「発達障害」について知りたいことや今話題の「発達障害」についての記事をチェック! (48/98)
初めての夏休みUpload By taeko夏休みが始まり、朝から一日中学童で過ごす生活になりました。夏休みの宿題はプリント13枚ほど、読書3冊~、休校期間中から育てていたアサガオの観察日記2枚、夏休みの出来事の絵日記2枚、防災マップを家族と話し合う課題がありました。今まで学童の学習時間には宿題をせず、市販のドリルをやっていました。市販のドリルはご褒美のシールが男の子向けのカッコいい絵柄で、それが目当てで同じドリルを持ってるお友達と競っているらしく…その調子でドリルを頑張ってほしい!そこで、夏休み期間中も学童ではドリルを、自宅で宿題をすることにしました。朝食後に「時計の針が何になったらやる?」とミミに聞いて、決めさせてから宿題の読書とプリントを1枚(表裏)やることに。Upload By taeko学童では一緒に遊ぶお友達がいるみたいなので心配していませんでしたが、ある日ミミは「学童に行きたくない」と言いました。迎えに行くと汗びっしょりになる程楽しんでいるのに、なぜ行きたくないのか理由を聞くと「家で遊んでいたい」とのこと。色々と疲れてるのかも?と思い、一日だけ休ませることに。私とパパは家にいるけど仕事をしているからミミと一緒に遊べないこと、私はオンラインで打ち合わせがあるから、その時は静かにしてねと伝えました。弟のふーは保育園に行っているのでミミ1人で過ごしてもらうことに。1回30分位と決めた動画を見終わると、やっぱりまだ1人ではいられず、ちょこちょこ話しかけて来るので私は仕事に集中できず...。打ち合わせ中も落ち着かず私はそわそわ。察してくれた部長がチャットで様子を聞いてくれて、「お子さん、学童楽しめるといいね」とフォローしてくれてホッとしました。ミミは学童を休むと、お友達に会えなくて退屈になることが分かった様子。私も仕事しながら小学1年生と過ごすのはまだまだ大変であると痛感したのでした。Upload By taeko学童を休ませた日、自主的にドリルをやりたいと言うミミ!ヤル気がある今がチャンス!でも私の仕事は就業時間が決まっているので、時間の融通が効きやすいパパに見てもらうよう頼みました。けれど、ミミは予想通り数分で涙を流して私の所へ。パパに聞くと、「ダメな所を注意してたら、勝手にあっち行った」とのこと。私は何も言わずにミミのフォローへ。Upload By taekoパパはよくいえばブレない性格。ミミへの言い方を優しくして欲しいとか、「ダメ」という言葉を「○○してごらん」と具体的に指示して欲しいとか、療育的な対応のアドバイスは一切聞いてくれないので、私も求めないことにしています。パパの言葉などによって自己肯定感が下がるようなことが起きたら、パパはミミのためを思って言っているのだと伝えるけれど、「僕はダメなんだ...!」と何度も否定しては落ちていくループ状態に...。私は「そうか~。でね...」と他の話題に変えて、ミミを切り替えます。Upload By taeko感情的になってケンカすると、ミミが「自分のせいでパパとママはケンカしている」と思ってしまうので避けたいところ。私がいつも通りにしていると、いつの間にかパパとじゃれていて拍子抜け。さっきあんなに怒ってたパパと、怒られて涙だったミミだけど、心配要らなかったようです。特別な夏休みだからこそUpload By taeko新型コロナや暑さで外出するのも大変だけど、この状況を楽しみたいものです。家にいる時間が長くなったこともあって子ども達に動画を見せるようになり、私も子育てや自己啓発についての動画を見始めました。参考になる所はどんどん取り入れていきたいなあと思います。
2020年08月31日6歳までに脳の神経系統が大人の90%に発達すると知り、脳を発達させるメニューを知りたいコーチ。ですが、未就学児に集中させるのは難しいですよね。飽きて一人でほかの事をしだす子もいるし、この年代に教えるにはどうすればいい?というご相談です。今回のご相談に池上さんが提案する、子どもたちが楽しんで取り組める「遊び」の要素を取り入れたメニューとは。これまでジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが送るアドバイスを参考にしてみてください。(取材・文島沢優子)(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<技術はあるのに「1対1を組み合わせた」単騎攻撃ばかり。連携のイメージをつけさせる指導法を教えて<お父さんコーチからの質問>スクールで未就学児を指導しています。6歳頃までに脳の神経系統は大人の90%にも達すると聞いたので、脳を発達させるためにいろんなことにチャレンジさせたいのですが、いかんせん集中が続かない年代なので、練習にあきたり、一人で違う事を始めることもあります。まだ始めたばかりの子たちで、中にはゲームでの接触を怖がったりして積極的にボールを追えない子もいるのですが、この年代におすすめの練習はありますか?<池上さんのアドバイス>ご相談いただき、ありがとうございます。おっしゃる通り、脳の神経系統は6歳頃までにぐんと発達します。このあたりの概論は日本サッカー協会のB級ライセンスを取得する際に学びますね。では、6歳までに発達する90%とはどんなことでしょうか?■遊びの中で身体の動きをスムーズにすることもできる例えば、手の指が一本ずつ折れる。グー・チョキ・パーができる。そのような基本的な動きが該当します。そこから、例えば「右手がグーで左がパーをやってごらん」と言われると、ちょっと難しく感じる子どもが出てきます。さらに、その右手グー、左手パーと違うものを出している状態から「グー・チョキ・パーの順番で変えていこう」となったら、ひとつずつずれていくわけです。(大人でも難しかったりします)そうなると、左右違う動きがなかなかできません。そんな基本的な動きを、遊びのなかで行うだけで、身体の動きはスムーズになります。例えば、鬼ごっこ。鬼ごっこには、本当にいろんな動きが含まれています。鬼が来た。鬼が右に行こうとしたのを見定めて、左に動いてタッチを避ける。もしくはかわすためにしゃがむ。動いている場所に、石とか、椅子とか、何らかの障害物があればそれをよけたり、飛び越えて動く。そんなふうにたくさんの遊びの要素をもったものをメニューに取り入れると、スムーズな動きが自然に身についていきます。■サッカーボールを使った左右バランスの取れた発達を図る方法もまた、幼児期にできるものとしては、サッカーボールを手で使うメニューがあります。右手と左手、両方で交互に投げさせます。右で投げるときは右で投げる姿勢と動きに、左は左のそれになります。6歳くらいで始めると、利き手で投げる動作をたくさんやっていないので、左右どちらも簡単にできるようになります。利き手と逆の手で投げる不自由さを感じないので、子どもは抵抗なく交互に試るからでしょう。ずっと利き手ばかりで投げていると、利き手のほうがスムーズなので逆の手で投げたがらなくなります。これは大人もそうですね。これは、足でも同じことが起きます。6歳以下の幼児の頃から両方の足で蹴ることを遊びの中でたくさんやってみてください。そうすると、左右バランスのとれた発達が図れます。■あまり気負わないこと、大人が義務感をもってしまうと「遊び」が楽しめない少年サッカーでは、小学3年生くらいからコーディネーションのようなトレーニングをしていますね。そんなふうに考えてやってみてください。そして、気をつけたいのは「6歳になるまで90%成長してしまうから、今のうちにいろんなことをやろう」と大人が気負わないことです。あくまでも楽しく遊ばせてあげてください。何かの本に書かれている通りにやらせなくてはと大人が考えてしまうと、遊びでやっているはずが遊びでなくなってしまいます。もっと簡単に考えると、幼児期はスキップくらいで十分です。それより上、小学3年生くらいであれば、スキップしながら手を回す。手を叩きながらスキップする。身体全体をスムーズに動かすメニューですね。ほかにも、サイドステップをしながら手を回したり、道具を使う「ラダー」などさまざまあります。ネットで検索すればたくさん出てくるでしょう。ただし、そういった運動を長い時間やる必要はありません。ちょっと経験するくらいの程度でいいのです。足がクロスするような動きの入ったものも3年生くらいからやるといいでしょう。■遊びの要素はとても重要、「我慢」ではなく楽しくて続けられることを意識して「遊びの要素」はとても重要です。大阪教育大学の先生で「子どもの遊び」の研究をされていた方が、子どもが本当に楽しいと感じたものはいつまででもやると言われていました。ノコギリで丸太を切ることにハマってしまった子どもは、30分くらい一心不乱で切り続けます。幼児の集中力は、興味関心と関連があります。楽しくなれば、ずっとやります。大人は、小さい子はすぐ飽きてしまうと思いがちですが、彼らは集中力がないわけではありません。日本人の「集中力をあげる」というイメージですぐに浮かぶのは「我慢・忍耐力・根性」です。ここを改めなくてはいけません。子どもは楽しいものを提供すれば喜んで取り組みます。サッカーも、最初に一番楽しいはずの「試合」から入らないから、そんなことが起きるのだと思います。多少気が弱いとか、相手とぶつかりそうになったらやめるといった傾向があっても、試合はこんなことなんだよ、ボールの取りあいがあって、点が入るとうれしいよね、ということが伝えられたら子どもは変わっていきます。その点で、年齢が下がれば下がるほど、すべてが楽しいものになっている必要があります。指導者も同様の対象です。「あのコーチとやるのは楽しい」という評価が、コーチのありかたにつながってほしいと思います。ところが実際は「楽しい」よりも「勝たせてくれるかどうか」みたいなことがコーチの評価になりがちです。「積極的にやれ」「逃げるな!」と叱ったりする場面を見ることはまだ多いです。しかしながら、子どもにはそういう面があることを理解しておいてほしいのです。「いま、逃げなかったらどうなると思う?」と問いかけて、解決の方法を子どもと一緒に見つけ出すことが求められます。■「無理しなくていいよ」と言ってあげることが大事(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)じゃあ、どんな練習だったら、怖くないかな?こんなふうに一度やってみる?と、少し強度を下げたり、違う形でやるメニューを提供してみることで、子どもたちは克服できる。3年生、4年生になって、子どもがぐっと変わったりしませんか?そこまで待ってあげましょう。この子は弱気だと決めつけたり、無理やりやらせる必要はありません。サッカーが嫌いになってしまいます。「ぼく、できない」と言ったときに「無理しなくていいよ」と言ってあげること。何回かでできなからといって、その子の一生が決まるわけではありません。長い目で見てあげてください。6歳の子が何かができなければ「じゃあ、来年1年生になったらまたやるか」と言ってあげてください。池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2020年08月28日着慣れた服がいちばん!新しい洋服には興味ナシUpload By かなしろにゃんこ。ADHDと広汎性発達障害がある息子リュウ太は現在22歳。昨年、車の整備士の資格を取得して車の販売店に就職しました。整備士として働いています。休みの前日や休日は、疲れていても誘われると友だちと遊びに行くなどして過ごし、人と関わることがわりと好きな性格です。女の子とも気軽に会ったりドライブをするのですが、息子は女の子と会うのにテキトーな服ばかり着ていきます。以前デートに毛玉だらけの服をチョイスしようとしたコラムを書きましたが、ファッションに関しては数年経った成人後でも成長がないままでした。Upload By かなしろにゃんこ。肌の感覚過敏があって、幼少期から中学卒業頃までは服の素材によっては痒みが出たり、肌と服がこすれる感覚を気にしたり、ストレッチ素材でないものは体の動きが阻害されるようで着ていてツラくなったり、色物の服では素材とインクによって汗をかいた際に化学変化で体臭が臭くなることを気にしていたり...と問題がいろいろありました。そのため、着るものでパフォーマンスを下げたくないという気持ちが大きく、結局は着慣れた服を着ることが一番落ち着くことから、新しい洋服への興味も、流行りのものに惹かれることもなかったのでした。Upload By かなしろにゃんこ。17歳くらいから母が買ってきた服で「カッコイイんじゃね」と気に入ったデザインの物は着ていましたが、ゆったり感がないものや綿以外の素材のものだとイヤがって絶対に着ませんでした。ところがそんな息子が今年になってはじめて、「こういう服が欲しい」と主張したのです。そんな息子が突然オシャレに目覚めた!?「80年代風の服が欲しい!」Upload By かなしろにゃんこ。80年代風のロゴデザインがあるTシャツや夏用の短い丈のパンツなどがほしいとのこと――そこで、一緒に買いに行くことになりました。成人したんだから一人で買いにいけば?とも思うのですが、上下をどう合わせていいのかなど分からないことがあるし、店員に聞きにくいというので母が合わせてあげることにしました。母は、女の子と出かけるのにオシャレしたいんだな…ふふふ大人になったわね♡と思って心の中でニヤニヤしていたのです。ファッションに興味を持ったことは成長なので、母の意見をグイグイ押し付けるのではなく、欲しいシャツに合わせてパンツや履物をいくつか候補に挙げて自分で選ばせることにしようと思いました。タグや襟首などの素材が肌にソフトな物を選ばせるようにアドバイスしながら選ばせ、お気に入りの物が手に入りました。早速新しい服で出かける息子。「もしかして、デート?」と尋ねると...Upload By かなしろにゃんこ。早速出かけるときに着ていたので、「女の子に会いに行くの?」と聞いたら...「違うよ、80年代旧車のイベントに行くんだ!参加する人はみんなオシャレだからオレも服を合わせたんだよ。女の子と出かけるときは普通のTシャツにGパンでよくね?」と。いやいや逆だろ!女子と会うときこそオシャレしろよ!とツッコミました。どうも「いいね♡」と思われる対象が同じ趣味の少し大人の人らしいのです。承認されたい相手が憧れの人というのはわからなくもないです。他人の目を気にせずに自由に振舞ってきた子でしたが、やっと社会の目や見た目に気を配るようになったのでした。次回は女の子と出かけるときに息子が気を付けている3つのことをお話したいと思います。
2020年08月27日自立生活を選ぶ障害者の日常を描いた映画、『インディペンデントリビング』Upload By 発達ナビニュース大阪にある自立生活センターを舞台にした本作。監督は、自らも介助者として働く田中悠輝さんです。障害当事者からの「自分たちの姿を撮って欲しい」という声を受け、自立支援の現場で3年にわたり撮影を続けました。本作で描かれているのは、病気や事故などによりさまざまな障害を抱えながらも、家族の元や施設ではなく、自立生活を希望する人たちです。彼らにとって、自立生活は自由を得られる一方、多数のリスクや責任を負うことになります。家族との衝突や介助者とのコミュニケーションでのトラブルなど課題も多く、ときに失敗することもあります。しかし、そんななかでも、自ら決断し着実に変化していく当事者たちの様子が鮮明に描写されています。“自立生活運動”の現在をテーマにした本作。「自立生活運動は出会った人を元気にし、社会を着実に変えていく力をもつ」と言う監督の田中さん。しかし一方でこれまで、自立生活運動はあまり国内で知られていませんでした。そんななかで「これからが本当に『この運動の価値を伝える』段階になっていきます。」と田中さんは語ります。今まであまり知られていなかったテーマに踏み込んでいるのが、本作の大きな見どころのひとつです。【上映情報】インターネット配信で上映中※詳しくは公式ホームページをご覧ください障害のある人たちを、デザインで楽しく応援する!手帳ケースやバリアフリーグッズがフェリシモから発売中!Upload By 発達ナビニュース車いすの女の子を家族に持つ水戸川真由美さんらによる「ブルーナ バリアフリープロジェクト」。フェリシモは、このプロジェクトの「〜こころのボーダーをなくそう!〜すべての人が共存するやさしい環境をめざす」というコンセプトに共感し、障害のある人たちを応援する雑貨を共同企画しました。汚れから手帳を守り、両面窓で提示も楽な障害者手帳ケースや、カーステッカーなど、ブルーナのイラストを使った素敵な商品が目白押しです。デザイン性だけでなく、機能性も抜群で、絵本のようなA4ファイルポーチはメッシュ素材で中が見やすいなど、日常使いに優れています。また9月中旬には、伸縮性のある素材とかかとのない仕様で、幅広いサイズに対応するバリアフリーな靴下が発売開始!イレギュラーなサイズの多い車いすのお子さまを持つママたちの声で生まれました。いずれもフェリシモのオンラインショップから、お買い求めいただけます。※詳しくはホームページをご覧ください子どもとおとなが共に創る「あそび場」Upload By 発達ナビニュース一般社団法人谷中のおかってが運営する「ぐるぐるミックス」は、たくさんの出会いのなかで、子どもとおとなが一緒になって「あそび」を生み出す創作教室。いつもは教室を拠点 に、地域やご家庭と連携しながら、子どもたちの日常の延長線上に、子どもたち一人ひとりにあったもうひとつの「あそび」の習慣をつくっていくことができる環境を提供しています。今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、zoomを使って「リモート版ぐるぐるミックス」という活動を実施中です。リモート版ぐるぐるミックスは、オンライン上でおとなと子どもが一緒に遊べるアトリエの時間です。アーティストのアイデアが詰まった「ぐるぐるキット」が事前に参加者一人ひとりのお家に届き、そのキットを使って、アーティストの講師と一緒に作品を作ったり試行錯誤を楽しんだりすることができます。また、今までは4,5歳の子どものみが対象でしたが、9月からは「ダイバーシティ枠」という、年齢不問で、障害がある子どもも参加しやすい枠を設けるそう!以下は秋開催で実施予定のプログラムです。<秋開催のプログラム>1)9/26(土) オリエンテーション +「みてみてツール」2)10/10(土) 「飛んで!フェンフェン」3)10/24(土) 「ひたすらぷすぷす♪」4)11/7(土) 「不思議生物じゃーしの旅」5)11/21(土)「ナガイさんの帯紙(おびがみ)」6)12/5(土) 「アルミホイルで乾杯!」開催概要や募集要項など、詳細はホームページをご覧ください。
2020年08月26日ニュースを見るたび、不安が募る日々…新型コロナウイルスの影響で、なかなか気軽に外出できない日々ですが、みなさま、いかがお過ごしでしょうか。私が住む沖縄も日に日に状況が悪くなり、毎日ニュースで感染者の数を見るたびに不安が増してしまいます。Upload By SAKURAしかし、子どもたちの手前…なかなか不安を表に出すことはできません。大人だって不安だし、怖い。しかし、怖い怖いと泣き叫ぶわけにもいきません。Upload By SAKURA子どもには、冷静な対応を!私が過剰に怖がれば、子どもたちも不安にさせてしまいます。特に広汎性発達障害の娘(9歳)は、神経質で感じやすいところがあるため、私自身、落ち着く!冷静に対応する!…を心がけていました。最初の頃は、神経質に考えることはなく、いつも通り気にせず生活していた娘でしたが、沖縄での感染者が増える日々…そのニュースをテレビで見る機会も増えていきました。娘はだんだんと心配になってきたようで、不安を口にするようになりました。Upload By SAKURAその度に私は、手洗いうがいの大切さや、免疫力を上げるために規則正しい生活・睡眠・食事が大事ということを話すようにしていました。正しい知識を知ってもらい、少しでも子どもたちの不安が和らぐように、気にかけながら話をするようにしました。とはいえ、大人だって怖い!…とは言いつつも、本当は心配で仕方ない私。「今日は何人だろう…」「どこの地区の人だろう…」と考えるたび、マイナスな想像ばかりしてしまいます。不安をなかなか口にできない分、私の中には、もやもやした思いが溜まっていきます。ニュースを見た後は、ついつい考えすぎてしまって、子どもたちの前にもかかわらず黙り込んでしまうこともあります。Upload By SAKURAそんなふうに不安が溜まってくると、私は無意識に、“ある行動”をとっています。それは…不安な時、無意識にやってしまうのは…Upload By SAKURAパンやお菓子づくり。なぜか、私は不安に感じた時、無意識にキッチンへ向かい、パンやお菓子づくりを始めます。しかし、実は私、料理が苦手。普段のご飯づくりにもストレスを感じるタイプです。パンづくりも、お菓子づくりも、子どものためにはやりますが、そこまで好きではありません。Upload By SAKURAご飯の支度ほどではありませんが、パンもお菓子も、子どもたちに頼まれればつくりますが、できればつくりたくないと感じる方。普段、自分からつくることはほとんどありません。複雑な工程を淡々と続けることで、感じなくなる不安。しかし、その“したくないこと”を、不安になると急激にやりたくなるのです。その時は、やりたい・やりたくないの気持ちより先に体が動く…という感じ。材料をまぜたり…こねたり…工程のめんどくさいことを淡々と続けます。Upload By SAKURAいつもと同じように楽しいとは感じませんが、不思議と、作業している間は不安を感じることはありません。できあがったものを、子どもたちのところへ持っていき、「やった~!」「おいしい~!」「もっと作って~!」という子どもたちの笑顔を見る頃には、不安は消えています。ニュースは情報として知っておく必要がありますし、警戒もしなければなりません。しかし、過度に考え込んだり、不安を感じていては、精神的にも良くないし、免疫も落ちるかもしれない。不安は、考えないように、感じないように頑張ってみても、ついつい出てきてしまうもの…。私は、面倒な工程をこなすことで不安を追い出し、無意識に自己防衛しているのかもしれません。Upload By SAKURA私の場合…ですが、自分を平常心にすることができ、なおかつ子どもたちも喜ぶ、パンやお菓子づくり。みなさんも試してみてはいかがでしょうか。
2020年08月26日"一緒にいてもそれぞれ好きなことができる"心地よい家族の関係我が家はでこぼこ兄妹の二人と、兄妹のお父さん、それから私の4人家族です。なかよし兄妹のタケルといっちゃんを中心に、大体いつも一緒に行動しています。よそのお宅のことはよくわかりませんが、大変仲の良い家族だと思います。外に出ているより、家の中の方が安心ということもありますが、我が家はASD気質の強い人がマジョリティ(多数派)なので、お互いあまり邪魔にならないように暮らしており、一緒にいても好きなことができるというのが大きいと思います。Upload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロお父さんが反抗期いっちゃんのターゲットになったワケは...しかし、時々その静寂が破られることがあります。それはお父さんが「不安定」なとき。LITALICO発達ナビでは子どものエピソードを中心に書いているので、今まであまり取り上げてきてはいませんが、でこぼこ兄妹のお父さんにはADHDがあります。また、Ⅰ型糖尿病で血糖値の高下が激しくなりがちなこともあり、身の回りのことに気が回らなくなって、ふらふらウロウロしていることがしばしばあります。普段から、パーソナルスペースが狭く、散らかし屋のお父さん。「不安定」になっているときは、ますますその傾向が強くなり、そのことがルールに厳格な子どもたち(私も)をイラつかせるのです。例えば、棚の上のリモコンを取ろうとして、床に置いたプリント類を踏み荒らしていくことなど日常茶飯事なわけです。Upload By 寺島ヒロ私たちASD組(でこぼこ兄妹と私)であれば、相手が集中して作業をしている間はできるだけ話しかけません。何か用事があっても、後でもよいことだと思えば、とりあえず棚上げし、自分も何か他のことを始めてしまいます。そうして伝えるのを忘れてしまうこともしばしばなのですが、お互いの間では「そういうこともある」とおおらかに捉えています。それで揉めるということはないのです。でもお父さんはADHDからか、一度話したい!と思うと待てません。相手が何をしているか、どこにいるかも構わず話し始めて、反応がないとどんどん声が大きくなっていきます。何か用事…伝言などあれば、更に傍若無人です。お父さんに言わせると「思い出したときに言わないと忘れちゃうじゃないか!」ということになるのですが、ASD組の方から見ると、いきなり飛び込んできて、何かわあわあ言っているぞ?…という感じにしかならないのですよね。ASDのある人に話を聞いてもらうには、まず「あなたに話しているのだ」ということを認識させ、短い言葉で、端的に伝えなければならない、とはよく言われることですが、他のことに集中しているときにそれを中断して、他のことに注意を向けるのは、ASDのある人にとっては大変な苦痛を伴う作業です。度重なると「この人、いつもなんかイライラすることを言ってくる」というイメージが人についてしまいます。わが家ではそれが「お父さん」だったのです。Upload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロ普段から泣くこともない妹いっちゃん、「荒れる」といった形で感情を表出させることもないので、反抗といっても大したことはしないのですが…何かというとお父さんに不満げに当たるようになりました。Upload By 寺島ヒロさすがにお父さんも「最近ムスメのあたりがキツイ…。」とこぼしていますが、いっちゃんの言っていることも一つ一つは至極ごもっとも。あるとき、「これを機会に、娘に尊敬されるきちんとしたお父さん像を目指してみてはいかがですか?」と言ってみたところ、お父さん、「え?俺が?ムリ。」「ただの反抗期でしょ?大丈夫だよ。お父さんキライって言ってるいっちゃんもかわいいよ!」とのこと。全く意に介すそぶりを見せません。と、そのとき…!Upload By 寺島ヒロ実は隣の部屋で聞いていたいっちゃん。絶対零度の冷たさを感じる一言でした…。まだまだこの件、解決にはほど遠いようです。
2020年08月25日通常学級に通わせる良さ、難しさ私は息子には特別支援教育しか受けさせていませんので、障害のある子を通常学級に通わせる良さを私は経験したことがありません。ですから本当のところはわかりません。これは例えば、双子を育てている人が「大変でしょ」と言われても、その人は双子を育てた経験しかありませんから比較するものがなく、答えようがないのと同様でしょう。もしかしたら、一人っ子でも大変な思いをしている人もいるかもしれません。通常学級に知的障害のある程度ある子どもを在籍させることで、定型発達のクラスメートから多くの刺激を受けることができるという、良い点もあると思います。地域の中に顔なじみの子ども達やその保護者がいることで、災害時など何かあった時にも気にかけてもらえたり、将来地域で暮らしていく時にも何かと安心かもしれません。けれども、残念ながら、いじめられることもあります。また、着替えなどがうまくできないと、自分から助けを求めなくてもいつの間にかクラスの子の誰かが手伝ってくれた結果、ヘルプを出す経験も積まず、また周りの人にやってもらうことが当たり前になってしまい、自立につながらないケースもあると聞きます。気をつけてあげたい、おとなしい子自己主張する積極的なタイプ、受け身のおとなしいタイプなど人間にはさまざまな性格があります。障害のある子も同様です。クラスメートを突きとばす、教室から脱走する、授業中に大声で叫ぶ――こうした行動がある場合、先生はほうっておくわけには行かず、叱ったり呼びに行ったりしなくてはなりません。行動が目立つので、そうせざるを得ないでしょう。また、本人からの「いやだ」とか「つらい」というSOSがあった時も、担任も保護者もキャッチしやすいでしょう。その問題行動が障害に起因していれば特別支援学級や特別支援教室(通級)へ行くことも検討されます。けれども、おとなしい子の場合はどうでしょう。授業がチンプンカンプンでも椅子にじっと座っている子、いじめられても黙っているタイプの子の場合、周りは本人がつらい状況にあっても、気づきにくいのではないでしょうか。クラスメートに危害を加えたり立ち歩いたりしないので、周りに迷惑をかけることもありません。その結果、問題に気づかれず、放置されてしまうケースもあると聞きます。教育虐待という言葉教育虐待という言葉を耳にしたことはありませんか?これは、「あなたのため」という大義名分のもと、保護者が子どもに課す行き過ぎた教育やしつけをすることを指します。しかしこれは、定型発達の子どもに限った話とは言えないのではないでしょうか。ある事例についてご紹介したいと思います。知的障害は中度でおとなしいタイプのAさん。義務教育の期間は保護者の意向もあり、通常学級に在籍していましたが、一般の高校受験は難しく、特別支援学校高等部に入学しました。入学してみるとAさん以外のクラスメートは、特別支援学級の出身者でした。Aさんより知的障害の程度は軽く、登校、着替えなどの身辺自立はもちろんのこと、読み書きもある程度できるようになっていました。また、「できないことは恥ずかしいことではない、わからないから助けてください」とSOSを出す教育も受けてきたので、“できないことは他人に頼る”ことも、中学までの間に学んでいました。ところが、通常学級に9年間在籍していたAさんは、Aさんにとって必要な支援をうけられていなかったため、持ち物管理、片づけ、着替え、一人登校などが身についていませんでした。きめ細かな対応には限界がある通常学級では教科書の内容を理解できるという前提で、国語、算数など授業が行われます。一クラスの人数は35人~40人、たとえ加配の先生がついたとしても基本、担任は一人でこの大人数の子どもを担当します。ついていけない子がいたら周囲や先生が「周りに遅れないように」とやってあげるなどで対応をし、みんな同じペースでカリキュラムをこなすことになります。これに対して特別支援学級では、質問のタイミングや着替え、生活のルールなど基本のきの部分から生活を作っていきます。通常学級では、丁寧な支援をしたくても、人数の関係もあり難しいこともあるのではないでしょうか。そして子どもは、黙って待っていれば、誰かがやってくれるという待ちの姿勢になってしまうこともあるのかもしれません。なによりも、わからない授業を9年の間、じっと座って受け続けていたAさんの苦痛はどれほどのものだったでしょう。さらには、身につけたい身辺自立の力は育むことはできなかったのです。自分から親や先生につらさを発信できないおとなしいタイプの子だからこそ、進級・進学先で困っていないかどうか、大人はアンテナを立てて気を付けて見なくてはならないと思います。小学校卒業までは、中学校卒業までは――いったん入学すると、卒業まではがんばろうと思いがちです。でも、子どもの様子をしっかりと見て、困っているのではないかと気づいたら、子どもにとって最適な環境を親や教師など支援者の側が速やかに用意をしてあげることが、何より子どもの力を育むのではないか。私はそう思うのです。
2020年08月22日関係性へのアプローチに着目!『発達障害のある子どもと周囲との関係性を支援するコミュニケーション支援のための6つのポイントと5つのフォーカス』本書は、学校や児童発達支援センター、放課後等デイサービスの支援者に向けて「コミュニケーション支援」について書かれている本です。LITALICO研究所所長の野口晃菜さん、 LITALICOワークスのシニアスーパーバイザー・LITALICO研究所のチーフリサーチャーを務める陶貴行さんが編著、そして7名の専門家が執筆しています。著者の野口さんはかねてより、発達支援や特別支援教育の現場では、コミュニケーションに困難さがある子どものみに変化を促す偏った支援や教育が行われていると感じていたそうです。そこで本書では、コミュニケーションはそもそも双方向で行われるものであり、支援には子どもと周囲の人の「関係性」にアプローチすることが重要であることを、数多くの事例を紹介しながら解説しています。専門用語をできるだけ使わずにやさしい言葉で解説されているほか、イラストも多く挿入されているなど工夫が凝らされているため、とても読みやすい一冊です。自閉症の娘との葛藤と喜びの9年間――『うちの子、個性の塊です』本書を執筆したのは、LITALICO発達ナビで、発達障害のある子の育児コラムが人気の漫画家、SAKURAさん。長女のあーさんは、自閉症スペクトラム障害のある女の子です。真面目で心優しいあーさんは、今9歳。2歳のときにあーさんが「ほかの子と違う」と気づいてから今までの記録が書かれています。また、各章ごとに、監修の鳥取大学大学院の井上雅彦教授による解説も挿入されています。タイトルにもなっている「個性の塊」という言葉は、著者のSAKURAさんが主治医から言われた言葉でした。もともと、SAKURAさんはあーさんが他の子と違うことに葛藤を抱いていたそうです。しかし、この主治医の言葉によって、「娘の個性をもっと楽しもう」という前向きな方向に変わったとSAKURAさんは語ります。あーさんは今9歳で、家族と楽しく暮らし、学校にも楽しく通っています。そんな幸せな日々を送るための、家庭での療育から、学校との関係、親としての周りの人との折り合いのつけ方にいたるまで、こまやかな秘訣がこの本にはたくさん描かれています。言葉が遅い娘に試みた言語トレーニング、就学先選び、娘の障害告知など、発達が気になる子どもの保護者の皆さんが悩んだり迷ったりすることが多いことについて、SAKURAさんが試行錯誤してきたことを、専門家である井上先生からの視点とともに読むことができます。学習や行動のつまずきに「感覚統合」の視点がヒントになる!?――『感覚統合の発達と支援』本書は、保護者が子どもの学習のつまずきや問題行動の原因のひとつに、感覚統合の問題があることに気づき、何が起きているのかを理解して支援するきっかけとなることを願って書かれたものです。著者は感覚統合理論の生みの親であるアメリカの作業療法士、エアーズ博士。感覚統合理論は1960年に発表され、今ではアメリカだけでなく日本でも感覚統合への認知が広がり、多くの療育支援が実践されています。今回、そんなエアーズ博士の名著が25年の時を経て、より保護者向けの内容にリニューアルされました。脳の感覚統合という観点から、子どもが抱える困りごとを科学的かつ網羅的に解説した本書は、専門的でもありながら保護者が知りたいと思っている情報を分かりやすく紹介してくれています。「もしかしたら、感覚統合の問題があるのかしら」と不安に感じていた保護者の方だけでなく、現場で支援をする人にも役立ちそうです。社会スキルが漫画で学べる――『10代のためのソーシャルシンキング・ライフ』本書は私たちが生きていくうえで欠かせないスキルである、「ソーシャルシンキング」について解説しています。「ソーシャルシンキング」とは、他者の感情や考えを推察することです。私たちはこのスキルを使いながら「その場に合った求められる行動の選択」を繰り返しています。私たちは日々さまざまな選択を行いますが、それによって、状況は「いい方向」にも「悪い方向」にも変わります。本書では、同じ状況下で下す選択によって「いい方向」および「悪い方向」にいくパターンを漫画で分かりやすく紹介しています。また、巻末には自身で書き込める「問題解決メーター(感情コントロール)」表と「ソーシャルフォーチュン/ソーシャルフェイトの対人行動マップ」表が付いています。これらを活用しながら、実際に行動をシミュレーションすることも可能です。漫画を中心に分かりやすく説明されている本書は中高生にも理解しやすく、手に取りやすい一冊です。安全で楽しい水泳の教え方が写真でわかる!――『発達が気になる子への水泳の教え方』本書を執筆したのは、アクアマルシェ代表の酒井泰葉さん。スイミングスクールでアルバイトをしていた大学1年生のときに、知的障害のある人が楽しそうに水で遊ぶ姿に引き込まれたそうです。そういった経験から、もっと多くの人に水泳を楽しんでほしいと思うようになったと酒井さんは語ります。しかし一方で「水が怖い」という不安や恐怖心がぬぐえず、尻込みして全然入れない、水際で嫌がって泣き叫ぶ…そんな経験から、プールから遠ざかってしまったというお子さんも少なくありません。本書では、そういった不安を解決するために細かく段階が設定されており、最初の「水慣れの練習」の章では、子どもが水に慣れ、水の中でも安心して過ごせるという感覚を知るための16の方法が紹介されています。支援方法や、教え方についても写真やイラストを交え分かりやすく解説されているので、泳ぐことが苦手なお子さんが、楽しく水泳に取り組むための指導のヒントをたくさん得ることができそうです。「こうしたらもっと伝わる」スキルがたくさん――『大人が変われば、子どもが変わる発達障害の子どもたちから教わった35のチェンジスキル』長年、発達障害のある子とその家族の相談支援に携わってきた星槎大学大学院の阿部利彦教授によって執筆された本書では、発達障害のある子を育てている保護者をはじめ、大人が身につけると良い「応援スキル」が紹介されています。本書の中で阿部教授はこのように語っています。「発達障害のある子どもたちを育てている保護者だって、人間です。イライラしたり、つまずいたりしながらも、いつも子どもの一番の応援団でありたいと願っています。」本書は、そんな保護者が子どもに思いを適切に伝える方法について、具体例を示しながら教えてくれています。「また怒っちゃった」「いつもガミガミ叱ってしまう」と落ち込むこともあるでしょう。そんなときに本書を手に取れば、前向きになれるのではないでしょうか。どんなふうに接したらいいの?どんな声掛けなら心に届く?そんな疑問や不安にこたえてくれる一冊です。
2020年08月20日怪しい集団について行ったピンク、果たして無事なのか!?「お菓子を食べにきませんか?」と言われて、怪しい集団について行ってしまったピンク。レンジャーたちは協力してピンクの救出を試みます。Upload By 荒木まち子ピンクがいた『マジョの館』と怪しい集団。その正体は...Upload By 荒木まち子執筆後記『マジョリティー(majority)』は「大多数」や「過半数」「多数派」という意味です。対義語・反対語は『マイノリティー』。世間一般では障害のある人がマイノリティーですが、発達ナビサイトの中では障害のある人や障害にかかわりのある人がマジョリティーですね^^(荒木まち子)
2020年08月20日発達障害のある私が、自立して生きていくために必要なもの発達障害があると、過集中やタスクのうっかり忘れ・先延ばしで生活リズムが乱れたり、日々小さな失敗体験を積み重ねたりしてしまいがちです。失敗に思い悩み、自己肯定感が下がり、さらに生活が乱れていく…私はそんな悪循環を繰り返していましたが、この悪循環を断ち切るのに、ITが大きく役に立ってくれました。ITは、「人にはできないタイプの支援」「人には気軽に頼めない、24時間レベルのマメな支援」を可能にします。これが発達障害者の困りごとにピタッとはまる、と私は感じています。まずは「本人や家族の困りごとを軽減してくれるITは身の回りにたくさんあるのだ」と知ることが大事です。ITを使いこなせば、発達障害児者の生活は想像以上に円滑で便利になるはずです。将来的にお子さんにITを使いこなしてもらいたいと考えるなら、まずは周囲の家族がどんどんITを活用してみて、その便利さを体感してみるとよいのではないでしょうか。生活リズムを整えようまず私がおすすめしたいのが、スマートスピーカーを、生活リズムを作る補助役として使うことです。スマートスピーカーとはAI(人工知能)を搭載したスピーカーで、声で話しかけたり事前に設定しておいたりすることでさまざまな動作をしてくれます。音声アシスタント「Alexa」の搭載されたAmazon Echo、「OK,Google」で動作するGoogle Homeなどがあります。このようなスマートスピーカーでは、時報を流すことができます。私はスマートスピーカーに、一定時間ごとに決まった文言を流してもらうようにしています。たとえば平日には以下のような感じです。9時です。洗濯は終わりましたか?10時です。少し身体を動かしましょう。10時半です。午前のお茶を飲みましょう。12時です。お昼の休憩をしましょう。3時です。お茶を飲んで一休みしましょう。4時です。作業をやめて、家事やセルフケアの準備をしましょう。7時です。夕ご飯は食べましたか?8時です。お風呂の準備をしましょう。このようにしておくと、ある程度の過集中であればハッと気がついて、そのとき移るべき次の行動に移るきっかけになります。「今日はなんだか生活のテンポが悪いな、知らないうちに時間がたっているな」というときは、時報を設定していない土日だったりします。人に「行動を修正すべきですよ」と気づかせるための刺激は、なるべく感情が乗っていないほうがいいと言われています。このため、たとえば指しゃぶりをしている子に指導していく場合、指しゃぶりに気づいたら声をかけるのではなく、ピッと機械的に笛を鳴らす方法が勧められることがあります。スマートスピーカーの声には感情が乗っていません。「機械的だ」と嫌われる場合もありますが、子どもの行動修正に関してはスマートスピーカーの機械的なところこそが威力を発揮するのではないかと思います。親が口を酸っぱくして指示しても聞かないのに、スマートスピーカーの指示にはスッと従う、という話もよく聞きます。家事・事務手続きをこなそう生活に必要な活動の中で、家事や事務手続きは、発達障害者が苦手なもののひとつです。基本的にマルチタスクで、細切れに時間をとられるものが多いからです。発達障害があると、ワーキングメモリ(情報を一時的に脳に保持する力)が小さいという傾向があります。タスクをこなすためのモチベーションにも困難を抱えがち。このため、「タスクが頭から吹っ飛んでしまう」「タスクを先延ばししてしまう」という失敗をしやすいのです。私は、こうした発達障害の特性からくる不得手を、ITを駆使することでかなり軽減できました。使うのは、タスク管理アプリ、カレンダーアプリ、スマートスピーカー。私は「Todoist」「Googleカレンダー」、Amazon Echo用の音声アシスタントアプリ「Amazon Alexa」を使っています。初めの設定がやや複雑ですが、TodoistとGoogleカレンダーとAmazon Alexaを連携させておくと、以下のような環境が実現できます。Alexaに話しかけるだけでTodoistにタスクが登録される↓Todoistのタスクに期日を設定するだけでGoogleカレンダーのスケジュールに登録される↓期日になるとスマホやPCに通知がくる発達障害者のタスク管理でもっとも重要なのは、「タスクが発生した瞬間にタスクを書き留める」ことだと私は思っています。発達障害者のタスクへの注意や意欲は、タスクが発生した瞬間の刺激で最も強く喚起される、と聞いたことがあるからです。あとで書き留めようと思っていたタスクがいつの間にか消し飛んでしまう現象は、タスク発生の瞬間の、最も忘れにくいタイミングを外してしまうから起きるのではないでしょうか。ここで大事になってくるのは、「いかにタスク発生の瞬間をとらえるか」です。タスク発生→タスク書き留め の間の敷居を限りなく低くする。これには、話しかけるだけでタスクをタスク管理アプリに登録してくれる、スマートスピーカーが最適です。冷凍してあるごはんのストックがなくなるなと思った瞬間に、「Alexa、やることリストに『ごはんを炊く』を追加して」と話しかける。そろそろ役所にあの書類を提出しなければと思った瞬間に、「Alexa、やることリストに『役所に書類提出』を追加して」と話しかける。サラダ油を使い切りそうだなと思った瞬間に、「Alexa、買い物リストに『サラダ油』を追加して」と話しかける。これだけで、まずは「タスクの消し飛び」だけは防ぐことができます。あとは私の場合、タスクが登録された先であるTodoistをPCやスマホで確認し、期日が必要なものには期日を追加してそのままGoogleカレンダーのスケジュールにも登録してしまいます。買い物リストは出先からスマホで確認しながら買い回りをします。このおかげで、その日に食べるごはんがない、役所の手続きの期日を過ぎてしまう、などといった失敗が激減しました。スマートスピーカーが我が家に来る前、私が最もストレスに感じていた家事が洗濯でした。仕事しながら洗濯をこなそうとして仕事に没頭してしまい、洗濯前につけおきしたまま忘れる、洗濯機をまわしたまま干すのを忘れる、といったことを繰り返して、干そうとしたときには午後になっていたり…こうした失敗が続くと本当にイライラしますし、「自分はなんてだらしないんだろう」と自己肯定感も下がっていきます。けれどスマートスピーカーのおかげでそんな生活も変わりました。スマートスピーカーにはタイマー機能があり、話しかけるだけでタイマーをかけてくれます。この「話しかけるだけ」というのが大きなポイントです。今までのタイマーは手元でぽちぽちボタンを押して設定する必要があり、「何かしながら設定する」ということができませんでした。けれど話しかけるだけなら、皿洗いしながらでも、部屋の中を歩き回りながらでも、「Alexa、45分のタイマーをかけて」などと、気軽にタイマーを設定することができます。スマートスピーカーのタイマー機能のおかげで、ちょっとしたときにタイマーをかける機会が大きく増え、気づいたら家事のテンポがよくなって、「自分なかなかやれてるじゃないの」と思えるようになっていました。スマートスピーカーには、タイマー機能だけでなく、指定の時間に音を鳴らしてくれるアラーム機能もあります。「1時間だけゲームしたい」「ゲームは◯時までね」といったときに、子どもに約束を守らせる手助けにもなるかもしれません。カレンダーアプリには、曜日ごとや週間ごとなどにスケジュールを繰り返す、「繰り返しスケジュール機能」があります。定期的に発生するスケジュールは、繰り返しスケジュール機能を使ってあらかじめ登録し、通知が来るようにしておくとよいでしょう。ごみの日、通院日など月レベルのものだけでなく、障害者手帳や自立支援制度の更新期限など、年単位のものを登録してもよいかもしれません。掃除のスケジュールや食事の献立も、あらかじめ曜日ごとに決めておくと、特にASDのある人は安心できそうです。◯曜日はトイレ、◯曜日はキッチンを掃除するとか、月水は肉、金曜は魚を食べる、火曜は焼き物、土曜は煮物、日曜は麺類、とか。家族ひとりひとりがカレンダーアプリのアカウントを作り、それに自分の予定を入れて互いにカレンダーを共有すれば、スマホやPCでカレンダーアプリを見るだけでお互いの予定が一覧できて便利です。私は夫と互いにカレンダーを共有しあっています。宅配が届く予定や訪問者の予定をスケジュールに入れておくのも便利です。お子さんが小さい場合、予定外の訪問者には決してドアを開けない、呼び鈴にも出ないように教えておくと、防犯上もよいかもしれません。少しお金がかかりますが、リビングの壁にGoogleカレンダー専用のディスプレイを設置し、そこに常時Googleカレンダーを表示しておくという手もあります。お子さんがまだスマホやPCを持っていない場合、家族共通のカレンダーをディスプレイに掲示していつでも見られるようにしておけると便利だと思います。自立生活をするには、毎日の食事の管理も大事です。頑張ってたまに料理できたとしても、それが毎日の食事となると別。料理もマルチタスクで体力も必要なので、一人暮らしだと食事の用意を負担に感じてカップ麺で済ませたりしがちです。今はたくさん便利なサービスがあります。お惣菜やレトルト食品、冷凍食品を使うだけでなく、宅食サービスやミールキット(届いた食材を料理するだけのキット)、食べ物のサブスクサービス(月々一定額で利用し放題など)を活用するのもひとつの手です。食材をうまく使い回せずに捨ててしまったり、栄養バランスが偏ったり料理に疲れてしまったりすることを考えると、一見割高に見える宅食サービスなどにも投資する価値があるかもしれません。お子さんのいるご家庭でも、食事にまつわる家事負担が大きくなっているときは気軽に導入してみると、お子さんの将来のための生活スキル教育になりつつ、家事負担の軽減にもなりそうです。また、お子さんが一人暮らしを始める際に利用できると、親御さんも安心かもしれません。お金の管理もきっちり発達障害があるとお金の管理にも苦労しがちです。なにしろ、家計簿をつけようとしてもともかく続かない… こういった困りごとを乗り越えるには、家計のキャッシュレス化と家計簿アプリの組み合わせが役に立ちます。まず、通販はクレジットカードで購入、日々のスーパーなどでの買い物には電子マネーを使うなどして、できるだけ家計のキャッシュレス化を進めます。そしてクレジットカードや電子マネーの情報を家計簿アプリに取り込みます。※災害などもしもの事態のため、現金は手元に数万円分用意しておくとよいと思います。家計簿アプリには自動取得機能があり、かなりの種類のカードや電子マネーなどの出入金記録を自動で取得してくれます。レシートを見ながら自分でぽちぽち入力する必要がないわけです。単に会計するだけで出入金が家計簿アプリに記録されていく…紙の家計簿の時代と比較すると驚きの便利さです。カードや電子マネーなどの種類によっては自動取得に対応していないものがありますが、その場合もレシートをスマホのカメラ機能で読み取る機能があったりと、紙の家計簿よりも圧倒的に続けやすくなっています。お金の使用状況のレポートも自動で作成してくれ、週ごと、月ごとに「今月は使いすぎています」とか「指定額以上の出金がありました」とか通知してくれるので、お金に関する自己管理の大きな助けになります。私はお金の管理に非常に苦手意識があるのですが、子どものころからこういったアプリがあったら、お金についてもっと自信を持って過ごせたのではないかと思っています。私は家計簿アプリは「マネーフォワードME」を使っています。近い将来、子ども向けのサービスを開発することも検討中だそうなので、お子さんのお小遣い管理などで取り入れてみてもいいかもしれません。服飾品の管理を乗り切ろう発達障害者が社会人になったときに苦労するのが身だしなみです。子どものうちは家族が服を用意したり、お風呂や歯磨き、散髪などを管理したりしてくれますし、制服のある学校も多いですが、大人となるとそうはいきません。お風呂や歯磨き、散髪などはタスクとして家事と同様に処理していくとして、持っている服飾品の管理はどうしましょう。実はこの分野にもITが役立ちます。私も最近見つけたのですが、「クローゼット管理アプリ」というものがあるのです。クローゼット管理アプリとは、クローゼットの中身(服、鞄、ファッション小物)を管理するアプリです。クローゼットの中身を登録しておくと、AIがその日の登録地点の気温や天気に合わせてコーディネートを提案してくれたりします。発達障害がある人の中には、「見えていないものは『ない』」という認知傾向のある人がいて、どんどん服を買い込んでクローゼットから服が溢れているのに今日出かけるための服が決まらない、ということもあります。私の場合、20代のころはこうした傾向をきっかけに身支度に悩んで何時間も費やすことが多くなり、それがひきこもりの原因のひとつにもなりました。クローゼット管理アプリは、身支度を格段に楽にしてくれます。最初のアイテム登録は大変ですが、一度アイテムを登録してしまえばAIが最低限ちぐはぐでないファッションを提案してくれるので、毎朝あてもなく鏡の前で悩む必要がなくなります。アイテムごとの使用回数も記録してくれるので、「これは1回しか着ていないから」などと、断捨離する際の判断材料も提供してくれます。整理整頓しよう生活の中で意外とスペースを圧迫するのが、「ちょっと大事な印刷物」ではないでしょうか。大きさも形もバラバラで、そのままとっておくには労力もスペースも必要です。こうしたものは私の場合、届いたらすぐにスキャンして、クラウドストレージ(ネット上のデータ倉庫)に預けてしまいます。発達障害者の場合、管理できる情報の上限が発達障害のない人よりも低いと言われています。家の中にモノや情報が増えすぎるとその人の管理能力のキャパシティを超え、結果的にどんどん散らかっていってしまう。こうした散らかる流れを断ち切るためにも、減らせるモノは減らしていくのがコツだと思います。クラウドストレージにはいろいろあるのですが、私はDropbox、Evernote、Googleドライブを使っています。詳細は仕事編でお伝えします。役に立つ本最後に、ITとは関係ありませんが、発達障害者が自立生活を送るうえで必要な生活スキルについてまとめた本を紹介しておきます。支援者向けの本ですが、発達障害の子どものいるご家族や、高校生以上のお子さんにとって参考になりそうな情報がたくさんあります。個人的に重要だと思っているのは、「ああ、こんなことも意外と練習が必要なんだな」という気づきです。本人が読んで理解できる本です。ふりがなのついた平易な文章で書いてあるので、子どもでも読みこなすことができるでしょう。災害があったときどうするか、犯罪から身を守るには、お金の管理方法など、こういう内容こそ義務教育で教えてほしいという内容が詰まっています。
2020年08月18日家で子どもと過ごす時間が増えると、正直キツイ!?出典 : こんにちは。「発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換」著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。新型コロナウイルスの影響が長期化してきて、おうちで子どもと過ごす時間が増えたり、学校のスケジュールに合わせて様々な予定変更に対応しないといけなかったり……が続いていますよね。率直に伺いましょう。正直、キツイですか?……ですよね。どんなに可愛いわが子でも、一緒にいる時間が長くなったり、不安を抱えたままの生活が続いたりすれば、誰だってストレスを感じるのは当たり前です。ましてや、ちょっとしたお出かけにも何かと神経を使うし、お友だちとワーッと密に遊ぶ機会もつくりづらかったり、おじいちゃんおばあちゃんのおうちにも気軽に行きづらかったりと、子ども達がのびのびと遊ぶことが難しい状況です。親のほうも、テレワークや、きょうだい児のお世話をしながら、宿題を見たり遊び相手になったりですから、余裕だってなくなりますよね。さらには、繊細で不安感の強い子や、元気で活発な子の子育てをしていれば尚更大変でしょう。まずは、「こんな状況では、お互いにイライラするのは当たり前」だと思って、つい怒ってしまう自分がいても、必要以上にできないことを責めないのが大事なのではないでしょうか。その上で、「できる範囲」「気が向いた時だけ」「余裕のある時だけ」でいいので、子育てと親子のコミュニケーションをちょっとだけ効率UPする「声かけ変換」を、脳トレの1つだと思って試してみませんか?日々の小さな「イラッ」「ムカッ」だって、チリも積もれば大きなストレスになります。伝え方ひとつ、言い方ひとつで、子どもにちゃんと伝わる回数が増えれば、いつの間にか、子どもと過ごすおうち時間が少しだけラクに感じられるかもしれません。親子コミュニケーションの効率をUPする「声かけ変換表」がコレ!Upload By 楽々かあさんかつては怒ってばかりだった私・楽々かあさんが、うちの(ちょっと手のかかる)3人の子ども達を相手に、悪戦苦闘・試行錯誤し、長年の「うちの子研究」の末に、ようやくたどり着いた「子どもに伝わりやすい声かけ」を、[before]→[after]で一覧表にまとめたのが「声かけ変換表」です。2014年に私が手作りしたオリジナルの「声かけ変換表」がネットで拡散されて話題になったので、記憶力の良い方は覚えてくださっているかもしれませんね。あれから更に6年経って、その後の子ども達の成長や思春期のことなども踏まえてパワーアップした【決定版】が、新著刊行に伴って開設された「あさ出版特設サイト」より公開され、どなたでも無料ダウンロードできるんですよ。よかったら、プリントアウトしてご家庭の冷蔵庫やトイレの壁に貼るなど、毎日の子育てのヒントにご活用いただけたら嬉しいです。では、この「声かけ変換」の発想で、おうち時間でありがちな場面での小さな「伝わらない」イライラを減らす声かけのコツを、うちのリアルな「実例」でご紹介します!出典 : 私は筋金入りのインドア派なので、おうち時間自体は全く苦になりません。今は、動画配信サービスなども充実し、家でいくらでも映画やドラマが見放題ですから、窓の外から聞こえるセミの声をよそに、エアコンの効いた部屋で涼し〜く快適にくつろいでいると……突然、2階から長男がドタドタと駆け下りてきて、バーン!と居間のドアを開け放ち、「充電!充電!おー、ココにあった」などと、また嵐のように立ち去ろうとするではありませんか。ちょっと待て〜い!!ドア、開けっ放しで行く気ッ!?でも、ココで私が長男をギロリと睨みつつ、少々ドスの効いた声で……「ア・ツ・イ!」と、言ったとしても、「だよね〜。夏だしね〜」……としか、本人は思いません。うちの長男は空気を読むのが苦手なので、それが「貴重なエアコンの冷気が逃げていくから、ドアを閉めて欲しい」という言外の意図まで察するのは難しいんです。これは、長男ばかりの責任ではありません。私のほうも言葉を省略し過ぎているんですね。実は、子育てに限らず、私は対人関係のイライラやトラブルの原因の多くは、当人同士の性格や相性の問題などではなく、「言葉の過不足」から生じているのではないかと思っています。ですから、ここでは、「暑いから、ドアを閉めてくれる?」と、言葉を省略せずに「して欲しい行動」を最後まで伝えれば、大抵は、ちゃんと分かってくれます。※時々の換気も大事!出典 : 家族の昼ごはんのために、折角、お母様が熱気ムンムンのキッチンに独り決死の覚悟で立って、グツグツ煮立ったお鍋でそうめんを茹でて差し上げたというのに、子ども達がオンライン・ゲームに夢中で、ちーっとも食事が始まらなかったら、そりゃあ、腹も立つというモノ。「いい加減にしなさい!」……って、ブチッと電源を引っこ抜きたくなりますが、まあ、子どもには子どもの都合もあるんですね。うちの子曰く、「オンライン・ゲームって、急にやめられないんだよ。勝手に抜けると次に入れてもらえなかったりすんのッ!」とのこと。私も小中学生の頃には、ドラクエに夢中だったので「そんなの知ったこっちゃない」とも思えず、一応、子どもの都合も聞いてみます。例えば……「その対戦、あと何分で終われそう?」「次のセーブポイントまで、どれくらい?」……とか。子どもの世界に話しを合わせながら伝えてみると、意外と素直に終われることも多いんです。そして、ココで大事なのは、たとえ多少約束の時間をオーバー気味だったとしても、最終的にゲームをやめて来られたら、「終われたね」……と、できたことに注目してフィードバックしてあげること。こうすると、次も同じように終われたり、だんだんともう少し早めに行動できたりする確率UPです。出典 : 親の休息時間確保のために、やむを得ず、子どもに動画を見せっ放しにしていると、いつの間にか「迷惑系」などと呼ばれるモノまで見ていることも……。テレビのニュースでも、国内外の大人や無謀な若者達の迷惑行為や、感染リスクを軽視する行動などが時折報じられたりもします。大人達があまり「いいお手本」を示せていないのに、「あれもダメ、コレもダメ」と、子どもの行動を制限することを理解させ、十分納得させるには、なかなか説得力を出しにくい状況なのかもしれません(もちろん、「いいお手本」になる情報もたくさんありますが……)。それでも、親や周りの大人達は、お互いを守るための行動を、子どもに根気よく理解させていく必要があるでしょう。例えば、子どもが久しぶりの外食で食事中にマスクを外している時に、ついはしゃいで大きな声で騒いでしまう場合などに、「メーワクだよ!」……の一言で済ませると、その場ではとりあえずやめられても、親が見ていない時やみんながやっていない時にできなかったり、逆に、話していい時でも過剰に意識しすぎたり……なんて可能性も。ここは、少しだけ丁寧に、「大きな声で話すとちっちゃいツバ(飛沫)が飛びやすくて、もしも自分が感染してて、そこにウイルスが入っていたら、周りの人に移してしまうかもしれないから、これくらい(←実例)の小さな声で話そう」とか、「〜食事が終わって、マスクつけてから話そう」……など、「メーワク」の中身を、具体的に「どんな行動(言葉)で、誰がどんな思いをしたり、どんな不便や負担をかけたり、どんなリスクにつながったりするのか」、子どもが納得できる理由を説明するといいでしょう。それと同時に「やっていいこと」もセットで伝えると、たとえ親が見ていない時でも周りに配慮する行動ができる確率がUPすると思います(テイクアウトにしたり、屋外で広々と食事できる場所を選ぶのもGood!)。そして、子どもにして欲しい行動があったら、親や周りの大人はその子の目の前で、繰り返し繰り返し、実際にお手本を見せてあげ続けることで、いつの間にか身につけられることって、本当に多いんです。変換できても、できなくても、親ががんばってることは同じ!出典 : こんな風に、伝え方ひとつで、お互いに言いたいことがまっすぐ相手に伝わるようになると、日常の親子のコミュニケーションのすれ違いから生じるストレスが次第に減っていくでしょう。でも、私が声を大にして伝えたいのは、声かけを「変換できても、できなくても、親が毎日子育てをがんばっていることは同じ!」だということ。「声かけ変換」は、子育てをちょっとラクして効率をUPする「省エネ術」のようなものですから、たとえ上手に変換できなかった時も、あなたが子育てをがんばっていることには全く変わりありません。ですから、たとえ、つい子どもにイライラしてしまっても、このような状況では尚更、そんなの当たり前です。こんな時は、子どもと物理的に少し距離を置く「家庭内ソーシャルディスタンス」をとりながら、冷たい麦茶でも飲んで一息入れつつ、「しゃあない、しゃあない、あるある〜」と、自分にも声かけを。そして、子どもと同じように、自分自身の「できてること」「がんばれていること」「フツーにこなせていること」などにも、ちゃんと目を向けてあげて下さいね。大場美鈴(著),『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』あさ出版, 2020.6.27
2020年08月17日気持ちを上げるために発達障害の娘は今年で社会人3年目です。今では休むことなく毎日勤務している娘ですが、就職して間もない頃は嘔吐や頭痛、腹痛などでよく会社を休んだり早退したりしていました。状況改善のためジョブコーチや地域活動ホームの相談員さんと連携・相談などをする一方で、気分が落ち込み気味だった娘のモチベーションアップのため、家庭では仕事以外の趣味や余暇の過ごし方を工夫しました。休みのときはスイーツを食べたり、カラオケに行ったりしました。また、唯一好きなスポーツ、水泳で体を動かしたりもしました。中でも、娘が小さい頃から大好きだった絵画の制作には多くの時間を費やしました。あるとき、娘が描いた絵画が、ある賞を受賞したと主催者から連絡がきました。私は娘の気持ちを上げるため、ここぞとばかり娘を褒めまくりました。Upload By 荒木まち子その様子を見ていた定型発達の弟の反応は...Upload By 荒木まち子メディアの影響もあるのかも確かに娘には凸凹があります。空間認知能力が低い。聴覚過敏がある。人とのコミュニケーションが取りにくい。計算が苦手。それでいて本から学んだ知識の量、PCスキル、勢いのある絵の描写や色彩のセンスは優れています。でもそれらが『特別な才能』と言えるほどかというと、正直“?”な感じです。息子は当時10才。まだ幼いこともあり、よくメディアなどで取り上げられる『障害のある人は、特定の分野においてずば抜けた才能がある』といった情報を鵜呑みにしていたのかもしれません。実際『ある分野で天才的に秀でた能力を持っている障害者』もいるでしょう。しかしながらそれはほんの一握りであって、娘を含め多くの障害者はそうではありません。私は娘が「得意なこと」や「好きなこと」で生計を立てていくことを望んではいません。本人が熱意と覚悟を持ってそれを希望するなら話は別ですが、好きなことも仕事になると自分の思い通りにならないことが多く、逆に辛くなるということを、娘はすでに経験から学んでいます。また、娘は体調がメンタルに左右されやすいタイプです。趣味や好きなことでストレスを発散し、精神的・身体的に落ち着いて、“毎日ハッピー!”とまではいかなくても、辛いとかしんどいと感じない日々を送ってくれたら良いな、と私は思っています。私は自己肯定感が低い娘の気分がアップして、メンタルの安定に繋がれば…という気持ちで彼女を褒めてきました。なので、息子が姉を羨ましいと感じていることに驚きました。Upload By 荒木まち子親として“同じだけ気にかけている”をアピール定型発達児・者が難なくできることに障害児・者は多くの労力を使いますし、その努力が報われないこともままあります。なので親は彼らの小さな一歩に大きな幸せを感じることがあります。でも定型発達児・者も苦労や努力をしていないわけではありません。きょうだい児より障害のある子どもの方が手がかかるため、関わる時間に差がでてしまうかもしれないけれど、“気持ちの面ではどちらも同じだけに気にかけている”ということを両者に上手く伝わるようにしていくことも、とても大切なのだと感じました。息子は運動が得意で他人とのコミュニケーション能力に優れています。読書が苦手で算数が好きです。幸いにも娘とは真逆のタイプなので、それぞれの得意分野を違ったアプローチで褒めることができます。「これからは娘が嫉妬しない程度に、息子の長所ももっと褒めていこう!」と私はこの時思いました。息子は娘と違って微妙な空気の違いを察することができるので、娘に対してするような“大げさな褒め”ではなく“ほどほどの褒め”を心掛けつつ(笑)
2020年08月13日計12名様に! 日々のお子さんとの関わりに役立つ書籍をプレゼントしますLITALICO発達ナビでは、書籍レビューコラムや新刊情報コラムにて、発達障害や子育てに関する本の情報をお届けしています。今回は「夏の読書企画」と題し、発達ナビユーザーの皆さまに話題の新刊を抽選でプレゼントします!出版社のご協力のもと、発達ナビでおなじみのライターさんの著書などをご用意しました。ぜひ興味のある書籍を選んで応募してください!2020年夏の書籍プレゼントキャンペーンの応募期間は、2020年8月21日(金) 18時まで。下記の応募要項を確認の上、奮ってご応募ください!【応募要項】■ご応募はお1人様1回までです。■当選した方には、書籍の送付先をお伺いするため8月31日(月)までにメールにてご連絡いたします。ご応募の際は必ず受信確認ができるメールアドレスをご入力ください。※ご連絡が取れない場合、期日までに送付先情報がいただけない場合には、当選は無効となります。■個人情報取扱の注意事項にご同意の上お申込ください。お申込いただいた時点で同意いただけたとみなします。発達ナビでコラム連載中のSAKURAさんの著書です。SAKURAさんの長女のあーさんは、自閉症スペクトラム障害のある女の子です。本書はあーさんの9年間の成長過程をまとめたものとなっていて、幼稚園時代から小学校入学、学校や放課後等デイサービスでの出来事が綴られています。進路先選びや、通常学級から特別支援級へと転籍した際のエピソードなども。さらに、鳥取大学大学院の井上雅彦先生による解説も各章ごとに入っています。タイトルにある「個性の塊」という言葉は、あーさんの発達支援センターの先生から言われたものでした。それまで、あーさんが他の子と違うことに葛藤を抱くこともあったというSAKURAさん。しかし、この主治医の言葉によって、SAKURAさん自身の気持ちが、「娘の個性をもっと楽しもう」という前向きな方向に変わったのだそうです。そこから、SAKURAさんはあーさんが一人で行動するようになったときに困らないように、と「今できること」として療育をスタートします。この本には、そんな療育についての手がかりを見つけるヒントがたくさん詰まっています!著者は、発達ナビでコラム連載中の楽々かあさん。楽々かあさんが育児を続けるうえで、効率のいい声かけ例をまとめた自作の「声かけ変換表」が書籍化されました。自身も3人の子育て真っ最中の楽々かあさん。かつては自分も怒ってばかりでうまくいっていなかったと本の中で語っています。この本ではそんな著者の苦い経験から、どんな子にも伝わりやすい166もの声かけ変換例を、身近な話を用いて具体的に分かりやすく紹介しています。著者は「子育ては長期戦、無理なく続けられることが大事」と語っており、毎日がラクになる親子コミュニケーションのヒントもたくさん掲載しています。「お子さんに言っていることが『伝わらない』」という方は、本書をヒントに声かけを変換してみるといいかもしれません。著者は、長年にわたり発達障害のある子とその家族の相談支援に携わってきた経験をもつ、星槎大学大学院の阿部利彦教授。著書も多数あり、発達ナビのイベントでの登壇もいただいているので、ご存知の方も多いでしょう。7月に発売された新しい著書は、発達障害のある子を育てている保護者をはじめとした大人が身につけたい「応援スキル」を紹介する一冊です。本のなかで、著者は「保護者の方も自分の人生を楽しむことを忘れないでほしい」と語っています。発達障害のある子どもたちを育てている保護者だって、人間です。イライラしたり、つまずいたりしながらも、いつも子どもの一番の応援団でありたいと願っています。本書は、そんな保護者が日々子どもと接し声かけする中で思いをより適切に伝えるためのスキルを、具体例を示しながら教えてくれています。「また怒っちゃった」「こんなときはどうしたらいいのかな」と思ったときに本書を手に取れば、「次はこうやってみよう」と前向きになれるのではないでしょうか。「コミュニケーションが苦手」などと表現されることはよくあるかと思いますが、そもそもコミュニケーションとはどのようなものなのでしょうか。本書ではコミュニケーションは“双方向のやりとり“であると定義し、「社会モデル」で捉えながら、その人の特性だけではなく身近で関わる人々や環境にまで視点を向けた支援を行うことの重要性と、そのポイントについて解説しています。LITALICO研究所所長の野口晃菜さん、 LITALICOワークスのシニアスーパーバイザー・LITALICO研究所のチーフリサーチャーを務める陶貴行さんが編著、そして7名の専門家による支援事例の紹介も含んだ構成となっているので、理論と実践を結びつけて学びやすく、支援の現場で役立てられる内容が詰まっています。
2020年08月10日長男が8歳のとき、発達障害の1つである「ADHD」の診断がおりました。さらにお医者さんが言うには、自閉症の傾向も高めとのこと。生後半年ごろには育てにくさを感じていたのですが、受診に至ることはありませんでした。長男の発達障害がわかるまでの体験談と、「こうすればよかった!」と思ったことを紹介します。うちの子に限って!と思っていた私赤ちゃんのころからまったく人見知りをせず、抱くと毎回反り返っていた長男。とにかく動き回る子で、生後10カ月のころには私が疲労で倒れてしまいました。特におかしいなと思ったのが、月齢に合わせて届く通信教育のおもちゃをまったく使いこなせなかったこと。 ビデオ教材で見た子どもたちと違い、長男はおもちゃが分解できないことにかんしゃくを起こしていたのです。そこで発達の遅れを気にすればよかったのですが、私も初心者ママ。「まさかうちの子に発達の遅れがあるはずない」と思い込んでしまいました。 健診では悩みをうまく伝えられず…3歳までに何度か健診がありましたが、長男の発達について指摘されることはありませんでした。普段はかんしゃくを起こしがちな長男ですが、健診のときはたまたま落ち着いていたのです。 さらに健診では、保健師さんとママが1対1でお話する機会があります。保健師さんには長男に手がかかることは伝えていたのですが、具体例をうまく伝えられませんでした。事前に気になることをメモしておけば、スムーズに相談できたのかなと思います。 IQテストでまさかの平均値!健診をスルーした長男でしたが、何度か自主的に市の子育て相談にも行きました。そこでも問題は指摘されず、私はすっかり疲れ果てていました。そして5歳のとき、保育園の先生から市の療育室を紹介されたのです。 その療育室では、IQテストを受ける機会がありました。このときには「長男には何か問題があるはずだ!」と思っていた私は、これで何かわかるかも!とうっすら期待……。しかし結果は平均値。ここまでくると、私の育て方がいけないのでは?と思う自分がいました。 受診の希望を伝えると一気に話が進み!転機が訪れたのは、小学2年生に進級してすぐのこと。次男の1歳半健診のときに、長男のことで悩んでいると相談したのです。すると、県から委託されている相談先を紹介されました。それを聞いた私は即行動! 新しい相談先でIQテストを受けると、発達にかなりの凹凸があるとわかりました。 受診の促しはありませんでしたが、今度はこちらから受診を希望していると伝えました。そこからはトントン拍子で病院を紹介され、すぐにADHDの診断がおりたのです。 ふり返ると、こうしておけばよかったなと思うことがいくつかあります。まずは、「わが子に限って」と思い込まないこと。それから、健診では事前に気になる点をメモしておくこと。そして、親としての希望があればこちらから伝えていくことです。自分がどう思っているか・どうしたいのかを相手に伝えることは、とても大事だと学びました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO作画/やましたともこ 著者:河津明香2男1女の母。旅行代理店勤務をしながらの育児を経て、フリーランスのライターへ転身。現在は発達障害の長男のサポートをおこないながら、旅行・育児・生活雑貨などの記事を中心に執筆。
2020年08月09日約600名が参加!イベントの様子を紹介Upload By 発達ナビニュース2020年7月10日、「発達障害のある子どもと周囲との関係性を支援する~コミュニケーション支援のための6つのポイントと5つのフォーカス~ 」の出版記念イベントをオンラインで開催しました。イベントには、書籍の執筆に関わったLITALICO研究所所長の野口晃菜ほか著者・編集者4人が登壇し、オンライントークセッションを行いました。このイベントには、約600名がリアルタイムで参加。発達障害がある子どものこれからの支援について、関心の高さがうかがえるイベントとなりました。なぜ、この書籍を書こうと思ったのか?Upload By 発達ナビニュース本書の企画から編集までを務めた野口晃菜さんはイベント冒頭で、「本を書くのが苦手で、様々な書籍の執筆の依頼を断ってきました(笑)」と、話しました。そんな野口さんが、今回書籍を企画からやろうと踏み切った理由は3つあるとのことでした。1つ目は、「障害のある人のコミュニケーションの困難さはどこにあるのか?」を発信したいこと。本来、コミュニケーションは「双方向のやりとり」であるため、障害のある人のみに原因があるわけではないはず。それを多くの方にこの書籍を通して知っていただきたいということ。2つ目は、野口さん自身が尊敬している支援者と彼らの支援・取り組みについて知ってもらいたいという想いから。本書では、その7人の支援者が、それぞれの専門性からの支援の事例を紹介しています。3つ目は、発達障害の子どもの支援には、非常に多くの専門家・支援者が関わっているが、共通言語がなく、それぞれの専門性が活かしきれていないという課題感から。本書はこのような想いをもとに、高い専門性がありながらも、誰でも読めるようなわかりやすさがあり、コミュニケーション支援における共通言語と共通のポイントをまとめてあります。イベントでは、著者編集者自らが、自らの専門性に基づき、一歩進んだコミュニケーション支援をするための共通のポイントについて語りました。著者らが大切にしているコミュニケーション支援のポイントとは?Upload By 発達ナビニュースパネルディスカッションでは、本書のサブタイトルにもなっている「6つのコミュニケーション支援のポイント」について、4人の登壇者が自身が特に大切だと思っているポイントを選びトークが繰り広げられました。Upload By 発達ナビニュース緒方さんは6つのポイントの一番最初のポイント”「わからないから知りたい」からスタートする”を選択しました。全ての支援のはじまりになるのは、「この子が何をどう感じているのか?」「その子のこともっともっと知りたい」「お子さんや親御さんは何が大変なんだろう?」という想いがやっぱり大事。親御さんやお子さんが歩んできた歴史を理解したうえで、支援をするということを大切にしていきたいと話しました。Upload By 発達ナビニュース野口さんが選択したのは”誰かに原因を求めても解決しない”でした。「人間、うまくいかなかったとき、どうしても誰かのせいにしたくなる」自分自身もうまくいかなかった時に、子どもや関係者のせいにしたことがあるという野口さんですが、誰かのせいにしてもうまくいくわけではなく、自分が変わらなくてはいけないと気付いたとのことです。自分に対しても同じで、ただ自責しても良い支援ができるようになるわけではないとも話しました。そんな時大切にしているのは、その人の中に原因があるのではなくて、その人と、その人を取り巻く環境の相互作用の中に何かのズレが発生しているという考え方だと言います。Upload By 発達ナビニュース陶さんは全てのポイントが大切だと言いつつも、”キラキラポイントに目を向ける”を選択。「困難を切り抜ける時、キラキラしていることで切り抜けてきている」これは、これまでの支援の経験の中で、利用者から教えてもらったとのこと。生きていくとはそういうことだとも言います。子どもだけの力、先生・親御さんだけの力では難しく、みんなでキラキラするポイントを環境調整して引き出すように支援していくことが大切ではないかと話していました。Upload By 発達ナビニュース井上さんは、”チームで支援する”を選択。お子さんが感じていることのサインを、チームで見逃さないこと。そして、お子さんの本当に伝えたいことは何なのかをチームで考えることが大切だと話しました。また、良いチームは?という問いに対し、「フラットに、違いも踏まえて対話し続けられるチーム」という回答もありました。体験していくしかなくて、気付いた人から啓蒙していくことが大事だということです。Upload By 発達ナビニュースこのレポートでは伝えきれないくらい、興味深い話が多くつまったイベントでした。ご関心がある方はぜひ、アーカイブでイベントの様子をチェックしてみてください。アーカイブはこちらからご覧になれます!Upload By 発達ナビニュース■ イベント概要 ■ ■2020年7月4日(土)に「発達障害のある子どもと周囲との関係性を支援する~コミュニケーション支援のための6つのポイントと5つのフォーカス~ 」が出版されました。これを記念した執筆者達によるオンライントークイベントが開催されました。■ 登壇者プロフィール ■ ■<野口晃菜>博士(障害科学)。小学校6年生の時にアメリカへ渡り、障害児教育に関心を持つ。高校卒業時に日本へ帰国、筑波大学にて多様な子どもが共に学ぶインクルーシブ教育について研究。その後小学校講師を経て、現在障害のある方の教育と就労支援に取り組む株式会社LITALICOにてLITALICO研究所所長として、一人ひとりに合わせた支援・教育の実現のための仕組みづくり、自治体との共同研究、少年院との連携などに取り組む。文部科学省「新しい時代の特別支援教育の在り方に関する有識者会議」委員<陶 貴行>株式会社LITALICOLITALICOワークスシニアスーパーバイザー・LITALICO研究所チーフリサーチャー約15年障害のある方の就労支援に携わっている。元、障害者職業カウンセラーで、専門は職業リハビリテーション、応用行動分析、認知行動療法。公認心理師、臨床心理士も取得している。これまで、障害のある方の就労支援における応用行動分析や認知行動療法による介入や就労移行支援事業所スタッフ向けのスタッフトレーニング(応用行動分析のスキル習得)、障害者の職場定着に影響を与える要因を検討するための調査、インターネット認知行動療法の効果検討等の研究を行ってきている。現在は、アクセプタンス&コミットメント・セラピーの就労移行支援事業所における応用や、就労移行支援事業所におけるオープンダイアローグの実践を行い、その効果を検討する研究を行っている。<井上いつか>株式会社LITALICOLITALICOジュニアアドバイザー言語聴覚士医療・福祉機関で勤務後、現在フリーランス。複数の支援機関でお子さんの療育や自立支援、ご家族や指導者のサポートを行っている。<緒方広海>株式会社LITALICOLITALICOジュニアチーフスーパーバイザー公認心理師臨床心理士さいたま市にて専門職(心理)として約15年間従事。こころの健康センター(精神保健福祉センター)、障害者総合支援センター(発達障害者支援センター)、子ども家庭総合センターなどで、乳幼児から成人期までの精神保健福祉、障害福祉の分野で幅広く心理臨床業務に携わる。現職においても支援に関わる指導員への研修やスーパーバイザーの育成の統括を担当している。
2020年08月06日赤ちゃんのころから発達がゆっくりだった長男が1歳半健診を受けた際、「耳が聞こえていないかもしれません」と言われました。ショックを受けながらも紹介された耳鼻科に連れて行き、検査をした結果……。長男の発達障害に気付いたときの体験談を紹介します。1歳半健診では指示されたように長男は積み木を積む、車などの物の名前を聞いて絵を指さすなど、月齢相応のことは何もできませんでした。その結果、個別の発達相談に呼ばれることに。育て方の悪さを指摘されると思って私がビクビクしていると、保健師さんから「お子さんは耳が聞こえていないかもしれません」という予想外のひと言が伝えられました。 厳密には「声が聞こえにくいのかもしれない」とのこと。そこで専門的な検査ができる耳鼻科を紹介され、病院で検査を受けることに。 防音された部屋でおこなわれる聴力検査。その検査が終わり、伝えられる結果によってこの先の人生が大きく変わることになるとは、このときは気付いていませんでした。 そして検査が終わり、耳鼻科医から伝えられたのは「お子さんの聴力に異常はありません。発達支援センターを紹介しましょう」という結果でした。 「市の健診」→「耳鼻科」→「発達支援センター」という流れで、長男の発達障害を知ることになりました。健診での指摘は大変ショックなものではありましたが、この指摘がなければ、早くに長男の障害に気付けなかったと思います。受け入れるには勇気が必要な健診での指摘。前向きにとらえることは、結果的に自分のためにも子どものためにもなると感じました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 原案/戸塚麻心作画/和田フミ江監修/助産師REIKO
2020年08月05日赤ちゃんのころから発達がゆっくりだった長男が1歳半健診を受けた際、「耳が聞こえていないかもしれません」と言われました。ショックを受けながらも紹介された耳鼻科に連れて行き、検査をした結果……。長男の発達障害に気付いたときの体験談を紹介します。1歳半健診では指示されたように長男は積み木を積む、車などの物の名前を聞いて絵を指さすなど、月齢相応のことは何もできませんでした。その結果、個別の発達相談に呼ばれることに。育て方の悪さを指摘されると思って私がビクビクしていると、保健師さんから「お子さんは耳が聞こえていないかもしれません」という予想外のひと言が伝えられました。 厳密には「声が聞こえにくいのかもしれない」とのこと。そこで専門的な検査ができる耳鼻科を紹介され、病院で検査を受けることに。 防音された部屋でおこなわれる聴力検査。その検査が終わり、伝えられる結果によってこの先の人生が大きく変わることになるとは、このときは気付いていませんでした。 そして検査が終わり、耳鼻科医から伝えられたのは「お子さんの聴力に異常はありません。発達支援センターを紹介しましょう」という結果でした。 「市の健診」→「耳鼻科」→「発達支援センター」という流れで、長男の発達障害を知ることになりました。健診での指摘は大変ショックなものではありましたが、この指摘がなければ、早くに長男の障害に気付けなかったと思います。受け入れるには勇気が必要な健診での指摘。前向きにとらえることは、結果的に自分のためにも子どものためにもなると感じました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 原案/戸塚麻心作画/和田フミ江監修/助産師REIKO
2020年08月05日発達障害当事者との対談連載、スタート発達障害を描いたドキュメンタリーCM「見えない障害と生きる。」でプロデューサーを務めた東海テレビの桑山知之が聞き手となり、さまざまな発達障害の当事者と対談する連載がスタート。連載初回は、このCMにも出演したラッパー・GOMESSを取材し、「家族と発達障害」について語ってもらった。10歳の冬、診断は高機能自閉症…あだ名は“障害者”GOMESSが初めてパニックを起こしたのは、地元のバザーに家族で行ったときのことだった。楽しむ母や姉を横目に公園でうたた寝をしていたところ、ふと首に違和感を覚えた。毛虫だった。GOMESSは、毛虫が大の苦手だった。我に返ると、パニックを起こしたGOMESSは母親によって強く抱きしめられていたという。後日、家族に連れられ赴いた精神病院で、高機能自閉症という診断を受けた。その後、症状が悪化するのを見かねた母は、小学5年の春、担任教師に相談した。自閉症とはどういうものか、子どもにも分かるような資料が朝の会で配られた。「それが成功する可能性もあったと思うんですよ。でも僕の場合は違って。陰で言われてたのは、障害者とか、野獣とか、エイリアンとか……。どんどん学校に行きづらくなりました」そこから5年間にわたり不登校、引きこもり生活を送ったGOMESS。今でこそ母の支えや頑張りが痛いほど分かるものの、当時は「お母さんが余計なことをしたから」と責めてしまったと振り返る。しばらくは母もなんとか学校に行かせようとしたが、GOMESSは強く抵抗した。「本当に悪いことなんですけど、すぐに死をほのめかしてたんですよ。『そんなに言うんだったら学校に行くフリして死ぬけどね?』とか。『生まれてこなきゃよかった』とか、お母さんに直接言わなくてよかったようなこともいっぱい言いました」3歳上の姉とは、自身が引きこもる前はケンカもしていたが、やがてほとんど会話もなくなった。避けられていた。「ずっと部屋で暗い顔してる弟は嫌だったんじゃないですかね」。Upload By 桑山 知之担当医「この子にはできないことがある」親が考える“正規ルート”からの脱却静岡県内の精神病院で診断を受けたGOMESS。代表的な楽曲の一つ『人間失格』にも登場する当時の担当医師“カゲヤマ先生”のある言葉で、家族の接し方は変わっていったという。「カゲヤマ先生がいなかったらうちの家庭はダメだったと思います。お母さんたちに『この子にはできないことがあります。それはできるものじゃないです。無理なものは無理。それをきっぱりと親が諦めてください』と言ってくれたんですよ。そこから僕の生活が楽になりましたね。文字が読めないのも、頑張って読めと言われなくなりましたし、ひどい偏食も理解してくれるようになりました。いつかカゲヤマ先生にお礼を言いたいんですよね」言うなれば「お父さんはスポ根の熱血系で、お母さんは知性と優しさ」だという両親。どちらかが叱るときは、もう一方が必ず優しく包み込んでくれた。特に母は、海外の和訳本を取り寄せるほど発達障害に関する本を読み漁るなど、息子について理解を深めようと努力を惜しまなかったという。GOMESSは「親がしてくれたことはすべて自分のことを思っての行動だった」と当時を振り返りながら、「子としてはすごく理想の両親」と誇らしげに語る。「親が予定していた我が子の“正規ルート”みたいなものからの“外れ方”ってすごく大事だと思うんです。一番まずいのは、子どもが何もしなくなること。どんな形であれ、ポジティブな気持ちで何かやろうとしていることがあるんだったら、止めない方がいいと思います。ポジティブな気持ちを何かに向けてることってけっこう奇跡だから、その奇跡的なポジティブは守ってあげてほしい」進学や就職など、親が思い描く「理想」は少なからずある。しかし、それは必ずしも我が子を幸せにするとも限らない。引きこもっている間も呆けるだけでは退屈だったGOMESSは、親に見守られながら、とにかく熱中できるものを追い求め続けたのだった。Upload By 桑山 知之教科書は読めないが、五線譜は読める色んなものに熱中していく中で、「音楽」へと到達するまでにそう時間は掛からなかった。ワールドミュージックを聴けば、ラテンのリズムについて母に力説していた。文字が読めないゆえ、教科書は読めなかったが、五線譜はすぐに読めるようになった。気づけば自ら音楽を作るようになっていた。「(親としては)本当は学校行かないにしても義務教育で習うものくらいは勉強してほしかったんだと思いますけどね。これだけ熱心にやってるんだからいいか、みたいな。僕は“プレイ”よりも“クリエイト”の方が好きだから、毎日毎日色んなことをクリエイションするようになって。その中で音楽が一番ハマりました」ここでもう一つエピソードがある。「音楽に勉強的だった」頃、ゲームにも没頭していた。裕福な家庭ではなかったため、買ってもらえたのは中古で300円ほどのスーパーファミコンのソフト『RPGツクール2』。その名の通り、命令や画像・音楽を組み合わせ、オリジナルのロールプレイングゲームを作るゲームで、GOMESSはPC版も含めこのシリーズをやり込んだ。そこで音楽素材のため、曲を作り始めたのだという。結果、自作のRPGは完成しなかったが、サウンドトラックはできていた。「親がゲームを止めないでくれたんですよね。それは大きかったですね。だからポジティブな気持ちで何かやってるときは、そういう何かが生まれることがある」姉が好きだというモーニング娘。のCDも借りて聴き、衝撃を受けた。「これめっちゃファンクじゃん!すげぇかっこいい!」と、インストゥルメンタル版のテンポを遅めてビートを乗せ、ラップをする。自然とサンプリングもこなれたものになっていた。Upload By 桑山 知之家族が疲弊…ラップが人生を見つめ直すきっかけに献身的に我が子を見守り続けた親だったが、自分を責め、時に精神的に病むこともあったという。「何年も何年も手を尽くしてくれた結果、頑張った末ですね。俺もズカズカとお母さんに言っちゃうから、お母さんは自分を責め続けちゃって。お母さんが僕よりも程度のひどい引きこもりになりました。部屋から出てこないみたいな。台所とかでたまたま会って、目が合うと下向いてすぐに速足で自分の部屋に帰っていって、扉をバンと閉めるみたいな」当時は自分が正気を保つのに精一杯で、家族に支えられていることに気付いていなかった。ラップを通して、いつしか自己を客観的に見られるようになった。「CDデビューをしたり、テレビに出たり、ライブをしたりするようになってから、精神的自立が始まったのかなと思うんですよね。その辺から少しずつ。歳で言えば18・19歳から20・21歳にかけての4年間くらい。僕にとって過去の清算じゃないですけど、こういう恩恵を受けていたんだなとか、一つひとつ噛み砕いていく時間だったなと思います」第2回『高校生RAP選手権』で準優勝を収め、世間からの注目が彼に集まる中で、姉も存在を認めるようになっていた。家でブツブツとラップをしていた引きこもりの弟が、「お姉ちゃんにとっても、ようやく人として接する価値のある人間になれたのかな」と感じた瞬間だった。Upload By 桑山 知之家族を幸せにするために、僕は幸せにならなきゃいけない自身の人生は「みんなのおかげで運良く素敵になった」と語るGOMESS。一方で、母から「私があなたをフツウに産んであげられなかった」と、我が子に対して罪を感じていることを吐露されたこともあった。自分にできることは何か。答えは明確だった。「手間暇かけて全力注いで頑張って育てた息子が人様の役に立つっていうのは、きっとすごくお母さんにとって誇らしいことの一つだと思うから、実際“罪滅ぼし”はできないにしても、何かお母さんのためになると信じてやっているんです」GOMESSは、ラッパーとしての現在の活動について「罪滅ぼしみたいな気持ち」と表現する。「だから、僕は幸せにならなきゃいけないんだなって。僕が幸せになれば、お母さんが感じてきた罪悪感は消えるんじゃないかなと思うんですよね」Upload By 桑山 知之GOMESSがCM「見えない障害と生きる。」で書き下ろした楽曲『COMMON』は、Apple Musicなどで近日配信予定。本連載では、第2回以降も桑山知之が見えない障害のある人を取材し、社会で生きる上でのヒントを探っていく。平成元年愛知県名古屋市生まれ。慶應義塾大学経済学部在学中からフリーライターとして活動。2013年に東海テレビ入社後、東京支社営業部を経て、報道部で記者/ディレクター。2018年から公共キャンペーンのプロデューサーとして「いま、テレビの現場から。」や「見えない障害と生きる。」、「この距離を忘れない。」といったドキュメンタリーCMを制作。主な受賞歴は、日本民間放送連盟賞CM部門最優秀賞、ACC TOKYO CREATIVITY AWARDSゴールド、JAA広告賞 消費者が選んだ広告コンクール経済産業大臣賞、ギャラクシー賞CM部門優秀賞など。・2019年 日本民間放送連盟賞 CM部門 最優秀賞・2019 59th ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS フィルム部門Aカテゴリー ACCゴールド・第58回JAA広告賞 消費者が選んだ広告コンクール 経済産業大臣賞・第57回(2019年度)ギャラクシー賞 CM部門 優秀賞取材・文:桑山知之取材協力:若者支援ネットワーク研究会in東海公式サイト
2020年08月03日子育ての悩みを解消する支援・サービスには何がある?出典 : 発達が気になるお子さんをもつ保護者様は、それぞれに困りごとを抱えていらっしゃいます。2020年5月から、発達ナビで新しくスタートした有料サービス「発達ナビPLUS」は、そのようなご家庭の子育てをトータルにサポートすることを目指しています。具体的には、発達の専門家とオンラインで繋がり、個別相談ができたり、さまざまなテーマの勉強会への参加などができます。とはいえ、「発達ナビPLUS」ですべての悩みが解決できる訳ではありません。オンラインではなく、園や学校、お住まいの地域で利用できる社会資源の長所や短所を正しく理解し、うまく組み合わせて活用していくことも大切です。そこで、ご自身が既に活用している支援、まだ検討できていない支援を整理できる機会にもしていただける無料オンライン体験会を開催いたします。お子さんの年齢層別によくあるお悩みや、悩みの要因、一般的な支援・サービスをご紹介します。例えば、未就学のお子さんの場合、「かんしゃくや他害が酷くて保護者自身が疲れきっている…」、「発語・発話がゆっくりで心配」、「小学校入学に向けて、特別支援級がいいのか、通常学級がいいのか悩んでいる」などのお悩みをよく伺います。このように、年齢層ごとによくあるお悩みをサポートする支援・サービスの長所や短所を理解していただいたうえで、発達ナビPLUSでできること、できないこと、困りに合わせた具体的な活用方法もお伝えします。体験会の最後は、チャットで質問も受け付けます。サービスに関するどのような疑問でもお気軽にお申し付けください。参加者限定の50%OFFクーポンコードをプレゼント!Upload By 発達ナビ編集部無料オンライン体験会にご参加いただいた方限定で、お得なクーポンコードを送付します。クーポンコードのご利用で、初期コンテンツ利用料29,800円が【50%OFF】の14,900円になります。お得な機会にぜひご検討ください。開催概要/お申し込み▼未就学児の保護者さま向け・8/5(水) 11:00・8/13(木) 11:00・8/15(土) 14:00・8/20(木) 11:00▼小学生の保護者さま向け(学習編)・8/8(土) 11:00・8/18(火) 11:00▼小学生の保護者さま向け(コミュニケーション編)・8/7(金) 11:00・8/11(火) 11:00▼中高生の保護者さま向け・8/8(土)14:00・8/15(土)11:00オンライン会議ツール「zoom」を使用し、オンラインにて開催します1.参加にあたってのご注意&お願い2.「発達ナビPLUS(プラス)」の概要紹介3.参加年齢層のお子さまによくある悩みについて4.「発達ナビPLUS(プラス)」の活用方法5.申し込み・割引クーポンご案内6.質疑応答Q.自分の顔は映る?参加される皆さまの映像や音声はオフになっており、スタッフのみ映し出されますQ.質問はどうやってするの?チャット機能を使って質問をご入力いただきます
2020年08月03日学校・学童が再開!ミミは大丈夫?6月に学校が再開し、少しずつ慣れてきた小学校生活。毎日の宿題や持ち物、連絡帳などの確認事項が多く、私は混乱気味です。毎日の体温を記入する健康観察カードは3ヶ月間学校で保存するそう。Upload By taeko登校班を途中まで見送った後、私は在宅勤務。夕方になって学童に迎えに行くと、私の心配をよそに楽しそうに遊んでいるミミ。同級生の名前を良く覚えて「○○君はアレルギー対応」なんていうことも教えてくれたりします。学童に大好きなスタッフさんができて、なついている様子。学童へ行く楽しみができて良かった。Upload By taekoスクールカウンセラーさんと2回目の面談。カウンセラーさんは2人いて、それぞれ別の曜日に週1回来てカウンセリングするほか、教室を回って生徒を見守ってくれています。カウンセリングでは、学校での様子を担任の先生以外の大人から知ることができて、私も安心。カウンセラーさんの話では、ミミなりに学校生活を楽しんでいるそう。家でも落ち着いているので私からは特別な相談事はなく、話した時間は20分ほど。次回の面談の予約をして終了。ミミも同席していたけど、出入り口付近をウロウロして早く帰りたいアピール...。時々面談することで私の悩み相談もできるし、ミミも学校で相談できる大人がいることが分かって安心できるかな。Upload By taeko7月から週に2時間、特別支援教室で指導を受ける、通級がスタート。保護者会は当面延期なので、先生のことや授業の様子は、連携ノートとミミに聞いて知ることができています。最初の1時間目は先生と一対一。2時間目は小集団(と言っても2人)。ミミに感想を聞くと、「楽しかった」そう。連携ノートには、人との関わり方を楽しく学んだ授業内容や、授業中のミミの様子がビッシリ書かれていました。その中に、ミミは「手先が器用」とのコメントも。ミミは不器用さがあるので作業療法に行ってるけれど、私の思い込みもあって、実は器用なのかもしれない。先生によっていろいろな見方があるんだなと思いました。前日に「明日は○○教室だよ~」と伝えると、大抵「え~行きたくない」と言うけれど、行けば楽しんでいる様子。Upload By taeko偏食のミミ。給食は食べられなくて当然と思っています。一応、何を食べたか聞くと牛乳だけは飲んでいる様子。他は、食べられた物は覚えているけど、そうでない物は「忘れた」とのこと...。それでも、周りのお友達が食べていると影響を受けるようで、食べたことのない物に挑戦しているらしい!!そんな日はたくさん褒める!!偏食でも身長は伸びているし、いろいろと成長しているようです。最初は心配だったけど、学校生活を楽しんでいて良かった!!
2020年07月31日お手伝いしたら報酬アリ!なのに、やりたがらない息子...そのワケは?Upload By かなしろにゃんこ。ADHDと広汎性発達障害がある息子リュウ太に社会勉強をさせようと、小3頃から買い物や掃除のお手伝いをさせていたのですが、毎回いやいやと拒否しながらやっていました。トイレ掃除1回50円、買い物1回100円+好きなお菓子を1つ買ってよい、という決まりで提案していたのですが「面倒くさい」と言ってはやりたがりません。毎月のお小遣いを使い果たし金欠になると金銭目的で仕方なくやる気にはなるのですが、成人した息子にその頃の気持ちを聞くと不平不満でいっぱいだったといいます。「お手伝いは大変なことがいっぱいなのに、金額が安すぎるよ!」Upload By かなしろにゃんこ。なにが不満ですか?毎月の決められたお小遣い以外にお金を稼ぐチャンスを与えてあげているというのに?と私は思っていたんです。息子の気持ちはこうでした。「お手伝いの賃金が安すぎて悲しくなってた。自分の働きがこんなに安いんだって。買い物なんて重い物を持たなくちゃいけないし、買う物を広い売り場でアレコレ探し回らなきゃいけない。なんやかんやで1時間は経っちゃうのに、100円しか貰えないなんて有り得なくない?子どもにだってきちんと地域の最低賃金を守るべきなんじゃないかな?って思うよ。賃金がもう少し高かったら、やる気も出たと思う」というのです。Upload By かなしろにゃんこ。以前買い物のお手伝いのコラムを書きましたが、息子はウッカリ忘れが多い特性上、お手伝いを100%遂行できません。そのため出来高制を用いていたのです。とはいえ、「家のお手伝いをするのは家族として当たり前」という夫の教育方針と、「子どもに高額な金額をホイホイ与えてしまうのはいかがなものか?」という考えもあり、『買い物1回100円』にしたのですが、思いっきり不満があったとは驚きです。Upload By かなしろにゃんこ。息子がいうには、大人がするのと違って子どもは力もないし知恵もない中で頑張るのだから、働きに対してもっと労ってほしかったという気持ちだったようなのです。例えば風呂掃除なども、注意散漫ゆえに周囲に気を配ることができないまま掃除をすると蛇口に体をぶつけて痛い思いをしたり、滑ってしまったりと危険がいっぱいだったといいます。必要だったのは、苦労を認めてあげることUpload By かなしろにゃんこ。息子がいうのは、"単なる金額への不満"というより、「苦労して頑張ったことを認めてほしい」ということだったのかもしれません。やり甲斐を感じるような言葉かけも必要だったんですよね。「ありがとう、助かったよ」と伝えていたけれど、もっと響くような感謝のパフォーマンスが必要だったのかもな~と思いました。人の表情から相手が喜んでいることや悲しんでいることが判断しにくい子なので、欧米人のようにオーバーアクションをしたら分かりやすかったのかな?中学では反抗期でまだまだ手伝いを拒否することがありましたが、17歳くらいから買い物やゴミ出しなど家の手伝いをマメにやるようになりました。大人になったリュウ太、床下修理で大活躍!対価もしっかり...Upload By かなしろにゃんこ。大人になったリュウ太、新型コロナの影響でGWに多めに仕事を休んでいたときには家の床下に潜り、床の沈み込みを補強するために3か所ジャッキをはめる手伝いをしてくれました。このときはさすがに大変な仕事なので、3000円でお願いしたのでした。汚れてもいいツナギに着替えてヘッドライトを装着して工具を握り暗い床下に。床下の柱などが邪魔する狭い場所でのジャッキのネジ締めなどはとても大変だったようで...途中で「え?3000円って安くね⁉」と思ったそうで、床下から這い出てから私に賃上げの交渉をしてきました。労働者の権利を主張できるようになったことで損することなく8000円を請求し、みごとゲットしたのでした。大きな案件に対して頑張ってくれるようになった息子。洗い物や掃除など小さい手伝いは普段あまりやってくれないけれど、息子は活躍したい場所が違うのかもしれないと気がつきました。少しだけ頼もしくなった息子に嬉しくなりました。
2020年07月30日「恋愛とは何か」がわからない…… どこかぎこちない恋愛遍歴振り返ると、私が恋愛の場面で抱えていたトラブルの中には発達障害の特性が関わっているものが多かったように思います。ひとことでうまく言えないのですが、私は一般社会で当たり前のものとされる恋愛市場的な価値観とはどこか離れたところで生きているところがありました。私には、多くの人がスルッと適応していく「男と女の惚れたはれた、モテるモテない、ゲットするしない」みたいな価値観がどうも理解できなかった……けれど同時にASD的な鵜呑み傾向が、「正しい恋愛・生き方とはそういうものなのだ」という思い込みにもつながっていました。結果的に、自分の中での自然な実像と「こうあるべき像」の間にギャップが生じて、そのギャップに苦しんでいたような気がします。まずは、私はもともと何かに興味を持つとき、対象がモノであろうが人であろうがあまり関係ありませんでした。その人が男か女かも関係ありません。自分にとって興味をそそる対象であれば、対象に向かって突進していく。これはおそらく発達障害の文脈で言う「積極奇異傾向」だと思います。たとえば、私が突進していったものがたまたま人であり、かつ男性(以下Aくん)であった場合、周囲が「宇樹さんはAくんのことが(恋愛的に)好きに違いない」と解釈します。どうも、Aくん本人も「宇樹さんは僕のことが(恋愛的に)好きに違いない」と考えることが多いようでした。私には悪気がないばかりか、そもそもAくんに恋愛的な好意があるわけでもありません。というか、突き詰めて考えると、誰かへの恋愛的な好意と、誰かの持っている一要素への心酔のようなものがどう違うのか、私にはいまだにわからないところがあります。結果、周囲から「宇樹さんキモい」とか言われて排除されたり、自分で「これは私がAくんを好きということなのか、私はAくんと恋愛をしなければならないのだ」と思い込んで、どこか違和感を感じながら「恋愛」を演じてしまったりすることになりました。Aくん本人が私から恋されていると思ってなんだか調子に乗った言動をすることもありました。私は、いま思い返しても「これは恋愛だったな」と感じる関係性においてもどこかぎこちないところを抱えていました。それは、「距離感が極端になりがち」ということです。小学生のころなどは、相思相愛が確認できた相手と一日中喋っているという程度で済みました。しかし、性的な関係を経験するようになると、好きになった相手と一気に性的に密着した関係性に踏み込んでしまうか(≒つきあう)、多少気まずくなっただけで二度と会わない・口もきかない(≒別れる)、のどちらかが多くなりました。恋愛関係の前後に中距離の友達関係を作るということがうまくできない。若いころには、「よく考えたら性的に利用されていたなあ」と感じる関係性も経験しました。これは、私の二次障害である複雑性PTSDの傾向も関わっているとは思いますし、発達障害のない人にも惚れたはれたの関係性は難しいものでしょう。しかし、私のこの困難さには、「白黒はっきりしない事態に対処できない」という、ASDの白黒思考も関わっていたように思います。私は小学校は共学でしたが、中高は女子校。中学高校を経るうちにだんだんと二次障害が悪化して体調が悪くなったのもあって、大学に入るころにはひきこもり傾向になっていました。私が部活やサークル、趣味のコミュニティなどに参加する余裕をなくしていく一方で、世間にはインターネットが普及していきました。それで、人と出会うときのルートがほぼSNSを介してのものになっていきました。コミュニケーション障害の関係でもともと交友関係が狭くなりがちだった私が、SNSを介してほぼ一対一で相手に出会うことも多くなりました。私の20代のころの恋愛相手との出会いはほぼSNSをきっかけとしたものです。たまたまそれほど危険な相手には出会いませんでしたし、SNSならではの良い出会いもありました。しかし、親密な相手となる人との出会いの準備段階として「複数人の中距離の友達関係の中で相手のことをゆっくり知っていく」というステップを踏めないことは、根本的にはリスクの高いものだったのではと思っています。冒頭のほうにも書きましたが、私は、世間で言う恋愛市場的な価値観にうまくなじめませんでした。そんな私には、「性的な暗黙の了解」を理解できない、という困難もありました。ASDの人のコミュニケーション障害の典型的な傾向として、「暗黙の了解」「明示されないルール」を理解できないというのがあります。よく例として挙げられるのが、行間を読めないので皮肉や冗談が通じないとか、目上の人からの遠回しな指示が通じずにトラブルになるといったものです。ASDの人の多くは、おそらくこうした困難を「性的な暗黙の了解」の分野にも抱えているように思います。私の場合、「疲れたから休みたい」「ここは騒がしいから静かなところに行きたい」といった発言が、「ホテルに行こう」という誘い文句の婉曲表現だととられる場合があることを、20代半ばぐらいまで知りませんでした。私はなんの意図もなく、純粋に言葉どおりの意味で、男性の前でこのような発言をしていました…… 特性上、お茶したり食事したりしているとすぐに疲れてしまうんですよね。特に騒がしい場所にいると疲れてしまう。恋愛とか性的関係の分野にこうした暗黙の了解があることを知ったときには非常に驚きました。同時に、自分がそれまでに自分の発言をきっかけに性的被害に遭うようなことがなかったのは単に運が良かっただけだろう、とも思い、ショックを受けました。※上記のような発言をきっかけに性的被害を受けた人がいたとしても、発言した人のせいではありません。悪いのは絶対に、加害する側です。自衛のひとつの方法は後半で書きます。ともかく私は、世の中はうっかりしていると性的被害に遭ったりするところなのだと、けっこうなショックを受けたのでした。今となっては私は、夫との関係性に悩んだとき、その悩みが互いの関係性や自分の中のどの要素からくるのかが理解できます。それに、さまざまな支援者や支援機関、支援ツールともつながりがあります。このため、パートナー関係の悩みについて孤立無援の泥沼に陥ることはありません。しかし、以前はこうはいきませんでした。20代半ばには抑うつ状態で精神科に通院するようになっていましたが、当時の私は自分の発達障害にも気づいていなかったのです。自分の心身の不調が二次障害(複雑性PTSD)によるものだとも気づいていなかったので、自分の不調がどこからくるもので、どんな助けを必要としているかも知りませんでした。自分を助けてくれる支援者や支援機関があるということなど思いもしない。結果、共依存のような状態になって、デートDVを受けたり、ストーキングのようなことをしたりされたりといったこともありました。発達障害の女の子が安定した親密な関係性を築くために私は今となっては夫と安定した関係を築いていますが、5年以上の間、ずいぶんと紆余曲折を経験しましたし、30歳を過ぎて幸運にも彼と出会うまでには、人生上のさまざまな困難に囲まれてそうとうに思いつめていました。夫と出会うまでの困難や、夫との離婚危機と必死の挽回の経緯については拙著に詳しく書いています。以下、私のような発達障害の女の子がいたとして、以前の私のようには苦しまずに、誰かと安定した親密な関係性を築くとしたらどうしたらよいかを考えてみました。私が恋愛について長いこと苦しんでいたことの背景には、冒頭に書いたような「恋愛市場的な価値観」と自分の実像との間のギャップがあります。もしかすると、最初にここからほどいていくと悩みが楽になっていきやすいかもしれません。まずは、一般的な「惚れたはれた」とか、恋愛ノウハウの目線から考えるのをやめてみる。そこで意識的にもう一段掘って、「発達障害の特性を持つ者としてどういう原因からこうなるのか・こう感じるのか」などを考えるのがよいのではと思います。現在の日本では、女性は何かと年長者や男性から利用されたり被害を受けたりしがちです。本当は利用したり加害したりしようとするほうが100%悪いです。こちらが自衛しなければいけないのはおかしいのですが、残念ながら自衛する手段を知っておいたほうが安全に過ごせるのは事実です。年長の人には、暗黙のルールを知らない当事者をバカにせず、彼女らが被害に遭っても決して責めることをしないで、淡々と知識として、世の中がどうなっているのかを教えてあげてほしいと思います。若者や女性を利用しようとする人がしがちな言動について、思いつくかぎり教えてあげるのもよいかもしれません。たとえばSNSで「泊まらせてあげる」とか言う人は危険だとか。まさにこうしたテーマを扱った本もあります。一緒にこうした本を読んでみるのもいいと思います。いま振り返って思うのは、「人にとって、所属するコミュニティは多様であるほどいい」ということです。趣味ベース、勉強ベース、困りごとベース、地縁ベースなど、さまざまな切り口で、いろいろなコミュニティに属することを意識していくとよいのではないでしょうか。人にはいろいろな「顔」がありますが、属するコミュニティが多様であるほど、多様な自分の「顔」を見いだせると思います。コミュニティによっては、ほかでは絶対に出せないような「顔」を出していけて、それが自分の救いになることもあります。ちなみに、私の場合はこの救いとなったコミュニティが10年ほど前のTwitterです。私は当時のTwitterに人生の悩みを赤裸々に綴っていくうち、現在の夫も含めたさまざまなつながりに恵まれていきました。いまのTwitterはあまりに拡散力の強いメディアになってしまっていることもあり、危険な人に出会ったりTwitterに依存してしまったりするリスクも高いので、そこは注意が必要ですが。私が現在の夫との関係性を安定したものにしていく過程でも大事だったのが、「二人の間で起こるトラブルは二人の関係性の問題なのか、それとも自分の中の問題なのか」を切り分けることです。以前の私は、恋愛やパートナー関係において何かトラブルがあると、全てを二人の間の関係性の問題だと考えていました。つまり、「私はこんなに彼のことが好きだからこんなに苦しいんだ」と。けれど、自分の発達障害や二次障害の存在に気づくにつれ、親密な関係性の中で起こるトラブルの想像以上に多くが「自分の中から来るもの」だったことを知りました。たとえば、自分の心にあいた穴が、二人の関係性を必要以上に困難なものにしている。「トラブルは自分のせいと考えて自分を責めろ」という意味ではありません。「このトラブルは本当に相手を好きだからという理由のみで起こっているのか?」「自分の不安定性が関係性に映し出された結果、必要以上にトラブルが大きくなっているのではないか?」とできるだけ冷静に分析し、それぞれの場合によって別の対応をする必要があるということです。そして、そのトラブルがなに由来であるとわかったにしろ、わからないにしろ、定期的に専門科にかかって、状況を報告・相談することを欠かさないようにするのが大事だと思います。世間ではなんとなく「女性が男性の、男性が女性のパートナーを『勝ち取り』、ひいては法的な結婚をすること、できれば子どもを産むこと」を当たり前、または理想だとしているところがあります。このためか、私たちもなんとなくそうしなければいけないと思い込んでしまいがちです。私も以前はそうでした。けれど、本来人の性的アイデンティティも恋愛対象もさまざまですし、人というのはモノみたいに「勝ち取る」ものでもありませんよね。誰かが幸せと感じる生活が誰かとの性的関係を含んだ一対一のものであるとも限りません。愛は愛であって、恋愛市場での勝ち負けなどとは関係ありませんし、現在の法律婚は、身体の性と心の性が一致したヘテロセクシャルの男女カップルのみを優遇する、理想的とは言えない仕組みです。子どもを産み育てるには膨大な労力とお金がかかりますし、現在の日本は子どもを育てづらいシステムになっています。女性たちが、迷いもなく子どもを産もうという気にはなかなかなれないのが実情です。私自身、たまたま身体の性が女性で、恋愛対象が男性であり、男性と法律婚するという、いわゆる典型的な「女性の幸せ」に至りました(子どもは産んでいませんが)。しかし、実は私の性的アイデンティティは常に揺らいでいる状態です。自分が子どもを産める性であることにいまだに違和感があります。かといって男性になりたいわけでもありません……こういった意味もあって私は、「女性の幸せは男性と結婚して子どもを産むこと」などといった粗い主張をする気には到底なれません。さらに言えば、人が幸せになるにあたって、ある程度親密な人間関係が必要だろうことはわかりますが、それが特定のパートナーである必要さえないと思います。自分の信頼のおける複数の人たちと擬似家族のようなものを築いて暮らすのも素敵ですし、一人で暮らして人とはときどき交流する生き方が幸せという人だっているでしょう。私は、若い世代の発達障害女性には、世間が提示する「あたりまえ」や「理想」なんて気にせず、自分が最も楽でいられる生き方を選んでいってほしいと願っています。
2020年07月29日休校期間、中学生いっちゃんの家庭学習は...今年の3月下旬から新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、多くの全国の小中学校が休校となりました。でこぼこ兄妹の兄、タケルの大学は急遽リモートのみの授業となり、妹いっちゃんの中学はなんと無期限休校というロングバケーション。これまでは不登校気味とはいえ、週に1~2度は学校に行って総合学習室で支援スタッフの先生と勉強したり、授業で使ったプリントなどをやったりしていたいっちゃんですが、休校期間は出された宿題を家でやり進めることに。提出日の遠い宿題を毎日少しずつ家でこなすのは難しく、次第にお絵かきやMMDなどの"自主学習"に熱を入れるようになりました。元々、夏休みの宿題はカンタンなところは最初にやって、残りはギリギリまでやらないタイプです。必然的に学校での勉強の方は積み残しが多くなってきました。「いつ学校が再開して総合学習室に行けるかわからないんだから、おうちでも宿題をやっておかないといけないよ。」と言っても、「いつもよりはしてるよ!」と涼しい顔。そりゃあ、いつもは平日の自宅学習は0ですから、ウソではないのでしょうけど…。Upload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロずーっと家にいますし、リラックスするところと勉強するところ、場所が変わらないとなかなかけじめがつきにくいということもあるのでしょう。しかし、塾などに行かせようにも、この時期、見学などもなかなか行けませんし、子どもが集まって一緒に勉強するような場所はどこも閉まっている…困ったなとは思いつつも、大物の動画づくりに挑戦する娘を見て、「時間が自由に使える今しかできない事に熱中しているのだから、まあいいか。そのうち学校も再開するだろう。」と思っていました。長引く休校、そろそろまずいかも!?そこで現れた助っ人はしかし、ゴールデンウィークを越えたあたりから「これはまだまだ学校再開は先になるんじゃないか?再開したらすぐ目の前が期末試験!やばいんじゃないか?」という気がひしひしとしてきました。テストで良い点を取ってほしいというわけではないのです。再開したときに、他の子どもたちとあまりに勉強の進度が違うと、一緒に授業を受けることが難しくなるんじゃないか…という思いが頭をもたげてきたのでした。睡眠障害のある娘にとって、週に1~2回しかないクラスのみんなと一緒に受ける授業の時間が、ただただ時間をやり過ごすだけになるのは辛すぎる…やはり、学校の勉強も少しは…いえ頑張ってやらせなければ!!でもどうやって??Upload By 寺島ヒロタケル「練習を兼ねて、私がいっちゃんに授業をしますので、その時間分のバイト代をください。」わたし「それだー!!」実はお兄ちゃん、この新型コロナ流行のあおりをくって、バイト先の塾が休みになっていたのです。灯台下暗し、渡りに船とはこのこと。時給を払って、お兄ちゃんに丸投げすることにしました。これが思った以上に大はまり!さくさくと…とはいきませんが、宿題の山が目に見えて減ってくるようになりました。また、調子の上がり下がりの大きい娘の様子を、常にタケルが気にして見ていてくれるので、大変私が楽になりました。兄妹のことでも、時給制!そこにはいくつもメリットがUpload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロあまり意識していなかったのですが、休校になってから、わが家ではいっちゃん一人がハイテンション(そしてしばしば調子が上がりすぎて真っ青な顔で倒れる)な中で、息子が静かにストレスを溜めていました。私もまた、子どもたちのどちらかが倒れないように、爆発しないように、仕事をしながらも常にカットインするタイミングを計っていたりするので、いつも以上に疲れていたようなのです。この「時給を出す作戦」を始めて、家の中がすーっと明るく、空気も軽くなったのを感じました。年が上の子どもに年下の子どもの面倒を任せるというと、年長の子どもの負担が大きいことや、親の代わりができるのか、任せてよいのかという問題が出てくると思います。私の年代でも「"お兄ちゃんでしょ、お姉ちゃんでしょ"と言われて辛かった」と、大人になってから言う人もいますから、恨みは深いものと思われます。(ちなみに私自身は一人っ子です。なんか申し訳ない。)しかし、私はその「恨み」は、妹弟の面倒を押しつけられて自分の遊ぶ時間がなくなったとか、責任を負わされて困ったということではないと思います。親が負担を負担と認めず、「自分の弟妹なんだから可愛いでしょう?可愛いんだから負担なんて言っちゃダメ」という訳の分からない理屈で、当たり前のように自分の時間を奪われ、労働を強いられているように感じるという、ぼんやりとした悲しい想いが正体なのではないでしょうか。年若い血縁を可愛く感じることと、作業の負担が重いことは別の話です。私たちは母親の権利の話となるとそれに思い至るのに、子どものこととなると少し鈍感になってしまうのかもしれません。私は息子に「仕事をするから時給を払え」と言われ、「全くその通りだ!さすがタケルさん!」と感心しました。負担を負担として認め、対価を払うことにしたのです。(対価を現金にしたことについては、まだ議論の余地があるかもしれませんね…。)しかし、いっちゃんは自分の仕事(動画づくりなど)で忙しいので、勉強時間を確保するのも大変です。声掛けをしてもなかなか捕まってくれません。おかげで時給もあまり稼げていないのですが、それでもタケルはそれなりにやりがいを持ってやってくれているようです。Upload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロところで、この雀の涙のような時給の使い道ですが...タケルはいつもいっちゃんを連れて動物園や水族館に出かけます。そして、出かけた先でパフェを食べたり、動物園とコラボしているアニメのグッズを買ったりするのです。もちろん、いっちゃんの分も…!「私が時給を稼げば、自分が良いところに連れて行ってもらえると認識させるのです。こうして、勉強へのモチベーションを強化するのです。」と言うタケル。さすがすぎます…。
2020年07月27日親なきあと障害があってもこれで安心!『まんがと図解でわかる障害のある子の将来のお金と生活』この本を執筆した渡部伸さんは、障害のある方の家族の不安を少しでも軽くしたいと「親なきあと」相談室を主催して、講演やメール相談など、様々なかたちで情報を発信しています。執筆のきっかけは、そんな著者に届いた一通のメールでした。そのメールには、「先生の本は文字が多く、理解するのが難しい」といったことが書かれていました。そこで渡部さんは、文章をできるだけ少なくし、まんがと図解によって制度を説明することにしようと執筆をすすめ、この本が生まれたそうです。渡部さんは、「気軽に読みながら制度のおおまかな内容をおさえてほしい」と語っています。この本では、「親なきあと」について、家族が抱えがちな4つの不安に焦点をあてています。その4つとは、「お金に困らないか」、「お金が管理できるか」、「どこに住むのか」、「サポートは誰がしてくれるのか」です。渡部さんはそういった課題に対して、利用できる制度や、やっておきたい手続きについて図やイラストを用いてわかりやすく解説しています。「親なきあと」について検討をはじめたい、もしくは深めたい親御さんにおすすめの一冊です。ひらがなを楽しく覚えるための工夫がいっぱい!『ひらがなものがたり』この本の著者のさとうともこさんは、小学校教員。2歳で自閉症と診断された次男の療育について書いた「自閉症の子とたのしく暮らすレシピ」の著者でもあります。小学校の先生として、ひらがなを教えてきた実践の中から、この絵本は生まれました。作中には、ひらがなを楽しく覚える工夫がいっぱい詰まっています。本書は物語調で展開されています。お話は、子供が大好きな冒険物語。物語にそって1文字ずつひらがなが登場することで子どもが物語と関連付けながらひらがなを覚えられるようになっています。また、絵本の各見開きの欄外には、大人が子どもにひらがなを教えるときのヒントが書かれているほか、付録として保護者と指導者向けのリーフレットがついています。ここには、ひらがなを書けない・覚えられない子の存在についてと、指導者向けに教えるときに大事なことが書かれています。子どものやる気を引き出すために、もし間違えて書いたとしても、直すときには×を使わず、惜しいときには「ちび丸」にするといった指導のコツが紹介されています。ひらがなを書くことや読むことに苦手意識のあるお子さんにオススメの一冊です!ディスレクシアについて理解して、「読む」トレーニングができる「読むトレGO!」本書は、大きく2つの内容で構成されています。前半は【かいせつ編】。ディスレクシアとは何なのか、どういうトレーニングが必要なのかという解説です。後半の【トレーニング編】はドリルのような実践編。ひらがな、カタカナ、漢字入り語句、同音異義語、四字熟語、そして「腕試し」として中学生以上の内容も収録しています。また、Nintendo Switchのゲームソフトと連携しており、楽しみながら続けることができるようになっています。著者である平岩幹男先生は、自閉症スペクトラム障害の子どもをたくさん診てきた小児科医です。先生が診てきた中には、読むことに困難さのある子どもたちも数多くいました。ディスレクシアは人口の数%いると言われていますが、広く認識されているとは言えません。それゆえに対応がどうしても精神論によってしまい子どもも苦しい思いをしてしまいがちです。平岩先生はそんな現状に対して、まずディスレクシアというものに気づくことが大切だと語っています。そのうえで、「きちんとやりなさい」といった声かけではなく、系統立てた練習が必要だと言います。文字を読むことが苦手なお子様にぜひお試しいただきたい一冊となっています。ことばの語用障害について詳しく解説!『子どもの「コミュ障」』本書では、2017年3月に金沢大学を定年退職し、現在は同大学子どものこころの発達支援センターで特任教授を務める大井学さんが子どもの「語用障害」について解説をしています。タイトルで「コミュ障」という言葉が使われていますが、著者は第1章のなかでこの「コミュ障」を「語用障害」と定義しています。統計から子どもの場合は、発達障害・言語障害のある子どもの語用障害と、障害のない子どもの語用障害が起こる範囲が重なっている部分が大きくあり、発達障害と診断はされないかもしれないグレーな子どもにも、「コミュ障」はみられると大井さんは語っています。本書は、実際にあった事例をもとに、子どもの「コミュ障」自体を問題にするのではなく、コミュニケーションに特性がある子どもが「生きづらさ」を感じないためにどうすればいいのかという点について、周囲はどういったサポートができるのか、どういった環境をつくってあげることが望ましいかなど、詳しく説明されています。まわりとのコミュニケーションでつまずきのあるお子さまをお持ちの保護者さまにぜひともよんでいただきたい一冊です。親子のコミュニケーションの参考に!?『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』本書の著者は、自身も3人の子どもを育てる傍ら、発達障害&グレーゾーン子育てのコツを発信する活動をしている「楽々かあさん」です。本の中で、著者の「楽々かあさん」は、自身も以前は子どもたちに怒ってばかりで公開を繰り返す日々を過ごしていたと語っています。しかし、独学で試行錯誤をしながら、子育て方の実践や軌道修正を繰り返していくなかで、怒らなくてもちゃんと伝わる声かけや工夫があることがわかったと言います。声かけ変換はそんな著者の工夫をまとめた一冊です。構成としては、序章とエピローグは親の心の準備とケア、1章から5章はおおまかに子どもの心身の発達段階にあわせて、それぞれがStep順に読み進められるようになっています。本書ではすべての声かけについて、子育ては「イライラするもの」、親は「つい怒ってしまうもの」ということを前提にして書かれています。著者は子育てについて、何年も何十年も、子供が自立できる日まで続けるものだから、長期戦を前提に「無理せず続けられる」ことが重要だと語ります。親子のコミュニケーションでお悩みを抱えている保護者の方にぜひともお読みいただきたい一冊です。
2020年07月23日10年以上の少年院勤務経験から私は児童精神科医として、2009年から現在まで10年以上、少年院に勤務し、非行少年と言われる多くの少年たちに出会ってきました。勤務当初は、凶暴な子ばかりいるのではと身構えていましたが、そんなことはありませんでした。実際には、成功体験が少ないために自信のもてない子、また、学習面では「簡単な計算ができない」「漢字が読めない」「簡単な図形を書き写せない」ということで「困っている」少年たちが大勢いたのです。彼らは見る力、聞く力、想像する力が弱く、そのせいで勉強ができないばかりでなく、周りの状況が読めなくて対人関係で失敗し、自信を失い、被害的になり、それが非行の一因にもなっていたのでした。生きていくために必要な『学力以前の力』私は率直に言って、「この子たちには生きていくために必要な『学力以前の力』が備わっていない」と感じました。しかし、これは非行少年だけに限った話ではありません。私は現在、幼稚園や小・中学校で教育相談も受けています。そこで出会う子どもたちの相談は、発達や学習の遅れに関するものが多く、その状況は非行少年たちの学校時代の様子と似ているところがあるように感じました。そこで、今「困っている」子どもたちの今後の人生が少しでも生きやすくなるように、子どもたちが生きていくために「学力以前の力」を身につける必要性を強く感じました。そうして考案したのが、注意して見る力・聞く力、想像する力(認知機能)を鍛えていく「コグトレ」です。認知機能を高めるトレーニングコグトレとは、「認知○○トレーニング(Cognitive 〇〇 Training)」の略称です。○○には「ソーシャル(社会面)」「機能強化(学習面)」「作業(身体面)」が入ります。認知機能には、「注意」「記憶」「言語理解」「知覚」「推論・判断」という5つの要素が含まれます(下図)。その5つの要素に対応する「数える」「覚える」「写す」「見つける」「想像する」力を伸ばすことが、コグトレの目的です。Upload By 宮口幸治次に、認知機能の弱さがどのように勉強の苦手さにつながるか、例を出して紹介しましょう。出された問題を解くために必要な力たとえば、授業中に先生がこんな問題を口頭で出したとします。「Aさんは10個の飴を持っていました。4個をあげるとAさんは飴を何個持っているでしょうか?」これに答えるには、まず先生の話に「注意」を向けることが必要です。外を見ていたり、ノートにお絵描きをしていたりしては聞き取れません。次に、先生の話したことをしっかり聞きとって「知覚」し、個数を忘れないように「記憶」します。また、先生の話した問題の「言語理解」も必要です。さらに、ここから答えを考えていきますが、暗算するためにはほかに考えごとなどせずに「注意(集中)」する必要があります。認知機能すべての力をフル稼働最後に大切なのが、この問題では次の2通りの解釈ができることです。「Aさんは誰かに4個の飴をあげたのか?」「Aさんは誰かから4個の飴をもらったのか?」いったい先生はどちらを意図したのか「判断・推論」する必要があります。以上から、先生が口頭で出した問題を解くためには認知機能のすべての力が必要なのです。もしその中の1つにでも弱さがあれば、問題を解くことはできません。学習につまずきを抱える子どもは、認知機能の働きのどこかに、または複数に弱さをもっている可能性があるのです。そのような弱さを見つけトレーニングしていくのが、コグトレなのです。紙と鉛筆があれば始められるトレーニング具体的には、「数える」「覚える」「写す」見つける」「想像する」という5つの分野を対象にしたトレーニングを行います。紙と鉛筆があれば、今日から始められます。次に実際に、コグトレの問題をご覧いただきましょう(8月刊行の『医者が考案したコグトレ・パズル』より抜粋)。まずは「写す」問題から。問題に取り組むことで、「見る力」の基礎力を強化していきます。下の図は、「写す」問題の一部で、「点つなぎ」「くるくる星座」です。「点つなぎ」では正確に形を見る力、「くるくる星座」は考えながら見る力をつけていきます。「写す」問題全体を通して、漢字の書き取りや図形問題の基礎力をつけるのに役立つでしょう。見本の通りに点をつないで、上の絵を下に写します。Upload By 宮口幸治上の星座と同じ形になるように、下の★〇●を線でつないでいきます。Upload By 宮口幸治次に「見つける」問題です。この問題では、「見る力」の応用力を強化していきます。下の図は、「見つける」問題の一部で、「黒ぬり図形」「違いはどこ?」題です。「黒ぬり図形」では形の輪郭を見る力、「違いはどこ?」では形の違いを見つける力をつけていきます。「見つける」問題全体を通して、広い観点で物事を見る力、図形問題の応用力をつけるのに役立つでしょう。ある形の影を見つけます。①~④の図を黒くぬったものを、1~10から選びます。Upload By 宮口幸治上の絵と下の絵には、3つの違いがあります。違う部分に〇をつけましょう。Upload By 宮口幸治答えはこちらです。Upload By 宮口幸治子どもの心を傷つけない課題に取り組んでみると、もしかしたら「見つける」は得意だけれども、「写す」は苦手という得意不得意が出てくるかもしれません。苦手意識が強ければ、できるところの課題から取り組んでもらえればいいと思います。なお、テストができなくて傷つく子どもはいますが、コグトレができなくて傷ついたという話はあまり聞いたことがありません。コグトレはパズルやゲームのような課題なので、学習という感覚があまりしないのでしょう。子どもたちは楽しみながら取り組んでいます。自然に認知機能を鍛えていけるのです。勉強嫌いな少年たちが変わった瞬間また、学習は楽しんで取り組める工夫があると、子どもの力を伸ばせるはずです。そう感じるのは、私の経験にもとづきます。少年院では、勉強嫌いで授業などまともに聞いたことのない少年たちに多数、会いました。私は彼らに教えることをあきらめて、「じゃあ、私の代わりに授業をやってくれ」と、教師役を肩代わりさせたことがあります。そうすることで、私の苦労を実感させようとしたのですが……意外な展開が待っていました。なんと、授業をまともに受けようとせず、妨害すらしていた少年たちが「ぼくが教えます!」「ぼくがやります!」と率先して、教える役に就こうとしたのです。前に出て「教える」彼らの姿はとても楽しそうでした(実は、人に教えてみたい、頼りにされたいという気持ちを強くもっていたのです)。教わる側の少年たちも、変わっていきました。自分と同じ立場の少年から出される問題に答えられないのでは面目がないのでしょう。まじめに取り組むようになりました。図形の模写から知る、発達の目安最後に、子どもの発達が遅れていないか、ちょっと不安という親御さんへ。不安を抱えつつ、かといって、知能検査を受けさせるのも抵抗がある…そんなとき、発達の程度に目安をつける簡単な方法をお伝えします。お子さんに次のような正方形、三角形、ひし形を、見本を見ながら書かせてみましょう。Upload By 宮口幸治正方形は4~5歳、三角形は5~6歳、ひし形は7~8歳くらいまでに描けることが目安です。これらが描ければ、さらに次のような立体図や蜂の巣も書かせてみましょう。Upload By 宮口幸治立体図や蜂の巣は、8~9歳くらいまでに描けることが目安です。これらの図形が、該当する年齢を超えても描けないことが明らかであれば、そのときは念のため、発達専門外来や教育センターなどでご相談されることをお勧めします。適切なサポートで子どもの力は伸ばしていけるUpload By 宮口幸治発達や学習の遅れがあったとしても、適切なサポートをすることで、お子さんの力を伸ばしていける可能性があります。たとえば上の絵は、コグトレ前後の変化を示すものです。学校の勉強についていくのがしんどいと訴えていた中学生が、見本の立体図を見ながら写した絵です。4ヵ月コグトレをしたところ、図の立体感が増し、かなり正確に写せるようになりました。その子は、小学生の頃から黒板を写すこと、漢字を覚えること・書くことに苦手さをもっていました。コグトレ後は、正確に形を覚える力・見る力(形の輪郭や構成も)が増したのでしょう。立体図の模写ばかりでなく、漢字の読み書きも上達しました。紙と鉛筆があれば今日から始められるコグトレで、まずは学習の土台づくりをサポートしてみてはいかがでしょうか?
2020年07月22日娘に「生理」がきたら…広汎性発達障害の娘は、小学4年生。初潮を迎える時期が近づいてきました。娘は感覚が過敏な特性があるので、『生理』がきた時、どうなるのか…母親として気になって仕方がありません。Upload By SAKURA定型発達でも、わが子に「生理」について教えるのは難しいものです。それが発達障害がある娘となると、どうなるのか…パニックを起こすのではないか…ナプキンの感覚を嫌がるのではないか…生理について子どもに話すのは、私にとっても初めての経験です。その時うまく教えることができるのか、という不安があります。思い出してみる、自分の時のこと…。そこで、自分の時のことを思い出してみました。あれは小学生低学年のころ…私は初めて、家のトイレでナプキンを見つけました。Upload By SAKURA母に「これなに?」と聞くと、『気にしなくていい』と言われました。その時の私はそれをオムツだと思い、なんとなく「聞いてはいけないことなのかもしれない…」と、それ以上親には聞きませんでした。そして、小学5年生の時…私は初潮を迎えました。下着に突然血がつき、びっくりして、何かの病気かと思い、トイレで悲鳴を上げました。Upload By SAKURAかけつけた母に「あら!おめでとう!」と言われ、その時初めて『生理』を知りました。母からナプキンの使い方を教えてもらいましたが、初めての感覚が気持ち悪く、お腹も痛い…私はその不快感がおさえられずに、母に気持ち悪いと訴え続けました。私があまりにしつこいので、母に「いい加減に慣れなさい!」と怒られてしまいました。その日の夕食後、ケーキが出てきた時、兄が不思議そうに見ていて、すごく恥ずかしかったことを今も覚えています。Upload By SAKURAその後、学校で女子だけ保健室に集められ、「生理」のことを説明されました。5年生で初潮を迎えていた私の場合、学校の説明は、生理になった「後」でした。学校から説明される前に。最近は初潮が早くなっていることもあって、小学4年生ごろには学校から話があるということを聞きました。娘もそろそろ説明を受ける時期です。Upload By SAKURA私はその前に、娘に『生理』という言葉だけでも教えておこうと思いました。娘は一度聞いたことある話の方が集中して聞くことができるので、事前に話しておけば、学校でされる専門的な説明をより理解できると思ったからです。実際に見せてみる。そこで、いつもは娘と別々にお風呂に入るのですが、わざと自分の生理中に娘と一緒にお風呂に入ることにしました。娘が、流れる血に気がついた時、話をすることにしました。Upload By SAKURA私は専門的なことよりも、『生理』の意味と大切さを、娘に理解してほしいと思いました。娘に怖いこと、嫌なことだと思ってほしくなかったのです。「生理があるから、あなたたちに会えた」娘はその言葉を聞き、「へぇ~大事なんだ…」と言いました。専門的なことより、大事なことだということを教える。体の仕組みなどを理解してもらうというよりは、「生理」というものがあるということ、それが大切なものだということだけ教えたかったので、説明はここまでにとどめました。その後も、ちょこちょこ「生理」について話すようにしています。Upload By SAKURA娘にとってあまり重要ではないのか、忘れていることが多く、その度にお風呂で話した説明を繰り返しています。当時の私があれだけ気持ち悪いと感じたのです。きっと感覚過敏な娘にとっては、もっと気持ち悪いと感じるものになるでしょう。その時がきて娘がどう感じるのか、何を嫌がるのかはわかりませんが、今教えられることは教えて、その時は娘に寄り添い、本人が過ごしやすいようにしようと思っています。
2020年07月22日怪しい集団に声をかけられたピンク!お菓子につられて...6人の個性豊かなレンジャーたちは、誰かがピンチのときにも協力しあって助けに向かいます。今回はピンクが知らない人たちに声をかけられて...Upload By 荒木まち子協力しあって迎えに行こう!Upload By 荒木まち子執筆後記レンジャー漫画は、娘に「絵柄が古くさい」と指摘されて描き直すことがしばしば(^_^;)修正前の“昭和っぽいレンジャー”はダイアリーにて公開中です☆(荒木まち子)
2020年07月21日“お手伝い”ではなく“家事の分担”として家事をすることUpload By 丸山さとこお手伝いというものをどう扱うかは、各家庭によって色々あるかと思います。我が家では「お手伝い」とは“親を手伝うこと”であるとしており、一般的にはお手伝いに分類されるであろう家事は「お手伝い」ではなく単なる「家事」として扱われます。そのため、「お手伝いしていることがある」というよりは、「練習中の家事・担当している家事」があるという感じかもしれません。(学校の課題としての“お手伝い”に家事が含まれていることはコウに説明しています)生きている限り家事は現れる!Upload By 丸山さとこ子どもの頃は「する子もしない子もあり、できればした方が良いが、しないこともまた子どもらしい」とされる家事ですが、大人になると「必要性に迫られてすること」になるのも珍しくありません。必ずしも自分で行わないといけないわけではなく、外注することもできますが、全てを外注するとなると費用もかさみます。コウには“家事は生きている限り発生するものである”と説明した上で、「大人になった時に突然『大人なんだからできて当たり前』とされるのと、今の内から少しずつ練習しておくの、どっちがいい?」と聞きました。「必要に迫られることで身が入ることもあるし、今の内からしておいた方が楽だとも言えるし、どっちもアリだと思う」と伝えると、コウは「僕は今の内から練習した方が楽なタイプだな」と答えたので、家事を少しずつ教えていくことになりました。できることを少しずつ増やしていこうUpload By 丸山さとこ家事という作業の良いところは、スモールステップで関わっていくことができるところかなと思います。とはいえ、比較的簡単なタオルたたみであっても“布をつまんで畳む”という微細運動が苦手な場合は難しいだろうと思います。空間や布のボリュームを把握する必要もありますし、畳むことはできてもぐちゃぐちゃかもしれません。けれど、ぐちゃぐちゃなタオルであっても使う上では問題ありません。もしそのままでは収納場所に入らないのであれば、問題を共有してから「一緒に練習しよう」と言うこともできますし、収納の仕方を変えることで対応することもできます。もしタオル畳みは簡単にできるのであれば、靴下や下着→ズボン→シャツと少しずつ畳むものを複雑にしていくこともできます。もしそれらの物を畳むことがいつまでたっても難しかったとしても「自分の服はハンガーにかけて管理することもできるよ」という選択肢を提示することでプレッシャー無く取り組むことができました。家事によくある“物を運ぶ動作”は、簡単なこと?Upload By 丸山さとこコウは、食べ物を盛った食器や数冊積んだ本などを運ぶのが苦手な子でした。“手に持ったものを意識しながら歩く”ことが難しく、持っている物を意識すれば壁や家具にぶつかり、歩くことを意識すれば食器が傾いたり本を落としたりしてしまうのです。食器が傾けば食べ物がこぼれますし、本を落とせば本や床が傷むため、コウもショックを受けたりパニックになったりします。一度そうなるとコウのケアをしながら事後処理をすることになり、親の負担も増えがちです。Upload By 丸山さとこですが、タオルであれば落としても安全ですし、落ちたタオルをただ拾うだけでOKです。落ちた衝撃で畳んだタオルが開いたとしても、もう一度畳めば良いだけです。それでもコウにとってはストレスになりますが、経験を重ねていく内に「落としても拾えば大丈夫なんだ」「開いちゃったけど、もう一回畳めばいいね」と思えるようになっていき、パニックにならずに対応できるようになりました。一度に手に持って運べる量が分かってきたら、「これはカゴで運んだ方がいいな」「このくらいならカゴを使わなくてもいいな」と判断できるようにもなってきました。すごい進歩です。家事をすることで、思わぬ副産物も?Upload By 丸山さとこ思わぬ副産物として、「お母さん、タオル畳むの早くて上手だね。流石だね」「お母さんは一度にたくさんタオルを運べて凄いね」と、私のことを褒めてくれるようにもなりました。「そう?ありがとう」「コウも、きっとこれから上手になって、お母さんくらいできるようになると思うよ。もっと上手になっちゃうかも。」と言うと、「そうかなぁ」と言いながら嬉しそうにニコニコしています。今の時間も将来の為の備えも、どちらも大事にしていきたいなと思いながら、時々一緒にタオルを畳んでいます。その時間が、コウにとってただ面倒なだけでなく、少しでも温かなものであったらうれしいなと思います。
2020年07月20日熱心な無理解者に苦しめられて『発達障害に生まれて』(松永正訓著/中央公論新社)ノンフィクションのモデルの立石美津子です。障害のある子どもを育てていると、熱心な無理解者に出あうことがあります。・「障害というハンディがあるのだから、今、辛くても頑張らせることが本人の将来のため、それが愛情だ」と思っている。・こだわりはわがままの一種なのだから、応じてはならないと思っているところがある。・努力すれば必ずできるようになると信じて疑わないところがある。・苦手を克服させようと必死に努力させ、何でも一人でやらせようと試みる。・「どうやったらこの子は○○ができるようになるのだろうか」とできないことばかりにスポットを当てがち。・偏食を徹底して直そうとする。・本人にとって難しいことであったとしても、みんなと同じことができるようにさせようとする。・本人の意図を考えずに才能を開花させようと躍起になりがち。・「やればできる」と過度な期待を抱きがち。・「障害にともなう困難の改善」ではなく、「障害そのものの克服」を目的にしているところがある。子どものことを思ってくれているのはわかる、熱心に支援をしてくれようとする…でも、こうした行為は子どもを苦しめてしまうことがあります。熱心な無理解者という言葉は、児童精神科医の故・佐々木正美先生が提唱された言葉で、私の知人でもある公認心理師、臨床発達心理士、特別支援教育士スーパーバイザーの川上康則先生も「発達障害のある子どもについて【無理解・誤解・理解不足】などの状態にもかかわらず、熱心と言われるくらいの積極的な指導・支援を繰り返し、かえって当事者の状態を悪化させてしまう人のことを指す」とおっしゃっています。たしかに、熱心であることは非常に重要です。しかし、「本人のため」「良かれと思って」の部分が前面に押し出されてしまうと、本人にとっては「苦行」のように感じられるのではないでしょうか。自閉症の息子も、療育施設で苦手な音の克服の訓練をされた結果、その施設に行くことすら怖がるようになってしまいました。「本人のため」「良かれと思って」だけが一人歩きしない支援が必要だと常々感じています。子どもの気持ちを大切にする大人のあり方では、子どもに寄り添い、子どもの気持ちを大切にする対応とはどんなものでしょう。・できることを伸ばそうとする。・偏食を無理に治そうとはしない。・こだわりに十分に付き合い、信頼関係を築いた上で、こだわりの緩め方を一緒に考えてくれる。・大人本位の「こうあるべき」にとわられすぎない。・子どもの今の状態を受け入れている。子どもにとって安心できる人は、このような対応をしているのではないでしょうか。同じ場所で支援者によって対応が違うと、子どものさらなる混乱を招く更に困ってしまうのは同じ場所でも上記の2種類のタイプの人がいて、子どもに対して全く違う対応をするケースです。子どもは無理強いされたり、許容されたりして「何が正しいのか」がわからず混乱してしまいます。こうした状況を「ダブルバインド」と言うそうです。子どものほうも相手により態度を変える(怖い大人の前でだけおとなしくし、やさしい大人にはからかいを多く出すなど)といった誤学習をしてしまうかもしれません。これは「偏食をわがままとして許さない父と、受け入れる母」など家庭内でもおこりがちです。わがままとみなすか、こだわりと共存するか感覚過敏によって偏食がある場合、無理強いされることは、もしかしたら「芋虫を小さく切ってあげるから一かけらだけでもいいから食べなさい」と言われているような状況にあるのかもしれません。熱心な無理解者はとかく「自分だけの基準」で考えてしまい、子ども本人の苦しみ、辛さまで思い至らないのかもしれません…。とはいえ、わがままかこだわりか見分けるのが難しいこともあります。しかし、「その子が何にこだわっているか」をよく観察していると、その子にも譲れない部分があるということが見えてきます。例えば靴、同じデザインのものでないと絶対に拒否するという段階の子どもがいます。違うものを無理に履かせようとすれば自傷しパニックになることでしょう。でも、「〇〇を買って欲しい」などのわがままな要求のときは、自傷や他害よりも、その場で泣くだけといった様子が見られることがあります。安全基地の確保障害がある子どもにとって、社会にはさまざまな怖いもの、苦手なこと、わからないことがたくさんある世界のように見えるかもしれません。叱責されてばかり、無理強いされてばかりだと、自ら一歩を踏み出すことすら怖くなってしまうかもしれません。「安全基地(Secure Base)」としての大人の存在が不可欠です。「この世は怖くない、安心、安全なんだ」「先生や親は自分を脅かす存在ではない」「大人は自分を守ってくれる人間である」ということを幼いうちに十分に経験させることが大切だと思います。障害があっても、経験を積んでいけばやがて「人生には思い通りにならないこともある」ことをその子なりに体験します。大海原に出ても戻ることができる心地よい「港」のような存在がいれば航海の勇気も出ます。安心安全な居場所=安全基地さえ確保していれば、時期がきたら本人から苦手なことにも挑戦する勇気も出てきます。人生をスタートさせたばかりの時期は、特に大人との愛着形成をする大切な時期です。保護者も支援者も先生もそのことを忘れてはならないと思います。
2020年07月18日長男が苦手な「声」家族でテレビを見ていたときのこと。ドラマの一場面だったかと思うのですが、赤ちゃんがワーッと泣くシーンがありました。「あっ、しまった...」とっさに思いました。あわててチャンネルを変えようとしたのですが、後の祭り。そのシーンを見た長男は「ワーッ!」と赤ちゃん同様に泣き始めたのです。Upload By シュウママみなさん不思議に思われますよね。実は長男は赤ちゃんの声が大の苦手なんです。部屋の中であれ、街中であれ、電車、病院の中であれ、赤ちゃんが泣いていると一緒に泣いてしまうのです。当の赤ちゃんがびっくりして泣き止むほどの音量で。Upload By シュウママこうなると厄介なことになるのです。何度言っても泣き止まない。ため息つきつつ、理由を聞いてみたら「赤ちゃん、もう泣いてないよ」「もう大丈夫だよ」背中をさすってあげても長男は泣くばかり。正直、私もなんでそんなことで...とイライラしてきます。はあっとため息をつきながら、なんとなく聞きました。「ねえ、何でシュウが泣くの?」すると長男は泣きながら「かなしいから」とつぶやいたのです。Upload By シュウママまさかの答え。会話が成立している!びっくりしました。おお、長男が自分の感情を言葉で表現することができている!しかも「何で泣くの?」→「悲しいから」(それはそうかもしれないけれど)会話が成立しているではないか!大げさかもしれませんが、感動してしまいました。「よく気持ちを話してくれたね。えらかったね」そう声をかけ、頭をなでると長男はちょっぴり嬉しそうにしていました。諦めないで聞いてみることも大事。心はちゃんと成長している「あれは何?」→「飛行機」、「服着替えようね」→「イヤ!」という簡単な会話のキャッチボールは今までもできていました。けれど名詞でないもの、例えば「寂しい」「嬉しい」といった形容詞を使うのは、重度自閉症である長男にとって、とても難しいことなのだと以前に発達専門の先生からは言われていたのです。Upload By シュウママそのため、長男の口から出た「かなしい」という言葉がとても嬉しかったのです。心の中にある感情を頭で整理して言葉にするということは難しいことだと思います。特にパニックを起こして泣いているとき、本人の頭の中は嵐が吹き荒れていることでしょう。けれど、どうせ無駄だと思わずに心の声に耳を傾けてあげると、ちゃんと応えてくれることもあるのだと知りました。なかなか目に見えにくいけれど、少しずつ成長しているんだなと思ったできごとでした。
2020年07月15日STEAM教育って何?
子育て楽じゃありません
細川珠生のここなら分かる政治のコト