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言葉がとてもゆっくりな娘。3歳5ヶ月で療育へ娘は2歳3ヶ月ごろにようやく単語が出始め、2語文を話し始めたのは3歳2ヶ月。とは言っても2語文は稀にしか話さず言えない単語もまだたくさんありました。例えば飴は「め」、おせんべいは「ベー」など。この時期幼稚園のプレに通っていたのですが娘の様子を先生からはこう言われました。Upload By とまぱんそんな娘を連れて発達支援センターへ相談しに行ったのは2歳10ヶ月のとき。発達検査をした上、やっと3歳5ヶ月で療育に通うことができました。療育初日は突然知らないところに連れて行かれ娘がパニックを起こしたらどうしようと不安でしたが、すんなりと教室に入り無事に終わったようでした。スタッフに「男の子たちがとまちゃんを気にしてソワソワしてましたよ!とまちゃんアイドル的存在になりそうです」なんて言ってくれました。ちなみに通っていた療育は子どもよりも先生の数が多いところでした。大人が大好きな娘にとってはあまり抵抗がなかったのかもしれません。療育が始まって1ヶ月。娘の様子は?療育が始まってから1ヶ月後、言葉は何となく増えたように感じました。でも癇癪はまだまだ健在。近所のお友達と遊んでも終始癇癪で近所の子と遊ぶのを暫くやめていました。そんな現状だったので療育終わりにスタッフに伺ってみました。Upload By とまぱん癇癪がなかったのは意外でしたがお昼の件については、想像ができるーと思いました。家でも一口食べては出歩き、一口食べては出歩き....といった感じでした。4歳の今は座って食べれるようになったのですが、このときはどんなに言っても聞かなかったので注意することも諦めていました(外食のときは注意していましたが)。完璧な躾を目指していたら3日でダウンしそうなので私の躾はゆるゆるだったと思います。時間と共に成長が解決してくれることを期待して…。療育先でも癇癪が始まり…。この先ひらがなの取得につまずくかもと言われ。療育に通って2ヶ月。スタッフの人から「うまくいかないときは時折パニックを起こしてしまいます」と伝えられました。お友達と遊んだりしてる中で自分の思い通りにいかないときなど癇癪を起こしてしまうみたいです。娘も場所に慣れて素が出てきたのでしょう。幼児だとこういうことはよくあることですが、娘はほかの子と比べても我慢や気持ちの切り替えがとても苦手なように感じていました。また、続いてこう話されました。「言葉は増えたもののやっぱり表に出る言葉はゆっくりです。もしかすると年中年長さんになったときひらがなの取得につまずくかもしれません」こう言われたことをきっかけに少しずつひらがなに触れさせてみることにしました。とはいっても年中年長さんあたりからそれぞれ家庭でひらがなを覚えさせることもあるかもしれませんが、本格的にひらがなを習うのは恐らく小学校入ってから。焦る必要はないのかもしれませんが元々発達ゆっくりな娘なのでゆるーくひらがなを見せてみることにしました。問題集を手作り。私なりのお家療育をはじめてみるひらがなが書いてあるカードを使ってこれは「ありのあ」、これは「いぬのい」だよ、と目に触れさせてみました。意外に興味津々の娘。そんなことを暫く続け…。次はカードを2枚並べて私が言ったひらがなを取ってもらうようにしました。慣れると3枚、4枚とカードの選択肢を増やしてみました。Upload By とまぱん娘は最初ひらがなを読むのを嫌ったので、カードを選んでもらうという方法をとりました。読むことに抵抗がなくなったころ徐々にひらがなを読んでもらったり。かなり自己流ですがこのように遊び感覚で少しずつひらがなを覚えていきました。ちなみに娘は筆圧がとても弱く書く意欲が全くなかったので、ひらがなを書く練習はこの時期全くさせませんでした。ひらがな以外に数字にも触れさせてみました。書店で売ってる問題集は気まぐれでやらないことが多いので娘の好きなキャラクターを描いて問題集を手作りしました。Upload By とまぱんこんな感じでキャラクターが言ってる数字の数だけ娘にシールを貼ってもらいました。自分の好きなキャラクターに娘はニコニコ。その上娘はシールが大好きなので進んでやってくれました。私は子どものころの夢が学校の先生だったのですが子どものときよく問題集を自分で作り、妹を生徒役にして解かせていました(笑)それを思い出し私自身も楽しくやっていましたが、娘がハマりすぎて私が疲れてしまい…。以前、療育の先生からは「とまさんの集中力は年相応以上です」と言われたことがありました。娘は何かに集中してるとどんなに話しかけても反応しないし、こういう学習もハマったら永遠とやるところがあります。言葉はゆっくりで癇癪も激しい娘ですが集中力の高さはこれから娘の長所になればいいなと思いました。紙芝居で入園式をシミレーション冒頭でもお話ししたようにプレの先生から「とまちゃんは目的がはっきりしない時間は待つのが苦手」と言われていました。まさに入園式も目的がはっきりしない時間。娘はずっと席に座ってられるのだろうか…と入園式が近づくにつれて憂鬱になってきました。そのため入園式とはこういうものというのを予め知ってもらうため、入園式の様子を描いた紙芝居を作りました。1週間前から毎日読み聞かせ、娘は「これとまちゃん?もう一回読んで!」と嬉しそうにしていました。Upload By とまぱん入園式当日。初めは状況に困惑し、椅子を叩いてしまうこともありましたが、紙芝居効果なのか落ち着いて席から離れず無事に終わりました。娘はほかの子よりも工夫が必要だったり苦労することも多いですが、この4年間違いなく成長はしました。幼稚園に通っている今は先生やお友達の影響でありがたいことに勝手に成長している部分はありますが、これからも何か手助けが必要であれば一緒に考えて私なりに向き合っていけたらと思います。執筆/とまぱん(監修:藤井先生より)お子さんの負担にならないように、お子さんの反応を見ながら、遊び感覚で取り組まれたのはとても良いと思います。同年齢のお子さんと比べ焦ることもあるかもしれませんが、お子さんのペース、好みに合わせて、スモールステップで過ごした時間は、お子さんにとっても、とまぱんさんにとっても、充実した時間になったと思います。新しい場面での見通しがないと不安になるお子さんへ、今回のような紙芝居や、写真などの目に見える形を用いて伝えておくことは、不安軽減に効果的です。
2022年07月14日療育って何?みんなどんな療育をしてきたの?療育とは障害のある子どもの発達を促し、自立して生活できるように援助する取り組みです。療育という言葉はもともと、東京大学名誉教授の高木憲次氏(1888-1963)が提唱した概念です。肢体不自由児の社会的な自立を目標に、医療と教育を並行してすすめることを指しました。療育という言葉や概念は時代の変遷とともに意味合いを変えており、現在定まった明確な定義は示されていません。また必ずしも医療行為を含むものではない場合もあります。定義や実践内容の移り変わりはあるものの、概ねの理解としては、療育とは障害のある子どもの発達を促し、自立して生活できるように援助する取り組みを指すと考えると分かりやすいでしょう。1歳半健診や3歳児健診で、また周りの子どもたちと比べて…わが子の発達の遅れに気づいて専門機関に相談し言われた「療育を受けてみませんか?」の言葉。でも実際に療育ってどんなことをやるの?そんな療育についてのエピソードを発達ナビ連載ライターさんたちに描いていただきました!療育の種類や療育先選び、早期療育問題や家庭内でできることなど…気になるコラムはぜひリンクをクリックして読んでみてください。「療育に通って」と言われてから9年。当時の私が感じたことや、知らず知らずに行っていたこととは。丸山さとこさんが、療育を初めて知ったのは3歳児健診のときでした。本を読み療育園に通うことで療育について少しずつ知っていったさとこさんは『あれ?ごく当たり前のことが書いてあるな…?』と首をかしげてしまいます。2歳で始めた療育、全力拒否!「療育に来る意味あるのかな…」と疑問が出てきて…3歳ごろに自閉スペクトラム症の診断が出たまるさんの息子・リュウくん。療育には2歳9ヶ月のときに通いだしましたが、教室から出たい、座っていられない、早くお弁当を食べたいで泣いたり逃げたり…一筋縄ではいかなくて…。理科と社会のプリントをやりたがらない息子のやる気を引き出したアイデアとは?ADHDとLDのあるかなしろにゃんこ。さんの息子リュウ太くん。”気がのらないことは意地でもやりたくない”というところがあり、小3になると「理科」「社会」の教科には興味ナシ!そんなリュウ太くんにかなしろさんが作ったあるものとは…?「療育」とは?3タイプの発達支援施設があるの?1歳半健診で指摘を受けて、長男けんとくん発達の遅れを知ったゆきみさん。市の親子教室で初めて聞いた「療育」という言葉に「これだ!」と衝撃を受け…。タイプ別発達支援施設の紹介も!「子どものため」だけでは続かない?「療育を受けさせたい」と考えている親御さんに伝えたいこと。知的障害を伴う自閉スペクトラム症があるべっこうあめアマミさんの長男くんは、2歳から療育に通いはじめました。引越しなどもあり、息子と3つの地域で6ヶ所の児童発達支援(療育)に通ってきたべっこうあめアマミさんの感じた療育先選びのポイントとは?療育は一筋の希望?ダウン症の「早期療育問題」って?ダウン症のある小学1年生のきいちゃんを育てている星きのこさん。出産後すぐにダウン症の告知と同時に医師から言われた「子どもに療育をしてください」のアドバイス。その言葉を聞いた星さんは…。次男のふーくん、初めての発達検査!ASDの特性がある長男ミミくん。次男のふーくんは定型発達だと思っていたけれど、通っている保育園からの勧めもあって、発達検査を受けることにしました。発達検査の結果を聞いてtaekoさんの感じたこととは。そのほか人気コラムはこちらから!
2022年07月11日友達0人からの、療育のはじまりUpload By taeko4歳になったふーは、2ヶ所の療育に通所しています。ひとつは自治体の療育(個別)に月1回。もうひとつは、長男のミミと同じ民間の放課後等デイサービスの未就学児クラス(個別)に週1回通っています。ふーは少し言葉のキャッチボールが苦手なところもあって、友達0人からの療育スタートです。今日は、そんな療育が始まったときのお話をしたいと思います。医師の質問を受けているときに、ある違和感が…。自治体の療育の初回に、まず精神科医の診察をしてもらうことになりました。それは、5ヶ月後に大きな病院内の小児精神科を予約していて、そこへの紹介状を書いてもらうためでした。少し緊張気味に、初めての環境で、初めての医師に質問を受けるふー。医師:保育園でよく遊ぶのは何くん?何ちゃん?ふー:えっと、誰にしようかな…医師:保育園では何をして遊ぶのが楽しい?ふー:……楽しいことしてるとき…などなど。20分くらいの間に先生から投げかけられる質問に、ふーは頑張って答えていました。でも途中のある質問のときに、医師の質問と答えがかみ合わなくなってしまいました…!Upload By taeko「家で誰と住んでいるか」という質問に対して、「あのね、ボク誰かと有楽町行ったんだよ」と答えていたんです。先生も「そうなんだねー」と受け止めてくれましたが、これは一体どういう意味だろう?診察室に何とも言えない空気が流れました。それでも私もよく頭の中で連想ゲームをしてしまうのでわかったのですが…。質問の「お家」と「誰か」という部分から「祖母」のことを連想して、それとは別で前の質問の「楽しい?」からイメージを膨らませて、電車で行った楽しかった場所を答えていたようです。先生の質問に対してすぐに答えるのではなく、連想してふーが好きなことを言ってしまい、会話が成立しませんでした。身近な人だったら汲み取ることはできますが、初対面の先生は「答えてもらえない」「話を変えられてしまった」と思ってしまったはずです。Upload By taeko自分の伝えたいことを、ちゃんと伝えていくために質問の時間が終わると、ふーは好きなおもちゃを選んで補助していただいた方と遊んで待ってもらい、私は精神科医の先生と話をすることになりました。さっきの噛み合わない会話のこともありドキドキしながらも、まずはズバリ診断名を聞いてみました。でも、ひとまず今は、診断名がつく感じでは無いようでした。ただ、ふーが言葉のキャッチボールが少し苦手なことに変わりはないわけで…。コミュニケーションの中で、同年代の子と初めて話すときなど、相手の言葉を受け止めずに自分の好きなことだけを話しても相手に伝わりません。このままでは、意図を汲み取ってくれる人がいない場面では、伝えたいことが伝わらなくなってしまいます。今は良いかもしれないけれど、特にいつか社会に出たときに、きっと困ってしまうから。療育を続け、保育園とも連携しながら1年後の就学相談に向けて、ふーには今何が必要なのかということを見守っていくことになりました。Upload By taekoそして、療育の開始とともに、私も少し変わろうと思ったんです。今まで保育園でお迎えをするときは、先生に「元気です」と言われるだけでしたが、もっと園でのふーの様子を教えてほしいとお願いすることにしました。これからふーが、自分の力で伝えたいことをちゃんと伝えていくことができるように。そして、ふーのことを理解してくれる、友達が増えていってくれるように。そのために必要な成長を、親である私が見逃さないように。だから、私も先生に積極的に話しかけていくように、決めました。そんな、療育のはじまりのときのお話です。執筆/taeko(監修:井上先生より)コミュニケーションに困難さがある子どもにとって、園で体験した出来事を思い出しながらおうちの方に説明したりお話しすることはとても難しいことだと思います。お母さんがされているように、保育園のお迎えのときに、ふーくんがその日に遊んでいたことや、ふーくんの身の回りに起きた出来事をちょっとでも聞いておくと、ふーくんのおうちでのコミュニケーションがしやすくなるのではないかなと思います。話をしてくれることがまず大事なので、最初はたとえそれが正確な表現や事実でなくても、共感的に聞いてあげたり褒めてあげたりすること、そして少しヒントをあげてお話しできたらさらにほめること、そんなやり取り自体を親御さんが楽しめることが大切ですね。
2022年07月04日「療育って何?」からスタートした9年前Upload By 丸山さとこ今思えば、息子コウの発達の凸凹は2歳ごろから現れていたのだろうと思います。たまに「あれ?」とひっかかることもありました。ですが、「男の子は言葉が遅いから大丈夫」「気にしすぎないで。お母さんはおおらかでないと!」などと人から言われていたこともあり、「ちょっと変わった子だな」程度に思って過ごしていました。そんな私が療育というものを知ったのは、3歳児健診で療育園をすすめられたときでした。本を読み療育園に通うことで療育について少しずつ知っていった私は、『あれ?ごく当たり前のことが書いてあるな…?』と首をかしげました。家庭内で意識せずに行われていた『療育的な関わり』のこと当時読んだ本が「これから発達障害や療育について知っていきたい親」のための入門書だったのもあるかもしれませんが、「子どもの反応を見る → 予測を立てて関わる → 子どもの反応をフィードバックする」という関わり方は、私にとって拍子抜けするほど普通のことに思えました。Upload By 丸山さとここれは、私自身にASDとADHDがあり普段の生活の中である程度工夫をしていため、療育の入門本に書いてあった関わり方を感覚的に理解しやすかったのもあるかもしれません。また、それに加えて『産まれたばかりの乳児の世話を手探りで行った経験』も関係あったのではないかと思います。まだ首も座らないフニャフニャのコウを世話しながら、泣く・寝ない・上手く飲めない・何をしたいのか何を考えているのか全く分からない乳児という存在を前におののいた覚えがあります。Upload By 丸山さとこ「赤ちゃん(コウ)自身も何をしたら自分が快適になるのか、まだ分からないんだろうな」と考え、「一緒に頑張ろうな~」と声をかけながら関わっていきました。そうするにつれて、コウが『今どんな感じか・何を要求しているか・何に興味を持っているか』が少しずつ分かるようになってきました。そのような観察や試行錯誤の繰り返しが、結果的に”療育的な関わり”となっていたかもしれません。今振り返ると、コウとの付き合いが始まった乳幼児期に「意識的に行った療育的な関わり」として一番にあげられるものは、ハイタッチだったのではないかと思います。乳幼児のころから目線が合いにくいコウでしたが、彼の視線に割り込むと(多分、邪魔だという理由で)機嫌が悪くなり怒っているような様子になるので、彼が見ているものの近くや後ろでさりげなく存在をアピールしたり、ハイタッチして目線を合わせたりしました。Upload By 丸山さとこ手を挙げることやハイタッチはコミュニケーションにも有効でした。子どもの絵本や手遊びには手をあげるポーズが多く、コウが「手を挙げる」行動を模倣するようになったことで、それらの遊びが行いやすくなりました。たまたまバンザイしたときに手のひらへのタッチをすることで「親の手の動きに反応して手のひらにタッチする」を覚えてハイタッチができるようになったコウは、「タッチする度に位置が変わる手のひらにタッチする」という単純な手遊びも喜んで行うようになりました。Upload By 丸山さとこ最初は「動く手のひら」を目で追うのが難しかったり、手のひらの向きが変わると混乱したり、タッチすることばかりに夢中になりよろけそうになったりしていました。そのときどきのコウに合わせて難易度を調節することで、楽しく遊びながら、『今日の調子はちょっと不安定だな』『こんなこともできるようになったんだな』『判断が早くなったな』『難しいことを面白がるようになったな』などとコウのコンディションや変化を感じることができました。コウだけでなく私自身も遊びを通して気持ちの切り替えができ、親子ともども楽しめる良い遊びになりました。また、当時のコウは物への興味が強くあまり人間には興味を示していませんでしたが、ハイタッチは「手のひらという遊び道具」を通して少しずつ「手のひらの持ち主」にも目を向けるきっかけになったのではないかな?と感じます。今でも続く「療育的な関わり」の、変わることと変わらないことその後も、「いくつ?」と聞かれたら「3歳」と答えるような、質問に対して答えるというやりとりを『セリフを言う人の肩に触れる』ことで教えたり、遊具で遊ぶ練習など、いろいろ療育的な関わりをしていきましたが、そんなコウももう中学生。これからは直接サポートすることは段々と減っていくだろう…と思っていました。そんな矢先、先日行われたスクールカウンセリングにて「コウ君のようなお子さんは、中学生や高校生になってからもほかの多くのお子さんよりサポートは必要であり続けることが多く、今のところコウ君もそうである可能性は高いです」とハッキリ告げられ、心の中で泡を吹きました。とはいえ、次第に「療育的な関わり」というよりも、成人の神経発達症(発達障害)がある人に対するような配慮をしていく形になっていくのかなと思っています。Upload By 丸山さとこコウに対する療育的な関わりが当たり前のこととなった今振り返ると、具体的な手法やノウハウや例など、書籍やWebから得られる情報は10年前より各段に増えたなと感じます。それらの情報を取り入れて何とか回している日々の中、「今日はもう何をやってもダメだ…!」となることもあります。そんなとき、生まれたての赤ちゃんだったコウに振り回されたあの疲労困憊の日々を思い出すと、少しだけ初心に戻れそうな気がするこのごろです。コウが中学生になったことで、乳幼児期が遠い思い出になったのかもしれません。執筆/丸山さとこ(監修:井上先生より)丸山さんもおっしゃっているように小さいころの支援と思春期になった今必要とされる支援とは質的にもかなり違ってきていると思います。本人なりに考えて行っていることに対して、すぐに否定しないでいったん受け入れてから一緒に考えていくことなど、本人が自分で問題解決し自立していくのに必要なステップが親御さんとの関わりの中に含まれていると思います。苦手なことに出合ったときにこうやればうまくいくというような方法や環境を、一緒に探していくことで、「困ったときは人に聞いてみてもいいかな」という援助希求や「まあなんとかなるさ」という自信につながっていくとよいですね。
2022年06月30日2歳9ヶ月で通い始めた療育Upload By まる3歳ごろに自閉スペクトラム症の診断が出た息子リュウ。2歳9ヶ月のときに療育に通い出した。そこは集団療育、親子通園(年齢や日数に応じて)を行っている施設で、先生の人数も多くいろいろと相談しやすそうな雰囲気があり通うことに決めた。昨年度は週に2回通っていたが、現在息子は4歳になり保育園もあるので週に1回通うことにしている。療育に通い出したころは教室から出たい、座っていられない、早くお弁当を食べたいで泣いたり逃げたり…。リトミックや親子体操などをやるのだが息子は一切参加しない状態で、「療育に来る意味あるのかな…」と疑問が出てくるほどだった。親子体操とリトミックUpload By まる療育に通い出してもうすぐ1年半になる。療育に行くのが楽しいようで「今日はバスに乗って療育に行くよ」と声かけをすると「バスーバスー」と嬉しそうに自らリュックを背負ってバス停まで向かう。教室に到着するとわが物顔でおもちゃを取り出しのびのびと遊んでいるが、いまだに親子体操は逃げるしリトミックは参加したがらない。しかし変化はある。以前は泣いて嫌がることも多かった親子体操だったが、今は笑いながら逃げ回っている。先生いわく「どんなことをするのか分かっていてやりたくない」のではないかな、とのこと。先生もそんな息子を無理に参加させようとすることはなく、「いいよ~じゃあそこで見ててね!」などの声かけをしてくれたりと、息子の気持ちを優先してくれている。たまに様子を見て誘ってくれたり、息子の手を取って私の代わりに参加させてくれたりしてくれる。捕まえて参加させると楽しそうにニコニコはしているので嫌ではなさそうだがすぐにまた逃げてしまう。リトミックはというと、音楽が流れ出すと耳を塞ぐようになってしまった。耳を塞いでママの足の間にうずくまったり、別の部屋に逃げたりするのだ。ただこれも嫌な表情はせずにニコニコしている。まだ言葉で伝えることができない息子なのでこれの真意はまだ分からないが、無理に参加させることはせずに見守っている。椅子に座ることも長時間はできないが、興味のある絵本の読み聞かせなどにはきちんと座って聴くことができるようになった。家ではというとUpload By まる家に帰ってから療育でのことを生かして何かに取り組んだりなどは特にしていない。たまに気が向いたときにだけ療育でやっていた親子体操をやってみたりするが、息子は興味なくやめてほしそうなそぶりを見せる。療育に通い出したころは、親子体操やリトミックは大体同じ内容を繰り返すから家でもやると早く慣れていいかも!と思ったのだが、家でも嫌がって逃げたので諦めたのだ。1番嬉しい成長Upload By まる1番私が嬉しかったのはお返事ができるようになったことだ。療育で椅子に座った際に名前を呼ばれてお返事をするのだが、通い出したころは「この子はこの先、椅子に座って返事ができるようになるのかな…」と不安になるほどだった。座らせてもすぐに立ち歩き静止すると泣いて怒ったり、呼びかけに対して無反応だったり、目線が別の方に向いていたりなどとにかく反応が返ってこなかった。先生は反応がなくても毎回呼びかけてくれ、たまにハイタッチのみでの返事ができるようになっていった。今は機嫌が良ければ「ここに座って」の指示がきちんと伝わり椅子に座り、名前を呼ばれると手を挙げながら「はーい」とお返事してくれる。これは、療育のほかにも保育園でも毎日の習慣として実践してくれていたからだろうと思う。このように少しずつだけど確実にできることが増えているし、親子登園を通してそれらの成長を確認することができる。実際に息子の成長を見て、こんなことができるようになったんだ!と育てていくことのモチベーションにも繋がっている。執筆/まる(監修:鈴木先生より)やらなくても無理やりやらせず、まず参加できるようにすることが大事です。返事ができるなど何か一つ成果があれば参加したメリットがあったと考えましょう。コミュニケーションの基本は挨拶です。返事ができるようになったら、次は視線は合わなくても相手の方を向いて「こんにちは」「おはようございます」などが言えればいいですね。私のクリニックでやっている音楽療法でも、無理やり参加させず、お子さんがやりたくなったら参加してもらっています。さらに始まりと終わりの挨拶を毎回ルーティーンでやるので、いつの間にか家でも習慣になっているようです。
2022年06月29日息子2歳、初めて足を踏み入れた療育の世界私の息子には、知的障害を伴う自閉スペクトラム症があります。息子に障害の診断がついたのは4歳のときでしたが、1歳半で発達の遅れに気づいたことをきっかけに、2歳から療育に通いはじめました。息子が最初に通った療育は、地域の児童発達支援センターに月に1回程度の頻度で通う、親子通園の集団療育でした。Upload By べっこうあめアマミ児童発達支援センターは、発達に不安がある子どもと家族のための総合的な支援をしている、地域の中核的な発達支援施設です。そこで受ける初めての療育は、親子ともに学びが多い内容でした。療育では、大きな遊具で身体をいっぱい動かしたり、名前呼びをしたり、手遊びや体操をしたり、紙芝居をしたりと、遊びながら発達を促していきました。息子はあまり活動に興味を示さなかったり、身体を動かすのを嫌がったりもしましたが、そういったときの先生からの声掛けの仕方なども、参考になりました。Upload By べっこうあめアマミただ、親子通園なので、私は療育の時間中ずっと息子にぴったりくっついていなければなりません。息子のあとを追い、怒ったらなだめ、精神的にも体力的にもすごく疲れました。そして、児童発達支援センターが家から非常に遠かったことも大変でした。息子を連れて15分歩いて駅まで行き、電車に乗り、電車を乗り換えて、センターの最寄駅からまた15分くらい歩くという道のり……。バスで行くこともできましたが、時間がかかり、通うだけでへとへとでした。きょうだいがいると療育に通えない⁈まさかのルールに愕然Upload By べっこうあめアマミ息子が3歳のとき、週3日で通える高頻度で時間も長い療育のクラスに、次年度からの空きが出たという連絡をもらいました。しかし、そのクラスに通うためにはいくつかの条件があることを知らされたのです。・幼稚園と並行して通うことはできない・ひき続き親子通園・子どもの給食はあるが、親は療育中は飲食できない・きょうだいを連れてきてはいけない当時、私は2人目の妊娠が分かったばかりでした。そのため、週3日の頻度で親子通園ということも大変でしたが、幼稚園に通えないということや、きょうだいを連れてきてはいけないという条件に愕然としました。交渉したところ、抱っこは不可だけれどおんぶなら許可すると言われましたが、両実家ともに県外だった私にとっては、それも難しい条件でした。まだ首が座らない赤ちゃんをどこかに預けて息子と療育に通い、おんぶができる月齢になったら赤ちゃんをおんぶしながら長い道のりを通って3人で一緒に療育を受ける…。息子の発達のために頑張ろうと思いましたが、自信がありませんでした。そして、そのことを夫に相談すると、こんな答えが返ってきました。Upload By べっこうあめアマミ私は、2人目が生まれてから通うことはかなり不安でした。でも妊娠中はギリギリまで通おうと思っていたのです。しかし…Upload By べっこうあめアマミUpload By べっこうあめアマミいつも温厚な夫から諭されて、私は改めて、妊娠中の自分の身体についてすごく甘い認識でいたことに気がつきました。そして、「息子の発達の遅れへの心配で頭がいっぱいで、お腹の子や自分の体調、家族の生活についてまるで考えていなかった」ということを反省しました。こうして、空きは出たとはいえ、あまりに家族にかかる負担が大きかったことから、この療育は辞めることになったのです。代わりに、息子は親子分離で通える別の療育に、週5日で通うことになりました。子どもの療育先を選ぶとき、無視できない「大切なこと」とは療育は確かに、子どものために行うことです。ですが、1人で通園できない子どもの場合、親の負担から目を背けることはできません。子どもを思うからこそ、多少無理をしてでも頑張って療育に通わせたいというのが親心。特に、未就学や未就園の小さいお子さんの親御さんほど、「子どものためにできる限りのことを」という思いから無理してしまいがちな気がします。ですが、療育の内容だけでなく、ぜひ次のような条件にも目を向けてみてください。Upload By べっこうあめアマミこれらの条件は、通う前は「なんとかなる」と思っても、実際に通ってみると予想以上の負担だった、ということにもなりかねません。見過ごされてしまいがちだけど、実は無視できない、非常に重要なポイントだと感じています。親子で無理なく療育に通い続けるために親も人間です。親にとっての負担があまりに大きいと、せっかく療育で良いことを教わっても、それを実践する体力が残っていない、という状況に陥ってしまうかもしれません。ストレスからイライラが募り、子どもに笑顔を向けられなくなってしまうかもしれません。最悪の場合、親が体調を崩して療育どころではなくなってしまうかもしれません。そうなってしまったら、せっかく良いと思って選んだ療育に、通い続けられなくなってしまいます。療育の結果は劇的に現れるとは限りませんし、継続して通うことで、少しずつ積み上げていくものだと思います。だからこそ、親子で無理なく続けていけるように、療育の内容だけでなく、「通わせやすさ」にも目を向けて選んでいくことをおすすめします。「子どものため」に自分や他の家族の生活全てを犠牲にする必要はないと思います。あなたはすでに、十分頑張っています。自分の都合を理由にすることに罪悪感を感じず、無理せず歩んでいきましょう。執筆/べっこうあめアマミ(監修:井上先生より)地域によって 、主に公的な機関によって療育がなされているところと、多くの民間の事業所が療育を提供しているところなどかなりの違いがあると思います。特に公的な機関の場合、制約が多いところがまだあるようですね。地元の情報を探し、民間も含めて親に負担のない通いやすいところ、お子さんに合った療育施設を探すのが良いと思います。情報源としては発達障害者支援センターなど以外に、地域の親の会などに聞いてみると親視点からのいろいろな情報を得ることができると思います。
2022年06月23日療育支援、就労支援事業を行う株式会社サカセル(所在地:福岡県福岡市早良区、代表:古賀 美和)は、すでに福岡市内に療育支援、就労支援合わせて4事業所構えておりますが、2022年5月より福岡市城南区別府に新しく別府事業所「ペンタス」を立ち上げました事をお知らせします。ペンタス 外観◆サカセル ペンタスの特色◆(1) 療育+食育をコンセプトにした教室食育分野では、街づくり協会のコーディネーター様にご指導いただきながら食物を栽培し、食物が成長していく過程を子どもたちにみてもらいます。育てた食物を収穫したり、調理したりすることで食物が育つプロセスを知り、食物を身近に感じることで、食物に対する苦手意識を減らしていけるように支援します。(2) SST(ソーシャル・スキル・トレーニング)を中心とした独自カリキュラムを作成カリキュラムだけでなく、ロールプレイング・演劇の要素を取り入れたSSTなどを仲間と共に取り組むことで考える機会を設け、楽しく、社会性を学んでいきます。これらの活動を通し、学校生活等の日常生活での困りごとや悩みごとに対して少しずつ学習して成功体験を積み重ね、自尊感情を高めます。(3) 土、日曜日は調理活動や野外活動を実施集団活動を行うことでルールや行動について考え、その中で地域の方との交流を定期的に行い、様々な知識・経験に触れ、視野を広げられるように支援します。また、地域の方だけでなく保護者様もご一緒に参加できるような活動も検討しております。食育教室の様子プランター栽培▼放課後等デイサービス施設概要▼施設名 : ペンタス所在地 : 福岡県福岡市城南区別府2丁目4-16TEL : 092-834-5420営業時間: 10:00~19:00 月曜日~金曜日URL : ■会社概要商号 : 株式会社サカセル代表者 : 代表取締役 古賀 美和所在地 : 〒814-0001 福岡県福岡市早良区百道浜1-3-70ザ・レジデンシャルスイート福岡3301設立 : 2013年3月事業内容: 放課後等デイサービス・就労継続支援A型資本金 : 300万円URL : 【お問い合わせ先】株式会社サカセルTEL : 092-833-8445お問い合せフォーム: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年06月22日30分に及ぶ発達検査、果たしてふーは乗り越えられるでしょうか?Upload By taekoわが家の長男ミミは、ASDの特性があります。次男のふーは定型発達だと思っていたけれど、通っている保育園からの勧めもあって、発達検査を受けることにしました。福祉保健センターへ電話で療育を受けたいと伝え、2ヶ月後に発達検査の予約ができました。ふーにとって初めて行く場所でしたが、すんなり行くことができて、ひとまずほっとひと安心。面接では、初めて会う専門員の先生から、発達の検査を受けていきます。上手くコミュニケーションできるでしょうか…?Upload By taeko発達検査では、先生からの質問に答えたり、道具を操作したりしながら、回答するものがありました。初めての空間で初めての先生との検査だったのでどうなることやらと不安でしたが、30分以上の間ふーはとっても頑張っていました!発達検査の結果を聞きながら思いました、「あれ、どこかで聞いたことあるような…」検査のあとは、専門員さんと私の面談の時間がありました。その間、ふーは好きなおもちゃを選んで遊んで待っていてもらいます。先生から発達検査のメモ用紙を受け取り、口頭で伝えてくれる検査結果を、私が一つずつ記入していきます。その結果は、総合的に平均の範囲内ではありますが、ふーは月齢と比較して8ヶ月ほど遅れているそうでした。検査を通して、道具の操作や言葉での応答などに、苦手さがあることがわかりました。検査の結果からのアドバイスとして、人に求められていることよりも、自分の興味が優先されて指示されたことが頭に入りにくく、また見えない部分を推測することが苦手なため、周囲の人たちが個別の声がけや見本を見せることが必要だということでした。そんな話を聞きながら私の中に浮かび上がってきたものは、不安などのネガティブなものが少しも無かったと言ったら嘘になってしまいますが、それよりも「ふーも私も一緒なんだ!」という共感の気持ちでした。Upload By taeko先生から告げられる傾向の一つひとつが、「これ、私のことだ!」と思えてしかたなかったんです。本筋とは別のことばかりが気になって頭に入ってこなかったり、デジタル社会の情報の洪水の中で「結局なにもわからない…」という状況になってしまったり。私もそんなことが日常茶飯事なんです。あぁ、やっぱり、親子なんだなと感じました。でも、こんな私でもなんとかなっているんだから、ふーもきっと大丈夫!とポジティブに思うようにすることにしたんです。全ての結果を聞き終わり、先生からあらためて療育を受けるかどうかの意思確認をされました。そして、次男の療育を受けることを希望しました。Upload By taekoそして始まった、次男ふーの療育最後は必要書類に記入し、翌日区役所へ郵送。その後は、3月末ごろに通所する施設から連絡が来て、4月から月に1回・通所できることになりました。兄のミミが現在通っている民間の放課後等デイサービスの未就学児(個別クラス)も、自治体の療育とは別の日に、4月から週1回通うことが決まりました。自治体の療育はミミの療育で2年半通った懐かしい場所ですが、ふーが実際に通うのはさらに1駅離れた場所になるようでした。少し大変だな…と思いつつも、ふーは電車が好きだから通うことが楽しくなるかも、とプラスになることを考えるようにしました。療育にはどうしても不安はつきものですが、その中でもいつでもポジティブな要素を見つけて、前向きにがんばっていこう!それが、私たち親子の療育の形です。執筆/taekoUpload By taeko(監修:井上先生より)療育開始前に発達検査や知能検査などのアセスメントを受けることがあります。これは、本人の学習に関しての強みや弱みを把握し、適切な対処方法や学習の仕方を見つけるのに役立ちます。初めての場所で初めての支援者と発達検査を行うことは、お子さんもお母さんもとても不安だったと思います。子どもの検査の解説を聞きながら、ご自分のことにも当てはめて考えた、という方は意外に多いようです。taekoさんがされてきた工夫とかコツがあれば、お子さんに伝えてあげられると良いですね。
2022年06月02日おとなしくて育てやすいと思っていたゆいだけどゆいは赤ちゃんのころからおとなしくて育てやすく、夜泣きやイヤイヤ期も一般的で、検診でも何も指摘されずに成長しました。小学校に入るまで、子育てで悩んだことはそれほどありません。楽しく育児ができていたと思います。でも、今思い返せば私が脳天気で大雑把な性格のため見落としたことはたくさんあったのかもしれません。小学三年生あたりから勉強についていけなくなり、四年生で学校から「発達検査を受けてみては」と勧められたときは、とうとう来たか…と観念したような気がしました。単に勉強が苦手なだけだと思っていたけれど、教育現場のプロから見ても明らかに何かあると思われたんだ…と悲しくなりました。Upload By 吉田いらこ単身赴任中の夫に伝えると…学校の先生に発達検査を勧められたときは単身赴任中だった夫にも伝えました。夫は残業も多く、話ができるのは朝の30分だけという毎日。朝から重い話だなと思いながらもゆいのことを相談していました。夫の反応はいつも「えー、そんな大げさな」。そう思いたいんだろうなと感じました。小学五年生で発達検査を受け、療育手帳が取れる(軽度知的障害がある)と説明を受けたときは頭の中がいっぱいで呆然としてしまいました。自分はわが子の発達の遅れを見落とすようなダメな親だ。そうハッキリしたような気がしてつらかったです。でもこの子のために行動しないと、とは思いました。Upload By 吉田いらこ療育手帳を取得することで、さまざまな福祉サービスを受けられメリットが多いと思っていますが、親にとってはわが子に障害があるということを認めることにもなります。そこがちょっと難しいと思う人もいて当然だと思います。Upload By 吉田いらこ「様子見でいいんじゃない?」の言葉に…夫に話すと「そんなに急がなくても…。まだ様子見でいいんじゃない?」と言っていました。様子見でいい、という言葉はいいなと思いました。不安をやんわりと先送りにできて、未来もちょっと明るく感じます。成長したら今の困りごともなくなるかも知れないのだから。でもゆいはもう小学五年生。「様子見」は未就学児だったらいいと思いますが、わが家の場合、時間はもうないのです。続けて「それにさ、そのうちみんなに追いつくかもよ?」と言われたときは、なんだこの人全然分かってないなとちょっとイラっとしました。でも、夫に対してイラっとした自分も嫌でした。勉強が苦手で引っ込み思案だけど、気にしすぎることはないと思っていたからです。Upload By 吉田いらことはいえわが家の場合は療育手帳取得のデメリットはないなと思ったのでメリットを調べてまとめて伝えました。夫に対しては、手帳がいかに必要か感情的に訴えるよりも具体的な例を並べたほうが伝わると思いました。説明しながら、なんだか仕事でプレゼンしてるみたいだな、とちょっと笑えました。結果、夫も手帳取得に納得し(仕方なく…かもしれませんが)役所に申請することができました。はりきって手帳を取得したものの、その後の私たち夫婦は「こうしたほうがいい」「こんなことをしてみたらどうだろう?」と熱い信念もなくとりあえずやったほうがいいことをこなしているだけの毎日です。意見の相違などでの夫婦間の言い争いなどはないですが、悪く言ったらあんまり頑張っていません。でもまだまだ先は長いわが子2人と夫との4人での生活、ゆいが暮らしやすいように小さな工夫などをしてサポートしながら、楽しく過ごしていこうと思っています。執筆/吉田いらこ(監修:井上先生より)発達検査を受けたり、手帳を申請したりすることは吉田さんも書いておられるように、親としては「障害を認める」ことになり、さまざまな葛藤があったかと思います。ちなみに「療育手帳」とは知的障害のある子どもが取得できる手帳になります。療育手帳に関して、何歳までに取得しなければならないという制限はありませんが、取得にあたっては吉田さんのご夫婦のような話し合いも必要になります。療育手帳はそれぞれの自治体が交付するものであり、お住まいの地域によって受けられるメリットは少しずつ異なります。吉田さんのようにメリット、デメリットをご夫婦で検討されながら判断されるのがよいと思います。
2022年05月04日受けてみるか、WISC-IV!Upload By 吉田いらこ発達相談センターで新版K式発達検査という検査を受けて、療育手帳の申請ができる(つまり軽度知的障害に該当する)と説明された小学5年生の長女ゆい。どうして民間のクリニックで追加の検査をしようと思ったのかというと、どうせ調べるなら成長に関わる全部を調べてほしかったからです。クリニックで検査を受ける前、ゆいにはこう説明していました。「このテストで、ゆいの得意なことと不得意なことが分かるんだって。まあ、性格診断みたいなものだよ。不得意なことが分かったら、学校の先生と相談してゆいに合った教え方をしてもらえるようにするからね」正直に『発達に気になるところがあるから検査をするよ』と伝えることは、やはりできませんでした。本人にどう伝えたらベストなのかがまだ分からなかったからです。ですが、この「性格診断」という言葉に興味を持ったのか、ゆいは特に不安がることもなく検査を受けてくれました。Upload By 吉田いらこ驚きの検査結果クリニックでWISC-IVという検査を数時間かけて受けたあと、1ヶ月たってから検査結果を教えてもらえることになりました。渡された検査結果は『報告書』というかたちで、具体的な数値やグラフが出てくることはありませんでした。すべて文章で、どういった特性があるかがA4サイズの用紙数枚にわたって書かれています。ただ、ゆいが読むには難しすぎるので、先生が平易な言葉で読み下してくださいました。Upload By 吉田いらこ私も検査結果に最後まで目を通したのですが、気になることがありました。発達障害の話題でよく聞くASDやADHDといった単語が出てこないのです。私は「つまり、診断名としては何になりますか?」と思わず聞いてしまいました。どうやらWISC-IVの結果だけでは診断名はおりないようでした。その後の医師の問診をふまえた診断の結果、ゆいには『ASD(自閉スペクトラム症)』『緘黙(かんもく)』と診断がおりました。そして軽度知的障害については今回調べたWISC-IVでは該当しないということでした。数ヶ月前に発達相談センターで受けた新版K式発達検査では軽度知的障害に該当し、療育手帳が申請できると言われたので、すぐに役所に行って手帳を発行してもらっていました。それなのに軽度知的障害じゃないの?と驚いたのですが、クリニックの先生がおっしゃるには、知的障害に関してはいわゆるギリギリラインだったそうです。「こういうことはよくありますよ。数年後に手帳の再判定がありますが、その際に対象から外れるかもしれません」と先生にさらりと言われて呆気に取られてしまいました。Upload By 吉田いらこなぜかASDと緘黙の結果が出たことについてのショックはほとんどありませんでした。最初に軽度知的障害の判定結果が出たときはショックを受けたのですが…。今日説明された特性2点については『あ、そうなんだ。じゃあ次の対策考えなきゃ』『次は学校に説明する段取りを取らなきゃな』と仕事をするときのような感覚しかありませんでした。検査を受けて思ったことはUpload By 吉田いらこクリニックからの帰り道、ゆいはご機嫌でした。判定結果の解説文にあった『言語化が得意』という一文がうれしかったようです。確かに算数と漢字が苦手なゆいですが、作文が好きなので長所を当ててもらったように感じたのかもしれません。『こだわりが強く、聴覚から入る情報を処理するのが苦手』といった一文についても、確かにその通りだなあ、と笑って気に留めていないようでした。私はゆいに発達検査のことを性格診断だと説明しましたが、意外と合ってるんじゃないかなと感じました。得意なことと苦手なことをはっきりさせて、さらにアドバイスしてもらう。人生をよりポジティブに生きるため、この検査を受けて良かったと私もうれしくなりました。執筆/吉田いらこ(監修:井上先生より)まずは、発達相談センターとクリニックでの二回にわたる検査、お疲れ様でした。お子さんもいらこさんも大変だったと思います。クリニックで受けたWISC-IVは知能検査なので、その子自身の認知の特性について詳しく知ることができます。しかし、WISC-IVの結果によってASDや緘黙の診断ができる訳ではありません。今までの発達の様子や、医師の問診によって、それぞれの発達障害の診断基準に適合するかどうかなどの総合的な判断で診断がおりるかどうかは決まります。また、いらこさんが体験されたように、知能検査や発達検査の種類によって数値が異なる場合もありますし、時期によって変動することもあります。全体の数値だけでなく、その子の中での得意なことや苦手なことの把握が重要になってきます。診断後は検査などで得られた本人の強みや苦手な部分を周囲の人が理解することで適切な環境や学習の方法などが見えてくると思います。
2022年03月07日担任と加配の先生から発達検査を提案されてゆいは勉強のつまずきや友達がなかなかできないなどあり、担任の先生と加配の先生から「発達検査を受けてみては?」と提案があり、発達相談センターに連絡を取ったのが4年生の3学期。すぐに検査をお願いしたのですが、予約が取れるのが一番早くて3ヶ月後と言われ驚きました。実際に検査を受けたのは5年生になってからです。Upload By 吉田いらこゆいに発達検査を受けることを言うと…検査の数日前、ゆいに発達検査を受けるよう話をすると「私がバカだからそのテストを受けるの?」と落ち込んでいました。焦って違うと説明しましたが、私の言葉が全く響いていないようでした。もうこの年齢になると、学校で友達と比べて、自分にはできないことが多いのではないかと少しずつわかってくる年齢なのだと思います。ゆいは完全に自分はダメだと思っているようでした。どれだけ親が訂正してもそのように受け止めてしまうんだな、と悲しくなってしまいました。確かに原因としては勉強につまずきがあるから発達検査を受けることになったのだけど、自分のことをダメな子だとは思ってほしくない。高学年になり、いろいろな物事を理解できるようになったゆいに発達検査を受けることに対してどのように説明したらよかったのか。今でも正解が分からず、悩んでいます。Upload By 吉田いらこ発達検査の結果は発達検査当日は学校を休み、新版K式という検査を受けました。発達検査を受けることに対して落ち込んでいたゆいでしたが、当日は落ち着いて検査を受けられたようでした。 そして検査の結果は『通常より2年程度の遅れがあり、療育手帳の申請対象に当たると』いうことでした。このときに、事態は自分が考えているよりもっと大ごとなのだと分かりました。ちょっと勉強が苦手なだけだと思っていたのに…うちの子は手帳が発行されるくらい遅れがある…?胃がギュッと縮まった感覚がありました。Upload By 吉田いらこただひとつ、このときに『療育手帳ってなに?』という疑問があったのですが、質問できませんでした。そのことを質問する余裕もないほど頭がいっぱいになっていたのです。この時点では、障害者手帳は聞いたことがあっても療育手帳というものがあることは知らず、療育手帳が知的障害のある子に発行されるものだというのは、帰宅後にネットで検索して知りました。(※自治体によって「療育手帳」の名称が違う場合があります。)参考:療育手帳について(厚生労働省)Upload By 吉田いらこ検査結果の説明のときにはっきり「軽度の知的障害があります」と言われるのではなく「療育手帳を申請できます」と言われるのが私としてはキツイいなあと感じました。手帳を取るか取らないか、保護者が自由に選べるということなんですよね。これがまた、『わが子を障害者にするもしないも保護者次第』と言われているようで、自由に選べる反面、責任が重くしんどいなと感じました。一通りの説明が終わったあと、スタッフの方に「この結果についてどう思われますか?」とクールに問われたのですが「どうと言われましても…」と固まってしまいました。そのときの私は事実を受け取ることだけで頭がいっぱいで、感想どころの話ではなかったからです。Upload By 吉田いらこでも逆にスタッフの方がとても事務的だったのが、私にとっては嬉しかったです。淡々と事実だけを説明してくださる、それだけでいいのです。説明された側は少なからず動揺している状態なので、ここで変に慰められたり、励まされたりしていたら感情の壁が決壊して大泣きしていたと思います。Upload By 吉田いらこまた、この日検査を受けた発達相談センターでは、発達障害の診断までは下りないと言われたので、後日発達障害の診断をしてくれる個人クリニックを探すことになりました。やっと見つけて予約を入れましたが、ここでも一番早くて検査は3ヶ月後と言われ、どこも混んでいるのだなと笑ってしまいました。執筆/吉田いらこ(監修:井上先生より)いらこさんが仰っているように、検査の前にお子さんに検査の内容を説明するのは難しいですね。発達検査や知能検査をするメリットは単に数値を得るだけでなく、検査結果を支援に活用できることです。目から入る情報処理は得意だけど耳から入る情報は苦手など、自身の知的能力の強みや苦手さの特徴がわかることで、適切な支援や配慮に役立てることができます。検査からわかる具体的な認知特徴や適切な支援について教えてもらえるとよいと思います。相談機関や発達検査、知能検査の種類によっても異なりますが、ある程度は答えてもらえると思います。すぐに質問をする余裕などないときには後日改めて問い合わせをしても良いと思います。
2022年02月21日今までの健診では「問題なし」Upload By taekoミミの弟、ふーは4歳。1歳半健診のときは、発達に関してなど特に何も言われませんでした。しかし兄のミミにASDがあるので、ふーも同じ可能性があるかも知れないと思い私は保健所の方に「少しでも息子に気になる所があったら教えて欲しい」と伝えました。すると半年後にフォロー健診をしてもらえることに。そのフォロー健診でも特に問題はない、とのことでした。ふーは保育園では帽子をかぶることを嫌がったり、冬の散歩時に上着を嫌がるというところがありましたが、ひとまず安心しました。ほかのふーの様子というと……、コロナ禍では3歳以上はマスクの着用を求められることが多いですが、頑なに嫌がるところがあります。電車内ではしぶしぶつけるけど、マスクから鼻が出ています。4歳になった今もオムツ。指しゃぶりとタオルは乳児のときから手離せません。でも、小学生になるまでには落ち着けばいいかなと思い、私自身はそれほど深刻に考えてはいませんでした。ある日、保育園の先生にUpload By taekoそんなある日、保育園の先生から療育をすすめられました。ふーの発達に関して、あまり悩んだり困ったりはしていなかったので、療育をすすめられたときは正直ショックでした。この子のどこが気になるの?? 兄のミミが保育園のころと比べたら、ふーは神さまにしか見えないほどに手のかからない子! お迎えに行くと笑顔で駆け寄って来てくれる!! ミミはお迎えに行っても帰るまでに30分かかることがしょっちゅうだったから、すぐ保育園から帰れるふーのことが信じられない! こんな仏さまのような子! いつも笑ってミミと遊び、ミミもふーの反応がうれしくて喜ぶ、とても良いきょうだい関係!こんなに手のかからないおだやかな子どもがいるのかと、私は毎日感動しているほどです。それなのにどこが気になるの? ほかの子どもはもっともっと育てやすいの?!(でも……、ふーはミミと比べて大人しくおだやかだけど、本人は帽子やマスク、上着と戦っているのかも…)と、私自身を落ち着かせ、善は急げと、1ヶ月半後に療育の面談を予約しました。面談の結果、療育が必要になったら仕事を休む口実ができたと喜ぼうと思っています。Upload By taeko私は子どものことについては、わが子の二人のことしかよく知りません。保育園の先生は何年もたくさんの子どもを見ているから、先生の指摘は適切なのだと思います。ふーに何が必要なのか、できるだけ早く見つけてあげたいと思っています。Upload By taeko執筆/taeko(監修:鈴木先生より)私の外来に初診する患者さんには二通りのケースあります。自分自身や保護者が困っていて受診するケース、もう一方は自分自身や保護者は困っていないが園や担任など周りが困っていて受診をすすめられ受診するケースです。前者は、お子さんや保護者の困難を改善・対処したいという意思があるので通院を継続し治療にも同意されるケースが多いのですが、後者の場合は神経発達症(発達障害)がある可能性を否定されたいという思いで受診する保護者もおり、診断をしたあと、通院が途切れてしまうというケースもあります。今回、taekoさんが保育園の先生からの指摘を受け入れ、早期療育につながったというのはとてもよかったと思います。1歳半児健診や3歳児健診で異常がないからと言っても神経発達症(発達障害)の可能性がないとは言い切れません。また、母子手帳の「子育てに困っていますか?」という質問項目で「いいえ」以外に〇をつけても適切にフォローされているケースはまだまだ少ないという現状があります。担当の医師や保健師が少しでも保護者の話に耳を傾けてくれれば、早期介入が可能となるケースも後を絶ちません。今回は保育園の先生の知識と経験により早期に指摘されたことで療育につながったラッキーなケースだと思います。今の日本の健診システムにおいて、診察では主に身体における発達を診ることが多く、心における発達まで診られることが少ない現状なのです。保育園の先生もtaekoさんに言うまでは、言っていいのかどうか悩んでいたのではないかと思います。しかし、今回お子さんの発達に関する現状を適切に伝えられたという背景には、園長先生の理解や園の環境のよさもあるのではないかと思いました。
2022年02月12日とっても育てやすい子でした!11年前に生まれてきてくれた長女ゆい。何の問題もなく、すくすくと成長していきました。首が座って、お座り、ハイハイ、つかまり立ち…普通に夜泣きがあって、普通にイヤイヤ期があって。そして普通に時期が来ればおさまっていたので、特に心配することもなかったです。性格は大人しめで発語も問題なく、年齢ごとの健診で指摘されることも何もありませんでした。母子手帳の発達項目にはすべて「できる」に○をつけて「悩みは特にない」って書いてたっけ。まさに育児書通り、平均的な成長をしていたと思います。…といっても、私はかなり大雑把な性格だから、いろいろなサインを見落としてた可能性は大いにあるけどね。勉強の遅れが目立ち始めて…Upload By 吉田小学校3年生あたり、勉強の難易度が上がってきてからどんどん授業についていけなくなりました。国語は特に漢字が苦手で、書く文章はほとんどひらがなでした。先生にも「文字というよりカタチでとらえて書いている感じがします」と言われたことがあります。算数は、文章問題を前にフリーズするようになりました。いったい何を問われているのか、意図が読み取れないといった感じです。テストは真っ白で提出することが多くなっていました。参観日に算数の授業を受ける姿を観たときは、先生の話を明らかに聞いておらずボーっとしていたので焦りました。今思えば、サボっているのではなく先生が何を言っているのか理解できなかったんですよね。呑気すぎる私もちょっと焦りだして、通信教育や個別指導塾に行かせてみたけどあまり効果はなかったな…。そして小学4年生になったとき、担任の先生に呼び出され、「発達検査を受けてみませんか?」と言われて…調べてもらったところ、○軽度知的障害○ASD○場面緘黙(ばめんかんもく)があると教えていただきました。周りは厳しい…Upload By 吉田診断が出て、将来のことがものすごく不安になっちゃいました。なにか社会的支援はあるの?仕事ってどんなものがあるの?そこからは、スマホにかじりついて検索する日々。LITALICO発達ナビも、このときに読みまくっていました。私は焦っていましたが、家族は…Upload By 吉田夫はこんなんだし、Upload By 吉田義理の両親はこんな感じ…ついにはお世話になっているスクールカウンセリングの先生に「先のことを考えすぎですよ(苦笑)」と言われて、一旦立ち止まることにしました。Upload By 吉田そんなゆいですが、学校や本人と話し合い、小学校5年生から算数だけ通級へ通っています。勉強についていけず自分に自信をなくしていたゆいに元気が戻ってきたのが一番の収穫でした。でもこれから先、もっといろんな壁が出てくるだろうし、親としてはいつまでも心配してしまうけど、これはきっとどんな家庭でも同じことだよね。わが家も勉強や今後の進路、将来の就労はどうなるんだろうと不安は尽きませんが、たくさん悩み、笑いながら成長していきたいと思います。それには夫の協力も欲しいところだね(単身赴任で月イチの帰宅しかできないけど…)そんな日々をここでつづっていけたらと思いますのでよろしくお願いします。執筆/吉田いらこ(監修:三木先生より)子どものこととなるとついつい先のことまで心配してしまうのが親というものです。でも、先を見すぎて今を見失うことが往々にしてありますよね。スクールカウンセラーさんのコメントでそれに気づけたことはとても良かったと思います。そしていらこさんがおっしゃるように、実は子育ての悩みの本質は「どの家庭でも同じ」なんですよね。障害があるといろいろとそのせいだと考えてしまいがちなのですが、とってもフラットで素晴らしい視点だと思います。
2022年01月28日おうちで手軽にできる方法が、療育あそびを気長に続けられるコツこんにちは。『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』ほか、著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。今回のコラムは、おうちでできる親子あそび・療育あそびのうち、特に、指先などの感覚を育てるのに役立つ、寒い冬にオススメの手軽で楽しい手探りあそびをご紹介しますね。うちの子たちが幼かったころは、身近に頻繁に通いやすい療育施設などがなかったこともあり、私は独学で「感覚統合」に関する書籍等を参考に(※)、子どもの興味・関心や、親の都合やライフスタイル、住宅事情などに合わせて、家庭でできる療育あそびを無理なくできる範囲で取り組みやすいようにアレンジし、手軽に楽しみながらできる工夫を試行錯誤して気長に続けてきました。おかげで、「発達障害」の診断のある子もない子も、いつの間にかできることが増えたり、落ち着きやすくなったり、学校で得意分野での実力が発揮しやすくなったりして、総合的な適応力が次第に高まっていったように思います。ただし、うちの経験上、「療育」というのは、そんなにすぐに結果がでるようなものではないように思います。そして、親のほうも毎日慌ただしい中で、まとまった時間を療育のために確保するのは負担やプレッシャーに感じてしまうこともあるでしょう。ですから、療育は日常生活の延長線上に、自然な形で「あそび」として組み込んでしまうのが、親子で負担なく、長期間根気よく、楽しみながら続けられるコツだと思っています。ちなみに、うちの「療育あそび」の実践モットーは、「さり気なく」「ついでに」「いつの間にか」なので、3人の子どもたちは「療育されている」ということに、全く気づいていませんでした。……とはいえ、実は「療育」は、そんなに特別なことではありません。私自身は、「世の中の大半のあそびは、何かしらの療育になっている」と考えているほどですが、家庭で実践する際の2大ポイントは、・興味の幅の狭い子に「楽しみながらいろんな動きを継続的に経験させていくこと」・子どもがあそびに興味を持ったら「できるだけ気長につき合って(または見守って)あげること」でした。(※参考書籍:『感覚統合をいかし適応力を育てよう1.発達障害の子の感覚遊び・運動遊び』監修・木村順/講談社、『発達障害のある子どもの運動と感覚遊びを根気よくサポートする!』監修・木村順/日東書院、ほか多数)触覚過敏のある子や不器用な子には、手探りあそびがオススメ!では、うちで実際にやってきたたくさんの療育あそびのアイデアのうち、今回は「手探りあそび」をピックアップ。手探りあそびは、どんな子にとっても楽しいあそびだと思いますが、特に、肌が敏感で触るのが苦手な素材がある子や、手先が不器用でおはしやコンパスがうまく使えない子などにオススメです。うちの次男も、小さなころは、本当は工作が大好きなのにのりや絵の具が触れませんでしたが、(このあそびだけで全てが緩和・改善したわけではないものの)いつの間にか、触れても大丈夫になったものが増えたように思います。では、毎日の日常生活の延長線上で手軽にできる、寒い冬にオススメな楽しい手探りあそびを紹介します。Upload By 楽々かあさんおやつタイムを「お菓子くじ」形式にするだけで、毎日楽しく手探りあそびができます。もし、おうちにケーキやお歳暮の空き箱などがあれば、簡易的な「くじ引きBOX」にリメイクするのはどうでしょう。【作り方】箱の上面を丸くくり抜いて、不透明クリアファイルなどを三角形に切って、裏側から両面テープで貼り付けるそして、個包装のアメやクッキー、おせんべいなどの小さなお菓子などを沢山入れて、「1人3個まで、取っていいよ」などとすると、自分の好きなお菓子をなんとか探り当てようと、真剣に指先の感覚を研ぎ澄ませて手探りしてくれます(欲しいものを間違って取ると泣いちゃう場合は、あとからきょうだいや親のお菓子とトレードOKにすると、ついでに交渉力もUPするのでGood!)。この「お菓子くじ」は、うちにあそびに来た子どものお友達にも大人気で、みんなで盛り上がっていました。ほかにも、ガチャガチャで集めたモンスターのミニフィギュアなど、その子が大好きなものを入れて、どのキャラクターか手探り当てっこゲームをしたり、スーパーボールなどを詰めて、その中から小さな人形をレスキューごっこしたりと、「くじ引きBOX」を1回作っておくと、子ども自身のアイデアで勝手にいろんなあそびに発展していくことも。また、「工作は苦手」「作るのが面倒」という方は、巾着袋やナップザックなどでも同様のことができます。それから、たとえば荷物で両手がふさがっているときなどに、「ママのポケットから、カギを取ってくれない?」など、日常生活の中で、ちょっとした手探りを促す声かけを意識してみるだけでも、いつかはチリも積もれば山となるかもしれません。小さなお子さんとのお風呂タイムも、不透明の入浴剤などを入れるだけで、手探りあそびがついでにできてしまいます。ただし、感覚が敏感な場合には、ニオイや色、素材などに抵抗感がないものを選んでいただければと思います。水の中が見えないとお子さんが不安になる場合は、最初は半透明の入浴剤から始めて、ゆっくり慣らしていくといいでしょう。そして例えば、うちでは……・お風呂の中に沈んでいったおもちゃや石鹸などを、手探りでつかまえる・指などを動かして、水中かくれんぼ(ときどき、水面からチラッと見せると盛り上がるかも)……などを、親・きょうだい同士でときどきやっていました。最近は、いろんな種類のバスボム・バスボールも市販されていて、中に小さなおもちゃやマスコットの入ったものや、カラフルなもの、泡がいっぱいでるものなどもありますし、簡単にできる手作りキットなどもあるので、お風呂があんまり好きじゃないお子さんも、あそんでいるうちに、ゆっくり湯船で体の芯まで温まることができるかもしれませんね。また、お風呂ついでにできる、「なーんて書いた?」と、背中に文字を書いて当てるクイズや、いろんな素材で身体を洗ってみることなども、触覚の過敏さを緩和し、ボディイメージを育ててくれるようです。ただし、もし、お子さんが、こういった触れ合いあそびに抵抗感があったり、刺激が強過ぎてしまう場合には、無理のないところからで構いません。最初は「パパの背中に落書きしていいよ」などと、お子さんのほうから自分のタイミングで触ってもらい、あそび自体に慣れてから、目で確認できる手のひらなど、大丈夫な場所からゆっくり始めたり、服を着ているときにちょっとだけトライしてみるのもテだと思います。日本の冬といえば、コタツとお茶とみかん、ですよね。コタツの中は、闇鍋のようなブラックボックスの空間となっているので、ぬくぬくタイムのついでのついでに、指先だけでなく、全身でちょっとした感覚あそびをするのにうってつけではないでしょうか。例えば、うちでは……・足の指先で、子どもにちょんと触れて「だれの足かな〜?」「これは、〇〇ちゃんのどこだろね?」と当てっこ・「はい、みかん、受け取って」などと、コタツの下をくぐらせて、手探りでものを渡す・足の裏などをこちょこちょする、くすぐり遊び(刺激を強く感じる場合は、くつ下をはいてる時から慣らすとGood!)……などと、ちょっとしたあそびのヒントやきっかけを与えると、今度は子どものほうから、いろんな方法でタッチングクイズのアイデアを次々と考えてくれました。とはいえ、昨今コタツのないご家庭も多いでしょうし、見えないことへの不安感が強いお子さんなどは「コタツに入るのが怖い」という場合もあるでしょう。そんなときは、使い慣れた毛布やひざ掛けなどを使っても同様のことができるので、無理のない範囲で、ちょっとしたスキマ時間に「ついでに」「楽しく」、タッチングクイズのチャンスを見つけていくといいと思います。現在は、子ども達もすっかり大きくなって、家族みんなでコタツに入ると足を伸ばすスキマもなくなってしまいましたが、今でも毎年コタツを出すと「ワクワク感」があるようなので、小さなころの楽しいコタツあそびの思い出が記憶に根づいているのかもしれません。おうちでの療育あそびは、子どもが笑えばOK!感覚過敏の中でも、特に触覚過敏の問題は、親子の愛着関係や周りへの興味などの発達にも影響があるようなので、私はうちの子たちの発達面の課題の中でも優先順位を高くして、家庭でできるときにできる範囲で、手軽な感覚あそびを続けてきました。また、療育あそび以外にも、日頃から日常生活の中で、自然な流れでちょっとしたタッチやスキンシップをキモチ多めに取るようにも意識してきました。触覚の過敏さが少しでも緩和されると、子どもが落ち着きやすくなり、お世話もラクになるので、子育ての上でもメリットが多かったように思います。ただし、療育はなかなか結果が出ないと不安や焦りが強くなりますし、子どももプレッシャーを感じ取ってしまうと、どんなに良い方法でも、主体的に気長に続けられなくなってしまうかもしれません。ですから、親のほうも「トレーニングしなくては!」「改善しなくては!」などと気負わずに、家庭での療育は、あそびの延長として、「子どもが笑ったら効果あり!」くらいの気持ちでいると、たとえお子さんが期待通りに取り組めなかった場合でも、気長に続けられるのではないでしょうか。そして、温かいイメージと一緒に刻んだ、毎日の生活の中での親子のちょっとしたふれあいの思い出は、子どもが成長して少々取り扱いが難しい時期になってからも、その子の心や親子関係の根っこを支えてくれるのだと、私は最近よく実感するようになりました。たとえスグに結果がでなくても、あれこれと親がやってみたことは、ちゃんとお子さんの成長の栄養になっていますからね。文:大場美鈴(楽々かあさん)(監修・井上先生より)大場さんの書いておられるように、触覚あそびの中でのアタッチメントは親子の関係性を深めるのに有効なやり方だと思います。 療育やトレーニングは、自然なあそびのなかに入れ込んで行えることもたくさんあります。ソーシャルスキルトレーニングなどで行うロールプレイなども、日常生活の中で自然な形で機会をつくることができます。日常生活の中での機会設定は、般化しやすいというメリットもあります。わが家では、子どもが小さいころは「宝探しゲーム」をよく行っていました。絵や文章を手掛かりにおもちゃを探すゲームです。ヒントの出し方によっては概念理解も進む(例えば、「れいぞうこの下」という空間概念など)あそびです。子どももわくわくしながら一緒にあそんでいましたよ。(新型コロナ等の影響で)家から出られないときの遊びとしてもお勧めです。大場美鈴(著),『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』あさ出版, 2020.6.27
2022年01月24日集団生活で自分のペースを保つことが難しいPは…Upload By みん自閉スペクトラム症のあるPが療育園に入園したのは、年少のときです。療育園に入園してからは、毎日長時間クラスの集団の中で過ごすことになりました。クラスが騒がしかったとき、お友だちとおもちゃの貸し借りが上手くいかなかったとき、自分のペースを保てなかったときなどに、癇癪とパニックを起こすようになってしまったP。長時間泣き喚き、自傷や他害の様子も見られるようになってしまいました。私は先生からその話を聞き、母子通園が終わって園で離れて過ごすPに対して、どのように対応してあげたら良いのかと悩んでいました。集団の中で過ごすことがパニックにつながっているのは分かっていましたが、療育園自体は毎日行きしぶりもなく、楽しく通っていたので園を休んでしまうのは根本的な解決策にはならないと思っていました。その後、私はクラスでのPの様子が心配で療育園へ見学に行きました。すると教室の隅に子ども1人が座って入れるくらいのサイズの段ボール箱がちょこんと置かれていました。数日前に先生から「P君がクールダウンできるように、P君専用の箱を作って置かせてもらっています」と電話で聞いていたので、私はそれがPのための箱だと一目で分かりました。安全地帯を作ってもらい、どのような場面でどのように活用していたのか?そして自由遊びの時間、クラス全体が笑い声や泣き声で騒がしくなり、自分のペースを保つことが難しそうだったPは、何かに怒った様子で突然走り出してしまいました。「あぁ…こんな風に気持ちが乱れて不安定になってしまうのか」と思って見ていると、Pの走った先にはあの段ボール箱がありました。Pはその箱の中に一直線。すっぽり入って、自分の服をかみながら落ち着こうとしている様子でした。先生が用意してくれた段ボール箱の中は、Pが好きな色で塗ってあり、好きなキャラクターの絵やシールなども四方に貼られていました。そしておもちゃやぬいぐるみなどもたくさん入っていました。そのような空間で1人で過ごしていたPは、徐々に落ち着き始め、自分だけの力でクールダウンすることができていました。箱の外側にはPのマークも貼ってあったので、「Pの箱」であることをクラスのお友達も理解してくれているようでした。Upload By みん一時的に避難することで、自分でクールダウンができるようになってからは…教室に置かれた一時的な避難場所となる段ボール。ここに入ることで、クラスのみんなと過ごす空間を完全に別にすることなく、同じ空間にいながらも自分のペースを保ち、安心することができていたようです。そんなPでしたが、少しずつクラスの雰囲気にも慣れ、段ボールに入る回数も減って集団で過ごせるようになり、段ボールは徐々に必要なくなりました。そして新年度、新しいクラスになったときには慣れるまでの間段ボールを教室に置いてくれたりもしましたが、何回か箱の中に入ったくらいでした。そのうちほかのお友達と一緒に箱に入って遊ぶようになり、いつの間にかそれは「みんなのスペース」となっていき、P専用の避難所としての箱はもう必要なくなっていました。このような一時避難所的な安全地帯がなぜPに必要で有効だったのか?を私なりに考えてみました。音や視覚の刺激が強い自閉スペクトラム症のPは、集団生活に慣れるまでに時間がかかります。予測できないお友達の声や行動に想像以上にストレスを感じてしまうので、そのような刺激を少しでも遮断し、自分の安心できる場所を確保することで、不安や混乱を減らし、少しずつクラスの雰囲気にも慣れることができたのかな?と思いました。ですが、いつでも避難できるようにするのではなく、先生たちはみんなで一緒に決まった活動をするときや給食のときなどは教室に箱を置きませんでした。クラスで活動するときはちゃんと活動させ、箱に入れるのはあくまでも自由遊びの時間限定というルールでメリハリをつけて使うようにしてくれていました。Upload By みん自閉スペクトラム症のある子にとっての環境配慮の大切さを実感もしそれらの知識のない人が、1人で箱に入っているPを見たら、「閉じ込められてる」「特別扱い」 などと誤解されてしまう場合もあるかもしれません。でも決して誰かに無理やり入らされているわけではなく、本人が必要だと思ったときに自分の意思で入っていました。個々の性格や特性にもよるとは思いますが、自閉スペクトラム症のある子にとって「クールダウンできる環境」をつくってあげるのは、とても大切な配慮であることを理解してもらえたら嬉しいなと思います。執筆/みん(監修:三木先生より)クールダウンできる場所や方法があると思えるだけで、その場にいる安心感がかなり違ってきますよね。箱の準備も素敵ですが、運用にメリハリをつけてくれたのは先生の素晴らしい工夫ですね。
2021年12月06日学習障害(LD)/ 限局性学習障害・限局性学習症(SLD(Specific Learning Disorders))の治療法・療育法Upload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホン学習障害って治療できるの?治療と聞くと薬物治療を思い浮かべる方もいますが、今のところ手術や薬物などで医学的な方法による根本的な治療法はありません。学習障害における治療とは子どもの将来を広げるための手助けのようなものです。学習障害のある人は多くの場合、教育面・生活面での環境調整や療育といった支援で困難さが軽減されます。学習障害のある人は脳機能の偏りのため特有の見え方・感じ方をしており、生活上や学習上、努力だけで乗り越えづらい困難があります。そのため日々過ごしていく上で、周りからのサポートが必要になってきます。まずは学校や地域の専門機関などの力を借りて専門家チームの検査・評価のもと、子どもの特性を理解しましょう。※現在は「限局性学習症」という診断名となっていますが、一般的には最新版DSM-5以前の診断名である「学習障害」と呼ばれることが多くあるため、ここでは学習障害と表記します。学習障害なのではと感じたらどこへ相談すればいい?専門機関とは子どもの場合、発達障害者支援センター、児童発達支援センター、児童発達支援事業所などを指します。大人の場合は発達障害者支援センター、障害者就業・生活支援センター、相談支援事業所へ行ってみましょう。まずは身近な相談できる専門機関に行ってみて、障害の疑いがある場合には専門医を紹介してもらうこともできます。また、家庭での対応も重要となります。子どもへの接し方は、子どものやる気や達成感を養い、うつ病や引きこもりなどのいわゆる二次障害を防ぐ上で大切な役割を担います。学習障害の発見が遅くなったり、誤った障害の理解により「自分は何をやってもできない」と子どもが思い込んでしまうことが原因となり、勉強意欲の低下、不登校などの二次障害と総称される症状や状態を引き起こしてしまう可能性も少なくありません。やる気、達成感を育てることは学習障害の子どもにとって最良の対応法といえるでしょう。学習障害の治療の判断基準は?いつから始めるべきなの?学習障害は知的発達に遅れがみられないことから、発見が難しくなります。そのため、実際に読み書きや算数などの学習が開始される小学校入学後に気づくケースが多くなっています。また英語だけに現れる学習障害の場合もあり、中学進学後に分かることもあります。このように特性のタイプや障害の程度によって症状に気づく時期が異なります。どのような症状があれば治療を行うべきなの?文部科学省の定義によると、学習障害(LD)とは、全般的な知的発達に遅れがないものの、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論する」能力のうちいずれかまたは複数のものの習得・使用に著しい困難を示す発達障害のことです。医学的な診断基準とされるDSMでは「学習障害(LD)」とされていましたが、最新版のDSM-5では、診断名が変更され、現在は「限局性学習障害/限局性学習症(SLD)」になっています。限局性学習障害の定義では障害内容は「読み」「書き」「計算」の3つに限定されます。このように読みに困難さがある人もいれば、読むことはできても、書くことに困難さがある人もいます。「学習障害」の状態や特性の現れ方は人によって異なります。子ども本人が学習に困難を感じていたり、同年齢の子どもと比べて著しく習得に遅れが見られるなど、子どもの様子から学習障害があるかもしれないと感じた場合は、まず学校や発達障害者支援センター、児童発達支援センター、児童発達支援事業所などで相談してみましょう。その後、専門家の検査により学習障害と判断されてから治療を行うのが一般的ではありますが、医師による診断がつかなかった場合や検査を受ける前であっても、その子に合った環境を整え、学習方法を見つけてあげることが大切です。治療を始める年齢は何歳?治療を終える判断基準は?学習障害があることに気づいたら、すぐにその子にあったサポートを進めることが望ましいです。学習障害にはいくつかタイプがあり、さらに一人ひとり、学習に得意不得意の偏りがあります。また、その人の現在の年齢によっても学ぶ内容は変わってきます。そのため、一人ひとりに適している治療や支援方法は異なると考えることができます。同様に、治療を終える判断もそれぞれです。通常学級で勉強をしながら、理解できなかった部分だけ通級指導教室で個別に指導を受ける方法もあります。学習障害の治療法・療育法早期発見・早期療育が望ましいとされる学習障害ですが、一体どのような治療法、療育法があるのでしょうか。今回はその方法についてご紹介していきます。◆学習障害の療育方法療育とは、社会的な自立をめざしてスキルを習得したり、環境を整えるアプローチのことです。このような療育は、発達障害を専門とする病院や公立・民間の児童発達支援事業所などで行われています。学習障害はその子の認知特性や苦手な部分によって、それぞれ直面する困難や課題が変わってきます。そのため、その子の特性に合わせた学習方法を獲得することが目的となります。療育法にはさまざまなものがありますが、学習障害の療育で最も大切なのは、その人に合った学び方や環境をつくることで、その人が困難を感じている分野に対する苦手意識を解消することです。苦手意識を持ってしまうと、その分野の学習に対して取り組む意欲がなくなり、困難は改善されないまま育ってしまいます。そのため、一人ひとりの子どもの成長速度や学び方に合わせて、できるだけ成功体験を増やしてあげることが大切です。つまり、子ども自身が「これなら学びやすい・学ぶことができる」という方法を探すということです。学校や療育施設などと連携し、学習方法を変えたり、環境を整えたりといった工夫を組み合わせ、さまざまな方法を試しながら、その子に合った学習方法を探していきます。・その子にあった覚え方や学び方を工夫する…クイズにして覚える、漢字のパーツを分けてパズルを作るなど・環境的な配慮をする…プリントはゴシック文字を使う、文字の色を変えるなど・代替手段を使用する…タブレットの音声読み上げ機能を使う、計算機を使うなど言葉や社会性など、それぞれの能力を習得する時期に近い段階で早期に療育を開始することで、障害による困難さが軽減されやすくなると考えられています。一般的に年齢が低い段階で、その子にあった療育を始めると、その後の社会適応力も高くなるといわれています。イラスト/かなしろにゃんこ。
2021年11月06日ソナタ株式会社(所在地:福島県郡山市、代表:菅野 洋一)は、手帳で英語学習を習慣化する『英語手帳2022年版』の販売を開始しました。英語手帳2022年版 ミニ版アフターコロナや海外旅行などに向けて英語を学習されている方が多い中、この手帳は日々のすき間時間で英語が上達し、学習を継続するためにつくられました。■新しい英語学習スタイルを手帳で提案英語学習をはじめたけど三日坊主だった、という方でも手帳であれば毎日の英語学習を習慣化できます。英語手帳は英語初級者でも英語でスケジュール管理や日常でよく使う英単語、フレーズを覚えられるようにした手帳です。毎日使う手帳に英語を学ぶ機能がついて「1年後には英語で話せる自分になる」をコンセプトでつくられています。2006年の発売以来、累計32万部を突破。英語手帳の登場により英語学習が三日坊主に終わった多くの方の悩みを解消してきました。使い方サンプル■英語でメモを書く、スケジュールが書けるワードリスト日々の予定を英語で書き込める英語表現リスト「Words & Phrases」を掲載。メモに使える英単語やフレーズが手帳内に多く掲載され、辞書なしで英語で書き込むことができます。英語表現リスト「Words & Phrases」■2つの「特別なしくみ」で三日坊主をなくし、英語上達へ導く英語習得で大切なことは、学習を継続することです。手帳であれば一日に何度も開き、書き込みます。英語手帳2022年版は「スケジュール帳+英語教材+学習法」を一体化。「毎日英語に触れる」を継続できる仕組みを織り込みました。さらに三日坊主をなくすために全体を通じて元気が出てくる英語フレーズや名言、エッセイが随所に掲載されています。英語学習のモチベーションを維持するだけでなく、生活で疲れたときにも『英語手帳』を開くことで、やる気を取り戻し、学習が継続できるような内容です。見開きページ■商品概要商品名 :英語手帳2022年版サイズ :通常版(四六変型版)192×124mm 2色(白/黒)ミニ版 148×105mm 4色(白/黒/リッチピンク/アイスグリーン)見開き :1週間(月曜始まり)※2022年1月始まりページ数:240表紙素材:ビニール(ソフトカバー)著者 :有子山 博美/クリス・フォスケット価格 :通常版2,640円 ミニ版1,980円(税込)■販売ソナタ株式会社代表者:代表取締役 菅野 洋一所在地:〒963-8013 福島県郡山市神明町10-20 サンプラザ東明B-202楽天市場、Yahoo!ショッピングなどで販売英語伝(楽天市場店) ■出版社IBCパブリッシング株式会社代表者 : 代表取締役社長 浦 晋亮所在地 : 〒162-0804 東京都新宿区中里町29-3 菱秀神楽坂ビル9F特設ページ: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年10月29日福祉施設にて療育施設の相談Upload By まる保育園の先生から発達が気になると聞いてから、保健師さんと面談し、福祉センターでの面談をすすめられた。このとき、息子は2歳5ヶ月。療育に通わせるぞ!と気合いは人一倍あるものの、私はまったくの素人。そもそも療育てどんなところなの?どこにあるの?この地域に何ヶ所くらいあるの?何をするの?時間帯は?などあげだしたらキリがない。何から何まで分からない状態だった。福祉センターで担当になってくれた心理士の先生との面談で息子の動きや反応を見てもらい、家から通えそうな範囲でおすすめの療育施設を4ヶ所ほど教えてもらった。施設によって運営時間、設備、内容がさまざま。どこに通っても同じなんだろうと思っていた私には衝撃だった。各療育には「福祉センターからの紹介で~」と自分で見学予約を取る。本当は短い期間で一気に見学予約をとりたかったが、療育先の都合と自身の仕事もあるため週に1ヶ所ずつ、1ヶ月かけて吟味することにした。見学に行ったところで実際通わないと分からないし…と保育園は1ヶ所も見学しなかったくせに、今回は気合いが違う。これからの息子の未来を託す重要な選択だと大いに意気込んでいた。早く通わせたいけど、息子にも自分にも納得できるところに通いたいからしっかりと見学はしよう、焦る気持ちを抑えつつ予定を組んだ。1つ目の療育施設Upload By まる1つ目の療育施設は家から電車で数駅先、駅から少し遠い場所にあり駐車場はない。親子通園で、1回1時間の個人授業だった。施設長と息子を含め面談。息子の普段の様子や気になることを話す面談の途中途中で動き回る息子の相手をしてくれたり、息子がした行動に対してどのように対応するのがいいかなどじっくり話してくれた。面談のみで実際の授業の様子などは見ることはなく、場所の通いづらさもあり保留にした。2つ目の療育施設Upload By まる2つ目の療育施設は、運動に力を入れていると説明を受けていた。いつも車通勤しているパート先に近く距離的にもいい。なんといっても送迎バスがついていることがいい。親子通園で集団での授業、時間も午前中みっちりでお昼ご飯を食べて帰る。見学の日は授業を体験させてもらい、とてもイメージが掴みやすかった。玩具で自由に遊んだり先生と遊んだりの自由時間のあと、親も含めたリトミックや体操をする。隣の人と手を叩いて~みんなで円になって座って隣の人の背中をゴシゴシ~など「触れ合い」が多いイメージ。超絶人見知りな私は少し戸惑った。親だから頑張れたが、親じゃなかったら頑張れなかったかもしれない。園で過ごす時間が長い点が良かったのだが、利用者が多くそのときは水曜日のみしか空いておらず、ちょうど仕事が休みづらい曜日だったため保留。3つ目の療育施設Upload By まる3つ目の療育施設は、親子分離型だった。利用時間は1時間、登園したら親は別室で子どもの授業風景をモニター越しに見る。家から1番近い場所にあったのでとても気になっていた。見学時に授業体験をさせてもらった。その日は利用者が少なく、息子のほかに1人だけだった(たまたまその日が少なかっただけかも)。体験なので、親子一緒の教室で子どもの隣で授業を見学させてもらった。机に向かっての作業が多いイメージ(ぽっとん落としや絵合わせなど)だったが、先生の誘導が上手くとても印象は良かった。平均台などの体を動かす場面も多少あった。こちらは年齢で曜日を分けているらしく、息子は水、金曜日のみ利用可能とのことだった。通える曜日の選択肢が少ないことと、まだ息子が幼いため親子分離は早いかなと保留。4つ目の施設Upload By まる4つ目の療育施設が現在通っているところ。相談していた福祉センターでもおすすめされていた。歴史もありそうで、親子登園で集団での授業。1番遠い施設だったのだが送迎バスがある。午前中みっちり利用でき、4ヶ所見学に行った中で1番広く利用者も先生も人数が多い。年齢や障害の状況によって教室が5つに分かれていた。見学の日は授業体験はなく別室で面談と施設の案内、各教室へ周り授業の風景を見せてもらった。新しくはないが、施設が広いため職員数も多い。お祭りなどのイベントがあること(現在はコロナ禍で中止)、たまに来るSTやOTの先生に相談できる機会や進路相談会などがあること、利用したい曜日が選べることが分かった。後日すぐにこちらを利用したいことを連絡した。施設見学を終えて…Upload By まる私は影響を受けやすい、何も分かっていないからなおさらだった。どこの施設もいいところがあり、各施設に見学に行く度に「ここいいなぁ!ここにしようかな!」と毎回本気で考えていた。どこの施設にも共通していたのは「利用は午前中の時間帯」ということ。私はあわよくば夕方に療育を設定して、それまでは保育園に預けて働こうとしていたのだ。発達障害のある子を育てる、療育に通うということはそんなに甘くないんだなぁとこのときに初めて実感したかもしれない。最後の所に決めた理由は、「ここが1番いろいろな繋がりがもてそうな気がする」と思ったから。先生が多く、発達に関する知識や進路に関する情報などを得やすそうだし、滞在時間が長いので相談する時間をもらいやすい気がした。また、利用者が1番多く、いろいろなタイプの子どもを日々見ている点にも惹かれた。あとは親の勘。結果、とてもいい先生やお友達に出会い、毎回楽しく通うことができている。執筆/まる(監修:初川先生より)療育機関を決めるまでの臨場感あふれるプロセスを共有いただき、ありがとうございます。一口に療育といっても、狙いやアプローチ、そして理想としていることと実際のありようがさまざまですね。「ここ!」とピンと来て決められたのは、理屈より先に決断できるほど良さを感じ取られたということかもしれませんね。療育時間が午前中であることについて言えば、低年齢の子どもにとって午前中のコンディションの良さはなかなかです。学び・活動に適したコンディションで療育に取り組めるには良い時間帯ではあると思います(とはいえ、お仕事との兼ね合いは難しくなってしまうのですが…)。良いコンディションのときに、よき介入によって、褒められ認められ、達成感・楽しいという良い循環が回っていることと思います。
2021年10月29日1歳から親子通園の集団療育園へUpload By koto(コトコト子)最初に入ったのは、親子通園の集団療育園でした。当時まだ1歳に満たなかった娘は診断前で、周りに娘と同じような特性のある子もいなかったため情報も少なく、自分でネットで検索して唯一通えそうだと分かった園でした。直接園に電話をして見学に行き、手続きについても自治体に問い合わせして、自分で動きました。その園は、当時定員が一杯で少し待つことになりましたが、結果的に私たち親子に合っていると思えたので、空き待ちをしてでも行ってよかったです。親子通園で感じたメリットは、親も一緒に通うことで子どもの安心感につながること。集団の中での子どもの様子がよく分かること。保護者も、同じような気持ちで通っている人たちと繋がりができるため、心強く感じられたこと。そして、先生たちの子どもへの関わり方を毎回目にすることで、さまざまな特性を持っている子への対応の仕方を学べるため、家でも応用できるようになることです。園での活動中に先生に相談ができ、情報交換の場にもなるので、右も左も分からなかった当時の私にとっては一つ目の園が親子通園の集団療育園でよかったと思います。3歳から単独通園の集団療育園へUpload By koto(コトコト子)2年後に、違う集団療育に入りました。今度は、親子通園ではなく、娘一人で通う単独通園のところにしました。園選びについては、まず、曜日・時間、場所、送迎の有無など希望する条件でいくつかに絞りました。その中で見学に行ったときの園の雰囲気や、在園児たちの様子で決めました。このころには娘は3歳になっていたので、かなり選択肢が広がり、複数の園の中から選ぶことができました。在園児たちの様子を見ることは、個人的にとても大事にしました。ポイントは、娘は同年代の子どもにも興味を示すようになっていたため、その集団に入っても楽しめそうかどうか。そして、療育園ならではの自由な雰囲気も重要視しました。療育園といっても本当にさまざまなので、幼稚園や保育園を選ぶように、慎重に選ぶ必要があると思います。幸い、私が住んでいる自治体には、複数の集団療育園があったので恵まれていたと思いますが、それでも空きがなくなるところもあるので、早めに動くことが大事です。実際に娘が通った二つの集団療育園は、どちらも空き待ちをしたので、動くのが遅れると希望の園に入れる可能性がとても低くなってしまうのではないかと思います。集団療育園に通わせて感じたメリットUpload By koto(コトコト子)単独通園の集団療育園でも、さまざまなメリットを感じています。まず親子通園と違って親子で離れる時間ができるため、親は気力体力を蓄えたり、多動や長時間に及ぶ癇癪、睡眠障害などがある子どもと一緒にいるときにはできないさまざまなことをする時間がつくれます。また、子どもだけで遊ぶ時間は、コミュニケーションの取り方や困りごとが起きたときの対処法を、子ども自身が身につけて行く練習にもなります。特性のある子たちと過ごすことで、娘もさまざまなタイプの子と触れ合うことができて、刺激にもなったと思います。そして、何かできないことや不得意なことがあっても、そういった課題を少しでも改善するように先生たちが取り組んでくださるので、幼稚園や保育園では受けられない発達支援を受けることができます。集団療育園は、子どもの特性に合わせて無理なく集団生活を送れる場所。特性のある子たちへの対応を学ばれている先生たちと過ごすことで、子どもたちは安心して集団でのルールや過ごし方を学ぶ機会を持つことができます。振り返ってみると親子通園・単独通園ともに、親子で自分たちに合った園を選ぶことを大切にして、早いうちから通わせることができてよかったと思っています。執筆/koto(監修:井上先生より)子どもさんの発達が気になったときに、療育に通うかどうか、通うとしたらどんな所がよいかは、親としてとても悩ましいことだと思います。診断がない状態で集団療育に通える地域とそうではない地域があったり、待ちがある・ない地域があったりします。自治体によって条件はさまざまです。kotoさんが書いておられるように、親子通園型の集団療育の良いところは、ほかのお子さんの様子やほかのお子さんとの関わりの様子を親御さんが見られることです。しかし、親御さんが時間的に難しい場合などは、単独通園を選択される方も多いです。子どもさんだけでなく、親御さんにとっても通わせやすいところを見学に行くなどして、情報や口コミだけでなく実際に目で見て選ぶことが大切ですね。
2021年10月19日パートナーの療育への理解Upload By taekoミミがまだ小さかったころ。好きなことには何時間も集中しているミミの姿に「こんなものかな~」と思っていた私たち親でしたが、 3歳のころ保育園から「療育」をすすめられました。初めて聞いた「療育」という言葉に戸惑う私と、「個性だから心配ない」と言うパパ。それでも、保育園の先生の言葉が気になった私は、自分なりに本やネットで調べ、ひとまず先生を信じて「療育」に通うことにしました。はじめはミミに療育は必要ないと思っていたパパでしたが、どうしても私が連れて行けないときは、頼めば連れて行ってくれました。パパは言葉にはしないけれど、私がミミのために一生懸命なのを感じてくれていたんだと思います。療育のことを知っていくと、褒めることの大切さ、「ダメ」と叱らないほうがいいことが分かってきました。例えば「コップで水を飲めたね」というような普段からミミが当たり前にできているでも、褒めることで「私はあなたを見ているよ」ということが伝わるのだと思っています。褒めること、「ダメ」と叱らないことに関して、考え方が私とは違うパパ。褒めることについて、「褒めすぎていざ社会に出たら 叱られて、つらい思いをするかもしれない」と、パパなりの考えがあるようです。ミミがやってほしくないことをする度に「ダメダメ」と叱るパパに「『こうしたら良い』と『どうしたら良い』のか例を言ったら?」と提案をしてみるけど、それもスルーされてしまいます。私は「ダメ」には隠れた言葉があり、フォローの大切さがあると感じています。パパがミミに「ダメ」というとき、パパもミミに大事なことを伝えたいと思っているのが分かります。だからパパの言葉だけだとミミに気持ちが伝わらないのではないかと感じるときは、私がミミに声を掛けてフォローするようにしています。Upload By taekoある日、おばあちゃんからカブトムシとクワガタムシをもらいました。ミミが 虫を触ってしばらく遊んでいると「それくらいにしておけ」とパパ。それでも遊んでいると語気を強めてもう一度言いました。ミミは「分かったよ」と少し悲しげ。私はミミに「パパは生き物を大事にして欲しいんだよ」と伝えました。昆虫は繊細な生き物なので、パパの考えも分かります。でも私はたくさん昆虫と遊んで、クワガタムシに指を挟まれて痛い経験をすることも大事だと思っているので、「パパには内緒だよ」と言って思う存分ミミに遊ばせました。これは私とミミだけの秘密です。怒ると子どもみたいに怒鳴ったり、黙ったりしてしまう こともあるパパだけど、ジャンケンで遊んでくれたり、お風呂に一緒に入ってその日の出来事を話したり、パパがつくったチャーハンは美味しいからミミの大好物!怒鳴ってしまうパパを私がフォローすることが多いけど、私が怒って爆発してしまったときはパパがミミに寄り添ってくれて、ミミの気持ちを代弁してくれたこともありました。パパはミミの特性を個性と捉えて、そのままのミミで受け止めてくれているんだと思います。本音を言えば、パパには普段からもっとミミの特性に合った接し方をして欲しいなという思いがありますが、ブレない意志をもつパパも「療育」についても最初のころと比べてほんの少し理解してくれているように思います。ミミとふーを育てるパートナーとしてこれからもお互いを補い合いながら子育てしていきたいと思います。Upload By taeko執筆/taeko(監修:初川先生より)お子さんの特性に合わせて、そして療育で学んだ知識を活かしながら対応に工夫されていらっしゃるのですね。お母さんにはお母さんの思いがあり、お父さんにはお父さんの思いがある。どちらもミミくんが健やかに育ってほしいと願うからこそのものです。特性に合った手立ては確かに有効ですが、それをお父さんにもやってもらうよう要請すると、お母さんからするととても労力がかかってしまいます。現在taekoさんが工夫されているように、お父さんの本意をミミくんにフォローすることで持続可能な手立て、持続可能な夫婦のパートナーシップが築けているのだと思います。知識から入るよりも、実践から入る方が得意な人もいます。お父さんがミミくんに伝わりやすい言い方を体得するうちに今後関わりがどんな風に変化するのか(しないのか)もほんのり注目してみるのもいいかもしれませんね。
2021年10月13日自閉症って医学的な治療はできるの?現在、自閉スペクトラム症(自閉症)を根本的に治す薬や手術などの医学的な治療法は開発されていないため、自閉スペクトラム症を完全に治療することはできません。しかし、療育や環境調整を通して接し方や伝え方を工夫することで、発達の促進や、日常生活における本人の困りごとを解消することができます。自閉スペクトラム症のある子がのびのびと暮らしていくためにUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホンUpload By 発達障害のキホン自閉スペクトラム症のある子がのびのび生活するためには、周囲の理解と協力が必要です。保護者はまず本人の性格や特性をよく理解し、過ごしやすい環境を整えましょう。周囲の人によく伝えることも大切です。幼稚園や保育園、小学校に通うようになると、コミュニケーションの困難から、自分の思いをうまく伝えられなかったり、周りから孤立してしまったりすることも考えられます。上手にコミュニケーションをはかるためにも、日頃から自分の思いをどう伝えたらよいかを個々の子どもの発達に合わせて教えていきましょう。また、こだわりとの付き合い方やパニックになったらどうしたら良いかなど、落ち着いて生活する方法を一緒に考えましょう。興味や関心の高い分野を伸ばすなど、特性や強みを生かして本人の自己肯定感を高めることも重要です。自閉スペクトラム症の治療の判断基準は?いつから始めるのがいいの?■どのような症状があれば治療を行うべきなの?自閉スペクトラム症の症状は大きくわけて二つの症状があります。一つは『社会性と対人関係・コミュニケーションの困難』、もう一つは『行動や興味の偏り』です。それぞれの症状が発達期に現れると定義されています。自閉スペクトラム症の子どもは早ければ1歳ごろから症状が出始めます。お子さんによっては3歳ごろになると「周りの子ども達と比べると話すのが遅い」「目を合わさない」などの症状が、より目立ってきます。乳幼児健診などのときに気づかれることもありますが、見過ごされてしまうこともあります。子どもの発達で気がかりなことがあれば、家庭で判断するのではなく、まず身近な相談できる専門機関や、かかりつけの医師に相談してみましょう。専門の医療機関を紹介してくれるかもしれません。できるだけ早期に症状に気づくことで支援につながり、適切な対応をすることで子どもの状態が大きく変わることがわかってきています。■療育を始める年齢は?いつまで続けるのがいいの?療育などの専門機関に通い始めるのは早いほうがよいと言われています。本人や家族がなんらかの困りごとに直面している場合、相談機関や医療機関の相談を経てできるだけ早いうちからその子に合った療育や環境調整を行うことが望ましいでしょう。自閉スペクトラム症の人は、自分が好きなことに集中することが得意な人が多くいます。子どもでも大人顔負けの知識を持っている子もいますし、大人になってから仕事などで専門性を発揮する方もいます。その子に合った環境設定を行い、早期からの支援を受けることは、得意分野を伸ばし、特性を活かす力を育むことに繋がります。上述の通り、自閉スペクトラム症そのものを根本的に治療することは困難ですので、「こうなれば療育や支援は終わり」という明確な線引はありません。しかし、年齢があがるにつれ、環境調整、その子の特性や発達段階に合わせた支援によって、サポートの内容や頻度を減らしても安定した生活を送れるようになる人もいます。自閉スペクトラム症の療育法自閉スペクトラム症の症状は、個人の性格や特性によって少しずつ違います。そのため療育では、個々に合った対応法を組み合わせた支援プログラムを受けていきます。自閉スペクトラム症の療育法にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、一般的な療育法・投薬を紹介したいと思います。自閉スペクトラム症の療育を行うときの原則療育とは医療、訓練、教育、福社などの現代の科学を総動員して障害を克服し、その児童が持つ発達能力をできるだけ有効に育て上げ、自立に向かって育成することである。自閉スペクトラム症の特性に合わせてトレーニングをしたり、環境調整をすることで、困りごとを改善したり、得意なことを伸ばしたりできるのが療育です。小さいうちから療育に通うことで、精神的・身体的機能に対してある程度の効果が表れることが多くあります。自閉スペクトラム症の療育方法にはいろいろありますが、どの療育方法に限らず大切な点は以下のとおりです。①Structure(構造化): 自閉症の人たちに周囲の環境の意味をわかりやすく整理し伝える。時間や空間、意図の視覚化をする②Positive(肯定): 子どもを肯定しほめる(自己肯定感を高める)③Empathy(共感): 自閉症の特性を深く理解し、共感する④Low arousal(低刺激): おだやかな刺激や環境にする(過激な刺激や興奮を避ける)⑤Links(連携): 地域と連携し協力するそれぞれの頭文字をとってこの原則を「SPELL」と言います。(参照:SPELL(英国自閉症協会))自閉スペクトラム症の症状への投薬治療その子に合わせた環境調整、療育をして、それでも難しい場合には投薬治療を併用することも考えられます。現時点では根本治療のための薬は開発されていませんが、自閉スペクトラム症そのものを治すための薬ではなく、衝動性・不安障害を抑える薬や、パニックを抑える薬など、自閉スペクトラム症の特性から起きる生活上の困難を緩和するために薬が処方されることがあります。そのほかにも医師によって個人に合った薬を処方されますので、信頼できる医師に困っている症状を相談し、まずは環境をうまく調整しながら、療育を行い、それだけでは改善が難しい場合服薬を併用するのが理想的と言われています。薬の服用により特性が緩和されているときには、療育や教育の効果も出やすくなるとも言われています。薬物療法は医師の指示のもと用法や用量を守って服用していかなくてはいけません。薬に頼り切って多用するのは避けましょう。その子に合った環境を設定し、療育を行うことで、困りごとの改善や得意なことを伸ばし、特性を活かすことにつながっていくでしょう。
2021年10月10日続けてよかった!「ポイント手帳」Upload By 楽々かあさんこんにちは。『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』ほか、著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。うちでは「ポイント手帳」と独自に呼んでいる手帳を作って、毎年子ども3人にそれぞれ渡し、子育てに積極活用してきました。一番長く使っている長男(高1)の使用歴はかれこれ12年ほど。これは、私が「発達障害」という言葉を知る以前の、長男が幼稚園時代から続けている子育ての工夫です。当時の長男は、苦手なことやできないことが多くて、自信をなくしがちでした。そこで彼が、苦手なことに少しでも挑戦できたり、誰かのために我慢できたりしたことや、毎日の当たり前のように思える小さながんばりに対しても、ごほうびやお小遣いと交換できるポイントシステムを導入したのです。子どもの望ましい行動に対して、ポイントやシールを与える方法は「トークン・エコノミー」といって、発達障害のある子の子育てに有効な方法のようですが、うちではグレーゾーンの次男や長女にも、すっかり定着しています。また、発達障害のある子に限らず、一般の子育てや、大人のモチベーションUPの方法として活用している方もいるようです。この12年間、「ポイント手帳」は、子どもたちの「できた!」を少しずつ増やしてくれ、また、私も子育ての場面で何かと助けられてきたので、今では「続けてよかった」と実感しています。では、具体的に、うちの「ポイント手帳」のシステムを、詳しく紹介したいと思います。うちの「ポイント手帳」のシステムとは…?Upload By 楽々かあさんうちでは、子ども3人にそれぞれ、スケジュール・ダイアリー形式の手帳を毎年用意し、「ポイント手帳」として使っています。そして、子どもの成長に合わせて、その機能と役割も進化していきました。小さなころは、好きなキャラクターやごほうびシールを貼って、欲しいものと物々交換。「シールが〇枚たまったら、〇〇ジャーの食玩ミニプラ」「シール〇枚につき、ガチャ1回」などと、交換枚数を決めていました。また、行きたい場所や食べたいもの(外食)などとの交換条件をその都度設定して書き込んでいたので、子どもとの「お約束ノート」としての役割も。小学生のころは、「1ポイント=〇円」と、レートを設定して、歩合制のお小遣いに換算。貯まったポイントは、必要なときにその都度現金に換金するので、いくら使ったかを記録する、「お小遣い帳」の役割に。また、シールを貼るだけでなく、「to do リスト」や「目標設定」、親のほめコメントなどの書き込みもしていました。中高生の現在は、お小遣いは「キホンのお仕事さえしていれば、毎月25日に基本給を加算」のお給料制+「別途加算されるポイント」の歩合制の組み合わせ。そのため、ポイント手帳は「給与明細」のような役割となり、数字ばかりの少々味気ないものに…。また、ポイントの換金も、電子マネーのチャージや(親の)カード払いなど、キャッシュレスで渡すことも最近は増えてきました。(ちなみに、ポイントで得たお小遣いの使い道は、「母は一切口を出さない。自己判断・自己責任で何を買っても良い」というルールです)Upload By 楽々かあさん「何に対して、どれぐらいのポイント(報酬)を与えるか」は、子どもの成長とその時の課題のハードルの高さに合わせて、その都度子どもたちと相談・交渉しながら「妥当なライン」を決めてきました。ときには、本人からの「賃上げ要求」も…。そして、双方が納得し妥結できたことは、あとから基準がブレないように「ポイント換算表」にして、壁に貼ります(上の写真は、現在の2021年版)。このポイント換算の内容や換金レートも、子どもの成長に合わせて変遷してきましたが、長男が小学生時代の、毎日の宿題をこなしたり、学校に行って帰ってくるだけでもハードルが高かった時期には、おおむね以下のようなことに対して、それぞれ妥当なポイントを設定していました。【基本ポイント】「宿題をする」などの小学生の毎日の基本的なお仕事(1日ごとに付与)【お手伝い】「料理」「皿洗い」「片付け」「洗濯たたみ」などの、簡単なお手伝い。【特別手当て】本人にとって登校がしんどい時期(新学年や行事の前後、学期の終わりなど)は、「学校に行って帰ってきた」だけでも特別加算。【目標達成ポイント】「漢字を一行だけ丁寧に書く」「宿題を◯時までに終わらせる」など、自分で決めた目標を達成できた時。【ガマンポイント】苦手な給食のメニューや、気のすすまない学校行事への参加など。ポイント数は登校前に事前相談(本人にとってハードルが高いことほど高ポイント)。「嫌なことがあったけどスルーできた」「ケンカしたけど謝れた」なども、事後に本人からの自己申告でポイントがつくことも。また、取りかかる前から気が遠のきそうな、夏休み・冬休みの膨大な宿題などには、付与ポイントごとに色分けしたふせんを、課題やワークの1ページごとに貼って、別途換算表を作ることも(下の写真は、2021年夏休み版)。Upload By 楽々かあさん…このように、子ども目線でポイント換算を設定すると、やる気があるときの更なるモチベーションUPになるのは勿論、子どもが積極的に取り組めないことでも、とにかく「イヤだ!」の一点張りではなく、大抵のことには親子の話し合いの余地が生まれるので、私も子育てのあらゆる場面で非常に助かりました。「ポイント手帳」を12年間、使い続けてみて…Upload By 楽々かあさん「ポイント手帳」を12年間使い続けてきた子どもたちの成長を観察すると、いつの間にか、できることが増えた気がします。小さなころから続けることで、宿題などの毎日の学習習慣や、歯磨きなどの基本的な生活習慣を定着することができたり、学校行事に穏便に参加したりできるようにもなりました。身につくまで少し時間はかかりましたが、今では、子どもたちが毎日自分で簡単な朝食を作ってくれたりと、私も家事負担が減って助かっています。また、新しいことに挑戦する背中を押したり、自分のやりたいことのために貯めたポイントをドーンと使ったり…と、子どもたちの経験値を増やす手助けもできました。家庭で基本的な金銭管理スキルや金銭感覚を育てたり、お金のしくみや給与システムなどを疑似体験できて、近い将来の自立のためにもやっててよかったと実感しています。もちろん、「ポイント手帳」だけで全てがうまくいく訳ではありません(どうしてもイヤなこと・無理なこと・できないことだってあります)。でも、子どもがうまくいかないときや、失敗して落ち込んでいるときも、今までの「できた」「がんばった」記録が励ましてくれました。また、子どもを「お小遣いやごほうびで釣り続けてもいいの?」と、気にされる方もいるでしょう。うちの場合は、本人にとってハードルの高いことも、最初はポイント目当てでもいいから何度か挑戦できると、そのこと自体に少しずつ慣れていくので、だんだんと取り組みのハードルが下がって、報酬がなくても次第にできるようになりました。また、相談・交渉しつつ、本人の意思を反映させながら運用してきたので、成長と共に、単なる「報酬目当て」から、「自分のために」と、外側から与えられるものから、内側から自発的に取り組むものへと、動機づけが移っていったようにも思います。出典 : 「ポイント手帳」は、どんな子にも応用できますが、特に集団教育の中では失敗や叱責体験が多くなりがちな子が、自信をつけながら経験を増やすためには良い方法ではないか、と私は思っています。また、合理的な考え方の持ち主や、視覚化してほめられることが嬉しいタイプのお子さんは、手帳に報酬を数値化することで納得しやすく、日々の自分の頑張りが目に見える記録として残るので励みになるでしょう。一方で「好きなこと・興味があることなら頑張れる子」は、「好きじゃないこと・興味がないこと」には、なかなか意欲が湧かず、積極的になれないこともあるかもしれません。それから、今のその子にとって苦手なことやハードルの高いことを要求されたときや、疲れているとき、やる気が出ないときなどに、「みんな、やってるから」や「とにかく、がんばろう」「やればできる!」などの精神論・根性論では、なかなか心に響かず、主体的に動けないこともあります。でも、大人だって、好きなこと・やりたいことだけで仕事が成り立っている方は、ごくわずかではないでしょうか。現実的には、毎日の退屈なルーチンワークや、苦手なことやハードルの高いこと、あんまり前向きにはなれないけど責任上自分がせざるを得ないこと…などに対しても、「報酬があるからこそ、なんとかがんばっている」という方も多いはず。うちの「ポイント手帳」は、それと同じように、子どもの「一見、やって当たり前のように思える、日々の小さながんばり」に対しても報酬を設定し、少しずつできることを増やしながら、子どものやる気や自主性を育てるのに役立ったように思います。そして、手帳に記録が残っていくことで、子どもが大きくなってからも、「あなたがいつもがんばっていたことを、ずっと、ちゃんと見てましたよ」という、親からのメッセージも目に見える形で一緒に伝えられたら…と思っています。文:大場美鈴(楽々かあさん)(監修者・井上先生より)「トークンエコノミー」「ポイント制」については、「ポイントがないとしなくなるのではないか」「ご褒美で釣るなんて」といった批判や誤解をうけることがあります。ですが、大場さんが書いておられるように、本人が苦手なことについて、目標を保護者と一緒に共有し、達成したらともに喜ぶというコミュニケーションの活性化にも一役かっているのではないでしょうか。達成した課題については、話し合って次の課題にポイントを付与するように移行したり、そのときの困難な状態に応じて適応方法やポイントの数値を変えながら進めていったことが長期に続けられるコツでもあったのではないかと思われます。この方法を取り入れることで、お子さんにとっては、ポイントを得たときと実際にご褒美をもらうときに2回、褒められる場面ができます。また、保護者にとってもお子さんの頑張ったことやできたことを可視化することができることで、ポジティブな関わりが自然と増えるのではないかと思います。ぜひ参考にしてほしい取り組みですね。
2021年10月07日母子の健康を守ってくれる母子健康手帳。母子健康手帳の機能などについて、助産師の高杉さんがお話ししてくれました。母子健康手帳をフル活用し、妊娠中や育児中に役立てましょう。 ママと子どもの健康状態や成長を記録する「母子健康手帳(通称:母子手帳)」。日本では、妊娠・出産と切っても切れない存在の母子健康手帳ですが、実は日本独自のシステムで、この1冊で妊娠中のママや胎児、新生児から6歳までの健康管理ができる世界に誇れるものなのです。では、母子健康手帳の受け取り方法や母子健康手帳はどのようなものなのかをみていきましょう。 妊娠したら母子健康手帳をもらいましょう妊娠がわかったら病院で妊娠の診断を受けましょう。今は妊娠検査薬で簡単に妊娠判定ができますが、病院で妊娠していることを確認してもらってから母子健康手帳をもらいに行きます。住んでいる市区町村に妊娠届を提出すると、母子健康手帳が発行されます。お子さん1人につき1冊なので、双子ちゃんだったら2冊になりますね。 母子健康手帳にはなんの記録ができるの!?母子健康手帳は、戦後の1948年に生まれました。当時は育児用ミルクの配給が記録されていたと言います。母子健康手帳はママと子どもの記録の場所です。ママの既往歴や現在の健康状態、妊娠経過について記録するところや、おなかにいる赤ちゃんの健康状態や発育状況を記録するところがあります。また、出産の状況や産後のママの体のことや子どもの様子なども記録するところがあります。病院を退院したあとも、子どもの定期健診や予防接種の接種状況を記録できますし、子どもが就学するまでの間の記録の場所になるので大切にしましょう。 定期的に妊婦健診を受け産院に記録してもらい、ママも母子健康手帳に記録していくことで、母子健康手帳の役割である、妊娠・出産・産後と母子を継続的に見守る仕組みができるのです。そのお陰で、母子健康手帳の普及とともに、日本における乳児死亡率は減少してきました。また、妊娠中のママの気持ちを書くところもあります。子どもが大きくなったときに、ママはこんな気持ちであなたが生まれてくるのを待っていたのよと一緒にお話ししてあげると子どももきっとうれしい気持ちになります。ぜひ、ママの気持ちを書き留めてあげてくださいね。 なお、乳児死亡率の高い発展途上国では、妊娠、出産、産後に母子の健康を継続的に見守ることのできる日本のような仕組みを作るためにも母子健康手帳の普及が進んできています。日本独自のシステムが今や国境を越えて世界のママやお子さんたちを救っているなんてすごいと思いませんか?! 母子健康手帳には実は妊娠・子育て情報も満載!?母子健康手帳は妊娠・出産の状況、産後の経過や子どもの就学までの様子がすべて1冊に記録できるようになっている日本独自のシステムですが、母子健康手帳の良さは記録ができることだけではありません。「妊婦さんの過ごし方や妊娠中・産後の食事」「新生児期から6歳までの年齢別育児のしおり」「子どもの事故防止」「乳幼児の食事」「離乳食の進め方」「予防接種」また「子育て支援制度」など、これらの情報がすべてわかりやすく記載されています。このように、母子健康手帳は記録するためだけではなくて、妊娠中のママのことや、生まれてからの子どものことや子育てのことなど大切な情報もわかりやすくつまっているのでしっかり活用しましょう。 世界に誇る日本の“母子健康手帳”、しっかり活用して大切にしましょう。そして、妊娠中は必ず持ち歩くようにしましょう。妊娠経過が一目瞭然なので外出先で何かあっても安心です。ママと赤ちゃんの最初の絆。たくさん活用して、生まれてくるワクワクを楽しみましょう。 監修者・著者:助産師 高杉絵理大分県の大学にて看護師・助産師・保健師の資格を取得後、総合周産期母子医療センターにて産科やNICUに勤務。結婚を機に上京してからは、もっと育児が楽しくなるようにママや赤ちゃんにいつも身近に寄りそっていたいとの思いより、地域での助産師活動を開始する。 現在は、世田谷区の行政や病院で働きながら、開業助産師として地域での講座やイベントを開催し子育て支援活動を幅広く行っている。また、ベビーカレンダーにおいても、妊娠・出産・育児を楽しめるように、ママたちが読みやすく分かりやすい記事を心がけ執筆中。
2021年09月28日好きな物事ほどなかなか「終わり」「切り替え」ができなくて困る日々自閉症と知的障害のある息子、Pは遊んでいるときや、テレビを見ているときなどに、こちらがそろそろ終わりにさせたいと思っても、終わりの意味を理解していなかったので、まだ自分が納得するタイミングではないのに急に終了されることで癇癪につながるということがよくありました。例えば集団療育中に、自分の好きなおもちゃで遊んでいるときに、次の設定を行うためにおもちゃは片付けないといけないという場面があります。そんなときに先生やお友達が片付けを始めたとしてもPは「片付けないといけない」という周りの状況や空気が理解できていないので、まだ遊びたいという自分の気持ちの方が勝り、片付けを促すと癇癪が起こってしまいました。Upload By みん療育で教えてもらった方法は?そんなPに有効だったのは「10数えたら終わりにする」という方法でした。何かを終わりにする前には必ず10数え、最後に「おしまい!」と言うのですが、言葉で指示をするだけではなく指を上に向けて開いた両手をすぼめながら下におろす、「終わり」を意味する手話でのジェスチャーで同時に視覚支援もしていました。最初のほうはそんなことをされても意味が分からなかったPは勿論大泣きしていましたが、泣こうがわめこうがおしまいと言ったらおしまいという形を徹底し、おしまいと言われたら必ず終わらないといけないことを理解するまでスモールステップで何度も繰り返し教え続けました。ここで重要だったのは、ただ「おしまい」にするのではなく、その前に「10秒数える」ということです。この10カウントがあることで、終わりの予告にもつながり、10秒の猶予があることで突然終わらされるという不安が少し解消されるのです。Upload By みん10カウントを積み重ねると…それを理解し始めてからは、10数えたら「おしまいにされる!」と気づき、数字を読み始めるだけでも泣いたり怒ったりするようにもなって来ましたが、泣きながらもおしまいと言われたらおしまいしないといけないことが少しずつ身についてきたので、自ら終わらせたり片付けたりするようにもなって来ました。このようにおしまいが理解できるようになってからは、かなり切り替えがスムーズにいくようになり、出先でそろそろ帰りたいというときなどにもずいぶんラクになりました。Upload By みん今ではもう10数えなくてもおしまいの一言だけでも終われるようになって来ましたが、それはこれまで「終わり」を理解するために何度も行った10カウントの積み重ねがあったからこそだと思っています。執筆/みん(監修:鈴木先生より)今回のような10秒ルールや感情を抑える6秒ルールなど、カウントを利用する方法が多くみられます。時間のルールはスポーツや将棋などの世界でもみられます。プロレスの場外にいられる時間、テニスのサーブを開始するまでの時間、将棋の指すまでの時間などなどです。人間は時間を決められると何とかやろうと努力できるのです。秒単位だったり、分単位だったり、日単位だったりとさまざまな時間に私たちは日常において縛られているのです。今回のお母様の工夫でよかったことは、「視覚支援」・「おしまいという徹底」・「スモールステップ」です。時間というルール以外にこういった工夫を重ねるといいでしょう。
2021年09月27日1歳ごろから通い始めた療育園親子通園の療育園に通い始めてから、園の先生の行動や習慣から学んだことがあります。例えば、否定の言葉はなるべく使わずに「走らないで」ではなく「歩きます」と、して欲しいことを端的に言うことです。これは、5年以上経った今でも私の身に染みついています。耳から入る情報が伝わりにくい娘にはとても合っているようで、してほしくないことやこれからの予定を伝えるときは、このような伝え方をするとスムーズです。先生から学んだ「褒める」Upload By kotoまた、「とにかく褒める」ということも学びました。どうしても「できないこと」に意識が行ってしまいがちでしたが、先生たちは「できないこと」を決してとがめることなく、逆に「少しでもできたこと」に目を向けて、子どもをたくさん褒めてくれました。最初のころは、「そんな、大袈裟では」と、嬉しい反面、照れ臭いなと思っていた私も、いつの間にか先生と一緒に子どもを褒めちぎるようになっていました。子どもの良い所に気づきやすくなり、親子で自己肯定感を高めることにつながったと思います。水に触れることができたら褒め、教室に入れたら褒め、シャボン玉に反応できたら褒め…。とにかく、悪いことをしない限りは褒めるようになり、この習慣は今でも続いています。ただ、4歳を過ぎたころから、なんでもかんでも褒めて良いものか少し悩んだりもしました。「しつけ」のために、何度言ってもできないときは叱る必要があるのではないかと思うようになったからです。ワガママにつながったり、褒められて当たり前になってしまったりしないかも気になりました。そこで、「娘の成長の程度(特性含む)」と「叱る叱らないのメリハリのつけ方」のバランスを、先生と相談しながら調整していきました。ペアトレを受けることに!Upload By kotoこうして、親子通園や集団療育で学んだ経験が家でも大いに役立っているのですが、やはり「うちの子にしか当てはまらない困りごと」もたくさんあるのが現実です。園以外の場所(家庭や外出時など)での困りごとは、自分で考えて対処するしかないのですが、それでもどうにもならないことが増えてきて…。娘が4歳くらいのときに、当時診ていただいていた小児科を通して、ペアレントトレーニングを受けることにしました。1対1で1時間ほど、毎月専門家の方に個別で指導やアドバイスをいただきました。私は現在、SNSで子どもの発達について発信していますが、これもペアトレの先生から「SNSで発信すること」を勧められたからです。精神面で孤立しがちな発達凸凹子育てなので、同じような悩みを持つ人たちと繋がりたいと相談したときに提案され、今では多くの人と繋がることができて良かったと思っています。視覚優位の娘には「見せない収納」Upload By kotoペアトレでは、家庭で実践できる対処法も個別の悩みに合わせて教えていただきました。例えば、娘は視覚優位で、目から入ってくる情報が多いと混乱したり多動や衝動性が強く出る場面が多くありました。先生に相談したところ、娘に適した家での収納方法を教えていただきました。それまでは、子どもが玩具を取り出しやすく、片付けやすいようにと「見せる収納」をしていました。そのせいか、娘は玩具を出したいだけ出して、すぐに足の踏み場もない状態をつくってしまっていたのです。当然、食事中も玩具が気になってウロウロ。何をしていても、玩具が気になって着替えもお風呂もなかなか進みません。そこで教えていただいた「見せない収納」を実践。玩具だけでなく、絵本もフタのある箱やケースに入れて、遊ぶとき以外は見えないようにしました。もともと、なるべく不要な物は置かないようにしていたので、娘は退屈して癇癪が悪化するのではと最初は「見せない収納」にドキドキしましたが、意外にも好きな玩具の入っている箱を探すことを楽しんだり、遊び終わったら箱に戻すという片づけまでするようになったのです。視界から入る刺激が減って、子どもの頭の中まで少しスッキリしたような印象でした。あとで気がついたのですが、療育園ではメイン活動をする教室はガランとしていて、玩具などは別の部屋に置かれているなど、なるべく見えないように工夫されていたなと思います。こうしてペアトレを受けることで、具体的な対処法を教えてもらうだけでなく、先生に成果を報告することで子育てへのやる気ももらえていたのでした。執筆/koto(監修:鈴木先生より)“Not unable, but able”これは米国の障害者自立支援の所長が言った言葉です。「できないことよりもできることに目を向けよう」という意味です。先日閉幕したパラリンピックでは不自由があってもそれを乗り越えて今の自分でできるスポーツを精一杯やっているアスリートの姿が印象的でした。ただ神経発達症(発達障害※)では成長とともにできないことでも少しずつできるようになることがあるので、スモールステップでできないことも克服していく努力は必要です。ペアトレの基本は「傾聴&承認」です。お子さんがどういうことにチャレンジしたいか聴いてあげて、少しでもできたら褒めて承認することが大事です。※編集部注現在は、発達障害という名称ではなく神経発達症と表記されるようになっています。
2021年09月20日Q.「早期療育」とはなにをすることですか?A.発達障害がある子どもに対して早期からその子に必要な支援を開始することです。早期から支援をおこなうことで、発達を促進し適応状態を改善することで、不登校、抑うつなど二次的な問題を予防することができると言われています。Upload By 発達障害のキホン発達障害は脳の機能障害と考えられていますが、その原因は詳しくは分かっていません。障害特性自体を治療することは難しいものの、その子にあった環境を整え、必要なスキルを早期に獲得することで、社会生活における困難さが起こりにくくなります。早期療育には、自閉症スペクトラムに関しては、ABAと言われる応用行動分析の手法を用いたもののほか、自然な文脈の中でコミュニケーションスキルを発展させるDSP、当事者とその家族を対象とした障害支援プログラムである包括的介入とも言われるTEACCHなどさまざまな手法がありますが、子どもに関わる際に共通のポイントがあります。・スモールステップでスキルを学習すること・見通しを持つなど、安心して過ごせる生活環境をつくること・日常生活の中で学んだスキルを使用する機会をつくること・保護者も共に関わること早期療育には家族参加が欠かせません。保護者がどのように関わればいいのかは、子どもの療育を担う発達支援施設の専門家や、療育施設などで行われるペアレントトレーニングなどで学ぶことができます。
2021年08月15日わが子の急激な成長を期待ばかりしていた私…Upload By みん療育を始める前の私は「療法士の先生が療育をしてくれるんだから、きっとすぐに効果が現れてどんどん言葉を発したり、いろんなことができるようになるのだろう!」と期待ばかりしていました。でもその様子を何度見学しても、先生は毎回毎回同じようなことを繰り返しているだけで、療育というよりは先生と遊んでいるだけのように見え、これが半年も待った療育?と最初は疑問に思っていました。周りにいるPよりも少し大きい子どもたちの様子を見ていると、その子たちは椅子に座って机の上で勉強のような療育をしているのに、何でうちの子はこんな遊びのようなことばかりしているんだろう?と不安に思ったりしていましたが、この考えは間違っていたとあとで気づかされることになります。Upload By みん先生たちは個別に支援計画を立ててくださるのですが、保護者からのニーズだけではなく、子どもの様子を把握し、検討した上でその子の発達段階や性格に応じた療育をしてくれていたのです。そのようなことを何も知らなかった私は、初めての要望では「単語が増えてほしい」「スプーンやフォークが使えるようになってほしい」などと当たり前のように言っていたのですが、そのころのPはまだまだそれらを目標にできる発達段階ではなかったのです。いきなり単語が出たり、道具が使えたりするようになるわけもなく、まずは現在できること、分かること、認知や概念がどれだけ育っているのか?など子どもの全体的な発達を知り援助することが必要でした。先生は最初にPとの信頼関係をつくり、先生と関わりたいという気持ちを育て、その上でこの先必要となる療育をする為の「土台づくり」をしてくれていたのです。でも対人関係が苦手な自閉症のPは、月に数回、数時間だけのやり取りだけでは簡単に信頼関係を築くことはできません。何回も同じ場所へ通い何回も同じ人と同じようなことをすることでやっと先生と関わりたい、伝えたいという気持ちが芽生え、信頼関係の土台ができ、そこから次のステップへとつなげることができるのです。療育は想像していたものとは違っていたUpload By みん早期療育の大切さが分かった現在はこのように先生の狙いや目的などが分かり、その効果が半年後一年後に目に見えて現れるようになってからは、私も前とは違った視点で療育を見学できるようになりました。先生が何ヶ月も何年もかけてPに土台をつくってくれたことで、現在は私が療育を始める前に思い描いていた、座ってお勉強のようなこともできるようになりました。なぜ早期療育が良いという声を聞くのか?を振り返って考えてみると、必要な手続きや待ち時間の話だけではなく、療育を受ける為の「土台づくり」にも時間がかかるからなんだと分かりました。何でもいきなり成長するというわけではなく、スモールステップで積み重ね全体的な成長があるからこそできるようになる。そしてこのように個別にも対応してくださることでP本人に合った必要な療育を一緒に考えながら進められるので、親の私にも目標や狙いが分かりやすく、とても勉強になっています。Upload By みん「遊んでるように見えるだけ」ってこと、ありますよね。僕も初めて療育を見たときは「え、これ大丈夫なの?」って思いました(笑)場所も人も発達も、安心感や土台がしっかりあって初めて次のステップに進むことができますよね。
2021年07月29日障害者手帳は3種類Upload By 立石美津子発達障害者手帳、これがあったらどんなにいいかと思いますが、残念ながら存在しません。障害があることを証明する手帳は次の3つのみです。・身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳つまり、知的障害を伴わない、あるいは軽度の発達障害の人のための “発達障害者手帳”というものは存在しないのです。発達障害がある場合、精神障害者保健福祉手帳の対象として分類されています。厚労省精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準について障害者手帳があると就活でも活用できる従業員が一定数以上の規模の事業主は、従業員に占める身体障害者・知的障害者・精神障害者の割合を「法定雇用率」以上にする義務があります。(障害者雇用促進法43条第1項)民間企業の法定雇用率は2.3%です。従業員を43.5人以上雇用している事業主は、障害者を1人以上雇用する必要があります。一般枠で企業就労するのが難しい場合、障害者雇用枠で就労することができますが、その際に障害があることを証明する手帳が必須となります。しかし…・視覚障害、聴覚障害、上肢下肢の欠損、体幹障害による歩行困難など身体障害がなければ、身体障害者手帳の対象とはなりません。・(自治体によって異なりますが)東京都の場合、知能指数が76以上だったら療育手帳の対象とはなりません。愛の手帳について | 東京都保健福祉局精神障害があると認めたくない保護者もいる一定の知能指数のため療育手帳対象に該当しない、身体障害もないため身体障害者手帳の該当にならないとなると…残るのは“精神障害者保健福祉手帳”となります。すると、「うちの子は発達障害。精神障害ではない!」と憤る親御さんを見かけたことがあります。これに対して私は心の中で「いやいや、そうじゃないのよ。知的障害のない発達障害児が、障害者雇用促進法のもと、法定雇用率でカウントされて企業就労するには、なんらかの障害者手帳が必要。今の制度上では、知的障害のない発達障害児は精神障害者保健福祉手帳が必要となるのに」と呟きました。知的障害がなくても療育手帳の対象になる地域も発達障害のある人は知的障害がなくても、社会生活を送るにあたって多くの困難を伴います。社会生活での困難と言う面では、知的障害、精神障害、身体障害がある人と同じだと言えます。そのため、知能指数が療育手帳の範疇以上の人に対しても、療育手帳を発行している自治体もあるようです。全国的にこれが広まればよいと感じます。Upload By 立石美津子自己申告制日本の福祉は自己申告制です。親がわが子の障害に気づいて積極的に動くことで取得できます。精神障害者保健福祉手帳について紹介しましたが、こちらが取得できない場合もあると思います。たとえ障害者手帳の対象とならなかったとしても、障害福祉サービス受給者証をとって、福祉とつながっている人だということを示す方法もあります。「精神障害者保健福祉手帳が必要?わが子には精神障害はないのに!」と憤るのではなく、福祉サービス、制度を活用することで、わが子の将来の選択肢を広げられるかもしれません。精神障害者保健福祉手帳で雇用枠での就労を目指したり、受給者証で福祉サービスを活用したり、支援者につながる機会を増やすことが、わが子を守ることにつながるのではないかと思います。
2021年07月01日■ 前回 のあらすじようやく夫に大変さを理解してもらうことができ、ついに療育園へ通えることに…!■療育園初日、ショックを受ける右も左も分からず、koto子は暴れまくり、初日はショックを受けた記憶しかありません…。■療育園2日目、空気のような存在?みんな同じ悩みを抱えているはずなのに、普通に集団活動をしている…。koto子を周りの子たちと比べずにはいられない…そんな状況でした。すると、帰り際に声をかけられて…■2人ぼっちだと思っていたけど…慣れない場所でいきなり馴染める子なんていない…。koto子が自分から参加できるようになるまで見守り、あえてそっとしてくれていたんだと気付きました。そしてこの一言に、とても救われた気持ちになりました。あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は専門機関にご相談ください。次回に続きます。【同じテーマの特集はこちら】 〜子どもの発達障害を知ろう、考えよう〜 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >>
2021年01月26日■ 前回 のあらすじ改めて夫に娘を預けて出かけることに。しかし、帰ってくるとそこにいたのは…。■ようやく娘の大変さが理解された普段から人に弱みを見せない夫が、私の母を頼るほど大変な思いをしたということ…。そして大変さを理解し、私に時間を作ってくれようとする夫の気持ちが嬉しかったです。■夫の「療育園」に対する考えが変わったこうして、療育園にいくことを了承してくれた夫。最後まで強がっていましたが、koto子が困り感のある子だとしっかり理解してもらえました。そして、koto子のためにもいち早く何かをしてあげたい気持ちでいっぱいでした。■療育園に連絡すると…ついに療育園へ通うことになりました!そしてこれから、色々なことが巻き起こります…!あくまでも筆者の体験談であり、症状を説明したり治療を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は専門機関にご相談ください。次回に続きます。【同じテーマの特集はこちら】 〜子どもの発達障害を知ろう、考えよう〜 【同じテーマの連載はこちら】 産後の話 この連載の全話を見る >>
2021年01月25日STEAM教育って何?
子育て楽じゃありません
細川珠生のここなら分かる政治のコト