動物」「食べもの」といったオーソドックスなテーマに限らず、たとえば「ポケモンのキャラクター」など、お子さんが得意なジャンルでもいいでしょう。■最後から2文字目しりとり「やかん」→「かんきり」→「キリギリス」……と、最後の2文字を使ったしりとりです。普通のしりとりよりも、語彙力の豊富さや頭の回転が試されます。小学生からは想像力をフル回転させる小学生になると、乗り物のマナーは身についていることがほとんどでしょう。自分で選んだ本をじっと読んで過ごしたり、時間を決めてゲームで暇つぶしをしたりと、子どもなりに移動時間の過ごし方を考えることができるようになります。この時期からは、子どもの自主性に任せるといいでしょう。ただし、移動時間も家族の大切な思い出のひとつです。楽しみながら一緒に過ごしたい方には、想像力を使う遊びがおすすめです。■旅のわくわくクイズどんな所へ行き、どんな乗り物に乗り、どんなものを食べるのか、これから起きることをクイズにしてみましょう。このゲームは、国立青少年教育振興機構の理事長を務める鈴木みゆきさんも「先のことを見通せる年齢ならではの遊びです」と太鼓判を押しています。「このあと飛行機を降りたら、次に乗るのはな〜んだ?地下鉄?バス?タクシー?」と、子どもが答えやすいように質問することがポイントです。子どものイマジネーションを刺激することで、この行動の先にある楽しみを想像させて、より充実した移動時間を過ごすことができるでしょう。■連想ゲームあらかじめ答えを決めておいて、「それは動物ですか?」「それは大きいですか?」と、どんどん質問してもらいます。質問者と回答者を交互に演じることで、質問力や交渉力、伝える力を鍛えることができるでしょう。大人にとっても、いい「脳トレ」になりますよ。***不安で憂鬱だった長距離移動も、見方を変えれば濃密な「親子時間」です。目的地に着くまでの時間も、楽しい思い出づくりができるといいですね。(参考)リサリサ|2018年お盆の帰省に関する調査All About|帰省で長時間移動中の子どもの退屈にどう対処する?Study Hacker こどもまなび☆ラボ|絵本のさんぽみち|“はじめてのひらがな”はこれで決まり!人気絵本作家いもとようこさんの「あいうえおシリーズ」ベネッセ 教育情報サイト|年齢別・乗り物での過ごし方いこーよ|「スキマ遊び」で長距離移動も待ち時間も怖くない!(3歳以上編)TOKYO GAS ウチコト|【もう焦らない】電車で子供が飽きないための3つの方法とは
2018年12月27日日常の遊びや何気ない会話の中で、子どもの「発想力」に驚かされることはありませんか。子どもは、常識にとらわれない斬新なアイデアや遊びを思いつく天才かもしれません。社会の常識や固定概念に縛られてしまった大人たちには、なかなか真似できないことですよね。実はこの「発想力」、これからの時代に特に求められる能力と言われています。「知識の量」はもう武器にはならない!「発想力」とは「ものごとを考え出す力」、「これまでにない新しい考えやアイデアを思いつく力」。「創造力」という言葉とセットで出てくることも多いかもしれません。厳密には、「創造力」=「新しいものを初めて作りだす力」のことを指すようですが、どちらもこれからの時代に必要とされ、注目されています。調べたいことは何でもインターネットで検索でき、数秒で知識を得ることができる今、「知識の量」は武器にはならなくなっています。AIの発達により、定型化できる仕事や知識中心の仕事は、今後どんどん価値が低下していくと言えるでしょう。そんなこれからの時代に求められるのは、AIにはできない仕事や能力。つまり、ビジネスで言えば、新しく事業を考えたり、製品やサービスを考えたりすることです。そんなときに必要になってくるのが、先ほど述べた「発想力」なのです。未来を明るく生き抜いていってもらうためにも、お子さんの発想力をさらに磨いて伸ばしてあげませんか?日常生活の中で簡単に取り入れられる方法をいくつかご紹介していきましょう。発想力を伸ばすために実践したいこと経営コンサルタントを経て、現在はK.I.T(金沢工業大学)虎ノ門大学院教授を務め、人材育成について取り組んでいる三谷宏治氏も、今後は「発想力」が重要だと説くひとり。自身も3人の娘を育てる、人材育成のプロである三谷氏が、子どもの発想力を伸ばすために実践したいことをいくつか挙げているのでご紹介しましょう。【その1他人と違うことを褒める】誰も考えたことのないような発想力を育むには、人と違うことに挑む能動性が必要です。そのために、他人と違うことをどんどん褒めてあげましょう。「周囲から1人だけ浮いてしまうのでは」「からかわれたり、いじめられたりしないか」と不安になり、常に周りと合わせたり、同じ行動をとっていては、発想力は磨かれないのです。子どもが「誰も言わなかったことを言えてうれしかった、楽しかった」と思えるよう、親は「よくやった、おもしろい」と褒めるべきなのです。【その2ヒマな時間を作る】三谷家では、「週末にお父さんが家族サービスをする」という概念がなかったため、子どもたちはヒマな時間を埋めるために自分たちで様々な工夫や遊びを編み出していたのだとか。人が最大限の創造性を発揮し、熱意を持つのが遊び。遊ぶためには、ヒマな時間が必要です。習い事をたくさん詰め込んでヒマな時間がないというのは、一見、時間を有意義に使えているように見えますが、発想力を育むという点ではあまり好ましくありません。土日などは予定を詰め込みすぎず、あえてヒマな時間を作ってあげましょう。ヒマな時間をどう使うか、そこで子どもが考えた知恵やアイデアが発想力に繋がるのです。【その3定期定額制のお小遣いを与える】子どもの発想力、創造性を発揮して遊ぶためには、「ヒマ」も必要ですが、「制約」も必要なんだそう。子どもに与えるべき制約の大きなものがお小遣い。子どもは、決まった時期に決まった金額だけもらえるお小遣いで、何を買うか買わないかを考えたり、我慢したり、創意工夫を始めます。親が気をつけたいのは、使い道に関してあれこれ口を出さないこと。子どもが変なものを買ってきても、見て見ぬフリをしましょう。発想力を伸ばす本、おすすめ2冊発想力を伸ばすのにおすすめの本をご紹介しましょう。未就学児~小学校低学年のお子様が楽しめる内容です。子どもだけでもいいですし、親子で楽しんでもいいですね。『発想力が豊かになるおえかきアート』鈴木あきこ著(主婦の友社)クレヨン、色鉛筆、画用紙、新聞紙、段ボール、お菓子の包み紙、ペットボトルなど容器のフタやキャップ……。身近にある様々な道具や廃材を使って作るお絵描き遊びやアート遊びのアイデア集。ちょっとした工夫をするだけで、立派なアート作品が完成。ぜひお部屋に飾って子どものやる気も引き出しましょう。『コップってなんだっけ?』佐藤ナオキ著(ダイヤモンド社)身のまわりにあるものに対し、視点を変えて見ることを提案する絵本。絵本の中でコップはさまざまな形に変わっていきます。コップ=こういう形、という既成概念をとっぱらって自由に発想する楽しさを教えてくれます。世界的に注目されているデザイナーの佐藤さんならではの発想法ですね。発想力に特化したデザイン教室も東京・文京区にある「こどもデザイン教室りねあ」をご存じですか。子どもの発想力を引き出すことに着目したデザイン教室です。実際のレッスン内容や様子について、以下の記事でご紹介していますのでぜひ見てみてくださいね。■“発想力”と“プレゼン力”を重視する『こどもデザイン教室りねあ』、アイデア無限の「陶芸レッスン」決まった曜日に定期的に通う以外に、1回ごとの受講もできるので試してみるのもいいかもしれません。***少しずつ確実に高めていきたい子どもの発想力。将来、ビジネスはもちろん、さまざまな場面で役立つのではないでしょうか。文/鈴木里映(参考)東洋経済ONLINE|要注意!その「親心」が子どもの発想力を奪うDIAMONDonline|子どもの発想力・自立心の鍛え方(1)Study Hacker こどもまなびラボ|“発想力”と“プレゼン力”を重視する『こどもデザイン教室りねあ』、アイデア無限の「陶芸レッスン」鈴木あきこ(2018),『発想力が豊かになるおえかきアート』,主婦の友社佐藤ナオキ(2018),『コップってなんだっけ』,ダイヤモンド社
2018年12月20日その子にとって、“それ” は何に見えるのか?子どもの作文の醍醐味といえば、大人には到底思いつかないような、自由な表現力ではないでしょうか。みんながあたり前のように使っている表現で書いても、おもしろい作文にはなりません。みんなが使っていない表現で書いたとき、初めてその子の魅力が伝わります。【例文】かみの毛がツンツンに立った男の人が歩いていました。決して悪い文章ではありません。「ツンツン」という具合に、前回(第5回)の記事でお伝えしたオノマトペを使って、表現力豊かに書いています。読む人は、個性的なヘアスタイルの(髪の毛を逆立てた)男性の姿を思い浮かべるでしょう。一方で、この文章をさらに魅力的にする方法もあります。それが「比喩」です。「比喩」とは「物事を説明するときに、他の何かに置き換えて表現すること」。つまり、“たとえ”です。先ほどの例文であれば、ツンツンに立ったかみの毛を“他の何か”にたとえることで、作文の魅力がアップします。【「たとえ」を使った例】【1】かみの毛がツンツンに立った男の人が歩いていました。まるで、あたまの上にパイナップルをのせているかのようでした。【2】あたまの上で大ばくはつがおきたみたい、と思うくらい、かみの毛がツンツンに立った男の人が歩いていました。【3】男の人が歩いていました。その人のかみの毛は、いきおいのいい「ふん水」のようにツンツンに立っていました。【4】あっ、超サイヤ人だ!かみの毛がツンツンに立った男の人が歩いていたのを見て、わたしはそう思いました。【1】パイナップル【2】大ばくはつ【3】いきおいのいい「ふん水」【4】超サイヤ人あなたの子どもの目には「ツンツンにかみの毛が立った頭」は、“他の何” に見えるでしょうか。どんな比喩表現も間違いではありません。見えたものが、その子にとっての正解です(=個性です)。ましてや、子どもがせっかくたとえたモノを、親や大人が否定・批判してはいけません。子どもたちがやる気をなくしてしまいます。比喩を使うと表現力が豊かになるもしも、子どもが比喩(たとえ)らしき表現を書いたことがなければ、子どもに質問する形で、親がさり気なく誘導してあげましょう。【例文】かぞくでやき肉の食べほうだいに行った。たくさん食べたパパのおなかは、いつも以上にポッコリふくらんでいた。仮に、子どもが、このような文章を書いたなら「そのポッコリしたおなかは何に似ていた?」のような質問をしてあげましょう。「ママには『プクっとふくらんだ焼き餅』に見えたなあ」という具合に、親子で一緒に考えてもいいでしょう。子どもは、楽しみながら、いろいろとアイデアを出すはずです。ユニークな比喩表現が口をついたら「それは、おもしろいね。せっかくだから、それも作文に書いてみようよ!」と伝えてあげればいいでしょう。【「たとえ」を使った例】【1】たくさん食べたパパのおなかは、いつも以上にポッコリふくらんでいた。ぼくには、それが、やきゅう場のマウンドに見えた。【2】たくさん食べたパパのおなかは、なかから小人が100人くらいでおし上げているのかと思うくらいポッコリふくらんでいた。【3】たくさん食べたパパのおなかは、まるでサッカーボールをかくしているんじゃないかと思うほどポッコリふくらんでいた。【4】たくさん食べたパパのポッコリおなかは、ふじ山のようにうつくしかった。【5】たくさん食べたパパのおなかは、まるでデッカイふうせんみたいだ。はりでつついたら、きっとバン!とわれるだろう。作文を書くときだけに限りません。普段から目に映ったモノを “他の何か” にたとえるエクササイズをくり返すことで、子どもの作文力はもちろん、観察力や発想力もどんどん磨かれていきます。【比喩なし】ものすごくあつくて、ふくが汗でびしょびしょになりました。【比喩あり】ものすごくあつくて、まるでプールにとびこんだかのように、ふくが汗でびしょびしょになりました。【比喩なし】はじめて白い砂はまを見ました。とてもきれいでした。【比喩あり】はじめて白い砂はまを見ました。おさとうをたくさんまいたかのようで、とてもきれいでした。【比喩なし】キャンプファイヤーの火がはげしくもえていました。【比喩あり】キャンプファイヤーの火が、まるで怒ったときのママのかおのように、はげしくもえていました。比喩表現を用いた文章のほうが、一人ひとりの子どもの感性や性格が伝わってきます。何よりも読んでいて楽しく感じられます。まじめなことをまじめに書く作文もありますが、10歳未満の子どもには、書く楽しさ、表現する楽しさを味わわせることが最優先です。そうでないと作文嫌いになりかねません。自分の気持ちも比喩で表現しようなお、比喩は、子ども自身の感情を表現するときにも使えます。たとえば、喜怒哀楽を表現するときに、あえて「うれしい」「おこった」「かなしい」「たのしい」などの表現を封印して書くと、文章のオリジナリティが高まります。【比喩なし】きょうのばんごはんは、大すきなカレーです。いえにかえるのがとてもたのしみでした。【比喩あり】きょうのばんごはんは、大すきなカレーです。学校からいえまで、ずっとスキップしてかえりました。【比喩なし】このまえ、かっていたカメが死んでしまいました。かなしかったです。【比喩あり】このまえ、かっていたカメが死んでしまいました。その日は、おなかがすかず、たべ物もうまくのみこめませんでした。ばんごはんは、大こうぶつのハンバーグだったのに、ふしぎです。【比喩なし】友だちにおもちゃをとられると、その子がおこりだしました。【比喩あり】友だちにおもちゃをとられると、その子のかおが「赤オニ」にかわりました。ありきたりな表現で書いた文章よりも、比喩を用いて表現した文章のほうが、活き活きと輝いています。子どもには「できるだけ、みんなが使わない表現で書いてみよう!」と伝えてあげましょう。比喩を使って自由にたとえられるようになった子の作文能力は、その先も、ぐんぐん伸びていくでしょう。
2018年12月12日ドイツで生まれた「シュタイナー教育」(インタビュー第1回参照)を、幼稚園から一般の高校にあたる高等部まで、15年間の一貫教育でおこなう東京賢治シュタイナー学校。その幼児部「たんぽぽこどもの園」ではどのような活動をしていて、それらは一般の幼稚園とどうちがうのでしょうか。幼児部教師の池田真紀先生に、まずは1日のスケジュールから教えてもらいました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹(ESS)写真/石塚雅人(インタビュー・校内撮影のみ)記事冒頭画像:東京賢治シュタイナー学校 校内紙芝居や絵本でなく「素話」である意味――たんぽぽこどもの園では、子どもたちがどんな活動をしているのか、1日のスケジュールを教えてください。池田先生:8時15分から8時半までの間が登園時間で、その後、室内で「自由遊び」があります。お絵描きやごっこ遊び、積み木遊び、それから針でなにかを縫うといった手仕事など、さまざまな遊びをします。この時間では、大人から指示されて決められた遊びをするのではなく、子どもが遊びを生み出していくことが大切です。子どもたちは、自分が想像したものを、丸太、積み木、布、木、木の実といった、お部屋にあるさまざまな素材を使ってかたちにしていき、さらに友だちと一緒におこなう体験をしていきます。たとえば、おうちをつくって家族ごっこ、オリジナルの物語による人形劇ごっこといった具合です。代々、子どもたちの中で伝承されて、毎年やるのはお祭りごっこですね。お囃子や獅子、白狐の格好をした子どもたちが、テーブルの上に乗って演じます。まるで本当のお祭りを見ているみたいでとても楽しいですよ。また、3歳から6歳までの子どもが同じ部屋で過ごしますから、兄弟のように関わり合う姿には温かいものがあります。10時になったら、おもちゃなど使ったものの「お片づけ」。その後は「ライゲン」という活動をします。――そのライゲンというのはどんなものですか?池田先生:一般の幼稚園でいうところの、「リズム遊び」に近いものですね。内容は季節を取り入れたもので、歌や音、言葉とともにその物語のなかで想像しながら教師とともに動きます。たとえば、教師がハトになったらハトに、ネズミになったらネズミにと、みんなで輪になって教師の模倣をします。7歳までの子どもは、模倣することであらゆることを身につけることができます。それも、どのような思いでその行為をしているのかという内面のありようまで模倣する。また、ライゲンでは、みんなで「中心に集まる~広がる」「ジャンプ~小さくなる」などの対の動きも取り入れます。それは、「収縮と拡散」「静と動」というリズミカルな動きの体験です。こういった動きも教師と一緒にすることで、子どもたちの体が健全につくられていくのです。――なるほど。スケジュールの続きを教えてください。池田先生:11時になったら「お弁当」の時間。そして、今度は外での「自由遊び」をします。子どもたちはとてもダイナミックに遊びます。のぼり棒にロープを横にかけると、そこはお猿島。てっぺんにはかわいい子ザルに扮した子どもがいます。ブランコも子どもたちは大好き。ふたつのブランコに板を渡すと、何と6人乗りの宇宙船に。ジャングルジムにも板をかけて、2階建てや屋根付きのおうちをつくります。その他、鬼ごっこ、縄跳び、竹馬、砂山つくり、泥だんごやごちそうつくり、などなど、とにかく体を動かし、感覚をフルに働かせて遊ぶ時間です。1時間ほど遊んだら、またおもちゃをすべてもとの場所に戻して、お部屋に入ったら「お着替え」です。みんなが着替え終わるまでお絵描きをして待って、最後に「お話」の時間がある。これは、「素話」です。紙芝居や絵本を見せるのではなく、教師が子どもたちを見渡しながらお話をするということですね。――それにはどんな理由があるのですか?池田先生:わたしたちは「ファンタジーの力」と呼びますが、幼い子どもは、たとえば、雲を大好きなクマに見立てるなど、強い想像力を持っています。教師の素話によって、子どもはたくさんのイメージをつくることができる。そのイメージを大切にすればするほど、内側の世界が豊かになり、その後の思春期における内面形成、思考形成の土台になるのです。お話は10分から15分程度。そして、13時半に降園となります。【たんぽぽこどもの園の1日】08:30 登園、自由遊び(室内)10:00 片づけ、ライゲン11:00 お弁当、自由遊び(戸外)12:30 片づけ・着替え、お話13:30 降園東京賢治シュタイナー学校 校内決まったリズムと繰り返しが健康な体をつくる――このスケジュールはずっと変わらないものですか?池田先生:いえ、わたしたちは「1週間のリズム」と呼びますが、曜日によって少しだけ内容が変わります。たとえば、火曜日は「自由遊び」の時間に「にじみ絵」という絵の具を使った活動、水曜日はライゲンの代わりに「オイリュトミー」という身体表現をします。【たんぽぽこどもの園の1週間のリズム】月曜日:お散歩火曜日:にじみ絵水曜日:オイリュトミー木曜日:みつろう粘土金曜日:お掃除池田先生:でも、朝の自由遊びを、日によって10時までにしたり11時までにしたりするといったことはなく、1日の基本的な流れはずっと一緒ですね。なぜかというと、子どもは「繰り返す」ことで「安心感」を得るからです。いつもより自由遊びの時間が長いなど、やることが変わると子どもはドキドキして不安になってしまう。毎日、同じリズムで子どもが安心して過ごせることは、気持ち良く呼吸できて、脈拍が整うことにもなります。このリズムと繰り返しが、健康な体をつくっていきます。――オイリュトミーとはどんな活動なのでしょうか。池田先生:オイリュトミー用のドレスを着て、専科の教師の話を聴きながらいろいろな動きをするというものです。幼児においては、体を生き生きとさせる効果があります。――ライゲンとのちがいはどういったものになりますか?池田先生:オイリュトミーは、たとえば、言葉なら「く」や「う」の動き、音程なら「ラ」や「ミ」の動きというふうに手や腕の位置、動きが決まっています。一方、ライゲンにはそういう決まりはありません。言葉で説明するのは難しいのですが、ライゲンはイメージしながら動くものですね。スケジュールはただの時間の区切りではない――一般の幼稚園との大きなちがいはどこにあると考えていますか。池田先生:一般の幼稚園も、スケジュールは決まっているかと思います。ただ、わたしたちの園では、それによって「なにが子どもにもたらされるか」という観点をとても大切にしています。どうして絵本ではなく素話にするかということもお伝えしましたが、わたしたちの園でおこなう内容には、一つひとつに意味があります。お片づけもそう。お片づけはみんなが取り組みます。それも、年少さんはひもを巻く、年長さんは大きな積み木を運ぶというふうに役割が決まっている。毎日その時間になると、お部屋中に広がったおもちゃを決まった場所に戻してあげて、お部屋が綺麗になり、全員が「気持ち良くなった」という体験をする。この体験は、一人ひとりに「収縮と拡散」の心地よいリズムを与えます。シンプルですが、すべての行為に意味があるのです。■ 東京賢治シュタイナー学校■ 東京賢治シュタイナー学校幼児部たんぽぽこどもの園■ 東京賢治シュタイナー学校 インタビュー一覧第1回:「点数」で子どもを評価しない――力強い意志を育む「シュタイナー教育」の本質第2回:「模倣となりきり」で想像力が伸びる――感覚がフル稼働する「シュタイナー教育の1日」第3回:お片づけに“小人さん”が登場!?――「豊かなイメージ」が日々の子育てにも生きる(※近日公開)第4回:1年生が「円形の席」で学ぶこと――シュタイナー教育が重視する「学びのベース」(※近日公開)【プロフィール】東京賢治シュタイナー学校1994年、30年以上にわたり公教育に携わった鳥山敏子氏が公立学校を退職し、天地人のつながりのなかに生きようとした宮沢賢治の生き方を理想として長野・美麻に若者のための学びの場「賢治の学校」を立ち上げる。その後、ドイツのシュタイナー学校の見学をとおして「子どものための学校」こそ必要だとし、1997年に東京・立川に拠点を移して前身である「東京賢治の学校」を創設。1999年に幼児部、2005年には高等部を開設。2013年より現校名となる。池田真紀(いけだ・まき)東京賢治シュタイナー学校幼児部教師(クラス担任)。「古くならないいまの時代に合ったシュタイナー教育」を目指す。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2018年12月10日こんにちは! イラストレーターのにわゆりです。今年も終わりに近づいていますね。子育てをしていると1年があっという間です。と、しみじみ今年を振り返るかーちゃんですが、忘れてはいけない最後の大仕事、クリスマス! みなさんのおうちにはどんなおもちゃがくるのでしょうか?モン太は優柔不断なので、毎年なかなかプレゼントが決められないのですが、3歳のクリスマスのときに初めて「これが欲しい!」と言ったのがサッカーボールでした。クリスマスは「おもちゃがほしい!」と言われると思っていたので、とーちゃんもかーちゃんもびっくりでしたが、さっそくプレゼントの準備をすることに。プレゼントはネットでポチっとして(便利な世の中~!)、とーちゃんがプレゼントを入れる袋を買ってきてくれたのですが、めちゃくちゃでかい袋を買ってきました。 袋とサッカーボールのサイズ感が違いすぎて「なんだか物足りない!」と、とーちゃんにグチグチ、ダメ出しをしていると…。とーちゃんの思いつきで、おまけでプレゼントを追加することに。別にモン太は欲しがってないけど…まぁいいか! 太っ腹なサンタさんてことで! ヘルメットの下にサッカーボールをかくして、サプライズ感を演出(笑)そしてついに迎えたクリスマスの朝!枕元に置いてあるプレゼントを見て大興奮!! その姿を見てとーちゃん、かーちゃんも大興奮! ハイテンションのモン太、早速袋の中を開けると…開けて一番最初に見えたヘルメットを手にもち「サッカーボールじゃなかった…」と落胆するモン太。「しまった~! 入れる順番間違えた…!!」ワクワクしながら袋を開けて、全然違うものが入ってたら誰だって凹みますよね…(笑)悲しそうなモン太の顔を見て焦ったかーちゃんでしたが、最終的にサッカーボールを見つけてとっても喜んでくれたので良かった~!子どもにとってはとっても楽しみなクリスマス! 余計なことはせずに、純粋にほしいものだけを枕元に置いてあげるのがベストだったみたいです(笑)皆さん、すてきなクリスマスを!
2018年12月08日食育が注目され、子どもの食が改めて重要視されるようになった昨今。何を食べるかはもちろん大切なことですが、「料理をする」という行為自体にも教育的効果があるようです。今回は、子どもが料理をすることのメリットと、おすすめの親子料理をご紹介します。子どもは「親と一緒に料理がしたい!」と思っている東京ガスが行った「親子料理に関する実態調査」によると、子どもと一緒に料理をしたい母親は約9割、父親でも約6割にのぼっています。しかし実際、一緒に料理をしている家庭は「月1日以下」が6割以上です。また、子どもの意見として、「親と一緒に料理がしたい」が約9割、「一人で料理したい」も約1割という結果が出ており、子どもがいかに料理に興味があるかがわかります。それでも料理をしない理由は、「親から断られる」「親が忙しそう」など、親の都合で「言い出しにくい」と思っている子どもが多いこともわかりました。ただでさえ忙しい時間帯である夕方に、親子一緒に料理をするのはなかなか難しいですよね。ですが、どうやら「料理」には数え切れないほどの効果があるようです。親子料理のメリット3つ「食べる」ことは、人が生きていくうえで欠かせない要素であることは言うまでもありません。しかし、その単純と思える行為には、様々な行動や意味、意図が宿っています。「美味しく食べるため」「大切な誰かのため」「気分転換や趣味で」など――。親と一緒に料理をすることで、子どもは大切な “何か” を感じ取るはずです。では、具体的なメリットをみていきましょう。【五感が発達する】調理をする際、私たちはいろいろな機能を駆使しています。味覚(味見をする)、触覚(切ったり混ぜたりなど食材を触る)、嗅覚(調理中の匂い)、視覚(素材の色や調理によって変わる食材の色)、聴覚(トントンと切る音やジュージューと焼く音など)、いわゆる五感です。料理という一連の行動でフル稼働する五感によって、脳が活性化され、子どもの感性はどんどん豊かになっていきます。【好奇心を育む】調理は実験と同じです。火を通すと変化する色や質感、食材の組み合わせで変わる味や食感など、実体験することで興味を掻き立てられる要素がふんだんにあります。はじめは親の言うとおりにやっていても、だんだん想像力が働くようになって、「こうしたらどうなるかな?」とアイディアも湧いてくるはず。このとき、ぜひ親御さんも一緒に新しい発見を楽しんでみてください。【親子のコミュニケーションが増える】共同作業はコミュニケーションに最高の効果があります。調理は親主導になるとは思いますが、お手伝いから一歩進んで、「一緒に料理をする」という意識を持って作業すると、お互いの信頼関係もより深まり、子どもの自信や達成感にもつながるでしょう。一緒に料理する習慣ができれば、子どもの知識も増えてきますので、お買物のときにメニューの相談や食材や調理法などについての会話も増えます。また、親子で料理している頻度が高いほど、家族が仲良しで幸福感が高いという調査結果も出ています。【食や人への感謝の心が生まれる】作ってもらって食べるだけでは分からないことに気づけます。親が忙しいなか料理する大変さや、美味しい野菜を作る農家の人の苦労など、料理をすることから見える世界が広がり、人や物を大切にする気持ちや感謝の心を育むことができます。このように、「料理する」ことから派生する学びは想像以上に多いことがわかります。“将来必ず必要になる” 3つの能力料理をすることでたくさんの学びを得られることがわかりました。では、その経験が実際にどのような力になっていくのでしょう。次は、料理をすることで発達する、“将来必ず必要になる” 3つの能力についてみてみましょう。【能力1:豊かな表現力】調理中には様々な食材に触れます。食材の名前を覚える、素材の色、手触りなどを表現することで語彙が増え、親との会話とも相まって、表現力が身につきます。このような調理などのお手伝い効果は「自分の考えをわかりやすく説明できる」「感情コントロールがうまくできる」「率先して行動できる」といった将来の仕事能力につながると、内閣府の調査結果で証明されています。【能力2:高い集中力、忍耐強さ】年齢に応じて作業目標(トマトのヘタをとる、ケーキの生地を混ぜるなど)を決めることで集中力が増し、達成感を得やすくなります。達成の満足感は次への意欲にもつながり、頑張る気力と忍耐力が育まれるプラスのループに。この「ひとつのことに集中して取り組む」ルーティンは、家での学習習慣にも好影響を与えることがわかっています。【能力3:創造力と思考力】料理には創意工夫が不可欠です。バランスを考えながら食材を組み合わせ、完成形を想像しながら、計画的に作業するという、クリエイティビティと論理性が必要な知的作業で、創造力と思考力がかなり鍛えられます。野菜を切るほうが先か、それとも鍋を火にかけるほうが先か――、お子さんはどちらを優先するのでしょう?年齢別オススメの親子料理【2歳半~小学生まで】簡単なお手伝いなら2歳半から「親子料理」は可能!管理栄養士の川口由美子さんが勧める子どもの年齢に応じた「親子料理」をご紹介します。【2歳半~◎サンドイッチ】パンに好きな具材を挟むお手伝いをしてもらいましょう。パンとハムや野菜、ゆで卵などの具材を用意しておけば簡単です。パンの種類や野菜の種類を変えて、何度も作ってみてください。具材を一緒に考えることで思考力もアップ!【3歳~◎おにぎり】少し冷めたご飯をラップにくるんでにぎにぎ。粘土遊びの延長感覚でできます。具を入れたり、ふりかけをかけたり、味付けも好きにしてもらいましょう。市販の可愛いおにぎり型を使っても楽しいですね。【4歳~◎肉団子】「生のお肉は食べない」「調理中は他のものは触らない」などのルールを理解できるようになるのは4歳ごろ。本格的な調理スタートとして肉団子を作ってみましょう。お手伝いは、こねて→丸めるところまで。火を使うのはまだ少し先です。【5歳~◎お好み焼き】幼児包丁でキャベツを切ったり、卵を割ったり、より調理らしいことを始められる年齢です。ホットプレートで自分で生地を焼くこともできるように。「一人でできた!」という自信が自己肯定感を向上させます。トッピングも楽しみましょう。【小学生~◎カレー】小学生になったら、最初から最後まで一人で作る料理に挑戦。ジャガイモや人参の皮むき、お肉と野菜を炒めて煮込むという、調理のシンプルな手順を体験できます。野菜はレンジでチンして柔らかくすることで怪我を回避する方法もあります。形が多少不揃いでも、カレーライスなら気にせず美味しくいただけますね。他にも食品会社キッコーマンの子供向けサイト「きっずキッチン」にも、簡単レシピや食に関する情報がわかりやすく掲載されています。また、お子さまの料理スタートにぴったりな書籍はこちらです!『こどもキッチン、はじまります。(太郎次郎社エディタス)』石井由紀子 著、はまさきはるこ 絵太郎次郎社エディタス(2017)著者の石井由紀子先生はモンテッソーリ教育を学び、教員ディプロマの資格を持っています。簡単で美味しいレシピはもちろんのこと、「子どもの五感」や「子どもが水を好きなわけ」「大人のスピード、子どものスピード」など、子どもの成長と料理の関係について書かれたコラムはとてもためになりますよ。***子どもと一緒に料理をするとき、一番心配なのが怪我や火傷ですよね。子供料理研究家の武田昌美さんが子ども料理教室で最初に伝えることが3つあるそうです。それは3つの危険、「火」「刃物」「ばい菌」についてです。火に関しては実際に手をかざして熱さを体感させる、刃物対策はダンボール製の包丁でまず使い方を練習させる、「ばい菌は汚いから調理前には手を洗う」と理解させるなど、危険の理解には、はじめが肝心。そのうえで、小さな怪我は恐れずに調理に慣れてもらうことが大事だということです。そして何より重要なのは「失敗しても大丈夫」と伝えること。多少手順が違っても料理はできますし、失敗から学ぶことはたくさんあります。叱らず前向きに促すスタンスが、料理好きな子どもを育みます。“親子料理” で親に必要なのは、寛容と勇気と忍耐なのかもしれませんね。(参考)ウチコト TOKYO GAS|【生きる力を育む!】子どもと一緒に料理するメリット7つTOKYO GAS|「親子料理の意識と実態2014」を発行Woman Excite|2歳からでも料理はできる!始める前に伝えたい3つのこと【子供に料理を教えたい!Vol.1】All About|子供も作れる!親子で作る年齢別オススメ料理5選All About|親子一緒に料理すると向上する!子どもの能力3つ学研ゼミ|「子どもと料理」は効果的な学習体験StudyHackerこどもまなび☆ラボ|子どもを成長させる料理体験を!『夏野菜たっぷりおかずマフィン』【夏休みの自由研究(家庭科)】StudyHackerこどもまなび☆ラボ|包丁は本物を。熱の危険は“温度体験”で覚える。『冷や奴のカリカリじゃこのせ』【夏休みの自由研究(家庭科)】
2018年12月06日子どもは3歳を過ぎると、ごっこ遊びなどの空想力を活かした遊びをするようになります。子どもの空想力は非常に豊かで、大人が想像もつかないような生き物を生み出したり、突拍子もない展開を引き起こしたりします。空想の内容によっては、親が「空想の世界ばかりに入り浸っているようで心配」「現実との違いがわからなくなったらどうしよう」と感じることもあるようですが、空想力は子どもが成長するうえで欠かせないものです。今回は、空想力によって身につく力や、空想力向上のための方法について紹介します。空想力が子どもにとって大切な理由『本物の学力は12歳までの「作文量」で決まる!』の著者、樋口裕一氏は、毎日の会話から空想力を鍛えることをすすめています。例えば、テレビドラマを活用し、「犯人は誰だと思う?」「主人公はこれからどうすると思う?」などの会話が、作文力、国語力をつけるのです。また、JAPAN絵本よみきかせ協会代表理事であり、こどもまなび☆ラボ絵本部顧問でもある景山聖子先生は、子どもの空想力について以下のように話しています。幼児期は人生の中で唯一、空想の世界で見たり聞いたりしたことを「現実」の出来事として体験できる、貴重な時間――。幼児期の子どもは、絵本での出来事を実際に体験したかのように感じるのだそうです。たとえば、パパと一緒に魚釣りに行き、日が沈むまで存分に遊び尽くす様子が描かれた絵本を読み聞かせたとしたら……?「パパ、またおさかなつかまえに行こうね。おもしろかったね、おいしかったね。」こんなふうに言うのだそうですよ。そして、この空想力を使った疑似体験が、子どもの様々な力を養ってくれるのだそうです。空想力でこんな力が身につくでは、空想力によって身につく力を見てみましょう!【1】思いやり空想力を使ってごっこ遊びなどをする子どもは、自分以外の誰かになりきります。例えば「ヒーローになって悪者を退治する」「犬や猫など人間以外の動物になる」などです。そうすることで「ヒーローになって悪者を退治すると、誰かに感謝される」「犬や猫はこうすると楽しい気持ちになる」など、行動次第でさまざまな感情を呼び起こすことへの気づきにつながります。このとき、親が「こんなふうにしたらもっと感謝されるんじゃない?」「こうしたら、もっと喜んでくれると思うよ」などとポジティブな感情を導くためのアドバイスをすると、思いやりの気持ちが養われます。【2】体系的思考空想力がある子どもは、例えばバナナがあった場合、その購入者や生産者、調理法や売っているお店など、さまざまなことを疑問として親に投げかけたりします。これは物事に対して付随する多くの情報を分析・分類する体系的思考を養うことにつながります。親としては、子どもに質問攻めにされるのに飽き飽きしてしまうこともあるかもしれません。しかし、空想力向上のためには大切な過程です。できる限り向き合い、一緒に考えてみましょう。【3】プレゼンスキル子どもが空想上のストーリーなどを話すことは、自分の考えをプレゼンしているという意味もあります。親にとっては支離滅裂な内容だったとしても、子どもの空想にしっかりと耳を傾けてあげましょう。時々、内容についての質問するのもおすすめです。そうすることで、自分の意見や考え方をしっかりと相手に伝えるプレゼンスキルの向上につながります。【4】対人能力空想上でさまざまな人物を演じる子どもは、立場によって感情や役割が変わることを自然と覚えていきます。例えば、おままごとでお母さん役の子どもは、赤ちゃん役の子どもを優しくあやし、お父さん役の子どもは堂々とした振る舞いで家族の中心人物になったりします。この場合、子どもの家族の言動を真似ているケースも多いです。自分とは違う立場の人物になりきり、それに合った振る舞いをしていくことで、人との関わり方を学ぶきっかけとなり、やがて対人能力の向上につながります。空想力を身につけるためのポイント子どもの空想力をアップさせるためには、以下の工夫が効果的です。■子どもの空想を否定しない時に子どもは、残酷で暴力的な空想をすることがあります。親としては心配になるかもしれませんが、それを頭ごなしに否定してしまうと、子どもは空想すること自体が楽しくなくなる可能性があります。そうならないために、空想そのものは否定せず、残酷さや暴力がネガティブな感情をもたらすことを教えましょう。例えば、誰かを叩いたりする空想をしている場合は「もし〇〇ちゃんが誰かに叩かれたら、どう思う?」と、その後を想像させるような問いかけをします。子どもが良くない空想をしていた場合は、物事の善悪を教えるチャンスとして捉えるようにしましょう。■大人ならではの空想で一緒に遊ぶ子どもの空想が大人には思いつかないようなものであるのと同じように、大人の空想は子どもにとって新鮮なものです。子どもが空想のストーリーについて教えてくれたり、ごっこ遊びに誘ってきたりしたときには、ただ子どものペースに合わせるのではなく、親独自の空想で対応しましょう。大人ならではの空想は子どもにとっては意外なものであり、大きな刺激になることがありますよ。■親子で絵本を作る子どもの空想を絵本にしましょう。子どもが絵を、親が文章を担当して、1冊の絵本を作り上げます。空想上の物語を絵として表現する作業は、表現力・空想力アップに有効です。また、絵本作りを通した親子の共同作業は絆を深めることや思い出作りにもなります。***子どもの空想力は、その時期ならではの視点や考えが詰まった貴重なものであり、情緒面の発達に大きく影響します。親は子どもの空想を見守りつつ、思う存分空想できる環境を整えてあげましょう。文/田口るい(参考)Gymboree|「ごっこ遊び」は子どもの成長に不可欠なものだった!?あそびのもりONLINE|赤ちゃんの育ちと空想遊び保育ing|空想の世界を持っていて、お友達とうまく遊べない様子おむつのパンパース|幼児の活動:幼児のゲームと遊びの種類Study Hacker こどもまなび☆ラボ|現実と空想を区別できるのは6歳以降?親の”救世主”読み聞かせで、子どもは絵本を「体験」する樋口裕一著(2016),『本物の学力は12歳までの「作文量」で決まる!』,すばる舎.
2018年12月06日関西人主婦で二児の母のモチコです。1歳8ヶ月の息子・二太郎のブームは……私の口、彼にとってはいい隙間なのでしょうか。よく開いてるし。 (閉じなはれ)まあこちらとしても美味しいもの詰めてもらえていいんですけどね。モグモグ。とはいえ我が家には、この穴や隙間に物を入れる楽しみを生かすおもちゃがあります。口ではなくおもちゃで遊んで!それぞれの食いつきはと言いますと……。●⑴穴にパーツを落とすおもちゃタッパーの蓋に穴を開け、そこに小さめの積み木を入れる手作りおもちゃがあります。これは3ヶ月ほど前はよく遊んでいました!今は飽きたのか以前ほどではなくなりましたが、それでも割と遊んでいます。単純な構造のおもちゃですが、上の子も好きだったなぁ……。●⑵積み木をはめ込み丸や四角、台形、星型などの積み木を同じ形の穴にはめ込むおもちゃもあります。丸、三角、四角の単純な図形は自分でできますが、星型や凸 台形は手助けが必要。自分でやってくれたら私は楽なんやけどなぁと思いつつ付き合わされています。そして本人も1人ではできない=難易度が高いからか、すぐにやめてしまいます。現状維持で満足するタイプなのかしら。●⑶それより好きなのは……?穴にパーツを落としたりはめ込んだりするおもちゃもありますが、それよりも好きなのは、排水溝の蓋の穴やテレビ台の隙間など、おもちゃではない自然の穴。遊ぶ用には作られていないのに、おもちゃより断然食い付きます。なんで。以上、二太郎の穴&隙間好き話 でした。このブーム、いつまで続くのかしら……。(もぐもぐ)●ライター/モチコ
2018年12月05日編集部:学研キッズネット編集部ある土曜日、神奈川県相模原市の住宅街に子どもたちが集まる一角がありました。この日は、楽しいプログラムが盛りだくさんで、参加費が無料という、子どもたちに人気の「ノヴィーニェ こども食堂&こども寺子屋」が開かれる日なのです(付き添いの大人も無料)。食事だけでなく、遊びや学びが体験できる寺子屋もあるこの食堂は、近所の子どもたちを中心に回を重ねるごとに参加者が増えているそう。アフリカの方が主催する子ども食堂にはどんな特徴があるのか、どんな思いで開催しているのかを聞くため、参加してみました。アフリカの料理も味わえるバイキング形式のランチこの子ども食堂はアフリカ・ガーナ出身のトニーさんが理事長を務める「NPO法人アフリカンヘリテイジコミティー」が主催しています。土曜日昼と平日夜、月に1回ずつ、神奈川県内の2カ所で開かれていますが、昼は食堂だけでなく寺子屋が同時開催されるのが特徴。アフリカの文化に触れられるイベントも子どもたちの楽しみのひとつです。天気にも恵まれた夏らしい日の今回は「ミニなつまつり」がテーマ※。友だち同士や親子で季節を感じながら楽しめるプログラムがたくさん用意されています。※「ミニなつまつり」は8月25日(土)に開かれた昼プログラムです。たくさんのメニューに迷いながらも、子どもたちがそれぞれ好きなものを取っていきますスタート時間の11時45分にあいさつと今日のプログラムの説明がありますが、まずは食事タイム。会場入り口にある料理が並んだカウンターから、各自好きなものを取っていくバイキング形式です。「食べられる分だけよそってね(お代わりは自由)」などの注意書きがあったり、自分が使ったお皿を種類ごとに分けて片付けるコーナーもあります。バイキングを楽しみながら自然とマナーも学べる仕組みになっているのです。ごはんのあとのデザートは、綿あめが人気でした料理はデザートも含めて8~12品。毎回必ずアフリカの料理も並びます。子どもたちに人気のカレーは本格的ながら辛くない工夫がされていました。隣り合った参加者同士や、いっしょに来た家族などと楽しく話しながらの食事タイムが終わると「こども寺子屋」の始まりです。楽しく学び、味わい、異文化を体験する「子ども寺子屋」今日のプログラムは、トニーさんによる「えいごレッスン」、アフリカの楽器を身近なもので工作する「カリンバ作り」、希望者が実際に演奏を体験できる「アフリカの太鼓体験」、「おやつタイム」と盛りだくさんです。工作の時間はいつもとても盛り上がります。今日は、親指で音を鳴らすアフリカの楽器「カリンバ」を割りばしやヘアピンで作りました。最後に思い思いにシールなどで飾り付けをしたらできあがりです。これが、アフリカの楽器「カリンバ」ですヘアピン、ビーズ、割りばし、マスキングテープを使って、カリンバを制作中♪10歳の女の子はマスキングテープでカラフルにして、「かわいくできた」と満足そう。お母さんと参加した2歳8カ月の女の子は毎回工作が楽しみで、今回で6回目の参加だそうです。慣れた手つきで力作を仕上げていました。できあがりを見せ合ったり、演奏してみたりするうちに、知らない子ども同士も打ち解けていき、会場のにぎわいは最高潮に。トニーさんと子どもたちで、アフリカの太鼓セッション!その後は希望者が舞台に上がり、トニーさんによる本場仕込みの太鼓たたきを真似しながら即興で演奏したり、アフリカのバナナに良く似た野菜「プランテーン」と本物のヤシの実を絞ったジュースを試食するおやつタイムを楽しんだりと、五感を使って学べるプログラムが続きました。5歳と1歳のお子さん連れで参加しているお母さんは、「去年のハロウィーンパーティのときにはじめて参加しました。以降は2カ月に1回程度通っています。上の子は英会話のレッスン、下の子は楽器を演奏できるのを楽しみにしていますね。食事だけではないので、いろいろな子が集い、参加しやすい雰囲気がうれしいです。勉強がてら親子で楽しみにしています」と話してくれました。最後にトニーさんから「ここはみんなの居場所です。もっと仲間を増やしていきましょう!」とあいさつ。過ごした時間が楽しかったとわかる最高の笑顔で、みんなで手をふりながら解散になりました。困っている子どもの居場所をつくりたいなぜ、子ども食堂と寺子屋を始めようと思ったのか、そのきっかけと子ども食堂に対する思いを主催者のトニー・ジャスティスさんに聞きました。トニー・ジャスティス アフリカ・ガーナ出身。20年ほど前に、日本の文化に興味を持ち来日。2015年にNPO法人アフリカヘリテイジコミティを立ち上げ、理事となる。現在、相模原市中央区でレンタルスペース&レストランの「ノヴィーニェ・ホール」を、横浜市青葉台で飲食店「JAYʼs レストラン」を営みながら、青葉台と相模原の2カ所で、子ども食堂と寺子屋を開催している。また、アフリカ文化を紹介する講演会の講師などを積極的につとめている。――なぜ日本で子ども食堂と寺子屋を始めたのですかトニー:アフリカに帰ったときに、学校に通えない子やごはんが食べられない子どもをたくさん見かけました。そんな子を保護して助けたい。でも物をあげるのではなく、自立して生活できるように教育を授けたいと思ったんです。それで「学校を作ろうプロジェクト」を立ち上げました。しかし、そのプロジェクトを進めるなかで、日本でも十分に食事ができない、何を食べているのか親も知らない孤食の子どもが増えていると聞きました。そこでアフリカの子どもたちも大事だけど、今、目の前にいる日本の子どもたちも助けたい、子どもの居場所をつくりたいと思ったのがスタートです。一方で、日本の子どもたちにアフリカ文化をもっと広めたいという気持ちが、ずっとありました。まだまだ日本ではアフリカがどんな国なのか知られていません。たとえば「どんなものを食べているのか」「どんな暮らしをしているか」そんなことから知ってもらいたいと思ったので、寺子屋も始めました。「ノヴィーニェ」とは、わたしの出身である西アフリカのエヴェという部族の言葉で「兄弟・仲間」という意味です。地域のこどもたちが、家族のように集まって食べたり学んだりできる場所にしたいという思いをこめて食堂の名前にしました。――子ども食堂は毎回どんな内容で開催していますかトニー:昼、夕方各月1回ずつ、神奈川県内の2カ所で計4回行なっています。ランチは今回のようにバイキング形式で8~12品ほど。アフリカの料理も2~3種類あります。そのあと寺子屋で、英会話や工作、楽器演奏などを体験してもらいます。子どもだけで来る子、親子で参加といろいろですが毎回45~60人ほど来ています。夕方の部は子ども食堂のみです。予約なしで自由に参加できます。――どんな子どもが参加していますかトニー:いろいろな子どもたちが来ています。近所に住んでいる子もいれば、遠くから来てくれる親子、体が不自由な子、シングルマザーでがんばっているお母さんと子どもなど、本当にさまざまです。こちらでは参加者を選んでいないので、どんな子でも、誰でも来ていい、楽しい時間を過ごせる子どもの居場所なんです。毎日、忙しくしているお母さんたちが、子どもとゆっくりごはんが食べられる場所としても利用してもらえればと思っています。――いろいろな子が楽しく過ごせるように、どんな工夫をしていますかトニー:寺子屋の英会話レッスンでいうと、最初にたとえば車のイラストを見せたら日本語で言ってもらう。そこで「日本語上手だね!」とほめます。次に英語で言ってもらい、できたらまたほめる。という流れで行なっています。ここは日本語の方が得意な子ばかりじゃない。小さいときから国際感覚が身について、国境を超えたコミュニケーションができる子に育つといいなと思っています。それにまだ言葉(日本語)がうまく話せない年齢の子もスムーズに参加できますよね。英語のレッスンは、小さい子でも参加できるようにイラストを見せながらトニーさんがイラストを見せて「これわかる人!」と聞くと、子どもたちの手があがります――子ども食堂を始めるにあたり、苦労はありましたかトニー:最初は、わたしが外国人ということもあったのか、なかなか参加者が集まらなかったですね。チラシを置いてもらうお願いをしに行っても「アフリカの人には日本のことは関係ないのでは?」と、なかなか理解が得られないこともありました。そこでまずは新聞に広告をのせたりして、認知度を上げていきました。その後、相模原市の後援名義を取ったりして、今はだいぶ周囲の理解が深まってきたと感じています。大変でしたが、わたしをここまで育ててくれた日本に恩返しをしたいとがんばりましたね。――子ども食堂について、今後の展望を教えてくださいトニー:3年目になり、以前より参加者もだいぶ増えました。毎回ボランティアも3~4人に参加してもらっています。まだまだボランティアも資金も足りませんが、さまざまな境遇の子どもの居場所、がんばっているお母さんのストレスを解消して、楽しく過ごせる場所になれば良いなと、みんなでがんばっています。今後は、ボランティアや食材提供や寄付など、うまく地域のみなさまと協力して、将来的にもこの活動を続けていけるような仕組みづくりに取り組んでいくつもりです。ここはみんなの居場所です。来ないのはもったいない。県内だけでなく日本中から、いろいろな子どもに参加してもらいたいですね(笑)。 ――アフリカでの活動がきっかけで日本の子どもたちの現状にも心を痛めて活動を始めたトニーさん。「どんな子でも、誰でも来ていい」「日本中のいろいろな子どもに参加してもらいたい」という言葉に、トニーさんの大きな愛情を感じました。なかなか知ることのできないアフリカの文化を体験できる場としても貴重な「ノヴィーニェ食堂」に、またぜひ訪れてみたいと思います!(まとめ内藤真左子)DATAノヴィーニェこども食堂&こども寺子屋相模原:神奈川県相模原市中央区5-11-3きめたハウジング第5ビル(ノヴィーニェ・ホール1/2F)横浜:神奈川県横浜市青葉区青葉台1丁目15番地3号高橋青葉ビル B1F(ジェイズレストラン)<昼の部>時間:こども食堂は11:45~13:15こども寺子屋は13:30~15:00対象:幼児~高校生 (シルバーの方もOK!)※未就学児は保護者の方が同伴してください。参加費:無料 (付き添いの大人の方も無料)<夕方の部>時間:こども食堂16:00~18:00対象:幼児~高校生※未就学児は保護者の方が同伴してください。参加費:無料(付き添いの大人の方も無料)「ノヴィーニェ こども食堂&こども寺子屋」活動報告ブログ学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと)『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。すくすく伸びる子どもたちのために
2018年11月27日子どもの習い事として、ピアノは永遠の憧れかもしれません。自分がやっていたという親御さんも、やってみたかったという親御さんも、自分の子どもにピアノを習わせたいと願う人は少なくないのではないでしょうか。では、何歳から始めるべきなのでしょう?さすがに1歳では早そうですが……。今回は、子どもにピアノを何歳から習わせるべきか、4つの観点から考察します。ピアノを何歳から始めるべきか1:絶対音感を育む「絶対音感はどう養う?子どもに身につけさせたい、絶対音感と相対音感のトレーニング法。」でも取り上げたように、人間が獲得できる音感には、絶対音感と相対音感の2種類があります。相対音感は訓練すれば大人でも得られるもの。しかし、絶対音感は小さいうちにしか身につかないといわれているのです。音楽心理学を専門とする、「一音会ミュージックスクール」の榊原彩子氏によると、絶対音感保有者が音楽のレッスンを始めた年齢で最も多かったのは5歳だと、いう調査があるそう。非保有者だと6~7歳だったそうです。また、音楽家600人以上を対象にした調査では、4歳以前に音楽のレッスンを始めた人の40%が絶対音感を持っていた一方、9歳以降に始めた人で絶対音感を持っていたのはたった9%だったそうです。これらの調査結果を考慮すると、絶対音感を身につけるためには、遅くても5歳までにピアノを始めるのがよさそうですね。ピアノを何歳から始めるべきか2:脳を発達させるピアノの練習によって脳が発達するという説は近年、多くの人に支持されています。絶対音感養成プログラムを提供している一般社団法人・日本子ども音楽教育協会の理事長・滝澤香織氏によると、右手と左手を同時に使うピアノは、右脳と左脳の両方を活性化させるそう。右脳と左脳のあいだには、神経繊維が2億本ほど詰まった「脳梁」と呼ばれる大きな束がありますが、左右の脳をバランス良く使うことで、脳梁はより太く育ち、左右の脳の伝達もより円滑になるのです。脳梁の発達のためにも、左右の手指を平等に使うピアノはとても効果的なのです。(引用元:StudyHackerこどもまなび☆ラボ|ピアノは “脳を育ててくれる” 楽器である。)精神医学を専門とするジェームズ・ハジアク教授(米バーモント大学)らの研究も、楽器を練習した子どもほど、集中力などに関する脳の部位が発達していることを明らかにしました。ピアノをはじめとする楽器の演奏には、指を正確に動かしたり、音を聞き取ったり、楽譜を読んだりなどの緻密な作業が要求されますからね。脳には、発達しやすい年齢というものがあります。米国の高名な人類学者リチャード・スキャモン(1883~1952)によれば、20歳時点での脳の発育度を100%とすると、4歳ですでに約80%、6歳では約90%にもなっているそう。それ以降の発達は非常にゆるやかです。つまり、脳が急激に発達している4歳までのあいだ、脳に刺激を与えることが重要だといえます。すると、できれば4歳までに、遅くとも6歳になる前にはピアノを始めているべきだというわけです。ピアノを何歳から始めるべきか3:体は充分に発達しているか子どもの能力を伸ばすには早いうちからピアノを始めたほうがよいとはいえ、肉体的な制約というものがあります。やはり、体幹が発達して椅子に座れるようになるまでピアノは弾けないでしょうし、鍵盤を押すには力も必要です。子どもは何歳からピアノを習えるのでしょうか?執筆や講演活動を行っているピアノ講師・笹田優美氏によると、ピアノは幼児の体にとって大きいだけでなく、指に負担もかかるそう。そして、体の骨格が安定するのは「6才前後」だそうです。もちろん、発達の速度は人それぞれ。子どもによってピアノを始めるのが何歳からなのかは異なります。笹田氏によれば、小学生になって「身体と脳のバランスが整ってくる」のを待ってからでも遅くはないそうです。とはいえ、小学生になるまで音楽に触れないというわけではありません。上述のとおり、4歳までに人間の脳は大部分が形成されています。笹田氏によれば、リトミック(身体を用いてリズムを学ぶ教育法)やダンスなど、体を通じて音楽を感じる体験がおすすめだそうですよ。ピアノを何歳から始めるべきか4:じっと座っていられるかピアノを習うのであれば、大人しく椅子に座り、先生の指示に従わなければなりません。それにはある程度の肉体的・精神的成長が不可欠ですね。このような能力は何歳くらいで身につくのでしょう?お茶の水大学子ども発達教育研究センターが2004年に発行した『幼児教育ハンドブック』によると、体を自分の思い通りに動かせるようになるのは2歳から。指先の動きも急速に発達するそうです。しかし、全身のバランス感覚が発達するのは4歳からなのだとか。そして、大人の指示に従えるかどうかは、子どもの個性によって全く異なります。素直に従う子もいれば、空想に夢中で話を聞いていない子も、周囲のことに気を取られやすい子もいるでしょう。しかし、だからといって教室に通わせないよりは、習い事を通じて落ち着いた態度を身につけさせるほうが建設的ですね。これまでの説明を振り返ってみましょう。絶対音感を会得するなら5歳まで、脳の発達を考えると6歳まで、骨格が安定するのが6歳ごろ、全身のバランス感覚が発達するのは4歳から。これらを総合すると、ピアノは4歳~6歳のあいだに習い始めるのがよさそうですね。くわえて、脳の発達のためには、4歳より早く音楽教室に通わせるのが効果的のようです。ピアノを習うメリットさて、ピアノを何歳から習うべきかがわかったところで、立ち止まって考えてみましょう。どうして子どもにピアノを習わせたいのでしょうか?「ピアノが弾けるようになる」以外に、どのようなメリットがあるのでしょう。また、上で述べたようにピアノを弾くことが脳を活性化させるとはいえ、「脳の活性化」にはどのような意義があるのでしょうか?外国語が得意になる「楽器を習うと英語力が上がる?英語を学ぶと音楽が得意に?音楽と外国語の深い関係」でもご紹介したように、幼少時に音楽のレッスンを受けていると外国語を習得しやすくなることを示した研究があります。音に敏感になるため、母語にはない外国語の音を聞き取ったり、脳内での処理能力が高まったりするそうです。たとえ音楽のレッスンを子どものうちにやめてしまっても、その恩恵はずっと続くそう。英会話スクールにお金をかけるより、効果があるかもしれません。「生きる力」が養われる「知能指数」を意味するIQ(Intelligence Quotient)は多くの人が知っていると思います。では、近年注目されているHQ(Human Quotient)――「人間指数」はどうでしょうか?認知神経科学を研究する澤口俊之教授(武蔵野学院大学)によると、HQとは「目的・夢に向かって、社会の中で協調的に生きるための脳力」。ワーキングメモリ、一般知能、自己制御、注意力、問題解決能力など、さまざまな要素を含んでいるそうです。そして、塾に通ったり、スポーツや習字、英会話を習ったりしている子どもに比べ、ピアノを習っている子どものHQは突出して高いそう。その理由を澤口教授は「両手で微妙に違う指の動きができること」と「譜面を先読みして覚えて後追いしながら弾くこと」だと推測しています。ピアノの練習によって脳が活性化された結果、目的達成のため主体的に生きていくのに必要な能力が育つようです。机に向かっての勉強だけでは得られないHQが育つことは、ピアノを習う大きなメリットだといえるでしょう。ピアノを習うのに必要な費用子どもにぜひ習わせてみたいピアノですが、やはり気になるのはお金ですよね。レッスン代や楽器の購入費用など、どれくらい必要なのでしょう?全国に展開する「ヤマハ音楽教室」の小学生向け「ピアノコース」は、月3回・1回30分で7,000~9,000円(税抜)。入会金・施設費・教材費が別途発生します。個人のピアノ教室だと、もっと安くなることが多いようです。ピアノには大きく3種類があります。発表会で弾く大きなグランドピアノ、家庭に置きやすいアップライトピアノ、夜でも練習できる電子ピアノ。総合楽器店「島村楽器」の公式サイトに掲載されている価格は以下のとおりです。-グランドピアノ:129万6,000円(税込)~-アップライトピアノ:43万2,000円(税込)~-電子ピアノ:2万8,800円(税込)~やはり、電子ピアノならば圧倒的に安いですね。音だけでなく鍵盤の重さやフットペダルの有無など、本来のピアノとは異なる点が多いとはいえ、価格の安さは習い事の続けやすさにつながります。プロのピアニストを目指すのでなければ、電子ピアノから入る選択肢も充分にありうるでしょう。***ぜひ幼少期に習っておきたいピアノ。高価なピアノを買えなくても、諦めるのは早いですよ!(参考)StudyHackerこどもまなび☆ラボ|絶対音感はどう養う?子どもに身につけさせたい、絶対音感と相対音感のトレーニング法。StudyHackerこどもまなび☆ラボ|ピアノは “脳を育ててくれる” 楽器である。StudyHackerこどもまなび☆ラボ|楽器演奏により脳が発達することが研究で明らかに。おすすめは「7歳までに」始めること。StudyHackerこどもまなび☆ラボ|楽器を習うと英語力が上がる?英語を学ぶと音楽が得意に?音楽と外国語の深い関係国立国会図書館デジタルコレクション|なぜ絶対音感は幼少期にしか習得できないのか? : 訓練開始年齢が絶対音感習得過程に及ぼす影響公立はこだて未来大学|身体的な発達心理学Roland|ピアノを始める前に知っておきたい5つのこと ~その1~お茶の水女子大学|乳幼児の発達の概要LinkedIn|How the Human Quotient Improves Careers and Companiesキャリコネニュース|ビジネスパーソンの力は「人間性知能HQ」で測れる!? 脳科学者・澤口俊之氏が「脳力」の鍛え方伝授ピティナ|今こそ音楽を!第3章 脳科学観点から~澤口俊之先生インタビュー(1)ヤマハ音楽教室公式サイト|ピアノコース島村楽器|鍵盤楽器島村楽器オンラインストア|電子ピアノ
2018年11月27日専門家・プロ:藤田由美子今回は、つくば市が取り組んでいるICT教育、プログラミング教育、英語教育を紹介します。ICTを活用して21世紀型スキルをはぐくむ茨城県つくば市は、「つくばスタイル科」を創設し、21世紀型スキルを育成しようとしています。21世紀型スキルには、コンピュータ活用能力や情報活用能力が含まれています。さらに、21世紀型スキルである協働力、創造力、市民性もICTの活用で身につけることができるととらえ、ICTの「C」に7つの意味をもたせ、「つくば7Cスタディ」と名づけました。この取組みは、2018年キッズデザイン賞*の奨励賞を受賞しました。※キッズデザイン賞……NPO法人キッズデザイン協議会が主催する顕彰制度。子どもにとって優れた製品・空間・サービス・活動・研究を顕彰している。「つくば7Cスタディ」の内容は以下のとおり。「つくば7Cスタディ」(出典「つくばスタイル科」単元プラン集)ICTを使って主体的・対話的で深い学びを実現つくば市立みどりの学園義務教育学校(小中一貫校)では、「つくば7Cスタディ」に基づいて以下のようなICT教育を行なっています。教室には無線LANが設置され、一人1台タブレット端末が配置されています。(1)タブレットを活用した主体的な体験活動タブレットを使って写真や動画を撮影したりして取材し、文字書き込み機能を使って課題を見つけます。また、協働学習ツールを使って、プレゼンテーション用のスライドを作成します。(2)課題解決を通じた対話的な学び課題を解決するために自分のタブレットに意見を書き込み、電子黒板に投影します。また、デジタル思考ツールを使って、タブレットに書き込んだ内容を電子黒板に映し、クラスで情報を共有します。(3)課題を追究する探究的で深い学び学校で解決できない問題は、他校、地域、研究所の研究員などとテレビ会議で話し合います。(4)一人ひとりに応じた主体的な学びつくば教育クラウド*には1年生から9年生(小学1年生から中学3年生)までの国語、社会、算数、理科、数学、英語の問題などが搭載され、児童生徒は、家庭からアクセスして、自分のペースで学習することができます。※つくば教育クラウド……インターネット上の教育用クラウドサーバーに学習コンテンツを置き、学校や自宅からアクセスし、学習できる。学習履歴も保存されるので、どれくらい自宅で学習したかも把握することができる。(5)プログラミング学習各教科でプログラミング学習を行ない、プログラミング的思考を培います。(6)プレゼンテーション、市民性課題解決型学習の成果として、電子黒板を使ったチーム弁論やプレゼンテーションを行なっています。つくば市の課題解決についても話し合い、まちづくりにも生かしています。小中学校でプログラミングを系統的に学ぶつくば市では、平成21年からプログラミング教育を行なっています。みどりの学園義務教育学校でも、系統的にプログラミング教育を展開。5年生の授業では、レゴマインドストーム*3を使って、モーターを組込制御できるおもちゃの自動車をプログラミングし、カーレースを行なっています。子どもたちはスピードを競い、楽しみながらプログラミングを学びます。※レゴマインドストーム……アメリカのマサチューセッツ工科大学とデンマークの玩具会社のレゴが共同で開発した教育用のロボットキット。自分たちでプログラミングしたおもちゃの自動車でカーレースを楽しむ5年生の子どもたち3年生の授業では、レーザーの動きをプログラミングし、動きを観察していました。小学1年生から英語を学ぶつくば市では、小学1年生から外国語活動を行なっています。同校の2年生の児童が、英語で学校を紹介してくれました。子どもたちがICT、論理的思考力、語学を駆使して、地域の課題に向き合い、解決のためにどのように行動したらいいかを考え、さらに日本、世界へと目を向けていくという新しい教育の姿を見ました。藤田由美子(ふじたゆみこ)株式会社ユーミックス代表取締役社長。1993年の創業以来、コンピューターリテラシー教育を数多く手がける。「生きる力」「社会力」の育成をめざして、子ども向けICT教育のカリキュラム作りにも力をいれており、大手携帯電話会社のケータイ安全教室の企画立ち上げ、ネット安全利用推進プログラムの開発など、実績多数。
2018年11月26日我が家にはLeapFrog(リープフロッグ)のおもちゃがいくつかあります。もともとおばあちゃんにプレゼントで頂いたのがきっかけで知ったリープフロッグ。アメリカ生まれの英語知育玩具メーカーで、遊びながらアルファベットや英語の発音に親しみ、英語の聞きとりや読み書きが自然と身につくおもちゃを開発しています。普段からリープフロッグで遊んでいる子どもたちも、いつ間にか「A.B.C.D~♪」と歌ったりしているのをみて、身についているんだなぁと実感!そして、今回はリープフロッグのなかでもロングセラーで人気の「アルファパップ」をお試し。3歳になった姉と、8ヵ月の弟の2人で遊び方の違いなどをレポートしたいと思います。リープフロッグってな~に?子どもは遊びながら自然と様々なことを学びます。お勉強だって、楽しく学べればどんどん吸収されていくはず!リープフロッグのおもちゃは、そんな子どもたちの興味をひくおもちゃがたくさん♪赤ちゃんの頃、子どもたちはすべての音を聞き分ける能力を持っていると言われているようですが、日常から「聞かない音」はどんどん聞こえなくなっていくそうです。小さい頃からこのリープフロッグのおもちゃで遊ぶことによって、英語の発音に親しみをもち、英語を聞き取る力が養われるそう。楽しく遊んで、生きた英語を身につけるをモットーに!ベビー〜キッズまで、成長に合わせておもちゃをたくさん取り揃えています。アルファパップは、子どもたちの相棒に♡アルファパップは、アルファベットやちょっとした単語を学ぶことができる知育玩具です。胴長わんちゃんの洋服がアルファベットボタンになっていて、柔らかい素材で出来た耳とゆらゆら揺れるしっぽがとってもキュート♡ボタンを押したり、わんちゃんのひもを引っ張ることでメロディが流れるようになっています♪骨の形のリードがまた可愛い♡わんちゃんのあんよが楕円形のタイヤなので、かわいらしい動きをします。0歳から3歳まで、どんな風に遊んでる?あんよがまだの弟は、しっぽや耳で触れ合い♡つかまり立ちができるようになった8ヵ月の弟は、フリフリンと揺れるしっぽを手で追いかけたり、しっぽや耳を“噛み噛み”してみたりと楽しんでいます。しっぽも耳も柔らかい素材なので赤ちゃんが口に入れても安心。ボタンを押して音が鳴りだすと「なんだろう?」と興味津々。とっても気に入ったのか、集中して1人で遊んでくれるので、私としても家事する時には助かってます。最近はコロコロ転がして遊べるように♡3歳の姉は、自分のペットのように毎日お散歩あんよができるようになったら、引っ張って遊ぶプルトイとして大活躍!3歳の姉はメロディが流れるおもちゃが好きで、メロディが流れると身体を横に揺らしたりして「A.B.C.D~♪」と歌いながら「おさんぽ行こうね~」と家の中を夢中でお散歩させてます。アルファベットの後に単語が一緒に流れてくるので、アルファベットだけでなく簡単な単語も口ずさめるように。自然と英語が身につけられるのがとっても良い感じ。リズミカルな歌が自然と耳に残るから3歳の姉だけでなく、5歳の兄も一緒になって、2人して歌っています♪8ヵ月の弟もよちよち歩けるようになったら、もっとたくさん遊ぶことができそう!これからも我が家ではアルファパップの大活躍が続くと思います。おすわりができる頃からあんよ〜言葉がしっかり喋れる年齢まで、長く使えるのでコスパが良くてクリスマスプレゼントにもオススメ♡お散歩させながら、歌って学ぶABCのアルファベットペット、皆さんもぜひ遊んでみてくださいね♪
2018年11月21日子どもの想像力を育むことは大切。でもそれが想定外だとしたら…子どもの行動は、親の想定外の「よくぞここまで!」と思うようなことをやってのけてくれますよね。わが家の3人の子どもの場合も、いろいろ驚かされることがいっぱいです。私自身は、子どもの想像力を育むことはとても大事なことだと常々思っています。先日絵本作家さんの講演会に行ってきました。その人のお父さんは、絵本をらくがき帳代わりにしようが、はさみで切って遊んでも、叱らなかったとのこと。それを聞いて、わが子たちにもそんな環境を作ってあげられたらなぁ、と改めて感じました。ですが、頭で思っていることと実際の私の行動には大きなギャップがあるようで…。今回は私が本気でキレてしまった「わが家の高級枕」についてのお話です。大げさでなく、その事実を知ったときの私、こんな顔だったんじゃないかと思います子どもの誕生日にプレゼントした高級枕みなさんのお子さんは、枕を使っていますか?わが家では、3歳の誕生日、何をプレゼントしようかと悩み、「3歳くらいから枕を使うといい」という情報を得て、どうせ買うならきちんとしたものを!と意気込んで購入しました。高級枕の代名詞のようなテンピュール。子どもたちの成長や体のことを思い、よいものを与えたいという親心でした。しかし、まだまだ3歳児、とんでもない寝相です。「枕ってなんだっけ?」と思うような寝相。枕は早かったのかもしれません。高級枕をわきによけ、妹の上で爆睡中!枕がまさかの!?異変に気付いた私は…ところで、スクイーズってご存知ですか?発泡ウレタンでできた柔らかいスポンジのような素材で、握りつぶして遊ぶグッズです。少し前に子どもたちの間で大流行しました。スクイーズだけを扱う専門店が登場したりもしましたね。スクイーズ。にぎにぎしてその触感を楽しみますある日、私が子どもの枕を触った時、「うん?形が変?」と異変に気づきました。カバーを取り外してみると、この惨状。2か所の角が切り取られていたのです。まぁ、子どもたちも、ばれないよう最小限にしておいたんでしょうが、「子どものために」、「体にいいものを」と奮発して購入した高級枕の姿に母はガクゼンとしました。子どもたち3人を呼びつけ、「なにしてんのー!」大声あげて叱りつけてしまいました。加えて「いくらしたと思ってんの?」という言葉まで添えてお説教。切ったものを持ってこさせたものの、1か所はなんとか出てきたピースでなおりそうでしたが、大きく切りとられた方は、あきらめるしかなさそうです。そこで先ほどの写真にあった食パンのスクイーズ。それを使って母の意地で修復しました。触り心地はいまいちですが、枕へのこだわりと意地でなんとか体裁は整えました子どもの豊かな想像力だと受け止められるようになりたい!子どもたちが、にぎにぎして気持ちいいと思うのもよくわかります。確かに気持ちいいですものね。その気持ちいい感触から、すばらしい想像力で自分たちのおもちゃに変身させた子どもたちってすごい!と思いたいですが、私には枕を切り刻まれてにぎにぎおもちゃと化した惨状を大きな心で受け止めることはできませんでした。子どもの豊かな想像力だと受け止められるようになりたいと思いながらも、こんなことなら、母こそ安眠をもたらす高級枕を買っておけばよかったといまだに少し根に持っている私です。
2018年11月15日難関大学に通う学生たちは、どんな幼少期を過ごしてきたのか――。将来、我が子をそれらの大学に入れたいと願う親であれば、一度は考えたことがあるのではないでしょうか。幼少期の過ごし方のなかでも、特に「遊び」は興味深い内容のひとつ。どれくらい遊んでいたのか、どんな遊びをしていたのか、気になりませんか?そこで、今回は難関大学のなかでも最上位とされる東京大学にスポットを当て、在校生や卒業生の幼少期の遊び方について調べてみました。“親子遊び” が学力向上につながっている!?そもそも、東大に通うほど頭のいい人たちは、子どもの頃から遊びよりも勉強に時間を割いていたのではないか――そんなイメージを抱く方もいるでしょう。しかし、必ずしもそうとは限らないようです。イメージとは裏腹に、東大生はよく家で遊んでいたのだそう。しかし、その遊びの内容はというと、「クイズ」「レゴ」「パズル」「九九」など。これらの遊びを、親子で日常的に行っていたと言います。またある記事では、「小さい頃から子どもと一緒に遊んだ」「子どもの興味に付き合った」「遊び習慣が学習習慣につながった」という親の共通点が挙げられています。なかには、「夕食後、毎晩のように2時間ほど一緒に遊んだ」という方もいました。その遊びの内容は、「ブロック」「つみき」「ジオラマづくり」など。ある親御さんは、手作りのカードで「神経衰弱」を楽しんだそう。ここで注目すべきは、親自身が意識的に子どもと遊んだということではないでしょうか。親と一緒に遊ぶことで、「遊び」が「学び」につながり、ひいては「学力向上」につながったと考えられているようです。東大生の約7割がレゴブロックで遊んでいた多くの東大生が幼少期に経験した遊びとして注目を集めている遊びがあります。それはプラスチック製の組み立て式おもちゃ、レゴブロック(通称:レゴ)です。レゴジャパン株式会社は、2018年に東京六大学(東京大学、早稲田大学、慶応大学、明治大学、立教大学、法政大学)出身者600名を対象に、「レゴと知育の関連性に関する調査」を実施。東大生の68%がレゴ経験者であることを明らかにしました。また、「子どもの頃にレゴで遊んだという経験が、自身の能力やセンスに影響がありましたか?」という質問に対し、東大出身者の85%が「影響があった」と回答。そして、「影響があった」と答えた東大出身者の約2人に1人が、「集中力」「創造力」「イメージ力」の3つの力を伸ばすことに役に立ったと答えました。ほかにも、3人に1人が「東大に入るために一番必要な能力」は「集中力」だと回答しています。レゴで遊ぶことによって、「集中力」を含む、いろいろな能力を伸ばすことができると言えるでしょう。実際、様々な東大出身者やその親が、各所でレゴの経験談とその魅力を語っています。■佐藤亮子さん(4人の子どもを東大に合格させたカリスマ主婦)(「お子さまは何歳からレゴを始めましたか?」という問いに対し)2歳からさせました。レゴは、何歳からでも楽しめるのがいいのではないでしょうか? 私も、子どもと一緒に作ってよく遊びましたが、全然退屈しないのが、不思議でした。大人でも十分楽しめるところが他のおもちゃと違うところです。(引用元: PR TIMES|レゴジャパン株式会社プレスリリース東京六大学出身者600名に聞いた「レゴと知育の関連性に関する調査」)■ 木村美紀さん(東京大学大学院修了)レゴブロックは、1人でも集中して遊べるし、家族みんなで共同作品を作ることもできるので、いろんなスタイルで楽しめるのも魅力だと思います。(引用元:MAG2NEWS|美人東大タレントが明かす、わが子を東大生にしたい親がすべき9つの事)■桜雪さん(東京大学生)父がたくさん遊んでくれて、いつも一緒に新しいルールの遊びを作っていました。あと、映画や絵本をよく観たり読んだりしていたのと、ずっとレゴで遊んでいたのはよく覚えています。(引用元:インターエデュ・ドットコム|現役東大生アイドル! 桜雪さんインタビュー)これらを読むと、レゴは家族で一緒に楽しめて、学力向上にもつながる遊びだということがわかります。「さっそく子どもにやらせたい」と思う方も多いのではないでしょうか。テレビゲームやスマホゲーム、やらせても大丈夫?一方で、一般的に勉強の妨げになる可能性があると考えられ、親から制限されることの多い遊びもあります。そのひとつとして挙げられるのが、テレビやスマホなどの電子機器を用いたゲームです。東大生は、これらのゲームとどう向き合っていたのでしょうか。公益財団法人東京大学新聞社が現役東大生(院生も含む)を対象に行ったゲームに関するアンケート調査によれば、回答した357名のうち、「ゲームをまったくやらなかった」と答えた人は43名(全体の約12%)でした。逆に、ゲームをやったことのある東大生のなかには、「最長で1日12時間以上ゲームで遊んだことがある」と答えた人が80名(全体の約22%)もいたそうです。この結果をどう思いますか?幼少期に積極的にゲームで遊んでいた東大生は多いように感じませんか。また同調査では、「親など家族と、ゲームとの関わり方について話し合ったか」という問いもあり、196名(約55%)が「はい」と答えたといいます。つまり、過半数の家庭で親がルールを決めたり、子どもに注意喚起したりするなど、何らかのかたちで介入していたことがうかがえます。興味深い回答もありました。「現在のレベルでは勝てない敵を倒したいときに、自分のレベルを上げる、弱点を探す、仲間を作るなどの行為をすることは、ゲームだけでなく、現実の勉強にも応用可能。(文系・男性・1年)」といった、ゲームと勉強の関連性について語った人もいたようです。これはゲームで経験したことを、学力向上に生かすことが可能であることを示しているのではないでしょうか。この結果を見ると、どうやら「ゲーム=勉強に悪影響を及ぼすもの」ではなさそうです。「ゲームをするのはOK、だけどルールはしっかり守ろうね!」と、親子間で時間や約束事などを決めてから遊ぶことが大切なのですね。***東大生のなかには、幼少期に家族とよく遊び、その経験を学力向上につなげた人がたくさんいることがわかりました。親子一緒に「遊ぶ」ことで「集中力」が鍛えられるなら、今度の週末には子どもと本気で遊んでみてはいかがでしょう?もしかしたら、お子さまの集中力はすでにかなり鍛えられているかもしれませんよ!(参考)インターエデュ・ドットコム|東大・京大生に共通すること・しないこと 〜東大・京大生が育つまで<総集編>〜プレジデントオンライン|親と“神経衰弱”する子が東大合格するワケPR TIMES|レゴジャパン株式会社プレスリリース東京六大学出身者600名に聞いた「レゴと知育の関連性に関する調査」MAG2NEWS|美人東大タレントが明かす、わが子を東大生にしたい親がすべき9つの事インターエデュ・ドットコム|現役東大生アイドル! 桜雪さんインタビュー東大新聞オンライン|5人に1人は「1日12時間以上ゲーム」経験者 ~東大生のゲーム事情~
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