毎日続く離乳食づくり。できるだけ簡単にパパっと作れるとうれしいですよね。今回は、1歳~1歳6カ月ごろ(離乳食完了期)のレシピ「くまフレンチトースト」を紹介します。材料は4つだけ、作り方も3工程! おやつや朝食にぴったりの簡単レシピです。くまの形にアレンジすれば子どもも喜ぶこと間違いなし♪ くまフレンチトースト 作者:yutomamaさん 材料(2個分)・食パン ……2枚・温めた牛乳 ……60cc・ココア ……1g・卵 ……Mサイズ半分 作り方① 食パンをくまの形にくり抜きます(ダイソーのクマの抜き型使用)② 温めた牛乳にココアを入れ、しっかり溶いた卵を加えて混ぜる③ 熱したフライパンを弱火にして、①を②にさっとくぐらせ片面15分フタをして蒸し焼きにし、中までしっかり火を通す ベビーカレンダーは管理栄養士監修・離乳食レシピ数、日本最大級!月齢別の離乳食レシピを900以上掲載しています。レシピ内の「作った」件数を見れば、他のママがどんな離乳食をよく作っているのかわかりますよ♪ 赤ちゃんと一緒に、いろいろな離乳食にチャレンジしてみてください! ※赤ちゃんの食欲や発育・発達には個人差があります。月齢や進め方は目安です。赤ちゃんの様子を見ながら離乳食をすすめてください。また、食物アレルギーのない赤ちゃんを対象にしているレシピのため、アレルギーのリスクが疑われる場合や診断されている場合は、医師の指導にしたがってください。
2019年05月23日妊娠中に摂取する飲食物がおなかの赤ちゃんにどんな影響を与えるか気にしている妊婦さんは多いでしょう。特に三大アレルゲンの1つである牛乳の摂取には気を使っている人も少なくありません。今回は、妊娠中に牛乳を飲んでも大丈夫か、飲む際に気を付けることはあるのか、牛乳を飲むことと牛乳アレルギーは関係があるのかについてお話ししていきたいと思います。 牛乳に含まれる4つの栄養素とは?牛乳に含まれる栄養素は、カルシウムをはじめとしたタンパク質、炭水化物、脂質、ナトリウムなどです。 カルシウムは、骨や歯を形成する重要な成分になります。体内で生成することのできない成分のため、食物や飲料で摂取するしかありません。不足すると骨が充分に成長せず、骨粗鬆症の原因にもなりやすいです。カルシウムには筋肉の働きを正常にする働きや精神を落ち着かせリラックスさせる働きも持っており、陣痛を適切に起こす大切な成分の1つになります。 タンパク質は、体内で作ることのできないアミノ酸が含まれており、食物で摂取するしかありません。筋肉や肌を作るような成分です。日本産婦人科医会によると、妊娠中の母親の炭水化物の1日の摂取量が少ないと子どもの体脂肪率が多くなり、小児肥満の決定要因になります。 脂質は、人体を動かす際のエネルギーとして利用されている成分です。摂取しすぎると高血圧になりやすいため、適度に制限する必要があります。脂質はブドウ糖と同じく妊婦さんの活動エネルギーとして使われる成分です。しかし、おなかの赤ちゃんはブドウ糖をエネルギーとして活動しており、脂質は利用していません。そのため、脂質が体内に残りやすく、コレステロール値が高くなる原因となります。生命活動に必要なエネルギーですので、まったく摂取しないというのも問題です。しかし、摂取のしすぎにも注意が必要でしょう。 ナトリウムも人体を動かす際に必要なエネルギーです。脂質と同じく、取りすぎると高血圧や妊娠中毒の原因となります。こちらも生命活動に必要なエネルギーですので、摂取量に注意が必要です。 おなかの赤ちゃんに影響はないの? アレルギーの心配は?牛乳は複数の栄養素をバランスよく含んでいるため、妊娠中に積極的に摂りたい食材です。特にカルシウムの含有量が多く、他の食材と比べてもトップクラスを誇ります。製品によっても異なりますが、コップ1杯分(200ml)の牛乳には約220mgのカルシウムが含まれています。シシャモ3尾(45g)のカルシウム量が約149mg、小松菜(70g)のカルシウム量は約119mgです。 牛乳は、三大アレルゲンに指定されています。そのため、妊娠中に飲むことでおなかの赤ちゃんがアレルギーを引き起こす原因になるのでは? と不安に思う人もいるでしょう。しかし、厚生労働省によると妊娠中・授乳中に母体が摂取した飲食物が原因で胎児がアレルギー性疾患を発症するといった明確な根拠は見つかっていません。むしろ、食事制限によって妊婦さんの体重増加不良や胎児の成長不良が心配されるため、医師から禁止されていなければ摂取しても問題ないでしょう。 三大アレルゲンというと、牛乳以外にも「卵」や「小麦粉」があげられます。卵や小麦粉も牛乳と同様で、お母さん自身がアレルギーを持っているなどの理由がなければ摂取することに特別な問題はないとされています。ただし、特定の食材だけを食べ過ぎるのは栄養素の偏りが発生します。赤ちゃんの健全な成長を阻害する可能性だけでなく、お母さん自身の健康に悪影響をおよぼす可能性があるため注意が必要です。 妊娠中の女性が牛乳を飲むときに気を付けておきたいこと妊娠中の女性が必要とするカルシウムの摂取量は1日650mgです。これは妊娠していない女性が必要とするカルシウムの量と同じになります。妊娠中期から後期は胎児の骨や歯の形成でカルシウムが使われ、カルシウム不足になりやすいです。そのため、牛乳はカルシウムの保有量も多くカルシウムの吸収率も高い飲料ですので、意識的に摂ったほうが良いでしょう。 しかし、牛乳は脂質を多く含んでいる飲料です。多量に摂取することで高血圧やコレステロールが高くなる可能性もあります。脂質の少ない低脂肪牛乳を飲むなどの工夫が必要です。 また、牛乳は一度に多量に飲むと下痢になる恐れがあります。牛乳に含まれる乳糖が分解されないと起こる現象です。乳糖は消化に時間のかかるオリゴ糖の一種で、腸内細菌叢に影響します。少量ずつ回数を分けて飲む、温めて飲む、ヨーグルトやチーズなどの乳製品と一緒に飲むなどの工夫をおこなうことで分解しやすくなります。他にも牛乳だけで栄養素を補おうとせずに、別の飲食物で調整するなどの工夫が必要になります。 まとめ牛乳にはカルシウムをはじめとした妊娠中に不足しがちな栄養素が複数含まれています。特に調理や加工が必要な飲料ではないため、手軽に摂取できるのがメリットです。赤ちゃんの成長だけでなく、妊婦さんの活動に必要なエネルギーも含まれています。過剰摂取は高血圧などの可能性があるため、バランスに気を付けて摂取すると良いでしょう。 監修者:医師 おおたレディースクリニック院長 太田 篤之 先生順天堂大学卒後、派遣病院勤務を経て、平成22年より順天堂静岡病院周産期センター准教授就任。退職後、平成24年8月より祖父の代から続いている「おおたレディースクリニック」院長に就任し現在に至る。
2019年05月19日毎日続く離乳食づくり。できるだけ簡単にパパっと作れるとうれしいですよね。今回は、9~11カ月ごろ(離乳食後期)の簡単おやつレシピ「いちごのムース」を紹介します。ちゃちゃっと作れる、“らくうま”なムースです♪ いちごのムース 作者:ふたごはんmegさん 材料(小さいココット4個分)・いちご ……20g(小粒なもの4粒程度)・ゼラチン ……3g・砂糖 ……大さじ1・プレーンヨーグルト ……200g・水 ……25㏄・いちご(飾り用 ※なくても可)……1/2粒 作り方① いちごは潰しておく② ゼラチンと水を合わせ、600Wの電子レンジで20秒加熱する③ ①と②、砂糖、プレーンヨーグルトを混ぜ合わせ、冷蔵庫で冷やし固める④ 飾り用のいちごを乗せてできあがり※食べる際はやわらかくほぐしてください ベビーカレンダーは管理栄養士監修・離乳食レシピ数、日本最大級!月齢別の離乳食レシピを900以上掲載しています。レシピ内の「作った」件数を見れば、他のママがどんな離乳食をよく作っているのかわかりますよ♪ 赤ちゃんと一緒に、いろいろな離乳食にチャレンジしてみてください! ※赤ちゃんの食欲や発育・発達には個人差があります。月齢や進め方は目安です。赤ちゃんの様子を見ながら離乳食をすすめてください。また、食物アレルギーのない赤ちゃんを対象にしているレシピのため、アレルギーのリスクが疑われる場合や診断されている場合は、医師の指導にしたがってください。
2019年05月16日長男が1歳になったころのことです。慎重に進めていたはずの離乳食で、食物アレルギーを起こしたことがありました。食物アレルギーと聞いてびっくり、原因となったアレルゲンにまたびっくり。息子のアレルギー体質にまったく気づいていなかったことと、アレルゲンに対する私の間違った認識が原因で起きたできごとでした。 食物アレルギーの記憶ちがい長男の離乳食を始めたとき、新米ママとして育児書や離乳食レシピ集を読みあさり、アレルギーに関する知識もひと通り頭に入れていたつもりでした。卵・乳製品・小麦はアレルギーが出やすい、はちみつは1歳を過ぎてから、そばやナッツ類も要注意、などなど。 でもなぜか、ピーナッツだけはアレルゲンと認識しておらず、硬くて飲み込みにくいから与えてはいけないのだ、と覚えていたのです。 初めてのピーナッツバターで全身に蕁麻疹無事に1歳を迎えた長男。そろそろ食の楽しみを覚えてほしいと思い、いろいろな食材を試していたころのことです。ふと思い立ち、ピーナッツバターを購入してみました。ペースト状だから大丈夫だと思ったのです。 朝のパンに塗って出したところ、予想したほどには食が進みませんでしたが、とりあえず完食。 そして30分後……。顔中蚊にさされたような蕁麻疹が! 慌てて服をめくると、首から肩まで蕁麻疹が広がっていました。 まさかのピーナッツアレルギー日曜だったので慌てて市の救急センターを受診。診察を受けるころには蕁麻疹は足まで広がっていました。状況から、おそらくピーナッツによるアレルギーだろうとの診断でした。 白目も充血していたので、念のため眼科にも寄って帰宅。そのころには蕁麻疹は消え、代わりに赤いポツポツした発疹が、顔、肩、おなか、と順に現れ、また上から下へと順に消えていきました。すべての発疹が消えたのは、食後5時間ほど経ったころでした。 実はアレルギーっ子だった長男後日受けた血液検査で、アレルギー体質であったことが判明した長男。寝ているとき体を掻きむしっていたのは、ハウスダストやペットの猫に反応していたからだったのです。 そんなこととは思いもよらず、赤ちゃんの肌ってほんとに弱いな〜、と処方されたワセリンをせっせと塗っていた私。そのうえ、私の記憶違いで食物アレルギーまで……。命に関わる強い反応が出ることもあると言われ、自分のうかつさに背筋が凍りました。 もともと大雑把な性格なので、子育てもおおらかに、元気で育ってくれればいいと考えていた私でしたが、静かにかゆみに耐えていた長男の姿に「つらい思いをさせてごめん……」と深く反省。この小さな命を守るため、母は何でもするよ! と覚悟を決めたできごとでした。著者:久保田はな10年間の海外勤務ののち帰国。現在は二男の母。2人とも帝王切開で出産。主に育児や健康のテーマを中心に執筆活動をしている。趣味は読むこと・音楽・散歩。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年05月13日毎日続く離乳食づくり。できるだけ簡単にパパっと作れるとうれしいですよね。今回は、1歳~1歳6カ月ごろ(離乳食完了期)のレシピ「ツナと豆腐のヘルシーナゲット」を紹介します。作り方は材料を混ぜてあげるだけ! はじめての揚げ物に、手づかみ食べの練習にぴったり&冷凍ストックしておくと便利な一品です♪ ツナと豆腐のヘルシーナゲット 作者:SERIAさん 材料(6人前~8人前)・ツナ缶 ……1缶・絹ごし豆腐 ……一丁・片栗粉 ……大さじ3・塩 ……ひとつまみ・卵 ……全卵1個・油 ……適量 作り方① 絹ごし豆腐をキッチンペーパーでくるみ、1分半レンジに入れて水気を切る② 材料を全て混ぜる(油以外)③ スプーンですくい、熱した油に落とす④ きつね色になるまであげる⑤ 油を切ったら完成※冷凍保存OK ベビーカレンダーは管理栄養士監修・離乳食レシピ数、日本最大級!月齢別の離乳食レシピを900以上掲載しています。レシピ内の「作った」件数を見れば、他のママがどんな離乳食をよく作っているのかわかりますよ♪ 赤ちゃんと一緒に、いろいろな離乳食にチャレンジしてみてください! ※赤ちゃんの食欲や発育・発達には個人差があります。月齢や進め方は目安です。赤ちゃんの様子を見ながら離乳食をすすめてください。また、食物アレルギーのない赤ちゃんを対象にしているレシピのため、アレルギーのリスクが疑われる場合や診断されている場合は、医師の指導にしたがってください。
2019年05月09日第一子が保育園に入園する直前に食物アレルギーがあることが判明しました。そのため、離乳食はメニューによっては除去など、特別な対応が必要でした。保育園に食物アレルギー持ちのわが子を預けたとき、どのようなことが必要だったのか、わが家の体験談を紹介します。 医師による指示書の提出が必要保育園に入園する子どもが食物アレルギーだった場合、保育園に対し、保護者が口頭や書面で食物アレルギーがあることを伝えればOK、というわけではありません。医師の診断のうえ、自治体指定の指示書に必要事項を医師に記入してもらい、保育園に提出する必要がありました。 かなり細かい項目まで記載が必要なため、病院によっては入手するまでに時間がかかったり、対応自体を受け付けていなかったりするところもあると聞きました。かかりつけであっても、事前に対応してもらえるかどうか確認したほうが確実です。 月1回、栄養士・担任の先生と会議私の子どもが入園した保育園の場合、毎月月末に保育園の栄養士と担任の先生とともに次月の献立と使用材料を見て、医師から指示のあった除去する食材をチェックしていきました。たとえば大豆を除去する場合、大豆そのものから味噌、醤油、きなこなど、原材料に含まれていそうな食品はすべてチェックしていきます。 すべての献立の食材一つひとつを細かく確認していくので、その分時間を割く必要があります。そんなときは、心苦しいですが働いている会社に事情を話し、ほかの社員の方に業務をカバーしてもらうことで、仕事を調整しました。 定期的に通院してチェックする必要がある私の子どもは、成長とともに除去の必要がない食材が増えていきました。指示書は半年に1回提出する必要があったため、半年ごとに受診していました。 健康状態やアレルギーの数値などを知ることができ、医師にいろいろと相談することもできるので通院自体はありがたかったのですが、わが家の主治医のアレルギー外来では診療時間は平日のお昼過ぎのみ。栄養士と担任との会議に加え、かなりの回数、食物アレルギー関連で仕事を早退していたので、通院しにくいことだけが気がかりでした。融通の利く診療時間かどうかも、通院する病院を決める際に確認しておくことをおすすめします。 保育園での給食の様子を見たとき、わが子だけが別の机、別のトレーで給食が用意されていて驚いたことを覚えています。しかし、アレルギーは命に関わること。親の私自身も意識改革をしなければいけないと強く思ったできごとです。著者:東慶子三児の母。育児のかたわら、アンガーマネジメントキッズインストラクターの資格を取得。自身の育児経験に生かすとともに、将来的には子ども向けの講座を開催したいと考えている。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年05月08日長女は卵と乳製品にアレルギーがあり、今は除去食の給食を食べることができていますが、1歳までは弁当を持参していました。他にもミルクやおやつなど、保育園で口にするものすべてを持参しなければならず、日々の着替えやおむつの準備に加え、働きながらの毎日の弁当作りはとても大変でした。 医師からの弁当持参の指示生後4カ月ごろ、顔と体の湿疹がひどかったことから受けたアレルギー検査で、卵と乳製品にアレルギーがあることがわかりました。その後保育園への入園が決まり、保育園での食事について医師に相談に行きました。すると、「卵のアレルギーがひどいので保育園には弁当を持って行ってください。その他、ミルクやお茶も含め口にするものはすべて持って行ってください」と言われました。 保育園に通い始めたのが生後5カ月で、それから2歳の誕生日直前まで、約1年半の弁当持参の日々が始まりました。 大変だった弁当作り大人の弁当は作ったことがありましたが、子どもの弁当は作ったことがありません。しかも離乳食期の弁当なんて、何をどうしたら良いのか手探り状態で始めました。 保育園での給食のように栄養バランスも考えなければという気持ちと、わが子だけ周りの友だちと違うごはんはかわいそうかなという思いから、その日の給食のメニューと似たものを作ろうと頑張ったこともありました。しかしそれはとても大変で、働きながらとなると私には無理だったので、それからは自分なりに栄養バランスを考えた弁当を作りました。 保育士からのうれしい言葉2歳になる直前、医師から保育園で作った給食を食べてもいいと許可が出たことで、約1年半の弁当作りは終了しました。 給食を食べるようになって半年ほどたったある日、ある保育士さんと話をしました。その保育士さんは長女が生後5カ月で入園したときからずっと担任をしてくれている方でした。 「お弁当作りお疲れ様でした。給食もおいしそうに食べていますが、お母さんのお弁当のほうがうれしそうに食べていましたよ。お母さんが作ってくれたんだと友だちに自慢していましたよ」と。その言葉を聞いて涙が溢れました。 毎日の弁当作りはとても大変でした。しかし1番の気がかりは、長女の気持ちや様子でした。 そのときの保育士さんからの言葉でわかった長女の様子をうれしく思ったのと同時に、弁当作りを頑張ってよかったという気持ちでいっぱいになりました。著者:松裏幸恵二男(二卵性の双子)一女の母。薬剤師として働きながら子育てをしている。自身の妊娠・出産・育児に関する体験談を中心に執筆中。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年04月28日毎日続く離乳食づくり。できるだけ簡単にパパっと作れるとうれしいですよね。今回は、1歳~1歳6カ月ごろ(離乳食完了期)のレシピ「じゃがいものやわらかクレープ」を紹介します。材料は3つだけ! 作り方も3工程の小麦粉不使用のクレープです! おやつに朝食にぜひ作ってみてください♪ じゃがいものやわらかクレープ 作者:yutomamaさん 材料(3回分)・じゃがいも ……120g・卵 ……1個・牛乳 ……10g 作り方① じゃがいもは皮をむき小さく切る② ①と残りの材料をミキサーにかけ、なめらかにする③ テフロン加工のフライパンに薄く伸ばし、弱火〜中火で中にしっかり火が通るまで両面を焼く ベビーカレンダーは管理栄養士監修・離乳食レシピ数、日本最大級!月齢別の離乳食レシピを900以上掲載しています。レシピ内の「作った」件数を見れば、他のママがどんな離乳食をよく作っているのかわかりますよ♪ 赤ちゃんと一緒に、いろいろな離乳食にチャレンジしてみてください! ※赤ちゃんの食欲や発育・発達には個人差があります。月齢や進め方は目安です。赤ちゃんの様子を見ながら離乳食をすすめてください。また、食物アレルギーのない赤ちゃんを対象にしているレシピのため、アレルギーのリスクが疑われる場合や診断されている場合は、医師の指導にしたがってください。
2019年04月26日5月5日は「こどもの日」。男の子の健やかな成長を願う「端午の節句」ですね。今日は9~11カ月ごろ(離乳食後期)の赤ちゃんに作ってあげたい「かぶとくんプレート」を紹介します。カラフルな離乳食が食卓を彩ってくれますよ♪ かぶとくんプレート 作者:蒋田千奈美(管理栄養士)さん 材料(1食分)・豚ひき肉(赤身)……20g・れんこん ……10g・じゃがいも ……30g・牛乳 ……適量・アスパラ ……穂先3~4cmを1/2本・海苔 ……適量・ミニトマト(飾り用/お好みで)……適量・ブロッコリー(飾り用/お好みで)……適量・ケチャップ ……適量 作り方① れんこんをすりおろし、ひき肉とよく混ぜる。三角形にして中に火が通るまでしっかり焼く(かぶとの土台)② じゃがいもはゆでるかレンジで蒸してつぶしてマッシュポテトにし、加熱した牛乳で少しやわらかくしたら、適量(かぶとの飾り分)を残し、残りで丸く顔の形にする③ ケチャップと残りのマッシュポテトで、写真のようにかぶとの上を飾り付ける④ アスパラは穂先をゆでて、縦半分に切り、全体に刃を入れて噛み切りやすくし、かぶとの飾りにする⑤ 海苔を切って、目を作る⑥ 湯むきして種を取り除いたミニトマトとゆでたブロッコリーを小さく切って、周りを飾る。トマトの一部をすりつぶしてほっぺたにして出来上がり ベビーカレンダーは管理栄養士監修・離乳食レシピ数、日本最大級!月齢別の離乳食レシピを900以上掲載しています。レシピ内の「作った」件数を見れば、他のママがどんな離乳食をよく作っているのかわかりますよ♪ 赤ちゃんと一緒に、いろいろな離乳食にチャレンジしてみてください! ※赤ちゃんの食欲や発育・発達には個人差があります。月齢や進め方は目安です。赤ちゃんの様子を見ながら離乳食をすすめてください。また、食物アレルギーのない赤ちゃんを対象にしているレシピのため、アレルギーのリスクが疑われる場合や診断されている場合は、医師の指導にしたがってください。
2019年04月17日3月29日、「授乳・離乳の支援ガイド」が12年ぶりに改訂され、厚生労働省がその内容を公表しました。そこで今回は、「授乳・離乳の支援ガイド」とは? 改訂のポイントなどについてご紹介します。 「授乳・離乳の支援ガイド」って何?「授乳・離乳の支援ガイド」は、妊婦さんや子どもに関わる医師・助産師・保健師・管理栄養士などの保健医療従事者が、基本的な事柄を共有し、一貫した支援を進めるために2007年に作成され、自治体や産院などの医療機関で活用されてきました。 そこから10年以上が経過し、科学的知見がたくさん集まり、子どもを産み育てる環境・働く状況が変化し、母子保健施策の充実など、授乳や離乳を取り巻く社会環境も変化しました。そこで厚生労働省は、支援ガイドの内容を検証し改訂するために、2018年11月に研究会を作り、検討を重ねてきました。そして、2019年3月、新たな「授乳・離乳の支援ガイド」の内容が公表されたのです。 改訂の主なポイントを解説!今回の改訂では以下の4つがポイントとなっています。 1)授乳・離乳を取り巻く最新の科学的知見等を踏まえた適切な支援の充実日本だけでなく、世界中でさまざまな分野に関する研究がおこなわれています。授乳や離乳に関する内容も同じです。前回、支援ガイドが公表されて以降、授乳や離乳に関する知見がたくさん集まり、科学的根拠に基づいた支援内容が充実しました。 たとえば今回の支援ガイドには、子どものアレルギー疾患予防に関して、母親の食事は特定の食品を極端に避けたり過剰に摂取する必要はないということや、母乳の利点などが明記されました。そして、先日販売が開始された「液体ミルク」も、コラムという形で特徴や使用上の注意点に触れています。 2)授乳開始から授乳リズムの確立時期の支援内容の充実2005年度の乳幼児栄養調査の結果を見ると、「赤ちゃんが生まれたら母乳で育てたい」と希望する妊婦さんの割合は9割を超えており、前回公表された支援ガイドでも、母乳育児支援に関することがメインとなっていました。 今回改訂された支援ガイドでは、前回の支援ガイド同様「授乳の支援に当たっては、母乳や育児用ミルクといった乳汁の種類にかかわらず、母子の健康の維持とともに、健やかな母子・親子関係の形成を促し、育児に自信をもたせることを基本とする」との記載があり、妊娠期から母乳・育児用ミルク・混合に分かれて、授乳が確立・継続・離乳へ移行できるようにするための支援のポイントが記載されています。また、母乳で育つ赤ちゃんは生後6カ月の時点で鉄欠乏やビタミンD欠乏を起こしやすいということから、離乳食の開始時期や進み具合によって、鉄分やビタミンDを含む食品を積極的に摂ることの重要性も追加されました。 3)食物アレルギー予防に関する支援の充実今回改訂された支援ガイドによると、食物アレルギーを持つ3歳児の割合は増加傾向にあり、アレルギーを持つ子どもは年齢が低いほど多いとしています。そのため、前回の支援ガイドでは、食物アレルギーに関して参考資料のみの提示でしたが、改訂された支援ガイドでは、食物アレルギーに関してきちんと項目が立てられ、具体的な内容が記載されています。 たとえば、アレルゲンとなりうる食品の適切な摂取時期に関しては、遅らせる必要はない(卵の摂取は生後5〜6カ月からOKになった)ことや食物アレルギーを持つ子どもに対しては医師の診断に基づいた支援が必要であり、自己判断はしないことなどが新たに追加されています。 4)妊娠期から授乳・離乳等に関する情報提供のあり方「授乳・離乳の支援ガイド」が初めて作成されたころから今も変わらず子育てにまつわる悩みごとはさまざまあり、なかでも授乳や離乳食に関することが多くを占めています。しかし、今ではネットでさまざまな情報が簡単に得られる時代となりました。便利になった反面、情報が氾濫し、何が正しいのかわからず余計に不安になってしまったり、間違った情報を鵜呑みにしてしまうということもあります。妊娠・出産・育児に関わる専門家が正しい情報をきちんと伝えることはもちろんですが、子育て中の方々に対する絶え間ない支援も欠かせません。 前回の支援ガイドでも授乳支援の推進に向けての支援体制について触れていましたが、あまり具体的ではない印象がありました。しかし、今回改訂された支援ガイドでは、授乳及び離乳に関わる支援体制について、時期・提供される情報・支援内容・母子保健事業・相談・支援機関などの概要が参考資料として入っており、一貫した支援提供が期待されます。 「授乳・離乳の支援ガイド」の改訂に伴い、これまでの授乳や離乳食の進め方などの指導内容に変化が生じ、戸惑ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。そんなときは、「授乳・離乳の支援ガイド」が改訂されたことを知っていると、「あれ!?」って思ったときに、専門家に確認することができますね。今回の改訂を期に、より一層子どもを産み、育てている方々に寄り添った支援が充実するといいなと思います。※参考:厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」
2019年04月16日5月5日は「こどもの日」。男の子の健やかな成長を願う「端午の節句」ですね。今日は9~11カ月ごろ(離乳食後期)の赤ちゃんに作ってあげたい「3色ご飯」を紹介します。カラフルな離乳食が食卓を彩ってくれますよ♪ 3色ご飯 作者:ふたごはんmegさん 材料(1人前)・にんじんペースト(柔らかく茹でて、すりつぶしたもの)……5g・ほうれん草ペースト(柔らかく茹でて、すりつぶしたもの)……5g・軟飯 ……100g・炒り卵(細かくしたもの)……5g 作り方① 軟飯を3等分し、にんじんペーストとほうれん草ペーストをそれぞれ混ぜる② 3色ご飯を重ねて盛り付け、炒り卵をかけてできあがり※写真はセルクル(円柱形の金型)を使用しました ベビーカレンダーは管理栄養士監修・離乳食レシピ数、日本最大級!月齢別の離乳食レシピを800以上掲載しています。レシピ内の「作った」件数を見れば、他のママがどんな離乳食をよく作っているのかわかりますよ♪ 赤ちゃんと一緒に、いろいろな離乳食にチャレンジしてみてください! ※赤ちゃんの食欲や発育・発達には個人差があります。月齢や進め方は目安です。赤ちゃんの様子を見ながら離乳食をすすめてください。また、食物アレルギーのない赤ちゃんを対象にしているレシピのため、アレルギーのリスクが疑われる場合や診断されている場合は、医師の指導にしたがってください。
2019年04月10日充実した学びは健全な心身から――。このたびStudyHackerこどもまなび☆ラボでは、子どもたちの学びを心とからだの健康面から応援する連載『まなびの保健だより』がスタート!ベテラン“保健室の先生”の宍戸洲美先生(帝京短期大学教授)が、子どもの心身の状態を月別に解説し、その時期に最適な家庭での取り組みや、子どもへの声かけの仕方などを提案してくださいます。どうぞお楽しみに!子どもが自分らしく元気に育ち、健やかに学べるように……みなさん、初めまして。帝京短期大学の宍戸洲美です。まずはじめに、簡単に私のプロフィールをお話ししたいと思います。私の今の仕事は、大学で養護教諭(保健室の先生)を育てること。この仕事を始める前は、養護教諭として東京都の公立小学校で27年間働いていました。そのもっと前は、病院で看護婦(現在は看護師)をしていました。どの仕事も、人にかかわる仕事です。しかも人の命や健康に深くかかわる仕事で、どの仕事もとてもやり甲斐を感じることができました。とにかく私は「人間大好き!特に子ども大好き!」で、子育てアドバイザー養成の仕事もしています。学校の保健室や養護教諭を知らない親御さんはあまりいないと思います。ですが、養護教諭がどんなことをしているのかをよく知っている人、ましてや保健室に行って養護教諭と話した経験のある親御さん方は、少ないのではないでしょうか。一方で、今の子どもたちの心とからだの問題は深刻です。いじめや虐待を受けた子ども、「自分なんかダメな人間だから生きていてもしょうがないんじゃないか」と悩んでいる子どもなど、心の問題を抱えている子どもが増えてきています。そのせいで不登校になってしまう子は少なくありません。また、アレルギーや喘息、肥満やヤセ、視力の低下などのからだの問題をもつ子どももいますし、「夜眠れない」「朝起きられない」など自律神経の不調を訴える子どもも。性の問題で悩む子もいますね。子どもたちはどの子も、健康でまっすぐ自分らしく生き生きと育ちたいと思っています。親も、子どもには元気にすくすく育ってほしいと願っています。にもかかわらず、ここまで深刻ではなくても、子どもたちの心やからだの健康についてどうしたらよいかわからないと思っている親御さんは多いのではないでしょうか?そんなお父さん・お母さん方に向けて、子どもたちがその子らしく元気に育ち、充実した学校生活を送れるよう、少しでもお役に立てるような情報をお届けしたいと思います。新学期を迎える子どもの心とからだお子さんたちの入学や進級、おめでとうございます。楽しみがいっぱいな一方で、「どんなお友だちがいるのかな?」「担任の先生はどんな人かな?」など、お子さんだけでなく親御さんも、少し緊張しているのではないでしょうか。そんな新学期はぜひ、「早寝・早起き・朝ご飯」を実践することから始めましょう。当たり前のことですが、学校では給食までは何も食べるものはありません。しかし実際は、朝ご飯を食べてこなくて、体育の授業の後におなかがすいて気持ちが悪くなり保健室に来るお子さんがいます。また睡眠に関しては、1・2年生でしたら10時間ぐらいとることが理想ですが、学校では睡眠不足で授業中に寝てしまうお子さんがいます。夜なかなか寝つけず早寝ができないと、早起きもできず、朝ごはんも食べられない。そんな状態で登校したら、勉強に集中できるはずがありませんよね。学校での学びを充実したものにするためには、とにかく「早寝・早起き・朝ご飯」が大切。もしも夜の寝つきが悪いお子さんでしたら、まずは早起きから始めるといいですよ。ぜひこの機会に、睡眠習慣を改めてみてください。それから、多くの親御さんにとって気がかりなトイレと給食について。特に新1年生の子を持つ親御さんは「うちの子は、ちゃんとトイレにいけるだろうか……」と心配なのではないですか?そういった不安を親子ともども解消するために、できればおうちにいる間のいつも同じ時間帯に排便する習慣をつけておくといいですね。学校では、ゆっくりトイレに行って排便する時間がとりにくいものです。入学後トイレに行くのを我慢して便秘になってしまったというお子さんもいるのですよ。もちろん授業中でも、行きたくなったら先生に言ってトイレに行っていいのですが。そして給食のこと。今まで食べたことがないものが出てくると、「食べられない」と言うお子さんがいます。この問題を解消するには、親御さんが給食の献立をみながら子どもが食べたことのない(あるいは苦手な)ものを作り、家族で「おいしい!」と言いながら食べてみるのが一番!アレルギー食品以外は、いろいろなものを食べる練習をしましょう。安心して新生活を送るためには、こうして生活習慣を安定させることがとても大事なのです。「聞く」より「聴く」!親の不安が子どもの不安になるではここからは、この時期の親御さんのお悩みに、“養護教諭の視点から”アドバイスをしたいと思います。親御さんからの質問【1】先日クラス替えがあり、担任の先生も変わりました。親としては「友だちも先生も変わって大変だ」と思ってしまいますが、実際のところ子どもは新しい環境をどれぐらい負担に感じているのでしょう?また、慣れない日々のなかで、子どもなりに新しい環境に適応しようと頑張ってくると思いますが、帰宅後、子どもにどのような声かけをしてあげれば、より子どもの翌日からの頑張りに変えてあげられるでしょうか?「子どもが新しい環境の中で戸惑わないか心配だ」というお気持ち、よくわかります。ですが、子どもは意外に適応力があります。初めはうまくいかなくても、友だちの様子を見たり先生から指導してもらったりして、日々成長していきますから、安心してください。親がいろいろ心配してあれこれ聞くことは、「質問に答えなくては」というプレッシャーを子どもに与え、大きな負担になってしまいます。大人が子どもに「聞く」のではなくて、まずは子どもの話を「聴いて」あげましょう。その中で「頑張ったね!」「大丈夫!」などの言葉かけが大切です。また、子どもにとっては友だちの存在がとても大きいので、低学年であれば一緒に登下校したり、下校後遊んだりできるお友だちを早めにつくるといいですね。声掛けは「できるでしょう!」より「できるかな?」親御さんからの質問【2】ピカピカの1年生になって、モチベーションが上がっている様子の我が子。「これは子どもの自立のチャンスだ」と思い、つい「もう○○なんて一人でできるでしょう?」「1年生なんだからしっかりね!」言ってしまうことが増えています。これって期待のしすぎでしょうか?正直言ってまだまだ甘えん坊なので、プレッシャーを与えていないか心配です。私も以前、小学校5年生の子をもつ親御さんから、こんな相談を受けたことがあります。“朝、私が時間割をそろえ、靴下まではかせています。「自分でやりなさい」というと「じゃあ学校へ行かない」と駄々をこねるので、ついついやってしまう。どうしたらいいのでしょうか?”子どもたちの自立は、発達段階に合わせて少しずつ進みます。子どもは生まれたときから、年齢に応じてクリアしていくべき発達課題をもっていて、年齢相応の課題をひとつずつクリアしながら自分ができることを増やしていくのです。そして、課題をクリアしていくのには適時性があり、最適な年齢でクリアできるとその力が付きやすいという特徴があります。小学校5年生の子の例のように親が手をかけすぎてしまったり、「自立させよう」と思うあまり子どもを放置してしまったりすると、子どもが身につけるべき力をつけさせるのに余計なエネルギーがいります。もちろんこれには個人差がありますから、一概に「何年生だから~~ができるべき」と言い切ることはできません。発達段階に合った課題を子どもがクリアしていくために大切なことは、「自分でできるかな?」など本人のやる気を引き出す声掛けや、できたときに「すごい、さすが!」などと褒める声掛けをしてあげること。時間割の準備をする、上履きを洗う、忘れ物をしない、など「他の子どもができているのに、自分の子どもはできていない!」なんてこともあるでしょう。親御さんは焦るかもしれませんが、できないことがあっても大丈夫です。少しずつ挑戦させながら、失敗しても「大丈夫、そのうちできるようになるから」と自分の失敗談なども話しながら励ましたりするといいですね。「みんなできているのになぜ、あなたはできないの!」は禁句ですよ。自分の想いを人に伝える練習を!親御さんからの質問【3】学校の先生から「自己主張をできるようにしておいてほしい」というお話がありました。特に「分からない」「できない」といったネガティブな自己主張をしっかりできることが大切だ、とのこと。でもうちの子どもは、こうしたことを自ら口に出せずじっと口をつぐんでしまいます。うまく言葉を引き出すコツを教えてください。低学年のお子さんには、「自分が困ったときには、相手にそれを伝えることが大切だよ」と教えてあげてください。実際、「困ったとき、何も言えずにただ泣いてしまう」「トイレを我慢してお漏らしをしてしまう」という1年生はいるものです。一方で、自分の主張ばかりして、相手を受け入れることが苦手なお子さんもいます。人間は社会的動物ですから、集団の中で他者と共にしか生きていけません。その中では、まず自分の考えや欲求をもち、それを他者に伝える必要があります。伝えたらすぐにそれが通るということではないので、時には思い通りいかなくて我慢することも必要。ですから、1年生になったらまずは自分の気持ちや要求を言葉で(文字や他の表現も可)相手に伝えることができるようになるといいですね。家庭では、「お母さん!」と子どもが言うだけで「ああ、お水ね」とお水を出してしまうなど、子どもの要求を簡単に叶えてあげてしまうようなこともあるでしょう。ところが、クラスという集団の中ではそうはいきません。何も言わないと、だれにもわかってもらえないこともあります。自分の想いや要求を言葉で伝えることは必要なのです。それから、「分からない」「できない」などの言葉は、しばしばネガティブな表現と取られます。お家で親から「どうしてわからないの!」「なぜできないの!」などという反応を返された経験があると、子どもはどうしても「分からない」「できない」と言えなくなってしまいます。どんなことでも否定から始めるのではなく、まずは肯定です。肯定されることで、子どもは自信をつけていくのですから。心身ともに健康に育つための「4大栄養素」入学や進級にあたり、親子でいろいろ不安になることもありますが、大丈夫です。できた、できないに一喜一憂するのではなくドーンと構えましょう。「しっかり食べる」「たっぷり眠る」「からだを動かして友だちと群れて遊ぶ」「安心して受け止めてくれる大人がいる」の4つが家庭で保障されている子どもは、少々のことがあっても十分乗り切ることができます。最近は、この4つが崩れていることが多いのですが、これぞ家庭の役割です。4つのことをしっかり満たしてあげれば、子どもは新たなことに挑戦したり、失敗してもまたチャレンジする意欲を持てたりします。これぞまさに、心身ともに健康に育つための「4大栄養素」と言ってもいいでしょう。
2019年04月08日前回 は、アレルギーが分かってから今までの振り返りを書かせていただきましたが、今回は現在のアレルギー対応について書かせていただこうと思います。できれば幼稚園に入園する3歳までに卵アレルギーも解除になれば…と淡い期待を抱いていたんですが、残念ながら叶わず、園には事前に先生と面談をし、給食は鶏卵の除去対応をお願いしています。それと同時にもしもの時に備え、食物アレルギーが出た時の対応法が記載された用紙と、処方されているアレルギー用の飲み薬を幼稚園に保管していただき、何かあったらすぐに連絡をもらえるようお願いしています。娘自身にも、お友達と給食やお弁当の交換をしないように伝えていたんですが、入園からしばらくすると自分の給食と他の子の給食が違う事に気づいたようでした。そもそもあまり給食が好きじゃないせいか特に気にした様子は見せず…。メニューがどうこうより、野菜が入ってるかどうかのが気になるみたいです(笑)皆と違う事が嫌になったりしないかなと心配していたんですが、娘のポジティブな発言にこちらが励まされました。そして入園からしばらく経ち、仲良くなったお友達のおうちに遊びに行かせてもらう事になりました。会話の流れでアレルギーの話はしていたんですが、娘だけが食べられないという事がないよう、とても気を使ってくれて泣きそうになりました。気遣ってもらうとつい反射的に謝ってしまうんですが、アレルギーは誰のせいでもないし、このとき以来、気遣いに最大限感謝しようと、まずは「ありがとう」と滅茶苦茶伝えるようにしています。それこそ拝むくらいに…アレルギーがある子にとって「皆と同じものを食べる」というのはとても特別でうれしいことだと思います。我慢させてしまう事も、もちろんこれから先あると思うんですが、なるべく娘が、自分のアレルギーを気に病まないような解決法を見つけていきたいと思っています。
2019年02月26日4歳になる娘は、卵アレルギーがあり、現在除去しています。食べた量としては、15g程度だったのですが、数日間食べさせて、アレルギー症状が出てなかったので油断してしまいました。幸い、かかりつけの先生にすぐ見てもらい、娘の症状を見てすぐ「アレルギーだね」と飲み薬を処方して頂きました。ひどい場合は点滴になるそうですが、処方されたものを飲んでしばらくするとすーっと症状が治りました。離乳食は平日の午前中にというのを守っていたおかげですぐに対処出来たので、本当に良かったと思います。アレルギー症状は一気に悪化する場合もあるので、あれ? と思ったらすぐに病院へ行くことが大事だなと実感しました。元々肌が弱かったのもあり何かしらアレルギーはあるだろう覚悟はしていたんですが、この事がきっかけで後日他の食べ物も含め採血によるアレルギー検査をしました。この検査の結果、小麦だけでなく、卵と牛乳もアレルギーがわかり1歳半の再検査まで卵、小麦、牛乳を完全除去することに。■娘がアレルギーになって困ったこと、初めて知ったこと離乳食期を過ぎ、取り分けができる月齢になっても、小麦が食べられないとかなり外食の選択肢が狭まるので、お弁当を持参するか、食事時を避けて出かけていました。小麦、牛乳が除去解除になった時、最初はやっぱりあげるのが怖かったんですが、今は問題なく食べられています(アレルギー検査をすると今でも牛乳はクラス2と出ますが症状は出ません)。検査が陽性でも症状が出ない場合もあるし、その逆もあるので、自己判断せず信頼できるお医者さんの指示に従うのが一番だと思います。そして最後に、現在も卵を完全除去している我が家の有難い味方な商品を紹介したいと思います。■卵アレルギーっ子のお母さんの味方! 「実は卵不使用」な商品娘は「卵は使用していないけど、同じ製造ラインで卵を扱っている」という商品はセーフなので、ありがたいことに選択肢が少し広がりました。ただ、仕様変更があって卵を使うようになっていた! なんて事がないように、買う都度に必ず成分表はチェックしています。長く付き合う可能性もある子どものアレルギーですが、無理せず使える市販品は活用する為、これからも情報収集していきたいと思います。
2019年02月19日花粉が気になる季節になりました。最近は幼稚園や小学校でマスクをしている子どもをよく見かけます。わが家は親子でアレルギー性鼻炎、しかも、1年中症状のある通年性アレルギーですが、花粉の季節はいつも以上にムズムズしてしまいます。くしゃみや鼻づまりでつらそうな息子を見て、少しでもラクにしてあげたい母心から、日々免疫力アップにつながる食生活を心がけています。フードスタイリストの筆者が試してみてよかった、体の中からサポートしてくれる食材やその食べ方をお伝えします。免疫力アップのキーワードは「発酵食品」花粉症などのアレルギー症状は私たちがもつ免疫機能が過剰に反応しているときに起こります。その免疫機能をつかさどるのは「腸」です。わが家では免疫力アップの為に、腸内環境を整える発酵食品を日々の食生活に取り入れています。毎日食べられるものを選びましょう発酵食品と言われて、真っ先に思い浮かぶのがチーズやヨーグルト。和の食材であるみそ、しょうゆ、納豆、漬物、そしてかつお節も発酵食品です。韓国のキムチにヨーロッパ発祥のピクルスも。数え上げるとキリがありませんが、たくさんの発酵食品の中から、まずはわが子が毎日食べ続けられると思う食材を選びましょう。わが家のスタンダードは、デザートに「朝ヨーグルト」わが家の朝の食卓には必ず「デザートとしてヨーグルト」が並びます。なぜ「デザートとして」の部分を強調するかと言うと、「デザート=食後」だから。乳酸菌は胃酸に弱いため、乳酸菌をたっぷり含むヨーグルトを朝起きたばかりの空腹時に食べても、腸まで届かないのです。なので、まずは朝食をしっかりとって、胃酸が薄くなった食後に食べるのがおすすめです。もうひとつのスタンダードは「夜納豆」納豆はさまざまな栄養素を含む、日本が誇るスーパー発酵フード。納豆菌は腸内でも発酵を進めて、善玉菌を増やしてくれます。血液サラサラ効果で知られるナットウキナーゼは熱に弱いのですが、納豆菌は熱にも強い!うす揚げに納豆とチーズを入れてトースターで焼いた「納豆きんちゃく」、アボカドやちりめんじゃこを加えたりとアレンジ豊富な「納豆パスタ」、ひじきやにんじんのすりおろしで栄養価アップの「納豆おやき」など、子どもが好きな納豆メニューにどんどん挑戦しましょう。おやつは気になるあの発酵食品!わが家では、花粉が気になる季節はいつも以上に野菜や穀物を中心とした和食を心がけています。本当はおやつもおにぎりに切り替えたいところですが、甘いものを一気にカットしてしまうのもかわいそう。そこで、登場するのが「チョコレート」。実はカカオ豆を発酵させた立派な発酵食品です。砂糖の含有率が低いけれど食べやすい、カカオ配合70%程度のものがおすすめ。おやつ時間も発酵食品で免疫力アップをはかりましょう。花粉症の症状は、特定の食品を短期間に食べて、すぐに改善するというわけではありません。親子で日々の食生活をちょっとだけ見直して、季節の変わり目がより楽しく過ごせるとよいですね。<文・写真:フリーランス記者稲井華子>
2019年02月15日「いつも元気で、あまり風邪を引かない」「集中力、やる気がある」「好奇心が旺盛」「落ち着きがある」これらは、まさに “心身ともに健康な子ども” の特長です。そんな子どもにするための大きなカギが「腸」にあるのをご存じですか?子どもの「腸内環境」が、体はもちろん、心にも大きな影響を与えるのです。その理由と、子どもの腸内環境を整える効果的な食事法についてご紹介しましょう。緊張するとお腹が痛くなるのはなぜ?人間の体の中でも、腸は「第二の脳」とも呼ばれ、その役割の大きさ・重要性が指摘されているのはご存じの方も多いでしょう。アトピーや花粉症などのアレルギー性疾患や、メタボリックシンドロームなどの発症に、腸内細菌が関係していることもわかってきています。また、最近では、腸内環境を整えることを「腸活」と呼んだりして、ちょっとしたブームにもなっていますよね。腸の役割は、食べたものを消化し、栄養分や水分を吸収して便をつくることですが、実はそれだけではないのです。腸内細菌学・微生物分類学が専門で、理化学研究所特別招聘研究員・農学博士の辨野義己先生は、腸は「脳」ともつながっていて、感情や頭の働きを変化させることが明らかになってきたと言います。例えば、「意欲」や「集中力」に関係する神経伝達物質のドーパミン。多く作られすぎると精神疾患の引き金になるといわれていますが、腸内細菌は、このドーパミンの産生を抑制する働きを持ち、血流を介してドーパミンの量のバランスをとっているのだそう。また、「感情や気分のコントロール」や「精神の安定」に深く関わっているセロトニンにも腸内細菌が関わっています。これが不足すると、脳の機能の低下が見られたり、心のバランスを保つことが難しくなったりするのだそう。子どもにとっても大人にとっても、重要な神経伝達物質と言えるでしょう。まさか腸内細菌が、意欲や集中力などに関係する神経伝達物質の量を調整したり、精神安定の一助になっているなんて、ちょっと驚きですよね。でも皆さん、仕事やプライベートで極度のストレスを感じたときに、なぜかお腹が痛くなった経験はありませんか?この “脳と腸がお互いに情報を伝えあっている状態” は「脳腸相関」と呼ばれ、いま多くの研究が進められています。どうやら、心身ともに健康な状態を保つためには、腸内環境を整えることが重要なようです。小学生の3人に1人が便秘&便秘予備軍となると、自分の子どもの腸内環境はどうなっているのだろう、と疑問が湧いてきますよね。ここで興味深いデータをご紹介しましょう。NPO法人日本トイレ研究所の調査(2017年)によれば、小学生の3人に1人は便秘状態・便秘予備軍であることが判明しました。さらに、便秘の小学生のうち約半数が便秘を誰にも相談をしたことがないという結果も。毎日もしくは2日に一度でもスッキリ快便な場合はひとまず安心ですが、便秘の場合は心配です。便秘=「腸が健康ではない」ことの証だからです。便秘の子どもが増えている背景には、「野菜嫌いで肉食の子が増えたこと」と辨野先生は指摘します。肉類中心の食生活は、腸内の悪玉菌を増やしてしまうのです。周知の通り、悪玉菌は有害物質を作って体に悪影響を及ぼす菌。腸には200兆個(計1~1.5㎏)の細菌が生息していますが、理想の割合は、善玉:悪玉:日和見(未知の菌)=2:1:7と言われています。悪玉菌が増えると、便秘になり、便秘になるとますます悪玉菌が増えるという悪循環にも陥ってしまいます。さらに辨野先生は子どもの便秘の要因として、「夜型生活で朝に排便の時間をとりにくい」「運動量が減っている」ことも挙げています。子どもが便の話をすると「汚いからやめなさい」と言ってしまいがちですが、便はもともと体の中にあったもの。腸内環境を推測する大切なツールとして積極的に便の話をできる関係を保つことが、子どもはもちろん、家族の腸内環境を把握するのに役立つでしょう。便秘の子どものいい食べ物、食事とは?子どもが便秘の場合、食事にどう気をつけたらよいでしょうか。30年間で4万人の大腸内視鏡検査を実施した腸のエキスパートである、松生クリニック院長の松生恒夫先生によれば、以下の食べ物が効果的とのこと。■食物繊維が白米の25倍含まれるというもち麦■納豆や味噌などの発酵食品■オリゴ糖が多いキウイなどの果物■海藻やきのこ類■オリーブ油そのほかの改善法としては、「朝起きたら、お水かお茶を一杯飲む」「夕食から寝るまでの時間をなるべく空ける」「毎日湯船につかる」なども挙げています。「うちの子、便秘かも?」と思ったら、ぜひ実践してみましょう!子どもの腸はまだまだ未熟!子どもの腸内環境を整えるうえで、もうひとつ頭に入れておいてほしいことがあります。それは「食事」です。アレルギーや免疫学などを医療に導入し、自身のクリニックで多くの子どもの治療を行ってきた医学博士の西原克也先生は、著書の中で次のように書いています。呼吸や腸、免疫などのシステムが大人の人間と同じように働き出すには6歳くらいまで時間がかかります。さらに、小学生のうちはまだ人間として“駆け出し”の段階であり、腸や免疫の働きが成熟してくる12歳くらいまでは食事や生活習慣などに引き続き注意を払っていかなくてはなりません。(引用元:西原克也(2018),『子どもの腸には毒になる食べ物食べ方』、青春出版社)小学生ともなれば大人と同じような食事をすることが多いと思いますが、子どもの腸はまだまだ未熟だというのです。西原先生は、子どもの腸に良い食べ物、悪い食べ物として以下を挙げています。<子どもの腸に良い食べ物>煮魚、焼き魚、野菜の煮物、温野菜スープ、温めた豆腐、玉ねぎ(加熱したもの)、ゴボウなどの根菜類、トマト、梅干し、ニンニク(加熱したもの)、乾燥シイタケ、シメジ、きくらげなどのキノコ類、40度以上に温めた飲み物<子どもの腸に悪い食べ物>玄米などの雑穀類、カレー・明太子・キムチ・ショウガなどの辛い刺激物、うどん・パン・パスタなどの小麦製品、刺身などの生魚、ユッケなどの生肉、インスタント食品、ファーストフード、アイス・かき氷などの冷たい食べ物、冷たい飲み物特に、日頃から冷たい飲み物を飲む習慣がついてしまっている場合は、気をつけてください。腸の内部の温度が、0.5~1度下がると、消化力や免疫力がガタ落ちの状態になって、悪玉菌も増えてしまうのだとか。ただ、うどん・パン・パスタなどの小麦製品などは学校の給食でも出てくるものですし、アイスやかき氷は子どもの大好物です。外出時やお祝いの席ではお寿司やお刺身を食べることもあるでしょう。これらすべてをいきなりNGにするのは難しいと思います。日々の食生活ではなるべく腸に良い食べ物を増やし、腸に悪い食べ物は食べすぎないように心がけていきましょう。***西原先生のクリニックでは、アトピーや食物アレルギー、潰瘍性大腸炎、発達障害やうつ病、自閉症などの子どもたちに、こうした腸に良い食事法とその他適切なアドバイスをしています。アドバイスを受けた子どもの中には、顔つきがキュッと引き締まり、目が輝くようになり、言葉も性格も快活になって、学校の成績が急に伸びるようになった子もいるそうです。大人もそうですが、子どもにとっても腸内環境を整えておくのはとても大切なこと。子どものうちから健康な腸にして、明るい毎日を送りましょう。文/鈴木里映(参考)AERA with Kids 2018冬号,朝日新聞出版西原克也(2018),『子どもの腸には毒になる食べ物食べ方』、青春出版社日本トイレ研究所|「小学生の排便と生活習慣に関する調査」ハッピー・ノート・ドットコム|子どもの腸活~腸内環境を整える食事~森永|ヨーグルトなんでもQ&A 第10回子どもの腸内育菌には家族のコミュニケーションが大切って本当?「カルピス」由来健康情報室|〝脳腸相関〟とは
2019年02月12日チョコレートやジュースを与える時期ひとつをとっても、家庭よって考え方はさまざま。「家庭の数だけ子育てがある」という言葉を痛感したときの、グラハム子さんの書き下ろしコミックエッセイです。こんにちは! 4歳、3歳兄妹の母、グラハム子です。子育てをしていると、よく『子育てに正解はない』『家庭の数だけ子育てがある』なんて言葉を聞きますよね。私は子どもたちが今よりもう少し小さいころに、それを痛感する出来事がありました。それは、初めて遊ぶお友だちの家にお邪魔したときのことです。 お友だちがまだ食べさせていない食べものを持って行ってしまいました。この『食材を与える時期』は、各家庭によってかなり差があると思います。ちなみにうちは、上の子は2歳過ぎまでチョコが入ったものはあげませんでしたが、下の子は上の子が食べているのを見ると欲しがるので、2歳前からあげていました。そしてこれはチョコだけではなく、ジュースだとか、炭酸飲料だとか、いろいろなものに当てはまります。別に誰が悪いわけでもないけれど、食べられないものを持って行ってしまったときの、あのなんとも言えない申し訳なさ。なるべくなら味わいたくありません。それに子どもたちだって全員で仲良く一緒のものを食べたいはず。なのでそれ以来、初めて遊ぶお友だちのときは、なるべく事前に、軽い感じで確認をするようにしています。またアレルギーについても普段の会話から気にしたり、こちらもできるだけ事前に「もしアレルギーなどで食べれないものがあったら教えてね」と連絡すると、みなさん教えてくれます。 もし事前に確認ができなかった場合は、『全員が食べられそうなもの』を考えて持って行くようにしています。各家庭で違って当然の子育て。家庭の数だけ子育てがある。それぞれを尊重し、気持ちのいいお付き合いができたら良いと思います!
2018年12月28日息子は、軽い喘息持ちです。常に治療が必要なわけではなく、ときに冷気や風邪などを引き金にして発作がでる程度です。5歳くらいになると、呼吸器官の機能を計測して喘息なのかの判定が可能になるようですが、まだできない年齢の息子は「喘息の傾向あり」ということになっています。じつは私の妹も子どものころは喘息持ちでした。いまは普段の生活を送っている分には発作がでることはないのですが、アルコールを摂取すると発作がでるそうなのでお酒は一滴も飲みません。妹が小学校低学年のころが一番ひどく、夜に発作がでて、母と妹で夜間診療に駆け込んでいたのを、いつも父と家で心配しながら待っていた記憶があります。発作を起こした妹は、病院で吸入をしてもらうと落ち着くようでした。■妹が教えてくれた喘息の重宝アイテムそして妹の息子も喘息持ち。一緒に子連れで祖母の家に遊びに行ったときも、発作がでて慣れない土地で夜間診療に行ったりと大変そうでした。その後に生まれたわが息子も「喘息の傾向あり」と診断され、発作のたびに吸入に通う日々が始まりました。私も気管が弱いし、私の父も喘息傾向ありだったから、もしかしたら遺伝的なものもあるのかも…と思ったりもしています。「吸入大変だよね」ある日妹に漏らしたところ…私の勝手な思い込みで、吸入器は業務用の医療機器のイメージがあったので驚きました。その場で検索してみると、案外リーズナブルな価格で吸入器のネット通販がたくさん出てきて…。■「息が止まってしまったら…」眠れぬ夜を過ごす日々に変化が!うちの息子は発作はそんなに頻繁にはでないものの、風邪をひいているときなんかはずっと息苦しそうにしています。また、咳がひどく、しょっちゅうのように嘔吐してしまい、夜間は本当に心配。そうなってしまうと、ずっと様子を見守り、眠れぬ夜を過ごすことがよくありました。夜間診療に吸入してもらいにいくにも、寝ている長女を起こし、真夜中にたった1人でぐずる子ども2人を病院へ連れていくのは至難の業でした。というわけで、わが家も昨年、小児科に相談して吸入器を購入しました!しょっちゅう風邪をひいている冬場はすごくすごーく重宝しています。また、小児科の先生からは「眠っている間の吸入もOK」と言っていただいたので、お布団の中で半分まどろみながらサクッと吸入できるのは思いのほか便利です。薬剤は定期的にかかりつけ医に処方していただき、親子ともに体力的にも精神的にもとても楽になりました。喘息の子どもを持つ身としては、息苦しそうに呼吸する姿を見ていると、こっちも苦しくなりますよね。いつか息がとまってしまうんじゃないかって不安でいっぱいになるものです。子どもの喘息で悩んでいらっしゃる方には、こんな方法もあるよって知っていただきたくて、今回記事にいたしました。治療の一つの選択肢として覚えておいてもらえると嬉しいです。■アレルギー体質の息子に母ができることは?またうちの息子、アレルギー持ちでもあります。7ヶ月になった頃にパンを与えると途端に体中に発疹が!そのときにアレルギー検査をしてもらったのですが、パン以外にも卵とハウスダスト、ダニにもアレルギー反応が!そうかそうか、うちの部屋が汚いのも息子の喘息の原因になっていたのかも…反省。というわけで、できる限りアレルギー物質が少ない部屋にしたいと私が心がけていることをご紹介いたします。掃除の仕方は、まだ試行錯誤が必要かもしれません。でもズボラな私は毎日掃除できていなかったので、いまは少しでも子どもにとって良い環境を作っていきたいと思っています。小児喘息は、思春期ごろになると体力もついて治ることも多いと聞きますが、それまでの期間も不安ですし、そもそも治るかどうかも定かでない…。少しでも症状が楽になるように、できることはしながら、気長に付き合っていこうと思います。※この体験記に記載された症状や治療法は、あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。喘息の吸入器使用についてはかかりつけの医師にご相談ください。
2018年12月28日ウーマンエキサイトで人気連載中のぽんぽんさんの記事 「お義母さん、赤ちゃんにソレNGです! 育児書を読んでください…」 は、お義母さんが子どもに蜂蜜を与えそうになってしまうというヒヤッとするエピソードでした。そこで読者のみなさんにも、育児中に祖父母の行動でヒヤッとしたことがあるかアンケートを実施。すると、たくさんの回答とエピソードが寄せられました。■8割以上の人が祖父母の行動に「ヒヤヒヤ」!「よくある」と回答した人が48%、「たまにある」と回答したことが35%でした。ふたつを合計すると83%となり、8割以上の人が祖父母の行動に「ヒヤッと」した経験があることに。Q1. 赤ちゃんや子どもに対する祖父母の行動でヒヤッとしたことはありますか?よくある 48%たまにある 35%ほとんどない 12%全くない 5%その他 1%では、実際にどんなできごとに「ヒヤッと」したのでしょうか? 多く寄せられた出来事としては、今と昔の子育ての常識の違いがあげられました。■蜂蜜がNGを知らない祖父母世代ぽんぽんさんのコミックエッセイでは「1歳未満の子どもに蜂蜜を与えそうになってしまう」という、危機一髪のエピソードでした。でも「1歳未満の子に蜂蜜はNG」ということ、いまの子育て世代は多くの人が常識として認知しているのではないかと思います。でも、祖父母世代は、どうやら違うようで…。やはり蜂蜜でした。お湯に溶かして飲ませようとして、「保健婦さんにダメと言われてる」と言っても聞く耳なし! 最終的に「母子手帳に書いてあるから」と言ったらあきらめた。このことでしょっちゅうケンカになり本当に疲れてしまいました。母親だし、子育ての先輩だと思っていたのに…。うちの実母は、1歳未満の息子に蜂蜜入りのマドレーヌを食べさせようとしました。1歳すぎないうちは、蜂蜜NGというのを知らず、なめさせようとしていた。とくに蜂蜜は何度言ってもわかってもらえず、つらかったですねここにあげた以外にも、「高級な蜂蜜なら大丈夫とすすめてくる」という投稿もあり、なぜか祖父母世代が蜂蜜に絶大な信頼を寄せていることがわかります。大人にとっては栄養に優れている食品なのだとは思いますが…。じつは、日本で乳幼児に蜂蜜を与えないように通達がされたのは、1987年なのだそう。当時はインターネットで情報が瞬く間に広がるということもなかったことから、通達を知らずに育児していた人もたくさんいると考えられます。このため祖父母世代が危険性を知らないこと自体は仕方がないとも言えますが…時代と共に育児も変わっていくことを、素直に受け入れてほしい…と願わずにはいられません。■「甘いもの」をあげないのはかわいそう!?じつはアンケートに寄せられたエピソードの大半が、食べ物にまつわるものでした。「おっぱいとミルクしか飲んだことのない赤ちゃんに果汁をすすめてくる」「おつまみ用の豆類を食べさせようとした」などなど、バリエーションゆたか。チョコレートを食べさせようとしたので、拒否すると「気にしすぎ、かわいそう」などと小言を言われたりしました。高齢だから理解されないのかもしれないし、その都度言うのは気が重いけど、ちゃんと説明して拒否してます。まだ加熱した牛乳もあたえていない息子に、ソフトクリームを食べさせようとしていました。ていねいに断りましたが、しばらく不服そうでした…チョコレートやジュース、とにかく甘いものをあげようとしてるところです。祖父母に会うのは、たまのことなので、ジュースについては諦めました…。たしかに、甘いものが好きな子どもは多いと思います。そして、祖父母たちが純粋に孫の喜ぶ顔を見たくて与えてしまうんだということもわかります。だけど、いつから子どもに甘いものを食べさせるのかは、保護者によって大きく考え方が異なるもの。ましてや、アレルギーがある場合や発達に合っていないものを食べてしまった場合、「ヒヤッと」ではすまない可能性も…。アレルギーが発覚し、完全除去食を主治医に指導されたのを伝えても何週間後には「そろそろ食べさせて大丈夫じゃない?」とアレルゲン食物を含んだものを息子に持ってきます。その度伝え直しますが、急用で義実家に預けることになったときなどが怖いです。アレルギーについては、たしかに以前は今ほど重要視されていなかった気がします。だからなのか誤った知識を持っている人も多く、「ちょっとだけなら大丈夫」「もう日数経ったから大丈夫」など軽くとらえられがち。アレルギーは甘くみると、最悪命にも関わる重大なことになりかねません。せめて、与えても良いかを事前に確認してもらえればいいのですが…。なかには「怖くて義実家にはもう行けない」と悩む人もいました。■「虫歯菌」はうつります!蜂蜜同様、現在の子育て世代にくらべて、祖父母世代は虫歯への意識も違っています。現在では虫歯菌の存在、その感染について広く知られるようになり、親と同じスプーンを使わない、口へのキスもしないなど、日々気をつけているパパママ。しかし祖父母は、ふとした瞬間に、自分の食べかけを子どもに与えていたり、同じスプーンで食べさせたりしてしまいます。同じ箸で食べ物を食べさせようとする。温かいスープなどはフーフー(口近めで)をやったあと、口をつけて確かめて食べさせようとしていた。歯槽膿漏や、虫歯の菌がついていたら大変なので急いでやめさせた。自分の使った箸やスプーンでご飯をあげようとしたり、赤ちゃんの手のひらにチュッチュしたり。親のわたしでもやったことないのに!義母が口の中でかみ砕いたものをまだ一歳だった息子に食べさせようとしたことがあります。大人の口内の虫歯菌がうつるし、衛生的にもNGだし、何より気持ち悪い…。『大人の菌がうつるからダメなんですよー』ってやんわり言って拒否しましたが、やはり『昔はみんなこうしてあげたもんだ』と言われました。私が仕事でいない間に、やられていたかもしれません(TОT)虫歯予防のために、親ががんばっているところを、一瞬のすきでされてしまうと、ついつい心の中で「ひぃっ!?」と叫びたくなりますよね。■子ども仕様になっていない家への帰省が憂鬱また、たまにしか訪れない実家や義実家では、部屋が「子ども仕様」になっておらず、危険なものにすぐ手が届く…という場合も。普段から子どものいる生活をしていないので、なにが危ないのかわかっていない」というエピソードもありました。義父が普段飲んでいる薬をぽろっと床に落としてしまい、義父はなんとも思わず「あとで拾えばいいや」くらいに思っていたらしい。子どもが寝ている時間帯のことだったので、義母と必死に探しました。義父はことの重大さがわかっておらず「なにが大変なの?」と聞いてきた。バスタブに水が入っているのに、風呂のドアを開けたままにしているのを見つけてびっくり! 子どもの手が届くところにカッター、ハサミ、包丁を置きっぱなし…。夫が小さいころに遊んでいたおもちゃがあり、遊べるよう用意してくれたのはありがたいが、息子の年齢よりも対象年齢がずっと上のもので、口にすっぽり入ってしまい飲み込みそうになったこと。また蜂蜜同様、比較的最近(2000年)になって義務化となったチャイルドシートについても、意見が聞かれました。子どもはチャイルドシートに乗せるということを知っているはずなのに、自分の運転に自信がある父。後部座席にチャイルドシートがあるにも関わらず、何度も子どもを助手席に乗せてでかけようとするので監視が大変です。毎回ケンカにもなるので、帰省が楽しみ半分憂鬱(ゆううつ)半分です。■子育ての常識の今、昔子どもを育てた経験のある祖父母は、子育て世代にとって、いわば先輩。だからこそ「なるほど」「そういう風にすればいいんだ」など、発見もありますし、助かるアドバイスも多くあります。しかし、赤ちゃんについての研究が進んだり、そもそも生活習慣が変化したり…。さまざまな要因で、育児の常識は変わってきていることも事実。今回、エピソードであげませんでしたが、「抱き癖」についても昔と今では考え方が異なっています。そう考えると、いまの子どもたちが親になる頃には、また子育ての常識が変わってくるかもしれません。そのときに、自分も違った常識を受け入れられるようにと心しておくのも必要ですね。実の親でも義理の親でも、何度も繰り返し、意見を言ったり注意したりすることに気が引けることでしょう。祖父母世代の認識をすぐに変えるのは難しいかもしれません。だからといって子どもの安全のためには、親としては譲れない部分もあります。しかしそこであきらめて会わないで過ごしてしまったら、子どもへのせっかくの愛情の手が少なくなってしまうかも。まずはパパママと祖父母がコミュニケーションが取れないと、正確な子育て情報も共有できないんじゃないかなと思います。パパママから写真を送ったりしながら、子どもの様子を積極的に伝えていくことから始めてもいいのかもしれません。また「祖父母手帳」を発行している自治体などもありますので、そういった情報を活用したり、育児書を見せたりしながら、子育てについて“一緒に”学べるといですね。Q1. 子どもの思いがけない行動でヒヤッとしたことはありますか? 回答数:1629Q2. 子どもの思いがけない行動でヒヤッとしたエピソードがあれば教えてください。回答数:739アンケート集計期間:2018/9/28~10/5<参考サイト>・NPO法人 孫育て: ニッポン全国の祖父母手帳
2018年12月02日専門家・プロ:野﨑誠秋も深くなってきた今日この頃、こんな時期によく目にする子どもの疾患があります。それはシラミ。有名ではありますが、実際に目にすることが少ない疾患の1つでもあり、いろいろと誤解されることの多い疾患でもあります。今回はそんなシラミのお話をしていきましょう。みなさんはシラミと言われたときに、どんな想像をするでしょうか?わたしは医者になるまでは、まず歴史の教科書を思い浮かべました。太平洋戦争のあと、大人が子どもに白い粉を吹きかけている、あの写真といえばわかるでしょうか。そこで行なわれているのはシラミの治療です。DDTと呼ばれる薬剤を子どもたちの頭に噴霧してシラミの感染を防ごうと努力していたんですね。でも、この写真のイメージが強すぎるのか、シラミは栄養状態が悪く、貧困な子たちに発生する疾患というイメージが根強いように思います。実はこのシラミ、現在、いつでも、どこでも、誰にでも発生しうる疾患となっているのです。外来で診察をしている印象では学童の0.1%以上、1%未満、全校で数名といったレベルで発生しているようです。欧米ではもっと高く5-10%と言われます。つまりクラスに必ず1名はかかったことがあるという計算になります。さらにその感染については、栄養状態や社会環境は全く関係しないということがわかってきました。大事なことなのでもう一度いいますが、「シラミは誰にでも発生しうる病気」なのです。まず敵を知ることが治療の第一歩シラミはいくつかの種類に分けられます。主に頭皮に定着してヒトの血を吸って生活しているのがアタマジラミです。大きさは、米粒よりも小さいくらい。形は手だけが肥大したノミのような形であり、主に髪の毛の中で生活しています。肥大した手をターザンのように上手に使い、髪から髪へ渡り歩いているので、目にすることはほぼありません。しかし、一度髪の毛から引き剥がされてしまうと、ゆっくりと地面を歩くことしかできない虫です。髪の毛の中という環境に特化した虫なんですね。そして卵は髪の毛の根本部分に産み付けられ、約2週間で孵化することになります。孵化したシラミはそのまま頭部にとどまり吸血を続けるか、ほかのヒトの髪の毛がくっついたその瞬間に新天地に飛び移り、生活を続けていくのです。つまり感染は頭髪の直接接触で起こります。そのため、家族内感染が多く、非常に高い確率で兄弟姉妹に感染しています。また、それなりの確率で母親にも感染しますが、父親への感染はほとんどありません。がんばれ、パパさん・・・。なぜかゆみがでるのかではシラミにかかるとなぜ、かゆみが起きるのでしょうか?先ほども述べたようにシラミはヒトの血を吸って生活していきます。そのときに血液がかたまらないように唾液成分を注入して血を吸うのですが、その唾液成分に対するアレルギー反応としてかゆみが出てきます。蚊に刺されるのと同じようなものですね。なお、蚊とは唾液腺の成分が異なりますので、たくさん蚊に刺されたことがあってもシラミに対するアレルギーが早く出現するわけではありませんよ。このアレルギー反応は、出現するまでに、一般的に数週間かかります。つまり感染して数週間が経過してはじめてシラミに対する症状が出てくるんですね。この潜伏期間の長さがシラミの感染予防を厄介にしている点であり、だからこそシラミは今まで絶滅せずに生き延びてこられたともいえます。多くのシラミはかゆみが出ないうちにほかのヒトに移ってしまいますから。このことは、この季節にシラミの患者が多くなる理由でもあります。活発に運動する夏の時期に感染した、あるいは運動会などの秋のイベント時に感染したシラミは、数週間後、ちょうどこの時期にかゆみを発生してヒトに気づかれるというわけです。人間はシラミに負けている?最初に写真のお話をしました。今から70年も昔の話です。だったら、今はさらに治療が進化しているかと言われるのですが、実は退化していたりして……。過去にシラミに対して使用されていた薬剤はDDTと呼ばれていました。その効果は非常に強く、シラミだけでなくほかの病原微生物に対しても非常に強い効果が見られました。そういえば、プロレス技にも同名のものがありますが、これは“非常に強力な技だから、その殺虫剤にちなんで”命名されたという話もありました。しかし、時代が過ぎると、DDTの生態系に対する悪影響が問題視されます。結果としてDDTは使用中止となり、現在はその前に使用されていたフェノトリンというピレスロイド系の殺虫剤が頻用されています。さらに人間にとって、分の悪い話が続いていきます。近年フェノトリンに耐性をもつシラミの増加が見られるようになりました。耐性を持っているシラミが半分弱という国もあるようです。日本でも沖縄に多いとか。人間、シラミに負けてるじゃんと思っても口にしてはいけませんよ。わたしもそのように思っていますが。あと1つ注意すべき点があります。それは薬剤は卵に対して効果がないということです。シラミの卵はシラミつぶしに見つけるしかない薬剤は卵に対して効果がありません。したがって、シラミに対する治療は薬剤を使用して成虫をたたくと同時に卵に対しても薬剤以外のアプローチで対応していく必要があります。それは卵を物理的に除去することです。先に述べたようにシラミの卵は髪の毛の根本に植え付けられます。そこで、一度何らかの方法で髪の毛の中のシラミの卵をゼロにしてしまえば、〈卵が新しく出ている=シラミの成虫が残っている〉ということがわかるのです。まず髪の毛を一房一房かきわけて、シラミの卵がいないか、逐一チェックしていきます。シラミつぶしという言葉がありますが、まさにその語源となった作業を行ない、シラミの卵を見つけていきます。そしてその卵の付着した髪の毛を根本から切り取って、トイレにでも捨ててしまいましょう。くしを使えばという話もありますが、シラミの卵はしっかりと髪の毛にくっついているために、少ししごいたくらいでは取り除くことができません。卵をこそげ落とすよりも、髪の毛を切ってしまったほうが早く治療が行なえるでしょう。え、髪の毛を全部切ってしまえばいいじゃない?まさにそのとおりです。男の子ならば丸坊主にしてしまえば、その瞬間にシラミは頭から全くいなくなります。実は一番早く確実な治療法は丸刈りだったりしますし、一番の予防法でもあるのです。だから、昔の男の子はみんな丸刈りだったんですね。アタマジラミの成虫と卵(右)。卵はのりのようなもので髪の毛にしっかりとくっついている〈コラム〉ヘアーキャスト?実はわたし、小学校のときに学校検診でシラミと診断されてしまったことがありました。そこで「皮膚科に行け」と言われまして、仕方がないので家に帰って父に見てもらいました。なにせ、その時代その町にはウチしか皮膚科がありませんでしたからね!父に髪の毛を見てもらい診断の時間です。「ヘアーキャストだね、これ」と。シラミではなかったことにホッとしつつ、ヘアーキャストについて話を聞くことにしました。ヘアーキャストとは特殊な形をしたフケの一種です。一般にフケの形は不定形で、固形の小さな塊となっています。しかしヘアーキャストは髪の毛に巻き付いた形のフケなんですね。ちくわ、バウムクーヘン、マカロニなどを想像してもらうと良いかもしれません。シラミの卵とヘアーキャストの違いはまずその形です。卵は髪の毛のある部分に楕円形に付着します。木の枝についたサナギのイメージでしょうか。対してヘアーキャストは円筒状。またシラミの卵はのりでしっかりと髪の毛に付着しているので指で取ることは大変です。一方、ヘアーキャストは髪の毛を包むようにあるだけですので、簡単に動かすことができます。よく見ると異なりますが、遠目ではけっこう区別が難しいようですね。そういえば検診の先生はかなり高齢だったような……。髪の毛についている白い筒状のものがヘアーキャスト。シラミの卵と形が似ている今回はシラミの話をしてみました。けっこう怖い印象がありますが、くわしい話を知ってしまうとそんなに怖いものではないということが理解いただけたかと思います。シラミの虫もよく見てみるとド○キーコ○グのようなユーモラスな形もしていますしね。次回は病気の話を離れて薬の話をしましょうかねえ。野﨑誠(のざきまこと)わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市・皮膚科、小児皮膚科)院長。国立成育医療センター(小児皮膚科)、東京都立東大和療育センター(皮膚科)勤務。2001年山形大学医学部卒業山形大学医学部皮膚科入局山形県公立置賜病院(山形県長井市)、国立成育医療センター(東京都世田谷区)、はせがわ小児科医院(東京都武蔵野市)などの皮膚科・小児皮膚科を経て、2013年、わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市)開院。院長を務めるかたわら、専門家向け、一般向け、教育機関(保育園、幼稚園、小学校、中学校など)向けの各種講演会、勉強会を精力的にこなす。雑誌他執筆多数。広い年齢層の皮膚病、あざの治療やスキンケアに携わる。わかばひふ科クリニックWebサイト
2018年11月15日専門家・プロ:野﨑誠あせもってなんだ?今回の「あせも」の話もハワイから始めていきましょう。ハワイに行くといろいろなものが日本と異なるので、非常に興味深くついつい眺めてしまいます。どうしても皮膚の状態に目が行ってしまうのはまあ、職業病なのでしょう。そこで気がついたこと。ハワイではあせもができません。おや不思議です。なぜなんでしょう。汗疹と“あせも”汗疹。「あせも」と呼びます。この病気は当然ながら世界共通のもの。英語でも簡単な名前がついています。Heat rashです。Heatは熱。Rashは赤みで湿疹全般のこと。つまり、熱による発疹。言い得て妙です。この汗疹、専門的な本を読むと2つに分けられています。紅色汗疹と、水晶様汗疹です。紅色汗疹は読んで字の如く、赤いポツポツとした発疹が体の特に汗をかく部分にできること。水晶様汗疹はクリスタルのように透明でキラキラした発疹が、同様に体の汗をかいた部分にできることをいいます。全然違う見た目をしている2つの発疹ですが、原因は同一です。汗の排出口がふさがってしまうために汗の成分が皮膚の中に入る。そのためにアレルギーの反応が起こると考えられています。ただし汗の溜まる部分が浅いと赤い発疹となり、深い部分で汗が水たまりのように溜まると水疱のような発疹になるとされています。言われてみるとそういうものかと思われるかもしれませんが、“あせも”といってみなさんがイメージするものはそのような発疹ではないはずです。多分、暑い日に首や肘などの関節の内側にできる赤いぶつぶつとした発疹で、ときに痒くなるもの。そしていつの間にかなくなってしまうものではないでしょうか。そのような発疹については専門書には書かれていなかったりするんです。つまり、汗疹と“あせも”が同一ではなさそうなんですね。なんと。汗疹は、誰にどんなときにできるのか?しかし、専門書に書かれている汗疹も当然できることがあります。それはどんな場合か?このような汗疹は一般に乳児期によく見かけるものです。場所は関節の内側に限りません。汗をかくところ、そして蒸れる・こすれるところであればどこにでも発生する可能性があるのです。最も多いのはおなか、次いで腰からお尻にかけて、最後に背中です。手足にはあまり発生しませんね。特に乳児に多く発生し、幼児期以降ではよっぽど汗をかいたとき、もしくは高熱を出したあとくらいにしか見かけることはありません。それから、この汗疹はあまり痒くはないようです。ひどい汗疹が広い範囲に出ていても本人はけろりとしています。これが専門書に書かれた汗疹のでき方です。“あせも”は誰にどんなときにできるのか?対して“あせも”はもう少し上の年齢の子にできるようです。多くは幼児期から小学生の時期にかけて。なぜかそれ以上の子にできることはなく、成人にもあまりできることはありません。しかし成人でも“あせも”ができる人もいて、そのような人はどうもアトピー性皮膚炎を思わせる肌質の人が多いようです。よく発生するのは3カ所。首の前面、肘の内側、膝の裏側です。腰などにできることもありますが、皮膚の広い面に発生することがなく、多くは関節の内側のみに線状・帯状に出現するのが特徴です。そして、痒い。特に赤いぶつぶつの時期には痒みが強く、かきむしってそこからとびひになったり、湿疹をつくったりしている子もいます。ぶつぶつは時間とともに乾燥してかさぶたのようになり、最終的には剥がれ落ちてしまいます。これがいわゆる“あせも”の自然経過です。汗疹と“あせも”はなぜ起きる?では、汗疹や“あせも”の原因は何でしょうか。実は「不明」です。なぜ発生するのかよくわかっていないのが正直なところ。研究もあまり進んでいないようですし、専門家と言われる人もいなさそうです。まあ、生命に危険を及ぼすこともありませんし、自然に消える病気だからと言われればその通りなのですが。それでもいくつかの文献や資料、研究成果を確認していくと、ある程度、的外れではないように思われる原因が見えてきます。まず汗疹の原因です。あるメーカーの研究によると、汗疹のきっかけとなるものは表皮ブドウ球菌と呼ばれる皮膚表面に住みついている細菌です。その細菌がグリコカリックスと呼ばれるムチン質の物質、つまりゼリーのようなものを作り、そのゼリーに対するアレルギー反応によって赤みが出現するということのようです。これに対して“あせも”の原因は、どうもマラセチアという、これまた皮膚表面に住みついている真菌(カビ)に対するアレルギーの反応のようです。特にアトピーっけのある子が関節部分に汗によって悪化する湿疹があり、その湿疹の部分を詳しく調査するとマラセチアのアレルギーが見つかることもその証拠として考えられるようです。これらのことから汗疹も“あせも”も汗の影響、熱の影響により、本来はバランスを保って存在しているはずの一部の細菌や真菌が異常に増殖し、結果としてアレルギーの反応が出てくるために発生すると考えられるようです。あくまでも仮説ですが。汗疹と“あせも”予防の第一は汗をかかないことでは、予防のお話をしていきましょう。第一の予防は汗をかかないことです。つまり気温環境のコントロールですから、とにかくエアコンをしっかりと使用すること。その一言に尽きます。外来を受診される患者さんの数を見ていると、日本の湿度では最高気温25度を超えると“あせも”の発生が一気に増える印象があります。汗疹は、抱っこや洋服の影響によっても発生するため、そこまで厳密に気温が関係しているわけではありません。けれども温度が上がるにつれて発生率も上がる印象がありますので、温度の管理をしておくに越したことはありません。室温を25度以下に保つだけでもずいぶん発生を減らすことができるでしょう。次に汗を流すことです。いくらエアコンをしっかりとつけていても汗は必ず出ています。不感蒸散といい、汗の出がゼロになることはないのです。子どもはもともと多くの汗をかきますので、その汗をとにかく流せば汗疹の発生を予防することができるのです。まず朝起きて学校や幼稚園・保育園に行く前にシャワーで流すこと。これだけでもかなり汗疹を予防できます。また小さな子であればお昼寝のあと、大きな子であれば幼稚園・学校から帰ったあとにもシャワーをしたほうが良いですし、外出・お散歩から帰ったあともシャワーをするとそれだけで汗疹の予防になります。シャワーの話をするときに問題になるのが石鹸の使用の有無についてです。こちらも外来での印象ですが、一般の汗疹と“あせも”については石鹸までは必要ないでしょう。石鹸の使いすぎは乾燥肌やアトピーを悪化させる可能性もあるので、通常は使用せずにいても十分発生を抑えることができるようです。ただし、べたべたした“あせも”についてはどうも石鹸を使用しないとなかなか発生を抑えることはできないようです。その理由として考えられるのは“あせも”によって作られるゼリー物質は石鹸を使用することで溶かすことができるようなのです。だから、首、肘、膝の関節の内側など、べたべたした“あせも”ができそうな場所については石鹸を積極的に使用したほうが良さそうです。汗疹と“あせも”の治療法最後は残念ながら汗疹や“あせも”ができてしまったときの治療法のお話です。前にも述べたとおり、原因は皮膚表面でのアレルギー反応になりますので、ステロイドの塗り薬を使用して反応を抑えていくことが1つの治療となります。ちなみにステロイドの強さはそこまで強いものは必要ありません。むしろベタッとした軟膏性のものよりもサラッとしたクリームや乳液剤の方が症状を抑えられますので、種類よりも塗りやすさに注目した薬をもらう必要があります。また、ほかの皮膚炎に使用される薬剤でも有効なものがあります。それは皮膚を乾燥させる作用がある、細菌や真菌を抑える作用がある、ゼリー物質を抑える作用があるなど、いくつかの理由が考えられます。ニキビや水虫の薬がよく効いたという話もありますので、病院によっていろいろな薬が処方されるかもしれませんね。意外に(と言っては失礼かもしれませんが)民間療法にも効果が見られるものがあります。海水をかける、お酢をかける、熱めのお湯をかけ続けるなど、個性的な民間療法のお話を外来で聞いたことがあります。発生原因とその対策という考えからすると、細菌や真菌を減らす、ゼリー物質を溶かすなどの作用が予想され、ある意味納得するものもあります。まあ、いずれの治療法も病変部分に刺激を起こすことがあるので積極的にはおすすめしませんが・・・。汗疹や“あせも”の治療でけっこう難しいのは止めどきです。とくにステロイドはアレルギーの反応を抑える反面、副作用として細菌や真菌を増やしてしまいます。使いすぎると今度は細菌や真菌が増えてしまい、その症状が出てしまうことになり、治療に余計に時間がかかってしまいます。特に“あせも”で問題になるのですが、ポイントはかさぶたになったら治療を中断することです。かさぶたになっても薬を塗り続けていると今度は真菌そのものによるトラブルが発生しますので、「赤いとき、かゆいときには塗ること。かさぶたになったらやめること」と症状に応じて塗り方を調整すると上手に治療することができますよ。さあ、最後の最後にハワイのお話の答え合わせです。向こうの子どもに“あせも”が少ない理由。その1は湿度です。湿度が低いと明らかに“あせも”の発生が減ります。それは8月下旬に日本の湿度が一時的に下がったときにも同様の現象が起こりました。もう1つの理由は、海水浴やプールで汗を流せているからでしょう。つまり汗の発生を温度管理で抑え、かいた汗を上手に流してあげれば汗疹、“あせも”の発症を抑えることができるというわけです。野﨑誠(のざきまこと)わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市・皮膚科、小児皮膚科)院長。国立成育医療センター(小児皮膚科)、東京都立東大和療育センター(皮膚科)勤務。2001年山形大学医学部卒業山形大学医学部皮膚科入局山形県公立置賜病院(山形県長井市)、国立成育医療センター(東京都世田谷区)、はせがわ小児科医院(東京都武蔵野市)などの皮膚科・小児皮膚科を経て、2013年、わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市)開院。院長を務めるかたわら、専門家向け、一般向け、教育機関(保育園、幼稚園、小学校、中学校など)向けの各種講演会、勉強会を精力的にこなす。雑誌他執筆多数。広い年齢層の皮膚病、あざの治療やスキンケアに携わる。わかばひふ科クリニックWebサイト
2018年09月21日トップライター:辻内史佳昨今、食物アレルギーがあるお子さんは多く、小学校給食でどんな対応をしてもらえるのか、不安な保護者の方もいるでしょう。この春から小学生になったわが家の娘も、卵・エビ・カニのアレルギーがあり、家の食事からは完全に除去している状態です。保育園の給食は、その保育園で作ってくれていたので、アレルギー対応をしてくれましたが、より多くの子どもが通う小学校ではどうなのか、入学するまでとても不安でした。娘の通う学校ではアレルギー除去の給食を提供しており、入学前からきめ細やかな説明がありました。そのときの体験を紹介します。説明会や面談で万全の体制を整える小学校給食でのアレルギー死亡事故があり、数年前から学校側も対応には細心の注意を払っているように思います。まずは入学前に「アレルギー対応ができる食材について」や「申請方法」についての説明がありました。学校に提出する医師の診断書などの書類も、ここでもらうことができました。そして入学後、給食が始まる前に学校で個別面談を実施。給食センターの担当者と所長、担任の先生に校長先生も加わり、アレルギーの詳細について1時間近く面談をして、給食の開始に備えました。細かいアレルギー成分表を見て親子で毎日チェック娘の通う小学校で対応してくれるアレルギーは、卵と乳の2つ。娘の場合、卵は対応食が提供されますが、エビ、カニについてはアレルギー対応食が出ないため、毎日献立を見てチェックする必要があります。つまり、「エビフライ」や「ちゃんぽん」など甲殻類が含まれているメニューの場合は、代わりのおかずを持たせる必要があるのです。また、少し複雑なのが、アレルギー対応食が提供されるのは主食のみということ。副菜に含まれている場合は対応食がないので、これも代わりのおかずが必要になります。左側がみんなに配られる献立予定表。右側が献立で使われる食品のリスト。これで娘の食べられるものかどうかチェックしますこのチェックがかなり重要になるため、学校からは毎月の献立の成分表が事前に手渡されます。担任の先生にも同じ書類を見てもらい、親とダブルでチェックする仕組みです。チェックをし忘れると、そのままアレルギーのあるメニューが配られてしまうので、大変危険です。そのため事前に担任の先生と相談して、連絡帳と別に「アレルギー給食ノート」を用意。毎日、「今日はこのメニューが食べられません」、「今日はすべてOKです!」など保護者が連絡をするようにしました。おかずを取り替えないようクラスの友だちにも説明アレルギー対応食の日は、ほかの生徒とは別の容器に入った給食が給食センターから届きます。配膳容器を分け、担任の先生がチェックしたうえで配る方式になっているのです。先生はクラスのお友だちにも、「〇〇ちゃんはアレルギーだから、食べ物を交換しないでね」としっかり説明してくれました。驚いたのは、アレルギー対応食と通常食の見た目が変わらないように配慮してくれているということ。たとえば三食丼の日は、卵の代わりに、いり豆腐を黄色く着色したものを使って用意してくれたようです。しかしこの日、あまりのそっくりさに娘は「卵かも」と心配して、結局食べなかったというハプニングも(笑)。「毎日お弁当になるかも……」と、心配していたわたしにとってはひと安心。お友だちと同じメニューを食べられる日も多く、「今日は給食当番をやったよ!」とうれしそうに報告してくれます。小学校によって違うとは思いますが、アレルギーへの対応は昔と比べて格段に進化していると感じています。来年、小学校に入学するお子さんで、うちの娘と同じような不安をもっている保護者の方は、まずは入学前の説明会で学校の先生と相談してみてください。地域によって多少の差はあっても、対応してくれると思いますよ。辻内史佳(つじうちふみか)出版社勤務を経て、娘の出産を機にライターに。主にエンタメ誌でインタビュー記事を執筆中。春から娘が小1になり、慣れない日々に奮闘する毎日です。最近できた老後の夢は、ハワイ永住(笑)。
2018年09月14日専門家・プロ:野﨑誠さあ、今回は日焼けの話をしていきましょう。まずは少し個人的なお話をしましょうか。実は、先日旅行でハワイに行ってきました。行ってみて驚いたことは、現地の人はあまり日焼け対策をしていないことです。日焼け対策をしっかりとしているのはみな旅行者、特にアジア系の旅行者ばかり。現地に住んでいると思しき人は一切何もせずに家の外を歩いているんですね。これにはびっくりました。特に白人の方は日光に弱い皮膚をしているのに・・・。案の定、現地に住んでいる高齢の白人の方のお肌は明らかに紫外線が原因と思われる皮膚のダメージがいっぱい刻み込まれていました。腕の先端部にいくに従って明らかにダメージが強くなっているわけですから、そのような人を見るたびに、皮膚科医としてアドバイスしたい気になってしまいました。休暇のはずなんですけどね。これもまあ職業病でしょう。紫外線の影響の最たるものは発ガン性!では紫外線の影響についてお話をしていきましょう。まず問題です。紫外線は体の細胞のどこに影響を及ぼすのでしょうか?正解は体の遺伝子。DNAと呼ばれるタンパク質です。紫外線の影響は化学的にはDNAの損傷と皮膚組織の障害の2点にあります。1点目。紫外線はDNAの構成成分を壊し、おかしな形にしてしまいます。ほとんどの異常はもとに戻すことができるのですが、極めてまれに、おかしなDNAがそのままになってしまい、ときにはおかしなタンパク質を異常なほど大量に作ってしまうことがあります。これを何と呼んでいるか?はい、ガンです。紫外線の影響の最たるものは発ガン性なのです。もちろん良性の腫瘍も作りやすくなることが知られていますが、皮膚がんの発生は紫外線により明らかに増加することが知られています。ただしガンになるのは紫外線を浴びてから数十年後の話なので、昨日、日に当たりすぎたからといって明日ガンができるわけではありません。2点目、数十年経過しながら徐々に進んでいるのはコラーゲンをはじめとする皮膚の劣化です。一般的にはシワが深くなる。シミができてくる。なんとなく皮膚が汚らしくなっていくという変化が見られます。残念ながらこの変化を回復させることは非常に難しいです。今回お話しするのは、紫外線の影響による直接的、短期的な皮膚の劣化、そうです。日焼けです。日焼けの種類は大きく分けて2種類ある日焼けは大きくSunburnとSuntanの2つに分けることができます。Sunburnは読んで字のごとくSun[日光]によるBurn[やけど]です。日に当たった直後から翌日くらいまでに発生し、紫外線の当たった部分が赤くなって腫れてひりひりするという、ちょうどやけどのような症状が生じます。原因は紫外線によってできた皮膚の炎症で、そのためにやけどと同じようなヒリヒリとした症状を示すのです。まさに熱いお湯がかかったときのやけどのようになりますので、長時間冷やすなど、対策もそれに順じて行なったほうが良いでしょう。Sunburnに対してSuntanはいわゆる通常の日焼けです。一般的に日焼けと言った場合はこのSuntanを指すことが多いでしょう。こちらはSunburnよりも少し遅れて出現します。皮膚の色が赤くならずに黒くなっていく変化ですね。こちらは特に痛みはありません。これらSunburnとSuntanは個人差があることが知られています。どちらかのみ強く出る人、両方ともそれなりに出る人がいます。この反応の出方は遺伝する傾向がありますから、両親の日焼けの経過を知ることで子どもたちの日焼けの傾向を知ることができます。また、この日焼けによる反応は人種差がとてもあります。紫外線に最も弱いのは白色人種、最も強いのは黒色人種で黄色人種はその中間くらいです。なのでハワイで白人の方が日焼け止めをしないで街を歩くなんて「見ちゃいらんない」わけです。皮膚科医としてはですね。紫外線対策の基本は「時間」と「天気」と「場所」さて、紫外線の話を今までしてきました。それを踏まえて紫外線の対策についてお話をしていきましょう。対策の基本は、まず時間と天気と場所です。次に洋服・帽子と日焼け止めとなります。これ、大事ですよ。まず紫外線に当たる時間、つまり紫外線そのものの量に目を向ける必要があります。日が出ていない時間は屋外に出ても紫外線をあびることはありません。太陽高度が上がるにつれて紫外線を吸収するオゾン層を通過する距離が短くなりますので、紫外線の量は増加することになります。次に天候です。晴れた日は当然紫外線の量が多く、それに比較すれば曇りの日や雨の日は少なくなります。それでも紫外線はゼロではありませんので、ある程度の対処はした方が良いでしょう。場所も大事ですね。そもそも緯度によってその日の太陽の上がり方が決まりますので、そこにも注意をはらいましょう。つまり東京よりも緯度の低い沖縄のほうが太陽の光がたくさん降り注ぐことになるので、紫外線対策はより重要になるのです。また場所といってもそんなに大きな話でもなく、日陰を歩けばそれだけで紫外線の量は減らすことができるのです。紫外線対策に有効な「洋服」と「帽子」次に対策として考えるべきは洋服、帽子などによる紫外線の防護策です。帽子や洋服は物理的に紫外線をストップさせますので、上手に使いましょう。最近は日焼けを抑える効果が明示されている洋服もありますので、心配な方は使ってみても良いでしょう。UPFという数字が洋服のタグに付いていることがありますので確認してみてください(数字の読み方は日焼け止めのところでお話します)。サングラスも紫外線予防には使用されますが、こちらもただ濃ければよいというものでもありません。可視光線※も遮ってしまうと瞳孔(どうこう)が開いてしまい、かえって紫外線が目の中にたくさん入ってしまうことにもなりかねません。目とサングラスの隙き間から入る紫外線にも要注意です。可視光線を防ぎすぎず、広い範囲を覆うこともできるサングラスを選んだほうが良いです。※可視光線……太陽光線の種類の1つ。太陽光線は紫外線・可視光線・赤外線などに分けられる。「日焼け止め」選びのキーワードは「SPA・PA」と「紫外線吸収剤」次に日焼け止めの話をしましょう。お店に行くとたくさんの日焼け止めがありますね。その選び方からお話をしていきましょう。キーワードはSPF・PAと紫外線吸収剤です。SPFとは何を意味しているのでしょうか。これはSunProtectionFactorの略で、使用することで日焼けして赤くなるまでの時間を「何倍に」伸ばすことができるかという数字です。SPF・PAのあとにくる数字は、紫外線をさえぎる単純な強さではなく、時間の長さを表しているんですね。では日焼けで赤くなるまでの時間はというと、真夏の正午の快晴のときでおおむね20-~30分です。ですので、この時間(個人差があるので紫外線に弱い人は短めに見積もってみてください)にSPFの数字をかけるとよいのです。ちなみにSPFは紫外線Bに対しての日焼け止め効果。PAは紫外線Aに対する効果です。洋服においては「SPF・PA」ではなく「UPF」で示されます。数値の見方は「SPF・PA」と同じです。さて、このSPFもしくはPAの高い製品はどのようにして作られるのでしょうか。日焼け止めの成分は大きく分けて紫外線散乱剤と紫外線吸収剤に分けることができます。紫外線散乱剤は微小の金属粒子などで、紫外線を皮膚に届く前に跳ね返す成分。吸収剤は紫外線そのものからエネルギーを吸い取ってしまう成分です。つまりSPFやPAが高くなるにつれて多くの散乱剤や吸収剤が使用されることになりますが、「多く使用する」という部分が逆に欠点にもなってしまいます。紫外線散乱剤は可視光線も乱反射させますから多く使うことで白浮きするという欠点があります。また吸収剤はときにアレルギー性のかぶれを起こしてしまうことがあります。従ってSPFやPAはむやみに高ければ良いというものでもありません。アレルギーやかぶれが心配な方は、あえて数値が低めの製品や紫外線吸収剤の入っていない製品を選んだほうがトラブルになる確率は低いでしょう。「日焼け止め」は2時間に一度、塗り足すことさて、少し話を戻していきます。自分が今使っているSPFの製品はどのくらいの時間、紫外線を予防できることになっているか計算してみてください。びっくりするくらい長い時間が出ませんでしたか?日焼け止めを塗ってからもっと短い時間しか経っていないのに、日に焼けて赤くなったことはありませんでした?その理由は塗り方と汗にあります。みなさん、普通は日焼け止めを手に取って薄く塗りますよね。その塗り方はダメです。SPFの計測のときの塗りかたは決まっていて、一般的に考えられている塗り方よりも非常に厚塗りです。カノジョにその塗り方をしたら白浮きすると怒られるくらい。つまり、本来塗るべき量よりも薄く塗っていることで、SPFの数字どおりの結果にならないのです。もう1つは汗の影響です。いくら落ちにくい日焼け止めだったとしても、汗をかけばどんどんその成分は流されていきます。特に子どもは大汗を書きますから、さらに流れていく。一説には2時間でその日焼け止め成分の大半が流されるとか。そのためにSPFの本来の数字以下の性能になってしまうのです。ではどうすれば良いでしょうか。厚く塗ることができないのであれば頻繁に塗り足してください。2時間以内が1つの目安です。汗を拭くことができれば良いですが、それが難しい場合でもしっかりと塗り足すようにしてくださいね。最後に実際に使用するべき基準についてお話をしていきましょう。普段、街なかで数時間使用するくらいでしたらSPFは20~30程度もあれば十分です。そして適宜塗り足してください。なお、肌のトラブルが心配な方は紫外線吸収剤を含まないものの方が良いでしょう。そして、外出する時間帯を選ぶこと。正午前後は太陽も高いために紫外線量も多く、影も少ないので、外出は控えたほうが良いでしょう。逆に1日海に出かけたり、シンガポールなどの紫外線が強い地域に旅行したりする場合はSPF50以上のものを使用します。こちらもこまめに塗り足すことを忘れないようにしてください。またサングラスや帽子・衣類などでも紫外線予防をしっかりと行なうことをおすすめします。「日焼け止め」の扱い、ここに気をつけて!最後の最後のお話を2つさせてください。まず0歳の赤ちゃんですが、実は日焼け止めのトラブルが最も起こりやすい年代です。というのもビタミンが不足する問題が発生しています。食事で栄養を十分に取れない0歳児の場合、紫外線を浴びることで、あるビタミンを生成する必要があります。これは本当に少しだけ、それこそ日陰に数十分程度いてもある程度の量が作られるので、あえて紫外線に当たりに行く必要はありませんが、日焼け止めを使いすぎるとビタミン不足から成長に影響が出てしまうので、要注意です。なお、先程も述べましたがビタミンは日陰を少し歩くだけでも作られますので、日光浴の必要はありません(母子手帳に「外気浴」と書かれているのはそのためです)。もう1つは最後の処分方法です。残った日焼け止めはもったいないと思わずにその年のうちに捨てて下さい。日焼け止め成分の特に紫外線吸収剤は時間とともに劣化する可能性があります。劣化することでかぶれるリスクが上がりますし、日焼け止めでかぶれる人の一部は実は古い日焼け止めを使用したからだったりもするので、翌年まで保管しておいてもあまり良いことはありません。捨てちゃいましょう。秋になっても天気の良いときには紫外線はたくさん地面に降り注ぎます。そして意外に秋も日焼けトラブルの多い季節です。そう、運動会です。なので、もうしばらくは日焼け止めをしっかりと使ってあげたほうが良さそうです。そのときにはこの記事に書かれていることを参考にしてみてくださいね。野﨑誠(のざきまこと)わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市・皮膚科、小児皮膚科)院長。国立成育医療センター(小児皮膚科)、東京都立東大和療育センター(皮膚科)勤務。2001年山形大学医学部卒業山形大学医学部皮膚科入局山形県公立置賜病院(山形県長井市)、国立成育医療センター(東京都世田谷区)、はせがわ小児科医院(東京都武蔵野市)などの皮膚科・小児皮膚科を経て、2013年、わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市)開院。院長を務めるかたわら、専門家向け、一般向け、教育機関(保育園、幼稚園、小学校、中学校など)向けの各種講演会、勉強会を精力的にこなす。雑誌他執筆多数。広い年齢層の皮膚病、あざの治療やスキンケアに携わる。わかばひふ科クリニックWebサイト
2018年09月06日屋台を楽しめない…アレルギーっ子の現実花火大会や夏祭り、ずらりと並んだ屋台での買い食いもこのシーズンのお楽しみのひとつです。しかし、屋台で売られているものといえばたこ焼きにお好み焼き、ソースせんべいにベビーカステラと、食物アレルギーをもつ人にとってはうっかり口にできないものばかり。お友達も集まる地元のお祭りなどではアレルギーっ子たちはひとり、何も食べられずに過ごしていることもしばしばではないでしょうか。そんなわが子の様子を見て、立ち上がったお父さんがいました!お祭りや花火大会などに屋台はつきもののお楽しみ。そんな中、アレルギーっ子たちが寂しい思いをしているなんて、なかなか気づけないものきっかけはハロウィン。息子にも楽しませてあげたい!関浩一さんは自分の息子に小麦アレルギーがあることから、アレルギーについて深く考えるようになりました。「息子は外食もできずにどこに行くにもお弁当持参。私自身、恥ずかしながら40年生きてきて、外で何も食べられない生活というものがあることを知らなかった。私がそうであったように、食物アレルギーのことを理解している大人ってわずかだと思います。そんな世の中だからアレルギーっ子のママはママ友や家族にさえもなかなか理解してもらえない。誰にも相談もできず、とても孤独に大事な子どもを育て守っています」。何か自分にできることはないだろうか、とアンテナを張っていたところ、地元のハロウィン企画メンバー募集というのを見つけて、メンバーに入れてもらったのが最初の行動。「トリック・オア・トリート!」と言ってお菓子をもらって食べる、誰にでもできそうなそんな体験を、アレルギーっ子はできずにいる。その年のハロウィン企画では小麦・卵・乳などの入っていないお菓子を調達して、息子をはじめアレルギーのある子どもたちにも楽しんでもらうことに成功。それを機に2016年3月、『みんなの屋台』プロジェクトを立ち上げ、アレルギーっ子も安心して楽しめる屋台の運営を始めたのです。自身の息子がアレルギーに苦しむ様子を見て、『みんなの屋台』を立ち上げた関浩一さん。ロボット教室講師やキッズ向けビリヤードコーチでもあるアレルギーっ子でなくても、健康的でうれしいそんな関さんの屋台。7月はじめに浅草神社の「夏詣」に出店したところを、筆者は娘とともに訪れました。遠目には普通の屋台と変わりませんが、近づいてみるとアレルゲン不使用のサインがあり、ものすごく大盛況!この日のメニューは米粉のグルテンフリーたこ焼きと合成着色料不使用のかき氷。食材は特定原材料7品目不使用を絶対条件として、産地や添加物などにも可能な限りこだわり、アレルギーっ子だけでなく健康に気遣う人にも合格点がもらえるように選んでいるのだそう。なるほど、娘の選んだかき氷シロップはメロン味でしたが、いつもの鮮やかな緑色ではなく、抹茶のようなやさしい緑色のシロップです。味も甘すぎず、あっさりさっぱりしていて、添加物が少ないというのもわかります。舌が緑色に染まらないのが、合成着色料を使っていない何よりの証拠。これならあとでもう一杯食べたいと言われてもOKできそう。たこ焼きも外はカリカリ、中はもっちりの米粉ならではの食感もあり、アレルギーという理由がなくても食べたい逸品でした。米粉のグルテンフリーたこ焼き!これぞ”屋台の味”を体験できるのもさることながら、おいしい、そして健康的!500円なり色が毒々しくない!メロン味のほかに、”日向夏味”なんていう珍しいものも。合成着色料不使用なら子どもに食べさせるのにも安心大きな反響、もっともっと広げたいアレルギーっ子の親のネットワークのおかげもあり、イベントへは遠方から足を運ぶ人も多いそう。今後もイベント出店の告知は主にフェイスブックやインスタグラムで行っていくそうです。筆者が訪れたときは2品のみのメニューでしたが、8月4日(土)・5日(日)に上野で開催された『江戸まちたいとう芸楽祭』では「チーズフランク」がお目見えしており、これももちろん特定原材料7品目不使用です。次回は上野エリアの一大イベント「シタマチハロウィン」で、御徒町パンダ広場にて10月の27日(土)・28日(日)開催。ハロウィンといえばオレンジのカボチャですが、このイベントでは「青いカボチャ」が登場します。これは2014年にアメリカで始まった「ティールパンプキンプロジェクト」という取り組みで、ハロウィンの日、玄関先に青いカボチャをおいてある家庭では、小麦・ミルク・卵などを使用していないお菓子や文房具・玩具などを子どもたちに配ることにしています。つまりアレルギーっ子でも安心して「トリック・オア・トリート」を楽しむことができるというもので、「シタマチハロウィン」でも関さんたちの働きかけにより今年から導入することが決定しました。関さんは言います。「近い将来、日本中で青いカボチャのハロウィンが開催されることを願います。私はこの活動を通して食物アレルギーの子どもたちに、みんなと同じ楽しい体験をプレゼントしたい。食物アレルギーの正しい知識などを周知・啓蒙活動を進めていきたいと考えています」。子どものころの夏祭りやハロウィンなどの思い出は、大人になってもずっとずっと心に残るもの。家族やお友達と同じものを食べ、同じ体験をするというそれだけのことが、きっととてもいい思い出になるのではないでしょうか。そんな思い出をプレゼントする関さんのプロジェクト。現在はたった3人での活動ですが、全国に広がっていけるよう、応援していきたいですね。みんなの屋台 Facebookページハロウィンでは圧倒的に多いオレンジのカボチャ。今後、青いカボチャのハロウィンも日本中に広がっていきますように
2018年08月11日こんにちは、ライターのゆめちちです!今回は娘が結膜炎になってしまった時のお話 を書いていこうと思います。目やにが多いのは鼻水の影響?ある日突然、娘の目やにの量がいつもより多いことに気づきました。そもそも目やにとは、目の老廃物やほこりやごみが混ざったものらしいです。花粉症やアレルギー、コンタクトの影響などによって増えることもあるそうです。鼻水が出ている時は目やにも出やすい、と聞いたことがありました。本来鼻に流すため鼻水が逆流して、目やにの原因になるからだそうです。ちょうど鼻水がひどかったので鼻水の影響かと思い、気づいたら拭き取る程度であまり気にせず。むしろこの時は、目やによりも、鼻水のほうが心配でした!目が開かないほどの目やに次の日の朝起きると、びっくり!!!その目やにが乾いて固まって、目が開けられなくなっていました。すべて拭き取っても、目は赤くなったまま…もしかして結膜炎? とソワソワしてしまいました。結膜炎とは、眼球と瞼をつないでいる結膜に炎症が起こり、充血すること。アレルギー性結膜炎、細菌性結膜炎、ウイルス性結膜炎、と結膜炎にもいろいろ種類があり、それぞれ対処も違うそうです。結膜炎のウイルス性とウイルス性ではないもの保育所にお休みの電話をすると、アデノウイルス が流行っているのでアデノウイルスの結膜炎かもしれない、と言われ眼科へ行くことに。ウイルス性のものは感染力が非常に強いらしく心配しましたが、ウイルス性の検査をしたところ陰性で、細菌性結膜炎でした。細菌性結膜炎は、3つの中でも1番よく見かけるものらしく、大体1週間以内に治ることがほとんどだそうで、安心しました。目薬をさそうとすると、全力で逃げようとする娘(笑)足で挟んで動かないようにし頑張ってさしましたが、1日に4回ささないといけないので大変で…。目薬をさす時は下瞼だけを引っ張ってそこにさすとさしやすい、と聞いたので頑張りましたがなかなか難しく、正直ちゃんと目に入っているか分からず心配でした…。なんとか頑張って目薬をさし続けた結果、3日ほどで治りました!目やにや充血がなくなり次第、目薬を中止していいようです。目やにがいつもより多いと、もしかすると結膜炎かもしれません!結膜炎にも感染力の強いものもあります。結膜炎のほかにも目にはたくさんの病気があり、怖いです。なので目に異常を少しでも感じたら、ひどくなる前に眼科へ行くことをおすすめします。●ライター/ゆめちち
2018年07月10日アトピー性皮膚炎や肌の乾燥によるは、1度痒みが起きると なかなか改善しないもの。ですがステロイドなどの強い薬は、副作用が心配です し、まずは根本からアレルギー体質に合った食事をすることが大切ですよね。そこで今回は、薬に頼りたくない方のための、アトピーや肌の乾燥による肌荒れに効く食べ物や控えた方がいい食事をご紹介します。なるべく病院にかからず…筆者の子供は、義理の実家への帰省でペットにアレルギーを起こし、そこから頻繁にアトピー湿疹ができるようになりました。1度酷くなったので受診したものの、何でもかんでも病院や薬に頼ってばかりの治療では、大人になっても薬を手放せないのではと考えました。そこで、根本からアレルギーに立ち向かえる体作り をさせることにし、まずは食べものや生活習慣から見直すことにしました。●アトピー、肌の乾燥の改善中良い食べ物、控えるべき食べるもの・添加物を減らす食生活肌荒れが酷い時は外食はなるべく、減らす。加工品を選ぶ時はなるべく添加物の少ないシンプルな原材料 のものを選ぶようにしましょう。・なるべく地元に近い野菜を買う(農薬対策)野菜の添加されている農薬もアトピーを引き起こす原因となります。普通のスーパーで無農薬野菜はなかなか置いていませんが、なるべく地元の野菜をえらぴしょう。・粗食をめざすパンはなるべく控えお米中心生活に。お米、小松菜やほうれん草のおひたし 、味噌汁、お豆腐や納豆、お漬物…といった昔ながらの食事が、日本人の体に合っています。お漬物はぬか漬けが乳酸菌が豊富でおすすめです。・緑黄色野菜を積極的に小松菜をしらす、お酒、自然塩と煮て煮びたしにすると食べやすく栄養も良くとれます。・ほうれん草とかぼちゃがおすすめほうれん草はのりと醤油で磯辺和えにしたり、豆腐で白和えするとオススメ。かぼちゃはベーコンとサラダ油で炒めるとコクが出て美味しく、子供も食べやすくなります。・肉、牛乳をなるべく控えるお肉、牛乳はアレルギー体質の方にはアレルギーの引き金となりやすいので、なるべく控えることはおすすめします。・デトックスできる体づくり規則正しい食生活、質のいい睡眠、適度な運動 を、心がけ、便通をスムーズにしましょう。アロマテラピーをアトピー治療に筆者の子供は重度のアトピー体質ではないのですが、お肌は弱く、体調が悪かったり、アレルゲンに触れると広範囲にかぶれたり乾燥したり、湿疹ができたりします。季節の変わり目は乾燥し掻きむしり夜中眠れない程でした。そんな時薬にあまり頼らないために用いたのはアロマテラピー 。肌荒れの部分に、ホホバオイルオイルで5パーセント以下に希釈した精油を塗布し、マッサージしてあげると気持ちよさそうで、夜もよく眠れるようでした。この香りが痒いの治してくれるからね 、と呪文のように唱えながらマッサージするのがコツ。●皮膚の弱い子供たちに効いたアロマテラピー・ラベンダー、カモミールの塗布アレルギーの抑制に効くラベンダー、カモミールを、積極的に塗布しました。他にティーツリーも効果的ですが、我が家の子供たちはラベンダーとカモミールが良く効きました。・夜中かゆがる時の特効薬はペパーミントペパーミントや、ハッカのメントールの清涼感で、即効性のあるかゆみ止めが期待出来、夜中のかゆがる時にはとても重宝しました。まずは薬の前に食生活からアトピーといえば、特別な皮膚病のような印象がありますが、実は「原因不明の肌荒れ」 を総称していいます。その原因は一概に特定できず、昨日は食事が原因でも今日はハウスダスト等の外部刺激が原因だったり、疲れやストレスが原因だったりするため、まずは体質を整える食事を継続的にしていくことが重要です。筆者の子供も旅行などで食生活が乱れ、疲れが溜まった時にアトピー症状が出やすいため、アトピー症状が出た時は特に食事に気をつかっています。お子さんや御自身がアトピーで悩まれている場合、皮膚科への通院と並行し、食事内容もよく見直すようにしてみてください。●参考URLアトピー性皮膚炎を食べ物から見ると●ライター/ましゅまま●モデル/REIKO
2018年07月09日我が子も来年は小学1年生。この時期、子どもや親の興味はどうしても「ランドセル」に向きがちですが、忘れてはならないのが、就学予定の小学校で、入学前にあるいくつかの行事です。入学までの1年の流れ入学までの1年、小学校に出向いて行う手続きは主に2回です。1つめは、秋ごろに行われる「就学時健康診断」。健康診断とともに知的発達の検査なども行われます。2つめは、学校説明会。1月には入学する予定の小学校から入学通知書が届き、同時に学校説明会の案内が届くことが多いでしょう。学校説明会は就学時検診と同時に行う場合や1日体験入学とともに実施している小学校もあります。筆者の住む北海道では、上記2点以外に4月初めの平日に入学手続きがあります。これは一番重要な正規の手続きで、これをもって晴れて入学となります。たいていの場合はここでお道具などの必要なものの購入や引き落とし口座の手続きなどが行われます。就学時健康診断では身体と知的発達を検査「就学時健康診断」では、視力検査、聴力検査、耳鼻咽頭の検査、歯科検査などとともに、知的検査と言語検査などの知的発達の検査が行われます。親として気になるのは知的発達の検査内容ですが、まず簡単な自己紹介や、通っている幼稚園、保育園などを聞かれることが多いようです。続いて、簡単な図形を書いたり、答えたり、先生の言った言葉を復唱したりするなどして発音の検査をする流れが多いよう。詳しい内容は地域や学校、またはその年によって異なります。今までの乳幼児健診と違うところは、親と離れて子どもと先生のみで行われるところです。まったくの別室で行う場合もありますが、我が子の小学校の場合、1つの検査が1つの教室となっておりそれを親子で回る形でした。内科検診では、服を脱ぐスペースまでは親子ともに行き、子どもたちは服を脱いだ後だけ一人で列に並ぶというような感じで行われ、眼科などの検診の際も教室の端で親が見守ることができました。また、知的検査や面談も、我が子の小学校の場合は、同じ空間ながら会話が聞こえないくらいに親と距離を離した机で行われ、その間、親は別の先生とアレルギーの有無や通学路の話がメインの面談を行いました。面談も、地域によっては行われない場合があります。親の手を借りずに健診を受けなければならないのはどの小学校でも同じようですが、それぞれの学校のやり方があり、まったくの別室になる場合と、親と一緒に健診を回る場合があるようです。就学時健康診断を通して得られた子どもの様子や知的検査の結果は、通常学級、通級、特別支援学級、特別支援学校という就学先を決める際の判断材料になります。就学時健康診断までにしておきたいこと1、就学時健康診断では、子どもが一人で健診を受けることが一般的です。服の脱ぎ着はもちろん、脱いだ服をきれいにしておくことができるとなお良いでしょう。2、知的検査ですが、拍子抜けするくらい難しいことは聞かれませんので構える必要はありません。確認するとしたら、基本の色や形(赤、黄色、青、緑や○△□)が正確かを事前に一度確認するくらいでしょうか。ただし、自分の名前だけは読み書きできるとよいです。また、言語検査では、発音の確認があります。3、耳や鼻や目の必要な治療を受けておきましょう。書類にも治療中の旨を書く欄がありますが、時間のある就学前の時期に早めに治療を受けておく方がベターです。4、アレルギーのある場合は、アレルギーの状態が説明できるようにし、その対応を確認しておきます。発作時の対応、薬の使用なども健診前に主治医と相談、確認しておくと話がスムーズです。ただし、給食のアレルギーの対応に関しては、健診後に診断書を求められる場合があるので、学校から指定された様式をもらってから診断書を書いてもらう方がよいです。5、発達や就学に不安のある場合は、事前に就学相談も受けることができます。就学相談は自治体が行っており、一般的に事前の予約が必要です。場合によっては、事前に小学校などでも相談や見学を受け付けてもらえることもあります。事前に相談をしていることで、当日に面談などを配慮してもらえたりする場合もあります。就学時健康診断直前に確認したいこと1、急に就学時検診に行けなくなったとき年度当初には、年間予定表が作成されるので、校区の小学校で就学時健康診断がいつ行われるを知りたければ、早めに問い合わせればわかります。市町村のホームページ等でも早めに公開される場合も多いです。早めにきちんと日程を確認して、しっかり予定を空けておきたいものです。しかし、どうしても予定が合わない場合や急な体調不良、予定が入ってしまった場合などは、別日に行われる別の学区の健診を受けることもできます。行けないことがわかった時点で自治体の教育委員会などに連絡し、当日欠席の場合は、受診会場の小学校に必ず連絡しましょう。2、転勤や引っ越し、私学への進学などの可能性があるとき学区を越境する場合や引っ越し、私学などに通う場合などは、わかった時点で手続きが必要です。就学時健康診断があるときに住んでいる小学校区で受けて置くのが一般的ですが、その前に決まっている場合は就学先で受けるなどができます。3、当日の服装や持ち物一般的に、保護者と子どもの上履き、送られてきた健康調査票、その他必要な書類、就学通知書(必要な場合)、母子手帳、筆記用具などを持参します。子どもの服装は、自分で脱ぎ着しやすく、内科健診もあるので、ワンピースなどは避け、上半身だけ脱げる服装がよいでしょう。また、身長測定にも配慮し、髪の毛は頭の下で結ぶとよいです。午後からの就学時健康診断の場合は、午前中幼稚園や保育園に行ってから、就学時健康診断に向かう場合もあると思いますので、前日から確認しておくとよいですね。前日は、しっかりお風呂に入り、早めに休むことはもちろん、耳掃除や爪切りもしておくと安心です。「就学時健康診断」は、小学校関連の初めてのイベントでもあります。親子ともにしっかり準備できると安心ですね。<文・写真:フリーランス記者小柳結生>
2018年06月26日食物アレルギーを専門とする小児科医・佐藤さくら先生にお話をうかがい、これまで2回にわたって子どもの食物アレルギーについて紹介してきました。なかなか治りづらいイメージのあった食物アレルギーですが、小学校就学前までにおよそ90%のお子さんがアレルギー原因食物を食べられるようになるというお話には驚きました。そこで、食物アレルギーに関する素朴な疑問や、食物以外の子どものアレルギーについてもうかがいました。佐藤さくら先生 プロフィール小児科医。国立病院機構相模原病院 臨床研究センター 病態総合研究部 病因病態研究室長。宮崎医科大学医学部卒業後、宮崎大学医学部小児科医員、国立病院機構相模原病院 臨床研究センター アレルギー性疾患研究部 流動研究員等を経て現職に。日本アレルギー学会代議員。日本小児アレルギー学会評議員。『小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2017』ほか多数執筆協力。■子どもの食物アレルギー「今さら聞けない“あるある”」を質問Q1:「母乳とミルク、どちらが食物アレルギーにかかりやすいですか?」佐藤さくら先生(以下、佐藤先生):食物アレルギーを発症するかどうかは、人それぞれ元来備わっている体質や環境などが影響するといわれています。ですから、どちらかを飲んでいると食物アレルギーになりやすい、ということはありません。また、お母さんが妊娠中や授乳中に食べたものを除去すれば、お子さんが食物アレルギーにならないというわけでもありません。アレルギー反応が出た際は、自分ひとりでなんとかするのではなく、専門医に任せるのが得策です。Q2:「子どもが食物アレルギーです。毎日の献立を考えるのが大変でマンネリ化しがち。おすすめのレシピはありませんか?」佐藤先生:そんな時こそインターネットを上手に利用しましょう! 私がよく患者さんのお母さんたちにすすめているのは独立行政法人 環境再生保全機構の 「食物アレルギーの子どものためのレシピ集」 です。ぜひ一度サイトをのぞいてみてください。また、本屋さんや図書館にも卵や小麦を使わないレシピ本がありますので、参考にしてみてはいかがでしょうか。Q3:「4歳の娘がいます。今のところ食物アレルギーではないようですが、今後、発症する可能性はありますか?」佐藤先生: 先にも触れたように 、食物アレルギーは生後3~4カ月に発症するケースが一番多いです。お子さんは4歳ということなので、そこまで心配する必要はないかと思いますが、発症しないとも言い切れません。Q4:「食物アレルギーの子どもが誤って原因食物を食べてしまったらどう対処すればいい?」佐藤先生:症状が軽いようであれば、安静にして、医師から指導された内服薬などを服用し様子をみてください。それでも症状が改善されない場合や症状が激しい場合は、すぐに近くの医療機関で診てもらうように。ひどいアレルギー症状の場合は病院での治療が必要になります。 ■近い将来、小児喘息が治る病気に?最後に、食物アレルギー以外の子どものアレルギーについても、最近の傾向や対策などもあわせてうかがいました。――今年の春も花粉がひどかったですね。子どもの花粉症も増えている印象があります。佐藤先生:確かに、花粉症に悩むお子さんは増えてきています。ダニやハウスダストに悩むお子さんも目立ちますね。学童期に特徴的なのが、花粉症を引き金に、果物を食べると口のかゆみや唇のはれをうったえる「口腔アレルギー症候群」を発症するお子さんもいることです。――「口腔アレルギー症候群」は、どんなアレルギーなんですか?佐藤先生:花粉症のお子さんが果物や野菜を食べた時に、唇や口の中がかゆくなったり、違和感を感じたり、唇がはれたりします。軽い症状の人が多いのですが、一部の人は呼吸困難や全身のじんましんなど、ひどい症状が出ることもあります。口腔アレルギー症候群は一度発症すると、なかなか治りにくいのが特徴です。残念ながら今のところ予防策はありませんが、規則正しい生活やバランスのとれた食事を心がけ、免疫力を正常に保つことが大切ですね。――現代に生きている限り、アレルギーは避けられそうもありませんね。佐藤先生:否定はできません…。ただ、医療は急速に進歩していますので、良い治療法も出てきています。アレルギーの一種である喘息(ぜんそく)が、医療の進歩により優れた薬が開発され、ひどい症状にならずに生活できるようになってきていることです。きちんと治療すれば、症状をコントロールできるようになるので、スポーツ選手にもなれるくらい運動しても大丈夫ですし、完治して薬をやめられるお子さんもいます。免疫の誤作動によって突然起こる食物アレルギー。いつ、誰が発症してもおかしくない病気だからこそ、基本的な知識は身につけておいた方が安心ですね。そして、万が一の時に備えて、小児のアレルギー疾患や食物アレルギーにくわしい医師が在籍している近くの病院を調べておきましょう。たとえお子さんがアレルギーと診断されても、落ち込む必要はありません。適切な治療について信頼できる医師に相談し、前向きな姿勢でお子さんと一緒に過ごせるといいでしょう。取材・文/長谷部美佐
2018年05月20日「家族はみんな、これといってアレルギーはなし、うちの子に限って…」と油断していたら、まさかの食物アレルギーを発症。そんな時、どう対応したらよいのか、動揺してしまうママも多いはずです。病院ではどんな治療をするの? アレルギーのわが子に何を食べさせればいいの? 子どもの食物アレルギー専門医・佐藤さくら先生に、具体的な治療法を教えてもらいました。佐藤さくら先生 プロフィール小児科医。国立病院機構相模原病院 臨床研究センター 病態総合研究部 病因病態研究室長。宮崎医科大学医学部卒業後、宮崎大学医学部小児科医員、国立病院機構相模原病院 臨床研究センター アレルギー性疾患研究部 流動研究員等を経て現職に。日本アレルギー学会代議員。日本小児アレルギー学会評議員。『小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2017』ほか多数執筆協力。■年齢によって変化する「アレルギー原因食物」――食物アレルギーと聞くと、まず頭に浮かぶのが卵や小麦ですが、実際はどんなものが原因で発症するのでしょうか?佐藤さくら先生(以下、佐藤先生):たしかに卵や小麦のイメージが強いかもしれませんが、実は発症する年齢によって原因となる食物(原因食物)が変わってきます。乳児期は鶏卵が圧倒的に多いですが、1歳になると魚卵やピーナッツも原因食物として加わってきます。また、学童期に入るとエビなどの甲殻類が原因でアレルギーを発症することも多いですね。原因食物は人それぞれ。表に記載していない食物でも、アレルギーになる可能性があります。食事(授乳)後、お子さんに発疹やかゆみなどアレルギーを疑う症状があった際、まずは小児科の先生に相談してください。 ■除去するだけではダメ「食物アレルギー治療の最前線」――発症後、病院で食物アレルギーと診断されたら、具体的にどんな治療を施していくのですか?佐藤先生:食物アレルギーの治療と管理で大事なことは「必要最小限の原因食物の除去」になります。そのため、まずは原因となる食物を正しく診断してもらうことが大切です。食物アレルギーの治療と管理は、ここ十数年ほどで考え方が変わり、以前は原因食物を完全に除去するような指導が一般的でした。それが近年は 「症状が出ない範囲の原因食物は食べてよい」という指導になっています。お母さん方は発症を恐れて原因食物だけではなく、その他の食物も不安から避ける傾向があります。これでは、お子さんの発育の妨げになる恐れがあります。医師にきちんと何の食物が原因なのかを診断してもらい、不必要な食物除去をしないこと、食べても大丈夫な量を指導してもらうことが大切です。――食べても発症しない程度の量を見極めるのは難しそうですね。佐藤先生:そうですね。そのために病院では「食物経口負荷試験」を行います。この試験は、アレルギーが疑われる食品を少量ずつ患者さんに食べてもらい、症状の有無を確認するもの。その結果に応じて原因食物の“食べられる量”を医師が決定します。食物経口負荷試験の後は、だいたい以下のスケジュールで通院しながら経過を見ていきます。・主治医の指導のもと、アレルギー症状が出ない程度の範囲で原因食物を食べていきます。↓・定期的に病院を受診。6カ月〜1年目安で繰り返し「食物経口負荷試験」を行い、原因食物の“食べられる範囲”を少しずつ広げていきます。↓・最終的に日常的に摂取する量を食べられるようになったら食物アレルギーは治ったことになります。――働くママにとって、食物アレルギーのお子さんの食事を用意するのはハードルが高そうですね。佐藤先生:病院は3カ月に1度程度の割合で受診すればいいですし、今はアレルギー対応食品が多く出回っています。すべて手作りしようと気負わず、こうした便利な食品を賢く使って少しでも負担を軽くしてください。お子さんにとってママの笑顔が何よりの処方箋なのですから!■もしもを防ぐお守り代わり「食物アレルギーサイン」佐藤先生:食物アレルギーのお子さんが持っていて便利なのが 一般社団法人エーエルサイン が普及活動をしている「食物アレルギーサインプレート」など、食物アレルギーをほかの人にアピールするためのアイテム。これは、アレルギーの品目をイラストで表示したプレートで、名札のように衣服につけたり、バッグにつけたり、必要に応じて使い分けることができるんです。――どんな時に使うのですか?佐藤先生:例えば、お友だちの家に招かれた時や、遠足、公園に遊びに行く時など、保護者の目の届かない場所での誤食防止に役立ちます。こうした便利なアイテムを積極的に利用することで、少しはお母さん方の心身の負担が減るのでは? と期待しています。ぜひ活用してみてください。“食物アレルギーのお子さんの食事”と聞くととても難しい気がしますが、今はいろいろな商品が出回っていますし、インターネットで手軽に入手することもできます。便利な時代だからこそ、それらを上手に利用することで、ママもお子さんも笑顔に。食物アレルギーだからといって気負わず、「徐々に改善する」と心に余裕を持つくらいの方が、お子さんも安心して日常を過ごすことができるのかもしれませんね。取材・文/長谷部美佐
2018年05月15日今ではすっかり聞き慣れた「食物アレルギー」という言葉。名前は知っているけれど、実際はどんな症状が出て、どんな治療をするの?大切なわが子がいつ発症しても冷静な判断ができるように、まずは食物アレルギーの「基本の基本」を理解してみましょう。子どもの食物アレルギーを専門とする小児科医、佐藤さくら先生にさっそくうかがってみました。佐藤さくら先生 プロフィール小児科医。国立病院機構相模原病院 臨床研究センター 病態総合研究部 病因病態研究室長。宮崎医科大学医学部卒業後、宮崎大学医学部小児科医員、国立病院機構相模原病院 臨床研究センター アレルギー性疾患研究部 流動研究員等を経て現職に。日本アレルギー学会代議員。日本小児アレルギー学会評議員。『小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2017』ほか多数執筆協力。■年々増え続ける子どもの「食物アレルギー」――そもそも食物アレルギーとはどんな病気なのでしょう?佐藤さくら先生(以下、佐藤先生):食べ物を食べたり、触れたりした時に、その食べ物を体が異物と勘違いして過敏に反応する症状のことです。食物アレルギーは、主に免疫グロブリン(抗体として働く物質の総称)の一つである特異的IgE抗体による体の誤作動によって起こるもの。遺伝ではありません。ただ、なぜ特定の食べ物にだけ過敏に反応するのか、いまだにわかっていないのが現状です。――昔よりも食物アレルギーに悩む子どもが増えていると聞きました。佐藤先生:確かに、私が勤めている相模原病院にもアレルギーで悩むお子さんがたくさんいらっしゃいますが、その数は年々増えているのを実感します。アレルギー患者が増えた理由は、環境の変化が関係しています。現代は昔に比べて街も住まいも清潔になりました。抗菌をうたった商品も多く出回っていますよね。この衛生的すぎる環境が、アレルギーを増やす原因の一つとなっている説もあります。――うーん。ということは、わが子がいつ食物アレルギーを発症してもおかしくないんですね…。ちなみに、いつ頃発症することが多いのでしょうか。佐藤先生:食物アレルギーは下記の5タイプに分かれます。1)新生児・乳児消化管アレルギー(発症年齢目安:新生児期)2)食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎(発症年齢目安:乳児期)3)即時型症状(発症年齢目安:乳幼児期)4)食物依存性運動誘発アナフィラキシー(発症年齢目安:学童期〜成人期)5)口腔アレルギー症候群(発症年齢目安:学童期〜成人期)このうち、もっともポピュラーなのが、2)の食物アレルギーに関与する乳児アトピー性皮膚炎で、生後3~4カ月に発症することが多いです。つまり、離乳食前の母乳やミルクを飲んでいる時期ということですね。ほっぺやおでこに赤いポツポツができたので乳児湿疹だと思い小児科を受診。スキンケアやステロイド軟こうを使用して適切な治療をしても湿疹ががなかなか良くならず、最終的に食物アレルギーだと判明することがよくあります。もちろん、離乳食を機に3)の即時型症状のタイプで発症することもあります。いずれにせよ、乳幼児期に発症するケースが大半です。――そんな早い段階で発症するんですね…。佐藤先生:そうですね。でも、そこまで悲観的にならなくても大丈夫。乳幼児期に発症した場合、原因食物によっても異なりますが、およそ50%のお子さんが3歳までにアレルゲンとなる食物を食べられるようになり、小学校就学前までにおよそ90%のお子さんが原因食物を食べられるようになります。つまり食物アレルギーが治るということです。 ■この症状が出たら食物アレルギーのサイン?――乳幼児期の食物アレルギーは日本特有なのですか?佐藤先生:いいえ、先進国では日本と変わらず患者数は年々増えています。興味深いのが、原因となる食物の違いです。たとえば日本では鶏卵が多いのに対して、アメリカではピーナッツが多いです。また、ヨーロッパでは牛乳や鶏卵以外に果物やナッツ類の食物アレルギーも注目されています。食生活の違いが、食物アレルギーの原因となる食物に影響していることのあらわれといえるでしょう。――食物アレルギーにかかると、どんな症状が現れるのですか?佐藤先生:いろいろな症状があるのが特徴といえます。食事(授乳)後、しばらくして下記のような症状が現れたら、まずはかかりつけの小児科で診てもらうことをおすすめします。「皮膚症状」あかみ、じんましん、はれ、かゆみ、しゃく熱感、湿疹。「粘膜症状」白目の充血・はれ、かゆみ、涙、まぶたのはれ。鼻水、鼻づまり、くしゃみ。口の中・舌のかゆみ・違和感、くちびるのはれ。「呼吸器症状」のどの違和感・かゆみ・締め付けられる感じ、声がかすれる、飲み込みにくい。せき、のどが「ゼーゼー」「ヒューヒュー」する、胸が締め付けられる感じ、息苦しい。唇や爪が青白い。「消化器症状」気持ちが悪くなる、おう吐、腹痛、下痢、血便。「神経症状」頭痛、元気がない、ぐったり、不機嫌、意識がもうろうとする、尿や便をもらす。「循環器症状」血圧低下、脈が早い、脈が触れにくい、脈が不規則、手足が冷たい。顔色・唇や爪が白い。かかりつけの小児科で診てもらっても症状が改善されない場合は、専門医が在籍している病院で診てもらいましょう。できれば、食物経口負荷試験を行っている病院か小児アレルギー専門医のいる病院がおすすめです。 ・食物アレルギー研究会(食物経口負荷試験 実施施設一覧) ・日本アレルギー学会(専門医・指導医一覧) 取材・文/長谷部美佐
2018年05月09日私の娘は可愛くない
パパン奮闘記 ~娘が嫁にいくまでは~
あり子のワーママ奮闘記