小学校にまだ入学していない幼い子どもがいる親であれば、いわゆる就学前学習などの「先取り学習」に強い興味があるはずです。その効果はどれほどのものなのか、そもそも必要なのか――。お話を聞いたのは、東京の公立小学校教諭・杉渕鐵良(すぎぶち・てつよし)先生。子どものやる気を引き出す独自の授業で注目され、「教育の鉄人」とも呼ばれるカリスマ教師です。実際の教育現場から見た先取り学習の価値とはどんなものでしょうか。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)学習内容のつながりを意識した「先取り授業」ひとことで「先取り学習」といっても、さまざまな種類があります。わたしの授業スタイルも先取り学習といえるものです。たとえば、本来のカリキュラムでは順に教える足し算と引き算もわたしは同時に教えます。また、掛け算と割り算も同様です。なぜかというと、足し算だけを先にやってしまうと、「足し算脳」とでも呼ぶべき頭の使い方が子どものなかでできあがってしまうから。そうなると、引き算を学ぼうとするときにその足し算脳が邪魔をして、なかなか引き算ができるようにならないということが起こるのです。掛け算と割り算の場合も同じです。先に掛け算だけを教えてしまうと、九九はしっかりできるのに、なぜか割り算は苦手だという子どもが続出してしまう。それは、本来であればひとつながりのものなのに分断して学ばせているからです。ピアノでいえば、課題曲全体を聴かせてもいないのに、頭から順に教えようとしているようなもの。どんな曲なのか全体像が見えていなければ、学習効果が高まるはずもありませんし、子どもは自分がなにをしているのかが見えずに不安になってしまいます。楽しければ、勉強も大好きな絵本と同じ感覚になるとはいえ、そういう授業スタイルを取っている教員はそうはいないでしょうから、ここでは一般の家庭でもできる先取り学習について、わたしの考えをお伝えします。先取り学習と聞いたときにまずイメージするのが、学校での学習内容を前もってやるというものでしょうね。小学校に入る前の就学前学習はその典型です。それらの先取り学習については、子どもにどんどんやらせてほしいと思います。というのも、「学校での勉強が復習になる」からです。そういった先取り学習については、「子どもが学校の勉強に興味関心を示さなくなるから駄目だ」という意見もあります。でも、映画にだって予告編があるじゃないですか?予告編を観て、その作品を観たくなったという経験はほとんどの人にあるでしょう。それに、好きな映画を3回も4回も観る人もいます。その場合、1回観ただけでは気づかなかったことに気づくということもある。つまりそれは、復習の効果に他なりません。「先取り学習が子どもの興味関心を奪う」なんてことは大人の発想で、子どもにとってはちがうのです。それこそ、大好きな絵本だったら、親が「また?」とうんざりするほど、何回も何回も「読んで」と子どもがせがむこともありますよね。勉強だって、楽しくできるように大人がちゃんと導いてあげれば、子どもにとっては映画や絵本と変わらないのです。とはいえ、先取り学習をさせるにも注意が必要です。やっぱり楽しくなければ子どもは興味を示しません。学校の教科書の内容を勉強するような先取り学習を無理に押しつけてしまうと、小学校に入る前に「勉強は楽しくない、面白くない……」と子どもに思わせて、まったくの逆効果となってしまいかねません。子どもの「学びの感覚」をつくる親子の対話また、とくに幼い子どもの家庭における先取り学習となると、学校の学習内容を先取りするタイプの学習の他にも大切なものがあります。それは、学びのための「感覚」を身につけるということ。たとえば、親子で一緒に出掛けたときには、「夕焼けって綺麗だね」とか「あれは三日月っていうんだよ」というふうに、目に入ったものを子どもに優しく教えてあげてください。家にいるときも、たとえばご飯を食べるときには「ハンバーグ、美味しいね」などと話しかける。内容はなんでもよくて、とにかく話しかけることが大切。そういった親との対話を通じて、子どもは学びのためのさまざまな「感覚」を身につけていきます。また、「感覚」という点では、体の「感覚」を使って学ぶことも大切です。ひらがなやカタカナを書いて覚えるにも、幼い子どもは鉛筆をまだうまく使えません。ですから、鉛筆ではなく大きな紙にクレヨンで書かせるとか、砂場で手を使って書かせる、あるいは尻文字で書かせることをおすすめします。そうすれば、体の感覚を通じて文字を覚えていくのです。それから、日常生活のなかでは、算数の勉強の橋渡しになるような数字に親しませるということもできます。スーパーに子どもと一緒に買物に行ったとします。親は「リンゴが5個ほしいのよね」といいながら、買い物かごに3個のセットをふたつ入れようとする。子どもが「お母さん、それじゃ6個だよ」なんていってくれたらしめたもの。「じゃ、どうすればいい?」と聞く。子どもは自分なりに考えて、3個のセットをひとつとバラ売りのものを2個持ってきてくれるかもしれません。そういうふうに、日常生活のなかにも学校の勉強につながるような要素はいくらでも転がっているものです。親御さんがそういう意識を持って、日常的な就学前学習を子どもにやらせてあげるように心がけてほしいですね。『たし算ひき算 10マス計算ドリル 左利き用』杉渕鐵良 著/学研プラス(2019)■ 東京都公立小学校教諭・杉渕鐵良先生 インタビュー一覧第1回:先取り学習はこうやれば効果的。「就学前学習ってどうなの?」に“教育の鉄人”が回答!第2回:「ちゃんと宿題やりなさい!」に効果がない理由。子どもに“響く”声かけの方法とは?(※近日公開)第3回:子どもを「読書好き」にするきっかけの作り方。国語力アップの決め手は家庭にある!(※近日公開)第4回:算数の力は“楽しく”伸ばす!地味で単純な「四則計算」を笑うほど面白いものにする工夫(※近日公開)【プロフィール】杉渕鐵良(すぎぶち・てつよし)1959年生まれ、東京都出身。東京都公立小学校教諭。小学校教諭となって7年目に子どもたちのやる気を引き出す独自の授業「ユニット授業」を開発。その成果により、「教育の鉄人」と呼ばれ、2011年には「ユニット授業研究会」を設立。若手教員の指導にあたる他、講演のために全国各地を飛び回っている。『小学校教師だからわかる 子どもの学力が驚くほど上がる 本物の家庭学習』(すばる舎)、『全員参加の全力教室2 燃える! 伸びる! 変わる! ユニット授業』(日本標準)、『1日1枚5分でできる 漢字パズル』(すばる舎)、『自分からどんどん勉強する子になる方法』(すばる舎)、『子どもが授業に集中する魔法のワザ!』(学陽書房)など著書多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年05月24日4年生にもなると学習内容はぐんと難しくなり、保護者の方も教えるのに四苦八苦するような問題がたくさん出てくるようになります。3年生まではなんとかついていけていたお子さんも、隠れた苦手ポイントが表面化する時期でもあるので、学習に取り組む姿勢から見直さなければならないことも。今回は、3年生から4年生に進級したお子さんが学習面で陥りがちがな苦手ポイントや、家庭でできるフォローの方法などを詳しく見ていきましょう。4年生、学習面での不安はどんなこと?進研ゼミの保護者を対象にベネッセがアンケートを実施したところ、3年生から4年生に上がる際に学習面で準備しておいた方がいいことや、親が注意深く見ておくべきことについて、次のような回答が得られました。□学年が上がるにつれて家庭学習の時間の確保が難しくなる。生活習慣を整えて、勉強時間をきちんと決めておくことが大切。□低学年で学んだ基本ができていないと、どんどん難しくなる勉強に対応できなくなる。わからない問題をそのままにせずに、しっかりと復習して理解するように心がけさせる。これまでのように、わからない問題にじっくり取り組む余裕がなくなってくるのが4年生からです。4年生に進級するまでの積み重ねが表面化される時期でもあるので、各教科の基礎的な部分がきちんと理解できているか改めて確認する必要があるようですね。その際には、テストの点数だけで判断するのではなく、ノートに書かれている内容も確認してみましょう。本人も気づかないような苦手ポイントが見つかるかもしれません。4年生の国語。学習のポイントは?4年生で習う漢字は3年生と同じく200字です。「養」「熱」「議」など、難しい文章の中で出てくるような複雑な漢字も出てきます。また低学年のときと比べて、格段に長く難しい文章を扱うようになり、登場人物の気持ちの深い部分まで読み取る問題も増えてきます。音読の宿題はなくなっていても、読解力を深めるためにも声に出して文章を読む習慣は続けましょう。さらに、作文や読書感想文では書く内容の中心を明確にし、内容のまとまりで段落をつくったり段落相互の関係に注意したりして、文章の構成を考える能力が求められます。最終的には自分の考えとそれを支える理由や事例との関係を明確にして、書き表し方を工夫する必要も出てくるため、普段から文章の構成を意識しながら本を読むようにするといいでしょう。また、ことわざや慣用句、故事成語などの意味を知り、使えるようになることも求められます。子どもから意味を聞かれてもすぐには答えずに、漢字の意味から読み解かせたり、辞書を引かせたりしましょう。自分で考えて調べることで、より記憶に残ります。4年生の算数。学習のポイントは?教育評論家の親野智可等先生は、4年生の算数について「基本的な四則計算が身についていないと授業でつまずくケースが多い」と指摘します。そして一度苦手意識を抱いてしまうと、それ以降積極的に授業に関わりにくくなるため、これまで以上に注意深く見てあげる必要があるとのこと。とくに気をつけてあげるポイントは次の2点です。■四則計算、基礎はできている?たとえば「612÷27」の場合、612は約600で27は約30だから、答えはだいたい20いくつになるな、と実際に計算をする前に答えの見当をつけることを「四則計算の結果の見積もり」といいます。これができるかできないかで、今後の算数の授業への理解度は大きく変わってきます。■図形の構造、理解できている?立方体、直方体の見取り図と展開図はかなりの苦戦が予想されます。平面図形に比べて、立体図形はスムーズに理解することが困難なので、親御さんの協力が必要になるでしょう。たとえばいらなくなった空箱を分解したり、展開図を作成して組み立てたりと、工夫次第で家庭でも図形を構成する要素について学ぶことができるはずです。4年生の理科。学習のポイントは?4年生の理科では「空気と水の性質」「金属、水、空気と温度」「人の体のつくり」などについて学習します。その中でもつまずきやすいのは次の単元です。■水の三態変化は台所で学べ!水が温度によって固体、液体、気体と変化することを意味する「水の三態変化」。これは中学で習う物質の状態変化につながる重要な内容ですので、習い始めのこの段階でしっかりと理解を深める必要があります。そこで役に立つのは「料理を手伝うこと」だと親野先生は説きます。なぜなら氷を作ったりお湯を沸かしたりする台所は、「水の三態変化」を実体験するのにうってつけの場所だからです。料理をするときは必ず火を使ったり、水を容器に移したりしますよね。その一連の作業は理科の実験と非常に似ているため、家で料理のお手伝いをしている子どもは、学校での理科実験にも積極的になる傾向があります。理科的思考を身につけるためにも、お手伝いは有効だというわけです。■数字と天気と肌感覚を結びつけるまた、「天気による1日の気温の変化」も苦手とする子どもが多いとのこと。天気を観察して気温を測り、その変化をグラフにして天気と気温の関係を理解することが求められるこの単元は、算数的要素も含まれます。算数でも出てくるグラフに対する苦手意識がつまずきの元になっているのでしょう。「自然現象を数値化する」という考え方は理科の基本的なスタンスであり、今後学年が上がるにつれてもっと複雑になる内容でもあります。朝は1日の天気予報を確認して、「気温が○度なら昨日よりも少し寒いね」「湿度○%なら雨が降るかもしれないね」と、数字を絡めて会話をするように心がけましょう。4年生の社会。学習のポイントは?4年生の社会は、3年生より広い範囲の地域や環境に目を向けた学習をします。その目的は、社会的事象への理解を通して地域社会に対する誇りと愛情、地域社会の一員としての自覚を養うこと。つまり、4年生からは広い視野で物事を見て、自分なりの理解を深めることが重要視されるのです。身近なところでは、飲料水や電気・ガスを供給する事業が、安全で安定的に供給できるように進められていることや、地域の人々の健康な生活の維持と向上に役立っているということも学びます。毎日当たり前のように使っている水や電気も、それを安全に行き渡らせてくれる人や仕組みがあってこそ。家庭における親からの教えも社会科の勉強として充分に役立ちますね。身近な生活の中で生じた疑問は、そのまま社会科の調べ学習につなげることができます。ガス会社や電力会社のホームページにも、子ども向けにわかりやすく説明しているページがあるので、親子で一緒に調べてみましょう。□東京ガスホームページ|キッズ東京ガス□東北電力ホームページ|でんきアドベンチャー***まだまだ小さな子どものように見えて、4年生ともなれば学習内容もかなり難しくなります。そんなとき「うちの子、ちゃんと勉強についていけるかしら……」と不安になるのではなく、子ども自身の“学ぶ力”を信じて見守ってあげることも大切です。また、家庭の中でも学びにつながる機会はたくさんあります。子どもの勉強の「苦手」をちょっとでも「好き」にさせるヒントは、家の中にもあるのです。(参考)Benesse 進研ゼミ保護者通信|新学期準備「コレ重要!」先輩保護者ランキング~高学年(小4ー6)編~文部科学省|小学校学習指導要領(平成29年告示)親力講座|小学4年生の勉強のポイントは?子どもはどこでつまずく?その対策とは?東京ガスホームページ|キッズ東京ガス東北電力ホームページ|でんきアドベンチャー
2019年05月23日「好き」で自信を創り、「好き」で社会とつながるこんにちは。「『好き』で自信を創り、『好き』で社会とつながる」をビジョンに、発達障がい児向けのメンターマッチングサービスと教室運営をしているBranchの中里祐次です。Branchは、「発達障がい児の好きなことを見つけたり、好きなことができる環境創りのサポートをするサービス」です。こんなことをやっています↓↓Upload By 中里祐次Upload By 中里祐次 | 発達障がい児の孤独をなくし、可能性を伸ばす習い事って、「役に立つからやる」ことなんだっけ?出典 : この仕事を始めてから、「お子さんが自分の好きなことをできる時間って、今はどれくらいあるのかな?」と、よく考えます。自分の子どもの頃を考えると、おそらく100%に近いくらい、好きなことばっかりやっていたように思うんですよね(勉強していた記憶のない子どもだからかもしれませんが…)。友だちと公園で遊んで、その公園での遊び方を自分で考えたり、当時自分が好きだったドッジボールをみんなでやりたくて勝手にドッジボール部を創ったり…とにかく好きなことばっかりやっていた、のんびりした子ども時代だったなぁ、と。ただ、今のお子さんを見ていると、時代は変わってきているのかな、と感じます。というのは、学校の勉強や習い事に関して、お子さんが好きでやりたいことをベースにやる/やらないの判断をしているわけじゃない場合が多くなってきているように見えるからです。「これを覚えること、習うことがすべての子どもに役立つ」といった、まるで「正解」が決まっているかのような言説をよく見るようになりました。もし本当に、そういったすべての人に正解と言える方法があれば楽だと思う人もたくさんいるでしょう。Branchに相談に来る保護者さんの中にも、「次は子どもに何を習わせれば将来うまく行きますか?」というような質問をされる方がいらっしゃいます。なんとなくそれを聞いていると、スマートフォンのアプリをインストールするように「その習い事に通わせれば、自動でわが子に必要な能力がインストールされる」ような感覚でいらっしゃる方も多いのかなぁ、と感じます。でも、肝心のお子さんの感情はどこ行っちゃったんだろう…。ためしに、自分のお子さんに学校の勉強や習い事について「これは好きかどうか?」を一つずつ聞いてみてください。全部好きっていうなら、とてもその子はラッキー。残念ながら実際は、そうじゃない場合がとても多いと思います。習いごとに行ったあとに僕がお子さんに会うと「実はさっきの習い事、好きじゃないんだよなぁ」なんて言うお子さんも多いです。僕らは、なんでも言ってくれるような関係性が創れて良かったなと思うとともに、悲しい気持ちになります。好きで好きでたまらないことを、大人が全力で応援する出典 : 僕たちBranchは、我慢して我慢して勉強したり習いごとをした先にあるものよりも、「好きで好きでたまらないので誰にも止められない!」ということを大事にすることが、今の時代の学びにとても大切だと思っています。たとえばうちの子は、大好きなレゴをやってる時は大きい声で声をかけても肩を叩いても気づかないような子でした。今はマインクラフトをやったり、YouTubeでマインクラフトの動画を見たりしている時がその時間です。好きなことをやってる時は自発的にものすごい集中力でやっていますが、嫌いなことは絶対やりたくない。思えば自分もほぼ同じタイプの子どもでした。ある時、東京大学の文化祭で東大レゴ部の方が出展されているのを見つけて子どもと出かけました。レゴ好きなので、何か良い影響があるかなー、と期待をしながら。実際うちの子は、目をキラキラさせて東大レゴ部の方にレゴについてたずねたり、帰ってきてからも学校の作文にそのことについて書いたり、大きくなったら東大レゴ部に入りたいから東大に行きたいといったりと、中々良い影響があったようです(東大に行けるかどうかとかは置いておいて…。というか、本人はそれを言ったことをたぶん忘れています笑)。実はその時の経験から生まれたのがBranchなんです。つまり、お子さんの好きなこと(例えばレゴ)を得意な大人(ここで言えば東大レゴ部の方)とマッチングする、というサービスです。その後、サービスが続くうちに代官山に教室を構えたり、お子さんの好きなことを保護者の方と一緒にどう伸ばしていくかを考える計画書を提出するようになったりと、色々と進化を続けて今に至ります。「好きなことで社会とつながる」その最初のきっかけを例えばどんなお子さんがいらっしゃるかというと、こんなお子さんです。Upload By 中里祐次Upload By 中里祐次発達障がいのあるお子さんがメインですが、発達障がいはないけれど不登校状態だというお子さんも多いです。また、たまに「天才を育てるサービス」と勘違いされますが、それは違います。すべてのお子さまが「好きなことができて、それによって自信がつくことと、好きなことで社会とつながるきっかけを創る」ことがBranchが行っていることです。またもう一つ「お子さんの才能を新しく生み出す」ことを期待されることもありますが、基本的に「お子さんが好きなこと」をベースに考えていくので、それがお子さんの好きなことであれば一緒に考えていきますが、お子さんが嫌いなこと、興味のないことであれば僕たちがやることの範疇ではないかな、と思っています。安心して好きなことができる環境を創るのがBranchの役割まだサービスがスタートして3年弱なのですが、最近、Branchのチームで大事にしたいと考えているのはこんなことです。Upload By 中里祐次上述したように、Branchには社会の中で傷ついたお子さんがとても多くいらっしゃいます。好きなことにはすごい集中力を見せるのですが「学校に行けなくなってから、その好きなこともあまりやらなくなっちゃったんです」というようなお悩みも。Branchの場合は上記の図にあるようにまず最初に「安心して好きなことができる環境設計」を大事にしています。人と会うことや、外へ出ることも難しいお子さんもいますので、先に「どんな人」がいるか「どんな場所なのか」を伝えたり、場合によってはこちらから訪問したりもします。他にも、教室事業である「Branch room」のスタッフが共有する「グランドルール」として、こんなことを大事にしています。----------------------------ここはお子さまの「好き」を見つけること、「好き」を育むことを目的としています。・一緒に考える=つまり「教えない」ことです・見守る=つまり「指示しない」ことです・整える=居心地良く、少しの新しい発見がある空間を創ることです上記のようなことを私たちは主に行います。----------------------------まだまだ至らない点もありますが、安心できる場所があると、お子さんにちょっとずつ自信や自己肯定感が生まれるのかな、と思いながら日々活動しています。そして、だんだんと自己肯定ができるようになってくると、自主的に「これやってみよう!」と、自分のやりたいことをやるスイッチを押せるようになると思っています。大人になった時にこの「自主的に自分のやりたいことのスイッチを押せること」がとてもとても大事だと思っていますので、まずはそのための環境創りに取り組んでいるのが、いまのBranchです。もちろん、すでに自己肯定もできていてやりたいこともあるお子さんの場合、それをどう伸ばしていくかの環境創りのサポートが大事になるので、そのあたりも語りたいのですが…長くなってきましたので、今日はこの辺で。ご興味を持ってくださった方は、ぜひBranchに遊びに来ていただければ幸いです。オンラインのメンターマッチングサービス「Branch」は全国どこからでもご利用可能です。東京におられる方は教室事業の「Branch room」も覗いてみてください。それでは。 | 発達障がい児の孤独をなくし、可能性を伸ばす東京・代官山Branch room
2019年05月23日塾選びというのは、親にとってなかなかの悩みどころだと思います。そもそも選ぶ上での基準がわかりにくいですし、入塾前には説明をしない部分、つまりクローズドな部分もけっこう多いです。もちろん実際に質問をすれば答えてくれると思いますが、いざ質問をしようと思っても、着眼点がわからないんですよね。そこで、「塾選びをする上で重要視したいこと」を元塾講師目線でお伝えしていこうと思います。■ 1.月謝に惑わされちゃダメOrangeMoon / PIXTA(ピクスタ)月謝が高いから良い塾、月謝が安いから質の落ちる塾というわけではありません。その塾ごとに持ち味と言いますか、カラーや特色があります。たとえば長期休暇中にも普通授業がある塾もありますし、全くなくなる塾もあります。補習に力を入れているスタイルの塾もあれば、進学に向けて学校以上の内容を教える塾もあります。また、授業時間以外の先生との距離が物理的に近い塾もありますし、離れている塾もあります。そのあたりの需要と供給が自分たちの理想や都合と合うかどうかを見極めることのほうが、月謝よりも大切です。SoutaBank / PIXTA(ピクスタ)それともう一点、金銭的なところで注意しなければならないのは月謝のほかにもテキスト費や教室維持費、長期休み中の講習費などが加算される点についてでしょうか。そのあたりも聞いて比較するようにしなければなりません。ここが高いと、たとえ月謝が安くても最終的な値段が高くなってしまうこともあります。■ 2.担任制、教科担当制、コマ担当制…結局どれがいい?Kazpon / PIXTA(ピクスタ)塾の形態としては、大きく分けて1人の生徒の全てと向き合う担任制、教科を担当する教科担当制、特定の授業時間を担当している(たとえば、火曜の18時、水曜の20時開始の授業を担当しているなど)コマ担当制があります。個人的におすすめなのは教科担当制で、次に担任制です。コマ担当制はあまりオススメできません。教科担当制は、その教科に特化して強い先生がずっと教えるので、実力アップに期待ができます。担任制は、たとえば補習塾などにおいて全体的にやる気を出してもらうところから始めるなど、信頼関係を築いて勉強に向き合うこと、基礎固め的な意味合いを目標にするならおすすめでしょう。しげぱぱ / PIXTA(ピクスタ)コマ担当制は、毎回授業開始時に「どこまで進んでいる?」などの確認作業を行うためどうしても時間のロスが生まれます。また信頼関係も築きにくく、生徒の実力も把握できないため、通り一遍の授業しかできません。ただ、普段は教科担当制や担任制をとっている塾でも、長期休暇中の講習だけは例外的にコマ担当制となる塾もあるので、そのあたりも確認してみてほしいところです。■ 3.「友だちと一緒の塾が良い」は理由にならないnode / PIXTA(ピクスタ)友だちに会うために塾に行く、そんなスタンスになってしまうのは避けたいところですね。実際に、友だちと示し合わせて来ている子の成績の伸びはあまり思わしくないことが多いです。たまたま同じ塾になっただけで、お互いに勉強をするために来ているという気持ちを忘れないタイプの子であればあまり関係のない話だとは思いますが。いかがでしたか。塾選びに迷われているようであれば、ぜひ参考にしてみてくださいね。
2019年05月22日”リビング学習”という言葉が定着し、学習机を購入されないご家庭は今や珍しくありません。一度購入すると定位置がほぼ確定してしまう学習机。住宅事情もありますし、そこそこのお値段もすることから、毎年のように”学習机、いる?いらない?について数々の意見を目にします。そんな筆者は、3LDKのマンション住まいであることから、「学習机?いらないでしょ」という不要派でした。しかし、結局のところ筆者は、この春1年生になった娘に学習机を購入しました。まだ入学して間もないですが、購入した理由と、学習机があってよかった!と感じたポイントをお伝えします。■ 学習机を購入する、しないは半々らしいFast&Slow / PIXTA(ピクスタ)リビング学習が定着しているとは言え、秋ごろから学習机の新聞折り込み広告や、コラムをよく目にします。「机はいらないけど、あの大きいランドセルを置くスペース、そして絵本や漫画の本棚とは別の”教科書”を置く棚は絶対いるなぁ…」そう感じていた筆者は、”ランドセル置き場”になる家具を探しに行きました。これが我が家に学習机を迎え入れたきっかけです。TOSHI.K / PIXTA(ピクスタ)売り場にズラ~っと並ぶ学習机たちを見て、娘のテンションが確実に上がっていたのを感じ取りました。販売員の方に話を伺うと「購入される方、されない方は半々くらいです。今の子はリビングと塾で勉強することが多いので、学習机は勉強する場所というより趣味スペースになっているお子さんも珍しくありません」暗に学習机で子どもは勉強しない、と教えてくれる販売員さん…(笑)。しかしこのコメント、深く納得してしまいますよね。■ それでも学習机を購入した理由しげぱぱ / PIXTA(ピクスタ)それでも学習机を購入した理由はまず第一に、「ランドセルを置く家具だけを購入しても、すぐにいっぱいになる」という情報を販売員さんから得たから。”1年生頃の教科書なんてノートを含めてもせいぜい10冊以内でしょ”と構えていたのですが、入学後どんどん学用品が増えていくそうなんです。子どもが学校へ持っていっているうちは安心でも、夏休み期間などの長期の休みの際は鍵盤ハーモニカなど様々な学用品を持ち帰り、置き場に困ってしまうんだとか。それならば、普段は空っぽでもいいからいざという時の場所を確保しておきたいという気持ちになりました。そして、一番の購入の決め手になったのは、”娘が学習机を欲しがった”ということです。女の子は、キラキラでピンク色がついた学習机がいい!と言い出しそうで、何となく学習机を見に行くことを尻込みしていました。しかし、娘の気に入ったデザインは何ともシンプル・コンパクト。娘が巣立っても親が将来使いたい!と思えるものでした。親の要望と娘の気に入ったデザインがうまくマッチしてくれたことが大きいと感じています。■ 購入してよかったと思えるポイントYsPhoto / PIXTA(ピクスタ)それでは、実際に学習机を購入してよかったと感じたポイントをお伝えします。まず学習机を購入したメリットとしてよく挙げられるメリット3つについて、筆者はどう感じたかですが……。・収納場所が確保できた…◎学習机とセットで棚も購入しているのでまだまだ余裕あり。・自分の場所がもてる…△自分の場所はここ、というような自覚はまだ見られない。ランドセルは帰宅後、リビングに置いてしまうことも。・学習習慣がつく…◎元々習い事の宿題の習慣があったので、学習習慣はある方。しかし学習机を購入してからは集中したいときは学習机に向かい、親に見てほしい宿題などはリビングで、と自分で選択できるのはいい傾向かと思います。その他に、筆者が感じた学習机のメリットはずばり、”子どもの行動を客観的にみられるようになったこと”かもしれません。リビングで宿題をしていると、どうしても「大丈夫?わかる?」と不要な声掛けを何度もしていた筆者。「自分で考えたかったのに!」と主張されることがしばしばありました。学習机で宿題をやらせてみると、時間はかかるかもしれませんが自分のペースですることができ、いい意味で子どもを試すことができます。この子はこういう部分が弱いんだ、とかここは得意なんだな、と見えてくるような気がします。子供も、”親からの自立”としてのきっかけになることを期待しています。Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)いかがでしたか?学習机を購入してよかったかどうかの判断は、子供次第、親の考え方次第。購入を迷われている方は、一度お子さんと学習机を見に行かれてみるのもいいかもしれませんね!
2019年05月21日「子どもの集中力が続かない」というのは、子育て中によく聞かれる悩みのひとつです。また、集中力はあっても「自分が興味のあること限定」というお子さんも少なくありませんよね。今回は「子どもの集中力が続かない原因と改善方法」についてご紹介しましょう。子どもの集中力を低下させる原因は?子どもの集中力が低下する原因には、さまざまものがあります。代表的なものは以下の通りです。・長時間のゲームやテレビ鑑賞ゲームやテレビ、スマートフォンを閲覧する時間が長くなってしまうと、脳の中で記憶や学習、感情のコントロールに深くかかわっている前頭前野という部分が疲れてしまい、注意力散漫になったり、集中力が低下してしまったりするといわれています。・不規則な生活夜ふかしをして十分な睡眠時間がとれていないと、イライラしやすくなったり、ケアレスミスが多くなったりしやすいといわれています。また、朝起きるのが苦手でいつも遅刻ギリギリの時間まで寝てしまい、朝食をとる時間がないと、集中力が足りなくなるともいわれているのです。不規則な生活の中に、集中力が低下する原因がいくつも潜んでいるといえるでしょう。集中力のある子とない子の違い一般社団法人教育デザインラボ代表理事で、都留文科大学特任教授の石田勝紀氏は、集中力に関して「人間は『集中タイプ』と『拡散タイプ』の2つに分かれている」と述べています。「集中タイプ」は、先天的に集中力が高いケース、自分の興味のあることに関しては抜群の集中力を発揮するケース、「習い事や部活動で忙しく、短時間で宿題をこなさなければいけない」など必要性に迫られることで集中力を発揮するケースがあるといいます。勉強は好きではないものの、歴史小説や歴史漫画が好きで、歴史の成績だけは常にトップクラスであるという子どもや、趣味に没頭すると誰かが話しかけてもまったく反応しない子どもなどはこのタイプです。一方の「拡散タイプ」は、周りの人々や環境のことが常に気になりやすく、集中力があまり高くありません。それゆえに「落ち着きがない」と思われることも。しかし、見方を変えれば、「よく気がつく」「他の人の様子を察知できる」ということでもあり、将来的にサービス業などで活躍する可能性が高いのだそう。集中力があるに越したことはありませんが、集中力がないからといって子どもを否定的に判断したりせず、「この子はこういうタイプなのだ」と見守ることも大切だと言えますね。子どもの集中力をアップさせる方法子どもの集中力をアップさせるためには、普段の生活の中に以下を取り入れましょう。・集中モードへの切り替えを促す何かに集中するためには、「集中モード」に入ることから始まります。大人の場合でも、就業時間になったからといってすぐに仕事に没頭できるわけではなく、今日のタスクをチェックしたり、デスクの上をキレイにして仕事をしやすい環境を作ったりして、徐々に集中モードに切り替えていくという方が多いのではないでしょうか。ぜひそれを子どもにも習慣づけてみましょう。具体的には、テレビやスマートフォンから離れる、机に向かってノートや鉛筆を準備する、ひらがなや漢字の書き取りといった簡単な勉強から始めることなどが効果的です。・子どもに「集中力がない」と言わない教育評論家の親野智可等先生によると、親に「集中力がないんだから!」と言われ続けた子どもは、無意識のうちに「自分は集中力がないんだ」と思うようになります。その結果、子どもは「どうせ自分は集中力がないから」と何事もすぐに諦める癖がついたり、自己肯定感が低くなったりしてしまいます。そうならないためにも、子どもが何かに集中していたときは、「集中力があるんだね!」と褒めてあげましょう。勉強ではなく、遊びでもかまいません。親に集中力があると認めてもらえた子どもは、たとえ集中力が切れそうになったときでも「自分には集中力があるんだから、まだやれる!」と自分自身を奮い立たせることができるようになります。・ゲーム機はルールを設けて楽しむ2017年に朝日学生新聞社が小学1年生~6年生の男女457人を対象に行なった調査によると、「“ゲーム機を持っているが使用を禁止されている子ども” よりも、“ゲームをしてもOKな子ども” の方が勉強への集中力が高く、宿題にも自主的に取り組み、親との会話も多い」という結果が出ています。長時間の使用によって集中力を妨げる可能性があるゲームですが、だからといって禁止するのではなく、家庭内でルールを決めて使用することでメリットがあるようです。***子どもの集中力がないと、親はつい焦ったり、時にはイライラしてしまったりすることもあります。でもそれは、子どもが本来持っている集中力が発揮できない状態になっているだけかもしれません。生活環境を整えたり、普段の言葉がけを意識したりすることで、子どもの集中力を育てるためのサポートをしてあげましょう。文/田口るい(参考)Study Hackerこどもまなび☆ラボ|子どもの「集中力」を養う方法。遊びや習い事を活用しよう!東洋経済オンライン|子どもの集中力は、こうやって作り出せる!ベネッセ教育情報サイト|子どもに集中力をつけるには?[教えて!親野先生]All About|学習集中力の高め方!ゲームと勉強で態度が違う理由ITmedia NEWS|「ゲームOK」の子の方が勉強に集中し、親との会話も長い……朝日小学生新聞調査
2019年05月18日2年生から3年生に進級するとき、学習面での不安を抱える保護者の方がとても多いそうです。算数がぐっと難しくなる、理科・社会が教科に加わるなど、2年生までと比べて3年生からは高学年につながる学習のベースを作らなければならなりません。そのため「つまずき」を感じる子どもがぐんと増えるのです。ここでつまずくと、高学年になって取り戻すことが難しくなります。だからこそ、勉強に対する「劣等感の芽」は早めに摘んでおかなければなりません。今回は、2年生から3年生に進級したお子さんが学習面で陥りがちがな苦手ポイントや、家庭でできるフォローの方法などを詳しく見ていきましょう。3年生、学習面での不安はどんなこと?進研ゼミの保護者を対象にベネッセがアンケートを実施したところ、2年生から3年生に上がる際に学習面で準備しておいた方がいいことや、親が注意深く見ておくべきことについて、次のような回答が得られました、□3年生になると授業の進み方も早く、内容が難しくなる。家で軽く予習復習ができるといいと思う。□理科・社会という単元が増え、覚えることも多くて大変。その結果余裕がなくなり、得意だった漢字や計算を間違えるなど他の教科にも影響が出てきた。□6時間授業も増えてくる。忙しさで余裕がなくなる。3年生からは本格的に勉強との向き合い方を見直さなければならない様子がうかがえますね。授業数が増えて放課後の自由な時間が減ることで、忙しさから余裕がなくなる子どもたちが多くなるとのこと。子どもが不安を抱えているのなら、親は安心できる居場所を作ってあげなければなりません。家庭での学習はもちろん大切ですが、まずは生活習慣や平日の時間の使い方、休日の過ごし方について、3年生に進級したタイミングで見直すことをおすすめします。3年生の国語。学習のポイントは?学習指導要領によると、3年生からは「筋道を立てて考える力や感じたり想像する力を養い、考えをまとめる力や伝える力を養う」ことに注意しながら国語の学習を進めるとのこと。その一歩として、主語と述語の関係、修飾と被修飾との関係、指示する語句と接続する語句、段落の役割についての理解を深めることを目標としています。さらに、文章の構成力をつけるだけではなく正しい文法を学び、ことわざや慣用句を使った表現力を身につけることも求められるようになるのです。■覚える漢字は200字に「漢」「業」「筆」など何通りもの読み方がある漢字や、漢字の組み合わせによっては日常的に使わないような単語を覚えることも。普段からいろいろなジャンルの本を読んだり、テレビのニュースで映し出される字幕を意識させたりすると、子どもの記憶に残りやすくなります。■国語辞典を家庭でも活用しよう3年生からはいよいよ国語辞典を学習に取り入れます。できればもっと早いうちから辞書に親しんでおくといいですね。文章力養成コーチの松嶋有香先生は、こどもまなび☆ラボで連載中の『国語辞典の世界へようこそ』の中で、学校の授業以外でも辞書を活用することをすすめています。辞書を引くことで調べ学習の基本動作が身につきます。そして、わからないことをそのままにしない姿勢は他の教科でも役に立つだけではなく、「生きる力」を子どもに与えるのです。ぜひご家庭のリビングにも一冊国語辞典を置いておき、いつでも調べられる準備をしておきましょう。3年生の算数。学習のポイントは?よく聞くのは「3年生から算数につまずく子が増える」ということ。しかし、決して急に学習内容が難しくなるわけではありません。実は、2年生のうちにマスターしておくべき基礎ができていなかったために「つまずき」が生じてしまう子も多いのです。■3ケタ、4ケタの計算が子どもを混乱させるまず、多くの子どもが4ケタの足し算・引き算でつまずきます。たとえば「3007ー2258」といった繰り下がりが2回ある引き算で混乱してしまい、計算に時間がかかって次第に授業についていけなくなることも。さらに「307×57」のように、3ケタ×2ケタで0が入るかけ算でつまずく子もたくさんいます。教育評論家の親野智可等先生は「このような計算は算数の基礎。つまずくようであれば、できるだけ早い段階で修復できるようにしましょう」と注意を促しています。算数は「積み上げ」の教科です。テストの点数だけで判断せずに、毎日使っているノートをチェックして、ちゃんと理解できているか確認しましょう。■図形の学習は作図がネックになることも3年生からは三角定規やコンパスを使いますが、作図する作業が難しくて算数が苦手になる子も多いといいます。どうしても苦手なら、家でコンパスを使って模様を描いて遊ぶといいでしょう。できあがった模様に色を塗ってみると、楽しみながらコンパスの使い方に慣れることができますよ。■表とグラフを積極的に生活に取り入れる親野先生は、数値や項目などの複合的な情報を関連づけて読み取る勉強を苦手としている子どもが多いと指摘します。その理由として「普段の生活の中で馴れ親しむ機会のないまま、教科書で初めて表とグラフに出会うから」と述べています。確かに日常的に家庭の中でグラフなどに触れる機会は少ないですよね。では、日頃から表やグラフに馴れ親しむにはどうしたらいいのでしょうか。親野先生おすすめの方法をご紹介します。□カレンダーに毎日の天気を書き入れる。毎日コツコツ続けることで、立派なデータとして活用することができます。体重や気温などの数字を入れるのもいいですね。□親子でじゃんけんなどのゲームをしてその勝ち負けを表にする。タテ軸とヨコ軸の組み合わせで表を作ります。「2回目と4回目はぼくが勝った」というように、表から情報を読み取る訓練になりますよ。□表に慣れたらグラフの基本である棒グラフを作成してみる。夕食のおかずを棒グラフにするのも面白いですね。1ヶ月集計した結果、「一番多いメニューはカレーだね」「お魚のおかずが少なかった」など、驚きや発見が出てくるかもしれません。3年生の理科・社会。学習のポイントは?いよいよ始まる理科・社会。これから学び始める教科なので、できるだけ苦手意識を持たせないように、楽しく学ぶ姿勢を身につけるための工夫が必要です。■理科:疑問が芽生えたときがチャンス!3年生で学ぶ理科の内容は、「物質、エネルギー」「光と音の性質」「磁石の性質」「電気の通り道」「電気の通り道」などです。とくに子どもたちがつまずきやすいのは「物の形や体積と重さの関係」について。ですから「材料・体積が同じなら、物の形が変わっても重さは変わらない」「体積が同じでも重さが違う物がある」、この2点を理解できるかがポイントになります。家庭でできる簡単な方法として、空のペットボトルに砂を詰めて量り、今度は同じペットボトルに水を入れて量ってみましょう。「同じ大きさの入れ物に入れても、重さが違うよね」と親子で確認し合えば、理解を深めることにつながります。例えば、親子で散歩や買い物に出かけた際には、ただ漫然と歩くのではなく、目にする草花や虫、その日の気温や風の向きなど、様々なことに子どもの関心を向けさせてあげて下さい。日々の生活の中で子どもを意識的にリードしてあげることが大切なのです。(引用元:親力講座|小学3年生の勉強のポイントは?子どもはどこでつまずく?その対策とは?)理科の学習において効果的なのは、実際に体験すること。家の中や近所の道端にも、理科を好きになる要素はたくさん潜んでいます。■社会:身の回りの環境が学びにつながる3年生の社会の授業では、「身近な地域や市区町村の様子を大まかに理解する」ことを目的としています。理科と同じように、実際に見て、感じることでスムーズに理解できるようになるでしょう。たとえば、散歩のときや車や電車でお出かけしたときに「この畑では何が取れるんだろう?」「この川はどこからどこまで流れているんだろう?」などと意識づけしてあげたり、街角に設置されている看板に目を留めたりすることで、自分の住む街や身近な環境への興味が高まります。また、観察・調査した内容を白地図などにまとめる力も求められます。日頃から地図に慣れ親しんでおくために、リビングやお風呂に貼っておいてもいいですね。***3年生では1、2年生のときとは違って「勉強」への意識を高めていく必要があります。遊びの延長のように楽しみながら学ぶよりも、自分なりの学習姿勢をしっかりと固める時期に入っていきます。そのためにも、日常生活の中から学習につながるヒントを見つけて関連づけてあげるのも、親としてぜひやってあげたいことですね。(参考)Benesse 進研ゼミ保護者通信|新学期準備「コレ重要!」先輩保護者ランキング~低学年(小1ー3)編~文部科学省|小学校学習指導要領(平成29年告示)Study Hacker こどもまなび☆ラボ|ゆか先生の国語辞典の世界へようこそ|たった5歳の子どもにも国語辞典を与えるべき理由。“辞書を引く”ことの莫大なメリット親力講座|小学3年生の勉強のポイントは?子どもはどこでつまずく?その対策とは?親力講座|算数の表とグラフの勉強は生活の中で慣れ親しんでおくことが大切
2019年05月17日小学校に入学して1年も過ぎると、生活面や学習面でさまざまな悩みが出てくるのではないでしょうか。お子さん自身は学校生活に慣れるのに精一杯ですが、ずっとそばで見ている親御さんは、我が子の “苦手” に気づき始めているころだと思います。今回は、1年生から2年生に進級したお子さんが学習面で陥りがちがな苦手ポイントや、家庭でできるフォローの方法などを詳しく見ていきましょう。2年生、学習面での不安はどんなこと?進研ゼミの保護者を対象にベネッセがアンケートを実施したところ、1年生から2年生に上がる際に学習面で準備しておいた方がいいことや、親が注意深く見ておくべきことについて、次のような回答が得られました。□先生の言うことを一方的に聞くことが多かった1年生のころと違い、自分たちで話し合ったり計画したりして授業や行事の計画を進めていく機会が増える。自分のことは自分でするように親子で一緒に確認するなどサポートが重要。□教科書にざっと目を通しておくなど、習うところを保護者が把握しておき、子どもの質問にすぐに答えられるようにする。□生活の中で学習のヒントになるようなことがあれば、積極的に話題に出す。1年生のころは、勉強といっても、言葉や数字に親しんだり、読み書きの基本を学んだりするくらい。子どもたち個人個人の能力に大きな差が生まれることはありませんでした。しかし2年生からは、覚える漢字は倍になり、計算問題は複雑に、さらに2学期からは九九をマスターしなければなりません。より難しくなる授業内容を理解するためにも、家庭における学習サポートはまだまだ必要になるでしょう。2年生の国語。学習のポイントは?文部科学省の学習指導要領によると、1年生と2年生で学ぶ国語の目的は「日本語の言語文化に親しむことや理解する」「伝え合う力を高める」「自分の思いや考えをもつ」こと。つまり、1年生と2年生では内容の難しさに違いはあるものの、その目的は共通しています。1年生で学んだことをさらに深掘りするイメージですね。■覚える漢字の量は2倍!2年生の国語の授業における最大の難関は「漢字」です。1年生では80字の漢字を覚えなければなりませんでしたが、2年生になるとなんと倍の160字に!しかも「顔」「線」「曜」など画数が多く、バランスを取るのが難しい漢字もたくさん出てきます。家庭学習のときには、姿勢や筆記用具の持ち方、筆順に従っているかなど、注意深く見てあげるといいでしょう。基本をしっかりと身につけるまで、何度でも繰り返し教えてあげるのがポイントです。■正しい文章を書く基礎をかためる2年生では文章の組み立てを考えて書くことが求められます。・「はじめ」に何を知らせたいかを書く・「中」に知らせたいことを詳しく書く・「おわり」にまとめのことばを書くこの決まりを守って文章を書くのは意外と難しく、とくに日頃から本を読む習慣がない子どもはつまずきやすいといいます。学年が上がるにつれて文章がより長く複雑になるため、順序を整理して、構成を考えながら文章を作成する力を身につけましょう。普段から家族で短い手紙のやり取りをしたり、映画や本の感想を短い文章にまとめるなど、日常の中で「文章を組み立てる」訓練をするといいですね。2年生の算数。学習のポイントは?1年生の算数の目的は「数や図形に親しみ、算数の楽しさを感じること」とされています。数を正しく数えることや時刻と日常生活を関連づけるなど、身近な数について学ぶことが学習のメインでした。2年生ではさらに進んで、「数の概念についての理解を深める」ことを目的とします。たとえば「買い物に行ってすばやく計算できると便利!」というように、数理的な処理を生活や学習に活用しようとする意識を求められるのです。■基礎の基礎を再確認する東京大学名誉教授で教育学者の汐見稔幸先生は、算数こそ最初につまずかないように家庭で見てあげるべき、といいます。たし算のルール、ひき算のルール、さらに九九といった基礎の基礎のところがきちんとわかっているかどうか、とても大切なので、ここは家庭で意識的にみてあげてください。この基礎部分ができていないと、2ケタや3ケタのたし算、ひき算、やがてわり算などのステップに進むことができなくなります。(引用元:汐見稔幸(2008年),『汐見先生の素敵な子育て「子どもの学力の基本は好奇心です」』,旬報社.)算数は積み重ねていく勉強です。一度つまずくと取り戻すことが難しいからこそ、低学年のうちに理解を深める必要があるのです。■ぐんと複雑になる計算問題2年生では、足し算・引き算・かけ算の3つが計算問題に上がります。進級した時点で「繰り上がり・繰り下がり」をしっかりとマスターできていないと、筆算でつまずいてしまうでしょう。「アメが3つの箱に6つずつ入っています。3つ食べたら残りはいくつ?」このような文章問題では、どの計算からやるのかを考える必要があります。つまり文章問題の読解力も求められるため、複合的な考える力をつけておかなければなりません。■油断しているときにこそ九九の確認を九九が始まる2年生の2学期ごろには、家庭でも毎日くり返し練習をして応援してあげることが大切。夕食後、ホッと一息ついているときやお風呂に入っているときに「九九、忘れていないよね?7の段は?」と突然聞いてみるなど、フォローしてあげるといいでしょう。■基本的な図形の概念を理解する2年生では図形を構成する要素に着目し、身の回りのものの形を図形として捉えることが求められます。日頃から「まっすぐ」「てっぺん」ではなく、「直線」「頂点」といった用語を用いることを心がけましょう。文章問題がすんなり理解できるようになります。理科・社会のベースになる「生活科」2年生までは1年生と同様に「生活科」の授業があります。これは3年生から本格的に始まる理科・社会のベースとなる教科です。たとえば次のような内容の学習をしていきます。□まちたんけん□野菜を育てよう□身近な生き物、小さな虫□廃材を使った遊び、動くおもちゃを作る□赤ちゃんのころの話を親から聞き、“自分新聞”をつくる□これからの自分、目標や夢についてまとめる(光村図書の教科書『せいかつ 下 みんなともだち』を参照)このように生活の授業では、地域の生活に関わることを通して身近な人々や社会、自然との関わりについて考えることを目的としています。また、自分自身を見つめることを通して、自分の生活や成長、身近な人々の支えについても考えます。生活科とは、まさに家庭でも一緒に学べる「生きた学習」です。身の回りの物事に関心を持ち、普段見過ごしているようなことに目を向けると、たくさんの発見があるのだということを知ってもらいましょう。***1年生ほど簡単でもなく、3年生ほど複雑にはなっていない2年生こそ、しっかりと基礎を固める大切な時期です。「ちょっと苦手かも」「よくわかってないけど、なんとなく点数が取れているからいいか」と思っていると、3年生以降のつまずきに直結します。苦手の芽は早め早めに摘んでおきましょう。(参考)Benesse 進研ゼミ保護者通信|新学期準備「コレ重要!」先輩保護者ランキング~低学年(小1ー3)編~文部科学省|小学校学習指導要領(平成29年告示)汐見稔幸(2008年),『汐見先生の素敵な子育て「子どもの学力の基本は好奇心です」』,旬報社.『せいかつ 下 みんなともだち』,光村図書.
2019年05月16日毎日学校から出される宿題。入学したてのころは親御さんが管理をしてあげていたかもしれませんが、学校生活に慣れてくると次第に子ども任せになってしまいがちです。すると気づけば「そういえば今どんな内容の勉強をしているんだっけ?」と、お子さんの学習の進行状況が把握できなくなっていた……といった事態に!宿題を通して子どもの苦手に気づいてあげること、そしてたくさん褒めて伸ばしてあげることができれば、親子のコミュニケーションを深めることにもつながります。今回は「子どもの宿題との関わり方」について詳しく見ていきましょう。子どもの宿題、“ながらチェック” していませんか?プレジデントファミリー編集部が2018年に全国の小学生の子どもを持つ母親505人にアンケート調査を実施したところ、子どもの学習習慣の悩み第1位は「言われないと勉強しない」(46%)でした。また「どのくらい子どもの勉強を見ている?」という質問に対して、41%が「10分未満」、19%が「まったく見ていない」と、半数以上が子どもまかせにしている様子がわかります。教育・子育てアドバイザーの鳥居りんこさんは、このアンケート結果を受け、自身の子育てを振り返りながら次のように述べています。子供が家にいる時間帯は、食事の準備や後片付けで忙しくて、落ち着いて勉強を見られなかったことを思い出しました。毎日、皿洗いをしながら宿題の音読を聞き流して、『聞きました』のスタンプだけを押していた。そうやって見てこなかったツケが中学校受験で回ってきて、私が思っていた以上にできないわが子にがくぜんとしたのが小学校高学年でした。(引用元:プレジデントムック(2018),『プレジデントFamily 2018秋 東大生192人 頭のいい子の本棚』, プレジデント社.)低学年のうちは、宿題は音読や簡単なプリントだけという学校も多いはず。そのため、親もついつい聞いているフリや確認したフリをしてしまいがちですよね。しかしそれでは、子どもが本当に学習内容を理解しているのかがわからないだけではなく、「ちゃんとやっても適当にやっても、親はたいして見てくれない。宿題って意味があるのかな」と、家庭学習そのものの意義すらも見失ってしまうでしょう。だからこそ、低学年のうちから親がきちんと子どもの宿題に向き合い、一緒に考えてあげる余裕を持つことが大切なのです。宿題をしない子にイライラするのは無意味とはいえ、親だって人間です。余裕があるときは優しく諭すことができても、忙しくて視野が狭くてってしまうこともあるはず。そんなとき、子どもが約束通りに行動しない、一度注意しただけでは態度が改善しないとなったら、つい感情的になって「宿題しないならゲームは捨てるよ!」「毎日同じこと言わせないで!」と怒鳴りつけてしまうこともあるでしょう。『「つい怒ってしまう」がなくなる 子育てのアンガーマネジメント』(青春出版社)の著者で、日本アンガーマネジメント協会理事の戸田久美さんは、「怒り」の感情について次のように述べています。怒りというのは、自分の中にある「こうあってほしい」「こうあるべき」という思いが、その通りにならないときに生まれます。(中略)「べき」にはその人が大事にしている価値観が表れます。親の場合、自分の考えこそが常識だと考え、子供に「べき」と思う価値観を押し付けてしまいやすいのです。(引用元:プレジデントムック(2018),『プレジデントFamily 2018冬 算数が大得意になる』, プレジデント社.)つまり、親御さん自身が無意識のうちに「言われなくても宿題をやるべき」「言われたらすぐに宿題をするべき」といった感情にとらわれていることにより、その通りに行動しないわが子に対して必要以上に怒りを覚えてしまうのです。そんな「べき」にがんじがらめにならないためには、どうしたらいいのでしょうか。戸田さんは「怒る・怒らないの境界線を明確にすること。また、子どもが最終的に約束を守ったなら“まあいいか”とすること」が重要だと説きます。昨日は許されたのに今日は怒られた、お母さんは許してくれるのにお父さんには怒られる、というように曖昧な基準で怒ってしまうと、子どもには「自分の行動によってではなく、親の機嫌で怒られる」という印象しか残りません。まずは、勉強やゲームの時間について家族みんなで話し合って「境界線」を明確にすることが大切です。「ゲームは1日30分まで。続けてやっていいのは15分間。宿題をした後に15分、夕食後に15分、と決めたらその時間を守ろうね」「一度声をかけて行動したら怒らないよ。ただし、2回声をかけてもすぐにやらなければ、お父さんもお母さんも怒るからね」このように、一度親子間での認識を確認し合いましょう。母親だけに宿題のプレッシャーを背負わせない続いて、宿題をするのに適した時間帯について考えていきます。筑波大学付属小学校国語科教諭の青木信生先生は「基本的には夕食前が効率的」としながらも、「家庭学習で大事なのは、時間帯よりも必ず親が関わり、子どもまかせにしないこと」だと述べています。なぜなら学習習慣のついていない子は、親がそばにいたほうが集中して問題に取り組むことができるからです。そうなると、最適な時間帯は “親が家にいられる時間” ということになりますね。一般的に、母親の方が子どもと接する時間が多くなってしまうので、宿題を見てあげる役割になりがちですが、父親も宿題の点検係として意識的に生活のリズムを見直しているご家庭も多いようです。父親が子供と顔を合わせることができる時間帯ということで、出勤前の朝の時間を活用している家庭も多い。それはその家庭ごとのサイクルでいいと思います。(引用元:プレジデントムック(2017),『プレジデントFamily 小学生からの知育大百科 2018完全保存版』, プレジデント社.)各家庭によってさまざまな事情があり、生活のパターンもそれぞれ違います。大切なのは、ご両親のどちらかでも宿題を通して子どもの変化や成長を注意深く見てあげることです。そうすることで、子どもは安心して毎日の宿題に取り組むことができます。すると、高学年になってもっと難しい宿題が出されるようになっても、すぐに諦めたりごまかしたりせずに、真剣に向き合って一生懸命取り組めるようになるでしょう。まずは「褒める部分を見つける」ことから「子どもに勉強を教えるときのコツは、子どものプライドを大事にすること」と述べるのは、東京大学名誉教授で教育学者の汐見稔幸先生です。つい「こんなこともわかってなかったの?」と呆れた反応を見せてしまっていませんか?そうすると、子どもは小さいながらも親御さんの期待に応えられない自分を責めたり、恥ずかしいと感じたりします。こんなときは「ああ、そうそう、こういうことってみんなよく間違えるよね」と優しく言ってあげましょう。できないことやわからないことは恥ずかしいことじゃない。そう伝えてあげるだけで、子どもの学びへの意欲は失われずにすむのです。また、教育評論家の親野智可等先生は「宿題をやると褒められる」パターンを作ることが効果的だと述べます。親野先生によると、多くの親はほめるどころか逆に「もっとていねいに字を書きなさい」「間違いだらけじゃないの」などと叱りがちだといいます。そこで、つい注意したくなる気持ちをぐっと抑えて、雑に書かれた字の中でも綺麗な字を見つけて部分的にでも褒めてあげましょう。大事なのは、宿題への取りかかりをスムーズにするために「宿題をやると褒められる」という意識を強く持たせることなのです。***お母さんがせっかちで優しく教えるのが苦手なら、お父さんにバトンタッチしてもいいでしょう。それでもつい感情的になるようだったら、おばあちゃんやおじいちゃんにも協力してもらいます。見守る人のスタンスによって宿題をプレッシャーに感じたり、褒められることでやる気がわいたりするので、お母さんが一人で抱え込んでしまうのではなく、周囲の大人がみんなで見守ってあげることが大切です。(参考)プレジデントムック(2018),『プレジデントFamily 2018秋 東大生192人 頭のいい子の本棚』, プレジデント社.プレジデントムック(2018),『プレジデントFamily 2018冬 算数が大得意になる』, プレジデント社.プレジデントムック(2017),『プレジデントFamily 小学生からの知育大百科 2018完全保存版』, プレジデント社.汐見稔幸(2008年),『汐見先生の素敵な子育て「子どもの学力の基本は好奇心です」』,旬報社.洋泉社MOOK(2018),『これからの未来を生き抜く できる子の育て方』,洋泉社.親力講座|こうすれば、子どもの宿題がスイスイはかどるーー親の工夫で「やる気になる環境」は作れる
2019年05月15日この度、息子が早稲田大学に入学したのですが、塾に通うことなく(夏期講習や通信教育なども一切なし)学校の勉強と自主勉強だけで(公立の小学校→中学校→高校)、受かることができました。もちろん本人の努力の賜物! なのですが、「どう勉強させていたの?」とか「親の声がけは?」とか聞かれることが多かったので、記事にしてみました。お役に立つのかわかりませんが…あくまで私個人の関わり方、考え方ですので、参考程度に読んでいただけたら嬉しいです。まず私は「学校の勉強・宿題」をしっかりやれたら、それ以上勉強させようという意識はありません。長女の場合…親子で宿題ノイローゼ!無理に勉強させるつもりはなかったのですが…第1子である長女が勉強嫌い(理解力はあるにも関わらず)で、最低限と思っていた宿題ですらやりたくなくて毎日何時間もかかるという…親子して宿題ノイローゼになりそうでした(笑)この経験から、「学ぶことは本来楽しいことのはず…やらせるものではなく、自らやるもの」にしないと意味がないと思うようになりました。そしてそのためにはどうしたらいいか。自分で勉強することが軌道に乗るまでは親の関わりが必要なので、息子には「嫌にならない声がけ」を意識しました。(長女、ごめん…(笑))長男の場合…命令ではなく、自分で決めさせるような声がけにそして学校のテストに対しては、「点数を競うものではなく、自分の習熟度を知るためのもの」ということを子どもにわかるように伝えてきました。こうしてるうちに長男は言わなくても宿題をやり、間違ったところは潰してスッキリするように。高校受験の時の…塾についてそんな長男、中学3年生のときのこと、高校受験が近づいてきて周囲に変化があったようです。塾は必要があれば行った方がいいとは思いますが「みんながやるから」ではなく本当に必要なのか、やりたいのかを聞きました。公立高校の受験であれば学校で習ったこととその応用なので特別なことはありません。…というわけで本人納得のもと自主勉強で乗り切りました。大学受験の時…学校の三者面談でチェックしたことそして…大学受験です。さすがに大学受験は塾も必要になるのかなと思い、「必要なら言ってね」と伝えておいたのですが、大丈夫とのことで、塾には通いませんでした。もう進路を考えることは本人主体でと思っているので口出ししません。私自身が高卒なので大学受験のことは正直わからず…高校3年時の三者面談でもこんなでした(汗)面談では頼りない私でしたが、学校・先生が大学受験に必要なフォローを行ってくれそうかどうか、この一点だけは見てきました。しっかり導いていただけそうだったのでもうお任せ。息子の通っていた高校は進学校と言われる水準の学校だったので、周囲の子や先生の影響・刺激を大いに受けたみたいです。コレが結構大きかった気がしていますので、大学受験はその前の高校選びも大切だと思っています。模試などで自分の現状を知り、弱いところを潰す。問題集や参考書は自分に合ったものを探し、自分が受験する大学の赤本をやりこむ。これを徹底したようです。運動部だったので部に所属している間は、勉強時間は大して多くはなかったようですが、部活を引退してからは急に勉強漬けの日々、毎日一人コツコツ8時間くらい勉強していたようです。受験勉強を乗り越えるために大事だと思ったこと最終的に…こんなふうに私が邪魔をするという(笑)親が気にして勉強勉強とあおるより、わが家はこれくらいの関係の方が本人のやる気もキープできていたようです。お尻を叩くのは、学校の先生にお任せ! でした。あと、苦しい時もあるであろう受験勉強を乗り越えるためには、目的(将来なにがしたいか)を持っていた方が強いです。(息子は就きたい職業が決まっていましてそのための受験でした)目的は決められないけど可能性を広げるために勉強する…というのは勉強が好きな子はいいですが、そうでない場合は難しいことだと思います。大学に合格することがゴールではなく、なりたい自分になるための通過点であることを忘れずに有意義な学生生活を送ってほしいなと思います。あ、そうそう、勉強嫌い娘がどうなったかはまた後日記事を描きたいと思います(笑)
2019年05月15日日々成長を遂げている子どもの身体と心。「もうこんなに背が伸びたんだね」「ちょっとしたことで泣かなくなったね」と、その成長を見届けることは、親としてなによりの喜びなのではないでしょうか。でも、成長しているのは身体と心だけではありません。目には見えませんが、子どもの『脳』も “段階的に” 成長することはご存知ですか?その発達段階に適した教育をすることで、本来持っている能力を最大限に伸ばしてあげることができます。今回は、子どもの年齢に合った『育脳』について詳しくお教えします。脳には学びの適齢期がある!?脳医学者の林成之先生は「子どもの脳の発達段階に合わせて育てると、能力を驚異的に伸ばすことができる」と述べています。つまり、脳の成長に合わせた刺激を与えることで、本来子どもに備わっている能力を最大限に引き出すことができるのです。たとえば、0歳から3歳くらいまでは視覚や聴覚などの「五感」が発達する時期です。だからこそ、この時期にたくさん読み聞かせをしてあげることは、脳にとって非常に良い結果をもたらします。小さいうちから脳に良い刺激はどんどん与えてあげるべきでしょう。だからといって、脳の仕組みを理解しないまま、闇雲にたくさんの習い事をさせることはあまり意味がなく、子ども自身にもあまり良い影響を与えません。東北大学加齢医学研究所の瀧靖之教授は、次のように述べています。使う脳の部分によって、伸ばしたい能力によって、成長の始まるタイミングは違います。脳は、そんな性質を持っているのです。ある能力が一番伸びやすい時期に、その能力に関係する習い事を始める。次の時期になったら、違う習い事を試してみる。それを繰り返すことで、子供の能力を効率的に伸ばすことができますし、子供自身が感じる学習ストレスを大幅に減らすことができるのです。(引用元:瀧 靖之(2016年),『「賢い子」に育てる究極のコツ』,文響社.)脳の発達段階に合わせた学習は、成長に沿って無理なく結果に結びつくので、親にとっても子どもにとってもストレスなくスムーズな学びにつながるのです。【年齢別】脳の発達段階:0歳~3歳文教大学教授で小児科医の成田奈緒子先生は、0歳~3歳は『からだ脳』が成長する時期だといいます。『からだ脳』とは「動物として生きるための脳」であり、基本の生活習慣や愛情形成をはぐくむ時期です。だからこそこの時期には、太陽の動きに合わせた起床・就寝、おいしい食事、ふれあいや声かけ、散歩など、五感からの刺激が何よりも大切。脳神経細胞が増え続ける時期なので、未熟な脳に負担をかける知識の詰め込みはNGです。また、要求をそのまま言葉や行動に表す時期です。わがままをおおらかに受け止めてあげて、我慢できたときはたくさん褒めてあげましょう。■0歳〜3歳に適した育脳この時期には耳を鍛えることが有効です。遊びの中に歌や楽器を取り入れると◎。できれば音階のあるものを使いましょう。ドレミの音階を聞き分ける能力を鍛えておくと、集中力や反射神経などが良くなります。まだ子ども自身の「好き・嫌い」の判断が未熟なので、脳がたくさんの情報を受け入れられるように工夫しましょう。たとえば、「お母さんは虫が嫌いだから、虫の図鑑は置かない」と大人中心に物事を判断するのではなく、できるだけたくさんのジャンルに触れさせてあげるといいですね。【年齢別】脳の発達段階:3歳~7歳3歳~7歳は『おりこうさん脳』が成長する時期。『おりこうさん脳』とは「人間らしさの脳」ともいえます。この時期は、思考の中枢となる大脳皮質や、まっすぐ立ったり指を使って作業したりするための運動機能を調整する小脳が鍛えられます。そのため、勉強・スポーツ・芸術などに必要な言語機能や、手先を使った微細な動きといった知能全般の発達が期待できる時期なのです。大人との会話や遊びから刺激を受け始め、幼稚園や学校などでさらにたくさんの人たちとの関わり合いによって飛躍的な成長を遂げます。昼間たっぷり刺激を受けて、夜眠っている間に神経回路網として定着させていくため、日中の過ごし方が重要になるでしょう。■3歳~7歳に適した育脳この時期は、勉強もスポーツもできる脳を育てましょう。まずは、正しい姿勢と歩き方で体のバランスを鍛えることを意識します。良い思考力には正しい歩き方が大切。身体のバランスが整って視覚的に正しい空間認知ができることによって、脳に良い影響を与えるのです。正しい姿勢で正しく筋力を使う運動がおすすめです。縄跳びやキャッチボールなどは空間を予測しながら遊べるため、空間認知能力を伸ばす効果が期待できます。また言語能力が発達する時期なので、言い訳をするなど口が達者になったと感じることも。以前に比べて親の言うことに反論するようになったと思っても、まずは子どもの意見を聞き入れましょう。それで失敗しても大丈夫です。「失敗して、考えさせて、行動を変えさせる」の繰り返しが脳を育てます。■巧緻運動を取り入れると◎細かい動作をする「巧緻運動」をつかさどる運動野がピークに発達するのがこの時期、とくに3歳~5歳であると言われています。考えながら手を使うことによって、頭でイメージしたとおりに身体を動かす「錘体路(すいだろ)」という神経回路が発達するため、紙を折ったりハサミで切ったり、のりで貼ったりといった手指や身体の器用な動きを取り入れた遊びがおすすめです。また楽器の習い事を検討しているのなら、この時期に始めるといいでしょう。楽器の演奏は聴覚を発達させる効果もあるため、聴覚野のそばにある言語野にもいい刺激を与えます。前出の瀧靖之教授も、「この時期に楽器や運動を始めたことで身につけた能力は、将来、種類や競技を変えたとしても「基礎的な能力」として、その子のプラスになる」と強くすすめています。【年齢別】脳の発達段階:7歳~10歳7歳~10歳は『こころ脳』が成長する時期。いわゆる「社会の脳」ともいえる『こころ脳』の成長時期は、言語の発達がピークを迎え、語学力が総合的に伸びます。大人と変わらない話し方をするようになり、相手によって言葉を使い分けることができるようになるなど、著しい成長を感じる親御さんも多いはず。さらに、相手の表情を読み取る、必要なときには我慢する、想像力を駆使して何かを作り出すといった能力が伸びることで、コミュニケーション能力や集中力、想像力、自制心などが鍛えられます。■不安定な子どもの心とどう向き合う?自分が他者から認められ、受け入れられていると実感することで、自己肯定感が高まり自立と自律が進む大事な時期なので、本格的な思春期に入る前に親子間の信頼関係をしっかりと築く必要があるでしょう。たとえば、家族の前で弱音を吐いたときには決して突き放さず、まずは共感して安心させることが大切です。小学校高学年、『こころ脳』の完成時期に近づくと、子どもは社会(学校)では理性的にふるまえるようになる一方で、家庭ではまだまだわがままを言ったり甘えたりすることも多いでしょう。そこで、親は子どもの甘えを受け止める余裕を持つことを心がけなければなりません。赤ちゃんや幼児のころに比べると、ほとんど手がかからなくなる時期ですが、心が不安定になったり親に反発したりすることは格段に増えます。親として心配になりますが、必要以上に不安にならずに、いつでも落ち着いた穏やかな対応を心がけたいですね。■7歳~10歳に適した育脳情報伝達回路がさらに発達して大人の脳に近づく時期であり、本格的な学習を始めるのにベストなタイミングです。言語野が発達するので、語学の学習に挑戦するといいでしょう。ただしこの時期は、基本的に子ども扱いするのはNG。「自分でやりたい」気持ちが働いているので、子ども扱いしてその芽を潰さないようにしましょう。質問形式で「どうしたいのか」「どうするのか」を自分で考えさせて、自分で決めさせます。親御さんはそれを達成できるようサポートしてあげるだけで大丈夫。この時期の脳には「指示・命令」は避けるべき、と覚えておきましょう。また『こころ脳』を育てるには、勉強や習い事よりも責任を持って家事をする方が効果が期待できます。家事は注意力、同時処理能力、段取り力、処理速度が鍛えられるので、家事を通じて試行錯誤することが脳への刺激になるのです。***10歳を過ぎると、思考やコミュニケーションなどの高次認知機能をつかさどる前頭前野が著しく発達します。そのときにしっかりとした社会性を獲得するためにも、『からだ脳』『おりこうさん脳』『こころ脳』がちゃんと育っている必要があるのです。お子さんの豊かな未来のために、脳の発達段階を考えながらサポートしてあげましょう。(参考)林 成之(2011),「子どもの才能は3歳、7歳、10歳で決まる!脳を鍛える10の方法」,幻冬社新書.瀧 靖之(2016年),『「賢い子」に育てる究極のコツ』,文響社.PHPファミリー|年齢別!子どもの脳を育てる甘えさせ方洋泉社MOOK(2017),『子どもの脳を伸ばす 最高の勉強法』, 洋泉社.
2019年05月13日発達が気になる小学生の保護者の「知りたい」を詰め込んだ本に小学校生活では、勉強や友人関係、学校のきまりや行事など、さまざまな場面で「困った!」を感じるお子さんや保護者の皆さんも多いのではないでしょうか?出版社・すばる舎は、発達が気になる小学生の家庭生活から学習まで、さまざまな「困りごと」を解決するヒントを詰め込んだ本を制作しています。この書籍の制作にあたり、発達ナビ編集部も制作協力を、発達ナビのコラムの監修をしてくださっている井上雅彦先生も総監修としてかかわることになりました。Upload By 発達ナビ編集部そこで、発達が気になるお子さんを育てる保護者の皆さんから、子育ての中で感じている不安や疑問からご家庭での工夫まで、さまざまなご意見をいただき、よりニーズに合う内容の本にしたいと考えています。勉強・友達・家庭生活…どんなことに困っている?何が知りたい?アンケートを実施Upload By 発達ナビ編集部この本では、次のような内容について、具体的な困りごととその背景にあるもの、対応方法などを紹介していきたいと考えています。●家庭生活・身辺自立●学習・運動●学校・集団生活●人間関係●お金・時間・気持ちのコントロール「わが家では特にこれが困っている」「こんな風にしたらスムーズにできるようになった」といったさまざまな声を生かした本にしたいと考えています。ぜひ皆さんの声を寄せてください!【対象】5歳~15歳のお子さんを育てる保護者※該当するお子さんが2人以上いらっしゃる場合は、まずはお一人についてご回答ください。2人目以降のお子さんについては、お手数ですが再度フォームにご回答いただければ幸いです。【回答期限】2019年5月17日(金)本アンケートは、無記名で選択式及び記述式となっており、所用時間は15分程度です。
2019年05月10日10連休も終わり、子どもを持つお母さんにとって、学習環境は気になるところですよね。教育系の雑誌などでは「リビング学習」についてよく特集として取り上げられるので、実際に成績アップに繋がるのか気になることでしょう。実際「リビング学習」は効果があるのでしょうか?我が家の中学受験から入学以降まで、リビング学習から子ども部屋学習へと試して考えさせられたことなどについてご紹介します。■ リビング学習のメリット・デメリットとは?マハロ / PIXTA(ピクスタ)「リビング学習は親の目が行き届きやすい」という話を聞いたことがある方は多いでしょう。朝日新聞出版『AERA with Kids』(2017年春号)の調査では、リビング学習をしている家庭は、調査数全体の8割という結果が出ています。「リビング学習をしている子どもは、東大へ行く子が多い」という特集を組んだ雑誌や書籍なども出ていて、マイホーム購入時に学習コーナーを作るご家庭も多いようです。attimo_hygge39 / PIXTA(ピクスタ)筆者の家でも、小学校入学時からリビング学習を始めていました。ただ、専用の学習コーナーは作らず、ダイニングテーブルでさせていました。「いつもそばにお母さんがいる。誰かがいる」という安心感が生まれます。家でも学校でも、話し声や生活音はいつもつきまといます。実際、生活音がよく出るリビングで勉強させることで集中力が身につくというメリットはあると思います。デメリットとしては、家事で忙しい時に声をかけられるとつい叱りつけて、学習意欲を失わせてしまうこと。pu- / PIXTA(ピクスタ)筆者宅では、小2のときにかけ算がなかなか覚えられず、家事で忙しい時につい叱ったことから、一時期、かなりの勉強嫌いになってしまいました。また片付けについても、いくら親が工夫しても大事な学校からのプリントを紛失することが多々あったので、子どもに合った学習環境を作ることを考えました。■ 小学校中学年〜卒業までは悩みながら環境を変えていたKana Design Image / PIXTA(ピクスタ)筆者の子どもについては、地元の公立中学校の環境の悪さから、中学受験に備えて小4のときに中学受験から高校受験まで扱う塾に入塾しました。専門塾に入ってから、小5の後半から帰宅時間が午後10時半となり、学校と塾の宿題や受験勉強をリビングでしていました。子ども自身が、自室では寝てしまうことと、成績不振について不安になったことがその理由です。帰宅が遅い主人の食事と重なり、テレビをつけてしまうので、家族で学習環境を話し合うことにしました。■ リビング学習についての子どもの意見Ushico / PIXTA(ピクスタ)子どもからの意見としては、1.塾から帰ってからは、疲れているのでリビングで勉強したい2.リビングで勉強すると気持ちが落ち着くけれど、テレビはつけない3.片付けをしない自分が悪いけれど、自分にやりやすい方法がわからないという3点でした。個別指導コースの塾と全く同じ環境にはできないけれど、家でできる環境作りと片付けについては、相談の上で決めました。ORA / PIXTA(ピクスタ)筆者の子どものリビング学習は、1.リビングのテーブルが一番落ち着くので、使わせる2.卓上スタンドを必ず用意する3.外部の様子を見えなくするために、辞書で囲いを作る4.生活音はある程度拾うけれど、集中のためにイヤホンを使うといった点について子ども自身が工夫して、中学受験のための勉強を続けて合格しました。■ 中学受験勉強時の、机の様子は?以下は中学受験勉強時の、机の様子です。キッチンからは、このように子どもの勉強の様子が見え、辞書でテレビは見えません。今も防音と集中力対策で使っているのが、このイヤホンです。塾の教材類やその日勉強に使うものは、前日にリュックに入れ、大切な書類などは100均のクリアボックスを使い、渡し忘れを防ぎました。リュックにしたのは、自室とダイニングに持ち運びしやすくするためです。テレビについては、寝室にもテレビがあったので、そちらで見るよう主人にも協力してもらいました。■ 中学受験終了後の学習は?環境を整えてから、不安定だった成績は落ち着きました。中学受験を乗り越えても、リビング学習は続きましたが、中1後半からは自室での学習に切り替わりました。ICT教育導入校で、学校で購入したiPad proに送られる宿題をこなすこと、特に英語の音声聞き取りのために静かな環境が必要だったからです。塾通いも検討しましたが、帰宅時間や部活を考えて、通信教育で勉強中です。最近の通信教育では、iPadは必須アイテムです。今では基本は自室学習で、苦手な数学だけは、主人の帰宅を待って分からない問題を教えてもらっています。■ 年齢に応じてリビング学習から卒業することも大切ひろこ / PIXTA(ピクスタ)親が子どもの勉強の様子について、気になる気持ちは理解できます。ですが、子どもの年齢とともに勉強スタイルも変化します。いずれは子どもが自分で学習方法を決めることになるので、いつか必要なくなるかもしれない学習コーナーは、お母さんの小さな書斎などにリフォームすることも視野に入れておくと良いかもしれません。【参考】※ 朝日新聞出版『AERA with Kids』(2017年春号)※ 朝日新聞出版『AERA with Kids』 (2018年春号)
2019年05月08日「10歳の壁・9歳の壁・小4の壁」という言葉を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。9~10歳のころに、子供が勉強面や心理面でつまずいてしまうのは珍しくありません。「壁」を乗り越え、将来、自立した大人になるためには、この時期に自分に自信をつけることが大切です。今回は、子供が自分に自信を持つべき理由と、そのために親ができることを2つ紹介します。劣等感が生まれる!?「10歳の壁」とは10歳の壁とは、10歳前後の子供が直面する課題として、よく知られています。「9歳の壁」「小4の壁」と言われることもありますね。文部科学省は、この時期の子供について、次のように説明しています。対象との間に距離をおいた分析ができるようになり、知的な活動においてもより分化した追求が可能となる。自分のことも客観的にとらえられるようになるが、一方、発達の個人差も顕著になる(いわゆる「9歳の壁」)。身体も大きく成長し、自己肯定感を持ちはじめる時期であるが、反面、発達の個人差も大きく見られることから、自己に対する肯定的な意識を持てず、劣等感を持ちやすくなる時期でもある。(太字による強調は編集部が施した)(引用元:文部科学省|3.子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題)子供の考え方は9~10歳の時期に大きく転換します。この転換によって、抽象的な「5-2=3」という式を、「5個のミカンを2つ食べたから残りは3個」などの具体例を介さずに理解できるようになります。また、抽象的な概念だけでなく、他人の目から見た自分の姿も理解し始めます。抽象的な考え方ができるようになるまでの期間は個人差があるので、子供たちは自己と他人を比べてしまい、自己肯定感を失いがちです。そして、このときに自己肯定感を失ったままだと、その後の成長に大きな影を落としかねないのです。10歳の壁を壊す「自己肯定感」の大切さ多くの企業・学校で活用されている行動習慣化メソッドを開発した人材育成研究家の永谷研一さんは、自己肯定感の大切さを次のように述べます。自己肯定感が高い人は、楽観的に物事を考えることができるので、少々不安であっても前向きな行動を起こすことができます。また自分の気持ちを開示することができるので、周りからのアドバイスも受けやすく、ぐんぐん成長することができます。その逆に自己肯定感が低い人は、悲観的に物事を考えてしまう傾向があります。新しい行動を起こそうとしてもリスクを考えて踏みとどまってしまい、前に進むことができません。(太字による強調は編集部が施した)(引用元:東洋経済ONLINE|「自己肯定感」が低い人に現れる”残念な症状”伸びる人と停滞する人の差にもつながる)自己肯定感を失ってしまった子供は、「どうせ頑張ったって、できないんだ」と考えるようになり、次第に挑戦をしなくなります。自分から行動を起こすことはなくなり、将来、指示待ち人間となってしまう可能性もあるでしょう。そして、人の後をついてゆくだけの人間にとって、これからの時代を生き抜くには厳しそうです。「東大・京大で一番読まれた本」として知られる『思考の整理学』の著者・外山滋比古さんは次のように述べます。僕が本に書いたのは、“墜落してもいいから飛行機になれ”ということです。グライダー型人間はモノマネが得意だけれど、新しい事態や時代の変化に対応できません。しかも現在は30年前よりはるかに時代が進み、学校で学んだ知識がより通用しなくなった。人工知能(AI)やITなどが発達した今こそ、他人に引っ張ってもらって飛ぶグライダー型人間ではなく、自力で自分のめざす場所まで飛べる飛行機型人間が求められています。(太字による強調は編集部が施した)(引用元:NEWSポストセブン|外山滋比古氏の提言「墜落してもいいから飛行機になれ」)子どもが将来活躍するためには、主体性を持って行動する必要があります。そのため、主体性を生みだす自己肯定感はとても大切な要素なのです。では、10歳の壁に負けず、子供に自己肯定感を身につけさせるためにはどうすればよいのでしょうか?叱ってばかりだと、自己肯定感はボロボロに……一番大切なのは、親が子供を信頼し、行動を見守るということです。子供が行動するとき、失敗しそうで不安になり、あれこれ口を出していませんか?「早く宿題をやりなさい」や「部屋をきれいにしなさい」などと、子供の行動に毎回口をはさみ叱っていると、子供はどんどん挑戦する心を失っていってしまうのです。教員出身の教育評論家、親野智可等(ちから)さんは次のように述べます。待てない親や先生は必ず子どもを傷つけます。目先のことばかり見て「○○ができてない。ちゃんとやらなきゃダメでしょ」と否定的に叱り続け、結局は子どもの自己肯定感をボロボロにしてしまうのです。(太字による強調は編集部が施した)(引用元:親力|やる気のスイッチが入る人と入らない人、その差はどこに?)子供は自分で必要だと感じたら、その時に自分で考えて、何とかしようと行動します。そして、その行動をやり遂げることによって、子供たちは「自分なら大丈夫だ、自分もできるのだ」と思えるようになるのです。したがって、自己肯定感を身につけさせるには、まず、子供の行動を見守ってあげることが大切なのです。「頭がいいね!」で自己肯定感は伸びないまた、親が子供をきちんとほめてあげることでも、子供の自己肯定感は高まります。その際、ほめ方に注意が必要です。褒めるときは子供の能力ではなく、行動を褒めましょう。スタンフォード大学で行われた実験によると、能力をほめられた子供は学習意欲が下がってしまうのだそう。ドゥエック教授は、子どもを対象としたテストで「頭がいいから成績がよかった」と能力をほめたグループと、「がんばったから成績がよかった」と努力をほめたグループのその後の行動を観察しました。すると、能力をほめたグループの子どもは新しい課題に消極的になったり、なかなか解けない難題に対して「楽しくない」「自分はできない」とあきらめてしまったりしたそうです。一方、努力をほめたグループは新しい課題にも積極的に取り組み、難問にも根気よくがんばる姿勢を見せ、最終的にいい成績を収めたといいます。(太字による強調は編集部が施した)(引用元:サイバーユニバーシティ株式会社|能力ではなく「努力」をほめる!効果的なフィードバックの方法)人間は能力を評価されると、その「能力が高い」という評価を維持するために行動してしまうのだそう。「頭がいいね」と褒められた子供たちは、「自分が問題をとけない、つまり頭がよくない」という評価を避けるために、「そもそも挑戦をしない」という決断をしてしまうのですね。また、米カリフォルニア大学サンディエゴ校とカナダのトロント大学、中国杭州師範大学の研究者らが行った研究では、「頭がいいね」と褒められた子供たちは、不正行為をする可能性が高くなるという結果でした。したがって、子供を褒めるときは、子供が努力した姿に注目してあげるようにしましょう。***9~10歳の子供は、勉強・身体の成長・人間関係などあらゆる面で大きな変化を迎えます。そんな子供がのびのびと挑戦し育ってゆくためにも、親はどーんと構えて子供を見守ってあげましょう。そうすることで、子供は主体性のある大人に成長できるでしょう。文/村瀬裕一(参考)文部科学省|3.子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題ダ・ヴィンチニュース|225万部突破! なぜ『思考の整理学』は東大生から根強く支持されるのか?AllAbout|「10歳の壁/小4の壁」子供がぶつかる勉強の見えない壁への対策3つ親力|やる気のスイッチが入る人と入らない人、その差はどこに?AERA dot.|「9歳・10歳の壁」を乗り越える3つの法則帝京科学大学学術リポジトリ|児童期の認知発達と心理発達の特徴と支援について産経新聞|写真で褒める「ほめ写」子供の自己肯定感アップJ-CASTニュース|子どもを「賢い」と褒め続ける教育ご用心!インチキする子になりますよ
2019年05月07日「小学校入学前にひらがなやカタカナを覚えたし、簡単な足し算・引き算なら大丈夫!」というご家庭が多くなっています。出遅れないようにと準備して臨みますが、小学校低学年で習う内容は簡単なので、入学後は親子で拍子抜けしてしまうかもしれません。ところが、簡単な低学年での学習内容こそが、中学年以上での理解度を大きく左右する大事な基礎となります。簡単なのに絶対外せないのが低学年の学習内容なのです。今回は、低学年(1~2年生)で習う国語と算数の学習内容からいくつか例を挙げ、どんなポイントが重要なのか、何に気をつけて学習すれば学年が上がっても苦労しないのかを紹介していきます。【国語】漢字は成り立ちから考える。音読は具体的に褒める。まず国語ですが、文部科学省の学習指導要領には1年生の授業全体850時間のうち306時間が、2年生は910時間のうち315時間が定められ、実に3分の1以上の授業時間が費やされるほど重視されています。【重要ポイント】ひらがな、カタカナ、漢字の読み書きによって、物の名前や動きや様子、自分や相手の気持ちを理解し表現できるようになります。漢字は1年生で80文字、2年生では160文字を習いますが、身の回りのことを伝えるのに必要な、数、方向、位置、形状、色、時間、自然、天気、学校生活でよく使う日常生活に密着した文字が中心になります。<↑1年生で習う漢字><↑2年生で習う漢字>【勉強のコツ】正しい文字を習得するには、書けることよりも読めるようになることが先で、ひらがな、カタカナ、漢字のどれにも同じことがいえます。その中で、■形がよく似ている文字を比べてどこか違うのかを見つける■ひらがなとカタカナは1文字ずつ対応していることが分かる■漢字にはよく似た仲間(部首)があるといった、文字の比較から部首の存在に気づけると、漢字の成り立ちや意味をスムーズに理解できるので、その先の漢字学習が楽になります。ただくり返し書くだけでなく、漢字にインパクトを持たせることが重要なのですね。また、低学年の教科書に取り上げられている文章は、シンプルでリズムが良いのが特徴で、何度も繰り返し音読してフレーズに親しむことで、文章の組み立て方や表現の仕方を学ぶことができます。語彙や表現方法の幅が広がると文章力アップにつながります。子どもの音読は聞き流しせず、「おじいさんのセリフがとてもよかったよ」「大きな声で読めていたね」と具体的に褒めてあげましょう。【算数】足し算・引き算をとにかくしっかり定着させる次に、算数の授業時間数は、1年生では授業全体850時間のうち136時間が、2年生では授業全体910時間のうち175時間が文部科学省の学習指導要領に定められています。国語に比べて時間数は少ないですが、この先の算数や数学へつながる基礎を作る内容ですのでしっかり理解しておく必要があります。【重要ポイント】算数の勉強といえば、足し算や引き算からスタートというイメージもありますが、実は「数の仕組み」から始まります。ものの個数を数えたり数字で表したり、あるいは「前から○番目」「右から○人」といった順序数を学びます。そのうえで、繰り上がりや繰り下がりも含めた足し算・引き算について学び、2年生になると掛け算へと発展していきます。また、数や計算以外にも量や長さ、広さ、時間といった図形や単位に関わる学習も始まります。【勉強のコツ】数の仕組みを最初に学習するとき、お子さんが何番目といくつ分の違いをしっかり理解しているか確認しましょう。これは日常生活の中で「上から3段目の棚の右から2番目にあるお皿を1枚取ってくれる?」「100円で39円のきゅうりは何本買えると思う?」といった問いかけで理解度を確認できます。単位や時間についても同じように、机以外の場所で「水を150ml用意してくれる?」「この番組は30分だったから、今日はあと30分テレビが見られるね」など、なるべく具体的なものや形を使って問いかけるといいでしょう。子どもはクイズが大好きです。「えー!すごいね、合ってるよ!」など大げさに褒めてあげてください。足し算や引き算は計算カードで繰り返し何度も覚え、タイムを計って読み上げる宿題を出す学校もあります。数式をみるたびに数の増減を考えるのではなく、見た瞬間に答えが口をついて出るまで慣れておきましょう。というのも、2年生や3年生で登場する掛け算や割り算は、足し算と引き算が繰り上がったり繰り下がったりしながら何重にも関わる「積み上げの学習」ですから、掛け算や割り算をスピーディに計算をするには基本となる足し算や引き算がいかに定着しているかがカギになります。勉強が簡単なうちに身につけたい「学習習慣」と「問題解決力」一度子どもが「なんだか国語(算数)って難しい……」と感じてしまうと、なかなかスムーズに学習が進まないようです。簡単に理解できて「勉強って楽しい!」と感じる段階から、少しずつ勉強の習慣づけをしていくことが大切です。低学年のうちは、家庭での学習時間は5~10分もあれば十分とも言われます。しかし、学校の授業は45分単位と子どもが集中できる時間に比べて長いので、これに慣れるためにも30分くらい続けて机に向かうことができるのが望ましいでしょう。学校から出された宿題を済ませたあとは、図書館で借りた本や授業で使う副読本を読むのもいいですし、席を立ってうろうろ歩き回らなければ、塗り絵やパズルなどで遊ぶことも立派な勉強だと認めて褒めてあげてください。低学年のうちに「1日30分、必ず机に向かって勉強する」ことを毎日達成して自信につなげるようにします。また、内容が簡単なうちに「分からないところを分かるようにするクセ」をつておくことも重要です。特に、算数は上述したように1年生の学習から積み上げていくものですから、どこかでつまずいたまま進んでいくと、その先の理解をストップさせてしまいます。ひとつずつ問題をクリアしていく問題解決力を養うためにも、毎日の学習で分からないところを分かるようにしましょう。***大きくなってからでは、なかなか身につかない勉強の習慣。低学年のうちにしっかり身につけるには、お父さんやお母さんがお子さんの横で勉強を見届け、頑張っている姿を認めて褒めてあげると効果的です。しばらく時間はかかるかもしれませんが、親御さんの声かけで子どもは自分に自信がつき、学年が上がってからも机に向かうようになりますよ。(参考)文部科学省|平成29年改訂小学校学習指導要領浜学園教育情報TIPS|小学校低学年から身につけたい学習方法浜学園教育情報TIPS|高学年の成績に直結!低学年のうちに最低限 身につけたいこと【算数編】ベネッセ教育情報サイト|元小学校教員が語る!低学年のご家庭でやっておきたい3つのことって?
2019年05月03日未就学児(6歳まで)の家庭学習、一番人気は「こどもチャレンジ」あんふぁんWeb「ママニュースアンケート」で「未就学児の自宅での家庭学習」について聞いたところ、63%が家庭学習を行っていると回答。その中で一番人気の教材は、全体の45%を占めた「こどもちゃれんじ」。次いで、12%が「くもん」、11%が「学研」という結果に。家庭学習の時間は、週に1時間以内が86%家庭学習に要する時間は、週に30分以内が48%、30分〜1時間以内が38%という結果に。大半が1時間を目安に学習していることが分かります。中には2時間以上という人も。次に、家庭学習に取り組む上での悩みや困っていることを聞いてみると、気分のムラ、集中力が続かないこと、親の関与という声が。それぞれの声をまとめました。もっとも多い悩みは、気分のムラがあること■遊んで疲れてる時など、本人の気が乗らない時にこっちも気長に待つのが難しい。(まんぷく、33歳)■やる時とやらない時の差が激しい。少しずつ毎日取り組んでほしいです。(コーギーラブ、38歳)■うまくできないとき、取り組む前に難しそうと子どもが思ったときなど、すぐに投げ出そうとしてしまう。(はるちゃん、44歳)■できなかったらすぐに怒る。シールにつられているので、シールがないページはやる気がダウンします。(ぴーちゃん、39歳)■自由にやりたがるので、ルールに従ってやらせようとするのが難しい。(くまとも、34歳)■できていると思っていた所が間違っていたりすると、普段はもう一回やるねと言って取り組むが、イライラしてる時などはもうイヤ!と八つ当たりしてくる。(こあざらし、42歳)■飽きやすく、途中で教材がただの遊び道具になってしまいます。遊びながら学んでもらえるのが一番良いのですが。(あげポテト大好き、29歳)■届いてすぐにワークに取り組むのは良いけれど、一度問題を解いてしまうと次のワークが来るまで見直したり解きなおしたりしないこと。(まみむめも、33歳)■一緒にやろうと声をかけても、「今日はやりたくない~」という日があったり、すぐに飽きてしまうことがあったりすること。(みりょママ、33歳)■背中を押さないと、とりかかるまでに時間がかかってしまう。(クラフトくん、34歳)集中力が続かず、遊びとの境界線がなくなることも■集中力が続かず、字をわざと大きく書いたり、薄く書いたりと遊びながらやっている。(ラジオママ、38歳)■兄弟がTVを見始めると、そっちに気がいくので困る。(ゆなゆな、35歳)■子どもの集中力が途切れるのが早く、苦手な取り組みに対してのあきらめが早い。(グラグラ、37歳)■ほかのことに興味が出てきて目移りすることが多い。(みかん2422,40歳)■集中力が続きません。ちょっと分からないことが出てくると、「トイレ」「おやつ」「眠い」「テレビ」とほかのことを言い出して。再度ワークに向き合わせるのに疲れます。(なおりん、36歳)■好きな問題の時は集中して取り組むけれど、興味がないことだとほかのことをやりだしてしまう。決まったページ数を最後までやらせるべきなのか、またの機会でいいのかに悩む。(きっとん、29歳)■ほかの遊びに目移りしてしまう。思い通りにいかないと子どもが不機嫌になる。(まっきり、34歳)■気分によって、集中力がまったく違う。まだ小さいからしょうがないと思ったり、今のうちからきちんと教えないとと思ったり、親の気持が揺れる。(みょん、31歳)親がついていないといけないのが大変!■なかなか一緒に取り組む時間を作るのが難しいことと、集中力がもたないので根気強く習慣化させるのが大変です。(なかむ、30歳)■家事に追われ、なかなかずっと一緒にみてやることができないこと。(ロックウェル、45歳)■親が付き添わなければできない、というのが…。一日のうちの少しの時間とはいえ、その時間を捻出するのが大変。(くう、29歳)■親と一緒に作ったり、体験したりがあり、良い経験にはなるけれど面倒くさい。(misosoupgohan、32歳)■親がついていないと、読まずに適当にやってしまいます。それでも楽しそうですが、時に失敗して、がっかりしているときもあります。兄弟でついてくる付録が違うので、兄弟ゲンカに発展します。(わさび、38歳)■毎日取り組むようにしてますが、私が夕飯などを作りながらさせているといらいらすることが悩みです。(きらきらきらり、37歳)■ひとり遊びの延長で取り組んでいる。でも、ママ!ママ!とすぐに呼ばれて、結果いつも2人でしている。(ゆう、43歳)■家事をやっている最中に子どもが行き詰ってしまった時、すぐに教えてあげられない。また、教えても理解してもらえず、どう教えればできるようになるか試行錯誤している。(ぽこ、34歳)最後に、子どもにやる気を出させる方法、気分を乗せる声かけなど、工夫やアイデアを聞きました。やる気を出させるには、ほめる!ごほうび!怒らない!■ドリルの指示通りにやらせられれば一番だけど、まだまだ幼くて言うこと聞かずに関係ないところに色を塗り始めたら落書きしたりしています。でも、それは気にせず、常にほめる方向で見守っています。(ひつじ、39歳)■一緒にやることを心掛ける。できたらたくさんほめる。 習慣づけるために時間を決める。(ふーちゃん、33歳)■本人がやりたいときにやっている。 できたときは花マルを書いたり、好きなキャラクターのシールをあげている。いっぱいほめている。(チョコレート、31歳)■「何でこんな難しい問題できるの?」「すごいね!」などポジティブなほめ方をしている。(おつまみ、35歳)■私もできる限り隣でついて、ほめたり応援したりアドバイスしたりしている。終わったら大きな花丸をつけたり、オマケのイラストやコメントを書いている。 子どもがひとりで取り組めそうなときは、私は「一緒にお勉強するね!」とボールペン習字の教材を隣でやったり読書したりしている。(とまとん、30歳)■赤鉛筆などで上手にかけたとこを丸してあげたり、シールを貼ってあげたりしています。上手く書けてない文字もありますが、そこはあまり注意せず、楽しく学習できるようにしています。(くーちゃん、46歳)■お勉強のノルマが終わったらごほうびタイムでゲームができる仕組みにしてます。(りんご、39歳)■大好きなYouTubeを見られるのはドリルが終わってからという決まりなので、そのためにがんばっている(笑)。(みゅう、39歳)■環境作り。テレビなど消してお互い集中。てきなくても怒らずに、なんでできなかったかいっしょに考えたり、違うところを説明する。(ひなみあ、37歳)■私が一人で始めることです。 広げ始めると、そばにきてやり始めることが多いです。(みさやん、37歳)■お姉ちゃんがお勉強しているときを狙って誘う。お姉ちゃんをほめると、自分もほめられたいのでやる気が増す。(なーまま、42歳)■とりあえず嫌なことにならないように、これやる?と軽い感じで誘っています。(ぽん、40歳)■ママに言われる前に自分で取り組み終わらせれたら、カレンダーにシールをはり、シールがたまったらごほうびにお菓子などを買ってあげる。文字の大きさや数字のきれいさなど、とにかくほめる。(いとひ、35歳)※2018年9月26日~10月23日、あんふぁんWebでアンケートを実施。回答数:289件<あんふぁんWeb編集部>
2019年04月30日家を建てたり、マンションを購入したり、引越ししたりするとき、必ずと言って持ち上がるのが「子ども部屋はどうする?」問題です。子どもの健やかな成長のためには、子ども部屋は必要か、不要か、どちらが良いのでしょうか。一軒家を購入した夫婦、元塾講師、一級建築士が出したそれぞれの答えとは?ぜひ、子ども部屋づくりの参考にしてみてください!■ 一軒家を購入した夫婦は「子ども部屋は狭くてOK!」と判断!KAORU / PIXTA(ピクスタ)まず1つめの実例として紹介するのは、27歳にして一軒家を購入したライター兼WEBデザイナーの堀本さんの場合。家を建てるとき、子ども部屋をいくつ作るか、またどのくらいの広さを確保するかを考える必要があります。スペースの問題、価格の問題など、いろいろな条件も考慮しなくてはなりません。堀本さん夫婦の下した決断は「子ども部屋は狭くてOK!」というものでした。ふじよ / PIXTA(ピクスタ)その結論に至った一番大きな理由は、「勉強机はいらない」と決めたことにありました。子ども部屋をどんなふうに作るか、またどんなふうな使い方をするかにあたっては、正解がないからこそ、難しいものですよね。自分なりの正解にたどり着くには、子どもの成長を具体的にイメージしながら、子ども部屋についてじっくり考えることなのかもしれません。詳しくは記事をチェック!子ども部屋は狭くてOK!その理由とは?【27歳、一軒家を買う】■ 元塾講師が提言する「子ども部屋はやっぱり必要!」その理由とは?ふじよ / PIXTA(ピクスタ)次は塾講師としての経験も豊富な、ライターの小林さんの場合。塾で働いていた当時から、保護者から子ども部屋についての相談をたくさん聞いてきたそうです。そんな小林さんが下した結論は「やっぱり、子ども部屋は必要!」。kazuma seki / PIXTA(ピクスタ)塾の生徒の中には、忘れ物やなくし物が多い子どもがいて、そのほとんどが子ども部屋を持っていない子でした。自分の荷物の置き場所がはっきり決まっていないため、あちこちにものを置き忘れてしまうことが原因だったようです。子ども部屋は、整理収納を学ぶ空間にもなります。こちらの記事では、スペースの問題で子ども部屋をつくれないときの解決策についても触れています。詳しくは記事をチェック!子ども部屋は必要!元塾講師が語るその理由とは?■ 「子ども部屋問題」気になる一級建築士の見解は?!一級建築士は、住みやすい空間を生み出す住宅のプロです。家族構成や生活スタイルも考慮して、それぞれの家族の暮らしにぴったりな家を提案してくれます。さまざまな家庭の家の設計に携わり、経験も豊富な、唯渡邊さん。そんな一級建築士が出した答えは、“子どもの心に合わせたフレキシブル・スタイル”の子ども部屋でした。親との密着度が高い小さいうちは、個室よりも「ゆるやかな子どもスペース」を。子どもが自我を持ち、自立心が芽生えたら「個室」を。プラナ / PIXTA(ピクスタ)勉強に集中できる環境が欲しい。親から独立した空間で過ごしたい。大きくなった子どもの心の声を親が敏感に察知して、その時々にぴったりな子ども部屋を用意してあげられたら、成長の後押しにもなるかもしれませんね。詳しくは記事をチェック!子ども部屋は結局いる、いらない?~一級建築士に聞く!
2019年04月28日Upload By ひらたともみUpload By ひらたともみそして10年以上前にうつ病となったとき、通っている精神科の主治医に「趣味や余暇を大切にして」と、リフレッシュをオススメされました。でも…。Upload By ひらたともみUpload By ひらたともみすっかり俳優のK田くんに心を奪われた私は、彼の情報収集が毎朝のルーティーンになりました。彼の出演作を毎日繰り返し見続け、研究することが私の趣味になったのです。Upload By ひらたともみ映画に出れば主役級のK田くん。映画には一般向けに試写会や初日舞台挨拶で出演者が登壇するのですが、このチケットをとるのはいつも争奪戦です。前列ともなるとプラチナチケットといってもいいほど。舞台挨拶の日はもちろん朝からスタンバイ!だから前乗りは必須です。前日夜から会場近くのゲストハウスに泊まります。ちょっとしたプチ旅行気分にもなれます。ちなみに、ゲストハウスでのお楽しみは、同じ宿に泊まっている外国の方との会話。(某オンライン英会話で勉強中なものの、なかなか上達しない)英会話の勉強も兼ねて積極的に外国人に話しかけるようにしています。日本にいながら、海外旅行気分も味わえるんです。Upload By ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみうつ病になって、一番困ったのが「リフレッシュ法」でした。私の場合、相手が知っている人だと、コミュニケーションするときにいろいろ考えてしまったり、頑張りすぎてしまう傾向があります。本当に疲れているときに友だちとお茶するとなると、ものすごいエネルギーが必要になり、ストレスフルに。どんどん心が疲弊してしまいます。対して、初めまして!の外国の方とのコミュニケーションは、ウエルカム。英語もろくに話せないのにストレスにならないか…と言われるのですが、外国を知らない私の異文化交流は、もっと知りたい、もっと話したい!という好奇心でいっぱいにしてくれます。K田くんの舞台を見て、娘とはしゃぎながら乗り継ぐ車窓からのネオンは、「ここには私に声をかけてくる知り合いがいないんだ」という安心感でいっぱいになります。知り合いがいない、いつも過ごしている場所とはちがう街での時間は、心を解放してくれる…からかなと思っています。私の場合、K田くんを追いかけることとゲストハウスの組み合わせが元気の源。私に限らず、いま、うつに悩んでいる人、苦しいなと感じている人は、好きなことをどんどん見つけて行動してみると、リフレッシュできるんじゃないかなと思います。行動するのは、最初はちょっとしんどいかもしれないけれど、試してみてもらえたらなと思います!のびのびと頑張らない自分でいられる場所こそが、今の私のリフレッシュ法。あとはコンビニのお惣菜とビールがあれば、最高です!
2019年04月25日新学期が始まり、子どもには気持ち新たに勉強に励んでほしいと願う保護者も多いことでしょう。そのためにはまず、環境作りが大切です。普段なかなか集中して勉強できいないとしたら、今の環境が関係しているのかもしれません。今回は2級建築士である筆者が“子どもが集中して勉強できるリビングの作り方”についてお伝えします。1:勉強するときは、壁を背にする人は背後を警戒するため、背後に気配を感じると集中できません。そのため、壁を背にして勉強にするのが望ましいでしょう。これは、子ども部屋を設けた際にも同じことが言えます。机に向かって座ったときに、背中側が壁、子どもからは出入り口が見えるという配置がベストです。反対に、子ども部屋に入ったときに、勉強している子どもの背中が見える状態はNGです。子どもは出入り口からいつ人が入ってくるかと警戒するため、集中力がそがれます。2:昼光色か昼白色のデスクライトを使用するリビングに用いられている照明の色を気にしたことはありますか?多くの場合、電球色と呼ばれるオレンジ色っぽい光か、太陽光のような自然な色の昼白色が用いられています。しかし学習面において一番いい色みは、昼光色と呼ばれる青みがかった白の光です。昼光色は脳を覚醒し、集中力を高める効果があると言われています。文字もはっきり見えますので、オフィスなどに用いられることが多いです。そうは言っても、リビングの照明が埋め込まれていて変えることが容易でなかったり、なにより昼光色はくつろぎの場であるリビングには不向きです。手軽なのは、デスクライトを取り入れること。リビングの明るさは、そもそも勉強をする際の手元を照らすには足りない場合が多いため、昼光色のデスクライトがあるといいでしょう。ただし、昼光色は子どもによってはまぶしすぎると感じるケースもありますので、その場合には昼白色でも。3:リビングに観葉植物を置く植物には記憶力や集中力を高める効果があると同時に、リラックスさせる効力をもちます。観葉植物を置いたリビングは、落ち着いて勉強するのに最適です。実際に職場に観葉植物を置くことで、効率的に仕事をこなせるという実証もあるほど。ヒーリング効果も期待できる植物ですが、部屋に置きたくないという方には緑色のアイテムを取り入れるだけでもオススメです。緑色のクッションやラグ、またはソファに緑色のブランケットをかけるだけでもOK。緑は見る人への刺激が少なく、落ち着きや安心感を与えます。また目の疲れを緩和する働きも。そのほか、学習する際にはおもちゃやゲームなど、誘惑をシャットアウトすることも必要でしょう。わが家では小学生の息子の下に2人子どもがいますが、勉強中は必ずテレビを消すことをルールとしています。ただし、ラジオは流していることが多いです。BGMとして音楽などが流れていることは、脳科学的にも集中力が増すことが証明されています。でも好きな音楽のCDは音楽に集中してしまうのでNGですよ。ぜひ参考にしてみてくださいね!<文・写真:フリーランス記者沖田かへ>
2019年04月24日小さい体に大きくて真新しいランドセルを背負った1年生。通学路ではそんな子どもたちが一所懸命歩いている姿を見かける季節になりました。何もかもが始まる春。こちらまでわくわくしてきます。新しい習慣の一つとして「辞書を引く」ということを取り入れてみましょう。実は子どもの学習環境を見直すことで、大人にも良いヒントがたくさん得られるんですよ。その1外箱をはずそう!こんにちは。ゆか先生です。前回は、国語辞典の選び方をお伝えしました。記事を読んで、親子で書店に出向いた方も多いのではないでしょうか。辞典売り場で、どれが良いかと選んでいる微笑ましい親子を見かけるたびに、こちらもとてもうれしい気持ちになります。「もしよろしければアドバイスしますよ」と声をかける怪しいおばさんがいたら、それは私です。何でも聞いてくださいね。さて、辞典を買ったらまずすることが3つあります。今日はそのお話をしますね。さて、何ごとに関しても、それを習慣づけるためには、準備にかかる時間や動作を最小限にすることがポイントです。例えば、身近な例で言うと、体重計。ダイエットや健康管理の目的のために、毎日体重を量ると決めたとしましょう。もし、体重計が脱衣所の棚の奥、ケースに入っているとしたら、それを棚から出して、箱から出して、乗って量るまでに何秒かかりますか?実は人間というものは、その間にも「量るのをやめる理由」をあれこれ思いついてしまうのです。「今日は食べ過ぎちゃったからやめとこ。増えているのわかりきっているし!」こんなふうに数秒の間に考えてしまうのです。増えているのがわかりきっているけれども、あえて量るからこそ、意味があるのですよね?量ったらドキッとするから量ることに決めたわけですよね?わかりきっているけれども、量ってみてはじめて「明日は気をつけよう」という反省につながるはずですよね?だから、目的がダイエットだとしたら、いいわけ無用でいつでもさっと量れるように体重計を出しておくのが正解なのです。他に、毎朝ウォーキングをしようと決意したら、起きてすぐに着替えられるようウエアを枕元に置いておく。家計簿を毎日つけたいと決心したのなら、帳簿は引き出しの奥ではなく、最上段の開けたらすぐ見える場所に置いておく。楽器を習い、毎日練習すると決めたなら、いつでも練習できるよう、楽器をケースに入れないで出しっぱなしにしておく。こんな工夫が該当します。逆に、やめたいと思っている悪習については、スタートするのに時間がかかるようにしておけばいいのです。スマホのゲームアプリは一番奥の画面に、しかもフォルダを作ってその中にしまう。ついつまみ食いしてしまうクッキー類は、さっと食べられないように、タッパーにうつして野菜室の奥にしまうなどです。おもしろいでしょう?ちなみに私は、スマホのゲームアプリフォルダに「ひまなの?」という名前をつけ、最後尾に置きました。そのフォルダにたどり着くまで「またやるんだ、私……」といや~な気分になり、フォルダ名を見るたびに自分が情けなくなり、その一週間後には、見事フォルダごと削除できました。今、スマホにゲームアプリは1つも入っていません。わかりやすいようにと大人の話にしましたが、実は子どもの学習にも同じことが言えます。続けてほしい良い習慣に関しては、とりかかるまでにかかる時間を最小限にするようにします。やめてほしい悪い習慣については、手間をかけないとできないようにするというわけです。さて、辞典の話に戻しますよ。国語辞典の目的は「言葉の意味を調べる」ことです。辞書が主体ではありません。つまり「さあ、今日は国語辞典の勉強をしよう」ではなく、何か本来の勉強などがあり、その途中で分からない言葉があったときに初めて国語辞典の出番となるわけです。ですから、本棚から出す、外箱をはずす、その手間をなくすために、外箱自体をなくしてしまおうということです。外箱は捨ててしまって大丈夫です。 もう二度と使いません。「いつまでもきれいに使いたい」こういう大人の気持ちも分からなくありませんが、いつまでもきれいに使うために、お子さんはかなりのエネルギーを使います。そのエネルギーがもったいないですよね。また、小学生用の国語辞典は、早い子で4、5年生、遅くても6年生までしか使いません。その後は中学生用や大人用の辞書に切り替えます。それまでの期間だったら、毎日使ったとしても、綴じてある糸がほつれるほどにはなりません。むしろ、ぼろぼろになるまで使われた辞書って、天命を全うした感じがしませんか?その2名前を書こう!私が次にすべきこととして推奨しているのが、本の「天」か「地」、まっすぐに立てた時の上か下ですが、そこに名前を書くことです。「自分だけのたからもの」としてもらうのです。ぜひお子さん自身に書かせてください。これにも抵抗がある保護者の方がいるようです。買ったばかりの本にマジックで名前を書くなんて。しかも子どもの字で?と。また、できるだけきれいに使って下の子に、と思う人もいると思いますが、前回お話ししたとおり、兄弟姉妹がいてもそれぞれの辞書を使うことを強くおすすめします。ましてや、教育漢字改訂中です。下の子に、という考えは少し無理そうです。人間は、人と共有のものより、自分のものを大切に扱います。名前を書いてあるものは特にそうです。そして自分で書いたならなおさらですよね。子どもも同じです。どんなに心配でも、ぜひ、お子さんに書かせてみましょう!そして「きちんと書けたね」の言葉もお忘れなく。「今日からこの辞典はあなただけのお友達ね!」とも声をかけてあげましょう。その3リビングに置こう!使うまでの手間を省くのに、外箱をはずす話を書きましたが、置き場所に関しても同じ法則が適用されます。使う時にさっと手に取れる場所にあることが大切。そのために、どんなシチュエーションで辞書を利用するか想像し、その場所に置けば良いということが分かります。小学生の子どもを持つ友人で、すでに国語辞典を利用している方たちにアンケートをとってみました。ご協力くださいましたみなさん、ありがとうございました。これによると、リビングの本棚、テーブルなど、6割強の人たちが、リビングに置いていることが分かります。これは、国語辞典を使う機会がリビングにいる時に多いからです。地球儀や世界地図、百科事典もリビングに置くといいということはここ数年、いろいろな教育雑誌でも取り上げられているもので、すべて「調べたいと思った時に調べる」というアクションがリビングで起きやすいことが原因です。お笑い芸人が何か言ってみんなが笑った。その言葉を知らなかったから調べる。ニュースでキャスターが何か言った。その言葉を知らなかったから調べる。お父さんがお母さんに何かを言った。その言葉を調べる。本を読んでいたら、知らない言葉が出てきたから、調べる。そんなシチュエーションがリビングにはあふれていると思います。連載第1回でも書きましたが、知らないことをそのままにしないことが大切です。保護者のみなさんも、知らない言葉があったら、スマホではなく辞書を開いてみましょう。百聞は一見にしかず。スマホでインターネット検索したのとは全く違う世界を感じることができますよ!次回からは、具体的な辞書の引き方について、基本的な方法と、発展的な方法についてお伝えします。■ 連載『ゆか先生の 国語辞典の世界へようこそ』各回の内容第1回:国語辞典でこの時代を生きぬくための基本動作が身につく第2回:子どもにぴったりの国語辞典を選ぼう! 電子辞書ってどうなの?第3回:初めての国語辞典。カバーは?置き場所は?どんなふうに引くの?第4回:ゲーム感覚がやる気をアップ! 付箋紙やノートで記録する方法など(※近日公開)第5回:漢字辞典、百科事典、ことわざ辞典、四字熟語辞典、語源辞典など、子どもの世界の辞典いろいろ(※近日公開)第6回:まとめ国語辞典を使えるようになった子どもたちのその後(※近日公開)
2019年04月24日皆さんは、子どもがスマートフォンを使うことに関して賛成ですか?反対ですか?昨今、幼い子どもにスマートフォンを使わせる「スマホ育児」や「スマ放置」が問題になるなど、子どもにスマートフォンを与えることに関しては悪いイメージが先行していますよね。しかし、スマートフォンは必ずしも諸悪の根源というわけではありません。スマートフォンならではの特徴を生かして上手に付き合えば、子どもたちの学ぶ意欲をより高めるツールにもなります。では、日常生活において、最適な方法でスマートフォンを使うにはどうしたらいいのでしょうか。スマートフォンとの上手な付き合い方を考えてみましょう。「スマホ使うほど学力下がる」って本当?ニンテンドーDSソフト「脳トレ」シリーズの監修者であり、脳トレブームの立役者とも言える東北大学加齢医学研究所所長の川島隆太教授は、平成25年度仙台市標準学力検査および仙台市生活・学習状況調査とスマホの利用状況から、スマホの利用時間と学力に下記のような相関関係があることを警告しています。(画像引用元:仙台市|「学習意欲の科学的研究に関するプロジェクト」作成リーフレット 平成25年度版)このグラフから、携帯やスマホを使う時間が長ければ長いほど、数学の平均点が下がっていることは明らかですね。また、驚くべきことに「2時間以上勉強していながらスマホを4時間以上使っている子」の平均点が「30分未満しか勉強していないけれどスマホを使わない子」の平均点よりも低いという結果も出ています。せっかく勉強しても、スマホを使う時間が長ければ、勉強した時間がムダになってしまうといっても過言ではありません。この傾向は、数学のみならず理科、社会といった他の教科でも見られたのだそう。学力低下の原因は、スマホ利用で奪われる「あの時間」?実際のところ、スマホの利用と学力低下についての直接的な因果関係は明らかになっていません。しかし、学力低下の要因として大いに考えられるのは、スマホ利用によって生じる「睡眠不足」です。睡眠改善インストラクターで昭和西川専務取締役の西川ユカコ氏は、睡眠不足と学力低下の関連性について次のように指摘しています。学力の観点では、寝不足だと大脳の前頭連合野が打撃を受け、勉強する意欲や集中力が薄れ、論理的な思考もしにくくなるほか、記憶にも障害が出てきます。たとえば10時間の睡眠が必要な子どもが8時間しか眠らなかった場合、足りない睡眠時間は2時間です。「2時間の睡眠不足」は、お酒を飲んでほろ酔いの時と同じくらいの脳の働き(働かなさ)になるといわれています。(引用元:東洋経済ONLINE|「成績のよい子」は、だいたい何時に寝るのか)スマホで動画を観たり、ゲームをしている時間が長くなると、睡眠をとるべき時間が削られます。その結果、勉強への意欲や集中力の欠如のほか、論理的な思考ができなくなったり記憶にも支障が出るという弊害が起こるのです。スマホをどれだけ使うかではなく、どう使うか電車やバスといった公共の乗り物に乗っているときや待ち時間などには、騒いで周囲に迷惑をかけたりしないようスマホで静かにさせたいというのも本音ではないでしょうか。それでも、スマホによって何か悪影響があるかもしれないと思うと不安ですよね。子どもの脳の発達や学力向上は、スマホの使用時間がどれくらいかではなく、人とのやり取りがあるかどうかに関係があるという意見もあります。小児科医でお茶の水女子大学副学長の榊原洋一氏は以下のように話しています。「かつてテレビの視聴時間が長い子どもは、言葉の数が少ないという研究結果がありましたが、さらに詳しく研究すると、視聴時間が長くても家族の会話が多ければ言葉も多いという結果が出てきました。子どもの発育に重要なのは、テレビやスマホなどの視聴時間の長短よりも、生身の人間とのやり取りがあるかどうかです」(引用元:NHK生活情報ブログ|「スマホ育児」発育に影響は?)やむを得ずスマホを利用するときにも、使い方さえ気をつければ影響を少なくできるということです。スマホの動画やゲームで待ち時間を過ごすときなどは、子どもに与えっぱなしにすることなく、一緒に視聴したり話しかけたりしてみてはいかがでしょうか。また、学力低下と併せて気にしたいのは、スマホによる「視力低下」。国立成育医療研究センターで小児眼科を専門とする仁科幸子先生は、スマホを見る距離はテレビよりも近く、目にはその分の緊張が強いられるため疲れやすくなると指摘します。子どもの視力が低下しないよう、スマホを見せる際には以下のことに注意しましょう。・画面から30cm以上離れ、明るい場所で視聴する・連続で視聴する場合は30分を限度としタイマーで時間を計る・ベビーカーや車などの揺れている場所では見せない・親子できちんとルールを決め節度を持って使用させる***「スマホを長時間使っているから学力が低下する」という説を裏づける科学的な根拠は現在のところ明らかではありません。しかし、学習のための時間がスマホに奪われたり、ゲームや動画が気になって学習に集中できなかったりということが、学力低下につながる可能性は否定できません。目にも負担をかけすぎないようにお家でルールを決めて、上手な活用をサポートしてあげられるといいですね。(参考)毎日新聞|スマホ警告ポスター「使うほど学力下がります」日医作製日本小児科医会|スマホの時間 私は何を失うかPRESIDENT Online|“スマホが学力を破壊する”これだけの根拠東洋経済ONLINE|「成績のよい子」は、だいたい何時に寝るのかNHK生活情報ブログ|「スマホ育児」発育に影響は?子どもたちのインターネット利用について考える研究会|乳幼児とスマホ 保護者のためのセルフチェック
2019年04月23日小5なのに、もう中学校のことを考えるの?娘が小学5年生の秋のことです。その頃娘は、通常学級に在籍していましたが、主治医から「小学校卒業後の進路についてどう考えているか」と問われたのです。Upload By 荒木まち子それまでわが家では、毎年度末に「来年は通常学級にするか?特別支援級にするか?」ということを、本人も含めた家族で話し合って決めていました。そのため、主治医からこの話をされた当初は「まだ小5なのに、今から中学校のことを考えるなんて早すぎるのでは?」と思ったのです。でも…よく考えてみると、すぐに「決める」というのではなく、早いうちから「調べて」「考えておく」ことは、娘の将来の選択肢を広げる上で確かに大切なことかもしれないと思うようになりました。発達障害の子どもの進路は「分からないこと」だらけ!この出来事をきっかけに、発達障害がある娘の進路についてあれこれ考えてみました。すると、たくさんの疑問が浮かんできたのです。・中学校から特別支援学級に入級すると、特別支援学校高等部しか選べないの?・知的・身体障害がない場合、中学で特別支援学級に通っていても、特別支援学校高等部には入れないの?・特別支援学級に在籍していても公立高校を受験できるの?(内申書はどうなるの?)・地元の中学校に進学しない場合、その他の選択肢は、私立中学やフリースクールになるの?・高校ではなくフリースクールに進学する場合、高校卒業資格は取れる?取れない学校もあるの?・高校卒業後の進路ってどうなるんだろう?考えれば考えるほど、疑問は増していきます。そして小学校卒業後に通う中学校を決めることは、その先の高校や、さらに先の進路にも影響してくるのだということに気づきました。娘がこれからどう成長していくのかはまだイメージできないけれど、とりあえずどうなっても対応できるように、たくさん情報を集めよう。そして選ぶのは子ども自身だとしても、親がある程度は情報整理しておくようにしよう。私は、そう考えるようになったのです。いざ、情報収集スタート!当時娘は小学校の通常学級に在籍していたため、障害のある子どもに配慮された中学や高校の情報は入手することが難しく、自分たちで積極的に調べて探すしかありませんでした。そこで、娘の学習支援とSST(ソーシャルスキル・トレーニング)をしてくれていた家庭教師の先生に、中学や高校について尋ねてみたところ、さまざまな資料を持ってきてくださいました。そして、私が思っていた以上に多様な学校があることを知ったのです。例えば、通信制高校は学校教育法により「高等学校」と定められているので、一定の条件を満たせば高校卒業資格を取得することができます。でも似た名前の「通信制サポート校」は、通信制高校に通う生徒に対して勉強や精神面での支援を行っているので、通信制サポート校で勉強したとしても、高校卒業資格を取得することはできません。東京都の例だと、小・中学校で不登校になったり、高校を中退したりした子どもを受け入れる総合学科・定時制の「チャレンジスクール」や、小・中学校で十分能力を発揮できなかった生徒が、社会生活を送る上で必要な基礎的・基本的学力を身に付ける「エンカレッジスクール」という取り組みもあります。「え?通う日数を選べるの?」「受験に内申書が不要の学校もあるんだ」「芸術に特化した学校?」「そういえば、こっちの学校はテレビ番組で見たことがあるかも」資料を読みながら、私は自分の知識の無さを改めて感じました。こうした取り組みをしている学校は首都圏に多く、わが家からは距離的に厳しいケースもしばしばありましたが、それでも障害のある子どもにもさまざまな可能性や選択肢がいろいろあることを知り、驚いたのです。参考:これまで設置してきた多様なタイプの学校|東京都教育委員会資料やネットの情報では分からないこともあるこうした学校で、障害がある子どもにどのような配慮や支援をしているのか、具体的な内容を知りたいと思い、ネットのクチコミなども調べてみました。でも、ネットには「偏差値は〇〇」「芸能人の△△が通っている」「設備が充実している」「制服がかわいい」といった表面的な情報しかなく、私が本当に知りたかった情報を得ることはできませんでした。その学校が自分の子に合うかどうかは、やはり直接学校見学や説明会に行って、自分の目で確かめるしかない。そう感じた私は、早すぎるかもしれないと思いつつも、少しずつ学校見学をスタートすることにしたのです。次回コラムでは、実際に学校見学をして感じたことや、私たち親子が大切にした視点などについて紹介したいと思います。
2019年04月22日予約も準備も必要なし!今すぐ実行できる子どもが喜ぶ過ごし方もうすぐゴールデンウイーク。どこかに出かけたいけれど、どこも混むし、事前予約や準備が…という人も多いのでは。そこで今回は、あんふぁんWebの「どっちだポン!」コーナーでリサーチした「予定のない休日、子どもが喜ぶテッパンの過ごし方」を紹介します!思い立ったらすぐに楽しめて、有意義に過ごせそうなアイデアがいっぱい。ぜひ参考にしてみてね。(投票期間/2019年4月3日〜17日)自宅でお出かけ気分を演出♪■ お庭にテントを張って、レジャーシートを敷いてピクニック気分♫ テントで過ごすだけで楽しい時間!(ななさん/30歳)■ 出不精なので、定番は「テラスピクニック」です。レジャーシート、おにぎり(とあれば少しのおかず)、水筒、おやつをテラスに運ぶだけ(笑)。春や秋ならそこで本を読んだり、折り紙したり、絵を描いたり。部屋着でもいいからラクチン!(いずみんさん/34歳)■ 「今日はおうち映画館でーす!」と伝えて、ポップコーンを作り(この香りも大事!)大きめの紙コップに入れて、子どもたちの好きな映画を見ます。室内はカーテンを閉めて暗くして、子どもはジュース、親はビールを片手に(笑)。結構、満足感ありますよ♪(ゆうゆうさん/36歳)■ 室内なら粘土に工作。 お昼はベランダにテーブルとシートでピクニック風。(たけさん/36歳)■ ズバリ「お祭りごっこ」。たこ焼き、チョコバナナ、じゃがバターを作って食べる&画用紙でお面やブンブンゴマを作る!もうこれだけで一日中大盛り上がりですw(ゆきりんさん/38歳)■ 最近のお気に入りは、Switchでカラオケ。かなり最新のものまであるので、楽しいですよ。子どもたちもノリノリ!Switch買ってよかった!と思います(笑)(おしげさん/36歳)とにかく外へ!ここに行けばハズしません■ 公園大好き! 自転車大好き! サッカーボール、バットとグローブとボール、バドミントン、遊ぶ道具全部持ってグラウンドや公園で遊ぶと大満足します。おにぎりとちょこっとおかずの簡単お弁当持って午前中から行くと大喜びです。(まさまさまさん/47歳)■ とにかく公園。 もう、ひたすら遊ぶ。遊ぶ。遊ぶ。 いつもの公園、いつもの遊びなのに、飽きないのが不思議。(あやぶんさん/40歳)■ うちは予定のない休日はプラネタリウムに行くことが多いです! 今は子ども向けの内容も多く(テレビアニメとコラボさせてるのもある)勉強にもなるし、とにかく空いてる!笑 映画よりも格段に安いし、勉強になるし、子どもにも好評です!(ゆっけさん/33歳)■ とりあえずマクドナルド行けば喜びます!(まなまなさん/33歳)■ 車で15分ほどの所にある地元の人がメイン客のショッピングモールへ行き、無料でできる携帯ショップのビンゴをしたり、遊び場で遊ばせたりして数時間過ごす。(アポロさん/35歳)■ とりあえず町の「子供館」に行く。5歳の子どもがいつも行きたがる。夏は涼しいし冬は暖かいし、絵本もたくさんあり、卓球やバドミントンなども出来るので過ごしやすい。(ssksさん/32歳)■ 年間パスポートを購入し、お散歩がてらお弁当を持って動物園へ。体力も使うし気分転換にもなりおススメです。(カナダさん/35歳)■ 児童館っ!! 子ども2人連れていても、見える範囲で遊ばせられる。(ひなおままさん/37歳)■ 公園めぐり。(いちご大福さん/35歳)■ 午前中は図書館、遅めのお昼(焼きそばとかおにぎり、一緒につくる)の後、お昼寝、起きたら買い出しに出て、外食又は好きなものを家で食べる。借りて来た本を読み聞かせて寝る。(よんさん/30歳)■ 掃除や片付けを分担してチェックしあったり、一緒に料理したり、工作したり。 でも一番多いのは、徒歩もしくは自転車で散歩して、喫茶店でお茶をする!(クーさん/39歳)■ アンパンマンミュージアムに併設されたショッピングモールへ!短い時間のショーもあるし、気楽に過ごせます。(mikkiさん/36歳)■ 午前中は子どもたちに家庭学習(ワークとか)させて、午後はファミレス行って、そのあと公園ってことが多いです。外出しないと子どものストレスがスゴイ!(えりこさん/35歳)ピザ、クレープ、おにぎり!一緒に作ると楽しくておいしい■ 子どもの好きな食べ物を一緒に作ってお昼ご飯にする!ピザ率がすごく高いです(笑)好きなものを好きなだけトッピングして最高のピザを作ります(おかんさん/40歳)■ 家族でお菓子作りをすると、子どもたちも喜んでお手伝いしてくれて盛り上がります!特にクレープはトッピング次第でバリエーションも多く作れてオススメです。(ともくんママ★さん/34歳)■ ホットプレート料理!!自分でこねたハンバーグや、たこ焼きをしてもりあがる。(そのときによりけりさん/37歳)■ おやつやお昼を一緒に作って食べるのですが、「今日は◯◯大会でーす!」と言うだけで、なぜか盛り上がるわが子たち(笑)。おにぎり大会、おだんご大会、パン大会など、丸める作業があるものにすれば、大喜びです。(りんりんさん/36歳)<あんふぁんWeb編集部>
2019年04月21日成長するにつれて、子どもの個性は色濃く出てきます。長所も短所もその子の個性であり、良いところはどんどん伸ばしてあげたいですよね。一方で、短所になり得る点を早いうちから直してあげるのも、親としての大事な役目です。親の声かけや対応、周囲の環境などは、子どもの成長に大きな影響を及ぼします。今回は、物事が続かない・すぐにあきらめてしまうお子さんを変えるヒントをお伝えしましょう。「すぐにあきらめる子」は将来どうなる?「もういいや」「つまらない」「飽きちゃった」「どうせ僕(私)にはできないよ」ーーこれらの言葉がよくお子さんの口から出てくるとお悩みではありませんか?もしくは、お子さんの普段の様子を観察してみると、次のような傾向があるのではないでしょうか。・遊びや勉強など、最初のうちはやる気満々で夢中になって取り組むが、すぐに飽きる。集中力が持続しない。・あれもこれもと興味の対象が多いわりに、どれにも執着しない。・困ったことに直面しても、すぐに「まあいいか」と言って真剣に向き合おうとしない。たとえまだ小さな子どもでも、少し気になるこれらの言動。しかしこのまま放っておくと、高学年以降の成長過程においてさまざまな悩みの種になりかねません。勉強やスポーツでも、続けることでしか手に入らない結果があります。ちょっと壁にぶつかったくらいですぐにあきらめてしまうようでは、本人が望む成果は得られないでしょう。するとそのうち「自分は何をしてもダメなんだ」「結果が出ないのは自分の能力が低いせいだ」と、自己肯定感が低下していくのです。大人になって就職しても、変化のないルーティンワークからは刺激を感じられず、与えられた業務をおろそかにするようになります。その結果、周囲からの評価を得られないどころか、自分の実力に向き合うことをせずにすぐに環境を変えたがり、転職を繰り返す可能性もあるでしょう。「飽きっぽい」「あきらめが早い」ということは、大きな成功から遠ざかるひとつの要因にもなりうるのです。「あきらめ癖」がついてしまったのはなぜ?そもそも、なぜ「あきらめ癖」がついてしまうのでしょう。脳の仕組みを見てみると、熱しやすく冷めやすいタイプは、行動を促進するドーパミン神経系の活性化を求める傾向があると言われています。新しいものや刺激のあるものを求めることは、脳にとって決して悪いことではないのです。しかし一方で、コツコツがんばって続けられる人や、刺激を追い求めずに安定した日々を送る人もいます。「すぐにあきらめる人」との違いは一体何なのでしょう?そのヒントは、親の日頃の言動に隠されているようです。『ほめると子どもはダメになる』(新潮社)の著者で心理学博士の榎本博明氏は、「親から投げかけられた言葉や親の口ぐせは、自己観や人生観の土台になります」といいます。つまり、親の口ぐせが子どもの人生を方向づけると言っても過言ではないのです。たとえば、何かにつけて「どうせ無理」「きっとダメだよ」と言ってすぐにあきらめてしまう子は、親自身が後ろ向きなものの見方をしていることが多く、親の口ぐせを無意識のうちに心の中に取り込んでいるそう。とくに、次の2つの思考パターンには注意が必要です。■子どもを自分の思い通りにコントロールしようする「なんでできないの!」「こんなこともできないなんてダメね!」常日頃からこのような言葉を投げかけていると、子どもの自信はみるみるしぼんでいきます。それにより「どうせ何をやってもダメなんだ」と、あきらめ癖がついてしまうのです。■すぐに感情的になるたとえば朝、子どもが準備に手間取っているとします。そこで感情的になって「もう!モタモタしないで!」と思いつくままの言葉をぶつけていませんか?すると子どもは萎縮し、本来ならスムーズにできることもうまくできなくなり、ますます自信が失われてしまいます。私が実施した意識調査でも、子育て中の親のほとんどが、「子どもが思い通りにならない」といってイライラしています。社交的な親は、内気な子にイライラしています。神経質な親は、大ざっぱな子にイライラします。でも、子どもは親とは別人格、親の思うようには動きません。このことをしっかりと頭に刻んでおきましょう。(引用元:PHPファミリー|親がかける言葉で、子どもの人生が変わる)今からでも少しずつ親御さん自身の口ぐせや思考パターンを変えるように心がければ、お子さんの「あきらめ癖」も改善されていくはずです。ポイントは、前向きな言葉を口ぐせにすること。「モタモタしないで急いで!」ではなく、「さあ、もう少し急ごうね。がんばって!」と前向きな言葉をかけてあげるだけで、子どもは「自分はやればできる」と自信を失わずにすむのです。あきらめが早い=切り替えが早い!?枠にとらわれない思考法「リフレーミング」とはここでは少し視点を変えて、「あきらめ癖」について考えてみましょう。教育評論家の親野智可等氏は、わが子の短所ばかりが目につき、つい必要以上に心配したり叱ったりすることに悩む親御さんに向けて、「リフレーミング」という手法をすすめています。たとえば、「新しいおもちゃも、最初のうちは夢中になるけれど、すぐに飽きて見向きもしなくなる」「何かをやり始めたとき、ちょっとでも壁にぶつかると途端にあきらめる」「やる気が持続しない」という傾向があるとします。親からすると「こんな調子で将来大丈夫かしら?」と不安になりますよね。それこそが、一定の枠組み=“フレーム”を通してしかものを見ていない証です。「リフレーミング」とは、そのフレームを外して別の角度から見直すことを意味します。そうすることで、マイナスポイントに思えるものが、一転してプラスの側面を見せてくれるのです。「飽きっぽい」「あきらめが早い」といったマイナス要素を、別の角度から見直してみましょう。すると、「気持ちの切り替えが早い」「多様性を受け入れられる」「楽天的」「自分の気持ちに正直」……などの長所が思い浮かびます。それは将来、仕事に就くうえでも確実にプラスにはたらきます。あきらめ癖があるということは、決して悪いことばかりではないのです。その個性をうまく引き出せば、良い方向へと伸びていく可能性を秘めています。必要以上に心配しないようにしてくださいね。あきらめ癖がある子どもが粘り強くなる3つのコツとはいえ、すぐにあきらめて何ひとつまともに続かないのは困りものですよね。世の中には、続けることでしか手に入れられないものがたくさんあります。簡単に投げ出してはいけないものがあるのだということも、小さいうちから知っておく必要があるでしょう。ここでは、あきらめ癖がついてしまった子どもが「あきらめない心」を手に入れる方法をご紹介します。■クリアできそうな目標を常に用意するがんばればクリアできそうな目標に向かって取り組むと、快感にかかわる脳のドーパミン神経系の働きが最大化すると言われています。もっとも効果があるのは、子どもが50~75%の確率で達成できそうな目標を設定すること。スモールステップをクリアすることを繰り返せば、いつのまにか「やり抜く力」が身につくでしょう。■目標は「肯定的」で「具体的」に!否定語を入れないのがポイントです。「宿題が終わるまでゲームをしない」よりも「ゲームをしたくなったら窓の外を見る」というように、肯定的なフレーズを入れると◎。また「1年生のときよりも勉強をがんばる」では達成感がわかりにくいので、「テストでは毎回80点以上をとる」と具体的な目標を立てましょう。■「成功体験」を積み重ねることを意識する本格的なロジカルシンキングを取り入れた学習塾ロジムの塾長、苅野進先生は、「粘り強さを手に入れるためには、何かを成し遂げた『成功体験』が必要です」と述べます。「あのときうまくいったから、次もうまくできるはず」と思うことでさらに頑張れるというわけです。子どもにとって一番身近な成功体験は、親に褒められること。ただし結果を褒めるのではなく、問題に取り組んだことや、少しずつでも前進していることを褒めてあげましょう。たとえ失敗しても、チャレンジしたことを褒められれば、それが成功体験となります。***親の声かけによって子どもの粘り強さが身につくのなら、どんどん褒めてあげたいですね。「がんばって取り組んでるね!」「さっきより進んでるね!」「失敗したけど、ひとつわかったことが増えたね!」と、ありのままの姿や物事に取り組む姿勢を褒めてあげると、子どもの自信につながりますよ。(参考)洋泉社MOOK(2017),『子どもの脳を伸ばす 最高の勉強法』, 洋泉社.PHPファミリー|親がかける言葉で、子どもの人生が変わる東洋経済ONLINE |「いい子」「悪い子」すべては”親の決めつけ”だ洋泉社MOOK(2018),『これからの未来を生き抜く できる子の育て方』, 洋泉社.Study Hacker こどもまなび☆ラボ|才能よりも大切な「GRIT」!子どもの“やり抜く力”の育て方~家庭内ルール~
2019年04月20日障害がある子が利用できるサービスの基礎知識から申請方法までが詰め込まれた1冊『障害のある子が将来にわたって受けられるサービスのすべて』障害がある子が産まれてから、親なきあとのことまで利用できるサービスを広く紹介されているので、今利用できるものの理解から、将来に向けて準備しておくことまでを1冊読むことで理解でき、漠然とした不安をを解消できそうです。1章は「保育・教育」に関するサービスについて。通所サービスの利用まで種類や利用までの流れ、多様な学びの場についてなどが紹介されています。2章では就労について、3章では障害者手帳によるサービスが、4章では障害者総合支援法に基づくサービスとして、ショートステイや同行援護、相談支援などさまざまなサービスや申請、費用などについての詳細を知ることができます。5章では、障害年金についての基礎知識や請求方法が、6章では親なきあとに向けてどのような制度が活用できるかが紹介されています。親子の視点で振り返る、0才から24才までの発達障害のある子どもの軌跡『ADHDと自閉症スペクトラムの自分がみつけた未来』ADHDと自閉症スペクトラムがある著者のこれまでの軌跡を、自身と母親2人の視点で振り返った一冊。生まれてすぐの様子から、幼稚園、小学校、中学、高校、大学、そして就職までがまとめて書かれています。多動、不登校、就活など、それぞれの時期にある困りごとや葛藤、乗り越えるまでがリアルな感情とともに綴られているため、描かれる場面の様子が鮮明にイメージできます。またこの本の特徴ともいえるのが、当事者である本人の声だけでなく、母親の声が共に紹介されていること。同じ時期に母親が考えていたこと、思ったことも記されているため、保護者としての気持ちに共感したり、こんな捉え方もあっていいんだ、と感じられるはず。子どもの感情を育てるヒントが盛りだくさん!『イラスト版子どもの感情力をアップする本 自己肯定感を高められる気持ちマネジメント50』嬉しい、楽しい、困った、悲しい、毎日たくんさんの気持ちがあふれる子どもたち。その一方で上手くそうした感情とつき合うことができない子どももいます。どのように感情を言葉にすれば良いかが分からなかったり、感情のコントロールが苦手であったりと、一人ひとり困りごとは異なります。この本では、場面ごとに子どもの気持ちを育くみ、自己肯定感を高めるヒントをワーク形式で紹介しています。心理学の専門家であり教育学博士でもある渡辺弥生先生が監修を務めます。イラストが主体のワークに加えてポイントで解説も書かれているので、子どもと一緒に取り組むのにぴったりな一冊です。3つのステップで友達や先生との関わり方を解説する『ソーシャルスキルトレーニング絵カード 小学生低学年版』①こんなとき②こうするよりは③こうしてみてはの”3つのステップ”で、場面ごとに人との上手なやり取りが分かる絵カードです。小学生低学年でよくある状況、お友達とのやりとりなどがかわいらしいイラストで描かれています。3つのステップを効果的に子どもに伝える使い方のヒントも紹介されているので、初めてでも取り組みやすいつくりです。また別売りの「アクトボイスペン」という音声ペンと連携しており、絵カードのセリフを読み上げてくれる仕様になっています。同じ言葉でも声色の違いを直接耳にすることで感情を読み解くヒントに繋がったり、実際の状況に近い練習としても使いやすそうです。教科別サポート方法も!発達に凸凹がある子どもの支援が分かる『小学校特別支援教育 指導スキル大全』発達障害のある子どもは小学校にあがると日常生活だけでなく、国語、算数、理科、社会など勉強で困ってしまう場合があります。教科ごとに必要なスキルが異なるため、学校や家庭での勉強のサポートにも工夫が必要です。この本には日常生活での場面に加えて、教科ごとのサポートのアイデアが沢山載っています。音楽や図工、体育や道徳などバリエーションに富んだ内容になっています。写真や例を沢山用いているため、すぐに実践することができそうです。
2019年04月20日やる気が出る要因には、「内発的動機づけ」と「外発的動機づけ」の2種類があることを知っていますか?子どものやる気を引き出し、それを継続させるためには、内発的動機づけを高めることが重要です。親はつい「早く〇〇しなさい!」と言ってしまいがちですが、そもそも親の言うとおりに行動したからといって、そこに「やる気」はありません。どうやら、子どものやる気スイッチを押すには、ちょっとしたコツが必要なようです。今回は、内発的動機づけの仕組みや、内発的動機づけを高めるための言葉かけについてご紹介します。「内発的動機づけ」と「外発的動機づけ」の違いまず、内発的動機づけと外発的動機づけの違いから見ていきましょう。【内発的動機づけ】自分自身でやる気を引き出して物事に取り組んだり、その行為自体を楽しんだりすることです。たとえば、「ピアノを弾くのが好きだから、毎日欠かさず弾いている」「計算問題を解いていくときの達成感が好きで、算数の授業になるとつい張り切ってしまう」など。物事の結果よりも行為や過程を重視し、その意味を自分なりに見出していることが特徴です。内発的動機づけは、簡単にいえば「それが好きだから、おもしろいからやっている」という状態なので、意識せずとも高いモチベーションを維持することが可能といえます。【外発的動機づけ】内発的動機づけとは違って、賞罰や第三者といった自分以外の何かによってやる気が引き出されることです。具体的には「給料がもらえるから仕事をする」「親や先生に褒められるために勉強をする」など。親が子どもに対してやりがちな「お手伝いをしてくれたらご褒美をあげる」「テストで〇点をとったら欲しかったものを買ってあげる」というのも外発的動機づけに該当します。外発的動機づけもやる気を引き出す方法として有効ではありますが、結局のところ「誰か(何か)にやらされている」状態です。そのため、外発的動機づけばかりに頼ってしまうと、ご褒美がないとお手伝いをしなかったり、テストで高得点をとって欲しいものを買ってもらうためにカンニングをしてしまったりする可能性もあります。子どもの「やる気」は成績に影響する子どもの内発的動機づけは、自分自身でやる気を引き出せるようになることから、学校での成績にも大きく影響するといわれています。ベネッセ教育総合研究所の「小中学生の学びに関する調査報告書(2015)『研究レポート2自律的な理由で勉強することが適応的である』」の中には、このような報告があります。小学生、中学生ともに、「内発的動機づけ」が高く「外的動機づけ」が低い自律的動機づけタイプの子どもが、学校での成績が最もよいという結果が得られました。自律的動機づけタイプの子どもは、“楽しいから勉強する”といった内発的動機づけに基づいて勉強しており、外的な報酬や罰は必要なく、そこから得られる達成感や充足感が報酬となるため、自発的に、そして積極的に学習に従事し、しかも継続的に取り組むことができるのだと考えられます。その結果、望ましい成績につながるものと考えられます。(引用元:ベネッセ教育総合研究所|研究レポート2自律的な理由で勉強することが適応的である)また、内発的動機づけから自分の好きなことに取り組むことができれば、子どもの得意分野や特技を見つけることにもつながります。親がそれを伸ばせる環境を整えてあげることで、やがて子どもが自分に自信を持てるようになったり、特技を生かした将来の職業選択を意識するようになったりするでしょう。実際のところ、大人の場合は「家族を養うために、仕事が嫌でも毎日出勤しなければならない」など、外発的動機づけによる行動がルーティンになってしまうこともあります。しかし、子どものうちに内発的動機づけがスムーズにできるようになっておけば、外的要因に左右されることなく、どんな状況でも自分自身のやる気を引き出せるようになるのです。子どもの内発的動機づけを高める3つの声かけ前述したように、内発的動機づけには結果ではなく過程を重要視するという特徴があります。結果はその日の体調や運、競争相手に左右されることもありますが、過程は子どもが実際に行なってきたことであり、着実に能力として身についていきます。子どもが本当に親に見てほしいのは、この「過程」なのです。そのため、親が子どもの内発的動機づけを高めるためには、以下のような声がけを意識しましょう。■「○○ができてすごいね」内発的動機づけを高めるためには「結果ではなく、それまでの過程をこなせたこと=子どもの能力」を褒めることが大切です。例えば、テストで100点がとれたときは「100点をとれるなんて、すごいね」と声をかけるよりも「問題を正確に、しかも完璧に解けるなんて、すごいね」などの声がけをしましょう。■「成長したね」自分の成長を実感でき、喜べるようになることは、内発的動機づけを高めるのに有効です。たとえ結果が出なくても「この前よりはうまくなったね」「すごく成長したね」と声をかけてあげましょう。すると、子どもは「自分がやってきたことは良いことで、前向きに捉えるべきことなんだ」と認識し、より自分のやる気を引き出せるようになります。■「楽しんでみよう」結果にこだわらず、物事を楽しむという経験は、内発的動機づけにつながります。特に、子どもが新しいことに挑戦したり、苦手なことに取り組もうとしていたりするときには、「まずは楽しんでみればいいんだよ!」と声をかけ、不安な気持ちを取り除いてあげましょう。***子どものうちに内発的動機づけを高めることは、学校での成績や将来設計にも大きく影響します。勉強やお手伝いをさせたいときには、子どもをついつい「物で釣ってしまう」こともありますが、まずは普段の声かけを工夫することで内発的動機づけを高めてみましょう。文/田口るい(参考)PRESIDENT Online|アドラー心理学で解明「やる気」の出し方ベネッセ教育総合研究所|自律的な理由で勉強することが適応的であるホウドウキョク|子どもの“やる気”はどう作る? 自主性を引き出すための“声かけ&質問”を学ぼうPRESIDENT Online|子供が見違える「短い声かけフレーズ10」
2019年04月19日平成18年度から文部省が「早寝早起き朝ごはん」国民運動を提唱したほど、日本の子どもの睡眠不足は問題となっています。成長期の子どもにとって、生活リズムの乱れによる睡眠時間の低下はどのような影響を及ぼすのでしょうか。眠りの専門家である明治薬科大学の駒田陽子先生にお聞きしました。構成・編集/木原昌子(ハイキックス)取材・文/田中祥子写真/児玉大輔(インタビューカットのみ)寝ない子の脳は発達が悪くなる睡眠時間が足りないことによる影響を「脳の発達」「体の成長」「心の発達」の3つに分けて見てみます。まず1つ目の「脳の発達」についてお話ししましょう。アメリカの高校生を調査したデータによると、成績の良い生徒ほど睡眠時間が長く、寝る時間が遅くなるほど成績が振るわないということが20年前に報告されていました。近年の報告でも、ノルウェーの高校生を対象とした2016年の大規模調査ですが、成績が良い生徒は8時間程度の睡眠時間をとっており、睡眠時間が短いと成績が下がる傾向がありました。睡眠と学習は深い関わりがあるのです。脳にある「海馬」は記憶や学習能力に関わる部分です。睡眠の長さと海馬の体積との関連を調べた東北大学の研究によると、睡眠時間を十分にとっている子どもは海馬の体積が大きいことがわかりました。もちろん頭の大きさには年齢による違いや個人差がありますので、それを調整しても睡眠時間と海馬の大きさには相関がみられるため、寝ない子の脳は発達が悪くなるということが言えるでしょう。一夜漬けで寝ずに勉強すると、なんとか次の日のテストはこなせても、1週間後にはその時に勉強したことを忘れてしまいます。また、勉強に限らずスポーツや楽器の演奏などでも、その日にできなかったことが、翌日なぜかうまくできるようになることがありますよね。それは、脳の記憶の仕組みによるものです。頭の中には多くの神経細胞があり、細胞同士が結びつくことにより学習や記憶が行なわれています。人間は寝ている間に、不要な結びつきや重複した部分を取り除いて効率の良い神経回路を作るほか、感情に関わる記憶を整理するために脳のメンテナンスを行い、脳をより良い状態に導きます。つまり、昼間に勉強したり練習したりしたことをしっかりと脳に定着させるには、十分な睡眠時間が必要なのです。文部科学省の全国学力・学習状態調査では、朝食を食べない生徒は成績が悪いという結果もあります。国語と数学の正解率を調べたところ、毎日朝食を食べる生徒に比べ、まったく食べない生徒は20点近く下がる傾向にありました。朝食を食べない理由のほとんどは起きる時間が遅いからというもの。睡眠時間がしっかりと取れていれば早起きができ、朝食が食べられるという好循環が生まれるのです。睡眠不足と肥満の意外な関係「体の成長」に関しても、睡眠は重要な役割を果たします。体内では、寝ている間にさまざまなメンテナンスが行われているのです。体の機能を正常にコントロールする物質である、ホルモン。その中でも、体を作る働きがある「成長ホルモン」は、子どもが大人へ成長していくために大切な骨や筋肉を発達させるものです。この成長ホルモンは、睡眠の前半に現れる深い眠りのときに集中的に分泌されることがわかっています。睡眠をしっかりとらず成長ホルモンの分泌が不十分な場合、子どもたちの体の発育に影響が出ることが考えられます。また、成長ホルモンは傷ついた細胞を修復し、免疫力を高める力もあり、病気になりにくい体づくりのためにも重要なもの。さらに脂肪を分解する作用もあるので、成長ホルモンが足りないと肥満になってしまいます。同時に、肥満になると成長ホルモンが出にくくなる傾向も。睡眠と肥満の関係には深い関係があるのです。これに関する興味深いデータを紹介しましょう。平成元年生まれの富山県在住の児童1万人を対象として追跡調査を行った研究では、幼少期の睡眠時間と思春期の肥満が関連するということが報告されています。3歳の時に睡眠時間が11時間だった子どもと9時間未満の子どもを比べると、中学1年時での肥満の発生率には1.6倍もの違いが。睡眠が短い子どものほうが10年後に肥満になりやすいことが分かったのです。また、小学1年生から4年生にかけて充分な睡眠時間を確保した子どもは肥満発生リスクが最も少なく、睡眠不足の子どもは肥満リスクが1.4倍に上昇していました。これもホルモンによる影響だと思われます。睡眠をきちんと取っていると、食欲を抑える「レプチン」というホルモンが分泌されます。逆に食欲を高める「グレリン」は睡眠が減ると分泌が増えます。大人を対象とした研究では、8時間睡眠の人に比べて5時間睡眠の人は「レプチン」が15.5%減少し、「グレリン」が14.9%増加したと報告されています。睡眠不足になると、気付かないうちに食欲が旺盛になって、食べ過ぎて太ってしまうのです。不登校のかげにも睡眠の問題睡眠不足による「心の発達」への影響は、親御さんにとっても特に気になるポイントでしょう。睡眠が短い子どもは、「気持ちが落ち込む」「死にたい」といった悩みを訴えるリスクが上がってくるというデータがあります。アメリカで2万人の青年を対象とした調査では、就寝時間を夜11時以降で良いとしている家庭は、夜10時前に寝るようにしつけている家庭に比べて、子どもの睡眠時間が40分程度短く、鬱になるリスクが約1.24倍に上がっていました。また同じくアメリカの研究ですが、6~13歳の健康な子どもを対象に10時間の睡眠を連続5日間とらせた場合と、6.5時間の睡眠をとらせた場合の落ち着きのなさを比較した実験があります。それによると、10時間睡眠を続けると子どもは落ち着いた状態を保つ一方で、6.5時間睡眠になると日を追うごとに落ち着きのなさが増加することがわかりました。現在、不登校の小学生の児童数は3.5万人にのぼり、大きな社会問題になっています。不登校のきっかけの多くは「学校に行こうという気持ちはあるが体の調子が悪い(42.9%)」や「生活リズムの乱れ(34.2%)」です。不登校児童には睡眠専門外来を訪れる方も多く、そこに至る過程をたどると、幼少期から夜型の生活を送っていたという子どもが少なくありません。寝不足になると気分が悪く集中力がなくなります。大人は理性が働き、ある程度抑えることができますが、未成熟な子どもは抑えることができません。これにより、イライラする、友だちと仲良くできない、などの心の問題が表面化してしまうのです。また、睡眠時に記憶が定着することは先程お話しましたが、睡眠不足になると記憶力が悪くなるばかりか、楽しいことに関する記憶が減ってしまいます。一方で、嫌な記憶はあまり減っていきません。さらに、就寝が遅いと「自分のことが好き」と答える割合が低くなり、自己肯定感にも影響するという調査報告もあります。気持ちが落ち込むのはこういった影響もあると考えられます。大人は睡眠不足を解消するために土日に寝だめをするという人もいますが、毎日少しずつ貯まっていった睡眠不足=「睡眠負債」は残念ながら週末の寝だめで解消することはできません。これは子どもも同じことです。寝だめのために週末の就寝時間、起床時間がずれてしまうことは、体内リズムを崩す原因になり、睡眠負債を解消することにはつながらないのです。長年にわたる睡眠不足が脳、心、体に大きな影響を与えないよう、子どものころからしっかりと睡眠時間を確保する生活を心がけましょう。***睡眠不足になることで子どもの体や心にあらゆる影響があり、生活や学習に支障をきたすことがわかりました。日常生活を送っていると睡眠に関わる疑問が多くあります。次回は、カフェインやお昼寝など、普段の生活での睡眠に関するさまざまな疑問に答えていただきます。■ 明治薬科大学准教授・駒田陽子先生 インタビュー一覧第1回:“世界一寝不足”な日本の子ども。「11時間37分」が示す、眠りにまつわる切実な問題第2回:寝るのが遅いと自己肯定感が下がる。デメリットだらけの「子どもの睡眠不足」第3回:「昼寝のせいで夜なかなか寝ない」問題の解消法。朝のグズグズ防止にも効果大!(※近日公開)第4回:「起きる時間」を意識させるだけ!子どもの早起きを楽にするちょっとしたコツ(※近日公開)【プロフィール】駒田陽子(こまだ・ようこ)明治薬科大学 リベラルアーツ准教授。早稲田大学にて博士号(人間科学)取得。日本学術振興会特別研究員、国立精神・神経医療研究センター特別研究員、東京医科大学睡眠学講座准教授を経て現職。日本睡眠学会、日本時間生物学会の評議員を務める。睡眠が心身の健康に及ぼす影響の研究に従事。
2019年04月15日ふだんから、愛情を言葉にして子どもに伝えていますか?言葉で言わずとも、日頃の態度やスキンシップで伝わっているはず……と思っている方も多いのではないでしょうか。愛する気持ちを伝えるのが苦手な傾向にある日本人ではあるけれど、恥ずかしがらずに、子どもの前ではストレートに「大好きだよ」と気持ちを伝えてみましょう。すると、親子間のコミュニケーションだけでなく、意外な部分にも効果がみられるそうなのです。愛情を受け止めている子は、自立心も育つ幼児期に日頃からスキンシップや言葉で愛情を与えてばかりいると、べったりと親離れしなくなると考える人も少なくないと思います。けれどもそれは、実は逆。子どもが社会性を持つには、まず親からの愛情をたっぷりと受け止めている必要があるようです。20世紀半ばに、愛着に関する最初の見解がもたらされたころ、保育園でつぎのような事実が確認されました。親とつながりを持つ子どもほど、一時的な親との別れによりよく対処できることがわかったのです。子どもの母親をよく知っていれば、保育士が信頼できる子守役となるのもたやすくなります。子どもたちは保育士を信用し、二次的な愛着心を抱くようになるのです。(引用元:デズモンド・モリス(2010) ,『デズモンド・モリス子どもの心と体の図鑑』,株式会社 柊風舎.)もしも、保育園や幼稚園に入園するにあたり親離れできない子に困っているのなら、今一度、子どもへの愛情表現を見直してみるのもいいのかもしれません。たとえば、毎朝「おはよう」のあいさつの後にギューっと抱きしめながら「大好きだよ!」と言葉にして伝えるのです。子どもをほめ、たくさん抱きしめて安心させ大げさなほど愛情表現をする母親は、それより感情表現の乏しい母親に比べて、我が子が世界を探検する準備ができていることに気づくでしょう。そっけなく、ぶっきらぼうな母親は、子どもを心細くさせます。(引用元:デズモンド・モリス(2010) ,『デズモンド・モリス子どもの心と体の図鑑』,株式会社 柊風舎.)子どもの社会的、感情的な成長、そして自立には、親からの愛情表現が少なからず影響していると言えそうです。自己肯定感を育むことができるのは「存在承認」生涯学習開発財団認定コーチであり「子育てコーチ」として執筆や講演で活躍中の川井道子さんは、『“言うことを聞かない子”が、おどろくほど変わる!「HAPPYワード」7つの法則』(柏書房)のなかで、言葉かけでは「行動承認」だけでなく「存在承認」を大切にすることを説いています。*存在承認=存在そのものに対する承認「生まれてくれて、ありがとう」「あなたがいてくれるだけで、うれしい」など*行動承認=行動に対する承認「◯◯ができてえらいね」「◯◯してくれたから、大好きよ」など(引用元:川井道子 (2014) ,『“言うことを聞かない子”が、おどろくほど変わる!「HAPPYワード」7つの法則』,柏書房.)ふだん使われているほめ言葉のほとんどは、「行動承認」によるもの。子どもにポジティブな声かけをするときは「テストで満点」「スポーツで1位」など、人より優れた部分をほめることが多いと思います。でも、そればかりが増えてしまうと、子どもは「人より優れていないと認めてもらえないんだ」と感じてしまうようになるのです。でも、特別な「良くできたこと」や「いいところ」が見つからなくても大丈夫。日頃から「存在承認」による言葉かけをすることで、子どもは自ずと自己肯定感を育むことができるのです。「ありのままのあなたを愛している――」具体的には、以下のような言葉が有効だと言えそうです。「いつだって◯◯ちゃんが大好きだよ」楽しんでいるときも悲しんでいるときも、ギュッと抱きしめながら伝えたい言葉です。「生まれてきてくれてありがとう」何ひとつできなくても愛しかった赤ちゃんの頃を思い出して。親でいられることの喜びを伝えましょう。「がんばっているね!」ただ結果を待つのではなく、がんばっている子どものありのままの姿をほめてあげましょう。「結果は気にせず、楽しんでおいで」テストや試合がどんな成績を残したとしても、愛情に変わりがないことが伝わる言葉です。「愛されている自覚」が勉強する姿勢を変えるまた、子どもに愛情を伝えることは、勉強に対する姿勢にも好影響を与えるようです。精神科医で和田秀樹こころと体のクリニック院長の和田秀樹氏は、母親は子どもに対し、勉強するから愛しているのではなく、愛しているから勉強してほしい、というメッセージを伝える必要がある、と言います。「勉強しないとお母さんに嫌われるから勉強する。お母さんが恐いから勉強する」というマイナス感情で勉強させるのではなく、「お母さんは僕のことを愛してくれている。僕が勉強すると、大好きなお母さんがもっと喜んでくれるから勉強する」 というプラス感情の方向に持って行ってあげてください。(引用元:和田秀樹(2013) ,『勉強ができる子に育つお母さんの習慣』,PHP研究所.)何かを学ぶとき、マイナス感情が動機になるよりも、プラス感情が動機となって励むほうがやる気が増してくるのは当然のこと。親の「大好きだよ」「愛しているよ」といった存在承認による声かけが、「もっと頑張ろう!」という励ましにつながっていくのです。小学校も中学年以上になると、親子のスキンシップも段々と減っていくものですが、言葉かけはいくつになってもできるもの。「◯◯ちゃんが生まれてきてくれて本当にうれしいんだよ」、「うまくいかなくても、お母さんが◯◯のことを大好きなのは変わらないよ」というような言葉かけを折に触れ重ねていくことで、子どもの自立心と向上心が育ち、親自身も親子関係を見つめ直すことができるはずです。***大人になって素直な気持ちを口にするのには気恥ずかしさもありますが、言葉にしないと伝わらないこともあるものです。子どもからの「ママ、パパ、大好きだよ」がこのうえない喜びであることと同じように、子どももまた、親からの「大好き」を心から喜んでくれるはず。ぜひ日常生活に「大好き」のセリフを取り入れていきましょう。文/酒井絢子(参考)PRESIDENT Online|子供が見違える「短い声かけフレーズ10」PHPファミリー|親の言葉が子を幸せにする!わが子にプラス言葉のシャワーをAll About|育て直しは何歳からでもできる効果的に伝わる子どもの愛し方デズモンド・モリス(2010) ,『デズモンド・モリス子どもの心と体の図鑑』,株式会社 柊風舎.川井道子 (2014) ,『“言うことを聞かない子”が、おどろくほど変わる!「HAPPYワード」7つの法則』,柏書房.和田秀樹(2013) ,『勉強ができる子に育つお母さんの習慣』,PHP研究所.
2019年04月13日「〇〇さんは地頭がいいから」「地頭がいい人だと思ってた」など、地頭がいい、悪いという言葉を耳にすることがあります。学力では測れない頭の良さという意味で使われるこの言葉ですが、実際のところどのような能力を表しているのでしょうか?今回は、地頭のよさを考えるとともに、子どもの地頭を鍛えるための簡単な日常トレーニングをご紹介します。地頭とは「思考力」まずは「地頭」という言葉の意味を改めて確認してみます。大学などでの教育で与えられたのでない、その人本来の頭のよさ。一般に知識の多寡でなく、論理的思考力やコミュニケーション能力などをいう。「地頭がいい」「地頭を鍛える」(引用元:デジタル大辞泉|じ‐あたま〔ヂ‐〕【地頭】)※太字は編集部にて施したまた、『地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」』などの著作で知られ、地頭ブームの火付け役であるコンサルタントの細谷功さんは、特に「思考力」を地頭として定義しています。つまり、近年耳にする地頭は、主に「思考力」を表していると言えるでしょう。細谷さんは、「地頭を鍛えることで課題を論理的に考え、解決策を導き出すことができる」と述べています。地頭力(=思考力)、子どもの将来の活躍のために、ぜひとも小さいうちから鍛えておきたいですね。東大で求められる力も「思考力」また、受験においても地頭は役立ちます。代々木ゼミナール講師の土田竜馬さんは、日本最難関大学である東京大学の入試で求められる力について次のように述べています。東大入試では、(1)基礎学力を測る問題、(2)思考力・洞察力が必要となる問題が出題されますが、東大の入試問題の特徴といえば(2)にあります。主に整数・確率の分野で独創的な問題が出題されます。これは、東大のアドミッション・ポリシーに描かれている「自ら主体的に学び、各分野で創造的役割を果たす人間へと成長していこうという意志を持った学生」を望んでいるからであり、「知識を詰めこむことよりも、持っている知識を関連づけて解を導く能力の高さを重視」しているからだと思います。(引用元:Business Journal|東大理系数学の入試問題の特徴と、そこに込められた東大側の狙い)これは、東京大学の入試では地頭、つまり「思考力」が求められているということを表します。「東大を目指しておけば他の大学はどこでも狙える」というほど応用力に定評のある東大入試。地頭を鍛えることは学業、仕事とともに役に立つと言えます。地頭は「熱中体験」によって鍛えられる!地頭と聞くと、字面から見て、生まれつきのものと考えてしまいがち。でも、じつは鍛えることができるのです。では、どんなときに地頭が鍛えられるのでしょうか。脳科学者の茂木健一郎さんは、「地頭は何かに熱中する体験によって鍛えられる」とし、以下のように話しています。こんなとき、地頭の良い子の親はどうしていると思いますか?実は「子どもに自分で選ばせている」のです。(中略)自分が選んだテーマに対する強い好奇心と探求心。これこそ地頭が良いということに他なりません。(引用元:日経デュアル|茂木健一郎「理三を目指すような子には育てるな」)地頭を鍛えるには、強い好奇心や探求心を持ち、好きなことに熱中することが大切なのですね。この熱中体験と地頭の関係性について、教育評論家の親野智可等さんも同じ意見をお持ちのようです。子どもがアンパンマンに夢中になっていると、「そんなのいくら覚えたって、テストに出ないよ!」などと言ってしまいたくなるかもしれませんが、そのときに子どもの脳の性能が良くなっているのです。つまり、“地頭を良くする”ためには、好きなことを応援してあげることが一番重要なのです。(引用元:日経デュアル|子ども地頭をよくするたった1つの方法)Study Hackerこどもまなび☆ラボでも、子ども時代の「熱中体験」や「ハマり体験」はあと伸び力につながるとお伝えしてきましたが、熱中体験をすることで地頭も鍛えらるのであれば、我が子にはぜひとも何かにハマってほしいものです。家庭内「アクティブ・ラーニング」で地頭を鍛えよう!電車や虫など、時間を忘れて夢中になれるものがある子はいいですが、とくに好きなものがないという子だって多いはずです。そんなときはどうしたらよいのでしょう?都留文科大学の特任教授であり、教育デザインラボ代表理事の石田勝紀さんは、家庭内で「アクティブ・ラーニング」を実践することをおすすめしています。アクティブ・ラーニングは、これまでの「記憶型教育」ではなく「探究型教育」です。日常生活の中で、「おもしろい!」「もっと知りたい!」と子どもが感じれば、もうその時点で「好奇心」と「探求心」が育っています。そして親は、その好奇心の芽をつまないように、子どもと一緒に考えてあげればよいのです。その時間こそが、子どもの地頭を鍛えることになるのですから。では、地頭を鍛えるためのアクティブ・ラーニングの2ステップを紹介します。【STEP1|日常から疑問を引き出す】まずは、子どもに普段から疑問を投げかけてみることを心がけましょう。『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』で知られる、東大生の西岡壱誠さんは、身のまわりのものを考える契機にしたり、得た知識を身のまわりのものに関連づけたりすることで「考える力」が身についたそうです。子どもに投げかける質問も、普段の生活から引き出すと良いでしょう。また、YES・NOで答えられない質問にすることもポイントです。「秋になって赤くなる葉っぱと緑色のままに葉っぱはどういう違いがあるだろう?」「昼間はなんで星が見えないんだろう?」「カエルの耳ってどこにあるの?」などです。慣れてきたら、「今日は5つ不思議なことを見つけてみようか」など、子ども自身に疑問を見つけさせると良い訓練になります。「なぜ?」と思うことは、熱中体験への第一歩です。親がどんなことでもおもしろがってあげることが、子どもの思考力につながります。【STEP2|疑問に思ったことを分析する】次に、出てきた疑問は「いま知っている情報」から考えるよう促しましょう。先ほど挙げた質問の具体例に対応させると「公園に行って一緒に木を見てみようか」「昼に望遠鏡で空を見てみようか」などです。わからないからといって「Google先生に聞いてみよう!」というのはナシですよ。子どもがその質問に対して、例えば「赤くなる葉っぱのほうが多い」のように答えたとします。そうしたら、「どうして赤くなる葉っぱは多いんだろう」などとさらに深める質問をしましょう。この際、どのような答えが出たとしても、親は優しく受け止めてあげてください。このワークは、「疑問を分析して考える」ことに意味があるからです。これらの2つのステップを繰り返し行なうことで、だんだんと自分から疑問を見つけ出し考えるようになります。そうしていると習慣づけられ、難しい問題に直面しても諦めずに考える思考力、つまり地頭が鍛えられるのです。質問をくり返しているうちに、子どもの「好きなこと」が発見できるかもしれませんね。***前出の石田さんは、こう話しています。「本当に勉強ができる子は、勉強を勉強とは思っていません。おもしろいからやっているのです。こういう子は、日常の生活の中で、さまざまな物事に出会い、そこからおもしろさを発見しています」お子さまの地頭を鍛えるために、親子でたくさん疑問を探してみてくださいね。(参考)デジタル大辞泉|じ‐あたま〔ヂ‐〕【地頭】Study Hacker|医学生が教える「地頭力」を鍛える3つの方法Business Journal|東大理系数学の入試問題の特徴と、そこに込められた東大側の狙いプレジデントオンライン|面倒でイヤな課題が「地頭」を鍛えるStudy Hacker|「自分で考えられない人」に足りない2つのこと。超効率的に『考える力』を身につける習慣とは?東洋経済オンライン|「地頭のいい子」は家庭内の習慣で作られる!Study Hackerこどもまなび☆ラボ|知的好奇心がぐんぐん伸びる!東大生の多くが経験している「ハマり体験」とはStudy Hackerこどもまなび☆ラボ|“後伸び”する子としない子の違い。成長後に学力が急伸する幼少期の過ごし方
2019年04月07日子どもは褒めて伸ばす――。よく耳にする言葉ですが、とくに最近は教育業界で頻繁に聞かれるキーワードです。そして、EQWELチャイルドアカデミーの主席研究員・浦谷裕樹先生もその重要性には賛同するひとり。先生が注目する、自己肯定感、忍耐力、協調性、やり抜く力、自制心、共感力、リーダーシップ、誠実さ、創造性、コミュニケーション能力といった「心の知能指数」である「EQ」を伸ばすためにも、「褒める」という姿勢は大切な要素だといいます。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/榎本壮三(インタビューカットのみ)「安心感」が子どもの心と才能を育む子どものEQを伸ばす、心を豊かにするためには「褒める」ことが大切です。そして、まずは「褒める」以前に「認める」必要があります。親に自分の存在を認めてもらえる、丸ごと受け止めてもらえると、「自分はここにいていい存在なんだ」と子どもは「安心感」を得る。この安心感こそが、子どもの心と才能を育むために重要なものだからです。これは大人でも同じではないでしょうか。たとえば、新たに入社した会社にはじめて出勤するときは、誰もがドキドキするものでしょう?そういう心理状態では、なかなか本来の力を発揮できません。でも、新しい会社に徐々に慣れ、上司や先輩に仕事ぶりを認められ褒められれば、「自分はここにいていいんだ」「組織に必要とされているんだ」と思えるようになる。そして、より自分らしく仕事ができるようになり、持っている能力を発揮できるようになるのです。親が子どもを認めることの効果は、東大生へのあるアンケートにも顕著に表れています。そのアンケートでは、「東大生の親の96%は子どもの話をよく聞いた」という結果が示されました。しかも、興味深いことに、これは親ではなく東大生自身におこなったアンケートなのです。東大生が自分の子ども時代を振り返って、「親はよく話を聞いてくれた」と答えたわけです。着目すべきは、親が自分を良く見せようとしたわけではなく、子ども自身が親に認めてもらえたと感じていたということです。もちろん、このことが直接的に学力を高めたとはいえないかもしれません。でも、EQが高まれば、学力がさらに大きく向上することがわかっていますから(インタビュー第1回参照)、親が受け止めてくれたことで子どものEQが高まり、東大に入学できるほどに学力も高まったという推測もできるのではないでしょうか。子どものEQを高める褒め方のコツさて、子どもの存在を認めたら、今度はしっかり褒めてあげましょう。ただ、褒めて伸ばすことが大切とはいえ、やたらに褒めればいいというものではありません。たとえば、いわゆる「能力褒め」は子どもの成長にとってマイナスにも働きます。もともと持っている能力を褒めると、やる気を失ってしまうことにもなるのです。このことは、ある実験の結果ではっきりと示されています。その実験では、まず小学生を対象に知能テストをおこないました。そして、同じくらいの点数だった子どもたちをふたつのグループにわけ、ひとつのグループに対しては「能力」を褒めた。「頭がいいね、かしこいね、天才だね」といった具合です。一方、もうひとつのグループに対しては、「よく頑張ったね、最後までやり抜いたね」といったふうに「努力」を褒めました。その後、2回目のテストではわざと難しい問題を出しました。どちらのグループも能力は同じくらいの子どもたちですから、全員の点数ががくんと落ちます。続いて、3回目のテストでは1回目と同じくらいの難易度のテストを出しました。すると、能力を褒められたグループは1回目より点数が下がったのに、努力を褒められたグループは1回目より点数が上がったのです。これはどういうことなのでしょうか?ポイントは2回目のテストで「点数が下がった」ということです。その要因を、能力を褒められた子どもたちは、「これは自分に能力がないからだ」と考えてしまう。「自分には能力がない、だからこれ以上勉強をしても仕方がない」と勉強をやめてしまった。そして、3回目のテストでは1回目より点数が下がるという結果になったのです。一方の努力を褒められたグループはどう考えるかというと、2回目のテストで点数が下がった要因を「努力が足りなかったからだ」と考える。努力が足りなかっただけなのですから、子どもたちは「もっと頑張ろう!」と思い、いっそう努力をします。そうして、3回目のテストでは点数が上がったというわけです。やり抜く力やチャレンジ精神といったEQの伸びに関して、褒め方のちがいが大きく左右したことの証といえるでしょう。叱るときは子どもを「教え諭すチャンス」もちろん、「褒めて伸ばす」とはいっても、子どもが約束を破った、他人を傷つけたといった問題を起こした場合にはきちんと叱る必要もあります。意識してほしいのは、そういう場面を「子どもを教え諭すチャンス」だととらえるということ。子どもがなんらかの問題を起こしてしまったときは、子ども自身も「まずい、どうしたらいいんだろう……」と思っています。つまり、学びやすいタイミングなのです。そのとき、教え諭すのではなく、「子どもを怒るチャンス」だととらえて感情任せに怒りを爆発させては、子どもはほとんどなにも学ぶことができません。「怒る」のではなく、起こしてしまった問題への対処法を「教え諭す」のです。そのためにも、親自身が冷静になり、「1分以内」くらいの短い時間で叱ることを心がけましょう。お説教が長時間に及ぶと、子どもは途中からなぜ叱られているのかすらわからなくなるものです。結果的に、子どもの行動にはなんの変化も起こらないということになりかねません。もちろん、理性的に叱るべきだと頭ではわかっていても、子どもが起こした問題によっては、つい感情を爆発させてしまいそうにもなるものです。わたしも、こう語りながらも、自分の子どもに対してはそうなってしまいそうになることもありますけどね……(苦笑)。そういうときにおすすめしているのが、「一度、その場を離れる」ということ。物理的に距離を取るのです。「一度、見なかったことにする」といってもいいでしょう。さらには、特定の言葉を使うことも効果的です。「ま、いいか」「そういうこともあるよね」と口にする。これらの行動で、感情ではなく理性のほうに脳がスイッチするため、冷静になれるわけです。子どもをしっかり認めて褒めて、必要なときには怒るのではなく叱る。子どものEQを高めるため、つねに心がけてみてください。『子どもの未来が輝く「EQ力」』浦谷裕樹 著/プレジデント社(2018)■ EQWELチャイルドアカデミー・浦谷裕樹先生 インタビュー一覧第1回:幼児教育ブームのなかで今注目の「EQ、非認知能力」って何のこと?第2回:「頭の力」には「心の力」こそ必要。EQが高いと優秀な子に育つ納得の理由第3回:父親流の「厳しい愛情」が子どものEQを伸ばす。人間性と学力を高める親のかかわり方第4回:お説教は「○分以内」で。子どものEQを高める“叱り方の正解”とは【プロフィール】浦谷裕樹(うらたに・ひろき)1972年7月31日生まれ、東京都出身。EQWELチャイルドアカデミー・新未来教育科学研究所主席研究員。工学博士、理学博士。京都大学理学部卒業、京都大学大学院理学研究科修士課程修了。高校時代に「人間の可能性はどこまで伸ばせるのか」との問いを抱き、学生時代より古今東西の能力アップ法を研究開始。現在は「楽しく、わかりやすく、ためになる」をモットーに全国で講演活動中。とくに参加型のトレーニングやワークを盛り込んだセミナーを得意とする。著書に『メンタルウェルネストレーニングのすすめ』(エコー出版)がある。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2019年04月06日うちはモフモフ暮らし
めまぐるしいけど愛おしい、空回り母ちゃんの日々
子育ては毎日がたからもの☆