「発達障害」について知りたいことや今話題の「発達障害」についての記事をチェック! (30/98)
友達0人からの、療育のはじまりUpload By taeko4歳になったふーは、2ヶ所の療育に通所しています。ひとつは自治体の療育(個別)に月1回。もうひとつは、長男のミミと同じ民間の放課後等デイサービスの未就学児クラス(個別)に週1回通っています。ふーは少し言葉のキャッチボールが苦手なところもあって、友達0人からの療育スタートです。今日は、そんな療育が始まったときのお話をしたいと思います。医師の質問を受けているときに、ある違和感が…。自治体の療育の初回に、まず精神科医の診察をしてもらうことになりました。それは、5ヶ月後に大きな病院内の小児精神科を予約していて、そこへの紹介状を書いてもらうためでした。少し緊張気味に、初めての環境で、初めての医師に質問を受けるふー。医師:保育園でよく遊ぶのは何くん?何ちゃん?ふー:えっと、誰にしようかな…医師:保育園では何をして遊ぶのが楽しい?ふー:……楽しいことしてるとき…などなど。20分くらいの間に先生から投げかけられる質問に、ふーは頑張って答えていました。でも途中のある質問のときに、医師の質問と答えがかみ合わなくなってしまいました…!Upload By taeko「家で誰と住んでいるか」という質問に対して、「あのね、ボク誰かと有楽町行ったんだよ」と答えていたんです。先生も「そうなんだねー」と受け止めてくれましたが、これは一体どういう意味だろう?診察室に何とも言えない空気が流れました。それでも私もよく頭の中で連想ゲームをしてしまうのでわかったのですが…。質問の「お家」と「誰か」という部分から「祖母」のことを連想して、それとは別で前の質問の「楽しい?」からイメージを膨らませて、電車で行った楽しかった場所を答えていたようです。先生の質問に対してすぐに答えるのではなく、連想してふーが好きなことを言ってしまい、会話が成立しませんでした。身近な人だったら汲み取ることはできますが、初対面の先生は「答えてもらえない」「話を変えられてしまった」と思ってしまったはずです。Upload By taeko自分の伝えたいことを、ちゃんと伝えていくために質問の時間が終わると、ふーは好きなおもちゃを選んで補助していただいた方と遊んで待ってもらい、私は精神科医の先生と話をすることになりました。さっきの噛み合わない会話のこともありドキドキしながらも、まずはズバリ診断名を聞いてみました。でも、ひとまず今は、診断名がつく感じでは無いようでした。ただ、ふーが言葉のキャッチボールが少し苦手なことに変わりはないわけで…。コミュニケーションの中で、同年代の子と初めて話すときなど、相手の言葉を受け止めずに自分の好きなことだけを話しても相手に伝わりません。このままでは、意図を汲み取ってくれる人がいない場面では、伝えたいことが伝わらなくなってしまいます。今は良いかもしれないけれど、特にいつか社会に出たときに、きっと困ってしまうから。療育を続け、保育園とも連携しながら1年後の就学相談に向けて、ふーには今何が必要なのかということを見守っていくことになりました。Upload By taekoそして、療育の開始とともに、私も少し変わろうと思ったんです。今まで保育園でお迎えをするときは、先生に「元気です」と言われるだけでしたが、もっと園でのふーの様子を教えてほしいとお願いすることにしました。これからふーが、自分の力で伝えたいことをちゃんと伝えていくことができるように。そして、ふーのことを理解してくれる、友達が増えていってくれるように。そのために必要な成長を、親である私が見逃さないように。だから、私も先生に積極的に話しかけていくように、決めました。そんな、療育のはじまりのときのお話です。執筆/taeko(監修:井上先生より)コミュニケーションに困難さがある子どもにとって、園で体験した出来事を思い出しながらおうちの方に説明したりお話しすることはとても難しいことだと思います。お母さんがされているように、保育園のお迎えのときに、ふーくんがその日に遊んでいたことや、ふーくんの身の回りに起きた出来事をちょっとでも聞いておくと、ふーくんのおうちでのコミュニケーションがしやすくなるのではないかなと思います。話をしてくれることがまず大事なので、最初はたとえそれが正確な表現や事実でなくても、共感的に聞いてあげたり褒めてあげたりすること、そして少しヒントをあげてお話しできたらさらにほめること、そんなやり取り自体を親御さんが楽しめることが大切ですね。
2022年07月04日5年ぶりに再会した兄が、痩せて小さくなったことが少し切なくて…Upload By スガカズ重度の自閉スペクトラム症と知的障害がある私の兄は、現在40代後半です。昨年、オンラインの面会で久しぶりに兄の顔を見ることができたのですが、以前会ったとき(5年前)よりも痩せて小さくなっていました。私が子どものときは、7歳上の兄をとても大きく感じていたのですが…改めて年月の経過と老化を感じ、なんとも言えず切ない気もちになりました。ですが、面会した日に兄のケース担当の方から現在の生活について、詳しくうかがえたので、私の感情が変化しました。なぜなら「入居する前よりも、兄は健康的な人生を送ることができている」と改めて感じたからです。昔から偏食傾向がある兄。妹としては心配だけど私の母の考えは…?Upload By スガカズというのも、兄は昔から偏食傾向があり、口にする料理の種類は限られていましたし、例えばフライドチキンは衣しか食べないなど、食べ方も独特でした。当時そんな兄の食事事情を「仕方ない」とは感じつつも、(母はこれでよいと思っているのだろうか)(このままで大丈夫なのだろうか)と、妹として少し不安に思っていました。Upload By スガカズしかし現在、私自身が親という立場になったので、偏食のある子どもの食事がどれだけ大変か、痛いほど分かります。偏食のある子を見ていると、「食べない理由は味なのか食感なのか匂いなのか?」「年を重ねるうちに食べない理由が変化しているのでは?」「共に過ごす親に対して多少の甘えがあるのでは?」と、いろいろと考え込んでしまいます。施設での生活が、健康に年を重ねていくことにつながっている。痩せたことは悲しむことではない!Upload By スガカズ現在、兄が入居している障害者支援施設では、障害のある利用者が快適な日常生活を送るためにさまざまな工夫がなされています。そのうちの一つに、利用者の栄養管理があります。利用者は栄養士の管理のもと、個々の状態に合った食事の管理がされています。昔は偏食があった兄。施設で暮らすようになり、施設での食事に変わると、偏食はかなり改善されたようで、食べられるものの幅が変わったと聞いています。もしかすると決まった時間に、施設のみんなで食事をするという生活への変化が影響しているのかもしれません。あのときの偏食は何だったのか?と拍子抜けします。そんな生活の中でも楽しみはたまにあったほうが良いのではと思い、ときどき家族から施設に予め連絡をして、差し入れ(お菓子)を送るのですが、受け取ったときに満面の笑みで、周りに気づかれないように自分の部屋に持って行ったりするのだそうです(大袋よりも小分けのお菓子の方が、健康に影響もなさそうだし、職員から少しずつ本人に渡せるので良いのではと施設の方から助言があるため、そのようにしています)。施設での生活についてケース担当の方から話を聞いているうちに、「施設にお世話になる前よりも食生活が改善し、健康に年を重ねていくことにつながっている。痩せたことは悲しむことではないのだ」と思いました。医療機関との連携や、食事の管理など福祉を受けられているお陰で、兄はここ最近大きな病気もなく、元気に過ごせています。Upload By スガカズほかにも、日常生活や、ときどき行われるイベントについても聞けました。兄は毎日規則正しい生活を送ることができているようです。=====================7時半に起床、はみがき、朝ごはん9時に身支度(作業着に着替える)10時から15時まで共同作業所で仕事15時半に施設へ帰り、お風呂、普段着に着替えて自由時間18時に夕食19時半から20時に集まってティータイム22時に就寝(支援員さんが見回りをしているが、25時には必ず寝ているそうです)=====================施設の方に、日常生活以外で行われるイベントについても聞くことができました。茶話会を開くために利用者みんなでお菓子をつくったり、料理を楽しむ機会もときどきあるそうです。また、月に1回は必ずハイキングに出かけるなど、外の世界とのふれあいも大事にしていると教えてくださいました。親なきあとの現在。「人が人らしく生きていけるありがたみ」を感じて私の父と母は、想定していたよりも早くに亡くなりました。母の持病が悪化してしまい、重度の知的障害のある兄を育てることが難しくなったときーーーー兄のこれからの人生を心配し、障害者支援施設に入所するための準備をしたわけですが、当時はまだ私は学生で、きょうだいとして「私も兄も、この先どんな生活が待っているんだ?」といった漠然とした不安は少なからずありました。そんな時期を乗り越えて、兄が今の障害者支援施設に入所してから18年ほど経ちました。現在、それぞれ別の人生を歩んでいますが、お互いに合った環境で健康に過ごすことができ、久しぶりに会った際にはニコニコ笑って顔を合わせています。母をはじめとする親戚が、ありのままの兄を受け入れて、陰でサポートし続けてきたお陰だと思います。「人が人らしく生きていけるありがたみ」を感じ、自分の残りの人生を、「兄を支えてくれている方たちのお陰だ」と感じ、がんばって生きていこうと思えました。執筆/スガカズ(監修:井上先生より)親と同様きょうだいも同じ家族としての支援ニーズを持っています。きょうだいのニーズは、障害種や程度によっても異なりますが、年齢によっても変化していきます。きょうだいの立場からは、親なきあとに親と全く同じことをしてあげられるわけではないので、さまざまな悩みや葛藤も生じると思います。介護をされておられる方もいらっしゃいますが、互いに年齢を重ねる中で利用可能な支援サービスを活用し、無理のない距離感や生活のスタイルを考えていくことも大切かと思います。
2022年07月03日気圧や湿度の変化で体調悪化私は、天気の変化で気圧や湿度などが変わると心身に大きな影響が出ます。片頭痛、抗えない眠気や怠さ、無気力、関節痛など。幼いころのことは覚えていませんが、第二次性徴期に入って生理が来るようになるころにはすでに、天候によって調子が悪くなる感覚はありました。天気の変化によって起こる不調のことを「気象病」と言うそうです。気象病はどちらかというと女性に多いとも言われています。気象病には内分泌系や自律神経系の調節不全が関わっているため、これらの系統に困難を抱えている発達障害のある人には気象病が多いと聞いたこともあります。気象病を抱える人のうち、多くが気圧の低下に伴って症状を感じますが、気圧が下がるときには症状が出ず、上がるときに出るタイプもいます。私の眠気や怠さ、無気力は気圧が下がる雨の日によく出ますが、片頭痛はどうも気圧が上がるときに出るタイプのよう。台風や前線が過ぎかかって気圧が上がってくるととたんに発作が始まることが多くあります。症状があるときは生産性ゼロ気象病の症状が出ているときには普通の生産的な生活が送れなくなります。身体が泥袋のように重くなって昼寝するしかなくなったり、頑張って作業しようとしてもまったく頭が動かなかったり。天候という不可抗力によってその日の生産性を大きく左右されてしまうので、普通の会社勤めなどは私には無理だなと感じることがあります。気象病に対する私なりの対抗策気象病の多くは内耳にある気圧センサーのような機能の不全から来るらしいと聞いてから、気圧が変化しそうなとき、症状が出始めたときには耳を引っ張ったり揉んだり、上半身を中心にストレッチしたりして、耳周りの血行をよくするように心がけています。気のせいかもしれませんが、気象病の不調がマシになってきたように感じています。気圧の変化を知るためにアプリを参照することも。無料プランではできることが限られますが、指定した地点の気圧の変化をわかりやすい折れ線グラフで見ることができるので、とても参考になります。気象病は天気と同じで完全な予測はできず、ランダムに発生するものなので、気象病による生産性の低下は起こるものと前提したうえで、常に余裕のあるスケジュール設定をするようにも心がけています。薬もときどき服用しています。体内の水分を調整し、雨の日の頭痛に効くと言われている、五苓散(ごれいさん)という漢方薬はよく飲んでいます。天気によってめまいを感じる人が、気圧が変わりそうなときにめまい止めや酔い止めを飲む、という例を耳にしたこともあります。できる対策から試してみてITを活用して症状の出現を予測する、耳まわりの血行をよくする、薬をうまく使う、症状が出る前提でスケジュールを組むなど、気象病対策としてできることはいろいろあります。できることから無理なく対策を始めてみてはいかがでしょう。薬については、精神科の主治医やかかりつけの内科の医師に相談してみることをおすすめします。文/宇樹義子(監修者・鈴木先生より)小児科では気象病という言い方はせず、起立性調節障害(自律神経失調症)と診断されることが主流です。これは、神経発達症(発達障害)の20%に併存すると言われています。車酔い・朝起き不良・頭痛・腹痛・立ち眩みが主な症状です。小学校の高学年ごろから症状が出現し、不登校の原因の一つとして考えられています。午前中調子が悪く午後になると元気になるので傍から見るとさぼっているのではないかと誤解されやすい病気です。遺伝性もあり、どちらかの親も朝起き不良・立ち眩みや車酔いなどの症状があることが多いです。車酔いは自分で運転すればなくなるので大人になるとさほど目立たなくなります。春や秋など季節の変わり目に具合が悪くなるケースが目立ちます。クリニックでは15分くらい立たせて脈拍・血圧・心電図を測定して判定する起立テストを行います。心臓のポンプが弱く馬力がないので、ミドドリンという起立性低血圧を治すお薬で調整を行います。気象による影響のある病気で有名なのは喘息や骨折です。喘息は雨が降る直前に発作がよくおこり、骨折は雨が降ると痛くなるようです。
2022年07月02日無料の参加登録受付中!発達が気になるお子さんの成長を応援するオンラインセミナーが7/24(日)に開催決定Upload By 発達ナビアライアンス プログラムもうすぐ夏休み!どこか浮足立つ気持ちがある一方で、お子さんと家で一緒に過ごす時間が増えることに不安もある方もいらっしゃるのではないでしょうか。今年の夏は子どもたちと何をして過ごそう?学校の宿題はやってくれるかな?きょうだいゲンカが増えたらどうしよう?そこで発達ナビは、発達が気になるお子さんとそのご家族が、ご自宅で気軽に夏休みや日々の暮らしに役立つ情報を得られる機会をお届けしよう、と考えました。それが、「オンラインサマーフェスタ2022」です。発達が気になるお子さんを応援する専門家・企業によるセミナーやQ&Aをご用意し、少しでも毎日の生活のお役に立てたらと思っています。当日は豪華14セミナーの中から、お子さんやご家族のお悩み・知りたいことに合わせてご視聴いただけます。「LITALICO発達ナビオンラインまなびフェスタ2022」開催概要・日時:7/24(日)9:30~17:30(予定)・参加費:無料・形式:Youtube Live配信・参加方法:事前申込必須。下記ボタンよりお申し込みください。・内容:専門家講演、発達が気になるお子さんを応援する企業によるセミナー、当日参加者限定のプレゼント抽選会※企画調整中のため、今後変更となる場合もございます専門家セミナー:発達が気になるお子さんを支える、商品・サービスのご紹介Upload By 発達ナビアライアンス プログラム宿題や生活リズム、お家で何する?お出かけはどうする?など、夏休みが始まるこの時期は気になることがいっぱい。有意義な夏休みにするためにできることについて、事前アンケートで寄せられた内容を中心に井上先生にお話しいただきます。セミナー後半には、保護者のみなさんにいただいたお悩みや質問にも回答するQ&Aタイムもご用意しています。井上雅彦 先生鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授/LITALICO研究所 客員研究員 応用行動分析学をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。Upload By 発達ナビアライアンス プログラム友人関係や宿題のお悩みから、おうちで過ごす時間が増えるこの時期に気になる親子の関わりまで、保護者のみなさまにいただいた事前質問を中心に、児童精神科医の三木崇弘先生にお話しいただきます。三木崇弘 先生フリーランス児童精神科医/スクールカウンセラー 兵庫県姫路市出身。愛媛大学医学部卒・東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科博士課程修了。早稲田大学大学院経営管理研究科修士課程修了。 愛媛県内の病院で小児科後期研修を終え、国立成育医療研究センターこころの診療部で児童精神科医として6年間勤務。子どもの暮らしを医療以外の側面からも見つめる重要性を実感し、病院を退職。 2019年4月よりフリーランス。“問題のある子”に関わる各機関(クリニック、公立小中学校スクールカウンセラー、児童相談所、児童養護施設、保健所など)での現場体験を重視し、医療・教育・福祉・行政の各分野で臨床活動をしている。Upload By 発達ナビアライアンス プログラムお子さんの成長に伴い、社会性が求められ、コミュニケーションが必要とされる機会はどんどん増えていきます。では、早くからやりとりのスキルやマナーを教えるべきでしょうか?お子さんが、自分らしく自信をもって人とやりとりをし、社会参加ができるようになるためには、幼少期の「土台づくり」がとても重要です。土台づくりのために保護者はどのようなサポートができるか、さらに、保護者からのサポートはお子さんが何歳になるまで続けるべきか、青年期以降の「親ばなれ・子ばなれ」のタイミングについてもお話しします。日戸由刈 先生相模女子大学人間社会学部教授、博士(教育学) 横浜市総合リハビリテーションセンター 発達精神科外来にて20年間心理士として勤務後、同センター児童発達支援事業所「ぴーす新横浜」園長を務める。2018年より現職。公認心理師、臨床心理士、臨床発達心理士。専門家特別講演は、日本生命保険相互会社の提供でお送りします。未来をつくるのは、いつだって子どもたち。けれど、この国では多くの人が、子どもを育てることの難しさに直面しています。みんながもっと自分らしく生きられる明日を叶えるために。子どもたちが未来に向かって伸びやかに、自分の可能性をひろげることができるように。群れ全体が協力しあって子どもを育てるペンギンのように、子育ての壁や不安のない社会を、みんなで手を取り合ってつくっていきたいとの想いから、「NISSAYペンギンプロジェクト」を始動しています。子育てに頑張るすべての人を、そして子どもたちの未来を、日本生命は全力でサポートします。日本生命相互会社企業コラボセミナー:発達が気になるお子さんを支える、商品・サービスのご紹介発達が気になるお子さんの成長を応援する企業のみなさまにも協賛をいただき、多様なセミナーをお届けいたします。育児や療育、学習、普段の暮らしをより豊かにする商品・サービスをご紹介いただきますので、ぜひご期待ください!今回ご参加いただく企業のみなさまをご紹介いたします。Upload By 発達ナビアライアンス プログラムトマティス®️聴覚トレーニングは60年以上の歴史を持ち、70ケ国400以上のセンターで使用されている、音楽と自身の声を使用する安全で手軽な聴覚ケアです。みみいくトマティス®️聴覚トレーニングでも、未就学児から大人まで、毎年多くの人が聴覚と心理のケアを受け、「過敏の緩和」や「聴く力の向上」につながっています。本セミナーでは、聴く力の弱さやストレス反応としての聴覚過敏、どちらもケアできるトレーニングをご紹介します。特性、目的、状態に合わせてさまざまなトレーニング方法と機材があります(一部購入も可能)。お子さんと保護者であるあなたの耳と声を育てて、学校や家庭内でのコミュニケーションを円滑にしましょう!Upload By 発達ナビアライアンス プログラム株式会社フミUpload By 発達ナビアライアンス プログラム学習教材「すらら」は、無学年方式のe-ラーニング教材。学校や塾で採用され、学習者数は、2021年10月時点で約44万人となりました。お子さん1人ひとりに合った学習が求められる時代、「無学年方式」はこれからの教材トレンドです。小学校1年生から高校3年生までが対象で、国語・算数・理科・社会・英語の5教科に対応しています。家庭学習の利用者の半数以上が不登校や発達障害のあるお子さんで、勉強に困難があるお子さんも自分のペースで楽しく学びを継続しています。2022年も是非、注目してください。Upload By 発達ナビアライアンス プログラム株式会社すららネットUpload By 発達ナビアライアンス プログラムラフ&ピースマザーは、「遊びと学び」をテーマにお笑い芸人やタレント、教育分野の有識者、スポーツ選手などがさまざまなコンテンツを発信しています。動画サイトでは、ここでしか観られない限定ムービーやタッチして遊ぶとストーリーが変化する新感覚「タッチムービー」を公開中!オンライン教室は、月々たったの1,950円で授業が「受け放題」になるサービスをスタート!学校や塾とは違う、新しい学びの体験ができる教室に思う存分参加してみませんか?夏休みの困りごとを解消する企画もご用意しています!Upload By 発達ナビアライアンス プログラム株式会社ラフ&ピースマザーUpload By 発達ナビアライアンス プログラム「リップルキッズパーク」は、2009年にスタートした子ども専門オンライン英会話サービスです。オンライン完結だから、送り迎えなくおうちでレッスンを受講することが可能です。マンツーマンだから、お子さま一人ひとりのレベルや性格、習熟度に合わせた最適なレッスンが受けられます。専任講師による楽しいレッスンだから、お子さまが英語を好きになり、継続して受講ができ、結果的に英語力を上げることが期待できます。アカウントは1つでOK!きょうだい・親子でレッスンを分け合い、一緒に英会話を学ぶことができます。Upload By 発達ナビアライアンス プログラム株式会社エンビジョンUpload By 発達ナビアライアンス プログラム凸凹がある子に学習の個別最適化を実現する「天神」は、インターネット不要で使えるデジタル学習教材です。幼児タブレット版、小学生版、中学生版が人気で、以下の点で評価されています。・一問一答で集中しやすい・一問ごとに誉められて楽しく学べる・類題豊富で正解するまで何度でも学べる・問題・ヒント・解説が親切丁寧小学生版では、以下の点も人気です。・音声読み上げで勉強へのハードルが下がる・動画講義を何度も繰り返せるご自宅にタブレットやパソコンを貸出する無料体験も行っています。Upload By 発達ナビアライアンス プログラム株式会社タオUpload By 発達ナビアライアンス プログラムアネビーは、発達障害を「感覚の障害」ととらえています。遊びは感覚にはたらきかけるものなので、遊びで発達障害児の支援が可能になります。アネビーは、遊具メーカーとして、子どもたちが一日をいちばん長く過ごす場所の環境を、遊び=遊具の力で変えていきます。セミナーでは、公園にある遊具一つひとつに秘められた、お子さまの生活や学習の土台となる力を育む工夫をお伝えします。ぜひご注目ください。Upload By 発達ナビアライアンス プログラム株式会社アネビーUpload By 発達ナビアライアンス プログラム「PAKU MOGU(パクモグ)」は、好き嫌いが多い子どもたちの完食を目指したミールキットです。15分の簡単調理で主菜と副菜の2品が完成し、付属のレシピは子どもたちが調理に参加するポイント付き!親御さんの時短調理に役立てるだけでなく、調理に不慣れな子どもたちに食に触れるきっかけを提供します。自宅での自立支援もサポートできるよう、今後もかんたん調理ができる商品設計に努めてまいります。週1日からご注文可能で、お子さまの好みに合わせて毎日2種類の献立からお好きなものをお選びいただけます。ぜひ一度お試しください!Upload By 発達ナビアライアンス プログラム株式会社ワタミ昨年から今年にかけて3度開催してきた、多様な選択肢と出合える、発達ナビの「オンラインフェスタ」。「家庭学習」「STEAM教育」「進路選び」「学用品」など、幅広い切り口で多くの専門家の方々や累計25社の協賛企業にお集まりいただき、のべ1万名を超える保護者のみなさまにご参加いただいて大きな反響を頂きました。【ご参加いただいたみなさんのコメント】・ためになるお話ばかりで、とても参考になりました。自分が具体的にどう関わっていったらいいのか、何ができるのかがハッキリし、子供と向き合うのが楽しみになりました。・すごく講演もわかりやすくて、同じような境遇の人がいて、悩んでるのは自分だけではないと少し気持ちが楽になりました。・発達障害や不登校のお子さんとの関わり方の導入として分かりやすくできており、より理解を深めたいと感じた。一つのサポートの形として、知識を得て利用していくことで母子共に窮屈のない育児になっていくのではと感じた。登壇者の方への質問や保護者のみなさん同士の交流のコメントで盛り上がったこのイベントには、事後アンケートで多くの次回開催を望む声が届きました。今夏も、保護者のみなさんの疑問や不安に寄り添ったオンラインセミナーをお届けします!ご自宅からお気軽にご参加ください。たくさんの方のご参加を、心よりお待ちしております。Upload By 発達ナビアライアンス プログラム
2022年07月01日孫の気持ちを考えない父私の父は昭和9年生まれの、頑固な人でした。今考えると、父も発達特性があったのかもしれません。周りがどんな状況であっても、昼の12時になったら「飯!」と叫び、夕飯はキッチリカッキリ18時半に開始…そんなことを母に要求する父でした。息子を出産した日は、両親ともに病院に来てくれていました。息子の出産時刻は18時だったのですが、だんだんと18時半に時刻が迫ってきたときに出た言葉は「飯の時間だから帰るぞ!」でした。Upload By 立石美津子これは、食物アレルギーのある息子の目の前で、父が自分の食べたいソフトクリームを食べている写真です。うしろから私が何とも言えない顔で見ています。食物アレルギーのある子を育てる親御さんの中には卵や乳製品が入っていないクッキーやケーキなどのお菓子を準備する人もいます。けれども、私は誤食事故を防ぐため、「自分の食べられない物を知る」という教育をしたかったので、目の前で食べることは悪いことだとは考えず、父に対して止めることはありませんでした。ただ、父はそんな教育方針を理解したうえで、目の前で食べたのではなく、「自分が今、食べたいから食べる」、そんな状態だったと思います。孫の障害に対しても全く理解を示さず、私に対して「墓守なのに難儀な子を産んだ」とよく口にしていました。たまに実家に遊びにいったときも、孫である息子が見たいテレビを要求しても、頑としてチャンネルを譲らない父でした。また、パニックを起こす息子を見て「静かにさせろ」と私に要求し、それでも収まらないときはいそいそとスポーツクラブに出かけてしまうのでした。「怖いおじいちゃま」7年前に父が癌で亡くなったとき、看護師が息子に「どういうお祖父様でしたか?」と尋ねました。すると息子は、「怖いおじいちゃま」と答えていました。またお通夜の場で、実家の玄関に付いている祖父のフルネームが書かれた表札をいつ変更するということばかり気にしていました。悲しい気持ちはもちろんあったのだと思いますし、自閉スペクトラム症の特性ゆえの面もあったでしょうが、自分を理解してくれなかった祖父に対して、息子なりにいろいろな思いがあったのだと思います。Upload By 立石美津子両親への想いUpload By 立石美津子母ももう80代となりました。母が子育てしていた時代は発達障害という言葉もありませんでしたので、知識も祖父のようにはありません。でも、障害があろうとなかろうと可愛い唯一の孫。そんな愛情をかけてくれる母です。怖い父ではありましたが、シングルでも困らないようにと経済的な面でもいろいろ支えてくれました。生前は折り合いが悪いこともありましたが、亡くなった父の墓前にまいるたび、「本当にありがとう。感謝しています」と伝えています。執筆/立石美津子(監修者・鈴木先生より)昔から「雷おやじ」「頑固おやじ」などと称される父親の多くには、ASD特性があったと思われます。お父様には、食物アレルギーの孫の前でもソフトクリームを食べてしまう自己中心的な面や、パニックになった孫と遊ばずスポーツクラブへ出かけてしまう聴覚の過敏さやマイペースさ、また時間へのこだわりなどがうかがえます。しかし、経済的な面での支えがあったことは救いです。自己中心的な面があっても、娘のことを思いやる優しさがベースにある、一見怖いけれど実は優しいお爺さんだったのだと、お子さんに伝えてあげてください。
2022年07月01日「療育って何?」からスタートした9年前Upload By 丸山さとこ今思えば、息子コウの発達の凸凹は2歳ごろから現れていたのだろうと思います。たまに「あれ?」とひっかかることもありました。ですが、「男の子は言葉が遅いから大丈夫」「気にしすぎないで。お母さんはおおらかでないと!」などと人から言われていたこともあり、「ちょっと変わった子だな」程度に思って過ごしていました。そんな私が療育というものを知ったのは、3歳児健診で療育園をすすめられたときでした。本を読み療育園に通うことで療育について少しずつ知っていった私は、『あれ?ごく当たり前のことが書いてあるな…?』と首をかしげました。家庭内で意識せずに行われていた『療育的な関わり』のこと当時読んだ本が「これから発達障害や療育について知っていきたい親」のための入門書だったのもあるかもしれませんが、「子どもの反応を見る → 予測を立てて関わる → 子どもの反応をフィードバックする」という関わり方は、私にとって拍子抜けするほど普通のことに思えました。Upload By 丸山さとここれは、私自身にASDとADHDがあり普段の生活の中である程度工夫をしていため、療育の入門本に書いてあった関わり方を感覚的に理解しやすかったのもあるかもしれません。また、それに加えて『産まれたばかりの乳児の世話を手探りで行った経験』も関係あったのではないかと思います。まだ首も座らないフニャフニャのコウを世話しながら、泣く・寝ない・上手く飲めない・何をしたいのか何を考えているのか全く分からない乳児という存在を前におののいた覚えがあります。Upload By 丸山さとこ「赤ちゃん(コウ)自身も何をしたら自分が快適になるのか、まだ分からないんだろうな」と考え、「一緒に頑張ろうな~」と声をかけながら関わっていきました。そうするにつれて、コウが『今どんな感じか・何を要求しているか・何に興味を持っているか』が少しずつ分かるようになってきました。そのような観察や試行錯誤の繰り返しが、結果的に”療育的な関わり”となっていたかもしれません。今振り返ると、コウとの付き合いが始まった乳幼児期に「意識的に行った療育的な関わり」として一番にあげられるものは、ハイタッチだったのではないかと思います。乳幼児のころから目線が合いにくいコウでしたが、彼の視線に割り込むと(多分、邪魔だという理由で)機嫌が悪くなり怒っているような様子になるので、彼が見ているものの近くや後ろでさりげなく存在をアピールしたり、ハイタッチして目線を合わせたりしました。Upload By 丸山さとこ手を挙げることやハイタッチはコミュニケーションにも有効でした。子どもの絵本や手遊びには手をあげるポーズが多く、コウが「手を挙げる」行動を模倣するようになったことで、それらの遊びが行いやすくなりました。たまたまバンザイしたときに手のひらへのタッチをすることで「親の手の動きに反応して手のひらにタッチする」を覚えてハイタッチができるようになったコウは、「タッチする度に位置が変わる手のひらにタッチする」という単純な手遊びも喜んで行うようになりました。Upload By 丸山さとこ最初は「動く手のひら」を目で追うのが難しかったり、手のひらの向きが変わると混乱したり、タッチすることばかりに夢中になりよろけそうになったりしていました。そのときどきのコウに合わせて難易度を調節することで、楽しく遊びながら、『今日の調子はちょっと不安定だな』『こんなこともできるようになったんだな』『判断が早くなったな』『難しいことを面白がるようになったな』などとコウのコンディションや変化を感じることができました。コウだけでなく私自身も遊びを通して気持ちの切り替えができ、親子ともども楽しめる良い遊びになりました。また、当時のコウは物への興味が強くあまり人間には興味を示していませんでしたが、ハイタッチは「手のひらという遊び道具」を通して少しずつ「手のひらの持ち主」にも目を向けるきっかけになったのではないかな?と感じます。今でも続く「療育的な関わり」の、変わることと変わらないことその後も、「いくつ?」と聞かれたら「3歳」と答えるような、質問に対して答えるというやりとりを『セリフを言う人の肩に触れる』ことで教えたり、遊具で遊ぶ練習など、いろいろ療育的な関わりをしていきましたが、そんなコウももう中学生。これからは直接サポートすることは段々と減っていくだろう…と思っていました。そんな矢先、先日行われたスクールカウンセリングにて「コウ君のようなお子さんは、中学生や高校生になってからもほかの多くのお子さんよりサポートは必要であり続けることが多く、今のところコウ君もそうである可能性は高いです」とハッキリ告げられ、心の中で泡を吹きました。とはいえ、次第に「療育的な関わり」というよりも、成人の神経発達症(発達障害)がある人に対するような配慮をしていく形になっていくのかなと思っています。Upload By 丸山さとこコウに対する療育的な関わりが当たり前のこととなった今振り返ると、具体的な手法やノウハウや例など、書籍やWebから得られる情報は10年前より各段に増えたなと感じます。それらの情報を取り入れて何とか回している日々の中、「今日はもう何をやってもダメだ…!」となることもあります。そんなとき、生まれたての赤ちゃんだったコウに振り回されたあの疲労困憊の日々を思い出すと、少しだけ初心に戻れそうな気がするこのごろです。コウが中学生になったことで、乳幼児期が遠い思い出になったのかもしれません。執筆/丸山さとこ(監修:井上先生より)丸山さんもおっしゃっているように小さいころの支援と思春期になった今必要とされる支援とは質的にもかなり違ってきていると思います。本人なりに考えて行っていることに対して、すぐに否定しないでいったん受け入れてから一緒に考えていくことなど、本人が自分で問題解決し自立していくのに必要なステップが親御さんとの関わりの中に含まれていると思います。苦手なことに出合ったときにこうやればうまくいくというような方法や環境を、一緒に探していくことで、「困ったときは人に聞いてみてもいいかな」という援助希求や「まあなんとかなるさ」という自信につながっていくとよいですね。
2022年06月30日2歳9ヶ月で通い始めた療育Upload By まる3歳ごろに自閉スペクトラム症の診断が出た息子リュウ。2歳9ヶ月のときに療育に通い出した。そこは集団療育、親子通園(年齢や日数に応じて)を行っている施設で、先生の人数も多くいろいろと相談しやすそうな雰囲気があり通うことに決めた。昨年度は週に2回通っていたが、現在息子は4歳になり保育園もあるので週に1回通うことにしている。療育に通い出したころは教室から出たい、座っていられない、早くお弁当を食べたいで泣いたり逃げたり…。リトミックや親子体操などをやるのだが息子は一切参加しない状態で、「療育に来る意味あるのかな…」と疑問が出てくるほどだった。親子体操とリトミックUpload By まる療育に通い出してもうすぐ1年半になる。療育に行くのが楽しいようで「今日はバスに乗って療育に行くよ」と声かけをすると「バスーバスー」と嬉しそうに自らリュックを背負ってバス停まで向かう。教室に到着するとわが物顔でおもちゃを取り出しのびのびと遊んでいるが、いまだに親子体操は逃げるしリトミックは参加したがらない。しかし変化はある。以前は泣いて嫌がることも多かった親子体操だったが、今は笑いながら逃げ回っている。先生いわく「どんなことをするのか分かっていてやりたくない」のではないかな、とのこと。先生もそんな息子を無理に参加させようとすることはなく、「いいよ~じゃあそこで見ててね!」などの声かけをしてくれたりと、息子の気持ちを優先してくれている。たまに様子を見て誘ってくれたり、息子の手を取って私の代わりに参加させてくれたりしてくれる。捕まえて参加させると楽しそうにニコニコはしているので嫌ではなさそうだがすぐにまた逃げてしまう。リトミックはというと、音楽が流れ出すと耳を塞ぐようになってしまった。耳を塞いでママの足の間にうずくまったり、別の部屋に逃げたりするのだ。ただこれも嫌な表情はせずにニコニコしている。まだ言葉で伝えることができない息子なのでこれの真意はまだ分からないが、無理に参加させることはせずに見守っている。椅子に座ることも長時間はできないが、興味のある絵本の読み聞かせなどにはきちんと座って聴くことができるようになった。家ではというとUpload By まる家に帰ってから療育でのことを生かして何かに取り組んだりなどは特にしていない。たまに気が向いたときにだけ療育でやっていた親子体操をやってみたりするが、息子は興味なくやめてほしそうなそぶりを見せる。療育に通い出したころは、親子体操やリトミックは大体同じ内容を繰り返すから家でもやると早く慣れていいかも!と思ったのだが、家でも嫌がって逃げたので諦めたのだ。1番嬉しい成長Upload By まる1番私が嬉しかったのはお返事ができるようになったことだ。療育で椅子に座った際に名前を呼ばれてお返事をするのだが、通い出したころは「この子はこの先、椅子に座って返事ができるようになるのかな…」と不安になるほどだった。座らせてもすぐに立ち歩き静止すると泣いて怒ったり、呼びかけに対して無反応だったり、目線が別の方に向いていたりなどとにかく反応が返ってこなかった。先生は反応がなくても毎回呼びかけてくれ、たまにハイタッチのみでの返事ができるようになっていった。今は機嫌が良ければ「ここに座って」の指示がきちんと伝わり椅子に座り、名前を呼ばれると手を挙げながら「はーい」とお返事してくれる。これは、療育のほかにも保育園でも毎日の習慣として実践してくれていたからだろうと思う。このように少しずつだけど確実にできることが増えているし、親子登園を通してそれらの成長を確認することができる。実際に息子の成長を見て、こんなことができるようになったんだ!と育てていくことのモチベーションにも繋がっている。執筆/まる(監修:鈴木先生より)やらなくても無理やりやらせず、まず参加できるようにすることが大事です。返事ができるなど何か一つ成果があれば参加したメリットがあったと考えましょう。コミュニケーションの基本は挨拶です。返事ができるようになったら、次は視線は合わなくても相手の方を向いて「こんにちは」「おはようございます」などが言えればいいですね。私のクリニックでやっている音楽療法でも、無理やり参加させず、お子さんがやりたくなったら参加してもらっています。さらに始まりと終わりの挨拶を毎回ルーティーンでやるので、いつの間にか家でも習慣になっているようです。
2022年06月29日大好きな旦那さんのまーくんが突然亡くなってしまい、残された幼い子ども2人を抱えて生きていくことになったせせらぎさん。せせらぎさんの人生は、ここから大きく変わることになりました。どん底にいたせせらぎさんでしたが、幸せになろうと覚悟し、ブログや本を書くなどやりたいことをするようになりました。すると、批判もありましたが、似た境遇の方から、温かい励ましや共感の声が届くようになったのです。ネットでどうしたらいいか答えを探しては見つからず、苦しかったせせらぎさんにとって大きな励みになりました。そこで、せせらぎさんはある行動にでることにしました。旦那が死んだ直後… 死別した方専用のオープンチャットを開設した。 LINEの機能を使ったもので、匿名のIDで参加ができるというチャットルーム。 入るのも出るのも、見るのも見ないのも自由で、気が向いたときに気軽に参加ができるもの。 子どもがいる方いない方、死別後にうつ病を発症した方、彼氏彼女と死別した方、子どもが亡くなった方など、いろいろな方向けにお部屋を作った。 同じような境遇、同じような時期であれば、共感できるものが多いと感じ、開いたルームは現在31個。これは今後も増やしていく予定。 旦那さんのまーくんが突然亡くなってしまい、その直後、ネットで情報集めをしたせせらぎさん。 「幼い子供を残して世帯主が死んだらどうなるのか?」 しかし、答えは見つかりませんでした。 残された子供2人のうち1人は発達障害児でしたが、まったく同じ境遇の人は見つからず途方にくれる日々でした。 しかしブログを開始して、声を大にして自分の状況を発信し始めると、同じような境遇の人がたくさん集まってきたのです。 そこで情報集めに苦悩したせせらぎさんは、同じように旦那さんとの死別後に困っている方向けに、自分が欲しかった情報をまとめて公開することに。さらに目安箱や掲示板を作って情報共有や想いを吐き出せるようにしたのです。また、死別者専用のオープンチャットも開設。 万人を救えるわけではないけれど、「誰かを楽にするものが作れたら」という想いからの行動でした。 頑張ったせせらぎさんは、いつの間にか、必死に生きてきた結果、自由に生きられるようになっていました。旦那さんの死で、人は本当に死ぬと知ったからこそ、いつ終わるか分からない人生の中で、大切にすべきものと、そうでないものを明確にできるようになったと言います。 真に「自分を生きる」ということ、誠に「人を愛する」ということ。 どちらも教えてくれたのは、今はいない旦那さんのまーくんだったのです。 ◇◇◇せせらぎさんのマンガをとおして、大切な人がいる日常が当たり前でないことに気付かされました。そしてせせらぎさんは、諦めないこと、前向きな気持ちや目標をもつこと、毎日を精一杯過ごすことの大切さを私たちに教えてくれたのだと思います。自分の人生は、考え方、過ごし方でこんなにも大きく変わるのですね。毎日を丁寧に精一杯過ごしていきたいですね。著者:マンガ家・イラストレーター せせらぎ
2022年06月28日こだわりが強く、心配性な長男長男は現在小学2年生。年長のときに自閉スペクトラム症やDCD(発達性協調運動症)などの診断を受けました。性格は特性も関係しているのか、こだわりが強く融通が利きにくく、また慎重で真面目で過剰なぐらい心配性で、不安感も強く怖がりです。そして、独り言が多く過剰に喋る所があります。もともと優しく世話焼きな性分なので、過剰なぐらい世話を焼いたり、小言なども多い長男。学校や学童では次男の世話を焼き過ぎるぐらい焼いては、次男に「うるさい!」などと言われているようです(苦笑)。私と実母、実父との関係私と実母(子どもたちにとっての祖母)の関係はあまり良いとは言えません。私自身バツイチなのですが、離婚の際には世間体を気にして大反対、今の夫(夫もバツイチです)のことも最初から受け入れてくれず、その後生まれたわが子たちに関しても「孫だとは一切思わないし会いたくもない!」と言い張っていると実父から聞いていました。母は障害への偏見も強く、元々好き嫌いをハッキリ態度に出し、一度相手のことを嫌い!となるとそれ以降は一切受け入れないので、そもそも「会いたくない」と言っているのに、障害のある長男を受け入れてもらえるかは心配の種でした。実家が遠いこともあり、頻繁には会わないのですが、対照的に父は「会ったことがない孫であっても孫には変わらないから」と毎月仕送りをしてくれています。御礼の電話の度に子どもたちと楽しそうに話す様子を見て「父はやっぱり孫に会いたいのだろうな…」と私も夫も申し訳ない気持ちになっていました。家族旅行で実家のある県へ。そこで両親に会い…そんなある日、家族旅行で実家のある県へ行く機会がありました。仕送りしてくれている父への感謝を会って伝えたい。せっかく近くまで行くのだから、両親に孫を会わせたいと考えました。実家で会うよりも外で会う方が良いだろうと、宿泊しているホテル近くの駅で待ち合わせて、喫茶店で話すことにしました。喫茶店で自己紹介をするやいなや、定型発達の次男は当たり前のように私の両親の間に座り、うれしそうに2人と手をつなぎました。甘え上手な次男のニコニコと人懐っこい様子に、二人は「可愛い、可愛い」と目を細めました。一方長男は、様子を伺いオドオドして、私の手を離しません。父が長男に少し質問したら、関係ないことまで話し出したり、独り言を言いはじめたりといつもと違う環境に興奮気味なのか声の大きさの調節もできずにいました。Upload By 発達ナビ編集部長男がパニックを起こしてしまい…次男と夫がトイレで席を立つと、母から責めるような言葉を投げかけられました。長男の様子が気に入らなかったのでしょう。場の空気が張り詰めたキツイ感じになりました。そんな母を父は諫めてくれたのですが、長男は場の雰囲気を感じ取りパニックを起こし大声をあげて号泣してしまいました。私は長男を抱き締めて「大丈夫だよ。喧嘩じゃないからね。ママはここにいるよ」と背中をさすり続けました。Upload By 発達ナビ編集部その間もずっと母から「小さい子じゃあるまいし泣き喚いて恥ずかしい」「何話してるのかさっぱり分からないし、独り言をずっと言ってて気持ち悪い」「甘やかしてるからそうなるんじゃないの?障害だからって周りの人にも迷惑でしょう?」など厳しい言葉を言われ傷つきましたが、ただ長男の背中をさすって母の言葉をやり過ごし続けました。昔からこう言う人だからと、あきらめていたのだと思います。それを聞いていた父は、優しい口調で「ビックリしたんやなぁ。電話で毎月じぃじと話してるけど初めての土地で初めて顔合わすし、そら怖いやろう。でも、じぃじは泣いてもその顔すらもうれしいんやでぇ。それだけ大きい声で泣けるんは元気な証拠やぁ。お前もよう頑張ってるなぁ。2人を見れば分かるよ。大変やと思うけどえぇお母さんやっとる。頑張っとるなぁ」と長男の頭をなでてくれました。父が話してくれたこと夫と次男がトイレから戻ると、父が持病のかかりつけの医師に、長男の発達障害について話したときのことを教えてくれました。なんと父自身、多動傾向があり衝動性が強く、集団生活が苦手で会社を辞め自営業に転職したことや、国語はからっきしなのに、計算だけはものすごくできたというのです。医師に「ご自身も発達障害の傾向があったのかもしれませんね」と言われたと話してくれました。それを初めて聞いた母は「なんでそんなこと言い出すんよ?!そんなわけないやろ?!」と苛立って声を荒げました。父はしれっとした感じで「障害があろうとなかろうと、この子はこの子でただの個性や。それをぐちぐち言える権利が俺らにはないんやで?この子のありのままを受け入れてやらんとやろ?」と泣いている長男の手を取り何度もさすってくれました。その言葉がとてもうれしく、涙がこぼれそうになりました。Upload By 発達ナビ編集部次男も「お兄ちゃんはね、パニックになってるだけなの。優しくてね、僕の自慢のお兄ちゃんなの。だからねチクチク言葉はダメなんだよ?」と母に言うと、母は父と次男に「自分が悪いの?」と非難するような視線を送りました。父は「何も気にすることはないし、この子はこの子。しっかり育てるんやで」と笑ってくれました。母だけが納得のいかない表情をしていました。長男の優しさに触れて別れる時間となり、みんなで両親を駅まで見送りに行きました。母は数ヶ月前に足を骨折してから、骨粗鬆症もあり治りが悪く、足を引きずるようになっていました。父からも母が週5だった仕事を週3にしていることを聞いていたので子どもたちにも「ばぁばはね、足が悪いからゆっくりしか歩けないんだよ。抱っこをねだったり、手を引っ張って急かしたらダメだよ」と言い聞かせていました。父と母と手をつないで歩いていた次男がふざけて手を引っ張り駆け出そうとしたりしていたのを見て、長男が「そんなことをしてはダメ!」と強い口調で言いました。その後、母の元に駆け寄ると「ばぁば、足痛いんでしょ?大丈夫?弟がごめんね。無理しないでね」と顔を見上げ心配そうに声を掛けていました。母は驚いて戸惑うような表情をしていました。先程パニックを起こした長男の様子を見ていたので、そんな気遣いができるなんて想像できなかったのだと思います。その様子を見た父は、目を細めて微笑みながら長男の頭をなでて、母に「この子は優しい子やないか?違うか?」と言い、「ありがとうな。ばぁばを気遣ってくれたんやなぁ」と長男をたくさん褒めてくれました。母は父の言葉に目を伏せて黙って頭を垂れていましたが、「ありがとうね。心配してくれたんやね」とそのときに初めて長男と言葉をかわし、頭をなでてくれました。駅に着き、別れたあとも両親は改札の向こう側から何度も振り返り、手を振ってくれました。Upload By 発達ナビ編集部母に対して思うことすぐさま、母の認識や価値観を変えるのは難しいと思います。ですが、最後に長男の優しさに触れて、長男自身を見てくれた、と少しだけ安心しました。完全に解決したとはまだまだ言えませんが、少しばかりは母との関係も前進したのかなと感じています。エピソード提供/みぃこイラスト/SAKURA(監修:三木先生より)優しいお祖父様ですね。ご自身が苦労をされて、そしてそれを悩みながらを乗り越えられた経験のある方は、同じような困難を持つ人に受容的になれますよね。またお祖母様も長男さんと気持ちのこもったやり取りができることによって、「障害」というフィルターを外したコミュニケーションができたんですね。こういう関係を積み重ねていくことで、またみなさんの関係が良くなっていくのだと思います。あなたのエピソードもコラムになるかも?体験談募集中!保護者の方が日々子育てをする中で「こんなトラブルがあった」「こんなハプニングがあった」など悩みはつきないと思います。そんな発達ナビユーザーのみなさんの「困った」エピソードを募集しています。テーマは「反抗期・思春期」「自傷」「学習」「不登校」「ゲーム」「不器用」「ママ友・保護者」「ご近所トラブル」などに加え、今回より「パートナーや両親(義両親)、親族間トラブル」「冠婚葬祭」のお悩みも追加募集!パートナーなどとの意見の相違、冠婚葬祭でのルールが分からない、反抗期による親との言い争い、癇癪を起こして自分の頭を叩く、地団太を踏むなどの自傷行為…読み書きや計算の困りはもちろん、授業を落ち着いて受けられないなどの学習の悩み…行き渋りや不登校などの悩み…いろいろなお悩みエピソード、お待ちしております。お寄せいただいたエピソードの中から数作品、発達ナビの連載ライターさんにコラムとしてコミックマンガエッセイ化していただき、発達ナビで公開いたします!あるあるのエピソードからヒヤリとしたエピソード、SNSなどではなかなか言えないような家族やママ友とのトラブルまで。いろいろな「困った」エピソードをぜひ教えてください。
2022年06月28日指さしは、「もの」と「ほかの人」とのコミュニケーション手段「指さし」は、自分と対象物との間に、誰かが一緒にいるときにする動作です。自分が見ているものを、「とってほしい」「見てほしい」といった思いを一緒にいる人に伝えたいという気持ちがあるためにとる行動です。自分の興味がわかないものを指さすことはなく、興味をもったものをほかの人と共有したいという欲求がなければ、やはり指さしをするという行為に繋がらないでしょう。では、指さしをするようになるまでには、どのような心と体の成長段階を踏むのでしょうか。赤ちゃんは、周りの人と視線が合ったときに、笑いかけられたり呼びかけられたりすることで、自分がここにいることに気づきます。自分も視線を見ている人に向けて、笑い返したりすること、すなわち「アイコンタクト」をします。ここで、自分と相手(多くは保護者)との関係が生まれます。やがて、赤ちゃんは周りにある物に触れようとします。触れた物を握る力がつけば、手に持ってみて、振ってみたときに音が鳴ることを知ったり、手を離すと物が落ちるといったことも経験します。ここで、自分と物との関係が生まれます。自分と大人/自分と物、それぞれの間にある関係を専門用語で「二項関係」と呼びます。やがて、二項関係があることによって、やがてもう1つ別の関係があらわれます。周りにいる人が自分のほうではなく、少し離れたところにあるぬいぐるみに気づいて視線を動かすとします。するとそこには自分とその人だけとの関係ではなく、もう一つ別の要素が入ってくることになります。自分ではなくぬいぐるみを見ている、ということに気づいたときに、自分と相手とぬいぐるみという3つの「三項関係」ができます。ここが心の発達についてとても大事なポイントとなります。三項関係ができることによって、相手が見ている視線の先を、子どもは追いかけるようになります。これを視線追従といいます。相手が見ているのが自分ではないとき、その視線の先にある物が電車のように動くものであれば、子どもは動くものに興味を引かれて電車を見るといったことがあります。ここで、相手が見ている視線の先にあるものを「指さし」をします。そのとき、子どもは目の前に出された手や指ではなく、指が指し示す方向を見るかどうかが、発達の成長をみる大事なカギとなります。指と対象物の間に視線を導く線のようなものはなくても、その指さした先を目で見ることができれば、自分と物の間にある空間を理解できたということになります。1歳6ヶ月健診では、指さしの確認をすることが多くあります。それは自分と他者とそれ以外の物の三項関係ができるか、指さした先を追うことができるか、といったことを見ています。「指さし」の意味は1つではありません。成長に伴う「指さし」の意味指さしの成長には段階があります。段階を追ってみてみましょう。9~10ヶ月ごろから、「ねこちゃんだよ」と言われて、指さされた方向を見ることができるようになります。それまでは出された指を見ているのですが、指さした先に何かがあるということに気づくことで対象物の方を向く「指向の指さし」ができるようになります。11ヶ月ごろから、自分が興味をもったものをほかの人に伝えるために「あっ! あっ!」と言いながら、まさに自発的に指さします。 指さしたものや手を伸ばした先にあるものを、ほかの人が一緒に見てくれると分かることで、コミュニケーションの楽しさも知るようになります。1歳ごろから、自分が興味をもったというだけでなく、「ほしい」という意思をこめて指さします。ほしいものを取ってもらいたい要求の手段としての指さしになります。1歳~1歳6ヶ月ごろから、何かを見つけたときに、「あっ!」と言ったり、発語があれば「わんわん!」と言ったりしながら指さして、一緒にいる人に伝えようとします。指さしながら相手の表情を見て、興味や感情を分かち合おうとします。このことは社会性の発達が成長していることも意味します。1歳6ヶ月ごろから、たとえば絵本などを見ながら「犬はどこにいるかな?」と聞くと、その対象物を指さすようになります。これを「応答」の指さしといいます。また、「お母さんはどこ?」と聞くと、隣の部屋にいて姿が見えなくても、いる方向を指さします。質問に答えるという、もう一歩進んだ指さしです。身体的成長の指さしところで、ここまでは心の成長によってできるようになる「指さし」を説明してきましたが、身体的な成長によっては指さしがうまくできない場合もあります。人差し指を1本だけ立てて、ほかの指を曲げるという動きが難しい場合、手のひら全体を使って方向を指示することも「手ざし」と呼んで、同じ役割と考えます。コミュニケーションとしての指さしは、必ずしも人差し指を立てなくてもいいわけですが、もし、不器用さで指さしの形がつくれないという場合には、少し練習してみてもいいでしょう。発達障害、知的障害などがある子どもの場合の指さしの特徴は?発達障害や知的障害があると、指さしの発達が遅れる、あるいはしないことがあるといいます。それはなぜなのか、指さしをするまでの成長を振り返ってみると分かるかもしれません。「指さし」をするのは、周りへの興味や欲求があるということ。発達障害や知的障害がある場合、周りへの興味が薄ければ、指さしをすることがないかもしれません。また、自分が欲しい物を示す「要求」の指さしや、聞かれた物事についての返答としての「応答」の指さしはできても、人への関心が薄い場合には、「あれを一緒に見たい」という「共感」の指さしをしない場合もあります。指さしをしても、指と物との間にある空間を理解できなければ、指さしの意味が分からない、気づかないということも。こうした場合、たとえばとってほしい物がある場合など、周囲の人の手をとって対象物のところまで誘導する「クレーン行動」をすることがあります。自閉スペクトラム症のあるお子さんによくみられる、指さしの代わりにする行動で「クレーン現象」とも言われています。クレーン行動は、発達障害のある子どもに多くみられるといわれますが、クレーン行動をするからと言って必ずしも発達障害がある、というわけではありません。発達障害ではなくても、まだ言葉を使って自分がしたいことをうまく伝えられない時期は、ただ泣くという方法も含めて、どうしたら自分の意思を伝えられるかを学んでいる最中。そのときにもクレーン行動があらわれることがあります。心身ともに指さしの力を育むためにクレーン行動がみられるなどの場合には、指さしの意味に気づくための練習が必要なこともあります。指さしができることによって、子どもの意図が周囲に伝わりやすくなるなど、子どもにとってもメリットがあるでしょう。では、どのように練習したらいいでしょうか。まずは大人が指さしのお手本をやってみましょう。ぬいぐるみや絵本などを目の前において、指さししながら「かわいいね」「わんわんだね」と言ってみます。「一緒に見ようね」と注意を引きながら行いましょう。次に子どもが指や手で何かを示したときには「あったね!」「ここにいたね」「大きいね」など、一緒に見ているよ、ということについて反応しましょう。指さしても特に反応しないでいると、指さしの意味がわからなくなってしまいます。手を伸ばしたときに指さしの形になっていない場合には、さりげなく指さしの形に導きましょう。このときは、人差し指以外の手をそっと手で覆ってあげて、自然と指が曲がるように教えてあげます。また、指を順番に1、2、3…と立てていく練習をしたり、親指と人さし指でOKサインの形をつくって人さし指だけ伸ばしたりなど、楽しみながら指を1本ずつ動かす体操を一緒にやってみます。おもちゃと絵本を置いて、どっちで遊ぼうか? と聞いてみます。子どもは自分の興味があるほうに手を伸ばします。指をささなくても、「こっちがいいのね」「選べたね」とほめてあげてください。指さしはできるかもしれないのに、大人が「あなたにはこれがいい」ということを決めてしまう場面が多いと、子どもは自分の意思で選ぶことをしなくなってしまいます。たくさんの種類があるものを並べて、あるいは表示されているところで、どれがいいのかを選ばせてみましょう。指さしの練習には、動画や絵本を活用してみましょう。YouTubeなどで「指さし練習」と検索すると、アニメーションなどを活用したさまざまな動画が上がっています。ただし、動画の音声があったとしても、一人で見させっぱなしにはしないで、大人が近くにいて、「どれかな~?」「できたね!」など、肉声で声をかけるようにしましょう。まとめ「指さし」は、自分がしたいこと・してほしいことを他者に伝えるために大事なコミュニケーション手段です。身体機能の面からも、心の発達の面からも、成長が必要な場合もあります。また、大人が何もかも子どもの行動を決めてしまって、自分で「選ぶ」ことができないと、指さしも成長しないかもしれません。豊かな選択肢の中で自分らしさを選びとるためにも指さしは大事な動作です。指さしができるようになる環境をつくっていくことも重要です。
2022年06月27日理科と社会のプリントをやりたがらない息子Upload By かなしろにゃんこ。ADHDのある息子のリュウ太は、”気がのらないことは意地でもやりたくない”というところがありました。特に小学校の「せいかつ」の科目が苦手で、自分から学ぼうとしませんでした。担任の先生からは、「授業中は絵を描いたり工作をしたりして自由時間のように過ごしていますよ」との報告もありました。小3になり「理科」「社会」の勉強が始まると、ますます興味をなくすリュウ太。プリントをやらなかったりノートを取らなかったりするので、どこまで理解できているのか母には分からず、心配になっていました。リュウ太はもしかしたら1、活字を読むことが面倒くさい?2、問題の意味が分からないこのどちらもあるのではないかと考えました。Upload By かなしろにゃんこ。(ならば、学校のプリントよりも簡単な問題集をつくってみたら学んでくれるかも?)と思った私は、その日から夜なべしてプリント制作をスタートさせました。社会では、小学3年生から地図記号を勉強しますが、地図記号に出てくる港や果樹園、灯台や工場など、リュウ太は実際に見たことがなくて記号と想像が一致しなかったのかもしれません。そこで、「港はなにをするところ?」「果樹園はなにをつくるところ?」というようなイラストと関連性がある文字を線でつなぐオリジナルの問題プリントをつくりました。Upload By かなしろにゃんこ。リュウ太が苦手に思っている理科や社会という科目でしたが、線つなぎのオリジナル問題は、問題文も短く簡単で、「楽しい!」とよろこんでやってくれました。学校から帰ると毎日、母がつくった問題プリントをやる息子。「お母さんのプリントおもしろいからもっとやりたい」とまで言ってくれて感激しました。教科書を見ながら息子のレベルに合わせた問題を考えるのは時間がかかり寝不足になりましたが、息子が楽しんでくれることがうれしくて、調子にのって毎日つくっていました(笑)。線つなぎや図で表してある問題ができるということは、(アレ?リュウ太は理科や社会に興味がないわけじゃないのかも!)と気がつきました。Upload By かなしろにゃんこ。Upload By かなしろにゃんこ。しかし、夜なべの無理が続いたことで疲れがたまり、わずか2ヶ月で母の自作プリント制作は終了となりました。ちゃんちゃん☆(泣)楽しんでできる問題集なら、たくさんやりたいという意欲が息子にあることが分かっただけでもヨシとしました。今から10年くらい前のエピソードです。そのころから発達障害がある子のための知育教材や学習教材はあったと思うのですが、私自身はその存在を知らずにいたためにいらぬ努力をしてしまいました。でも、息子が苦手な科目の全てができないわけではないこと、何ができないのか知ることを考えるきっかけになった気がします。Upload By かなしろにゃんこ。そんな息子でしたが、16歳から20歳まで車の整備士になる学校に通っているときに電気や機械系を学んだので、理科や社会の苦手はある程度克服したのではないかと思います。母の見立てですが、そうであってほしいと願うのでした(笑)。執筆/かなしろにゃんこ。(監修:初川先生より)リュウ太くんの興味関心の持ちにくい科目へ、自作の問題・プリントを作成されたとのこと、すごいですね…! 問いと答えが一対一対応の問題(線つなぎ)であること、読み・書きの負担が少ないことなど、お子さんの好みを把握されているからこそうまく機能したのだと感じました。生活科や理科、社会などは、活動的な内容が多く、多くのお子さんが興味を持ちやすいと思われている面はあります。ただ、発達的な特性を強くお持ちのお子さんの中には、そうした科目を苦手とするお子さんもいます。特に、生活科は、その時間で何をやるのかの予告があまりなされないことが多かったり、何が「正解」なのか分からなかったり(「自由にやってみよう」といった指示が苦手/観察と言われても、見たままを絵や言葉で描写するのはなかなか難しく、取り組む前に心が折れそうになるなど)、苦手なお子さんにとっては、なかなかつき合いづらい科目かもしれません。知識インストール型の方が得意なお子さんや、答えが一つでありそれを選ぶ(当てる)方が取り組みやすいお子さんには、かなしろさんのようなサポートをきっかけに興味関心を持ちやすくなることもあるように感じました。たしかに今はさまざまな教材が市販されていたり、ネットでダウンロード可能であったりもしますね。ともあれ、お子さんの特性・好みを見極めて、教科の学習との橋渡しとすること。素敵なサポートだなと感じます。
2022年06月27日成長がのんびりで悩んだ日々のんびりした子だなと思っていた長男けんと。1歳半健診で指摘を受けて発達の遅れを知りました。どこに行けば、お友達と関わる機会をつくれるのか、どうやったらできることを少しでも増やしていけるのか、方法が分からず悩む日々。誰かに相談しても「男の子は成長がゆっくりだから」と心に寄り添っていただいたもののモヤモヤはおさまらず、市の発達相談へ行くことに。そこで勧められたのは、市の親子教室。すぐに通わせていただくことにしました。Upload By ゆきみ親子教室の懇談会で「リョーイク」という言葉を耳にしました。初めて聞く言葉で意味が分からず、家に帰ってからインターネットで調べてみると『発達に不安を抱える子どもの特性に応じて、困りごとの解決や社会参加に向けて支援すること』というような内容を目にしました。「これだ!」と衝撃を受け、すぐに近くの発達支援施設を調べ、いくつか見学へ。それと同時に、療育を受けるにあたり必要な手続きをとり始めたのです。複数の民間の発達支援施設へ通うことに当時住んでいた地域では、療育を受けるには発達支援センターで面談をすることが必要でした(お住まいの地域によって違うようです)。担当の方が、けんとの様子をみて私からの聞き取りをしたあと、総合的な判断で受給者証を発行していだけることが決定。このころは、まだ病院での診断を受けておらず、療育手帳をもっていない時期でした。どんな施設があるのか調べていくと、・預かり型の小集団タイプ(内容はミニ保育園のようなイメージ)・体を動かすことをメインにしている運動特化型タイプ・苦手なことを集中的に教えてくださる個別療育タイプ・集団と個別を両方行うタイプなど、いろいろな種類の施設がありました(地域によって異なるようです)。Upload By ゆきみ専門家がいらっしゃる施設はキャンセル待ちになっていることも多く、空き状況は施設によって違いました。実際に見学に行き、けんとに合っていそうな預かり型の小集団タイプ、運動特化型タイプ、個別タイプに月に数日ずつ通うことにしました。ひと月に使える日数の上限が受給者証の発行時に決定されるため、範囲内で必要なサービスを組み合わせることができるようです。市立の発達支援施設で親子共に感じた成長年少の年齢のとき、受給者証を利用して通う、市立の児童発達支援センター「A園」に入園。ここは週に5日間通う(単独通園)発達支援施設で、幼稚園や保育園などと併用ができない施設でした。幼稚園に通わせたいと夢を抱いていたため、多少心の葛藤がありましたが、子どもの成長を願い入園を決意。1クラスに子ども10名、先生4名。全部で7クラスほどの、先生が多い保育園というイメージ。月に1度、言語聴覚士さんによる個別訓練、2ヶ月に1度、作業療法士さんによる個別訓練を受けられました。普段から、専門家の先生方もクラスに参加してくださり、課題をみつけ、遊びの中で療育に取り組んでくださいました。Upload By ゆきみほかにも月に1~2回、親に向けての勉強会や、年に2回の臨床心理士さんによる発達検査も行われました。運動会、遠足、お楽しみ会、誕生日会などの幼稚園、保育園でやるような行事もたくさんあり、私もけんとも楽しく通うことができました。年中から地域のこども園に転園したので通ったのは1年間でしたが、子どもの成長をとても感じましたし、発達の悩みを抱えるママ友ができ、私自身も学ぶことが多く、通ってよかったと心の底から思いました。相談できる場所があることで心の安心に年中でこども園に転園してからは、週4日、園のあとに発達支援施設に通いました。引っ越しも経験し、地域によって療育の種類や施設数の違いがとてもあることも分かりました。以前、住んでいた地域は小学生になると個別のプール療育、音楽療育、プログラミングなど、好きなことで楽しく学んでいく施設もありましたが、今の地域にはありません。Upload By ゆきみ民間、市立にかかわらず、施設の先生は子どもの小さなことも逃さず見てくださる方が多く、「できた」が増えたときに一緒に喜んでくださる先生方の存在は私にとっても大きいです。何より、私が不安に感じること、どういう対応をしたらいいのか悩んでいるとき、すぐに相談できる方がそばにいるというだけで心の安心につながっています。親が教えようとすると、ついできないことにイライラしたり、落ちこんでしまったりするけれど、先生方にお任せすることによって、心が楽になる部分もたくさんありました。これからも通っている施設の先生方と情報交換をしながら子どもの成長をサポートしていけたらと思っています。執筆/ゆきみ(監修:初川先生より)「療育」という言葉を知らなかったころから、現在までのさまざまな機関・施設への通所経験のシェアをありがとうございます。療育とは元の意味では「治療しながら教育をする」ということです。苦手なことをトレーニングしたり、発達を促したりしながら、その発達段階に合わせたさまざまな経験をしていくということですね。言語面、運動面、心理発達面など、さまざまな領域から子どもの発達をみる・語ることができますし、それぞれの専門家もいるので、どの施設でどのような療育を受けるのがいいか、悩ましいところです。そして、ゆきみさんも書かれているように、そうした地域のリソースは地域差が大きく、全国どこでも同じようなサービスが提供されているとは言い難いのが実情です。ただ、ゆきみさんも書かれていましたが、「先生方」は発達のゆっくりなお子さんへの対応に慣れていたり、専門的な知見をお持ちであったりして、「小さな目盛り」でお子さんのことを見て、褒めて、それを保護者に伝えてくださることが多いと思います。忙しい中では見過ごしてしまうような小さな、しかし、確実な成長も見つけていただけるのはありがたいですね。そんな先生方の「視点」から、こちらの視野も広がり、お子さんを見る眼差しが温かくなることもこれまで多々あったことと思います。困ったときに相談しやすいことも、週に複数回通うことのメリットだと思います。また、横のつながりができることもありますね。同じく悩みを抱えながら子育てをしているお仲間ができることも心強いですね。
2022年06月27日SSRIはどんな薬?適応となる症状は?SSRIとはSelective Serotonin Reuptake Inhibitor(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)の頭文字をとったもので、こだわり行動、うつ、不安障害、場面緘黙、潔癖症などの症状緩和に使われる薬剤です。発達障害のある子どもには、「自分が一番にならないと気が済まない」「方法や手順などに自分の中での確固としたルールがあり、状況に合わせて柔軟に変更することができない」「一つのことに集中しすぎて周囲が見えなくなる」と、いった特性が見られることがあります。これが「こだわり行動」といわれるものです。不安障害は、突然理由もなく激しい不安に襲われ、心臓がドキドキしたり、めまいがしてふらふらしたり、呼吸が苦しくなってしまうといった症状で、パニック障害とも呼ばれます。場面緘黙とは、家族などとは問題なくおしゃべりできるのに、幼稚園や学校など特定の場所になると話せなくなってしまう症状です。ただ、一口に「こだわり行動」と言っても、その程度はさまざまです。環境を整えたり、周囲が発達障害の特性を理解して接することで、生活に支障がない程度に改善できることも多いでしょう。その一方で、こだわり行動や突発的な不安からイライラが募り、自分や他者への暴力的な衝動に駆られたり、外に出られなくなったり、といった問題がある場合には、薬の力を借りて症状を緩和させることも選択肢の一つです。SSRI(フルボキサミン)の投薬の適応となる症状には、ほかにも強迫性障害、潔癖症などが挙げられます。強迫性障害は、「十分に洗ったのに、くり返し手を洗い続ける」「持ち物がなくなっていないか、何度も確認してしまう」「服が少しでも汚れると、全部着替えないと気が済まない」といった行動となってあらわれます。また潔癖症があると、人が使ったものがどうしても触れなかったり、手指が汚れるのが嫌で手づかみで食べることができない、といった困りごとがでてきます。SSRI(フルボキサミン)の効果・効能は?SSRIには、脳内の神経間でセロトニンという神経伝達物質の再取り込みを阻害する効果があります。セロトニンには心のバランスを整えてくれる働きがあることから、「幸せホルモン」の異名でも知られています。セロトニンが不足すると、気分が落ち込んだり、不安を感じたりしやすくなると言われています。SSRIは、セロトニンの再取り込みをしにくくすることで、脳内のセロトニンの量を安定させ、気持ちを穏やかにする働きをします。SSRIにはいくつかの種類がありますが、本記事ではこだわり行動、うつ、不安障害、強迫性障害などに使われる「フルボキサミン」について見ていきましょう。SSRI(フルボキサミン)は、日本では「ルボックス」「デプロメール」の商品名で販売されている錠剤です。また、「トーワ」の商品名で、ジェネリック薬も出ています。いずれも8歳以上の小児の強迫性障害にも使用が認められています。SSRI(フルボキサミン)の用法・用量は?SSRI(フルボキサミン)の錠剤には、25mgのもの、50mgのもの、75mgのものの3種があります。8歳以上の子どもがSSRI(フルボキサミン)を服用する場合は、1日1回、就寝前に25mgの錠剤1錠からスタートします。1週間以上継続したのちに、朝に25mg1錠、就寝前に25mg1錠、合計50mgに増やします。薬の量は、年齢や症状に応じて医師が判断し、1日合計150mgを超えない範囲で増減します。ただ、増量する場合は、1週間以上の間隔を開け、1回ごとの増量は25mgまでに留めるように推奨されています。医師は、必要最小限の服用で効果が出るよう、慎重に経過を観察しながら処方量を調節します。自己判断で勝手に薬の量や回数を増やしたり、減らしたりしないことが大事です。副作用の心配はない?子どもへのSSRI(フルボキサミン)の投与で最も懸念される副作用は、自殺念慮、自殺企図があらわれる可能性です。24歳以下の患者に投与した場合に、リスクが増加することが報告されています。子どもがSSRI(フルボキサミン)を使う場合、保護者は自殺念慮や自殺企図があらわれる可能性についてきちんと知っておくことが重要です。そして、担当医と緊密に連絡を取り合いながら、経過を見守ることが大切です。自殺念慮、自殺企図のほかに、下記のような副作用があらわれることもあります。・眠気・吐き気・悪心・口の渇き・便秘・めまい・ふらつきまた、投薬を急に中止したり、急激に減らしたりすると、頭痛や吐き気、めまい、不安感、不眠、集中力の低下などがあらわれることも報告されています。服用を止めるときにも、徐々に減量していくなど、医師の指導に基づいて慎重に行いましょう。親子で抱え込まずに、医師に相談をASDなどの発達障害による特性は、個人差も大きいものです。また、成長するにつれて、特性が変化していくことも大いにあります。ただ、強いこだわりや不安、過度の潔癖症などによって、日常生活に困難を抱えている場合は、薬によって症状を緩和していくことも検討したい選択肢の1つです。困りごとを抱えたままでは、強いストレスにさらされ続けることになったり、失敗や挫折が続くことで自己肯定感が低下たりすることが考えられます。そうした状態が長く続くことで、身体的不調、うつ症状、不登校やひきこもり、暴力といった二次的な問題に発展してしまうこともあります。笑顔で過ごせる時間を増やしていくためにも、家庭のなかだけで抱え込まずに、医師や専門家に相談することが大切です。 そして、投薬をする場合は、副作用のリスクなどもしっかり理解したうえで、医師と手を取り合いながら適切な服用をしていくことが重要です。参考:日本薬局方 フルボキサミンマレイン酸塩錠|ニプロ株式会社医療用医薬品 フルボキサミンマレイン酸塩|KEGG データベース
2022年06月26日義実家に帰省して言われた言葉わが家の娘は現在小学5年生です。特に診断などはおりていませんが、昔から切り替えが苦手だったり、集団だと指示が入りにくいなどという特性がありました。子どもが4歳のある日、私たち家族は夫の実家に帰省をしました。義実家で子どもとともに楽しく過ごしていました。ですが、このころの娘は食事をあまり食べない時期でした。そんな娘を心配して、どのようにしたら食べるようになるのかと試行錯誤をしましたがなかなかうまくいかず…それに加え共働きということもあり、私自身心の余裕がなく、しつけができていないことが問題なのかと悩んでいました。ですが、無理矢理に食べさせて娘が食事自体を嫌いになってしまったら元も子もないと思い、当時は娘の望むまま、私のひざの上でごはんを食べさせていました。Upload By 発達ナビ編集部義実家での食事の際、慣れない環境もあり今日もいつもと同様にひざの上で食事をとる娘。そんな娘を見て義母は決めつけるような物言いで「この子はいじめられるよ!ちゃんと見てあげて!ADHDかもしれないから病院にいけ!絶対発達障害だ!」と言い放ちました。普段から思い込みで決めつけることがよくある義母。何故そんなことを言われなきゃならないの?私のしつけが悪いから?発達障害はしつけが原因ではないですが、そのときの私はあまりのショックに言葉を失ってしまい、予定を早めて自宅へ帰ることにしました。Upload By 発達ナビ編集部娘が小学校入学前には…その後も娘が小学校入学前に義実家の行事の準備の手伝いで私一人で訪ねたときには、親戚と私の四人くらいでの作業中に「あの子は先生に怒られるタイプだから」などと言うことがありました。Upload By 発達ナビ編集部義母は会うたびに、娘について気になる点を私に必ず指摘してきます。実の息子である、私の夫には一切言いません。夫は仕事がとても忙しいので、元々娘のこと以外のことも、すべて私を通して話してきます。夫は義母に対してなにも言ってくれないものの、娘についての発言は不愉快に感じているようです。大事にしてくれているのは分かるけどとはいえ、義母が、私や娘のことが嫌いなわけではない、ということは伝わってきます。おそらく義母にとって、娘は自分の知らないタイプ、理解しがたいタイプの子どもなので、心配していて、それをいちいち口に出してしまうのだと思います。私の誕生日にはプレゼントをくれたり、夫と二人でしっかり家庭を築いていることに、感謝の気持ちも伝えてくれます。ですがやはり、悪気はなくてもずけずけと娘の発達に対して指摘をされることには心が壊れそうになり、悪気のない人間はたちが悪いと思ってしまう自分がいます。これからの義母との付きあい方義母に対して「こんな風に言われたら嫌だ」と伝えたら分かってくれそうな気もしますが、そもそも悪気がないので、こちらの思いが伝わるのだろうか?とも思ってしまいます。今は諦め半分ですが、娘も4歳のときとは違い、相手の言ったことを理解できる年齢になっています。もし義母が、娘に対して直接酷いことを言ったら、もう会うこともないだろう、というのが正直な気持ちです。これは私の主観ですが、子育てに関する思い込みが激しい人が比較的多い世代なのかもしれません。街中でも子育てが終わった義母と同世代の方から配慮のない言葉をかけられることが多く、悲しい気持ちになることがよくあります。義母は、娘にとって唯一無二の「おばあちゃん」です。そのおばあちゃんには「よくできた孫だから、かわいい」ではなく、特性を理解し、認め、無条件の愛を孫に与えてほしいのです。現在の娘は、特性はうっすらありつつも、いろいろと折り合いをつけながら成長していっています。苦労することもあるとは思いますが、私は今後も娘の良い部分を最大限伸ばしていってあげたいと考えています。Upload By 発達ナビ編集部イラスト/taeko※エピソード参考者のお名前はご希望により非公開とさせていただきます。(監修:三木先生より)教育や子育ては、誰もが一家言もつジャンルですよね。ましてや子育てを一周した祖父母からすると、どうしても自分の意見を言いたくなるものです。しかしそれも孫かわいさゆえであることを相談者さんはしっかり理解されているんですね。一方、世代が違うと価値観や常識も違うこと、子育てに責任を持つのは親であることまで理解して見守ってくれる祖父母はなかなか多くない印象です。上手く距離をはかりながら自分なりの子育てを続けていけると良いですね。あなたのエピソードもコラムになるかも?体験談募集中!保護者の方が日々子育てをする中で「こんなトラブルがあった」「こんなハプニングがあった」など悩みはつきないと思います。そんな発達ナビユーザーのみなさんの「困った」エピソードを募集しています。テーマは「反抗期・思春期」「自傷」「学習」「不登校」「ゲーム」「不器用」「ママ友・保護者」「ご近所トラブル」などに加え、今回より「パートナーや両親(義両親)、親族間トラブル」「冠婚葬祭」のお悩みも追加募集!パートナーなどとの意見の相違、冠婚葬祭でのルールが分からない、反抗期による親との言い争い、癇癪を起こして自分の頭を叩く、地団太を踏むなどの自傷行為…読み書きや計算の困りはもちろん、授業を落ち着いて受けられないなどの学習の悩み…行き渋りや不登校などの悩み…いろいろなお悩みエピソード、お待ちしております。お寄せいただいたエピソードの中から数作品、発達ナビの連載ライターさんにコラムとしてコミックマンガエッセイ化していただき、発達ナビで公開いたします!あるあるのエピソードからヒヤリとしたエピソード、SNSなどではなかなか言えないような家族やママ友とのトラブルまで。いろいろな「困った」エピソードをぜひ教えてください。
2022年06月25日Q:「特別支援学級」の学級編制について保護者が知っておくべきことはありますか?A:法制度上、該当する障害区分に子どもが一人でもいればその種別の特別支援学級は開設することができます。Upload By 発達障害のキホン公立小中学校の学級編制は、「国の定める標準 ≧ 都道府県の定める基準 ≧ 市区町村による実際の編制」、という三重構造で成り立っています。なぜ、国の定めを「標準」と呼ぶかと言えば、都道府県にもっと少人数の「基準」を設ける余地を残し、さらに市区町村の独自努力で標準・基準よりも少人数の学級編制を促すためです。したがって、公立小中学校の通常学級では、2022年度現在で小学校3年生までが「35人標準」、それ以上の学年が「40人標準」になっていますが、都道府県や市区町村では、その標準よりも少人数にしているところが少なくありません。通常学級は同学年による単式編制が原則ですので、「35人標準」ですと、1人超過した36人の学年の場合に「18人」ずつの少人数学級が実現します。発達障害のある子どもを含めて、ゆとりをもって指導する上で、まず通常学級を少人数にすることが大切です。これに対して、特別支援学級の編制(同学年を問わない複式編制)には幾つかの解決すべき課題が考えられます。例えば、特別支援学級には弱視、難聴、知的障害、肢体不自由、病弱・身体虚弱、言語障害、自閉症・情緒障害の7種(自閉症タイプと情緒障害タイプを区分することが奨励されており、その意味では8種)が法律で認められています(『改訂新版障がいのある子の就学・進学ガイドブック』pp.40-41の「図4 文部科学省による就学基準等」参照)。しかし、自治体によっては開設する障害種を限定しているところもあります。その場合、障害児がその障害種に応じた学級で学ぶことが難しくなる場合もあります。該当する障害区分に子どもが1人でもいれば、市区町村はその種別の特別支援学級を開設するよう努めることが大切と言えるでしょう。第二に、地域の教育委員会によっては特別支援学級の開設に「最低3人必要」などと設定していることもありますが、もちろん「標準法」には定めのないことです。第三に、上記とも関わりますが、対象児数をある程度確保するために、エリア内の比較的大きな小中学校に限定して特別支援学級を開設し、小さな学校には開いていない自治体もあります。しかし、これまた、地域でともに学び育ち合うインクルーシブ教育を志向する特別支援教育の趣旨とはズレてしまうことだと考えます。障害のある子どもを通常学級入れた場合、教員を加配し、複数担任制にして欲しいという希望もあるでしょう。しかし、現状は基本的に通常学級は一人担任体制です。そこで、特別支援学級を設置し、特別支援学級の担任とともに「交流及び共同学習」と言う形で、可能な範囲において通常学級で授業を受けるという形態(結果として教員が複数存在することになる方式)を工夫している自治体もあります(『改訂新版障がいのある子の就学・進学ガイドブック』p.165-166の「みんなの学校」参照)。特別支援学級を含めた開設学級の総数に応じて、担任や養護教諭・管理職等の教諭が配置されます。教諭等の給与は、国と都道府県が全額負担しますので、市区町村の持ち出し分はありません。自治体によってはそうして学級数を増やして先生の数を一人でも多く確保し、インクルーシブな教育を推進しているのですね。
2022年06月24日息子2歳、初めて足を踏み入れた療育の世界私の息子には、知的障害を伴う自閉スペクトラム症があります。息子に障害の診断がついたのは4歳のときでしたが、1歳半で発達の遅れに気づいたことをきっかけに、2歳から療育に通いはじめました。息子が最初に通った療育は、地域の児童発達支援センターに月に1回程度の頻度で通う、親子通園の集団療育でした。Upload By べっこうあめアマミ児童発達支援センターは、発達に不安がある子どもと家族のための総合的な支援をしている、地域の中核的な発達支援施設です。そこで受ける初めての療育は、親子ともに学びが多い内容でした。療育では、大きな遊具で身体をいっぱい動かしたり、名前呼びをしたり、手遊びや体操をしたり、紙芝居をしたりと、遊びながら発達を促していきました。息子はあまり活動に興味を示さなかったり、身体を動かすのを嫌がったりもしましたが、そういったときの先生からの声掛けの仕方なども、参考になりました。Upload By べっこうあめアマミただ、親子通園なので、私は療育の時間中ずっと息子にぴったりくっついていなければなりません。息子のあとを追い、怒ったらなだめ、精神的にも体力的にもすごく疲れました。そして、児童発達支援センターが家から非常に遠かったことも大変でした。息子を連れて15分歩いて駅まで行き、電車に乗り、電車を乗り換えて、センターの最寄駅からまた15分くらい歩くという道のり……。バスで行くこともできましたが、時間がかかり、通うだけでへとへとでした。きょうだいがいると療育に通えない⁈まさかのルールに愕然Upload By べっこうあめアマミ息子が3歳のとき、週3日で通える高頻度で時間も長い療育のクラスに、次年度からの空きが出たという連絡をもらいました。しかし、そのクラスに通うためにはいくつかの条件があることを知らされたのです。・幼稚園と並行して通うことはできない・ひき続き親子通園・子どもの給食はあるが、親は療育中は飲食できない・きょうだいを連れてきてはいけない当時、私は2人目の妊娠が分かったばかりでした。そのため、週3日の頻度で親子通園ということも大変でしたが、幼稚園に通えないということや、きょうだいを連れてきてはいけないという条件に愕然としました。交渉したところ、抱っこは不可だけれどおんぶなら許可すると言われましたが、両実家ともに県外だった私にとっては、それも難しい条件でした。まだ首が座らない赤ちゃんをどこかに預けて息子と療育に通い、おんぶができる月齢になったら赤ちゃんをおんぶしながら長い道のりを通って3人で一緒に療育を受ける…。息子の発達のために頑張ろうと思いましたが、自信がありませんでした。そして、そのことを夫に相談すると、こんな答えが返ってきました。Upload By べっこうあめアマミ私は、2人目が生まれてから通うことはかなり不安でした。でも妊娠中はギリギリまで通おうと思っていたのです。しかし…Upload By べっこうあめアマミUpload By べっこうあめアマミいつも温厚な夫から諭されて、私は改めて、妊娠中の自分の身体についてすごく甘い認識でいたことに気がつきました。そして、「息子の発達の遅れへの心配で頭がいっぱいで、お腹の子や自分の体調、家族の生活についてまるで考えていなかった」ということを反省しました。こうして、空きは出たとはいえ、あまりに家族にかかる負担が大きかったことから、この療育は辞めることになったのです。代わりに、息子は親子分離で通える別の療育に、週5日で通うことになりました。子どもの療育先を選ぶとき、無視できない「大切なこと」とは療育は確かに、子どものために行うことです。ですが、1人で通園できない子どもの場合、親の負担から目を背けることはできません。子どもを思うからこそ、多少無理をしてでも頑張って療育に通わせたいというのが親心。特に、未就学や未就園の小さいお子さんの親御さんほど、「子どものためにできる限りのことを」という思いから無理してしまいがちな気がします。ですが、療育の内容だけでなく、ぜひ次のような条件にも目を向けてみてください。Upload By べっこうあめアマミこれらの条件は、通う前は「なんとかなる」と思っても、実際に通ってみると予想以上の負担だった、ということにもなりかねません。見過ごされてしまいがちだけど、実は無視できない、非常に重要なポイントだと感じています。親子で無理なく療育に通い続けるために親も人間です。親にとっての負担があまりに大きいと、せっかく療育で良いことを教わっても、それを実践する体力が残っていない、という状況に陥ってしまうかもしれません。ストレスからイライラが募り、子どもに笑顔を向けられなくなってしまうかもしれません。最悪の場合、親が体調を崩して療育どころではなくなってしまうかもしれません。そうなってしまったら、せっかく良いと思って選んだ療育に、通い続けられなくなってしまいます。療育の結果は劇的に現れるとは限りませんし、継続して通うことで、少しずつ積み上げていくものだと思います。だからこそ、親子で無理なく続けていけるように、療育の内容だけでなく、「通わせやすさ」にも目を向けて選んでいくことをおすすめします。「子どものため」に自分や他の家族の生活全てを犠牲にする必要はないと思います。あなたはすでに、十分頑張っています。自分の都合を理由にすることに罪悪感を感じず、無理せず歩んでいきましょう。執筆/べっこうあめアマミ(監修:井上先生より)地域によって 、主に公的な機関によって療育がなされているところと、多くの民間の事業所が療育を提供しているところなどかなりの違いがあると思います。特に公的な機関の場合、制約が多いところがまだあるようですね。地元の情報を探し、民間も含めて親に負担のない通いやすいところ、お子さんに合った療育施設を探すのが良いと思います。情報源としては発達障害者支援センターなど以外に、地域の親の会などに聞いてみると親視点からのいろいろな情報を得ることができると思います。
2022年06月23日発達障害に携わることは、自分の価値観を問われること中央大学では、2007年から一部の教員が「軽度発達障害の縦断的研究」を開始。これを引き継ぐ形で2016年から「発達障害者傾向を有する大学についての縦断的研究」を行い、このたび『キャンパスにおける発達障害学生支援の新たな展開(中央大学人文科研究所研究叢書)』に活動の記録をまとめました。今回は、同研究チームの主査を務めた山科満教授に、学生支援の根底にある想いや具体的な支援事例、支援者の方へのメッセージを伺いました。発達ナビ編集部(以下、――):山科先生の「支援における思想」について教えてください。山科先生:「発達障害」とは何であるのかということに尽きます。これは、私が大学生や社会人になって初めて発達障害と診断されるような人たちと関わってきたことから出てきた問いであって、発達障害という言葉が関与する全ての事象に当てはまるものではないと思うのですが。――特に精神科医時代のご経験が大きいのでしょうか。山科先生:そのように思います。統合失調症の治療をやっている中で、1990年代後半頃から、統合失調症に見えるが実は高機能自閉症、という事例に出合うことが何度かあり、学会報告をしていました。しかし当時はあくまで統合失調症の治療という視点から、「似て非なるもの」を鑑別する、という発想に止まり、発達障害に関心をシフトすることはありませんでした。よりインパクトがあったのは、精神科医の衣笠隆幸生が2004年に「重ね着症候群」として、パーソナリティ障害のベースに軽度の発達障害がある1群の報告をしたことです。精神療法に関心を寄せ実践もしていた身として、思い当たる事例がたくさんあったのです。さらに、2008年以降、精神科医の中安信夫先生が初期統合失調症と誤診していた発達障害の事例について報告するようになりました。これにも私は衝撃を受けました。――インパクトがあったとは、具体的にどういうことでしょうか。山科先生:自分がこれまで出会った患者さんを思い返してみると、発達障害的な特徴を有する人について、それなりに思い当たったのです。しかし、当時は発達障害の診断はなされていませんでした。それらの人たちの診断は正しかったのだろうか、患者さん達のことを私はちゃんと理解できていたのだろうか、と不安になりました。考えを進めていくにつれ、発達障害をほかの診断基準と同じ水準の診断概念として扱って良いのか、徐々に疑問に思い始めました。これが、2010年ごろまでに私が経験したこと、考えていたことです。発達障害の診断は、医学的な手続きだけに拠ってできるものではありません。常に、その人とその人を取り巻く環境との関係性を見ることになります。とりわけ、日本社会は発達の特性を有する人にとっては生きづらい社会です。「障害は社会の側にある」ことを忘れず、「障害」という言葉に押しつぶされることなく、自己と社会との関係性を多角的に捉えていくことが、発達の特性を有しながら生きていく人には必要なのではないかと私は思います。またその思想は、精神科医も含めて支援する側にも必要なことだと思っています。――発達障害との出合いが、山科先生ご自身の大きな転機となったのですね。山科先生:私は発達障害というものに出合ったことで、精神医学の診断基準も、世の中の常識も、絶対的なものではなく相対化して見るようになりました。それまで信奉していた価値観を捨てる作業は、けっして簡単なことではなく、今も何かの折に自分の中で矛盾を抱えていることに気づかされることがあります。もちろん、私は自分の考え方を声高に主張するつもりは全くなく、最終的に辿り着くところは一人ひとり違っていて良いと思います。ただ、発達障害と関わるということは、さまざまな側面で自分の価値観を問われることになるのではないかと、思っています。活動をまとめた新刊『キャンパスにおける発達障害学生支援の新たな展開』――出版までの経緯について教えてください。山科先生:中央大学の学内公募に手を挙げて大学生の発達障害に関する共同研究を始めたのが2012年度でした。本書の中で紹介されている障害学生支援を担う専門職=キャンパスソーシャルワーカー(以降、CSW)を、学内の競争的資金によって初めて採用したのが2014年、その後紆余曲折を経て、2022年度には中央大学全体では6名のCSWを配置するまでになりました。来年にはさらに2名の増員が決まり、中央大学の全学部にCSWが配置されることになりました。どうにか仕事にひと区切りが着いたところで、これまでの活動を振り返り、本にまとめようということになりました。Upload By 発達ナビ編集部――紹介されている支援例の中から一つ、挙げていただけますか。山科先生:私が担当した、共同研究を始めて間もない時期でCSWもいなかったころの事例です。入学後に1年次の基礎科目でつまずいて卒業の見通しが全く立たなくなっていた学生さんがいました。親御さんは困り果て、学科の先生方も事務職員もどう支援して良いのか分からず途方に暮れているようでした。ご本人にお会いしてみると、いわゆる二次障害が酷く、深い絶望感を抱えている人でした。最初の1年は、休学した上で面談を継続し、関係性づくりだけに費やしました。絶望感からの回復には、成功体験を実感していただくことも必要です。そのため、翌年からは少しずつ基礎科目の単位取得から勉学に復帰しましたが、この過程では事務職員の力を大いに借りることになりました。同じ領域の科目群の中でどの科目・どの先生なら単位取得をしやすいかとか、基礎科目と応用科目の順番を考慮し無理のない履修計画を立てるといったことを、本人を含めて関係の事務職員が学期ごとにミーティングを開いて確認しました。遮音のためのヘッドホン装着など初めての支援策については、各教員の理解を得られるよう個別の折衝を重ねました。――じっくり時間をかけて支援を続けられたのですね。山科先生:そうですね。最終的に入学から7年半かけて卒業し、障害者枠で一般企業に就職しましたが、この過程で、発達の特性がある大学生の支援のためには、心理的な関与、精神医学的なアセスメント、そして何より関係者の理解を得ていくためのソーシャルワークが必須だということが分かりました。その経験から、アクティビティの高い心理職を学部事務室に配置してソーシャルワーク的な役割を担ってもらう、という支援の方法に辿り着きました。具体的には、「発達障害に関する精神医学の知識を運用できるだけでなく、学生の困りごとを具体的に把握できる面接を行う能力があり、かつフットワークが軽く多職種連携ができる人」というイメージを持ちました。そして、呼称をキャンパスソーシャルワーカーに決めたのです。支援者は「孤立しない」ことが大切出典 : ――学生支援に携わる人たちへの願いは何でしょうか。山科先生:学生本人が支援を求めてくるのを待っていては、効果的な支援体制は作れません。具体的にはその組織に応じたやり方があるのだと思いますが、困っている学生に、少しだけ「おせっかい」する教員と、それに呼応する事務職員、そして大学生の成長に「伴走」することを喜びと感じるような支援員がいてくれることを、私は願っています。ただし、発達の特性は百人百様です。診断名で支援の内容が決まることはありません。全て個別のオーダーメイド支援になります。「この学生さんにはこういう支援が望ましい」ということをその都度考え、当事者を含めて話し合い、関係者でコンセンサスを作り上げていく必要があります。――支援は連携が重要なのですね。山科先生:そうですね。発達の特性を有する学生への支援は、教員であれ専門職であれ、ひとりの努力で完遂することはあり得ません。多くの関係者が、支援に関する全体的な理念も、個別の学生の理解についても、共有することが必要です。孤立せずに、「話の通じる仲間を増やしていくこと」は、支援者にも必須なことだと思います。――この本を、どのように役立ててほしいとお考えでしょうか。山科先生:大学で発達の特性を有する学生の支援に関わっている方を主たる読者として想定していました。支援の方法は、大学によって異なって当然であろうと思いますが、私たちの方法の背後にある思想については、どの大学であっても通底するものではないかと思います。手前味噌にはなりますが、「発達障害とは何か」「診断とはどういうものか」ということについて、私なりに考えてきたことを自分の分担した第6章で記述しました。そこも含めていくつかの章は、当事者の親御さんにもお読みいただける内容になっていると思っています。執筆/LITALICO発達ナビ編集部<目次>・第1部キャンパスソーシャルワーカー導入の経緯第1章:キャンパス内での支援のかたち―キャンパスソーシャルワーカー(CSW)の学内配置に焦点を当てて・第2部理論・研究編第2章:精神医学的観点からみた大学生の発達障害、第3章:発達障害のある大学生の課題と支援のあり方をめぐって―外国語教員の視点から、第4章:発達障害当事者からみた「自己」をめぐる問題、第5章:発達障害特性を有する大学生の“自己治療”としてのインターネット依存―一般大学生のアンケート調査から・第3部臨床実践編第6章:発達障害特性を有する大学生の自己理解に寄与する支援のあり方、第7章:学生の成長に寄与する支援者の関わり―理工学部CSWとして7年間を振り返る、第8章:キャリア支援と自己理解―法学部キャンパスソーシャルワーカーとして5年間を振り返る
2022年06月22日自分が叱られているのに笑うのはなぜ?みん(以下、――):Pは私に対して他害をしてしまったときなどに、私が痛がっていてもアハハと笑うことがあります。私の反応を見て楽しんでいるのかもしれませんが、こちらがそのことに対して怒っていても、叱られている状況を理解するのが難しいのか?それでも笑っていたりします。三木先生:叱られたときに笑うというのはその内容や程度にもよるのですが、お母さんが「やめて」と言っても笑っている場合は、お母さんの反応を見て笑うのがP君にとって一連の遊びになっているんだと思います。普通に怒られているのにヘラヘラしているときは、感情表現のずれの可能性もあるかもしれません。――顔は笑っているけれど、心の中では怒られて嫌だなと思っているかもしれないんですね?三木先生:それはあると思います。怒られて嫌だ、怖い、悲しいと思っているかもしれませんね。ASDのある子は思っていることと表現がずれていることがあるので、 「顔で笑って心で泣いて」みたいな可能性も考えながらP君の様子をよく見てみる必要があります。そういうことは、外(療育園)でもあるのですか?――あるみたいです。日頃怒らない優しい先生が怒ったら、苦笑いをしていると聞きました。Upload By みん少しずつ怒っていった方がいいの?三木先生:楽しそうにしているわけではないのなら、やはり本人の表現の仕方の問題なのかな?とは思います。「今は怒っています」と、相手が怒っていることをP君にラベリングしてあげても良いかもしれませんね。――そうですね、そう考えるとPは「怒られる経験が少ない」のかもしれません。家でも療育園でもあまり怒られることがないので、そろそろ少しずつ怒っていっても良いのでしょうか?三木先生:怒っているという振る舞いと怒られているという出来事の説明を、両方一度にやった方が良いかもしれません。自分が浴びているものと意味が一致していない可能性もあるので、相手が何故怒っているのか?自分は何故怒られているのか?をその都度言ってあげる。言葉のラベリングをちゃんとしておくというのは大事だと思います。こちらの感覚では「怒っているんだから分かるでしょう?」と思ってしまうのですが、P君のような子はその状況の判断がなかなかできないのかもしれないので…Upload By みんなぜ自分が怒られているのか理解できていないのかも…――それはそうかもしれません。なぜ自分は怒られているのか?理解できていないことが多いと思います。三木先生:あと可能であれば、その後どういうリアクションをするべきか?も含めて教えてあげると、ソーシャルスキルトレーニングのような感じになるかもしれません。――でも最近怒られたときに「ごめんなさい」を少しずつ言えるようにはなってきました。私の怒った顔を見たらごめんなさいと言うことも増えて来たので「シーン合ってるよ!」となります。ただ、怒っている顔を見ると何でもかんでも、ごめんなさいと言うようになってしまいそうな気もします。三木先生:最初はそれでも良いです。意味を分かって自分で振る舞いを選択してごめんなさいと言うのは結構レベルの高いことで、とにかく理由が分からなくても、シーンに合った適切な振る舞いができるように動作を仕込むのは大切です。本人がちゃんとできたという手応えや事実が積み重なって、周りも謝ったのなら…と許してくれる経験を重ねると、歪まずに済むというか、特に発達に課題があるような子は「分かる」ことよりも、まずは「できる」ことを優先する方が良いと思います。――相手から促されたから、ごめんなさいを言うべきだと子どもにシーンづけをするのは有効なんでしょうか?三木先生:子ども側が儀式として認識するのは良いのですが、大人側の目的がごめんなさいを言わせたいが為にキーワードを出すみたいになると、こちらの投げかけや振る舞いが、考え方ではなく動作の方に引っ張られてしまう紐付けになってしまいます。怒っていることを伝えるのではなく、ごめんなさいを言わせることが目的になってしまいます。怒っている状態があり、それに対するやりとりがあって、それでも自分からごめんなさいを言わないのなら、ごめんなさいを言わせても良いかもしれません。動作を入れ込むためのプロセスとしては良いのですが、そこだけ取り上げてすると目的がごめんなさいを言う儀式になってしまいます。大人はラベリングを意識してどういうときに自発的にごめんなさいを言えば良いのか?と子どもに気付きを与えると良いと思います「ごめんなさいって言いなさい」と言うだけではシーンとしての学びがなくなるので、前振りをどれくらい浴び、経験するか?ですね。Upload By みんお互いに経験を積んでいくことが重要――話を聞けば聞くほど、そういう場面の経験を積み重ねることが大切だと思いました。やはりPはまだまだ怒られる経験が少ないと感じます。叱っても分からないだろうと思って叱らないことの方が多かったです。三木先生:叱って有効かどうかは子どもにもよりますし、毎回トラウマ化するような子の場合だと叱りにくいですよね。でもパニックになるから怒らないでおこうとすると、少し怒っただけでも逆に子どもがパニックを起こし回避しようとするようになってしまいます。この子はこれ以上怒ったらまずいというのは、親御さんが子どもを観察していく中で得る感覚だと思うので、お互いに経験を積み、試行錯誤し、ギリギリのラインの見極めをしていきながらで良いと思います。そして苦笑いに関しては、しゅんとする表情を練習するようにしないと難しいかもしれませんね。道徳的な絵本を読みながら一緒に練習してみると良いかもしれません。もし興味がなさそうでも数回練習してみて、それでも時期が早そうならまた半年くらい待って試してみても良いかもしれませんね。――私がPに与えていた絵本を考えてみると、まだ難しいだろうと思って、最初から与えていないものが多かったです。図鑑などストーリーのない、絵や写真など分かりやすいものばかり与えていましたが、ストーリー性のある道徳的な絵本もそろそろ活用したいなと思います。Upload By みん執筆/みん
2022年06月22日日常の中でたまっていくイライラビンゴの穴たちUpload By 丸山さとこいつもボンヤリしているためなのか「穏やかで冷静なお母さん」と思われることも多い私ですが、実際は日々些細なことでイライラしながら過ごしています。コウと暮らす毎日の中で「このプリント提出期限先月じゃん!」「玄関に水筒置きっぱなし~」「また説得祭りか…」「床散らかり過ぎ~!(ハサミも落ちてる!!)」とワーワー言ってばかりです。それでも普段はイライラする程度で終わっていますが、ビンゴの穴が空くように『イライラ要素の数』がたまっていくにつれ、イライラでは済まない怒りが沸くこともあります。Upload By 丸山さとこストレスによって穴が開いていき、リーチでイライラと角を生やし、ビンゴになれば怒りで火を吐く私の「ストレスビンゴ」。そのビンゴカードは、「疲れ・眠い・掃除」などによりコウとは関係なく穴だらけなこともよくあります。Upload By 丸山さとこそこにコウの行動で数個穴が開くので、コウの帰宅から夕飯までの間にいきなりリーチが何本も現れることが珍しくありません。・宿題がやりかけのまま・明日の支度をしていない(けど確認をしていないのに気づかない)・納得するまで動かない・部屋が散らかったままパソコンで遊んでいる(片づけてからのルールあり)などなど、こうして並べてみると「まだ未熟なんだな」「神経発達症(発達障害)の特性もあるし、年齢相応を求められても難しいのだろうな」と思うようなことばかりなのですが、すでに穴あきストレスビンゴを抱えているときの私は「今日これ声掛けするの何回目~!?」とイライラがピークに達し、にょきにょきと角が生えてくるのです。Upload By 丸山さとこストレスビンゴの穴が空くことは止められないけれど私自身も神経発達症があり疲れやすく、疲れれば過敏や鈍麻や注意欠如も強く現れるため、「コウの特性を理解する」「ゆったりとした気持ちで見守る」などの方法ではどうにもならない状態になりがちです。日々生活の中で空いていくビンゴの穴を減らすことは難しくても、「疲れた・眠い→仮眠をとる」「宿題をやっていない→やっていない事実をコウと共有する(その後どうするかまでは責任を持たずにコウ本人にまかせる)」などのように、空いた穴を意識的にふさいでいくことはできるんじゃないかな?と思います。Upload By 丸山さとこ「ほっこりビンゴ」や「うれしいビンゴ」の穴がたくさん空いていたとしても、なかなか帳消しにすることはできない「ストレスビンゴ」の穴の数々…できる範囲で空けないようにしつつ、空いたときは一つずつふさぐようにしていきたいです。執筆/丸山さとこ(監修:井上先生より)「ストレスビンゴ」は、自分のストレスを客観視するのに非常によい考え方ですね。穴の開き具合を意識して対処法がとれるように準備されているのはとてもすばらしい発想と思います。「ビンゴになりそうになったら『寝る』」など、あらかじめ対処を決めておくことによって、自己嫌悪にならずに割り切ってしまえることが怒りのコントロールやコーピングに役立っているのではないでしょうか。お子さんやご家族にも「ストレスビンゴ」が可視化できると面白いかもしれません。
2022年06月21日わが家の長女ゆいは現在小学6年生。未知のものに対してとても不安を感じるタイプです。幼いときは「人よりも怖がり屋さんなのかな?」とそれほど気にしていませんでした。でも成長するにつれてそうではないと感じることが増えてきて、小学5年生の春にASD・場面緘黙・軽度知的障害の発達障害の診断も受けました。今回は、小学5年生のときの自然学習体験についてお話ししたいと思います。Upload By 吉田いらこ数ヶ月前に「自然学習体験という一泊二日の行事がある」ということを知っただけで、ゆいの表情はくもりました。「怖い。行きたくない」とよく口にして不安そうに過ごす日が続きました。まず、ゆいに何が不安なのかを確認すると、どんな場所かもわからないとこに行くのを怖がっているということがわかりました。ゆいにとって未知の世界はワクワクするものではなく恐怖の対象なんですよね。でも家族旅行の場合は問題ないですし、保育園時代に一泊二日で行った自然学習体験も平気だったので、小学校の自然学習体験だけに不安を感じるのが不思議でした。いつも一緒にいる家族や、物心つく前から一緒に過ごしてきた保育園のお友達とはやはり違うのかもしれませんね。Upload By 吉田いらこ私は何度か学校に通い、スクールカウンセラーの先生にアドバイスを受けて「見通しを立てる」ということを徹底することにしました。タイムスケジュールと持ち物はしおりに書いてあるので問題ないですが、問題は宿泊先のホテルがどんな場所かです。まずはゆいにホテルのWebサイトを見せました。ホテルの外観や部屋の画像がたくさんあり、フロアマップもあったので助かりました。ここがお風呂、そしてこの部屋があなたの泊まる部屋、この階段を上がったらホールがあるよ…と画像を一枚ずつ見せました。得体のしれなかった場所の全体像がわかったことで、ゆいはなんとなく安心できたようです。Upload By 吉田いらこ次にしおりに書いてあるタイムスケジュールとホテルのフロアマップを照らし合わせ、何時にこの場所に移動するということを確認しました。屋外についてはわかりませんでしたが、ホテル内での流れが前もって把握できて、ゆいはまた安心できたようです。正直なところ、ここまで確認しないといけないのか…と思いました。そして、ゆいは将来どうなるのかなとも…。もし大人になってからも同じように、新しい場所に行くときはこれくらい下調べを必要とするのだったら、本人もちょっと大変だろうなと感じます。何かこれから対策できることはないかと考えさせられました。Upload By 吉田いらこそして自然体験学習が終わり、帰宅したゆい。ちょっとお疲れのようでしたがとても楽しかったということを教えてくれました。事前の下調べは大変だったけれど、ゆいにとってちゃんと「安心」に繋がっていたようでこちらもホッとしました。先生方にご協力いただき、ゆいが楽しい思い出を作ることができて感謝しています。私自身もゆいのこれからについて新しい問題点を見つけられたいい機会となりました。執筆/吉田いらこ(監修:井上先生より)学校行事などの特別活動は、楽しい雰囲気も感じつつ「いつもと違う、どうしよう」という予期不安を高めてしまいますね。こうした場合、予測性を上げることは有効な支援の一つだと思います。具体的には、ご紹介されているようなWEBサイトを見ること、ほかには去年の行事のビデオをみる、家族で泊りに行くなどをされている方もおられます。一泊二日のスケジュールを一つひとつ辿りながら確認するのは大変ですが、食事、寝室、お風呂、トイレなど、どこが一番不安に感じるのか共通理解し、解決案を一緒に考えていくことがお子さん自身の対処法の獲得に繋がっていくでしょう。今回、うまく事前準備をして泊まってこれたことは成功体験として本人の中に蓄積されていきます。みんなと同じようにできなくても良いのです。どうしても不安が消えない場合は、”夜は迎えに行く”など100%の参加でなくても努力を認め、成功体験にしていくことが重要で、このような成功体験を積み重ねることで、大人になったときに今よりも不安を感じることなくいろいろな場所に行けるようになると思います。
2022年06月20日ある日、わが家にママ友家族が遊びに来て息子は現在小学2年生。3歳のときに自閉スペクトラム症と知的障害の診断を受けました。性格は真面目で優しく、面倒見も良いですが、情緒が不安定なところがあり、不安なども感じやすいです。ある日わが家に、同じ賃貸マンションに住んでいるママ友とママ友の息子くん(3歳)、と娘さん(1歳)が遊びに来ました。みんなで楽しくお菓子を食べたり、アニメを見たり、楽しい時間を過ごしていました。そのうち、ねんど遊びをしようという話に。しかし息子は「やりたくない!」と言って拒否。仕方ないので、息子には違う遊びをしてもらい、私、ママ友、ママ友の息子くんと娘さんの4人でねんど遊びを始めました。Upload By 発達ナビ編集部しかし、息子はその様子が面白くなく…構ってほしい気持ちからか突然台所からハサミを持ってきてなんと自分の服を切り出しました!Upload By 発達ナビ編集部注意が引き金になり、情緒不安定にママ友の子どもたちもいるので私は焦って「ハサミは危ないよ!使いたかったらお母さんに言ってね」と注意をしました。そうするとその注意が引き金になり、息子は情緒不安定に…先ほどまで楽しく遊んでいた表情がみるみる豹変し、「あっちいけ!来るな!」とすごい形相で私をにらんできました。Upload By 発達ナビ編集部ママ友たちの反応は…突然ハサミで服を切りだした息子を見て、ママ友は最初「うちも洋服やカーテンを切ったことあるよ」などとフォローをしてくれていましたが、息子の変わり様を見て恐怖を感じてしまったようで息子を直視することができない様子でした。ママ友の子どもたちも突然のことにびっくりしたようで、あっけにとられていました。私は息子の特性を理解していますし、情緒不安定になることもよくあることなので慣れていましたが、やはり定型発達の子どもを育てるママ友にとってはこのような出来事は「怖い」につながってしまうんだな…と思いました。ママ友にはあらかじめ息子の特性などは説明をしていましたが、やはり言葉での説明と実際に見るのでは違ったようです。私は引いているママ友に対して「驚かせてごめんね。でも現実はこんな感じなんだ。周りに発達障害の子どもがいたら、優しく見守ってほしい」と声をかけました。ママ友は「分かった」と言ってくれましたが、やはり当事者家族しか分からないことはあるんだろうな…と少し切ない気分になりました。その後ママ友一家は遠方に引っ越してしまい、それっきり疎遠となってしまいました。Upload By 発達ナビ編集部息子を育て、今思うこと現在息子は小学生になりましたが、やはり育てるには苦労の連続で大変でした。ですが、それと同時に息子はとても可愛く、愛おしい存在です。そして一番苦労をしているのは息子本人だということも理解しています。今後も私たち親が高齢になったり、親なきあと問題などで私たち家族には課題や困難がたくさんあるでしょう。それを解決するには、やはり当事者家族だけではなく、地域の方の理解や見守りなどが不可欠だと思います。障害のある人が一生を安心して暮らせるように、もっと発達障害について講演会や説明会、発達障害のある人たちとの交流会などを行い、周りの人が発達障害について理解ある環境になることを願っています。(監修:井上先生より)家に小さな子が遊びにくると、どうしてもその子たちが中心になってしまいます。最初はもてなそうという気持ちがあっても、いつもは自分の家、自分のスペース、自分のお母さんなのに取られてしまった…と次第に嫉妬してしまう気持ちが出てきてしまったのかもしれないですね。お子さん自身も、自分の予想以上に強い感情が生まれてしまい、つい衝動的にしてしまったことかもと思いました。親としては「落ち着いてから話せば分かってくれる」と思っていても、ママ友やお友達がいる手前、その場で叱らないといけないという葛藤もあるでしょう。このような避けがたいトラブルに対して、子ども自身や親御さん自身が自分のことを責めないことが大切かと思います。コラムに書いていただくことで、お子さんと親御さんにとって、成長とともに乗り越えていける経験の一つと思えるようなエピソードにしていただければと願っています。エピソード参考/こんげろイラスト/taekoあなたのエピソードもコラムになるかも?体験談募集中!保護者の方が日々子育てをする中で「こんなトラブルがあった」「こんなハプニングがあった」など悩みはつきないと思います。そんな発達ナビユーザーのみなさんの「困った」エピソードを募集しています。テーマは「反抗期・思春期」「自傷」「学習」「不登校」「ゲーム」「不器用」「ママ友・保護者」「ご近所トラブル」などに加え、今回より「パートナーや両親(義両親)、親族間トラブル」「冠婚葬祭」のお悩みも追加募集!パートナーなどとの意見の相違、冠婚葬祭でのルールが分からない、反抗期による親との言い争い、癇癪を起こして自分の頭を叩く、地団太を踏むなどの自傷行為…読み書きや計算の困りはもちろん、授業を落ち着いて受けられないなどの学習の悩み…行き渋りや不登校などの悩み…いろいろなお悩みエピソード、お待ちしております。お寄せいただいたエピソードの中から数作品、発達ナビの連載ライターさんにコラムとしてコミックマンガエッセイ化していただき、発達ナビで公開いたします!あるあるのエピソードからヒヤリとしたエピソード、SNSなどではなかなか言えないような家族やママ友とのトラブルまで。いろいろな「困った」エピソードをぜひ教えてください。
2022年06月19日学校法人角川ドワンゴ学園N高等学校・S高等学校・N中等部って?学校法人角川ドワンゴ学園N高等学校・S高等学校(以下、N/S高)は、インターネットとICTツールをフル活用している通信制の高校です。N/S高、N中等部では、インターネットを活用した授業のほか、豊富な課外授業をうけることができます。さまざまなカリキュラムの中で生徒一人ひとりが自分のやりたいことを見つけ、将来につながる多様な学びを得られることが特徴です。オンラインとリアルで開催された「磁石祭2022 -N高S高N中等部文化祭-」Upload By 発達ナビニュース文化祭は、毎年インターネットの祭典「ニコニコ超会議(※)」において行われています。コロナ禍で2020年、2021年はオンライン会場のみの開催でしたが、今年はオンライン会場とリアル会場(千葉県、幕張メッセ)の2つの会場で行われました。※「ニコニコ超会議」…ドワンゴが運営する日本最大級の動画サービス「ニコニコ」が毎年開催している参加型イベント。「ニコニコ超会議2022」では会場来場者9万6,160人 ネット総来場者1,389万1,680人を動員Upload By 発達ナビニュース「磁石祭2022 -N高S高N中等部文化祭-」の実行委員を務めたのは、全国各地に住むN/S高、N中等部に在籍する約 60 名の生徒。オンラインとリアルの両方で開催するのは初めてのことでしたが、生徒たちはオンラインで話し合いをしながら準備を進めました。4月29日(金・祝)、4月30日(土)の2日間にわたって行われた「磁石祭2022 -N高S高N中等部文化祭-」のリアル会場のステージ企画、ブース企画の様子の一部をご紹介します。VRで卓球!「メタバース卓球対決 produced by 普通じゃない普通科」Upload By 発達ナビニュースN/S高の普通科では、バーチャル空間を活用した学びやイベントを企画・運営。今年の磁石祭では来場者と教職員がバーチャル空間で卓球対決ができるブースを出展しました。「ヘッドマウントディスプレイ」を頭部に装着すると、目の前にはバーチャル空間が広がります。来場者は、現在も現役エンジニアとして活躍するS高の吉村校長との卓球対決を楽しみました。未来のエンジニアたちによる「LT大会」Upload By 発達ナビニュースLTとは、Lightning Talk(ライトニング トーク)の略で、5分程度のプレゼンテーションのことを示します。LT大会は、多くのIT企業でも社員教育の一環として取り入れられているそう。たくさんの観客の前で、生徒たちは、自身がプログラミングをして制作した作品をプレゼンテーション形式で紹介しました。オリジナルゲーム・アプリ・楽曲、IoT製品(インターネットを活用した製品)、本格的なメールサーバーなどそれぞれの持ち味を活かした作品ばかり!【職業体験】LUSH×磁石祭社会もハッピーにする販売体験Upload By 発達ナビニュース生徒が職業体験の一環として、ナチュラルコスメブランド「LUSH」のハンド&ボディローション「チャリティポット コイン」を販売しました。実際の「LUSH」の店舗では、お客さまに商品の香りや使い心地が伝わるよう実演販売が行われています。今回の職業体験の企画でも、生徒たちは実際にLUSH渋谷駅前店で働く販売スタッフと一緒に実演販売に挑戦しました。実演販売は大好評で商品は完売! 消費税を除く売上の全額がLUSHよりLGBTQ+を支援する一般社団法人にじーずに寄付されるそうです。「あにまるっと缶パ〜動物保護もできちゃうってホントですか!?〜」Upload By 発達ナビニュースUpload By 発達ナビニュース「動物保護について多くの人にもっと身近に考えてもらいたい」という思いから始まったリアルとオンラインでの企画。美術部の有志メンバーたちが動物のオリジナルキャラクターをデザインし、缶バッチ、ステッカー、栞を販売しました。この売上は、全額が動物保護団体へ寄付されます。オンライン会場では、N/S高生によって制作された、動物をモチーフにしたオリジナルキャラクターのイラストを展示し、動物保護の現状・活動について紹介をしました。磁石祭2022テレビUpload By 発達ナビニュース「磁石祭2022 -N高S高N中等部文化祭-」では、実行委員の生徒がMCとなり、会場内の特設中継ブースから生徒制作のオリジナル番組を生配信していました。ニコニコ生放送の磁石祭特設チャンネルで一般公開放送するのは初の試み。番組の企画から制作まで全てを生徒が担当し、ブース出展者へのインタビュー中継、N/S高のキャンパス紹介番組などを放送しました。このほかリアル会場では、東大発知識集団 QuizKnock作問のクイズ大会、オンライン会場では、VR eスポーツゲーム『Echo VR』の試合の実況番組の放送や、囲碁の対局の様子の配信などなど…、記事に書ききれないほどの企画が行われました。「磁石祭2022 -N高S高N中等部文化祭-」のオンライン会場とリアル会場で行われた企画はなんと約80!生徒たちのエネルギーとアイデアあふれる文化祭でした。発達ナビでは、通信制高校の特色を知ることができるオンラインイベントを開催!Upload By 発達ナビニュース発達ナビでは、2022年7月9日(土)に『一人ひとりに合った進路選び応援セミナー』を開催予定です。進路選びの進め方や通信制高校のしくみについて解説する講演や、複数の通信制高校の担当者から実際にお話を聞けるコーナーも。ご自宅にいながら学校の特色を一挙に知り、通信制高校への進学についてイメージを膨らませることができます。既に特設サイトもオープン!今回の記事を読んで通信制高校に興味を持たれた方は、ぜひセミナーにも参加してみてください。【概要】日時:2022年7月9日(土)10:00~12:30参加費:無料形式:Zoom配信参加方法:事前の参加登録必須。登録いただいた方に、視聴URLをお送りいたします。対象:中学生のお子さまをお持ちの保護者の方向けのイベントですが、ご興味のある方はどなたでもご参加いただけます。
2022年06月18日痛みにあまり反応しないむっくんは小さなころから痛みに強い子でした。転んでも泣くことはなく、少々怪我をしてもケロっとしています。実はむっくんの父も痛みにあまり反応しないタイプなので、特性なのか家系なのか、ハイブリッドなのかは分かりませんが、とにかく痛みに鈍感なのです。そんなむっくんは周囲にぶつかりやすかったり、物を踏みやすい傾向があります。こういう場合、ボディイメージの弱さが考えられるという話をきくのですが、むっくんの場合はぶつかっても痛くないから、回避行動をとらない面もあるのでは?と感じることもありました。また、他者の体へ接触するときは自分が痛くないように相手に触れるという、心理的な手加減があるかと思うのですが、むっくんは痛いと思わないからか当たりが強く、ぶつかられた私のほうが悶絶し、本人は涼しい顔をしていることもよくありました。発熱時などもつらそうにふるまうことがないので看病などは弟と比較すると楽だと感じることもありましたが、痛みを伴う重大な怪我や病気に気づけなかったらどうしようという心配もありました。その上、癇癪やパニックを起こしているとこの痛みへの反応の鈍さがますます強くなるのです…。Upload By ウチノコうっかり自分を傷つけてしまうむっくんは小さなころ、癇癪を起こすとひっくり返ってじたばた暴れたり、周囲のものを投げたり殴ったり蹴ったりして全身で体の中で膨れ上がる何かを発散させていました。このときに周囲に力いっぱいぶつかることで、怪我をすることがときどきありました。「自傷」のように自分で自分を傷つけようと思っているわけではないのですが、パニックがおさまって我に返ったらあざができていることもしばしば。冷蔵庫をおもいきり蹴とばしたあとに、歩けないと訴えて病院にかかったこともあります。(捻挫でした)むっくんは癇癪時にはいつも以上に痛みに鈍くなるため、怪我をするかしないかの力加減ができなくなっているのではないかと私は考えています。こういうときは、ぶつかられた私もいつも以上に痛い!手加減なしで暴れるので、怪我をしないように押さえようとした結果、お互いぶつかり合ってそれぞれあざができてしまうこともありました。現在は8歳になり力も強くなったむっくん。成長と共に我を忘れるほどの癇癪は起こりにくくなり、暴れたり物や私への暴力も減ってきています。だけど昨年、自分の感情の爆発をなんとか我慢しようと体を手でぎゅうっと握りしめた結果、爪が食い込んで出血してしまったのです。Upload By ウチノコ鎮めるか発散するか今までむっくんは、癇癪を起こしそうなときにはお風呂に入る、好きな読書をする、静かな場所に行くなどの興奮を鎮める対処をしてきました。だけど、この件を受けてこれから力がますます強くなることを考えると、鎮めるだけではなく、安全に発散することも考える必要があるのだなと感じました。そこで手っ取り早く力をおもいきり使えるように部屋にサンドバックを設置。これは過去に私自身もストレスに対処する方法として児童精神科医の三木先生 からアドバイスいただいています(笑)今のところ、サンドバックを蹴り蹴りしながら邪魔!と言っていますが(笑)それでもカーッと来ると部屋に飛び込んでたまに使っている様子です。ほかにも「大きな声で叫ぶ」もよさそうですし、夫は走る感覚と怒るときの感覚は似てる気がするから、全速力で走るのもいいかも?なんて言っています。これからはむっくんの内なる大きなエネルギーを、怪我しない程度に発散し程よくコントロールする術を身に着けていけたらいいなぁと考えています。Upload By ウチノコ執筆/ウチノコ(監修:三木先生より)おおお、サンドバック設置されたんですね…!たしかに邪魔かもしれませんが(笑)。エネルギーを爆発させる、外に出す方法にはいろいろあります。本人がつらくなく、周りに迷惑ではなく、そしてちゃんと発散になる方法が見つかると、かなり暮らしやすくなると思います。
2022年06月17日子育てアプリの成長スケジュールを見て不安になる私はしのくんがお腹にいるときから、子育てアプリを使っていました。アプリでは、子どもの様子を記録する育児ノートのような機能や、子どもの生年月日を入力するだけで月齢に合った役立つ情報を得ることができます。アプリが教えてくれる赤ちゃんの成長のめやすを見ては、「何ヶ月で〇〇ができるようになるんだ」と成長を楽しみにしていました。ところが…1歳を過ぎたあたりから、アプリの成長のめやすでは「このころ、できるようになる」と書いてあるのに、しのくんはできていないことが増えてきました。このころから子育てアプリを見ると、私の心はザワザワするようになりました。Upload By keiko一歳半健診一歳半健診できっと何か引っかかると思っていた私。ドキドキして健診へ行き、先生にしのくんの言葉が遅いことを相談しました。Upload By keikoしかし、そのとき診察してくださった先生からは、「2歳までにしゃべったら大丈夫」と言われました。「そうなのか?じゃあ心配しなくても大丈夫なんだ⁉︎」と思った私。心配でしたが、とにかく2歳までは考えすぎないように過ごそうと思ったのを覚えています。Upload By keiko大丈夫、大丈夫と自分に言い聞かせて…。そして、見ると心がザワザワしてしまう子育てアプリは完全に見なくなりました。言葉が増えないしのくんが2歳になったばかりのころ、「パパ」だけ言えるようになりました。私たち夫婦は安心しましたが、それ以上言葉が増えることなく2歳4ヶ月になってしまいました…。そんなとき、保育園から発達に関してのご指摘がありました。扉の開け閉めが大好きで最終的にクラスから脱走する、絵本に興味なし、一人遊びが好き、長い時間集中して遊べない、などなど…。心の中にはずっと不安があり、でも大丈夫と言い聞かせて過ごしていましたが、いよいよ先生にも指摘されたので、市役所に電話して、発達検査を受けることにしました。今だから思うこと当時の私は、しのくんの言葉が遅くて心配していたくせに、見て見ぬふりをして2歳まで何もしませんでした。2歳4ヶ月のときに保育園の先生とお話しすることができて本当によかったなと思っています。保育園の先生がしのくんの発達に関して言ってくださったことが、言葉の教室や療育センターに行くきっかけになりました。でも、今でも私は「〇歳になったらこれができる」みたいなのはあえて調べず、なるべく見ないようにしています。心配なことがあったら保育園の先生や、言葉の教室、療育の先生などに聞いています。子育てする中でどうしたらいいか分からないからこそ、情報だけを見て自己判断をしたり、一人で悩んだりしないでプロに相談するのが1番安心だなと思っています。執筆/keiko(監修:鈴木先生より)知的に遅れがあるお子さんは、言葉の遅れで気づかれることが多いのですが、知的に遅れのないお子さんは神経発達症(発達障害)があっても健診ではスルーしてしまうことが多いようです。保育園のような集団生活に入ってさまざまなつまずきを指摘され、初めて医療を受診されるお子さんもいれば、様子をみるだけで経過し、小学校に入って初めてほかのお子さんとの違いを指摘されるお子さんもいます。園や学校から指摘をする場合でも、親御さんの受容次第で医療機関への受診をすすめたり、すすめなかったりするという現状があります。
2022年06月17日発達ゆっくりな娘、初めての社会へ発達グレーゾーンの娘は去年の4月、年少さんになりました。入園した当時、娘は3歳半ごろ。単語もたくさん出始め、意思疎通がなんとなくできるようになりました。とは言えスラスラ話せるわけではなく、同じ月齢の子と比べたら明らかに発語はゆっくり。ある日、娘を教室まで送ると、子どもたちが自分の持ち物を一斉に自慢してくれました。Upload By とまぱん私は子どもたちのおしゃべりの上手さにびっくり。みんなこんなに自分の言いたいことをちゃんと言葉にできるんだ、と驚きました。それと同時に、こんなに発達の度合いが違う中で娘に友達ができるのだろうか、仲間はずれにされたらどうしよう、と一気に不安が膨らんでしまいました。入園後すぐに激しい登園渋りで疲労困憊娘の登園渋りはとても激しく、制服なんて着せられませんでした。着せられたとしても暴れる鯉状態で、紐でぐるぐる巻きにしない限り連れて行くのは無理でした。こういうときは行くのを諦め、幼稚園に休む電話をするのですがこの電話が私には苦痛で…。初めは体調不良でと言ってましたが、途中から正直に「娘が行き渋ってしまい…」と話しました。そうすると電話に出た先生は「お昼からもし来られたら来てね」と気遣って言ってくださるのですが、変に真面目な私は「お昼から行かせなきゃ!」と思ってしまい。そうしてまたお昼ごろ登園を試みてまた激しい拒否をされ、2倍の疲れを味わうのでした。幼稚園を休んで家で楽しく過ごしている娘を見て、私は複雑な気持ちになり娘に優しくできませんでした。Upload By とまぱん「みんなと同じように幼稚園へ行ってほしい」「もう娘と家に二人っきりはつらい」と…。でも娘が幼稚園を拒否する気持ちも分かります。急に親と離れて大勢の知らない人たちの中で過ごさなければいけないし、周囲の子たちは自分より成長も早くて。娘なりの疎外感、恐怖があるのかなと…。娘に寄り添おうとしてる気持ちと、幼稚園に行かないことへの焦りとで感情がごちゃごちゃでした。教室の前で大声で泣きわめく娘。そんな中、先生に助けられ…どうにか制服に着替えさせ、幼稚園に登園できた日のこと。教室の前で私と別れるときに案の定、泣きわめいてしまいました。娘は声がものすごく大きいので一気に注目の的に。ほかのお母さんからの視線が痛い….。すると先生が教室から出てきて娘に声をかけてくれました。先生「ほらとまちゃん見て、鯉のぼり大きいね~いろんな色のがあるね。とまちゃんは何色のが好きかな?」少し落ち着き始めた娘。また離れるときは泣いてしまいましたが、この時期は何度も先生に助けられたのを覚えています。Upload By とまぱん「ママも幼稚園嫌いだったよ」正直に言った私の言葉に娘は…?「幼稚園行きたくない!!」ある日いつものように登園を渋っていました。そのとき私は「今日給食ハンバーグだよ」とか「お友達待ってるよ」とか声をかけていました。心の中でこんな子ども騙しな言葉は効かないよな~と思いつつもそんな言葉しか思いつかず。こんなに嫌がってるのにハンバーグだからって行く!ってなるわけがないし、そもそもハンバーグそこまで好きではないし。「お友達待ってるよ」って言ったけど娘を心待ちにしてくれるような子がいるか分からない。そもそもお友達と呼べるような子がいないかもしれない。こういう良かれと思った言葉かけが、逆に子どもの心をえぐることもあります。私は子どものころ、こういう大人の薄っぺらい言葉が嫌いでした。なのに自分が大人になって同じことを言っている。今になると分かりますが、あのときの大人は何と言ったらいいか分からなかったんだなと思いました。私は正解の声かけが分からないので正直な気持ちを娘に言いました。Upload By とまぱんすると愚図っていた娘は急に静かに。何か考えてるようでした。そのあと、幼稚園までずっと抱っこではありましたが、その日は無事に登園してくれました。もしかしたら自分の気持ちを分かってくれたと思って安心したのかもしれません。年中さんになった今。娘の登園渋りは?現在娘は年中になり、年少のころのような激しい登園渋りはなくなりました。とは言っても毎朝「幼稚園行きたくない。今日は○○へ遊びに行きたいの!」と言ってます(笑)でもなんだかんだ制服を着ると、幼稚園に行くスイッチが入るようで。私自身も前の晩に、次の日登園させるのが苦痛で思い悩むということはもうなくなりました。登園時間に年少さんが泣いているのを見ると、とても懐かしくなります。当事者だったときは本当につらかったのですが、ほかの子の行き渋りはこんなに微笑ましく感じるものなんですね…。また、心配していたお友達関係はというと。年少の夏くらいから徐々にお友達ができたようでした。成長がゆっくりだからか娘の手助けをしてくれる女の子が何人かいて。ある日、教室まで送ったときのこと。Upload By とまぱんUpload By とまぱん教室の中にいた女の子がとまちゃんに気づき、ほかのお友達にも声をかけてくれ、何人か迎えに来てくれました。娘も少し嬉しそうな表情に。娘の行き渋りは先生だけではなくお友達にも助けられました。まだまだぐずったり喜怒哀楽の激しい娘ですが、今年は鯉のぼりを見ながら娘の成長を感じたのでした。Upload By とまぱん執筆/とまぱん(監修:鈴木先生より)登園・登校渋りの原因としては集団の多さによる視線恐怖や音過敏が多いと思います。徐々に周りの音や集団の視線に慣れたのに加え、お友達が声をかけてくれるようになったのが大きな救いだと思います。園に一人でも「味方」がいれば安心できるのです。すぐに友達やママ友をつくれる親子もいれば、1年経ってようやく仲間に入れる親子もいます。小学校の不登校も同じです。休日に近所でみんなと遊べれば、「明日また学校で遊ぼうぜ」の一言で行けるようになったお子さんもいます。注目されるのが好きなASDのあるお子さんであれば、その子の名前で声をかけてあげて注目してあげると良いですね。仲間づくりが不登校解決の一つの方法だと思います。ASDのあるお子さんは一人を好みますが、やはり不安なので誰か仲間がいるだけでその不安もとれるのではないでしょうか。仲間は同級生でなくても先生や上級生・下級生でもいいのです。
2022年06月16日支援が必要な学生により早い段階で支援を提供したい2005年に施行された発達障害者支援法では、「大学及び高等専門学校は、個々の発達障害者の特性に応じ、適切な教育上の配慮をするものとする」と明示されました。そこで発達ナビでは、実際に大学でどのような支援が行われているかについてお届けしていきたいと思います。このコラムで紹介する中央大学では、2007年から一部の教員が「軽度発達障害の縦断的研究」を開始。これを引き継ぐ形で2016年から「発達障害者傾向を有する大学生についての縦断的研究」を行い、このたび『キャンパスにおける発達障害学生支援の新たな展開(中央大学人文科研究所研究叢書)』に活動の記録をまとめました。今回は、同研究チームの主査を務めた山科満教授に、キャンパスにおける学生支援の現状や発達による特性がある学生、保護者の方への願いについて伺いました。参考:発達障害者支援法 | 文部科学省編集部(以下――)現在注力されている研究について教えてください。山科先生:中央大学では、未診断ながら発達の特性がある学生への支援体制の構築と、支援のノウハウについての臨床研究を続けています。従来型の学生相談室、あるいは支援室というのは、いくら「箱」を充実させても、支援が必要な学生の多くはそこにたどりつくことなく、大学からドロップアウトしていきます。そのような学生により早い段階で支援を提供できるために必要なことは何だろうと、手探りで活動を続けてきました。――山科先生は、精神科医から大学教員に転身されたのですよね。山科先生:はい。大学教員、それも臨床心理学の教員になろうと思った理由は2つあります。私は1989年に医学部を卒業して精神科医になり、最初の十数年は統合失調症の入院治療に力を入れていました。臨床経験を積む傍らで、次第に薬物療法の対象とはならないパーソナリティ障害や神経症の治療、すなわち個人精神療法、とりわけ精神分析の勉強もするようになりました。これが自分としては興味深かったのですが、脳科学全盛の大学病院の精神科で精神分析を実践することや、まして研究することはできないことだったのです。端的に、居場所がないわけです。もし研究を続けたければ、文系の大学の教員になるしかない、という状況がありました。より直接的には、大学病院で臨床心理士を目指す大学院生の実習指導を引き受けるようになったところ、実習生たちがとても熱心で、その人たちに基礎的な精神医学と精神分析学の両方を教えることに、やりがいを感じるようになったのです。そこで、大学教員を目指すなら臨床心理士養成のための大学院をもっているところにしようと、思い定めました。2006年に文教大学人間科学部に就職したのは、こういう経緯からでした。その後、2010年春に中央大学文学部に移りました。――現在の支援体制について、どのようにお考えですか。山科先生:少しずつ支援体制をつくりつつあるのですが、私のやっていることはどうしても支援者ないし教員の目線での発想に傾きがちです。支援対象当事者の気持ちや困りごとをより具体的に知るために、今は学生さん当事者の人たちに協力してもらいインタビュー調査を積み重ねているところです。また、ピアグループの運営をサポートするようにもなりました。――そのほかの研究はいかがですか。山科先生:東日本大震災にまつわる臨床研究を行っています。中央大学文学部に移った約1年後、2011年3月に東日本大震災が発生しました。以来私は岩手県の北リアス地域に通い、病院臨床や地域の精神保健活動に携わりながら、津波被災者の心理過程と、過疎地域におけるひきこもりの支援に関する臨床研究を続けています。――ひきこもりには発達の特性も影響しているのでしょうか。山科先生:そうですね。その地域で家庭訪問を行っていて、大学中退、あるいは卒業後早期に社会からドロップアウトして、実家に戻りそのままひきこもっているという人たちに少なからず出会いました。その人たちの生きにくさのベースに、多くの場合で発達の特性が絡んでいることが見いだされました。まだ論文化できるほどのデータはたまっていないのですが、実感としてはそういうことです。3/4が支援開始時点で発達障害未診断というデータも出典 : ――大学に通う発達に特性がある学生の傾向や、支援状況について教えてください。山科先生:中央大学の一学部のデータですが、発達の特性があるために適応に困難を来して支援を受けることになった学生のおよそ4分の3は、支援開始時点で未診断でした。多くは幼稚園・保育園時代から多少なりとも「発達が気になる子ども」ではあったのですが、よく護られ、あるいは勉強ができるために周囲から一目置かれ、大学まではさほど不適応にならずに来ているのです。――そのような学生は、大学入学後に困り感が生じているということですね。山科先生:そうなりますね。大学では高校までの生活とはタスクが全く異なります。また、コロナ禍で普及したオンライン授業にはメリットもありますが、時間管理や同時並行処理など、発達の特性を有する人には高いハードルとなることもありました。さらに、授業はこなせても、就職活動で「筆記は通るのに面接でことごとくはねられる」といった経験から、自身の特性について気づくこととなる学生さんも少なからずいます。――学生自ら支援を求めることができているのでしょうか。山科先生:支援対象者となっている学生のうち、自ら支援機関や支援者に直接コンタクトを取った学生は半分以下です。ドロップアウトしかかったところで、ゼミの教員や、キャリアセンターの職員、学部事務室の職員などが関与し、そこから支援者につながることが多いです。ということは、支援機関・支援者は、学生からみてアクセスしやすいだけでなく、一般の教職員にとってもアクセスしやすい存在でなければなりません。これは「箱」を整備すれば良いというものではなく、支援者の「顔」が多くの学生や教職員から認知されることと、支援システムが柔らかいものであることが必要と考えられます。――現在、キャンパスで支援している学生はどれくらいですか。山科先生:中央大学では、私の推計では概ね全学生の1%ほどの学生を支援対象としていると思われます。他方、私たちはいくつかの学内調査から、発達の特性を有し、本人なりに困り感を抱きながら過ごしている学生が1割弱いるだろうと見積もっています。以前行った調査で「自閉症スペクトラム指数(AQ)」という質問紙では、カットオフポイント(その点数以上であれば自閉スペクトラム症の傾向がある可能性が高い)を超える人が数%ほどいました。もちろん、カットオフポイントを超えた人がみな困っているわけでも、まして発達障害と診断されるわけではないのですが、私は、今支援を受けているのは本当に支援を必要としている人の一部に留まっているのではないかと、危惧しています。また、今困っていないから支援の必要がない、とは必ずしも言えません。問題が先送りされ、会社員になってから不適応に陥っても、企業の中では大学のように手厚い支援はありません。それは、私がクリニックや企業内の健康管理センターで精神科医として働いていて実感することです。――さまざまな課題を感じられているのですね。発達の特性がある学生には、どのように過ごしてほしいとお考えですか。山科先生:できることなら、発達の特性がある人は、学生時代に自身の特性と向き合い、この複雑で曖昧な世の中を生き抜く戦略・戦術について考え始めてほしいと願っています。「障害は社会の側にある」のですが、その社会と自分との相性を客観的に分析する視点をもつこと、その前提となる柔軟な自我が育つような支援を一人ひとりに提供することが、私たちの最終目標です。ただし、本人にその自覚が無いまま支援者が人の人生や心の中に踏み込むことなどできません。どうやって気づいていただくか、気づいたときに強い不安や孤独感を抱くことなく支援を開始するにはどうすれば良いのか、学生の成長に寄り添い「伴走」する支援者のあり方とは、など課題はつきません。大学・学部選びでは「本人の興味・関心」を優先させてほしい出典 : ――ここまでお話を伺い、発達の特性による困り感がある大学生の多さを再認識しました。発達に特性がある場合、どのようなことを大学・学部選びで大切にしたほうが良いとお考えでしょうか。山科先生:大学・学部選びに関しては、何よりもまず「本人の興味・関心」を優先させてほしいと思います。大学の勉強は、高校時代よりはるかに複雑でレベルも高くなります。「好き」という原動力がないと、ただただ苦しいだけの日々を送ることになりかねません。就職に有利だからという理由で学部を選んだり、大学のネームバリューに惹かれて「その中で入りやすい学部」といった選択をしたりすると、入学後に壁に当たった際に乗り越えることは難しくなります。――「好き」という原動力が、困難を乗り越える力にもなるということですね。山科先生:大学時代に学んだ「知識」など、卒業後数年したら古びてしまいます。大学で身につけるべきなのは、「調べる力」「長い、構造化された文章をつくり上げる力」「ディスカッションの力」「プレゼンテーションの力」などです。仮に会社員として生きていこうということになった場合に、これらの力があれば、支援を受けながらになるかもしれませんが、それなりの仕事ができる可能性があります。好きな勉強を通してなら、こういう経験を積みスキルが向上することが可能になるかもしれません。コミュニケーションが苦手な人でも、自分の好きなことなら話せるかもしれません。まず楽しんで話す、その次に「相手に伝わる話し方」を考える、ということで、この順番でなければコミュニケーションスキルの進歩などありえないと私は思います。――大学卒業後、つまり「将来の自立」にも関わってきますよね。山科先生:自立ということでいえば、当たり前のことですが生活スキル、自己管理能力の強化は、どうしても必要と思います。大学生活で躓くのは、実はこの点が大きいのです。ただし、朝起きられないとか、時間にルーズだとか、片づけができないといったことが、全て「心がけ」の問題として本人が叱責されてしまうというのは残念でなりません。これらはいずれも発達の特性がベースにあって生じることなのですから、本人を傷つけずにどう意識づけをやっていくか、ということについては、いろいろな工夫が必要でしょうし、薬物療法を検討すべき場合もあります。――保護者はどのようなことを意識すれば良いでしょうか。山科先生:より根本的には、「自己」を育てていく、ということが大事かもしれません。「これが好き」「あれがやりたい」という願望を持ち、その実現に向かって努力するとか、自分が頑張った結果どういう良いことが待っているかということがイメージできるように、親は気長に関わっていく必要があると思います。発達の特性によってイマジネーションが難しいからこそ、そのような頭の使い方を、地道に教えて行く必要があるのではないでしょうか。やがて経験を積み、親しい人に導かれながら内的な経験を言語化する営みを重ねると、少しずつ「自己」が複雑化していきます。そうなると、異なる視点でものを見比べるとか、思考実験的なことを頭の中で行えるようになります。発達の特性を有する人たちにはそういうことは苦手なのですが、将来を考えるときに、不安感と嫌悪感ではなく希望に根ざした発想ができるように、ということを親は意識している必要があるように思います。執筆/LITALICO発達ナビ編集部
2022年06月15日友達と遊んでいると、塾の予定をど忘れする中2息子Upload By かなしろにゃんこ。息子は、中2のとき運動部からパソコン部に転部しました。部活動は週3で、部活のない日は友達とぶらぶら遊び歩くか、何人か遊びに来てわが家でゲーム三昧。「今日は7時から塾だよ」と声をかけても、ウッカリ屋の息子は遊んでいるうちにスッカリ忘れてしまい塾に行かないことがよくありました。たとえテスト前であっても、テスト勉強はせずにそんな調子。塾をさぼったり、テスト勉強をやらなかったりと母と子の争いが過熱していました。そんなある日、「塾をさぼるな」「塾の授業料を無駄にするな」と私が言ったことから親子ケンカに発展してしまいました。「わざとじゃないよ、本当に忘れちゃうんだ」と言う息子に対して、「絶対わざとさぼっている!」と私が疑ってしまうことで親子ケンカとなったのです。息子にとっては、本当にわざとではないのに怒られたことが腹立たしかったのだと思います。息子はケンカしたまま「出かけてくる」と言って自転車でどこかに行ってしまいました。Upload By かなしろにゃんこ。家を飛び出したきり、息子がなかなか帰って来ないそのうちお腹を空かせて帰ってくるだろうと思って、私はいつものように夕飯をつくって待っていました。しかし、夜の8時になっても、9時になっても帰ってきません…。(図々しく友達の家にお邪魔してちゃっかり夕飯をごちそうになっているかもしれない)と思った私は、お友達の家に電話をしてみました。しかしどのお家でも「来ていない」と言います。Upload By かなしろにゃんこ。今まで息子は、門限を破ってどんなに遅くなったとしても夜の8時には帰って来ていたので、段々心配になってきました。お金も持っていないだろうからお腹がすいていても何も食べていないはず…。このころは私のスマートフォンを塾に行くときだけ持たせていましたが、それ以外のときは持たせてはいませんでした。連絡する手段がない息子。(そういえば公衆電話の使い方を教えてなかったわ…)(事故にでもあったのかな?)などと考えながら息子の帰りを待っていました。夜の11時ごろようやく帰宅した息子Upload By かなしろにゃんこ。Upload By かなしろにゃんこ。何も連絡がないまま夜の11時になろうとしたとき、外でガタン!と自転車のスタンド音がして「ただいま~」と機嫌よく息子が帰ってきました。「こんな時間まで何してたのよー!」と怒ってやろうと思っていましたが、無事に帰ってきたことで怒るよりもホッとした私は「お風呂入ってご飯食べなさい」と言ってしまいました。夜遅くまでどうしていたのか聞くと、「遠くに行きたくなって、自転車で走っていたら市外に入ってしまったから、そのまま行けるところまで行こうとして、自宅から22キロも離れた場所まで行ってしまった」と息子は答えました。Upload By かなしろにゃんこ。Upload By かなしろにゃんこ。「夜でも店の看板が明るくて人もいっぱいいて楽しかった」と、キラキラした街に感動してウロウロ見て回っていたら帰りが遅くなっちゃったということでした。走っているうちにケンカのことは忘れて、自転車で走ることが楽しくなってしまったんだとか。Upload By かなしろにゃんこ。息子に改めてこのときのことを聞いてみると「最初はムシャクシャして走るんだけど、そのうちに行きたい場所の目標ができて楽しくなってきたんだよね。オレ、時間とか距離の逆算ができないから、このまま行っちゃうと家に帰るまでにすごい疲れるのは想像できてなくってドンドン走っていっちゃった」と言っていました。ただ“放っておいてほしい”という思いもあったので、途中で(これは、帰るのが大変そうだ)と気づいても家に連絡して居場所を伝えたいという気持ちにはなれなかったと言うのです。無事でよかったことと、特性でどうしようもない部分を攻めすぎたことで遠くまで自転車で走らせてしまったことを反省したのでした。反抗期の子の接し方は難しいけれど、心配した出来事があって愛情を再確認するものだと知りました。その後も何度か同じように息子は、親子ケンカの末に自転車で遠くまで行ってしまうことがありました。そういう日は、帰ってくると疲れ果てていて、とっても大人しくなります。たまっていたイライラが程よく抜けるのでしょうか。気性が荒い息子も穏やかになるのでした。今思うと好奇心のまま突っ走り知らない土地で刺激を得て心のパワーチャージをしていたのかもしれません。ちなみに塾は、中3になると受験の意識が芽生えてきたのかあまりさぼらずに行けるようになったのでした。執筆/かなしろにゃんこ。(監修:井上先生より)思春期になり、自分の価値観もはっきりしてくると主張も強くなり親の考えと対立することも多くなってくると思います。お互いが感情的になってしまわないよう、ほどよい距離を保ちクールダウンをはかるという対策がありますが、なかなか難しいものです。感情的に対立しているときには子どもを納得させることは難しいので、「うーん、そうかぁ」「それは、なかなか難しいなぁ」「どうしたらいいと思う?」など子どもの困った気持ちに寄り添いつつ、すぐに答えを出さずに一緒に悩みながら言葉がけをするとお互い少し冷静になれるかもしれません。
2022年06月15日「子どもの未来を幸福に」というビジョンの下、発達障害児の将来の自立と就職に向けてトレーニングを行う教育事業者(児童福祉法に基づく児童発達支援・放課後等デイサービス)に対する開業・運営コンサルティングを提供する株式会社アイラ(本社:宮城県仙台市、代表取締役:遠藤 千尋)は、「人との繋がりの中で未来を生きる力を育む」をコンセプトに埼玉県内で児童発達支援・放課後等デイサービス「ヒトツナ」を運営する株式会社サイドアイ(本社:埼玉県越谷市)と業務提携を行い、2022年6月10日より、「ヒトツナ」フランチャイズ事業を開始しました。埼玉県のヒトツナがフランチャイズ事業を開始■児童発達支援・放課後等デイサービスの概要児童発達支援、放課後等デイサービスは、0歳から18歳までの発達に特性のあるお子様を日中や学校終了後の放課後等にお預かりし、将来の就職と自立に向けた様々なトレーニングを行う事業です。2012年の法改正により現在の児童発達支援・放課後等デイサービスの体系になってから数年で事業所数は急増し、それに比例して利用するお子様も増加しております。「発達に特性のあるお子様」とは、自閉症スペクトラム、ADHD、LD等の診断を受けているお子様や、診断名がなくても療育の必要性を認められたお子様等が対象となります。■「ヒトツナ」のコンセプト児童発達支援・放課後等デイサービスヒトツナは、2019年に埼玉県越谷市に開業しました。「人との繋がりを大切に、人との繋がりをもっと楽しく」というスローガンで、発達に特性のある子どもたちが“人と通じ合う経験”の中でたくさんの学びや発見が得られるような体験学習を重視しております。特性から、他者と通じ合う経験の乏しさや困難さを抱えている子どもたちが多かったり、自分に対する否定が強いお子様が多くみられますが、だからこそ「人と人との繋がり」が生きづらさを解消する手助けになると信じて、質の高い社会性の経験が大切に関わっています。■ヒトツナの療育の特徴ヒトツナでは、〇〇式、〇〇プログラム等、一つの療育の手段に偏らず、「子どもに関わるスタッフ一人ひとりのアセスメント力向上や、療育に向き合うマインドの形成。その上で、多様な“手段”の獲得」が何よりも大切な療育だと考えております。療育プログラムという“手段”が先行した事業所づくりでは、お子様をその手段に当てはめることが目的化してしまい、一人ひとりに合った個別性のある支援からはかけ離れていきます。最も重要なのは“一人ひとりと向き合う力”だと考え、職員に対する療育者としてのマインド、スキル両面からの育成を行うことが、ヒトツナメソッドの特徴です。■フランチャイズの特徴ヒトツナフランチャイズ加盟店様の開業にあたっては、本部のコンサルタントが物件選び、商圏調査レポート、関係法令適合の確認、事業計画書作成、資金調達支援、人材採用支援、集客、マーケティング支援、教育等、開業に必要なノウハウを以てサポート致します。【ヒトツナフランチャイズの強み】(1)開業からわずか3か月で単月黒字化を達成した実績を集約実際の教室運営に基づくサポートをいたします。(2)業界初の経過年数ごとにランニングロイヤリティを低減させる仕組みを採用フランチャイズだけど加盟店様の“自立”が目的です。高額なランニングロイヤリティで運営がひっ迫し、事業継続が困難にならないよう、ヒトツナフランチャイズはランニングロイヤリティもおさえ、さらにしました。その間に加盟店様はノウハウを内製化し、自立した運営を目指していただきたいと思っております。(3)優秀なスーパーバイザーによるリモート、巡回指導当たり前ですが、開業してからが本番です。フランチャイズや開業コンサルティングでよくあるトラブルは、「開業したら支援が手薄になる」ことです。ヒトツナフランチャイズは、本部教室の優秀な人材がスーパーバイザーとして、加盟店様の事業所運営をサポート致します。(4)WEBマーケティングに強いヒトツナフランチャイズの運営チームには、WEBマーケティングに特化した広告・制作会社も参加しています。ヒトツナ本体としてのブランディングにも力を入れ、加盟店様にとってのバリューを高め続けることは勿論の事、加盟店様の認知・訴求においてもWEBマーケティングのサポートが可能です。■当サービス立ち上げの経緯“放課後等デイサービスのフランチャイズ会社が説明している内容が施設の実態と乖離している。”当社、株式会社アイラは、児童発達支援・放課後等デイサービスに長年関わってきた実績から実際の施設運営、人材育成、障害児への教育内容の実証に基づくサービス開発等を行って参りました。実際の生きた事業所運営を行う中で感じたのは、大手フランチャイズ等の広告で表示される謳い文句は「現実とのギャップがある」ものが多いという事です。コンプライアンスを遵守した上で、人材を確保し続けながら事業所を運営していくのは、それなりの覚悟が必要ですが、短期間で高収益等の謳い文句が動機となって参入した事業者にとっては想像よりも労力の方が掛かる事です。その為、事業の早期撤退等も業界の隠れた問題であると感じておりました。放課後等デイサービスは、手軽に小資本で始められる事業ではないからこそ、「やりたい」と一念発起した起業家さんたちには必ず成功して、必ず幸せになってもらいたい。それは、結果的に地域で療育を必要とする障害児の幸せになるのだから。当社は、障害児の居場所をより質の高い環境にする事、そして、放課後等デイサービスという社会的意義の高い事業に参入した事業者様には、必ずこの事業を通じて人生を豊かにしてもらいたい。これが、私たちのビジョンです。■詳しくはこちら資料請求や個別相談にお問合せください。フランチャイズ加盟店様は、オーナー様との面談による入会審査を行わせていただいております。詳しくはこちらをご覧ください。 ■株式会社アイラについて株式会社アイラは、障害児の教育事業を開始したい事業家のスタートアップを支援するコンサルティングを行っております。中でも、クライアント企業様のスタッフ教育には力を入れており、表面的な施設運営のノウハウだけではなく人間の基本的欲求や本質を踏まえて「根本的解決」に働きかけるスタイルで、人材育成をサポートしております。特性のある子どもたちに質の高い療育を提供するためには、支援に従事する職員のマインドを高める事も、とても大切な事です。当社では、子どもたちに質の高い療育を提供する側の大人が人として満たされ、成長することにより、結果、子どもたちに還元できるものが増えるという考えのもと、事業所の教育環境の整備、研修の提供、人材育成のコンサルティングを強化しております。また、代表の遠藤自身もADHD、ASDの当事者で、不登校やうつ、適応障害等の二次障害を経験してきました。そのような経験を踏まえて、発達に特性のある子どもが今ある環境にとらわれ人生を悲観することなく、未来に向かって生きる心の器を育てていきたいと思っております。今回のヒトツナフランチャイズ事業では、フランチャイズ本部機能を受託しております。【会社概要】社名 : 株式会社アイラ所在地 : 宮城県仙台市青葉区国分町1-8-14 仙台協立第2ビル3階代表者 : 代表取締役 遠藤 千尋資本金 : 1,100万円(資本準備金含)事業内容: 障害児通所支援事業のコンサルティング事業、EC事業、人材育成事業等お問合せ: info@ayla.co.jp HP : SNS : ■株式会社サイドアイについて株式会社サイドアイは、埼玉県越谷市、春日部市で児童発達支援・放課後等デイサービスを運営する事業者です。障害や特性がある事により、自分の将来の選択肢を悲観的に考えている子どもやそのご家族に対し、自分らしく人生を充実させる事ができるよう、感性や社会性を磨き、選択肢を広げ、豊かな人生を送る事が出来るよう、障害児支援事業を通じて社会に貢献致します。【ヒトツナ創業時の思い】お読みいただき、ありがとうございます。ヒトツナ創業者の齊藤です。この事業をやるきっかけは、息子が3歳の時に受けた発達検査でした。ADHD、ASDの診断を受け、子どもの療育について学ぶうちに、「私自身も当事者なのではないか」と思い、数年前に検査を受けた所、自分自身もADHD、ASDの診断を受けました。息子の療育先を探す上で様々な施設を見学、実際に通所しましたが、親の目線で思うことが沢山ありました。障害を障害としてとらえてレールに乗った教育をするのではなく、「どうすれば生きやすくなるか」を一緒に考え伴走することこそが、療育なのではないかと思うようになり、ならば自分の理想とする施設を作ろうと思ったのがきっかけです。様々な事業所が、エビデンスや研究に基づいたカリキュラムやメソッドなどを展開されておりますが、当然、支援者としてエビデンス等から学ぶことはとても重要です。しかし、現場レベルでは子どもたち一人一人にどう向き合い、技術や知識をどう実際の支援に落とし込めるかが重要であると私たちは考えております。「何をやるか」ではなく「誰がやるか」が重要である事を、実際の教室運営の中で勉強させていただいております。私自身の診断の際に担当医に「頑張って社会適応してきたんだね、頑張ったね」と言われ、とてつもない安堵感で満たされた経験から、「誰か一人でも、世の中に自分の事をわかろうとしてくれる人がいる。」この、居場所感や大きな器こそが発達障害の支援には欠かせないと思い、人との繋がりをテーマにした施設をもっと多くの方に知っていただき、一人でも多くの親御様とお子様の手助けができたらと考え、このほど同じ志の方々とでメソッドや教室の人材、知識などの資源の共有を行うことを決意致しました。私自身が当事者でその親である事、自分自身がエビデンスになれるように。何より大切なのは、子どもたち一人一人に愛情を持って接すること、受容することです。自分自身を受け容れてくれる仲間や大人と出会えることで育まれる心の豊かさを、子どもたちにも感じてもらいましょう。【会社概要】社名 :株式会社サイドアイ所在地 :埼玉県越谷市袋山1431番4代表者 :代表取締役 齊藤 博晃資本金 :888万円事業内容:障害児通所支援事業、保護者支援、研修事業等 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年06月15日学校のコロナ対策で、過剰な負担が減った子・親・先生たちこんにちは。『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』ほか、著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。突如現れた未知の新型コロナウイルスのために、全国一斉休校措置となった、あの2020年春の緊張感を思い出すと、最近の「少しずつ、コロナ前の日常を取り戻しつつある」空気感を、私はとても嬉しく思っています。当時元気がなくて心配していた長女も、このころは毎日放課後、近所のお友達と外で走り回って遊べるようになりました。その一方で、長女の公立小学校では、運動会に向けて長時間の事前練習が始まったり、PTA講演会の動員が再開されたり…と、私には非合理的に思えることも一部で復活の兆しを見せており、「コロナを機に改善されたことも、また、元に戻ってしまうのではないか」という心配もしています。長男・次男の小学校時代、まずは自分たちでできる努力や工夫をした上で、私は合理的な配慮について学校側と相談してきましたが、公教育の体質的・制度的な大きな壁にぶつかり、「よほどのことがない限りは変われないだろうな」と諦めた部分も多々あり、長男・次男は私立中学受験を選択しました。その、「よほどのこと」が起きたのが、新型コロナウイルスの感染拡大です。新型コロナウイルス対策を機に合理化・効率化されたことのうち、発達障害・不登校傾向のある子など、学校生活に特に負担を感じやすい児童生徒を始め、多くの子どもたち・先生・保護者にメリットがあり、「ぜひ続けてほしい」「もとに戻さないで」と私が願う公教育の変化を5つ挙げます。立場や考え方によって、「旧来の方法のほうがよい」と思われる方もいらっしゃるでしょう。多様性を考えるひとつの視点として記させていただきます。1.オンライン授業の定着公立小中学校でのICT教育の推進は、政府のGIGAスクール構想の前倒しなどで、ひとまずはほとんどの児童生徒にタブレットが配布され、うちの小学校も全教室でWi-Fiが使えるようにもなりました。ただし、その活用度合は、「去年の担任の先生はタブレット沢山使ったけど、今年はあんまり使わない」などと長女が話すように、学習に十分に活かせている場合もあれば、未だに「持ち帰り訓練をするだけ」なんて場合もあり、地域・学校・先生による状況のようです。オンライン授業も、公立に通う長女は試験的に一度15分のホームルームが行われたのみですが、長男次男の私立学校ではすでに授業ノウハウがすっかり定着しています。学校間のICT格差がかなり開いているように感じます。それでも、感染拡大の局面でニュース等で報じられたような、教室の密を避けるために一部の学校で試験的に行われた、対面授業とオンライン授業が選択できる「ハイブリッド型の授業」の試みに、私は公教育への希望を感じました。コロナの影響で不登校の子も増えていると聞きますが、ハイブリッド型の授業が全国的に広まれば、不登校やいじめ、感覚過敏などで「教室にいるのがつらい」と感じる子の学びの選択肢を増やすことができます。離島や過疎地域などに住む通学負担が大きな子どもや、病気やケガで長期間登校できない子どもなどへの学びの保障にもなります。また、地震などの災害リスクに加えて、近年は気候変動の影響で、「危険な暑さ」の猛暑日や、台風・豪雨・豪雪などの異常気象が増え、徒歩通学の子ども達がとても心配になることもありますし、感染症の流行は新型コロナウィルスだけに限りません。最低限、各校でオンライン授業のノウハウを絶やさずにいれば、コロナ以外の理由でも、臨機応変にオンライン授業に切り替えられるので、子ども達の命や健康を守りながら、学びを止めずに済みます。2.デジタル教科書の普及2024年度より本格導入予定の「デジタル教科書」も、LD(学習障害/学習症)のある子どもの読み書きがラクになったり、忘れ物が多い子の心配事が減ったり、教科書すべてがタブレット一台に入れば子どもたちの過重なランドセルの負担を減らせたりできるので、私は大いに期待を寄せています。ですが、文部科学省の「デジタル教科書の今後の在り方等に関する検討会議第一次報告」(2021.6.8公表)によれば、デジタル教科書の発行状況は小中学校ともに約 95%に達しているものの(R3年度現在)、児童生徒への普及状況は「公立学校全体では 7.9%、公立の小学校では 7.7%、公立の中学校では 9.2%、公立の高等学校では 5.2%となっている」(R2.3.1.現在)とのこと。つまりは、「モノはあるけど、使いこなせていない」状況で、まだまだ十分な活用の実践例が不足しているようです。それでも、コロナを機に教育現場が重い腰を上げて、一歩でも二歩でも、導入の歩みを進めた実績は大きいでしょう。デジタル教材を十分活用できれば、個別最適化された学習もしやすく、宿題も「音読・漢字書き取り・計算ドリル」以外の選択肢を増やせるので、デジタルネイティブの子ども達の学習意欲と効率がUPするのではないでしょうか。そして、みんなが文房具のように学校でタブレットを使いこなしていれば、LDのある子どもが教室に持ち込んでも、誰も「〇〇さんだけズルい」だなんて言わないでしょうし、先生方がIT機器の取り扱いに慣れれば、親も理解を得るために何度も学校側と交渉しなくて済むハズです。多忙な先生方にとっても、デジタル教材の活用で、板書や教材作り、プリント配布や採点、提出物のチェックや検温記録の管理などの負担も減るでしょう。文部科学省|デジタル教科書の今後の在り方等に関する検討会議第一次報告3.学校行事の工夫と効率化ここ数年、多くの小中学校で、運動会や学習発表会などの行事を規模縮小しながらも、試行錯誤でなんとか工夫して実施していたことと思います。今年度から、手洗いや消毒などはしつつも、「コロナ前と同じ形」で、運動会が実施される学校もあると思いますが、これは、保護者によって賛否が分かれるのではないでしょうか。例えば、運動会での迫力ある組体操や、一糸乱れぬ動きの集団ダンスなどを観て感動する方もいれば、ケガや熱中症が心配だったりで「そこまで求めていない」という方もいるでしょう。そして、以前は子ども達も先生方も、一ヶ月以上前から膨大な時間をかけて、運動会の練習を積み重ねていました。率直に言えば、小学校の運動会の季節は、上の子たちも私も憂鬱でした。なぜなら、その時期は休み時間を削りながら炎天下で事前練習が続き、子どもの心身に大きな負担がかかるので、毎年決まって登校しぶりが続いたからです。また、疲れや不満が溜まるのは他の子も同じなので、運動会の前後はトラブルが発生しやすく、いじめ要注意の季節でもありました。ところがこの数年は、先生方は運動会の競技をさほど練習の必要がないレクリエーション的な内容に工夫してくれ、子ども達の心身の負担やトラブルも減りました。私は、「徒競走はみんなでゴール」などと言わずに、運動が得意な子には活躍の場を与えてあげて欲しいですし、みんなでひとつのことに向かって協力することは子どものソーシャルスキルや心の成長にも繋がりますから、運動会自体はぜひ実施していただきたいと思っています。でも、過剰な事前練習が必要だったり、安全面で不安があったり、整列や入退場の練習を繰り返したりすることはこれを機に見直し、より負担の少ない方法を継続してほしいですし、そのためには、保護者の側も学校行事に過剰な期待を寄せないであげて下さい。特に、運動が苦手な子どもは、危険度・難易度の高い競技や、「みんなの動きがピッタリそろうまで」ダンスの練習をすると、心身に過剰な負担がかかる上、自分ができないせいで他の子どもたちの練習量までが増えれば、つらい思いをします。体力がなかったり、感覚過敏などがある子どもは、大音量の音楽に合わせて何度も練習したり、身体接触の機会が多かったり、休み時間に休めないことが一ヶ月以上も続いたりすると、本番当日までに疲れ切ってしまいます。先生方も、ただでさえ人手不足で多忙な中、日々の感染症対策まで追加されている上、更に学校行事に多くの労力を費やすと、子ども達に余裕のある接し方ができなくなるかもしれません。この数年間のような工夫された運動会が定着すれば、児童生徒・先生方の負担が減り、保護者も、早朝から席取りや大人数分の弁当作りに追われたり、妊婦や乳幼児連れの親が長時間炎天下で立たなくて済みます。同様に、学習発表会などの事前練習の負担の大きな学校行事は、効率のよい方法を柔軟に続けて頂ければ、学校側も新しい学習内容や感染症対応で圧迫されている授業時間に、少しは余裕ができるのではないでしょうか。子どもたちも先生方も、休み時間は休みましょう。4.全校集会などの合理化長女の小学校では体育館での密を避けるために、全校集会がビデオ会議システムを使った各教室での「オンライン集会」に変更されました。長男は私立中学に入学して、まず真っ先に「全校集会で体操座りをしなくていい」ことを、嬉々として報告してきました。ADHD傾向のある彼にとって、小学校の体育館の硬い床の上で、狭いスペースに長時間姿勢を崩さずに黙ってじーっと座り続けることは、心底苦行だったようです。長時間体操座りをしなくて済めば、成長期の子ども達みんなが、体への負担を減らすことができるのではないでしょうか。また、全校集会のために、全児童・生徒を廊下に整列させて移動する時間の短縮にもなりますし、先生方の準備や後片付けの手間も減らせます。こういった、小さな負担の積み重ねを1つでも2つでも減らして、合理化していくことで、学校の印象は徐々に柔らかく変わっていくと私は思っています。5.欠席のネット連絡と書類のペーパーレス化子どもの欠席時、コロナ前は連絡帳を近所の子に手渡しする方式でしたが、接触機会の感染リスクを避けるため、うちの子が通う小学校では「欠席連絡専用メールアドレス」ができました。ほかにも、専用のグループウェアやSNSなど、「連絡帳以外の方法」で欠席を伝えることが可能になった学校は多いと思います。「正直、もっと早くやってほしかった!」……と、思う保護者は多いのではないでしょうか。なぜなら、連絡帳を手渡しするために、朝の忙しい時間に他のお宅を訪ねることは、預ける側・受け取る側双方の負担になるだけでなく、「帰り」も誰かが欠席した子の家に立ち寄る必要があったからです。特に、低学年や、部活や塾のある子どもや、自宅同士が離れた子どもが遅い時間に1人で立ち寄るのは、防犯面でも心配でした。そして、不登校傾向のある子とその親にとって、「連絡帳の手渡し」は、大きな心理的負担になっていたことと思います。うちでは次男が小5の時、学校に行けない日が続いた時期がありました。私は毎朝、連絡帳を同じ登校班の子に預けにゆき、帰りも同級生の女の子が遠回りして連絡帳をうちに届けてくれましたが、本当に申し訳ない気持ちでしたし、次男自身も、そのことをとても気にして負担に思っていたようです。また、ほかのお子さんに連絡帳を預けると、登下校中などに、ちらっと「中身」を見てしまうこともありました。時折、連絡帳には、発達面での気がかりや、クラス内の人間関係に関することなど、担任の先生にデリケートな相談内容を書くこともあるので、他のお子さんに預けるのは少々不安でした(以降、デリケートな相談内容は封書にするか、「お手すきの時にお電話頂けますか」とだけ書くようにしました)。これらの悩みを一発解決したのが、欠席のネット連絡の導入です。ありがとうございます。また、うちの子どもの小学校では、ネット連絡と同時に書類のペーパーレス化も進みました。子どもの欠席時の他、忘れ物の多い子や、仕事で多忙な保護者や、(私のように)書類の整理が苦手な保護者も、学校からのお便りがネットでいつでも閲覧・ダウンロードできるようになったので大助かりです。教頭先生も「紙代とインク代が大幅に節約できるし、担任の先生が各教室で紙を配る手間も減らせてよかった」とおっしゃっていました。また、PTAの議決やアンケート回答も、ネットから回答フォームで送信できるようになったので、集計作業はもう不要です。コロナ前には戻さないで。学校を誰もが頑張りすぎない環境へ。コロナ以前は、学校生活のあらゆる場面で、子ども・先生・保護者に過剰に負担がかかっていた状況だったように思います。それでも、なかなか柔軟に変われない印象を受けていた公教育の現場が、未知の感染症への対応を迫られたこの数年間は、学校をどんな子にとっても合理的で過ごしやすい環境に改善する千載一遇のチャンスでもありました。何度も小学校側に理解や配慮を相談してきた私には、「ここで変われないことは、もう二度とムリかも」とすら思えます。そして、学校を負担に感じているのは、発達障害・不登校傾向のある子だけではありません。多くの子ども達・保護者、そして先生方が、様々な事情を抱える中で、無理をし続けているのです。子ども達の笑顔につながること以外は、どうか、コロナ前に戻さずに、学校を誰もが負担なく、頑張りすぎない環境に改善されていくことを、社会全体で許容してあげてほしいと、私は切に願ってやみません。文:大場美鈴(楽々かあさん)(監修:井上先生より)新型コロナの流行は私たちの社会や学校にとって大きな衝撃でしたが、デジタル化や遠隔での授業の浸透、行事の簡素化など、革新的な面も多くもたらしました。楽々かあさんの言われる通り、これらの変化の中にはコロナ収束後もニーズの多様性への対応として重要なヒントが含まれています。地域や学校の実情に合わせて、ぜひ継続して欲しいと思います。このコラムを書いた人の著書大場美鈴(著),『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』あさ出版, 2020.6.27
2022年06月14日特別支援教室のガイドラインが変更に出典 : 東京都では、平成28年度から小学校、平成30年度から中学校の特別支援教室の導入を進めてきました。この導入期に合わせて「特別支援教室の導入ガイドライン」が作成され、ガイドラインに沿って各校で特別支援教室の導入が進められました。そして、令和3年4月に東京都の全ての区市町村立小中学校において特別支援教室の導入が完了しました。それに伴い、令和3年3月に「特別支援教室の運営ガイドライン」が作成されました。このガイドラインには、あらたに指導期間の考え方や指導目標の設定の仕方などが記載されました。東京都教育委員会|「特別支援教室の運営ガイドライン」を作成しました「特別支援教室の運営ガイドライン」は、導入時のガイドラインとどのような点が変わったのでしょうか。東京都教育委員会の教育庁都立学校教育部特別支援教育企画調整担当の方にお話を伺いました。新ガイドラインでは、指導期間や指導目標について明確に。そのねらいとは?出典 : 発達ナビ編集部(以下――)特別支援教室の導入時のガイドラインと、最新の 「特別支援教室の運営ガイドライン」の違いはなんでしょうか?東京都教育委員会:特別支援教室の運営に必要なことだけではなく、特別支援教室での指導以外の場面での役割の重要性など、これまでの導入ガイドラインの内容をさらに充実させています。特に、指導期間の考え方、指導目標の設定(読み書きチェックリストの活用、連携型個別指導計画の作成)の仕方、指導による達成状況の確認、指導目標を達成した後の在籍学級での支援などについても記載を充実するなど、発達障害のある児童・生徒への支援について総合的に記載しています。ーーガイドラインが発表されたことにより、支援者や保護者からどのような声がありましたか。東京都教育委員会:保護者の方や学校の先生方から、指導期間の考え方について教えてほしいといった声などが寄せられました。発達障害のある児童・生徒は、学校生活での多くの時間を通常学級で過ごしています。こうしたことからも、特別支援教室での学びを通じて、学習上や生活上の困難さを低減し、学校生活を有意義に過ごしてほしいと考えています。そのため、一定の指導期間の中で、どの程度、指導目標を達成できたのかを確実に評価すること、その上で、引き続き指導の継続が必要なのか、それとも指導を終了し、通常学級の中での配慮や工夫をしていくことが良いのかなどをしっかりと判断して実践していくことが重要だと考えています。指導期間は、一つの区切り。大切なのは、子どもの困りに着目すること出典 : ーーガイドラインの中の「原則の指導期間 は1年間とする」「延長する場合、再設定する指導期間は最長1年間とする」という指導期間について具体的に教えて下さい。それ以降は在籍できないということなのでしょうか?東京都教育委員会:そのような声が保護者の方や先生方からもありました。期間をはっきり記載したのは、「基本的に1年間しか在籍できません、最長2年間までしか在籍できません」ということではありません。1年、2年というのはあくまでも一つの区切りなので、期間を設けた上で「本当にその子が困っていることは何なのか」「指導法は合っていたのか」などを確認しよう、2年間の指導に対し、指導目標の達成まで至らなかった場合は、改めて適切な支援の在り方から考え直そう、ということです。そこでやはり特別支援教室での指導が必要であれば、再度在籍することもできます。また、特別支援教室を退室したお子さんが、やはり指導が必要だとなれば、改めて特別支援教室で指導を受けることも可能です。ーーありがとうございます。指導期間の考え方についてよく分かりました。最後に子どもたちへのメッセージをお願いします。東京都教育委員会:発達障害による困難さで、さまざまなつまずきを感じているかもしれません。また、うまくいかないなどの経験から自信をなくしてしまうこともあるかもしれません。特別支援教室は、みなさんのスキルを向上するための教室です。発達障害による困難さを少しでも低減することができるよう、先生方が寄り添ってくれます。先生方を信じて頑張ってくださることを願っています。取材協力:東京都教育委員会教育庁都立学校教育部特別支援教育企画調整担当
2022年06月14日私の愛すべき家族
育児に遅れと混乱が生じてる !!
こどもと見つけた小さな発見日誌