発達障害のある子どもにどんな対応をすればいいのか私は児童精神科医として30年以上、発達障害のある子どもたちの診察を続けてきました。今回は、発達障害のある子どもの育て方を考えるきっかけとして、3つのクイズを用意してみました。お子さんをイメージして「うちの子の場合は」「自分だったら」と考えながら、答えを選んでみてください。Q1. 集団遊びに入ろうとしないときは、どう対応する?幼稚園に、いつも一人で遊んでいる子どもがいます。みんなで園庭に出て遊ぶとき、ほとんどの園児は自然に集まってボール遊びなどを始めますが、その子どもは一人で虫を探したり、葉っぱを集めたりします。クラスメートや先生に誘われても、集団遊びに入ろうとしません。どんな対応をすればよいでしょう?A1. 全員参加型の遊びを企画して誘うA2. その子の興味を引けるよう、いろいろな遊びに誘ってみるA3. 一人で遊びたい気持ちを尊重する出典 : 親や先生は一人遊びをしている子を見ると、「友達づき合いが苦手なのかな」「どうすれば、みんなと仲良く遊べるようになるだろう」などと考えてしまいがちです。でも、「楽しく遊ぶこと」と「仲良くすること」は分けて考えましょう。遊びの目的は「楽しむこと」です。「仲良くすること」ではありません。楽しく遊んでいるうちに、気の合う仲間と親しくなることがありますが、それはあくまでも結果です。最初から仲良くしようとして遊んだわけではありません。遊びの場面では「楽しむこと」を大事にしましょう。というわけで、正解は3です。子どもが一人で虫を探したいと思っているのなら、その思いを尊重してあげてください。ただ、2のような対応も決して悪くありません。いろいろな遊びに誘ってみると、子どもが興味を示すこともあるでしょう。そうやって遊びの幅が広がっていくこともあります。無理やり誘うのはよくありませんが、声をかけるのはよいと思います。1の全員参加型も、機会をつくること自体はよいのですが、強制参加にならないように注意しましょう。Q2. 一人だけ先に給食を食べてしまうとき、どう対応する?小学生の例です。給食のときに、ある生徒は、一人だけ先に食べ始めてしまいます。先生には「みんなの準備が終わって、全員そろって『いただきます』と言ってから食べるんだよ」と言われていますが、自分の分が準備できると、つい手が出てしまいます。どんな対応をすればよいでしょう?A1. イラストや写真で手順表をつくって、それを見せながら教えるA2. マナーを覚えていけるように、何度でも同じことを教えるA3. 別室で待機してもらい、給食の準備が終わったら呼んでくる出典 : おすすめの対応は1と3です。口頭で何度も指示をしても伝わらない場合、1のような形で別の伝え方をしてみるとうまくいくことがあります。発達障害のある子どもには、話し言葉よりも書き言葉やイラスト、写真などのほうが理解しやすい場合があります。また、暗黙の了解を察するのは苦手だけれど、しっかり説明されれば理解できるという場合もあります。いろいろな伝え方を試してみてください。2のように、じっくりと対応するのもよいのですが、話し言葉を聞き取るのが苦手だったり、聞いて覚えても時間がたつと忘れてしまったりということもあります。何度試しても難しい場合には、別の方法に切り替えたほうがよいでしょう。3は一見、教えることを放棄した対応のように見えるかもしれませんが、これもひとつの正解です。教わったことを忘れてしまう場合や、好きな食べ物が目の前にあると衝動に負けて手が出てしまうケースもあります。その場合には環境を変えるのも一つの対応法になります。発達障害のある子どもは、さまざまな困難があるから、発達障害だと診断されます。何度教えてもうまく伝わらない場合には、「この子にとってなにが難しいのだろう」「どんな伝え方をすれば理解しやすくなるのだろう」と考えることが大切です。そうやって考えていった結果、伝え方ではなく環境を変えようというのも、一つの解決策になるわけです。「環境を変える」という意味で言うと、私は「みんなで一斉に食べ始める」というルール自体を変えてしまってもいいのではないか、とも思います。Q3. 勉強が苦手で宿題に時間がかかる場合の解決策とは?勉強が苦手で、宿題にすごく時間がかかってしまう小学生がいます。親や先生にいろいろとサポートしてもらってもうまくいかず、鉛筆を持つことさえ嫌になってしまいました。子どももストレスを抱え、親や先生もイライラするようになってきています。どんな解決策があるのでしょうか?A1. 親も疲れてしまうので口出しをやめて、本人のペースを見守るA2. 難しすぎるので親が手伝うA3. 宿題が多すぎるので、親から先生に「減らしてほしい」と相談する出典 : おすすめの対応は3です。この場合、子どもはなにも悪くありません。宿題の設定の仕方に課題があります。宿題が適切な量や難易度で出ていれば、子どもは30分もかからずにパパッと済ませられるでしょう。宿題に時間がかかり、鉛筆を持つことさえ嫌になるということは、宿題の設定を見直すべき状態です。3のような形で先生に宿題を減らしてもらうか、それが難しければ、親が宿題の量を調整することも考えましょう。私はそもそも子どもたち全員に同じ量の宿題を出すことは意味がないと思っています。勉強が好きであれば、宿題がなくても自分から勉強するでしょう。勉強が嫌いならば、宿題が負担で勉強がさらに嫌いになってしまうかもしれません。「宿題はいらない」という解説を読んで、みなさんは「そうは言っても勉強はしっかりさせなくては」「宿題で学習習慣をつけることは大事」と感じたかもしれません。確かに、常識的に考えればそうでしょう。「着替えや食事のようなことはあとで学んでいけるけれど、勉強で遅れが出てしまっては将来に響く」と考える人もいるかもしれません。しかし私はそのような考え方を聞くと、「まずは身のまわりのことを教える必要がある」と思います。子どもにとってもっとも大切なのは、基本的な生活習慣です。発達障害のある子どもの場合、生活習慣は特に大事です。着替えや食事などの基本的な生活習慣を自分なりにできるようになっていかないと、それこそ将来に響くと考えています。発達障害のある子どもにとって、一番大事なことクイズと解説のなかには「給食に手が出てしまうなら別室で待機する」「宿題が嫌なら量を減らす」といった、やや極端な対応法も紹介しました。そんな極端に思える対応の根底にあるのは「子どもを主役にする」という考え方です。発達障害のある子どもには、さまざまな特性があります。大多数の子どもたちと同じやり方をしていては、うまくいかないこともあります。そんなとき、親や先生が常識的なやり方や、大人がよいと思うやり方を優先して、子どもに無理をさせていては、その子どもはいつまでたっても自分らしいやり方を見つけられないのではないでしょうか。発達障害のある子どもの個性はさまざまです。このような解説を参考にしながら、使えそうなアイデアをピックアップしてみてください。
2021年12月02日合同会社ルネサンス・ジャパン(社長兼最高経営責任者(CEO):前田 和真、所在地:東京都豊島区)は、東京都豊島区池袋にて、推薦型・総合型選抜(旧AO入試)専門塾「Compass Labo」を開校します。Compass Laboロゴ●Compass Laboとは?推薦型・総合型選抜(旧AO入試)での大学進学を実現するための塾になります。「Compass Labo」とは、「人生の羅針盤を見つける実験室」です。「自分の人生でやりたいことや果たしたいこと」を試行錯誤しながら見つけ、その「やりたいこと」を果たしていくための塾になります。また、「Compass」には「共に(Com)」+「歩む(Pass)」という意味があり、「大学受験が終わって卒業したら終わり」という今までの大学受験塾のあり方ではなく、「生徒の人生の伴走者でありたい!」という想いも込められています。●推薦型・総合型選抜(旧AO入試)とは?「AO入試」という名前の方が聞き馴染みがあるかもしれませんが、学力のみが問われる一般選抜と異なり、「人間力や自己表現力、文章表現力」などが総合的に問われる方式となります。推薦型・総合型選抜の主な選考方法は、「書類選考(志望理由書など)・面接試験・小論文・グループディスカッション」となります。この入試方式で合格し入学した生徒は、以下の特長を持っています。・自分のやりたいことが明確であること・そのやりたいことを適切に伝えられる表現力や説得力があること・自分の学修計画や向学心が強くあるため自走的な学習を行えること(高校在学時も大学進学後もこの姿勢は持続します)「Compass Labo」では大学進学はあくまで“通過点”であると認識しており、上記のような「学びの自走力」を持った生徒を育成し、生徒自身の人生を生徒自身の手で切り拓いていく力を養成していきます。このような考え方は、カリキュラムに反映されています。●「Compass Labo」のカリキュラムについて「Compass Labo」では、「小論文・面接練習・プレゼンテーション・グループワーク・ディスカッション・自己分析・リサーチ・プログラミング・動画制作など」が多岐にわたる力が学べます。コースは、高校1年生~高校3年生ごとに設定されており、それぞれのフェーズにあったプログラムが用意されております。大学入試指導については、進路指導のプロフェッショナルが、プログラミング教育についてはプログラミングスクールの経営者が実施します。詳しくは、今後、ローンチされる「Compass Labo」のWebページをご覧ください。●なぜ「Compass Labo」なのか?■大学の推薦型・総合型選抜の対策ができる!大学の入学者のうち、推薦型・総合型選抜の合格者の割合は、45%にも上っています。更に私立大学に限ると56%と半数を超えています。推薦型・総合型選抜を上手に活用して大学に進学する生徒が増えているのです。Compass Laboでは、推薦型・総合型選抜に必要な志望理由書の書き方、面接・小論文などの対策を網羅的に行います。また担当する講師は大学入試のプロや大学で実際に教壇に立っている者なので知識0からでも心配なく通塾頂けます。■やりたいことや夢が見つかる!やりたいことや夢があることは、推薦型・総合型選抜で合格することにおいて非常に重要な点になりますが、それ以上に豊かな人生を送るという点において不可欠であると感じています。さまざまな調査でもおよそ半数以上の大人が「やりたいことがわからない」と回答しています。Compass Laboでは、経験豊富なスタッフが、子どもたちに自分のやりたいをことを明確に見つけてもらい、そのキャリアを実現するためのサポートを全力で行っています。■ビジネスシーンで役立つスキルやプログラミングや動画編集も学べる!Compass Laboの授業は、大学入試だけではなくその後のキャリアもイメージして設計されています。そもそも大学入試合格をその生徒の人生における一つの通過点であると捉えています。したがって、大学入学後や就職活動時、具体的なビジネスシーンでも役立つスキルやノウハウも伝えていこうとしています。具体的には、ロジカルシンキングやリサーチ、プレゼンテーションスキル、また自己を表現する方法としてプログラミングや動画編集も学ぶことができます。■シェアスペース利用のため安い!Compass Laboはシェアスペースを利用しているため、比較的安く通塾できます。一方、他社さんでは、授業料以外にもたくさんの支出(※)が予想されます。更に、推薦型・総合型選抜は秋期に試験日が集中しているため、2月まで通塾が必要な一般選抜の受験生に比べて通塾期間が短くなり経済的負担が軽減されることも魅力の一つです。また、模試受験料なども不要なため、「Compass Labo×推薦型・総合型選抜」という選択はかなりお得なものであると言えます。※入塾料(約30,000円)、担任指導費(約30,000円)、模試受験料(年間約25,000円)、夏期講習・冬季講習(50万~100万)など■PBL型の授業でやらされる勉強からやりたい勉強へ!皆様はPBL(=Project Based Learnig)という言葉をご存知でしょうか?PBLとは「課題解決型学習」と訳され、生徒が自ら課題を見つけ、その課題を解決するまでのプロセスでさまざまな知識を得ていくという学習方法です。この手法を用いることで、知識を得ることよりも自分で学ぶ喜びや学び方を学ぶことができます。Compass Laboでは「学びの自走力」というものをテーマとして掲げています。大学入試のその先も学び続ける生徒に育てていきたいと考えています。■オンラインや動画で個別のサポート!Compass Laboでは効率的に面接練習を行うために、対面だけではなくオンラインも活用し、数をこなすことを大事にしています。面接練習も今までの受験生の質問内容がノウハウとして蓄積されているため、質問されやすい内容を中心にシステマチックに対策することが可能です。また専属メンターも付くため、パーソナライズされたサポートを提供できます。そして授業を休んでしまった場合でも塾生のみがアクセスできるような動画でアフターフォローも行います。●会社概要会社名 : 合同会社ルネサンス・ジャパン所在地 : 東京都豊島区西池袋2-9-9-102 グリーンシーダ102代表者 : 社長兼最高経営責任者(CEO) 前田 和真設立日 : 2020年7月1日事業内容: 教育事業ほかURL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年12月02日オンラインで開催された合同学術集会「つながる」ダウン症を発見したジョン・ラングドン・ダウン博士の誕生日が11月18日であることから、日本ダウン症会議は11月中旬に開催されます。2017年の第1回から2年ごとの開催で、今回、第3回を迎えました。今回は初のオンライン開催。そして、第44回日本小児遺伝学会学術集会・第3回日本ダウン症学会学術集会とともに3会の合同学術集会「つながる」として、2021年11月12日(金)~14日(日)の間、開催されました。埼玉県立小児医療センター遺伝科の大橋博文先生による、大会長講演「先天異常症候群の包括的支援」から内容を要約・抜粋します。大会長講演より「病気について知ったときの不安や孤独を解消していくのは支援と『つながる』こと」先天異常症候群、遺伝的な疾患はほんとうにさまざまなものがあります。埼玉県立小児医療センター遺伝科で2005~2015年に初診があったのは3518名、そのうちダウン症候群は934名でした。一方で、希少疾患に関しては、年間に1人しかいない病気や、診断がつかない病気も少なくありません。もちろん、個々の疾患の治療法も大切ですが、同時に療育(医療)や、さらには地域・社会資源とどうつながっていくのか、ということが課題となります。埼玉県立小児医療センターでは、病気が分かったときの病院の対応についての調査をしています。病院側の対応について、不満があると答えた保護者は約50%に上ります。また、体の合併症などについては、約8割の人が不安には感じているけれども、ほしかった情報に関しての順位は低く(回答は4割以下)、つまり、疾患そのものの情報提供はあるけれども、保護者の多くが知りたいのは、今後の心身の発達がどうなっていくのか、育児や療育の情報について、だということが分かります。このことから同医療センターの取り組みとして、1989年(平成元年)から始まったのがダウン症候群総合支援外来(通称DK外来)です。理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)、臨床心理士といったスタッフによる勉強会、家族交流会などを実施して、生後1年にわたるサポートをしています。このDK外来の参加者アンケートでは、「ダウン症のある子がたくさんいて、その親もたくさんいて、自分だけじゃないと思い、悲しさが薄れました」という声があがっています。一人ではないことが分かり、「つながる」ことで不安がなくなっていくということが伺えます。さらに、ダウン症以外の障害のある子育てをしている保護者グループとの連携をとることで、活動の幅は広がっています。不安と孤独を埋めてくれるのは、周りの人たちと「つながる」ことなのです。本人発表より「コロナ禍で、『つながる』ことで元気づけられるのは、ダウン症がある人たちも同じ」日本ダウン症会議では、第1回開催から、ダウン症のある当事者が、自分の言葉で発表をする場があります。今回の合同学術集会でも、東京学芸大学教育実践研究支援センターの橋本創一教授が座長となり、今回は3名の発表者を迎えました。発表のあと、それぞれ橋本先生との一問一答があります。Upload By 発達ナビ編集部矢野裕奈(やのゆうな)さんは、千葉県の15歳。中学3年生です。毎日楽しく通学し、部活は園芸部、趣味はダンス、カラオケ、乗馬。また、劇団「人の森ケチャップ」での活動をしています。さまざまな個性をもつ人たちと、一緒に踊ったり舞台に立つことが楽しく、それ自体が「まぜこぜの社会」の実現であることについて、写真スライドを映しながら発表しました。「私は、大好きなことに囲まれて幸せです」と話してくれた一方で、コロナ禍になって、会いたい人に会えなくなったり、会えないままのさようならも経験したりしたそう。感染拡大はとても悲しいこと。それでも、自分に起こっていることはガマンできるから、「私ができることを頑張りたいです」と結びました。矢野裕奈さんと橋本先生との一問一答より橋本創一先生(以下――)自分のことを強いと思いますか?弱いと思いますか?裕奈さん:強いです。――どんなところが?裕奈さん:コロナに勝つために、みんなのために予防すれば私は強いと思います。――高校生になったら、どんなことがしたいですか?裕奈さん:高校生になったら、勉強を頑張りたいし、お芝居も続けていきたいです。Upload By 発達ナビ編集部恒矢信輝(つねやのぶてる)さんは、三重県に住む27歳。障害者2名でのシェアハウス暮らしは5年目に入りました。マンションの一室で、ヘルパーの支援を得て自立生活しています。就労支援継続B型作業所まで電車で通勤し、野菜の水耕栽培に従事。スペシャルオリンピックスでは馬術の選手で、競泳、テニスなどもしています。また、ピアノとミュージックベルでのイベント出演も楽しんでいます。発語がない信輝さんに代わって、発表は母の景子さんがサポート。普段の生活の様子を記録した動画なども上映しました。食事の支度などはヘルパーさんと一緒にしますが、料理をする中でうまくできたことをほめられると、とても印象的な笑顔が見られます。実はお母さんがいないときのほうが、のびのびしているという姿が見られ、自立心のあらわれでもあることが伺えました。恒矢信輝さんと橋本先生との一問一答よりふだんはマカトンサインや手話でコミュニケーションしているため、橋本先生からの質問に対する回答を景子さんが選択肢を指で示し、信輝さんが選ぶという形で進行。――一人暮らしは楽しいですか?信輝さん:楽しい。――どんなところが楽しいですか?信輝さん:「母がいないこと」(「私(母)がいないこと」、「食べること」、「一人で過ごすこと」の選択肢からの答え)。――一人で暮らすのはいいですね。ビデオを見ていても、びっくりするくらい一人でできることが増えていて素晴らしいと思いました。Upload By 発達ナビ編集部金子衛(かねこまもる)さんは、東京都に住む24歳。会社員として、野菜の栽培の仕事をしています。収穫した野菜を持ち帰るときもあり、家族が喜んでくれるのが嬉しいそう。習い事は、ヒップホップダンス、習字、ピアノ。趣味はバドミントン、料理、映画観賞、音楽を聴くこと。「僕の毎日は楽しいことであふれている」と、趣味や習い事を楽しむ姿の写真スライドとともに発表したあと、金子さんは、ご自身が入院したときの経験を発表しました。昨年1月と7月と2回腸捻転を起こし、2度と起こさないようにするために手術となり、3週間近い手術入院を2回することになりました。親の面会もできないなか、どう乗り切ったかについて発表しました。入院を乗り切れたのは、やさしく接してしてくれた看護師さんや先生の存在、家族やダンス仲間からの励まし、大好きな乃木坂46、洗濯物を届けてくれたお母さんに会えた数分間などでした。こうした経験から、入院して孤独で不安なときに大切なこととして、「人とのつながりが元気をくれるということ、大好きなことがあると、大変なことを乗り切れるということ。もし、入院するときは、好きなものを持っていくことをおすすめします」とまとめました。金子衛さんと橋本先生との一問一答より――2回の入院大変でしたね。「つながる」ことの大切さ、よく分かりました。衛さん:つらかったです。――今日の発表は誰に見てほしいですか?衛さん:みんなです!(いい笑顔)――ところで、一人暮らしはしてみたい?衛さん:それはありません(きっぱり)。おうちがいいです。大変です。洗濯物とか、家事とかあるから。おうちでも(家事は)やってるけど、一人暮らしは大変だと思います。3人の発表後、橋本先生からは、今、ダウン症のある人について研究するという時代はそろそろ終わり、これからはダウン症のある本人や家族が、どういうことを研究してほしいかという段階に入っている、とのまとめがありました。「こうした本人の発表を通して、どんな自己理解をされていて、自己実現をしているのか。障害のあるなしに関わらず、ダウン症のある人もない人も、どうやって豊かな生活を営んでいきたいかが大切です。それを支えるためには、どんな課題があるのかを研究するためには、本人からの発信に常に耳を傾けていかなくてはいけないでしょう。話し言葉で表現するのが苦手な方が多いので、まわりの家族や私などが先回りして言ってしまうと、「うん」「そう」「はい」と答えてしまうこともあるので、ほんとは違うことを思っている場合もあるとは思います。こうしたご自身の言葉での発表は、そのまま問題提起となり、私たちはさまざまなことを考えさせられます。今後研究していくべきことを、提供してもらったと思っています」市民公開講座より基調講演、作家・岸田奈美さん「ダウン症のある弟が越えるべき壁を自分の壁にしてはいけないと思った」Upload By 発達ナビ編集部作家・岸田奈美さんは、母のひろ実さんが車椅子ユーザー、弟の良太さんはダウン症があり、お父さまは奈美さんが中学生のときに他界という家族構成。てんやわんやの日常を切り取り、ときに泣かせ笑わせるエッセイが人気です。「100文字ですむことを2000文字で書く」というキャッチフレーズ通り、豊かな表現で読む人の共感を呼ぶ文章を書く作家ですが、基調講演でもその饒舌ぶりが発揮されました。Upload By 発達ナビ編集部「私は特殊な家族で、平凡な日常を送っています。岸田みたいな人間もいるんだと思ってください。岸田みたいじゃなくてよかったなと思って聞いてほしい!(笑)」という言葉から始まった基調講演。3冊の著作『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』、『傘のさし方がわからない』、『もうあかんわ日記』に収録されている家族を巡る数々のエピソードを、関西弁まじりのご自身の言葉でライブ感たっぷりに語りました。笑いと涙と、どんなにつらい経験だったろうと想像しがたいエピソードもたくさんありました。良太さんがいかに、周りの人から愛されている存在なのかは、エッセイの端々に表れていますが、そういう存在になったのも、「言葉でのコミュニケーションがほとんどできない弟に、母が『ありがとう』『ごめんなさい』『こんにちは』だけはしっかりと覚えさせていたから。人見知りのお姉ちゃんより、味方をつくっているんです」と話していました。講演後、市民公開講座の司会の長谷部真奈見さんとの対話の時間がありました。Upload By 発達ナビ編集部長谷部真奈見さん:最新の本『傘の差し方がわからない』のエピソードで「60歳になったときの自分の姿が見えなかった」というところ、しみじみと読みました。奈美さんが、母と弟と離れて暮らす姿を思い浮かべることができなかった、とありました。私自身も、今小学生のダウン症のある娘と、いつか離れて暮らすなんて考えられないと思ったんですよね。岸田奈美さん:悲しいですよ、やっぱり。私が先に死んだらとか、弟が死んだらどうしようとか、順番からしても母は私よりも先に亡くなるだろうし、とか…何回想像しても何回でも悲しいです。ひとりぼっちだったらとは思うけれど、それは私がどれだけ考えても、どうにもならないことなんです。お金を残すとか、弟にとっていい場所を見つけるとかはできますが、それ以上は限界があります。だから、弟が越えるべき壁を、自分の壁にしちゃだめだなと思ったんです。弟がさみしい思いをするとか、ひとりぼっちになるということは、彼が人生の中でぶち当たる壁なんです。それを私が先回りして、弟にとっていい環境ばかりを用意していたら、彼にとってよくない環境に出合ったときに、自分で助けを求める力を奪うことになるんじゃないかと、思ったんです。弟が大好きだから、弟がつらい未来は考えただけでつらい。でも、私が一生家族のめんどうをみることが大事なんじゃなくて、自立と言うのは、できるだけ依存する先を増やしていくことだと思うんです。味方を増やしていく。私がエッセイを書いているのは、味方を増やすためという一面もあるんですけど、もし私が死んでも、ひとりぼっちになった弟を見て、「あれは奈美さんとこの弟じゃないか」と声をかけてくれるかもしれない。それだけでいいんです。あとは弟がそれまでに培ってきた人生を、しゃべれないなりに人と関わってきた人生を、信じるしかない。できるだけ傷ついてほしくないけど、彼が傷つく機会を奪ってはいけないと思っています。まとめ日本ダウン症会議をはじめとする今回の合同学術集会を通じて感じられたのは、障害のある人たちが成長して成人期になったときに、自分らしく自立して生きていくためには、周りの人の考え方、環境がとても大事であることでした。その人の、できないことを克服することに焦点を当てるのではなく、その人ができることをできるだけ伸ばすこと、そして周りの人と「つながる」こと。障害のあるなしにかかわらず、子どもの将来を考えたときに不安は尽きないものです。でもその不安を超えさせてくれるのは、やはり「つながる」というキーワードなのでした。合同学術集会「つながる」ホームページ全日程プログラム、演者一覧
2021年12月01日小学校でも支援を受けていたけど、日本語で発達障害を理解し子どもに伝えたかったIさんは25年以上前に渡米し、アメリカ人とご結婚。お子さんは現在9歳で、ADHD、不安症、反抗挑戦性障害(Oppositional defiant disorder ; ODD)と診断されています。Iさんは、2歳ごろからお子さんにADHDの可能性を感じ、診断前から地域の幼稚園で行動療法の先生をつけてもらうなど、支援を受けていました。ところが、小学校に上がるとさまざまなトラブルが起こり、合理的配慮を得るために6歳のときに診断書をもらうことに。そして2021年から、『発達ナビPLUS』を使い始めました。――今、お子さんはアメリカの小学校でどのような支援を受けていますか。Individual Educational Plan(個別教育計画)という、その子に合わせた学習支援として、1週間に1回カウンセラーの先生と個人的なセッションを受けたり、グループで遊びながらスキルを学ぶ時間をとってもらったりしています。aid(支援員)もついています。こう話すと支援が充実しているように思われるかもしれませんが、ここまでたどり着くには、自分で調べて学校に対してかなりしっかり自己主張しなくてはならなかったという経緯があります。主張しないまま学校に居づらくなって転校する人もたくさんいると思います。――そうだったのですね。充実した支援を受けられていながらも、『発達ナビPLUS』を利用しようと思ったのはどうしてでしょうか。日本語で、自分の子どもの特性や状況に合わせたアドバイスがほしいと思ったからです。たしかに、発達障害の支援に関してアメリカは進んでいると思いますし、英語で調べれば多くの情報を得ることができます。普段の日常会話では、いちいち日本語に変換したりはしませんが、こうした発達障害や子育てのことは、頭の中で日本語で一度理解して、今自分が何をしているのか、次は何をすべきかを整理してからでないと先に進めなくて。カウンセラーや行動療法の先生に英語でアドバイスを受けたり相談したりして、言われたことを行動に移してはみるけれど、やはり私自身の身についていない感じ、腹落ちしていない気がしていました。それでは、子どもにも伝わっていないだろうなあと。また、本を読んで理解したとしても、書いてある通りにはいかないですよね。場面によっても違うし、子どもによっても違う反応になります。結局、情報を英語で読んでいても日本語で読んでいても、「わが子ならどうなのか」が重要だと思いました。――それで日本語で検索してみたということですね。はい。日本語で、「ADHD発達障害」といった言葉で検索しました。そうしたらずいぶんたくさんの情報があることに気づきました。なんだ、もっと早くアクセスしてみればよかった!と思いましたね。そして、検索して見つけたLITALICO発達ナビPLUSのオンラインセミナーに参加したところ、『発達ナビPLUS』を知り、良い機会かなと思って入ることにしました。Upload By 発達ナビ編集部アメリカは精神科医のアドバイスを受けるだけでも高額。『発達ナビPLUS』は費用的なメリットが大きかった――『発達ナビPLUS』を利用しようと思われたポイントはどんなところにありましたか。まずは、日本語でさまざまなサービスを受けられるということ。そして、費用の面は大きかったです。アメリカでは医療費が高額で、さらに精神科医による診断は保険がきかないので、1回の受診が最低でも400ドルから、アドバイスや療育を受けようと思うと2,000~6,000ドルくらいかかるのです。アメリカでは、スペシャルニーズがある子どもがいる家庭は、そうでない家庭よりも1年で150万円くらい余計に費用がかかるとも言われているし、私自身も、そのことを実感しています。たしかにアメリカは、療育についての研究は進んでいるし支援もあるのですが、それを利用するには非常にお金がかかるというのが現実です。それにくらべると、『発達ナビPLUS』は、月額3,000円程度で『個別ケース相談』や勉強会の『ライブ配信』で、専門家の意見を聞けるし、教材も自由にダウンロードできる。しかも日本語。こんなに「使える」サービスはないなと思いました。勉強会にオンラインで参加すると、専門家にチャットで質問ができて助かる――実際に使ってみて、特に役立ったのはどのメニューですか。勉強会の『ライブ配信』です。はじめのころは必死だったので、自分の子どもの年齢に当てはまるテーマは、ほとんど参加していました。13時間の時差をこえてでも、参加したいと思う内容でしたね。アメリカで個別の相談をしようと思うと、金額の問題もありますし、とにかく予約待ちの期間が長いのです。それが『ライブ配信』では、勉強会の最後にチャットで専門家に質問できて、核心をついた答えが得られるのです。その場で解決できることに感謝しました。――印象に残っているのは、どのような勉強会でしたか。薬に関しての勉強会ですね。そのころ、子どもに薬を飲ませるかどうかで1年くらい悩んでいたときでした。薬以外のできることをやったあと、2人の医師に全く違う効果の薬を提案されていました。そのことを小児科医の先生にチャットで質問したら、お答えいただける範囲でそれぞれの薬の特徴や用法を聞くことができました。また、「いつ子どもに、発達障害があることを伝えるか」というテーマの勉強会で、精神科医の先生の「今すぐですよ」という言葉も、薬を飲ませることに関してあと押しになりました。どういうことかというと、薬を飲むかどうかは、子ども自身で決めたほうがいいと思っていたのですが、そのためには、子どもにADHDであることを伝えなくてはなりません。本人に、いつ・どう知らせようかと躊躇していたのですが、先生の言葉をきっかけに、子どもに伝えることができました。その結果、子どもが自分で決めて薬を飲むようになりました。――『個別ケース相談』のほうはいかがでしたか。メールでの『個別ケース相談』は、3回ほど利用しました。何科に相談したらいいのかわからないことがあって、症状を説明して聞いてみたら、考えられる可能性を提示していただけました。やみくもに病院に行くことは費用や時間の面からも難しいので、専門家の意見を事前に聞けたことは大きかったですね。ほかの相談をしたときも、いろいろな可能性を考慮して、専門家がこまやかに回答してくれました。「あ、そういう観点からも考えられるか」といった気づきをもらえるので、とても助かっています。日本語で得られたアドバイスは、子どもにも伝えやすく感じています。駐在員の方は、帰国後も療育コンテンツを使えるのではと思います――海外に住んでいる方で、これから『発達ナビPLUS』を使う人へのメッセージはありますか。海外に永住している私のような方には、待ち時間なしで日本の先生に聞きたいことをチャットで聞ける勉強会の『ライブ配信』をぜひ試してほしいと思います。駐在の方はいずれ日本に帰られると思いますが、日本に帰っても継続して『発達ナビPLUS』を活用できると思いますよ。それから、親自身のケアの意味でもおすすめしたいです。子どもが学校で何かトラブルがあったとき、子どもは学校でセラピーを受けられるかもしれないけれど、親自身のセラピーはなかなかないですよね。『個別ケース相談』などを使って、日本語でしっかり吐き出すことも大事なのかもしれません。――ありがとうございました。取材・文/関川香織Upload By 発達ナビ編集部発達が気になるお子さんの保護者さま向けサービス『発達ナビPLUS』では、オンラインで医師・心理士など発達支援にかかわる様々な専門家と繋がり、個別相談や勉強会を通して、子育てをサポートします。― 発達ナビPLUSの3つの特長 ―1.「わかる」から「解決」まで子どもの行動の「どうして?」が分かれば、「こうすればいいんだ!」につながります。『発達ナビPLUS』では、各ご家庭に合わせた個別最適な手立ての実践までサポートします。2.50名以上の専門家がサポート医師、心理士などの発達支援の専門家が50名以上在籍。どこにも相談できなかった悩みも、幅広い専門性で納得いく解決策をご提案します。3.「すきま」でプラス忙しい育児の味方!5分でわかる解説動画も多数あります。スマホ一つでいつでも、どこでも子育てのヒントを。くわしくは、お得なクーポンも配布中の以下よりご確認ください。
2021年11月27日小3からゴールキーパーのレギュラーだったのに、隣町からエース級の子たちが入団してきた影響でベンチに。ずっとキーパーとしてやってきたので、フィールドプレーヤーとしてのテクニックがなく、控え選手として出場することもない。勝利至上主義で、上手い子が偉いというカーストができている。努力は報われると教えてあげたいが、何が正解かわからない。というお悩みをいただきました。今回もスポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、悩めるお母さんに心を軽くするアドバイスを送ります。(文:島沢優子)(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<贈り物をする親の子をえこひいき。暴力暴言もあるコーチを何とかしたい問題<サッカーママからのご相談>はじめまして。よろしくお願いいたします。現在小6の息子は3年生から主にキーパーとして日々頑張っています。4年生の終わり頃、隣町からエース級の子が3人入ってきて、それまでいつもスタメンで出ていたフィールドの子が押し出し式で控えになる機会が多くなりました。そして、その中でも運動神経のよいフィールドの子がキーパーに回され、いつもキーパーをやっていた息子はベンチに座っていることが多くなりました。3年生からキーパー練習メインでやってきたので、フィールドのテクニックは正直言って他の子より劣ります。なのでフィールドの控えとして出場する機会もなく、キーパーの控えでずっとベンチを温めている状態です。勝利至上主義のチームで、指導者から子どもたちに対しての心の指導がありません。親も口出し禁止のルールがあります。勝つことがすべて。強いことがすべて。上手い子が偉い、上手くない子は偉くないというカースト制が生まれ、主導権のある上手い子が好きな子指名してチームを作り紅白戦をしています。いつも最後に指名される子は決まっています。 月一回、県主催のキーパートレーニングがあり、息子もぜひ参加したいということで、車で2時間かけて参加し、専門的なトレーニングを受けてきました。どんどん上達していく息子。すごく自信がついたようです。県内のキーパーの子との交流も深まりいい経験になったなとうれしく思いました。そして、全国大会の県予選が始まりましたが、息子はやはりベンチです。「試合に出なくても、みんなのために自分ができることを探して頑張れ!」息子にそう伝えました。ひたむきに休まず練習に行って、専門的な練習をして頑張っても、実力主義のチームではベンチです。頑張っている息子は子どもたちの中では雑魚扱いです。指導者もそんな空気スルーです。このわだかまりをどうしたらいいのか、努力は報われると息子に教えてあげたいのですが、何が正解かもわからなくなってきました。母親としてどうすればいいのでしょうか。教えていただきたいです。<島沢さんのアドバイス>ご相談いただき、ありがとうございます。見守る側も辛いですね。母さんの悲しみ、頑張りやの息子さんを思う気持ちはお察します。お気持ちはわかるのですが、今お母さんが私に訴えられている内容すべてに共感できないなあというのが正直なところです。■息子さんがレギュラーの時も「出られない子」がいたはず、まずは親の心構えを変えよう頑張っても実力主義のチームではベンチ。競争に敗れた息子さんは雑魚扱い。指導者もそんな空気。そういった負の現実に心を痛め、「このわだかまりをどうしたらいいのか」と書かれています。ここに少しばかり疑問がわいてきます。お母さんは、チームがすべての子どもを平等に扱い、サッカーの楽しさを伝え、心身共に成長させる指導だと理解していたのでしょうか?もし、そうであれば、この扱いに動揺してしまうのはわかります。しかしながら、3年生から主にキーパーとして4年生の終わり頃に隣町からエース級の子が入ってくるまではレギュラーだったわけですね。実力主義のチームなので、すでにその当時他に補欠の子どもや試合に出られない子がいたはずです。できればお母さんの息子さんへのマインドセットを変えましょう。ここでいうマインドセットとは「サッカーをする息子に対しどう向き合っていくか」という心構えです。そこで、ひとつアドバイスさせてください。■自分の子を「弱い人」グループに入れたくない気持ちはわかるが......「努力は報われる」と親が教える必要はないと私は考えます。お母さんは、もしかしたら、とても頑張り屋さんで、子どもの頃からやってきたことやトライしてきたことで成功を収めてこられたのではないでしょうか。そんな成功者がもちやすいものに「生存者バイアス」という概念があります。例えば、交通事故の生存者の話を聞くと、私たちは「あの事故はそれほど危険ではなかった」と判断してしまいがちです。話を聞く相手が全て「生き残った人」だから、そう感じてしまうわけです。そう考えると、お母さんがもし勝ち抜いてこられた方なら「努力すれば報われる」と感じてしまうのは当然です。例えば、スポーツ経験のある親ほど「あの厳しい実力主義の世界を乗り越えたからこそ今の私がある」と思い込みがちです。そうなると、サバイバルした人は途中で脱落した仲間を「弱い人間」と見なすので、自分の子どもを「弱い人」のグループに入れたくありません。■一番大切なことは、前向きに取り組むプロセス私などは、サバイバルできなかった人間です。バスケットボールをしていて、高校時代まで全国大会にレギュラーで出ていました。しかし、大学ではベンチには入れましたが、レギュラーにはなれませんでした。精一杯努力したとも思えませんが、だからといって120%頑張ったとしても活躍できなかっただろうと思います。スポーツをすることで「頑張っても報われないことがある」という現実を知りました。これは勝ち負けが明確なスポーツで得られる、大きな学びのひとつでしょう。じゃあ、届かないと思えば頑張らなくていいのかといえば、それは違いますね。一番大切なことは、頑張って報われることではなく、結果が出なくても「前向きに取り組むプロセス」です。■どんな状態ならサッカーに前向きになれるのかではどんな状態なら前向きになれるのか。それはサッカーが大好きなこと。仲間やチームやコーチが大好きなこと。そして、サッカーを楽しめる自分が大好きなこと。それらが前提としてあってこそ、初めて前向きに取り組めるのです。したがって、お母さんに考えてほしいのは、息子さんがどうしたらサッカーを楽しく続けられるかということです。私が上述したのは、あくまでも大学時代の話です。小学生時代は、実力主義などではなく、試合の出場機会を平等に与えてくれる、指導の本質を理解し、実践しているクラブに預けてほしいと思います。サカイクの読者さんであれば、さまざまな読み物や情報でそのあたりは伝えられているので、たくさん勉強できると思います。■子どもに対しての間違った接し方、扱いとはまた、「何が正解かもわからなくなってきました」とあります。子育てに「これが正しいやり方だよ」といった正解はありません。子どもはそれぞれ違うからです。ただし、「間違い」は共通しています。これは、サッカーの指導も同じだと考えます。子どもにしてはいけないこと。福祉や教育の世界で言う「ミス・トリートメント」(間違った接し方、扱い)は、以下のようなものです。暴力。暴言。子どもを委縮させること。誰かと比較するなどして傷つけること。人権を軽んじたようなパワーハラスメントをすること。セクシャルハラスメントなどなど、たくさんあります。■子どもがサッカーを楽しめているのか、きちんと「傾聴」しよう(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)いま、日本でジュニア(小学生)の指導がどのような方向性をもって行われているのか。そこもぜひ勉強してみてください。日本サッカー協会のホームページにも、子どもに対する大人の理想的な態度や在り方が書かれています。その内容はもしかしたら、息子さんが所属するクラブとは違うかもしれません。とはいえ、もう小学6年生の3学期も間近です。息子さんとよく話して、サッカーを楽しめているのか、どんな気持ちなのかをきちんと傾聴してあげましょう。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てるテニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。最新刊は『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)。
2021年11月24日この度、リヴィング・ラボとくしま 事務局長:観元(徳島市)は、約6年間の出前授業依頼の経験から、現場の教職員の先生方のご意見を多く聞かせていただく機会がありました。主に、聞き方、伝え方、コミュニケーション、チーム力など、キャリア教育視点として総合学習の科目でご協力させていただいておりコロナにおける環境変化に伴い、職場体験の制限があり思うように子供達に思うような授業が行えない現状なども踏まえ、何か協力できないかと思い、無償で出前授業を推進させていただく運びとなりました。自主性、自発性を重んじた、対話型のワークショップは、飽きさせない授業で定評をいただいてもおります。※無償で提供することを決めた経緯として、自身が高校2年の時に、家業が倒産し、将来が見えなくなった時期があり学習に取り組む意識や仕事に対する意識が変わったことの経験談~実務・将来、身に着けて欲しい事があるので子供達と関わり少しでも役立てて欲しい為である。■受付開始について今年度については、概ね20校ほど対応枠として受付開始いたします。受付開始日 :令和3年12月6日月曜日10:30~開始お問合せ時間帯:平日(月曜日~土曜日) 10:30~18:00■実施校予定数:無償提供令和3年度:20校、令和4年度:50校、令和5年度:75校、令和6年度:100校、令和7年度:125校※徳島県内 保育園、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、支援学校、大学校、専門学校(公立、私立問わず)在籍講師:20名予算有り(学校側負担無し)の講師依頼(多忙の講師陣)については長年お世話になっております、認定NPO法人とくしま県民活動プラザ 事務局経由でのご依頼となります。または、公益財団法人 e-とくしま推進財団経由でも一部受付けております。■出前授業とは学校教職員以外の講師を迎えて実施される授業を指し、主に総合学習の一部を担う役割となります。■今後の展開●教員の方々との意見交換会や相談会の実施●教職員向けフリー化したワークシート類の提供、オンラインでの学びの場(動画コンテンツ視聴)、Webプラットフォーム●総合学習でご活用可能な授業の設計や情報提供を行っていきます。出前授業詳細 ホームページ: QRコード■出前授業 依頼実績(学校教育 総合学習)・一宮小学校(4年生、5年生)聴くコミュニケーション・入田中学校(全校生徒)伝える力・阿南支援学校ひわさ分校香りの教室・勝浦中学校キャリア教育「チームビルディング」・土成小学校聴くコミュニケーション・横見小学校キャリア教育「ダイヤモンドキャンバス」・富岡東高等学校 羽ノ浦分校 看護科共感するこころを育てる・鴨島小学校個性分析&ダイヤモンドキャンバス ★ボランティア対応・鴨島小学校伝える力&ノート術・三野中学校ビジネスマナー講座・面接対応・徳島県立ひのみね支援学校香りの教室・アロマ・三野中学校キャリア教育「将来の仕事について」・応神中学校マナー研修・鳴門教育大付属特別支援学校 高等部マナー研修・徳島県立徳島中央高等学校 夜間部マナー研修・川島中学校 起業体験 2回模擬会社~実演販売・徳島県立ひのみね支援学校香りの教室・美波町立日和佐中学校香りの教室・石井中学校出汁教室・福井中学校出汁教室・伊座利小学校香りの教室・徳島県立ひのみね支援学校香りの教室・八幡小学校コミュニケーション・小松島南中学校コミュニケーション・土成小学校キャリア教育・西麻植小学校キャリア教育・新野中学校共感するこころ・知恵島小学校キャリア教育・坂野小学校共感するこころ・相生中学校出汁教室・徳島県立池田高等学校定時制キャリア教育・徳島県立ひのみね支援学校香りの教室・南小松島小学校キャリア教育・神領小学校キャリア教育・加茂名小学校キャリア教育・南部中学校出汁教室・小松島中学校キャリア教育・川内南小学校共感するこころ・箸蔵小学校キャリア教育・馬路小学校とくしま教育の日 授業参加で実施 全校児童と親御様 キャリア教育・相生中学校出汁教室・上勝小学校キャリア教育・神領小学校キャリア教育・徳島中学校キャリア教育 他■無償 出前授業 代表講師プロフィールリヴィング・ラボとくしま 観元 眞人一般社団法人個性分析士協会 代表理事。徳島初のコワーキングスペースを開所。学校向けキャリア教育の実施、提供やコンサルタントとして、コワーキングスペースで延べ9年で150名を超えるサポート(研修棟は除く)。大人の学び場、3,800回の学びの場を提供中。就職支援の実績もあり。起業、創業、就職も原則同じメンタルを持つことが大切をモットーに学び、つながり、成長をコンセプトにした徳島では類を見ない勉強会など開催。■ファシリテーション関連 社会教育<徳島県高等学校>・教員向けファシリテーター育成 高校生ファシリテーター育成・中学生へ高校生がファシリテーター育成のカリキュラム提供<本を使った>・徳島県教育委員会 社会教育研究大会 事例報告・福岡県生涯教育研修大会 事例報告・愛媛県地域教育研修大会 事例報告・徳島県教育委員会:高等学校 学校司書向け研修・公民館向け 上勝町史、椿村史、阿南市史・社会教育ファシリテーター養成勉強会<ファシリテーション関連について>地域活性を含めますと、8年ほどで延べ240回を超える実績を持ちます。また、本や教育委員会が発行する市史、町史、村史、冊子を使った対話型の場については、7年間で、延べ220回を超える実績を持ちます。■ダイヤモンドキャンバス(教育者は無料使用可)目標や夢 日々の生活~将来に活かす為のワークシートダイヤモンドキャンバス■対話型のワーク阿南市横見小学校 キャリア教育横見小学校様(1)横見小学校様(2) 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年11月23日八洲学園大学国際高等学校(広域通信制課程普通科、本校:沖縄県)は、株式会社才流(所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:栗原 康太)が運営する通信制高校サポート校「サイルビジネス学院高等部」と学習提携し、高校卒業単位を修得しながらビジネスを学べる学校の設立に参加します。サイルビジネス学院高等部は、ビジネスを学びたい学生の意思を支援する学校です。高校生にもわかりやすいビジネスメソッド、さまざまな業界の起業家・事業家との出会い、実践的なプロジェクト型学習などを提供。全国からオンライン通学が可能で、学生同士は共通の課題に取り組みながら学び合います。高校卒業に必要な単位修得は、通信制高校である八洲学園大学国際高等学校がサポート。自分のペースで必修科目を学び、残りの時間をビジネスの学習に充てられます。2022年4月の開校に向け、2021年11月より1期生の出願受付を開始します。サイルビジネス学院高等部1■サイルビジネス学院高等部の特長●偏差値、学歴、所属などは一切不問偏差値、学歴、性別、課外活動歴、国籍、人種などで合否を判定することはありません。●高卒資格を取りながらビジネスを学び放題自分のペースで高校卒業に必要な勉強を進めながら、実践的なビジネス課題に挑戦。全国の学生と初心者でもわかる教科書で、いつでもどこでも学べます。●受験料0円。受験勉強なしで入学できる受験勉強を必要としない入学試験を採用しています。資料請求した方は受験料0円。オンラインで受験できるので交通費も0円です。サイルビジネス学院高等部2■開校の想い:サイルビジネス学院高等部 学院長「松下 雅征」サイルビジネス学院高等部 松下 雅征学院長●「誰かに必要な学歴や資格は、あなたには必要ないかもしれません」1日6時間、年間240日高校に行くと、3年間で4,320時間。多くの高校生が“いい”学歴か資格を取るために、膨大な時間を使っています。“いい”学歴や資格は、ないよりはあったほうがいいかもしれません。でも、自分にとって必要かどうかは、自分が何をしたいかによって変わるものです。私は、1人ひとりにあった学びを届ける機会を作りたいと考え、サイルビジネス学院高等部を作りました。自由自律、仕事に直結、多様な生き方、熱中する学び。ビジネスに興味がある学生のための、有意義な学びの場を創ってまいります。【プロフィール】株式会社才流 学習支援部門責任者 兼 コーポレートグロース 松下 雅征東京都内の公立中学校から早稲田実業学校高等部へ推薦入学。同校を主席卒業後、2011年に早稲田大学政治経済学部経済学科へ進学。在学中に大学受験相談サービスをつくり、累計3万人以上の高校生に大学生との相談機会を提供。2016年、社会人教育や組織変革の支援をする東証一部上場企業に入社。新規事業のマーケティング部門立ち上げを担当。2020年、企業のビジネスを支援する株式会社才流に入社。同社の経営強化や新規事業の開発に従事。■いつでもすぐにネットで出願できる!2022年1期生の出願受付を開始サイルビジネス学院高等部3サイルビジネス学院高等部はインターネットで出願できる「Web出願」を導入しています。入学を希望される方は、募集要項と入学までの流れ( )を確認の上、Web出願フォーム( )にご入力ください。■サイルビジネス学院高等部運営会社株式会社才流代表取締役社長: 栗原 康太所在地 : 東京都千代田区平河町2丁目5-3 Nagatacho GRiDURL : メソッドに基づくコンサルティング、研修を行っており、上場企業から有名スタートアップまで多数の支援実績があります。■提携校学校法人八洲(やしま)学園 八洲学園大学国際高等学校学校長: 中村 成希所在地: 沖縄県国頭郡本部町備瀬 1249開校 : 2000年4月URL : 短期集中スクーリング方式のために開校した、「日本初」の通信制高校。本校は沖縄県にあり、全国から入学が可能。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年11月22日休職2カ月目娘は、障害のある方の雇用の促進、そして安定を図るために設立された『特例子会社』に勤めていましたが、メンタル面の不調から体調を崩し入社3年目(2020年)に会社を休職しました。休職から2ヶ月、投薬の調整もあり精神的に徐々に落ち着いていきた娘。でもフルタイムで出勤する自信はまだないようでした。そんな娘は、休職中でも生活リズムを崩さないために、感染対策を心掛けつつ日中はなるだけ外出するようにしていました。コロナ禍でいろいろと制限もありましたが、卒業校や基幹相談支援センターに相談に行ったり、かつて放課後等デイサービスや居場所として通っていたNPO法人へもできる範囲で訪れていました。Upload By 荒木まち子支援者との定期的な面談を重ねるうちに娘は「家は居心地悪いけどほかに行くところもないし。どうせならこの休みを使ってグループホームの見学や体験をしてみようかな」と言うようになりました。これは娘と支援者との間に信頼関係ができていたからこそ出てきた言葉なのだと思います。もし親が「グループホームの見学や宿泊体験に行ってみたら?」とでも言ったなら彼女は「親が私を家から追い出したがっている」とネガティブに捉えていたことでしょう。こうして休職を“前向きな休み”にするための、娘のグループホーム探しがスタートしたのです。それまでの私たち親子がグループホームについて知っていたこと娘→高等特別支援学校の主催の勉強会(机上)私→放課後等デイサービス主催の勉強会、学校での説明会、役所のへの相談、保険会社のネット講座、基幹相談センター主催の講演会、友達のお母さんの情報・娘の卒業校(高等特別支援学校)の先輩でグループホームに入居しているのは男性のみ(女性向けのグループホームは数が少ない)・人気のホームは空きがない。順番待ちに2年かかる場合もある ※自治体によって違いがあります・引っ越し代などの初期費用(※)と、数ヶ月分の家賃程度のお金を貯めてから入居するのが良い・日中は仕事や作業所に行く必要がある・区分認定により補助金の額が違う程度で、自分たちが住む地域の詳細な情報や具体的な申請手続きの方法などについてはほぼ知りませんでした。※ここでの初期費用の内訳・引っ越し代・部屋の間取りに合わせた収納や家具、寝具・自室用の小型テレビやパソコン、モバイルWi-Fi、ミニ冷蔵庫(本人が必要と感じる場合)・ランドリー小物(洗濯カゴ、洗濯角ハンガーなど)・風呂小物(風呂桶、椅子)⇒グループホームにもよる・部屋によってはカーテン・個人の消耗品(シャンプーやリンス、ボディーソープ、洗顔料など)7年かけて構築された信頼関係私たちの地域では基幹相談支援センターがグループホームの相談などに応じてくれる体制がありました。娘は中学校3年生のときから基幹相談支援センターの余暇支援活動に参加していました。高校生のころにはセンター内のショートステイを利用し、その後も時おり支援員さんと面談をしていました。入社一年目に体調を崩した際には、この基幹相談支援センターが中心となり学校や職場と連携してケース会議を開いてくれました。このように長年の付き合いがあり、娘のことをよく知っている相談員さんにグループホームや娘の計画支援をしてもらえたのはとてもラッキーなことでした。相談員さんは現時点で空きがあって、娘に合いそうなグループホームをいくつか紹介してくれました。グループホームの種類見学を通して私たちはさまざまなタイプのグループホームがあることを知りました。・貴重品の管理や薬の管理もしてくれる手厚い支援があるところ・食事以外は基本自由で、一人暮らしに近いような自立重視のグループホーム・外部から料理をする人が来て、朝夕の食事提供するスタイルのところ・弁当形式のスタイルのところ・“使った食器は自分で洗う”などのルールがあるところ・入居者の年齢層や障害の種類や程度はグループホームによってさまざま・男性専用棟や女性専用棟などがあるグループホームもある見学と宿泊体験グループホームの宿泊体験には受給者証が必要です。事業者と打ち合わせをして体験日程が決まったら役所に宿泊体験の申請をします。宿泊体験に費用がかかるかどうかは事業所によって異なります。基幹相談支援センターでのショートステイの経験がある娘は、2泊3日程度の外泊には慣れていました。グループホーム体験宿泊を経験してみて、娘は職場に近く、自立度が高い個人重視のタイプのホームが気に入ったようでした。一抹の不安はあれど私と支援者が心配していることがありました。それは娘が気に入ったグループホームが県外にあったことです。もし、そこに入居するとなると娘は今住んでいる自治体から『転出』することになります。福祉サービスは自治体によって違いがあります。今までとは異なる環境下で新たな支援者との信頼関係を一から構築していくことの大変さを伝えても、娘にはピンとこないようでした。きっと経験してみないと娘には分からないのかもしれません。私たち家族は彼女の意志を尊重することにしました。娘のグループホーム入居に向けた取り組みはまだまだ続きます。執筆/荒木まち子(監修:初川先生より)休職中とのことですが、調子が上向いてきて、そしてかつてお世話になっていた方々との再会やつながりの回復により、娘さんのやる気・意欲が湧いてくるのを感じます。就職、自立に関しては、地域によっても、お子さんの特性などによってもさまざまな展開があるので、荒木さんのこのコラムを拝読して私も「なるほどー」と勉強になりました。地域の基幹相談支援センターと娘さんとの信頼関係がベースとなって、次の一歩を踏み出そうというところ。どの地域であっても、地域の中心となる機関やキーパーソンとつながっていることはとても大切だと改めて感じますし、(おそらく読者の方のお子さんはまだ未成年であることが多いのではと推察しますが)信頼できる家族以外の人、信頼できる地域の人・機関を見つける、その方とお子さん自身が良き関係を築けるということの準備を子ども時代にできるとよいのだなと感じます。そして、最後に書かれていますが、自治体を移ることのインパクトは保護者のみなさんよくご存じかと思います。福祉の充実も自治体によってだいぶ違いますね。娘さんのその後がとても気になります…!
2021年11月19日株式会社KEC Miriz(所在地:大阪市阿倍野区、代表取締役会長:小椋 義則、以下「KEC Miriz」)は、2021年10月27日(水)、自社が開発・提供する教育機関専用オンライン英会話CHATTY(以下「CHATTY」)の体験レッスンを聖心学園中等教育学校(奈良県)で実施しました。オンライン英会話CHATTY受講の様子【実施の背景】聖心学園中等教育学校では1年生から3年生の英語の授業に、教科書を5周して基礎基本を定着させる「5ラウンドシステム」を取り入れています。学習効果が高いとされる「5ラウンドシステム」ですが、教室内で実用的に英語を使う機会は多くありません。今回、生徒たちが習得した英語を実際に使い、さらなる学習動機を高めるためにCHATTYのマンツーマンレッスンを実施する運びとなりました。【アンケート結果】今回、CHATTYを受講した中学1年生(n=39)に「CHATTYは英語力の向上に役立つと思うか」を尋ねた結果、100%の生徒が「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と回答しました。「またCHATTYを受けたいですか」の質問に対しても100%の生徒が「受けたい」「どちらかといえば受けたい」と回答しました。自由記述には、・「最初は緊張し、不安な気持ちがありましたが、だんだん打ち解けていき楽しい時間になりました。本当に楽しい時間をありがとうございました!またやりたいです!」・「外国の人と会話などをして英語の大切さなどを知ったと思います。」・「英語があまり話せないと思い込んでいたせいで最初はあまり話せなかったが最後のほうは結構英語を話せた」・「普段はあまり経験することができない『海外の方とお話しする』ということができて楽しかったです!!」・「初めて、外国の先生と1対1で話して英語がしっかりと話せるか不安だったけど、楽しく会話ができてよかった。」・「優しく間違いを直してくれて楽しく勉強できました。」など肯定的な意見が多くありました。【英語科伊藤先生からのコメント】CHATTYのレッスンに期待していたことは、1対1で直接、外国の講師と英語で会話ができるという点と、集団授業では体験できないAuthenticな(本物の)英会話を、周りの人に頼らずにできるという点です。どこまで生徒が黙ってしまわずに話し続けられるか不安でしたが、体験レッスンの中で、生徒は懸命に英語を伝えようとしていましたし、講師の方々もそれをうまく引き出そうとしてくれました。日頃の授業で習った英語が実際に通じることに驚いている生徒もいました。どの生徒も楽しんでいる様子が見られ、勉強として身につけた知識が道具として使えることが実感できたことがとても良かったです。聖心学園中等教育学校では低学年(1~3年生)に対して「5ラウンドシステム」という方法で英語を教えています。この中で生徒は何十回も聞き、何十回も発音します。野球で例えるなら、何度も素振りをして基礎を鍛えていきます。しかし、素振りばかりでは習得の実感が伴わず無味乾燥になりがちです。定期的にCHATTYを行うことで、飛んできた球を打つ練習ができ、日頃の授業にもより懸命に取り組んでくれるようになると期待しています。今回の体験レッスンで、CHATTYはこの「5ラウンドシステム」で培った力を確認するのにうってつけだと分かりました。聖心学園中等教育学校の場合は「6ラウンド目」の活動としてCHATTYを位置づけることができそうです。聖心学園中等教育学校の建学の精神の中に「豊かな特性と、広く深い学識を持ち、世界的視野に立つ心身ともに明るく健康的な紳士、淑女を養成する」という文言があります。CHATTYの助けがあれば、この建学の精神がより現実に近いものとなるように感じます。【聖心学園中等教育学校について】聖心学園中等教育学校は奈良県橿原市にある、男女共学の中高一貫校です。元気のよいあいさつをはじめ、言葉遣い、礼儀作法、他者へのちょっとした心づかいなど、社会に貢献し、社会に役立つ人材になるための素養を育んでいます。中高6年間のうち、1・2年を「基礎徹底期」、3・4・5年を「発展期」、6年を「完成期」と大きく3つに区分し、それぞれの区分を充実させる無駄のないカリキュラムを確立しています。中等教育学校という中学と高校の境目が無い“完全中高一貫6年制教育”の学びのシステムを通じ、豊富な授業時間と質の高い学習指導、一人ひとりの個性や目標に応じたきめ細かい進路指導を行っています。URL: 【CHATTYについて】CHATTYはKEC Mirizが提供する教育機関専用オンライン英会話サービスです。日本中の子ども達が英語を話せる、そして世界という舞台で活躍する日がくるように願って開発されました。1校1校に寄り添い、学校・先生方・生徒様のニーズに合わせた最適なレッスンを提供しています。KEC Mirizは今回のレッスン結果を踏まえ、生徒様・先生方のニーズに合った質の高い英会話レッスンを引き続き提供できるようブラッシュアップを進め、全国の教育機関に提供できるよう邁進してまいります。KEC MirizはCHATTYの体験レッスンを実施する学校や学習塾を募集しています。お問合せはKEC Mirizホームページまたはお電話にてお願いします。URL: 【株式会社KEC Mirizについて】本社 : 〒545-6033 大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋1丁目1-43あべのハルカス33階代表者 : 代表取締役会長 小椋 義則設立 : 2020年1月1日資本金 : 1000万円TEL : 06-6624-2120FAX : 06-6624-2116URL : 事業内容: 教育コンテンツの販売(プロクラ、CHATTY) 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年11月18日オンライン制スクールを運営するipc合同会社(所在地:神奈川県鎌倉市/代表:浅井 理仁)は、一人ひとりに合わせたオーダーメイドカリキュラムでアメリカの高校卒業資格が取得できる「ipcインタースクール」をスタートいたしました。イメージ「ipcインタースクール」詳細URL: ●背景枠「学校の授業は本当に役立つのか?」「どの進路に進めばいいのか?」「将来は何をすべきなのか?」――。日本の高校生たちにとって、多種多様な選択肢に溢れる現代は迷路のようなものです。十人いれば十通りの生き方がある。そう考える「ipcインタースクール」は完全オーダーメイドによるカリキュラムを用い、自分=あなたを主役にした“学び”を創出。個々人の夢や希望にしっかりと寄り添い、先々をクリアに、そして明るく照らすお手伝いをします。●展開内容枠(1) アメリカの高校が提供する学習システム「ipcインタースクール」では、アメリカのオンライン制ハイスクールのカリキュラムを受講します。提携校はフロリダにある24ヵ国の学生が学ぶグローバルな高校「Citizens High School」。この高校のカリキュラムを元にして、一人一人の夢や希望に合わせたオーダーメイドのカリキュラムをメンターと共に作成します。卒業に必要な単位をすべて取得すれば、提携するアメリカンハイスクールの卒業証書が発行されます。(2) 英語は話せなくてもOKアメリカのオンライン制ハイスクールと聞くと、英語に自信のない方は心配になるかもしれません。「ipcインタースクール」では、学習や課題の提出のために、アメリカの多くの高校が採用するオンラインシステムを活用します。このシステムには他言語を切り替える機能があるので、英語が苦手な方は日本語で学習することも可能。なお、単位を取得するための課題の提出はアメリカの提携校に対して直接行っていただき、コメントや評価は英語で返ってきますが、英語が苦手な場合にはメンターがフォローアップしますのでご安心ください。(3) 自分の将来に役立つ事が学べる生徒一人一人のご要望に合わせてメンターが一緒になって目標を設定し、オーダーメイドのカリキュラムを創出。決められた科目を学習するのではなく、夢や目標を達成するための計画を逆算で立て、それに沿って勉強していきます。例えば将来なりたい職業があるのなら、その職業に就くために必要なことを勉強する、といった具合です。そしてそれらは、すべて単位として認められます。つまり「ipcインタースクール」では、自分にとって必要な知識やスキルを自由に学べるのです。(4) メンターパーソナル制度によるサポート体制「ipcインタースクール」では、“メンターパーソナル制度”を採用しています。メンターは「相談者」や「助言者」を意味しますが、この学校のメンターには「仲間」という大きな役割が加わります。生徒一人一人の夢や目標をきちんと理解し、それを実現するには何をすれば良いか?を一緒になって考えます。さらに学習のサポートのみならず、メンタルの強化やモチベーションの維持もケアします。「ipcインタースクール」のメンターは「相談者」や「助言者」の枠を超え、一緒に進んでいく「仲間」として生徒に寄り添います。(5) 好きな時間に好きな場所でインターネット環境さえあれば、パソコンはもちろんスマートフォンからも利用できます。場所や時間に捉われず自分のペースで学習を進められるので、勉強以外の活動も両立できます。メンターとのコミュニケーションはZoomなどのオンライン会議システムを利用しますし、学習を進めていくうえでの質問などはLINEなどでいつでも訊くことが可能。ストレスなく疑問点を解消できます。「ipcインタースクール」は、入学に関して一切の試験・審査は行っていません。なぜなら、学習し、成長を始めるのに資格は必要ない、と考えるからです。勉強に自信がない、英語ができないなどのご心配も無用です。成績は、あくまで日本の教育制度が定めた一つの基準に過ぎません。何が自分に向いていて、何をゴールとし、何を学んでいけばよいのか?今から一緒に考えていきましょう。●会社概要商号 : ipc合同会社代表者 : 浅井 理仁所在地 : 神奈川県鎌倉市材木座5-8-25 材木座テラス内設立 : 2020年事業内容: オンライン制スクールURL : 【本件に関するお客様からのお問い合わせ先】ipc合同会社担当 : 浅井 理仁TEL : 0467-80-2763FAX : 0467-80-2766E-MAIL: info@ipc-found.com 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年11月18日友だち関係や勉強のことなど、子どもたちはさまざまな悩みやストレスを抱えて生きています。漠然と「イヤ〜な気持ち」が湧いてきて、モヤモヤ。ときにイライラしたり、泣きたくなったりもするでしょう。子どもが悩んでいる姿を見るのは、親としてはつらいものですよね。だからつい元気を出してほしくて、「そんなことないよ。大丈夫だよ!」「気にしない気にしない」なんて、無理やりポジティブな声かけをしていませんか?でもその声かけは本当に正しいものでしょうか。そもそもなぜ、「イヤな気持ち」が起こるのでしょうか?今回は、脳科学者・中野信子先生のアドバイスを参考に、脳科学の観点から子どもたちの悩みを考えていきます。写真/川しまゆうこ子どもたちはどんなことに悩んでいる?コロナ禍以降、「新しい生活様式」に、あなたの子どもはうまく対応できていますか?「うちの子は、対応できていると思う」「悩んでいるようには見えない」など、子どもそれぞれの性格によっては、コロナ禍前と変わらない日常を送っているかもしれません。しかし、発達途中である子どもの心はとてもデリケート。国立研究開発法人 国立成育医療研究センターの調査(2020年)によると、なんと全体の7割以上の子ども(未就学児~高校生)に、何らかのストレス反応・症状があったそうです。全体の約5割の子どもが、「最近集中できない」と答えている全体の約2割の子どもが、友だちとの関係に何かしら悩みを抱えている小学1〜3年生の約2割が、「誰かと一緒にいても、自分はひとりぼっちだと感じる」と回答小学4~6年生の約4割が「自分はダメな人間または失敗者だと感じる、または自分自身あるいは家族をがっかりさせていると思う」と答えている このように、多くの子どもたちがストレスを感じています。もしかしたら、 “悩んでいるようには見えない” 子どももじつは悩みやストレスを抱えているかもしれません。もしそうならば、どうにかしてストレスをゼロにしてあげたいと思うのが親心だと思います。でも、それはちょっと待ってほしいのです。中野先生は、「悩みがなければ人間は生きていけない」と断言します。次項で詳しく説明しましょう。悩みがなければ、人は生きていけない悩みに対して、「こんなことで、くよくよ悩んでいる自分が情けない」と、自己否定してしまう人は少なくないはずです。しかし、「悩みがなければ人間はうまく生きていけません」と、中野先生は述べています。なぜなら、自分にとってイヤで、なにか困ったことがあるからこそ、「なんとかしなきゃ!」と思ってがんばることができるからです。これは「ねたみ」などの、マイナスな気持ちでも同じです。誰かのことがうらやましいから、「わたしもあの人みたいになりたい」という気持ちが生まれ、自分を変えていく力になります。(引用元:中野信子(2021),『中野信子のこども脳科学 「イヤな気持ち」をエネルギーに変える!』, フレーベル館.)なるほど、「イヤな気持ちや悩みは、むしろあったほうがいい」のですね。ですから、「〇〇ちゃんの絵ばかり先生がほめていて悔しかった。イヤな気持ちだった」と言っていたら、「イヤな気持ちをもつことは悪いことじゃないよ。その悔しいという気持ちは、エネルギーになるよ」と伝えてあげるといいでしょう。「『イヤな気持ち』を自分の力に変えていくと、人生はもっと楽しくなる!」と中野先生も断言しているように、子どもが自分の気持ちを受け入れて、「悩みがあるからこそ、人生が豊かになるのだ」と考えられるようになるといいですね。「親がうざい!」と反抗する子どもにはどう対応する?そうはいっても、そのイヤな気持ちの矛先が親に向けられたときはどうしたらいいのでしょうか?そうなると、なかなか冷静ではいられないかもしれません。子どもが親に反抗してくるとき、子どもの頭のなかでは何が起こっているのでしょう?中野先生は子どもの反抗について、人間がもっている「物事を自分に都合よくとらえる性質」に原因があると解説します。』, フレーベル館.">よくよく思い起こすと、親はあなたをほめてくれたり、やさしい言葉をかけてくれたりしているはずです。でも人間は、いいことをたくさんいわれても、ひとつイヤなことをいわれたらその耳ざわりなひとことを、いつまでも覚えているものなのです。(引用元:同上)子どもが小学校中学年、高学年になってくると、「うるさいな」「わかってるよ」などと親に反抗的な態度をとることが増えてくるかもしれませんが、これは人間の性質上、仕方のないことなのです。そしてこの性質は、子どもの脳の成長プロセスにも関係しています。一般的に、脳のなかでは、神経細胞(ニューロンといいます)が枝のような突起を伸ばし、情報を伝えるためのネットワークをつくって成長します。このとき、逆にネットワークから、いらない部分を刈り込むことも成長には必要なのです。(引用元:同上)子どもの脳は、「〇〇をするのはダメ!」「こうしなさい」などと、親に行動を刈り込まれる、つまり親から行動を修正されることで、スムーズに情報を処理できるようになります。たとえば、「ひじをついて食事をするのはやめなさい」「脱いだ服は洗濯機に入れなさい」と親から言われることで、情報が整理されるというわけです。このような理由から、親のアドバイスは子どもの成長に必要なものと言えます。しかし、 “小言” を言われる側の子どもは、せっかく成長したネットワークを親が勝手に刈り込むことに抵抗を感じてしまい、「親がうざい!」となるのです。子どもに反抗的な態度をとられてイライラしそうになったときは、この脳の働きや人間の性質を思い出しましょう。そうすれば、感情的にならずにすむかもしれません。脳科学の観点から悩みをひもとくと、生きるのが楽になる「親がうざい!」などのイヤな気持ちは、「脳が引き起こしている感情のひとつ」。そう、理解しているだけで、子どもも親も生きることが少しだけ楽になるのではないでしょうか。人間関係の悩み、勉強や将来への不安、劣等感、承認欲求からくる苦しさなど、生きているかぎり悩みはつきません。もし子どもが以下のような悩みを抱えているのであれば、『中野信子のこども脳科学 「イヤな気持ち」をエネルギーに変える!』を読んでみてください。空気がうまく読めません人前に出ると緊張して、うまく振る舞えません失敗すると、とてもはずかしくて、ずっと引きずってしまう信頼できる友だちができない。浅い付き合いばかりする自分がイヤ自分の見た目にまるで自信がもてません 本書は小学校中学年~高学年向けとされていますが、親世代が読んでもためになる内容です。「イヤな気持ち」を感じる脳の仕組みについて、脳科学の見地からわかりやすく書かれています。そして、本のなかにある「自分を大切に」という中野先生の温かい言葉が響きます。それもそのはず、中野先生自身が「運動が不得意」「頭痛もち」「感覚が過敏」「コミュニケーションが苦手」などの悩みを抱え、生きづらさを感じながら成長してきたのですから。中野先生は、「脳を知ることで生きるのが楽になる」と述べています。イヤな気持ちをエネルギーに変える「生きるコツ」が満載の1冊です。本の体裁は子ども向けですが、本質を突く内容なため、親子で読むのも、子どもがひとりで読むのも、大人が読んでから子どもに説明してあげるのもいいと思います。 ***子どもの頃、「早く大人になりたい!」と思ったことはありませんか?あなたの子どもも、いままさに、そう感じているかもしれません。でも、中野先生いわく、「脳の成長が早すぎると、伸び幅が小さくなる場合もある」のだそうです。多くの子どもたちが、イヤな気持ちをエネルギーに変えながら、時間をかけて成長できるといいですね。(参考)中野信子(2021),『中野信子のこども脳科学 「イヤな気持ち」をエネルギーに変える!』, フレーベル館.国立研究開発法人 国立成育医療研究センター|コロナ×こどもアンケート 第1回調査報告書国立研究開発法人 国立成育医療研究センター|コロナ×こどもアンケート 第2回調査報告書国立研究開発法人 国立成育医療研究センター|コロナ×こどもアンケート 第3回調査報告書国立研究開発法人 国立成育医療研究センター|コロナ×こどもアンケート 第4回調査報告書
2021年11月16日発達障害のある息子のために、日本語で受けられるオンライン療育サービスを検索いつでも、どこからでもサービスを受けられる『発達ナビPLUS』。発達障害のあるお子さんを育てる海外在住ユーザーの方々はどのように利用されているのでしょうか。今回は、ベトナムにお住まいのユーザーさまのお声を紹介します。ベトナムに移住して約10ヶ月になるOさんご家族。お子さんはもうすぐ4歳になる男の子です。お父さまが一足先にベトナムへ移り、その半年後にお母さま(以下、Oさん)と息子さんも移住することに。 息子さんは生後4ヶ月から保育園に通い、2歳で検査を受けて境界型ASDと診断。保育園と並行して療育を受けていましたが、3歳になったころにベトナムに移り、『発達ナビPLUS』を使い始めました。――ベトナムに来てから、療育などはどうされましたか。こちらで療育の情報を得ることは難しく、ましてや日本語での対応はありません。最近、「ABA」で調べてヒットしましたが、全部ベトナム語のホームページで、よく分からないという状況です。また、こちらには特別支援学級がないようです。特別支援学校はあるみたいですが、かなり重度の肢体不自由の子ども向けで、発達障害や知的障害のカテゴリーでは存在しないのではと思います。ベトナム現地で、しかも日本語で発達支援を受けるのは難しいと分かったので、日本のオンラインサービスに頼るしかないと思い、「オンライン療育」といったキーワードで検索しました。すると、これは新型コロナの影響なのか、1年前だったらなかったのではと思われるサービスが、けっこうたくさん見つかりました。その中でも、トップに出てきたのが『発達ナビPLUS』でした。ほかのサイトも上から順に調べていって、一通りトップページとかは見てみたんです。――たくさんある中から、決め手となったのはどんな点でしたか。金額的なメリットでした。『発達ナビPLUS』は1ヶ月あたり約3,000円で、教材使い放題ということと、個別相談ができることに惹かれました。ほかのでは個別指導1回数万ということも。わが家は現地採用なので、駐在員の方のような教育手当などはなく、幼稚園や学校の費用も含めて全額自己負担です。だから、自分たちが払える範囲でいいサービスを使いたいなと思いました。この金額なら、習い事感覚で始められると思ったんです。さまざまな角度から療育のヒントを与えてくれる『発達ナビPLUS』の個別相談がとてもよかった!――実際に利用されて、特によかったのはどのメニューですか。「個別ケース相談」です。オンライン上で相談を送ると、専門家の方が監修されたアドバイスをもらえるというものです。とにかく寄り添ってもらえるところがとてもいいです。万人受けするアドバイスならネットで調べれば出てきますが、そうではなく、今の私の特殊な状況をすべて理解したうえでの答えが返ってくることがうれしかったです。さらに、こちらが返答したことにもまた丁寧に返答してもらえます。療育は、子どものサポートも大事ですが、実は親が不安になったときに寄り添ってくれる場なんですよね。海外で、そういう場がまったくないときだったので、とても感動しました。――実際にどんな相談をされたのでしょうか。エピソードを教えてください。例えば、トイレトレーニングについて相談しました。当時の息子は、おしっこはトイレでできるのに、うんちはどうしてもトイレじゃなくて部屋のすみっこでしてしまう…。私も自分でいろいろと試していました。たとえば、幼稚園でいやがらないように、家で使っているのと同じ便座を幼稚園に預けたり。そうした、よかれと思っていた内容も相談で伝えたら、「お母さまがやっていることは間違えてはいないですよ、とてもいいことですよ」と、まずはねぎらってくれて、これまでやってきたことが無駄じゃなかった、と思える褒め方をしてくれました。そのうえで、こういう場合ならこうしては、と段階的なことや状況に合わせた詳細なアドバイスをしてもらえました。やってきたことが無駄じゃなかったと思えることは、子どもに発達障害がなくても、海外での子育てで悩んでいる人には大事なことなんですよね。寄り添ってもらえることに感謝しています。回答のメールは、かなり文字量も多くて、ひとりに対してこんなに丁寧に書いてくれるんだ!と、はじめはびっくりしました。長いだけでなく、内容もすべてが濃厚で、必要な情報ばかりでした。もし、これがただ長いだけだったら、すぐやめていたかもしれません。さまざまな角度からの提案をしてもらったなかで、「場所のこだわり」という発想は自分にはありませんでした。「うんちする場所って決まってますか?」とケース相談の際に聞かれて、気づけたのです。もしかしたら、試行錯誤するうちにいつか自分でたどり着く答えだったのかもしれないけれど、かなりショートカットさせてもらいました。ダウンロ―ドし放題の「特別支援教材」は、子どもに合う・合わないの心配いらず――ほかのメニュー、例えば「特別支援教材」は活用されていますか。はい。教材は、ダウンロードし放題というところが助かっています。息子はなぜか、話し言葉は出ないのに、五十音を先に覚えたんです。まさかこんなに早く、いわゆる「あいうえお表」が必要になると思わなくて、次に一時帰国したときにでも、ひらがなのワークブックを買おうと思っていたところでした。でも今は、帰国もなかなかできない状況。日本にいたらお金を出せば買えるはずのものがここでは買えないので、ダウンロードしてすぐ使えるというところが、とても頼りになります。絵本などは母に送ってもらっていますが、こうした教材の場合、使ってみたけどうちの子に合わなかったということもありますよね。息子は好き嫌いがハッキリしているから、響かないものはまったく使えないんです。せっかく日本で買って送ってもらっても、見もしなかったらもったいないですしね。――ダウンロードした教材は、どんな風に使っていますか。「ひらがな よみ 50 おんひょう」を、1枚ずつ切ってラミネートしてカードとして使っています。夫の仕事柄ラミネーターが自宅にあるので、自家製カードができちゃうんです(笑)。50音なら、自分で書けばいいかとも思われますが、ちゃんとした字体のもののほうがいいですから。『発達ナビPLUS』を見れば、必要なものが何かしら手に入ると分かっていれば、ネット上で迷子になることもないし、ほんとうに手軽です。Upload By 発達ナビ編集部――専門家による『ライブ配信』勉強会については、どうでしょうか。実は半年ほど前に見たときにはピンとくるテーマがあまり見つからなくて、しばらく利用していなかったんです。でも、最近また見てみたらメニューが増えていて、ライブで受ければよかった!と思うテーマもたくさん見つかりました。そのときに参加できなくても、見逃し配信があるのはいいですね。――どんなテーマに興味がありますか。保護者のストレスケアやレスパイトについてです。子どもといったん離れて心身ともに疲れを癒す、ということですね。『発達ナビPLUS』で初めて知った言葉でした。それから、これから配信になるセミナーですが、専門家による子どもとのかかわり方をテーマにした勉強会も参加したいと思っています。――今後、活用したいと思われるのは、どのサービスですか。やはり「特別支援教材」を活用したいです。発達障害のある子は、どういう部分が突然伸びるか分からないんですよね。定型発達の子を想定した教材を、一時帰国したときに買って持ってきたとしても、役立たない可能性もあります。(新型コロナの影響で)今だけかもしれませんが、そもそも簡単に一時帰国できない状況ですし。その時々の成長段階に合わせて、今必要な教材を即ダウンロードできる宝庫が『発達ナビPLUS』にはあるので、積極的に活用したいと思っています。海外にいるからこそ、療育などの情報は自分で取りにいきたい。日本での準備は大切!Upload By 発達ナビ編集部――『発達ナビPLUS』のサービスだけでなく、お子さんの成長のために、普段意識していることを教えてください。自分たちに必要な情報に、まずはつながることが大事だと思っています。日本にいても、児童発達支援は親が動かないと受けられないですよね。今は、ネットを活用すればいくらでも情報があるので、どんなサービスでも、使えるかどうかは行動次第だと考えています。海外にいると、日本にいるよりさらに入ってくる情報が少ないので、ひたすら調べています。悩んでいることに対してピンポイントの答えを見つけることもあるし、自分の拠り所になる施設やサービスを探すことも。そこから自分の子どもに合った対応策を探していきます。それでも、自力で答えにたどり着けないことに関しては、個別相談のようにその子に合った答えをくれるところを探すといいんだと思います。――これから海外渡航を予定している方に、伝えたいメッセージはありますか。私はベトナムに来てから、「療育、やっぱりないね、どうしよう…」と必死で探して『発達ナビPLUS』にたどり着いたんですが、もし日本にいる間にその存在だけでも知っていたらよかったと思いました。本当は、日本に住民票を残しておいたら、オンラインで療育が受けられるのではと期待していたんです。自治体によるのかもしれませんが、私が住んでいた自治体に問い合わせしたら、日本にいないと受けられないと分かり、それで住民票も抜いて受給者証も返してしまって、療育に関しては完全にリセットされた状態になってしまいました。何もない状態でこちらの生活が始まったのです。そんな状況だったので、海外でも日本語で安心して利用できるサービスがあることを、追い込まれてから見つけるのではなく、事前に知っていただけでも、心の軽さは全然違ったんじゃないかと思います。だから、迷ったらとりあえず試してみることをおすすめします!海外で孤独な子育てがつらいとき、療育ができなくて不安なとき、相談という場で愚痴を聞いてもらうだけでもいいから、登録すれば寄り添ってもらえますよと伝えたいです。――ありがとうございました。取材・文/関川香織Upload By 発達ナビ編集部発達が気になるお子さんの保護者さま向けサービス『発達ナビPLUS』では、オンラインで医師・心理士など発達支援にかかわるさまざまな専門家と繋がり、個別相談や勉強会を通して、子育てをサポートします。― 発達ナビPLUSの3つの特長 ―1.「わかる」から「解決」まで子どもの行動の「どうして?」が分かれば、「こうすればいいんだ!」につながります。『発達ナビPLUS』では、各ご家庭に合わせた個別最適な手立ての実践までサポートします。2.50名以上の専門家がサポート医師、心理士などの発達支援の専門家が50名以上在籍。どこにも相談できなかった悩みも、幅広い専門性で納得いく解決策をご提案します。3.「すきま」でプラス忙しい育児の味方!5分でわかる解説動画も多数あります。スマホ一つでいつでも、どこでも子育てのヒントを。くわしくは、お得なクーポンも配布中の以下よりご確認ください。
2021年11月13日とにかくできなかった算数、数学私はとにかく算数や数学が苦手で苦手で、苦痛で苦痛で仕方ありませんでした。文字を見ているといくらでも発想が広がっていくような楽しさがあるのですが、数字を見ているとまるで頭にモヤがかかるような感じがするのです。図形を扱う幾何や、ベン図などを扱う論理数学のような分野はまだ楽しいのですが、ともかく「計算」ができない。小学校のころに習う「つるかめ算」「植木算」などといった、本来計算を簡単にこなすためのはずの方便も頭がこんがらがってうまく覚えられませんでしたし、九九もいまだにあやふや。2ケタ以上の暗算はお手上げです。中学以降に習った方程式の立て方なども記憶が真っ白で、大人になった今となっては、一次方程式の立て方やパーセントの出し方も分からない状態です。小学校のころには国語で学年トップ、算数で学年ビリ、2教科平均でちょうどまんなかという「伝説的成績」を叩き出しました。高校のころには英語が満点近いのに、泣きながら吐き気を覚えながら必死で勉強した数学が13点で、英語と数学の点数差が80点以上だったことも…なぜ私は算数・数学が苦手だったのか?なぜ私はこんなにも算数・数学が苦手だったのでしょうか?30歳を過ぎて発達障害の診断を受けてからは、学習障害のひとつの算数障害があるのだろうと思っていましたが、40歳ごろに受け直した知能検査のあとの説明で、心理士さんから「数の処理は平均程度。算数障害と言えるような値ではない」と言われました。ただ同時に、「単純な暗記や、単純作業を正確にこなしていくのが苦手。理屈や意義が見いだせないことにはモチベーションが上がりにくい」とも言われました。私は暗記する分量の多い歴史科目も苦手でしたし、算数・数学の中でもとりわけ計算が苦手でした。こうした傾向は、「暗記」「単純作業を正確にこなしていく」の苦手に当てはまると思われます。確かに私はいくら練習しても九九がなかなか覚えられませんでしたし、計算のときには不注意による計算ミスが目立ちました。これに加え、私には「手書きで文字を書くのが苦手」という要素もありました。頭の回転に手の動きがついていかず、雑で読みにくい字になるので、手書きで計算式を書いていると途中で訳が分からなくなってしまうのです。特に桁数の多い足し算引き算などには顕著でした。教科担任制と、書字障害向けの学習支援が取り入れられていたなら…私にとって、算数・数学は小学校時点で「意義も理屈も分からない苦痛なだけのもの」になってしまっていました。苦痛になった理由の一つとして思いあたるのは、私が小学校の早い時点で教師にぶつけた疑問にきちんと答えてもらえず、まるで私が悪いかのように理不尽に叱責された経験です。「算数・数学はなぜ勉強しなくてはいけないのか。生きていくうえでなんの役にたつのか」「つるかめ算はどうしてこういう仕組みになっているのか。なぜ、これとこれをこうするとこの値が出るのか」「分数を分数で割るとはどういうことなのか。また、どうして分母と分子をひっくり返してかける決まりになっているのか」こうした疑問に担任の先生はなかなか答えてくれず、繰り返し訊いているうちにどんどん不機嫌になって「ともかくそういうことになっているんだ!」「屁理屈をこねて大人をバカにしているのか!」「なんてひねくれた性格の子なんだ!」などと怒鳴られるのです。いま思えば、当時の担任たちは私の質問したようなことについて興味がなく、そういうものだと捉えて疑問に思ったことがなかったり、知らなかったりしたのかもしれません。それを私が繰り返し質問するものだから、ついあのように怒ってしまったのだと思います。彼らは数学の専門家ではないのだから、知らない・分からないならそれも仕方ないのだと今は思います。ただそれなら「先生も詳しい理由は分からないんだよ。でも、とりあえずこうすることが一番便利だからこういうことに決まっているんだ」などという言い方をしてもらえたら、私も繰り返し質問することはなかったと思います。小学校も教科担任制になって、算数には数学を専門に学んだ人が教えてくれたならと思います。数学の専門家は数学の深い理論や、数学の世界でいま何が分かっていて何が分かっていないかを知っているから。彼らは、算数を学んで知識と技術を積み重ねていくことの意義や面白さについて語れるし、算数を教えることへのモチベーションも高いはずです。また、もし当時から書字障害への理解・学習支援があったなら、私はもっと楽しく算数・数学に触れられただろうと思います。私は中学のころ、数学のノートがあまりに汚いというので数学の先生に「やる気や教師への尊敬が足りない!」と叱責され、反省文まで出させられたことがあります。気持ちの問題ではない、どう頑張ってもできなかったのに…。努力してもきれいにノートが書けない子がいるという理解が浸透していてほしかったし、学習障害のある子にも使いやすいノートやタブレットPCなどのツールがあったならと思います。算数・数学への苦手意識を抱えながらも算数・数学が苦手であることは、私の人生にとって結構な損失だったと思います。理系科目が好きで理系に進みたかったけれど、大学受験で数学が必須になるというので泣く泣く諦めた経緯もあります。哲学にも興味がありましたが、入門的内容に触れるうちに「これは数学の素養がないと無理だ」と気づいて諦めました。けれど、最近は日常の簡単な計算だけでなく、統計をとるのもなんでも、計算自体はうまく設定しさえすればすべてPCがやってくれます。私はこれから福祉系の大学院の修士課程に進む予定なのですが、研究上必要な統計調査の計算自体はPCに任せるか、得意な人に頼んでやってもらおうと思っています。算数・数学が苦手なことには変わりありませんが、苦手の中身を分析できたことでだいぶ乗り切りやすくなったと感じています。たとえば、理屈なら大丈夫なので、同じ統計調査でも、どんな統計調査で何を調べるのかといったあたりの理解はできる。でも実際の計算処理は私には困難である、とか。そんな分析や振り返りの中で一歩ずつ前に進みながら、算数・数学に関して傷ついた自分の心を癒やしていっています。文/宇樹義子(井上先生より)「なぜ学ぶのか」が納得できないと勉強に取り組めないお子さんは一定数存在します。学校の先生は、そうしたときに学ぶことの意義やメリットを説明できる力が必要でしょう。人間は本来、興味を持ったことに対しより深い学びをしたいと感じるものです。好きなこと、興味を持っていることに絡めて教科学習に入っていけると、モチベーション高く取り組めると思います。例えば、インターネットゲームで海外の人とのチャットが必要となり英語を学ぶモチベーションとなったお子さんや、株取引に興味を持ちそのために数学を学びなおした人などもいます。高校で選択制カリキュラムとなり、苦手教科から解放されたと感じた人もいるのではないでしょうか。大学などの研究分野でも、専門分野や得意分野を担当する分業制は珍しことではありません。平均的な学力で進路を選択しないで済むように、入試制度なども変化していくといいと感じています。
2021年11月12日学習障害(LD)/ 限局性学習障害・限局性学習症(SLD(Specific Learning Disorders))の治療法・療育法Upload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホン学習障害って治療できるの?治療と聞くと薬物治療を思い浮かべる方もいますが、今のところ手術や薬物などで医学的な方法による根本的な治療法はありません。学習障害における治療とは子どもの将来を広げるための手助けのようなものです。学習障害のある人は多くの場合、教育面・生活面での環境調整や療育といった支援で困難さが軽減されます。学習障害のある人は脳機能の偏りのため特有の見え方・感じ方をしており、生活上や学習上、努力だけで乗り越えづらい困難があります。そのため日々過ごしていく上で、周りからのサポートが必要になってきます。まずは学校や地域の専門機関などの力を借りて専門家チームの検査・評価のもと、子どもの特性を理解しましょう。※現在は「限局性学習症」という診断名となっていますが、一般的には最新版DSM-5以前の診断名である「学習障害」と呼ばれることが多くあるため、ここでは学習障害と表記します。学習障害なのではと感じたらどこへ相談すればいい?専門機関とは子どもの場合、発達障害者支援センター、児童発達支援センター、児童発達支援事業所などを指します。大人の場合は発達障害者支援センター、障害者就業・生活支援センター、相談支援事業所へ行ってみましょう。まずは身近な相談できる専門機関に行ってみて、障害の疑いがある場合には専門医を紹介してもらうこともできます。また、家庭での対応も重要となります。子どもへの接し方は、子どものやる気や達成感を養い、うつ病や引きこもりなどのいわゆる二次障害を防ぐ上で大切な役割を担います。学習障害の発見が遅くなったり、誤った障害の理解により「自分は何をやってもできない」と子どもが思い込んでしまうことが原因となり、勉強意欲の低下、不登校などの二次障害と総称される症状や状態を引き起こしてしまう可能性も少なくありません。やる気、達成感を育てることは学習障害の子どもにとって最良の対応法といえるでしょう。学習障害の治療の判断基準は?いつから始めるべきなの?学習障害は知的発達に遅れがみられないことから、発見が難しくなります。そのため、実際に読み書きや算数などの学習が開始される小学校入学後に気づくケースが多くなっています。また英語だけに現れる学習障害の場合もあり、中学進学後に分かることもあります。このように特性のタイプや障害の程度によって症状に気づく時期が異なります。どのような症状があれば治療を行うべきなの?文部科学省の定義によると、学習障害(LD)とは、全般的な知的発達に遅れがないものの、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論する」能力のうちいずれかまたは複数のものの習得・使用に著しい困難を示す発達障害のことです。医学的な診断基準とされるDSMでは「学習障害(LD)」とされていましたが、最新版のDSM-5では、診断名が変更され、現在は「限局性学習障害/限局性学習症(SLD)」になっています。限局性学習障害の定義では障害内容は「読み」「書き」「計算」の3つに限定されます。このように読みに困難さがある人もいれば、読むことはできても、書くことに困難さがある人もいます。「学習障害」の状態や特性の現れ方は人によって異なります。子ども本人が学習に困難を感じていたり、同年齢の子どもと比べて著しく習得に遅れが見られるなど、子どもの様子から学習障害があるかもしれないと感じた場合は、まず学校や発達障害者支援センター、児童発達支援センター、児童発達支援事業所などで相談してみましょう。その後、専門家の検査により学習障害と判断されてから治療を行うのが一般的ではありますが、医師による診断がつかなかった場合や検査を受ける前であっても、その子に合った環境を整え、学習方法を見つけてあげることが大切です。治療を始める年齢は何歳?治療を終える判断基準は?学習障害があることに気づいたら、すぐにその子にあったサポートを進めることが望ましいです。学習障害にはいくつかタイプがあり、さらに一人ひとり、学習に得意不得意の偏りがあります。また、その人の現在の年齢によっても学ぶ内容は変わってきます。そのため、一人ひとりに適している治療や支援方法は異なると考えることができます。同様に、治療を終える判断もそれぞれです。通常学級で勉強をしながら、理解できなかった部分だけ通級指導教室で個別に指導を受ける方法もあります。学習障害の治療法・療育法早期発見・早期療育が望ましいとされる学習障害ですが、一体どのような治療法、療育法があるのでしょうか。今回はその方法についてご紹介していきます。◆学習障害の療育方法療育とは、社会的な自立をめざしてスキルを習得したり、環境を整えるアプローチのことです。このような療育は、発達障害を専門とする病院や公立・民間の児童発達支援事業所などで行われています。学習障害はその子の認知特性や苦手な部分によって、それぞれ直面する困難や課題が変わってきます。そのため、その子の特性に合わせた学習方法を獲得することが目的となります。療育法にはさまざまなものがありますが、学習障害の療育で最も大切なのは、その人に合った学び方や環境をつくることで、その人が困難を感じている分野に対する苦手意識を解消することです。苦手意識を持ってしまうと、その分野の学習に対して取り組む意欲がなくなり、困難は改善されないまま育ってしまいます。そのため、一人ひとりの子どもの成長速度や学び方に合わせて、できるだけ成功体験を増やしてあげることが大切です。つまり、子ども自身が「これなら学びやすい・学ぶことができる」という方法を探すということです。学校や療育施設などと連携し、学習方法を変えたり、環境を整えたりといった工夫を組み合わせ、さまざまな方法を試しながら、その子に合った学習方法を探していきます。・その子にあった覚え方や学び方を工夫する…クイズにして覚える、漢字のパーツを分けてパズルを作るなど・環境的な配慮をする…プリントはゴシック文字を使う、文字の色を変えるなど・代替手段を使用する…タブレットの音声読み上げ機能を使う、計算機を使うなど言葉や社会性など、それぞれの能力を習得する時期に近い段階で早期に療育を開始することで、障害による困難さが軽減されやすくなると考えられています。一般的に年齢が低い段階で、その子にあった療育を始めると、その後の社会適応力も高くなるといわれています。イラスト/かなしろにゃんこ。
2021年11月06日「ほしい!あったらいいな」を1,100人がチョイス!第3弾のスタートは、ユーザーのみなさまから普段の困りごとを伺ったお声をもとにフェリシモのプランナーが出した21のアイテムから『あなたの「ほしい!あったらいいな」はどれ?』を「みんなのアンケート」で選んでいただきました。1,100人を超える回答をいただき、「1つに選べない」「みんなほしい!」とのお声も。その結果は…【発達ナビ×フェリシモ】あなたが欲しいものはどれ?発達障害フレンドリーなグッズづくり第3弾!人気の高かった順に、次の5つに商品化アイテム候補を絞りました。1.椅子の姿勢崩れを防ぐ「両面滑り止めつきクッション」(19%)2.感情コントロール苦手さんのための「感情コントロールレッスンキット」(8%)3.“1人になりたい”がかなう「室内テント」(8%)4.勉強道具もゲームも持ち運び「お片づけ収納ラック」(6%)5.曜日ごとのルーティンワークが一目瞭然「1週間ToDoリスト」(5%)仕様はどうする?追加アンケートでさらに調査を進めます5つのうち、「姿勢崩れを防ぐクッション」と「お片づけ収納ラック」は商品化決定!モニターをお願いしながら開発を進めていくことに決まりました。のこり3つのアイデア「1週間ToDoリスト」「感情コントロールキット」「室内テント」については、フェリシモプランナーも迷うところ…。さらに追加アンケートを実施し、くわしい質問で具体的な仕様を検討していくことに。ほしい機能として、前回の「タスクチェッカー」のように「完了できたかどうかチェックできる」と、「時間割のように一覧できる」の「どちらもほしい」というご意見が41.2%と圧倒的でした。具体的には、怒りを発散してコントロールするための「握るアイテム」と、感情の種類や度合いを表現する「コミュニケーションカード」に大人・子どもの当事者共に、人気が大きくが二分されました。遮光や防音機能のついたしっかりと空間を遮断できる仕様のものがニーズが高い結果になりました。開発する3アイテムが決定!「姿勢崩れを防ぐクッション」と「お片づけ収納ラック」に加え、追加アンケートの3アイテムからは「1週間ToDoリスト」を開発することに決定しました!1,100人のご意見から選んだ、3つのアイテムを進めていきます。アンケートへのご協力、ありがとうございました。体感覚がつかみにくく、姿勢をコントロールするのが苦手な方でも、体勢をととのえやすくなるクッションを開発中です。全体の約19%(220名)の方に選ばれた『椅子の姿勢くずれを防ぐ!「両面滑り止めつきクッション」』には、さまざまなお声が寄せられました。<寄せられたお声>・いろいろ姿勢矯正クッションを使ったけど、ずれてしまうので、両面ズレ防止に期待したい・成人当事者なのでオフィスでも使えるものだとありがたい・学校にも持って行けそうな、シンプルなデザインのクッション希望です開発のポイントは、クッション両面でしっかりお尻が滑らないように留めるズレ防止。お子さんはもちろん、大人も普段使いできてかつ、シーンを選ばずに使えるデザイン。さらに重要と考えたのは、滑りやすいスカートをはいているときや、集中できずに気が進まない何かをやらなければならないときも、がんばって座っているのに「だらしない!」と怒られたり、怒ってしまったりしないようになることを目指しています。座っているときは何かに意識が向かってしまうことから、体幹に意識を向けるのが難しい。そんな人たちに向けて。自分で、もしくは保護者さまの声がけですぐに姿勢のポジションを変えられるように、お尻だけでなく、足元にも注目して企画開発を進めています。現在このアイテム開発のモニターをしてくださっているのは、「発達ナビ」で人気のコラムライター「ひらたともみ」さん。学童を運営されているそうで、数名の小学生のみんなにも使ってもらいながら、形を少しずつ決定しています。ひらたともみさんのコラム記事はこちら!前回「こまごましたものを仕切りとアイコンでわかりやすくまとめられる」と好評いただいた「ひとまとめで整理らくちん 取り出しやすいお道具箱」。企画のアンケートで「どこで使いたいか」いう質問に、「おうちの中で部屋を移動して持ち歩きたい」の声が多かったので、今回、「さっとまとめて部屋移動が楽なラック型の収納」をつくることにしました。Upload By 発達ナビ編集部勉強やお仕事を中断して食事やエアコンのある部屋に移動する際など、さっと片づけたいとき、中身が見やすい仕切り付のラックで失くしものや探しものを防いでスムーズに再開できるといいなと考えました。色柄については、「デスクパーテーション」のアンケートで要望の多かった、気持ちが落ち着くライトグレーッシュとインテリアになじむ白木をイメージしたカラーで展開します。現在このアイテム開発のモニターをしてくださっているのは、「発達ナビ」で人気のコラムライター「丸山さとこ」さん。お子さんとご自身にサンプルをモニターしていただいて、ご意見をいただきながら開発しました。丸山さとこさんのコラム記事はこちら!Upload By 発達ナビ編集部1週間分の「ToDoリスト」が一目瞭然!毎日のルーティンワークで忘れがちなことをリスト化して、「やること」「やったこと」を可視化して完了できたかどうかがひと目でわかるボードを開発中です。絶対に忘れたくない「薬を飲んだか」や「忘れ物チェック」としても使え、さらにはゴミ出しや習いごと、お弁当が必要な日など、家族ごと・曜日ごとに違ったスケジュールで混乱しがちなことも、ボードがあれば家族に共有できる”コミュニケーションボード”になるような商品を目指しています。<アンケート結果>・自分や家族が共有しやすいおしゃれなボード…41.8%、・1週間分のToDoが書き込めて、「完了」がひと目でわかる…20.9%Upload By 発達ナビ編集部また、アンケートに答えてくださった〈388名〉の内、大人が使いたいと答えた方〈41名〉、お子さんが使いたいと答えた方〈134名〉、家族みんなで使いたいと答えた方〈174名〉と、約半分の方が「家族みんなで使いたい」というアンケート結果に。<寄せられたお声>・小学生へ行くときの持ち物や、仕事の予定や帰宅時間など家族で共有したい・書き込んだものが消せたり、シールを貼ったものが剥がせたりして、内容を変えて繰り返し使えるようにしてほしい・小さな子や発達障害のある子は絵の方が分かりやすいからリストを絵にしてほしい・親同士の仕事の動き方の共有や、子どもが見通しを持って1週間を過ごすためにほしい・親に言われてやるのは嫌がるけど、自分で進められないので、自発的にできるように毎日のやることに使いたい・子どもの生活スケジュールや勉強のサポートに使いたい忙しいながらも、お子さんの毎朝の準備などの声かけをしている方や、お子さんから進んで自分の支度ができるようになってほしい方に向けて、「お子さんにも使いやすい」ボードになるような仕組みを取り入れるよう検討中です。具体的には、誤飲などの安全面を考え、細かいパーツが出ない仕様にしたり、ワンタッチで簡単に操作でき、動かすと変化がでるような仕組み、イラストを描いて分かりやすくアレンジしたりなど小さなお子さんが使いたくなる仕様を目指しています。また、発達障害のある大人や、普段から忙しく忘れがちなこと、忘れっぽい方にも「大人が使いやすい仕様」や、インテリアになじむデザインにも視点をあてて開発中です。現在このアイテム開発のモニターをしてくださっているのは、「発達ナビ」で人気のコラムライター「寺島ヒロ」さん。実際に家族3人でリアルに使ってもらいながら、お声を反映してより使いやすくなるような仕様に調整中です。寺島ヒロさんのコラム記事はこちら!第3弾の新アイテムは、2022年1月中旬に発売予定!新アイテムは、2022年1月に発売予定です。商品開発やモニターに関わっていただいた3名のライターさんによる、リアルな感想や使い方をご提案いただく楽しいコラムも順次公開します。お楽しみに!
2021年11月04日そもそも集団生活をする学校が音やニオイなどの環境面で合わない子どもは多いこんにちは。加藤路瑛です。15歳、高校1年生です。自分の困りごとである感覚過敏の問題を解決したいと思い13歳のときに「感覚過敏研究所」を立ち上げ、感覚過敏の課題解決に取り組んでいます。当事者目線、特に子どもの視点で感覚過敏について話していきたいと思います。今回は、感覚過敏のことも含めながら、中学や高校に登校せずオンラインスクールを選んだ場合の生活や、学習面、そしてリアルな現状について僕の体験を通してお伝えします。不登校の理由はさまざまですが、感覚過敏などによって学校の環境に合わない子どもは少なくありません。ホームスクール&ホームエデュケーション家族会がホームスクール&ホームエデュケーションを実践している164世帯に実施したアンケート調査によると、「家庭を拠点とした教育・学びを始めた理由・きっかけ」の1位は「学校の環境が合わない(音、光、匂い、授業時間の長さなど)」で、全体の66.5%を占めていたというデータもあるようです。実際、僕も中学校の教室での、騒がしさやお弁当のニオイなどで教室にいることが苦痛で、休み時間は校内の静かな場所を探して過ごすようにしていましたし、過敏さによる体調不良で保健室に通う回数も増えていました。そのような中で次第に学校にいることに苦痛を感じるようになり、中学1年の3学期からは学校を休みがちになり、最終的に中学2年生の9月に当時通っていた私立中学を退学しました。私立中学を退学した中学生はどうなるかというと、地元の公立中学校の所属となります。しかし、学校生活の音やニオイなどが不登校の要因だと分かっているのに、地元の公立中学に通うという選択を僕はできませんでした。僕が選んだのは角川ドワンゴ学園N中等部でした。N中等部は、学校教育法で定められた学校ではなく、フリースクールやインターナショナルスクールなどのような学びの場と類似するものです。N中等部は「プログレッシブスクール」という表現をしていました。ですので、地元の公立中学に籍をおきながら、フリースクールに通うことになります。参照:N中等部現在は完全オンラインコースもありますが、当時は、N中等部にはオンラインコースはなくキャンパスに通学して学習するスタイルでした。地元公立中学が認めてくれれば、N中等部の出席日数がそのまま地元公立中学の出席日数になる場合もあります。僕も籍を置くことになる地元中学に相談に行き、N中等部の出席日数をそのまま公立中学の出席日数に認めてもらうことなりました。書類上は不登校生ではないのです(笑)したがって、卒業証書は地元中学から出ることになります。N中等部での生活N中等部は通学日数を週1、週3、週5コースから選ぶことができます(現在はオンラインコースもあります)。僕は週5コースを選びました。N中等部で、いろいろな体験や学習ができると期待したからです。N中等部では「他人の意見を否定しない」というような、グランドルールというものがありました。グランドルール以外のルールはありません。ですから、服装も髪型も基本的には自由です。休み時間に、持ってきたSwitchなどのゲームで遊ぶのも自由ですし、パソコンで動画を見たりゲームをするのも自由です。授業中にトイレに行ったり、飲み物を飲むのに先生の許可はいりません。僕は嗅覚過敏が強いので、お弁当の時間は1人で離れて食べるほうが気が楽です。N中等部では、同じように1人で食べている人も普通にいて、1人でいるのも、そんなに目立ったりすることはありません。僕は、ゲームなどやらせてもらうこともありましたが、結構、一人でヘッドホンをして好きな音楽を聞いて、過ごしていました。そういう状態も特別ぼっちという感じではなく、好きなように過ごしているという感じです。学習面は、国語・数学・英語のオンラインカリキュラムはありますが、自分の好きなテキストで勉強してよく、時々オンラインの確認テストがあります。しっかりテストがあるわけではないので本人が真面目にやるかどうかにかかっていて、やらなくても誰も何もいいません。僕は正直、N中等部時代に中学の勉強はほとんどやりませんでした。通っていた私立中学では中学2年の夏の段階でほぼ中学3年生の範囲の学習をしていたこともあり、N中等部でがっつり勉強する意欲はありませんでした。また、プログラミングの授業やプロジェクト学習などは、楽しめる人もいれば楽しめない人もいると思います。通っている生徒の多くは、不登校の代替として選んでいる印象がありました。コミュニケーションが得意でない人も多いように思いました。何かしら、今の学校教育に合わなかった人が集まっているのかもしれません。中学3年生当時は、コロナ禍で通学ができなくなりましたので、僕は通学週1コースに変更しながら、週1回、オンラインで授業に参加しました。2020年度からはネットコースも誕生しましたが、週1コースにしました。ちなみに、オンラインでの動画授業は、24時間好きなときに自由に視聴して勉強できる環境です。学習面は自立と自発が必要で、プロジェクト学習やプログラミング授業は本人次第とは思いますが、僕は総合的にN中等部に進学して満足していました。生徒を個人として尊重して接してくださる先生方と、無理をせず存在できる環境は僕にとって気が楽でしたし、「N中等部」という所属先があることの安心感はありました。そして、ちょっと人とは違う先進的なスクールを選んだというような誇りのような気持ちもあります。Upload By 加藤路瑛高校もそのまま通信制高校へ高校は角川ドワンゴ学園N高等学校へ進学する予定でした。N中等部生がN高等学校へ進学するとき、高校の通学コースを選ぶとき、一般よりも早い時期にエントリーすることができ、早い時期に入学許可をもらうことができます。人気キャンパスで定員いっぱいで申し込み中止になるような自体がない限り、それほど大きな特典ではありませんが、進学先を迷っているとき、お守りとしてN高の入学許可を持っておくのは気持ちが落ち着く人もいるかもしれません。僕の場合は、N高等学校だけでなく、S高等学校が新設されるという情報があったので情報を待ちました。そして、S高等学校を選びました。スクーリングを受ける本校が沖縄かつくばかの違い以外はないという説明でしたので、1期生という言葉の魔力で僕はS高等学校の1期生になりました。通学はいっさいせず、オンライン学習のみのネットコースです。N高・S高の通学コースというのは通学して数学や英語をやるのではありません。一般的な高校卒業に必要な内容は通信制高校としてオンラインで授業を受けて、課題を提出して単位を取ります。では、通学コースは何をしているかというと、簡単にいうと習い事としてカルチャースクールやビジネススクールに通っていると思ってください。プログラミングや英会話、プロジェクト学習をキャンパスでやるのです。僕はネットコースのみなので、これからのキャンパスでの取り組みは一切なく、単純に高校卒業の単位をとるだけの目的で利用しています。N高・S高も大学受験用のコンテンツも用意していますが、活用するかは本人次第です。学習は毎月課題提出内容が決まっており、それまでに動画を視聴し、確認テストに回答していきます。動画は飛ばして見ることはできませんし、視聴しないでテストだけうけるようなこともできないようになっています。好きな場所で好きな姿勢で好きな時間に受講できるのはやっぱり楽です。集団の中で制服をきて、みんなと同じように先生の話を聞き、同じスピードでテストに答えていくようなことが苦手な僕にとって、マイペースに静かに勉強できるのはストレスが少ないです。通信制高校生の生活Upload By 加藤路瑛N高・S高は購入も任意の制服があります。通学コースの生徒も着ても着なくてもOKです。通学の服装も自由です。僕はネットコースで通学したので制服は買っていません。写真は、入学式で新入生代表をさせてもらったときにお借りしたものです。多分、これが最初で最後の制服姿かもしれません。基本的に感覚過敏で服を着るときに痛みを感じるので、制服があるような生活は好みません。普段の勉強は、布団の上で寝転がってノートパソコンで講義を見ています。フリーダムです(笑)ネットコースで友達ができるかどうかも心配される人がいますが、これも本人次第です。N高・S高全生徒が参加しているコミュニケーションツール(Slack)で生徒は交流できます。ゲーム仲間を集めたり、アニメや音楽など共通の話題で繋がったり、同好会もたくさんあります。活用できるかは本人次第で、先生が人間関係のサポートをしてくれる訳ではありません。また、有料・無料のさまざまな特別講座が企画されています。声優の方の講義が聞けたり、写真撮影の勉強ができたり、ワークショップや海外留学の情報セミナーなど。そういうものの中に興味が持てるものがあるかもしれません。情報は全てSlackで流れてくるので、僕はこれが苦手です。ですがセミナーの案内などは保護者のメールアドレスにも届くので、保護者の方もご安心ください(笑)Upload By 加藤路瑛N高・S高の新しい取り組みとしてはVR学習です。先ほど入学式で新入生代表で挨拶をしたと書きましたが、入学式の一部はVR上で行われました。僕も配信スタジオにいましたが、式ではアバターで登場しています。もうリアルボディーも不要です。VR授業を受けられる学び方もあります。Upload By 加藤路瑛仮想空間に地球儀が出てきて回すことができたり、本を開いたりできますが、使用は必須ではありません。僕はVR酔いがひどいので、実はVR学習はあまりやっていません。最近は発達障害の小さい子のソーシャルスキルトレーニングもVRで行ったりするようですが、視覚情報と平衡感覚や固有覚が不均衡になりますので合わない人もいるかもしれません。僕はVR学習は一旦、撤退をしていますが、とても面白い世界なので、VR酔いの解消方法を考えてまた取り組みたいと思っています。ヘッドセットは触覚過敏、聴覚過敏、視覚過敏があるとなかなかつらいものなので、この部分の改善も必要だと思っています。通信制高校は課題さえこなせればあとは自由です。僕は自由な時間で、感覚過敏の研究や商品開発などもしていますし、アルバイトもしています。ゲームもしますし、アニメなども見ます。通学というものから解放された生活は本当に楽です。ただ、自由すぎるので、生活は乱れます。朝4時くらいに寝て昼に起きるということも少なくありません。その生活を不規則だとかだらしないと怒るような保護者だと窮屈だろうと思いますが、僕の親は自由にさせてくれています。まとめ僕は中学から一般的な学校に通う生活をやめています。それを他人は「不登校」と呼ぶのかもしれませんが、僕は自分が不登校だと思ったことは一度もありません。学ぶ場所を自分が快適だと思う場所に変えただけです。もちろん、中学で私立中学を退学するとき、悩みました。それは自分の人生が変わるとか、人と違うことをする不安というよりも、「親に申し訳ないな」という葛藤です。私立中学にせっかく入学して、そのまま高校にも進学できるのに、その道を嫌だと言うのです。普段は自由にさせてくれる親が、僕の中学退学だけはすぐにいいとは言ってくれませんでした。ですから、不登校になるとか、フリースクールに通うとか、通信制高校に通うというのは、本人が自分の人生を悩むと言うより、親が深刻に考えているから、それを子どもが見て、申し訳ないことをしているように感じるのだと思うのです。それは、多分、子どものことを真剣に考えてくれるからこその否定や不安の表現なのだと思いますが、なんとかなると思います。どうか、学校に行くかどうか、人と同じような学校に行けるかどうかで悩みすぎないようにしてほしいと思います。どの道が正解かなんていうことはわかりません。本人も親もわかりません。ただ、今思うのは、自分が快適だと思う場所を選べる自由を、心から感謝しています。今は高校1年生ですが、大学進学も考えています。どの場所が快適か、考えながら自分の居場所を探したいと思います。執筆:加藤路瑛(監修者・井上先生より)他の人と違う道を選ぶことは、親御さんも本人も勇気がいる人も多いかと思います。加藤さんの実際の体験のなかでの感想はとても重要なものです。多様な学びの場があたりまえの選択肢として認知されるようになってほしいと思います。
2021年10月30日コロナの影響で1/3程度だった出席率がほぼゼロに…!わが家のでこぼこ兄妹の妹、ASDのあるいっちゃんも中学3年生となりました。進学を希望しているので、本来ならば志望校を決めて受験対策をしていなければならない時期…ですが…。もともと睡眠障害や聴覚の過敏さがあり不登校がちでしたが、コロナの影響もあって不登校の日が続き、学校で将来のことについて話すこともなく、本人も「これから私どうなるの?来年から高校に行くんだっけ?」と、具体的なイメージもできないまま、不安だけを感じているようでした。高校を目指す人の空気を浴びに…塾に行かせてみたら…すでにいくつかの学校を見学して志望校は絞り込んでいたいっちゃん。「学校に行くのは無理でも、同じように進学を目指す同級生が身近にいれば少しはイメージが固まってくるのでは?」と考え、家から30分ほどのところにある進学塾(のようなもの)の夏期講習に行かせることにしました。そこに決めたのは、娘の志望校に特化した進学指導をしているらしいとネットで見たからです。Upload By 寺島ヒロ絵が好きな同級生に囲まれてやる気に!この塾では自分の行けそうな時間帯に予約を取って通えるので、睡眠時間がまちまちのいっちゃんにも通いやすく、また一緒に指導を受けている子どもたちも、どこか自分に似ているタイプの子どもが多く、いっちゃんにとって居心地は良かったようです。夏休みが終わるころには課題をもらって絵を描くことにも慣れてきて、「ここの人たちみたいな人がいるなら、高校でもやっていけそう」と、頼もしい言葉が出るようになってきました。私も「高校生になろうという意欲が出てきたのかな?」と、少しほっとしました。いきなり「行きたくない…」と言いだした!そのわけは?ところが、夏期講習が終わり、9月からの週2回の講義に移ると、娘が「やっぱり塾行きたくないな…」と言いだしたのです。何か気になることがあるのかと聞いてみると…なんと「音がするのが怖い…」というのです!Upload By 寺島ヒロ聴覚に過敏のあるいっちゃん、ほかのみんなが気にしない程度の「ジー」という電灯の出す音を聞き取ってしまい、不快に感じていたのです。原因は「音」!ノイズキャンセラーイヤホンで解決!さっそく、塾の先生に連絡を取り、いつも学校や外出時に使っている愛用のノイズキャンセラーイヤホンの使用を許可してもらいました。Upload By 寺島ヒロ夏期講習のときは昼間に授業を受けていたので太陽光だけで十分に明るかったのですが、9月からは学校の終わる時間から夜までの時間帯に変わったので、教室内に電灯が点くようになっていたのですね。いやあ、そこには気が付かなかった…!ノイズキャンセラーイヤホンの使用を許可していただいたおかげで、今では問題なく通えています。執筆/寺島ヒロ(監修:鈴木先生より)不登校の原因の一つに起立性調節障害があります。車酔い・朝起き不良・頭痛・立ちくらみなどが主な症状です。起立テストといって15分間立つ前後に血圧・脈拍・心電図を計測することで判定できます。治療は「ミドドリン」という起立性低血圧のお薬で改善します。私の外来に来ている子どもの不登校の原因の多くは、実は音過敏にあります。隣のドアの音・定規をこする音・同級生のひそひそ話・椅子のギーギー音・鉛筆でノートやテスト用紙に書く音などなどです。対策としては、イヤーマフ・耳栓・イヤホンなどがありますが、それでもダメな場合は相談室や特別支援学級などの個室か少人数の場所へ移動して勉強をしています。私たちが家では集中できないため図書館の自習室で勉強するのと似ています。ただ、クラスの皆がイヤホン等を使用していないので担任や親からクラスメートに音過敏について説明をする必要もあります。多少の音でも大丈夫な場合はBGMをかけることで雑音が遮断され集中できることもあります。ホテルのロビーなどに噴水があるのは、鑑賞以外にいろいろな音をマスキングする役目もあるからなのです。自閉スペクトラム症のお子さんは音過敏以外に臭い・味・触覚など感覚に敏感なお子さんも多いです。
2021年10月27日2022年カタールワールドカップ(W杯)アジア最終予選がスタートした9月、日本代表ボランチ・遠藤航(シュツットガルト)が「『楽しい』から強くなれる」という初の著書を出版しました。「僕は未来の自分がサッカー選手になり、プロとして活躍している事、日本代表として活躍している事を期待しています」「世界に通用するDFとしてサッカーを楽しんでいる事を期待しています」これは遠藤選手が中学3年の時、10年後の自分に向けて書いた手紙だと言います。その内容通り、彼は日本代表となり、ドイツ・ブンデスリーガ1部でデュエル(球際)勝率1位に輝くという大輪の花を咲かせています。偉大な遠藤航選手はどのような育てられ方をしたのか......。それは多くの保護者や指導者が関心を抱く部分でしょう。その疑問に答えてくれたのが、父・周作さんです。(取材・文:元川悦子)(C)中河原 理英■「子どもに期待しない」遠藤家の育児方針茨城県で育った学生時代にセンターバックをしていたという周作さんは、航選手が横浜市立南戸塚小学校入学と同時に加入した南戸塚少年サッカークラブ(SC)で指導者として息子を指導。航選手にとって「最初の恩師」ということにもなります。「私は子育てするうえで2つのポリシーがありました。1つは子どもに期待しないこと。親の過度な期待が子どもの負担になるケースは少なくありません。内心期待していてもそれを感じさせないような立ち振る舞いに努めました。もう1つは子どもを1人の人間として扱うこと。幼いなりにも考えはありますから、彼らの頭の中をのぞきにいかないと理解できない。『この子は今、何を考えているんだろう』という疑問を持って接するようにしていたんです」周作さんは淡々とこう話しますが、子どもの側に立って考えるのは大人にとって容易ではありません。思い通りにならなくてストレスを感じたり、忍耐を強いられたりすることも少なくないでしょう。それでも、遠藤家では「あれしろ」「これしろ」とは絶対に言わず、彼らの答えを引き出すように仕向けていたというから、驚嘆に値します。■親にできるのは選択肢を与えること「長男の航を筆頭に子どもは3人いるのですが、我が家ではすぐに答えを言わないようにしていました。サッカーの指導をしていても、社会人として働いていても感じることですが、物事の答えは1つじゃない。自分なりの回答を見つけてほしいと思っていました。子どもは1つ1つの判断に時間がかかりますし、何回やってもできなかったりするのですが、それでも焦れずに辛抱強く待ち続けたんです。親にできるのは、沢山の選択肢を与えてあげることくらい。航にも小学校低学年くらいまでは野球やパターゴルフ、サッカーといろいろやる機会を作り、本人は野球にも熱を入れていました。最終的にはサッカーを選びましたが、別のトライからも多くの学びがあったはず。『好きなことを突き詰める』という今につながるメンタリティも養われたのかなと感じます」■やらなくて困るのは本人周作さんのこうしたポリシーはスポーツにとどまりませんでした。勉強に関しても「やらなくて困るのは本人。必要だと思えば自分からアクションを起こすだろう」と考え、一度も「勉強しろ」「宿題をしろ」などと言ったことはないそうです。航選手本人はもともと真面目に勉強する子どもだったようですが、サッカー強豪校で偏差値も高い桐光学園などへの進学を視野に入れ始めた中学2年の時、自ら「塾に行かせてほしい」と言い出し、積極的に通ったほど。この時点ですでに自立心と自主性に長けた人間に育っていたのでしょう。■「反抗期終わったから」と本人から報告があった「ウチは妻(母・香さん)も教育ママではないし、両親2人ともボーっとしたタイプ(笑)。航には『人に迷惑をかけるな』とは言っていましたが、怒ったことは一度もありません。思春期の中学2・3年頃、本人が『オレ、反抗期終わったから』と言ってきたころがありましたけど、反抗した印象がなかったので驚いた記憶がありますね。親から見てもあまり感情を露わにするようなタイプでもないし、つねに『もう1人の自分』がいて、客観的に自身を見ているようなところがあったんでしょう」(周作さん)こうした冷静さと落ち着きは年齢を追うごとに養われたようです。生粋の負けず嫌いの航選手は低学年の頃は負けるたびに泣いていたものの、高学年になると自分をコントロールできるようになり、周りを励ましたり、指示を送ったりもしていました。周作さんも指導者として我が子だけを特別扱いするのではなく、全員とフラットに接し、長所を伸ばそうと努めていました。チームメートに誠心誠意歩み寄る父の姿勢を間近で見て、息子はフォア・ザ・チームを養っていったはずです。■セレクション不合格でも挫折感を感じなかった理由一方で、周作さんは「子どもにはもっと広い世界を知ってほしい」とも考えていました。そこで小学4年の時、横浜F・マリノスのジュニア・スペシャルクラスのセレクションを受けるように勧めました。「航は南戸塚SCの中ではうまい方だったと思いますけど、もっとうまい子はいくらでもいる。その現実を分かってほしくて、『こんなのがあるよ』とセレクションの情報を伝えました。本人は『じゃあやってみる』と二つ返事でしたが、受かるとは全く思っていませんでした。実際のセレクションも見ましたけど、ドリブルが上手で3~4人をスイスイ抜いていくような子が何人もいて、航は決して目立ちませんでした。案の定、結果は1次テストで落選。小学5・6年の時もジュニアユースのセレクションを受けましたが不合格。本人も自分の実力を分かっていたのか、落ち込んだ様子もなかったですね」(周作さん)著書の中で航選手は「大きな挫折感はなかった。『見返してやりたい』とか『合格者がうらやましい』とも思わなかった。落ちた後もマリノスの試合を普通に観に行っていたくらいだから」と語っていますが、そう思えたのも「サッカーが好きだから続けたい」という感情が強かったからでしょう。「自分で判断して前進することの重要性」を早い段階から知らしめた父のナイスアシストによって、航選手はよりサッカーを突き詰めるようになり、現在に至るトップ選手への道を貪欲に切り開いていきました。「子ども自身が自発的に行動を起こすように親は黙って見守る」というスタンスが奏功したのは、紛れもない事実と言えるでしょう。
2021年10月22日モーニング娘。OGメンバーの飯田圭織さんは、現在4歳の娘さんと8歳の息子さんのママです。そんな飯田さんに今回は子育てインタビューをさせていただきました! 後編となる今回は、お子さんの小学校受験についてのお話をメインに取材させていただきました。画像出典:飯田圭織さんのオフィシャルInstagramよりー息子さんは小学校受験されたそうですね。受験しようと思われた理由やきっかけを教えてください。 飯田さん:きっかけは、小学校受験するお友達が幼児教室に通っていて、受験は考えていませんでしたが、子どもにどうやって教えるんだろうという興味があり、一度体験に行ったんです。そうしたら、もう私が目からウロコで! やっぱりプロの先生の教え方がおじょうずで、これはすごく子育てにも役に立つなと思いました。あとは、息子がすごく楽しそうだったんです。「僕お勉強楽しい! 行ってみたい! 」と言ったのが第一でしたね。受験するしないは後で決めてもいいから、お教室通ってみようか、というスタートでした。 ー目からウロコだったのは、どのような教え方だったんですか? 飯田さん:子どもと同じ目線で教えてくださるんですよ。例えば、ネコの絵を出して「これはイヌだよね」って先生がわざと間違えるんです。子どもたちは、すっごく楽しそうに「違う違う! イヌだよ~! 」と言って、先生に教えてあげようという気持ちから、たくさん学ぶんですね。あぁ、すごくいいなって。私も家でやってみようと思って、「ママ疲れたから歯磨きしないで寝よう~」ってわざと言ってみると、「え! ダメだよ、虫歯になるよママ! 」って自分で言うから、「はい、言ったよね、じゃあしようね」と。幼児教室が親の成長にもなりました。 ーパパは、幼児教室や受験に対してどのようにお考えだったのでしょうか。ご夫婦で話し合ったりしましたか? 飯田さん:主人はしばらくは、「受験はかわいそうだよ。早いよ」と言っていたんです。でも、息子本人が楽しんでやっているということと、受験するもしないも、結果が良くても悪くても、そこまで頑張ったことは無駄にならないよねっという話をして、やれる範囲でやってみたらとなりました。娘が生まれたばかりだったので、私が連れて行けないときに、主人に連れて行ってもらったら、主人がなんだかすごくノリノリで帰ってきたんです。やっぱり私の報告だけじゃなくて、自分の目で子どもが頑張る姿、できるようになる姿を見て変化していったんだと思います。 負けず嫌いな息子を元気づけるのが一番のサポートー息子さんご自身は、受験をどういうふうに捉えていらっしゃったのでしょう。 飯田さん:息子は5月生まれで、それまでは同学年の中でもできることが多くて、ちょっとお兄ちゃんタイプだったんですね。でも幼児教室に行って、できなかった自分がすごく悔しかったんでしょうね。男の子特有の負けず嫌いな気持ちに火が付いたという感じなのかな。一番になりたい、よし行くぞ! ってやる気が出たんだと思います。 ー諦めたくない、もっとできるようになりたいっていう強さは、ママの印象にも重なりますね。 飯田さん:うちの家庭はすごく息子といっぱい話をするので、私がモーニング娘。で培った諦めない気持ちとか、目標を定めて達成する、達成するまで諦めない! みたいなハングリーな部分は、息子にも受け継いでいるのかな。 ー小学校受験の準備ってどういうことをされるのですか? 飯田さん:私自身はお受験を経験していないので知らなかったのですが、今は素敵な幼児教室がたくさんあるんですよね。私の場合は、すごく信頼できる先生に出会えて、学校もさまざまなタイプがあるので、まずは目で見ることが重要と教えていただきました。娘も小さかったんですけど、いろいろな学校の説明会や学園祭に足を運びました。やっぱり実際に目で見ると、どういう方向性が息子に合うのかわかってくるんですよね。 ー息子さんの受験のサポートで、飯田さんが意識していたことはありますか? 飯田さん:やっぱり、子どもといえどもプレッシャーはかかるし、その数時間で100パーセントの力を出し切れるかというと、なかなか難しいじゃないですか。だから、風邪をひかないようにごはんを食べさせる、あとはとにかく自信をつけさせる。ダメだったことで全部のテンションが落ちちゃうと良くないなと自分も反省したことがあったので、ぐっと言いたいことを堪えて「大丈夫! できるよ! 先生があなたを見たら、この学校に来てくださいって言っちゃうんだから! 」って、子どもを元気づける、これが一番重要だったかなと思います。 自分より大事な存在を守る育児、楽しんで悩もう ー子どもがいるっていいなと思えるのはどんなときでしょう? 飯田さん:。皆さんもそうだと思うんですけど、自分は1日中休めなかったり、エステや美容院やお買い物など、やりたいことをぜーんぶ我慢して子育てをするじゃないですか。私も子どもを持つ前は自分中心の生活で、自分磨きがすごく好きだったのに。今は鏡も見ないで出かけてきちゃった! とか、しょっちゅうですね(笑)。でも、自分よりも大事な存在ってこういうことなんだなって。それを守っていくということは、ものすごくかけがえのないことなんだなと、日々感じていますし、子ども達の存在がすべての原動力になっています。 ー子育ての中で大切にしていることがあれば、教えてください。 飯田さん:お勉強も大事だし、いろいろ大事なことはあるけど、人を大切にすること、人を思いやること、これは子どもたちに第一に言っています。私自身、やっぱりモーニング娘。の仲間やお友達関係から生まれる絆は一生大事にしたいと思っているので。「お父さんもお母さんもお兄ちゃんも妹もお友達も、みんなずっと大事」と何度も何度も言ってますね。でも今、コロナ禍でなかなか直接人と接することができないですよね。お友達を招待して、お誕生日パーティーをしたり、遊ぶ約束もしたいんですけど、一定の距離を保たなければいけない。なんだかちょっとかわいそうだなと思ってしまいます。 ーそうですね。最初仰っていた、娘さんができるようになったときに、息子さんが一緒に喜んであげていたお話は、そういう教えからなのかなと思いました。飯田さん:そうだとうれしいですね。妹もお兄ちゃんのサッカーに一緒に行って、「お兄ちゃん! 頑張れー!! 」って一生懸命応援してます。お互いを大事にして、お互いの頑張りを認め合える兄妹になれているんだったら、私はすごくうれしいです。 ー子育てを始めたばかりの新米ママのころと今では、どのように変わりましたか? ふたり育児も経験されると、肩の力は抜けるものでしょうか? 飯田さん:肩の力は……抜けないですね(笑)。でも、まぁ冷静でいることが重要だとわかってきました。例えば子どもがお熱を出しても、息子のときは夜間救急に電話して相談したり、夜中にちょっと咳をしただけでも目が覚めて、スマホで調べたりという感じだったんですけど。ただ、その時にお母さんも体調を崩してお世話ができないという経験もしたので、今は少しでも寝ておこう! と思えるようになりました。常に冷静に、先々を見て考えようって。経験ですね。あぁ、でもそういう意味では肩の力、少し抜けてきているかもしれないです。 ー最後に、これからママになる方、なろうとしている方にメッセージをお願いします。 飯田さん:私ももう8年目で、いろんな経験をしてきました。ママになって子どもを育てるってすごいことだけど、自分のお母さんも経験しているし、隣のおばちゃんも経験しているし、すごく特別ってことではないと思うんです。悩んだり戸惑ったりすることもたくさんあると思うんですけど、その一つひとつを楽しんで、わが子と向き合っていければ、お母さんとしても良い時間を過ごせると思うので。うん、楽しんで悩んでくださいって思います。私自身も、楽しんで悩めたら素晴らしいなと思っています。 この度はお忙しいところ、インタビューのご協力どうもありがとうございました! お話しを聞いていると、すごく子育ての熱意が伝わってきて、とても聞きごたえのある素敵な取材でした! 最後の「楽しんで悩んでください」というメッセージも飯田さんが言うからこそ説得力があると思いました! 子育ては大変なことも多いと思いますが、飯田さん自身も、かわいいお子さんとの日々を悩みながらも楽しんでくださいね。 PROFILE:飯田圭織さん1981年8月8日生まれで北海道出身。1998年モーニング娘。1期生としてデビューし2代目リーダーを務めた。2005年グループ卒業後ソロに転身し歌手、タレントとして活動。2007年には結婚を発表し、現在は男の子と女の子の2児のママとして育児にも奮闘中!著者:ライター 山口がたこ漫画も描ける主婦ライター。2016年生まれの「ムスメ」と出来すぎた「神ダンナ」との大阪暮らし。Instagramでは、おうちごはんや子育てエピソードを更新中!
2021年10月16日モーニング娘。OGメンバーの飯田圭織さんは、現在4歳の娘さんと8歳の息子さんのママです。そんな飯田さんに今回は子育てインタビューをさせていただきました! ママ歴も長くなってきた飯田さんですが、日々の育児に悩むこともあるそうです。今回はそんな育児の悩みや、皆さんも頭を悩ませているコロナ禍のお家での過ごし方など、お話を聞かせていただきました!画像出典:飯田圭織さんのオフィシャルInstagramよりー8月に40歳のお誕生日を迎えられたそうですね、おめでとうございます。Instagramではお子さんたちからのサプライズプレゼントを投稿されていましたが、うれしい言葉などをかけられたのでしょうか? 飯田さん:ありがとうございます。いつも自分たちがお祝いしてもらっているから、ママのお誕生日はボクたちも何かやりたい! ということで、パパとこっそり相談してくれたみたいです。でも、下の娘は「ママに内緒なんだけど、私、ママのお誕生日のお飾り作ってるんだ~」って言ってきて(笑)。1週間くらい前から、「ママのお誕生日だね。ママを喜ばせたーい! 」ってすごい楽しみにしてくれていましたね。 ー事前にネタバレしてしまったのですね(笑)。それでもうれしいですよね。 飯田さん:そうですね。だから「ママのお誕生日も、ママのお料理食べられると思ってる? その日はお料理しないからねー」と話したら、「そっかぁ! 」って言ってました(笑)。 ーママのお料理が大好きなんですね。Instagramにもおいしそうなお料理やお弁当の写真が多いですね。もともとお料理することは好きだったのでしょうか? 飯田さん:好きですね。15歳から1人暮らしだったので、上京してからずっと自炊しています。15歳ってちょうどぽっちゃりしやすい年ごろじゃないですか。当時はすごく厳しいマネージャーさんで、「自己管理できずに売れなくなったら北海道に帰ってください」と言うような教育だったので、せっかく頑張ってアイドルになれたのにっていう思いで、体型キープのための自炊でした。Instagramでは、私物や私服を見せてほしいというお声もあるんですけど、もう毎日慌ただしくて……。あっ! て気がつくのがお料理が出来上がったときなんです。本当は完成度の高いものを載せたいんですけどね。毎日のことなのでなかなか……。でも日常の雰囲気を見せられて良いのかな。「かおりんのインスタ見てメニュー決めてるよ」ってお声を聞くと、あぁ良かったと思いますね。 ママの真面目さ故に試行錯誤の育児 ーデビュー当時から真面目で努力家のイメージがあったので、子育てに対しても真面目に取り組んでいらっしゃるのかなと想像していました。実際はいかがですか? 飯田さん:子どもときちんと向き合うように心掛けているので、少し口うるさいかもしれないです(笑)。真面目すぎるかなって思う時もあるんですけどね(笑)。特に上は男の子なのですが、私のなかではちょっと手こずっていますね。今朝も家を出るのが少し遅くなって、持ち物も確認しないで走って家を出ようとしていて、忘れ物を3つもしていたんです。なので、「持ち物をちゃんと確認しなさい」って言ったり、「焦って車にひかれないように」って言ったりするのですが、でもあんまり言い過ぎもよくないかなぁ? と考えたりもする日々で……。頭を抱えることが多いです。 ー男の子と女の子では違いますか? 飯田さん:私自身が姉妹の長女ですし、モーニング娘。になってからずっと女の子の世界で活動してきたので、男の子のことは理解不能なんです(笑)。娘の育児は、私も同じ女ですし、後輩たちも育ててきているので、言い方や考え方を理解できてラクに感じているのかもしれないです。息子の子育ては、アクション映画を常に体感している感じですかね(笑)。かわいいところもたくさんあるんですけどとにかくやんちゃで! もうちょっと型にはめずに子育てしてもいいと思うんですけど、抜けているなと感じる部分を今のうちに直しておくのも親の責任なのかな!? って思うと、私の真面目さ故に朝からどんよりしてきちゃいます(笑)。 ー子育てをしていて大変なことはどんなことですか? 飯田さん:今、すごく悩んでいるのは、子どもが困っているときに、どういうふうにアドバイスしたらいいのかなっていうことですね。例えば、お友達と喧嘩しちゃったり、嫌なことを言われたときとか。私たちの時代とは違うから、どんなアドバイスが正しいのか、正直よくわからないんです。私もこういう性格だから、なるべく子どもの力になりたくて、なんて言ったらいいんだろう? って調べたりしちゃうんですけど、主人は、「子どもは子どもなりの力を持っているんだから、自分で改善するから大丈夫だよ」と言うんです。それもそうだけど、親心としては、嫌なことがあったのに、そのままにしておくのも気にかかるんですよ。 ーまさに現在進行形、試行錯誤の最中ということですね。 飯田さん:そうですね。今日は大丈夫かなって後ろをついて行きたい気持ちを、ぐっと我慢したりするんですけど(笑)。子どもの力を信じて任せていいのか、子どものことを理解したうえでアドバイスしてあげたらいいのか、さじ加減がわからないですね。 コロナ禍は家族で有意義な時間を持てるようにー昨年に引き続き、お出かけなども自由にできない夏休みを過ごしたご家庭が多かったと思います。コロナ禍の夏休みはいかがでしたか? 飯田さん:まさに、うちもそうでした。旅行にも行けないので、これはいい機会だと目標を立ててみたんです。息子はサッカー少年で、スイミングを習う機会がなかったんですけど、学校の水泳教室までに何メートル泳げるようになるって目標を決めて、スイミングの夏期講習やプライベートレッスンを入れたんです。元々カナヅチだったんですけど、ガッと集中して通って、23メートル泳げるようになりました! あとは、まず朝起きたらお勉強をして、それが終わってから一緒にサッカーの練習をする計画を立てました。娘は娘で、お兄ちゃんが英語を勉強しているのを横で聞いていたり、隣で動物図鑑を見たりして、この夏休みに英語や動物の名前をすごく覚えたんです。目標を決めてやってみると、塾などに通わなくても、兄妹2人同時に成長できるんだなと実感しました。 ー素晴らしいですね! とても有意義な夏休みです。 飯田さん:なんだかんだ2カ月弱あった夏休み、予定がない日が1日もなく、ハードでしたが良い時間の使い方ができました。またおもしろかったのが、息子に「お兄ちゃん、ちょっと教えてあげて」とお願いして息子から妹に折り紙を教えてもらうようにしたんですけど、妹ができるようになっていくのを見て「わぁ!すごいできるようになってる!」と息子がすごく喜ぶんですよ。そういう兄妹の関係も良いなって。私の自分時間は1ミリもなかったんですけど(笑)、こういう時間の使い方もすごく良いなと思えた夏休みでした。 ー目標や計画を立てて過ごすおうち時間のために、何か工夫したことはありますか? 飯田さん:これは私もそうなんですけど、息子に夏休みが始まる前に、目標を書いてもらったんです。私、野球が大好きなんですけど、大谷翔平選手が高校生のときに、なりたい自分を表に書き出して、そうなれるように1個1個努力していたとインタビューで仰っていたんです。さらに大谷選手のすごいところは、当時のその表に書いてあったことを全てクリアしているんですよ。やっぱりこうして1個1個目標を定めていたからこそ大活躍されている今があるんだなと思い、息子にも「目標を書いてごらん」って言いました。まあ、小学生の息子はまだ、書いて完結してしまったり、「あの紙どっかいっちゃったー」ということもあるんですけどね(笑)。 ーそれではコロナ禍を通して、これまでの家族の生活に変化などはありましたか? 飯田さん:以前は子どもが幼稚園や習い事に行ったら、先生に全て教えてもらえるんだと思っていたんですよね。でも、ずっと一緒にいると、習っているはずのことを覚えていなかったりとか、すごく見えてくるんです。私もリモートのお仕事が増えて、家庭に向ける時間が今までより作れるようになったこともあり、「よし、教えるぞ!」っとやる気がでまして。また、子どもたちも、親の持っている知識を知りたいみたいなんですよね。例えば、息子は食べるのがすごく好きなんですが、食べ物に何の栄養があるのか知りたいようで、「サッカー強くなりたい! 足が速くなりたいから、筋肉になる食べ物教えて」と言ってきたりして。食事って、食べておなかいっぱいになってごちそうさまって、それで終わりといえば終わりじゃないですか。でも、こうやって一緒にいる時間が長くなったことで、食事からもいろいろ会話が生まれるなと気付きましたね。「この食べ物はこんな栄養があって、これで筋肉になるんだね」とひと言プラスするだけでも、かなり違うと思うんですよ。ただ食べるより、そうやって食べ物の知識などを盛り込みつつ、楽しんで食べたほうが楽しいじゃないですか。そういう知識や楽しさを、コロナ禍によって家族みんなで掘り起こしていけるようになりましたね。 飯田圭織さん、この度はどうもありがとうございました! インタビューを通して飯田さんの一生懸命さや真面目さが伝わってきたのと、お子さんからもすごく愛されているんだなと感じました。インタビュー後編となると次回の配信では、息子さんの小学校受験についてお話ししていただきました! ぜひ次回もチェックしてくださいね。 PROFILE:飯田圭織さん1981年8月8日生まれで北海道出身。1998年モーニング娘。1期生としてデビューし2代目リーダーを務めた。2005年グループ卒業後ソロに転身し歌手、タレントとして活動。2007年には結婚を発表し、現在は男の子と女の子の2児のママとして育児にも奮闘中!著者:ライター 山口がたこ漫画も描ける主婦ライター。2016年生まれの「ムスメ」と出来すぎた「神ダンナ」との大阪暮らし。Instagramでは、おうちごはんや子育てエピソードを更新中!
2021年10月15日ワールド・ファミリー バイリンガル サイエンス研究所(※以下、IBS)では、小学5・6年生担任教諭および英語専科教員を対象としたオンライン勉強会(計2時間/受講料:無料)を2021年9月26日(日)に開催しました。小学生の英語授業に関するアンケート(調査元:一般社団法人ダヴィンチマスターズ)「小学生アンケート結果をベースにした英語授業の進め方」勉強会の様子2021年3月に社会貢献活動の一環として初めて開催した「4月からの英語授業 こうやってみよう!」がご好評をいただいたことを受け、今回は第2回目と「小学生アンケート結果をベースにした英語授業の進め方」をテーマに開催。全国から約50名 の先生方が参加し、初の試みとなるグループ・ディスカッションも行いました。以下、勉強会の内容を抜粋して紹介します。■ 第1部「生徒のレベルを考慮した言語活動:スピーキングをベースにしたリスニング指導」講師:佐藤 久美子氏玉川大学大学院 教育学研究科 名誉教授佐藤教授は、小学生に対するアンケートで「英語の授業は好きですか?」という質問に対し、「好き」と回答した割合が約7割であったことは、ほかの教科と比較しても高い割合であり、子どもたちは英語の授業を楽しんでいることがわかる、と解説。一方、3割の子どもは「嫌い」と回答。その理由として「英語を聞いても何を言っているかわからない」などが目立ち、小学校の先生がペラペラと一方的に英語で話すことは考えにくいことから、リスニング教材の難易度が高い可能性がある、と分析しました。佐藤教授によると、「子どもの聞く力が育つ仕組みからして、日常生活に関わる推測しやすい内容(インプット)を聞かせる工夫が必要。そして「英語を聞く前にイラストを見ながら『ここはどこかな?』などとやりとりをする、ところどころで一旦音声を止めて「何が起きたの?」などと質問する、聞き終わったあとに『お話の内容は好きだった?』などと会話する、といったことを通じて子どもたちがすでに知っている知識と結びつけて内容を推測しやすいようにサポートすることが大切です。」とのことです。■ 第2部「英語表現をどう導入する?〜言語が使用される場面を意識して〜」講師:瀧沢 広人氏岐阜大学 教育学部 教育学研究科 准教授瀧沢准教授は、小学生のアンケート結果から、英語の授業を嫌いな理由をAIテキストマイニングで分析。結果、小学3年生と小学6年生の回答で「わからない」というキーワードが最も多いことがわかりました。小学3年生の場合は、知らない言語に初めて触れたことによる感想であり、小学6年生になるとまた違う「わからない」が出てくるのでは、と推測。これからの小学校英語教育では、「わからない」と感じている子どもたちにどのように教えればいいか、ということが課題である、と考察しました。「言語の習得は、インプット(聞く・読む)→気づき→理解→内在化→統合→アウトプット(話す・書く)という順に進みます。よって、子どもが「わからない」と感じているということは、気づきが不十分ということ。」と瀧沢准教授。そこで、今回の講演では、基本表現の導入方法がテーマとなりました。まずは教員が実際に体験したことなどを、わかりやすい写真やイラストを見せながら、学んでほしい表現を繰り返し使って紹介。そして、子どもたちに質問を投げかけながら、気づいているかどうか、意味を理解しているかどうかを確認。このように、教員の体験を伝える、子どもたちの体験を伝える、といったやりとりを行う言語活動を通して、自然と学習内容に気づき理解させることで、「わからない」を軽減する具体的なアイデアが共有されました。■ 第3部グループ・ディスカッション&発表参加者が4、5人ずつのグループに分かれ、佐藤教授による課題(リスニング内容の導入アイデア)、瀧沢准教授による課題(基本表現の導入アイデア)を選び、授業のアイデアを出し合う時間が設けられました。使っている教材や授業の取り組み、デジタル教科書やタブレット端末の普及状況は、全国各地でさまざま。各地の先生方がこれまで実践したことやアイデア、子どもたちの反応を共有しました。「〜でいつも悩んでいるのですが、みなさんはどうしていますか?」、「そのアイデアいいですね!楽しそう!」という声も多く聞かれ、先生同士の学び合いの場になっていました。ディスカッション後には、いくつかのチームがアイデア内容を発表し、佐藤教授、瀧沢准教授がアイデアの良かった点や関連するアイデアなどをコメント。参加されている先生方が自由に質問できる時間も設け、とてもアットホームな雰囲気で勉強会が終了しました。■ 【英語に関する小学生の意識調査概要】■調査期間:2021年9月■対象エリア:全国■対象者:小学3年~6年の児童とその保護者■調査方法:調査会社によるインターネット調査■設問数:12問(定量データ7項目/定性データ5項目)■サンプル数;405名(小学3年生:100人/小学4年生:105人/小学5年生:100人/小学6年生:100人)■調査元:一般社団法人ダヴィンチマスターズ( )詳しい内容はIBS研究所で公開中の下記記事をご覧ください。■小学校教員向け勉強会「小学生アンケート結果をベースにした英語授業の進め方」開催レポート ■ワールド・ファミリーバイリンガル サイエンス研究所(World Family's Institute Of Bilingual Science)事業内容:教育に関する研究機関所 在 地:〒160-0023 東京都新宿区西新宿4-15-7パシフィックマークス新宿パークサイド1階 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年10月15日お子さんの進路の選択肢を広げる、企業・サービスを紹介するセミナー動画をお届けします発達ナビユーザーの皆さんから寄せられた、進路選びへのお悩みの声に寄り添う取り組みとして、9/25に開催された「一人ひとりに合った進路選び応援セミナー」。イベントの中の「今を支える個別のまなびセミナー」では、進路を考える上で大きな支えとなる可能性がある、企業・サービスのご紹介をさせていただきました。Upload By 発達ナビ編集部今回のセミナーには、不登校や学校への行きづらさを感じているお子さまの保護者のみなさまに向けて、ホームスクーリングに適した学習教材や、日中の居場所となるフリースクール、発達障害や不登校の子の指導に特化した学習塾などが登壇。どのセミナーも、たくさんの方にご視聴いただき、大きな反響がありました.Upload By 発達ナビ編集部Upload By 発達ナビ編集部Upload By 発達ナビ編集部そこでこの記事は、「今を支える個別のまなびセミナー」で各企業からお話のあった内容を抜粋してお伝えするとともに、アーカイブ動画をご視聴いただけるように用意しました。そしてそして、大好評のイベントとなりましたので、当日ご参加いただいた方にもそうでない方にも、資料請求ができてセミナーの様子も動画で見ていただける特設サイトをオープン!アーカイブ動画の公開は10/31(日)までの限定公開となりますので、ぜひこの機会にご覧ください。※ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから「今を支える個別のまなびセミナー」の特設サイトに遷移します4つの企業の特別セミナーを、動画で一挙ご紹介!学習教材「すらら」は、2020年12月末時点で学習者数が約33万人となりました。お子さん一人ひとりに合った学習が求められる時代、「無学年方式」で多様な学びに寄り添ってきました。全国学習塾1,016校、学校1,026校が採用している「勉強のプロが認める教材」ですが、それに迫る勢いで家庭学習サービスとしてのご利用者も年々増えているようです。Upload By 発達ナビ編集部今回のセミナーでは、「株式会社すららネット 子どもの発達支援室室長」である佐々木様から、すららを受講することで発達障害や不登校のお子さまがどのように変わったか、という実際の例をいくつかご紹介いただきました。中には不登校からすららを活用することで欠席日数がゼロになり、志望校に合格されたというお子さまも!さらに、これまで発達障害や不登校のお子さまを100名以上サポートしてきた、すららコーチも登壇。「一人で悩むより周りに助けを求めて欲しい。新しい視点で世の中が見られるかもしれません」と、優しい言葉で保護者の皆さまにエールを送られたセミナーは、終始温かな雰囲気に包まれていました。そんなすららですが、今なら特別にイベントアンケート経由のお申込みで、入会金が全額無料&すらら担当者おすすめのすららコーチがお子さまの担当になるとのこと!下記のボタンより遷移するアンケートにぜひご回答ください。※ボタンをクリックすると発達ナビのサイトからすららのサイトに遷移します明蓬館高等学校の中等部は、一人一人が自分のペースでICTを活用しながら、学びの中で自己肯定感を高めていく学校です。上級生と一緒に高校卒業や、その先の進路に向けて学習をしたり、「安心して安全な環境で挑戦できる」を毎日実践しながら学びを広げていく特徴を持っています。個別最適を目指すためのIEP(個別計画)を大切にし、好きなものを中心としていずれかの教科に結びつけていく、成果物学習で得意を伸ばしていきます。Upload By 発達ナビ編集部今回のセミナーでは、中学校から特別支援教育コースに通い、保育士を目指しているお子さまの事例の紹介がありました。在学中に保育実習を重ね、マイプロジェクトの発表会では保育士さんへのインタビュー内容や、現在の保育園の入園事情、乳幼児のからだづくりを発表し、自分の好きなことを深めていく様子がありありと伝わってきました。また現在大学2年生である卒業生のインタビューもあり、今の学びに明蓬館高等学校で培われた経験が活きていること、同級生や上級生との関わりが印象に残っていることなどが話されました。「自分が中学生の頃の環境では学ぶ姿勢が得られなかった、もっと将来を考える力が欲しかったと感じるので、新設された明蓬館高等学校の中等部はそういう場であって欲しいと思います」と、卒業生ならではの熱い想いも先生へと伝えられていました。そんな明蓬館高等学校では、ご希望の方に中等部についての資料請求も行なっているとのことです。下記のボタンより遷移するページで、お申し込みください。※ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから明蓬館高等学校のアンケートフォームに遷移しますキズキ共育塾は、発達障害・不登校・中退などの方のための学習塾です。1対1の完全個別指導で、小学生内容から難関大学受験レベルまで対応し、過去10年間で、3000人の卒業生が「次の一歩」に進んで行ったということです。授業内容は、ご希望や特性などに応じて、「ゼロからの学び直し」「志望校対策」「苦手分野対策」「勉強習慣の確立」「学習計画のサポート」などさまざまに対応しています。授業や勉強の方法自体も、特性に合わせてカスタマイズし、授業以外にも進路・悩みの相談やメンタルケアまでを大切にしているようです。Upload By 発達ナビ編集部今回のセミナーでは、進路選択のプロセスと、進路選択の時期別の具体的な動き方について、参考になるお話がありました。例えば「進路を決める前にやっておけるといいこと」、「発達障害に理解のある学校の探し方」、「将来の仕事を見越した学校の選び方」など、どれも考えるきっかけとなるものばかりでした。また、お子さまの困りごと別に、「忘れ物や物忘れ、ケアレスミスが多い」、「強い音や光などの刺激が苦手」、「集中力を保てない」などのお悩みに対して、学習環境や勉強方法、そしてメンタルサポートに至るキズキ共育塾の対応の考え方を教えてくれました。ぜひ動画でもご確認ください。そんなキズキ共育塾では、ご希望の方に今回のセミナーの資料の配布や、無料相談も行なっているとのことです。下記のボタンより遷移するページで、お申し込みください。※ボタンをクリックすると発達ナビのサイトからキズキ共育塾のアンケートフォームに遷移しますLITALICOワンダーは、発達障害のあるお子さまも多く通うプログラミング教室です。今回のセミナーでは、専門学校/高校での指導経験を持つ講師の元木から、プログラミング学習の方法や効果について、発達障害のあるお子さんの成長事例を交えて紹介がありました。「プログラミングってなんだか難しそうだけど、どんなものなの?」「プログラミングでどんな力が育まれるの?」「うちの子もプログラミングに挑戦できるの?」といった疑問を解消しながら、将来の選択肢の一つが見つかるヒントを得られるような内容となっていました。Upload By 発達ナビ編集部多くの発達障害のあるお子さんが、自分で考え、試行錯誤し、やり遂げる力を育んできたプログラミング教育が持つこれからの可能性がセミナーの中で明らかに。中でも、プログラミングを学んだ経験を起点として進学の幅が広がっていったという話は期待感も高く、学びの可能性としての大きさを感じさせてくれるものでした。例えばプログラミングがきっかけで、ゲームプログラミングを学べる高校に進学されたお子さま、アニメーション作品を作る中で美術系の高校への進学を決めたお子さま、そして「知りたいことは自分で学ぶ」姿勢が身につき、数学や英語などの学習にもつながったという不登校の中学生のお子さまのお話は、とても印象に残るものでした。そんなLITALICOワンダーでは、限定特典満載の無料体験を実施中です。下記のボタンより遷移するページで、お申し込みください。※ボタンをクリックすると発達ナビのサイトからLITALICOワンダーのサイトに遷移します【参加登録者限定】専門家講演のアーカイブ動画も配信中!ぜひご登録&ご視聴くださいUpload By 発達ナビ編集部その他にも、イベントの中で大きな注目を集めた専門家講演では、進路のことで今まさに気になる質問がたくさん寄せられ、その一つひとつに丁寧に井上先生と上木原から回答がありました。「今後、進路のことをどう話し出したら本人が考えるきっかけになるでしょうか」「小学校の学力もままならない状態でも通信制の高校には進学できますか?」「通信制に向いているタイプとそうでないタイプなどありますか?」「進路選択にあたってウィスクなどの発達検査を受けた方がいいでしょうか?」「通信制でも社会性を育てることはできますか?」Upload By 発達ナビ編集部その回答のどれもが気付きになるもので、そして優しく温かく、寄り添ってくれるものばかりでした。専門家講演の視聴には本イベントへの参加登録が必要となります。ぜひご登録&視聴して、進路について考える際のヒントにしていただければ幸いです。※ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから「今を支える個別のまなびセミナー」の特設サイトに遷移します他にも、通信制高校・サポート校の学校説明会も開催されましたので、詳しくは下記の記事をご覧ください。ここでは紹介し切れないほど盛りだくさんだった「一人ひとりに合った進路選び応援セミナー」。今からでも動画視聴や資料請求は間に合いますので、ぜひこの機会にご確認ください。皆さまの進路選びが、実り大きものになるよう願っております。※ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから「今を支える個別のまなびセミナー」の特設サイトに遷移します
2021年10月15日ごく平均点の子ども時代。絵を描くことや細かい作業はとても好きだった葉っぱ切り絵作家として、TwitterやInstagramで大人気のリト@葉っぱ切り絵さん。発達障害の診断を受けたあと、葉っぱ切り絵で発信するようになったいきさつをはじめ、ご自身のことについて伺いました。牟田暁子編集長(以下――)リトさんが小さいころのことから、教えてください。どんなお子さんでしたか。リトさん:小学生のころは、どちらかというとおとなしいタイプでした。スポーツはあまり得意ではなくて、家の中でファミコンで遊んでいるような子でした。勉強の成績は真ん中程度、学校で特別な問題を起こしたこともなく、友達もそれなりにいて、ごく平均点の子どもでした。親からは、「よく忘れ物するね」とは言われていました。だけど、それでものすごく困ってしまったとか、あるいは誰かをすごく困らせたといったことはなかったです。いじめられて居場所がなかったとか、そういったこともありませんでした。――葉っぱ切り絵、とても素敵です。やはり、絵を描いたり、何かつくったりすることは好きだったんですか。リトさん:絵を描くのは好きだったし、小学校のころはクラスで絵がうまいと言えば僕、と思っていました。けれど、中学生になって周りの友達の絵を見たときに、自分の絵は下手なんだということを自覚しました。筆圧がとても高いこともあってか、シャッシャッとした線でリアルに描くデッサンがうまくできなかったんです。細かい作業には没頭しがちなところはありました。食事のとき、カニの身をほじるのとか、魚の小骨を1本1本とるのが好きで、お味噌汁が冷めて怒られるまでやっていました(笑)。そういうことは得意でした。――学生時代は生きづらさや困りごとはそこまで感じずにいたけれど、社会人になって困難を感じるようになったということでしょうか。リトさん:そうですね。社会人になってから、どうしてこんなにうまくいかないことばかりなんだろうと、学生時代とのギャップに苦しみました。仕事は、自分としてはまじめに取り組んでいたし、やる気もあるつもりでした。なのに、自分が頑張っている意識とはどうも違うところで失敗してしまうんです。Upload By 発達ナビ編集部――仕事の失敗って、具体的にはどんなことでしたか。リトさん:そこでは上司に「おまえはすぐ自分の世界に入ってしまう」と言われました。作業していると没頭してしまって、目の前の世界がどんどん狭くなってしまうんです。たとえば、時間があるうちにと明日の商品の仕込みをしていたら、急に今すぐ売る商品を先に作らなくちゃならない、ということがあるわけですが、周りがバタバタと忙しくしている様子が僕には見えていなくて、明日の仕込みに集中し続けてしまう。切り替えが苦手なんです。仕事自体はとても丁寧で、売り子のパートさんには「あなたがつくったお寿司がいちばんきれい」といつもほめられました。一方で、忙しいときに「多少雑でもいいから、パッパとつくって早く出して!」と言われると、今度は雑過ぎて商品にならないものをつくってしまう。0か100かしかできなくて、みんなが自然にやっている「いい塩梅(あんばい)」というところが、僕にはできなかったんです。その後、回転ずし事業部に異動になったら、もっと臨機応変にマルチタスクで仕事をこなさなくてはならなくなり、それがつらくて最初の会社を辞めました。転職して2社目は、作業に没頭できそうな工場の仕事に就きました。でも、残業が非常に多くて、体を壊しそうになって3ヶ月で辞めました。3社目は和菓子の販売でした。最初のうちは、まじめによくがんばっているねと言われ、そのうちに店長候補として発注なども任されるようになりました。でも、ミスがとても多く、スケジュール管理も難しい。上司からも、どう接していいかわからないと言われ、僕自身も困っていました。――そのころは、発達障害の診断を受けられる前ですよね。リトさん:はい。どうしたものかとインターネットで調べるうちに、発達障害という言葉に出合いました。ADHDの特性を見ると、1~10まで自分のことに当てはまると思い、すぐにクリニックにかかり診断を受けたのです。発達障害だと分かって、今のような働き方を続けても未来がないのではと感じ退職しました。次にまた似たようなところに就職しても、同じところでつまずくのは分かっているから、生き方をガラッと変えないといけないと思ったんです。発達障害と診断されたときが、大きなターニングポイントになりました。発達障害があることを活かした仕事を作ろうとしていたUpload By 発達ナビ編集部――サラリーマンを辞めて、最初から葉っぱ切り絵で大成功!というわけではなかったですよね。リトさん:はい。自身の障害に関する発信用のアカウントを持ち、SNSで発信することから始めました。発達障害のことを世に広めたい、同じような苦労をしている人の助けになる仕事がしたいと思っていたのです。はじめのうちは、テキストのみでした。専門書を何冊も読み込んで、難しいことを分かりやすい言葉にかみ砕いて140字にまとめて発信する、というスタイル。ADHDの当事者にしか分からないことが僕には分かる、ということを発信し続けたら、そこから何か仕事のオファーがあるのではと思っていたのです。毎日発信することが就活代わりでした。――アートでやっていこうと方向転換したきっかけはなんでしょうか。リトさん:ハローワークで紹介された就職支援講座を受講中、課題をやる時間が余ったときにプリントの端に小さく細かい集合体の絵を描いていたんです。それがなんだか面白かったので、今度はノートにびっしり書いてみた。発達障害の過集中を使うと、こんなこともできるんだ!という発信ができると気づいたんです。これまで絵の勉強をしたことはなかったし、アーティストとしての発信というよりも、「ADHDの特性によって、こういうことができる」ということを伝えたかったのです。Upload By 発達ナビ編集部リトさん:最初は家族からも反対されましたよ。アートなんかで食えるわけがないって。実家暮らしとはいえ、貯金も切り崩して残金2万円を切り、1日も早く家にお金を入れないと、と焦っていました。親にも申し訳なかったし、先が見えない中で家にこもって毎日絵ばかり描いている状況は、何より自分が怖かった。とにかく、どうやったら作品が売れるようになるのかをひたすら考えていました。ただ、バイトしながらでは集中できないので、この間はほんとに働いていません。ひたすら、過集中の特性を活かして普通なら1日では描ききれないようなものを1日で描き、それを発信する日々でした。葉っぱ切り絵を始めたのが、2020年1月。急激にバズったのがその年の8月なので、その間8ヶ月、「いつか売れる」と思いながら作品をつくり続けていた期間がいちばんつらかったですね。8ヶ月は短いと、あとから振り返れば思うかもしれないけれど、その間、1円も稼ぐことはできず、失業給付金の期限も迫ってくるなかプレッシャーは相当なものでした。弱みを輝かせられる場所を見つけて成功する、ロールモデルになりたいUpload By 発達ナビ編集部――そんなプレッシャーがあっても、よく耐えましたよね。リトさん:ただサラリーマンをやっていただけのお金もコネもスキルもない30過ぎの人間が、自身の障害を武器にアートの道でゼロから挑戦する。そんな前例のないチャレンジはとにかく孤独で毎日が不安でした。でも、前例がないからこそ僕自身がこの道を開拓して一つのロールモデルになりたいと思ったんです。過集中によって生み出すアートで食べていけるようになったら、発達障害であることを逆に活かして活躍できるという証明になる!と信じていたんです。ADHDやASDのお子さんを育てる親御さんから「うちの子も診断を受けて、どう育てたらいいかわからないと思ったときに、こういう生き方もあるんだと思えました」と言われたときには、僕は背中を見せなくてはいけないと思いました。――こうなるんだ!という強い意志が、実現させたんですよね。すごいです。リトさん:切り絵アートの前にも、スクラッチアート、粘土に絵付け、白い紙袋に絵を描くとか、いろいろやったけど、それらはうまくいかず、うまくいかなければ次を試してきました。趣味として自分が作りたいものを作るのであればそれでもいいですが、お金を稼ぐとなると、僕だけが満足していてもしかたないのです。SNSでヒットするには、しつこく続けることが必須条件ですが、これだけしつこくやってこれたのは、切り絵が自分に合っているから、でもありました。それでも、ただの切り絵だったら、僕よりもっとすごい人たちもいて、SNSに投稿してもあっという間に埋もれてしまう。そこで、ネットで「切り絵種類海外」とかのキーワードでたくさん調べて、たまたまスペインの人がやっている葉っぱ切り絵を見て、これだ!と思いました。「自分もこれをつくりたい!」と思い、すぐに葉っぱを拾ってきて、その日から始めました。こうしていろいろやってはみたけれど、一貫していたのは「過集中によってできた作品」ということ。子ども時代の魚の小骨を1本1本とるのが好きだった、その集中力があったからこそ、なんです。――それにしても見れば見るほど細かいですよね。カッターだけで切っていくんですか。リトさん:そうですね、普通のカッターより細いデザインナイフを使っています。慣れればそんなに難しくはないですよ。大人はみんな「これは自分にはできない」と言うけれど、子どもはやってみたいと言います。やると意外とできるものなんですよ!もったいないなと思うのは、子どもがやりたいと言っているのに、「あなたにできるわけないでしょ」と、大人がやらせないこと。こういうときに、子どもの可能性の芽をつぶしてしまうんだなと思います。――集中していても、それが素晴らしいことだと思えなくてやめさせてしまう。無駄だからやめなさいとか言ってしまいがちかもしれませんね。リトさん:親は、子どもの強いところよりも弱いところをなんとかしよう、弱みをカバーしようと考えてしまいますよね。僕の作品は、弱みの部分を隠すのではなく、弱みを強みとして生かせる場所を見つけることで生まれたんです。もし、僕が小さいころから、味噌汁が冷めるまで魚の小骨をとっているようなころから、その面を伸ばすような教育をされていたら、もっと若いころからいろいろな芽が出た可能性があったんじゃないかとも思っています。子ども時代は、大人になるための準備期間じゃないUpload By 発達ナビ編集部――リトさんの作品は、心根のやさしさやあったかさがありますよね。そこは、温かい子ども時代の記憶があるからなのでしょうね。リトさん:ある意味子どもっぽい。それが僕の個性です。それは、子どものころから自分の好きなことを親に否定されずに育ててもらってきたからこそ生まれる世界なのだと思います。僕のこの作品に反映されているのは、子どものころに連れて行ってもらった遊園地の記憶や、1日何時間もやっていたゲームのストーリー、そういうものが随所に反映されています。無駄なことなんて一つもないんです。今まで経験してきたさまざまなことが、どこかでアウトプットされていくものなんです。子どもには、今熱中できることをさせて、将来大人になっても「あのころ楽しかったなぁ」と記憶に残る体験をさせてあげることが大事だと思っています。――楽しい、おもしろいと思っていたことが、人生の中で生きてくるんでしょうね。リトさん:やりたくないのに無理やり詰め込んだことは、生きてこないもの。だけど、本当に楽しかった記憶は残ります。将来のことを心配して、「今のうちにこれやっておかないと」ということではなく、目の前にいるこの子が、何を楽しんで熱中するのかを、今を見てあげてほしいです。子ども時代は、大人になる準備期間じゃないってことですよね。これから先のこと。発達障害のある子どもと一緒に作品を作っていきたいUpload By 発達ナビ編集部――私たちも、リトさんの作品が今の時代に生まれてくれてよかったと思っています。リトさん:自分がしていることが人の役に立ったと胸を張って言えることが、ようやくこの歳になってできました。「寝る前に必ず僕の作品を見てから寝るんです」と言われたり、「朝起きてスマホを開いて作品を見ると、1日頑張ろうと思う!」というコメントをいただいたりしたら、やる気が出ないから投稿はお休み、というわけにはいきません。僕自身が、こうしたコメントに助けられています。――今後の活動は、どのようなことを考えていますか。リトさん:活動を始めて1年半、個展も今年の1月からだし、5月にようやく作品集が出たところ。それでもありがたいことに、全国各地から、うちの地方でも個展をやってください!というメッセージがたくさん来るんですよね。ぜひ日本各地、海外も、まだ行ってないところに行きたいです。今は難しいけど、ワークショップなど、直接お客さんと触れ合えるイベントもしたいです。最終的には、こうしたアートを作る人を育てたいと思っています。発達障害がある子どもたちの話をじっくり聞きながら、一緒に作品作りができたらいいなと思っています。取材・文/関川香織撮影/鈴木江実子(リトさんより)できあがった作品は、空にかざして撮影するのが僕のこだわりです。光に透かすことできれいに撮れるし、葉っぱがもともとあった自然を額縁にすることで、よりイキイキして見えます。なので、片手で持って撮影するときに葉が倒れず自立するように考えながらカッティングしています。真ん中の太い葉脈を柱にすると、無茶なデザインでカットしても意外と葉っぱは倒れないんです。これは、たくさんの作品を作るうちにわかってきたことです。葉っぱはあらかじめ特殊な液に浸けて加工し、これ以上枯れずに保存できるようにしています。
2021年10月12日技術士、建築士などの現場・技術系の資格取得に特化した通信教育を提供するSAT株式会社は、現在日本で働く外国人労働者の中で最も多いベトナム人へ、資格取得を後押しするためのベトナム語字幕版「特別教育」の通信教育講座を随時開講しています。今月中旬には、新たに2つのベトナム語字幕版を開講。今年度中には、弊社で取り扱う全ての特別教育講座のベトナム語字幕対応を行う予定です。また、今後はネパール語、英語への字幕対応も行っていく考えです。※特別教育とは…フルハーネスや足場組立など、特定の危険性を伴う業務を行う際に受けることが義務付けられているもの【増える外国人労働者、ベトナムが中国を抜いて1位に!】厚生労働省が行った令和2年度の「外国人雇用状況」の届出状況まとめによると、現在日本で働く外国人労働者は約172万人まで増えています。国籍別に外国人労働者の割合を見てみると、これまで最も多かった中国を抜いてベトナムが1位に。外国人労働者全体の4分の1をベトナム人が占めていることがわかりました。少子高齢化による人手不足が叫ばれる日本において、今後ベトナム人を中心とした外国人労働者の数は増え続けることが予想されます。「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和2年度10月末現在)出典:厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和2年度10月末現在)【言葉がわからない…外国人の悩みを解決!ベトナム語字幕の講座を開講】外国人労働者増加の一方で課題となっているのが“言語の壁”。語学学校に通うこともままならず、日本語が分からないまま現場で意思疎通が図れずに不当な扱いを受ける外国人労働者は少なくありません。そこで弊社では今年1月より、「特別教育」講座のベトナム語字幕対応を行っています。これまで10の特別教育についてベトナム語の字幕対応を行ってきましたが、今月中旬には新たに「高圧・特別圧電気取扱者特別教育」「動力プレスの金型等の業務に係る特別教育」のベトナム語字幕対応版を開講。そして今年度中にすべての特別教育講座のベトナム語字幕対応を完了させる予定です。SATスマートEシステムのベトナム語字幕版【受講者は200人越え!続々届くベトナム人技能実習生の声】Nguyen Duy Thoさん「インターネットでSATのアーク溶接講習を知りました。でも、外国人なので日本語が上手でなく最初のころ色々心配しました。ですが、やってみたら操作が簡単にできました。また、こんな日本語が下手な私でも内容がちゃんとわかりました。特に今コロナウイルスがひどい状況でも家で勉強することができてとても助かりました。1か月勉強して、証明証を取れました。とても仕事に役立ちました。」Nguyen Duy ThoさんTran Van Hunさん「私は技能実習生として建設会社に入社しました。主に鳶工の仕事なのでフルハ ーネスと足場組立の資格が必要でした。まだ日本語が分からなかったため、SATのベトナム語字幕付き講習を知りすぐに申し込みました。仕事から帰宅したあとや、休みの日を利用して簡単に短い時間で資格取得する事が出来ました!自宅で講習受けられるのはとても便利です。」Tran Van Hunさん【質の高い教育を提供し、経済を発展させる~SDGsへの思い~】特別教育は、特定の危険性を伴う業務を行う際に受けることが義務付けられているもの、つまり人の命を救うために設けられている専門的な教育のことです。弊社では教育という面から現場に従事される方の命を守り、処遇を改善していくことで、日本の経済成長のみならず、自国に優れた知識と技術を持ち帰ってもらい、世界全体、社会全体の発展を支援していきたいと考えています。SDGs 17の目標【会社概要】名称 : SAT株式会社所在地 : 〒564-0051 大阪府吹田市豊津町9-1 ビーロット江坂ビル18階代表取締役: 二見 哲史事業内容 : 各種資格の教材作成・販売、資格対策講習会の開催、eラーニングコンテンツの作成URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年10月08日新型コロナ蔓延により、世界は変化を余儀なくされました。子どもたちも、この大きな時代のうねりと無関係ではいられません。学校ではオンライン授業が導入されたり、自宅ではお父さん・お母さんがテレワークをしていたりと、いままでとは違った生活になっているでしょう。そんな新しい時代、わが子の未来はどうなってしまうのかと不安になっている親御さんも少なくないはずです。そこで今回は、これからの時代を生き抜いていく子どもたちに「絶対必要な力」を考えてみました。子どもたちの65%が、いまはない職業につく!?これから世界はどうなってしまうのでしょうか?子どもの未来という観点から世のなかを見てみましょう。1. テクノロジー化が急速に進むIT化にともなって、「処理的な事務仕事は、2020年代を通じて半分に、その後の10年でほぼなくなっていくのでは」と、教育改革実践家の藤原和博氏は見ています。すでに、さまざまな店舗で自動精算機が普及し、企業では事務作業のIT化もどんどん進んでいますよね。「いまの子どもたちが大人になったとき、その65%はいまはない職業につく可能性が高い」という研究データもあるように、テクノロジー化は子どもたちの職業にも大きく影響を与えるのです。2. さらなるグローバル化が進む「多様性」という言葉を聞かない日はないほど、その必要性が各方面で指摘されています。人口減少や高齢化が進む日本。労働者不足の懸念や、世界との競合力強化の側面からもグローバル化の波は避けられないでしょう。「これからは国境を越えて人がつながっていく事象がさらに進んでいく」と教育ジャーナリストの中曽根陽子氏が言うように、これからはさまざまなパーソナリティーをもつ人たちと仕事をしていく時代なのです。「テクノロジー化」「グローバル化」、どちらも未来の仕事に直結する大きなテーマ。親世代とは違う能力が、子どもたちに求められるようになるでしょう。それは、どんな能力なのか――専門家の意見を参考に、「将来絶対に必要になる4つの力」を考えてみます。将来活躍するために必要な力1:「考える力」先の見えない時代に必要とされるのは、「記憶力」ではなく「考える力」です。「 “記憶力がよい = 頭がよい” わけではない!」と断言するのは、精神科医の泉谷閑示氏。本来、人間の頭には「考える仕組み」が備わっているのに、現代社会では記憶力のほうが評価されてきたため、応用力のない人が増えたと言います。また日本屈指の名門校、麻布中学校・高等学校校長の平秀明氏も、「情報をうのみにせず、自らの頭で考えよ」と、生徒たちに繰り返し話しているとのこと。複雑な問題を解決する際には、自ら情報を集め、考え、判断し、そして行動をしなければいけません。答えのない未来に備えるために、考える力の重要性はこれからますます増してくると言えるでしょう。「考える力」をアップさせるコツ■「どうして?」と聞かれたら「どうしてだろう?」と答える子どもの「どうして?」は考える力をアップさせるチャンス。元筑波大学附属小学校副校長・田中博史氏は、「どうして?」と子どもに聞かれたら「どうしてだろうね」と受け止めてから、「そんなこと、考えたこともなかった!」と伝えるのがよいとしています。子どもは、「パパ(ママ)も考えもしなかったことに自分は気がついたんだ」と嬉しい気持ちになり、ますます知的好奇心が高まっていくそうですよ。そして、親は必ずしも正解を教えなくてOK。一緒に考えてあげればいいのです。■子どもには「自分で決める」という経験をさせるまた田中氏は、考える力をつけるためには「自分で決める」という経験が大切だとしています。なぜならば、自分で決めようとすれば、自然と考えることになるから。子ども自身が「どれにしよう」「どっちがいいかな」と選択する機会を、たくさん与えてあげてください。そして子どもが選び終わったときに、「どうして?」と聞いてみましょう。すると「なぜ選んだのか?」を子どもはあらためて考えることになるのです。将来活躍するために必要な力2:「協働力」今後はグローバル化が一層進み、多様な人々と生きていくことになるでしょう。そのような世界で必要となるのは「協働力」です。千葉大学教育学部附属小学校教諭の松尾英明氏によると、「協働力」は単なるコミュニケーション力ではなく「自分の特質を生かしながら、さまざまな個性や能力をもつ人と一緒に、同じ目標に向かって力を合わせることができるスキル」とのこと。松尾氏はまた、「苦手なことで困っていれば、それが得意な誰かに助けてもらえばいい。逆に、自分が得意なことで困っている人がいれば、自分が助けてあげればいい」と話し、異なるスキルをもった人間同士が力を合わせることこそが大切だとしています。「協働力」をアップさせるコツ■家庭のルールを決めて、家族全員で守る「全米最優秀女子高生」の母であり、非認知能力育成ライフコーチとして活躍するボーク重子氏は、「家庭のルールを決めて、家族全員で守ること」が子どもの協働力アップにつながると話しています。家族といえども、別々の人間。子どもは一番身近なチームである家族のなかで協働力を育むのです。ルールは、「靴ひもは自分で結ぶ」「日曜日に朝食をつくる」など何でもOK。「あなたは家族のためにどういうことができる?」と子どもに聞いて、子ども主導でルールを決めさせましょう。■子どもにキャンプなどの自然体験をさせるキャンプなどの自然体験で「協働力」が育まれると言うのは、独立行政法人国立青少年教育振興機構 元理事長の鈴木みゆき氏。そして、できれば “家族以外” との体験が望ましいのだそう。初めて会った友だちと協力して何かをやり遂げたり、年齢の違う子ども同士で作業したりなど、自然体験やキャンプは協働力をアップさせる機会が盛りだくさんです。ひとりでの参加が難しいお子さまであれば、ほかの親子とのキャンプなどから始めてみてはいかがでしょう。将来活躍するために必要な力3:「やり抜く力(GRIT)」『脳科学的に正しい一流の子育てQ&A』著者で脳科学者の西剛志氏は、つまずいても立ち上がることができる「折れない心」と、何度でもトライし続ける「粘り強さ」――つまり、「やり抜く力(GRIT)」がなければ、将来的にしっかり生きていくことはできないと述べています。人生に挫折はつきものですから、そのつど落ち込んでいては先には進めません。また「やり抜く力」を提唱しているアメリカの心理学者アンジェラ・ダックワース氏の研究では、「やり抜く力にIQや才能は関係ない、この能力は先天的なものではなく、後天的に誰でも得ることができる」ということが明らかにされています。ぜひ今日から、子どもの「やり抜く力」を鍛えていきましょう。「やり抜く力(GRIT)」をアップさせるコツ■子どものチャレンジをほめちぎる!西氏、ダックワース氏の両者とも、「子どものチャレンジに対して、しっかりほめることが大切」と述べています。結果はともかくとして、チャレンジした行動力をとにかくほめちぎるのだそうです。このほめ方は、特に慎重派の子どもには効果が高いとのこと。もし望んでいた結果ではなかったとしても、「もう少し時間をかけてやってみよう」「〇〇ちゃんの努力はすばらしいね」など、子どもが「よし、もう一度頑張ってみよう」と思えるような声かけがポイントです。■「好きなこと」をとことん楽しんでもらう子どもに「好きなこと」「夢中になれること」があれば、やり抜く力は育っています。好きなことなら一生懸命になりますし、そのことについて勉強したり工夫したりするでしょう。注意したいのは、親が「上達させてやろう」と思わないこと。ダックワース氏によると、「その道を極めた達人でさえ、最初は気楽な初心者だった。必死に努力する以前に、まずは楽しむことが大事」とのこと。子どもがとことん楽しむことが先なのです。将来活躍するために必要な力4:「創造力」多くの専門家が必要だとする力、それが「創造力」です。『学びを結果に変えるアウトプット大全』著者で精神科医の樺沢紫苑氏は、「AIは『0から1』を考えることはできない。人間に求められるのは『0から1』を創造する力だ」と話していますし、西氏は「知能は高くなくても、創造力がある子どもは成功する」と断言しています。なぜ「創造力」がこんなにも注目されるのか――その理由は、「すでに確立された手法を知っていたり多くの知識をもっていたりすることの価値が、今後はどんどん下がっていくから」。『16倍速勉強法―「東大」「ハーバード」ダブル合格』著者で “学びのイノベーター” 本山勝寛氏は、そう予測しています。「創造力」をアップさせるコツ■どんどん「アウトプット経験」をさせる創造力は、知識や情報をインプットしたからといって育つものではありません。アウトプット経験を積み重ねることで創造力が育まれます。また、アウトプットする過程で、新たなアイデアが生まれることもあるでしょう。アウトプットの方法は、絵を描く、言葉で説明する、文章を書くなど、何でもOK。本山氏の著書『そうゾウくんとえほんづくり』でオリジナルの絵本をつくってみるのも手です。さまざまなワークをしながら、子どもの好奇心や自由な創造性、発想力を伸ばすことができますよ。■子どもが「退屈だ!」と感じる時間をつくる「退屈」を感じたときに、人は創造性を発揮します。そして幼少期にこそ「退屈な時間」が必要なのだそう。イギリスの心理療法家であるアダム・フィリップス氏は、大人は子どもの「興味を探す」ために、いろいろな体験をさせたがるけれど、本当に重要なのは、「退屈」のなかで、子ども自身が「興味のあることを探すために費やす時間」だとしています。スケジュールが詰まりすぎていないか、いま一度確認してみましょう。子どもが「暇だな~」なんて言っていたらしめたもの。創造力、育っていますよ!***今回挙げた「4つの力」は、「生きる力」となり、未来を切り開くための “エンジン” 。変化の波は着実に押し寄せています。子どもたちの「生きる力」を蓄えるために、できることから、さっそく始めてみましょう。(参考)STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|「大人の愛」と「協働力」が子どもを大人に導いていくーー親以外の人との交流によって広がる子供の視界STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|子どもを自立できる人間に育てるーー脳科学者が考える「理想の子育て」STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|求められるのは「想像」「創造」「協働」の力。「困っている子」がいてありがたい!?STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|“AI時代に大活躍”できる子どもの育て方。「アイデア」と「失敗」が必要な理由STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|家のなかに生活感を!子どもの「創造力」を伸ばすために親ができることSTUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|過剰な受験勉強よりも大切な、「10歳までに思い切り遊ぶ」という経験STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|“考える力”を伸ばす、子どもの「どうして?」と親の「どうして?」STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|親の役目は我が子の「自己探究の力」を育むこと。“理想の子ども像”を押し付けてない?STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|「ただの石でも化石に見える」?自分で新たに生み出す経験が育むイノベーション能力ボーク重子(2018),『世界最高の子育て』, ダイヤモンド社.GLOBE+|創造力とは、どこから生まれてくるのかYouTube|自分で考えよう|狩野みき|TEDxTokyo TeachersColeman|尾木ママが語る“家族キャンプ”のすごい力プレジデントオンライン|「点数より粘り強さ」偏差値75超の高校が求める“レジリエンス”が身につく親の習慣一中通信|「退屈のすすめ」ビッグイシュー・オンライン|小学生に宿題は無意味?/「退屈」することで子どもは初めて自分の頭で考える
2021年10月07日子育て世代のラーニングコミュニティ「子連れMBA」を運営する非営利団体、一般社団法人ぷちでガチ(登記:京都府、代表理事:赤坂 美保)は、ワーキングマザーに特化した、パラレルキャリア(副業・複業といった本業以外の活動)の立ち上げ支援プログラム「パラレルキャリアチャレンジ」を開始いたしました。この「パラレルキャリアチャレンジ」への参加を通じて、7名のワーキングマザーがゼロからのスタートで副業を立ち上げ、事業を前進いたしました。【背景】私たちの団体自体が全員副業で活動しております。これまで、主なメンバーの企業勤務のワーキングマザーが、「子連れMBA」の運営という副業経験をきっかけに、自律的なキャリア意識を醸成し、本業の能力向上に役立ててきました。そしてこの中から、副業を自ら立ち上げたい(ゼロイチしたい)メンバーもでてきました。しかし、一般的なゼロイチ起業の支援プログラム(アクセラレーションプログラム)は、夕方や週末にイベントが集中し、長時間のコミットメントが求められることが多く、子育てと仕事で多忙なワーキングマザーにとって参加が難しいという課題がありました。そこで、私たちが、これまでさまざまなステークスホルダーを巻き込み、ゼロイチで活動を立ち上げてきたノウハウを活かし、ワーキングマザー・副業をキーワードとした支援プログラムを開発いたしました。【パラレルキャリアチャレンジの特徴】当プログラムは、ワーキングマザー・パラレルキャリア(副業・複業)に特化し、次のような特徴があります。(1)多忙なワーキングマザーの副業立ち上げに特化オンラインツールを存分に活用して、双方向のコミュニケーションを取り入れる工夫により、多忙なワーキングマザーが、本業と並行で副業を立ち上げることを可能にしました。(2)100年人生のための無形資産の構築が目的目先の儲けを最大化する副業ではなく、中長期で本業とは違ったキャリアの軸を築くための、人脈やスキルといった無形資産の最大化を目指します。(3)仲間と一緒にすすめるプログラムパラレルキャリアを築きたい、志を同じくするワーキングマザーの仲間と一緒に取り組むことが特徴です。これによる、共にパラレルキャリアを歩む「仲間」という無形資産の構築も目指しています。サービス例1) ソーシャルボードゲームサービス例2) エシカルハンドメイドレースマスク【パラレルキャリアチャレンジの効果】当プログラム「パラレルキャリアチャレンジ」を通じて、半数以上の参加者から以下の効果があったという回答を得ました。・発想が広がった、アイデアがでやすくなった・新しいことに対する恐怖心がへった・本業や別の活動に相乗効果があった・アイデアを形にする力が身についた・充足感が得られた【ピッチイベントを開催しました】8月25日開催 複業チャレンジピッチ「わたしらしいパラレルキャリア」(パラレルキャリアにチャレンジしたメンバーによるトークイベントです) 【次回パラレルキャリアチャレンジのローンチ予定】今回の試行をもとにプログラムを改善し、12月より募集開始、2022年1月よりスタートいたします。以下サイトにて、今回の試行結果の報告や、次回の募集開始に向けての情報公開をしてまいります。 ■一般社団法人ぷちでガチとは子育てでえた視点で日本の“あたりまえ”を変える、子育て世代のためのラーニングコミュニティ「子連れMBA」を運営する関西発祥の非営利団体です。2015年、「会社ではできないことにチャレンジしたい」という関西の育休中の母親たちによる勉強会が発祥です。最初は少人数だったメンバーの輪が口コミで徐々に広がり、100回以上のイベント・勉強会にはのべ3,000人が参加するようになりました。2020年には完全オンライン化し、全国・全世界のワーキングペアレントのエンパワメントに取り組んでおります。また、「子連れの日(5月20日)」を記念日登録し、企業や行政など、さまざまなステークホルダーとの協業により、子育て世代から多様性豊かな社会を育む活動を行っております。■法人概要商号 : 一般社団法人ぷちでガチ(非営利徹底型一般社団法人)代表者 : 代表理事 赤坂 美保所在地 : バーチャルで全国で活動(登記住所は京都)設立 : 2017年3月事業内容: 各種教育サービスURL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年09月28日得意不得意の差がとにかく極端!発達障害のある人は「本人の中での得意不得意の差が大きい」とよく言われますが、私もそうでした。小学校6年のときに塾の二教科テストで、国語学年トップ、算数学年でビリっけつ、二教科平均でちょうどまんなかという成績をとり、職員室がざわついて「伝説的成績」と言われたことがあります。言葉を使い、理屈を突き詰める分野のことがとても得意で、逆に、単純に暗記したり、決まりごとにとりあえず従って計算したりすることがとても不得意でした。教科としては国語・英語が得意で、数学・歴史が苦手だし、とても苦痛。30歳を過ぎて知能検査を受けたところ、私は言語理解能力が極端に高く、理屈や意義がわかるとモチベーションが上がるたちである一方、単純な作業をミスなく大量に進めていくことが極端に苦手なことがわかりました。数学は、もし小学校のころに理屈を突き詰めて教えてくれる専門性の高い先生と出会えていたら、むしろ好きな科目になっていた可能性があります。けれど、苦手な手書きで計算を進めなければいけないこともあいまって、私が数学が苦手だったことは納得がいきます。知能検査のときの心理士さんに「暗記科目が苦手だった」と言ったら、「そのはずです。理屈で理解したことは覚えられますが、単純にバラバラなものを丸暗記するのは非常に苦手なはずです」と言われました。いろいろな人生経験も経て、世界の歴史上の出来事を理屈やストーリーで理解し、歴史の知識を身につけることの意義も知った今となっては歴史は魅力のある科目ですが、当時は単なる暗記科目で、苦痛なことこのうえありませんでした。逆に大好きだったのが国語と英語。興味の赴くままに楽しんでいるだけで、いつも自然とトップクラスの成績がとれるような感じでした。言語能力の高さを存分に発揮していたのでしょう。国語の先生に「あなたの文章は誤字脱字が少なすぎて気味が悪いほどだ」と言われたこともあります。英語がくれた楽しみ英語は本当に楽しんで学びました。中学3年生ぐらいになると、覚えた基本的な英語の知識を使ってビートルズやハリウッド映画のテーマソングなどといった有名な洋楽の歌詞を我流に翻訳したり、英語の詩めいたものや日記を書いたりして楽しんでいた記憶があります。新しく知った言葉をとっかかりに、どんどん世界が広がり、世界の解像度が上がっていくのです。たとえば「ステンレス」はstain-less(サビが-少ない)、サビにくい金属なんだなとか。缶は英語ではcanだから同じ音だな、関係あるのかな? とか(ちなみに、漢語から日本語に入ってくるときにcanの音があてられたというのが今の定説のようです)。授業中に辞書を「読む」ことが趣味に。語彙が広がっていったこんな調子だったので、学校での英語の授業は簡単で退屈に感じられることがありました。そんなときは辞書を開いて、語源とか語の成り立ちについて書いてある説明部分を読み込んでいました。そうして私はだんだん、単語を要素に分解してそこから理屈で意味を覚えていく方法を身につけました。「リバーシブル」はre-versi-ble(再び-耕す-できる)、くり返し耕すようにして表面を入れ替えられる=ひっくり返せるモノなんだな、とか。ほう、versiの元の形はなんだろう、verseか、詩の一節と同じ言葉だな、畑の畝(うね)という意味もあるな、畝を耕すようにして言葉を紡いでいくという意味なんだろうな、とか。こうした知識を学校では習うことはありませんでしたが、英語の単語は丸暗記するのではなく、分解したり語源を考えたりと楽しんで理解しながら、暗記が苦手な自分の課題を克服して語彙を広げていきました。もう1つ例を挙げてみましょう。英語では「pa」って「手のひらに関わること」を表すことが多いんですよ。paはもともと手のひらを表す要素で、そこから転じて、人間が手や技巧を加えたものも指すようになったようです。pat(たたき込む)paw(動物の手足のひら)pattern(型、様式、図案)paste(練り物、ペースト)pasta(パスタ。もともと上の練り物の意味ですね。「ロゼット洗顔パスタ」のパスタもこれです)辞書を「読む」のは私にとっては鼻血が出るほど知的興奮を刺激してくれるものでした。目を輝かせ笑みを浮かべながら辞書を読む私は、周囲に「宇樹は血眼で辞書を読んでいて気味が悪い」と言わしめるほどでした。英語辞書のほかに「読む」のが好きだったのは理科系の図鑑です。特に恐竜などの古生物や、秘境に住む珍獣、珍しい植物、土中の微生物、体内や細胞内の活動などといったイメージをくすぐるページを開いて、それらがさかんに活動する様子を詳細に想像するのが何より楽しかった。私はこの楽しみを誰も止めないでいてくれたおかげで、計算ができないのでテストではそんなに高い点はとれないものの、理系科目が大好きな子に育ちました。腑に落ちて学べる方法を得たことで、もっとも得意で好きな科目へ言語理解能力が高い一方で理屈抜きに丸暗記することが苦手な私にとって、勉強のモチベーションを上げるコツは「情報を理屈やイメージで絡めて腑に落とす」ことでした。理屈を理解する。イメージを喚起する。それらで知的興奮を刺激し、知識に触れることを苦痛なことではなく楽しいことにする。私の場合、その科目を勉強すること自体が楽しい状態になれば「なんで◯◯なんて勉強しなきゃいけないの?」などといった苛立ち混じりの問いが口をついて出てくることもなくなります。辞書や図鑑に「こだわる」子を放っておいたらそれにしか興味を持たなくなってしまうのでは? と不安に思う保護者の人もいるかもしれません。ASD児であった私の個人的意見ですが、その子の興味が向くことをやめさせずに、没頭させてあげてほしいなと思います。辞書や図鑑を開いて理屈やイメージの世界で遊ぶのは、私にとって生きるうえでの大きな喜びでした。私はたぶん、辞書や図鑑と遊びながら、定型発達の子どもが友達と外で駆け回って遊ぶのと同じような喜びと輝きをつぶさに体感していました。幼いころから周囲になじめず生きづらかった私には、そうした内的世界の豊かさは、生きるうえでの不可欠な支えでした。あと、オタク的気質のある私が感じるのは、何かにこだわって突き詰める性質は、よくも悪くも教育ではどうにもならないということです。その子の生まれ持った興味の方向性や能力バランスによって、オタクにならない子はどうやってもならないし、なる子はどうやってもわが道を行くのだろうと思います、私のように笑。その子が大人になったとき、その豊かな内的世界を資源として楽しみながら生きていけるなら、素晴らしいことだと思います。私は今、オタクで幸せですよ。文/宇樹義子
2021年09月24日「子連れMBA」を運営する一般社団法人ぷちでガチ(登記:京都府、代表理事:赤坂 美保)は、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会が実施する「TEAM EXPO 2025」プログラム(以下 大阪・関西万博)の共創パートナーに5月13日に登録いたしました。2021年9月にはロゴが完成し、本格的に活動を開始いたしました。子連れMBAは、関西のワーキングマザーの勉強会が発祥の「子育てで得た視点で日本の“あたりまえ”を変える」子育て世代のためのラーニングコミュニティです。これまで100回以上、のべ3,000人以上が参加したイベントや勉強会により、ワーキングペアレントのエンパワメントに取り組んでまいりました。これからも、大阪・関西万博の共創パートナーとして、子育て世代から、多様性あふれる世界を創るために、さまざまなチャレンジ創出に取り組んで参ります。共創パートナーロゴ【「TEAM EXPO 2025」プログラムについて】大阪・関西万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」を実現し、SDGsの達成に貢献するために、多様な参加者が主体となり、理想としたい未来社会を共創していくプログラムです。【子連れMBA発の共創チャレンジ例】・子連れMBA(登録手続中):子育て世代がリーダーシップとビジネスの力を養うためのラーニングコミュニティ・ぷちがちソーシャル・ゲーム・チーム:「妊娠・出産・子育て」と「仕事」体験ボードゲームの制作その他、今後も数々のチャレンジを登録予定です。【子連れMBAと2025年日本国際博覧会協会の対談イベントを開催しました】6/8 ランチタイムトーク開催:万博を「共創」しよう!(代表赤坂と公益社団法人2025年日本国際博覧会協会 岡島 美佳さんの対談) ■一般社団法人ぷちでガチとは子育てでえた視点で日本の”あたりまえ”を変える、子育て世代のためのラーニングコミュニティ「子連れMBA」を運営する関西発祥の非営利団体です。2015年、「会社ではできないことにチャレンジしたい」という関西の育休中の母親たちによる勉強会が発祥です。最初は少人数だったメンバーの輪が口コミで徐々に広がり、100回以上のイベント・勉強会にはのべ3,000人が参加するようになりました。2020年には完全オンライン化し、全国・全世界のワーキングペアレントのエンパワメントに取り組んでおります。また、「子連れの日(5月20日)」を記念日登録し、企業や行政など、さまざまなステークホルダーとの協業により、子育て世代から多様性豊かな社会を育む活動を行っております。■法人概要商号 : 一般社団法人ぷちでガチ(非営利徹底型一般社団法人)代表者 : 代表理事 赤坂 美保所在地 : バーチャルで全国で活動(登記住所は京都)設立 : 2017年3月事業内容: 各種教育サービスURL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年09月22日おやこじてんしゃプロジェクト(全国事務局:東京都千代田区)は、子ども乗せ自転車の安全利用を目的とした保護者向けオンライン勉強会を10月6日(水)に開催いたします。コロナ禍で自転車利用の増加と同時に、自転車ユーザーのマナーの悪さについても取り上げられることが増えました。道路交通法上、自転車は軽車両と位置付けられ、原則車道走行や通行に関する様々なルールがあります。ですが、自主的に学ぶ以外、自転車ユーザーが交通ルールやマナーを学び直す機会は限られているのが現状です。メイン子ども乗せ自転車での事故ゼロを目指し、自転車安全利用の啓発活動に取り組んでいる【おやこじてんしゃプロジェクトbyOGK】では、年明けの入園や復職に向け、子ども乗せ自転車の購入検討を始める時期に合わせ、自転車の安全利用を目的とした保護者向け自転車安全運転教室を開催、参加を受付中です。安全運転について学んだ記念として、参加者には【おやこじてんしゃ安全運転免許証】を発行します。■おやこじてんしゃ安全運転免許証とは?2021年10月6日(水)10時~開催するオンライン勉強会に参加した方に、安全運転を学んだ証しとして【おやこじてんしゃ安全運転免許証】を発行します。免許をとるフローチェックテスト(検定)の内容は、選び方や乗り方、交通ルールや心構えなど、子ども乗せ自転車を利用する方に知っておいてほしい基本的な内容です。小さなお子様がいるパパママにこそ学んでほしいため、すべてオンラインで完結します。協賛各社のサポートがあるため、費用は一切かかりません。参加賞はイベント詳細ページよりご覧いただけます。▼詳細ページ▼ ■開催概要\参加特典あり/保護者向け自転車安全運転教室~おやこじてんしゃ安全運転免許をとろう!【受講無料・オンライン】日程 :2021年10月6日(水)10:00~11:00(受付開始 9:50~)開催方法:Zoomミーティング(お申込の方に招待メールをお送りします)参加 :無料当日のプログラム・開始のご挨拶 ・チェックテスト(検定) ・安全運転宣言▼参加申し込みはこちら 安全運転宣言▲過去に開催した勉強会での『安全運転宣言』。「子どもの誕生月に点検に出す」「30分前行動を心がける!」「送迎も買い物もママがひとりで頑張り過ぎない」など勉強会で得た気づきをもとに、参加者ひとりずつが自分との約束事を宣言しました。■いつでも学べる動画教材をYouTubeで公開中動画教材で予習して、目指せチェックテスト全問正解!子ども乗せ自転車の『選び方』『乗り方』や『交通ルールやマナー』を親目線で学び直すことができる動画教材は、すべてYouTubeで公開中。YouTubeチャンネル▼動画で学ぶ、おやこじてんしゃ勉強会【基本編】全体を把握したい方向け 【選び方編】自転車屋さんに行く前に 【乗り方編】ハンドルを握る前に ■保護者の交通マナー向上が事故ゼロを実現する【おやこじてんしゃプロジェクト】は自転車用チャイルドシートメーカー オージーケー技研株式会社とママコミュニティPowerWomenプロジェクト(運営:プロジェクト株式会社)の協同プロジェクトであり、趣旨に賛同いただいた関連メーカー(オージーケー技研株式会社、株式会社オージーケーカブト、ヤマハ発動機販売株式会社)の協賛で活動しています。おやこじてんしゃプロジェクトとは子ども乗せ自転車のハンドルを握る子育て中のユーザーが主体となり、幼稚園や親子サークル、子育て施設やオンラインでの勉強会開催など、安全利用の啓発活動に取り組んでいます。子ども乗せ自転車ユーザーへの交通ルールの確認、マナー向上のための啓発はもちろん、体格やライフスタイルに合った自転車やチャイルドシートを選ぶことも安全運転につながると考え、子ども乗せ自転車の購入前の保護者へ向けた啓発活動にも力を入れています。▼参加無料&オンライン・おやこじてんしゃ勉強会スケジュール ▼おやこじてんしゃプロジェクト公式サイト フッダー 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年09月21日中学2年生の長男の「勉強や進路について」の悩みUpload By スガカズ私、スガカズは、現在4人の子どもを育てているママです。・長男(中2 ASD、ADHD)・次男(小5 、ADHD)・長女(年長 、定型発達)・三男(年中、定型発達)長男がせっかく入学した学校を変えたいと言い出しました。勉強へのモチベーションが影響しているようですUpload By スガカズスガカズ(以下、――)わが家の自閉症スペクトラムとADHDのある長男の進路と勉強について相談したいです。最近まで、「ゲームプログラマーになりたい」と言っていたのですが、1ヶ月前急に、「将来定食屋を開きたいから学校を変えたい」「今やっている勉強って意味あるの?」と言い出しました。ものづくりの仕事に精通しそうな工業大学付属の中学校に進学したのに、コミュニケーション能力が重要で、マルチタスクが必要そうな接客業への希望に、正直私は困惑しています。どうやら勉強へのモチベーションも関係していそうです。中2なのでいろいろと悩みの多い時期だとはわかっていますが、本人にどうやって現状を納得してもらえるでしょうか?三木先生:中2は難しい年頃ですよね。長男くんはどんな特性があるのでしょうか?――知覚推理指標が高くパズルや工作など、一人でもくもくと一つの作業に打ち込むことが好きです。社会秩序は守れるのですが、周りの状況を理解したり自分の考えをうまく伝えることが苦手です。勉強では、文系が苦手で理数系はまだ大丈夫な方ですが、その中でも得意不得意はかなりばらつきがあります。小学校のころからそういった特性を見てきたので、本人がやりたいことを応援したいのはやまやまではあるのですが、「定食屋はこの子に合った職業ではないのでは…」と、どうしても感じてしまいます。そういう点で言うと今の学校は理数系で、文系よりも理数系のほうが得意な長男には合っているように思いますし、長男と似た性格の子も多く、友達も増えてコミュニケーションの幅が広くなったと感じます。環境としては最適だと思うので、母親としてはできる限り今の学校に通い続けてほしいと思っているのですが…。三木先生:なるほど。ただ、長男くんの特性や意向を考えたときに、「(勉強を)やりたくない」と思ったらやらないんじゃないでしょうか。――そうです。ちょうど今、否定したい時期みたいです。こういう時期は、親として静観してあげたいという気持ちがあるのですが、長男の特性を考えると「こっちより、あっちのほうがいいんじゃない?」と意見するのも親の支援だし、子どもへの理解でもあると考えています。ただ、無下に否定するのではなく、「定食屋を開きたいならまずは料理する機会を増やしてみよう」と長男に提案をして、学校のお弁当を本人がつくるようにしたり、日曜の家族の昼食は長男につくってもらったり、と料理をする経験の場はつくるようにしています。嫌がっている様子はないのですが、あまり本気ではないようにも見えます。普段、長男が本気の場合は明らかに目がキラキラしているので…。どうやら、進路に関しては「勉強への逃げ道」として利用しているようでもあるんです。本人も「勉強から逃げたい気持ちもある」と言っていました。ほかの学校(高校)に変えたからといって、定食屋のスキルが身につくかと言われると疑問があるので「まずは今の学校に通い続けて、調理の専門学校にいく(大学は内部進学しない)のがいいと思うよ」と伝えてはいるのですが…。Upload By スガカズ三木先生:勉強するしないに関しては、日本の教育就労システムが難しくしていますよね。勉強がある程度できればOKで、勉強以外はOKとしない仕組みなので。ただ、「定食屋」といった風に、内容で絞るのはそのあと仮に失敗したときに修正が難しくなると思います。本人の意向も大事にしたいところですが、そこは大人が間に入ってうまくコントロールしてあげる必要がありそうですね。子どもの進路への親子の向き合い方Upload By スガカズ三木先生:例えば定食屋になって何を実現したいのか?もくもくと作業するのが好きなら料理じゃなくてもいいのでは。そこを大人と一緒に見極めていくことが重要だと思います。方向性を見据えるために抽象度を上げた彼の願望を知って、理解したら親としてほかの選択肢も提示できると思います。一生懸命一緒に考えた結果、もし違う方向にいったとしても彼の気持ちがやわらかくなるのでは。実は私は、もともと医者がやりたい訳じゃなくて、「困っているご家庭の方々を笑顔にしたい」というのが抽象的なモチベーションなんですよ。Upload By スガカズ三木先生:今の年齢でもできる実践を積んでおいたり他者からの話を聞くのも良いと思います。例えば抽象的な願望が「もくもくと何かを作りたい」というものであれば、もくもくと作っている人と、もくもくと作っていない人に「仕事の楽しいところ、大変なところ」をインタビューしてみるのもいいかも知れませんね。――そういえば私の職場の元同僚に、システムエンジニアからサンドイッチ屋さんに転身した人がいます。エンジニアから接客業(起業)なので、開業する際に自分で店のウェブサイトを作って集客したり、顧客分析をして結果繁盛しているので、元同僚の話から得られることは多そうだと思いました。三木先生:それはいいですね! 丸腰(思いつき)で定食屋をやって繁盛する確率って低いのではないかと思うんですが、その同僚の方からは、一度社会人をやってから起業してみてよかったという意見も聞けるんじゃないでしょうか?スポーツ選手なんかは小さいころからやっていないとできない職業ですが、定食屋の経営は、人間的に成熟してからでもいい職業ですからね。まわり道をしたほうが特長や付加価値がでてきますし。長男くんが成長していく中でこの先「思ってたのと違う」という経験は出てくると思います。たくさん親子で悩んで乗り越えましょう。子どもの勉強への親子の向き合い方Upload By スガカズ三木先生:先ほども言いましたが、長男くんの特性や意向を考えたときに、「やりたくない」と思ったことはやらないと思います。それに、「これをやるとだれでも勉強するようになる!」という魔法の支援はないんですよね。――そうですね。私からできることってあまりないと思っていて…。先ほどの進路のお話にあったように、根回しして他者から言ってもらうのはどうかなと思うんですが。例えば家庭教師の先生に「とはいえ勉強も大事だよね」と言ってもらうとか…。Upload By スガカズ三木先生:本人が気を許していたり尊敬しているなど、「この人なら」と思える相手にお願いするのはいいと思います。あとは、「勉強したくないから言ってるんじゃない?」という印象も含めて、保護者は一歩下がって見ていきましょう。子どもって「親にこれを言ったら嫌がる」と分かっていることって、正直に言わないということが多いので、子どもの意見をはなから否定してしまうと、「勉強が嫌」とも言わなくなりますから。「勉強は嫌でいいけど最低限これはやってね」という「枠の提示」は必要です。枠を提示をしながら、時間をかけて本人のやる気の芽を見つけてあげましょう。――分かりました。お話を聞いていて思ったのですが、総じて親子関係を悪化させる発言は避けて、あまり干渉しすぎず普段ニコニコしているのがいいのだろうなと思いました。否定するべきか肯定するべきか悩んでいたので、「嫌なのは分かるけど、最低限これだけはやってね」と提示をしてもいいと言ってもらえたので少し安心しました。「勉強が嫌」「学校を変えたい」と言ってくる今の状況は、「多少なりとも私を信頼しているのかな?」と思うようにします。感想その後、長男とこれからの進路や勉強について話をしましたが、先生のお話にあった、「抽象度を上げた願望」を深堀りするまでには至っていません。思春期ということもあるのか、「あまり深く考えないようにしている」という様子が伺えるので、もうしばらく様子を見てみます。しかし、枠の提示をしたところ「高校行かないで、すぐ働きたい」と言いながらも理解はしてくれているようでした。「がんばって勉強する」と言っているときもあって、やはりコロコロ言っていることが変わりますが、私も長男の気持ちを受け止める努力はしていこうと思います。親の熱量と子の熱量は、近いほうがよいと思っているので、あまりしつこく話をもちかけて、「やる気の芽」をそぐ形にならないように、長い目でこれからも見守っていこうと思います。執筆/スガカズ
2021年09月10日私の娘は可愛くない
パパン奮闘記 ~娘が嫁にいくまでは~
あり子のワーママ奮闘記