「発達障害」について知りたいことや今話題の「発達障害」についての記事をチェック! (11/98)
ももさんは、年長の息子・イツくん、パパとの3人家族。イツくんの発達の遅れが気になっていたももさんは、小学校へ入学する前に発達障害の検査を受け、支援級へ行かせる選択をしました。それを義両親に報告すると「支援級なんて必要ない!」と全否定! その上……。発達障害について理解がなく、ももさんたちの選択を否定してばかりの義両親。何を言っても折れないももさんたちを見て、ついに義父は「子どもは親の言うことを聞くものだろう!」と、頭ごなしに押さえ付けました。 言いたいことはたくさんあったものの、ももさんは何も言わず退席したのでした……。 久しぶりに義実家へ行くと… 義両親と再び話し合うことはなく、義実家をあとにしたももさん夫婦。帰宅する車内で、ももさんが話の途中で退席したことを振り返るパパは、義実家ではお父さんが絶対的存在で、反発する人はいなかったと話したのでした。 “親(父)の言うことが絶対”という環境で育ったパパ。すでに成人し子どもがいる今でも「子ども」と認識し、言うことを聞かせようとする義父にも驚きですね。 パパはももさんに「あの態度はない」と言いましたが、皆さんはどう感じましたか? >>次の話 監修/助産師 松田玲子 著者:マンガ家・イラストレーター メイ
2023年12月25日580個以上の工夫をまとめた専門家監修「親子のヒント」「一体どうすれば伝わるの?」お子さんを育てていると伝え方や関わり方に悩んでしまうこともありますよね。困ったとき、みなさんはどうしていますか?そんなときには580個以上の工夫をまとめた専門家監修「親子のヒント」をご覧ください。すぐに取り入れられる対応方法がきっと見つかるはずです。今回は集団生活で起きがちな切り替えができない、すぐ立ち歩く、先生の指示が通らないといった「幼稚園・保育園」についての困りごとへのヒントをまとめました。切り替えができない、ルールが分からない、守れない、先生の指示が通らないときのヒント寝る時間になっても遊びをやめられない、テレビに夢中でほかのことが一切できないというとき、どうしたら切り替えられるようになるかヒントをお伝えします。生活していると守らなければいけないルールがたくさんありますよね。お子さんがルールを理解して守ることができるようにするためには、伝え方の工夫が有効です。授業中もすぐ立ち歩いてしまうお子さんにとって大切なのは”座っていることができる環境づくり”です。では、具体的にどのような環境をつくればいいのでしょうか?そのヒントはこちらから。先生の指示が一人だけわかっていない……そんなときはお子さんに一番合った方法を探しましょう。集団生活では列に並んで行動する場面がたくさんありますよね。頻繁に列から離れてしまうときは、無理なく集団行動をしやすくなる工夫を試してみましょう。すべての親子のヒントが読み放題!発達ナビ無料会員登録がまだの方は今すぐ登録を!その他のサービスも発達ナビでは「親子のヒント」をはじめ、共感できたりお役立ちするコラムを毎日配信中です。無料会員にご登録いただければコラム読み放題のほか、ブログ機能のあるダイアリーや、会員同士が交流できるQ&Aやコミュニティなども使えます。・発達の凸凹にも対応した、 教え方の工夫が分かる!未就学の身辺自立から、中高生の自立に向けたスキルまで580個以上の工夫 を用意しています。・全ての工夫は 指導経験の豊富な、発達の専門家が監修 !現場で用いられる考え方や視点をもとに家庭でできる工夫をご紹介!「鏡文字になってしまう」「発音が不明瞭」「一方的に話してしまう」など、具体的な困りごとに応じた工夫をご紹介しているので、どの年齢のお子さんにも参考にしていただけます。1つの困りごとに対し3つの工夫をご紹介しているので、お子さんに合った工夫のヒントになります。専門家からの実践時のアドバイスもご用意。お子さんに合わせて工夫をアレンジするときに必要な視点を、分かりやすく解説しています。ぜひご活用ください!発達が気になるお子さまが利用できる、全国の施設情報が検索できるコーナーです。お住まいの地域にある発達支援施設などを探すことができます。発達が気になるお子さんの保護者さま向けサービス『発達ナビPLUS』では、オンラインで医師・心理士など発達支援にかかわるさまざまな専門家と繋がり、個別相談やライブ配信、動画、教材などを通して、子育てをサポートします。LITALICOジュニアは、発達が気になる0~18歳のお子さま一人ひとりに最適な学び方と環境を提供し、それぞれに応じた指導を行う教室です。お子さまの未来の可能性を拡げられるようにサポートします。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2023年12月25日RSウイルスとは?症状や完治までの期間などRSウイルス感染症とは、「RSウイルス」による呼吸器の感染症のことです。ほとんどの場合は乳幼児期に発症するといわれており、実際に1歳半までに50%以上、2歳までにほぼ100%の子どもが感染するとされています。RSウイルスに感染した場合、軽い症状の場合は発熱や鼻汁などの風邪と似通ったものから、重い場合は肺炎のような症状が表れることもあります。RSウイルスは何度も感染を繰り返しますが、初回感染時に症状が重い傾向があり、特に生後6ヶ月未満の子どもが感染した場合は細気管支炎、肺炎につながるなど重症化する可能性もあります。また、場合によっては高熱による熱性痙攣を起こす可能性があります。熱性痙攣は、通常、38度以上となる急激な体温上昇時に発生し、意識障害や痙攣を起こします。典型的な症状は全身性で、手足をガタガタさせる間代性痙攣であることが多く、数分ののちに意識が回復するとされています。もし痙攣が長時間続く場合などは、医療機関に相談をするようにしましょう。RSウイルスは主に飛沫に触れることや直接接触することで感染するとされています。感染してから2~8日の潜伏期があり、多くの場合は4~6日頃に発熱や鼻汁などの上気道炎症状が表れてきます。その状態が数日続いた後に下気道症状といわれる、息苦しさや喘鳴(ぜんめい:息を吐く時にゼーゼー音がする) などが表れることもあります。RSウイルス感染症は症状が出てから通常は数日から1週間くらいかけて、徐々に快方に向かっていきます。ただし、重症化のリスクもあり、気管支炎や肺炎などの症状が表れる方や、まれに呼吸困難を起こして入院に至る場合もあります。RSウイルス感染症は基礎疾患があると重症化のリスクも高まります。影響する基礎疾患としては先天性心疾患、ダウン症候群などがあり、ほかにも早産や低出生体重、生後6ヶ月未満の赤ちゃんも重症化のリスクが指摘されています。重症化のリスクが高い子どもにはRSウイルスに対する特異的抗体であるシナジス(一般名:パリビズマブ)接種が行われます。RSウイルス感染症の流行期に1ヶ月に1回筋肉内注射という形で使用することで、感染予防と重症化防止の効果があります。シナジス接種の対象となるのは現在のところ、以下にあてはまる子どもです。・在胎期間28週以下の早産で、12カ月齢以下の新生児及び乳児・在胎期間29~35週の早産で、6カ月齢以下の新生児及び乳児・過去6カ月以内に気管支肺異形成症の治療を受けた24カ月齢以下の新生児、乳児及び幼児・24カ月齢以下の血行動態に異常のある先天性心疾患の新生児、乳児及び幼児・24ヵ月齢以下の免疫不全を伴う新生児,乳児および幼児・24ヵ月齢以下のダウン症候群の新生児,乳児および幼児引用:RSウイルス感染症Q&A|厚生労働省ウイルス感染症Q&A|厚生労働省ウイルス感染症とは|国立感染症研究所ウイルス感染症にご注意ください!!|国立成育医療研究センター熱性痙攣|MSDマニュアルプロフェッショナル版RSウイルスに効く薬はある?治療方法などRSウイルスに感染した場合の特効薬などは現在のところありません。治療方法としては、対処療法といって表れている症状に合わせて、内服薬、酸素投与など呼吸管理を行い症状の緩和を目指します。ウイルス感染症Q&A|厚生労働省子どもがRSウイルスに感染したらRSウイルスに感染しているかは、鼻粘膜を綿棒で擦り、検体を採取し、迅速診断で分かります。症状からRSウイルス感染が疑わしく、重症化のおそれがあり、診断を必要とする場合に検査を行います。RSウイルス感染症は感染症法上で5類感染症に分類されており、決められた医療機関から毎週患者数を保健所に報告する義務があります。RSウイルスの感染は一度だけでなく、生涯にわたって感染を繰り返していきます。子どもが再感染して症状が出ることもありますが、その多くは軽症といわれています。大人に感染することもありますが、発症しても鼻水、咳、だるさなどの風邪と似た症状が表れるだけです。しかし、呼吸器疾患などの基礎疾患がある高齢者が感染すると肺炎につながるリスクも指摘されています。子どもがRSウイルスに感染した場合は、まずは通っている幼稚園や保育園を休み、医療機関を受診するようにしましょう。治療して症状が落ち着いたあとの登園の目安ですが、咳や痰などの呼吸器症状がなくなり、食事がとれて、活気があり、全身状態が良好になってからとされています。RSウイルスの感染を防ぐために、家庭内でできる予防法がいくつかあります。主な予防法として、・日常的に触れるおもちゃや手すりなどはアルコールの消毒薬で消毒する・外出後はせっけんを使って流水で手洗いをする・アルコール製剤を用いて手指の消毒を行う・家族に咳や鼻水など呼吸器症状がある場合はマスクを着用するなどがあります。日常的に予防することも大事ですが、2歳までの子どもが発症する確率がとても高い感染症なので、鼻水、熱に続き、呼吸が苦しそうなど、気になり症状が出たら、 医療機関を受診するようにしましょう。ウイルス感染症Q&A|厚生労働省ウイルス感染症Respiratory syncytial virus infection|東京都感染症情報センター保育所における感染症対策ガイドライン(2018 年改訂版)|厚生労働省まとめRSウイルス感染症は呼吸器における感染症のことです。主に発熱や鼻水などの症状が表れ、数日~1週間で症状は治まっていくことが多いといわれています。しかし、初回感染時や生後6ヶ月未満の赤ちゃん、基礎疾患のある子どもなどは重症化する可能性も指摘されています。家庭内で手洗いや消毒など予防することもできますが、感染が疑われる場合は早めに医療機関を受診し、治療を行うようにしましょう。
2023年12月25日肺炎とはどんな病気?肺炎が起きる原因は?肺炎とは、肺胞と呼ばれる肺にある空気の袋やその周辺組織に炎症が起きることで発症する病気です。全世界において、子どもの主な死亡原因ともいわれていますが、日本のような先進国では死亡に至ることはまれです。肺炎のよくある症状として、咳、発熱、呼吸困難などが挙げられます。肺炎にかかると肺胞内は膿や液体で満たされ、酸素の摂取量が減少し、呼吸時に息苦しさを感じます。また、肺炎と似ている症状を呈する病気として上気道炎や気管支炎があります。肺炎との違いは、炎症の起きる場所にあります。まず、気道は鼻から始まり、咽頭喉頭(喉の奥~首のあたり)、気管と続きます。気管が枝分かれしたものが気管支であり、何度も何度も枝分かれを繰り返して細い気管支となっていき、最終的には肺胞という酸素と二酸化炭素の交換を行う器官となります。鼻腔、咽頭喉頭までに炎症が生じたものを上気道炎(いわゆる風邪の多く)、気管支に炎症が及んだものを気管支炎、肺胞まで炎症が及んだものを肺炎と呼びます。肺炎は、呼吸状態が悪化して苦しい状態になっていることもありますし、悪化することで治療が長引いたり入院治療が必要となることもあるので、呼吸が苦しそうだったり、ぐったりしているという場合には、なるべく早く医療機関を受診するようにしましょう。参考:肺炎の概要|MSDマニュアル家庭版参考:肺炎について(ファクトシート)|厚生労働省肺炎は原因となる病原体によって、主に以下のように分類されます。・ウイルス性肺炎・細菌性肺炎・非定型肺炎ウイルス性肺炎とは、何らかのウイルスに感染することによって発症する肺炎のことです。肺炎を起こす主なウイルスはRSウイルス、アデノウイルス、ヒトメタニューモウイルス、ライノウイルス、インフルエンザウイルスなどがあります。細菌性肺炎とは細菌感染により生じる肺炎のことです。主な細菌としては、肺炎球菌やHib(ヘモフィルスインフルエンザ菌b型)などが挙げられます。ウイルス性肺炎を単独で発症することもあれば、細菌にも感染して細菌性肺炎を併発することもあります。非定型肺炎は、ウイルスとも細菌とも違う病原体で生じる肺炎のことです。マイコプラズマ肺炎やクラミジア肺炎などが該当します。そのほかにも、食べ物などの誤嚥(本来気管に入ってはいけないものが入ること)で起きる誤嚥性肺炎、有機物の粉塵や化学物質を繰り返し吸い込んだことによるアレルギー反応により引き起こされる過敏性肺炎、「間質」と呼ばれる肺胞の壁に炎症が生じる間質性肺炎などが存在しますが、小児では後者2つはまれです。参考:知っておきたい関連領域のトピックス―小児のウイルス性肺炎―堤 裕幸参考:症状からアプローチするインバウンド感染症への対応感染症クイック・リファレンス細菌性肺炎|一般社団法人日本感染症学会参考:症状からアプローチするインバウンド感染症への対応感染症クイック・リファレンス非定型肺炎|一般社団法人日本感染症学会肺炎はうつる?肺炎の初期症状、診断方法、子どもに多いマイコプラズマ肺炎の特徴は?肺炎を引き起こした病原体の種類によっては、人にうつるものもあります。感染経路はさまざまありますが、主な感染経路は、感染者がくしゃみや咳をすることで発生する飛沫によるものです。ウイルスや細菌を吸い込むことで感染します。典型的な症状は、咳、痰、発熱、胸痛、ぐったりしている、呼吸困難、多呼吸、食事量の低下などがあります。全てがみられるとは限りません。小児の場合には、胸郭が薄くやわらかいため、大人に比べて呼吸の状態を目で見て判断しやすいです。呼吸状態が悪い場合(苦しい場合)、小児では努力呼吸が顕著になります。例えば、肋骨の下(お腹との境界)や胸骨上窩(胸骨の上、両側の鎖骨の間)がべこべことへこむように呼吸をしたり(陥没呼吸)、お腹を動かして呼吸をしたり(腹式呼吸)、といったことがみられるようになります。洋服の上からでは分かりにくいことも多いので、呼吸状態を確認する時には、上半身を裸にしてみてあげてください。普段の呼吸状態を時々観察しておいて、比較をすると分かりやすいかもしれません。また、呼吸の数も普段より多くなります。乳児の場合、肺炎が重症化すると低体温、痙攣といった症状が生じるリスクもあるとされています。肺炎の診断には、視診(努力呼吸や呼吸数)、聴診、酸素飽和度の値、胸部X線検査、胸部CTスキャンなどが参考になります。多くの場合、診察所見と胸部X線検査によって診断に至りますが、場合によっては胸部CTスキャンを行うこともあります。肺炎の種類の中に、子どもの発症が多いといわれるマイコプラズマ肺炎があります。マイコプラズマ肺炎は「肺炎マイコプラズマ」という名の微生物に感染することによって生じる肺炎のことです。患者のうち80%程度が14歳以下の子どもというのが特徴の一つです。通年見られますが、冬にはやや増加するという特徴もあります。マイコプラズマ肺炎は咳や頭痛、発熱、だるさなどの症状がよく見られ、熱が下がっても咳は3~4週間続くことが多いといわれています。マイコプラズマに感染しても気管支炎ですむことも多いですが、中には肺炎まで進行し重症化する場合もあります。治療にはマイコプラズマに効果のあるマクロライド系などの抗菌薬が用いられます。近年抗菌薬がきかない耐性菌も増えてきていますが、その場合もほかの種類の抗菌薬に変更して治療を行うことが可能である場合が多いです。基本的に症状は軽いことが多いですが、重症化した場合には入院治療を行います。呼吸が苦しそう、食事がとれていない、発熱が続くなど心配な点があれば医療機関に伝えるようにしましょう。参考:肺炎-解説-|東京都こども医療ガイド参考:肺炎の概要|MSDマニュアル家庭版参考:肺炎について(ファクトシート)|厚生労働省参考:マイコプラズマ肺炎に関するQ&A|厚生労働省肺炎の予防法は?かかったら、どのくらいで治る?治療に使われる薬や、入院の目安肺炎は日常生活や予防接種である程度予防することができます。主なものとしては、・外出から帰ったときは手洗いをしっかりする・家族で咳をしている人がいるときはマスクをする・咳をしている人と別の部屋で過ごす・大人の場合は禁煙をする・ワクチンを接種するなどです。ワクチン接種は肺炎そのものを予防するというより、百日咳やインフルエンザなど、合併症として肺炎を引き起こす可能性がある病気を予防するものが多くなっています。子どもが受けることのできるワクチンは積極的に接種していくといいでしょう。細菌による肺炎の治療では抗菌薬を使った治療を行います。比較的軽症の場合は、飲み薬で自宅で治療できることも多いですが、重症化した場合には入院して酸素投与や点滴での抗菌薬投与が行われることもあります。入院治療では数日で呼吸状態が改善し、1週間程度で退院という流れが多いですが、長期化することもあります。また、ウイルスによる肺炎の場合は抗菌薬は効果がありませんが、細菌とウイルスに同時に感染していることも考えられるため、抗菌薬が処方されることもあります。長引く咳や胸の痛みや息苦しさなど気になる症状がある場合は、医療機関の受診を肺炎はさまざまな原因で肺胞やその周辺組織に炎症が起きることで発症する病気です。咳、痰、発熱、努力呼吸、多呼吸などの症状があらわれます。治療は肺炎の原因によっても変わってきますが、細菌が原因の場合は抗菌薬を使った治療が行われます。軽症の場合は飲み薬による治療ですが、重症化した際は入院治療を行う必要も出てきます。日常的な手洗いやワクチン接種などの予防法がありますが、万が一呼吸が苦しそう、食事がとれていない、発熱が続く、ぐったりしているなどの気になる症状がある場合は早めに医療機関を受診するようにしましょう。
2023年12月24日580個以上の工夫をまとめた専門家監修「親子のヒント」「どう言えば伝わるの?」「なぜ怒ってしまうの?」発達凸凹があるお子さんを育てていると、どうすればいいのか悩む場面が多いのではないでしょうか。そんなときは、580個以上の工夫をまとめた専門家監修「親子のヒント」をご覧ください。「こうすればいいんだ!」という子育てのヒント、教え方のヒントがきっと見つかるはずです。今回はちょっとした失敗ですぐ癇癪を起こす、興奮すると暴れてしまう、過度な身体接触がおさまらないといった「困った行動」についてのヒントをまとめました。ちょっとした失敗で癇癪、興奮すると暴れてしまう、過度な身体接触がおさまらない……そんなときの対応は?ちょっとした失敗や間違いで癇癪を起こしたり、一度失敗すると、二度とそれに挑戦しなかったり……。なぜなのでしょうか?対応のヒントはこちら!楽しいのはいいけれど、興奮しすぎて怪我をしそうで心配といった保護者さんもいるのではないでしょうか。そんなときはこちらのヒントを参考にしてみてください。時間だからと活動を終えるよう促すと、感情的になって暴言・暴力が出てしまうお子さんには、気持ちのコントロールの練習と、切り替えのストレスが減る工夫をしましょう!いきなり抱き着くなど、幼少期のようなコミュニケーションが続いている。そんなときは、年齢に合わせて過度な身体接触を減らすために、お家でこんなことを行ってみてはいかがでしょうか。自分の気持ちをうまく表現できないと癇癪へとつながりやすいです。怒りのコントロールの練習をしていきましょう。すべての親子のヒントが読み放題!発達ナビ無料会員登録がまだの方は今すぐ登録を!その他のサービスも発達ナビでは「親子のヒント」をはじめ、共感できたりお役立ちするコラムを毎日配信中です。無料会員にご登録いただければコラム読み放題のほか、ブログ機能のあるダイアリーや、会員同士が交流できるQ&Aやコミュニティなども使えます。・発達の凸凹にも対応した、 教え方の工夫が分かる!未就学の身辺自立から、中高生の自立に向けたスキルまで580個以上の工夫 を用意しています。・全ての工夫は 指導経験の豊富な、発達の専門家が監修 !現場で用いられる考え方や視点をもとに家庭でできる工夫をご紹介!「鏡文字になってしまう」「発音が不明瞭」「一方的に話してしまう」など、具体的な困りごとに応じた工夫をご紹介しているので、どの年齢のお子さんにも参考にしていただけます。1つの困りごとに対し3つの工夫をご紹介しているので、お子さんに合った工夫のヒントになります。専門家からの実践時のアドバイスもご用意。お子さんに合わせて工夫をアレンジするときに必要な視点を、分かりやすく解説しています。ぜひご活用ください!発達が気になるお子さまが利用できる、全国の施設情報が検索できるコーナーです。お住まいの地域にある発達支援施設などを探すことができます。発達が気になるお子さんの保護者さま向けサービス『発達ナビPLUS』では、オンラインで医師・心理士など発達支援にかかわるさまざまな専門家と繋がり、個別相談やライブ配信、動画、教材などを通して、子育てをサポートします。LITALICOジュニアは、発達が気になる0~18歳のお子さま一人ひとりに最適な学び方と環境を提供し、それぞれに応じた指導を行う教室です。お子さまの未来の可能性を拡げられるようにサポートします。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2023年12月23日580個以上の工夫をまとめた専門家監修「親子のヒント」お子さんへの関わり方に悩んでしまうこと、ありますよね。「親子のヒント」には、子育ての工夫や教え方の工夫が580個以上紹介されています。もちろんすべて専門家監修です。困ったとき、このヒントをみれば「こんな対応方法があるんだ!」という発見がきっとあるはずです。今回は、分かりきっている質問を何度もする、大声や奇声、一方的に話すといった「発語・会話」についての困りごとへのヒントをまとめました。分かりきっている質問を何度もする、大声、奇声や会話のお悩みへのヒント何度も答えているのに、なぜまた聞いてくるの?お子さんには何度も聞く理由があるのです。そんなときどうするか、こちらをヒントにしてください!大声や奇声……同じように見えても、大声を出す理由はお子さんによって、またその場面によって異なります。お子さんが声を出す理由とは?理由によってとるべき対応は変わってきます。「今日幼稚園どうだった?」と聞いても、お返事が返ってこないこと、ありませんか?それは、言いたくないから、ではないかもしれません。どうこたえたらいいか分からない、またなにをしたか覚えていないという場合もあります。それぞれの対応方法をお伝えします。一方的に話してきて止まらない。自分とならいいけれど、ほかの人との会話はできているのか心配になりますよね。そんな時の会話の練習方法はこちら。電車といった公共の場で大きな声で話されると、周囲の目が気になる。でも学校では声が小さいと言われ……。そんなときはこんな方法を試してみませんか?すべての親子のヒントが読み放題!発達ナビ無料会員登録がまだの方は今すぐ登録を!その他のサービスも発達ナビでは「親子のヒント」をはじめ、共感できたりお役立ちするコラムを毎日配信中です。無料会員にご登録いただければコラム読み放題のほか、ブログ機能のあるダイアリーや、会員同士が交流できるQ&Aやコミュニティなども使えます。・発達の凸凹にも対応した、 教え方の工夫が分かる!未就学の身辺自立から、中高生の自立に向けたスキルまで580個以上の工夫 を用意しています。・全ての工夫は 指導経験の豊富な、発達の専門家が監修 !現場で用いられる考え方や視点をもとに家庭でできる工夫をご紹介!「鏡文字になってしまう」「発音が不明瞭」「一方的に話してしまう」など、具体的な困りごとに応じた工夫をご紹介しているので、どの年齢のお子さんにも参考にしていただけます。1つの困りごとに対し3つの工夫をご紹介しているので、お子さんに合った工夫のヒントになります。専門家からの実践時のアドバイスもご用意。お子さんに合わせて工夫をアレンジするときに必要な視点を、分かりやすく解説しています。ぜひご活用ください!発達が気になるお子さまが利用できる、全国の施設情報が検索できるコーナーです。お住まいの地域にある発達支援施設などを探すことができます。発達が気になるお子さんの保護者さま向けサービス『発達ナビPLUS』では、オンラインで医師・心理士など発達支援にかかわるさまざまな専門家と繋がり、個別相談やライブ配信、動画、教材などを通して、子育てをサポートします。LITALICOジュニアは、発達が気になる0~18歳のお子さま一人ひとりに最適な学び方と環境を提供し、それぞれに応じた指導を行う教室です。お子さまの未来の可能性を拡げられるようにサポートします。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2023年12月22日580個以上の工夫をまとめた専門家監修「親子のヒント」お子さんにどう伝えればいいのか、どう関わればいいのか、悩むことが多いのが子育てですよね。そんなときにすぐ実行できる580個以上の工夫をまとめた専門家監修「親子のヒント」。さまざまな困りごとに対応した子育ての工夫 や教え方の工夫をご紹介しています。「こうすればいいんだ!」「こういう声がけがいいんだ」専門家監修の、すぐに実践できるコツを読むことができます。今回は片付けにまつわるお悩みや、家以外で眠れないといった「生活」についての困りごとにまつわるヒントをまとめました。片付けしない、できない、置く場所へのこだわりや、家以外で眠れないお子さんにどうアプローチする?「片付けて」と何回いっても片付けてくれない。もしかしたら、「片付けて」という言葉だけだと曖昧で分かりにくいのかもしれません。そんなときは、このような対応を試してみませんか?そろそろ自分からお片付けができるようになってほしい。どうしたら自分から取り組んでもらえるでしょうか?片付けを忘れてしまうのか、飽きてしまうのか……。お子さんのタイプごとのアプローチ方法をご紹介します。片付ける場所を少しでも変えると癇癪を起こしてしまう。こんなときは、どんな工夫をすれば良いでしょうか。「今日もお昼寝できませんでした」連絡帳に書かれた文字を読んでがっくりという保護者の方、こちらのヒントをぜひご覧ください。自宅以外で眠ること、祖父母の家や園のお泊り会はお子さんにとって大きなチャレンジです。少しでも負担が軽くなるようにサポートしてみましょう。すべての親子のヒントが読み放題!発達ナビ無料会員登録がまだの方は今すぐ登録を!その他のサービスも発達ナビでは「親子のヒント」をはじめ、共感できたりお役立ちするコラムを毎日配信中です。無料会員にご登録いただければコラム読み放題のほか、ブログ機能のあるダイアリーや、会員同士が交流できるQ&Aやコミュニティなども使えます。・発達の凸凹にも対応した、 教え方の工夫が分かる!未就学の身辺自立から、中高生の自立に向けたスキルまで580個以上の工夫 を用意しています。・全ての工夫は 指導経験の豊富な、発達の専門家が監修 !現場で用いられる考え方や視点をもとに家庭でできる工夫をご紹介!「鏡文字になってしまう」「発音が不明瞭」「一方的に話してしまう」など、具体的な困りごとに応じた工夫をご紹介しているので、どの年齢のお子さんにも参考にしていただけます。1つの困りごとに対し3つの工夫をご紹介しているので、お子さんに合った工夫のヒントになります。専門家からの実践時のアドバイスもご用意。お子さんに合わせて工夫をアレンジするときに必要な視点を、分かりやすく解説しています。ぜひご活用ください!発達が気になるお子さまが利用できる、全国の施設情報が検索できるコーナーです。お住まいの地域にある発達支援施設などを探すことができます。発達が気になるお子さんの保護者さま向けサービス『発達ナビPLUS』では、オンラインで医師・心理士など発達支援にかかわるさまざまな専門家と繋がり、個別相談やライブ配信、動画、教材などを通して、子育てをサポートします。LITALICOジュニアは、発達が気になる0~18歳のお子さま一人ひとりに最適な学び方と環境を提供し、それぞれに応じた指導を行う教室です。お子さまの未来の可能性を拡げられるようにサポートします。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2023年12月21日「うちの子自閉症なので、なかなか気持ちの整理が上手にできなくて」園バスでの大癇癪で、すぐに息子の障害をカミングアウト現在小学3年生の息子は、2歳で知的発達症、ASD(自閉スペクトラム症)の診断をうけました。2年間の海外生活から日本へ戻ってきた私たち。当時息子は5歳でした。海外ののびのびした環境から急に帰国、かつ新しい幼稚園に通うことは、誰でもとてもストレスがかかることだと思います。しかも、通うことになった幼稚園は隔日登園、保育時間も短時間で、今までとは異なることだらけ。息子もこの変化を受け止めきれず、癇癪が増えてしまいました。特に幼稚園が終わって園バスから降りたあとの癇癪が大変。毎日大声で叫んだり泣いたりする日々でした。楽しい園での遊び時間が短すぎて、大好きな先生とのお別れが早過ぎてつらかったのが理由のようです。大きな声で泣き叫ばれたら園バスを待つ他の保護者の方やお子さんたちも驚くでしょうし、不安に思うでしょう。息子が最初大声を出してしまった時に、私は迷わず、すぐにカミングアウトしました。「すみません、うちの子自閉症なので、なかなか気持ちの整理が上手にできなくて……新しい幼稚園は短時間なのが理解しづらいみたいです……」「大きい声ビックリしちゃうよね、ごめんね~。幼稚園大好きすぎて、おうち帰るのがつらいみたい」などと、その場にいるママさんや子どもたちに明るい感じで、息子の気持ちを代弁していました。カミングアウトをするか迷われる方もいると思いますが、私がすぐ判断できたのは、海外での経験によるものでした。Upload By ユーザー体験談私が積極的にカミングアウトをしている理由息子が年少・年中の2年間、わが家はドイツで暮らしていました。通うことになった幼稚園では、外国人の障害児を受け入れるのは初めてとのこと。私は事前にメールで息子の様子を伝えたり、日本の園での様子を撮影した動画を送ったりして、息子の障害がどの程度なのかを伝えました。送った動画は以下の2つです。1.お弁当箱を自分で片づけ、歯磨きをして、先生の指示で順番に動いている様子2.体育の授業で走り回っている様子当時の私は、「よし、ちゃんと自分で片づけできているな。これなら幼稚園も受け入れてくれるはず」と思いました。でもドイツの園長先生がその動画を見て私に返してくれた感想は、「全然楽しそうじゃないね。目が笑ってない。単に従わせているだけ」。予想してなかった視点でした。この時、私の視点は息子自身の気持ちに向いてないと気づかされました。実際ドイツの幼稚園は非常に素晴らしい環境でした。先生方は日々試行錯誤で息子に対峙してくださいました。教室に入れない息子を園長先生は自分のオフィスに連れて行き、ときには膝に抱っこして一緒にパソコンで好きなキャラクターの画像を探して印刷したり、ときにはご自分はお仕事をしながら隣の椅子で息子を自由に遊ばせたり、ときには一緒にスマホで写真を撮って可愛く加工したり、ときには一緒にお散歩をしたりしてくれました。関わってくださった先生方全員、息子に合わせて接してくれました。この経験のお陰で、息子は人を信じることができるようになり、自分を受け入れてくれる人を探すのが上手になりました。自己肯定感の獲得にも繋がっていると思いましたし、仲の良い友達もできました。Upload By ユーザー体験談そして私の心境も大きく変化しました。ドイツに行く前も充分に息子の障害受容ができていると自分では思っていたのですが、実際には受容できていなかったことに気がつきました。以前の私はというと、仲の良い人にだけはカミングアウトしているのに、知らない人には息子の変な発言や態度に対して、なるべく障害だと思われないようにフォローすることを無意識にしており、気疲れすることが多かったように思います。ですが、ドイツで生活する中で、私はクラスメイトのママパパ全員に、息子の障害について話すようになっていました。こういう経験があったので、日本でも私は迷わずカミングアウトをしたのでした。日本の幼稚園でカミングアウトしたら?ドイツでそのような経験をしていても、日本ではみんなどういう反応をするんだろう……と不安はありました。ですが、返ってきたのは温かい言葉ばかりでした。「わかりますー。うちの子も!大変ですよね……」「友達のお子さんも発達障害で同じような話よく聞きます」「うちもグレーです。早く慣れるといいですね」「知り合いに障害児ママいるから、紹介します」「大丈夫ですよ」など、だいたいは笑顔で受け入れてくれ、同じ環境の人を紹介してくれたり、お友達になったりしました。Upload By ユーザー体験談その時、「あれ?こんなに理解してくれるんだ。自分だけが周りに迷惑をかけてつらいと思っていたけれど、もしかして意外とみなさん発達障害の子どもというものに慣れているのかもしれない」と思って、急に気持ちが楽になったのを覚えています。大規模マンションに住んでいるのですが、子どもの数がとても多いため、同じような環境に対する知識や経験のあるママさんたちが多かったのもラッキーでした。そこで繋がった人とは、その後も個別に特別支援学級や放課後等デイサービスの情報交換をしています。カミングアウトは、息子にも私にもいい影響を与えてくれました日本の幼稚園でカミングアウトしてから、息子にはすぐに目立った変化はありませんでしたが、周りの空気をすぐに察知するタイプですので、周りの大人の目が優しいことを感じ取ってはいたようです。同じ園バスの子のママや、私が話をするママさんとは、その後徐々に自分から声をかける様子も見られるようになりました。そして私は、友達、知人以外の他人にもカミングアウトするようになりました。そして意外にも受け入れてくれる方が多いことに気づき、「そっか、私ひとりで頑張らなくても、周りを頼っていいんだ」と思えるようになりました。以前は、私一人で連れて行くのは大変だからと旅行や遠出も諦めていましたが、「一人で頑張らなくてもいい」ことに気づいてからは、友人家族にお願いして家族ぐるみで旅行にいったり、週末は一緒に遊びに出かけたりすることで、自分自身もリフレッシュできるようになりました。Upload By ユーザー体験談その後、いろいろあって夫とは離婚したのですが、この「他人を頼って生きていい」ということに気づけたからこそ、夫と離婚しても大丈夫だと思え、離婚を決意できたと思っています。息子に「自分は一人ではないこと、周りを頼っていいこと」を知ってもらいたい今はまだ「ママといっしょ!」「ママの服着る」「ママと寝る」と、とにかくママ依存の9歳ですが、いずれ私との別れを経験する日がきます。そうなった時には絶望感に打ちひしがれずに、「僕は一人じゃない。周りの人を頼っていい。助けてくれる人はいる」、そう思って生きていってもらいたい。持ち前の愛想の良さとおふざけ気質はそのままに、上手に周りの人に手助けを依頼できる勇気を持ってほしいです。そして社会の人たちにも、ずっと独りでしゃべっていて「怪しいな」と思うかもしれないけれど、怖くないよ、ピュアで愛らしいところもあるんだよ、ということを知ってもらいたい……。今のうちから息子と社会のコネクションを作って、新しい場所、新しい経験を通じて、生きていける場所の広さを知ってもらいたいたいと思っています。そして願わくは、私がカミングアウトをしている様子を見た同じく障害を持っているお子さんの保護者さんたちが、つらい気持ちを吐き出せる雰囲気を感じてもらえると嬉しいなとも思っています。イラスト/keikoエピソード提供/おかんレベル8(監修:鈴木先生より)海外と日本との違いは多々あります。米国ではお昼はランチボックスを持って外で食べて楽しく過ごしています。対して、日本の給食ではみんな同じものを教室の中で食べます。国によって子どもを取り巻く環境はかなり違います。以前ドイツの友人から聞いた話ですが、ドイツでは就学前にペアトレを行う保護者も多いようです。そういうお国柄なので園長先生の対応もうまくできていたのではないかと思いました。また、カミングアウトしても周りのすべての方が理解するとは限りません。相手の立場への理解の困難さがある人の場合、かえって反発されることもあり得ます。そうしたこともあり得ると心にとめておくといいかもしれませんね。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2023年12月21日星河ばよさんの長男・タロくんが3歳だったころのこと。ばよさんは保育園の先生から「療育相談センターに行ってみますか?」と告げられます。保育園でのタロくんは、ほかの園児と同じ行動ができず、自分の興味のあることしかやらない、すぐに自分の世界に浸ってしまい、集中力が続かないというのです。それは暗に、タロくんが発達障害であることを示すような内容でした。戸惑いながらも療育センターで発達検査を受けると、「発達障害の特性をお持ちです」との結果に。その後、年長さんになったタロくんは、小学校入学を見据えた療育教室に通い始めます。そして、卒園を数カ月後に控えた夏。教育委員会との就学面談が行われ、特別支援学級の見学を提案されました。通常学級を望むばよさんの心は揺れ動きます。普段のタロくんの様子を知るために保育園に見学に行ったところ、そこにはひとり絵本を読む息子の姿が……。ばよさんは肩を落としますが、保育園の先生の「タロくんが頑張れるのは、お母さんという心のよりどころがあるから」という言葉に、救われたような気持ちになったのです。保育園の先生の言葉を受け、ばよさんはタロくんの発達障害を受け入れるきっかけをつかみ始めていました。 そして、教育委員会との就学面談から数カ月後、ばよさん親子は就学相談会の日を迎えます。 ついに迎えた就学相談会の日… 就学相談会から1カ月後に届いた書類に目を通し、ばよさんは、そこに書かれた報告の数々に納得します。そして、肝心の通常学級か、それとも特別支援学級かについての結果は「特別支援学級への就学が望ましい」だったのでした。 ちなみに、ばよさん親子が参加した就学相談会は「行動観察」に当たるようです。これは就学先を決定するための判断材料として、専門家が文字どおり、子どもの行動を観察する機会ですが、ばよさん親子のように参加者が1つの場所に集まっておこなわれるケースのほか、専門家が保育園や幼稚園を訪れておこなわれるケースもあるようです。 就学相談とはそもそも、障害のある子どもや発達に心配のある子どもの就学先を決めるためにおこなわれる、相談の機会のこと。行動観察だけでなく、面談や相談、専門家による診察・診断、就学検討先の見学・体験も就学相談のプロセスの1つです。ただし、就学相談の流れや方法は自治体によって異なり、一概には言えないようです。 いずれにしても、就学相談は保護者による申し込みが基本だとか。気になる方は、各自治体に問い合わせてみてください。 >>次の話 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。著者:マンガ家・イラストレーター 星河ばよ 監修者:医師 神奈川県立こども医療センター 産婦人科 松井 潔 先生
2023年12月20日ももさんが年長の息子・いつくんを支援学級に入れることを決めたときの話。激しいかんしゃくや言葉の遅れなどを心配していたももさんでしたが、パパや周りの人は“男の子だから”と真剣に取り合ってくれませんでした。発達検査を受けようと相談しましたが、パパは断固拒否! 「いつくんを発達障害児にしたいのか!」と責めるのでした。しかし発達障害について調べるようになったパパ……。いつくんに当てはまるものもあれば、当てはまらない特徴もあり、調べてもよくわかりません。 もし検査を受け、発達障害の診断が下されたら……。想像すると「怖い」という感情に苛まれるのでした。パパは検査結果を受け入れる準備ができていなかったのです。一方ももさんはーー。 パパともう一度話し合いたい! でも… パパから発達障害の検査を受けることを全否定され、自分の想定とはまったく異なる反応に驚くももさん。パパには「(発達障害の検査を受けることについて)考えてみる」と言ったものの、ももさんの気持ちはもう決まっていました。 話し合いの時間が取れないまま入学の時期が近くなり、ももさんが勇気を持ってパパに話しかけると、パパは明らかに嫌そうな顔をするのでした。 親なら誰しもわが子に何不自由なく暮らしてほしいと願うもの。話し合いを引き伸ばしてお互いモヤモヤしたままでいるよりも、お互いの気持ちをきちんと伝え、今後のことを考えられるといいですね。それが両親のためだけでなく、いつくんのためにもなるのではないでしょうか。 >>次の話 監修/助産師 松田玲子 著者:マンガ家・イラストレーター メイ
2023年12月20日580個以上の工夫をまとめた専門家監修「親子のヒント」お子さんの成長に伴いぶつかる、さまざまな壁。「一体どうすれば伝わるの?」「何度やっても上手くいかないときは、どうすればいいの?」「他にもっと良い教え方はないの?」お子さんへの関わり方に悩んでしまうことがありますよね。「親子のヒント」では、そんな困りごとに対応した子育ての工夫や教え方の工夫をご紹介しています。今回は着替え、トイレ、食事、お風呂など生活の基本的な動作「身辺自立」についての困りごとへのヒントをまとめました。トイレトレーニングに偏食、食べ過ぎてしまう……。そんなときどうする?トイレトレーニングは、いつから、どのように進めるとよいのでしょうか。そもそもトイレという場所を嫌がってしまったときの対応もご紹介しています。そもそも、なぜ偏食や食べ物の好き嫌いがあるのでしょうか。その背景を見つけて工夫をしてみましょう。家ではトイレに行けるのに、外のトイレが苦手ということはありませんか?お子さんの不安を解消しながら、ステップを踏んで取り組んでみましょう。買っておいた食材やお菓子。「だめだよ」と言っていても勝手にお子さんが食べてしまう……なんてことありますよね。そんなときはどうすればいいでしょうか?食べてくれるのはうれしいことですが、満腹感がないのではないかと心配になるほどいつも食べ過ぎてしまうと心配ですよね。そんなときは、絵カードを使用してみましょう。すべての親子のヒントが読み放題!発達ナビ無料会員登録がまだの方は今すぐ登録を!その他のサービスも発達ナビでは「親子のヒント」をはじめ、共感できたりお役立ちするコラムを毎日配信中です。無料会員にご登録いただければコラム読み放題のほか、ブログ機能のあるダイアリーや、会員同士が交流できるQ&Aやコミュニティなども使えます。・発達の凸凹にも対応した、 教え方の工夫が分かる!未就学の身辺自立から、中高生の自立に向けたスキルまで580個以上の工夫 を用意しています。・全ての工夫は 指導経験の豊富な、発達の専門家が監修 !現場で用いられる考え方や視点をもとに家庭でできる工夫をご紹介!「鏡文字になってしまう」「発音が不明瞭」「一方的に話してしまう」など、具体的な困りごとに応じた工夫をご紹介しているので、どの年齢のお子さんにも参考にしていただけます。1つの困りごとに対し3つの工夫をご紹介しているので、お子さんに合った工夫のヒントになります。専門家からの実践時のアドバイスもご用意。お子さんに合わせて工夫をアレンジするときに必要な視点を、分かりやすく解説しています。ぜひご活用ください!発達が気になるお子さまが利用できる、全国の施設情報が検索できるコーナーです。お住まいの地域にある発達支援施設などを探すことができます。発達が気になるお子さんの保護者さま向けサービス『発達ナビPLUS』では、オンラインで医師・心理士など発達支援にかかわるさまざまな専門家と繋がり、個別相談やライブ配信、動画、教材などを通して、子育てをサポートします。LITALICOジュニアは、発達が気になる0~18歳のお子さま一人ひとりに最適な学び方と環境を提供し、それぞれに応じた指導を行う教室です。お子さまの未来の可能性を拡げられるようにサポートします。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2023年12月20日3人家族のわが家。夫婦で性格は正反対現在19歳の娘は3歳でASD(自閉スペクトラム症)と診断されました。娘は明るく穏やかですが、思う通りにいかないと多少パニックになるところがあります。小さな頃から絵画教室に通っていることもあり、絵を描くことが大好きです。夫は現在59歳です。冷静沈着で客観的、物事を俯瞰して見ることができるのですが、一方で、冷たい人といった淡白な印象を受けるかもしれません。私は夫とは全く真逆で、どちらかというとすぐに頭に血がのぼりがち。このようにお互いが全く違う性格だったため、結婚して最初の数年は些細なことでよくけんかをしていました。ですが、娘が生まれてから少しずつ、歩み寄れるようになりました。Upload By ユーザー体験談ワンオペ育児から、子ども関係のものは夫婦一緒に行動するに変わるまで結婚から数年後、待望の赤ちゃんを授かりました。ですが当時から夫は仕事が忙しく、子どもが生まれてからも毎晩の帰宅は23時過ぎ。育児は私のワンオペでした。初めての育児に一人で向き合うのはとても孤独でした。そして成長するにつれ、パニックや不安の強い娘を見て「他の子と違う?」と感じることが増えてきた私。一人で抱えることができず、夫にその不安を伝えるようになりました。夫も仕事で疲れていたはずですが、家族二人きりだけだった時とは違い激しいけんかになることはありませんでした。かけがえのない娘のことです、真剣に話を聞いて、冷静に状況をまとめてくれました。Upload By ユーザー体験談発達相談へ行くことから始まり、娘は3歳でASD(自閉スペクトラム症)と診断されることになります。当時は発達相談など娘に関わることは、できるかぎり夫にも一緒についてきてもらうようにしました。忙しい夫にすべて同行してもらうのはなかなか難しかったのですが、ともかく一緒に行こうと努力してくれたことは、夫婦の繋がりを強くしたと思います。また一緒に行けると娘の発達に関する認識を共有しやすく、夫婦で意見が違っても、お互いに歩み寄るのがスムーズで良い事だらけでした。その後、娘は特別支援学校へ入学。入学式や授業参観、運動会、学校祭、卒業式など、娘が参加する学校関連のイベントもできるだけ、夫と私で一緒に行きました。夫とイベントに参加して、「娘はこんなことをしてたね」「こんなことに気付いたよ」といったことを話すことで、「娘は、こんな特性がある子どもなんだ」と娘への理解も深まったと思います。Upload By ユーザー体験談夫に似た娘は片付けができなくて…このように二人で娘を見守ってきましたが、夫と娘それぞれを見ていて「親子って面白いな」と思ったのは『片付け』です。夫は片付けが大の苦手です。書斎の机の上は、いつも物が山のように積まれています。夫は家で持ち帰った仕事などをするのですが、物の中のわずかなスペースにパソコンを押し入れて作業しています。よく文字が打てるなあといつも感心しています。娘も夫に似て、片付けが苦手です。特性もあって物事に夢中になると、周りの事が見えなくなるためか、より物を散らかします。Upload By ユーザー体験談私はとにかく散らかっているのが嫌な性分なので、嫌がるのは分かっていても夫の書斎や娘のものを 時々勝手に片付けてしまいます。すると、あれがないこれがないと文句を言われてしまいますが……。そんな二人ですが、19歳になった娘はだんだんと片付けることができるようになってきたのです。今の娘は自分が使う机まわりや、引き出しを取り出しやすいよう綺麗に整理しています。なぜできるようになったかというと、現在就いている職業が関係しているのです。娘は食品を扱う仕事をしているのですが、使用したものはきちんと所定の位置にしまう、一つを出したらいくつも同じものを出さないなど、職場で徹底されています。それもあって片付けを意識できるようになったのでしょう。「習うより慣れろ」だったのですね。一方夫はまだ片づけられません。これは直らないかな?と思いつつも、娘が克服したように日頃から「出したらしまう」を徹底すれば治るのかもしれないと、ちょっと思っています。人生の折り返し地点を越え、これからも夫婦として歩んでいきたい娘も大きくなり、いままで夫婦二人三脚で乗り越えてきた子育てもだいぶ落ち着いてきました。娘には目標である一人暮らしに向けて、お金の管理や食事作りなど一歩一歩本人のペースで積み重ねていってもらえたらと思っています。夫も私も50代後半で、人生も折り返し地点。もう30代の頃のように激しくやりあうような大げんかをすることはないでしょう。心地よい距離を保ちながら、親しい夫婦としてこれからも歩んでいければと思います。イラスト/マミヤエピソード参考/アダチ ハルエ(監修:鈴木先生より)思い通りいかないとパニックになるのはASDの易刺激性からくるものです。ひどい場合はアリピプラゾールという抗精神病薬で抑えることが可能です。片づけが苦手なのはADHDの特性や遺伝的な要素があるのかもしれません。親御さんにも発達特性があるのかもしれませんね。性格は正反対でも、二人三脚ができるのは幸せなご夫婦だと思います。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2023年12月19日ももさんは、年長の息子・いつくん、パパとの3人家族。義両親はやさしく、関係も良好で、義実家への帰省もまったく苦ではありませんでした。しかしある日の帰省の夜……。ももさんは、いつくんの支援学級進学を義両親に報告しました。義両親は戸惑いながら「必要ないでしょ!」と反対します。 そんな義両親を前にオドオドする夫……。そんな夫を見てももさんは、運動が苦手ないつくんに野球をさせようとしたときのことを思い出したのでした。 ママがパパに発達障害の検査を提案すると… ももさんは、いつくんが運動を苦手としていることより、激しいかんしゃくや言葉の遅れがあることが気になっていました。しかし、それをパパや周りの人に相談しても“男の子だから”と真剣に取り合ってもらえません。 それでもいつくんの将来を考えたももさんは、一生懸命夫に説明します。しかし夫は受け入れられず、大きな声でももさんを制したのでした 幼少期に発達障害を見極めるのは難しいもの。だからこそ、検査はとても大切です。特性がわかれば、その子にあった関わり方がわかります。 身近で見てきたママの小さな違和感を、大事にしてほしいですね。 >>次の話 監修/助産師 松田玲子 著者:マンガ家・イラストレーター メイ
2023年12月18日幼少期から不器用さがあった息子現在6歳の息子は、4歳でADHD(注意欠如多動症)、ASD(自閉スペクトラム症)の診断を受けました。息子は手先の不器用さがあり、できないと癇癪を起こしますが、できるように練習することも嫌がります。どうすればいいのか……長く頭を悩ませてきました。3歳頃、ボタンやファスナーをとめるのが難しく、園から自分でできるようにと言われたため、家で何度も練習させていました。また、折り紙や塗り絵、絵を描くことは自分からすることはほぼありませんでした。興味がないだけかと思っていましたが、手先を使う事が苦手だと自覚があったのかもしれません。おはしも上手く使えません。練習も嫌がり、いまだに習得できずにいます。年少時、初めての運動会のかけっこで2位だった時に大号泣。先生に抱っこされながら退場しました。そこから勝敗のこだわりが強くなりました。体にも不器用さがあるのか運動は苦手なのですが、1番にこだわりがある息子。体操教室に通っているのですが毎月のテストが一度でクリアできないと癇癪を起こします。でも練習するのは嫌みたいで、なんとも解決のしようがありません……。Upload By ユーザー体験談授業参観で寝そべって抵抗する姿に他の保護者がドン引き……小学校に入学すると勉強や集団行動が増え、息子は荒れることが多くなりました。小1の授業参観の時のことです。それぞれが育てた朝顔を観察し、花の絵と文章を書くのが課題でした。ですが息子の朝顔は花がすべて閉じてしまっており、咲いている花が1つもなかったのです。「咲いてる花を(私たちに)見せたかった!」「咲いてないから描けない!」と息子はずっと泣いていました。先生や私が「閉じてる花や葉っぱでもいいと思うよ」と伝えますが、本人の中では咲いている花を描きたかった(描くべきだ)と思っていたようで、考えは変わりませんでした。担任の先生は「こうやって書くよ」と葉っぱを少し描いてくれたものの、息子の気持ちは変わりません。そして、ついに校庭に寝そべって癇癪を起こしました。ああ、こうなってしまったか……と思いました。仕方ないと割り切ってはいますが、他の保護者のみなさんが、荒れる息子を見ないように気を遣ってくれているようで気になりました。家ではここまで騒ぐことはなかったので、対策が必要だと痛感しました。Upload By ユーザー体験談先生がすすめてくれた対策「暗号問題」でひらがなを攻略息子は手先の不器用さがあるので、ひらがなを書くことなどに苦手意識が強くありました。また、興味がないことはやりたくないという気持ちが強かったので、療育の先生や支援教室の先生と話し、興味のある「数字」と組み合わせたクイズ形式で学んでもらおうということになりました。クイズを解き、回答をひらがなで書いていくようにしたら、クイズに数字が入っていることや、解いていく快感があったのでしょうか。効果てきめんで嫌がらず、ひらがなを書いてくれるようになりました。また、絵は自由課題になると難しいので、何を描くか、どう描くか具体的に伝えてもらうことで、描けるようになりました。それでも嫌がるときは、見本を見て「この見本みたいに描いてみるといいよ」と伝えると、迷わず描けたようです。これで絵を描くことへのハードルが下がったようです。Upload By ユーザー体験談できなくても「まぁいいか」を目指して……!家でやった工夫運動は苦手だけどできないことは許せない、でも練習も嫌という息子。「まぁいいか」と思えるようになるか、練習してできるように頑張るか、どちらか一つでもできれば……と思いながらも、どうアプローチするのがよいのか難しく、頭を悩ませていました。まずは「まぁいいか」と思う場面がどのようなものか、見せる機会を増やす取り組みをしました。例えば、私と子どもでゲームをしたとき、「負けちゃったけどまぁいいか。もっとできるように練習しよう~」と口に出して言うようにしました。また、「ママが勝つと息子くんは泣くから、ママは負けるね」と宣言してみると、息子は「本気でやっていいよ。そうしないとつまらないから」と言うようになり、『ゲームは本気でやることが楽しいんだ』という視点を持てるようになったようです。ただ、実際負けたら泣きましたが……。声がけを意識するようになっても長く効果を感じることはなかったのですが、ここ最近は少しずつですが妥協して切り替えられることが増えてきたように思えます。先日は弟に負けても怒らず「弟くんの勝ちだね」と拍手してあげられ、成長を感じました。Upload By ユーザー体験談できなかったことができたときは「頑張って練習したからだね」「この前より上手になってるね」など言葉にして伝えるようにしていますが、苦手なことに向き合い、練習するという気持ちにはまだなれないようです。でもくじけずこのまま声がけを続けたいと思っています。「自分はそれでいい」と納得できるようによく息子は「自分はできない」とか「他の人より全然できない」と言いますが、自分は自分、それでいいんだと思えるようになったら、こんなに心強いことはありません。自分に必要なことは努力できる力、どうしても難しいことは、他の方法がないかさまざまな選択肢から選び取れる力がつけば、きっと人生を楽しく歩んでいってくれるのではないかと思います。私も息子にどのように伝えたらいいのか、試行錯誤していきたいと思っています。イラスト/海乃けだま※エピソード参考者のお名前はご希望により非公開とさせていただきます。(監修:森先生より)こだわりが強いと、「正しいパターン」がたった一つしかないかのように感じてしまっていることがあります。現実には「正しいパターン」が無数にあるということを、まだ知らないのです。確かに図鑑や絵本でよく見る朝顔は「咲いている朝顔」です。でも、種も、芽も、葉っぱも、つぼみも、どれも「正しい朝顔の姿」です。勝負も同じ、物語なんかでは「主人公が勝つ」パターンが多いので、それが絶対の正解のように思ってしまいますが、実際は「弟が勝つ」のも楽しいゲームの遊び方としては「正解」です。「まぁいいか、これからもっと頑張ろう」というプラスな考え方も正解の一つだよ、と伝える今の教育方針は、とてもあたたかくて柔軟で素晴らしいですね。「これもみんなが喜ぶ結果につながるんだ、じゃあこれも正解なんだな」というように、これからも、お子さんの中での「正解」のパターンを増やしていけるといいのではないでしょうか。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2023年12月13日ASD(自閉スペクトラム症)と知的障害(知的発達症)がある息子現在9歳の息子は、2歳でASD(自閉スペクトラム症)、3歳で知的障害(知的発達症) と診断され、療育手帳を持っています。2歳から児童発達支援、そして年中からは子ども園へも通い始めました。息子は人の顔や名前を覚えるのが得意で、こだわりが強いタイプです。また言葉の発達が遅く、言いたいことを伝えられずもどかしいためか、児童発達支援に通い始めた2歳の時からときどき他害行為が出るようになりました。2歳から始まった他害行為。年中では頻度も増えてしまい……2歳から始まった息子の他害行為は、お友達の持っているおもちゃを使いたいときに相手の髪を引っ張る……というものでした。そして年中から児童発達支援だけでなくこども園にも通うようになると、新しい環境に慣れるのが大変だったせいか、他害行為の頻度が増えていきました。特にこども園ではたくさんの言葉が行き交う環境でしたので、ようやく2語文が話せるようになった息子は、おそらく言いたいことが言えなかったのだと思います。お友達が使っているおもちゃを欲しがり「貸して」とお願いしたのに貸してもらえないとき、貸してとお願いすらしていないがほしいとき、自分のお気に入りのおもちゃ(自分の物ではないのに)をお友達が使っていたとき……さまざまな理由から他害につながりました。Upload By ユーザー体験談支えてくれた優しい先生方、なるべく話すようにしたママ友他害行為が増えた年中の時、周りにも申し訳なく、どうすればいいのか分からず、つらくて私は登園させたくないとまで思い詰めていました。児童発達支援へ電話をし「どこも具合悪くないのですが、今日は休みます」と伝えたところ、先生は「どうしたの?」ととても心配してくれました。まずその電話で話を聞いてくれ、後日面談も行い、アドバイスをしてくれました。Upload By ユーザー体験談こども園の先生も親身に接してくれました。先生は息子をいつも気にかけてくれ、息子が手が出そうなときは近くにいってさりげなく防いでくれたり、お友達を押す、髪を引っ張る、叩くなど他害行為をしたときは、必ず先生も一緒に相手のお親御さんへ謝ってくれました。一人ではない、先生が一緒に息子の他害に向き合ってくれている、そんな支えがいつも私を励ましてくれました。また私は時間さえあれば他の保護者の方たちとなるべく話したり、交流するように心がけました。トラブルがあったときは、直接顔を合わせて謝るようにしました。みなさん普段から私が息子の他害行為に悩んでいるのを知っているせいか、息子が他害しても不快な表情も出さず優しく対応くれました。こども園では、お友達が「息子くんに髪を引っ張られたんだよ」と教えてくれることがありました。そういうときは、お友達に「痛かったね、ごめんね」と伝えるようにしました。子どもたちは私の言葉を聞くと、いつも「いいよ」と許してくれました。優しい子どもたちに恵まれたと思います。こども園へは誰よりも遅く登園し、誰よりも早く帰宅していたので他のママに会う機会があまりありませんでしたが、みなさん「お互い様ですよ」という雰囲気で接してくれたのがうれしかったです。Upload By ユーザー体験談息子の他害行為に変化が?息子が年中になった時、児童発達支援に年少のお友達が入ってきました。そのお友達はよく走るお子さんで、その子のあとを追いかけるのが楽しい息子は、お友達と会えるのを楽しみにしていました。その日も息子は、お友達と一緒に走るのを楽しみに登園しました。ただ、いつもそのお友達のママが「一緒に走ろう」と誘ってくれるのですが、その日はママはおらずそのお友達だけでした。息子は一緒に走りたいのに、お友達は誘っても走ってくれません。すると息子は、泣きべそをかきながら、そのお友達の髪を引っ張ってしまいました。私は慌てて止めましたが、その一方で「あること」にびっくりしました。それまでの息子は人ではなく物に関心があり、それまでの他害行為は欲しい物が手に入らないから、相手の髪を引っ張ることばかりでした。ですが、この時初めて物ではなく人に関心を持ち、一緒に遊んでほしくて怒ったのです……。他害行為は決して許されることではないのですが、物ではなく人に関心をもつようになった息子の変化に驚きました。年長で他害行為は減り、小学生になった今は友達とのトラブルはなくなりました年長に入ってからは児童発達支援でもこども園でも他害行為はほとんどなくなりました。少し言葉も増え、気持ちを伝えられるようになったというのもありますし、環境に慣れたというのもあったからだと思います。就学前は、子ども園には通わず児童発達支援だけ通わせればよかったのかと何回も思いましたが、小学校に入学して間もないまだ慣れていない時にこども園のお友達と昼休み遊んでいた話を担任の先生から聞き、こども園にも通わせていてよかったと思いました。9歳になった息子は、お友達のことが大好きです。今はお友達とのトラブルはありません。ただ先生の言うことを聞けないとき、特に好きなことをしている場面で切り替えられないとき、先生や支援員さんに対してひっかいたり、髪を引っ張るなどの他害行為が出てしまうことがあるようです。他害行為が完全になくなったわけではないので、もっと気持ちを伝えられるようになれるといいなと思っています。他害という形ではなく、気持ちがきちんと伝えられたり、切り替えができたり、気持ちのコントロールができるように成長していってくれたらと願っています。Upload By ユーザー体験談イラスト/カタバミエピソード参考/ゆきこ(監修:鈴木先生より)自閉スペクトラム症の他害行為は一種の縄張り意識の現れとも考えられています。相手が自分の縄張り範囲内に入り近づくと攻撃する場合がみられます。ただ、環境に慣れたり、言葉が増えてきたりするとこうした縄張り意識は軽減していくこともあります。知的発達症を伴っていると言葉での説明が難しいことも多く、気持ちがうまく伝えられない場合にはどうしても手が先に出てしまいがちです。他害行為をしない環境に配慮するような工夫が大事です。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2023年12月11日星河ばよさんの長男・タロくんが3歳だったころのこと。ばよさんは保育園の先生から「療育相談センターに行ってみますか?」と告げられます。保育園でのタロくんは、ほかの園児と同じ行動ができず、自分の興味のあることしかやらない、すぐに自分の世界に浸ってしまい、集中力が続かないというのです。それは暗に、タロくんが発達障害であることを示すような内容でした。自分の息子に発達障害の可能性があるとは思いもせず、大きなショックを受けますが、同時に療育センターに行く必要があるのか、すぐには信じられません。ばよさんは長男が2歳まで通っていた保育園の先生やママ友に相談しますが、それでも答えは見つからず、枕を濡らす毎日を過ごしていたのです。「なんで、どうして? 本当に?」——。 息子のタロくんが発達障害である可能性を信じきれず、療育センターに足を運ぶかどうか、ばよさんは悩み続けます。 孫の発達障害の可能性を伝えると… ばよさんの実母も義母も、タロくんの祖母2人は驚きはしても取り乱すことはなく、療育センターに行くことを勧めます。ばよさんは安堵する反面、「悩んでいるのは私だけ……」と、孤独を深めてしまいました。 しかし、出口の見えない孤独と苦しさがかえって後押しとなり、療育センターに電話をかけることができたのでした。 “療育”とは「医療」と「教育」をおこなうこと。“発達支援”とも呼ばれ、何かしらの障害が認められた場合のみならず、障害の可能性や心配のあるお子さんにも広がりを見せている教育のかたちであり、支援のかたちです。 そして、ばよさんが電話をかけた“療育センター”は、作業療法士、理学療法士、言語聴覚士、臨床心理士、臨床発達心理士といった専門家が客観的に子どもの特性を把握し、その子に合った療育を提供する機関です。 療育センターは各自治体に設置されているため、お子さんの特性にかかわらず、ひとつの知識として、その存在を知っておくことも無駄ではないはず。何かのときに、助けになるかもしれません。 >>次の話※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修者:医師 神奈川県立こども医療センター 産婦人科 松井 潔 先生 著者:マンガ家・イラストレーター 星河ばよ
2023年12月09日不器用で学校も休みがちだった息子現在14歳の息子は、小学1年生の時にASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如・多動症)と診断されました。小さい頃から不器用さが目立つと共に、音や匂いに対する感覚過敏があったため、集団生活では疲れてしまう息子。小学2年生~中学1年生までは学校を休みがちで、何かと心配でした。なぜ手を離す!?ブランコ流血事件といつも反対方向に動いてしまうラジオ体操息子が6歳だった時のことです。公園で息子はブランコをしていたのですが、いきなり手を離し後頭部から落ちて、地面の石にゴツン!頭から出血してしまいました。派手に出血したので慌てて病院に行き、縫ってもらいましたが、吐いたりすることもなく大事には至りませんでした。Upload By ユーザー体験談落ち着いてから息子になぜ手を離したのか聞いてみると、手を離したらどうなるかと思ってやってみたと言うので驚きました。おそらく、手を離したら体がどのような動きをするかが想像できなかったのだと思います。普段からボディイメージが弱いのではと思っていましたが、それが原因なのかもしれないと思った私。今後もケガにつながりそうで怖いと思ったので、ブランコ遊び中に、手を離すと落ちてケガをするので、離さないようにと息子に伝えると共に、他の動きについても細かく教えていく必要があると感じました。Upload By ユーザー体験談この時はまだ診断前でしたが、息子は何かが違うという違和感がありました。また息子はラジオ体操も苦手でした。いつも前屈で膝が曲がってしまいましたし、周囲と反対方向に動いてしまいます。幼稚園から小学低学年まで、運動会でラジオ体操をする時間があったのですが、その動画を撮影しながら周りとはあまりにもかけ離れた息子の動きに、かわいらしいとつい笑ってしまいました。ラジオ体操の動画を見せ本番に向けて家で数回練習しても、あまり上達は見えません。ただ、本人は体操できないことをあまり気にしていなかったのが幸いでした。家で行った不器用対策は「ともかく予習すること」このような息子だったので、初めて何かに取り組むときは、なるべく家で練習するようにしていました。蝶結びや習字、裁縫や彫刻刀などは、やり方が説明されている動画を見て授業前に自宅で予習です。物の使い方というものは対面で教えるのがなかなか難しいため、私は息子の横に座って、手取り足取り教えるなどしていました。また道具選びにも注意して、コンパスといった文房具は不器用な子どもでも使いやすく工夫したものを利用しました。息子は利き手が決まらなかったので、今もはしは右手持ち、鉛筆は左手持ちです。蝶結びができるようになったのは、小学3年生でした。不器用さはついてまわりましたが、少しずつできるようになっていく様子をみるのはうれしいものでした。Upload By ユーザー体験談息子は小学2年生~中学1年生までは学校を休みがちで、小学5年生、6年生の2年間だけ通級指導教室を利用しましたが、それ以外は通常学級でなんとか過ごしていました。中学生になってもこのまま学校に行ったり休んだりなのかなと思っていましたが、中学2年生の時に息子に大きな変化があったのです。それ絶対苦手じゃない!?母の心配をよそに中学2年生で運動部に入部した息子は……中学2年生になった息子は、なんと友人から誘われて集団競技の運動部に入部したのです。ただでさえ学校を休みがちでしたし、その上部活までできるのか不安でした。それに、不器用さがあるので運動が苦手な面があるのはもちろんですが、瞬時の判断や相手に負けない気持ちやぶつかる場面などがあるスポーツなので、争いが苦手な息子には1番不向きでは?とびっくりしました。ですが、母の予想に反して部活に入ってからの息子はどんどんいい方向に変わっていきました。まず、なぜ学校に行かなければならないのかと言わなくなり、休まず登校できるようになりました。友人関係も良好になり、休日も遊ぶ仲間ができました。Upload By ユーザー体験談当然毎日忙しくなります。そこでたまったストレスを解消し充電する時間として、下校後や部活動後にトイレにこもるようになりました。ですが、その時間を過ごせば、また学校へ行って部活ができるので、これは息子なりの回復方法、許容範囲内だと思っています。そして約2年間部活に通い続けた息子は、心身共に強くなりました。一方で、学習面でも塾を利用しながら勉強方法のコツをつかんで、中学3年生で成績が伸びました。忘れ物や整理整頓が苦手でうっかりミスが多いですが、大事なものはなくさないように意識できるようになり、家の鍵をなくさなくなりました。感覚過敏もほぼなくなったように感じます。思春期で親には塩対応ですが、これも成長の証。大きな成長をただただ目を細めて見ています。目標は一般就労と一人暮らし!きっと叶えられるよ!現在の息子の目標は一般就労と一人暮らしです。中学での大きな成長を見る限り、このまま頑張り続けてくれれば、夢ではないのではと思っています。息子は実行機能が弱く、後回し癖がある点が心配なのですが、だんだんとやるべきことを優先できるようになっていってほしいです。仲間と楽しく過ごして、自立に向けて家事や金銭、健康、時間管理の術を身につけていって人生を謳歌してくれたら、こんなにうれしいことはありません。イラスト/吉田いらこエピソード参考/カピバラ(監修:藤井先生より)ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如・多動症)と診断されていても、成長はそれぞれ違いますね。14歳になる息子さんの成長を読ませていただき、そのことを実感いたしました。なるべく、生活に支障がないようにと、できることはしてあげたい親心からいろいろサポートしても、それをしたからすぐに実を結ぶとは限りません。友人との出会い、好きな趣味との出会い、などさまざまな経験も成長の糧になることがあります。「大きな成長をただただ目を細めて見ている」とのこと、とても良いなと思いました。わが子ゆえ、気になることはあるのかもしれませんが、お子さんのペースで成長している様子を見守るのも大切ですね。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2023年12月07日プレゼントにも!発達障害フレンドリーな人気商品をご紹介「発達ナビ×フェリシモ」発達が気になるお子さんや保護者さま、当事者の方が便利に快適に過ごせるためのグッズづくりは、第5弾が進行中です。今回は、これまで開発した中から5商品をご紹介します。「見えなくなると(隠れると)中身を忘れてしまう」という声から生まれたアイテムです。メッシュ素材で中身が見えやすく、仕切りは取り外し可能で自分仕様にカスタマイズOK。正面と側面に便利なアイコンカードが入れられるポケットがあるので、家族で使い分けもできます。持ち運びしやすい持ち手付き。Upload By 発達ナビ編集部※ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから株式会社フェリシモのサイトに遷移します「かばんを替えるとカギや財布を忘れてしまう」「ハンカチがかばんの底でぐちゃぐちゃになる」などの声から生まれた、バッグの持ち手に簡単に固定できるバッグインウォレット。メッシュ素材で中身が見やすいのはもちろん、がばっと開くじゃばら仕様で取り出しやすいのもポイント。財布やカギ、スマホやハンカチなどをひとまとめにしておけば、バッグを替えたときの忘れ物防止にも。Upload By 発達ナビ編集部※ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから株式会社フェリシモのサイトに遷移しますうっかり忘れ対策に便利な人気アイテムです。服薬の管理やお子さんの支度、持ち物チェック、勉強の目標など、曜日で異なるルーティンワークを可視化し、ワンタッチでチェック可能。壁に掛けられるほか、裏面にはマグネットも付いているので、冷蔵庫に貼るのもおすすめ。タスクボード上にイラストも描けるため、お子さんにも分かりやすく伝えられます。Upload By 発達ナビ編集部※ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから株式会社フェリシモのサイトに遷移します座り姿勢をサポートする座面クッションと、正しい足の位置がひと目で分かる足もとマットのセットです。お子さんの座り方が気になるけれど、「ちゃんと座りなさい」と注意が曖昧になりがち……。そんな保護者の方も、具体的に座り方を伝えられます。クッションは両面すべり止めつきなので、体幹が弱いお子さんでも安定感が持続します。Upload By 発達ナビ編集部※ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから株式会社フェリシモのサイトに遷移します「文房具が見つからなくて勉強や作業がなかなか始められない」「ものをどこに片づけたのか分からなくなる」といった声から生まれた、まるごと持ち運びできるお道具箱です。仕切りで見やすく整理できて、入れるものの定位置が分かるように貼れるアイコンシート付き。ふたは一体型で、中にはA4ファイルなどを挟めるゴムが付いています。お薬や手芸、メイク道具の収納にもおすすめ。Upload By 発達ナビ編集部※ボタンをクリックすると発達ナビのサイトから株式会社フェリシモのサイトに遷移します『カラフル収納BOX』『タスク管理リストバンド』は2024年3月発売予定!発達ナビ×フェリシモC.C.Pコラボ商品企画第5弾では、発達ナビの「みんなのアンケート」や、教員、放課後等デイサービスのスタッフの方にお集まりいただいたオンライン座談会やサンプルのモニターを経て、『カラフル収納BOX』『タスク管理リストバンド』の商品化が進行中です!発売は2024年3月中旬ごろを予定していますので、お楽しみに!
2023年12月06日とても良かった夫婦仲。変わったきっかけは息子でした夫とは5年つき合ってから結婚。結婚して6年目に子どもを授かりました。その11年間、一度もけんかしたことはありません。夫は聞き上手で穏やかな性格だったので、よく一緒に出かけたりするなどずっと仲は良かったのです。夫婦で何かを決めるときも、必ずお互いの意見を聞き合って決めてきました。その関係性が何となく変わってきたのが、息子が2~3歳くらいになったあたりでした。穏やかな夫が子どもを怒鳴る姿にショックを受け……イヤイヤ期を境に、息子には衝動性の強さやこだわりの強さ、多動傾向が見られるようになってきました。そんな息子が癇癪を起こしたときや、不注意で食べ物や飲み物をこぼしたときなどに夫が大きな声で息子を怒鳴りつけることがしばしば起こるようになったのです。私の実父は超温厚で静かな人でした。かつ私には男兄弟もいなかったので、男性が怒鳴る姿に免疫がなく、しかも夫のそういうところを見たのが結婚して初めてだったので、少なからずショックを受けたのを覚えています。息子は恐怖で一時的にフリーズして、「ごめんなさい」とは言うものの、「何が原因か」「どうすれば次は失敗しないか」といったことにまでは考えが及んでいない様子。正直、「こういう怒り方は意味がないな」と思いはしたのですが、私が夫にそう伝えることで夫が子育てに関わろうとしなくなったら良くない気がしたので、あえて夫には何も言わず、私は息子をなだめる側に回りました。実際、その後も息子の不注意で夫が怒鳴る姿はしばしば見られました。Upload By ユーザー体験談発達検査で発達の遅れがわかるも、受け入れられていない印象だった夫その後、息子が3歳9ヶ月を迎えた頃、息子の発達について市の発達支援センターに電話相談をしたことをきっかけに、息子が通う保育園で発達検査を受けることになりました。その際には夫にも同席してもらい、息子には認知機能の弱さをはじめとする発達の遅れが見られることを担当の専門員の方から伺いました。後日「全領域DQ(発達指数)80」という数値もわかりました。Upload By ユーザー体験談それにもかかわらず、夫は息子の発達に関してどこか受け入れられていない印象でした。「人は誰しも苦手なことはあるものだし、検査を受ければそういう結果になる子は多いのでは?」「検査結果を理由に過保護になりすぎてはいけないと俺は思う」といった反応だったように記憶しています。Upload By ユーザー体験談夫が息子の障害受容をしたきっかけはですが、その後も発達検査を半年~1年に1度くらいのペースで受けることになり、そのつど夫婦で同席するようになっていく中で、夫の息子への理解も少しずつ変わっていったように感じています。「根性論だけで叱っても、息子には伝わらない」「息子に何かを伝えるときは、息子が分かるよう工夫して伝えないといけない」といったことを感じたのではないかと思います。また、テレビで児童精神科を舞台にしたドラマが放映されていたとき、私が毎回録画して見ていたら、夫も一緒に見るようになりました。そのときにドラマに出てきた発達障害の子どもたちの行動パターンやしゃべり方が、うちの息子にそっくりだったのを見て、夫はどこか腑に落ちた様子だったようでした。その頃あたりから、息子を怒鳴りつける回数は減ったように思います(ゼロになったわけではありませんが)。わが家では、あのドラマの効果は結構あったように思いました。Upload By ユーザー体験談子育てをすることで分かった夫の別な一面。これからも話し合って進んでいきたい子育てが始まるまでは、夫のことを「情緒の安定した、できた人」だと思っていました。ですが、特性のある息子の子育てが始まってからは、受け入れがたい出来事に直面した時の対応の難しさなど、夫の子どもっぽい面にも気づきました。おそらく、夫から見た私も然りなのではないかと思います。でも、何かあるたびに、話し合って二人で決めていく姿勢は、子どもが生まれる前と変わりません。そこは今後も変えずにいけたらなと思っています。イラスト/SAKURAエピソード参考/苗(監修:室伏先生より)旦那様の息子さんへの接し方の変化や、それに対する苗さんのお気持ちを共有してくださり、ありがとうございます。外来でも、ご家族間(お父様だったり、おじいさま・おばあさまだったりさまざまです)での意見の違いについてご相談をいただくこともありますし、共感される読者様も少なくないかもしれません。子どもが可愛くてしょうがなくて、みんな子育てに一生懸命だからこそ、価値観の衝突が生じることもあるでしょうし、家族そして自身の喜怒哀楽さまざまな感情に気づく場でもありますよね。特性を理解することは、発達障害についての知識がないとなかなか難しいことですし、旦那様もとても戸惑われたと思います。旦那様はさまざまな葛藤を乗り越えて知ろうとしてくださり、苗さんは旦那様のお気持ちを考えられて理解してくださるのをぐっと待たれたのだと思います。とても素晴らしいことだと思います。これからも素敵なご夫婦、ご家族でいらっしゃることと思います。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2023年12月03日無料の参加登録受付中!発達が気になるお子さまやご家族へ届けたい、オンラインセミナーが12/9(土)に開催決定Upload By 発達ナビアライアンス プログラム図鑑が大好きで飽きることなく眺めている。ゲームが大好きで自分でもプログラミングして楽しんでいる。難解な専門書も興味深く読む。一方で、興味のない勉強は一切やりたがらない。興味関心の幅が激しいお子さまへ、どう接したらいいのだろうか。もっと好きや得意を伸ばすにはどうしたらいいのだろうか。進路はどうなるのか……。関わり方に悩んでいる保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。発達ナビではこのようなお子さまとそのご家族に、ご自宅で情報を得られる機会をお届けするために「ギフテッドセミナー」を開催します。・日時:2023年12月9日(土)9:30~12:35(予定)・参加費:無料・形式:Zoomウェビナー配信・参加方法:事前申込必須。下記ボタンよりお申し込みください。・内容:専門家講演、すべてのお子さまを応援する企業によるセミナー※企画調整中のため、今後変更となる場合もございますオンラインセミナーの内容をご紹介Upload By 発達ナビアライアンス プログラム「ギフテッド」について関心のあるご家庭も多いのではないでしょうか。本セミナーでは、公認心理師で、LITALICOジュニアとLITALICO発達ナビのチーフスーパーバイザーも務める菅佐原洋先生が登壇、年齢別に見られる「ギフテッド」の特徴や、お子さまへの関わり方について分かりやすく解説します。さらに、セミナー後半では講演中チャットに寄せられた保護者の方の不安やお悩みについて先生がお答えします。講師:菅佐原洋氏公認心理師/臨床心理士/臨床発達心理士慶應義塾大学社会学研究科博士課程。博士(心理学)慶應義塾大学先導研究センター、常磐大学助教を経て、現在LITALICOジュニアとLITALICO発達ナビのチーフスーパーバイザーに。これまで、発達障害のあるお子さまへの直接支援、幼・小・中学校での特別支援アドバイザー、大学・教育センター・医療機関でのスーパーバイズなど発達臨床歴25年超。Upload By 発達ナビアライアンス プログラムやり抜く力や自分らしく生きる力を育むために大切な、お子さまへの関わり方。 興味関心や発達段階はさまざまな中で、お子さまにどのように接したらいいか悩む方も多いのではないでしょうか。本セミナーでは、お子さまの主体性や自己肯定感を育む関わり方や探究学習の方法を具体的に解説。 さらに、その学習を実際に体験できるスクールについてもご紹介します。Upload By 発達ナビアライアンス プログラム子どもが興味関心ある「好きなこと」から、得意を広げたり伸ばしたりするために、大人はどんな関わり方をすれば良いのでしょうか。200名以上の子どもたちの興味関心・探究に伴走してきた、探究型オンライン家庭教師「夢中教室」。その取り組みや事例を紹介しながら、興味関心の広げ方・深め方、その根底となる自己肯定感、そして家族以外の信頼できる「第三の大人」の大切さについて、解説していきます。Upload By 発達ナビアライアンス プログラム得意な科目がある一方、苦手な科目には取り組めない。学校には行けているけど、馴染めていない。このままでこの子に合った進路は見つかるの?安心できる少人数教育や対話型の探求学習を通して、個性をとことん伸ばせる学校があります。数学・歴史など好きな学問があるお子さま、広く学びながらも自分の得意も伸ばしていきたいお子さま、自分のペースで通学したいお子さま、大人数の環境が苦手なお子さまなど、一人ひとりの可能性を活かした進路と、それを実現する取り組みについてお伝えします。Upload By 発達ナビアライアンス プログラム発達に特性があるお子さまの、特性や個性を活かした進路を考えたい。好きなことや得意なことを極めることで、子どもの将来を拓く可能性を選ぶには、どんな中学・高校の選択肢があるのか、専門家が分かりやすく解説します。・お子さまの「個性を伸ばす教育」とは?・理系、ものづくり、グローバル教育など、各分野での強みをもつ学校をご紹介・進学に向けた手立てや、準備しておくべきことなど、お子さまの個性を活かす志望校選びや中学・高校受験への準備について、進学事例を交えて具体的にお話しします。たくさんの方のご参加を、心よりお待ちしております。
2023年12月01日子どもの爪噛み、爪を噛む癖、原因は?子どもの爪を噛む癖を止めさせたいと思っている保護者の方は、たくさんいます。爪噛みをするようになるのは、6〜12歳が最も多く、男児よりも女児にやや多いといわれています。大半は、子どものうちに治りますが、大人になっても治らない人もいます。どうして爪噛みをするのでしょう?爪噛みには、さまざまな原因が考えられます。1つ目は、ストレスや緊張、不安があること。子どもは成長過程で、さまざまな変化に気持ちを対応させる必要があります。入園や入学など、環境が変わって寂しい思いをしたり、つまらないと感じていたりするかもしれません。先生や友だちとの人間関係が思いどおりにいかず、イライラしたり、悩んだりしていることもあります。家族や保護者との関係が、関わっていることもあります。家庭内での頻繁なケンカ、保護者からの愛情不足や過保護・過干渉などがストレスとなり、爪噛みなどの身体的サインとして表れることがあるといわれています。しかし、爪噛みの原因はストレスによるものばかりとは限りません。2つ目は、本人が几帳面だったり、デリケートな気質であること。爪の長さが気になったら、噛んででも短くしないと気が済まなかったり、指のささくれが気になって、噛んで取っているうちに、爪も噛んでしまっていたりすることもあります。3つ目は、手持ち無沙汰のときに刺激を得る行為のひとつであること。何もすることがなく暇なときに、爪を噛んで得る刺激によって、脳を覚醒させたり、情緒を保ったりしています。これを自己刺激といいますが、刺激への欲求が強くなると行為が過剰になり、指から出血することもあるので注意が必要です。ここにあげた原因はごく一部で、爪噛みがある人すべてにストレスがあったり、几帳面な気質だったりするわけではありません。まったく原因がないのに、爪噛みをする人も多くいます。爪噛みを続けていると、爪や指から出血して雑菌などが入ったり、爪の雑菌が口から体内に侵入したりして、感染症にかかるリスクがあります。また、爪や指の変形や、歯並びが悪くなる、あごの骨が変形するなどのリスクも考えられます。参考:新家庭教育手帳・家庭教育ビデオ 家庭教育手帳<ドキドキ子育て>3.しつけ 正しいしつけは子どもへの大切な贈り物。|文部科学省参考:一般小児科医のための子どもの心の診療テキスト|厚生労働省雇用均等・児童家庭局子どもの爪噛み、爪を噛む癖は治るの?対処法などはある?爪噛みがひどく困っている場合は、かかりつけ医に相談するのもひとつの方法です。爪噛み癖のことを「咬爪症」といい、爪と歯の形状で診断します。形状を調べることで、症状のレベルが分かるのです。爪や指から出血している場合は、塗り薬を塗布します。また、かかりつけ医から心療内科を紹介されることもあり、そこでは、より専門的な検査を行います。爪噛みは、大半が幼少期の一時的なもので、大人になると自然と治ることがほとんどです。「爪の形が変形してしまう」「痛みや炎症につながる」などの理由から心配する保護者の方も多くいると思いますが、本人は、爪を噛むことで心のバランスを保っていることがあるので、無理やりやめさせるのは、逆効果になる可能性があり、おすすめしません。子どもが爪を噛んでいるのを見たとき「やめなさい!」と叱ったり、逆に「爪を噛まなかったら〇〇していいよ」と、ご褒美でやめさせようとしている場合も注意が必要です。爪噛みや注意や叱咤、我慢の強要では治るとはかぎりません。家庭でできることのポイントは、次の4つです。1.刺激している部分をブロックするつねに爪を短く切り、物理的に噛めないようにします。それでも指先を噛んだりする場合は、手袋をしてもいいでしょう。爪噛み防止のための専用マニキュアも販売されています。安全性は高いですが、治療中の病気がある、常用している薬があるという場合は、主治医と相談してください。2.別の行動に促す手持ち無沙汰にしていて、爪噛みをしそうなタイミングが分かるときは、「〇〇ちゃん、お片付けのお手伝いしてほしいな」「△△くん、これ、運んでくれる?」などと声がけし、別の行動をするように促してみましょう。3.代わりの刺激に置きかえる勉強をしているときに爪噛みをするという子どももいます。そんなときは、トゲトゲのついたゴムボールを持たせたり、グミやガム、スルメイカを与えたりして、別の刺激に置きかえてみましょう。効果のある方法は一人ひとり異なるので、子どもにあった代替刺激を探してみるといいでしょう。4.リラックスできる環境をつくる不安や緊張感が爪噛みに表れていることがあります。笑える動画を見たり、思う存分好きなマンガを読んだりするのも、ひとつの方法です。ホッとできるぬいぐるみと一緒に寝たり、触り心地のいいタオルケットを使ったりすることで、心が安らぐこともあります。爪噛みは、ストレスや手持ち無沙汰が原因のことも。やめさせるのに、きつく叱ると逆効果爪噛みは、不安やストレスが原因のこともあれば、単に手持ち無沙汰で癖になっていることもあります。障害がある子どもの場合は、自己刺激行動のひとつのこともあります。どの場合も、きつく叱ったり、注意したりして、無理にやめさせることは控えましょう。さらにストレスがたまり、爪噛みがよりひどくなる場合も考えられます。本人が安心できる環境づくりを意識したり、ガムやスルメイカを噛むなど別の行動に置き換えたりして、爪噛み癖と上手に付き合っていくことが大切です。子どもの爪噛み、爪を噛む癖は発達障害と関係ある?爪噛みがやめられないのは、なにか障害が関係しているのでは?と考えることがあるかもしれません。発達障害などがある人にみられる、自己刺激行動の一つに爪噛みがあります。自己刺激行動とは、自ら刺激を求めにいく行動のことで、五感から受け取る刺激を過剰に感じてしまう「感覚過敏」や、反対に刺激を受け取りにくい「感覚鈍麻」があると、出ることがあります。また爪噛みは、チック症や強迫症の関連疾患である身体集中反復行動症がある場合も表れるといわれています。しかし、爪を噛むからといって、必ずしも障害や疾患があるわけではありません。単なる癖の場合も多く見られます。爪が変形するほど噛み続けたり、爪噛みがやめられなくて外出できない、など、日常生活に影響を及ぼしたりする場合は、かかりつけ医に相談してみましょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2023年11月29日フリーランス精神科医から勤務医へ三木崇弘先生は、2019年からフリーランス児童精神科医として、クリニック以外にも学校や児童相談所、児童養護施設や保健所などで勤務し、2022年7月から勤務医に転身されました。その後も、臨床と共に、漫画『リエゾン―こどものこころ診療所―』の医療監修を継続、さまざまな社会活動を通して、社会への問いかけや支援の在り方について提言をされています。――フリーランス児童精神科医として幅広く活躍されてきましたが、どのようなお気持ちの変化があったのでしょうか?三木先生:もともと「都市で学んで、地方に還元したい」という気持ちがあり、家庭の事情も重なったことから地元にUターンすることにしました。――有言実行されたということなのですね。ちょうど1年が過ぎた頃かと思いますが、見えてきた課題や現在注力していることを教えてください。三木先生:地方は首都圏に比べると圧倒的にリソースが少なく、特に県庁所在地でない都市はそれが顕著です。子どもが安全・健全に育つために必要なリソースや考え方が不足しているように感じます。そのため、さまざまな職種の仲間を募って勉強会をするなど、チームで連携して子どものためにできる支援は何かを模索しているところです。漫画『リエゾン』医療監修、エンターテイメントの力を感じて――『リエゾン―こどものこころ診療所―(以降、リエゾン)』について、最初に医療監修の依頼があった時は、どのように感じましたか?三木先生:「自分の人生に『講談社』という文字が出てくるとは思わなかった」です(笑)。それぐらい縁遠い世界だと思っていましたし、想像もしなかったです。ただ監修の依頼をいただいた頃、僕自身が「特殊なジャンルだと思われていることについて、専門家が専門家に対して、専門的な内容を伝えることの手応えのなさ」を感じていました。――漫画だと、伝えたい相手も伝え方も大きく違いますね。三木先生:そうですね。発達障害や不登校、虐待、非行などは教育や医療だけではなくて社会全体の問題ですから、こういったテーマを広く一般の方に知ってもらうためにエンターテインメントの力を借りる方法はとても素晴らしいと思いました。――漫画で描かれていることは、実際の臨床現場でも多くあるのでしょうか?三木先生:あります。もちろん漫画ですから多少は理想的に描かれていますが、『リエゾン』に関してはいろんな人たちの葛藤が丁寧に描かれるよう、編集部も力を入れてくれています。――話題作の監修を続けることは、プレッシャーも大きいのではと……!三木先生:忙しすぎてそこまで気にしていられない、というのが正直な感想です(笑)。ただ原作者、漫画家、編集部ともにかなり丁寧に議論を交わしていますから、概ね大丈夫だと自信を持っています。――マンガは累計120万部を突破、ドラマも放映されましたが、反響や臨床現場における変化はあるでしょうか?三木先生:僕はあくまで監修なので、部数については実感がないですねえ。ただ2023年1月からドラマ放映が始まり、「すごい共感しました」「おばあちゃんが優しくなりました」という声をたくさんいただくことがあって、発達障害のあるお子さん自身や、その保護者の方のつらさが周り人たちに分かりやすく伝わったのかなと思いました。引き続き、こういうジャンルに興味がない方にも、まずはエンターテイメントとして、ドラマであれば出演されている俳優の皆さんへの興味から『リエゾン』に触れていただけたらうれしいですね。著書『リエゾン-こどものこころ診療所- 凸凹のためのおとなのこころがまえ』『リエゾン-こどものこころ診療所- 凸凹のためのおとなのこころがまえ』は、漫画『リエゾン』で取り上げられている診療例のほか、三木崇弘先生の臨床事例を交えながら、凸凹がある子どもの子育てにおける「こころがまえ」について、「親はすごい」という言葉から始まるエールと共に小児科医・児童精神科医の視点で具体的に解説された一冊です。Upload By 発達ナビ編集部「親はすごい」僕が小児科医・児童精神科医としてキャリアを積むうちに感じた大切なことの一つです。(中略)「誰がやるのか」の答えは、主に親御さん(と学校の先生)です。でも皆さんは「専門家が専門知識を使ってアドバイスする」ことがすごいと思われているかもしれません。でも僕は、「実際にやる人が一番えらい」と思っています。まえがき第2章でも触れましたが、安定して65点の関わりを続けられることを目指してみましょう。特に凸凹のある子どもたちは、不安定さや見通しの立たなさが苦手です。「その日の機嫌によって、すごく熱烈で前向きな反応が返ってくるかもしれないけれど、氷のようにつめたい反応かもしれない大人」よりも、「何を言ってもそこそこ好意的な反応が返ってくる大人」のほうが、安心感は高いです。第4章「ほどほどを、ずっと」がいい――ドラマ放映に合わせて執筆された本書では、凸凹の意味や告知、環境のマッチングや保護者のアンガーマネジメント、特別支援教育、学校との付き合い方や不登校・受験のこころがまえなど、多岐にわたる解説がされています。「最後の最後までページ構成を変更した」とのことですが、執筆にあたりどのような思いから、どのような試行錯誤があったのかお聞きしたいです。三木先生:少しでも分かりやすく、前後の繋がりがスムーズになるようにと思っていました。読む人が頭をひねらなくてもスッと入っていくことを一番の目標にしたので、読み直して違和感があるたびに構成を変えることになりました。出版社の方には本当に粘り強く付き合っていただき感謝です。――どのような保護者の方に、本書を手にとってほしいとお考えでしょうか?三木先生:子育てに悩むすべての保護者の方ですね。発達障害のあるなしに関係なく、子どもと向き合う時のこころがまえを書いたつもりです。子育て全般について、不安に思っていることや自信がないことについて、後押ししてくれる本になっていると思います。――ありがとうございました。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2023年11月28日ひらがなへの関心は4歳頃から子どもが文字へ興味を持ち始めるのはだいたい4歳頃と言われています。よくある例としては、保護者や園の先生が読んでくれた絵本に興味を持つようになり、自分でも眺めるようになることが挙げられるでしょう。最初は絵などに関心を持ちますが、次第に文字へも関心を持つようになっていきます。また、5~6歳頃になると自ら「書く」子も出てきます。クレヨンや鉛筆で文字をまねたものを書き、お友達とお手紙ごっこなどの遊びをはじめる子もいます。この状態では絵や写真と違って文字は音を表すものである、という認識はあるようです。まだ理解が不十分なこともあって、鏡文字や間違った字を書くことも珍しくありません。しかし、この時期の文字の間違いはよくあることなので、そこまで気にする必要はないと言われています。参考:就学前教育カリキュラム|東京都教育委員会ひらがなが読めるようになるまでのステップ子どもがひらがなを読んだり書いたりするようになるまでのステップを、もう少し詳しく紹介していきます。大・小など大きさの概念や、色の識別ができるようになってきて、絵本などに描かれた絵や写真などに興味を持つようになり、保護者や先生に「これは何?」と尋ねたりすることが増えてくる時期です。その後は、絵本などを自分で持って読んでいる真似をするようにもなります。これはエマージェントリテラシーといって文字を取得する前段階に現れる状態です。文字への関心が芽生えて、文字の機能を何となく理解できているという証拠でもあります。4~5歳頃になると文字への関心が大きく、具体的になってきます。絵本などを通して文字を学んでいき、4歳頃には自分の名前や身近なものに書いてあるひらがなを読めるようになる子どもが増えてきます。また、5歳頃になると約8割以上の子どもがひらがなの大部分を読めるようになります。先ほど紹介した「お手紙ごっこ」など文字を取り入れた遊びをするようになってきます。これは、ひらがなに興味を持ち、コミュニケーションに使うものだという機能を理解しているためであり、後のひらがな習得に繋がっていきます。参考:吃音、チック症、読み書き障害、不器用 の特性に気づく「チェックリスト」 活用マニュアル|厚生労働省参考:幼児教育、幼小接続に関する現状について|文部科学省参考:ことばの発達について|横浜市ひらがなを教えるときの注意点やコツは?ひらがなを本格的に教える前に大切にしたいのは、文字に対して興味を持ってもらうことです。興味がない中で書き取りノートなどを与えられても、子どもは無理やりやらされているという気持ちになり、苦手意識を持つ可能性もあります。そのため、幼児期では土壌づくりを優先するといいでしょう。土壌づくりとして行えることは、・絵本の読み聞かせ・ことばを使った遊び・日常生活で文字に触れるようにするなどがあります。【絵本の読み聞かせ】絵本の読み聞かせは文字への関心に大きな意味があると言われています。読み聞かせをする際は、集団ではなく1対1で行う方が子どもの集中力があがります。絵本の読み聞かせをすることで、「先生は何を読んでいるんだろう?」「この形(文字)は前も見たことがある」など、文字取得につながる興味を持つことがあります。【ことばを使った遊び】ことばを使った遊びを取り入れることも大切なポイントです。1対1でも集団でもさまざまな遊びがあり、例えば「しりとり」や「カルタ」などを行うことで、子どもたちは楽しみながらことばに親しんでいくことができます。ほかにも「ことばを言いながら音の数だけジャンプする」など、ことばを発しながら身体を動かす遊びも取り入れていくといいでしょう。【日常生活で文字に触れるようにする】子どもと一緒に散歩をしている時に、目立つひらがなの看板があれば「あの文字は○○くんの名前と一緒じゃない?」など、日常生活でことばを意識する場面を増やしていくということも土壌作りの方法の一つです。ここで紹介したのは、一つの例です。子どもの発達には個人差がありますので、この時点でひらがなの習得がうまくいかなくても、あまり思いつめたり、叱責したりせずにチャレンジしたことを褒めるようにしていきましょう。参考:吃音、チック症、読み書き障害、不器用 の特性に気づく「チェックリスト」 活用マニュアル|厚生労働省ひらがなを読めない、書けない…LD・SLD(限局性学習症)の可能性は?チェックポイントひらがなの習得には個人差があります。しかし、それでも発達の目安や同年代の子どもと大きく違っていると心配になる方もいるでしょう。文字を書かない、または間違いが多い理由の一つとしてLD・SLD(限局性学習症)がある可能性があります。LDとは、読み、書き、計算など特定の分野の学習のみが非常に苦手な発達障害のことです。学習障害は現在、「SLD(限局性学習症)」という診断名となっていますが、最新版DSM-5-TR以前の診断名である「LD(学習障害)」といわれることが多くあるため、ここでは「LD・SLD(限局性学習症)」と表記します。LD・SLD(限局性学習症)の可能性があるかのチェックポイントをご紹介します。Upload By 発達障害のキホン【LD・SLD(限局性学習症)かも?チェックポイント】・文字に関心が薄い(例:絵本を見ていても、質問したり文字を追ったりしない)・単語の発音を正確に言えないことがある(例:「クリスマス→クスリマス、クスリスマス」のように、音の順番の変化や数の増減などが見られる)・「ことばを一音ずつに分解して一つの動作と対応させるような遊び」ができない(例:ことばを言いながら、一音ごとに一歩ずつ移動したり、手を叩いたり、すごろくのコマを進めたりといった遊び)・歌の歌詞がなかなか覚えられない・文字を書くことを嫌がる、または関心がないこのチェックは簡易なものなので、これだけでLD・SLD(限局性学習症)と判断することはできません。当てはまる項目があり、不安な方は以下の相談機関に問い合わせてみるとよいでしょう。・かかりつけの小児科・専門の医療機関(療育センター、児童精神科、小児神経科など)・市町村保健センター・子ども家庭支援センター・児童相談所・発達障害者支援センター・児童発達センターどの機関でも、専門的なスタッフが相談対応にあたり、アドバイスや状況に合わせた別の機関の紹介をしてもらえることもあります。電話での相談が可能な場所もあるため、ホームページを確認してみてください。参考:吃音、チック症、読み書き障害、不器用 の特性に気づく「チェックリスト」 活用マニュアル|厚生労働省参考:学習障害(限局性学習症)|厚生労働省e-ヘルスネットまとめ子どものひらがなへの興味は4歳頃から芽生えることが多いと言われています。興味が芽生えてもすぐに練習帳などを与えるのではなく、まずは土壌づくりとして絵本の読み聞かせやことばを使った遊びを多く取り入れていくとよいでしょう。また、ひらがなの読み書きができるようになる年齢には個人差が大きいと言われていますが、文字に全く興味を示さないなど気になる様子がある場合は、不安を抱えこまずに専門機関に相談してみましょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年11月27日自家中毒とは?原因、症状など嘔吐は幼い子どもによく見られる症状です。しかし、子どもが頻繁に嘔吐するケースでは、何か疾患が隠れているのではないかと心配になることもあるでしょう。子どもの嘔吐の原因はさまざまですが、その原因の一つとして「自家中毒」が挙げられます。自家中毒とは、アセトン血性嘔吐症(周期性嘔吐症)、ケトン血性嘔吐症とも呼ばれており、嘔吐や腹痛、頭痛、全身の倦怠感、脱力などの症状があります。重症になると、血が混じったものを嘔吐することもあります。冷や汗が出たり、意識障害を起こしたりする場合もあり、てんかんと間違われることもあります。自家中毒の場合の嘔吐は、ピーク時には1時間に中央値で10回、最大30回ともいわれています。自家中毒の嘔吐以外の症状は下記の通りに報告されています。・嘔気(吐き気)(90%)・腹痛(74%)・頭痛(58%)・発熱(55%)・顔面蒼白(45%)・食欲不振(39%)・発作時の無気力(35%)・下痢(32%)・血性嘔吐(28%)・胆汁性嘔吐(16%)・よだれ(16%)・めまい(12%)・羞明(まぶしく感じる)(9.8%)・音声恐怖(3.2%)一般的に、自家中毒を初期症状や前兆などから予期することは難しいといわれています。例えば、風邪などの発熱時や、遠足や発表会などのあとに嘔吐を繰り返したことがあるという子どもは、同じような状況の際に、自家中毒の症状を起こす可能性があるので、保護者が注意深く見守るとよいでしょう。多くの症状を伴う自家中毒は、ほかの疾患と区別することが難しい病気です。気になることがある場合は、受診をして、医師の指示を仰ぐのがよいでしょう。参考:間欠的な嘔吐発作から診断された 周期性嘔吐症候群の16歳男性例(岩永 光巨, 亀崎 秀宏, 黒杉 茜, 妹尾 純一, 坂本 大) | 日本内科学会雑誌/111 巻 (2022) 2 号自家中毒の原因は、精神的なストレスなどの刺激に反応して吐き気やその他の症状が起こることといわれています。例えば、運動会や学芸会などの学校の特別な行事や習い事の発表会、試合の前などに感じる緊張、また遠足や旅行などの前に感じる興奮などが自家中毒を引き起こす「ストレス」に当たります。また、寝不足や空腹、食べ過ぎ、遊び過ぎ、チョコレートやチーズのとり過ぎも自家中毒の原因の可能性があるといわれています。緊張や興奮、寝不足、食べ過ぎ、遊び過ぎなどのあとに嘔吐などがある場合には自家中毒が疾患の候補になるかもしれません。しかし、自家中毒の原因は現代の医学をもってしてもはっきりしないという側面もあります。医学的なメカニズムとしては子どもは肝臓で糖を貯蔵する機能が発達していないためだと考えられています。その分脂肪を分解することが増えるので、その結果、ケトン体という代謝物が増え、吐き気などの症状として出てきます。自家中毒になりやすい子どもの特徴は?子どもの発症が多いと言われている自家中毒ですが、最近では成人の発症例も報告されており、最高齢は73歳で発症した例もあります。とはいえ、やはり症例は子どもに多く、発症年齢の中央値は4~5歳くらいといわれています。子どもの中でもかかりやすいタイプには、痩せ型、心理的ストレスがかかりやすい、興奮しやすいなどの特徴があります。ストレスが原因となると育て方に問題があったのでは、愛情不足だったのでは……など心配される保護者の方もいますが、自家中毒とこれらの関連はありません。また、自家中毒の患者には、偏頭痛の家族歴が多いとされているほか、本人も偏頭痛に移行しやすいといわれています。偏頭痛のある家族がいるケースなどは自家中毒になりやすいと心に留めておくとよいかもしれません。自家中毒と発達障害の関係は?一般的に、子どもの中枢神経は未成熟なので、いろいろなことからストレスを受け、身体症状が発生します。それに加え、発達障害のある子どもの中には「ストレスを上手く処理できない」などの特性から不快な感情が嘔吐中枢を刺激し、より自家中毒が起きやすいといわれています。自家中毒は治るの?治療方法など自家中毒を発症した際、軽症の場合だと吐き気を抑える座薬や飲み薬などを処方されることがほとんどです。吐き気が治るまでは原則として絶食となります。糖質が含まれたイオン飲料や果物を絞ったものなどをごく少量ずつ与え、安静に過ごします。それでも改善せずに嘔吐が続く場合は、点滴で糖分や水分を投与が必要になりますが、排尿とともにケトンが体外に排泄されれば症状は快方にむかっていきます。吐き気が治ったあとは、食事をとれますが、脂質が高いものは避け、うどんやおかゆなど消化のよい炭水化物を少量ずつとるようにします。油を使ったお菓子や料理、牛乳などは避けましょう。繰り返しますが、ほとんどの子どもは10歳を過ぎると症状は落ち着く傾向にあります。また、一般的に後遺症などはなく、予後も良好といわれているので、動揺せずに対応することが大切です。「わが子が自家中毒かも?」と感じたら?「自家中毒」は、精神的なストレスなどの刺激に反応して吐き気、腹痛、頭痛や倦怠感などが表れる病気です。多くの症状を伴うため判断がつきづらいといえます。「わが子が自家中毒かも?」と感じていたら、家庭の中だけで抱え込まず、医療機関を受診して医師の診察、判断を仰ぎましょう。ほとんどの場合は成長後に症状が落ち着くといわれていますので、子どものストレスやつらい気持ちに寄り添いながら治療を進めていきましょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2023年11月26日小学2年生も後半戦のわが家の息子、お友だちと放課後に遊ぶのが楽しくなってきたようで、うれしい半面、「あぁ…小学生男子だなぁ…」という突っ走り方もするようになってきました。今回は、そんな息子にちょっと厳しめに注意した話を描きました。■行き先を告げずに出かけた息子大体の場合、いつも「どこで誰と遊ぶ」というのを話してくれる息子なんですが、「早く行かなきゃ!」と行き先を告げずに出て行ったことが数回、続きました。ほとんど決まった子と遊ぶので「おそらくあの子と一緒だろう」と分かってはいます。しかし、わが家の出かける際のルールを守っていないため、ここは一度ビシッと注意が必要と思い、話しをすることにしました。ルールを守る気はあるのですが、わが家の息子はつい最近、発達障害の診断がつき、「ルールを守らなかったらどうなるか」「そもそもなぜそういった決まりがあるのか?」といった、“なんとなく想像する”という分野があまり得意ではありません。そこで、どうして家や学校にはこういったルールがあるのか、実際に私の体験を交えて話してみることにしました。まだ私が学生の身分だった頃、家に自分以外の家族が誰もおらず、そのまま学校に行ってしまったことがありました。本来その日は、指定された登校の日ではなく、「用事がない人は来なくてもOK」という自由登校の日でした。「いつも通りに晩ご飯の時間には家に帰ろう」、と思っていたのですが…。 ■いつ帰れるのか分からなくなった想像もしていなかった大地震に遭遇! そう、東日本大震災です。電車はすべて運休し、バスは走ってはいるものの、いつ乗ることができるのか分からないほどの行列で、家に帰れなくなってしまいました。さらに携帯電話もまともに使えなくなり、家族に、「自分が学校に行った帰りに帰宅難民になっていること」「無事なので心配しないでほしいこと」「家族にケガはないか」と、連絡をすることもままなりませんでした。結局、学校に事情を話して同じ状況の子たちと泊めてもらうことになりましたが、不安でつぶれそうな1日を過ごしました。息子は電車に乗って遊びに行く年齢ではありませんが、しっかり考えてほしかったため、スケールが大きいこの話をしました。これからどんどん大きくなって、友だちと自転車や公共交通機関を使い、今よりも遠くへ出かけたり、難しい年頃がやってきたりして「お母さんなんて…」と言葉を交わしたくないと思う日がやってくるでしょう。でもそのときは、「お母さん、そんなこと前に言ってたなあ」と、なんとなくでもいいのでこの話を思い出してもらって「お母さんは君を心配しているよ」と受け取ってくれたら、うれしいなと思っています。
2023年11月26日「作業療法士(OT)が教える発達障害との向き合い方~子どもの発達を促す子育てのヒント~」2023年9月21日(木)文京学院大学 本郷キャンパスにてメディア向けセミナー「作業療法士(OT)が教える発達障害との向き合い方~子どもの発達を促す子育てのヒント~」が開催されました。発達障害領域がご専門で作業療法士(OT)として現在も現場で活躍されている文京学院大学 保健医療技術学部学部長 神作一実教授が登壇し、作業療法士(OT)の役割や発達障害のあるお子さんへアプローチ法、また子育てのヒントについて解説、セミナーの内容を抜粋して発達ナビ読者のみなさまへお届けします。作業療法とは「心と体」を分けず、その人そのものにアプローチするリハビリ神作一実先生(以下神作先生):作業療法士というと、日本では一般の人が関わる機会があまりなく、どんなことを行うのかについて知っている人は限られるかもしれません。ここでは私が考えている作業療法とはこういう感じのことだよというものを図にさせていただきました。Upload By 発達ナビ編集部みなさんも、「楽しいことをしていたら知らないうちにできるようになった」ということがたくさんあると思います。例えば、お友達に「テニスコートが取れたから、テニスに行かない?」と誘われて「行く行く!」となったとき、テニスをすることで心肺機能を上げようとか、筋力強化をしようとか、運動の協調性を高めようと考える方は少ないですよね。ただ「テニスをして楽しむこと」を想像して「行く行く!」と答える方が多いのではないでしょうか。でも、実際にテニスを楽しんでいたら、知らないうちに筋力が強化され心肺機能は鍛えられ、運動の協調性も高くなるでしょう。これが「楽しいことしていたら、知らないうちにできるようになった」ということです。実は作業療法というのは、この「楽しいことしていたら、知らないうちにできるようになった」を治療に応用したものと言えるのではないかなと思っています。私たちは、対象者の方のやりたいことを通して今ある障害を改善すること、そして、その人が持っている障害を受けてない部分を使いながらパフォーマンスを上げることを目指してサイエンスを使いながらアプローチしています。作業療法は心と体を分けずにその人そのものにアプローチをするリハビリテーションと言えるのではないかと考えています。作業療法の対象領域は大きく分けて4つあります。1、身体障害領域:脳卒中、脊髄損傷、骨折、やけどなどを対象2、高齢期領域:認知症、フレイルなどを対象3、精神障害領域:統合失調症、うつ病、アルコール依存症などを対象4、発達期領域:発達障害(ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、LD・SLD(限局性学習症))、脳性麻痺、知的障害、筋ジストロフィーなどを対象この領域をまたがって障害が複数ある場合ももちろんあります。ただ、作業療法は人に対して、「その人がどうなりたいのか、その人が何をやりたいのか」を視点にしていますので、療育をまたがる場合でも同時にアプローチが可能です。発達障害と深い関係性がある「感覚調整障害」神作先生:発達障害のある方たちには「感覚調整障害」というものがしばしば起きてきます。感覚過敏をはじめ、刺激が入りすぎてどの刺激に反応したらいいのか分からなかったり、 反対に刺激が入らなすぎて必要な情報がキャッチできないということ。また、LD・SLD(限局性学習症)のお子さんたちの場合は、眼球運動のコントロールが悪いため読み飛ばしたてしまったりといった体の使い方、いわゆる、体や指先が不器用な状態です。感覚調整障害があると、以下のようなさまざまな困りごとがでてしまいます。Upload By 発達ナビ編集部生活への影響がとても大きいため、作業療法ではこの感覚機能に対してアプローチして感覚統合機能の問題を改善し、生活のしづらさの解消を目指します。激しい偏食があるお子さんへ作業療法士はどうアプローチする?神作先生:では、発達障害のあるお子さんに対して作業療法士がどのようにアプローチをするのかお話しさせていただきます。基本的には、お子さんの状態の確認と問題の把握をし、感覚統合機能を促すための治療プログラムを作成し実施をいたします。治療プログラムは「Just right challenge」、つまりそのお子さんにとってちょうどいい挑戦になっているかを確認しています。偏食のように一見遊びとは関係ないようなことも、実は感覚統合機能が十分発達していないという、共通の背景がある場合があります。例えば、食べられるものが5食品しかない激しい偏食がある発達障害の4歳のお子さんに対しては以下のようにアプローチを行いました。・砂遊び、絵具、のりに触れること、水遊びも嫌い・跳躍器具、ブランコは大好きだが、姿勢が保てないためすぐ降りる・ハンモックのように姿勢を保つ必要がないものであれば30分以上乗り続ける・ハンモックやブランコに乗っていると目が合う。それ以外の場面では目が合わない・一人遊びを好む・母親の膝へは自分から乗るが、大人から抱っこすることは好まない〈食事場面〉・唇に牛乳がつかないようにコップで飲む・うどん、パン、豆腐も上唇につかないように食べている・手が汚れるとすぐにおしぼりや洋服で拭く1、触覚の過敏さがある。そのため食べ物からの感覚情報が十分にキャッチできておらず、新しい食品にチャレンジすることが困難2、前庭系(ゆれの刺激)は求めている状態1、ブランコに乗りながらアイコンタクトを取る(遊んでいる人と遊びの共有)2、ブランコ、跳躍器具、ハンモックに乗り対象物を視覚的にとらえながら自分から対象物に触れる(揺れながらパンチをする、いろいろなものを握る、的当てする)3、屋外の遊具やアスレチックで遊ぶ(楽しいことをしながらいろいろなものに触れる機会をつくる)少しずつ食べられるものが増えると共に、自分から母親以外の人の手を引いて遊びに誘うことが増えてきている。このように作業療法士は介入し治療を進めました。このお子さんの場合は、感覚情報の処理状況に着目し以下を取り入れたアプローチを行っています。・大好きなゆれ刺激を楽しみながら能動的に対象物に触れる機会を作る・感覚を媒体としたコミュニケーション・大人と一緒に遊ぶことの楽しさを伝える・大人に「やってほしい」ことを伝える機会を作る感覚情報機能の改善が進んでくると、食べ物からの感覚情報をしっかりキャッチすることができるようになりますので、遊びの広がりと共に、偏食が良くなったというケースです。子どもの発達を促す子育てのヒント神作先生:作業療法士は、お子さんに対する治療的な介入もしていますが、大人が子どもにとってどんな環境となればいいのか、 どうすると子どもの発達を促す環境になり得るのかという視点でもアドバイスを行っています。そこで最後にお子さんの発達を促すヒントについてお話しさせていただきます。作業療法士はお子さんが困っている状況、親御さんが困っている状況に対しても、アプローチを行っています。ただ、「大人が困っていること=子どもが困っていること」というように本来は一致しているといいのですが、なかなかそうではなく、大人が困っていることが子どもの問題点にされてしまうこともたくさんあります。そこの見極めも、作業療法士の大事な仕事です。発達障害のお子さんたちの場合、どうしたらいいのか分からない、 人にどう接したらいいか分からない、ものをどうやって扱ったらいいか分からない、いつ終わるのか分からない……こういった状況が多々あります。当然混乱しますよね。ですので、そのお子さんは「安心できるもの」だけをやろうとするわけですが、そうするとやれる幅が狭いので「こだわり」と言われてしまったりします。ただそのようなお子さんの行動に「こだわり」というラベルを貼るだけでは問題は解決しないと私は思っています。その「こだわり」と思えるような行動の背景には、必ず何らかの理由があると思うからです。困りごとをもつお子さんに対して、日常生活の中で慣れさせる、我慢させるとか、「あなたの頑張りが足りないからいけないのよ」と言うのはナンセンスだと思っています。感覚調整障害が背景にあったとすると、そのお子さんはかなりつらい思いをしながら不快な環境の中で生活をしていることが多いです。不快な環境の中に身を置き続けたら不安も高くなりますよね。ではお子さんの困りごとに対して大人ができることはなにかというと、以下の6つがあげられると思います。Upload By 発達ナビ編集部この図は、作業療法士が保護者支援としてよく行っている内容です。お子さんにとって「人」は環境の一部でもあります。周りの大人がいい方向に変化すると、お子さんにもいい環境を提供することができると思っています。子育ての大前提として大事なのは、どんなお子さんも独立した人格を持っていて、今は発達途上で、過去から現在の積み重ねの先に未来があると捉えることだと思います。そして以下の4つを心がけることがいいのではないかなと思います。1、できないことにあまりフォーカスしない。できることに注目し、子どものできること探しの達人になる2、他の子どもとあまり比較しない。比べられても子どもはなにかできるようになるわけではない3、困っているときに子どもからSOSを出せる関係をつくる。子どもが安心してチャレンジするための安全基地に4、自己肯定感を育む。自己肯定感が高いこどもは幸せを感じやすく、問題解決の工夫ができるまずは、お子さんのことを一番知っている親御さんが自信を持っていくことが大事です。一人で頑張らなくていいですし、子育てはみんなでやればいいですし、しんどいときにはもう頑張らない、そんなことも大切だと思っています。定型発達のお子さんであっても、障害のあるお子さんであっても、親御さんの不安はずっとつきまといます。残念ながら、なくなることはありません。だからと言って、否定的に捉える必要はなくて、ありのままの今のお子さんの姿を受け入れてみるといいと思います。お子さんたちは親御さんに、「ねえねえ、見て見て」とよく言ってきますよね。そのときにきちんと共感をして、すごいね、かっこいいね、やったね、面白かったね、見せてくれてありがとうね、というようなこと言ってみてはどうでしょうか。 きっと楽しい親子関係になれるのではないかと思います。困ったときは作業療法士に相談してください神作先生:大変なことはみんなで分担して楽しいことはみんなで喜ぶ、そんなことが作業療法士が考えている子育てでもあります。何か困ったことがあったら、ぜひ作業療法士を尋ねていただければと思います。地域の保健師さんにご相談いただいて作業療法士がいるところを探してほしいとお伝えいただければ、そこから発達支援センターなどを紹介してもらえます。また、児童発達支援事業所でもどのような職種の方がいるのかホームページで調べられるところが多いです。一人で頑張らず、一緒に成長していきましょう。Upload By 発達ナビ編集部日本作業療法士協会、埼玉県作業療法士会、摂食・嚥下リハビリテーション学会(評議員)、小児保健学会、障害者歯科学会、昭和歯学会に所属。作業療法士としても数多くの経験を持ち、作業療法士や作業療法士を目指す学生のみならず、保育園や幼稚園、小中学校の教諭、保護者に対してのセミナーも多数実施。「受け入れることで自律を促す子育て」を提唱し、発達障害との向き合い方について発信を続けている。主な研究テーマとして、自食時の捕食機能に関与している口唇および上肢機能の解明を専門とする。文京学院大学(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。
2023年11月25日アフタヌーンWeb増刊「&sofa」第1話掲載からSNSで大反響、60万人が読み共感、涙したマンガ『君と宇宙を歩くために』。ヤンキーの小林と変わり者の転校生宇野、いわゆる〝普通〟ができない正反対の高校生の友情物語は、多くの人の心の琴線に触れ、励ましてくれる一冊です。発達ナビでは、『君と宇宙を歩くために』第1巻発売を記念して、作者の泥ノ田犬彦先生からお話を伺いました。先生に伺ったおすすめの場面もたくさんご紹介いたします!Upload By 発達ナビ編集部勉強もバイトも続かないヤンキーの小林。ある日彼のクラスに変わり者の宇野が転校してくる。小林が先輩から怪しいバイトに誘われているところを宇野に助けられ、その出来事をきっかけに2人は仲良くなる。宇野のことを知れば知るほど彼の生き方にひかれ、自分も変わろうと行動する小林でしたが……。どうしていいか分からずあきらめがちだった小林と、できないことは工夫をして乗り越えようとしてきた宇野、正反対の2人がそれぞれ壁にぶつかりながらも楽しく生きるために奮闘する友情物語。自分の「できない」を解決する方法を駆使する宇野、それに感化される小林、2人の友情物語LITALICO発達ナビ編集部(以下――)本作品を描かれたいと思ったきっかけをおしえてください。例えば、周りの人やご自身が体験されたことなどが含まれているのでしょうか?泥ノ田犬彦 先生(以下泥ノ田先生):プライベートなことになるので詳しい言及は避けますが、基本的には自分で体験した感情、感覚、または身近にあった出来事がベースになっていて、宇野みたいな子が日常を歩み続けている作品があったらいいな〜と思ったことが執筆のきっかけの一つです。その対になる形で小林というキャラクターを作りました。像としては宇野が先に、感情としては小林が先に、という形で発生しています。突出したキャラクター性を持つ子たちは同時に秀でた才能も付与されていることを期待されがちな気がするのですが、この作品内ではあんまりそういう風にはしたくなくて。あくまで隣のクラスにいそうな雰囲気を保ちながら描けたらいいなと思っています。――学校でもバイトでもドロップアウト気味だけれど優しい心を持ったヤンキー小林大和と、まっすぐな努力家で、なにか特性もありそうな、小林にとっては変わった転校生・宇野啓介。2人のキャラクターについて、詳しく教えていただけますか。泥ノ田先生: 元々サスペンスを描こうかなと思っていたのですが、担当さんから「感動する話ではなくてもいいので、人の心が動くお話を描くことはできますか?」というオーダーを受けました。自分の中の「心が動く」とはなんだろう?と考えた時にできたのが宇野と小林のキャラクターでした。Upload By 発達ナビ編集部宇野は明るくて努力家で、自分の「できない」を解決する方法を駆使して自立した生活をしようとしています。空気を読むのが苦手なためいつも少し笑っているのですが、一方で高校2年生として年齢相応のプライドも持っており、からかわれて傷ついたり凹むこともあります。そんな宇野に興味を持ち影響を受けていくキャラクターが小林です。小林は体が大きくビジュアルも派手で、一見近寄りがたくて不機嫌そうな雰囲気を醸し出していますが、内面はナイーブで自分の「できない」を認めることをダサい・怖いと感じており直視することを避けています。1話の中で最初に浮かんだのは、自分の苦手を認め工夫をしながらも頑張る宇野の姿と、そんな宇野に感化され努力を始める小林のシーン。それに付け加える感じで、小林の友達の朔が宇野に感化された小林を茶化した際に「ダサくていいんだそれでそのあと良くなるなら」と告げるシーンでした。“自分の大きさを認めて一歩踏み出す瞬間”が描きたかったんだと思います。そのきっかけになる出来事や結果が世間から見てどれだけ小さなことでも、「やるぜ!」と決める時の心の動きは偉大な一歩だなあと考えています。Upload By 発達ナビ編集部片方が完璧なタイプのストーリーにしても良かったのですが、どちらも同じような悩みを持っている人同士がお互いに相手を「すごい」「かっこいい」とリスペクトし合えるのってすごく素敵なことではないかと思い、この設定になりました。絶対に描きたかった「でも僕は宇宙を歩きたい!」 ――1巻の中でこれを描きたかったというシーンやセリフを教えていただけますか?泥ノ田先生: 宇野「でも僕は宇宙を歩きたい!」と小林「宇野だってそれ乗り越えてきてんだろ」「じゃあ泣くのは今じゃねえよな」のあたりは絶対描きたかったです。2人にそれぞれ希望とプライドがあることを分かってもらえたらいいなと思って描きました。宇野のセリフは、最初「まっすぐ歩きたい」とか「楽しく歩きたい」とかと迷っていたんですが、別にまっすぐじゃなくても楽しくなくても歩いていいよなと思い、出版社の担当さんとも相談してその部分は削りました。Upload By 発達ナビ編集部あとは冒頭でも触れた「ダサくていいんだ」のシーン。自分のために積極的に何かをするということが恥ずかしいと感じることもあると思います。でも、例え過程がダサくても「できるなら、いつかできるようになるなら、そのために頑張ってもいいじゃん」と言える人もかっこいいよね、という考え方があってもいいよなと思って描きました。強要するつもりは全くないのですが、今頑張りたいけどダサいかも……と悩んでる人がいたらそんなことないぜ!かっこいいぜ!とエールを送りたいなと思っています。Upload By 発達ナビ編集部またセリフとは離れますが、1話で小林が怖い先輩に声をかけられるシーンとそこで宇野に遭遇するシーンは絶対に描きたかったです。どのタイミングで誰と出会うか、というのが人生の大きな分岐点になると思っているので、神様がルートを捻じ曲げるようなイメージでパワーを込めて描きました。Upload By 発達ナビ編集部「地球のどこかに同じような悩みを持って生きている人が自分以外にもいる」と思うと、少しだけ気持ちの角度が変わる――小林くん、宇野くん、宇野くんのお姉さん、朔、井ノ上先生たち周りの人々が関わり合うことによって、世界が広がっていくところに胸が熱くなります。社会では特性がある人はもちろん、“普通”と言われる人も大なり小なりの困りごとを抱えていると思いますが、それを一人で抱えこんでしまうことが生きづらさに繋がっているのではと感じました。先生はご自身が困った状況にある場合、どのように解決されようとしますか?泥ノ田先生:私が答えていいものか分かりませんが……!個人的には“人に聞く”“人と話す”が一番していることだと思います。自分の頭だけではどうしても行ける範囲が決まっているように感じるので、信頼できる人や経験を積んでいる人に話を聞いてもらって別の方法を探ったり、そもそもこれは悩むべきものなのか?と原因を複数の視点から見つめたりすると、その悩みがどのくらいの大きさなのか少し冷静に判断できるような気がします。実際にはその冷静に判断のゾーンに行くまでものすごく時間をかけますが……。一人だと延々同じところでぐるぐる悩み込んでしまう性質なので、人に聞いて解決をし、解決したことは「これは解決しました!理由はこうです!」とメモしておきます。 解決したことを忘れてまた悩まないようにしますね。またこれは解決方法ではない場合もあるのですが、同じ悩みを持っている人を見つけるというのも大切かなと思っています。一人で抱えてしまうと孤独で胸がいっぱいになってしまいますが、地球のどこかに同じような悩みを持って生きている人が自分以外にもいるんだなと思うと、少しだけ気持ちの角度が変わるような感覚になります。自分が言えなかった「助けて〜」を誰かが言ってくれているかもしれないし、運が良ければその先で解決策が見つかっている可能性もあるので。――今後の作品の展開を教えていただけますか?当分は宇野&小林の日常生活がメインになるかと思いますが、宇野のお姉ちゃんや小林の友達の朔の話も描けたらいいなと思っています。どこまで描くことができるか分からないのですが、それぞれの立場でそれぞれの悩みや葛藤があると思うので、丁寧に物語を進めることができたらうれしいです。――最後に発達ナビの読者のみなさまへメッセージをお願いいたします。『君と宇宙を歩くために』は学校、仕事、社会の中で「何かうまくいかないなあ」と思いながら日々過ごしているキャラクターたちが出てきます。めちゃくちゃ活躍したり、彼らが世界を大きく変えるなんてことはないかもしれないですが、自分の歩く道を見つめて進んでいこうと奮闘していく姿を等身大で描けたらいいなと思っています。何気ない日常を、一緒に見守っていただけたらうれしいです。頑張って描きます!――ありがとうございました。 Upload By 発達ナビ編集部アフタヌーン四季賞2022年秋のコンテストにて『東京人魚(トーキョー・マーメイド)』が準入選。『君と宇宙を歩くために』はアフタヌーンWeb増刊「&sofa」にて毎月第4月曜日連載中。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2023年11月23日人見知りはいつから始まる?人見知りの原因とは?赤ちゃんが普段接している養育者以外と接するときに、ぐずったり泣き出したりと人見知りが激しくて困っている方もいらっしゃると思います。人見知りは子どもが発達していく過程で、人を区別できるようになってくると起こると言われています。目安としては生後6~9ヶ月頃から始まり、2~3歳頃になるとおさまってくることが多いようです。ただ、子どもの発達には個人差が大きいため、下記の月齢はあくまで目安としてください。赤ちゃんは、生まれた頃はまだ視力も発達しておらず、身近な大人の姿もよく認識できていません。生後6ヶ月頃になってくると、養育者など身近な人の顔を判別できるようになってきます。あやしてもらうと喜んだり、養育者にしがみついたり、あとを追うようになったり、大人とのやり取りを楽しむ様子が見られるようになります。子どもと養育者は、このようにして愛着を築いていきますが、特定の大人との愛着関係が強まっていくことで、それ以外の慣れていない人と接すると、不安が高まり接触を避けたり泣いたりといった様子を見せることがあります。8~9ヶ月頃になると、多くの子どもが人見知りをするようになります。人見知りの激しさは子どもによって差があり、目をそらすといった消極的な場合から、泣き叫ぶなど激しい様相を呈する場合もあります。また、初対面ではなくても、あまり会う機会のない祖父母などの大人に対して、それまでは人見知りしなかったのに、急に人見知りをするようになる場合もあります。このように、人見知りは子どもが人を識別できるようになったことと、特定の大人との愛着関係ができたからこそ生じる状態と言えます。それまでいろいろな人と接していたのに、急に人見知りが始まると戸惑うかもしれませんが、子どもの発達の自然な過程なのであまり心配しないようにするといいでしょう。人見知りはおおよそ10ヶ月~1歳半頃が最も激しく、2~3歳頃になる頃には落ち着いてくると言われています。これは、10ヶ月~1歳半頃は愛着の対象である人(多くは養育者)が離れることに不安が強くなる時期だからです。そのため、慣れない人と接する場面では不安感からより人見知りが激しくなることが考えられます。その後、子どもがさまざまなコミュニケーション手段を獲得し、他者と関わる機会が増えていくことで次第に人見知りもおさまってくるようになります。参考:お母さんと子どものコミュニケーションのために|厚生労働省参考:保育所保育指針解説書|厚生労働省参考:分離不安および人見知り|MSDマニュアル家庭版人見知りが激しい子に特徴はある?人見知りの程度や行動は個人差が大きく、まったく人見知りしないという子どももいれば、激しい子どももいます。人見知りが激しい場合、「話しかけられただけで泣き叫ぶ」「養育者以外が抱っこをすると泣く」「ほかの人の顔を見ただけで「怖い」と養育者に抱き着く」「養育者の陰から出てこない」など、比較的ささいなことでも大きく反応します。また、泣いている時間も子どもによって差があり、一度泣き出すとなかなか泣き止まず、養育者が困ってしまうということもあります。このように人見知りが激しく、外で泣き叫んでいるときなどは「何とかしなくては」と焦ってしまうこともあるでしょう。そのときに叱責するなど無理に泣き止ませるのは逆効果になることがあります。人見知りは養育者との関係がうまくいっているからこそ起きるものです。泣き続けている場合は、子どもが普段触れ合うことの多い人が抱っこをするなどをして、安心感を感じられるようにするといいでしょう。参考:親子の関係|東京都生涯学習情報人見知りが激しい場合、発達障害などの可能性がある?人見知りは子どもの発達の過程で生じるものと分かっていても、程度によっては「何かほかに原因があるのでは」「発達障害の影響かも」と感じることがあると思います。ですが、発達障害があるから人見知りが激しくなるというわけではありません。しかし、発達障害があることで不安が強く、そのことが人見知りの程度に影響を与えることは考えられます。人見知りが激しい以外にも、気になる行動や特性が見られた場合は専門機関へ相談してみるといいでしょう。発達障害のある子どもに見られる特徴例・癇癪が激しい・自分のことに夢中になり友達と遊ぶことが少ない・慣れない状況や急な変更に不安が強い・感覚過敏がある(著しい偏食、特定の音を過剰に嫌がる、ある洋服の素材を嫌がったり洋服のタグを嫌がったりする)・歯磨き、着替えなどの身辺自立が遅れがちここで挙げた特徴はあくまで一例です。人見知り以外にも発達で気になる様子がある場合は以下の機関に相談してみるといいでしょう。発達の気になる子どもの相談先・かかりつけの小児科・専門の医療機関(療育センター、児童精神科、小児神経科など)・市町村保健センター・児童相談所・子ども家庭支援センター・発達障害者支援センター対面だけでなく電話やインターネットを通じて相談できる場合もあります。WEBサイトなどで確認してみるといいでしょう。参考:支援者のための地域連携ハンドブック~発達障害のある子供への対応~|東京都保健医療局まとめ慣れていない人と接するときに、避けたり泣き叫んだりといった人見知り。子どもの人見知りは6ヶ月頃から現われて、2~3歳頃まで続くと言われています。いつまでも泣いていたり、それまで仲良くしていた人にも人見知りするようになると「困ったな」と感じるかもしれません。しかし、人見知りは養育者と愛着を形成できているからこそ起こる状態で、子どものコミュニケーション手段が増えることで自然とおさまってきます。しかし、人見知りの程度や期間が気になったり、ほかにも発達で気になる様子がある場合は、背景に障害などが隠れていることも考えられます。心配な方はかかりつけの小児科や保健センターなど専門機関に相談してみるといいでしょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2023年11月22日発達凸凹兄妹を育てるわが家。夫は短気で高圧的で……わが家は二人兄妹、息子は20歳の大学生、娘は17歳の高校生で二人ともADHD(注意欠如多動症)の診断を6歳の時に受けました。私自身診断はありませんがADHD(注意欠如多動症)グレーだと感じています。現在59歳の夫は性格はまじめで短気、そして高圧的な面があります。特にお酒が入ると難癖をつけてきます。今は子どもも大きくなったため、昔より関係は良好ですが、二人が小さい頃はぶつかることもよくありました。息子の幼稚園トラブル、娘の1歳半健診での指摘。その時夫は……息子は幼稚園に入ってからトラブルが目立つようになってきたタイプで、3歳の時、園で他害をしてしまい、園長先生からやんわり退園を促されました。まだ発達障害について何も知らなかった私は、園に言われるまま発達検査を受けたあと、支援センターの方に「幼稚園は辞めるべきなんでしょうか?」と質問。職員の方からは「いや、そこまでしなくてもいいのでは?」と言われたため、それを園にそのまま伝えたところ「じゃあ様子見ましょうか」となり、卒園まで通い続けることができました。その後、園で細かに対応していただいたため、息子は療育に通わず、小学校からは放課後等デイサービスを利用するようになりました。この時の夫はというと、特に何か手伝ってくれるわけでもなく、ただ私の報告を受けるのみという対応でした。「幼稚園内のトラブル」くらいにしかとらえていなかったのかもしれません。Upload By ユーザー体験談そして娘。娘はとにかく気に入ったものを手に入れないと気がすまず、欲しいものを買わないと大癇癪になってしまうので、買い物に出るのが怖かったほどでした。1歳半健診で相談したところ、「療育に行ったほうがいいかもしれませんね」と言われ見学。幼稚園入園まで療育に通うことになりました。この時、夫は単身赴任中でした。私は同居していた義母には相談をしたのですが、夫には相談しないまま療育に通うことを決めました。言うと「行く必要ない!」と反対されると思ったからです。しかし、私が怪我をして療育に送迎できなくなってしまったことで、娘が療育に行っていることが夫に知られてしまいました。そこからは「なんで黙っていたんだ」と大喧嘩になってしまいました。「そんなところ行っても意味がない」やら「幼稚園で十分」やら夫は感情的に怒ってきます。私はたいていは夫のこうした批判は、受け流すようにしていました。意見を言ってもさらに怒らせてしまうだけだと感じていたからです。ですが、この療育通いは譲れなかった。ほかは譲っても反対されても、療育だけは絶対に通うと強く主張しました。その剣幕に夫も強く言えなくなってしまったのでしょう。療育について文句を言うことはなくなりました。Upload By ユーザー体験談その後夫は発達障害について勉強してくれたみたいです。手は貸してくれませんでしたが、子どもの障害や療育についてなにか口を挟むことはなくなりました。兄が放課後等デイサービスに行くことになった時も反対することはありませんでした。これはとてもありがたいことでした。私の磨きのかかった夫対応と、父を「世に放つのはヤバい」という息子夫はお酒が入ると「お前はバカだ」「気が利かない」「だめなんだ」と難癖をつけてきます。こんな言葉を頻繁に言われるのはいやですよね。こんなときの私の対応のコツは「のまれないこと」です。夫の言い分に、私自身の気持ちが持っていかれないようにするのです。自分は間違っていないと思っていれば大丈夫でした。Upload By ユーザー体験談今も「イヤイヤ、その言葉そのままお返ししますよ」と内心思うことも多々ありますが、いさかいにならないよう適当に相槌をうちながら話を聞くようにしています。それは理不尽だと思うようなことを言われていても、自分まで気持ちを高ぶらせて言い返してもしょうがないんだからと客観的に見ている感じです。ですから、夫に「ごめんなさいね」と頭を下げることも、苦ではありません。ただそんな姿を見ている息子は、高校3年生の頃「(父親を)世の中に放つのはヤバい」と言っていました。また「なんで別れないの?」とも……。Upload By ユーザー体験談もちろん子どもの進学費用など現実的な面もありますが、今は私も夫との関わり方に慣れてきたので、昔よりはずいぶん良好な関係になっています。夫も少しずつ変わってきていて、「言わなくていいこと」を言う頻度が明らかに下がってきました。あとはもうちょっと変わってくれて、大きくなった子どもたちから「お父さんにもいい面がある」と思ってもらえたらいいのですが。子育ても終わりに近づいて、今思っていること子どもも大きくなり、子育ても終わりに近いてきたと実感しています。ですが、大人になってからも、子どもたちがそれを許せないと思うのも仕方のないことなのでしょう。夫は障害を差別することはないのですが、一方で別の面で人を下げたり馬鹿にして満足する面があるため、子どもたちがそれを許せないと思うのは仕方ありません。ただせっかくの家族ですので、うまくつき合っていけたらと思います。イラスト/星河ぱよエピソード提供/きつねうどん(監修:鈴木先生より)ADHDとASDはカードの裏表のように併存している場合が多いのです。自分の思い通りいかないとイライラして高圧的になるのは、ASDに併存する易刺激性による場合もあります。私の外来には、親御さんのうち一方がADHDでもう一方がASDという夫婦の組み合わせが多いです。その子どもたちも父派と母派に分かれる傾向にあります。ADHDの診断はチェックリストなどでも可能ですが、ASDの診断は難しく、なかなか認知もされていません。療育だけでなく、診察でさえも無駄だと、外来に1度も付き添わない親御さんもいます。ASDの濃さ・グラデーションの差によって易刺激性には差が出ます。さほど濃くなければ加齢とともに学んでいき「言わなくていいこと」も減っていくのです。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。ADHD(注意欠如・多動症)注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
2023年11月22日乗り物酔い(車酔い、電車酔いなど)が起こる理由は?乗り物酔いとは、車、電車、船、飛行機などの乗り物で移動中に吐き気やめまいなどの不快な症状が生じる状態のことを言います。ほとんどの方は一度は経験したことがあるのではないでしょうか。乗り物酔いの症状には吐き気や嘔吐、冷や汗、めまい、頭痛、呼吸の乱れ、腹部の不快感などさまざまなものがあります。基本的には乗り物から下りれば徐々に治まってきますが、嘔吐を繰り返すと血圧低下や脱水状態につながることもあるため、適切に対処することが大事です。参考:乗り物酔い|MSDマニュアル家庭版参考:動揺病|MSDマニュアルプロフェッショナル版参考:乗り物酔い|一般社団法人日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会乗り物酔いが起こる理由として、人間の平衡感覚を制御している内耳の三半規管への刺激が多すぎることが考えられています。車などの乗り物に乗っているときは、発進、停止などのスピードの変化や前後左右、あるいは上下の揺れなどの刺激が内耳から脳へ伝えられます。その際に慣れない刺激が多く繰り返されることで脳が処理しきれないと 、自律神経へ誤った信号を送ります。そのために、吐き気やめまいなどの乗り物酔いの症状が現れてきます。また、慣れない刺激だけでなく目などから入る情報と、実際の状況が異なっている場合にも乗り物酔いが起こると言われています。例えば、船に乗っているときに、船自体は波で上下しているのに目では静止している壁を見ているといったときに、脳が矛盾を感じて乗り物酔いの症状が生じることがあります。乗り物酔い(車酔い、電車酔いなど)は治るの?小児科QA(質問)小学生と高校生の子どもがいます。家族で車に乗るときに小学生の子どもが毎回乗り物酔いをします。高校生の子どもは以前は乗り物酔いをしていたのですが、現在は平気なようです。乗り物酔いになりやすい年齢というのがあるのでしょうか?(回答)一般的には2歳から12歳ごろの子どもが乗り物酔いになりやすいと言われています。また、性別では女児の方が乗り物酔いになりやすい傾向があります。年齢だけでなく、内耳炎や片頭痛がある人もなりやすいと言われています。さらに、乗り物酔いを繰り返すことで、乗り物に乗ること自体に不安感がある場合にもなりやすくなるので注意が必要です。Upload By 発達障害のキホン(質問)小学生の子どもがいるのですが、乗り物酔いが激しくバスや電車に乗るのも嫌がります。今後遠出をする学校の行事もあるのでなんとかしたいと思っているのですが、どうすれば乗り物酔いは治りますか?(回答)乗り物酔いの克服のポイントは「慣れる」ことです。乗り物酔いの原因となる揺れなどの刺激を感じる機会が多いほど、その刺激に対する反応も治まっていきます。乗り物に乗るのを避けるよりも、予防薬を飲み短い距離から試すなど対策をしながら乗ることで成功体験を重ねていくことが大事です。対策についても一人ひとり合う方法が違うので、いろいろと試してお子さんに合うものを見つけていくとよいでしょう。Upload By 発達障害のキホン車や電車などの乗り物酔いを防ぐために乗り物酔いは酔い止め薬を飲むことや、ポイントを抑えることで予防することも可能です。代表的なものを紹介しますので、乗り物酔いで悩んでいる場合は試してみてください。乗り物酔いの予防薬として抗ヒスタミン薬や、制吐薬としてオンダンセトロンなどが用いられます。酔い止め薬はドラッグストアなどで購入できるほか、医師に相談して処方してもらうこともできます。・車で揺れを感じにくい席を選ぶ(シートベルトやチャイルドシートを適切に利用し、体の揺れを軽減させる)・前を向いてゆったりとした姿勢を保つ・遠くの景色を見るようにする・頭と体をなるべく動かさないようにする・本やスマートフォンの画面などを見ないようにする・乗り物に乗ったら寝てしまう・車などでは窓を開けて換気をする・船では甲板に出るなど新鮮な空気を吸う・乗る前に匂いや味の強いものを食べない・乗っている最中もなるべく飲食をしないようにする・前日はよく寝るようにする乗り物酔いが起こってしまったら対策をしていても乗り物酔いを起こすことはあります。そういったときに症状の悪化を防ぐ方法を紹介します。・可能であれば乗り物から降りる・乗り物内の換気をする・ベルトなど締め付けるものを外す・腹式呼吸をする・頭を冷やすようにする・クラッカーなどのさっぱりしたものを食べる・炭酸飲料を飲むなどが乗り物酔いの悪化を防ぐ方法としてあります。こちらも人によって効果は異なるため、合う方法を探していくことが大切です。また、乗り物酔いの薬の中には、酔った後にも効果があるものもあります。薬局などで購入できますので用意しておくといいでしょう。障害と乗り物酔いの関係先ほどは乗り物酔いになりやすい年齢などの傾向を紹介しましたが、障害と関連して乗り物酔いが起こる場合もあります。起立性調節障害があると、乗り物酔いもしやすいという調査があります。起立性調節障害とは、自律神経の乱れにより起立時に身体や脳への血流が低下する疾患で、起床困難、動悸、失神、頭痛などの症状が現れます。思春期の子どもが発症することが多く、小学生の5%、中学生の10%で見られると言われています。厚生労働省の調査によると、この起立性調節障害のある子どもの中で、乗り物に酔いやすいと答えた人が41.5%いるという結果が出ています。乗り物酔いの原因として起立性調節障害がある場合は、そちらの治療も行っていく必要性があります。乗り物酔いの他に、日常的に起床困難や立ちくらみなどの症状が見られる際はかかりつけの小児科や保健センターなどに相談してみるとよいでしょう。参考:起立性調節障害対応ガイドライン|岡山県教育委員会参考:起立性調節障害症状について|厚生労働省感覚過敏がある場合も、乗り物酔いにつながりやすい可能性があります。発達障害のある方の中には感覚過敏がある方も多くいて、予測できない動きや匂い、温度、湿度などへの敏感さが乗り物酔いを起こす要因とも重なっています。そのため、他の人よりも乗り物酔いが生じやすいことが考えられます。子どもに発達障害がある場合は、その特性も考慮したうえで乗り物酔いの対策をしていくとよいでしょう。参考:発達障害の理解|厚生労働省子どもの乗り物酔い、もしかして動揺病かも?乗り物酔いとは別に「動揺病」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。動揺病とは医学の分野などで使われる言葉で、基本的に乗り物酔いと同じ状態を指しています。乗り物に乗った際に吐き気やめまいなどの症状が現れ、中枢神経系出血や脳梗塞など別の疾患が原因ではない場合などに診断されます。治療では予防薬として抗ヒスタミン薬などが処方されることがあるほか、吐き気を抑えるオンダンセトロンなどの制吐薬が処方されることもあります。薬以外の治療方法としては、乗り物酔いの要因となる刺激に慣れる「適応」が効果が高いとされています。また、動揺病と同じようにめまいなどが現れる疾患に「メニエール病」があります。メニエール病も内耳の異常が要因となって発症すると言われています。ただ、メニエール病のめまいは乗り物に乗っていない状態でも起こるという点が動揺病とは異なっています。メニエール病にはめまいに加えて耳鳴りや難聴が伴うことが多くあり、手術をすることもあるなど動揺病とは治療方法にも違いがあります。乗り物酔いではなく、メニエール病の症状が見られる場合には、耳鼻咽喉科などを受診するようにしましょう。参考:メニエール病|MSDマニュアル家庭版乗り物酔いまとめ乗り物酔いとは、車や電車などに乗っている際に吐き気やめまい、嘔吐などの症状が現れている状態のことです。医学的には動揺病とも呼ばれています。乗り物酔いの要因は、加速や揺れなどによって平衡感覚を制御する内耳に過剰な刺激が加わることや、目から入る情報と実際の動きの矛盾などがあります。12歳ごろまでの子どもに多く見られますが、予防薬の服用や酔いにくくする対策をすることで抑えることができ、刺激に慣れていくことによって治まっていくと言われています。ただ、乗り物酔いの背景に他の障害がある場合や、別の疾患の症状が現れていることもあるため、気になる場合は医療機関の受診を検討するといいでしょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2023年11月19日私の愛すべき家族
育児に遅れと混乱が生じてる !!
こどもと見つけた小さな発見日誌