\チェック!/うちの子どうしたら勉強してくれる?こんな場合はオンライン学習が合うかもUpload By LITALICOライフUpload By LITALICOライフUpload By LITALICOライフ「学校の勉強に集中できない」「マイペースすぎて学校を窮屈に感じている」というお悩み。LITALICOライフの勉強会や個別面談でも、よく耳にします。Upload By LITALICOライフオンライン学習ってどんな学習スタイル?過去の学年の学び直しもできる2019年、文科省は「GIGAスクール構想」を打ち出しました。タブレットやインターネットを使い、それぞれのお子さまに最適な学習スタイルを実現させる構想です。オンライン学習の良い点は、自分のペースで進められること。そのため、苦手な科目を重点的に学んだり、好きな科目を先取りして学ぶこともできます。大人数で同じペースで進めることが苦手なお子さまも、主体的に取り組める良さがあります。Upload By LITALICOライフUpload By LITALICOライフ通学するスタイルのオンライン学習もある!「オンライン学習」というと、どんなものを思い浮かべますか?学校から帰ってきた放課後、自宅でタブレットなどで学習する…というイメージもあるかもしれません。実は今、授業そのものがオンライン化しているものもあります。高校の選択肢では「通信制高校」はずいぶん認知されてきましたが、中学でも一部出てきました。家で一人でもくもくと机に向かうスタイルのものもあります。一斉指示が通りにくかったり、周りがガヤガヤしていると集中できない、というお子さまには良いかもしれません。先生やお友だちと関わるタイプだと、スクールに通学し、自習室で自分のペースで進めるスタイル、家で、ビデオ会議を用いて朝礼やグループワークをするスタイルなどもあります。Upload By LITALICOライフUpload By LITALICOライフUpload By LITALICOライフオンライン学習はあくまでも選択肢の一つ。他の選択肢や、お子さまに合った環境の整理は、無料勉強会でお伝えしていますもちろん、オンライン学習は、あくまでも選択肢の一つです。学習方法や合うと感じる環境は、お子さまによってそれぞれです。Upload By LITALICOライフLITALICOライフでは、保護者さまに向けた無料勉強会を開催中です。オンラインでの開催なので、ご自宅からご参加いただけます。「グレーゾーン向け 個性を伸ばす「中学・高校受験」発達に特性のある子にあった個性を伸ばす進路の選択肢勉強会」では、STEAM教育やものづくりの特色がある学校、海外留学についてなど、多様な学びの環境についてもお話します。「個別でより具体的に話したい」という場合は、勉強会参加後に希望すると、個別面談で進路や教育費など幅広い話をすることもできます。Upload By LITALICOライフ「不登校の支援と将来への準備」がテーマの勉強会は、不登校だけではなく、“お子さまが学校を行き渋っている”“不登校ではないけれどさまざまな選択肢を知りたい”、という方にもおすすめです。義務教育以降の高校進学の選択肢として、通信制・サポート校や高等専修学校、チャレンジスクールなどについてもお話します。Upload By LITALICOライフどの勉強会でも、チャットで質問できる機能や個別面談の案内をしています。少し興味がある、という方はお気軽にご参加ください。LITALICOライフでは、幼児教育や中学・高校受験、キャリア支援など、さまざまな専門領域をもつコンサルタントが、年間2,000以上のご家庭へ勉強会や個別面談を行っています。これらの知識やノウハウを基に、より多くのご家庭の困りごとや将来への不安を、少しでも「安心」に変えていけるような情報をお届けするメルマガを配信しています。想定配信内容・発達障害のある子にあった進路や自立に関するヒントやイベント情報・発達障害のある子の特性や個性を活かす手立てやお役立ち情報・読者からの子育てのお悩みQ&AなどUpload By LITALICOライフLITALICOライフはお子さまとご家族が「自分らしい人生」を歩んでいくために障害分野とファイナンス、その両方の専門家としてライフイベントやライフプランの見直しを相談できるパートナーです。社会資源やサービス・お金の知識といった幅広い内容を身につけることができる勉強会や、専門領域をもつコンサルタントとの個別面談・プランニングを提供しています。Upload By LITALICOライフ
2020年09月13日授業中にぼんやりしている子のつらさこれまで私は児童精神科医として少年院に勤めながら、自治体の教育相談、学校コンサルテーションなども行ってきました。教育相談の場を通じてお子さんの知能検査などを行うこともあり、その際に、お子さんの「見る・聞く」といった認知機能に弱さが見つかれば、それが学業不振につながっている可能性を保護者の方に説明してきました。すると、保護者の方の多くは、「それじゃあ、この子が授業中にぼんやりしていたり勉強が苦手なのは、ふざけていたりなまけたりしているせいではないのですね」と納得がいった様子を見せます。なかには、それまでの子どものつらさに思いをはせてか涙を流される方もいらっしゃいます。認知機能に弱さがあるのはどうしたら?そのあと、決まって保護者の方から受けるのはこんな質問です。「認知機能に弱さがあるのは、どうしたらいいですか?」しかし、そうたずねられても、以前の私は、なかなかいいトレーニングを紹介できずにもどかしい思いを抱えていました。当時も書店に行くと「見る・聞く力を育てる」という書籍もありましたが、効果検証が不足していたり、包括的に力をつけさせるものではなかったり……。学習ソフトやオンライン教材で「見る・聞く力を育てる」トレーニングを提供しているものもありますが、とても高額であったりしました。そこで、私自身が約5年間にわたり、当時勤務していた医療少年院でトレーニングを実施し、少年たちに対して手応えの得られたトレーニングを『コグトレ』として提供するようになったのです。認知機能を強化する『コグトレ』『コグトレ』とは、「認知○○トレーニング(Cognitive 〇〇 Training)」の略称です(○○には「ソーシャル(社会面)」「機能強化(学習面)」「作業(身体面)」が入ります)。コグニティブ(Cognitive)とは日本語で「認知」のことで、社会面・学習面・身体面から包括的に子どもたちを支援するプログラムが『コグトレ』です。認知機能強化もその1つです。私たちは、五感(「見る・聞く・嗅ぐ・味わう・触れる」の感覚)を通して外部から入ってきた情報を処理しています。これが「認知機能」です。認知機能によって、自分の置かれている状況を認識したり、言葉でコミュニケーションをしたり、問題解決の手段を考えたりして、日常生活を送っています。先生の言うことも聞き取れないことも認知機能が弱いと、学習や対人関係にも弊害が生まれます。例えば、見る力が弱かったら、板書を写せなかったり、漢字の書き取りができなかったり、算数のうっかりミスにつながっているかもしれません。聞く力が弱かったら、先生が言っていることをきちんと聞き取れないこともあります。もしも、お子さんがまじめに勉強に取り組んでいても、テストでいい点が取れない、苦手意識がある、覚えられないというケースでは、認知機能のどこかにつまずきがある可能性があります。認知機能は、子どもの見る力、聞く力、想像する力といった、いわば「学習の土台(スポーツでいう基礎体力)」なのです。分かっていなくても「はい」と答える子の心理相談を受けたお子さんのなかには、先生の言うことが聞き取れていないのに、「分かりましたか?」という問いに、とりあえず「はい」と答えてしまうような子もいました。その子なりのプライドで、「分かっていない」と周囲に知られるのが嫌なのです。そうなると、あとになってできていないことが発覚したときに「ウソつきだ」「ふざけているんだ」「なまけたいからだ」などと誤解を受けてしまいかねません。授業についていけない子が「コグトレ」をすると教育相談では、市内の学校から、授業についていけない、黒板が写せない、漢字を覚えるのが苦手、計算が苦手といったお子さんが、保護者とともにやってきます。年齢はだいだい小学2~3年生が多く、なかには高学年のお子さんも見えます。わが子の発達を心配してわざわざ相談に来られるくらいですから、やはりなんらかの課題が見つかります。多いのが境界知能(明らかな知的障害ではないものの支援が必要な水準)や能力の偏りといったものです。その後は、お子さんの発達の特徴をより詳細に見るために、『コグトレ』のワークシートの問題をやってもらいます。計算が苦手、漢字を覚えられない、黒板を写せない背景「まとめる」「点つなぎ」「形さがし」といった課題シートに取り組んでもらいますと、黒板が写せない、漢字を覚えるのが苦手、計算が苦手といったお子さんは、いずれかの、またはすべてのシートがうまくできないことが多いです(課題シートの例題は、追って紹介します)。「まとめる」問題で、5つまとめて囲む力がなければ、繰り上がり・繰り下がり計算のときに必要となる「数を量としてみる力」が育っていないため、計算が苦手になってしまいます。「点つなぎ」問題で、見本を見ながらそれを模写することができなければ、漢字はもっと難しいのでなかなか習得できないでしょう。漢字を覚えられないのは、「形を認知する力」が育っていないことが原因の1つです。また、「形さがし」問題で、いくつもの点々のなかから三角形や四角形を見つけることができなければ、場所や大きさが変わってもある形を認識できる「“形の恒常性”という力」が育っていないと考えられます。“形の恒常性”が育っていないと、黒板に書かれた図形などをノートに小さくまとめて写すといったことが難しいのです。できないことの練習で苦しい子どもこういった「数える」「写す」「見つける」といった基礎的な認知能力の弱さが背景にあれば、どうしても勉強についていくのが難しくなります。しかし学校では、計算が苦手ならばひたすら計算ドリルを、漢字が苦手ならばひたすら漢字のドリルをやらせる場面もあるでしょう。そんなふうに苦手を克服させようとしても、子どもは苦しいだけかもしれません。計算や漢字といった学習の土台には、「数える」「写す」といった基礎的な認知機能が必要なのです。そして、基礎的な認知機能はトレーニングにより高められる可能性があります。子どもが楽しい「コグトレ・パズル」を紹介それでは次に、お子さんがもっと楽しんで取り組めるように再編した『コグトレ・パズル』の問題から、いくつか紹介しましょう。まずは「数える」問題からです。以下の問題は、5人のオバケ(コバケというキャラ)を5人ずつ、〇でかこんでいく「まとめる」問題です。数のまとまりを感覚的に身につけていきます。Upload By 宮口幸治「写す」の「点つなぎ」問題は、見る力の基礎力を強化していきます。以下の問題は「点つなぎ」で正確に形を見る力をつけていきます。漢字や黒板の書き写しのトレーニングになります。Upload By 宮口幸治「見つける」問題では、見る力の応用力を強化していきます。以下の問題は「形さがし」です。Upload By 宮口幸治また、「同じ絵はどれ?」では、複数ある絵のなかから同じものを見つけることで、物事を見るときに共通点や相違点を把握する力をつけていきます。Upload By 宮口幸治最後に、「想像する」問題です。以下の問題「スタンプ」ではイメージを反転させる力を強化します。ほかにも、他者視点で考える力、論理的な思考力、時間的思考力を強化する問題もあり、幅広い思考力や推理する力、物事を判断する力をつけていきます。Upload By 宮口幸治これらの問題は、スピードが遅いせいで時間内に課題を達成できないお子さん、記憶力は悪くないはずなのに暗記が苦手なお子さんの処理速度のアップや記憶力のアップも期待できます。また、中学生や高校生でも教科学習にミスの多いお子さんにも、力になることでしょう。ぜひ一度お試しいただければ幸いです。
2020年09月12日こんにちは、RISU Japanの今木智隆です。前回記事『10億件の学習データからわかったこと。「無学年制」という新しい学習のカタチとは?』では、この連載が目指している方向性を、私自身の教育観などとも絡めてお話ししました。今回はその続きです。200年続く「集団授業」に意味はあるのか前回の連載では、近代教育が誕生から200年変わらず集団授業のスタイルをとり続けていることに言及しました。本来、子どもの個性は千差万別。そんな個性豊かな子どもたちを一斉授業のかたちで教えることは、はたして現代社会で本当に意味をもつのでしょうか?――じつは、「画一的であること」は悪い面ばかりでもないのです。今回は、「画一的であること」のプラスの側面を紹介しつつ、私が教育において最も重要だと思っている「エビデンスベースド」(evidence based)の考え方に触れようと思います。のちほど詳しく紹介しますが、私の著書である『10億件の学習データが教える 理系が得意な子の育て方』は、この「エビデンスベースド」に基づいて、教育への提言をしています。先走って結論を簡単に述べるなら、私は「エビデンスベースドによる画一的な教育」は肯定したいと考えています。授業はすべてマニュアル化!それってあり?まずは、アメリカで行なわれている、ある教育法の紹介から始めましょう。ある教育法とは、「ディレクト・インストラクション」(Direct Instruction)(※以下、DI)。これは、ジークフリード・ジグ・エンゲルマンによって発明された手法で、最大の特徴は、授業がすべてマニュアル化されていることです。教師が生徒に投げかける質問(=発問)すらマニュアル化されています。授業の進行は「脚本」のように決められており、教師はその脚本を進める役者とでもいったところでしょうか。そこには、教師のオリジナリティが入り込む余地はありません。この教育法は、衝撃的にすら思えるかもしれません。日本で授業といえば、教師それぞれのオリジナリティが求められるものだという認識がありますから、そう感じるのは当然でしょう。私も当初は、この教育法に関して懐疑的でした。しかし、驚くべきはそのマニュアル化された授業の効果。その有効性は、79,000人の低所得者コミュニティの児童を、20年間追跡することで裏づけられています。この調査では、DIのような教育法から、子どもが自主的に学ぶようにつくられた授業モデルなど、17種類の授業パターンを比較しました。すると、ほかの授業モデルに比べて、DIで学習した子どもの学力が圧倒的に上回る結果となりました。しかもそれは、基本的な読み書きにとどまらず、思考力や高度な数学的能力にまで及んでいたのです。驚きますよね。僕も、最初にこの結果を見たときは驚きました。この調査からわかったことは以下です。・優れた内容のマニュアルのもと、教師がそのマニュアル通りに教えることで、子どもの成績は圧倒的に伸びる。・読み書きなどの基本的なリテラシーだけでなく、「思考力」や「類推能力」(ある事柄から物事を推測する力)に関しても、マニュアル通りに教えたほうが、成績がよくなる。教師のオリジナリティあふれる授業こそ優れた教育だと思う人からすると、信じがたい結果かもしれませんが、これがデータから得られる「画一的であること」のプラスの側面なのです。先生個人の経験則とデータに基づいた知見をもちろん、この結果を受けて「なんでもかんでも画一的にすればいい」と思うのは早計です。そもそも子どもは千差万別。全員が同じような授業でいいはずがありません。重要なのは、このDI教育マニュアルがたいへん優れているということなのです。DIの教育法では、「少人数」で「学力が同程度」の生徒たちに授業を行ないます。それぞれの発達に合わせた教育マニュアルがあるわけですね。そして、そのマニュアルをつくるときに重要なのが「エビデンスベースド」という考え方です。これは文字通り、そのマニュアルが「エビデンス(=証拠)」に基づいているということ。さまざまな実験で統計的に得られた結果をしっかりと受け止め、それに基づいて生徒たちの学習カリキュラムを形成するわけです。最近ではこの考え方もだんだんと教育界に浸透してはきましたが、ひと昔前であれば、先生個人の経験が学習カリキュラムに影響を及ぼすことが多く、統計学的に実際の効果があるのか保証されてはいませんでした。もちろん、先生の経験をすべて否定するわけではありませんし、それぞれの先生の経験も貴重なデータのひとつです。ただし、「個々人の経験則ではなく、横断的なデータに基づいた知見を入れて教育をとらえ直そう」というのがエビデンスベースドの基本的な考え方。つまり、「エビデンスベースド」に基づいた科学的な「画一性」であれば、子どもの成績を上げるのに有効なのです。算数の苦手はたった3種類に分類できる!RISU Japanで提供している「RISU算数タブレット」は、明確に「エビデンスベースド」に基づいた算数教材です。会員の方がタブレット上で問題を解いた時間や頻度、点数などを見て、そこからデータを収集し、その大量のデータを教材作成に生かしています。『10億件の学習データが教える 理系が得意な子の育て方』も、このデータから得られた話がメインです。エビデンスベースドの具体的な利点として、RISUタブレットからわかってきた、算数の驚くべき特徴についてお話ししましょう。タブレット学習をしている子どもたちの成績を解析したところ、子どもが算数でつまずくときに問題となる単元、つまり「苦手の原因」はたったの3種類に分類できることがわかりました。エビデンスに基づくなら、この3種類を重点的に学習させれば子どもの苦手の大部分はカバーできるのです。いずれ詳しくお話しすることになると思いますが、このきわめてシンプルな事実も、じつは算数という科目の特徴をよく考えればわかることなのです。しかし、データとして解析するまで、はっきりとは私もわかっていませんでした。データの力、恐るべしです。「画一性」を有効活用するエビデンスベースドに基づいた画一性の利点がおわかりいただけたでしょうか?もちろん、どんなにすばらしいカリキュラムを組んでも、個人でつまずいてしまう部分はどうしてもあります。RISU算数タブレットでは、そうした個人に説明が必要な部分は、大学生チューターなどがサポートに入るなどして、「画一的に行なう部分」と「個人に合わせる部分」を使い分けています。「エビデンス」に基づくなら、「画一性=悪いこと」と簡単に決めつけることはできないわけです。どうでしょうか。エビデンスに基づいて教育を展開する意義がおわかりいただけたでしょうか?この連載では「エビデンスベースド」の考え方から見えてきた算数や勉強にまつわる、さまざまな「事実」をレポートしていきたいと思います。次回は、今回後半に少しだけ紹介した「算数の苦手は3種類に分類できる」ということから始めていきたいと思います。『10億件の学習データが教える 理系が得意な子の育て方』今木智隆 著/文響社(2019)■ 算数塾「RISU」代表・今木智隆先生 インタビュー記事一覧第1回:子どもを「算数嫌い」にしない大原則。幼児期からできる“算数好きの基礎”の築き方第2回:子どもが勉強で成果を出せないのは、親の「勘違い」が原因かもしれない第3回:10億件のデータを調べてわかった、小学生が「ずば抜けて苦手」な算数の単元と例題第4回:「算数の文章題が苦手」な子どもが、ひねった応用問題でも解けるようになる教育法
2020年09月11日新型コロナウィルスの世界的な流行を受け、世の中のしくみが一変した2020年。子どもたちにとっても、休校期間中の学習の遅れを取り戻すために夏休みが短縮されるなど、明らかに負担が増している様子が見受けられます。大人もみな不安を抱えている状況のなか、どうしても余裕を失いがちになりますが、元気に振る舞っている子どもたちもじつは大きなストレスを抱えていることを忘れないでくださいね。例年の半分にまで短縮された2020年の夏休みご存じのとおり、2020年の夏休みは全国的に短縮傾向にありました。新型コロナウィルス感染拡大を防ぐため、多くの小・中学校では3月上旬から5月末までおよそ3ヶ月にも及ぶ休校措置をとりました。その結果、学習の遅れを取り戻すため、夏休みを短縮せざるを得なかったのです。どのくらい夏休みが短くなったのかは各自治体によってさまざまですが、平均で2週間〜3週間程度に短縮されたようです。ただし、各都道府県の感染状況によって臨機応変に対応しなければならなかったため、子どもたちはもちろん、保護者も先生たちも不確定なスケジュールをもとに不安を抱えながら過ごしていたのではないでしょうか。通常であれば、7月20日頃から8月末までおよそ40日間、6週間はたっぷりとあった夏休み。おじいちゃん・おばあちゃんの家に遊びに行ったり、旅行に出かけたり、キャンプ、夏祭り、海、プール、と楽しいことが盛りだくさんだったはずなのに……。悔しくて悲しい気持ちでいるのはみんな同じだと我慢すればするほど、子どもたちは「自分だけが大変なわけじゃないんだ」「わがままを言ってお母さんやお父さんを困らせないようにしなきゃ」と自分の気持ちに蓋をして、この状況を受け入れているようでした。無事に新学期を迎えたいまも、先の見えない不安のなかで過ごさなければいけない子どもたち。もちろん大人も不安でいっぱいですが、まずは傷ついた子どもたちの心のケアを優先すべきなのではないでしょうか。子どもたちのストレスは限界に達している!?国立成育医療研究センターによるアンケート調査の結果、コロナ禍における生活のなかで、4人中3人の子どもがストレス反応を見せていることがわかったそうです。7歳〜17歳の子ども2,591人の回答結果によると、「すぐにイライラする」「コロナのことを考えると嫌な気持ちになる」などのストレス反応を示していた子が全体の75%を占め、「最近、集中できない」「寝つけなかったり、夜中に何度も目が覚めたりする」との回答も多かったそう。教育評論家の親野智可等さんは、「子どもの現状に対する大人たちの無理解」に苦言を呈しています。新型コロナウィルスの流行以降、子どもたちがどのような状況に置かれてきたか、思い出してみましょう。自粛期間中、友だちと遊ぶことはおろか外出もままならず、3月の思い出づくりや4月の新学期のわくわく感も失われ、学年によっては卒業式も入学式も中途半端なまま終わってしまったかもしれません。学習面でも、大量のプリントだけを渡された子、初めてオンライン授業に挑戦した子、なかなか自主的に取り組めなかった子など、学校の方針や家庭の事情によって大きく差が開いてしまったことも事実です。このような状況に置かれて、ストレスをまったく感じないほうが珍しいのではないでしょうか。さらには、学校が再開されても休み時間が短くなったり、土曜日に授業をする学校もあったりと、自粛中に続いて自粛が開けても子どもたちは緊張状態を強いられていました。そのうえ夏休み短縮ともなれば、ストレスが限界に達してもおかしくありません。非認知能力を伸ばすための夏休みは短縮すべきではない!みなさんは「授業時間が減って学力が落ちているぶん、授業時間を確保して学力をつけることが子どものため」と思い込んでいませんか?親野先生は、「日本の教育は、点数化できる認知能力のみを大切にする傾向が強く、狭い範囲で考えすぎている」と警鐘を鳴らしています。そのうえで、次のように考えることをすすめています。しかし、将来大きく伸びるためには狭い学力だけでなく、もっと広い意味での学力が必要です。例えば、自分がやりたいことを自分で見つけてどんどんやっていく自己実現力、「自分はやれる」という自己肯定感、他者の気持ちへの共感力など、点数化できない非認知能力が高いことが大事なのです。(引用元:オトナンサー|「授業は子どものため」は大人の思い込み夏休みを絶対短縮すべきでない理由)非認知能力を伸ばすには、自由な時間に思いきり遊んだり、やりたいことに熱中したり、ときにはぼーっとして過ごしたりすることが何よりも重要。だからこそ、自由な時間をたっぷりと確保できる夏休みは、子どもの能力を引き出すよい機会になるのです。「子どもの学習ペースが半年や1年ほど遅れても、そんなに大きな差にはならない」と話すのは、学習に困難を抱えた子をサポートしてきた公認心理師の緒方広海さんです。心に負荷がかかりすぎると、自分の意思に反して勉強が手につかなくなる子もいます。ストレスを抱えたまま無理に勉強させるよりも、本人の好きなことや得意なことを楽しみながらやらせましょう。子どもはストレスを抱えながらも “いま” を生きている大人でも適応するのが困難なこの状況において、子どもたちも変化し続ける日常に一生懸命合わせようとしています。だからこそ、無理をしていつの間にか心の不調を抱えてしまうことも少なくないのです。精神科医の井上祐紀さんは、「新学期が始まってから体調不良があれば遠慮なく休んでほしい」と強く発信しています。さらに、「周囲からの期待に100%応えることで健康を害するかもしれない」ということをもっと周知すべきとも述べています。私たち大人がまずすべきことは、子どもたちが「休みたい」という意思表示がしやすくなるような環境をつくること。「休むことは悪いことではないんだよ」と、休むことへの罪悪感を抱かないような言葉がけをしましょう。最後に、発達心理学者の浜田寿美男先生の言葉をご紹介します。「今の子育て感、教育観では『子どもは大人になるための準備の時代』であるかのように思われていますが、そもそも人生に準備の時代というものがあるでしょうか。子どもは『子どものいま』という本番を生きています」(引用元:YAHOO!ニュース|コロナ禍でいつもと違う「夏休み明け」75%の子どもにストレス反応【#コロナとどう暮らす】)私たち大人は、わが子の将来ばかりを考えてしまいがちです。しかし、“いま”を大切にしてあげないことには、未来の幸せを手に入れることは難しいでしょう。重要なのは、“いま” 子どもが幸せに過ごしているか、充実した毎日を送っているか、つらい思いをしていないか、ということ。過密スケジュールに合わせることが難しいなら、少しくらい休んでも大丈夫です。勉強の遅れを気にするよりも、子どもの心の安定を優先してあげましょう。***これまでの当たり前の日常が一変してしまったことで、子どもたちも想像以上のストレスにさらされ続けています。しかし、子どもたちは日々成長しています。大事な一瞬を見逃さないように、いままで以上に子どもの気持ちに寄り添い、親子で過ごす時間を充実させていきたいですね。(参考)コエテコ|2020年の夏休みはどうなる?お盆休みはある?小学校・中学校具体例まとめHugKum|2020年の夏休みはいつからいつまで?コロナ禍でどうなる?夏のコロナ対策、勉強のコロナ対策まとめYAHOO!ニュース|コロナ禍でいつもと違う「夏休み明け」75%の子どもにストレス反応【#コロナとどう暮らす】国立研究開発法人 国立成育医療研究センター|「コロナ×こどもアンケート」第1回調査報告書オトナンサー|「授業は子どものため」は大人の思い込み夏休みを絶対短縮すべきでない理由withnews|子どもの「有休」奪った自覚ありますか?精神科医が恐れる異常
2020年09月05日暑さで体力的に疲れていることも多い、夏休み明け。これから新学期を迎える時、あるいは新学期が始まったばかりの時期に、親が子どもに投げかける言葉や見せる姿勢は、子どものやる気やエネルギーに大きく影響してしまうこともあります。今回は心理カウンセラーの立場から、新学期を前にして親が子どもに言ってはいけない言葉を紹介します。勉強の遅れを心配する言葉まず注意したいのは、勉強の遅れを心配するような言葉。親としては、どうしても子どもの勉強の進み具合は気になるもの。一度遅れてしまうと取り返すのは大変だと考えるため、宿題や家庭学習の状況などに焦りを感じるのは普通のことと言えるでしょう。一方で、夏休み明けの子どもたちはのんびりしたもの。夏休み気分が抜けず、また残暑が厳しいこともあって、学校から帰って来たらすぐにクーラーの効いた部屋でダラダラ…などということもあるのではないでしょうか。そこで親が言ってしまいがちなのが、「学校始まったんだから、勉強もしないとね」「勉強が遅れちゃうと大変だから」という言葉です。しかしこれは意外と子どもにとってはダメージになります。勉強について気にしていても、それを指摘されるとうんざりしてしまうのです。このような場合は、まずは「暑いね」「疲れたよね」と共感を示し、落ち着いてから「そろそろ、頑張ろうか!」とプラスの声がけを心がけましょう。休んだのだから頑張りなさいという言葉夏休みという期間があったのだから、学校が始まったらしっかりしてほしいと親は考えがち。しかし「いっぱい休んだんだから、頑張りなさい!」というのは逆効果。休みの期間が長いほど、エンジンはかかりにくくなります。大人でもなんとなく、理解できる感覚ではないでしょうか。頑張りなさいと言われてしまうと、頑張っているのに…と思ってしまいませんか?休み明けは、学校まで行って帰って来られたらそれで上出来。それ以上のことができたら、ほめてもいいくらいです。1、2週間は子どもの様子をよく観察し、勢いがつくまで急かさないようにしましょう。他人と比較して叱咤する言葉親はついわが子と誰かを比較しがち。でも、他人と比べる言葉は子どもの心を傷つけます。例えば「お兄ちゃんはちゃんとやってるよ!」といったようなきょうだいと比べるものはもちろん、「〇〇くんはすごいのに」というような親しいお友達なども同様です。夏休み明け、どれくらいでエンジンがかかってくるかは、子どもによって個人差が大きいところです。他人と比べることは本人の自信を失わせ、エンジンがかかってからの加速をさらに遅くしてしまう可能性も…。他の子どもと比較しないように扱うのは、夏休み明けに限ったことではありませんが、コンディションが整わないうちは特に気をつける必要があります。ゆっくりと普段のリズムに戻して夏休み明けに身体が重そうにしていたり、何かに取り組む意欲が感じられなかったりするのは、当たり前のことです。普段のリズムにすぐに戻らないことで親が焦ったりイライラしたりすると、子どもは「自分がダメなんだ」と不安になってしまうもの。特に今年は、コロナ禍の下、例年以上に不安定になる子どもも増えることが予想されます。まずはいつもよりゆるめでOKと親がゆったり構えること、一所懸命にやっていないように見えてもそれを許す気持ちを忘れないようにしたいですね。<文・写真:ライターあん茉莉安>
2020年08月31日夏休みが終わり、年長の子どもたちは園生活が残り半年余りになりましたね。ここからは、小学校に入学してから困ることがないよう準備を進める大切な時期。今回は、元幼稚園教諭として、また小学生の息子がいるママとして「これだけは準備しておきたい」と思う3つのことをお伝えします。自分の名前が読める・書けるひらがなの読み書きはできますか?入学準備として、ひらがな練習に取り組んでいる家庭は多いと思います。「まだ書けない」という場合は、練習は子ども自身が「楽しい」と思える方法で、文字に親しむことから始めてみましょう。友達や先生など身近な人に手紙を書いたり、短い絵本を自分で読んだり。また1日5分~10分の子どもの飽きない程度、決まった時間に文字のワークに取り組むのもよいですね。しかし、幼稚園児は文字の左右が逆になってしまったり、書き順がめちゃくちゃだったりしがち。それを親が指摘しすぎると、「勉強がつまらない」と思ってしまうことも。ひらがな・カタカナは1年生になって一文字ずつ書き順の勉強をします。そのため入学前には完璧でなくてもOK。文字に親しむことを大切にするのがいいと思います。できていることを褒めて、子ども自身が書くことを楽しめるようにしてあげましょう。自分の名前だけは練習しておきたいひらがなすべてをマスターする必要はありませんが、自分の名前だけは読み書きができるようにしておくほうがいいと思います。下駄箱やロッカー、持ち物など、自分の名前が読めないとわからなくなってしまうことも。また、自分の名前を書く機会も多いので、苗字と名前の両方を、誰が見ても読めるように練習しておいた方がよいでしょう。小さな枠内に書く練習もしておくと安心です。着替えがスムーズに一人でできるように、たたんでしまう練習着替えは素早くできていますか?もし苦手な場合は、これからの半年間で練習しておくとよいですね。衣類によってはピタっとしていて脱ぎにくいものもあるので、そんな時は「先に手を抜いてから頭を抜く」などのコツを確認するだけでもスピードアップします。どうしても時間がかかる子には、入学までに着替えやすいゆったりした衣類を揃えてあげるのもいいと思います。また、小学校では脱いだ服が裏返しになっているのを表に返してから、たたんでお着がえ袋にしまうことも必要です。グチャグチャのままにしておくと、袋への出し入れや着る時に手こずり、着替えが遅くなってしまいます。着替えが遅くなり焦るために、体育のある日は学校がユーウツという話を聞くこともあるので、入学後困らないよう、普段から朝脱いだパジャマをたたむ練習をして習慣化しておくとよいですよ。ママに頼らず、明日の用意を自分でする翌日の園の用意は、自分でしていますか?ママがすべてやっている場合は、少しずつ1人でできるようにしていきましょう。幼稚園では園で必要な持ち物を事前に手紙で親に伝えていますが、小学校では必ずしもそうでないことも。前日の連絡帳に書いてあっても、読んだ親は「何に使うの?具体的にどんなもの?」と疑問だらけに。子ども自身が理解していないと困る場面があるのです。そのため、「ママが用意してくれるから大丈夫」と思っている子は要注意!今から対応が必要です。幼稚園でも先生は子どもたちに、次の日の持ち物や予定をお話しています。ママは持ち物を知っていても、「明日の準備は大丈夫?」と聞いて、子どもから必要な持ち物を言ってくるのを待つようにしましょう。園で先生の話を聞いていないと「わからない」ことも。そのような場合は、忘れ物をして自分が困る、という体験をするのもいいと思います。その際、先生に「自分で持ち物を準備できるように練習している」ということを話しておくと、園でも「忘れ物をしないようにするにはどうしたらいいかな?」と改めて話をしてくれるなど、協力してくれるはずです。入学までに自分から「今度〇〇を使うから、用意しておいてね!」と言えるようになると◎。小学校が楽しみなる声かけを!脅しはNG小学校では初めてすることがたくさんだからこそ、「苦手」「困った」をなくして、楽しくスタートできるように準備しておきたいですね。上記3つのことはぜひ身につけてほしいのですが、できていないときに、「そんなんじゃ小学生になれないよ!」と脅すのはNGです。「さすがもうすぐ小学生!」「かっこいい!」と誉めながら、親子でワクワク気分を共有して、入学準備を進めてほしいと思います。<文・写真:ライターnicoai>
2020年08月29日はじめまして。RISU Japanの今木智隆です。このたび、STUDY HACKERこどもまなび☆ラボにて、連載『学びノべーション』を始めることになりました。この連載を通して、「いま本当に必要な教育」をお伝えしていきます。成績を超えた人材育成へ――エリートコースはもう古いまずは自己紹介をさせてください。私は、タブレット型学習サービスを提供するRISU Japan株式会社(以下、RISU)を運営しています。タブレット型学習サービス以外にも対面塾であるRISU塾を運営しており、対面・オンラインの枠にとらわれない、広い意味での「理数系教育」を扱っています。このように書くと、「算数や数学の成績が優秀な子どもを育てること」が目的の会社だと思われがちです。もちろん、学校の成績がよいことは算数の理解が深まっている証ではありますが、私の理念は少し違います。私が目指すのは、「成績より先の人材育成」です。現代では、勉強していい学校に入り、いい会社に入り、いい年収を稼ぐことがかつてほど魅力ではなくなっています。生活必需品の値段が劇的に下がり、欲しいものがそれほど苦労せずに手に入るようになったからです。また、人生における選択肢の幅も広がったため、かつてはたくさんの人が憧れていた「エリートコース」の魅力が相対的に低下してしまったのでしょう。「ただ試験のためだけに算数を勉強する」ということは、もはや現代社会においてあまり意味がなくなっているのです。だからこそ、子どもたちには、目先の問題が解けるだけでなく、問題を解くことを通して、「学ぶことそのものの楽しさ」を知ってほしい。私はそう願っています。「才能あふれる社会」を創り出す教育RISUのスローガンは「才能あふれる社会を創り出す」ですが、このスローガンには私の願いが込められています。それぞれの子どもが学ぶ楽しさを知り、自分を高めていくことで、その子にしかない才能が開花するのです。「才能あふれる社会」についてもう少しだけお話しさせてください。そのビジョンが、この連載ではとても重要になるからです。ここで、少し視野を広げて、「教育」の歴史を考えてみましょう。近代教育が誕生したのは200年前、産業革命と同じ時期です。そこで目指された教育は、工場で大量に均質な商品がつくられるように、学校という工場で大量の生徒をつくり続けるものでした。それは、現在も続く「教室での集団授業」という学びの形に強く現れていますよね。恐ろしいのは、この200年前のモデルがいまもって教育のスタンダードであり続けているということ。これは昨今、教育界を騒がせている新型コロナウイルスによる感染拡大に対する学校の対応からもおわかりいただけるでしょう。今回、日本で初めてオンライン教育の本格的な導入が模索されましたが、その議論がなかなか進まないのは、この集団授業のモデルが現場に強く作用しているからです。考えてみてください。集団授業のモデルは現代において、いまなお有効な方法でしょうか?言うまでもなく、産業革命の時代と現代では、社会の構造も、それを支える産業の構造も大きく変化しました。それにともなって、大人のライフスタイルも、子どものライフスタイルも大きな変化を遂げています。なかでもインターネットの普及による情報化社会の進展は、教育を考えるうえで外せないテーマです。そもそも、オンライン教育の議論も情報社会でなければできないわけですから――。このように変化している現代社会において、200年前の教育を子どもたちに提供し続けることは、正しいとは言えないはずです。多様化した社会に必要なのは、「その子だけの才能」なのだから。子どもひとりひとりの才能をもっと伸ばしてあげられるような教育が必要になってきているのです。「無学年制」という新しい学習のカタチそんな現代社会を生きる子どもたちにマッチした教育法・教材はないものか。そのようにしてつくったのが、RISUタブレットです。2015年にスタートした「RISU算数」は、個別フォロー・無学年制によるタブレット学習サービスです。生徒の学習状況が逐一記録され、それに基づいて子どもへの学習アドバイスがメールで送られます。タブレット学習の利点を活かし、集団学習では不十分な生徒への個別フォローを行なっているわけですね。また、学年の枠を飛び越えてどんどん進む子もいますから、無学年制を採用しました。これによって、意欲ある子どもの先取り学習が可能になっているわけです。子どもひとりひとりに合った学びをそれぞれのペースに合わせて提供しているため、効率的な成績アップだけでなく、学ぶ楽しさまで感じられるのです。つまりRISUの教材は、集団授業を軸とした近代教育に対するアンチテーゼなのです。集団で画一的な教育を行なうのではなく、それぞれの子どもがそれぞれのペースで、それぞれに必要な学力を身につけ、よりよい未来をつかむ。それこそが、RISU Japanが描く「才能あふれる社会」です。私は、子どもたちが自分自身の本来の才能に気づき、それを伸ばしていける教育についてずっと模索してきました。逆に言えば、私の目からは、いまの教育はそうした、子どもの未来にとって重要なことが置き去りになっているように見えるのです。学ぶことの楽しさに気づき、自分自身の才能を伸ばしていける子どもを育てる教育はいま、どこにあるのか。この連載では、そうした問題意識をみなさんと共有していければいいと思っています。「子どもの才能を伸ばす教育」を探しに行こう「算数に特化した無学年制のタブレット教材」という、これまでになかったサービスを提供するなかで、蓄積したデータから、これからの「学び」にイノベーションを起こせるような学習法や教育法にあらためて気がつきました。そして去年、それらのデータや学習法についてをまとめた書籍『10億件の学習データが教える 理系が得意な子の育て方(文響社)』を出版しました。人生で初めて執筆した本で、構想から出版に至るまで約2年……。執筆が終わったときには「もう本は書かないぞ!」と強く思いました(笑)。書籍では、RISUタブレットから得られた10億件を超えるデータや、海外の研究機関や文部科学省が出している統計をもとに、「算数や勉強について私たちが知らない残念な真実」などについて詳細に説明しています。たとえば、以下のような残念な真実です。9割の子どもが間違える問題はたった「3つ」に分類できる算数でつまずく子どもが、必ずといっていいほど間違えてしまう問題があります。「位」「単位」「図形」です。これらの問題は、恐ろしいことに、ただ「この問題ができない」だけでなく、「その単元そのものを理解できない」につながってしまいます。今後の算数の理解度や成績をも左右する間違いは、早めにクリアしておきたいものです。 宿題をさせると、子どもの学力は下がる!?じつは、いくつかの統計によって「宿題をしても学力は上がらない」という結果が出ています。それどころか、「宿題は学力にマイナスの影響を及ぼす」という衝撃のデータもあるのです。だから、「宿題やりなさーい!」と親が叫ぶ必要はありません。(※子どもが勉強嫌いにならない「宿題のやらせ方」も紹介していますのでご安心を) 本連載では、上記のような「RISU算数」から得られた知見はもちろんのこと、私が世界から集めた多くの事例をできるだけわかりやすく、かつ実用的にお伝えできればと思っています。さあ、真に子どもたちの豊かな才能を伸ばす教育を探す旅に出かけましょう。『10億件の学習データが教える 理系が得意な子の育て方』今木智隆 著/文響社(2019)■ 算数塾「RISU」代表・今木智隆先生 インタビュー記事一覧第1回:子どもを「算数嫌い」にしない大原則。幼児期からできる“算数好きの基礎”の築き方第2回:子どもが勉強で成果を出せないのは、親の「勘違い」が原因かもしれない第3回:10億件のデータを調べてわかった、小学生が「ずば抜けて苦手」な算数の単元と例題第4回:「算数の文章題が苦手」な子どもが、ひねった応用問題でも解けるようになる教育法
2020年08月20日こんにちは。6歳の双子と3歳の末っ子の三姉妹育児をしている田仲ぱんだです。6歳の双子たちは今年の4月に新1年生になりました。4月に引っ越ししたこともあり、真新しいランドセルを背負って、小学校に行って、お友だちをたくさん作るのを楽しみにしていました。ですが入学式に一度だけ行ったきり、休校。それは5月末頃まで続きました。問題だったのは、休校中の自習時間。なにせ、今までは幼稚園に行っていた双子たち。■勉強に慣れていないから集中が続かない毎日決まった量の勉強をするという習慣ができていなかったのです。とくに最初のころは「やる」「やらない」で、子どもと親でぶつかり合い。そばにいないと、勉強に身が入らない、妹の遊びに気が散ってしまうなど…非常に簡単なたった2枚のプリントをやるのに、1時間以上かかることもありました。■学校で授業が始まると娘たちに変化がちゃんと集中してやりさえすれば、10分程度でできる内容なのに。1年生の勉強は、親が内容を理解して教えることはできますが、やる気を出させてプリントを最後までやらせることは非常に難しかったです。わが家の場合、それは教員免許を持っている夫でも、同じでした。親に対する甘えがそうさせていたのかもしれません。娘たちは比較的おとなしく、親の言うこともあまり反発せずに受け入れてくれるタイプでしたが、それでも「親が主体となって勉強させることはなんて難しいのだろう」と実感した2ヶ月でした。しかしそんな娘たちでしたが、いざ学校が始まると、毎日、自ら宿題をするようになるんです。あの忍耐続きの努力は何だったのか…?毎日「あれをやった」「これをやった」と学校から帰ってきて教えてくれる娘たちの顔はキラキラ輝いていて、学校が、勉強が楽しいということが伝わってきました。■親が言わなくても勉強するように…!最近では親が何も言わなくても宿題以外に、算数のカードで計算をしたりすることもあります。先日の個人面談でも先生は娘たちをよく評価してくださいました。「とてもがんばっています。見てください。字もとっても丁寧で。この前、みんなの前で発表して、みなさん、田仲さんの字をまねしましょうね、なんて話してたんですよ」と仰ってくれました。休校中はひらがなの練習をずっとだらだら、適当にやっていた娘がです。学校という環境は勉強を教えるだけではなく、学習に対する意欲や環境を子どもに与えてくれる場所なのだと、今回の休校で実感しました。
2020年08月17日1人息子は小5で発達障害グレーゾーン。42歳、契約社員の事務職。今の仕事に、何となく不安を感じていた…Upload By LITALICOライフ会社でお昼休み、携帯のチェックをしていて、LITALICOライフのキャリア面談がふと目に留まりました。1人息子は小5で発達障害グレーゾーン。学校では、友達とも大きな問題なく過ごせているけど、引っ込み思案で、自分の意見や気持ちを伝えるのは苦手。勉強もだんだん難しくなってきて、最近は自信がなくなってきたみたい。中学生になったらきっと手も離れるだろうから、私は正社員になって、もっと仕事にうちこみたいな…と思っていました。現在、42歳で契約社員の事務職。今からでもできる正社員の仕事は、あるのでしょうか。今の仕事に、何となく不安を感じていた私は、無料で行っているというキャリア面談に申し込みました。※このコラムは実話をベースとしたフィクションですLITALICOライフのサービスとは――お子さまに関するお悩みごとだけでなく、ご家族のことも考えたサポートの提供Upload By LITALICOライフこれまで子どもの成長や、学校生活、お友だちとの関わり方に不安があったので、LITALICOはチェックしていました。しかし、どうして保護者向けのキャリア相談をしているのでしょう。面談はネットで申込むことができ、土曜日の午前中を指定しました。オンライン面談が始まると、スタッフの方が説明をしてくれました。「これまでLITALICOライフは、多くのご家庭から、お子さまのことについてご相談をいただいてきました。実はその中で多いお悩みは、お子さまのことだけではなく、保護者さまご自身の、『仕事をしながらの送り迎え、勉強のサポ―トが難しい』『預け先がなく、仕事をやめてしまった』という仕事の悩みだったんです。」だからこそ、お子さまだけではなく、ご家族全体に向けたサポートも開始したとのこと。私と同じような悩みを持った人が多いんだな、と少し安心しました。面談の中で、「子どもが心配で、いつも時間を気にしながら働いていた」自分が見えてきたUpload By LITALICOライフ面談が始まり、これまでの経緯を話しました。息子が発達障害グレーゾーンであること。朝もまったく起きられず、何度も起こして送り出していること。学校から帰ってくると疲れてしまって、宿題も、明日の支度もなかなか進まないこと。だから、ついつい声をかけ、手を貸しながら毎日やり過ごしていること…。「お母さま、本当に大変ですよね。」スタッフの方がそう一言声をかけてくれ、思わず涙が出そうになりました。子どもが発達障害ということは、会社などではなかなか理解してもらえません。それから、自分の仕事に対する姿勢や、想いについても聞いてくれました。子どもの発達障害への理解があり、安心して本音を話すことができました。「働きたい理由は何ですか?家計が安心でも働きますか?」「正社員として仕事をしたいのはなぜでしょうか?」スタッフの方からの質問に対する、自身の回答に自分でもびっくり。――子どもの学費を考えると、家計に少しでも収入がほしいと思います。でも、家計の心配が無かったとしても働きたいです!子どもが大きくなった時、自分はいったい何なんだろう?って思ってしまう気がします。子どもが成長したとき、自分も少しでもキャリアアップしていられたら、って思うんです!――正社員に踏み出せないのは、子どものせい?Upload By LITALICOライフ「では、いつ正社員になりたいとお考えですか?」思わず言葉が詰まってしまいました。小さい頃の息子は、お友だちとのトラブルが多くありました。今でも学校でいじめられていないか、空気が読めずに仲間外れにされていないか、心配です。宿題を出せない日もあり、本当は、もっと手伝ってあげるべきではないか。母親の私が仕事しているから、寂しい思いをさせてしまっているのではないか…。息子が中学生になるまでは、正社員は止めておいたほうがいいのかもしれない。そう伝えました。すると、スタッフの方から今度は「中学生になった時に変わりそうな点はどんなところですか?」と質問されました。質問の一つ一つに答えていくことで、自然と自分の考えが整理されていきます。息子が中学生になれば、もっと働ける時間が増えるかもしれない。でも、寂しい思いはさせてしまうかもしれない…。結論を出せずにいる私に、スタッフの方がこう言ってくれました。「時間の”長さ”ではなく、”質”で、お子さまとの関わりを充実させていくのはどうですか?お子さまが高学年、中学生、高校生と大きくなっていくと、自然と一緒にいる時間は減っていくと思います。その分、夜のこの時間は一緒に過ごす、など決めることで、お互いその時間が大事にできるようになるかもしれません。」目から鱗でした。これまで少なからず罪悪感を抱いて仕事していましたが、息子が大きくなってきたことで、必ずしも「長い時間一緒にいる」ことだけが、母親としてできることではない、と気づくことができました。息子が大きくなるのと同時に、私の年齢も上がっていきます。迷っているうちにどんどん時間は過ぎてしまうんだなと、改めて感じました。42歳で、特別なスキルがない自分でも正社員としてできる仕事はあるのか聞いてみると、未経験からでもできるテレワークの仕事を紹介してもらいました。息子とも話して、前向きなチャレンジを踏み出すことにしました。Upload By LITALICOライフ日々の子育てに追われ、あっという間に時間が過ぎていく毎日。気が付くと42歳になっていました。母親としても頑張りたいけど、将来の自分のためにも頑張りたい。面談を通して、忘れていた自分の気持ちを思い出すことができました。未経験からでも正社員になりたい、自分と家族に合った正社員の仕事を知りたい。そんな思いを持っている方は、一度お話されてみてはいかがでしょうか。LITALICOライフの正社員キャリア面談に申し込むUpload By LITALICOライフ「正社員として働きたいけど、育児との両立が難しい」「より自分の生活スタイルに合った正社員の仕事を探したい」LITALICOライフのスタッフが、あなたのお話を伺います。あなたの大切にしたいことや、お子さまのことも伺いながら、お仕事のご紹介をすることもできます。≪例えばこんな仕事をご紹介しています≫お仕事内容:お電話でのカスタマーサポート働き方:完全リモート(9:00~21:15のうちのシフト制)、週休2日(週によっては土日祝日勤務の場合あり)待遇:正社員、福利厚生・研修制度あり★通勤時間を気にせず働くことができる★在宅業務を活用し、休憩時間に家事もできる★実績を活かし、キャリアアップも期待できるLITALICOライフでは、幼児教育や中学・高校受験、キャリア支援など、さまざまな専門領域をもつコンサルタントが、年間2,000以上のご家庭へ勉強会や個別面談を行っています。これらの知識やノウハウを基に、より多くのご家庭の困りごとや将来への不安を、少しでも「安心」に変えていけるような情報をお届けするメルマガを配信しています。想定配信内容・発達障害のある子にあった進路や自立に関するヒントやイベント情報・発達障害のある子の特性や個性を活かす手立てやお役立ち情報・読者からの子育てのお悩みQ&AなどLITALICOライフはお子さまとご家族が「自分らしい人生」を歩んでいくために障害分野とファイナンス、その両方の専門家としてライフイベントやライフプランの見直しを相談できるパートナーです。社会資源やサービス・お金の知識といった幅広い内容を身につけることができる勉強会や、専門領域をもつコンサルタントとの個別面談・プランニングを提供しています。
2020年08月13日世間はお盆休みですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。休暇をとられている方も、世間のカレンダーとは逆にお仕事の方も、お子さんが夏休みのこの時期に色々と考えることがあるのではないでしょうか。本日は、ジュニアサッカー(少年サッカー)の保護者向け情報サイト「サカイク」で2020年1月から7月に配信した記事の中でみなさんの注目度が高かった記事をランキングでご紹介します。サッカーを通してわが子を成長させる親の接し方について参考になることがたくさんありますので、ぜひいま一度ご覧ください。第5位上手い子だけボールを触れればいいの? サッカー強国ドイツが導入を決めた3vs3のミニゲーム「フニーニョ」とはわが子を含めチームメイトの子どもたちも、好きでやっているサッカーなのに試合中1度もボールに触れない子がいて良いと思いますか?それで「楽しい」という気持ちをもち続けられるでしょうか。スポーツ本来の楽しみ方を全員に感じてもらう、みんながボールに触れる環境がチーム全体のレベルアップにつながります。少年の全国大会がないドイツで、ドイツサッカー連盟が9歳以下の試合に導入を推奨したことで注目されるようになったミニゲーム「フニーニョ」が、チームの底上げにおすすめな理由とは。ドイツで長く指導者を務め、フニーニョ導入の経緯や実際の現場を知る中野吉之伴さんに教えていただいたフニーニョのメリット記事を読む>>第4位新年度から8人制にも本格適用! 新ルールをおさらいしよう!! <前編>すでにJリーグでは取り入れられているサッカーの新ルール。まだ小学生年代では適用しきれていないかもしれませんが、もともと日本サッカー協会が「遅くとも2020年4月1日」と8人制サッカーのルール改正適用の時期を定めていました。すべての大会で新ルールが適用されるのですが、今年は新型コロナウイルスの影響などでチーム活動停止の期間などもあり、まだ新ルールに慣れてないチーム、子どもたちも多いのでは?酷暑の時期、涼しい場所での座学でサッカーへの理解を高めるのもお勧めです。ハンドや交代など多くのルールが改正された今回の新ルールについて今のうちに覚えておきましょう記事を読む>>第3位夏休み短縮、炎天下の登校...今年の夏、子どもたちの学校生活で心配なことトップは?3位にはこの夏の心配事のアンケート結果がランクインしました。多くの学校で夏休みが短縮され、例年は夏休みだった時期も登校になり、マスクをしての授業など、親も子も先生方も経験したことがない今年の夏への不安など、忌憚なきご意見が寄せられました。保護者のみなさんが心配しているのはどんなことなのか、外出の際に子どもに気を付けてほしいことは・・・記事を読む>>第2位「うちの子運動神経が悪くて」と悩む親必見!「サッカー以前」に必要な運動スキルとは「運動能力」の記事に関心の高い親御さんはとても多いです。運動ができる子と苦手な子の違いは何でしょうか。親御さんたちの中にも自分の幼少期に比べ、わが子の運動体験が少ないかも......と潜在的に感じている方もいらっしゃると思います。そもそもいまの子どもたちはサッカーをするための基礎的な運動体験から得られる体力運動能力が低いので、サッカーのスキル習得を中心とした練習や運動をしても上手く習得できないのだ、といわきスポーツクラブアカデミーアドバイザーを務める小俣よしのぶさんが教えてくれました。身体活動の基礎となる姿勢維持の力が弱い子も増えているのだとか。「走る運動も身体を支える力が必要です。走るフォームを直してほしいという要望をよく聞きますが、走る運動は総合的な体力運動で、子どもにとっては高負荷の運動なんです」運動が苦手なお子さんの運動機能を向上させるために、家庭でもできる「身体機能を整える運動」を教えてくれたので参考にしてください記事を読む>>第1位高校サッカー選手権優勝の静岡学園が、部員が多く1日2時間半程度しか練習できないからこそ身につけたタイムマネジメント術毎年注目度の高い高校サッカー選手権大会。今年優勝した静岡学園は南米のサッカースタイルをベースに世界で活躍できる選手育成を目指し、足元のスキルなど個人技に優れた静学スタイルは多くのファンを魅了しました。昨年度の部員は260名。なのに練習グラウンドはフルコート1面と小コート1面という環境。グランドを使える時間が限られているなかでサッカーも勉強も両立するために選手たちがどんな工夫をしているか、齊藤興龍コーチにお話を伺いました。サッカーに勉強にと忙しい選手たちのタイムマネジメントに関心のある保護者の意見も多く寄せられます。近年では現役サッカー部員で東大合格者も生んだ静岡学園の選手たちが、どんな風に時間を使って高いレベルでタイムマネジメントをしているか、ご覧ください記事を読む>>いかがでしたでしょうか。これからも親御さんご自身が考えるきっかけになったり、チームがよくなるきっかけになる記事を配信していきますので、ご愛顧のほどよろしくお願いいたします。【保護者、指導者の皆さんへ】連日猛暑続きで夏バテが続いている方もいらっしゃるのではないですか?まだまだ暑い日は続きますが、お父さんお母さんの疲労回復のためにこちらの記事をご紹介しますので、参考にしてリフレッシュしてくださいね。バスクリンのお風呂博士に聞いた「正しい入浴と睡眠の知識」>>
2020年08月11日新型コロナウイルスの影響で、私たち家族の住む東京都でもおよそ2か月もの間、子どもたちは学校へ通うことができませんでした。特に、新1年生は学校生活が始まる前に休校になってしまったので、授業の遅れに不安を抱える保護者も多いのではないでしょうか。そこで、今回は現在高学年になる私の娘が、小学校1年生の夏休みにやっておいてよかったと感じる学習についてお話します。夏休み、漢字検定と算数検定を目標にしてみよう!私の娘が通う小学校では、先日保護者会が行われ、担任の先生からは、「1学期の学習範囲はほぼ終わったものの、休校で登校日数が少なく、駆け足で進んでしまった感があります」とお話がありました。また、逆に低学年などは、進度が遅く学習すべき単元が終えられなかった学級もあるかもしれません。親としては、わが子が1学期の授業内容をきちんと理解できているのか、覚えているのか不安になりますよね。算数は、わからないまま放っておくと苦手意識がついてしまうかもしれないし、漢字も1学期の範囲を覚えきれていないのに、新学期どんどん新しい漢字が出てくるのも負担になります。そこで、おすすめしたいのが、夏休みにスタートする算数検定と漢字検定の勉強です。検定を受けることで苦手意識が薄くなった娘は1年生の時に漢字検定と算数検定の両方を受験しており、その後も何回か漢字検定を受けています。検定後は、いつも母子ともども「やってよかった!」と強く感じています。初めて検定を受けた1年生の時。夏休みから少しずつ勉強し、10月に算数検定を受験し、11級に合格できました。当時は、算数の宿題にはとても時間がかかっていたのですが、その後は「算数はおもしろい!」と言うようになりました。また、漢字検定も、1年生の2月に10級を受験しました。結果は、漢字が苦手だったにも関わらず満点合格でした。どちらの検定も、受けた後に娘の勉強に対する苦手意識が薄くなっているのが感じられました。どちらの検定も対策しやすいのが◎漢字検定は、低学年の場合は試験範囲になる文字数も少なく、1年生に該当する10級では合格率が95%を超えることも。算数検定は、公式サイトで過去問をみることができます。1年生に該当する11級は、計算問題以外は、一見パズルのように見えるので、子どももそれほど抵抗なく問題に取り組めると思います。つまり、どちらの検定も、子どもの学年に該当する級を受ける場合、子ども自身も比較的勉強しやすく、親も教えやすいのです。結果的に、高得点を狙うこともできるかもしれません。継続は力なり!検定を利用して自信を養おう子どもに勉強させ続けるのは、とても根気がいります。しかし、算数検定や漢字検定対策を夏休みから無理のない範囲で少しづつ続けておけば、2学期に「夏休みの間がんばった!」という自信につながると思います。実際に検定を受けてみたら、子どもにも目に見えてわかりやすい成果がでるかもしれません。そこでもし高得点が取れたら、さらに自信になるし、また、残念ながら結果が出なかったり、得点が低かったとしても、目標に向かって頑張れたことはよい経験になると思います。新型コロナウイルスが流行している現在、状況によっては中止になるおそれもありますが、現時点ではどちらの検定も10月に試験日が設定されています。夏休みから漢字検定や算数検定を受けられるよう準備しておくことで、2学期に自信を持って臨めると思います。■日本漢字能力検定■日本数学検定協会(幼児・小学生)<文・写真:ライターeurope>
2020年08月08日子育ての悩みを解消する支援・サービスには何がある?出典 : 発達が気になるお子さんをもつ保護者様は、それぞれに困りごとを抱えていらっしゃいます。2020年5月から、発達ナビで新しくスタートした有料サービス「発達ナビPLUS」は、そのようなご家庭の子育てをトータルにサポートすることを目指しています。具体的には、発達の専門家とオンラインで繋がり、個別相談ができたり、さまざまなテーマの勉強会への参加などができます。とはいえ、「発達ナビPLUS」ですべての悩みが解決できる訳ではありません。オンラインではなく、園や学校、お住まいの地域で利用できる社会資源の長所や短所を正しく理解し、うまく組み合わせて活用していくことも大切です。そこで、ご自身が既に活用している支援、まだ検討できていない支援を整理できる機会にもしていただける無料オンライン体験会を開催いたします。お子さんの年齢層別によくあるお悩みや、悩みの要因、一般的な支援・サービスをご紹介します。例えば、未就学のお子さんの場合、「かんしゃくや他害が酷くて保護者自身が疲れきっている…」、「発語・発話がゆっくりで心配」、「小学校入学に向けて、特別支援級がいいのか、通常学級がいいのか悩んでいる」などのお悩みをよく伺います。このように、年齢層ごとによくあるお悩みをサポートする支援・サービスの長所や短所を理解していただいたうえで、発達ナビPLUSでできること、できないこと、困りに合わせた具体的な活用方法もお伝えします。体験会の最後は、チャットで質問も受け付けます。サービスに関するどのような疑問でもお気軽にお申し付けください。参加者限定の50%OFFクーポンコードをプレゼント!Upload By 発達ナビ編集部無料オンライン体験会にご参加いただいた方限定で、お得なクーポンコードを送付します。クーポンコードのご利用で、初期コンテンツ利用料29,800円が【50%OFF】の14,900円になります。お得な機会にぜひご検討ください。開催概要/お申し込み▼未就学児の保護者さま向け・8/5(水) 11:00・8/13(木) 11:00・8/15(土) 14:00・8/20(木) 11:00▼小学生の保護者さま向け(学習編)・8/8(土) 11:00・8/18(火) 11:00▼小学生の保護者さま向け(コミュニケーション編)・8/7(金) 11:00・8/11(火) 11:00▼中高生の保護者さま向け・8/8(土)14:00・8/15(土)11:00オンライン会議ツール「zoom」を使用し、オンラインにて開催します1.参加にあたってのご注意&お願い2.「発達ナビPLUS(プラス)」の概要紹介3.参加年齢層のお子さまによくある悩みについて4.「発達ナビPLUS(プラス)」の活用方法5.申し込み・割引クーポンご案内6.質疑応答Q.自分の顔は映る?参加される皆さまの映像や音声はオフになっており、スタッフのみ映し出されますQ.質問はどうやってするの?チャット機能を使って質問をご入力いただきます
2020年08月03日幼稚園での子ども同士のトラブルは日常茶飯事。人間関係を学ぶ上で、とても大切な経験だと思っています。しかし、物を壊したりケガをさせてしまったりといった場合は、保護者同士の対応が求められることもあります。息子が入園してすぐの6月、年少クラスで起きた幼稚園での初トラブルとそこから私が学んだことを紹介します。幼稚園での初トラブル「友達に水筒を壊された!」幼稚園に少し慣れた6月のある日「あるお友達が〇〇(息子)君の水筒を投げて壊れてしまいました」と先生から壊れた水筒を渡されました。先生からは、「園から相手の保護者に連絡をしたところ、直接謝罪をされたいということですので、ご連絡がいくと思います。未然に防ぐことができず申し訳ありませんでした」とお話がありました。息子の幼稚園ではこういった場合に、園側からは相手の名前は出さないこと、当事者同士での話し合いになることを知りました。息子が何かしたことがきっかけなのか、どういった経緯でこのようなことになったのかと先生に尋ねましたが、今回は息子は離れたところで遊んでいて、まったくこの件に関与していなかったとのこと。水筒を投げたお友達は、かんしゃくを起こし、たまたま近くにあった息子の水筒を投げ、床に落ちて割れたとのことでした。実際、息子に事情を聞いてみてもよくわかっていない様子で、水筒が壊れてしまったことに多少のショックは受けているものの、案外ケロッとしていました。今回はケガをした子はいなかったということ、息子が何かをしたわけではないとわかりホッとした一方で、こういうトラブルもあるんだ、少し怖いな…と思いました。ただ、先生が今回の件に関してすごく責任を感じ、謝罪されていたので、先生との電話は終了し、お友達の保護者からの連絡を待つことにしました。相手の保護者から謝罪のLINEが相手も詳細もわからず、モヤモヤしていた夕方ごろ、相手の保護者からとても丁寧な謝罪のメッセージを受け取りました。思っていたよりもきちんとした謝罪で恐縮するとともに、いつか逆の立場になったときにはこんな風にきちんと謝罪しなければととても勉強になりました。受け取ったメッセージから学んだのは、以下のことです。・知り合いのママ友であっても敬語で・絵文字はNG・ビジネスレベルの謝罪の文章今回、メッセージを受け取った際は、かなりかたい謝罪の文章に「ここまでしなくても…」と感じました。しかし、もし自分の子がほかの子のものを壊したり、ケガをさせてしまった場合、こちらが思っているよりも相手の方が重く事態を受け止めている可能性を考えると、今回頂いたメールくらいしっかりと謝罪の意を示すことは大切だなと思いました。また、今回はLINEでの連絡でしたが、可能であればまずは電話で謝罪の方がよいのかなとも感じました。「弁償します」と言われた時、どうする?メッセージには、「壊れた水筒を弁償させてください」とも書いてありました。年少さんはいつお友達とトラブルを起こしてもおかしくない年齢で、わが家でも常々、「お友達にケガだけはさせないでー!」と思っていました。そのため自然と「子ども同士のことでお互い様ですから」と、一度はお断りました。しかし、もし自分が相手の立場だったら弁償させてもらった方が気がラクなのかもと考え直し、その後、弁償を受け入れることにしました。後日、その子とお母さんが、新しい水筒をもって再び謝罪に来てくれました。本当にもういいのに…と恐縮しながらも、このようにきちんとした対応をしてくれたことで、子ども同士も親同士もわだかまりなく、前よりも仲良くなれた気がします。そして、弁償してもらったことで、貸し借りのないフラットな関係がきちんと築けたように感じました。子ども同士も、お友達の口から「ごめんね」の言葉を聞き、息子も「またあそぼうね!」と笑顔でバイバイすることができました。いつでも反対の立場にもなりうるという気持ちでわが子もいつお友達のものを壊したり、ケガをさせてしまってもおかしくないと思っていました。そのため今回も、相手を責めるというよりはもし自分がその立場だったらと考えました。今回、すべてにおいて相手の保護者からは、私の想像以上の誠意を見せていただきました。この『想像以上』というのが大事なのかなと思います。これが逆に、想像以下だった場合、怒りの感情が芽生え、もっと大きなトラブルにつながる可能性もあると思います。自分たちが加害者側になった際には、最大限の謝罪と誠意を見せるという事の大切さを学んだ一件でした。たまたま息子の場合は、壊されたことが先だったので、相手のお母さんの対応がすごく勉強になりました。幼稚園でのトラブルで保護者が謝る、謝られるはよくあることだと思いますが、その際は、しっかりと誠意もって相手に接することが大事だと感じました。<文・写真:ライターさつき>
2020年07月28日休校期間、中学生いっちゃんの家庭学習は...今年の3月下旬から新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、多くの全国の小中学校が休校となりました。でこぼこ兄妹の兄、タケルの大学は急遽リモートのみの授業となり、妹いっちゃんの中学はなんと無期限休校というロングバケーション。これまでは不登校気味とはいえ、週に1~2度は学校に行って総合学習室で支援スタッフの先生と勉強したり、授業で使ったプリントなどをやったりしていたいっちゃんですが、休校期間は出された宿題を家でやり進めることに。提出日の遠い宿題を毎日少しずつ家でこなすのは難しく、次第にお絵かきやMMDなどの"自主学習"に熱を入れるようになりました。元々、夏休みの宿題はカンタンなところは最初にやって、残りはギリギリまでやらないタイプです。必然的に学校での勉強の方は積み残しが多くなってきました。「いつ学校が再開して総合学習室に行けるかわからないんだから、おうちでも宿題をやっておかないといけないよ。」と言っても、「いつもよりはしてるよ!」と涼しい顔。そりゃあ、いつもは平日の自宅学習は0ですから、ウソではないのでしょうけど…。Upload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロずーっと家にいますし、リラックスするところと勉強するところ、場所が変わらないとなかなかけじめがつきにくいということもあるのでしょう。しかし、塾などに行かせようにも、この時期、見学などもなかなか行けませんし、子どもが集まって一緒に勉強するような場所はどこも閉まっている…困ったなとは思いつつも、大物の動画づくりに挑戦する娘を見て、「時間が自由に使える今しかできない事に熱中しているのだから、まあいいか。そのうち学校も再開するだろう。」と思っていました。長引く休校、そろそろまずいかも!?そこで現れた助っ人はしかし、ゴールデンウィークを越えたあたりから「これはまだまだ学校再開は先になるんじゃないか?再開したらすぐ目の前が期末試験!やばいんじゃないか?」という気がひしひしとしてきました。テストで良い点を取ってほしいというわけではないのです。再開したときに、他の子どもたちとあまりに勉強の進度が違うと、一緒に授業を受けることが難しくなるんじゃないか…という思いが頭をもたげてきたのでした。睡眠障害のある娘にとって、週に1~2回しかないクラスのみんなと一緒に受ける授業の時間が、ただただ時間をやり過ごすだけになるのは辛すぎる…やはり、学校の勉強も少しは…いえ頑張ってやらせなければ!!でもどうやって??Upload By 寺島ヒロタケル「練習を兼ねて、私がいっちゃんに授業をしますので、その時間分のバイト代をください。」わたし「それだー!!」実はお兄ちゃん、この新型コロナ流行のあおりをくって、バイト先の塾が休みになっていたのです。灯台下暗し、渡りに船とはこのこと。時給を払って、お兄ちゃんに丸投げすることにしました。これが思った以上に大はまり!さくさくと…とはいきませんが、宿題の山が目に見えて減ってくるようになりました。また、調子の上がり下がりの大きい娘の様子を、常にタケルが気にして見ていてくれるので、大変私が楽になりました。兄妹のことでも、時給制!そこにはいくつもメリットがUpload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロあまり意識していなかったのですが、休校になってから、わが家ではいっちゃん一人がハイテンション(そしてしばしば調子が上がりすぎて真っ青な顔で倒れる)な中で、息子が静かにストレスを溜めていました。私もまた、子どもたちのどちらかが倒れないように、爆発しないように、仕事をしながらも常にカットインするタイミングを計っていたりするので、いつも以上に疲れていたようなのです。この「時給を出す作戦」を始めて、家の中がすーっと明るく、空気も軽くなったのを感じました。年が上の子どもに年下の子どもの面倒を任せるというと、年長の子どもの負担が大きいことや、親の代わりができるのか、任せてよいのかという問題が出てくると思います。私の年代でも「"お兄ちゃんでしょ、お姉ちゃんでしょ"と言われて辛かった」と、大人になってから言う人もいますから、恨みは深いものと思われます。(ちなみに私自身は一人っ子です。なんか申し訳ない。)しかし、私はその「恨み」は、妹弟の面倒を押しつけられて自分の遊ぶ時間がなくなったとか、責任を負わされて困ったということではないと思います。親が負担を負担と認めず、「自分の弟妹なんだから可愛いでしょう?可愛いんだから負担なんて言っちゃダメ」という訳の分からない理屈で、当たり前のように自分の時間を奪われ、労働を強いられているように感じるという、ぼんやりとした悲しい想いが正体なのではないでしょうか。年若い血縁を可愛く感じることと、作業の負担が重いことは別の話です。私たちは母親の権利の話となるとそれに思い至るのに、子どものこととなると少し鈍感になってしまうのかもしれません。私は息子に「仕事をするから時給を払え」と言われ、「全くその通りだ!さすがタケルさん!」と感心しました。負担を負担として認め、対価を払うことにしたのです。(対価を現金にしたことについては、まだ議論の余地があるかもしれませんね…。)しかし、いっちゃんは自分の仕事(動画づくりなど)で忙しいので、勉強時間を確保するのも大変です。声掛けをしてもなかなか捕まってくれません。おかげで時給もあまり稼げていないのですが、それでもタケルはそれなりにやりがいを持ってやってくれているようです。Upload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロところで、この雀の涙のような時給の使い道ですが...タケルはいつもいっちゃんを連れて動物園や水族館に出かけます。そして、出かけた先でパフェを食べたり、動物園とコラボしているアニメのグッズを買ったりするのです。もちろん、いっちゃんの分も…!「私が時給を稼げば、自分が良いところに連れて行ってもらえると認識させるのです。こうして、勉強へのモチベーションを強化するのです。」と言うタケル。さすがすぎます…。
2020年07月27日10年以上の少年院勤務経験から私は児童精神科医として、2009年から現在まで10年以上、少年院に勤務し、非行少年と言われる多くの少年たちに出会ってきました。勤務当初は、凶暴な子ばかりいるのではと身構えていましたが、そんなことはありませんでした。実際には、成功体験が少ないために自信のもてない子、また、学習面では「簡単な計算ができない」「漢字が読めない」「簡単な図形を書き写せない」ということで「困っている」少年たちが大勢いたのです。彼らは見る力、聞く力、想像する力が弱く、そのせいで勉強ができないばかりでなく、周りの状況が読めなくて対人関係で失敗し、自信を失い、被害的になり、それが非行の一因にもなっていたのでした。生きていくために必要な『学力以前の力』私は率直に言って、「この子たちには生きていくために必要な『学力以前の力』が備わっていない」と感じました。しかし、これは非行少年だけに限った話ではありません。私は現在、幼稚園や小・中学校で教育相談も受けています。そこで出会う子どもたちの相談は、発達や学習の遅れに関するものが多く、その状況は非行少年たちの学校時代の様子と似ているところがあるように感じました。そこで、今「困っている」子どもたちの今後の人生が少しでも生きやすくなるように、子どもたちが生きていくために「学力以前の力」を身につける必要性を強く感じました。そうして考案したのが、注意して見る力・聞く力、想像する力(認知機能)を鍛えていく「コグトレ」です。認知機能を高めるトレーニングコグトレとは、「認知○○トレーニング(Cognitive 〇〇 Training)」の略称です。○○には「ソーシャル(社会面)」「機能強化(学習面)」「作業(身体面)」が入ります。認知機能には、「注意」「記憶」「言語理解」「知覚」「推論・判断」という5つの要素が含まれます(下図)。その5つの要素に対応する「数える」「覚える」「写す」「見つける」「想像する」力を伸ばすことが、コグトレの目的です。Upload By 宮口幸治次に、認知機能の弱さがどのように勉強の苦手さにつながるか、例を出して紹介しましょう。出された問題を解くために必要な力たとえば、授業中に先生がこんな問題を口頭で出したとします。「Aさんは10個の飴を持っていました。4個をあげるとAさんは飴を何個持っているでしょうか?」これに答えるには、まず先生の話に「注意」を向けることが必要です。外を見ていたり、ノートにお絵描きをしていたりしては聞き取れません。次に、先生の話したことをしっかり聞きとって「知覚」し、個数を忘れないように「記憶」します。また、先生の話した問題の「言語理解」も必要です。さらに、ここから答えを考えていきますが、暗算するためにはほかに考えごとなどせずに「注意(集中)」する必要があります。認知機能すべての力をフル稼働最後に大切なのが、この問題では次の2通りの解釈ができることです。「Aさんは誰かに4個の飴をあげたのか?」「Aさんは誰かから4個の飴をもらったのか?」いったい先生はどちらを意図したのか「判断・推論」する必要があります。以上から、先生が口頭で出した問題を解くためには認知機能のすべての力が必要なのです。もしその中の1つにでも弱さがあれば、問題を解くことはできません。学習につまずきを抱える子どもは、認知機能の働きのどこかに、または複数に弱さをもっている可能性があるのです。そのような弱さを見つけトレーニングしていくのが、コグトレなのです。紙と鉛筆があれば始められるトレーニング具体的には、「数える」「覚える」「写す」見つける」「想像する」という5つの分野を対象にしたトレーニングを行います。紙と鉛筆があれば、今日から始められます。次に実際に、コグトレの問題をご覧いただきましょう(8月刊行の『医者が考案したコグトレ・パズル』より抜粋)。まずは「写す」問題から。問題に取り組むことで、「見る力」の基礎力を強化していきます。下の図は、「写す」問題の一部で、「点つなぎ」「くるくる星座」です。「点つなぎ」では正確に形を見る力、「くるくる星座」は考えながら見る力をつけていきます。「写す」問題全体を通して、漢字の書き取りや図形問題の基礎力をつけるのに役立つでしょう。見本の通りに点をつないで、上の絵を下に写します。Upload By 宮口幸治上の星座と同じ形になるように、下の★〇●を線でつないでいきます。Upload By 宮口幸治次に「見つける」問題です。この問題では、「見る力」の応用力を強化していきます。下の図は、「見つける」問題の一部で、「黒ぬり図形」「違いはどこ?」題です。「黒ぬり図形」では形の輪郭を見る力、「違いはどこ?」では形の違いを見つける力をつけていきます。「見つける」問題全体を通して、広い観点で物事を見る力、図形問題の応用力をつけるのに役立つでしょう。ある形の影を見つけます。①~④の図を黒くぬったものを、1~10から選びます。Upload By 宮口幸治上の絵と下の絵には、3つの違いがあります。違う部分に〇をつけましょう。Upload By 宮口幸治答えはこちらです。Upload By 宮口幸治子どもの心を傷つけない課題に取り組んでみると、もしかしたら「見つける」は得意だけれども、「写す」は苦手という得意不得意が出てくるかもしれません。苦手意識が強ければ、できるところの課題から取り組んでもらえればいいと思います。なお、テストができなくて傷つく子どもはいますが、コグトレができなくて傷ついたという話はあまり聞いたことがありません。コグトレはパズルやゲームのような課題なので、学習という感覚があまりしないのでしょう。子どもたちは楽しみながら取り組んでいます。自然に認知機能を鍛えていけるのです。勉強嫌いな少年たちが変わった瞬間また、学習は楽しんで取り組める工夫があると、子どもの力を伸ばせるはずです。そう感じるのは、私の経験にもとづきます。少年院では、勉強嫌いで授業などまともに聞いたことのない少年たちに多数、会いました。私は彼らに教えることをあきらめて、「じゃあ、私の代わりに授業をやってくれ」と、教師役を肩代わりさせたことがあります。そうすることで、私の苦労を実感させようとしたのですが……意外な展開が待っていました。なんと、授業をまともに受けようとせず、妨害すらしていた少年たちが「ぼくが教えます!」「ぼくがやります!」と率先して、教える役に就こうとしたのです。前に出て「教える」彼らの姿はとても楽しそうでした(実は、人に教えてみたい、頼りにされたいという気持ちを強くもっていたのです)。教わる側の少年たちも、変わっていきました。自分と同じ立場の少年から出される問題に答えられないのでは面目がないのでしょう。まじめに取り組むようになりました。図形の模写から知る、発達の目安最後に、子どもの発達が遅れていないか、ちょっと不安という親御さんへ。不安を抱えつつ、かといって、知能検査を受けさせるのも抵抗がある…そんなとき、発達の程度に目安をつける簡単な方法をお伝えします。お子さんに次のような正方形、三角形、ひし形を、見本を見ながら書かせてみましょう。Upload By 宮口幸治正方形は4~5歳、三角形は5~6歳、ひし形は7~8歳くらいまでに描けることが目安です。これらが描ければ、さらに次のような立体図や蜂の巣も書かせてみましょう。Upload By 宮口幸治立体図や蜂の巣は、8~9歳くらいまでに描けることが目安です。これらの図形が、該当する年齢を超えても描けないことが明らかであれば、そのときは念のため、発達専門外来や教育センターなどでご相談されることをお勧めします。適切なサポートで子どもの力は伸ばしていけるUpload By 宮口幸治発達や学習の遅れがあったとしても、適切なサポートをすることで、お子さんの力を伸ばしていける可能性があります。たとえば上の絵は、コグトレ前後の変化を示すものです。学校の勉強についていくのがしんどいと訴えていた中学生が、見本の立体図を見ながら写した絵です。4ヵ月コグトレをしたところ、図の立体感が増し、かなり正確に写せるようになりました。その子は、小学生の頃から黒板を写すこと、漢字を覚えること・書くことに苦手さをもっていました。コグトレ後は、正確に形を覚える力・見る力(形の輪郭や構成も)が増したのでしょう。立体図の模写ばかりでなく、漢字の読み書きも上達しました。紙と鉛筆があれば今日から始められるコグトレで、まずは学習の土台づくりをサポートしてみてはいかがでしょうか?
2020年07月22日小学校に入り勉強が始まると、よく耳にするのが「文章題が解けない」という悩み。文字の読み書きや計算は得意でも、文章を読解する力が足りずに文章題でつまずいてしまうことがよくあるようです。この春1年生になった友人のお子さんも同じような悩みを抱えていました。数が大好きで常に数のことを考えているような男の子。小学校に入ったら勉強楽しみだねと話していたのですが、上記の問題に直面している様子。なぜそのようなつまずきが起こるのか。そして解決法はあるのでしょうか。今回は、ベネッセお茶の水ゼミナールの現役国語講師 秋元暁哉さんに解決方法について話を聞きました。計算をする時に数字を“記号”としてとらえている「読み書き計算」は得意なのに、文章題になった途端に解けなくなる原因について聞いてみると、「計算と文章題を切り離して考える人が多いのですが、計算はあくまでも、文章題を解くためのツールです。文章題になると解けない理由は、計算をする時に数字を“記号”としてしかとらえていないことが原因のひとつ。数字の並びに反射的に反応しているので、その計算がどのような成り立ちなのかわかっていない可能性があります」とのこと。そのため、『2+3=5』という計算ができても、『バスに2人のお客さんが乗っています。次のバス停でさらに3人乗ってきました。今、バスに乗っている人数は何人ですか?』と問われると固まってしまうのだそう。これは、『2人と3人があわさって5人』という具体的なイメージを計算に落とし込むことができていないから。そこで大切になるのが、「文章を映像化する力」なのだそう。文章の映像化に必要なのは「音読」では、低学年の子ども達が、文章を映像化する力を育むためには、何が必要なのでしょうか?「僕は「音読」がとても効果的だと思っています。文字を目で追っているだけだと、読んでいるうちに問題の意図がわからなくなりがちです。声に出すことで耳からも情報が入ってくるので、文章を映像のようにイメージしやすくなります。これが、教科に関わらず問題を読んで解く時には必須です」。「音読」のメリットと効果についてまた、「音読」には3つの効果があると言います。その効果とは、1.つまずきに気づき、脳の可視化ができる問題を声に出して読ませることで、本人がどこでつまずいているかが分かります。例えば、「ぼく は(wa) ○○」という文章を「ぼくは(bokuha) ◯◯」と読んでいるとします。これは「てにをは」がきちんと理解できていないことが分かりますよね。語彙力不足、文章の成り立ちを理解できていない、文章を具体的にイメージできていない、などどこで引っかかっているのかが見えてきます。つまり、お子さんの「脳の可視化」ができるのです。わが子が何でつまずいているのかがわからない時はまず問題を音読させてみましょう。大切なのは、音読している間はきちんと聞いてあげること。ただ読ませるだけではいけません。2.集中力を起動させる文章を声に出して読むと、読むことに集中せざるを得なくなります。声に出すというのは、つまり身体を使うということ。目で追うだけでなく、口を使って読み、耳からも情報が入ります。身体を使うことで自然と脳が集中してくれます。そうすることで我に返り、自然と問題の意図やどこで間違っていたか気づけることがあります。3.文章の映像化・身体化ができる先述した通り、音読は身体を使って文章を読む行為。視覚・聴覚の2つで文章を捉えることで、文字の羅列を絵にして再現しやすくなります。身体を使って理解することで、どのようなストーリーなのかが手に取るようにわかるようになるのです。音読できるようになるために必要なのが「読み聞かせ」ただし、音読はだれでもすぐにできるようになるわけではないのだそう。何も読んでもらったことがない子どもに、いきなり音読をしろと言っても効果的ではないので、ステップ順に取り組むことで、「音読」が力を発揮できるとのこと。STEP0:絵本の読み聞かせSTEP1:音読をしてあげるSTEP2:音読をさせるつまり、まず最初にするべきことは、「読み聞かせ」なのだそうです。「絵本の読み聞かせ」の大切さ絵本の読み聞かせは、絵に対してのシチュエーション説明なので、子どもは絵を見ながら聞こえてくる文章でストーリーを理解します。これがまさに文章の映像化の第一歩なのだそう。赤ちゃん期は三原色を使った絵と音だけの絵本ですが、次にストーリーのある絵本を読むようになります。その文章も対象年齢を追うごとに複雑になっていき、次第に絵が少なくなり児童文学へと進んでいきます。その過程をたどることで、文章だけで具体的な映像を想像できるようになるとのこと。今までしてなくても大丈夫。これからが大切絵本の読み聞かせの重要性が分かると、今まであまり読み聞かせに力を入れてこなかった場合、手遅れでは…と気になりますよね。しかし、「そんなことはありません。今から読んであげればいいと思います」とのこと。「読み聞かせを始める時期は思い立ったらで大丈夫です。今、小学生以上で子どもが絵本に抵抗を示したら、児童文学や『ハリーポッター』のようなファンタジー小説の読み聞かせもよいと思います。それを繰り返していけば、自然と自分で読めるようになりますよ」。ただし、一番よくないのは、一方的に「本を読みなさい!」とひとりで読ませようとすること。大切なのは、「親子で一緒に読むこと」だそうです。「音読」は体験すべき必須過程秋元さんの話を聞いて、「音読」は、子どもが文章をイメージして理解するのにとても効果的なことが分かりました。それが、文章題を読み解く力につながるんですね。最後に音読やその前提である読み聞かせにに最適な書籍はあるか聞いたところ、なんでもよいそうです。一番は興味を持ってくれるもの。例えば、漫画でもOK!とにかく読んでいて反応するかどうかが大切。極端に言うと映画やアニメでも、ストーリーに反応するお子さんであれば必ず読めるようになるとのことでした。私もわが子が文章題を読み解く力を身につけられるように、読み聞かせや音読に力を入れていきたいと思います。<文・写真:ライター秋音ゆう>
2020年07月16日授業に集中できなかった小学生時代、意外なアレも原因だった!?Upload By かなしろにゃんこ。ADHDと広汎性発達障害がある息子リュウ太は、小学校時代に廊下で寝ながら授業を受けていた子でしたが(笑)授業に集中できなかった原因に『気持ちの切り替え』が難しかったこともあったそうです。息子(現在22歳)とNHKの発達障害をテーマに取り上げた番組を一緒に見ていて『切り替えができない』特性の話が出てきて、息子が「オレもできなかったなー、社会人になってようやくできるようになったけどね」と言うので、ナゼ切り替えができなかったのか聞いてみましたら、意外なものが勉強意欲を下げていたからなんだそうです。Upload By かなしろにゃんこ。まず1つ目は休憩時間。息子の通っていた学校では、2時間目と3時間目の間に20分の業間休み(地域によっては中休みといいますよね)がありました。1時間目2時間目は落ち着いて勉強できるのだけれど、業間休みで頭の中が遊びのモードになってしまうと、そこからの気持ちの切り替えが難しく、3時間目からの勉強に集中できなくなるのだそうです。そして2つ目が時計です。好きな教科のときは3時間目でも調子よく勉強できていたそうなのですが...時計があると授業中に何度も見てしまって、テンションが下がっていたんだそうです。Upload By かなしろにゃんこ。「集中して書き取りをしていても、ふと時計を見たときに、まだ10分しか経ってないとか、あと20分もあるとか考えると気持ちが下がっていったんだよね」といいます。“気持ちが下がる自分”もイヤだったそうで、時計を見ないで過ごしたい、でも視界に入るから授業中についつい見ちゃう、そしてその度に「あと〇分か…」と考えてしまっていたそうなのです。そんな自分に疲れてしまっていたんだとか。Upload By かなしろにゃんこ。「実は時計がない部屋のほうが勉強とか作業がはかどるんだよね。オレみたいなタイプは教室に時計がないほうが勉強に集中できるのかもしれない!時計は先生だけが卓上で見るなりして、時計がないと見通しが立たなくて不安になるタイプの子は腕時計や卓上時計を用意するとか。時計が目に入らなければ、授業の時間があっという間に感じていたかも」といいます。なるほど!時計がない場所で勉強させるのはいいかもしれないな~と思いました。中学時代は、音楽も気持ちの切り替えスイッチにUpload By かなしろにゃんこ。息子は中学のときに通っていた塾で、『イヤホンで音楽を聴きながら課題に取り組んでよい』という特例を許してもらっていました。塾の先生は息子が発達障害であることを理解してくれていて、一人ひとり集中の仕方が違うことを分かってくれていたからだったのですが、息子は「塾の先生のおかげで勉強モードになれる方法を見つけられた」といいます。Upload By かなしろにゃんこ。「勉強のときに聴く音楽っていうのを流すと、今から勉強タイムだ!って頭の中のチャンネルを切り替えられるようになったんだよね。この香りを嗅ぐと懐かしい気持ちになる~のと同じ感覚で、この曲を聴くと勉強モードになる!みたいな感じなんだよね。それに、“5分の曲と4分の曲を何曲聞いたから、このくらい時間が経過している”っていうのが時計を見なくても分かるから、ストップウォッチみたいに時間をはかるのにも使えたよ」といいます。中学時代、音楽ガンガン流して塾の課題をする息子に私は「音楽なんか聞いていて、覚えられるのかな?」と疑問だったのですが...Upload By かなしろにゃんこ。息子「気分が下がってるときには勉強したくないんだよね。だからスイッチを入れて、気分を上げるしかないわけ!自分に効果的だったのが音楽だっただけのことなんだけどね。小学生のときは本当に気分が乗らないことをするのが苦痛で、切り替えが大変だった。学校のルールなんかどうでもいいから、自分の気持ちに素直になろうと思って、気分が下がっているときは廊下で寝たりしてたわけだけど...我慢して取り組むと気分が悪くなるから、無理しないでいたって感じなんだよね。我慢して机に座ってきちんと授業に取り組めるようには結局ならなかった。中学生のときもまだ切り替えが難しかったから、形だけは授業に参加してる風で座っていたけれど、勉強に全く集中できなかった。社会人になったらイヤでも切り替えしなきゃいけないことがいっぱいあって、今は鍛えられたから平気になったよ」規則に従って生きる中では、体に無理を強いていることもたくさんありますよね。やらなきゃいけないけれど体が拒否してしまうし、自分の心のままに過ごすほうがいいに決まってる...子どもの頃のリュウ太がそんなふうに思っていたのも自然なことのように思います。気分が乗らないことをするのは大人でも苦痛ですもんね。子ども達はたくさん我慢やムリをしていると思います。学校では無理ですが、家では気分が下がるものから距離を置くことや、音楽で気分をアゲアゲにして課題に取り組むことなど、それぞれに合わせた方法で環境を整えることって大事なんだなと思いました。息子なりの環境設定、工夫をしていたのだと、大人になった息子と話して分かったのでした。
2020年07月14日子どもの勉強、親が教えないとダメ!?出典 : こんにちは。「発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換」著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。毎日の宿題に加えて、新型コロナウイルスの影響による休校や夏休みなど、何かと家で親が子どもの勉強を見る機会が増えていますね。でも、子どもが自主的にサクサク進めてくれればいいのですが、なかなか「そうもいかない」「ちっとも捗らない」ってご家庭も多いんじゃないでしょうか。親のほうも、テレワークやきょうだい児のお世話があって「そんなに気長に教えられない」ってこともありますし、「子どもに勉強を教えるなんて、どうしたらいいか分からない」って方もいるでしょう。大丈夫。学習内容自体は親が1から10まで教えなくても、検索すれば大抵のことは分かりやすい動画や学習サイトがあります。それに、2019年4月施行の改正学校教育法で制度化されたデジタル教科書が今年の4月からより本格的に導入されるようになり、教科書会社も各種のデジタルコンテンツを用意しています。お子さんがお使いの今年度の教科書をよーく見てみると、ところどころQRコードがついていたり、巻頭や巻末にURLが掲載されていませんか?(もし、見当たらなければ、教科書会社の名前で検索を!)すると、お使いの教科書に合わせた、「コンパスの使い方」などのワンポイント動画や解説アニメーション、観察・実験動画、国語の教科書のお話をプロが朗読した音声、ダウンロードしてプリントできる補助教材などを、誰もが利用できるようになっているんですよ。ですから、親は「教える」よりも、もっと大事な「その子の目線に合わせてあげること」に限られた時間とエネルギーを使って、子どものやる気をUPさせていくといいでしょう。子ども目線の簡単アイディアと声かけで、宿題はずーっとラクになります!出典 : では、宿題がちっとも進まなかったり、がんばってるけど上手にできなかったり、途中で投げ出したりする子を前に、親はどうしたらいいのでしょうか。実は、子どもが宿題や勉強をサクサク進めない時、そこには、ちゃーんと理由があるんです。もちろん「暑い!」「ゲームやりたい!」「アイス食べたい!」なんて雑念が次々と浮かんでいることもありますが、ちょっとした動きが苦手だったり、ほんの少しのことでつまずいていたり、「メンドクサイ」「つまらない」「漢字キライ」など、今までの経験による勉強のイメージから戦意喪失していることも…。そこを、子ども目線で気づいて、簡単な工夫やちょっとした声かけをしてあげるだけで、宿題への取り組みハードルが下がれば、ずーっとラクに取り組めますし、ちょっとのことで「できた!」が増えればやる気UP。自分でサクサク進められる、学習の好循環に入っていけます!最初だけ、親はひと手間かかりますが、長い目で見ればこれが夢の「自学自習」への近道かもしれません。では、宿題がサクサクできちゃう、子ども目線に合わせたとっておきの簡単アイデアと声かけのコツを3つ、お伝えします。Upload By 楽々かあさん子どもがなかなか「できない」「うまくいかない」という時は、その「動き」をよーく観察してみると、サポートのヒントが見えてきます。例えば算数の宿題で、定規や分度器を問題用紙の図形の線にうまく合わせられない…なんて場合。その子の目線では透明のアクリルの線が見えづらいのかもしれません。こんな時は、定規や分度器の「フチ」を赤や黒のマジックでキューッと塗ってあげれば一発解決することも。他にも、分度器のメモリが2つあって読みづらい時には、片方をマイナスドライバーで削ってあげたり、真ん中に赤い刺繍糸をテープでくっつけてあげるだけでも、とても見やすくなります。Upload By 楽々かあさんまた、ちょっとした数字や文字・記号の暗記が「そんなに覚えらんない!」って場合は、子どもが覚えるまでは、カラーシールなどに書いて貼っておけばOK。例えば、三角定規のそれぞれの角度や、時計の「分」の表示、鍵盤ハーモニカやキーボードのキーの配置など、結構幅広く応用できます!そのうち子どもが見慣れて覚えたら、シールをはがせばいいだけですしね。こんな『小さなつまずき』に気づくには、子どもがなかなかできない時も、まずは先入観のない目で、「どこで困っているのかな」「何が難しいのかな」と、行動に注目して見てあげるのが大事です。そして、じっくり観察しても子どもがどこでつまずいているのか分からない時は、「どこが難しい?」「どうしたらできそう?」など、本人の話をよーく聴いてみるのもテ。意外な部分で困っていることって、案外多いんですよ。Upload By 楽々かあさん日々の漢字書き取りや計算ドリルの宿題や、夏休みの課題などがたーくさんあると、誰だってやる気ぐらいなくします。こんな時は「ゲームの前に5分だけ、がんばろうか」などと短時間で区切ったり、「ここまでできたら、おやつにしよう」などのゴール設定、あるいは、宿題の範囲全ページにふせんを貼って「今日は何個くらい、ふせん取れそう?」と本人に都合を聞くなど、声かけしながら課題を小分けにするのがいいでしょう。それから、個別の宿題内容でも、「小分け」作戦は有効です。例えば、子どもが「筆算のケタが増えちゃって、難しい〜!!」なんて時には、指やエンピツ、下敷きなどで、一桁ずつ隠しながら、順番に一個ずつ解けば、ずーっと簡単になります。計算問題のプリントに問題がずらっと並んでるのを見るだけで戦意喪失しちゃう子は、プリントを折りたたんだり下敷きで隠したりして、数問だけ見えるようにすれば、「これぐらいなら、できそうな気がする」かもしれません。そして、子どもが1コずつでもがんばれたら、「OK」「できてるよ」「がんばったね」と、わんこそばの合いの手のように声かけしてあげると、膨大な宿題も最後まで完走できる確率UPです。Upload By 楽々かあさん子どもが勉強に対して自信をなくしがちな時や、うっかりミスが多い子には特に、親が意識して『できてるところに気づいてあげる』ようにするといいでしょう。休校中の自宅学習や夏休みの課題では、親が解答の丸つけをする機会も増えると思いますが、そんな時もちょっとしたコツで、ペケが多い子も自信回復したり、やる気UPすることができます。例えば、筆算の答えが間違っていても、途中の計算を一つひとつ、『合っているところまで』マルをつけてあげると、精神的なダメージも軽減される上、どこで間違ったのか気づきやすいので、だんだん計算ミスが減ることも。Upload By 楽々かあさん同様に、漢字の語句の添削なども、『合っている字、合っている部分』まで、部分的にマルをつけてあげるとGood!(そして、お子さんが自分で『どこが間違っているのか』気がつけば、尚ヨシ)誰だって、ペケや訂正ばかりでは自信をなくすのは当たり前です。少し遠回りでも、親に時間の余裕がある時だけでもいいので、できたところまで丁寧に丸つけして、ほめコメントを書いてあげると嬉しいと思いますよ。そして、言葉でも「ココまでは、できているよ」「ここは、よく書けているね」など、その都度『小さなできた』に気づけるように声かけしてあげるといいでしょう。夢の「自学自習」は、急がば回れ!出典 : こうやって、親が子どもの目線に合わせた簡単な工夫でサポートしたり、ちょっとした声かけを続けてあげたりすると、宿題や勉強のハードルが下がって、学習習慣が定着しやすくなります。そして、最初はちょっと手間がかかるように思えても、子どもの目の前で、苦手なことも工夫次第でできる方法を見せたり、できないことより、できてることに気づく声かけを続けたりすると、次第にお子さん自身が自分でも同じように工夫したり、ものの見方を変換できるようになったりするかもしれません。憧れの「自学自習」への近道は、「急がば、回れ」なんじゃないでしょうか。いつかはお子さんから、「宿題?ああ、もうとっくに終わってるよ」なんて言葉が返ってくる日も、夢ではないかもしれません。大場美鈴(著),『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』あさ出版, 2020.6.27
2020年07月13日大人も子どもも楽しめる謎解き問題を数多く編み出し、今や謎解き王子として、「今夜はナゾトレ」(フジテレビ)や「おはスタ」(テレビ東京系列)などで大活躍中の松丸亮吾さん。現在は都内で一人暮らしをしていますが、大学3年生までは千葉県の実家で暮らしていたそう。そんな松丸さんに、思い出深い実家での数々のエピソードについてお話を伺いました。■ 4人兄弟の末っ子は、損な役回り!?実は4人兄弟の末っ子という松丸さん(抱っこされているのが松丸さん)。男の子4人兄弟だと遊びはもっぱらゲームだったそう。末っ子なだけあって、いつも兄たちに負かされてばかりの日々が続きます。「昔『スマッシュブラザーズ』っていうゲームがあって、敵を場外に追い出す格闘ゲームなんですけど、100戦中99戦くらいは僕が最初に追い出されて、そこからずっとゲームが終わるまで待つ、みたいな。そんなのが続いたら全然楽しくないんで、ポンって兄弟に手を出しちゃうじゃないですか。そうすると親が来て、殴るのはよくないって僕が注意されるっていう。超いじめられて、損な役回りですよ(笑)」■ 大学受験の時もLDKのダイニングテーブルで勉強東京大学で謎解きサークルの代表をつとめていた松丸さん。日本最難関の大学に入学するために、どのような環境で勉強していたのでしょうか?「家のスペース的に子ども1人にひと部屋は難しくて、自分だけの部屋はなかったです。次兄と僕でひとつの部屋を使っていました。でもその部屋では勉強せず、大学受験の時もLDKのダイニングテーブルで勉強してましたね」キッチンからリビングが見渡せる間取りだったため、両親も安心して家事が行えるよう、自然とリビング学習が定着したそうです。兄弟の誕生日にみんなでケーキを囲んで。6人家族の食卓はいつも大賑わい。食事や勉強はいつもこのテーブルで。■ リビングの壁には、けんかの際に開けてしまった穴が!写真は松丸さんの実家リビングの一角。「今思うとリビングで過ごす時間がかなり長かったですね。家族と話す時間も長かったし、ひとりになるってことが小さいときからあまりなかったです」リビングはテレビ番組の取り合いや、ゲームの勝敗にまつわるいざこざなどでいつもけんかの発生地に。そのため、テレビが置かれているリビングの一角の壁には、けんかの際に開けてしまった穴がいまだにそのまま残っているとか。■ 念願の子ども部屋を手に入れた頃には必要なくなっていたこちらは松丸さんの実家の間取り図。子どものころは自分だけの子ども部屋が欲しくてたまらなかったという松丸さん。兄弟の成長とともに、独立して一人暮らしをする兄弟もでてきたため、やっと松丸さんの自由に使える部屋が手に入るときがきました。「そのころにはもう必要なくなってしまっていて(笑)。大学のサークルで使った備品などの保存室みたいになっちゃいました」。実家を離れ一人暮らしを始めた現在でも、子ども部屋には荷物が山積みされて物置と化しているそうです。松丸亮吾さん謎解きクリエイター。東京大学に入学後、謎解き制作サークルの代表をつとめ、現在は自身が設立した謎解き制作会社RIDDLERの代表取締役を務める。謎解きブームの仕掛け人で、多くのメディアで活躍。シリーズ累計135万部の「東大ナゾトレ」の最新刊『東大ナゾトレSEASONⅡ 第3巻』(扶桑社刊)が好評発売中。※情報は「リライフプラス vol.37」掲載時のものです。
2020年07月12日「読むこと」に苦手意識のある、ディスレクシアや発達が気になる全てのお子さんのために。学校で教科書を読む、知識を得るために本を読む、解くために試験問題を読む。お子さんの現在から将来に渡って必要となるのが、この「読む力」です。そしてこの「字を読むこと」に困難がある学習障害のひとつに、ディスレクシアというものがあります。字を読むスピードの遅さ、読み間違いの多さが特徴です。ディスレクシアに限らず発達が気になるお子さんにとって、「読む力」を育むことは生きる力を育むことに繋がります。でも一体、その「読む力」はどのように育むことが出来るのでしょうか?そこで今回は、医学博士の平岩幹男先生を中心として結成された「読みの学び直し」を支援するプロジェクトチームの代表の方に、ディスクレシアのことや「読む力」の育て方、そして今回開発された新しい学習法について、お話を伺いました。Upload By 発達ナビ編集部平岩幹男 先生医学博士。Editorial board: Austin Journal of Autism and Related Disorder。発達障害にかかわり続けて、これまでに多くの子どもたちと出会ってきました。1976年東京大学医学部医学科卒業。三井記念病院小児科、東京大学医学部研究生を経て帝京大学医学部小児科助手〜講師。1992年戸田市立健康管理センター母子保健課長〜参事・健康推進室長。2009年Rabbit Developmental Research開設(代表)。2012年〜2019年国立成育医療研究センター理事。専門領域:発達障害(自閉症)、乳幼児健診、思春期医学など。著作多数。脇坂龍治 様Team読むトレGO!代表、Edtech企業の(株)サムシンググッド社長。プリキュアなどのキャラクターを使った知育アプリの開発や英語学習ソフトを開発。発達性協調運動障害を抱えるお子さん向けにUooh!(ウー)運動療育ラボを2施設運営。「読む力」を楽しく伸ばすために開発された、「読むトレGO!」とは?この「読みの学び直し」を支援するプロジェクトチームが開発し、7月10日に発売開始されたのが『読むトレGO!』。ディスレクシアや読みの学び直しのために開発された、Nintendo Switch(TM) 対応のゲームアプリです。※1Upload By 発達ナビ編集部画面に表示された文字をマイクに向かって声に出して練習していきます。マイク+音声認識AIプログラム使用することで、正しく読めたかというフィードバックが即座にされることで、お子さんにとっての理解の促進だったり、もっとやりたいという意欲の向上につながります。Upload By 発達ナビ編集部その他にも、文字をバラバラに捉えるのでは無く一つのまとまりとして読むことや、音を聞いて正しい文字を使い分けるトレーニングをすることを通して、「読む力」を定着させていくことができる学習法です。開発チーム代表の脇坂氏に伺った、「ディスレクシアのお子さんにとって本当に意味のある学習の形」とは?ーーディスレクシアのお子さんの「読む力」をどのように伸ばしていけば良いか、悩まれているおうちの方も多いと聞きます。脇坂さん:「読む力」については学校のサポートにも期待したいところですが、日本の義務教育では「読み」と「書き」を同時に学習していきます。それは読みに困難を抱える子どもにとって、とても大変な学習法であると言わざるを得ないでしょう。その意味でもご家庭での関わりが大切となってきます。「読む力」を伸ばすために、私たちソフト開発陣が一番最初に先生方に教わった2つのことは、①まずは読みのトレーニングを中心にすること、 ②読みの学び直しの機会を提供すること、でした。ーーその2つの方法の実践として発売された、Nintendo Switch 対応のゲームアプリ「読むトレGO!」について教えてください。脇坂さん:「読むトレGO!」の特徴は3つあります。一つ目は発達障害分野の第一人者である医学博士の平岩先生との共同研究であること。専門家が一から十まで膨大な時間を割いて開発にあたるケースはとても珍しいと思いますし、それだけにディスレクシアのお子さんにとって価値あるソフトが開発できたと考えています。二つ目は、音声認識によるトレーニングであるということです。読みが苦手であれば少なからず書きにも困難が伴うはず。ですので、文字を見て→ノートに書いて→覚えるという学習方法は難しいこともあるのではないでしょうか。だからこそ、文字を見て音声で答える、これをリズムよく繰り返す事で、まずは読みに集中したトレーニングを積み重ねることができます。三つ目は、実証実験による効果をきちんと確認したのちに製品化していることだと思います。Upload By 発達ナビ編集部ーー実証実験の結果はどのようなものだったのでしょうか?脇坂さん:「読むトレGO!」では、ディスレクシアの診断(DSM-5thに基づく)を受けた児童10名程度を対象にした実証実験を、2回に渡り実施しています。4週間の実験用ソフトを活用したトレーニングを通して、なんと全ての児童の読みのスピードが向上し、2/3の児童は20%以上向上の数値が出ているんです。※2ーー確かな結果が出ているのですね。この「読むトレGO!」ですが、そもそも何故つくろうと思われたのですか?脇坂さん:私たちは教育×ITに特化した開発を行っているのですが、当社の役員の息子さんが自閉症ということがあり、以前から発達障害分野は身近に感じていたんです。私たちのIT開発力を、発達障害、ディスレクシアの分野に活かせないか?という相談を、平岩先生と始めたのが開発のきっかけでしたね。Upload By 発達ナビ編集部ーーそして平岩先生を中心に開発される中で、特にどのような点に気をつけながら進めたか教えてください。脇坂さん:やはり全ては子どもたちの反応を大切にすることですね。ディスレクシア診断のお子さん、そうでないお子さんにソフトを利用いただき、本当に多数の意見を頂戴しました。その中で先ほどの実証実験の結果も得ることができたので、それを自信に変えながら開発を進めていくことができたと思います。開発途中でご協力いただいた皆さまに、とても感謝しております。ーーゲーム機という形を選ばれたのには、何か理由があったんでしょうか?脇坂さん:企画初期段階、「教科書を見ただけで泣き出す子もいるんだよ…」と平岩先生から言われた言葉がずーっと頭にこびりついていて。最終的にNintendo Switch用アプリとして開発することにしました。Switchなら、ジョイコンで剣を振り漢字の勉強ができる。こんな無駄な動作を入れ込むことが出来るのが良いことですね。ゲームは無駄の集まりとも言うことができますし、それがお子さんにとっての楽しさに繋がっていきます。コンセプトは机に座らない=勉強っぽくない学習ですね。Upload By 発達ナビ編集部ーーその他にもご家庭で「読む力」を育むために出来るトレーニングはありますか?脇坂さん:読みの学び直しのトレーニングブックもあるので、それを活用してご家庭で力を伸ばすこともできます。「読むトレGO!」の共同研究を頂いた平岩先生は、今年の6月に書籍版の「読むトレGO!(合同出版)」を出版されています。こちらの本では、まずは何をすべきなのか?などの基本をおうちの方が理解することからスタートします。その後にワークブックでお子さんの練習に取り組んでいく、という一連の流れで構成されているので、初めてでも取り組みやすいと思いますよ。ーーお話をいただきありがとうございました。最後に、ディスクレシアのお子さんをお持ちのおうちの方へメッセージをお願いします。脇坂さん:お子さんの将来の話で言えば、例えば小学2年生の漢字の読み書きができると簡単な日誌などが書けるようになり、単純に就労機会が広がっていきます。小学4年生の漢字を読むことができれば、さらに広がり収入が増えることにつながります。何より子どもたちの自己肯定感の向上が望めるでしょう。平岩先生は良く仰います。「読みの学び直しは何歳からでも遅くない」と。これからも多くの方々から意見を頂戴しながら、ソフト開発に邁進する所存です。どうぞ応援よろしくお願いいたします。『読むトレGO!』でご自宅にいながら「読む力」を伸ばしませんか?Upload By 発達ナビ編集部開発者の脇坂氏の想い、いかがでしたでしょうか。「読むトレGO!」は、合計6コンテンツ、54レベル、227ステージの反復練習を通して、「読む力」を飽きずに楽しく育めることも大きなポイントです。本を読んだり教科書に向かったり自分一人での学習を続けることが難しい場合でも、リアクションがありゲームとして楽しめる学習なので、より効果的に継続的に「読む力」を育むことができます。ディスレクシアや発達が気になるお子さんの成長を応援する、『読むトレ GO!』という新しい学習教材。きっとお子さんの「読む力」を楽しく伸ばしていく、強い味方となってくれるはず。この『読むトレGO!』ですが、いよいよ一般販売がスタートします。下記のボタンより直接購入することも可能ですので、ぜひご自宅で「読む力」を楽しくトレーニングしてみてください。※1 Nintendo Switch Lite には対応しておりませんので、ご注意ください。※2 第1回目は2019年8月から1ヶ月程度。第2回目は2019年12月から1ヶ月程度。論文は小児科医の専門誌『小児科診療2月号』(2020/2/1発行:診断と診療社刊)に掲載。
2020年07月11日「子どもが夜なかかな寝ない」「朝起きるのに時間がかかって大変」「どんなに頑張っても正しい生活リズムが身につかない」子どもの睡眠について、多くの親御さんが頭を悩ませているのではないでしょうか。睡眠時間が足りなかったり、睡眠の質が悪かったりすれば、日中の勉強やスポーツのパフォーマンスに影響を及ぼします。だからこそ、できるだけ小さいうちから、きちんとした睡眠の習慣を身につける必要があるのです。今回は、これまでにご紹介してきた「睡眠」にまつわる記事のなかで、とくに人気の高かった6本をまとめました。お子さんの夜の過ごし方や、ぐっすり眠れてすっきり目覚められるヒントをたくさん紹介しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。「睡眠」おすすめ記事1■子どもの脳をきちんと育てる「正しい睡眠」睡眠の専門家である文教大学教育学部教授・成田奈緒子先生は、「子育てにまつわるほとんどの問題の根本にあるのは “睡眠” である」と述べています。食欲がない、便秘がち、ケガや病気が多い、すぐにキレる、勉強に集中できない……。これらの問題も、睡眠の問題を改善できれば解決することもあるそう。そのためにも、「必要な睡眠時間を確保すること」と「睡眠の質を上げること」が大事だと言います。睡眠の質を上げるとは、いわゆるレム睡眠とノンレム睡眠のきちんとした反復リズムを身につけるということ。(中略)8時間の睡眠のうちにレム睡眠とノンレム睡眠の反復を4回繰り返して朝を迎えるようになることが理想です。なぜそれが理想かといえば、そういう睡眠を取れれば、脳がきちんと育っていくからです。(引用元:STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|子どもの脳をきちんと育てる「正しい睡眠」)人間の脳は「体の脳」(0~5歳に育つ)→「おりこうさん脳」(1~18歳に育つ)→「心の脳」(10歳以降に育つ)の順番で育ちます。「体の脳」は「起きる、寝る、食べる」など生きるために最低限必要な機能を指し、「おりこうさん脳」は「言葉、知識、スポーツ」、「心の脳」は「感情のコントロール、思考、判断」を指します。「体の脳」がきちんと育たないと、勉強やスポーツ、そして人とのコミュニケーションもうまくとれなくなってしまうため、5歳くらいまでのあいだに「体の脳」をきちんとつくる必要があるのです。成田先生は、この時期に睡眠のリズムをしっかりと身につけることで、その後の勉強やスポーツ、人間関係などにもよい影響を与えると言います。睡眠のリズムを身につけるには、「朝は光を浴びて、夜は真っ暗にする」といいそう。実際はスマホやタブレット、テレビなどからどんどん光が目に入ってくるので、夜でも完璧に光を排除するのは難しいかもしれません。少しずつでもいいので、子どもが寝る前に、「明るい光が目に入りすぎていないかな?」と気にかけてあげるといいでしょう。「睡眠」おすすめ記事2■寝不足が引き起こす深刻な問題。睡眠時間が少ない子の記憶力は“あまりよくない”現代っ子の4、5人に1人は、睡眠習慣の乱れや睡眠障害など、なんらかの睡眠問題を抱えているといいます。寝不足は、集中力の低下や学力・記憶力にも悪影響を与えることがわかっており、さらには成長の遅れや食欲不振、将来の肥満の危険因子になることも!この記事では、早寝早起きを実践できるコツを紹介しています。起きる時間をいきなり1時間単位で早めてしまうとお子さまの心身の負担も大きくなるので、15〜30分単位で段階的に早めてあげましょう。早く起きたぶん、その夜は早く眠くなるはず。この好循環から規則的な生活につなげていければベストです。(引用元:STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|寝不足が引き起こす深刻な問題。睡眠時間が少ない子の記憶力は“あまりよくない”)早起きを促す取り組みとあわせて、早寝を定着させるためにはどのようなことに気をつければいいのでしょう。食事の時間やお風呂に入る時間は家庭によってさまざまです。いきなり家族の生活リズムを変えることは難しいと思いますが、お子さんのスムーズな早寝のために、次のような方法も試してみるのもいいかもしれません。まず「お風呂を夕食の前にする」こと。ヒトは体温が下がってくると眠くなるため、寝る前にお風呂に入ると眠りにくくなってしまうのです。よって、夕食とお風呂の順番を逆にすることで、寝つきがよくなる効果が期待できます。次に「親も一緒に早寝をする」ことも試してみましょう。子どもが寝ようとしているのに、親がリビングでテレビを楽しんでいれば、「まだ寝たくない」となるのは当然です。家事などの用事を早めに済ませて、思いきって子どもと一緒に早く寝てみませんか?「睡眠」おすすめ記事3■当てはまったら要注意!睡眠不足な子どもが出しているサインとは?睡眠不足は免疫力を低下させ、肥満や高血圧を引き起こすといった健康への悪影響を及ぼします。さらには、記憶の定着ができずに学力を低下させるだけではなく、感情のコントロールが難しくなるなど心への影響も危惧されています。昌仁醫修会瀬川記念小児神経学クリニック理事長の星野恭子先生は、「夜型の幼児は攻撃性が高く、不注意が多い。夜型の5歳児は三角形がかけない」と話しています。このように、睡眠が不足すると、心にも影響がおよびます。小さな子どもが、コントロールのきかない感情を抱え、心を痛めてしまうのです。(引用元:STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|当てはまったら要注意!睡眠不足な子どもが出しているサインとは?)この記事では、寝不足な子どもたちが出しているいくつかの “サイン” について解説しています。どれも子どもたちによく見られる行動・様子ですが、もしかしたら睡眠不足が引き起こしている問題かもしれません。ひとつは「自己肯定感が低い、イライラしている」様子。常にイライラしていたり、「どうせ自分なんか」などと投げやりな発言をしたりしていませんか?睡眠不足の子どもは自己肯定感が低いという調査結果もあることから、良質な睡眠がいかに子どもの心を豊かに育むかがわかると思います。また、意外にも「何事にもまじめに、一生懸命取り組む頑張り屋さん」も睡眠不足が影響してる可能性があります。習い事や塾などで忙しい毎日を過ごす子どもは多く、睡眠時間を削ってまですべてをこなそうとするのはとても危険です。お子さんの変化に気づいたら、就寝時間を調整したり、心地よい眠りにつける工夫をしてあげたりしましょう。「睡眠」おすすめ記事4■寝るのが遅いと自己肯定感が下がる。デメリットだらけの「子どもの睡眠不足」みなさんご存じのように、睡眠は脳の発達に大きな影響を与えます。それは学力にも直結するため、小さいうちからしっかりとした睡眠習慣を身につけることは、お子さんの将来を左右すると言っても過言ではないでしょう。明治薬科大学准教授の駒田陽子先生は、学力だけではなく、睡眠と心の成長の関係についても指摘しています。(前略)睡眠不足になると記憶力が悪くなるばかりか、楽しいことに関する記憶が減ってしまいます。一方で、嫌な記憶はあまり減っていきません。さらに、就寝が遅いと「自分のことが好き」と答える割合が低くなり、自己肯定感にも影響するという調査報告もあります。(引用元:STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|寝るのが遅いと自己肯定感が下がる。デメリットだらけの「子どもの睡眠不足」)幼少期から夜型の生活を送っている子どもは、不登校やうつになる傾向が高いという調査結果もあることから、睡眠不足がいかに子どもの心をむしばんでいるかがわかります。また、この記事では「睡眠と肥満」の深い関係についても詳しく解説しています。子どもが大人へ成長するために欠かせない成長ホルモンは、睡眠の前半に現れる深い眠りのときに集中的に分泌されます。ですから、睡眠が足りずに成長ホルモンの分泌が不十分になると、体の発育に影響を及ぼすのです。さらに成長ホルモンは、脂肪を分解する作用もあるそう。つまり、睡眠不足は肥満を引き起こす可能性もあるのです。このように、子どもの体も心も、そして脳も、毎日の睡眠と深い関わりがあります。だからこそ私たち大人は、もっと真剣に子どもたちの眠りについて考えるべきではないでしょうか。「睡眠」おすすめ記事5■「幼児の睡眠問題」を“たった1週間”で解消する方法「朝、子どもを無理やり起こすと不機嫌になってしまい困っている」こんなお悩みを抱えている親御さんはたくさんいますよね。文教大学教育学部教授の成田奈緒子先生によると、「この悩みを解決するのは意外なほど簡単」とのこと。なんと、1週間もあればどんな子でも朝に不機嫌になることがなくなるそう!とにかく1週間でいいので、親が一生懸命になって子どもを起こしましょう。もちろん、無理やり起こすと子どもは不機嫌になります。そのとき、子どもが絶対にご機嫌になるような大好きなものを与えてあげるのです。(中略)そうすれば、朝の不機嫌は一気に軽減されるはずです。(引用元:STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|「幼児の睡眠問題」を“たった1週間”で解消する方法)成田先生は、「そもそも、寝る時間が遅い子どもは、その時間まで夢中になるような大好きなものがある」と述べています。テレビ番組やゲーム、タブレットで動画視聴をしている子も多いでしょう。ここで発想を転換し、それらを朝にもってくることで、子どもは朝起きるのが待ち遠しくなります。そして朝目覚めたら、朝日を浴びて1日のはじまりを体に染み込ませることも効果的。あるいは、朝にお風呂に入れるのもいいそうです。成田先生によると、体温を上げれば交感神経が優位になって、脳も体も目覚めるそう。とにかく肝心なのは初日です。この日の子どもは寝不足状態で、日中はぼーっとして過ごすでしょう。ですから、帰宅したら夕食は軽いもので済ませて、さっさと寝かせてしまいます。このパターンを続けることで、理想的な睡眠リズムを身につけることができるはずです。記事では、より詳しく睡眠のメカニズムについて解説しているので、ぜひ参考にしてくださいね。「睡眠」おすすめ記事6■なにより睡眠が基本!親の「ブレない」態度が、子どもの脳を育てる朝に弱く、起きても体の不調を訴える子どもが増えているというデータがあります。大きな原因として就寝時間の遅さが指摘されており、それにより、体の不調だけにとどまらず “心の不調” にも強い影響を及ぼしていることがわかっているそう。つまり、就寝時間が遅い子どもは、イライラすることが多いし、自分なんていないほうがいいと思うし、自分が嫌いだし、やる気が出ないし、家庭は楽しくないと思っているわけです。こんなことを子どもたちが思っているなんて本当にかわいそうだし、大人として絶望的な気持ちになりますよね。(引用元:STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|なにより睡眠が基本!親の「ブレない」態度が、子どもの脳を育てる)睡眠の専門家である成田奈緒子先生は、10歳頃までには正しい睡眠習慣をつけさせるべきと述べています。高学年にもなると親が主導して生活習慣を正すのが難しくなり、また中学年くらいだと多くの子どもがスマートフォンやゲーム機を手にするようになります。これらは子どもから睡眠時間を奪う元凶となるのです。成田先生は、「子どもの睡眠環境を整えるには、親の “ブレない” 態度が大事」と言います。たとえば、「夜8時になったらスマートフォンは使っちゃダメだからね」と口で言うだけではなく、決まった時間になったらネットにつながらないように制限をかけるなど、毅然とした対応を心がけましょう。ゲームをしている子どもに「夜ふかしはダメ!」という一方で、「宿題をやるまで寝かせないからね!」という親御さんは意外と多いもの。このような親の一貫性のない対応こそが、子どもに不信感を抱かせて反発心を招いてしまうのです。お子さんの健康な体と心、そして脳の健やかな成長のためにも、正しい睡眠習慣を徹底させましょう。***子どもの睡眠の問題は、親にとって大きな悩みのタネです。一度乱れた生活習慣が身についてしまうと、それを正すのは容易ではありません。しかし、睡眠が体の成長だけではなく、脳にも心にも強い影響を及ぼしているのなら、きちんとした睡眠のリズムを身につけさせなければならないでしょう。まずはできることから、少しずつ改善していくことで、いずれ正しい睡眠習慣を手に入れることができるはずです。
2020年07月09日わが家の長女はヨコミネ式の保育園を卒園し、その後引っ越しに伴い次女と長男はおむつなし育児を実践する自然派保育園に通っています。私が個人的に感じる双方のメリット・デメリットをお伝えします。 ヨコミネ式保育園のメリット・デメリットヨコミネ式保育園のメリットは、運動も学習も自然と身に付き、その能力が高くなるということ。長女は卒園時に逆立ち歩きや三転倒立、片手側転などができたうえ、小学校低学年で習う漢字が書けたり、九九を暗記していたり、そろばんができたりしていました。しかも、すべて楽しそうにしていました。 みんながライバルでありながらも互いを励まし合い切磋琢磨していくので、落ちこぼれる子がいませんでした。 また、毎日の練習を楽しくみんなで続けられているのは、モチベーションを維持させる先生方の声かけなどがすごくじょうずなのだろうと思います。それらも含め、きちんとヨコミネ式教育の研修を受けている先生方に安心感もありました。 デメリットは、とにかく自由に遊ぶ時間が少なかったことです。園児でありながら勉強や運動、音楽の時間と決められたカリキュラムをこなすことが多く、自由に過ごす時間はほとんどなかったように思います。0~1歳児では遊んだりお散歩したりする時間はありましたが、泥んこになった服を持ち帰ってくるようなことはほとんどありませんでした。 自然派保育園のメリット・デメリット自然派保育園のメリットは、とにかく子どもたちが楽しそうなこと。毎日外遊びをし、お散歩に行き、暖かい日は水遊びをし、生き物を捕まえて飼ってみたり、野菜をとってきて食べたりと、その季節ならではの体験をたくさんして帰ってきます。大まかな予定は立てられているものの、そこで何をするかは園児たちに委ねられているのも大きな特徴。自主的にしたいことを見つけて遊んでいるので、楽しくて仕方ない様子です。 また、給食やおやつの食材・調味料1つにもこだわりが感じられ、「できるだけ地元のもので、安心・安全なものを」という配慮がされています。「園でしっかり食べているから、おうちでママが頑張れない日があっても大丈夫よ」と保育士さんが言ってくれるのも心強いです。 デメリットは、着替えがたくさん必要なことと、洗濯物が毎日大量なこと。さらにおむつなし育児を実践している園なので、衛生面も決していいとは思えません。また、ひらがなや数字をまったく教わりません。 他にはこんなことも!ヨコミネ式のほうは、やはり小学校に入ってからの授業や勉強にすんなり入っていくことができたのは安心でした。子どもも“できる”という自信から「楽しい」「もっとしたい」という気持ちが湧くようで、長女は勉強も運動も積極的に頑張っています。また、「周りの子を応援する」というのも自然に身に付いており、お友だちとも仲良くできています。 自然派のほうは、感性や発想力が磨かれていると感じます。絵本の絵を見てお話をつくったり、花を見て急に歌をつくって歌い出したりと、わからないからこそできる創作力が身に付いているように見えます。 一番いいと感じていることは、どちらの園も特徴や方針がはっきりしているため、働いている保育士さんたちがその方針をしっかり意識し、ポリシーを持って保育をしてくれていると感じる点です。どんな園であれ、保育士さんたちの人柄やプロ意識こそが1番大切なポイントという気がしています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての自然派保育園とヨコミネ式保育園にあてはまるとは限りません。必要に応じて通園を希望する園に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラスト:sawawa著者:ライター 岩崎未来三児(女・女・男)の母。出版社・編集プロダクションの勤務を経たのち、第一子出産を機にフリーランスに。現在は会社役員という肩書きを持ちながらも、ライター・編集者としても活動中。
2020年07月08日新型コロナウィルスの影響で、娘が通う小学校ももれなく休校に。私と夫が仕事をしている間、娘は学校や学童の預かり保育に通い頑張って自習をしてくれていましたが、家ではだらけて勉強へのモチベーションが続きませんでした。そこで、少しでも意欲的に学習へ取り組めるよう、娘との関わり方を工夫しました。 学校の先生のようにはいかない4月7日に緊急事態宣言が出されるまでは私も夫も仕事に行くことが多く、娘は学校でしてくれていた一時預かりと学童保育に通っていました。そのときは自習の道具を持っていき、しっかり勉強して帰ってきました。しかし、私たち夫婦のテレワークや自宅待機が多くなってくると、自宅で勉強をさせなければいけなくなったのです。 学校の授業は1コマ45分。最初はその時間通りに勉強させようとしました。しかし娘は5分と集中力が続かず、教えようとすると喧嘩に……。私は勉強へ気持ちを向かわせることにほとほと疲れてしまい、「学校の先生のようにうまく勉強させるのは難しいなあ」と、がっくりでした。 短時間でもオッケー学校の授業時間と同じくらいを目標にして勉強させようとすると、自宅ではなかなか目標通りにいきません。勉強に集中せずイライラぐだぐだしている娘を見ていると、私もイライラ。そこで、10分でも15分でも短時間の学習を1日のうちに何度かおこなうようにしました。 娘が勉強して息詰まったあとは、体を動かしたり遊んだりとイライラした気持ちを発散させてあげました。すると、娘は自らタイマーをかけて、いくらか集中して学習するようになってきたのです。 机に向かうだけが勉強じゃないわが家は小学生向け通信教育を受講していて、算数、国語などのテキストが届きます。自宅学習のときにはテキストをさせていたのですが、娘はだんだんと机に向かう教科の学習に飽きてきてしまったのです。「テキストをしようか」と声をかけると、「やだ!」と一蹴されてしまうので、学習の種類に柔軟性をもたせてみることに。 たとえばごはんのメニューを一緒に考えて料理をしたり、レゴブロックやゲームを使って創作したり、近所の公園で縄跳びをしたり。机に向かうことだけではなく普段の生活のなかで知識や経験の幅を広げる活動をしたら、「できたね!」と娘をたくさん褒めてあげるようにしました。 親子で一緒に勉強勉強を“させようとする”と、娘は抵抗感を感じるようでした。そこで、わが家では親が仕事をしている間にそばで勉強してもらったり、娘が過去にやったテキストの丸付けをしながら勉強を見守ったりと、一緒に机に向かうようにしています。 親のほうもやることがあると、程よい距離感をもって勉強を見守ることができるので、喧嘩をすることが少なくなったのです。娘も、私たちが一緒に机に向かっていると満足するようで、一時勉強に集中してくれています。 休校期間が長引いているため、学習力の上下は親の責任に左右されてしまうと焦っていた私。しかし、娘は勉強を強いると抵抗感が増す様子でした。工夫をするなかで、娘にとって楽しみながら一緒に勉強することを考えてあげると良いのだなと感じました。早く元の生活に戻れることを願いつつ、親子で乗り切って行きたいものです。 ※新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、外出の際には自分だけではなく周りの方への感染防止対策を十分におこない、安全性に配慮していただくなどご注意ください。外出を楽しめる日が1日も早く訪れますように! 著者:斎藤ますみ1児の母。保育士として働く傍ら、自身の出産・子育て経験をもとに、妊娠・出産・育児に関する記事を中心に執筆している。
2020年07月08日発達ナビPLUSに子育てヒント動画がラインナップ!どうしたらいい?のヒントを動画で分かりやすく解説Upload By 発達ナビ編集部発達ナビPLUSは、有料の会員さま向けサービスです。すでに、・発達支援の専門家によるオンライン勉強会(毎月8回程度開催 ※アーカイブ動画の視聴も可能)・専門家が監修!メールで個別ケース相談(毎月1回までご利用)・発達支援施設で活用されている特別支援教材の3つのサービスをご提供していましたが、6月24日に「子育てヒント動画」が待望のリリース!発達ナビPLUSの全4つのサービスラインナップがそろいました。子育てヒント動画は、特性の凸凹があるお子さまへの基本的な関わり方のコツ、困ったときの虎の巻。具体的な手だてを動画で分かりやすく解説します。どんどん増えるラインナップの第一弾は、次の3つのこのカテゴリ15本!◆3つのカテゴリ・子どもと大人のストレスとケア・カンタン!お家で運動・宿題・学習サポートのコツUpload By 発達ナビ編集部お家での宿題・学習時の工夫や、学習をする上でのつまずきポイントと手助け方法、楽しく取り組める教材の工夫を動画で解説!・お子さまに学習への興味を持ってもらいたい・宿題をしてもらうことに大変さを感じている・学習時のつまずきポイントと手助けを知りたいというときにお役立ちの動画ラインナップです。Upload By 発達ナビ編集部個別ケース相談でも、新型コロナの影響での突然の休校・休園や、外出がしづらい状況の中、ストレスを強く感じたり、かんしゃくやパニックの頻度が増えたことへの悩みや相談なども多くありました。その中で、ぜひご家庭で取り入れていただきたいストレスケアや対応方法について動画でご紹介しています。Upload By 発達ナビ編集部発達ナビPLUSのサービスを詳しく解説!無料体験会を開催。体験会参加後入会で1.5万円分ギフト券進呈もUpload By 発達ナビ編集部すでに約500家庭が入会し、大変ご好評いただいている一方、「どんなサービスかいまいち分からない」「まず無料で体験してみたい」という声も多くいただきました。そんな皆さまの声にお応えし、4サービスがそろった今、無料オンライン体験会を開催します。無料体験会は、ビデオ電話形式で、実際のサイト画面をお見せしながら各サービスについての詳細をお伝えする「無料オンライン体験会」です。※スタッフの画面を共有する形でのご紹介となるため、画面操作はスタッフが行います。オンライン勉強会の一部、個別ケース相談の回答イメージ、教材サイトなどを実際に閲覧していただきます。 その場で、スタッフに対する質問(チャットでも、口頭でも)も受け付けます!無料オンライン体験会に参加した方限定のお得な特典(※)もご用意しているので、ぜひこの機会にご参加ください。※キャッシュバックの方法についてギフト券から変更となる場合もあります。7/5(日) 11:30-11:507/7(火) 19:30-19:507/9(木) 11:30-11:507/12(日) 11:30-11:507/15(水) 19:30-19:507/17(金) 11:30-11:507/19(日) 11:30-11:50※参加する日程を1つお選びください1:サービス概要のご紹介2:各サービスの詳細※実際のサービス画面をお見せします3:入会方法/特典のご案内4:質疑応答Q.自分の顔は映る?参加される皆さまの映像や音声はオフになっており、スタッフのみ映し出されます。Q.質問はどうやってするの?質疑応答の時間に、以下どちらかの方法で質問を受け付けております。・ご自身で音声をオンに切り替えて口頭で質問する・チャット機能を使って質問を記入する
2020年07月03日最近の子どもは実年齢よりマイナス4歳ぐらい幼い印象の子が増えている、それは大人に原因がある。ということを前編でお送りしました。子どもが忘れ物をしてツライ思いをしないようにと、いつまでも学校の道具やサッカーの準備を親がすべてやってあげていませんか?進学塾「VAMOS」の代表で、日本サッカー協会登録仲介人として若手プロサッカー選手の育成も手がけ、アスリートと学習教育に共通する「成長プロセス」の体系化にも取り組む富永雄輔さんは、子どもの自立には勉強でもサッカーでも普段の生活の部分がとても大事だと言います。後編では、わが子を徐々に自立させるために保護者に意識していただきたいことを伺いました。(取材・文:前田陽子)(写真は少年サッカーのイメージです)<<前編:今どきの子は実年齢マイナス4歳幼い!?自分の事を自分でできる子にするために小学生の親が心得ておくこと■親に大切なのは我慢する勇気――子どもを甘やかしてしまう原因は何だと思いますか?子どもを子ども扱いして甘やかしてしまう原因のひとつに、SNSをはじめとする情報収集ツールがあると思っています。親御さん世代の人は盛んに使っていて、そこから典型的なマニュアルを入手している方もいるようですね。今の小学生の親世代は、ちょうど厳しい教えがNGとされてきた変換期で育っているため、教育への観念が同じ世代でも大きく異なります。そういった背景から親自身が結論を持っていないので自分の指針となるマニュアルを求める方が多いように思います。結果、「まだ子どもだから」「子どもを傷つけたくないから」など自分に都合のいい意見だけを切り取って子どもに対峙するので、子どもに甘くなるのだと思います。――親世代がちょうどマニュアルがあることが当たり前な世代ですよね。どうしても指針を欲してしまいます。親がブレると子どももブレます。親が真偽不明な情報に惑わされると子どもも混乱してしまうのはわかりますよね。また、甘やかされた子は勉強でもスポーツでも中途半端になってしまいます。自立させなければいけないことに、親は早く気が付かなければいけません。失敗した経験は子どもをおのずと成長させます。ですので早いうちにたくさんトライをして、たくさんエラーを経験させましょう。例えば、子どもが考えて実践した勉強のやり方で結果が出なくてもその方法を否定してはいけません。そのまま続けるのか、勉強法を変えるのか。それは子どもがまた考えて、トライすればいいのです。勉強なら、そんな経験を受験にまだ間に合う小学5年生、中学2年生の段階でたくさん失敗することは大切だと思います。失敗している間は、親は極力口出しを控えることも大事なことです。失敗を子どもに負わせ続けることを我慢する勇気が親に必要なのです。さらに、今は結果を見る時期なのか、経過を見るべき時期なのかを見極めること。勉強なら小5は過程を学ぶときで、小6は結果を見るときです。もっと短いスパンで考えてもいいですね。今度のテストは算数は結果を見て、苦手な国語はこれまでやってきたプロセスが良かったかどうかを見るとか。結果と過程のどちらに着目するかの基準を持っていると良いと思います。親が子どもにその時、何を学ばせたいかをはっきりすること。それをしないと、結局あれもこれもになってしまいます。■ゼロか100ではなく、徐々に手を放す――子どもの自立を考えたときに大切なのは日々の生活なのかなと思います。そう思います。現在海外で活躍しているサッカー選手の多くは、練習以外の時間を現地の言葉を習得するための勉強などに多くの時間を割いています。そういった努力はほとんど報道されませんが、一流選手たちは練習以外で努力していることがたくさんあります。親御さんにはそこに気づいてほしいですね。勉強にしてもサッカーにしても、上を目指すなら生活の部分がとても大事です。親が口を出し、手を出すことのすべてがダメではないと思いますよ。たとえば九九ができない子に割り算をしろと言っても無理なことです。ベースとなる知識は教えてあげないといけません。教えるステップと手を放すステップが重要なのですが、子どもが失敗することを心配して手を放せない親がとても多いと思います。いきなりすべてのことから手を放す必要はありません。部分ごとに手を放せばいいのです。例えばサッカーなら、練習場は試合会場まで一緒に行くけれど、準備はひとりでやらせる。試合会場へのアクセスを考えさせて、一緒に行くとか。少しずつで良いのです。いろいろな自立のさせ方があると思います。付くのと離れるのを段階的にすることを意識してほしいですね。中学生になったから、高校生になったからと、いきなりすべてをつき放すのではなく、子どもの様子を見ながら徐々にでいいと思います。そして親もトライ&エラーを繰り返していくこと。親がエラーする様子を見せることも、子どもにとっては「失敗してもいいんだ」という教訓になります。■親もアップデートが必要――子どもたちの習い事のスタートが低年齢化していると思います。やはり早く始めないとダメなのでしょうか?ひと昔前に比べて、塾もサッカーなどの習い事も、スタートする年齢が下がってきています。その結果、小1の段階でうまい子がたくさんいます。小学校から始めようとクラブに入った子が同じ練習をしたときに、幼稚園から始めていた子はできて、小学校から始めた子はできないということがたくさんあります。そんな時に小学校から始めた子が「自分はダメだ」とあきらめてしまう子がいるんです。できないのではなくて、やり方を知らないだけなのに。それなのに子どもも親も諦めてクラブを辞めてしまう、これはとても不幸なことだと思います。正当な競争をさせないことでつまづきやチャレンジがないので、ぬるい環境で甘えが出てきてしまうのです。そして甘えが多いと精神的に幼い子が増えます。そういった子を増やさないためには、正当な競争が必要だと思います。過度な椅子取りゲームは精神的にもきついですが、適度な刺激を子どもに与え続けると考え方は変わってくるはずです。一生懸命挑戦してみて、それでも思ったような結果が出なかったり、別の目標をに向かうことを決断することもあるかもしれません。ですが、目標を変えることは挫折ではなく新たなことへのチャレンジなのです。親はつい挫折をさせたくなくて手を出してしまいますが、チャレンジととらえられれば、応援することができるのではないでしょうか。今回のコロナ禍で実感された方も多いと思いますが、10年後どころか、少し先の将来は予想がつかない社会に変化する可能性もあるのです。大人が考えている以上に子どもを取り囲む環境は進化して、これまで以上に変わっていきます。AI、プログラミングなどを小学生時代から学ぶことは、親世代には経験がなかったこと。ですから、親もアップデートが必要です。向上心を持っている親は、子どもへの植え付け方がとても上手ですよ。子どものためにも、自分たちが変わることに躊躇しない親がいいですね。<<前編:今どきの子は実年齢マイナス4歳幼い!?自分の事を自分でできる子にするために小学生の親が心得ておくこと富永雄輔(とみなが・ゆうすけ)進学塾「VAMOS(バモス)」代表。京都大学を卒業後、東京・吉祥寺に幼稚園生から高校生まで通塾する進学塾「VAMOS」を設立。入塾テストを行わず、先着順で子どもを受け入れるスタイルでありながら、中学受験から高校受験、大学受験まで、毎年首都圏トップクラスの難関校合格率を誇る。少人数制の個別カリキュラムを組みながら、子供に合わせた独自の勉強法により驚異の合格率を実現して話題に。小さな学習塾ながら、論理的な学習法や、子供の自主自立を促し、自分で考える力の育成に効果的と、保護者から圧倒的な支持を集めている。日本サッカー協会登録仲介人として若手プロサッカー選手の育成も手がけ、アスリートと学習教育に共通する「成長プロセス」の体系化にも取り組んでいる。主な著書に『「急激に伸びる子」「伸び続ける子」には共通点があった!』(朝日新聞出版)、『東大生を育てる親は家の中で何をしているのか?』(文響社)、『男の子の学力の伸ばし方』『女の子の学力の伸ばし方』(共にダイヤモンド社)、『それは子どもの学力が伸びるサイン!』(廣済堂出版)などがある。進学塾「VAMOS(バモス)」ホームページはこちら>>
2020年06月30日いよいよ受験目前!第一志望に向けて勉強していたはずが…発達障害がある長男は、中学受験を経てこの春から私立中学に進学しました。小6からスタートした受験勉強…いろんな人に支えてもらいながらも進め、いよいよ受験1か月前を切った時、急に第一志望校をうけないと言い出したのです…。Upload By スガカズUpload By スガカズ理由をたずねたところ、「将来ものづくりに関わる仕事がしたいから」ということでした。確かにその先の進路を見据えるとF中学校の方が良いのですが、最近F中学校への入学希望者がかなり増えているのと、今までE中学校の対策を中心にしていたので心配になりました。この時点で本番3週間前でした。Upload By スガカズF中学校の出題傾向はE中学校とは違います。比較的合格しやすい午前の4科目と難易度が上がる午後の2科目をうける事に。次の日も午前午後両方受ける事にしました。算数は合格点をクリアできそうでしたが、国語、理科、社会に課題がまだまだありそうでした。4科目の場合、2科目が合格点を取ればクリアです。苦手とする社会は捨てるにしても、国語と理科どちらかは合格点を取らなければいけません。塾、療育、家庭の三位一体Upload By スガカズ周りも本人もラストスパートです!希望校が変わる事や、1校だけ受ける事を言語聴覚士さんに伝えたところ、本番の2日前に特別に枠を作っていただけることになりました。そして最後の指導枠では、F中学校の国語の出題傾向に合わせた時間配分や、絶対に取っておきたい問題、取り掛かる順番など指導していただきました。(ちなみに、学習障害がある子どもの受験対策までしてくれる言語聴覚士さんはあまりいないそうです。出会いに恵まれたことをありがたく思っています)塾では、理科に絞って過去問対策をしていただきました。私は理科が苦手なので、教えることはできず…。本当に助かりました。長男は、(体調管理も考えて)直前の3日間は小学校をお休みし、私も仕事を休んで算数、国語の指導をすることにしました。長男自身はラストスパートだと理解をして、集中して繰り返し過去問を解き続けました。F中学校の出願数を確認すると、思った以上に多くて「本当に入れるのだろうか」と私は心配になりました。「これだけの数の人がF中学校に入りたいと思っているから、これで長男が入れたらラッキーだね!」と言いました。長男は「うん!入れたらすごい!」と言い笑っていました。見通しが立つ子だったら士気が下がる可能性もあるのかもと思いましたが、この時ばかりは「見通しが立ちづらい子で良かった」と受験を通して思える様になりました。直前は本当に「なる様になる」という気持ちで、もし本番で試験に受け続けることに疲れたなら本人の気持ちを大事にしようと思いました。そして当日…午前は好調!午後で不安にUpload By スガカズ午前は調子よく取り組むことができた様です。しかし、午後受験では問題の難易度がぐっと上がったこともあり、書けない所がちらほらあった様子。何時間もテストに向かうのは流石に疲れた様で、帰り道は「疲れた〜」「午後は自信ないなぁ…」と何度ももらしていました。午前の結果は夜にわかるのですが、次の日も午前、午後と試験が入っているので、午後のテストで解けなかった部分や漢字の勉強をして過ごしました。Upload By スガカズそしてその日の夜、受験した人数が昨年よりかなり増えたとの事で、予定していた時間から大幅にずれ、22時ごろに結果が発表されました。…無事に合格しました。あまりはしゃぐタイプの子ではないのですが、長男は両手を挙げて喜んでいました!Upload By スガカズ「諦めないでよかった」と本人は言っていましたが、私も同じ気持ちでした。本当に長かったしいろんな方に助けられた一年でしたが無事に終わりました。なぜ1校に絞った?振り返ると私に反省点今回ドタバタな中で模索した中学受験でしたが、振り返ってみると1つ反省点がありました。それは、1月に他県で試験を受けた際の学校選び。わが家は東京に住んでいるのですが、2月が本番で近隣で1月本番の県がある場合、「お試し受験」を受ける家庭が多いのだそうです。近くの県が1月本番だったので、家から比較的近くて偏差値が合っている1校を受けました。結果合格をいただき本人も自信がついたわけですが、うれしさのあまり「F中学校に合格しない場合は、(1月受験で合格した)他県の中学校に通う」と本人が決めたのです。他県を先に受ける場合はたとえ目的が「入学」ではないにしても、「本人に合う学校」を選んだ方がリスク回避になると感じました。それには、受験を決めたころからもっと全体を見据えて行動しておけばよかったのかも知れません。とはいえ本命を1つに絞ることで対策がしやすくなったため、結果本人が決めた中学校に合格して良かったと思います。次回は中学受験シリーズ最終話です。コロナの影響で流動的ではありましたが、休校期間から実際に中学校に通い出した現在のお話になります。
2020年06月29日人が生きていくなかで、すべてのことは「感じる心」から始まると言えるでしょう。「好きだから夢中になる」「不思議だから調べる」「お友だちと一緒に遊ぶのが楽しい」「仲よくしたいから相手を思いやる」など――。そして成長するにつれて、それらの思いが、勉学や仕事、生き方につながっていき、その人の人生を彩っていきます。だからこそ、子どもの頃に「感じる心」をしっかり育むことはとても大事なのです。忙しい日常のなかでも、子どもたちの「心」をやわらかく丁寧にすくい取ってあげるために親ができることを考えてみましょう。「感じる心」は学びにつながっている武蔵野大学、創価大学で教授を務め、現在は上級教育カウンセラーとして活躍する角田冨美子氏によると、「幼児期は出会ったものすべてに心を動かされる時期」なのだそう。そして、感じる心や感じる力は「感性」であるとしています。一般に幼児期は,日々の生活の中で,直接的・具体的な体験を通して豊かな心情・意欲・態度を培い,成長・発達を促していく。その際,幼児は,新しいこと,珍しいこと,楽しいことなど,様々な場面で「もの」や「こと」に感じて心が動き,表現する。この「感じる力」(感性)は,自然・もの・人とのかかわりの中で培われ,人間の情緒・情操を養い,豊かな人生を築くための大きな力となる。(引用元:CiNii|幼児期の感性を育てる(1)幼児期の感動体験と教師の役割)では、そもそも「感じる心」や「感性」とは何を意味しているのでしょうか。広辞苑による「感性」の定義は次のとおりです。外界の刺激に応じて感覚・知覚を生ずる感覚器官の感受性。感覚によって呼び起こされ、それに支配される体験内容。従って、感覚に伴う感情や衝動・欲望も含む。理性・意志によって制御されるべき感覚的欲求。思惟(悟性的認識)の素材となる感覚的認識。 少し難しい言葉が並んでいますが、つまりは思考力や知識、行動の源となる欲求を生むための力、「生きる力」と言えるでしょう。また、未就学児は「考える」よりも「感じる」ことに長けているのだそうです(右脳優位)。しかし、小学校に入学して知識を得るにつれ、考えること優先(左脳優位)に変化していきます。成長にともなう変化はもちろん必要で、とても重要ですが、左脳優位になる前に、いかに子どもたちの「感じる心」を育んであげられるかということも大切なのです。角田氏は、「子どもが深く感じ、心を動かされるような経験が、好奇心や探究心となり、それがやがて思考力を育み、知識や技能獲得への意欲になる」と話しています。幼児期に「感じる心」を育てることが、その後の「学び」につながっていくのですね。「感じる心」が育っている子どもの特徴は?学びにつながるのであればなおのこと、「子どもには感性豊かな人に育ってほしい」――親であればそう願う人は少なくないはず。では、「感性豊かな人」とは、どんな人のことでしょうか。子どもは、急に突拍子もない行動をしたり、常識外れの発言をしたり、大人からみたらハラハラすることも多いですよね。でも、これこそまさに自由な感性の現れです。この感情表現は「感じる心」の素直な発信で、自分らしさ、個性に直結しています。「感じる心」をまっすぐに育み、豊かな人生を歩んでいるすばらしい方がいます。さかなクンです。幼少期のエピソードをご紹介しましょう。きっと参考になるはずです。エピソード1:1ヶ月間、毎食タコ!小学生のさかなクンは、タコに夢中になり、毎週日曜は水族館で1日中タコ鑑賞。それでも、お母さまは嫌がらずにとことん息子に付き合い、言った言葉が「お母さんもタコがどんどん好きになってきたよ」。さかなクンはそれがとても嬉しかったことを、いまでも覚えているそうです。また、息子が毎食タコをねだると、お母さまは1ヶ月間毎日調理法を変えて、タコを食卓に並べてくれたのですって。 エピソード2:みんな一緒じゃなくてもいいんです魚一筋で学校の勉強はあまりしなかったというさかなクン。家庭訪問で先生から注意を受けて、お母さまが返した言葉がすばらしいです。「あの子は魚が好きで、絵を描くことが大好きなんです。だからそれでいいんです」「成績が優秀な子がいればそうでない子もいて、だからいいんじゃないですか。みんながみんな一緒だったら先生、ロボットになっちゃいますよ」そうですよね、みんな違って当たり前。 エピソード3:自分の好きなように描けばいい絵の才能を伸ばすために専門の先生の指導を提案されると、「そうすると、絵の先生とおなじ絵になってしまいますでしょ。あの子には自分の好きなように描いてもらいたいんです。いまだって、誰にも習わずに自分であれだけのものを描いています。それでいいんです」。こんなふうに母親に信じてもらえるさかなクンは幸せですね! 幼少期からとにかく好きなことに邁進するさかなクンの日々を支え、見守り、応援し続けたお母さま。ポイントは「子どもの意思や行動を肯定する声かけ」と「子どもが好きなことに熱中するためのサポート」だそうです。なんと、食材の魚は、さかなクンが観察しやすいように丸ごと一匹購入していたのだとか。子どもの強くまっすぐな欲求をいっさい妨げないのは、とても勇気がいることだったでしょう。親が子を信じる力はすばらしいですね。いまは好きなことで成功をつかみ、メディアで活躍中のさかなクン。魚関連だけでなく、楽器演奏や料理など “好きなこと” にどんどん挑戦し、「好きを深める力」を発揮して、豊かな人生を送っています。さかなクンのお母さまのように、「好きなことをまっすぐ伸ばしてあげたい」と思っても、徹底するのはなかなか難しいものです。もしお母さまが、「もっと勉強しなさい!」「毎日タコなんて無理に決まっているでしょう」なんて言っていたとしたら……さかなクンの人生は違うものになっていたのではないでしょうか。「感じる心」を育てるために親ができること朝日新聞DIGITAL「花まる先生公開授業」に取り上げられたことのある、作文倶楽部トトロ講師・岩崎美紀先生は、子どもたちの創造性について、「ひとりひとりの創造性を育てる土壌ができているアメリカ」に対し、「日本ではゴツゴツした創造性を早くから丸く収めようとするために、その芽をつんでしまう傾向がある」と話しています。たしかに日本では、人と違うことをするよりも、まわりの人と足並みをそろえたほうがいいと考える人のほうが多いかもしれません。しかし、それでは子どもの可能性を狭めてしまいます。そこで、子どもの「感じる心」を育むマインドフルネスをご紹介しましょう。マインドフルネスとは、“いま” の自分の心をあるがままに受け入れること。ストレスフルな現代では子どもにもマインドフルネスが必要だと言われています。イエナプランで注目される教育先進国オランダでも、最近は学校や子育てに取り入れらているそう。また、グーグルやインテルなど一流企業も、創造力や柔軟性などの能力を向上させるトレーニングとしてマインドフルネスを取り入れていますよ。心を整えることで、感性が磨かれるのです。親子で簡単にできるマインドフルネス、ぜひやってみてください。【親子でマインドフルネス:私の心の天気】子どもに目を閉じたまま座ってもらいます。「いまの〇〇ちゃんの心のお天気は?」と子どもに尋ねてください。「晴れ!」だけでなく「雨……」という日もあるでしょう。これは、自分の “いま” の心に素直に向き合うトレーニングになります。“いま” に向き合うと、自分を客観的に見つめることができ、雑念が取り払われるため、感性が研ぎ澄まされるのです。【親子でマインドフルネス:悩み事の小さな箱】まず、悩み事の箱をつくります。絵を描いたり、好きな色紙を貼ったり、箱づくりをまず楽しんで。就寝前に、「今日嫌なことあった?」「心配なことはない?」など、子どもに聞いてみましょう。「この箱に入れちゃおう!」と、嫌なことや心配事を箱に入れるふりをしてください。嫌なことや心配事が入った箱を部屋のすみに置いて、遠くから眺めてもらいます。これで、“悩み事は心の外に出た” というイメージになり、すっきりと明日を迎えられます。マイナス要素を箱に閉じ込めることで心がリセットされ、また新しい何かを感じることができるでしょう。子どもの心がざわざわしていそうなとき、このふたつのマインドフルネスはとても効果的です。自分の心に向き合えるようになることで、「感じる心」を素直に受け入れらるようになり、やりたいことにまっすぐ向かえる力が育まれます。家で親子一緒に遊び感覚で楽しめるのもいいですね。***「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではないと固く信じています。子どもたちがであう事実のひとつひとつが、やがて知識や知恵を生み出す種子だとしたら、さまざまな情緒やゆたかな感受性は、この種子をはぐくむ肥沃な土壌です。幼い子ども時代は、この土壌をたがやすときです。(引用元:レイチェル・カーソン 著, 上遠恵子 訳(1996),『センス・オブ・ワンダー』, 新潮社.)アメリカの生物学者レイチェル・カーソンさんの言葉が心に響きます。彼女は子どもが生まれつきもつ新鮮な感性のことを「センス・オブ・ワンダー」と呼び、その感じる心を保ち続けるためには、「一緒に感動を分かち合う大人が少なくともひとりはそばにいる必要がある」と言っています。親が子どものためにできることは、「そばにいて感動を分かち合ってあげること」なのですね。(参考)CiNii|幼児期の感性を育てる(1)幼児期の感動体験と教師の役割伸芽’s クラブ|子どもの知的好奇心を育みたい!子どもを伸ばすためにできること伸芽’s クラブ|完成を磨くことで得られる豊かな人生|子どものために親ができる教育を考える朝日新聞DIGITAL|山梨・作文倶楽部トトロ・岩崎美紀さん全身を目や耳にして山梨版 習いたい.ネット|コラム「岩崎美紀先生の作文教室」|第1回「感じる心(感性)」七田式藤井寺教室|【考える心と感じる心】その2レイチェル・カーソン 著, 上遠恵子 訳(1996),『センス・オブ・ワンダー』, 新潮社.さかなクン(2016),『さかなクンの一魚一会〜まいにち夢中な人生!〜』, 講談社.エリーン・スネル(2015),『親と子どものためのマインドフルネス』, サンガ.
2020年06月26日小学校の時差登校が続くなかで、思うように自宅学習が進まないというお子さんも多いかもしれませんね。しかし子どもだけで自宅学習を進めるのは難しい面もあるため、具体的な手順や内容を親子で共有していくことで、お子さんを良い方向に後押しすることにもつながります。そこで今回は、小学生の自宅学習の効率的な進め方を解説しながら、行政や都道府県、教育機関が提供する学習サイトをご紹介します。■小学生の自宅学習を始める時にやること何事にも事前準備が重要なように、自宅学習においても実際に取り組む前に「何をするのか」「どのようにやるのか」を事前に計画しておくことがポイントとなります。お子さんが自宅学習を始める前に、あらかじめ確認しておきたいことや準備しておきたいことをまとめました。▼学校からのお知らせや手紙を確認通っている小学校から休校期間中にやる宿題や課題が出ているケースもあるため、まずは学校からのお知らせを確認するようにしてください。自宅学習を進めるにあたっても学校からの課題を優先して取り組み、抜けや漏れがないよう注意しましょう。▼文部科学省や自治体教育委員会のサイトをチェック自宅学習にあたっては、情報の取り方も重要です。まずは文部科学省や教育委員会などのサイトをチェックしてみましょう。・文部科学省の 「学び応援サイト」 文科省が臨時休校期間中の学習支援サイトとして開設したポータルサイトです。教科ごとの“学べるサイト”が数多く紹介されており、動画授業やテジタル教科書で理解を深めたり、ワークシートで問題を解いたり、オンラインで充実の内容が学べます。出版社や教育委員会などの質の高い学習コンテンツが紹介されているため、やりたいことを自分で選んで幅広く取り組めます。・東京都教育員会 「学びの支援サイト」 こちらも臨時休校期間中の子どもたちの学びを支援するサイトとして立ち上げられたものです。子ども自身で自宅学習を進めるための「時間割の作り方」や自主学習としても活用できる「東京ベーシック・ドリル」などが紹介されています。またサイト内にある「児童・生徒の学力向上を図るための調査」のリンク先には印刷して使える問題や解答などが学年ごとにあるため、自宅学習にも活用できるでしょう。・経済産業省の 「学びを止めない未来教室」 主に企業が休校期間中の子どもたちに向けて提供するテック系の学習サポートサービスを紹介しているサイトです。すべて期間限定の無料サービスですが、例えばオンラインで参考書・ドリル・辞典などが閲覧できたり、プログラミングが学習できたり、子どもたちの好奇心を刺激するような充実した内容が揃います。通常ではなかなか知ることができない貴重な情報が多数掲載されており、活用しないのはもったいないと思うほどサービスばかりです。▼やることをまとめてスケジュールを作る自宅学習を始める前にはスケジュール作りが重要です。「何を」「どのくらい」「いつ」やるのかをスケジューリングしましょう。学校からの課題は必須の内容として毎日のスケジュールに組み込みながら、オンラインで無料公開されているドリルなどを活用すると内容も充実します。ドリルは1日にやる量などあらかじめ決めて予定を組むと、子どもも迷わず取り組めますよ。さらに「見える化」することで予定を理解しやすいため、簡単な「宿題計画表」を作成するのもおすすめです。縦軸には「やること」、横軸には「日付」を記入し、何をどのくらいやるかを線でひっぱるなどわかりやすく明記しておくと「やるべきこと」が明確になりますよ。▼時間割を作るとスムーズ全体のスケジュールを組めたら、次は日ごとの時間割を作っておくと、子ども自身も自主的に動きやすくなります。ネット上でも自宅学習向けの時間割テンプレートなども無料で提供されているため、ダウンロードして使ってみるのもよいでしょう。さらに紙で貼り出す以外にも、磁石とホワイトボードを使って毎日の時間割を掲示するのもおすすめです。教科名を磁石に貼り付けて使えば、書き直しや作り直しもなく使い勝手もよいでしょう。■小学生向け自宅学習サイトまとめ自宅学習を行う際に、必要になるのがテキストなどの教材。教科ごとに色々と揃えているとそれなりにお金もかかってしまうのがネックですよね。そんな時に便利なのが、無料で利用できる学習サイトです。教育機関や教科書を制作している出版社が手がけている質の高いコンテンツをご紹介します。▼無料でプリントして学習できるサイト ・ちびむすドリル お母さんがお子さんのために作った学習プリントを紹介したのが始まりの「ちびむすドリル」。月間150万人が利用し、10年以上も続く老舗の人気学習サイトです。教材プリント総数は2万枚以上と数も充実しています。基礎から無理なく取り組める内容で、細かい分類で教材を見つけやすいのが特徴。例えば算数なら「単位」、「時刻・時間」、「図形」など項目ごとの分類で練習プリントを選べるようになっています。さらに「九九表」や「時計の読み方表」、「慣用句とことわざ」といった学習ポスターもさまざまな種類が用意されているため、印刷して部屋に貼っておくこともできますよ。 ・東京ベーシック・ドリル 小学校1年生から中学校1年生までの「国語」、「算数」、「数学」、小学校3、4年生の「社会」、「理科」、中学校1年生の「英語」の基礎的な学習内容を身に付けることができる学習ドリルです。東京都教育委員会のホームページ上で公開されており、各小学校でも活用を推奨されています。国語に関しては、漢字の読み書きに加え、形容詞の使い方やことわざ、敬語などの言語の問題が学年ごとに設定されています。算数については、「解説」、「問題」、「答え」と項目が分かれているため、問題を解く前に学習内容を理解し、問題を解くという流れを作ることができます。それぞれ学習項目が明確なため、目的を持って自宅学習をすすめられるという魅力があります。 ・ドリルの王様 イラストも可愛らしく、楽しむながら自宅学習を進められる「ドリルの王様」。1年生の国語ならカタカナの書き方のおさらいから始まり、漢字を組み合わせて単語を作ったり、漢字の音読み、訓読みの問題に答えたり、少しずつレベルを上げながら漢字を仕上げていきます。イラストも見やすい上、プリント1枚あたりの問題数も多くないため、学習量がコントロールしやすいというメリットがあります。▼通信教育の無料素材 ・Z会 臨時休校中の子どもたちに向けて、オンライン上で教材の一部が無料公開されているため、受講の有無を問わず誰でも登録不要で利用が可能です。小学1・2年生向けには、比較的ベーシックな国語と算数のサポートプリントが公開されているため、親も見守りながらその子のペースで問題が解けるようになっています。小学3〜6年生向けには、思考力を鍛えるための「算数・理科」の教材が提供されています。昆虫の見た目の特徴で名前をたどったり、図形の構造を理解したり、自分の頭で考えながら解いていくという少し応用的な内容です。 さらにプログラミング学習も体験でき、楽しみながらプログラミングの原理を学ぶことができますよ。 ・学研 家庭学習応援プロジェクトとして、幼児から小中高生向けの学習コンテンツが期間限定で公開されています。学年ごとの1日の過ごし方を表にした「【学年別】あなたの時間割表」は、そのまま自宅学習のスケジュールとして使うことができるでしょう。時間割表の科目名をクリックすると科目ごとの学習コンテンツにつながるため、自宅学習でも活用できるようになっています。そのほか学研の「やさしくまるごと」シリーズの授業動画が見られたり、電子書籍の無料配信サービスも受けられたり、充実の内容です。 ・進研ゼミ 非会員向けに登録不要でさまざまな学習コンテンツを無料公開中。進研ゼミの教材が無料でダウンロードできるため、自宅学習の教材としてかなり活用度が高いでしょう。なかでも学年別に国語と算数の問題をおさめた「3学期の総復習ドリル」は、進研ゼミ会員の学習履歴を元に苦手になりやすいポイントを厳選してドリルにまとめられたもの。新学期に向けての地盤固めや苦手克服としても活用できるでしょう。さらに全学年・全範囲に対応した「漢字・計算ドリル」も期間限定で無料公開されています。1年分というボリュームがある上、漢字ドリルは教科書・月別、計算ドリルは単元別にまとめられているため取り組みやすいため、宿題がなくて何をしようかと迷った時にでも印刷して気軽に学習を進められるのも魅力です。▼教科書の出版社サイト ・教育出版 「国語」、「書写」、「社会」、「算数」、「理科」、「生活」、「音楽」、「英語」と教科数が充実している教育出版の学習コンテンツ。ワークシートなど書き込み式の問題があるほか、授業動画や学びのヒントになる教材リンク集などもまとめられています。算数の項目では「花まるワーク」のワークシートや「3ステップドリル」といった教材が学年別単元ごとに公開されているため、苦手克服や復習用の教材としても活用できるでしょう。さらに理科の項目では、生き物や植物、人間の体の構造などを写真やイラストを交えて解説するページがあるため、オンラインで図鑑を眺めるような充実した学習時間を持てます。全体的に読み物も多く、子どもたちの興味関心を引きつける内容となっています。 ・光村図書 「国語」、「書写」、「生活」、「英語」、「道徳」の学習コンテンツを公開しており、国語に関しては、前年度3月期の振り返りができるのが特徴。4・5月の教材を先取りで学べる上、書き込み形式で問題が解けるワークシート以外に、音声や動画コンテンツも数多く用意されています。なかでも国語の朗読コンテンツは豪華な俳優陣が朗読を担当しており、大人でも聞き応えのある内容となっています。さらに5、6年生向けの英語の項目では、教科書本文の音声が聞ける上、ワークシートも用意されているため、英語が苦手な子でも新学期に向けてしっかり予習することができるでしょう。 ・大日本図書 「理科」、「生活」、「算数」、「保健」の学習コンテンツが楽しめる大日本図書の学習支援コンテンツ。自社コンテンツ以外にも、学びのヒントになる博物館などの外部リンクにて学びを深められる仕組みになっています。自社コンテンツではさまざまな工作動画を紹介するなど、遊びながら学べるコンテンツも充実しています。算数の項目では、オンライン学習ができるため、印刷の手間もなくゲーム感覚で楽しめるのも魅力の一つです。 ・日本文教館 「書写」、「社会」、「算数」、「生活」、「図画工作」、「道徳」のコンテンツが揃う日本文教館の学習支援コンテンツは、ワークシートやドリルも充実しているため、自宅学習の教材としても活用できるでしょう。なかでも算数の「小学算数デジタルコンテンツ」では、小学3〜6年生向けに「円の中心の見つけ方」や「平均の求め方」、「円の面積の求め方」などを自身でマウスを操作しながらテジタル教科書のようにしてわかりやすく学ぶことができます。算数が苦手な子でも抵抗なく楽しく学べる魅力がつまっているため、算数嫌いのお子さんをお持ちの保護者にはおすすめです。■小学生が自宅学習を進める時に気を付けたいポイント自宅学習を始める前の準備と具体的な素材が集まったところで、次は自宅学習を進めるにあたってのポイントを見ていきましょう。まずは何から始めればよいのか、どんな要素を取り入れたらよいのか、具体的なヒントをご紹介します。▼ポイント1:復習からはじめる復習はこれまで学んできたことの地盤固めをする作業でもあります。まずは基礎を安定させてから、次の学びに進むことをおすすめします。復習の良い点は、繰り返し問題に取り組むことで、できなかったことができるようになり「できた」「わかった」と子ども自身が実感できること。一つ一つ成功体験を重ねることで自信を身につけることができ、その後の学習意欲も高まり、苦手克服にもつながります。さらに問題を解く力を深めることができ、応用問題への対応力を身につけることにつながるでしょう。▼ポイント2:苦手なものにフォーカスやはり苦手克服は自宅学習において重要な課題と言えるでしょう。苦手なものは、「できない」ことでさらに苦手意識が強くなってしまうため、子ども自身が「これならできる」と実感することが大切なポイントになります。そのため苦手な科目にフォーカスして、繰り返し取り組むことをおすすめします。ただし、わからないまま問題を解き続けば、いつまでたっても理解できないまま苦手意識を膨らませてしまうだけなので、始めはできるだけわかりやすいベーシックな教材を利用して、からまった糸をほどくように本人のつまずいているポイントを解消するようにしましょう。▼ポイント3:得意科目は+αの取り組みもあり得意科目があることは、学ぶことの楽しさを知るきっかけにもなり、本人の力を引き出すことにもつながります。子ども自身も意欲が高まっているため、+αの取り組みを親が提案してみるのもおすすめです。例えば、漢字や英語が得意なら、資格や検定にチャレンジしてモチベーションを高める方法もよいでしょう。理科が好きなら、サイエンスイベントに参加したり、科学館などに親子で訪れてみたり、学校の勉強では知る機会のない知識を身につけることで、勉強もやる気アップにつながります。▼ポイント4:テレビやYou Tubeも上手に取り入れる机に座って鉛筆を握り、宿題や課題をこなすだけでは、勉強を退屈なものと感じてしまいがちですよね。そのため、ときにはテレビやYou Tubeを上手く活用して、自宅学習にメリハリをつけましょう。紙の上だけでは理解できなかったり、興味を持てなかったりするものでも、テレビや動画で噛み砕いて表現されたものなら理解しやすく、さらにお勉強という感覚とは違い、純粋な興味関心を持って学べるでしょう肩肘張らず学ぶ時間を持てるので、楽しみながら自分のなかで理解を深めることにもつながります。▼ポイント5:体を動かす時間も大切机に向かってばかりでは、子どもたちもストレスがたまり、勉強もなかなかはかどりません。そのため、1日の学習スケジュールの中に体を動かす時間を設けておくことで、気分転換にもなり、その後も集中力を落とさず自宅学習を続けられます。一般的に運動は脳の活性化にもつながるとも言われているため、勉強の合間に体を動かす時間を設け、より質の高い学習時間につなげましょう。▼新一年生は……新1年生の場合、まだひらがなを読めない子もいるため、どのように自宅学習を進めていけばよいのか、お悩みの保護者も多いのではないでしょうか?そんな時は、ひらがなや数字の書き方を教えたり、教科書が手元にあれば一緒に読んでみたり、簡単なことから親子で取り組んでいくことをおすすめします。今回ご紹介した自宅学習サイトでも、ひらがな、カタカナの練習プリントや数字の数え方から学べる算数のプリントなども用意されています。「ちびむすドリル」の幼児向けの項目には「入学準備セット」と称して、読み・書きや時計の見方などおすすめのプリントがまとめられているので、新一年生にはぴったりの内容です。
2020年06月25日幼稚園や小学校生活が始まると、時計を意識する場面が格段に増えますよね。朝の支度や宿題をする時以外にも、ゲームや動画を見るときなど時間制限をつけたいときも「〇時まで」「あと〇分」と言った声かけが多くなります。しかし、時計の読み方は子どもにとって難しいことのひとつ。今回は、5歳の息子が1日で時計の読み方をマスターした教え方についてお伝えしたいと思います。子どもが時計を読めるとこんなメリットが5あい息子が年長になる前の春休み。丸1日かけて時計の読み方をマスターしました。時計が読めることで、わが家ではたくさんメリットがありました。・1日のスケジュールが立てやすい・ルーティンがスムーズに進む・母親のイライラが少し減った・結果として自立に繋がった長男は少しのんびり屋さん。何かをしている途中、ほかのことに気持ちが向いてしまうことがよくあります。そのため、登園前の朝は「早くしなさい!」「いつまでそのカッコなの」など、怒られてから出発することもしばしば。しかし、時計の読み方を覚えてからは、動きが変わりました。お支度ボードに時刻を書き込めば、時計を見ながら朝のルーティンをこなせるように。自宅で過ごす日は、朝一緒に自宅学習や習い事のスケジュールを組むことで、「やるべきこと」に対して意欲的になったと思います。「早く〇〇してね」と伝えるよりも、「〇分までに食べてね」「〇時からスイミングだよ」など具体的な時刻を示すことで、子ども自身も自覚が出て行動できるのかなと感じます。その積み重ねが「自分で考えて行動する」という自立にも繋がっていくのかなと思います。STEP1:短い針と長い針それでは、ここから私が実際に教えた方法を紹介します。まず時計の基本「短い針」「長い針」について。実際に時計を用意して説明しましょう。知育時計のような60分刻みのものがおすすめです。わが家では「セイコー」の知育時計を使用しました。さらに、手で針を動かせる時計のおもちゃを併用すると感覚で理解しやすくなります。【説明の順番】1.短い針は「〇時」を表す。長い針は「〇分」を表す→ 時計を見ると何がわかるのかを教えます。月齢の低いお子さんには、短い針に「時(じ)っくん」長い針に「分(ふん)ちゃん」など名前をつけて見ると食いつきがよくなるかも。2.短い針が進むのは「1〜12」まで。長い針が進むのは「0〜60」まで→ 短い針と長い針が何かわかったら、使う数字を教えます。実際に時計盤を見ながら一緒に数えるとわかりやすいです。「短い針が2のところにあると何時かな?」など具体的に質問しながら、やってみましょう。3.短い針の動き方→ 時刻がひとつ進むと、次の数字に向かって針がひとつ動くことを教えます。針が数字を越えるまでは「〇時」は変わらないことも伝えましょう(図参照)。例えば、”1時55分”の時の短い針は限りなく”2”に近づいています。そのため、「2時55分」と読んでしまうことも。こんな時、「針が”2”を越えるまでは”1時”だよ」と教えてあげてください。4.長い針の動き方→ 短い針が次の数字に進む間に、長い針は時計を一周することを教えます短い針と長い針の進み方の違いをしっかりと理解してもらうことが大切です。それぞれ、時計おもちゃを使って自分の手で針を進ませると実感できると思います。STEP2:0から60の数が言えるかな時計の仕組みがわかったら、“分”を理解するために大切な数字を覚えましょう。ほとんどの時計は1〜12の数字が書いてありますが、細かい“分”は省略されていることが多く、パッと見てわかりづらいです。まず、1時間は60分であることを説明して、短い針がひとつ進む間に長い針は0から60まで進むことを教えます。そこから0〜60までの数を言う練習を一緒にしてみましょう。もし100までの数をスラスラと言える場合は省略してもOKです。STEP3:「ちょうど」「はん」を覚えよう時刻を覚える上で大切なのが、「〇時ちょうど」と「〇時半」です。細かく何分か読む前に、まずこの2つを教えておくとよいでしょう。【説明の順番】1.長い針が12のところにきたら、「〇時ちょうど」であることを伝えますおもちゃの時計を使ったり、紙に書いたりして「12時ちょうど」から「11時ちょうど」まで12時間分をビジュアルで教えるのがおすすめ。2.長い針が6のところ、短い針が数字と数字の間にきている時は「〇時半」であることを伝えますこちらも同じように実際に見て覚える練習をしましょう。STEP4:5の倍数を覚えよう次に5分刻みについてです。時計を指差しながら進めましょう。長い針が1のところにきたら「5分」、2のところにきたら「10分」と説明しながら、「この間に1分が4つ隠れているんだよ」と5分刻みの理由を教えます。5分刻みがパッとわかるように、5の倍数を60まで言えるようにするとスムーズです。「5、10、15、20、25、30…」と呪文のように何回も言ってみましょう。わが家ではお風呂の時に一緒に練習しました。5の倍数を覚えておくと、ほかの計算でも使えるので損はないですよ。STEP5:体で時間の感覚を掴もうここまで時計を見て時刻を知る練習でしたが、最後に時間を体感してみましょう。「5分」「15分」「30分」「1時間」など時間を決めてタイマーをかけます。「今から5分で何ができるかな?」などミッションを与えて時間を体で感じてもらいます。時間の感覚がつかめるようになると、「あと〇分だよ」と声をかけた時にも想像しやすくなります。また、「この絵本を読み終わるまでどれくらい時間がかかるかな?」など、行動にどれくらいの時間が必要なのか知るのもよいでしょう。息子は時計を勉強してから、「あと10分で食べ終わってね」と言うと、時計の針ばかり気になり手が止まってしまうことがありました。体で10分の感覚を覚えておけば焦らずすむかもと思い、この練習を取り入れました。わが家では、ここまでを丸1日かけて学習しました。その後も事あるごとに「今何時?」と問いかけ、時刻を読むトレーニングを続けました。応用編1:〇時間前、〇時間後キリの良い時刻(ちょうど、半、5分刻み)が読めるようになってきたら、応用編!今度は「〇時間前、後」など時間の進みや逆算についてのお勉強です。この内容は小学校2年生以降に習うレベルです。特に小さいお子さんにとっては難しいのでゆっくり教えてあげるとよいと思います。わが家では、短い針から始めました。まず、短い針が1つ進むことを「1時間後」と呼ぶことを教えます。普段の会話でも出てくる言葉なのでなんとなくわかっているようでした。その後はクイズ形式で進めます。「今、3時ちょうどのおやつの時間。夜ご飯は6時に食べようと思うけど、今から何時間後かな?」というように、身近な話題から出題します。最初は時計を手に取り、「1、2、3」と指を使って数えてみましょう。だんだん慣れてくると目で文字盤を追って計算できるようになりますよ。次に、時間の逆算です。時計が逆戻りすることはないので、感覚が掴みにくいです。これも文字盤を指で数えながら学ぶことが一番。「朝ごはんを食べたのは何時間前か一緒に数えよう」など声かけしながら進めました。応用編2:〇分前、〇分後朝の支度など普段から多用するのが”分”ですよね。その進み、逆算についても覚えておきたいところです。長い針が1つ進むことを「5分後」と呼ぶことを教え、5分刻みで文字盤を指差しながら「5分後、10分後、15分後…」など確認していきます。「〇分前」についても同じです。身近な話題から理解に繋げていきました。わが家では、「今日はスイミングだから、3時30分に出発するよ。10分前には支度をしてほしいんだけど、何時何分にしたらよいかな?」というような質問をしました。教える時は、「10分前は長い針が2つ戻るよ。2つ戻ったら何時何分だと思う?」と順序立てて説明します。息子は最初、「10分前だから長い針が10個戻る」など珍解答をしていましたが、その都度「5飛ばしルール」を教えることで段々と理解できるようになりました。「5分と5分後」では意味が異なります。“時刻”と“時間”の違いに混乱しやすいので具体的に説明してあげる必要があります。時刻は「今何時か」、時間は「どれくらいかかるか」です。ここをしっかり身につけておくことが大切だと実感しました。時計学習に便利なドリル・絵本最後に、時計学習をする上で使えたドリルや絵本について紹介します。■「めくって学べるとけい図鑑」池田敏和(監修)学研出版こちらは、仕掛け絵本のような時計の図鑑です。時計をマスターするために必要な情報が網羅されていて、巻末には針が動かせる60分刻みの時計付きです。カラフルなイラスト、125個のめくる仕掛けで遊びながら学べます。先ほどご紹介したSTEP1〜4の内容と応用編の内容に加え、デジタル時計の読み方や「午前・午後」の項目もあります。口頭で説明するのに手こずったら、このような絵本を使ってみるのもひとつです。多くの視覚情報を入れることで理解が深まると思います。■「とけいとじかんのれんしゅうちょう」親野智可等(監修)/入澤宣幸(原案) 学研出版本屋さんでのドリル探しが趣味なドリルオタクな私。息子に“時間”(◯分前、後など)を理解する練習をさせたく手に取ったのがこのドリルです。時計に関するドリルは多く出ていますが、私が見た中ではこちらが一番問題の幅が広く感じました。時刻を答える問題から始まり、ハイレベルな問題も出題されています。迷路やシールを使った問題、推理ゲームのような問題があるので息子はゲーム感覚で進めていました。この1冊を終えられれば時計について苦手意識がなくなると思いますよ。■今回紹介した書籍はこちら<文・写真:ライター秋音ゆう>
2020年06月25日専門家からオンラインで学べる・相談できる!発達ナビPLUS「発達ナビPLUS」は、発達が気になるお子さまの保護者さま向けオンラインサービスです。すべてオンラインでのご提供なので、お住まいの地域にかかわらず利用ができます。4つのサービスラインナップがあります。1、質問もできる!オンライン勉強会(毎週開催)2、専門家にメールで個別ケース相談3、ペアトレの考え方を取り入れた子育てヒント動画(6/24リリース)4、専門家監修!支援のプロも活用する特別支援教材くわしくはサービス紹介ページをご覧ください。すでに約500家庭が入会し、大変ご好評いただいている一方、「どんなサービスかいまいち分からない」「まず無料で体験してみたい」という声も多くいただきました。そんな皆さまの声にお応えして、この度、無料オンライン体験会を開催します。無料オンライン体験会の内容は?Upload By 発達ナビ編集部ビデオ電話形式で、実際のサイト画面をお見せしながら各サービスについての詳細をお伝えする「無料オンライン体験会」。※スタッフの画面を共有する形でのご紹介となるため、画面操作はスタッフが行います。オンライン勉強会の一部、個別ケース相談の回答イメージ、教材サイトなどを実際に閲覧いただきます。 その場で、スタッフに対する質問(チャットでも、口頭でも)も受け付けます!無料オンライン体験会に参加した方限定のお得な特典もご用意しているので、ぜひこの機会にご参加ください。体験会概要/お申し込み6/23(火) 19:30-19:506/25(木) 11:30-11:506/27(土) 11:30-11:506/29(月) 19:30-19:507/1(水) 11:30-11:507/5(日) 11:30-11:50※参加する日程を1つお選びください※7/6(月)以降の開催日程も随時更新します1:サービス概要のご紹介2:各サービスの詳細※実際のサービス画面をお見せします3:入会方法/特典のご案内4:質疑応答Q.自分の顔は映る?参加される皆様の映像や音声はオフになっており、スタッフのみ映し出されます。Q.質問はどうやってするの?質疑応答の時間に、以下どちらかの方法で質問を受け付けております。・ご自身で音声をオンに切り替えて口頭で質問する・チャット機能を使って質問を記入する
2020年06月21日めまぐるしいけど愛おしい、空回り母ちゃんの日々
チッチママ&塩対応旦那さんの胸キュン子育て
やっぱり家が好き〜おっとぅんとみったんと私〜