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国語・算数・理科・社会――各教科の学習と、アート教育、どちらが大切か。そう聞かれたら、あなたはなんと答えますか?アート教育も大切だとは思いつつ、実際は教科の学習に重きを置いている。そんなご家庭も多いのではないでしょうか。教科の勉強と芸術教育はまったくの別物だと考えられがちですが、じつはそうではありません。相違点もあれば、共通点もあります。さらに、互いに活用できる要素も多く存在するのです。たとえば、アート教育の手法から各教科の学びに生かせることはたくさんあります。今回は、美術鑑賞教育法として生まれた「対話型鑑賞」を、算国理社4教科の学びに活かす方法をお教えします。学校がお休みになり、いつもより時間に余裕のある春休み。家庭での親子の対話で、従来の学習では習得が難しい大切な力を磨いてみませんか。成績至上主義では難しい、「対話」で得られる7つの力人間の知の基本フレームは、小学生の時期に形成されます。子どもの思考や感性が形成されるこの大切な時期に、あらかじめ定められた解答を単に繰り返すだけの作業や、一問一答式のテスト結果などの目先の成果を優先してしまったら、どうなるでしょう。子どもたちの、自ら学び創造する力、じっくりと考える力、多様な視点や解釈の可能性を受け入れ、自分とは異なる他者を受容して理解する力を削いでしまうのではないでしょうか。それを避けるためには、対話による学びが有効です。対話型鑑賞をとおして得られる7つの力は、これからの時代に必要不可欠な能力ばかり。どれも、生きる力につながる大切な能力です。観察力推論する力表現力再考する力共感力コミュニケーション能力主体的に学ぶ力そして、この7つの力は、特別なことをしなくても、親子の対話をとおして身につけることができるのです。「答えは?」「速く!」はNGワード。5つのコツと3つの問いかけ教科の学びでは、一定の時間内にひとつの正しい答えを求める局面が増えてきます。したがって、いかに「速く」「正解」を導くことができるかが問われるようになります。そんななか、解答に至るまでの思考のプロセスは、なかなか評価してもらえません。これは、テストの成績至上主義の弊害だといえるでしょう。そこで、家庭では、成績至上主義で見過ごされがちなことを、対話をつうじて積極的に補ってあげてください。親子で対話をするときに気をつけてほしいポイントは、以下の5つです。1. 子どもの思考のプロセスをたどる思考力・想像力・メタ認知能力などの大切な力は、思考のプロセスをたどることで培うことができます。ただし、子どもはふだん思考の過程を伝えるのに慣れていないので、最初は親御さんのサポートが必要です。お子さんの発言を丁寧に拾いながら、対話をとおしてひとつひとつ探っていきましょう。◆気づいたこと、考えたことは?◆どこでそう気づいたの?なんでそう考えたの?◆ほかに発見はある?この3つの問いかけで、子どもの思考のプロセスを引き出すことができます。2. 思考のプロセスを「見える化」する思考の過程を言葉にすることに慣れてきたら、お子さんの発言を図示したりメモに残したりして「見える化」することをお勧めします。過去と現在の子どもの思考をつなげたり、振り返って次の思考に役立てたりすることができるでしょう。手を動かすことが論理的思考を刺激し、表現力を高めることはよく知られています。最終的には、子ども自身でも思考のプロセスを残せるように仕向けられるといいですね。親が手を動かして思考の軌跡を記す姿を見ていると、子どもも自然にまねるようになるものです。3. 間違いを恐れないはじめにたどりついた答えが正解ではないことを、恐れないでください。何度つまずいてもいいのです。思考のプロセスに誤りはひとつもありません。つまずきは、新たな思考の飛躍につながる大きなステップ。キラキラ輝く宝物のような存在なのだととらえましょう。4. 解答スピードを気にしない一刻も早く正答を見つけなければならないという強迫観念を捨ててください。すぐに正解できなくてもいいのです。どれだけ時間がかかるかは問題ではありません。頭を使って考えた時間そのものが大切な財産となります。5. 大人が教えない親が教える立場に立ってはいけません。大人としての権威を示す場面はここではありません。子どもと一緒に試行錯誤しながら、ともに歩んでいく姿勢を保ちましょう。私たちにできるのは、ファシリテーターとして、対話をとおして子どもの考えを引き出すこと。あくまでも主人公は子どもです。親はサポート役に徹しましょう。【国語】対話をとおして俳句を味わう各教科の学習内容に「対話」のエッセンスを入れると、どんな学びになるのでしょう?まずは国語からお話します。定番の「俳句」を使って対話型鑑賞に挑戦してみましょう。閑さや岩にしみ入る蝉の声短い5・7・5のなかに、さまざまな意味が込められている俳句。そんな俳句は解釈の多様性にあふれています。言葉から喚起されるイメージを、子どもと対話しながらふくらませていってください。親御さんも見慣れた松尾芭蕉の名句なら、気軽に取り組むことができるはずです。対話のポイントは、定説を押しつけないこと。素朴な疑問からスタートしていいのです。たとえば、このような発問を交えると効果的です。蝉が鳴いているのになぜ静かなの?岩にしみ入るってどういうこと?蝉なのになんで「声」なの?蝉は何匹いるんだろう?どんな情景が思い浮かぶ?決して正解はひとつではありません。この俳句なら、「静けさとは心の静寂を表している」という解釈以外にも、「蝉は何万匹もいてその声は耳を圧するほどうるさいが、その一定の大音量のなかにいてフッと意識が遠のく感覚を静けさと表現した」と解釈をすることもできます。お子さんと一緒に、対話をとおして自由な鑑賞を楽しんでみてください。対話による韻文の鑑賞で培った力は、長文の読解にも役立ちます。さらに、対話を終えてから、感じたことや考えたことを自由に記述する機会を設けることで、論理的な思考力や表現力を高めることもできます(詳しくは『語彙力と読解力はアート鑑賞で伸びる!写真と俳句で「国語力」を高める5つのポイント』をご覧ください)。【算数】三角形の面積の出し方について話し合うこの三角形の面積を答えよ。なぜ「底辺×高さ÷2」の計算式で三角形の面積が出せるのか説明せよ。たとえば三角形の面積のように、算数では答えがひとつに定まることがほとんどですが、正解に至るまでのプロセスは幾通りもあります。大切にしたいのは、その思考のプロセス。子どもたちは正しい答えを導くまで、さまざまな試行錯誤を繰り返します。その過程でのつまずきを大切にしましょう。頭で考えるだけではなく、実際に手を動かして図に書いてもらうのも効果的です。子どもの行動の根拠を尋ねながら、一緒にどうすれば答えを導けるか、その足跡を残していきましょう。算数では、「直角は90°であるとする」というように、前提を元に考えられるということを、子どもが自然に気づけるようになるといいですね。【理科・社会】対話で図表の見方を深める理科では、アート作品の鑑賞と同じように、さまざまな写真や図表から、対話をつうじて有意義な学びを得ることができます。動植物、地質、星座や宇宙の仕組みなどについて、写真や図表を見ながら語り合うことで学べることはたくさんあります。また、目に見えない原理を現象から探る電気や力学などの物理学では、目に見えないものを伝達するために、言語化や数式化が必須です。因果関係を推論し、検証する際に、対話の学習が効果を発揮することでしょう。社会でも、国勢調査や歴史年表など、対話の素材として使える図表はたくさんあります。たとえば、日本・世界各地の写真や歴史資料を見ながら、それぞれの土地や時代の暮らしについて話し合ってもいいでしょう。小学校高学年の子どもであれば、何の資料なのか示さずに、対話をつうじて「この資料が指しているデータは何なのか」を探っていくのもおもしろいはずです。都道府県別の鉄鋼生産量のグラフなどを用意し、何についてのグラフなのか、親子で話し合ってみましょう。今まで習った知識を整理し、知っている情報をもとに推論する力を磨くのに役立ちます。社会や理科で行なわれる比較や分類は、さまざまな視点から比べ、分けられています。たとえば、地域や時代の比較、動植物の分類など、あげればキリがないほどです。対話の際は、今見ている図表やデータは、どのような視点で比較・分類されたものなのか、子ども自身で考えられるよう、促してあげてください。子どもの生きる力を育むためにテストの成績至上主義は、子どもの思考力、非認知能力、メタ認知能力、創造力、他者の立場に立って考えるための多様な視点、ひいては自ら学び判断するという生きる力を削ぐ結果になりかねません。それを避けるためにも、対話をとおして、子どもの思考のプロセスをたどっていきましょう。人生において、正解はひとつだけではありません。たとえ途中で失敗しても、決して無駄にはなりません。結果だけでなく、過程も大切にする親の姿勢は、必ず子どもにも伝わるはずです。それはきっと、お子さんが学びを深めるうえでも、人生を歩むうえでも、大きな糧になることでしょう。(参考)フィリップ ヤノウィン 著, 京都造形芸術大学アートコミュニケーション研究センター 訳(2015),『学力をのばす美術鑑賞』,淡交社.
2020年04月12日編集部:学研キッズネット編集部プログラミングやSDGsなどの新たな学びに関するメディア「みらいい」を運営する株式会社イノビオットは、2020年3月3日にプログラミング教育など先端教育を動画で楽しく体験する「みらいいチャンネル」を開設し、4月11日から「みらいいチャンネル」においてLIVE配信を活用したプログラミング教育の模擬授業を開始することを発表しました。模擬授業配信の背景2020年4月より小学校でプログラミング教育が必修化されます。IT化が進み、ロボットやAIが普及する世の中において、プログラミングを理解することはとても重要です。さらに、プログラミング的思考により、物事を順序立てて考えることやトライアンドエラーを繰り返しながら考えることができるようになると期待されています。このような背景から、小学校でプログラミング教育が必修化されましたが、事前の周知や教育環境の整備などの課題も多く見受けられます。そこで、イノビオットでは、プログラミングやSDGsなどの新たな学びに関するメディア「みらいい」を運営しており、これまで保護者の方々に向けてプログラミング教育必修化に関連する情報を発信してきた。小学校での必修化が2020年4月に開始されることを受け、親子、さらには子どもだけでも楽しく体験できるように「みらいいチャンネル」を開設し、3月16日からは小学校への休校要請を受けて、自宅で過ごす子どもたちに有意義な時間を過ごしてもらうことを目的としたLIVE配信を実施した。また、今回の新型コロナウイルス感染症の拡大防止に伴う小学校への休校延長や外出自粛の要請を受け、子どもたちの小学校や学習塾での学習の遅れを少しでも取り戻すべく今回の取り組みを実施することを決めた。配信内容4/11(土)10:00-10:05今回のLIVE配信による模擬授業の趣旨説明10:30-10:40プログラミング言語「Scratch(スクラッチ)」の環境を整えよう20:00-20:05今回のLIVE配信による模擬授業の趣旨説明(再放送※)20:30-20:40プログラミング言語「Scratch」の環境を整えよう(再放送※)4/12(日)15:00-15:10【総合×プログラミング】AI ×スクラッチでどんなことができるかな(第1章)17:00-17:10【社会×プログラミング】ブロックを組み合わせて47都道府県を見つけよう(第1章)4/17(金)10:00-10:05今回のLIVE配信による模擬授業の趣旨説明(再放送※)10:30-10:40プログラミング言語「Scratch」の環境を整えよう(再放送※)4/18(土)16:00-16:10【音楽×プログラミング】くりかえしをつかってリズムをつくろう(第1章)4/19(日)13:00-13:10【算数×プログラミング】正多角形をプログラムを使ってかこう(第1章)15:00-15:10【総合×プログラミング】AI ×スクラッチでどんなことができるかな(第2章)4/25(土)15:00-15:10【社会×プログラミング】ブロックを組み合わせて47都道府県を見つけよう(第2章)20:00-20:10【音楽×プログラミング】くりかえしをつかってリズムをつくろう(第2章)4/26(日)15:00-15:10【算数×プログラミング】正多角形をプログラムを使ってかこう(第2章)※LIVE配信中にご意見やご要望がありましたらコメントをいただけますと幸いです。※再放送では収録映像を利用しますが、スタッフがリアルタイムでコメントへ返答します。※配信内容は状況に合わせて変更する場合があります。※LIVE配信に関する最新情報は以下にて発信します。今後に向けて今回、小学校の休校や外出自粛をサポートするために、「みらいいチャンネル」においてLIVE配信を活用したプログラミング教育の模擬授業を開始していきます。2019年11月にメディア「みらいい」をリリースして以降、新たな学びに対する世の中のニーズ、オンライン学習のニーズはとても高まってきています。その状況下、今回のLIVE配信を活用した模擬授業を実施し、オンライン教育の可能性を検討していきたいと考えている。今後は、「みらいい」に賛同いただく個人や企業の皆様とも積極的に連携していきたいと考えておりますので、少しでもご関心のある方はお気軽にお問い合わせください。【メディア「みらいい」】教育格差をなくすことを目的に、プログラミング教育、STEM(STEAM)教育、SDGs教育の切り口から、新たな学びに関する情報を発信し、子どもの未来を切りひらくメディア【みらいい公式サイト】【みらいいYouTubeチャンネル】【「みらいい」LIVE配信特設ページ】【「みらいい」公式Twitter】■「学研キッズネットFor Parents」のニュース一覧はコチラ■学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと)『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。すくすく伸びる子どもたちのために
2020年04月11日編集部:学研キッズネット編集部株式会社成学社が運営する集団指導ブランド「開成教育セミナー」と「エール進学教室」が発信型解説講義となる「開成NET」に加え、新たに双方向型のオンライン授業を開始。続く学校休校期間、そして緊急事態宣言を受けた各家庭での学習環境をサポートする。塾生の主体性を育む『少人数ゼミ式授業』開成教育セミナー、エール進学教室では一方通行になりがちな教授形式の集団指導ではなく、塾生参加型の『少人数ゼミ式授業』を行ってきた。少人数レベル別のクラス編成により、常に教師と塾生が対話することで、教師が一方的に知識の伝達を行うのではなく、塾生が学習する単元に興味を持ち、主体的に取り組む姿勢を身に着けることができるのがこの形式の特徴。「学校が休校となった今だからこそ、塾生に前向きに学習に取り組んでもらいたい」との思いから、日ごろ教室で実施している環境を自宅にも提供するため今回の双方向型オンライン授業の開始に踏み切った。オンラインでつながり日頃の教室のように集団指導では質の高い講義内容だけではなく、一つの問題や課題に対して自分の考えを持ちながら、それとは違った他者の意見を聞きつつ、様々な角度から解決策を見出すそのプロセスを学ぶところにその良さがある。今回の双方向型オンライン授業は教師と塾生1対1の双方向ではなく、複数の塾生と教師がオンラインでつながり、日ごろの教室さながらに教師が発問し、塾生が答え、その回答を他の塾生が聞くという形式を実現している。「一方的な講義動画はこれまでも行ってきましたが、それだけでは本当の『集団指導の良さ』は生かされない。塾生同士がお互いの考えを交わし合い、教師がそこに加わり正しい方向へ導く。オンラインでも実際に皆が集まって学習に取り組んでいるのと同じ環境を実現したいと考えています」と今回のオンライン授業運用担当者は話す。「こんな状態で一体どうなってしまうんだろうという塾生・保護者の不安に対して、『大丈夫。いつも通りだよ』と精神的にも支えになってあげたいんです」とも。過去に例を見ないような学習環境の中、より”いつも通り”に近い環境を整えることで塾生たちに安心感を与えることも目的の一つである。授業の概要通常授業と同じ〇対象学年:小学3年生~高校3年生※作文添削など一部実現できない形式のコースもございます。〇授業時間:1コマ55分〇授業形式:集団指導※クラス編成も通常時と同じです。〇受講に必要なもの:インターネット接続環境とお手持ちの端末(スマートフォン・タブレット・PCなど)【開成教育セミナーについて】1.実力ある教師陣2.学習効率を上げるための教材とシステム3.的確な学力分析を行うためのテスト、この三条件を備えた責任ある進学塾として、一人ひとりの生徒の成績と学力をしっかり鍛え伸ばすことをミッションとし、より良い指導を提供するための、教員研修制度や教材、システムの開発にも注力しています。また、小学低学年向けに多彩なコースを設定。開成ジュニアをはじめ、根っこの学力を鍛え、想像力や論理的思考力を身につけることができるコースをたくさん用意しています。【入塾及びカリキュラムに関するお問合せ先】株式会社成学社/開成教育セミナーお問合せフォーム::0120-55-0564 (9:00-20:00 日・祝は10:00-16:00)■「学研キッズネットFor Parents」のニュース一覧はコチラ■学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと)『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。すくすく伸びる子どもたちのために
2020年04月10日編集部:学研キッズネット編集部多言語教育・マルチリンガル絵本「ことばの宝箱」は、新型コロナウィルスの蔓延で緊急事態宣言が出され、休校が伸びてしまった日本全国の子供達に向けて、「手のひらの絵本図書館」を30日間無料で公開することを発表しました。 『ことばの宝箱』無料公開概要ことばの宝箱は100冊以上の絵本を5か国語で読み聞かせできる幼児バイリンガル教育アプリです。バイリンガル教育で一番大事なことは「耳の訓練」。ネイティブのナレーションで各言語を毎日読み聞かせ、十分な単語量を覚えさせる。これを留学なしで可能にしたのが『ことばの宝箱』です。〇対応言語:日本語・英語・中国語・スペイン語・韓国語【「言葉の宝箱」4つの特徴】1.プロの理想アプリバイリンガル教育のプロたちが考案した最強アプリ2.言語を同時に学習2言語を同時に習得できる独自のメソッドで学習可能3.選べる言語と各国の絵本5か国語・100冊以上の絵本が読み聞かせ放題!4.留学なしでもネイティブに絵本は全てネイティブによる音声。耳を育てられる初回ダウンロード時に、下記のクーポンコードを入力すると30日間無料で利用できます。(Apple Storeのみ。バージョンや機種により利用できない場合もあります。その場合は7日間無料になります)クーポンコード:5e8e80f229b2dダウンロードはこちらから(Apple Storeのみ。バージョンや機種により利用できない場合もあります。その場合は7日間無料になります)無料期間が過ぎても、意図的に購読しない限り、課金されることはありませんので安心してご利用ください。 【手のひらの絵本図書館】マルチリンガル絵本『ことばの宝箱』■「学研キッズネットFor Parents」のニュース一覧はコチラ■学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと)『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。すくすく伸びる子どもたちのために
2020年04月10日編集部:学研キッズネット編集部総合教育サービス事業を展開する株式会社やる気スイッチグループは、新型コロナウイルスの感染拡大防止のための学校の一斉休校期間中の過ごし方に関して、やる気スイッチグループのスクールに通う生徒の保護者約500名のアンケートを実施。休校期間中に困ったことや不安に感じたことは「運動不足」が全体の7割以上(71.5%)で、最も多い結果となった。一斉休校で困ったこと・不安に感じたのは子どもの「運動不足」一斉休校による困ったこと・悩みが「運動不足」と答えた保護者が最も多い結果となった。「運動不足」の次に困ったこと・悩みは、多い順に「生活リズムの崩れ」、「部活や習い事がなくなった」、「自宅学習で集中力が続かない」、「学校で勉強できなくなった」、「楽しみにしていたイベントの中止」となった。一斉休校時間中の自宅学習について感じたことは、「悩みや不安」が全体の8割自宅学習の悩みや不安「集中力が続かない・集中できない」(抜粋)・「小学校高学年はそこそこ自主学習が出来るが、低学年は1時間も持たない」(未就学児・小学校1~3年生・4~6年生)・「(家には)テレビ、ゲームなどがある為、勉強に集中できなかった」(小学校4~6年生)・「自宅学習では集中力が続かない事を一番感じました」(中学生)自宅学習の悩みや不安「自ら進んでやらない・自発的にやらない・やる気が入らない」(抜粋)・「提出しなければいけないものなど、必要最低限の学習のみにとどまり、子供が自発的に学習を進めることは無かった」(小学校1~3年生)・「学校から配られたプリントを自主的にやれるものではない。学習時間が極端に少なく大変不安に感じた」(小学校4~6年生)・「こどもの性格によって、やる気と自律が全然違う」(未就学児・小学校4~6年生・中学生)自宅学習の悩みや不安「学習時間が短くなってしまう」(抜粋)・ 「学校では一通り新しい単元は終わっていてまとめの時期だったので良かったが、家ではせいぜい15分ほどしか集中できない。漢字ドリル1枚と算数ドリル1枚が精一杯」(小学校1~3年生)・「ドリルなどを購入し、取り組ませたが、学校のように長時間勉強させるのは困難」(小学校1~3年生)・「学校に行っているぶんの学習時間を確保することは難しいので、勉強時間は極端に減り、先が不安です」(小学校4~6年生・中学生)「結果的に良かった」という前向きな回答も一部あり一部の回答には、「好きな教科はすすんでやるのですが、嫌いな教科は全くやりません」「学習内容が心配!写すだけ?」「オンライン学習と教材に取り組ませましたが、基本的に一方通行なので、不明点があったときや解き方がわからないときにわかりやすく教えてくれる先生がいないのが困りました」といった子どもが一人で勉強する場合の問題点や、「一年の復習を学校使用、市販のドリルなどで毎日続けていますが、このやり方で果たして新学期が始まった時についていけるか心配」「人それぞれ差が出来てしまう事」など新学期やこれからについての悩みも挙げられた。また、「時間がある分、落ちついて勉強できた」など前向きな回答も一部あった。やる気の科学研究所の庭野所長コメント株式会社やる気スイッチグループのシンクタンク、やる気の科学研究所の庭野匠所長は、子どもの自宅学習について「自律的に学習に取り組むためには、計画設定~実行管理~振り返りの3つのプロセスが大事だと言われていますが、これら全てを初めから自分一人だけでこなすことは難しく学習計画の提示、声かけなどのコーチング、一定の強制力など、何らかの外的な働きかけや環境作りが必要となってきます。多くの方が一斉休校中の自宅学習に悩みや不安を感じているという今回のアンケート結果は、教材を与えることと同じくらい、学習を続けられる環境を整備することが重要だと示しているのではないでしょうか」とコメントしています。やる気スイッチグループ 一斉休校中の過ごし方に関するアンケートについて■調査対象・方法:やる気スイッチグループのスクールに通う生徒の保護者、非公開型インターネット調査■調査期間:2020年3月27~29日■有効回答数と回答者の属性: 522名、2歳~18歳の生徒の保護者【スクールブランド】スクールIE、チャイルド・アイズ、Kids Duo、WinBe、忍者ナイン、Kids Duo International、i Kids Star【職業】会社員206名、専業主婦・主夫 140名、その他(自営業・自由業など)176名(やる気スイッチグループのスクールに通う2歳~18歳の生徒の保護者向けオンラインアンケートとして2020年3月27~29日実施、複数選択回答・自由回答)株式会社やる気スイッチグループ【会社概要】やる気スイッチグループは、個別指導学習塾「スクールIE」や知能育成(知育)と受験対策の幼児教室「チャイルド・アイズ」、子ども向け英語・英会話スクール「WinBe(ウィンビー)」、英語学童教室「Kids Duo(キッズデュオ)」、幼児・小学生向けスポーツ教室「忍者ナイン」、バイリンガル幼児園「キッズデュオインターナショナル(KDI: Kids Duo International)」、バイリンガル幼児園「アイキッズスター(i Kids Star)」の7つのスクールブランドを展開する総合教育サービス会社として、現在国内外で1,700以上の教室・ラボを展開し、およそ10万人の子どもたちの学びをサポートしています。やる気スイッチグループは、一人ひとりが持つ”宝石”を見つけ、その無限の可能性を引き出すことで、世界中の子どもたちの夢と人生を応援します。 やる気スイッチグループではサービスやカリキュラムの改善を目的に定期的にお客様調査を実施しています。今回の一斉休校中の過ごし方に関する保護者アンケートの内容についても、保護者の課題や学習ニーズなどを分析し、各スクールブランドでのプログラムや会員向けメールマガジンのコンテンツに役立ててまいります。【やる気スイッチ公式サイト】■「学研キッズネットFor Parents」のニュース一覧はコチラ■学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと)『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。すくすく伸びる子どもたちのために
2020年04月09日編集部:学研キッズネット編集部子ども向けアプリ教材開発・運営などを行うワンダーラボ株式会社は、感性と思考力を育てる、アプリとキットを組み合わせた通信教育「WonderBox(以下、ワンダーボックス)」のサービスを開始したことを発表しました。通信教育サービス「ワンダーボックス」2020年は教育改革の年であり、新学習指導要領の導入、プログラミング教育の必修化など、学校で扱われる「内容」に大きな変化がありました。加えて新型コロナウイルスの影響で、新年度に入っても多くの地区で休校が続き、子どもたちは家庭学習を余儀なくされるなど、「環境」にも大きな変化が今まさに起こっています。ワンダーラボは、教育が内容・環境の両面から大きく変化する中で、その両者に対応した全く新しい通信教育サービス「ワンダーボックス」のサービスを2020年4月より開始しました。プログラミングを含むSTEAM教育領域の教材で、教科学習ではなく、感性や思考力、自分自身で作り出す力を育てます。また、アプリとキットを組み合わせることで、これまでの通信教育サービスの概念を覆すような新しい体験を届けていきます。【製品情報】2020年4月 サービス開始形式 :通信教育(郵送されるキット、専用アプリを組み合わせた教材)価格:月々3,700円〜(税込)対象年齢 :4-10歳ワンダーボックス概要「わくわく詰まった、自由なまなび。」毎月届くキット(パズルやワークブックなど)と、専用アプリを組み合わせて学ぶ新しいスタイルの通信教育サービス。常に10以上のコンテンツによって構成され、プログラミング、アート、ボードゲーム、パズルなど多種多様なテーマから子ども自身が興味関心に沿って自由に学ぶことが可能に。既存の通信教育のように教科学習の補助教材ではなく、子どもの意欲を引き出し、感性と思考力が自然と育っていくことを目的とした教材で、多くのコンテンツがゆるやかな誘導を経て、最終的には正解のない自由な創作に行き着くように設計されている。●ワンダーボックスイメージムービーサービス開始の背景AIの台頭、シンギュラリティなどが話題となる中で、2020年教育改革として学習指導要領改訂、プログラミング教育の必修化、大学入試制度改革など、日本国内における教育の形が大きく変わろうとしています。とりわけ、理数・創造性教育を主眼とした「STEAM教育」は、文部科学省がその導入を推進するなど注目されている。ワンダーラボは会社のミッションとして、「子どもの知的なわくわくを引き出す」ことを掲げ、時代の変遷にとらわれず普遍的に求められる課題発見力・問題解決力の素養=「感じて、考えて、自らつくりだす(表現する)」力を子どもから引き出すことを目指している。5年にわたる研究授業での知見・経験を凝縮し、ワンダーボックスの発表に至った。ワンダーボックス3つの新しさ1. STEAM教育領域のまなびSTEAMとは、科学・技術・工学・芸術・数学の5つの英単語の頭文字をつなげた造語で、これら5つの領域を重視する教育方針だ。自ら課題や興味を見つけだし、意欲をもって取り組み、問題を解決に導いたり、新たなイノベーションを生み出していくための教育として注目を集めている。ワンダーボックスでは、プログラミングやアート、パズルなど、STEAM教育領域を横断する教材を多数扱っている。2. デジタルとリアルのハイブリッド毎月届くキットと、週次・月次で変化が起こるアプリを組み合わせることで、常に新鮮なわくわくや驚きが続くように設計。デジタルとリアル、どちらにも「その世界でしか体験できないこと」があります。両者を活かし、組み合わせることによって、体験がより素晴らしいものになっていく。そういった体験を通して「わくわく」を引き出すためにこそ、テクノロジーを活用すべきだと考えている。3. 教育のプロチームの知見・経験を凝縮教育コンテンツ制作のプロチーム「ワンダーラボ」によって制作。開発する思考力育成アプリ「シンクシンク」は、国内外で受賞多数、150ヶ国に延べ100万ユーザーを獲得。さらにその効果も、IQ・学力を伸ばすことが、実証実験によって確認されている。ワンダーボックスには、シンクシンクから厳選したコンテンツも多数収録。経験と実績に裏打ちされた教材となっている。会社概要ワンダーラボは、2014年創業の教育テック(EdTech)分野のスタートアップです。子どもたちが本来持っている「知的なワクワク」を引き出すためのコンテンツを開発・運営しており、国際的な算数大会の問題などを多数製作・監修している、思考力教材製作のパイオニアです。2017年にリリースした思考力育成アプリ「シンクシンク」は、日本e-Learning大賞 Edtech特別賞受賞、海外でGoogle Play Awards 2017/2019 TOP5選出など、国内外で高い評価を得ています。同アプリは抽象思考の基礎となる思考センスを育てる問題を多数収録し、世界中に配信。また、三重県と「教育振興のための包括協定」を締結し、2018年度より、同県全土への教材提供やアドバイスを行っている他、カンボジアではJICA・政府との協働案件として同国への思考力教育の導入を推進するなど、国内外で官学と連携した取り組みを行っています。2018年11月には、世界最大の教育ベンチャーのコンペ「Global EdTech Startup Awards (GESA)」の日本予選にて最優秀賞を受賞。また、SXSW EDUなど、世界的な教育フォーラムに日本代表として出展、登壇などを行なってきた実績があります。2020年2月、社名をワンダーラボ株式会社に変更しました。【ワンダーボックス公式サイト】【ワンダーラボ株式会社公式サイト】■「学研キッズネットFor Parents」のニュース一覧はコチラ■学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと)『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。すくすく伸びる子どもたちのために
2020年04月09日入園・進級おめでとうございます!今年は小学校で新学習指導要領が施行される年。小学校なんてまだまだ先の話…と思いきや、今回の指導要領の改訂は、実は幼稚園の教育にとっても関わりの深い話なのです。幼稚園教育の専門家と文部科学省に、新時代の子どもの学びについて聞きました。今回の改訂のキモ!幼稚園から高校までの教育を貫く「3つの柱」1 実際の社会や生活で生きて働く知識および技能2 未知の状況にも対応できる思考力・判断力・表現力など3 学んだことを人生や社会に生かそうとする学びに向かう力・人間性など※文部科学省「平成29・30年改訂学習指導要領」から幼稚園の学び幼稚園では遊びを通じて「3つの柱」の土台となる力を身に付けていきますお話を聞いたのは:兵頭恵子さん横浜の幼稚園に主任教諭として長年勤務し、現在は幼少年教育研究所顧問。保育雑誌や講演で幅広く活躍中。主な著書に「教えてほしい!男の子の育て方」(PHP 研究所)、「先生とママの子育てサプリ」(共著、鈴木出版)など。幼稚園では2年前から「3つの柱」に基づく教育がされています小学校では2020年から新学習指導要領がスタートしますが、幼稚園では2018年4月から、改訂された幼稚園教育要領が施行されています。これは「知識および技能の基礎、思考力・判断力・表現力などの基礎、学びに向かう力・人間性」を「幼児期に特に育みたい力」としたもの。つまり幼稚園ではすでに、「3つの柱」に基づく教育が行われているのです。「3つの柱」が重要とされた背景には、出された問いに多く正解することではなく、自分の頭で考えることがこれからの時代を生き抜く上で大切だとする方針があります。そこであらためて注目されたのが、毎日の園生活にあふれている「遊び」の経験です。遊びで身に付けた力が、自ら学びに向かう姿勢を支えます下のイラストで紹介しているように、身体能力、思考力、想像力、協調性といった「3つの柱」で求められている能力を育むきっかけが、遊びの中にはたくさんあります。これまでは小学校で困らないよう、ひらがなや数を幼児期から教えるべきといった考え方もありました。しかし、遊びの経験=思考力や協調性を幼児期に育む経験がおろそかになったことで、小学校に上がってから先生の話を集中して聞けない、友達とうまく関われない、自分で工夫して考えることができないといった問題が起こってきました。そこで、幼児期は遊びの経験こそ重要であること、遊びで身に付けた力がやがて自ら学びに向かう姿勢を支えることが見直され、幼児期に特に育みたい力を「3つの柱」とした教育要領が定められたのです。こうした力を3年間で育むために、園の先生たちは子どもたちが遊ぶ姿から今何に興味があるのかを読み取り、より豊かに遊びを広げています。幼稚園の毎日の遊びの経験が小学校以降の学びの土台となっていくのです。幼稚園の遊びの中にはこんな学びが隠れています● 思考力遊びを面白くするために、どうすればうまくいくか粘り強く考える経験を積みます。年長さんになると遊びを発展させるために自分たちで道具を作り出すことも。● 表現力自分が遊んだ経験やイメージしたものを言葉で伝えたり、絵や工作で表現します。そこで培った表現力がまた遊びへと生かされていきます。● 協調性初めはお友達との関わり方が分からずけんかが起きることもありますが、徐々に自分たちだけで折り合いをつけたり、気持ちを言葉で表現できるようになります。● 身体能力遊ぶために工夫して、体を使いこなしていきます。「この高さからなら飛び降りられそう」と自分の身体能力を測ったり、体をコントロールしたり、調整したりする力を養います。● 想像力泥団子を食べ物に見立てたり、ごっこ遊びで役割を分担したり。イメージを膨らませて遊びを発展させていく想像力は、小学校で文章題を読み解く力にもつながります。小学校の学び文部科学省・平千枝さん、荒川瑞穂さんより変動する社会を生き抜く力を育てることが新学習指導要領のテーマですお話を聞いたのは:平千枝さん文部科学省 初等中等教育局教育課程課専門官。小2の子、4歳児のママ。お話を聞いたのは:荒川瑞穂さん文部科学省 初等中等教育局 情報教育・外国語教育課。1歳児のママ。何を学ぶかだけではなく新どんな力が必要かに視点をおいた改訂です学習指導要領とは、文部科学省が定めている教育課程の基準のこと。子どもたちの教科書や時間割はこれを元に作られていて、およそ10年に一度のサイクルで改訂しています。これまでの指導要領は「小学校1年生ではこの漢字・計算を学ぶ」というように、「何を学ぶか」という視点で作られていました。しかし今回の改訂においては、その視点だけでは子どもたちに必要な力が身に付かないのではという課題が挙がりました。例えばスマートフォン一つ取っても、10年前まではこれほど社会に普及するとは思われていませんでした。それぐらい急速に変動する21世紀を生きる子どもたちのためには、「何を学ぶか」だけではなく、「変動する時代を生き抜く上でどのような力が必要か」を指導要領で示す必要があると考えたのです。そこで示されたのが4ページの「3つの柱」です。幼稚園から高校までの教育内容を「3つの柱」に基づいて整理し、教育のタテのつながりを意識したことが今回の改訂の大きなポイントです。園や学校での学びを家庭で「話す」機会を大切にお子さんがやがて経験する、新時代の小学校教育。ママたちの時代とは大きく変わっていることもあり、「今から何か準備しておかなければならないの?」と心配になるかもしれません。ですが、学習内容についてはこれまで通り、学校の先生が一人一人をフォローしながら教えてくれますから、その必要はありません。私たちが家庭にぜひお願いしたいのは、「園で体験したことや学校で学んだ内容を家で話すこと」。学校で学んだことを家庭で話す子どもの学力は高いというデータが、学力テストの結果からも分かっています。例えば、小学校2年生では「ℓ」「㎖」などのかさの単位を学びますが、「牛乳パックは1ℓだね」「料理に使う計量カップは200㎖が量れるんだよ」とママやパパと話すことで、学校の勉強が自分たちの生活とつながっていることを実感できます。また、学んだことを誰かに話す経験を通じて、子どもたちの理解も深まっていきます。プログラミングや外国語学習など、ママたちが経験してこなかった学習内容については、お子さんから教えてもらうつもりで家庭で話題にすることで、今の時代を知るきっかけにしてもらえたらと思います。幼児期に遊びを通じて育んだ力を土台として、学びに向かう姿勢や基盤となる知識を身に付けることが小学校の役割です。小学校での学びを楽しみに、幼稚園での経験を積み重ねてくださいね。ママたちの時代と大きく変わった!小学校教育の気になるトピック「外国語学習」「アクティブ・ラーニング」などママたちの時代はなかった教育についてその具体的な内容や、目的を聞きました。<小学生ママアンケートから>Q自分が小学生のころと今の小学校教育で大きく違うと思う点は何ですか?(複数回答)その他では「昔に比べて褒める教育を重視していると感じる」「高学年は6時間授業の日がほとんど」などが挙がりました。※2020年1/8~2/5あんふぁんWebで実施。有効回答数231人● 外国語教育が小3から開始昨年までは、小5から外国語活動に取り組んでいましたが、新学習指導要領では小3から外国語の音声に慣れ親しみ、小5から読むこと・書くことも段階的に学んでいくことになりました。自分の考えや気持ちを伝え合うという実践を通じてコミュニケーション能力の基礎を育むことで、中学以降の外国語学習にもスムーズに進んでいけることを期待しています。● プログラミング教育新学習指導要領の代名詞として注目されがちな「プログラミング教育」ですが、子どもたち全員にプログラマーを目指してもらおうということではありません。現代の子どもたちは生まれたときからスイッチ一つで動く電化製品に囲まれていますが、それらは「魔法の箱」ではなく人間が作った命令によって動いていることを理解すること、また、プログラミングに必要な論理的思考に触れることが目的です。● アクティブ・ラーニング授業を通じて学んだことを友達とディスカッションする、みんなの前で発表する、学んだことがどんな場面で役に立つのか地域に出て活動する、などの学びを「アクティブ・ラーニング」と呼んでいます。自分の考えや立場を明らかにし、異なる考えや立場を通じて視野を広げること、いろいろな教科で学んだ知識を関連づけて自分なりの考えを深めていけることを重視しています。● 完全週5日制改訂後の総授業時間数は小1で850時間、小6で1015時間。年間でみるとあんふぁんママ世代(昭和60年生まれ)と変わりませんが、週6日制(月1~2回の土曜日休み)と同じ時間数を平日5日に収めているので「平日が忙しい」と感じる人も多いようです。小1・2では理科と社会を統合した「生活」という科目がある、小3からは「総合的な学習の時間」があるなど、教科なども変化しています。こちらも要チェック!小学校の授業を動画でのぞき見
2020年04月09日編集部:学研キッズネット編集部子ども向けアプリ教材開発・運営などを行うワンダーラボ株式会社は、新型コロナウイルスの影響で休校延長が続く現状に鑑み、少しでも家庭で過ごす時間が「知的で、ワクワクする時間」になることを願って、2020年4月8日(水)より(予定)平日、毎日10分程度の教育動画(プチワンダータイム)を無料配信することを発表しました。(配信期間は未定)「プチワンダータイム」とはワンダーラボが教材開発のための研究授業や思考力育成アプリ「シンクシンク」などで培ってきたコンテンツ力を活かして、毎日10分程度、お子さまがご家庭で生活リズムの一部にしていただけるような知的で楽しい時間をお届け。シンクシンクから選りすぐった「考える力」を育てる良問や、動画ならではの問題など、考えることを楽しめるような問題を毎日複数出題する予定です。■動画掲載先:ワンダーラボでは、2020年3月の1か月間、シンクシンクの全コンテンツを全世界に無償提供するなど、家庭学習を余儀なくされている子どもたち、ご家族への対応を行ってきたが、不自由な状況が一定期間継続することが想定される現状を受け、出来ることを考えた結果このような対応を行わせていただく運びとしました。準備期間やリソースの関係から、手の込んだものは用意できないが、毎日少しだけでも気持ちが晴れるような、楽しい時間をお届けできればと考えている。ワンダーラボについてワンダーラボは、2014年創業の教育テック(EdTech)分野のスタートアップです。子どもたちが本来持っている「知的なワクワク」を引き出すためのコンテンツを開発・運営しており、国際的な算数大会の問題などを多数製作・監修している、思考力教材製作のパイオニアです。2017年にリリースした思考力育成アプリ「シンクシンク」は、日本e-Learning大賞 Edtech特別賞受賞、海外でGoogle Play Awards 2017/2019 TOP5選出など、国内外で高い評価を得ています。同アプリは抽象思考の基礎となる思考センスを育てる問題を多数収録し、世界中に配信。また、三重県と「教育振興のための包括協定」を締結し、2018年度より、同県全土への教材提供やアドバイスを行っている他、カンボジアではJICA・政府との協働案件として同国への思考力教育の導入を推進するなど、国内外で官学と連携した取り組みを行っています。2018年11月には、世界最大の教育ベンチャーのコンペ「Global EdTech Startup Awards (GESA)」の日本予選にて最優秀賞を受賞。また、SXSW EDUなど、世界的な教育フォーラムに日本代表として出展、登壇などを行なってきた実績があります。2020年2月に花まるラボからワンダーラボへ社名変更、同時に、STEAM教育領域の新しい通信教育サービス「WonderBox(ワンダーボックス)」を発表しました。【ワンダーラボ公式サイト】■「学研キッズネット」のニュース一覧はコチラ■学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと)『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。すくすく伸びる子どもたちのために
2020年04月07日編集部:学研キッズネット編集部「有限会社芸術による教育の会」は、インターネット上で美術や工作を学べる「どこでもアートきっず」のカリキュラムを期間限定で無料公開することを決定しました。新型コロナウィルス対策による臨時休校や外出自粛によってストレスが高まっている家庭に対して、親子が楽しく学べるコンテンツを提供することで子どもたちが上手にストレスを発散し情緒を安定させることを目的としています。無償提供の背景世界的な新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大および国内における事態の深刻化に伴う外出自粛や臨時休校などの影響で、子どもたちが家の中で過ごす時間が日々増えています。そのため家の外に出ることができない家庭内でのストレスの高まりを受け、芸術による教育の会では「月額4,980円(税別)」で提供しているオンライン美術教育サービス「どこでもアートきっず」を無料公開することを決定しました。カリキュラムの無料公開によって自宅で親子の絆を育み、子どもたちが上手にストレスを発散し情緒を安定させることを目的としています。芸術による教育の会の教師たちは、今日のような苦しい状況でも「強く生き抜くことができる子ども」を育てるために日々活動を行っています。「どこでもアートきっず」を通して、一つでも多くのご家庭がこの状況を笑顔で乗り切れることを願っています。どこでもアートきっずとは?「図工が大好き!」「時間を忘れて絵を描いている」 そんなお子様の才能を伸ばし、創造力豊かな大人になってほしいとお考えのご家庭のためのインターネット美術・造形教室です。どこでもアートきっずでは、美術を通して子どもたちが自己表現や自己主張の練習をし、失敗を恐れずに試行錯誤ができるようになります。さらに情緒を安定させ、ストレスコントロールが上手になります。また、どこでもアートは子どもだけでなく大人も楽しめる内容となっており、自宅にいながら親子で楽しく美術や工作を学ぶことができます。必要な教材も毎月自宅に届くので、わざわざ買い物に行ったりと準備をする手間もかかりません無料公開のカリキュラムどこでもアートきっず(4,980円/月)で配信しているカリキュラムを2020年5月末まで無料で公開。現在無料公開しているカリキュラムは約30種類、今後も随時追加予定。どれも親子で楽しめるものばかりで、外出できない状況でも自宅で親子のコミュニケーションを深めることができる。※教材の送付は行いません。※外出自粛要請の状況や臨時休校の状況をみて無料期間を延長する場合もございます。【芸術による教育の会について】創立1954年、親と子と教師を結び、『芸術を通しての正しい教育』を行う目的で発足。現在全国に106の美術教室を有し、これまでの生徒数は12万人以上。2016年からは時間と場所にとらわれない美術教室を提供するためWeb美術教室サービスを開始。代表者:代表取締役社長寺尾 憲 (慶應義塾大学理工学部講師)従業員:70人(2020年3月現在)本社:〒152-0031東京都目黒区中根2-2-13-409芸術による教育の会 事務局【どこでもアートきっず】【無料公開のカリキュラム一覧】【芸術による教育の会公式サイト】学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと)『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。すくすく伸びる子どもたちのために
2020年04月05日『すべての子どもたちに音楽を――フランスの “感性を育てる” 音楽教育』では、音楽が子どもたちにすばらしい影響を与えることについて詳しくご紹介しました。その本質を理解し、「音楽を通した人間教育」を世界に広めた人物が、ヴァイオリニストの鈴木鎮一氏です。歌手のさだまさし氏やヴァイオリニストの葉加瀬太郎氏、海外では世界的ヴァイオリニストのヨーヨー・マ氏も、スズキ・メソードを経て、音楽の世界で成功した方々です。そして音楽家に限らず、医師や弁護士、科学者など、音楽とは違う分野で大成された人が多くいるのは、音楽を通して育む「人間教育」の賜物でしょう。70年の長きに渡って46か国の子どもたちを導いてきた教育法はどんなものなのでしょうか。そこには、AIの時代を生き抜いていかねばならない今だからこそ必要な「人間力」を育む要素が、たくさん詰まっているようです。今回は、そんな「人間教育」の面にフォーカスした音楽教育「スズキ・メソード」をご紹介します。赤ちゃんが言葉を覚えるように音楽を学ぶ「母語教育法」戦前、鈴木氏が帝国音楽学校教授だった頃に子どもたちへの早期教育の道がスタートし、“才能教育第1号”と言われる桐朋学園元学長の江藤俊哉氏へのヴァイオリン指導が、「母語教育法」を生むきっかけになりました。江藤少年への指導に悩んでいたとき、「日本人は皆、流暢な日本語をしゃべっている」ことに気づき、衝撃を受けた鈴木氏は、この事実に才能教育の礎を見いだします。日本で育つ日本人はもれなく完璧に日本語を操るようになります。その点において、ほぼ例外はありませんよね。“母国語”でなくあえて“母語”となっているのは、第一言語(はじめに覚える言葉)は、必ずしも国と結びつかないから。そこに潜む教育のヒントはとても大きなものでした。赤ちゃんは毎日繰り返し耳にしている言葉を、いつのまにか話せるようになります。それを誰も特別なこととは思いません。お父さんお母さんがていねいに、よく話しかけることで、言葉が話せるようになり、たくさんの言葉を身につけていきます。(引用元:スズキ・メソード音楽教室|母語教育法)音楽についても同じことが言えるのではないか?母語が育つときと同じように、毎日音楽に触れる教育があればいいのではないか?まさにスズキ・メソードの原点はここにあります。そして、「母語のような教育」をめざした3つの基本方針ができたのです。まさに、赤ちゃんが母語を覚える過程と同じではありませんか。【環境】良い演奏を繰り返し聴く。音楽があふれる環境をつくる。【能力】演奏を聴いたり、レッスンを見学したりすることで、「お母さんやお友だちのように弾きたい」という意欲を引き出す。【喜び】「あの曲を弾きたい」など自主的な気持ちで取り組み、達成の喜びを知ることで、次の意欲と向上心を引き出す。さらに、メソッドの才能教育五訓は、「より早き時期」「より良き環境」「より多き訓練」「より優れたる指導者」「より正しき指導法」。この鈴木氏の理念の集大成が、「母語教育法」なのです。「私には才能がない」は努力をしなかった人の言い訳「自分には才能がないから」誰もが、一度は思ったことがあるのではないでしょうか。この考え方を鈴木氏は「努力を怠った者の言い訳」だと言っています。耳が痛いです。「人間は環境の子。“へたな努力”をすれば、へたな才能が育つ。“正しい努力”をすれば、自分を正しく育てることができる。」つまり、「ただ努力すればいい」わけではないということ。たとえば、音痴のお子さんは、「ファ」の音が半音高くなっていることが多いそうです。それを直す方法に、スズキ・メソードの考え方の基盤を見ることができます。すでに身についてしまった「ファ」の音を“矯正する”のではなく、正しい「ファ」の音を新たに身につける努力をするのです。過去はもうどうすることもできないので、正しい経験を積み重ねて、過去の上書きをするということ。正しい努力を続ければ、いつか、正しい「ファ」が身につきます。これはとても理にかなっていて、無駄な努力を省けるため、結果を大きく変えるでしょう。しかし、当然ながら実行するには多くの努力が必要です。その過程に真の教育のヒントがたくさん潜んでいます。そのポイントをさらに見ていきましょう。我が子の「人間力」を育てるために親ができること3つ鈴木氏の理念には、多くの気づきと学びがあります。それは、70年も前に提唱されていたことなのに、今の時代にも響く、人としてとても大切な普遍性を持っています。子どもと一緒に努力をするためのポイントを3つにまとめてみました。ポイント1:急がず、でも休まない(持続性・忍耐力)前述の「ファ」の音の例であれば、正しい音を身につけるには、正しい「ファ」の音を繰り返し根気強く聞くしかないのです。とにかく休まず続けることが何よりも大切。6歳の子どもで新しい能力が身につくまでに半年はかかるそうです。反復の努力で得た能力により、新しい道が開ける実感を得ることができ、それが次のチャレンジにつながり、人生を切り開く大きな力へと結実していく――まさにこれは、いま注目のGRIT(*)。達成で得られる成功は、「繰り返す」ことから始まるのです。(*GRITとは、Guts度胸、Resilience復原力、Initiative自発性、Tenacity執念の頭文字を合わせた言葉で「やり抜く力」を意味する)ポイント2:行動力こそが人生を切り開く(自主性・行動力)人には誰でも短所がありますが、一番悪いと言えるものが「やらなければいけないと思いながら、すぐにやらないこと」。鈴木氏は、これは「人の一生の運命を左右するほど重大な能力」だと述べています。多くの人が抱えている欠点だと思いますが、その原因は「親や先生に言われてからやる」受け身の習慣が身についてしまっているから。自主性を育むことが、行動する能力を伸ばす解決策となります。ポイント3:子どもの生きる力を信じる(生命力)「教育の“教”にフォーカスしすぎて、“育”という子どもの生命力を忘れている」と鈴木氏。「教える」ことは手段で、本来「育つ、育む」ことが目的なのに、今の教育は本末転倒になっているというわけです。子どもに本来備わっている“生きる力”を伸ばすべく、「結果(テストの成績など)重視=教える教育」ではなく、「学びの過程を大事にする=育てる教育」への転換が求められています。子どもは自分自身で育つ力を持っています。まず親がその力を信じるべきではないでしょうか。これら3つは全て、2020年の教育改革の中でも提唱される「目標に向かって頑張る力、感情をコントロールする力」などの非認知能力と言えます。その言葉がなかった時代から、人間力を身につけるための要素は変わっていないのです。「継続は力なり」ですね。次に、メソードから学ぶ、家庭でのお子さんとの関わり方についてご紹介します。「親子一緒に」がキーポイントの人間教育スズキ・メソード自体は音楽教育ですが、同時に音楽というツールを使って行なう人間教育でもあります。学習などのさまざまな場面で生かせそうな、家庭でできる学びのポイントを押さえておきましょう。■親子で同じ目標に向かって努力するスズキ・メソードでは、「親子で学ぶ」が基本で、親も子どもと同じ曲を練習してもらうそう。同じ目標に向かって努力することで、苦労も喜びもシェアできますよね。お母さんと一緒だったら毎日の練習を乗り越える力も倍増しそうです。家庭では、サッカーでもバスケットでもお習字の練習でも、どんなテーマでもかまいませんので、親子で一緒に頑張る目標を作ってみましょう。お互い楽しく努力することで、行動力、持続力、忍耐力を育みやすい土壌を作ることができます。■親子で毎日ひとつ覚えよう鈴木氏が「もっとも大切な能力のひとつ」とあげるのが記憶力です。スズキ・メソード初期の頃、いかに早く覚えて長く忘れないかの訓練をさせたそうです。その方法のひとつが、子どもたちにも親しみやすい小林一茶の句を毎日一句ずつ覚えさせること。最初は苦戦していても、だんだん早く覚えられるようになり、最後には自分流の俳句を作ることを楽しむまでに。記憶力の訓練から感受性や想像力も育まれていったのです。家庭でもまねできそうですよね。興味のあるものをテーマにして、毎日ひとつずつ親子で覚えて、成果を披露し合えば、共通の話題もでき、親子のコミュニケーション効果も得られて一石二鳥です。■何度も繰り返して質を高める鈴木氏のバイオリンの指導は次のような手順で進められました。課題曲が与えられたら、まずその曲を毎日聴く。弾き方を丁寧に指導し、丁寧に稽古する。一通り弾けるようになったら、“さらに立派に”弾けるように練習を繰り返す。十分弾けるようになったら、その曲を演奏しているときに、全く関係ない質問を投げかけて、演奏しながら答えてもらう。同時にふたつのことをこなせることが確認できたら、しっかり能力が育ったと確認できる。つまり、広く浅くではなく、「ひとつのことを深く掘り下げること」が大事だということ。ひとつを極めることが、能力を育む最適な方法なのです。たとえば、問題集を一冊を何度も何度も繰り返し、書いてあることを全部覚えてしまうほどやる。これは、東大を主席で卒業したNY州弁護士・山口真由さんも「7回読み勉強法」として推奨しています。このときのプロセスを、いかに苦痛ではなく「楽しい」と思わせられるかも大事です。鈴木氏も実践していましたが、前述の「同時にふたつのことをこなす」訓練も、質問を楽しいクイズにするなど、ゲーム感覚で遊ぶように行なうことが、継続の鍵となりそうです。***育てばいいのです。“教育だ”と四角ばったとき、とたんに子どもはゆがみます。まず心を育て、そして能力を身につけさせていく。これが自然の正しい道でした。(引用元:鈴木鎮一著(1966),『愛に生きる 才能は生まれつきではない』,講談社現代新書.)子どもの才能を解放するためには、やはり親の関わりは必要不可欠です。親がやっていることを「やりたい」「親のようになりたい」という自然と生まれる願望が才能の芽となり、自主性が育まれます。その後は、「楽しく続ける」ことを念頭にサポートしてあげたいですね。(参考)スズキ・メソード音楽教室ウィキペディア|スズキ・メソードSTUDY HACKER|最速で確実に結果がついてくる「7回読み」勉強法――東大首席卒・NY州弁護士 山口真由さんにインタビュー【第1回】StudyHackerこどもまなび☆ラボ|才能よりも大切なGRIT!子どもの“やり抜く力”の育て方〜家庭内ルール〜鈴木鎮一著(1966),『愛に生きる 才能は生まれつきではない』,講談社現代新書.
2020年04月05日編集部:学研キッズネット編集部ソニー生命保険株式会社は、2020年2月28日~3月2日の4日間、大学生以下の子どもがいる20歳以上の男女に対し、今年で7回目となる「子どもの教育資金に関する調査」をインターネットリサーチで実施し、1,000名の有効サンプルの集計結果を公開した。親の6割半が「子どもの学力や学歴は教育費次第」大学生以下の子どもがいる20歳以上の男女1,000名に、子どもの教育や教育費に関する内容について自身の考えや状況がどの程度あてはまるか聞いたところ、≪子どもの学力や学歴は教育費にいくらかけるかによって決まると感じる≫では、「非常にあてはまる」は17.2%、「ややあてはまる」は48.3%で、合計した「あてはまる(計)」は65.5%となった。≪老後の備えより子どもの教育費にお金を回したい≫では63.8%となり、教育費が子どもの学力や学歴を左右すると考える親や、老後の備えより教育費を優先する親が多数派であることがわかった。また、≪早期の知育や英才教育は子どもの将来のために重要だ≫では73.0%、≪スポーツや芸術の習い事よりも学習塾に教育費をかけたい≫では44.2%となり、親の多くが幼い頃から子どもの能力を高めるような取り組みを行うことが、子どもの将来のためになると感じていることがわかった。また、習い事よりも学習塾にお金をかけたい親は少数派であることも明らかとなった。「子どもの教育費の負担を重いと感じる」親の7割、昨年よりも負担感が増す傾向全回答者に、≪子どもの教育費の負担を重いと感じる≫か聞いたところ、「あてはまる」は69.4%となった。子どもの就学段階別にみると、「あてはまる」と回答した人の割合は、未就学児の親では56.5%、小学生の親では65.7%、中高生の親では73.4%、大学生等(予備校生・浪人生・大学生・短期大学生・専門学校生、以下同様)の親では81.7%と、子どもの就学段階が上がるにつれて負担を重いと感じる人の割合が高いという結果に。子どもの成長に伴い、学費や塾・習い事の費用といった教育費の負担が増大しているのではないか。子どもの教育費の負担を重いと感じる人の割合を過去の調査結果と比較すると、2018年71.4%→2019年66.6%→2020年69.4%と、昨年の下降から今年は上昇に転じ、家計の厳しさが垣間見える結果となりました。妻より夫が教育熱心な家庭では“教育のことで夫婦喧嘩をよくする”傾向配偶者がいる人に、夫婦間で教育方針が一致しているか、異なっているか聞いたところ、「一致している」(「非常に」と「やや」の合計、以下同様)は81.2%となり、子どもの教育には夫のほうが熱心か、妻のほうが熱心か聞いたところ「夫のほうが熱心」は34.0%、「妻のほうが熱心」は66.0%となった。また、子どもの教育のことで夫婦喧嘩をよくするか、全くしないか聞いたところ「よくする」は29.0%に。夫婦の教育方針の状況別にみると、「よくする」と回答した人の割合は、教育方針が一致している人では26.0%、異なっている人では42.0%となり、教育に対する意見のくい違いから、ぶつかり合ってしまうことがあるのではないか。さらに、夫婦の教育熱の状況別にみると「よくする」と回答した人の割合は、夫のほうが教育熱心という家庭では40.7%、妻のほうが教育熱心という家庭では22.9%となった。「子どものインターネット・SNS利用に不安を感じる」小学生の親の8割弱全回答者に、子どもの将来に関する項目を提示してどの程度不安を感じるか聞いたところ、≪学校生活≫では「不安を感じる」(「非常に」と「やや」の合計、以下同様)が54.7%に。子どもの就学段階別にみると、「不安を感じる」と回答した人の割合は、未就学児の親では68.1%、小学生の親では62.1%とどちらも6割を超える結果となった。≪インターネットやSNSの利用≫では、「不安を感じる」が64.7%に。子どもの就学段階別にみると、「不安を感じる」と回答した人の割合は、小学生の親(77.0%)が最も高いという結果に。近年のスマートフォンの普及などに伴い、インターネットやSNSが小学生にも身近なものとなり、多くの小学生が利用できるようになっています。小学生の親には、自身の子どもがインターネットやSNSをめぐるトラブルに遭遇するのではないかと不安を持っている人が多いのではないか。親の大半が子どもの受験や就活に不安を抱く「子どもの就活に不安を感じる」母親の7割強受験・進学や就職活動といった子どもの進路については、どの程度不安を感じているのでしょうか。高校生以下の子どもの親に、≪受験・進学≫についてどの程度不安を感じるか聞いたところ、「不安を感じる」は77.9%に。父母別にみると、父親では73.4%、母親では82.3%と母親のほうが8.9ポイント高くなりました。子どもの受験や進学に対しては、父親より母親のほうが不安を感じていることがわかる。全回答者に、≪就職活動≫についてどの程度不安を感じるか聞いたところ、「不安を感じる」は69.9%となりました。父母別にみると、父親では68.6%、母親では71.2%と、母親のほうがやや高くなりました。子どもの教育資金に不安を感じる理由1位「教育資金がどのくらい必要となるかわからない」全回答者に、≪教育資金≫について、どの程度不安を感じるか聞いたところ「不安を感じる」は70.6%に。子どもの就学段階別にみると、「不安を感じる」と回答した人の割合は、小学生の親(76.6%)、中高生の親(76.2%)ではどちらも7割半となった。教育資金に不安を感じている人に、子どもの教育資金に不安を感じる理由を聞いたところ、「教育資金がどのくらい必要となるかわからない」(56.8%)が最も高く、次いで「収入の維持や増加に自信がない」(37.4%)、「収入が不安定」(23.1%)となった。子どもの就学段階別にみると、未就学児の親では「教育資金に関して相談する人がいない」(22.5%)が他の層より高い結果になり、未就学児の親では、教育資金に関する悩みを相談できず抱え込んでいる人が少なくないようだ。小学生から社会人になるまでに必要な教育資金平均予想金額は再び上昇し1,381万円にでは、子どもが小学校に入学してから社会人になるまで、教育資金はどのくらい必要になるとイメージしている人が多いのだろうか。未就学児の親に、子どもが小学生から社会人になるまでに、教育資金はいくらくらい必要だと思うか聞いたところ、「1,000万円~1,400万円位」(29.4%)に回答が集まり、平均予想金額は1,381万円となった。平均予想金額を過去の調査結果と比較すると、2018年1,348万円→2019年1,339万円→2020年1,381万円と、上昇傾向が落ち着いた昨年から再度上昇に転じ、2014年の調査開始以来最高額に。大学等への進学のための教育資金準備方法「銀行預金」「学資保険」のTOP2が突出高校生以下の子どもの親に、大学等への進学のための教育資金を、どのような方法で準備しているか聞いたところ、「銀行預金」(58.3%)と「学資保険」(42.5%)が高くなり、次いで「財形貯蓄」(11.8%)、「(学資保険以外の)生命保険」(9.2%)、「金融投資(株式投資や先物取引など)」(6.6%)となった。銀行預金や学資保険で計画的に教育資金を準備している人が多いようだ。また、大学生等の親(予備校生・浪人生を含まない)に、大学等への進学のための教育資金を、どのような方法で準備してきたか聞いたところ、「銀行預金」(58.5%)と「学資保険」(49.6%)が特に高く、以降「奨学金」(19.9%)、「財形貯蓄」(13.0%)、「教育ローン」(12.2%)が続きました。親の7割強が、大学等への進学で「費用にこだわらず子どもの希望を優先させたい」と回答全回答者に、子どもの大学等への進学に関する意識について聞いたところ「多少費用がかさんでも進学させたい」(「非常に」と「やや」の合計、以下同様)が81.2%、「費用がかさむなら進学させなくてもよい」が18.8%となった2019年の調査結果と比較すると、「多少費用がかさんでも進学させたい」と回答した人の割合は、2019年86.3%→2020年81.2%と、5.1ポイント下降したものの、依然高い傾向がみられた。次に、子どもの大学等の入学金・授業料等の費用について聞いたところ、「費用にこだわらず子どもの希望を優先させたい」が73.8%、「費用が極力抑えられる学校を選択させたい」が26.2%となり、子どもの進学先を選択する際の条件は、入学金・授業料等の費用よりも子どもの希望を第一に考える親が多いようだ。2019年の調査結果と比較すると、「費用にこだわらず子どもの希望を優先させたい」と回答した人の割合は、2019年77.4%→2020年73.8%と、やや下降したが、子どもの希望を第一に考えたいという親が依然として多いことがわかる結果となった。子どもの海外留学や海外研修は「多少費用がかさんでも経験させたい」と考える親が多数派子どもの学校への通学については、「自宅から遠ければ下宿や寮生活をさせてもよい」が44.3%、「自宅から通える学校を選択させたい」が55.7%となった。子どもの学生時代のアルバイトについては、「アルバイトはせず学業に専念してほしい」が43.6%、「アルバイトをして学生生活の費用に充ててほしい」が56.4%に。海外留学や海外研修については、「多少費用がかさんでも経験させたい」が54.3%、「費用がかさむなら経験させなくてもよい」が45.7%と約半数の結果に。子どもに対して、自宅通学やアルバイトなど、節約を意識した学生生活を希望している親が多数派となりました。他方、海外での留学や研修については、たとえ多額のお金がかかるとしても、海外で得られる様々な経験には価値があると考えている親が多いことがわかる。小学校高学年での英語の教科化未就学児の親の8割が認知2020年度から、小学校でのプログラミング教育必修化、小学校高学年での英語の教科化が実施される。これらにあたり、小学生以下の子どもの親にこの制度改正について知っているか聞いたところ、≪2020年度から、小学校でのプログラミング教育が必修化されること≫では、認知率が82.7%に。認知率を子どもの就学段階別にみると、未就学児の親では79.4%、小学生の親では85.9%と、小学生の親のほうが6.5ポイント高くなりました。また、≪2020年度から、小学校高学年では英語が教科化されること≫では、認知率が81.5%となった。認知率を子どもの就学段階別にみると、未就学児の親では80.3%、小学生の親では82.7%と、どちらも8割以上となった。近年のグローバル化を意識してか、小学生の親だけでなく未就学児の親も小学校での英語の教科化に大きな関心を寄せていることがうかがえる結果となった。大学入試共通テストの導入未就学児、小学生の親の7割以上が認知2021年度からは中学校で、2022年度からは高等学校で、プログラミング教育の必修化が実施されます。高校生までの子どもの親にこの制度改正について聞いたところ、認知率は≪2021年度から、中学校でのプログラミング教育が必修化されること≫では62.0%、≪2022年度から、高等学校でのプログラミング教育が必修化されること≫では55.6%となった。また、≪大学入試センター試験が廃止され、2020年度に大学入学共通テストに変わること≫では、認知率が76.2%となり、大学受験に関する改正については親の多くが関心を持っているようだ。認知率を子どもの就学段階別にみると、中高生の親(86.1%)では8割半と高い割合に。また、未就学児の親(70.5%)と小学生の親(71.8%)でも7割以上となりました。子どものプログラミング教育にかけたい金額かけたいと思う人の平均額は5,752円/月全回答者に、子どものプログラミング教育に今後かけたいお金について聞いたところ、お金をかけたいと思う人の割合は45.6%となりました。お金をかけたい人に、子どものプログラミング教育に今後1ヶ月あたりいくらくらいお金をかけたいと思うか聞いたところ、「5,000円~10,000円未満」(37.3%)に回答が集まり、平均額は5,752円という結果に。また、全回答者に、子どもの英語教育に今後かけたいお金について聞いたところ、かけたいと思う人の割合は、58.1%と、半数以上になり、お金をかけたい人に、子どもの英語教育に、今後、1ヶ月あたりいくらくらいお金をかけたいと思うか聞いたところ、「5,000円~10,000円未満」(39.1%)や「10,000円~20,000円未満」(24.6%)に回答が集まり、平均額は6,988円となりました。子どもに目指してほしい“理想の大人”有名人では1位「イチローさん」2位「所ジョージさん」全回答者に、自分の子どもに目指してほしい“理想の大人”のイメージに合う有名人や、歴史上の人物について質問したところ、有名人1位「イチローさん」、2位「所ジョージさん」、3位「タモリさん」となりました。1位の「イチローさん」は、2015年の調査から6年連続の1位となり、選んだ理由をみると、1位の「イチローさん」については、「自分の信念をしっかりと持ち、仕事にストイックな人だから」など、強い精神力について、多くの回答が挙げられました。2位の「所ジョージさん」については、「好きなことを仕事にするアイデアを持っているから」、3位の「タモリさん」については、「好きなことをして、人生を満喫しているから」などが理由として挙げられました。また、歴史上の人物では、1位「織田信長」、2位「坂本龍馬」、3位「徳川家康」となり、「織田信長」は、2019年まで5年連続1位だった「坂本龍馬」を超え、初めての1位となった。1位の「織田信長」について選んだ理由をみると、「大胆な発想力と行動力を持っているから」などの回答が挙げられました。自分の子どもに就いてほしい職業1位「公務員」、「医師」「看護師」「薬剤師」など医療関係も上位に最後に、全回答者に自分の子どもに就いてほしい職業を聞いたところ、男子の親では「公務員」が圧倒的多数で1位に。2位は「医師」「会社員」という結果に。選んだ理由をみると、1位の「公務員」については、「不景気でも安定しているから」などの回答が挙げられ、子どもに安定した職業に就いてほしいと希望する親が多いことがわかりました。2位の「医師」については、「色々な人を助けてあげてほしいから」など、社会に貢献できる職業である点が多く挙げられました。「会社員」については、「好きな会社で働いてくれれば良いから」などの回答が挙げられました。女子の親では、1位「公務員」、2位「看護師」「薬剤師」という結果に。また、5位までに入った職業のうち3つは医療関係の職業となった。選んだ理由をみると、1位の「公務員」については、「安定が一番、安心だから」など、男子の場合と同様に、安定性を理由に挙げる人が多い結果に。2位の「看護師」については、「手に職をつけることができ、今後も必要とされる職業だから」、「薬剤師」については、「結婚や引越しをしても仕事を続けやすそうで、働く場所に困らないから」などの回答が挙げられ、手に職をつけることで、キャリアを長く保つことができると考えている人が多いことがわかる結果となった。学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと)『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。すくすく伸びる子どもたちのために
2020年04月01日編集部:学研キッズネット編集部3月26日、都教育委員会は、『新型コロナウイルス感染症に関する都立学校の今後の対応について』以下のように発表いたしました。新型コロナウイルス感染症に関する都立学校の今後の対応について1 経 緯3月22日 東京都教育委員会臨時会・都立学校における今後の対応について報告3月23日 東京都新型コロナウイルス感染症対策本部会議(第13回)・新学期の開始を目指して準備する旨を報告・国のガイドラインを踏まえ、26日を目途に都の指針を発表3月23日 都立学校へ新学期に向けた準備について通知・春季休業中の過ごし方・始業式、入学式の実施3月24日 国から教育活動の再開に関する通知あり・「学校再開ガイドライン」・「臨時休業の実施に関するガイドライン」2 「都立学校版感染症予防ガイドライン」の概要(1)基本的な考え方東京が感染状況が拡大傾向にある地域であることを踏まえ、国のガイドラインに加え、都としての具体的な活動指針を定めて都立学校へ周知徹底し、警戒を緩めることなくリスク回避を十分に行いながら新学期に向けた準備を進めていく。なお、特定の地域でクラスターが発生した場合などには、別途適切な指示を行う。(2)主な取組〇新学期始業から4月12日(日)までの対応(その後も状況に応じて実施)・学年毎などの分散登校を実施・10時始業16時終業などの時差通学を実施〇部活動は、平日のみ実施(対外試合等は行わない)〇検温の義務付け、換気の頻度、飛沫感染防止(マスクの代用)等について、具体的な方法や基準を提示〇通学時は、公共交通機関における会話を控えるなどの対応を実施〇教職員に対し、感染予防のための自律的な行動を要請〇保護者やご家族に対し、感染予防についての協力を呼びかけ〇万が一、感染者が発生した場合は、原則として14日間を目安に休校とし、保健所等と相談するなどの手順を明確化【都立学校版感染症予防ガイドライン】3 教育委員会からのメッセージ学校における取組に加え、児童・生徒の保護者やご家族の皆様にも感染予防にご協力いただくため、東京都教育委員会からのメッセージを発出する。学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと)『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。すくすく伸びる子どもたちのために
2020年03月30日こんにちは。渋谷です。旦那は娘のみったんを溺愛しております。みったんには何でもしてあげたい。やりたいことは何でもしてあげたい。興味のあることにはいっぱい触れさせてあげたい。特に「自然とふれあう」ことを重点に置いた情操教育に力を入れているのですが、みったんのこととなると行動力が異常なのです。■娘を溺愛するパパが力を入れていること子どもの情操教育のためなら「うどんが食べたいから香川県に行こう」くらい唐突な行動力を発揮するのです。ですが…■パパのがんばりに、娘の反応は…「みったんのために!」と、よかれと思ってやったことが悲しい結末を迎えることが多いのです…そして最近は日曜朝の女児向けアニメの影響で星にハマっているみったんを見た旦那はまたしても唐突に「山奥へ星を見に行こう!」と提案したのです。せっかくだからと行ってみると想像以上に広がる満天の星空!私たち夫婦のテンションは急上昇!しかし…違う、そうじゃない。そういうことじゃないんだよみったん!!「親の心、子知らず」と言いますか…普段の生活ではどうしてもテレビやおもちゃなど作られた娯楽の影響が強くなりますし、私たち親も助けられている部分が多い。しかし、自然に触れ、実際に体験することでしか得られない、その時の気持ちや感じたことを大切にしてほしいのです。いつまでも家族一緒にいられる訳ではないので、ふとした時に「ああそういえばこんなこと、あった気がする」くらいの感じで良いのでみったんの中に残ってくれてたらな…と思ったりしています。そして旦那、子どものことに積極的になってくれるのは良いができればとっぴな行動は控えてほしい。おうちが大好きな超インドアダラ嫁からのお願いです。\おすすめ動画もぜひご覧ください!/ 母ちゃんTVはコチラ チャンネル登録お願いします♪
2020年03月24日音楽系の習い事のひとつとして注目されている「リトミック」。子どもの教育によいと評判で、全国にはさまざまな教室がありますが、そもそもリトミックとはどんなもので、具体的にどのような効果が期待できるのでしょうか?ここでは、リトミックに期待できる教育効果や、リトミック教室でのレッスンの一例(年齢別)を紹介します。そもそも、リトミックとは?リトミックとは、スイスの作曲家・音楽教育家であるエミール・ジャック=ダルクローズ(1865~1950)が提唱した音楽教育です。リトミックを英語で表記すると「Eu Rythmics」。「よいリズム」を意味します。言葉の意味からわかる通り、リトミックの特徴は、音楽のリズムに合わせて体を動かし、表現することにあります。そんなリトミックには、「音楽教育」としての側面だけでなく、「人間教育」としての側面もあります。国際幼児教育学会常任理事でユリ・リトミック教室主宰の石丸由理氏は、幼児期にリトミックを習うことの教育効果として以下の点を挙げています。【リトミックで学べること:音楽教育の面】音楽の始まりと終わりの感覚基本的なリズムダイナミクス(音の強弱)ピッチ(音の高低)サイレンス(音のない時間)いろいろなリズムパターンリズムフレーズ拍子いろいろな音色、ニュアンス感覚を通して音楽を感じ、表現する力【リトミックで学べること:人間教育の面】自分から耳を傾けて聴き、どうしたらよいかを判断する力音に対してすぐに反応できる力記憶力や集中力緊張とリラックスの使い分けができる適応力学んだことをほかの場面でも使える力人との上手な関わりを通しての社会性、協調性人のアイディアを受け入れる力自分のアイディアを創造する力心の中で聴く力リトミックが人間教育にもつながる理由は、ただ音楽を聴くだけでなく、全身を使って表現したり、コミュニケーションを通して音楽を体感したりするためです。また、子どもによっては、レッスンの中でうまくできないことにも出合います。その際に「自分の力でどうしたらよいかを考え、解決する」経験が、子どもを人間的にも成長させるのだと石丸氏はいいます。年齢別(0~5歳)リトミックのレッスン内容楽しく音楽を学びつつ、注意力や集中力などさまざまな能力を高めることができるリトミック。実際の教室では、どのようなレッスンが行なわれているのでしょう。0歳から5歳までの年齢別に、リトミック教室で行なわれているレッスン内容の例を紹介します。子どもの発達段階に合わせて、各年齢の子どもたちが楽しめるようなレッスンが行なわれているようですよ。■0歳児のリトミック0歳児を対象としたレッスンを実施しているリトミック教室は限られていますが、もし近くに教室がない場合でも、保護者主導で自宅にて行なうことが可能です。芸術教育研究所(現・芸術と遊び創造協会)が提案する0歳児向けのリトミックは次のようなもの。授乳後のリトミック授乳後、げっぷを促すときに、ゆったりと子どもの体を立て、だっこして歌を歌ってあげながら背中をやさしくたたいてリズムを伝える。目が見え始めたころのリトミック紙テープや色のはっきりした色紙を50cmくらい離した場所につるす。紙テープが不規則に揺れたり、カサカサを音を立てたりする様子を眺めるだけでも、リトミックのレッスンになる。首がしっかりしてきたころのリトミック子どもを膝の上に座らせて首の後ろに片手をそえて支え、歌を歌いながらゆっくり前後にゆすってリズムを伝える。子どもが慣れてきたら、首を支えるのをやめて、背中や腰をささえて同様にゆする。一人座りができるようになったら、向かい合って床に座り、手をつないでゆする。■1歳児のリトミック多くのリトミック教室で、1歳からを対象としたレッスンが行なわれています。2歳ごろまでは、保護者と一緒にレッスンに参加するスタイルが一般的です。たとえばカワイ音楽教室では、保護者と一緒に、手遊びや体を使った遊びを通してリズム活動を行ないます。このほか、童謡に合わせて大きな身振り手振りつきで講師と一緒に歌うレッスンもあるそう。音楽教育学・リトミックを専門とする、京都女子大学教授の神原雅之氏によると、1歳児になると全身運動を伴うリトミックができるようになるとのこと。床を転がりながら回転時の緊張と体を止めたときのリラックス状態を体験するレッスンは、その一例です。この時期の子どもはまだ歌を上手に歌える段階ではないので、レッスン中は保護者がやさしく、一語一語はっきりとわかるように語りかけます。また、リズムに合わせることもまだ難しいもの。ですから、1歳児のリトミックでは、親子で一緒に音やリズムを「楽しむ」ことがなにより大切になります。■2歳児のリトミック神原氏によると、2歳になれば、音楽の休止に対する反応や、ボールなどの道具を使いながらのリトミックなどができるようになるそう。また、ほかの子どもと一緒にリトミックを楽しめるのも2歳児の特徴です。そこで神原氏がすすめるレッスンのひとつが、「ゴー&ストップで遊ぶリトミック」です。音楽に合わせて自由に体を動かし、音楽が止まったらピタリと止まります。止まるときにポーズをとるようにすると、よりいっそう楽しめるとのこと。慣れるまでは、音楽の停止と同時に、講師が「ポーズ」と声をかけます。「ボールを使ったリトミック」では、音楽のリズムに合わせて、保護者や友達とボールを渡しあいます。渡すときに「どうぞ」、もらうときに「ありがとう」ということで、言葉のリズムを体感できます。■3歳児のリトミック3歳になるとコミュニケーション能力が発達し、グループでのリトミックができるようになると神原氏はいいます。たとえば、3~4人のグループを作り、曲を聴きながら先頭の子についていくように並んで歩くリトミックなどを実践するのだそう。曲の終わりに“ポーン”と低い音を鳴らして合図をしたら列の向きを変える……といった変化をつけると、音の高低を聴き分けられるようになるといった効果も期待できます。なお、3歳になると、子どもたちだけでレッスンに参加するケースが増えるようです。国立音楽院の幼児リトミック教室でも、3歳クラスでは保護者から離れて子どもたちだけでレッスンを楽しむようになるとのこと。自分で判断して自分で行動する、ひとり立ちのトレーニングの始まりです。■4歳児のリトミック4歳になったら、音の強弱や音階を意識したリトミックが取り入れられます。神原氏が提案する「音階に親しむリトミック」では、音階に合わせて“ドレミファソ”と歌いながら体を動かすことで、音階に親しみつつ、音の高低の変化を感じ取る力を身けられるのだそう。また、石丸氏によれば、精神面での変化として、4歳以降はレッスン中に「負けず嫌い」や「好き嫌い」といった気持ちが芽生えるのだそう。「こういう動きは苦手」とか「速いテンポについていけない」などという子も出てきます。ですが、そんな様子の友だちを見て「もうすぐジャンプだよ」と声をかけてあげるなどの思いやりを持てる時期でもあり、そうした経験が人間的な成長につながっていくのです。■5歳児のリトミック5歳になると、遊具を何かに見立てた動作をしたり、手足を同時に動かすフォークダンスを取り入れたりできるようになるそう。リズミカルに体を動かすことで、表現力や想像力を身につけられるようになります。神原氏が提案するレッスンの一例に、「ボードを使ったリトミック」があります。段ボールや厚手の色画用紙を直径20cmくらいに丸く切ったものを使用して、車のハンドルに見立てて走ったり、帽子のように頭にのせて歩いたりとさまざまな動きをするのです。このとき、伴奏に合わせてただ自由に動くのではなく、「八分音符の拍子に合わせて足を動かす」といったルールを決めると、より高度な音楽教育につながるのだとか。また、石丸氏は、5歳ごろからはグループの中でもリーダーやそれぞれの役割を決めることができるようになるといいます。自分がリーダーになったりリーダーに従ったりして、さまざまな立場になることで、考える力や協力する力が身につくそうですよ。リトミックを始める前の注意点楽しそうなリトミックのレッスン内容に、すっかり心惹かれた親御さんもいるのではないでしょうか。ですが、子どもに無理にリトミックをさせてはいけません。石丸氏いわく、保護者の心の準備として「無理やりにやり方を押しつけない」ことを心得ておくべきなのだそう。リトミックは、決められた動きを練習したり、決められた活動したりするものではありません。また、良い・悪いの評価をするものでもありません。「音楽と一緒に動いていたら、自然とできるようになっていた」と子どもが感じられることが理想なのです。リトミックの提唱者であるダルクローズは、精神的・肉体的に不安を感じているときは、心と体の統一や調整に欠けており、リズムに反応できないといいます。子どもに無理にリトミックをさせることは、こうした不安につながるので、本来の目的を達成できない意味でもおすすめできません。リトミックは幼児教育とはいえ、あくまで大切なのは、子どもに「音楽で動く楽しさや友だちと一緒に動く楽しさ」を経験させることです。子どもが笑顔でリトミックを楽しめるよう、見守ってあげましょう。***「動くのが楽しい」「音楽を聴くのが好き」な、好奇心旺盛な幼少期の子どもたちにとって、リトミックを習うことにはたくさんのメリットがあります。0歳から始められるリトミック。親子のコミュニケーションが増えるきっかけにもなりますので、ぜひ楽しみながら始めてみてくださいね。文/かのえかな(参考)芸術教育研究所おもちゃ美術館(2001),『0~5歳児のリトミック指導』,黎明書房.石丸由理(2003),『リトミック百科 年齢別の基本レッスンから発表会まで』,ひかりのくに.石丸由理(2017),『基礎からわかる リトミック! リトミック!』,ひかりのくに.神原雅之(2019),『こころとからだを育む1~5歳のたのしいリトミック』,ナツメ社.カワイ音楽教室|クーちゃんランドカワイ音楽教室|くるくるクラブ国立音楽院|幼児リトミックの効果とねらいとは?レッスン例を用いて簡単にご説明!
2020年03月02日かなしろにゃんこ、「LITALICOジュニア幕張本郷教室」へ!幼児教育が無償化になってお金の心配をせずに児童発達のお教室を利用できるようになりました。児童発達支援もその対象となり、「どんなことをするのかな?」と興味を持っている親御さんも多いのではないでしょうか。とはいえ、どんなところか気になるけれど、わが子が通えるか心配で…と不安になり、見学してみる勇気が出ないという方もいると思います。Upload By かなしろにゃんこ。そこで、かなしろにゃんこ。が、どんな場所なのか!?児童発達支援を行う「 LITALICOジュニア」の教室の様子をレポートしちゃいます☆この日訪問したのは、3つのお部屋がある幕張本郷教室。先生は全員で11人!障害福祉や児童福祉の実務経験のある先生が幼児に優しく指導していました。ジュニア幼稚園の先生からの言葉をきっかけに、教室に通うようになったレン君Upload By かなしろにゃんこ。さっそく、教室に通いはじめて2年目の年長の男の子レン君、2歳の女の子リリちゃんのお母さまにお話を聞いてみました。「LITALICOジュニア」に通うことになったのは、幼稚園での出来事がきっかけでした。家ではそういう困った行動がなかったので担任の先生からの言葉に「うちのレンが発達障害!?」と困惑したけれど、発達障害について調べていき診断を受けてみることにしました。いろいろ調べるうちに、発達障害は治るものではないと知って「じゃあどうするか!?」と、夫婦で相談しました。そして、就学前にある程度苦手なことをトレーニングでできるようになれないか?」と調べるうちに、LITALICOジュニアの教室のことを知って、通うことにしたのでした。LITALICOジュニアでは、一人ひとりに合わせたさまざまなプログラムがあり、子どもそれぞれの課題に合わせて先生がおもちゃや教材を用意してくれます。子どもそれぞれに支援計画が設定されているそうで、LITALICOジュニアの教室では、6か月ごとに目標を設定して、それに合わせて無理なく取り組めるプログラムを作ります。レン君は「先生の指示に従うことが難しい」という課題があったので、教室の先生にそれを伝えるとレン君に合わせたプログラムを用意してくれました。レン君はブロックが好きな元気な男の子。同じ年の子どもたちと一緒にトレーニングを受けても楽しく過ごせるので、複数人でのグループで、“先生の出した簡単な指示通りに行動する”というトレーニングを受けました。Upload By かなしろにゃんこ。“マット運動をした後に平均台をする”という指示を聞いて、その通りできるかチャレンジ!現在は、5回の指示のうち2~3回は指示を聞いて行動できるようになったそうです。教室に通うようになってから、幼稚園でお友達とぶつかってしまうことがあっても、以前ほど揉めずに感情のセーブができてきて解決がスムーズになったと幼稚園の先生から報告を受けたそうです。こんなことからもレン君の成長を感じたそうです。幼稚園のクラスは人数もたくさんいますが、教室では少ない人数で「みんなと一緒」「先生の指示をよく聞く」ことを意識して、取り組むことができます。そういう経験を積むことで、幼稚園でも気持ちのコントロールができるようになってきたんでしょうね。来春、小学校に入学してからの学校生活でもトラブルが起こらないか心配だったのですが、先生の指示通りに行動できるようになったり、お友達と仲良く遊べるようになってきたので、親御さんの心配事も以前より軽減され、レン君の将来に希望が持ててきたそうです。レン君の2歳になる妹のリリちゃんも発達で気になることがあったので一緒に通うことにしたそうです。親御さんが、リリちゃんの発達で気になっているのは“自分で指差しなどをして意思表示をまだしない”ことなどだそう。リリちゃんはまだ2歳ということもあり、個別にトレーニングを受けています。マンツーマンレッスンで少しずつ成長!2歳のリリちゃんUpload By かなしろにゃんこ。リリちゃんは、先生とマンツーマンで感覚や感触を楽しみ、いろいろなおもちゃを触れるなかで、さまざまなものに興味を持てるような時間を作っています。カラフルなカップを積み重ねていく遊びでは指の動きや集中力を育みます。貯金箱のように細長い穴にメダルを入れるおもちゃでは、手首の動きなどを遊びながら育めるそうです。その他、トンネルをくぐる遊びやマット、ボールなどたくさんのことに次から次へと挑戦!はじまる前は眠そうだったリリちゃんですが、先生とマンツーマンで課題に取り組みはじめると、元気いっぱいになっていました。トレーニングの様子を、ipadやPCモニターで見ることができるものも安心だそう。Upload By かなしろにゃんこ。毎回のトレーニング後は保護者へのフィードバックの時間が先生とお子さんとの個別トレーニング後には「今日は何をして、どういう変化や成長があったのか」を先生から親御さんにフィードバックする時間も設けられています。Upload By かなしろにゃんこ。リリちゃんが、カプセルの中のおもちゃを取りたいけれど自分では開けにくく少し困っていたときのことです(このカプセルはトレーニング用にわざと少し開けにくいように工夫されています)。リリちゃんは、先生に「カプセルを開けて」と伝えたいけれど、まだうまく言葉で意思表示ができません。でも、“この中のオモチャを触りたい!”という一生懸命な気持ちを先生に向かって言葉以外の方法で表現することができたといいます。言葉以外での表現方法でも、相手に伝えるという経験を通して、コミュニケーションの楽しさを覚えることで少しずつ、関わりの成長につなげるそうです。レン君のお母さんは、「教室では、感覚や運動、言葉かけなどの家では味わえない刺激を繰り返してトレーニングを積めるので、少しずつ心と体が成長している」のを感じられるそうです。またお母さん自身も教室に通う他のお子さんのママ同士、お菓子とお茶を囲んでの交流会などで、日ごろの子どもの様子や悩みなどを話したりできる時間を楽しんでいるそうです。子どものためのトレーニング、保護者向け交流会、ペアレント・トレーニングと、LITALICOジュニアにはいくつものコンテンツがあるんですね。発達が気になるわが子について、一人でなやまないで相談できるというのもいいですね。親御さんのケアも福祉の中では重要です!レン君はもうすぐ就学なので、LITALICOジュニアの教室も卒業になります。その話をするとなんだか悲しそう…。大好きな教室、好きな先生やお友達とバイバイする時間が近づいていることを感じているようです。レン君が一つひとつできるようになったことを、お母さんと先生が一緒に喜ぶ姿を見て、「自分を見守ってくれている」と感じるのかもしれませんね。1年間の通所で、母子分離の練習、そしてお友達との関わりまで教室でのトレーニング時間は1コマ45分間ですが、最初からどの子も45分間トレーニングをできるわけではありません。“ここは自分がいていい場所、安心できる場所”だと感じることや、先生との信頼関係ができてきてはじめて、45分間親御さんと離れて遊べるようになる子もいるそうです。そうした例の一つとして、幕張本郷教室の秋葉千鶴先生が一番成長を感じたお子さん・Aさんのお話をしてくれました。未診断ではあるものの、自閉症傾向があるということで通い始めたAさん。最初は、お母さんと離れることができませんでした。Upload By かなしろにゃんこ。お母さんにいつもピッタリくっついていないと不安な気持ちになってしまうお子さんもいます。Aさんも慣れていない場所や人が恐くてお母さんと一緒じゃないとお教室に入れなかったそうです。最初は個別に机に座って大好きな工作をして過ごし、先生が何か指示を出すことはせず特別なケアプログラムを行ったそうです。Aさんが興味のあるものを本人の思うままに任せて過ごすというものです。スタートした当時は10分しか部屋にいられなかったのですが、10分から15分、15分から20分、20分から30分とお部屋にいられる時間も長くなっていきました。最初は10分しかトレーニングルームに入室できなかったのに、数か月後には45分間の間ずっと部屋で過ごせるようになりました!そして場所に慣れてきたら、次にお友達を作るプログラムを行いました。同じ年の子2人と同じ部屋に入って一緒に過ごします。Aさんと先生が同じ机に座り、他の2人は同じ机に座り、違う課題に取り組んでいます。Aさんは人と関わることが苦手ですが同じ部屋にいる2人のことは気になっているので、同じ部屋で過ごす日をくり返すうちに、Aさんから話しかけるようになったそうです。Upload By かなしろにゃんこ。ほんとはお友達に話しかけたかったんですね。同じ空間にいる間に、少しずつ慣れていったのでしょうか?Aさんは自分が好きなものの話を2人に話すようになったのでした。1年後、LITALICOジュニアを卒業するころにはお友達と同じ机で課題に取り組めるようになったんだそうです。Aさんは、周りの人と自分から関わろうとするように成長していったのです。「Aさんはここで成功体験を積む経験を重ねて変わっていきました。教室に通う頻度も多かったことで場所に慣れて、いろいろな先生にも慣れていきました。今は小学校でどうしているかな?」と秋葉先生は語ります。「小学校に上がると会う機会がなくなっちゃうけど、どの子もきっと元気で学校に通っているんじゃないかな?」と思うそうです。気になったらまずは問い合わせてみて発達が気になるなと思ったら、教室をたずねてみてほしいです。きっとお子さんにいい影響がありそうです♡教室に通う他のママ・パパとの交流ができるのもいいですよね!先生が子どもそれぞれに合わせて教材やオモチャを手作りすることもあるそう。「どういうトレーニングがこの子の成長にいいだろう?」といつも考えてくれている人がいるのって、とっても心強いし嬉しいですよね♡親だけで頑張らないで専門家に頼りながら子育てしていくのもいいもんだな~って思いました。一度気軽に問い合わせてみてはいかがでしょうか?
2020年02月27日かつてないほどに教育熱が高まっているいま、多くの親が、よりよい子育てをしようとたくさんの教育情報に触れています。でも、そのことの危険性を指摘するのが、スクールカウンセラーの経験も豊富な心理学者である、明治大学文学部教授の諸富祥彦先生。「完璧な子育てをしようとすることなどではなく、親は自分の幸せを追求することがなにより大切」と諸富先生は語ります。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)親が自己否定に陥りがちな現代の情報化社会現在の情報化社会のなかでわたしが懸念しているのが、親が自己否定に陥ってしまうという問題です。いまは、ママタレントと呼ばれる芸能人の子育てブログなど、あらゆるところから子育てや家庭教育の情報が入ってきます。そうして、「わたしの子育ては不十分じゃないのか……」というふうに不安になってしまう親が増加しています。その根底にあるのが、少しでも他人より優位に立ちたいという心理です。これは、学生時代の学業や部活となんら変わりません。勉強でまわりより少しでもいい成績を残したい、部活でまわりより少しでも活躍したい。そういう願望を多くの人が持っていたはずです。そして、子育てでも同様に、「わたしは他人よりいい子育てをしている」と感じ、安心したいと思うようになるのです。でも、そう感じるためには他人と比較することが必要となってきます。すると、安心するどころか、逆に「わたしの子育ては不十分じゃないのか……」と不安を感じ、自己否定に陥ることになってしまう。そうならないために意識してほしいのは、「完璧な親なんていない」ということ。どんなに完璧に見える親も完璧ではありませんし、そもそも完璧になる必要なんてないのです。これは、『Nobody’s Perfect』というカナダで生まれた親向けの教育支援プログラムの名称にも表れている考え方です。1980年代にはじまったこのプログラムは、親たちがグループのなかで互いの経験や不安を語り合うことで子育てのスキルを高めること、そしてなにより自信を取り戻すことを目的としています。子どもをしっかりと導いていくべき親が自信を失って不安になっていては、いい子育てができるはずもありません。子どもを目一杯愛して、親ばかになってもいいそして、「完璧な親なんていない」ということと同時に、子育てのゴールというものも意識してほしいと思います。子育てとは、とても長い時間を要するものです。子育ての目的は、子どもを、幼稚園児として幸せな幼稚園児にすることでもなければ、小学生として幸せな小学生にすることでもありません。子育てのゴールが、子どもが幸せな人生を歩むことだとするならば、子どもが大人になったときに子ども自身で幸せな人生を送っていけるような基礎能力をつけてあげることが子育ての最大の目的であるはずです。では、その基礎能力とはどんなものでしょうか?それは、子どもが自分でどんな人生を歩んでいきたいのかとプランニングして、やるべきことを自己決定して、自分で自分を幸せにできるような、タフな生きる力です。いくら親が望むとおりの道を子どもに歩ませたところで、親が押しつけた人生を子どもが幸せに感じるとは限りません。そう考えると、親がやるべき重要なことにはふたつのことが考えられます。ひとつは、子どもの自己肯定感を高めてあげること。「僕なんて幸せになっちゃいけない人間なんだ……」と自己否定していては、その子は幸せになれるはずもないからです。子どもの自己肯定感を高めるためには、「僕は僕のままでお父さんやお母さんに愛されている」と子どもに思わせてあげることが大切です。そして、子どもにそう思わせるには、親がしっかり愛情表現をすべきです。「ママはあなたを愛しているのよ」「あなたが大事なんだよ」と言葉で表現することでもいいでしょう。でも、わたしはなによりスキンシップをおすすめします。言葉よりも、肌の触れ合いを通じてのほうが、より多くの愛情が伝わるとわたしは考えています。スキンシップをすることに対して、「子どもを甘やかすことになりませんか?」と心配する人もいますが、そんなことはありません。目一杯、スキンシップをして愛してあげればいい。ですから、親ばかになっていいんです。ばか親になってしまうのは困りますけどね……(笑)。たとえ離婚してでも親が幸せになることが大切そして、子どもが自分を幸せにすることができるようになるために親がやるべき重要なもうひとつのことが、親自身が幸せになること。「人生は楽しいんだ!」「幸せになっていいんだ!」ということを、親の生き方を通じて子どもに伝えるのです。そういうと、「夫婦仲を良好に保つことも大事」というふうに考えるかもしれません。でも、夫婦仲を悪くしないために親が互いに我慢を重ねていいたいこともいわず、うつうつと暮らすようなことは、果たして幸せといえるでしょうか?そんな生活をしていては、子どもに「人生は楽しいんだ!」という大事なメッセージを伝えられません。極端にいえば、離婚したとしてもなんの問題もないということです。たとえ離婚をしてでも「俺は幸せになるぞ!」「わたしは幸せになるぞ!」と、幸せを追求する姿勢、強い生命力を親が示すことのほうがよほど大事なことだからです。完璧な子育てをする完璧な親になどなる必要はありませんし、なれるはずもありません。そんなことを考えるより、もっと自分の願望に素直に従って、親自身が幸せになり、子どもに「僕も幸せになっていいんだ」「わたしも幸せになっていいんだ」と思わせてあげる。それが子育てにおいてもっとも大切なことです。『孤独の達人 自己を深める心理学』諸富祥彦 著/PHP研究所(2018)■ 諸富祥彦ホームページ■ 明治大学文学部教授・諸富祥彦先生 インタビュー記事一覧第1回:“手がかからない子”ほど要注意!「いい子症候群」が怖い理由と、その防止法第2回:「過干渉」育児が招く悲しい結果。“見守るだけでは物足りない”親が危険なワケ第3回:「スマホ依存の親」と「衝動がコントロールできない子ども」の意外な関係第4回:完璧な子育てを目指さなくていい。親はもっとわがままに“自分の幸せ”を追求しよう【プロフィール】諸富祥彦(もろとみ・よしひこ)1963年5月4日生まれ、福岡県出身。心理学者。明治大学文学部教授。「時代の精神(ニヒリズム)と闘うカウンセラー」「現場教師の作戦参謀」を自称する。1986年、筑波大学人間学類卒業。1992年、同大学院博士課程修了。英国イーストアングリア大学、米国トランスパーソナル心理学研究所客員研究員、千葉大学教育学部講師、同大学教育学部助教授を経て、2006年より明治大学文学部教授。日本トランスパーソナル学会会長、日本カウンセリング学会認定カウンセラー会理事、日本生徒指導学会理事、教師を支える会代表等の肩書も持つ。専門は人間性心理学、トランスパーソナル心理学。孤独、むなしさ、生きる意味などをキーワードに、現代人の新たな生き方を提示している。スクールカウンセラーとしての活動歴も長く、学校カウンセリングや生徒指導の専門家でもある。『男の子の育て方』『女の子の育て方』『一人っ子の育て方』(いずれもWAVE出版)、『子育ての教科書』(幻冬舎)、『「本当の大人」になるための心理学 心理療法家が説く心の成熟』(集英社)、『他人の目を気にしない技術』(PHP研究所)、『「プチ虐待」の心理』(青春出版社)、『「すべて投げ出してしまいたい」と思ったら読む本』(朝日新聞出版)、『知の教科書 フランクル』(講談社)など著書多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年02月27日ひとりっ子家庭の増加に伴い、教育界において注目度を増している問題が「過干渉」です。子どもを大事にして「いい子に育ってほしい」という気持ちが強いあまりに、親の希望を優先した子育てに走ってしまう――。子どもを大事に思う気持ちは悪いものではありませんが、過干渉気味に育てられた子どもはさまざまな問題を抱えてしまいます。スクールカウンセラーの経験も豊富な心理学者である、明治大学文学部教授の諸富祥彦先生に、過干渉の典型例や、そうしないための方法を教えてもらいました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)親が子どもの友だちや遊びを決める、過干渉の典型例自分の子どもを、他人の顔色ばかり伺って自分がなにをしたいかもわからない「いい子症候群」にしないためにもっとも大切なことが、あらゆることを子ども自身に自己決定させることです(インタビュー第1回参照)。逆に、子どもの意志とは関係なく、どんなことも親が決めてしまうことを「過干渉」といいます。過干渉は、いい子症候群とセットのように大きな問題となっています。子どもが幼い場合、典型的に見られる過干渉の例が、親が子どもの友だちを選ぶということ。子どもの友だちに対して、親の勝手な価値観によって、「もうあの子とは遊ぶのはやめなさい」「この子はいい子だから、この子と遊びなさい」というようなことです。いまもむかしもよく見られるケースですから、ドキッとした人もいるでしょう。友だちを選ぶという行為は、絶対に子ども自身にさせるべきものです。そうでないと、子どもが自分自身で人間関係を築いていく力が育たないからです。あるいは、友だちどころか、遊びの内容そのものすら親が決めるというケースもある。子どもが遊びたいことではなく、親が子どもにしてほしい遊びを決めてしまうのです。そんなことをしてしまえば、子どもがどんどん自己決定できない人間になっていくことは明らかですよね。「自分づくり期」に入った子どもを「見守る」意識では、どんな親が子どもに対して過干渉になってしまいがちなのでしょうか?もっとも大きな特徴として、そういう親は子どもに依存しているという点が挙げられます。過干渉になってしまう親は、子どもに対してあれこれと口を出すことが子育てだと思っています。もちろん、小学3年くらいまでの子どもには、そういうことも必要です。それは、小学3年くらいまでは「しつけ期」にあたるからです。子どもが他人に迷惑をかけないため、自分のことを自分でできるようにさせるため、あるいは子ども自身の安全のため、幼い子どもにはあれこれと口を出してしつけることも必要です。でも、子どもが小学4年くらいになって思春期に差し掛かれば、必要以上に子どもに口を出してはいけません。なぜなら、その時期から子どもは「自分づくり期」に入るからです。自分づくり期という名のとおり、この頃から子どもは個性を磨いて自分らしさを身につけ、自分という人間をつくっていく。どんな大人になってどんな人生を歩んでいくのか――そういうことのベースが形成されるとても大事な時期といえます。そして、その時期の子どもに対して親がやるべきことは、それまでのようにあれこれと口を出すのではなく、見守るということ。つまり、子育てにはギアチェンジが必要なのです。ところが、子どもに依存している親は、このギアチェンジができない。あれこれと子どもに口を出して怒鳴っていないと、育児をしている気になれないのです。子どもを見守るだけではむなしいわけです。そういう親の勝手な空虚感を埋めるために、子どもに口を出してしまう。そういう意味で、過干渉の親は子どもに依存しているといえます。「一歩下がる」意識を持ち、自己満足の子育てをしないそうして、過干渉気味に育てられた子どもはどうなるのでしょうか?ひとつは、他人の顔色ばかり伺って自分がなにをしたいかもわからないいい子症候群になってしまうということ。もうひとつが、逆に親に対してものすごく反発して非行に走るようなケースです。非行に走って万引をする子どもたちの多くは、万引が楽しいからやるわけではありません。親が悲しむから万引をするのです。いわば、これは親に対する復讐です。ずっと自分を支配してきた親に対して、親を悲しませることで復讐をしているわけです。いい子症候群になったとしても、非行に走ったとしても、それは親子ともに望んでいなかった結果です。子どもをそんな道に進ませないためにも、子どもが自分づくり期に入ったら、親は子育てのギアチェンジをして子どもを見守ることを考えるべきです。なにより、「一歩下がる」ということを意識してください。自分よがりの子育てを優先してしまうと、ついあれこれと口を出したくなるものです。そんな子育ては、ただの自己満足に過ぎません。自己満足に走ることなく、親は一歩下がって、子どもが自分のことを自分で決めるというプロセスを辛抱強く見守るべきです。そういう姿勢でいられれば、子どもがいい子症候群になったり非行に走ったりするという、悲しい結果を招くことはないはずです。『孤独の達人 自己を深める心理学』諸富祥彦 著/PHP研究所(2018)■ 諸富祥彦ホームページ■ 明治大学文学部教授・諸富祥彦先生 インタビュー記事一覧第1回:“手がかからない子”ほど要注意!「いい子症候群」が怖い理由と、その防止法第2回:「過干渉」育児が招く悲しい結果。“見守るだけでは物足りない”親が危険なワケ第3回:「スマホ依存の親」と「衝動がコントロールできない子ども」の意外な関係(※近日公開)第4回:完璧な子育てを目指さなくていい。親はもっとわがままに“自分の幸せ”を追求しよう(※近日公開)【プロフィール】諸富祥彦(もろとみ・よしひこ)1963年5月4日生まれ、福岡県出身。心理学者。明治大学文学部教授。「時代の精神(ニヒリズム)と闘うカウンセラー」「現場教師の作戦参謀」を自称する。1986年、筑波大学人間学類卒業。1992年、同大学院博士課程修了。英国イーストアングリア大学、米国トランスパーソナル心理学研究所客員研究員、千葉大学教育学部講師、同大学教育学部助教授を経て、2006年より明治大学文学部教授。日本トランスパーソナル学会会長、日本カウンセリング学会認定カウンセラー会理事、日本生徒指導学会理事、教師を支える会代表等の肩書も持つ。専門は人間性心理学、トランスパーソナル心理学。孤独、むなしさ、生きる意味などをキーワードに、現代人の新たな生き方を提示している。スクールカウンセラーとしての活動歴も長く、学校カウンセリングや生徒指導の専門家でもある。『男の子の育て方』『女の子の育て方』『一人っ子の育て方』(いずれもWAVE出版)、『子育ての教科書』(幻冬舎)、『「本当の大人」になるための心理学 心理療法家が説く心の成熟』(集英社)、『他人の目を気にしない技術』(PHP研究所)、『「プチ虐待」の心理』(青春出版社)、『「すべて投げ出してしまいたい」と思ったら読む本』(朝日新聞出版)、『知の教科書 フランクル』(講談社)など著書多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年02月25日2020年からの教育改革は、明治維新以来のもっとも劇的な改革であると言われています。新しい学習指導要領がめざすのは「十分な知識・技能」「答えがひとつに定まらない問題に自ら解を見出していく思考力・判断力・表現力」「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」の育成です。これまでの知識偏重の教育から脱却し、「知識をどのように使うのか」に重点が置かれるようになるわけです。大学入試も大きく変わります。この大きな教育改革によって、「頭がいい子」の定義も大きく変わると予想されます。単にたくさんの知識を持っているだけでは不十分で、「自分以外の人ともうまく関わりながら豊富な知識を活用できる子」が高く評価される時代がやってくるのです。中には「うちの子勉強好きじゃないんだよね」「なんか読解力が低い気が......」「スマホばっかりしているんですけど」とお悩みの保護者の皆さんもいるかと思います。ですが、そんな親が心配する行動や変化こそ子どもが伸びるサインなのだそう。サッカーでも勉強でも、子どもが伸びるためには親のかかわりが重要です。今回は、入塾テストなしで難関校に続々合格する塾の先生で、アスリートと学習教育に共通する「成長プロセス」の体系化にも取り組んでいる進学塾VAMOS代表・富永雄輔さんに、子どもの伸びしろを最大限伸ばすヒントが詰まった最新著書「それは子どもの学力が伸びるサイン!」(廣済堂出版)のからいくつかのヒントをいただくこの短期連載。最終回となる今回は、子どもを賢くする「チャンス!」の事例をお届けします。子どもたちが夢に向かい、進路を決める時に納得した決断を出すために大事なことでもあります。「それは子どもの学力が伸びるサイン!」これからは「自分以外の人ともうまく関わりながら豊富な知識を活用できる子」が高く評価される時代がやってくるのです(写真は少年サッカーのイメージです)■日常の出来事は、子どもを賢くするチャンスにつながるこんにちは。私は東京・吉祥寺に本部を置く学習塾「VAMOS(バモス)」の経営者として、10年以上子どもたちの指導にあたってきた富永雄輔です。また、一方で日本サッカー協会登録仲介人として、サッカー選手のエージェント業務も行っています。私の塾では入塾テストを一切行っていませんが、ありがたいことに難関校と言われる学校に合格するお子さんたちが多くいらっしゃいます。そんなお子さんと親御さんのかかわりを見てきた経験から、子どもが気になる行動をしたときは、大人がそれを「サイン」とみなし、適切なタイミングでフォローしていけば、学力も思考力もぐっと伸びると実感しています。今日はこんな過ごし方は、子どもを賢くする「チャンス」!の事例をご紹介します。社会が多様化している今、子どもの生活は親が子どもだった時代とは違ってしまっています。それを踏まえて、日常のさまざまな出来事を子どもを賢くするチャンスにつなげましょう。そのための方法をお教えします。■お金の話をする-生きる力を育てるチャンス日本人はとかく、お金の話を避ける傾向があります。そのため、お金に関する教育も諸外国に比べ、かなり遅れているのが現状です。自己破産を多く扱う弁護士さんの話によれば、そもそも自分の収入に応じた生活を営むという当たり前のことができない若い世代が非常に多いのだとか。金融リテラシー、つまりお金に関する知識や判断力が身につかないまま大人になっているにもかかわらず、一方ではクレジットカード、モバイル決済などのサービスが気楽に利用できる社会は出来上がっています。便利さの裏にあるリスクをきちんと理解せぬまま安易に利用してしまった結果、金銭的な窮地に陥るケースが後を絶たないのだそうです。仮想通貨などの新しい金融商品も続々と登場しましたが、その仕組みを理解できなければ、その恩恵にあずかることはできません。年金などの社会制度の行く末も不透明な未来を生き抜くためには、お金に対する正しい知識と理解は欠かせないでしょう。そのためにも、家庭での会話において、お金の話をタブーにしないことはとても大事です。お金の話は成績の話に通じるものがあります。努力はもちろん大事ですが、受験生に必要なのは客観的な数字。いいか悪いかは別にして、定量的に数字を見せて、現実的かどうか子どもに判断させることが受験には必要です。最近の学校教育では、子どもに定量的な目標をあまりもたせないことが多いのですが、ただ「がんばる」だけでは、子どものモチベーションはなかなか長続きしません。数字で表す目標を掲げることで、それに向かって自分の勉強を続けられます。受験においては、「がんばる」「一生懸命」などの抽象的な言葉をなるべく使わない習慣をつけるほうがよいと私は考えています。■「キラキラした姿」ばかりでなく、現実をきちんと教えるですから、将来の職業の話をするときも、小学生くらいまでは、夢や希望がもてるキラキラした姿だけを話題にしていけばよいでしょうが、中学生以降のお子さんには、その仕事で具体的にどれくらいの報酬があるのかという、シビアな部分に触れておくのも大事だと思います。私はサッカー選手のエージェントの仕事もしているのですが、思うことがあります。小学生ならサッカー選手を無邪気に夢見るのもいいでしょう。でも、中学生くらいからは、海外のチームに所属し、日本代表に選ばれて、夢のような年俸を得られる選手はほんの一握りであること。さまざまな試練を乗り越えてJリーガーにはなれたとしても、J3の選手の場合はサラリーマンの平均年収を稼ぐのがやっとという金銭的な現実から目を背けさせてはいけません。もちろん、お金だけが大事なわけではないですし、「だからあきらめなさい」ではありません。たとえ、年収が高くなくても「夢を与える仕事を選びたい」という判断は尊重すべきだし、ひと握りの日本代表という夢を追いかけ続けるにしても、自分の実力を冷静に見たうえであれば、否定する必要はないです。その夢を肯定するか、調整するか、思い切ってあきらめるのかは、あくまでも本人の判断なのです。しかし、私が言いたいのは、その判断材料に「お金」の情報を与えないのは、大人として無責任ではないか、ということです。みんながお金持ちになれるかのようなイメージだけを抱かせ、現実を見せないのは、少なくとも中学生以上の子どもに対しては、むしろ酷だと思うのです。お金の現実を知り、そのうえで判断し、その夢に対して自分なりの着地点を見つけることも、大事な「生きる力」のひとつなのです。■親も子もスマホの画面にばかり夢中になっていない?コミュニケーション能力を「持って生まれたものだからしょうがない」と諦めないでください。親子の会話で身につけられる力です(写真は少年サッカーのイメージです)そもそも大規模な教育改革が実施される理由がまさに、「十分な知識・技能」「答えがひとつに定まらない問題に自ら解を見出していく思考力・判断力・表現力」「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」を備え、自分以外の人ともうまく関わりながら豊富な知識を活用できる、そのような人材を社会が求めているからにほかなりません。これまで経験したこともない大きな改革ゆえに、いったい何が起こるのか、どういう準備が必要なのかと不安を抱えている親御さんも多いかもしれませんが、ひとつ間違いなく言えるのは、「コミュニケーション能力の高さ」はこれからますます大きな武器になることです。コミュニケーション能力を、持って生まれた才能のように勘違いする方が多いのですが、決してそうではありません。多くの子どもたちと接している中で私が強く感じるのは、優れたコミュニケーション能力を発揮する子には、ご家庭でたくさんの会話を重ねているという共通点があることです。ネット時代であろうとも、コミュニケーション能力は顔を突き合わせたコミュニケーションによって磨かれます。大きな力を発揮するのは、日常的な親子間のコミュニケーションなのです。しっかり顔を見て、表情の変化にも気を配りながら、お子さんと会話をしていますか?親も子もスマホの画面にばかり夢中になっていませんか?新しい教育システムであなたのお子さんがチャンスをつかむのか、ピンチに陥るのか──。その鍵を握るのは、新世代のお子さんの価値観に寄り添い、サインをキャッチし、理解しながら、コミュニケーションを図ろうとする、そんな親御さんの姿勢にあることをどうか忘れないでください。富永雄輔(とみなが・ゆうすけ)進学塾「VAMOS(バモス)」代表。京都大学を卒業後、東京・吉祥寺に幼稚園生から高校生まで通塾する進学塾「VAMOS」を設立。入塾テストを行わず、先着順で子どもを受け入れるスタイルでありながら、中学受験から高校受験、大学受験まで、毎年首都圏トップクラスの難関校合格率を誇る。少人数制の個別カリキュラムを組みながら、子供に合わせた独自の勉強法により驚異の合格率を実現して話題に。小さな学習塾ながら、論理的な学習法や、子供の自主自立を促し、自分で考える力の育成に効果的と、保護者から圧倒的な支持を集めている。日本サッカー協会登録仲介人として若手プロサッカー選手の育成も手がけ、アスリートと学習教育に共通する「成長プロセス」の体系化にも取り組んでいる。主な著書に『「急激に伸びる子」「伸び続ける子」には共通点があった!』(朝日新聞出版)、『東大生を育てる親は家の中で何をしているのか?』(文響社)、『男の子の学力の伸ばし方』『女の子の学力の伸ばし方』(共にダイヤモンド社)などがある。
2020年02月19日日本の教育の問題点として、「イノベーション能力を育てることができない」ことが挙げられることがあります。それがひいては、日本の経済力低下にもつながっていると指摘されるいま、これからの時代を生きる子どもたちのイノベーション能力を育てることは重要な課題でしょう。その課題克服のために、貧困家庭に生まれながら独学で東大とハーバード大に合格し、現在は「学びのイノベーター」という肩書で、少子化問題、奨学金問題、子どもの貧困問題などについて評論活動を行う本山勝寛さんは、「子どもの『好き』を大切にしてほしい」といいます。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)好奇心、創造性、発想力がイノベーション能力の源泉子どもたちが豊かな人生を歩んでいくために重要なものとして、わたしは第一に好奇心を挙げます(インタビュー第1回参照)。というのも、好奇心がなければ、勉強でもスポーツでも、なにかに取り組む最初の一歩を踏み出せないからです。加えて、これからの時代を生きる子どもたちには、創造性や発想力も大切な力でしょう。なぜかというと、好奇心、それから創造性や発想力は、社会的にも重要性が増していて日本人に欠けているといわれるイノベーション能力につながるものだからです。では、なぜイノベーション能力がそんなに重視されているのか。その理由は、すでに確立された手法を知っていたり多くの知識を持っていたりすることの価値が、今後はどんどん下がっていくからです。人間は、知識の量ではAIにかないません。そのため、AIではなくて人間だからこそできる新しい発想を生む――つまり、イノベーション能力が大切になってくるわけです。「なにものでもないもので遊ぶ」ことの重要性そのイノベーション能力の源泉である好奇心、創造性、発想力が子どもに芽生えているかどうかは、子どもをよく観察していればわかります。たとえば、子どもが砂場で遊んでいたとします。そして、砂場のなかから石が出てきた。ただの石ですが、好奇心や創造性、発想力がある子どもは、そんな石にも興味をかき立てられます。そうして、砂場から出てくる石を次々に集め、今度は別の遊びをはじめたりもする。子どもは水が大好きですから、それらの石を水で洗ってみる。好奇心、創造性、発想力の芽が育っている子どもの場合、水に濡れて石の色が変化することにも面白さを感じるのです。わたし自身、自分の子どもと砂場で「化石発掘ごっこ」をしたこともあります。砂場から出てくる石を化石に見立てて、恐竜のかたちに並べる遊びです。ただの石も、好奇心、創造性、発想力を持って見てみれば、恐竜の化石に見えるというわけです。もちろん、子どもの好奇心、創造性、発想力が発揮される場面は、砂場遊びに限りません。たとえば、落ち葉遊びもそうでしょう。大人からすれば落ち葉はただのゴミかもしれません。でも、好奇心、創造性、発想力がある子どもにとっては、色のちがいに興味を持ったり、穴を開けてお面にしたりと格好のおもちゃになります。なにものでもないもので遊ぶ――そういうことの積み重ねが、将来的なイノベーション能力を伸ばすことにつながるのではないでしょうか。アウトプットしなければイノベーション能力は育たないじつは、わたしが2019年末に出版した『そうゾウくんとえほんづくり』(KADOKAWA)も、子どもの好奇心や創造性、発想力を伸ばすことをコンセプトにつくった本です。この本は、さまざまなワークをしていくことで、最終的にオリジナルの絵本をつくれるという内容です。もちろん、絵本の内容には正解はありません。だからこそ、子どもの好奇心や自由な創造性、発想力を伸ばすことができるのです。わたしの娘もこの本を使って自分だけの絵本をつくっています。娘がいまいちばん興味を持っているものがハムスターですから、娘は絵本に登場するキャラクターもハムスターにしました。「1匹だと寂しくてかわいそう」といって、登場キャラクターはハムちゃんとスタちゃんという双子のハムスターです。そこからは、順を追ってストーリーを考え、絵本をつくっていきます。この絵本づくりのなにがいいかというと、アウトプットそのものだからです。イノベーション能力は、ただ知識や情報をインプットしたからといって育つものではありません。これまでにない新しいものを生み出すのですから、アウトプットの経験を積み重ねることこそが大切なのです。子どもがアウトプットしたくなるための大前提でも、親が「アウトプットしなさい」といったところで、子どもがアウトプットするわけでもありませんよね?なによりも、その大前提として、子ども自身が大好きなものを持っている必要がある。わたしの娘の場合はハムスターが大好きだからこそ、ハムスターをキャラクターにした絵本をつくりたい、つまりアウトプットしたいと考えたわけです。わたしの子どもの例ばかりで恐縮ですが、いま長男が大好きなのはザリガニです。春や夏の時期には毎日のようにザリガニ釣りに出かけ、あまりにザリガニ釣りがうまいので近所の子どもたちのあいだでは「師匠」と呼ばれているとか(笑)。そして、ザリガニが好きだからこそ、ザリガニについていろいろと勉強をする。そういった経験を続けるうち、息子のなかには「表現したい」という欲求が生まれたようです。その気持ちは、夏休みの自由研究となって表れました。息子の自由研究は、「ザリガニオリンピック」。飼っている10匹ほどのザリガニに陸上や水泳などの競技をさせて、その結果をまとめて発表したのです。親は一切口出しをしませんでしたが、自分で細かいルールも決めて測定し、すべて自ら考えて完成させていました。この他にも、食用のウチダザリガニという種類のザリガニを釣って調理して食べてみて、それをレシピにまとめて発表したり、ザリガニくんを主人公にした絵本もつくりました。息子のザリガニが好きという気持ちが「アウトプットしたい」というかたちになって表れたのだと思います。そう考えると、親としては子どもの興味関心をしっかりと観察し、「好き」を大切にしてあげることが、子どもイノベーション能力を伸ばすためにもっとも重要なことなのではないでしょうか。『そうゾウくんとえほんづくり』本山勝寛 著/KADOKAWA(2019)■ 学びのイノベーター・本山勝寛さん インタビュー記事一覧第1回:非認知能力のなかで最重要なのは「○○心」。実は、日本の子どもは学びへの興味が低い!?第2回:「ただの石でも化石に見える」?自分で新たに生み出す経験が育むイノベーション能力第3回:自己肯定感がぐんぐん高まる最高の褒め方。「やればできる」のマインドはこう育てる!(※近日公開)【プロフィール】本山勝寛(もとやま・かつひろ)1981年3月13日生まれ、大分県出身。学びのイノベーター。本山ソーシャル・イノベーション塾(MSI塾)塾長。日本財団子どもの貧困対策チームリーダー兼人材開発チームリーダー。高校時代、アルバイトで自活しながら独学で東大に現役合格。東京大学工学部システム創成学科卒業後、ハーバード大学教育大学院国際教育政策専攻修士課程を修了。現在は日本財団にて子どもの貧困対策チームリーダーと人材開発チームリーダーを務め、少子化問題、奨学金問題、子どもの貧困問題などについて評論活動を行う。5児の父で育児休業を4回取得。自身の経験を基にした勉強法、教育論などについての執筆活動にも積極的に取り組む。『最強の暗記術 あらゆる試験・どんなビジネスにも効く「勝利のテクニック」』(大和書房)、『今こそ「奨学金」の本当の話をしよう。 貧困の連鎖を断ち切る「教育とお金」の話』(ポプラ社)、『最強の独学術 自力であらゆる目標を達成する「勝利のバイブル」』(大和書房)、『一生伸び続ける人の学び方』(かんき出版)など著書多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年02月18日近年、教育におけるトレンドのキーワードとしてあがるのが、「StudyHackerこどもまなび☆ラボ」でも幾度となく登場している「非認知能力」。それにはじつにさまざまな力が含まれますが、なかでも「好奇心が大切」だと語るのは、貧困家庭に生まれながら独学で東大とハーバード大に合格し、現在は「学びのイノベーター」という肩書で、少子化問題、奨学金問題、子どもの貧困問題などについて評論活動を行う本山勝寛さんです。好奇心の重要性とは、どんなところにあるのでしょうか。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)人生のいろいろな面を左右する非認知能力すでに知っている人も多いと思いますが、非認知能力とは、文字どおり認知能力ではない能力のことを指します。認知能力は、テストで測れるIQや学力のこと。一方の非認知能力は、テストでは測れない力のことです。非認知能力には、ものごとを途中で投げ出さずにやり抜く力や、自分自身をコントロールする自制心、周囲と良好な関係を築くコミュニケーション能力や社会性、ものごとに興味関心を持って探求していく好奇心など、さまざまなものが含まれます。非認知能力が重要だということは、多くの人が直感的にはわかっていたことだと思いますが、その重要性が、いまではたくさんの研究によって裏づけされています。たとえば、「認知能力が高くても非認知能力が高まるわけではないが、非認知能力が高ければ認知能力も高まる」という研究もそのひとつでしょう。たとえどんなにIQが高くても、「自分は頭がいいんだ」と過信して勉強をしなかったり、あるいはやり抜く力がなくてすぐに勉強を投げ出してしまったりすれば、学力が伸びないのはあたりまえのことですよね。一方、IQは平均的であっても、やり抜く力があればコツコツと努力を続けられ、自制心があれば遊びたい気持ちを抑えて勉強を続けることができる。よくよく考えてみれば、研究結果など待たずとも、非認知能力が高ければ認知能力が高まることは容易に想像できるでしょう。もちろん、これらの力は大人になってからも重要なものです。自制心をもって仕事に必要なスキルをコツコツと学んで身につけたり、やり抜く力を発揮して困難に直面しても最後まであきらめずに取り組んだりすれば、仕事で成果を出すこともできる。中長期的に見れば、年収が上がることにもつながるでしょう。このように、人生のいろいろな面を左右するという点で、非認知能力の注目度が上がっているのです。ものごとに対して最初の一歩を踏み出させる好奇心非認知能力のなかでも、わたしはとくにこれからの時代には好奇心が重要だと考えています。というのも、学校や会社から決まったことを指示されて取り組んでいればよい時代から、自らが主体的に新たなことを見出して取り組み、創造していくことが求められる時代になってきているからです。自制心ややり抜く力は、やるべきことが定まっていればその効力を発揮しますが、自ら主体的に学んだり、行動したり、創造したりすることを促す原動力は好奇心です。勉強やスポーツ、仕事でも、ものごとに対して興味関心を持って取り組む、最初の一歩を踏み出させる力が好奇心なのです。しかし、日本人の場合、その好奇心が低いという残念なデータがあります。OECD(経済協力開発機構)が、15歳児を対象に定期的に行っている学習到達度調査「PISA」というものがあります。最近、その2018年調査で日本の生徒の読解力が8位(全70カ国・地域中)から15位(全79カ国・地域中)に低下したというニュースを見聞きした人も多いでしょう。とはいっても、まだ日本の生徒の読解力は平均より上です。わたしが問題として考えているのは、知的好奇心の低さなのです。その学習到達度調査では、数学や理科に対して興味があるかというアンケートも取っているのですが、日本の生徒の興味は非常に低く、OECD加盟国のなかでワーストに近かった。つまり、日本の子どもたちが持っている学力は、興味もないのに学校や塾で勉強をさせられた結果によるものと考えられます。でも、先にお伝えしたように、勉強に対する興味、つまり好奇心がなければ勉強に自ら積極的に取り組むこともないのですから、学校や塾でのやらされる勉強がなくなれば終わり。主体性や創造性が求められるようになると、日本人が成果を出せなくなってしまうことを危惧しています。子どもに好奇心が育つかどうかは親のかかわり方次第これらを前提とすると、やはり子どもの好奇心をしっかりと伸ばしてあげることが大切だと考えられます。そうするために、親はどうすべきなのでしょうか?それは、親自身もさまざまなものに好奇心を持つということに尽きます。子どもと一緒に自然のなかに遊びに出かけたとします。本来、多くの子どもは強い好奇心を持っていて自然が大好きですから、山や公園を散歩していてドングリなどを見つけたら、大いに興味を持つはず。そして、色やかたちが異なるドングリをたくさん集めるでしょう。でもそのとき、子どもがドングリに興味を持っていること対して親が興味を持っていなかったとしたら?「汚いから捨てなさい」なんていって、子どもの好奇心の芽を摘むことになってしまいかねません。こうして、親の好奇心の低さが子どもに伝染し、子どもも本来持っていた好奇心を失うことになるのです。そうではなく、子どもが興味を持っているものに対して、親も興味を持つことです。子どもがドングリに興味を持っているのなら、「いろいろなかたちがあるね」「種類がちがうのかな?」「このドングリは小さいから○○ちゃんドングリ、こっちは大きいからパパドングリだね。ママドングリも探しみよう!」「帰ったら、ドングリのちがいを一緒に図鑑で調べてみようか!」「今日見つけたドングリ家族の絵を描いてみようよ!」と、子どもの興味に親が寄り添い、想像が膨らむようにコミュニケーションを取ることです。そうすれば、子どもの好奇心、探究心、創造性はどんどん伸びていきます。『そうゾウくんとえほんづくり』本山勝寛 著/KADOKAWA(2019)■ 学びのイノベーター・本山勝寛さん インタビュー記事一覧第1回:非認知能力のなかで最重要なのは「○○心」。実は、日本の子どもは学びへの興味が低い!?第2回:「ただの石でも化石に見える」?自分で新たに生み出す経験が育むイノベーション能力(※近日公開)第3回:自己肯定感がぐんぐん高まる最高の褒め方。「やればできる」のマインドはこう育てる!(※近日公開)【プロフィール】本山勝寛(もとやま・かつひろ)1981年3月13日生まれ、大分県出身。学びのイノベーター。本山ソーシャル・イノベーション塾(MSI塾)塾長。日本財団子どもの貧困対策チームリーダー兼人材開発チームリーダー。高校時代、アルバイトで自活しながら独学で東大に現役合格。東京大学工学部システム創成学科卒業後、ハーバード大学教育大学院国際教育政策専攻修士課程を修了。現在は日本財団にて子どもの貧困対策チームリーダーと人材開発チームリーダーを務め、少子化問題、奨学金問題、子どもの貧困問題などについて評論活動を行う。5児の父で育児休業を4回取得。自身の経験を基にした勉強法、教育論などについての執筆活動にも積極的に取り組む。『最強の暗記術 あらゆる試験・どんなビジネスにも効く「勝利のテクニック」』(大和書房)、『今こそ「奨学金」の本当の話をしよう。 貧困の連鎖を断ち切る「教育とお金」の話』(ポプラ社)、『最強の独学術 自力であらゆる目標を達成する「勝利のバイブル」』(大和書房)、『一生伸び続ける人の学び方』(かんき出版)など著書多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年02月17日「音楽で優れた実績を残した鬼才たち、ベートーベンもビートルズもスティービー・ワンダーも特別に優れた “音楽的脳” を持っているわけではない――」元ロック音楽プロデューサーにして現・認知心理学者で神経科学者、カナダ・モントリオール、マギル大学名誉教授のダニエル・J・レヴィティン氏は、こう言っています。つまり、生まれた時の “脳力” は皆ほぼ同じ……?環境や行動が脳を育てていくということ、そのためのすばらしい方法として「音楽」がよりよく作用することが、さまざまな研究からわかってきました。今回は、特に効果的だとされる幼少期の「音楽による脳活」について、詳しくご紹介します。子どものうちに音楽を知る大切さノースカロライナ州立大学のドナルド・C・ホッジズ教授は生前、以下のように主張しています。音楽ほど脳の多くの領域を活性化するものはありません。これは後のすべての学習の基盤を築くのに役立ち、子どもが学校で、そして後年に成功するかどうかを決定します。(引用元:Wellard School Of Music|The Benefits Music Has On Your Child’s Development)なんと、「音楽」はIQなどの認知能力もアップさせてくれるというのです。また南カリフォルニア大学の研究においても、音楽は情操教育にいいだけでなく、「頭脳形成や決断力強化に有効」であることも示唆されています。特に演奏を伴う活動は有効で、「脳が筋肉であるとすれば、楽譜を読んだり楽器を演奏したりすることは、脳にとって究極のエクササイズ」なのだそう。そして大切なのは、音楽に触れ始める時期です。人の感覚の中でいちばん早く成長するのは聴覚で、2歳頃から発達し始め、幼児後期の4~5歳の頃に臨界期(最も大事な時期)を迎えるのだそう。その大切な期間に、できるだけ多様な音楽に、できるだけ多く接する機会を作ることが、音感だけでなく、人として必要な能力を伸ばすチャンスと言えそうです。音楽が脳に与える大きなメリットでは、具体的に音楽はどのような好影響を脳にもたらしてくれるのでしょうか。3大メリットを詳しく見てみましょう。■メリット1:HQ(人間性知能)が育つ音楽を学ぶことは、HQ(人間性知能)の発達にとてもいいのだそう。「HQとは、社会の中で夢や目標に向かって協調的に生きるための能力」と言っているのは、HQ提唱者である脳科学者の澤口俊之氏。脳内の、思考や創造性を担う最高中枢である前頭前野の主要神経システムが、音楽から刺激を受けて鍛えられることで、HQが発達するという仕組みです。そして音楽の中でも、ピアノを弾くことが特にいいとのこと。両手で違う動きをすること、譜面を先読みして覚えて弾くことが、脳のトレーニングにとても効果的だと考えられているのです。■メリット2:言語習得などの学習効果がある幼児期には言語能力もどんどん発達しますが、音楽も言葉も「聞く」という行為において共通しており、実際、「言語の音に関する知識と音楽能力の間には関連性がある」という研究結果で出ています。つまり、音楽で耳を育てることで、言語習得においてもいい影響が得られるということです。また、ワシントン大学の研究では、9ヶ月の赤ちゃんに1週間音楽体験をしてもらい、彼らの脳を分析したところ、情報処理と認知機能(記憶、思考、理解、計算、学習、言語、判断などの知的な能力)を司る部分が活性化していることが認められました。加えて、トロント大学の調査でも、「音楽教育を受けている子どものほうが、知能テストや記憶力テストでいい成績を残しており、その影響は長期にわたって持続する」という研究結果が報告されています。ノースカロライナ大学の調査では、学習の中でも特に数学に効果的という結果が。これは、リズムを身につける際に自然と分数や比率などを学んでいるからだと言います。さまざまな研究で、音楽の学習効果は証明されているのです。■メリット3:運動能力が発達する音楽を聴くだけでなく、演奏することで、運動能力を高められることがわかっています。楽譜を見て、周りの音に合わせるために耳を澄まし、楽器を操るために指を細かに動かす――これらの複雑な行為が脳の刺激となって、運動機能を司る小脳を発達させて、運動能力の向上につながるというわけです。さらに、小さい頃から音楽を習っている子どもは、右脳と左脳をつなぐ部分が発達し、双方のコミュニケーションが強化されることで、さらなる能力アップが期待できるそう。音楽を聴く、演奏することは、さまざまな感覚や機能を駆使するため、脳のたくさんの部分を刺激するのですね。音楽には癒しの効果があり、情操教育にもいいことも周知の事実となっています。いいことづくめの音楽教育。堅苦しく考えずに、まずは「親子で楽しむ」という気軽さで、生活に音楽を取り入れたいですね。***ハーバード大学で2018年、少数民族を含めた世界のさまざまな国のさまざまな音楽をランダムに聴いてもらい、「子守唄」「鎮魂歌」「舞踊曲」など各テーマにマッチングしてもらうという調査が実施されました。すると、その文化に無知であっても、曲のテーマを正しくとらえることができるという結果が出たのです。言葉や文化を超えた普遍性が音楽には備わっていることが明らかに。言葉がわからなくても、音楽でつながることができる、共感できるーー音楽が、グローバル化が進む世界において、子どもたちにとって貴重なコミュニケーションツールになりうるなんて、とてもすてきなことですね。(参考)FRIENDS OF EL SISTEMA JAPAN|音楽教育は子どもの脳発達に好影響ON-KEN SCOPE|幼児〜児童期の音楽体験が与えるものとはWIRED|元ロックプロデューサーの神経科学者に聞く、音楽と脳の関係(1)StudyHackerこどもまなび☆ラボ|絶対音感はどう養う?子どもに身につけさせたい、絶対音感と相対音感のトレーニング法FRIENDS OF EL SISTEMA JAPAN|音楽教育は子どもの脳発達に好影響Wellard School Of Music|The Benefits Music Has On Your Child’s DevelopmentGYMBOREE|幼児期の子どもに音楽に触れさせると、能力が高くなる︎Pianoseed.com|音楽がもつさまざまな効能を子どもたちへ音楽教育の重要性とはPTNA|今こそ音楽を!第3章 脳科学観点から〜澤口俊之先生インタビュー(1)
2020年02月12日お子さんが生まれると学資保険に加入しようと思っている方もいらっしゃると思います。しかし、2016年2月から始まったマイナス金利の影響で学資保険の返戻率(保険料の掛金合計に対して満期にいくら戻ってくる率)が下がったり、販売を取りやめたりと数年前とは学資保険に対する環境が変わってきています。 そのため学資保険を活用するかどうかも数年前とは異なりますので、学資保険の内容・目的と教育費の準備についてお伝えします。 学資保険とは貯蓄と保障を兼ねた保険学資保険(「こども保険」と呼ぶことも)は、お子さんの進学時期を満期に設定し、満期を迎えると学資金を受け取ることができます(貯蓄機能)。また、満期を迎える前に契約者(両親か祖父母のうち1人を設定)が亡くなった場合は、その後の保険料を支払わなくても満期保険金が受け取れることができます(保障機能)。なお、特約として死亡保険や医療保険を追加することができるものもあります。なお、2016年1月から始まったマイナス金利の影響を受け、市場の金利や国債の利回りが低下し、学資保険の返戻率も低下しています。3年以上前の学資保険より返戻率が下がり、過去には18年の保険期間で10%を超えるプラスになったもののありましたが、現在の学資保険は2~3%程度のプラスになるものが返戻率の上位となっています。そのため、数年前よりも学資保険に入る意味合いが薄れてきています。 お子さんの教育費の積立は必要学資保険は返戻率が下がり、加入する意味合いが薄れていますが、お子さんの教育資金を準備しなくても良いというわけではありません。最も安いとされている国立大学でも入学料と4年間の授業料だけでも約250万円かかります。私立大学などであればさらに学費がかかる可能性が高いです。 そのためにもできることであれば、お子さんが小さい頃から準備をしておく必要があります。利息を0とした場合、18年間で250万円を貯めるには、毎月11,574円の貯金が必要となります。現状の家計が赤字でなければ、まずは教育費の準備をすることを検討しましょう。 教育費の積立準備は学資保険以外の方法でも学資保険は貯蓄機能と保障機能を兼ね備えた保険ですが、貯蓄機能が低下している現状からすると優先順位が低くなるのは致し方ありません。また、加入している終身保険や収入保障保険などの死亡保険に必要な保険金があれば、保障機能を学資準備と合わせてする必要性が少ないと思われます。そのためにも、教育資金準備の方法は学資保険だけでなく、別の選択肢で教育資金を準備することを検討してみましょう。金利はほぼ0ですが、元本保証のある積立預金(積立定期預金など金融機関にとって名称が異なります)、金融庁が認定した投資信託で非課税での運用を行うつみたてNISA、アメリカドルなどの外貨で準備する外貨積立や外貨建て保険、その他、一般財形や個人向け国債などいくつかの方法があります。場合によっては複数の方法を組み合わせて、ご自身やご家族に合う方法で教育資金をするようにしましょう。 学資保険はかつてほど増えてくれる保険ではなくなりました。お子さんが生まれたら学資保険に加入すると単純に考えるのではなく、金額・年数・運用の経験などに基づいて、情報を収集した上で最適な準備方法を考えるきっかけにしていただければと思います。 監修者・著者:ファイナンシャルプランナー 大野高志1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®(日本FP協会認定)。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計取締役。予備校チューター、地方公務員、金融機関勤務を経て2011年に独立。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等 多角的にライフプランの個別相談を行うとともにセミナー講師として活動しています。
2020年02月10日近頃、子ども教育に関する記事やニュースに頻繁に登場する、「自己肯定感」というキーワード。その自己肯定感は、子どもが健全に育つために重要なものだとして注目を集めています。「自己肯定感はアートによって高められる」というのは、子ども向けのアート教室を運営する今泉真樹先生。いったいそれはどんな方法なのでしょうか。インタビュー写真/石塚雅人アート活動写真/今泉真樹大人の思い込みによる判断基準で子どもの絵を評価しないご存じのとおり、「自己肯定感」とは、自分を尊重し、自らの存在そのものを認め、「自分はかけがえのない存在」だと感じられる気持ちのことを指します。自分の人生を肯定的に受け止め、豊かなものにしていくために欠かせないものです。わたしが運営している「アトリエ・ピウ 知育こどもアート教室」の目的のひとつが、子どもたちの自己肯定感を育むことです。そのために大切なのが、幼い子どもが自由に表現したアートに対して、親など周囲の大人が、思い込んでいる「うまい下手」の判断基準によって評価しないということ。(インタビュー第2回参照)。こういった環境下では、親が「うまい」とよろこぶような絵を描かなければならないと子どもは考えてしまいます。たしかに、大人が教え込めば、その子どもの絵は大人が勝手に思う「うまい絵」になっていくかもしれません。でも、それは大人にいわれたままに描いているだけのこと。表現の自由を奪われてしまうと、「自分でできた!」という達成感や自信を得られず、自己肯定感が育まれないということになってしまうのです。自由に表現するからこそお絵描きを楽しめる子ども自身に考えさせ、模索させるわたしのアトリエでは、「子どもたちがつねに自分で考え、自分の力でかたちにする」という指導をしています。「できない!」とすぐにあきらめる子どもに対して、やり方を教えるほうが、大人にとっては楽です。しかし、そこをぐっと我慢して、「どうしたらできるかな?」と子ども自身に考えてもらうよう、促しています。大人に頼ることを覚えてしまった子どもは、自分でなかなか考えようとしません。あきらめかけている子どもには「きっとできるよ!」と励まします。大人も忍耐が必要です。でも、自分で答えを出せたときの達成感を味わい、自信がつくと、「自分でやる」といい出します。どんな問題でも必ず自分で考えて、かたちにできるよう、生きる力をつけてほしいと願っています。自信をつけて「0から1」を生み出せる子どもにたとえば、未就園児が版画をつくる場合、絵を描くよりも、難しく感じられます。描いた絵を切り抜いて凹凸をつくり、版にするという紙版画の場合、どうして版画ができあがるのかという仕組みが、幼い子どもにはなかなか理解できません。すると大人はつい、「まず、下絵を描きましょう」「次は、切り抜きましょう」「最後に貼って、版をつくりましょう」というふうに、次々に指示を出してしまいます。それでは、子どもはただ指示されたままに作業をしているに過ぎません。版画の仕組みについて、「自分で考えてみる」「やり方を模索する」という過程がなければ、子ども自身の力はつきません。もちろん、幼い子どもの場合には時間がかかります。一度できあがった版を刷ってみても、思ったような絵にならずに、「あれ?」と思うこともあるでしょう。でも、隣の友だちの版を観察してみたり、「こうすればいいのかな?」と探求したりするなかで発見がある。子どもが自分なりに考え模索して、ようやくつくりたかったものができたとき、はじめて子どもは「自分でできた!」と感じられます。この体験を積み重ねることが、自信を持つことにつながります。大人を頼らず、自分で考えられるようになれば、「0から1」を生み出せるアート思考が身についていくでしょう。なぜアート教育が注目されているのかいままでの日本の教育は、「与えられた問題に対して、正解を出す」「知識の暗記」などが主流でした。しかしながら、これらの分野はコンピューターやAIに勝てません。正解が見つかっていないものに対して、探求することがより大切になってくるでしょう。ビジネスにおいても、創造力が豊かな人材が求められ、「デザイン思考」が取り入れられるようになってきています。「0から1を生み出すこと」への価値が高まっているいま、アートを学ぶ意義は大きいでしょう。「好きなこと」を通じて生きる力を身につけるいまの子どもたちはたくさんの習い事をしていますが、習い事を選ぶ際にも、ぜひ「子どもが好きなこと」を基準にしてあげてください。自分が好きなことを思い切りできる環境を与えられた子どもは、自信に満ちあふれ、生き生きとしています。ありのままの自分が認められていると感じられるからです。それは、まさに自己肯定感そのものでしょう。また、好きなことにとことん打ち込む過程のなかで、達成感を味わうこともあれば失敗することもあります。たとえ失敗しても、好きなことなら「どうすればいいか」と考えて計画し、再び挑戦することができます。そうやって、好きなことに取り組める子どもは、自己肯定感のみならず、生きていくうえで必要なさまざまな力を身につけていくのです。■ アトリエ・ピウ 知育こどもアート教室■ アトリエ・ピウ 知育こどもアート教室 主宰 今泉真樹先生 インタビュー一覧第1回:「汚してもいいよ」で子どもの好奇心を発揮させる!未就学児から楽しめるアート活動第2回:つい言ってしまう「上手だね」。もっとお絵かきが純粋に楽しくなる大人の言葉第3回:子どもの表現力には限界がある。だからこそ「本物」のアートに触れてほしい第4回:自己肯定感はアートで高める! 「自ら考え、かたちにする」を繰り返し、自信を持てるようになる【プロフィール】今泉真樹(いまいずみ・まき)東京都出身。アトリエ・ピウ 知育こどもアート教室 主宰。桑沢デザイン研究所を卒業後、英ローズ・ブルフォード大学を主席で卒業。国内外の有名ブランドや宝塚歌劇団のジュエリーデザインなどを手がける。2012年、アトリエ・ピウ 知育こどもアート教室を設立。子どもの自由な発想力や思考力を育てることに焦点をあてた絵画・工作・野外アート活動の指導を行う。保育 絵画指導スペシャリスト ライセンス保有。新宿区子ども未来基金助成活動【アートミック】アート講師も務める。
2020年02月06日こんにちは。助産院ばぶばぶのHISAKOです。習い事をさせないと「よい親」「よい子育て」とは言えないのではないか? そんなふうに習い事や早期教育をとらえている大人が多いです。今回は、早期教育や習い事についてお話ししたいと思います。 幼児教室よりも自然体験をさせよう発達心理学や小児行動学、専門的分野の立場で研究を重ね、根拠ある理論思考回路のなかで想定した「遊び」「場所」「学習の方法」は、子どもの健やかな成長のためだとしても、子どもの無限の創造力には敵わないのではないでしょうか。 自然の中に繰り出すと、子どもたちは夢中になって遊びます。落ちている枝1本。蟻1匹。海岸の色とりどりの貝殻。すべてが体験型学習になり、子どもの自主性、積極性、感受性を育てます。習い事や幼児教室に行かせるより、実際の体験や経験のほうがずっと意義のある学びとなると私は思います。 自分がやりたいことを見つけられる力子どもに真っ先に獲得してもらいたいものは、「勉強ができるようになる能力」や「人より優れた何かができるようになる能力」ではないと思います。「やりたいことを見つけられる力」それこそが、彼らに学ばせたい真髄だと私は思います。自発的な経験を積めば積むほど、積極性と創造的な生き方が磨かれていきます。子どものうちから基礎能力を高めておけば、自分のしたいことが見つかったときに道が開けやすくなるという考え方は、確かにその通りだと思いますが、日本という豊かな国に住み、学習環境としてはかなり高いレベルの中で育ってきているはずなのに、10代後半の子どもたちと関わっていると意欲や自主性、主体性、積極性が低いことがとても気になります。 子どもへの過干渉のリスクとは子どものためによかれと関わる“過干渉”は、不成績を恐れる気持ちや自己肯定感の低さ、評価されないことを避ける、つまらない人生観をつくり上げてしまうリスクや、躍動感のある創造性を潰してしまう可能性もあります。 身につけさせたいのは、何か自分の好きなものを見つけ、それに取り組もうとするバイタリティー、モチベーション、既成概念にとらわれない自分への自信です。誰かが引いた線路の上を歩んでいくより、自分で決めた人生を自分で納得しながら歩んでほしい。まだ自主性が育っていない段階で、大人が「あれしなさい、これしなさい」と求めていくことは、子どもが自分で本当に好きなものを見つけたり探したりという意欲の芽を摘んでしまうマイナス要因を持っています。 習い事や早期教育は必ずしなければならないことではないと思います。自分がやりたいことを見つけ、目標に向かっていく挑戦的な意欲、前向きな自信、根性などがまず育ってこそ、そこに学力が意味を持つのではないかと私は感じています。 監修者・著者:助産師 助産院ばぶばぶ院長 HISAKO総合病院小児科・産婦人科・NICU病棟勤務を経て、地域での助産師活動・出張専門助産院を開業。2006年には来院ケアも可能な「助産院ばぶばぶ」をオープン。2020年に12人目を出産し、ママたちに元気と勇気をおすそ分けすべく母乳育児支援や講演活動、書籍出版など多岐にわたって活動中。
2020年02月03日2020年度から小学生の新学習指導要綱が実施され、英語教育がどんどん前倒しされます。そんなニュースを聞くと、なんとなく焦るものの、何から始めたらよいか分からないというママも多いはず。「自分は英語が得意じゃないし…」「かけられるお金に限度がある」といった悩みも耳にします。私は2歳半まで英語圏で育ち、その後も小学6年生まで海外を行き来する生活を送りました。現在は、練馬区・杉並区を中心に、8年前からスタートした英語育児の講師として、0歳から始められる【ママと一緒に英語で手遊び】という講座を開催しています。そんな私が今日から気軽に始められる英語育児のポイントを紹介したいと思います。幼児期のポイントは聞き流し!とにかく英語を身近に幼児期で一番大事なことは、「英語耳」を育てることです。よく英語は一番周波数が高い言語、対して日本語は一番周波数が低い言語と言われるように、日本人が英語の聞き取りができないのは、英語を聴く耳が育ってないからだという説があります。私自身の経験からも、幼少期にどれだけ英語を聴いたかどうかが、将来英語を聴きとれるかどうかに大きく関係していると考えています。そのため、小さい頃から「聞き流し」でよいので、毎日たくさん英語を流してあげることが大切です。NHKの副音声はかなり使える!とはいえ、英語のCDも英語の絵本も持っていないというママは、とりあえずNHKを副音声で見てみましょう。すべての番組ではありませんが、まずはニュースを英語で聞いてみるのはいかがでしょう。身近に起こった事柄を丁寧な英語で話してくれるので、ママもリスニングの勉強になりますし、天気予報などは知っている単語もたくさん出てきて面白いですよ。作業をしながらでも、子どもが興味を持たなくても、とにかくニュースは英語で見ると決めて、「聞き流し」をします。子どもは耳で聞いて、すぐにマネができるので、「知らぬ間に単語を話せていた」なんてことも!子どもの好きなアニメも副音声で子どもが好きなアニメも副音声で見ることができます。「おさるのジョージ」や「ミッフィーのぼうけん」、電車好きな男の子だったら「チャギントン」も興味を持って見てくれると思います。好きな番組がある場合は、何度も見てストーリーが分かっているものを英語で流してみてください。意外とストーリーに引き込まれて、英語に変わっていても自然と見てくれると思います。民放で放送する映画ももちろん副音声が使えます。私はディズニー映画やハリーポッターなどを副音声にして録画し、子どもはそれを何度も見ています。DVDを借りる手間もお金も省けておススメです。よく知っている歌などは英語と日本語の歌詞を比べても面白いですし、子どもと「ここが違うね!」と話すと、より英語の理解が深まります。お風呂には、100円ショップの英単語表を英語が苦手なママからは、「英語での話しかけはかなりハードルが高い」という相談をよく受けます。そんな時は、限られた時間、閉鎖された空間で、英語の時間を作ってみることをおススメしています。私のイチオシは「お風呂の時間」です。子どもと自分だけのプライベートな空間なので、ママも英語の単語を話しやすいのではないかと思います。私は、お風呂に100円ショップで売っている単語表を貼って、子どもに質問されたら、答える遊びをよくしていました。慣れてきたら、逆に子どもに質問してみます。それだけで、コミュニケーションを取りながら、英語を話す時間が作れました。また、お風呂で使う単語は比較的なじみがあるのではないでしょうか。身体を洗いながら、各パーツの単語を覚えていくのも楽しいですね。お風呂の時間だけは必ず英語と決めると、子どもも受け入れやすいようでした。車の中もおススメです。ユーチューブなどで、マザーグースの歌や、ディズニーメドレーを流して、ママが大声で歌います。誰も聞いていないから間違えても大丈夫!そのうち子どももいっしょに歌い始めて、目的地に着くまで、ちょっとしたコンサートに!とっても楽しいですよ。英語の絵本を買うならまずは〇〇付きを!英語の絵本を買ってみたいなと思ったら、まずはCD付きの絵本がいいでしょう。読み聞かせができなくても、子どもと一緒に絵本をめくるだけで英語の時間が作れるからです。例えば、アプリコット出版が出しているキッズ英語絵本のシリーズでは、効果音付きで音読してくれるCDがついています。英語が苦手なママでも簡単に読み聞かせをすることができます。海外の有名な歌を絵本にしたシリーズも販売されています。こちらのCDに入っているのは歌のみですが、ノリノリの曲が多いので子どももすぐ覚えてしまい、絵本と連動して楽しむことができます。購入する際は必ず、【CD included】の文字を確認してくださいね。小さな子どもにとって、英語は勉強ではありません。日本語を覚えていくのと同じように、一つ一つ習得していく【言語】です。小学生や中学生になって英語を教科として認識し、ただ単語や文法を覚えるだけの時間になってしまわないように、日常に英語の音をたくさん流してあげたいですね。■ アプリコット出版■ Barefoot Books(ベアフットブックス)※英語のサイトにとびます<文・写真:ライターよこも>
2020年02月01日年々、教育界における注目度が上がっている「非認知能力」。読者のみなさんも、何度となく見聞きしているでしょう。しかし、研究者によって非認知能力に対する見解はさまざま。今回は、幼稚園教諭の経験もあり、著書『非認知能力を育てるあそびのレシピ 0歳〜5歳児のあと伸びする力を高める』(講談社)で注目を集める、玉川大学教育学部教授の大豆生田啓友先生に非認知能力に対する見解を聞きました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)非認知能力だけが重要ではないことに要注意「認知能力」とは、読み書きや計算のようにテストなどで測ることができる、いわば目に見える力のことです。それに対して、「非認知能力」は、「非認知」というだけにテストなどでは測りにくい、目に見えづらい力といえます。それに含まれるものは本当にさまざまですが、社会性や情動性、意志力、自己肯定感、なにかをやり抜く忍耐力、コミュニケーション能力、他者に対する思いやり、自分をコントロールする自己制御など、主に「心」や「社会性」にまつわる力です。非認知能力が注目されるようになった大きなきっかけは、アメリカの経済学者であるジェームズ・ヘックマンが行った子どもたちの追跡調査でした。その追跡調査の結果、幼児期に質の高い教育を受けた子どもとそうではない子どもでは、大人になってからの経済力などに大きな差が生まれたことがわかったのです。そして、大人になって経済力や社会的地位が高くなった人は、幼児期に非認知能力を高めるような教育を受けていた。ただ、誤解してはならないのは、「非認知能力が重要」だからといって「認知能力が重要ではない」というわけではないこと。そのどちらも大切な力ですから、しっかり伸ばしてあげるべきでしょう。時代の変化によって、非認知能力を獲得する機会が激減また、非認知能力が注目を集めることとなった背景には、先のヘックマンの研究の他に、時代の変化が挙げられます。本来、非認知能力とはなにか特別なものなどではなく、むかしであれば子どもの普段の遊びやあたりまえの子育てのなかで勝手に育っていたものです。かつての子どもたちは、豊かな自然のなかで元気にたくさん遊び、異年齢の子どもたち、あるいは異世代の大人とも触れ合う機会が数多くあり、多様で具体的な体験を通した経験を積み重ねていました。すると、遊びのなかでうまくいかないことがあっても、熱中して続けるうちにうまくいくといった経験を通じて、困難を乗り越えるために必要な意志力や忍耐力、やり抜く力を獲得することができた。また、他人とかかわるなかで人間関係の問題にぶつかったら、なんとか折り合いをつけるようなコミュニケーション能力や思いやり、自己制御といった力を得ることもできました。そのようにして、非認知能力を自然に獲得していたわけです。ですから、これまでは非認知能力が特段にフォーカスされることがなかっただけのことです。でも、むかしとは時代が大きく変化していますよね。まず、習い事などに忙しいいまの子どもは、単純に遊ぶ時間自体が減っています。そのため、遊びを通じて非認知能力を得る機会が激減している。また、いまの親は子どもになるべく喧嘩をさせないようにしています。本来なら、子ども同士でおもちゃを取り合うようないざこざは、社会性を身につける絶好の機会です。いざこざのなかで、子どもは自分の気持ちを相手にぶつけてその反応を見たり、相手に譲ったりといった経験を通じて成長していくのですからね。ところが、いまは親のクレームを恐れ、幼稚園や保育所でも子どもの喧嘩をなるべく未然に防ぐようにしてしまっている。これでは、なかなか子どもの社会性は育ちません。重要となる、子どもの興味関心に親がつき合う姿勢わたしは、2019年に妻との共著で『非認知能力を育てるあそびのレシピ 0歳〜5歳児のあと伸びする力を高める』(講談社)という本を出版しました。じつはこの本は、「こういう時代であっても、多くの親たちが何気なくやっていることが大事」というメッセージを込めたものでもあるのです。先にお伝えしたように、非認知能力は特別なものではありません。非認知能力というたいそうな名前がついているがために、特別なことをしなければ育たないと考える人もいるかもしれませんが、そうではないのです。では、なにをすればいいのか?それは、大人からしっかりと受け止められる経験を子どもにさせること、そして、子どもの興味関心を大人が大切にするということです。非認知能力の多くは、「主体性」にかかわるものです。人間は、好きなことに対してであれば、主体的に取り組むことができます。みなさんも、大好きなアーティストのコンサートチケットを手に入れるためなら、多少の困難があっても手に入れようと頑張るでしょう?それは、見方を変えれば、困難を乗り越える力を発揮しているともいえます。子どもだって同様です。親子で散歩に出かけたときに、子どもが落ち葉のことが気になって拾いはじめたら、一緒に拾ってあげればいい。家のなかで何度もソファに昇り降りする遊びを面白がっているのなら、「ソファがへたっちゃうでしょ!」なんて叱らずに遊ばせてあげればいい。そういう親の姿勢が、子どもの非認知能力を育てていくのです。また、子どもの興味関心は、子どもに非認知能力が育っているかどうかのひとつの目安にもなります。非認知能力はそもそも測ることが難しい力ですから、本来、「これができていれば非認知能力が育っている」といった明確な基準はありません。ただ、非認知能力の多くは、先に述べたように興味関心、主体性から生まれてくるもの。ですから、子どもが目を輝かせて強い興味を示すような世界を持っているようなら、ひとまずは安心していいでしょう。■ 玉川大学教育学部教授・大豆生田啓友先生 インタビュー一覧第1回:非認知能力は育っているか?子どもが「目をキラキラさせる世界」があれば安心です第2回:かわいい子には“いたずら”をさせよ!?「自由に遊んでいいよ」で子どもは学ぶ(※近日公開)第3回:親が先回りしたら「自己決定力」は育たない。幼くても決断力を伸ばせる声かけのコツ(※近日公開)第4回:イヤイヤ期に「悩まない、苦しまない」。子育ては“ほどほど”がちょうどいい(※近日公開)『非認知能力を育てるあそびのレシピ 0歳〜5歳児のあと伸びする力を高める』大豆生田啓友・大豆生田千夏 著/講談社(2019)【プロフィール】大豆生田啓友(おおまめうだ・ひろとも)玉川大学教育学部教授。青山学院大学大学院文学研究科教育学専攻修了後、青山学院幼稚園教諭等を経て、現職。専門は乳幼児教育学・保育学で、現在、日本保育学会副会長。メディア出演も数多い。著書は、『子育てを元気にする絵本』(エイデル研究所)、『非認知能力を育てる あそびのレシピ 0~5歳児のあと伸びする力を高める』(講談社)、『日本が誇る!ていねいな保育 0・1・2歳児のクラスの現場から』(小学館)、『マンガでわかる! 保育っていいね』(ひかりのくに)、『子どもの姿ベースの指導計画』(フレーベル館)、『あそびから生まれる動的環境デザイン』(学研みらい)、『21世紀型保育の探求-倉橋惣三を旅する』(フレーベル館)、『子育てを元気にすることば』(エイデル研究所)他、多数。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年01月30日子ども教育の現場においては、場面に応じた「言葉がけ」が重要だといわれます。さまざまな場面のなかでも、子どもが打ち込んでいるスポーツの試合、習い事の発表会や昇段試験、あるいは入学試験に臨むといった場面では、持っている力をしっかり発揮できるような言葉がけをしてあげたいものです。その言葉がけは、英語で「ペップトーク」と呼ばれています。その言葉がけによって、子どもはどんな影響を受けるのでしょうか。日本におけるペップトークの第一人者である、日本ペップトーク普及協会代表理事・岩﨑由純さんにお話を聞きました。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)ラグビーワールドカップで生まれたペップトークの名言「ペップトーク」は、英語表記で「peptalk」と書きます。ちなみに「pep」は、「元気、活気、活力」といった意味です。それが「話」を表す「talk」と結びつき、日本語では「励ましの言葉、激励演説」というふうに訳されます。このペップトーク、もともとは欧米のスポーツの現場で生まれました。みなさんも、スポーツを題材にしたアメリカ映画のなかで、大事な本番直前のロッカールームで、監督やコーチが熱い言葉で選手たちを励まし、士気を高めるといったシーンを観たことがあるでしょう。その言葉がけがまさにペップトークです。ペップトークはとくにアメリカで発達してきました。というのも、アメリカは、さまざまなルーツや文化的背景を持つ人間が集まる多人種多民族の国家だからです。さまざまなタイプの選手たちをひとつの目標に向かわせるには、できるだけわかりやすく短い言葉で激励のメッセージを送る必要がある。そうして、ペップトークがアメリカで発達することになったわけです。つい最近、同じような力を発揮したペップトークの名言が日本でも生まれました。2019年に行われたラグビーワールドカップで、アイルランド代表との初戦に臨む日本代表メンバーにかけたジェイミー・ジョセフヘッドコーチの言葉です。代表メンバーはそれこそ多人種多民族。そんなメンバーに、彼はこんな言葉をかけました。「誰も勝てると思っていない。接戦になるとさえ思っていない。でも、君たちがどれだけハードワークをしてきたかを誰も知らない。君たちがどれだけ犠牲を払ってきたかも知らない。そして、君たちは自分たちが準備できていることを知っている。わたしもいままさにそのことを知っている。よし、行くぞ!」いま振り返っても感動がよみがえるという人もいるでしょう。そして、選手たちは見事に前評判を覆して勝利した。これが、ペップトークの持つ力なのです。ペップトークの対極にある「プッペトーク」とは?ただ、なにか大事なイベントを前にしてやる気を出したり、その気になる必要があったりするのはスポーツに限った話ではありませんよね。ビジネスの場でもそうでしょうし、子どもたちが習い事の発表会や入学試験に臨むときもそれにあたります。そうして、現在ではさまざまな場にペップトークが広まりつつあるのです。大事なイベントに子どもが臨む直前のことを想像してもらえればわかるかと思いますが、ペップトークに使う言葉は原則として「前向きな言葉」になります。逆のパターンを想像すると、よりわかりやすいかもしれませんね。たとえば、ペップトークという言葉を知らない人も、受験生には「落ちる」「滑る」といった言葉をかけないようにする、あるいは結婚式のスピーチでは「離れる」「終わる」「切れる」といった言葉を使わないということは知っているでしょう。それらのいわゆる「忌み言葉」のようなものが、子どもに対する言葉がけにもあるのです。それは、「短くてわかりやすくてポジティブな言葉」であるペップトークに対して、「長くてわかりにくくてネガティブな言葉」です。そういった言葉を、ペップトークの真反対のものだとして、わたしたちは「プッペトーク」とも呼んでいます。ただ、じつは短い言葉のなかにも、子どもを望ましくない方向に向かわせてしまうプッペトークはあります。たとえば、スポーツの大事な試合に臨む子どもたちに向かって、コーチが「負けたら罰走だぞ!」と声をかけた。もちろん、コーチは勝ってほしいと思うからこそ、厳しい言葉で励ましたつもりでしょう。でも、子どもたちは負けて走らされている姿をイメージしてしまいます。そうして試合前からネガティブになってしまっては、いい結果につながるはずもありません。ネガティブな言葉を浴びせ続けられた子どもの将来こういったプッペトークをかけ続けられた子どもはどうなるでしょうか。先に挙げた「負けたら罰走だぞ!」という言葉は、「脅し」の言葉でもあります。その言葉におじけづいた子どもは、負けまいと必死に頑張った。つまりこれは、コントロールされたわけです。すると、その子が成長したときには、同じように脅しの言葉で人をコントロールするようになる。また、プッペトークのなかには「嘘をつく」というものもあります。夜ふかししている子どもに、親が「夜ふかししているとおばけが出るよ!」といった。でも、夜ふかししてもおばけは出ませんよね。つまり、これは噓です。すると、脅しの言葉のケースと同じように、子どもは平気で噓をつくようになるのです。子どもをそんな大人にしないためにも、脅しや嘘ではない、なるべくポジティブな言葉をかけることが大切です。しかし、子育ての場合には別の視点も必要でしょう。たとえば、小さい子どもが道路に飛び出そうとしたとします。たしかに、スポーツの試合前に「ミスしたら駄目だぞ」なんて言葉をかけることはNGですが、この場合はきちんと「道路に飛び出したら駄目だよ」と教えなければなりません。そのうえで、「手を上げて横断歩道を渡ろうね」と教えてあげるのです。小さい子どもは、やってはいけないことやどうするのがいいのかといった判断がまだできませんから、場面に応じて、それらをセットで教えてあげることが大切なのではないでしょうか。『相手の結果を100%引き出す 実践!ペップトーク』岩﨑由純 監修・浦上大輔 著/フォレスト出版(2019)■ 日本ペップトーク普及協会代表理事・岩﨑由純さん インタビュー記事一覧第1回:子どもの成功も失敗も、親の言葉がけ次第!「ペップトーク」が持つすごい力とは第2回:子どもの夢を断ち切っているのは親かもしれない。注意すべき「ドリームキラー」発言(※近日公開)第3回:「わたしの子=わたしのもの」と思ってはダメ。“傾聴力”で子育てはもっとうまくいく!(※近日公開)第4回:本番に強いか弱いかは価値観で決まる。「緊張を味方につける方法」の教え方(※近日公開)【プロフィール】岩﨑由純(いわさき・よしずみ)1959年10月10日生まれ、山口県出身。一般社団法人日本ペップトーク普及協会代表理事。NECレッドロケッツ・コンディショニングアドバイザー。日本体育大学体育学部体育学科卒業後に渡米し、米シラキューズ大学大学院体育学専攻科修士課程修了。日本初の「アスレチックトレーナー」として数々のスポーツ現場で活躍。アメリカ留学中に、ペップトークの迫力・思い・魅力を体感し、現在はスポーツの他、教育・ビジネスの世界にペップトークを普及するため精力的に講演活動を行っている。主な著書に『子どもの心に響く励ましの言葉がけ「ペップトーク」』(学事出版)、『想いが伝わるペップトーク』(いまじにあ出版)、『やる気をなくす悪魔の言葉VSやる気を起こす魔法の言葉』(中央経済社)、『心に響くコミュニケーション ペップトーク』(中央経済社)、『子どものココロを育てるコミュニケーション術』(東邦出版)などがある。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年01月26日いま、家庭教育における重要なキーワードのひとつといわれるのが「自己肯定感」。子どもの自己肯定感を伸ばすためにも「褒めて伸ばすことが大切」だという話はよく耳にするでしょう。でも、みなさんが子どもを褒めているつもりでも、肝心の子どもがそう受け取っていないとしたら?その危険性を指摘するのは、人間関係研究家の稲場真由美さん。稲場さんは、16年間、延べ12万人の統計データをもとに「性格統計学」という独自の理論を構築しました。それによると、人間は「ロジカル」「ビジョン」「ピース・プランニング」「ピース・フレキシブル」という4つのタイプにわけることができるのだそう(インタビュー第1回参照)。そして、そのタイプによって心に響く褒め言葉もちがうのだそうです。構成/岩川悟取材・文/清家茂樹写真/石塚雅人(インタビューカットのみ)人間には4つのタイプがある人間は、「自分軸か、相手軸か」「計画的か、臨機応変か」というふたつの軸により4つのタイプにわけられる。自分軸とは、「自分のために頑張ることが行動の原動力になる」タイプであり、相手軸は「相手のために頑張ることによろこびを感じる」タイプ。また、計画的とは、「事前に決めた目標やルールを重視して計画的にものごとを進めたい」タイプであり、臨機応変は「その場での直感を重視して行動する」タイプ。「性格統計学」による4つのタイプは次のふたつの質問で判別可能。【1】話は、Aもとから順を追って聞きたいB結論から聞きたい【2】急な変更は、AストレスになるBストレスにならない【1】B、【2】Aを選んだ人は、ロジカル(自分軸かつ計画的)【1】B、【2】Bを選んだ人は、ビジョン(自分軸かつ臨機応変)【1】A、【2】Aを選んだ人は、ピース・プランニング(相手軸かつ計画的)【1】A、【2】Bを選んだ人は、ピース・フレキシブル(相手軸かつ臨機応変)「ロジカル」は、自分で納得して自分のペースやタイミングでものごとを進めたいタイプのため、急な予定変更などは大きなストレスになる。「ビジョン」は、自分の感性に響いたり可能性を感じたりするものを好み、自分の願望を重視するため、「やりたい!」と感じるかどうかで、ものごとに取り組む集中力に大きなちがいが出る。「ピース」は、行動パターンが計画的か臨機応変かによってさらにふたつのタイプにわかれるが、共通しているのは、和を大事にして人間関係が円滑であることを好むこと。また、ものごとをもとから知りたい傾向があり、「なぜ?」という口癖があることも共通点。「すごいね!」と褒めても、心に響かない子どももいる「自己肯定感」というと、簡単にいえば「自分は自分のままで大丈夫だ!」という気持ちですから、自分のなかで完結しそうにも思えるものです。でも、じつは自己肯定感を自分だけで上げることはとても難しいもの。というのも、自己肯定感を上げるには、誰かから認められたり自分のことを必要だと思ってもらえたりするという、他者とのかかわりが不可欠だからです。そして、子どもにとってもっとも大きな存在となる他者は、もちろん子どものいちばん身近にいる親です。親から認められたい、褒められたいという気持ちは、すべての子どもが持っています。でも、ただ褒めればいいというものではありません。なぜなら、わたしが提唱する「性格統計学」によるタイプによって、脳が「褒められた」「うれしい」と感じる言葉がちがうからです。つまり、子どもの自己肯定感を上げようと考えるのなら、子どものタイプによって褒め方も変えていく必要があるということです。たとえば、「ロジカル」の子どもの場合はどうでしょうか。ロジカルというタイプは、自分の努力や成果に対して具体的にピンポイントで褒められたいという特徴があります。「すごいね!」と褒めても、ロジカルの子どもにとってはあいまいに感じられて褒められたと感じないのです。過去にある高校で講演をしたとき、「わたしはお母さんに褒められたことがない」という生徒に出会ったのですが、その子のタイプがロジカルでした。わたしが「あなたのお母さんは『すごいね』といっていませんでしたか?」と尋ねると、「いっているかも」と答える。そこで、「お母さんは、『すごいね』といって褒めているつもりですよ」と返したところ、「わたしには褒められたとは感じられないので、わたしを褒めていません」と答えたのです。すごくショッキングなことですよね。その子のお母さんは「すごいね!」ということでずっと褒めてきたつもりだったのでしょう。でも、褒め方が子どものタイプに合っていなかったために、まったく褒めていないことと同じ結果になってしまったのです。「ロジカル」の親が他のタイプの子どもをうまく褒めるには?いま、家庭教育において「褒めて育てることが大切」だと盛んにいわれます。その一方で、多くの親から「褒めるタイミングがない」という声も聞かれます。じつは、そういう親はロジカルだということが多いのです。ロジカルと同じ自分軸のタイプでも、自分の感性に従って直感的に行動する「ビジョン」の親の場合、言葉はよくありませんが、ある意味ちょっと適当な感じで子どもをどんどん褒められる。「なにがどれくらいできたか」といったことを気にせず、できたことそのものを「できたね!」「すごいね!」と褒めることができます。でも、ロジカルの親の場合、自分自身がそういう言葉では褒められたと感じないため、「子どもがテストで何点取れたら褒めてあげよう」というふうに、なんらかの具体的な基準を設定します。しかも、たいていの場合、その基準が高すぎるのです。そのため、子どもはなかなかその基準にまで到達することができません。そうして、「褒めるタイミングがない」ということになるわけです。だとしたら、ロジカルの親の場合は子どもを褒める基準を下げてあげればいいだけのこと。そうすれば、子どもをどんどん褒めることができて、子どもの自己肯定感はしっかり向上していきます。じつは、性格統計学では、4つのタイプのうちでロジカルの人が多いということがわかっています。ここまでに紹介した話に納得できるという人も多いのではないでしょうか。では、もう少し、ロジカルの人に対してアドバイスをしておきましょう。ロジカルの人は、「すごいね!」というふうに、大きなリアクションとともに感情を込めて子どもを褒めることが苦手です。でも、ビジョンの子どもは「すごいね!」と褒められることを求めています。そうであるならば、具体的な形容詞をセットにしてみましょう。子どもが部屋の掃除を早くできたなら、「すごく早いね」と褒めるという具合です。そうすれば、具体性を好むロジカルの人でも、子どもを多少オーバーに褒めやすくなるでしょう。また、「あ」という感嘆詞を使うこともおすすめです。先の例なら、「あ、すごく早いね」というわけです。それだけでも、「すごいね!」と褒められることを求めるビジョンの子どもだけではなく、心を込めて褒められることを好む「ピース」の子どもからも、ずいぶん印象がちがって聞こえるはずです。子どものタイプによって異なる褒め方のポイントさて、親のタイプにかかわらず、子どものタイプのちがいによる褒め方のポイントについても解説しておきましょう。子どもが掃除をしてくれたというケースなら、ロジカルの子どもに対してはなるべく具体的に褒めてあげる。「洋服も綺麗にたたんでくれたんだね」「本棚も整理してくれたの?」という具合です。ビジョンの子どもには、それこそ先の「すごいね!」に加えて、「すごい!ぴっかぴかだね」というふうに擬態語を入れてあげる。なるべくオーバーなリアクションが伴うと、ビジョンの子どもにはさらに響きます。また、誰かのために頑張ることが最大のモチベーションとなるピースの子どもには、なにより「ありがとう」「助かったよ」と感謝を伝えてあげてください。繰り返しになりますが、子どもを褒めているつもりでも、子どもの心に響いていなければ、まったく褒めていないのと同じこと。子どものタイプに合った適切な褒め言葉をかけて、自己肯定感をしっかり向上させてあげてほしいと思います。『人間はたったの4タイプ 仕事の悩みは「性格統計学」ですべて解決する!』稲場真由美 著/セブン&アイ出版(2019)■ 性格統計学による4タイプ診断サイト■ 人間関係研究家・稲場真由美さん インタビュー一覧第1回:性格統計学の提唱者が語る。「親子は考え方も似る? それはただの思い込みです」第2回:子どもが言う「なんとなく……」に、親が「どうして?」と聞いてはいけないわけ。第3回:子どものタイプ別・自己肯定感が本当に伸びる褒め言葉。「すごいね」だけじゃ響かない!?第4回:「いくら言っても分かってくれない」のは、叱り方がその子に合っていないから。(※近日公開)【プロフィール】稲場真由美(いなば・まゆみ)1965年生まれ、富山県出身。一般社団法人日本ライフコミュニケーション協会代表理事。株式会社ジェイ・バン代表取締役。自身が人間関係の悩みに直面したことから、新しいコミュニケーションメソッドを探求し、16年間、延べ12万人の統計データをもとに「性格統計学」を考案・開発する。以来、このメソッドを「ひとりでも多くの人に伝え、すべての人を笑顔にしたい」との思いから、セミナーや講演、カウンセリングを通じて普及活動を行う。2018年には「性格統計学」にもとづくマルチデバイス型ウェブアプリ『伝え方ラボ』を開発し、ビジネスモデル特許の取得に成功(特許6132378号)。現在は、企業や自治体、学校をはじめ、法人・個人を問わず『伝え方ラボ』を活用した研修やコンサルティングを幅広く行い、多くの人のコミュニケーションスキル向上に貢献する活動を続けている。【ライタープロフィール】清家茂樹(せいけ・しげき)1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
2020年01月22日「ねるねるねるね」という名前に懐かしさを感じる人も多いことでしょう。粉と水を混ぜて練っているうちにできあがるお菓子を自分で作って食べる、あのワクワク感を思い出しますね。皆さんが子ども時代に遊びながら食べた「ねるねるねるね」は、現在、「知育菓子®」という名前でシリーズ化され、子ども向けお菓子の新ジャンルを形成しています。今回は、代表的な「ねるねるねるね」をはじめとする「知育菓子®」を4つ取り上げ、それらのどの部分が「知育」になるのか考えてみます。「知育菓子®」とは、子どもの成長に大切な力を育むお菓子「ねるねるねるね」は1986年に発売されると、子どもたちの間で瞬く間に大人気のお菓子となりました。駄菓子屋でおなじみの水で溶いて作る粉ジュースをもともとクラシエフーズが生産販売していたことにルーツがあるそうで、今でも「粉と水」にこだわって商品を開発しています。粉に水を入れて練れば練るほど色が変わる、固まる、膨らむ――その変化を子どもはおもしろがり、興味をもったのでしょう。しかし当時、「スーパーのお菓子売り場で、親にねだってねだってようやく買ってもらった」という記憶を持つ方もいるかもしれません。親御さんの中には、食べ物で遊ぶことに抵抗感を感じたり、「色が変わったり膨らんだりするなんて、何が入っているのかわからない」という先入観から子どもに買い与えたくないと考えたりする方も多かったはず。この「食べ物で遊ぶこと」への親の抵抗感を払しょくするのが、クラシエフーズが2005年に名付けた「知育菓子®」というコンセプトです。「おやつの時間に夢中で作る。そんな楽しい体験を通して、子どもの成長に大切な力を育むお菓子。」知育菓子®はそうした存在でありたいと願っています。(引用元:ねるね研究室|知育菓子®について)今の子どもたちは、おやつにお菓子をお腹いっぱい食べることよりも、楽しい体験ができるおやつを求めているという傾向をつかんだクラシエフーズは「知育菓子®」を打ち出し、さらに、商品には保存料や合成着色料は含まれていないという点をわかりやすくパッケージに表示しました。知育とは、記憶力・思考力・判断力・イメージ力ところで、「知育菓子®」の知育とは具体的に何を指すのでしょうか。クラシエのホームページには、以下のように書いてあります。「お菓子を作る」という楽しい体験を通して、豊かな創造力を育むことを私たちは「知育®」と呼んでいます。(引用元:ねるね研究室|知育菓子(R)について)また、ベネッセ教育情報サイトでは、知育について「計算や読み書きなどの『学習能力』のことではなく、思考力や記憶力、判断力、発想力、想像力といった “知的能力” のこと」としています。知育とは、単に「頭の良さ」だけをみがくことではありません。「私の使ってる玩具を○○ちゃんが貸してと言ってきた。まだ遊びたいけどイヤって言ったら、○○ちゃん泣いちゃうだろうな。だったらがまんして貸してあげよう」というような想像力や判断力は、思いやりや優しさにつながります。知的能力を育てることは、子どもの心を豊かにすることにもつながるのです。(引用元:ベネッセ教育情報サイト|将来の可能性を広げよう!子どもと楽しむ知育教育のススメ)子どもの心を豊かにし、創造力をも育める「知育」が、おやつの時間に楽しみながら可能になる――なんとも魅力的な「知育菓子®」ですが、このほかにも、なんと「脳」の活性化にも有効なのだそう。金沢工業大学大学院博士課程1年の沖沙矢佳さん(神宮研究室)が2018年に行なった実験によると、カラフルなグミやキャンディを作る商品「カラフルピース」には、以下の効果があることがわかりました。「知育菓子®」をつくったあとも集中力(脳の活性化)が持続「知育菓子®」をつくると副交感神経が活性化しリラックスできる 楽しいだけでなく集中力アップにも効果があるなんて、親としては、遊ばせないなんてもったいない気持ちになってきますね。クラシエフーズ「知育菓子®」の知育ポイントでは最後に、クラシエフーズの「知育菓子®」から人気の商品を4つを選び、魅力と知育効果をご紹介しましょう。■ねるねるねるね<作り方>(1)1番の袋に入っている粉をパッケージのトレイに入れ、三角カップ1杯分の水を混ぜると、もこもこした紫色のクリーム「ねるねる」ができる(2)そこへ2番の袋の粉を入れて混ぜると、クリームの色が変化する(3)最後に3番のキャンディチップを「ねるねる」につけて出来上がり1番の粉をぐるぐる混ぜていくと、もこもこしたクリームができあがり、2番の粉を加えると色が変化することに驚いてワクワクするのが、「ねるねるねるね」の魅力ですね。「ねるねる」が紫色から変わるのは、紫キャベツやブルーベリーにも含まれているアントシアニン系色素によるもの。試験紙と同じで酸性で赤色、アルカリ性で青色に変化します。もこもこ感は、果物にも含まれる「クエン酸」とベーキングパウダーの原料「重曹」が反応して発生した炭酸ガスを利用しています。■つかめる!ふしぎ玉<作り方>(1)「ふしぎジュースのもと」と水をトレイに入れてスプーンで混ぜる(2)「玉のもと」と水を別のトレイに入れてスプーンで混ぜる(3)スプーンに「玉のもと」を注ぎ、「ふしぎジュース」の中に入れる(4)5分待つと固まる粉と水をまぜた2つの液体から、ぷるぷるした感触の「ふしぎ玉」が作れる、おもしろい「知育菓子®」です。ぷるぷるのふしぎ玉のヒミツは、理科の実験キット「つまめる水」とまったく同じ原理によるもの。海藻に含まれる食物繊維のひとつ「アルギン酸ナトリウム」の溶液(玉のもと)を、食品添加物に使われる「乳酸カルシウム」の溶液(ふしぎジュースのもと)の中に入れることで、「アルギン酸カルシウム」の膜が形成されて、指でつまめるようになるのです。■たのしいおすしやさん<作り方>マグロ、たまご、イクラ軍艦のおすしをつくります。(1)「ごはんのもと」「たまごのもと」「マグロのもと」をそれぞれ、規定の分量の水を入れた専用トレイに入れて混ぜる。「たまごのもと」と「マグロのもと」はトレイに平らに広げる(2)黒いソフトキャンディーを、シートに描かれた海苔の大きさに広げる(3)「イクラのもとA」と「イクラのもとB」を、それぞれ規定の分量の水を入れた専用トレイに入れて混ぜる。BをAの上にポトポト落としていくらを作る(4)専用シートの上で「たまご握り」「マグロ握り」「イクラ軍艦」を仕上げる(5)「しょうゆのもと」に水を混ぜてしょうゆを作り、おすしにかけて出来上がり手順が多めのポッピンクッキンシリーズは、「ねるねるねるね」では少し物足りなくなった小学生のお子さんでも楽しめます。イクラ作りには、先に紹介した「つかめる!ふしぎ玉」の原理を応用しています。握りずしと軍艦巻きを作るプロセスを遊びながら体験することができます。最後に醤油も添えて、本格的な「おすしやさんごっこ」を楽しめます。本当のお寿司を親子一緒に作ってみて、その違いを経験させるのも楽しそうですね。■できたてパンやさん<作り方>パン生地をアレンジして「メロンパン」「いちごデニッシュ」「くまさんパン」を作ります。(1)「いちごゼリーのもと」を水で溶かし、型に入れて固める(2)「パン生地のもと」に水を含ませて手でこね、パン型に入れて固める(3)「メロンパンの皮のもと」に水を含ませて混ぜ、手でこねてから伸ばして2のパン生地を包む。そして表面にスプーンで線を入れる(4)2と3をレンジで加熱する(5)「カスタードのもと」を袋に入れたまま水を加えて混ぜ、袋の端を切ってしぼり、袋に仕上げる(6)4で焼いたパン生地に、1のいちごゼリーと5のカスタードクリームで飾りつける(7)「オレンジソーダのもと」に水を加えて混ぜる最近のシリーズには、今までにない「レンジで加熱する」という手法が加わって、より本物志向に近づいています。共通する材料から3種類のパンを仕上げるプロセスは、因数分解で共通因数をくくる考え方へのヒントにつながるかもしれません。また、「おすしやさんごっこ」と同様に、本物のパン作りを経験することができれば、より学びが深まるでしょう。***これらの「知育菓子®」が子どもだけで簡単に遊べるのは、「用意するのは水だけ」「ふりがなつきの説明書で子どもにも読める」という点も見逃せません。大人がレシピを読んであげたり、計量を手伝ってあげたりしなくても、子どもだけで遊べるという仕掛けは「ひとりでできた」という達成感を育み、自己肯定感を高める基礎にもなります。この「知育菓子®」は海外でも人気だそうで、「知育菓子®」を作る動画も何千万回と再生され、来日した外国人観光客がお土産にも買っているそうです。グローバルでも認められつつある「知育菓子®」、ぜひ親子で体験してみてください。(参考)ねるね研究室|知育菓子(R)についてねるね研究室|商品紹介ベネッセ教育情報サイト|将来の可能性を広げよう!子どもと楽しむ知育教育のススメwithnews|30周年「ねるねるねるね」最大の危機救った決死の「イメチェン」電子版週刊アスキー|『カオスだもんね!』累計7億個を売り上げた知育菓子『ねるねるねるね』を練りまくった結果LIVE JAPAN PERFECT GUIDE|【海外の反応】日本のおかしな知育菓子(R)を海外のおかしなオーストラリア人が作ってみたStudyHacker|脳の前頭前野を活性化させる “意外すぎる” もの。大人にこそ「創造体験」が必要だ。
2020年01月15日グローバル化や情報化、AI(人工知能)などの技術革新が急速に進み、これからは予測困難な時代になるといわれています。こうした背景があるため、今まさに、未来を担う子どもたちの教育現場は改革の真っ最中。大きく変化していく様子に、不安を覚える親御さんは多いでしょう。しかし、わたしたちが子どもの教育において心がけるべき行動は、意外なほどシンプルです。今回は、これからの社会や教育がどう変わっていくのか、今後どのような能力が必要なのか、そうした能力を高めるためにはどうしたらいいのか、などを掘り下げていきます。子どもの学びが進化する2016年1月に閣議決定された内閣府の第5期科学技術基本計画(2016~2020年度)では、日本が目指すべき未来社会の姿として「Society 5.0 時代」が提唱されました。「Society 5.0 時代」とは、あらゆるモノがインターネットでつながり、 AIからは常に最適な答えを得ることができ、ロボットの労働力を得てより自由になった人間の、可能性が大きく広がっていく「新社会」のことです。このような時代に生まれ育っていく子どもたちには、社会の変化を前向きに受け止め、人間ならではの感性を働かせて課題に向き合い解決していくことや、社会と人生をより豊かにしていくことが期待されています。だからこそ、これからの子どもたちに必要なのは、自ら学んで考え、判断し、行動する力、いわゆる「生きる力」だと考えられているのだとか。そうした背景を踏まえて学習指導要領が改訂され、2020年度より小学校から順に実施されることになりました。その具体的な内容は、グローバル化や情報化への対応力、社会のさまざまな課題を解決する力を育むために、小学校中学年から「外国語教育」を導入することや、小学校における「プログラミング教育」を必修化することなどです。後者には論理的な思考力(プログラミング的思考)の教育も含まれます。これから必要となる能力とは?そんななか、通信教育を手掛けるユーキャンが、10代~40代の男女356名を対象に、2020年のトレンド予測・資格取得・教育改革に関する意識調査を行ないました(2019年11月1日~8日)。先述のとおり、今は教育改革が進められている真っ最中。同調査における「今後社会で活躍するために必要だと思う能力」の1位から3位までに登場した内容は、「やっぱり」といいたくなるようなものばかりです。1位:多種多様な人とかかわるためのコミュニケーション能力(36.2%)2位:ストレスに負けない精神力・思考(34.8%)3位:グローバル化に対応した英語・語学力(30.6%)4位以降は、「問題を発見するための判断力・読解力(26.4%)」、「主体的に問題を解決するための論理的思考力(22.8%)」と続きます。(参考:生涯学習のユーキャン|2020年のトレンド予測と資格取得に関する意識調査)では、それぞれの項目について、親は子どもに何をしてあげればいいのでしょう。専門家の意見やアドバイス、アンケート調査などを参考に、詳しく考えていきましょう。コミュニケーション能力アップは “家庭の会話” から一般財団法人日本コミュニケーション能力認定協会によれば、「他者との信頼関係を築くコミュニケーション能力は、人生を豊かにする大切なちから」だとのこと。また、学習科学・発達心理学の世界的権威といわれる、テンプル大学教授のキャシー・ハーシュ=パセック氏と、デラウェア大学教授のロバータ・ミシュニック・ゴリンコフ氏が共著した『科学が教える、子育て成功への道』(扶桑社)には、変化の激しい時代に必要な力のひとつとして「コミュニケーション能力」が挙げられています。そして、経団連が2017年7月28日~8月31日に行なったアンケートでは、新卒採用の選考時に重視する要素として、「コミュニケーション能力」がトップでした。じつは「主体性」「チャレンジ精神」「協調性」「誠実性」を差し置き、2004年から15年連続で第1位です。時代の変化で、今後もよりいっそう多くの企業が「コミュニケーション能力」を重要視するのではないでしょうか。(参考:一般社団法人 日本経済団体連合会|2017 年度 新卒採用に関するアンケート調査結果)このように、子どもたちを待ち構える新しい時代において、彼らが豊かな人生を築いていくためには「コミュニケーション能力」が欠かせません。しかし、核家族化や、近所づきあいのコミュニティ縮小化、インターネットがもたらしたバーチャル世界の広がりにより、今の子どもたちは異世代間や考え方の異なる人との交流はもちろんのこと、対面でのコミュニケーションがとても少なくなっています。だからこそ、まずは家庭内でたくさんの会話を交わし、意見を楽しくいい合う機会をもうけることをおすすめします。帝京短期大学教授(生活科学科学科長)の宍戸洲美先生いわく、「コミュニケ―ション能力は、家族の関わりの中で少しずつ育てていくことが大切」とのこと。たとえば、食事タイムを利用して、料理の感想をいい合ったり、盛り付けのアイデアを出し合ったりしてみてはいかがでしょう。皆で一緒に映画を鑑賞し、感想をいい合い、登場人物が身近な誰に似ているかいい合うのもいいかもしれません。人と人に感覚の差があることを実感できるはず。また、幼いころから、あらゆる年代・性別・国籍の人々と接することができるよう、地域活動や親子向けのワークショップに参加してみるのもおすすめです。いろんな人がいて、いろんな意見があると身にしみついていくうち、「コミュニケーション能力」の向上とともに視野も大きく広がるはずです。“ストレスへの対処法” はこう教える「ストレスに負けない精神力・思考」と聞くと、今注目されている「レジリエンス(回復力・復元力)」を思い浮かべる人は多いかもしれません。しかし、日本ストレスマネジメント学会事務局長でもある、桜美林大学の小関俊祐先生いわく、レジリエンスはストレスに対抗する手段のひとつに過ぎないとのこと。レジリエンスばかりに注目したり、「絶対に負けないぞ!」と頑張りすぎたりする必要はないのだそう。子どもが何かに失敗してストレスを受けたとしても、ストレスを発散する手段さえ身につけていれば何も問題はないのだ、と小関先生はいいます。ストレスと無縁の人生を送ることは不可能なので、子どもには、小さいうちからストレスとどう向き合い、どう対処していけばいいのか教えることが必要とのこと。ちなみに、ストレスの対処法には「ストレスコーピング」というものがあるそうです。ストレスコーピングの種類は2つあり、ひとつは「情動焦点型」と呼ばれています。“体験済み” のストレスにフィットする対処方法なので、たとえばテストの点数が悪かったときなどに、マンガを読んだりテレビを観たり運動したりと、気分を変える行動でストレスを軽減します。もうひとつは「問題解決型」という、“これから起こる” ストレスにフィットする対処方法。たとえば明日のテストが心配でストレスを感じるなら、勉強する、早く寝てコンディションを整える、親や友だちとテストについて会話してみるなどして、その不安を解消することが問題解決になり、ストレスの軽減につながります。いずれの場合も、日常的にできる(ストレス対処法としての)行動の選択肢が多いほど、ストレスとうまくつきあえるようになるのだそう。しかし、子どもたちはまだ経験が浅く選択肢が少ないので、親が「マンガでも読む?」「散歩してみる?」「もう一回ノートを見なおしてみる?」などと選択肢を提示してあげる必要があるといいます。ただし、その際に、親が行動を決めつけてしまうのはNG。子どものストレス対処能力が育ちにくくなってしまうだけではなく、親が示したもの以外を子どもが選んだとき、今度は親がストレスを感じてしまうからです。親がストレスを感じたら、結局その感情が子どもに伝わってしまうでしょう。親子ともども、うまくストレスをかわしたり対処したりできるようにすることが大切なのですね。“表現する” ことを楽しめる子どもに国際化が進む新時代への対応を目的として、2020年から英語教育が大きく変わるといいます。この状況を日本教育新聞(NIKKYO WEB)は2019年6月26日 に公開した記事で、ガラパゴス化しているといわれてきた日本の英語教育に本格的なメスが入ります。(引用元:日本教育新聞電子版NIKKYOWEB|英語教育改革が2020年度からスタート、小中高校で英語の授業はどう変わる?)と表現しました。こうした変化にともない、「うちの子の英語教育は、どうすればいいの?」「もう手遅れなの?」などと、根拠なく焦ったり不安を感じたりする親御さんもいるでしょう。しかし、立命館大学大学院 言語教育情報研究科教授の田浦秀幸先生によると、日本で生まれ育ち、日本語を母語とし、外国語として英語を学ぶEFL環境(English as a Foreign Language)において、臨界期は関係ないそうです。子どもの聞き取り能力の臨界点についても、クラスの環境や先生との相性、生徒自身のモチベーションなどの条件によっても大きく異なるので、何歳までとは断言できないとのこと。それに、慶應義塾大学名誉教授・ココネ言語教育研究所所長の田中茂範先生が語学諮問委員として研修を担当していたJICA(国際協力機構)の、シニアボランティアと呼ばれる50代後半~60代の方々の多くは、その年齢から赴任した国の言語をしっかりと習得しているそうです。田中先生によれば、英語学習を成功させるには、次の「3つの条件」があるのだとか。Language Exposure(英語にふれること)の質量Language Use(英語を使うこと)の質量Urgent Need(英語を使わなければならない必要性)の存在(引用元:StudyHacker こどもまなび☆ラボ | 英語はだれでも身につけることができるのか?成功する英語学習の3つの条件)前出のシニアボランティアの方々同様、海外に引っ越したなどの場合は、容易に「3つの条件」が揃います。日本にいる場合でも、たとえば近所に引っ越してきた外国の子どもと話をしたいから、英語を学び、学んだ言葉でどんどん話しかけてみる、といったこともあるでしょう。しかし、誰もが海外に住めるわけではないし、必ずしも外国人と交流できる環境に、子どもたちが置かれるわけではありません。田中先生いわく、英語を学ぶ多くの人は、「英語を勉強し、ある段階まで話せるようになったら、そこでやっと活用する」という発想をしているそう。その発想の背景にあるのは、「いつか、英語ができるようになったらいいな」という姿勢。3条件の最後の「Urgent Need(英語を使わなければならない必要性)の存在」はありません。それでは英語学習は成功しないのです。大切なのは「いつか、どこかで、だれかと英語で話すため」と考えながら学ぶ “学習者” になるのではなく、「今、ここで」とすぐに英語を使う “表現者” になることなのだとか。田中先生によれば、2020年の新学習指導要領では、英語でコミュニケーション活動を行なうことに力点が置かれ、英語は「学ぶ」から「使う」へシフトするのだそう。学校教育の場でも、“表現者” になることが求められるようになるのです。「まだ不完全だから英語は話せない」といった “学習者” 的な発想にならないよう、たとえ覚えたばかりの限られた英語でも、表現することを子どもに楽しんでもらいましょう。そうすれば、「英語で表現したい」気持ちそのものが、「Urgent Need(英語を使わなければならない必要性)」になります。「これは英語で何ていうのかママにも教えて」「へぇー、そんな言葉なんだ。すごいね!」などと、気持ちよく導いてあげるといいかもしれませんね。***これからの社会や2020年の教育がどう変わっていくか、今後どんな能力が必要なのか、そうした能力を高めるためには、どうしたらいいのかなどを掘り下げました。教育改革が実施されるからと力を入れすぎず、子どもと一緒にいろんな人とコミュニケーションを取り、子どもがうまくストレスに対処できるよう、行動の選択肢をたくさん与えてあげてください。そして、英語や他国語の “表現者” となることを、子どもと一緒にぜひ楽しんでみてくださいね。(参考)政府広報オンライン|2020年度、子供の学びが進化します!新しい学習指導要領、スタート!内閣府|Society 5.0 – 科学技術政策内閣府|科学技術基本計画 – 科学技術政策生涯学習のユーキャン|2020年のトレンド予測と資格取得に関する意識調査キャシー・ハーシュ=パセック著, ロバータ・ミシュニック・ゴリンコフ著,今井むつみ訳, 市川力訳(2017),『科学が教える、子育て成功への道』,扶桑社.一般社団法人 日本経済団体連合会|2017 年度 新卒採用に関するアンケート調査結果StudyHacker こどもまなび☆ラボ |「コミュニケーション能力を重視しすぎ」な親が、犯しかねない過ちとはStudyHacker こどもまなび☆ラボ |コミュニケーション能力を育てよう!会話をグレードアップさせる3つのヒント。StudyHacker こどもまなび☆ラボ |自己肯定感を育む、親子コミュニケーション。「聞いて!」「あとでね」の正解StudyHacker こどもまなび☆ラボ |ストレスと無縁の人生を送ることは不可能。教えるべきは「転んだときの起き上がり方」StudyHacker こどもまなび☆ラボ |子どものストレスを軽減させる“ストレスコーピング”。選択肢は多ければ多いほどいいStudyHacker こどもまなび☆ラボ |子どもの「レジリエンス」を高めるのは、親子の会話。結果ではなく“挑戦”を褒める!日本教育新聞電子版NIKKYOWEB|英語教育改革が2020年度からスタート、小中高校で英語の授業はどう変わる?StudyHacker こどもまなび☆ラボ |【田浦教授インタビュー 第1回】「臨界期」は存在しない?発音・聞き取り・文法・語彙における臨界点StudyHacker こどもまなび☆ラボ | 英語力とは何か?2020年の新学習指導要領の狙いと言語活動の両輪「CAN-DO」「CAN-SAY」StudyHacker こどもまなび☆ラボ | 英語はだれでも身につけることができるのか?成功する英語学習の3つの条件
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