「発達障害」について知りたいことや今話題の「発達障害」についての記事をチェック! (52/98)
「障害があるお子さんの将来について考える」動画公開障害がある子や、発達が気になる子の将来について考えるときに気になる「お金」「仕事」「暮らし」のこと。具体的にどのような制度やサービスがあるのか、今から備えておきたいことは何か。「親なきあと」をテーマに全国各地で講演活動をされている、行政書士の渡部先生に分かりやすくお話しいただきました。障害があるお子さんについて、一番気がかりなのは「お金」という方も多いのではないでしょうか。渡部先生によると、「たくさんのこすこと」よりも、「のこし方」が大切とのこと。お金がお子さんのためにしっかり使われる仕組みにはどのような選択肢があるのか、具体的な「のこし方」についてヒントをいただきました。――こんなキーワードが気になる方へ:生命保険信託・家族信託・遺言代用信託・障害者扶養共済「働く」「暮らす」を支援するさまざまな制度やサービスがあります。主なものについて、特徴や違い、2018年4月に改正された障害者総合支援法を踏まえた最近の傾向について教えていただきました。――こんなキーワードが気になる方へ:就労継続支援・就労移行支援・就労定着支援・入所施設・グループホーム・日中サービス支援型グループホーム・ホームヘルプ・自立生活援助・重度訪問介護「成年後見制度」は、判断能力の不十分な方々を保護し支援する制度です。聞いたことはあるけれど、どういった制度か分からないという方も多いかもしれません。成年後見人には誰がなれるのか、成年後見人の選任方法や役割について教えていただきました。――こんなキーワードが気になる方へ:成年後見制度・法人後見・財産管理・身上監護「成年後見制度」と両輪の制度と言われる社会福祉協議会が実施主体の「日常生活自立支援事業」。具体的にどのような困りごとに対応してもらえるのか教えていただきました。また、「成育歴を記録しておくこと」「家族会などのつながりづくり」「離れて過ごす練習をすること」の大切さについても教えていただきました。――こんなキーワードが気になる方へ:日常生活自立支援事業・成育歴・つながりづくりスマートフォンでも見やすく!動画には、スマートフォンで再生しても見やすいように大きな文字で字幕をつけています。・移動中の電車の中で・外出中の待ち時間に・ご自宅での隙間時間にぜひご覧いただければと思います。また、動画の最後に渡部先生がお話されたことを記載した「まとめ」を設けています。ぜひチェックしてみてください。約30年間出版社に勤務後、独立。2014年行政書士、2018年社会保険労務士登録。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。世田谷区手をつなぐ親の会会長。「親なきあと」相談室主宰。著書に『障害のある子の「親なきあと」~「親あるあいだ」の準備』(主婦の友社)、監修に『障害のある子が将来にわたって受けられるサービスのすべて』(自由国民社)などがある。
2020年03月06日3人の女性当事者が語りあう。発達障害のある人生Upload By 発達ナビ編集部「女性の発達障害鼎談企画」に集まっていただいた3名の当事者の方々。3名とも成人してから診断を受け、それぞれ発達障害に関する情報の発信をされています。今回は発達ナビユーザーへのアンケートももとにして、ご自身のことから女性特有のお悩みとの向き合い方まで幅広くお話を伺いました。まずはご自身の特性や診断を受けたきっかけ、障害受容について、困難もあった人生を生き抜いてきたライフハック術などをお話しいただきました。診断を受けて服薬して、「これまで無駄な努力をしていた」と傷ついた(宇樹さん)ライターとして活躍している宇樹義子さんは、32歳のときに高機能自閉症と診断されたそう。鍼灸院で聴覚過敏ではないかと指摘されたことをきっかけに特性を自覚し、その1年ほど後に心療内科で診断を受けたそう。診断されたとき、どのような心境だったのでしょうか。Upload By 発達ナビ編集部宇樹さん――診断を受けて薬を飲み始めて1日目に、10年ぐらい悩んでいた昼夜逆転がピタッと治ったんですよ!それでものすごく救われた面と、私はその薬を飲まないと生活できない障害者なんだっていう2つの間で引き裂かれるようになっちゃって。私は今まで無駄な努力というか、頑張ってもできないことを一生懸命してきてしまったんだなっていう喪失感があって、30年分ぐらいさかのぼって傷ついた。ただ、これからどうするべきかっていうのを早く考えなきゃいけないと思って支援を受け始めました。それまでの自分の生活を振り返って納得感があった(姫野さん)姫野桂さんは、ご自身の著書のほか、発達障害当事者への取材もたくさんされています。今から約1年前に算数LDと不注意優勢のADHDの診断を受けたそう。算数LDについては小学1年生からいくら努力しても算数ができなかったことから自覚があったそうですが、ADHDについては特に自覚はなかったとか。Upload By 発達ナビ編集部姫野さん――診断を受けて、いろいろ納得がいきました。自分が算数ができないということと、ちょっと人より行動が遅いこととか。そういうことがあったんだなぁって思いました。息子の発達障害の可能性...調べてみたら、自分に当てはまることだらけ(鈴木さん)鈴木希望さんは、発達ナビでもおなじみのライターで、自閉スペクトラム症の診断があります。Upload By 発達ナビ編集部鈴木さん――息子が可能性があるって言われている自閉スペクトラム症とADHDについて調べたときに、これは私じゃないか!と思ったんですよ。息子より私の方がこれは強くないか?と。診断については、「努力不足や性格の問題ではないことが分かって嬉しかった」とおっしゃっています。もともとてんかんがあることから、発達障害の診断についても抵抗はなかったそうです。支援を受けることに後ろ向きな人へ――考え方ややるべきことは?3つのアイディアUpload By 発達ナビ編集部自身の障害を受け入れて生活されている3名ですが、当事者や家族のお悩みとしては、「周りと違うことに抵抗感が強く、受容できない」「支援を拒否してしまう」といったケースもよく耳にします。自身の特性を受け入れて、支援をうまく活用しながら生活していくにはどうしたらよいか、アドバイスを伺いました。姫野さん――得意なことも具体的に書き出してみるとよいですね。友人が就労移行支援を利用して最近就職したのですが、その友人は今まで接客業が多かったから自分は接客が向いてると思ってたらしいんです。でも就労移行支援事業所でのワークで適性を見てもらったところ、マニュアルがあれば大丈夫だと気づいたらしくて。そういうふうに、”自分はこれがあれば大丈夫”っていうのが分かると、なんだか前に進めそうな気がしますね。宇樹さん――抵抗感が強いのは分かるんですけど、その抵抗感の中にいたらずっと自分が被ってきた損をこのまま被り続ける。でも勇気を出して踏み出してみたら、もうちょっと楽に生きられるようになるかもしれない。自分のためなんだとなるべく考えるようにすればいいのかなと思います。また、支援を受けるにあたっての「情報収集」の大切さについては、3名ともがお話しされていました。宇樹さん――それまでに結構、発達障害の人ってズタズタに傷ついているんですね。人によっては助けてもらおうとして誰かに頼って裏切られてってことを繰り返してきているので、なかなかそこから出ていくのって難しいと思うんですけど、まずは情報を手に入れること。支援者はいろんな人がいて1人ダメだったら他の人にどんどん当たればいいんだということ、支援機関もどこがダメだったら他のところにどんどん当たればいいんだっていうこと、そういうあたりを知ること。鈴木さん――ご自身が障害を受け入れられないっていう方もそうだし、ご家族の理解を得られない場合も人と繋がるというか、情報を得られる方法とかが分かれば。姫野さん――SNS時代なのでクチコミかなぁと思っていて。病院を探していた友人に相談をされたことがあって、私も病院のことはよく知らないので、とりあえずそういう発達障害系の自助会とかをひらいている方にSNSで相談をしたらいろんな人に聞いてくれて、いろんな病院のリストが集まったっていうこともありました。Upload By 発達ナビ編集部障害や自身の特性をどう捉えて受容していくか、その考え方のポイントも参考になりますが、情報収集を幅広く行い、どんな支援が受けられるのかをまず調べてみることも大切だと実感されているようです。日常から仕事まで!3人が教えてくれた7のライフハックご自身が障害を受容したあと、こういう工夫をしたら生きやすくなったなど、具体的なライフハック術についてもいろいろとお話しいただきました。まずは姫野さんから。姫野さん――私は確定申告がボロボロだったので、税理士さんをつけてお金で解決しました!できないことはできないって認めていろいろ人に頼っています。姫野さん――忘れ物を結構しちゃうので、玄関に100円ショップで買える小さいホワイトボードを貼って、そこにいつも持っていくものや必ず持っていくものを書いて、家を出る前にチェックして忘れ物対策をしています。これについては鈴木さんも同様の方法を取り入れていました。鈴木さん――忘れ物しないように、うちは貼り紙だらけなんですよ。よく息子が玄関の鍵を閉め忘れるので、もう”鍵を閉める!鍵を閉める!鍵を閉める!”みたいに、めちゃくちゃいっぱい紙が貼ってあったりとか。目に付くところにとにかく貼り紙を。姫野さん――仕事では基本ノートパソコンを使いますが、家で仕事をするときは27インチの大きい画面に映して作業します。そうすると誤字脱字を防ぎやすいです。宇樹さんは先端技術をいろいろと取り入れて生活をしているそうです。宇樹さん――「タイマーをかけて」とか言えば、手で操作しなくてもタイマーをかけられたりして便利です。Upload By 発達ナビ編集部宇樹さん――活動量計っていう、自分の心拍数とかのログをとってくれて、自分の体力の残り具合とか今のストレスレベルとかを計ってくれる機械を愛用中。主治医に体調を伝えるときにも活用しています。鈴木さんは、身近な人と苦手をカバーしあっています。鈴木さん――息子が私と正反対で、数字にすごく強いんですよ!お互いちょうど得意なことや苦手なことが逆だったりする。なので、数字を見間違ってないか確認してもらったり。私の母も、“覚えのないところから郵便が来たんだけど、これは詐欺ではないか”みたいな不安があると、私が実家に行って確認したり。とにかく相談できる相手と確認するようにしています。鈴木さん――気になることは書いて主治医のところに持って行って、「コミュニケーションの中でこの反応はどうだったんだろう」とか、そういうことも含めてこまめに相談するようにしています。貼り紙をすることや家族と確認しあうことなど、日々気をつけたいことへの対策は日常生活の中にしっかり落とし込んでいるようでした。そしてお話しいただいた中でも、宇樹さんの「先端技術の活用」には他のお2人も興味津々で盛り上がりました。忘れがちなタスクは機械に頼って管理したり、見えないものを見える指標で計るようにしたり...最近はスマホアプリなども本当にさまざまな種類があるので、自分の苦手に合ったものを探してみるのもよいかもしれないですね。ここまで、まずは性別に関係なく、当事者としてのご自身のことや生活術を伺いました。次回は女性ならではの話題にも切り込んでお話を伺っていきます。今回お話しいただいた内容はyoutubeでも公開中。コラム文面に乗り切らなかったお話もご視聴いただけます。
2020年03月04日発達凸凹長男に合う中学校探しスタートUpload By スガカズ6年生になっていよいよ小学校卒業が近くなり、この子に合った学校はどこだろう?と考える様になりました。近くの公立中学校は、活発なお子さんが多く、またクラス数も多いため、もの静かなタイプの長男が通っているイメージがわきませんでした。そのため、通える公立(4校)に加えて、私立も候補に入れて考えはじめました。Upload By スガカズ長男の性格からすると私立の方が合っていそう…。ただ、親の希望が固まったとしても通うのは本人です。それに、希望の学校があったとしてもそこに通える保証はありません。ある程度のメリットデメリットを把握して、本人に選ばせることにしました。Upload By スガカズ大事な話し合いは紙に書くと、スムーズにいきますね。実はこういった話になる前に、長男はとあるフリースクールに興味をもっていました。そこでは普段何らかの理由で学校に通えないお子さんが、社会で働くためのスキルやコミュニケーション力を学べました。また、当時本人が気になっていたプログラミングも学べるとのこと。長男は通いたい!と言っていました。ですが毎日学校に通っている長男は入ることができません。残念そうにしていました。そんな経験からか、中学校ではやりたい事ができる学校に通いたいという想いがあった様です。Upload By スガカズどの学校を受験する?学校選びを本格化長男は、「残り少ない1年間で受験勉強をがんばるから私立中学に通いたい」と言いました。こうして、全てが初めての二人三脚が始まりました。長男が私立中学受験を決めたのは5月が終わる頃でした。受験本番まで8ヶ月しか無いため、私は中学受験に対応した個別指導の塾や学校選びに奔走しました。また、学校選びも本格的にスタートしました。息子のような特性があっても受け入れてもらえるのかという疑問があったので、一番気になる学校に入学が可能か確認を取りました。事前に合同相談会で子どもの特性を説明し、実際に足を運び再度確認を取ったり、過去の事例などを伺いました。情報を集める中で主に2つの学校に長男も私も魅力を感じました。Upload By スガカズ1つ目の中学校は…●個性や自立を大事にする校風●生徒と先生との距離が近い●個性的なお子さんが多く、人間関係が良さそう長男は1つ目の学校で「みんな楽しそうで自分に合っていそうだから、この学校に行きたい」と言っていました。説明会の時の副校長先生の話が印象的でした。「個性は“かっこいい”という意味を表現するために用いられる事もあるが、うちでいう個性とは、“変わり者として捉えられる”、“普通になれない”という意味です。そんな中で子どもたちがお互いの個性を理解し合う教育に力を入れています。」つまり、発達障害があってもなくてもそれをひとつの個性とし、特別な対応は取らないが、自分を理解してもらい、他人も理解する環境であるということでした。この学校に通うと、のびのびと自己肯定感が高い子に育つと感じました。2つ目の中学校は…●ものづくりが好きな子が多い●部活動が魅力的●親が学校での出来事を把握しやすい●勉強の進め方が合っていそう長男は2つ目の中学校に「ものづくりが好きな自分に合ってる。優しい子や先生が多い。この学校も通いたいなぁ。」と言っていました。長男は見通しをつけるのが苦手なのですが、この学校では、見通しや振返り、基礎学習能力を身につけるための工夫やツールが用意されていました。通級の個別で指導していただいたことと近いと感じました。こちらも特別な対応はありませんが、ゆっくり学ぶ長男に合っていそうでした。両校違った魅力ですぐに決められませんでしたが、1つ目を第1希望、2つ目を第2希望に選びました。長男の希望する学校はどちらも2科目受験が可能でした。2つ目の学校は、午前受験は国語・算数・理科・社会の4科目で倍率も午後受験に比べると低いのですが、4科目のうち点数の高い2科目の合計で決まります。受験勉強でも、苦手な教科を含めた4科目すべてに注力するのではなく、力を入れる教科を決めて取り組めばよいことで、受験勉強を小6になってから始めた長男にとっても負担が少なくて済むと感じました。Upload By スガカズとは言え、公立の学校選びも必要子どもが通いたい私立学校が決まったとしても、公立の学校に通う場合のことも平行して考えないといけません。次回はどのようにして(4つある)公立の学校の中から進学してもよいと思える中学校を選んだのかをお話ししたいと思います。
2020年03月02日全国の小・中・高校、特別支援学校が休校へ――2020年2月27日の政府要請2020年2月27日、安倍総理大臣から、学校での感染リスクに備えるためとして、2020年3月2日から春休みまでの臨時休校の要請を行いました。これを受けて、各自治体は臨時休校とするかの判断を行うこととなりました。参考:新型コロナウイルス感染症対策のための小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校 等における一斉臨時休業について(通知)障害がある子の昼間の居場所は――放課後等デイサービスは開所される?発表の翌週月曜からの休校要請となり、共働き世帯や、障害のある子どもを育てる世帯からは不安の声もあがっています。そのような状況も鑑みて、厚生労働省からは、保育所や放課後児童クラブ(学童保育)について、開所の方針が出されました。また、放課後等デイサービスについても、開所の方針が出されています。幼児児童生徒の受入れに当たって は本人・家族又は職員が本人の体温を計測し、発熱が認められる場合には利用を断 る取扱いとし、過去に発熱が認められた場合にあっては、解熱後 24 時間以上が経過 し、呼吸器症状が改善傾向となるまでは同様の取扱いとすることを改めて周知すること。「新型コロナウイルス感染症防止のための学校の臨時休業に関連しての放課後等デイサービス事業所等の対応について」より参考:新型コロナウイルス感染症防止のための学校の臨時休業に関連しての 放課後等デイサービス事業所等の対応について(その2)参考:新型コロナウイルス感染症防止のための学校の臨時休業に関連しての 放課後等デイサービス事業所等の対応について(その3)合わせて、感染症予防についての対応をとるように示されています。放課後等デイサービスについては、特別支援学校等に在籍する障害のある幼児児 童生徒(以下「幼児児童生徒」という。)が利用するものであり、当該幼児児童生徒 には、保護者が仕事を休めない場合に自宅等で1人で過ごすことができない幼児・児童生徒がいることも考えられることから、感染の予防に留意した上で、原則として 開所していただくようお願いするとともに、開所時間については可能な限り長時間 とするなどの対応をお願いすること。「新型コロナウイルス感染症防止のための学校の臨時休業に関連しての放課後等デイサービス事業所等の対応について」より実際には、放課後等デイサービスや児童発達支援事業所の開所については、各自治体や、各事業所の判断によると思われます。自治体判断による学校での預かり等、その他の対応についても各地域によって異なる可能性もあることから、お住まいの地域での対応を確認する必要があります。また、放課後等デイが開所しても、午前中からの開所が難しい、預かり時間が短い、支給日数が少ない等生活に影響がある場合も多いと思われます。また、保育所で多数の発症や近隣地域での流行がある場合等、都道府県の要請や、市区町村の判断によって保育所が臨時休園となる可能性もあります。参考:保育所等において新型コロナウイルスが発生した場合の対応についてみなさんのご家庭の状況は?アンケートを行っています発達ナビユーザーの皆さんのご家庭での状況について伺うアンケートを行っています、ぜひ「こんなことが困っている」「こんな風に対応している」等、皆さんの状況について教えてください。お子さまへの視覚支援ツールとしても。情報が届きにくい方向けツールUpload By 発達ナビニュースLITALICOチーフエディターがまとめた「新型コロナウイルス情報が届きにくい方(子ども・外国語話者・視覚/聴覚障害等)のサポート・不安のケア」記事では、コロナウイルス対策として視覚支援にも活用できる資料のダウンロードも可能です。参考:新型コロナウイルス、情報が届きにくい方(子ども・外国語話者・視覚/聴覚障害等)のサポート・不安のケア放課後等デイなど、発達支援施設での対応は?新型コロナウイルスに関する最新情報を配信LITALICO発達ナビでは、新型コロナウイルスに関する最新情報や、発達支援事業所向け情報などをまとめたサイトを運営しています。サイトには随時最新情報をアップする予定です。こちらもぜひご活用ください。
2020年02月28日かなしろにゃんこ、「LITALICOジュニア幕張本郷教室」へ!幼児教育が無償化になってお金の心配をせずに児童発達のお教室を利用できるようになりました。児童発達支援もその対象となり、「どんなことをするのかな?」と興味を持っている親御さんも多いのではないでしょうか。とはいえ、どんなところか気になるけれど、わが子が通えるか心配で…と不安になり、見学してみる勇気が出ないという方もいると思います。Upload By かなしろにゃんこ。そこで、かなしろにゃんこ。が、どんな場所なのか!?児童発達支援を行う「 LITALICOジュニア」の教室の様子をレポートしちゃいます☆この日訪問したのは、3つのお部屋がある幕張本郷教室。先生は全員で11人!障害福祉や児童福祉の実務経験のある先生が幼児に優しく指導していました。ジュニア幼稚園の先生からの言葉をきっかけに、教室に通うようになったレン君Upload By かなしろにゃんこ。さっそく、教室に通いはじめて2年目の年長の男の子レン君、2歳の女の子リリちゃんのお母さまにお話を聞いてみました。「LITALICOジュニア」に通うことになったのは、幼稚園での出来事がきっかけでした。家ではそういう困った行動がなかったので担任の先生からの言葉に「うちのレンが発達障害!?」と困惑したけれど、発達障害について調べていき診断を受けてみることにしました。いろいろ調べるうちに、発達障害は治るものではないと知って「じゃあどうするか!?」と、夫婦で相談しました。そして、就学前にある程度苦手なことをトレーニングでできるようになれないか?」と調べるうちに、LITALICOジュニアの教室のことを知って、通うことにしたのでした。LITALICOジュニアでは、一人ひとりに合わせたさまざまなプログラムがあり、子どもそれぞれの課題に合わせて先生がおもちゃや教材を用意してくれます。子どもそれぞれに支援計画が設定されているそうで、LITALICOジュニアの教室では、6か月ごとに目標を設定して、それに合わせて無理なく取り組めるプログラムを作ります。レン君は「先生の指示に従うことが難しい」という課題があったので、教室の先生にそれを伝えるとレン君に合わせたプログラムを用意してくれました。レン君はブロックが好きな元気な男の子。同じ年の子どもたちと一緒にトレーニングを受けても楽しく過ごせるので、複数人でのグループで、“先生の出した簡単な指示通りに行動する”というトレーニングを受けました。Upload By かなしろにゃんこ。“マット運動をした後に平均台をする”という指示を聞いて、その通りできるかチャレンジ!現在は、5回の指示のうち2~3回は指示を聞いて行動できるようになったそうです。教室に通うようになってから、幼稚園でお友達とぶつかってしまうことがあっても、以前ほど揉めずに感情のセーブができてきて解決がスムーズになったと幼稚園の先生から報告を受けたそうです。こんなことからもレン君の成長を感じたそうです。幼稚園のクラスは人数もたくさんいますが、教室では少ない人数で「みんなと一緒」「先生の指示をよく聞く」ことを意識して、取り組むことができます。そういう経験を積むことで、幼稚園でも気持ちのコントロールができるようになってきたんでしょうね。来春、小学校に入学してからの学校生活でもトラブルが起こらないか心配だったのですが、先生の指示通りに行動できるようになったり、お友達と仲良く遊べるようになってきたので、親御さんの心配事も以前より軽減され、レン君の将来に希望が持ててきたそうです。レン君の2歳になる妹のリリちゃんも発達で気になることがあったので一緒に通うことにしたそうです。親御さんが、リリちゃんの発達で気になっているのは“自分で指差しなどをして意思表示をまだしない”ことなどだそう。リリちゃんはまだ2歳ということもあり、個別にトレーニングを受けています。マンツーマンレッスンで少しずつ成長!2歳のリリちゃんUpload By かなしろにゃんこ。リリちゃんは、先生とマンツーマンで感覚や感触を楽しみ、いろいろなおもちゃを触れるなかで、さまざまなものに興味を持てるような時間を作っています。カラフルなカップを積み重ねていく遊びでは指の動きや集中力を育みます。貯金箱のように細長い穴にメダルを入れるおもちゃでは、手首の動きなどを遊びながら育めるそうです。その他、トンネルをくぐる遊びやマット、ボールなどたくさんのことに次から次へと挑戦!はじまる前は眠そうだったリリちゃんですが、先生とマンツーマンで課題に取り組みはじめると、元気いっぱいになっていました。トレーニングの様子を、ipadやPCモニターで見ることができるものも安心だそう。Upload By かなしろにゃんこ。毎回のトレーニング後は保護者へのフィードバックの時間が先生とお子さんとの個別トレーニング後には「今日は何をして、どういう変化や成長があったのか」を先生から親御さんにフィードバックする時間も設けられています。Upload By かなしろにゃんこ。リリちゃんが、カプセルの中のおもちゃを取りたいけれど自分では開けにくく少し困っていたときのことです(このカプセルはトレーニング用にわざと少し開けにくいように工夫されています)。リリちゃんは、先生に「カプセルを開けて」と伝えたいけれど、まだうまく言葉で意思表示ができません。でも、“この中のオモチャを触りたい!”という一生懸命な気持ちを先生に向かって言葉以外の方法で表現することができたといいます。言葉以外での表現方法でも、相手に伝えるという経験を通して、コミュニケーションの楽しさを覚えることで少しずつ、関わりの成長につなげるそうです。レン君のお母さんは、「教室では、感覚や運動、言葉かけなどの家では味わえない刺激を繰り返してトレーニングを積めるので、少しずつ心と体が成長している」のを感じられるそうです。またお母さん自身も教室に通う他のお子さんのママ同士、お菓子とお茶を囲んでの交流会などで、日ごろの子どもの様子や悩みなどを話したりできる時間を楽しんでいるそうです。子どものためのトレーニング、保護者向け交流会、ペアレント・トレーニングと、LITALICOジュニアにはいくつものコンテンツがあるんですね。発達が気になるわが子について、一人でなやまないで相談できるというのもいいですね。親御さんのケアも福祉の中では重要です!レン君はもうすぐ就学なので、LITALICOジュニアの教室も卒業になります。その話をするとなんだか悲しそう…。大好きな教室、好きな先生やお友達とバイバイする時間が近づいていることを感じているようです。レン君が一つひとつできるようになったことを、お母さんと先生が一緒に喜ぶ姿を見て、「自分を見守ってくれている」と感じるのかもしれませんね。1年間の通所で、母子分離の練習、そしてお友達との関わりまで教室でのトレーニング時間は1コマ45分間ですが、最初からどの子も45分間トレーニングをできるわけではありません。“ここは自分がいていい場所、安心できる場所”だと感じることや、先生との信頼関係ができてきてはじめて、45分間親御さんと離れて遊べるようになる子もいるそうです。そうした例の一つとして、幕張本郷教室の秋葉千鶴先生が一番成長を感じたお子さん・Aさんのお話をしてくれました。未診断ではあるものの、自閉症傾向があるということで通い始めたAさん。最初は、お母さんと離れることができませんでした。Upload By かなしろにゃんこ。お母さんにいつもピッタリくっついていないと不安な気持ちになってしまうお子さんもいます。Aさんも慣れていない場所や人が恐くてお母さんと一緒じゃないとお教室に入れなかったそうです。最初は個別に机に座って大好きな工作をして過ごし、先生が何か指示を出すことはせず特別なケアプログラムを行ったそうです。Aさんが興味のあるものを本人の思うままに任せて過ごすというものです。スタートした当時は10分しか部屋にいられなかったのですが、10分から15分、15分から20分、20分から30分とお部屋にいられる時間も長くなっていきました。最初は10分しかトレーニングルームに入室できなかったのに、数か月後には45分間の間ずっと部屋で過ごせるようになりました!そして場所に慣れてきたら、次にお友達を作るプログラムを行いました。同じ年の子2人と同じ部屋に入って一緒に過ごします。Aさんと先生が同じ机に座り、他の2人は同じ机に座り、違う課題に取り組んでいます。Aさんは人と関わることが苦手ですが同じ部屋にいる2人のことは気になっているので、同じ部屋で過ごす日をくり返すうちに、Aさんから話しかけるようになったそうです。Upload By かなしろにゃんこ。ほんとはお友達に話しかけたかったんですね。同じ空間にいる間に、少しずつ慣れていったのでしょうか?Aさんは自分が好きなものの話を2人に話すようになったのでした。1年後、LITALICOジュニアを卒業するころにはお友達と同じ机で課題に取り組めるようになったんだそうです。Aさんは、周りの人と自分から関わろうとするように成長していったのです。「Aさんはここで成功体験を積む経験を重ねて変わっていきました。教室に通う頻度も多かったことで場所に慣れて、いろいろな先生にも慣れていきました。今は小学校でどうしているかな?」と秋葉先生は語ります。「小学校に上がると会う機会がなくなっちゃうけど、どの子もきっと元気で学校に通っているんじゃないかな?」と思うそうです。気になったらまずは問い合わせてみて発達が気になるなと思ったら、教室をたずねてみてほしいです。きっとお子さんにいい影響がありそうです♡教室に通う他のママ・パパとの交流ができるのもいいですよね!先生が子どもそれぞれに合わせて教材やオモチャを手作りすることもあるそう。「どういうトレーニングがこの子の成長にいいだろう?」といつも考えてくれている人がいるのって、とっても心強いし嬉しいですよね♡親だけで頑張らないで専門家に頼りながら子育てしていくのもいいもんだな~って思いました。一度気軽に問い合わせてみてはいかがでしょうか?
2020年02月27日空気を読むって?広汎性発達障害の娘(小学3年生)には、コミュニケーションが苦手という特性があります。小さいころは人との関わり方がよく分からず、相手の言葉を聞かず、会話が一方通行だったり、自分だけが理解している謎の文章を話したりしていました。Upload By SAKURA定期的な言語訓練や日々の療育で、少しずつ人との関わり方を学んでいき、今では会話もスムーズになった娘ですが、いまだに苦手なことがあります。それは「空気を読む」ということ。その場の雰囲気から、自分が何をすべきか…すべきではないか…相手がしてほしくないことや、望んでいることを察することです。謝って許されたら、それでいいと思ってしまう娘。たとえば、パパに叱られたとき…Upload By SAKURAいいよと言われた直後に、ケロッとして「ゲームしてもいい?」と言ってしまいます。こういった場合、きちんと謝られたらもちろん相手は「いいよ」と許すけれど、大事なものを落とされたことが嫌だったという気持ちはすぐにゼロになる訳ではありません。表情や相手の雰囲気からそれが読み取れていれば、申し訳なさそうな顔をしたり…少し時間を空けてから話しかけたりします。でも娘にとっては、「いいよって許してもらったから、もう終わりでしょ?」ということなのでしょう。空気を読む意味も、理屈もよく分からないのかもしれません。娘の特性を知っている私たちが相手なら、ある程度は容認できます。しかし、学校で友だちと同じような状況になったとき、相手の嫌な気持ちは倍増してしまうかもしれません。「空気を読む」というのは、私自身誰から習った訳でもありません。経験から少しずつ学び、あ…今のはまずかったかな…と感じたり、人の行動を見ながら状況を判断していくものです。娘も経験する中で少しずつ学んでいくだろうと思いながら見守っているとき、私はあることを思い出しました。思い出した、ある新入社員のこと…それは、私が社会人3年目の時のこと…。4月、新入社員の入社初日。その年に入社したばかりの事務の女性社員が2人、定時を知らせる5時半のチャイムが鳴った瞬間立ち上がり、荷物を持って更衣室に向かっていったのです。その日は業務が立て込んでいて、周りにはまだ忙しそうに仕事をしている先輩たちがいます。一瞬何が起きたか分からず、その場にいた同僚に「え?どこいったのかな?…まさか黙って帰ったわけじゃないよね?」と話していると…Upload By SAKURA当時、新入社員の教育係担当だった私は先輩に言われて、慌てて2人を追いかけました。「もしかして…帰るの?」そう聞くと、2人は「はい、定時のチャイムが鳴ったので」と答えました。Upload By SAKURA私が「えっと~…まだ先輩が仕事してるよ?確かに定時にはなったけど、でもこういうときはまわりを見て...」と言うと2人は、言ってる意味が分からないといった表情で、顔を見合わせてキョトンとしていました。私はうまく説明できず、とりあえず「勝手に帰ったらダメだよ。事務所に戻って。」と言いました。2人は私と一緒に事務所に戻りましたが…Upload By SAKURAそのあとキョロキョロしながらときどき私を見て、どう帰ったらいいか迷っているようでした。習っていないから分からなかった。初めての経験に私もパニックになってしまい、どうしたらいいかしばらく考えてしまいました。そして私は、自分が入社するときに社員研修で言われた言葉を、そのまま彼女たちに言うことにしました。Upload By SAKURA私は当時、なぜこんなことを言わなければならないのだろう…社会人なんだから分かるはずだ…と思っていました。しかし、娘が生まれてコミュニケーションを苦手とする特性を知り、空気が読めない…対応がわからず困る…といったことを間近で見ていると、あの子たちも悪気があったわけではなく、それを習っていないから分からなかったのだと思いました。相手の気持ちを読むことを、一緒にやってみる。私は、将来娘が社会に出たときに困らないよう、子どものときからある程度は教えよう!と思いました。しかし「空気の読み方」というのは、説明してもかなり抽象的。「空気を読むってなんなの?どういう意味?」と聞かれても、Upload By SAKURA私自身がちゃんと説明できない状態。どうやって説明したらいいんだ…と考えながら気がつきました。Upload By SAKURA教えるの、"パターン"だ!それと、具体的な対処法だ‼たとえば、誰かを怒らせてしまったとき、「いいよ」という言葉を言われたとしても、相手はまだ完全には許していないかもしれません。すぐに話しかけたら嫌な気持ちがまだ残ってるかも。この場合は...Upload By SAKURA相手の気持ちを想像し、具体的に対応を指示しました。それに慣れたころ、今度は顔を見てから話しかけよう!と相手の顔を見るように教えました。夫に協力してもらい…Upload By SAKURA本来ならちょっと考えられないシチュエーションをつくり、相手の顔色を確認することを教えました。さらに、私の取り込み中に、娘がどうでもいい話題で話しかけようとしていたら…Upload By SAKURA夫が先手を打ち、空気を読むように促してくれたりします。私たちができることは…空気を読む状況は、もちろん1つ教えればいいわけではなく、様々なパターンがあります。私たちにできることは、空気を読む!という状況になったときに、状況を声に出して説明し続けること。そうすることでいつか…大人になったときでもいい、一人で状況を読まないといけないときに私と繰り返した日々が少しでも思い出されて、ほんのわずかでも娘の助けになればいいと考えています。
2020年02月26日いつの間にか散らかる...凸凹家族が暮らす家我が家では私がものを持ちたがらないこともあり、"片付いていない"といっても床が見えないくらいゴミで埋まっているほどではありません。子ども達も自分のものにはこだわりがあり、買うときに厳選するので持ちものの数は多くありません。Upload By 寺島ヒロ自分のものと認識しているものはキーボードやiPadや本など趣味のものと布団、学校の教科書だけ。カバンも財布も靴も1つずつしか持っていません。自分が選んで購入したものは自分のものと分かっていてそれなりに散らかさず管理していますが、"一時的に自分の元にあるもの"は管理が難しいようです。例えば、学校から来たプリントや、宿題の束、お母さんの棚から持ってきた本、家族共用の充電器などは、その辺に置いて忘れてしまいがち…。Upload By 寺島ヒロ見つけたときに私が処理すればいいのですが、そこにあるものが使いかけなのか、使い終わって片付け忘れた状態なのか、見た目では状況判断ができず…。更に夫にはその辺にあるものをなんとなく手に取って移動し、他のことが気になったところで手から離す癖があります。ええ、もちろん手から離すときにはその下に何かが隠れることなど考慮していません。そういうことが積み重なって散らかっていくのですね。気づくと不潔に!?見えていないものをすぐに忘れて...それでも散らかっているだけなら、大した問題ではないのです。問題は散らかっていると、ものに隠れたものが見つからなかったり、隠れているところの掃除が行き届かず不潔になったりすることです。私は、目の前のものを整理整頓したり拭いたりすることはまあまあできますし、一度見たものの風景をある程度覚えていられます。息子も娘も同様です。なのでものをなくすことはあまりありません。問題なのは「不潔」のほう。実は私には「見えていないものをすぐ忘れる」という特性があります。すぐ忘れるというのがどれだけすぐかと言うと、「鍋にふたをすると何を煮込んでいたか忘れる」レベル。自覚は薄いのですが、おそらくワーキングメモリに問題があるのでしょう。電子レンジや炊飯器にピー!という音を付けた人にノーベル賞をあげてほしいと常日頃から思っています。Upload By 寺島ヒロ冷蔵庫の中身もそもそも冷蔵庫のドアを開けないので管理ができず...いつしかその日のうちに使ってしまう分しか食料品を買わないようになりました。普段冷蔵庫に入っているのはバターとマスタードの瓶、後は氷が一年中ゴロゴロと入っている(自動で作られるので)だけです。洗濯機も洗濯していたことを忘れていて夜に気づいて洗い直すことも多いですし、フタのある戸棚も中身の管理ができません。タンスの中に入っているものもよく分からないので、多分子どもたちの服は着られないサイズのものが大半を占めていると思います。ものの絶対数が少ないのであふれてはいませんが、地層のようになってしまい、収納なども全く活用できないのです。以前頼んでいた生協の宅配も、荷物がフタつきの発泡スチロールに入ってやってくるので解約してしまいました。Upload By 寺島ヒロたまたま見かけた便利グッズに発想転換のヒントが!ところが、5年ほど前のある日…Upload By 寺島ヒロ私は手にネトッとしたものが触るのが大変キライで、三角コーナーの掃除も怠りがちでした。しかし、その便利グッズを目にしたとき、私は気が付いてしまったのです。「入れ物を活用するのがそんなに大変なら…失くしてしまったらいいんじゃない!?」収納も家電も...使いこなせないものは、思い切って撤去してみたそれから、2度の引っ越しを経て、フタのあるものをリストラし、なるべくフタのないものへと取り替えました。Upload By 寺島ヒロさらに昨年の春にもう一度引っ越した際、アパートの目の前にスーパーとコインランドリーがあるのを見て、ついに冷蔵庫と洗濯機もリストラしてしまいました。不便が出てきたらまた買えばいいと思って始めたのですが、あれから1年、意外と困っていません。暑い夜にどうしても冷たい飲み物が欲しくなり、駅前のコンビニまで行ったことがありましたが、それも2~3回のこと。このために365日、家にあんな大きな箱を置いて冷やし続けていたのかと思うと、逆に不思議です。大きなフタの付いた箱を家から撤去してみると、家の中に死角が少なくなり、とりあえず隠しておいた段ボール箱などを捨て忘れることも無くなり家の中がスッキリしました。ついでに、吸い込んだゴミが溜まっていることに気がつかず、ゴミパックを開けるたびに大変な思いをしていた掃除機もやめてしまいました。皆さんはご存知ですか?ゴミパックの限界を超えて掃除機をかけようとすると、全く吸い込まなくなるんですよ!しかもそうなってから不用意に掃除機を開けると、紙のゴミパックがぽんって爆発するんです!!(涙)掃除機があるときは「掃除は掃除機を使ってするもの」と思い込んでいたのですが、なくなってからよく考えてみるとわが家はみんな掃除機の音がキライで、掃除機をかけている間歯をくいしばって耐えていたのですよね。私もあの「ブィィイイイ~ン」という音を我慢して掃除機をかけていたのですが、ホウキに替えたことでその音のストレスから解放され、以前よりこまめに掃除をするようになりました。習慣を疑ってみると、新しい発見があるかもわが家のように「便利なものでも世話ができないものは使わない!」と何もかも排除していくのは、誰でも使えるライフハックではないと思いますし、私も決しておすすめはしません。しかし自身に発達障害があったり、発達障害のある子どもを育てていたりすると、家をキレイに保つということが鬼難度だったりします。もし日々の片付けや掃除で消耗していると感じたら、「もしかしたらこの作業、丸ごとなくてもいいんじゃないか?」と疑ってみるのも、たまには良いんじゃないでしょうか。
2020年02月25日アルバイト経験で「ほう・れん・そう」が少しずつできるようになってきた息子Upload By かなしろにゃんこ。人にうまく話を伝えることができなかったADHDと広汎性発達障害がある息子リュウ太ですが、16歳からラーメン屋とスーパーマーケットの陳列のアルバイトを経て、失敗の報告、商品の状況や状態を先輩や責任者に適切に連絡することが、少しずつできるようになっていきました。「21歳になった息子にアルバイトの経験で『ほう・れん・そう』ができるようになった理由について聞いてみた!」第2弾です。「働き始めたばかりのときは自分から『ほう・れん・そう』なんかできないよね。聞かれたことに答えるので精一杯だし」という21歳のリュウ太。「場所や人に慣れてから、自分の仕事の優先順位を考えるようになって、『ほう・れん・そう』や提案もできるようになったな~」と言います。職場でのコミュニケーションも、やるべきことの優先順位を考えるのも、発達障害のあるリュウ太にとっては苦手要素が多く全部いっぺんにはうまくいかなかったようです。心配要素多数だった息子もいよいよ社会人!整備士見習いにUpload By かなしろにゃんこ。現在は車の販売店に就職して整備士見習いとなったリュウ太。高校時代のスーパーマーケットのアルバイトがヘルニア気味でできなくなってから、今の自動車販売店の整備助手、雑用のアルバイトとして2年間雇ってもらい、卒業後にそのお店に就職しました。Upload By かなしろにゃんこ。...とお伝えすると必ず聞かれるのが「ADHDなのに車の整備なんかできるの?リュウ太君が整備したその車、大丈夫なの?」です。それは心配になりますよね。私だってリュウ太が整備したバイクに乗るときはドキドキしましたから、その質問とても分かります(笑)Upload By かなしろにゃんこ。リュウ太に聞いてみましたら「整備は人の命に関わることなので、目の前のことにすごい集中して緊張しながらやっている」ということでした。安全確認は必ず2人以上で行い、ミスはその場で報告するのが鉄則!の仕事なのだそうです。先輩と相談し、1つひとつ確認しながら作業を進め、書類も確認して...と仕事を丁寧に進めなくてはいけません。「ほう・れん・そう」ができないと務まらない職場なんだそうで、もし報告を怠ったら一度のミスでクビ!という職場です。「今はどんなことでも、『ほう・れん・そう』するようになった」と言います。そのきっかけには、こんなことがあったそうです。任された業務で大きな失敗...クビ覚悟で謝罪したときの先輩たちからの言葉Upload By かなしろにゃんこ。まだアルバイト時代に、お客さまの車をお店のビルの3階パーキングから整備ドッグに移動させる仕事を与えてもらったときのこと…勉強や運動は苦手だけど運転には自信があり「任せてください!」と意気揚々と返事をしたのに、大切なお客さまの車を柱にぶつけてしまうというあってはならない失敗をしてしまったのです。凹んでしまった車体…。「やってしまった...ヤバイ!」焦りと後悔と申し訳ない気持ちが一度に襲ってきてアタフタしてしまったけれど、先輩や責任者に正直に報告、お客さまにお詫びしなければ!とすぐに直接お詫びして修理をお約束し、許していただいたのだそう。Upload By かなしろにゃんこ。「報告書を提出して、これは確実にクビだな~…って覚悟したんだけど怒られなかった。先輩たちが教えてくれたんだ。先輩たちもみんないろいろな失敗をしてきているんだって。だから気にしなくていいよって。逆にミスを隠されるほうが恐いから、小さいことでもなんでもいいから報告してくれたほうがいいんだって言ってくれた。そこから失敗の報告が恐くなくなった」とリュウ太は言います。これから社会の中で生きていく息子を、母はそっと見守りたい“ほころびが広がる前にきちんと報告、連絡、相談することが大事なんだとわかった”と話してくれたとき、母は息子がきちんと社会の中で生きていける人間になってきていると感じました。「ミスを報告して許してもらえることで、次も報告しやすくなる」これによってヒューマンエラーを最小限に抑えて安全を提供するんだって、母も学びましたぞ!伝えることがヘタだった息子ですが、コミュニケーションが必要とされる場面にたくさん遭遇したことで、少しずつ鍛えられてきたんだと思います。実践の機会がやっぱり大切なんですね。息子を育てる中で急成長したと感じたのが、アルバイトをはじめてからです。10代後半は親は見守るだけ…ほとんど社会に育ててもらったな~と感じるのでありました。
2020年02月21日子育てが楽しくなるヒントがいっぱいの、ADHDのお子さんとの日々『さんかくの本』ADHDのある男の子コタくんのママが、コタくんのかわいい言動の数々やにぎやかな日々の様子を綴った「さんかくの本」。苦手なこともいつかできるようになることを信じて「スモールステップを共に楽しんでいる」というコタくんママ・カワムラヒサコさんが綴るエピソードは、日々の小さなできごとの中で成長を喜び、コタくんのかわいいところを探す視点を大切にしていることが伝わってくるものばかり。コタくんの様子に合わせて日々さまざまな関わり方の工夫を取り入れているようですが、それらはこの本の中では"参考にしたいハウツー"としては語られておらず、子どもの「できた!」に繋がったときの家族の純粋な感動に焦点が当てられています。こんな視点で子どもと過ごせたら毎日がより楽しくなるかも!と気づかせてくれるような一冊です。発達性学習障害の兄妹、それぞれの特性との向き合い方は――『「うちの子は字が書けないかも」と思ったら』3人きょうだいの長男フユくんに続いて、妹のナツさんも発達性学習障害と診断された千葉さん家族。発達性学習障害とは?学校のテストはどのように乗り越えている?高校に合理的配慮は求められる?など、基礎知識から学齢期に直面するお悩みへの対応まで、お子さんに発達性学習障害があることが分かったら知りたい内容を幅広く取り扱う書籍です。フユくんとナツさんはきょうだいながら自身の障害についての捉え方が異なり、対処方法や周囲への配慮の求め方などもちがっています。当事者の思いにあわせた支援や環境設定の大切さがよく分かると同時に、全く違う考えのふたりと向き合う母だからこそ感じる、正解がない子育ての難しさも伝わってきます。今だけでなく将来まで見据えたサポートについて考えさせられます。強度行動障害のある方への対応をABAの理論に沿って学ぶ『施設職員ABA支援入門』支援現場で働く人に向けて、ABA(応用行動分析学)の基礎から、支援の実践方法までを図やイラストを交えながら解説した、初めてABAに触れる人でも読みやすい書籍です。問題となる行動はなぜ起きるのか、代わりとなる行動をどう教えるのか、代わりとなる行動と望ましい行動の違いは?など...ABAについて初めて学ぶ方も、少し知っているけれど支援の現場でどう実践したら良いか分からないという方も勉強になる内容ばかりです。プロンプトの例やトークン・エコノミーについてなど、具体的な支援の手立てに繋がる内容についても詳細に説明されています。例としてあげられている場面もどれも具体的なので、日々の支援と結びつけながら学ぶことができそうです。
2020年02月20日3学期もあと少し!次の学年の準備で思い出した入学前のこと…Upload By 丸山さとこ先日、我が家にコンパクトな裁縫セットが届きました。息子のコウが次の学年で使うためのものです。「3学期も残り少しだねー。これ使うの楽しみだなぁ!」とうれしそうに手に取るコウを眺めながら、私は彼が小学校に入学する前にしていた準備のことを思い出しました。突然始まった“授業と勉強”に対するとまどい。Upload By 丸山さとこ給食袋や体操服など学校用具の準備、さんすうセットや筆記具などの細かい物への記名。色々と準備が必要になっていく入学前のこの時期、4年前の私はもうひとつの準備が気になっていました。小学校という環境の変化に対する“コウの心の準備”です。私は小学校に入学した時、突然始まった「勉強」にとてもとまどった思い出があります。園生活で「先生の話を聞く」「一日の予定に従って動く」には慣れていましたし、“小学校には授業があって、もっと長時間着席して先生の話を聞かなければならない”ということは知識として知っていました。ですが、授業・勉強という形式…“問に答える”ということに対して、園を卒業したばかりの私は慣れていなかったのです。“勉強”というスタイルにふれておこう!Upload By 丸山さとこそのような経験から、コウには小学校入学前から「授業・勉強」に慣れてもらうことにしました。“授業や勉強がスムーズにできるようになるための練習”ではなく、“授業や勉強にふれておくことで入学後の負担を減らすための体験”として行っていたので、それほど熱心に訓練していたわけではありません。「勉強クイズ」のような形で“遊びの1つ”として取り入れることで、どこでも行える「時間つぶしの方法」にもなりました。具体的には、以下のようなことを行っていました。「好きな本、1冊持っておいで!」Upload By 丸山さとこ私がよく行っていた方法は、「子どもの好きな本から出すクイズ」でした。①まず、コウに「クイズやる?」と聞きます。「やる!」と答えたら、好きな本を1冊選ばせます。(もし「やらない」が続いた場合は、「お母さんクイズしたいなー、何問だったら出していい?」と聞きます。)②本を受け取ったら、「どのページにしようかなー」と選びます。この時、出題ページを話し合って決めたりはしないようにしていました。学校の授業では子どもの気分で出題箇所を決めることができないからです。その代わり、「出題する本」をコウが選べることでモチベーションを維持できるようにしていました。③ページが決まったら、その内容に合わせて簡単なクイズを出します。「ヒツジは何匹いますか?」「イヌとどちらが多いですか?」「ウサギさんが泣いたのはなぜ?」などの簡単な問いなので、答える方も出題する方も楽です。④子どもが答えたら、正誤に関わらず一緒に答え合わせをします。「3匹!」「よし、数えてみよう…1、2、3…正解!」「イヌ!」「どれどれ(数える)…本当だ、イヌは5匹。イヌの方が2匹多いね。」「転んで悲しかったからだよ!」「どうして分かったの?」「ここ!」「そうだね、ここに書いてあるね。よく見つけたね。」…という感じでクイズを行うことで、授業形式をとらずに“授業的なもの”にふれることができます。算数や国語などの教科を想定した“問と答え”の形に慣れることができますし、テキストや図を見ながら“口頭での質問を受ける”ことを体験できるので、視覚優位なコウにはちょうど良い「授業の体験版」になったかなと思います。市販の教材をちょっぴり改造Upload By 丸山さとこ口頭での出題の他、ワークシート形式にも慣れるように市販の教材も時々使っていました。これもまた、塗り絵や迷路と共に遊びの延長のような感じで行っていました。視覚情報で気が散りやすいコウは、1ページごとに切り離せるものだと他のページが気にならずに取り組めていました。それでも市販のワークシートだけでは飽きたりすぐに終わってしまったりするので、時々私が問題を作ってコウに渡していました。“自分で作る”とは言っても1から作る必要はなく、ワークシートの問題を見ながらモチーフや数字を置き換えるだけなので簡単でした。「能力を鍛えよう!」という趣旨でやっていることではないので、基本的にはコウが簡単にできる難易度のものを与えるようにしつつ、彼がやる気に満ちている時は少し難しそうな問題にも挑戦してもらいました。そして小学校に入学。現在は…?Upload By 丸山さとこそんな「勉強遊び」の成果なのか、はたまた性格によるものなのかは分かりませんが、コウは小学校での生活にわりあいすんなり慣れました。多分、「バッチリ新一年生になりました!」という感じではありません。授業中に立ち歩くことはないものの、前後に揺れたり姿勢が崩れて椅子の上で溶けたようになったりしましたし、一斉指示は入りづらく先生から個別に声をかけていただくこともありました。(事前に相談をしていました。)それでも、コウ本人が「授業って楽しい!今日は何をするんだろうって思う。」と言いながら登校してくれるだけで、「準備しておいてよかったな」と思いました。もちろん、準備をしておいても崩れてしまった可能性もあります。それならそれで、「あー、やっぱ本番は違うよねー!」と言っただろうなと思います。コウのためだけではなく、「一応準備はしておいた」と私が思うための「勉強遊び」だったのかもしれません。Upload By 丸山さとこそんなコウも現在既に小学校高学年です。勉強ごっこはその後どうなったかと言うと…何とまだ続いています。「できるだけ日々手を抜いて生きていきたい…!」と思って過ごしている私ですので毎日行うことはありませんが、テストで間違った問題のみ抜き出して出題することがあります。「寒」「館」「裏」が間違っていたら、“今日の体育館は寒すぎた!足の裏がこおるかと思った!!”という問題を作って出すような感じです。好きな本からの出題も、歴史マンガや図鑑などを元に出題する形で行っています。床でごろごろしながら答えるコウの姿は「小学生…これでいいのか…?」という感じではありますが、このまま“学ぶこと”を続けていってくれたらいいなと願っています。
2020年02月19日次やることをすぐ忘れちゃうたとえば朝のおでかけ前、むっくんはお仕度などでものごとに注意を向け続けることが苦手です。何かの途中であっても新しい刺激が入ると次やることをすっかり忘れてしまいます。結果、口頭指示→やりながら忘れる→再び口頭指示→また忘れる→刺激が増えてストレス→母も子もイライラ。という負のループに陥ることが多々あり…そこで出番なのが手順書!手順書とは、視覚的に行動の手順を示したものを指します。身近な所では、カレールーの箱裏に書いてある「カレーのつくり方」のようなものです。例えばむっくんが起床から出かけるまでの手順書は…手順書って何?Upload By ウチノコ手順書には決まった形式があるわけではなく、それぞれの子に合わせたオリジナルを作ります。どこまでやったか分からなくなる子には、終わった事柄を剥がして見えなくしたり、1項目ずつめくり式にして不要な情報を減らす工夫を凝らしたりと、わが子仕様を探す工程は研究の果ての大発見!で達成感たっぷりです。Upload By ウチノコところがむっくん、どうにもこの手順書ではうまくいきません。困ったことに手順書の存在自体を忘れてしまうのです…。オレ、動くと忘れるの。手順書では行動ごとに、次にやることを確認する必要があります。この、「確認のために視線を戻す作業」がむっくんには難しいようなのです。本人によると「手順書があったことを忘れる」「見ようと思っているうちに何するんだったか忘れる」とのこと。そこで今度は「手順書を見に行く」という項目を付け加えてみたりと、工夫を凝らしましたがやはり思うようにいきません。Upload By ウチノコUpload By ウチノコUpload By ウチノコ忘れるのなら持たせよう。以前から旅行時は不安を減らすため、むっくんに持ち歩ける「旅のしおり」を作って渡していたのですが、これは忘れず自分のカバンに入れて確認してくれます。ひょっとしたら据え置き式の手順書よりも、持ち歩き式の手順書の方が性に合っている?と思い立ち、持ち運べるサイズの手順書を作製してみました。手順書はバインダーに挟み、ペンとネックストラップをつけて持たせてみることに。すると今まで時間のかかっていた行動速度がぐっと早まったのです。Upload By ウチノコ持たされたことで注意が逸れにくくなり、仮に逸れても「次なんだっけ?」とすぐに次の予定が確認できるので忘れにくい様子。持ち運べることで、出先でも使用できるようになり、予定の予告や忘れ物対策などにも効果を発揮しました。例えば保育園から帰るための準備が難しくいつも手ぶらで外に飛び出してしまうむっくんが、持ち帰るものリストを渡しただけでスムーズに帰り支度ができるようになったのです。Upload By ウチノコ使い方もむっくん仕様で色々試した結果わかったのが…・むっくんが一度に理解できるのは今のところ6項目・イラストよりも文字・チェック式で使うこともやりましたが、むっくんの場合は終わったものをチェックすることも面倒な様子なので、数字を打って項目数を確認する方が負担は少なそう今後もむっくん形式になるよう進化していけたらと思っています。Upload By ウチノコまた、首から下げられるようにしたこともあるのですが、首周りにモノが触れるのを嫌がる日もあり(平気な日もある)多くの場合、私が渡し、終わると返すというやり方で利用しています。慣れてくると使うことを嫌がるので3日使って3日休むなど、本人の負担にならないよう加減しながら利用するように気を付けています。大人だって使ってる?よく考えてみると、持ち運び式の手順書や予定表は多くの大人も使用しています。メモやスケジュール張、スマホのカレンダー、リマインダーもそうです。これって立派な視覚支援ツール!何ら特別なものではありません。むっくんに持ち運び式手順書を使ってもらって、いつかはスマホのようなデジタル機器に移行していけばいいんだ!大人になっても使える方法なんだ!と気が付いたときはなんだかホッとした気分になりました。Upload By ウチノコ今はむっくん自ら次にやることをメモ…なんてことはありませんが、いつか大きくなって、忘れっぽくて困る!と自分で対処法を考えたとき、子どもの頃あんなことやってたなぁと参考になるといいなと思いながら、私は今日も手順書を準備しています。未来では今よりもっと技術も進歩していることでしょう。デジタルに強いむっくん。きっと最先端の技術を使いこなして困る部分を補い、たくましく生きていってくれると思っています。Upload By ウチノコ
2020年02月18日お客さんからも店長からも理解されない青年『発達障害に生まれて』(松永正訓著/中央公論新社)ノンフィクションのモデルとなった立石美津子です。以前、とあるテレビのドキュメンタリー番組で、発達障害のある青年の仕事や暮らしについて取り上げられていました。青年は発達障害の診断を受けておらず、自らも親も気がついていない状態でスーパーに就職し、退職に追い込まれてしまいました。スーパーで働いていた青年は、客から「この商品はどこにありますか?」と聞かれ、素直に「分かりません」と答えてしまいました。「商品を探してほしい」という客の意図がくみ取れなかったのです。客は店長に「店員の態度がなってない!」とクレームを言い、彼は店長から「どうして商品を案内しないんだ!気遣いが足りない!分からなかったら、なぜ分かるスタッフを探さないんだ!」と叱られていました。青年は次第に「僕はダメ人間だ」と自己否定して、転職を繰り返すようになりました。その後、自閉症スペクトラムの診断を受け、「営業職や接客ではなく、コミュニケーション能力があまり求められない職場を探している」といった内容の放送でした。本人も家族も気づかないまま今、成人している人が幼少期を過ごした時代は、今のように“発達障害”について情報がなく特別支援教育も今ほど充実していなかったのではないかと思います。特に知的障害を伴わないグレーゾーンの人たちのなかには、家族はもちろんのこと、自身も自分に発達障害があることを知らないまま日常生活、学校生活を送っていた人が相当数いるのではないでしょうか。通常学級に通っていても、親や先生から発達に凸凹があることを理解されて、療育に通ったり、通級指導教室に行ったり、また特別支援学級や特別支援学校に通い特別支援教育を受けている場合「できないときはどうやってSOSを出せばいいのか」などの練習も学校教育のなかで受けることができます。けれども、障害があることを知らずにいたら、これらを学習することもなく社会に出ていくことになります。社会に出て働くとなると、要求されることはそれまでより更に厳しくなります。法定雇用率は上がっても今は従業員数が45.5人以上の民間企業には法定雇用率が課され、障害者を2.2パーセント雇わなくてはならない決まりになっています(※)。将来、さらにその割合が上がると言われています。ただ、障害がある人を採用したものの、その後の対応に苦慮している企業もあると聞きます。「とりあえずこれやっといて」 「朝イチで資料作成して」「資料は多めに作っておいて」これらの曖昧な指示が分からない人がいることを、どれだけの企業、そこで働くスタッフが知っているでしょうか?インクルーシブ教育、ダイバーシティ(多様性)、障害者差別解消法、合理的配慮など、昔に比べて障害のある人が生きやすい社会に確実になってきていると思います。けれども、車椅子の人を入店拒否しないお店は増えても、見た目では分かりにくい発達障害の人に対しての理解はまだまだ浅いようにも感じます。※2020年2月現在障害者の法定雇用率の引き上げについて | 厚生労働省近所のスーパーでも私が頻繁に行くスーパーに、「これありますか?」と聞いても、「ありません」とだけ答える店員がいます。特性ゆえの対応なのか、それともマナーの問題なのか…ある程度知識がある私でもカチンときてしまいます。私でもそう感じてしまうということは、世間の目はきっとより厳しいだろうなと想像します。制度を整えるだけでなく、社会の人の理解を深めていくことも同時にしなくてはならないと考えさせられるテレビ番組でした。
2020年02月17日3/8 (日)に「LITALICO発達ナビ まなびフェスタ2020」開催!昨年ご好評いただいた「LITALICO発達ナビ子育てフェスタ2019」に続き、今年もユーザー参加型のイベントを開催します。今年のイベントテーマは、発達ナビのコンテンツでもユーザーの皆さまの関心が高い「まなび」です。発達が気になるお子さまにとって「子ども一人ひとり」学び方は違います。ご来場いただいた保護者の皆さまに将来に向けて前向きになれる体験をご提供するため、専門家による講演やパネルトーク、発達が気になるお子さまのくらしを支える企業の皆さまとの出合いの機会や、ユーザーの皆さま同士の交流の場をご提供したいと考えています。全プログラム無料!プログラムごとに先着順の事前予約制「発達ナビ まなびフェスタ2020」は、全プログラム無料・プログラムごとに先着順の事前予約制です。「気になっていたのに、満席になって申し込めなかった...!」ということのないよう、早めにお申し込みください!それではさっそく、プログラムをご紹介します!Upload By 発達ナビ編集部Upload By 発達ナビ編集部【1部:特別講演「発達が気になる子」と向き合い続ける保護者の方へ】保護者の皆さまが感じられている疑問や不安に寄り添い、日々の子育てのヒントになるようなお話を予定しています。主な内容(予定)1.「発達が気になる子」について2.保護者が気にしていることについて3.診察室では、生活で困っていることに注目して、その子の思いを想像し、親の疲れ具合に合わせた助言のようなことを伝えたい【2部:田中先生と先輩保護者によるパネルトーク「我が家の進路選択」】発達障害のあるお子さまの保護者に具体的なエピソードをお聞きしながら、田中先生とまなびについて考えていきます。ゲスト田中康雄先生(こころとそだちのクリニック むすびめ 院長。国立精神・神経センター精神保健研究所児童・思春期精健部 児童期精神保健研究室室長、北海道大学大学院教育学研究院 名誉教授を経て現職。著書:『「発達障害」だけで子どもを見ないで その子の「不可解」を理解する』、『ADHDとともに生きる人たちへ: 医療からみた「生きづらさ」と支援』他多数)橋口亜希子さん(橋口亜希子個人事務所代表・発達障害を手がかりとしたユニバーサルデザインコンサルタント。厚生労働省社会保障審議会障害者部会委員、内閣官房ユニバーサルデザイン2020心のバリアフリー・街づくり分科会委員、一般社団法人日本発達障害ネットワーク事務局長などを歴任し、現職。著書:『そのママでいい発達障害の子を育てるあなたに贈る43のエール』)古山真紀子さん(長女(中2、ASD・ADHD・LD)、長男(小5、ASD・ADHD・LD)、次男(4歳、グレーゾーン)を育てる保護者。岡山で、発達凸凹のお子さまや保護者をサポートする活動を行う「ぴいさぽ」を運営)※本プログラムは、保護者さま向けセミナーとなります。年齢問わずお子さま連れでのご参加はご遠慮いただいておりますUpload By 発達ナビ編集部家庭でのお子さまとの関わりや、リフレーミングのポイントについてのお話などを予定しています。主な内容(予定)1.子どもの苦手を減らすより「できる」を増やしましょう2.ほめ方にもいろいろあります3.言葉かけをマイナーチェンジ4.子どもも大人もパーフェクトじゃなくて大丈夫5.子どもも大人も「困った」「たすけて」と言えるといいですね阿部利彦先生(星槎大学大学院 教育実践研究科 教授。星槎大学附属発達支援臨床センター長。専門分野:学校カウンセリング、特別支援教育。著書:『見方を変えればうまくいく!特別支援教育リフレーミング』、『見方を変えればうまくいく!発達が気になる子の子育てリフレーミング』、『これだけは知っておきたい 発達が気になる児童生徒の理解と指導・支援: 多様性のある子どもたちのあしたのために』など多数)※本プログラムは、保護者さま向けセミナーとなります。年齢問わずお子さま連れでのご参加はご遠慮いただいておりますUpload By 発達ナビ編集部算数・数学の楽しさを伝える活動を科学館や学校など各地で10年間続けてきた数学のお兄さん・横山明日希さんによる算数ショーです。算数でもっとも重要な「数」には沢山のフシギが潜んでいます。「数」をテーマにしたクイズやマジック、サイコロを使ったビンゴゲームなど双方向のやりとりや、参加型のコンテンツ等を交えながら楽しく学べるわくわく算数ライブをお届けします!後半には「算数をもっと楽しむには」をテーマに、保護者さま・お子さまに向けて、自身の体験も交えてお話しします。※未就学のお子さまやお一人での参加が難しいお子さまについては、必ず16歳以上の方の同伴が必要です参考記事Upload By 発達ナビ編集部悩みの深いご家庭と向き合う無学年式オンライン教材「すらら」。2019年は不登校や発達の気になる生徒2,300名(全体の6割)が家庭学習で利用。家庭学習を見守る保護者の関わり方を学ぶ勉強ペアレントトレーニングは150名の方が受講されました。本講演では不安が強く勉強に気持ちが向かないお子さま、勉強に気持ちは向いても不安な気持ちと向き合えないお子さま、このようなお子さまとの関わり方について、お話しさせていただきます。ペアトレの軸となる行動分析学に加え、心理療法の「認知行動療法」も取り入れた不安の強いお子さまとの関わり方についてお伝えしていきます。※本プログラムは、保護者さま向けセミナーとなります。年齢問わずお子さま連れでのご参加はご遠慮いただいておりますUpload By 発達ナビ編集部お子さまとご家族が「自分らしい人生」を歩んでいくために、「福祉」と「ファイナンス」両方の専門家として、ライフプランニングをサポートする株式会社LITALICOライフによる講演です。お子さまがのびのびと成長できるような進路を選ぶために、早い段階からお子さまの目指したい将来像や特性を見据えた上で、情報収集しておくことがとても重要です。こちらの講演では、発達障害のあるお子さまの進路にお悩みの保護者さま向けの基礎的な内容をお伝えします。小学校以降の進路の選択肢や必要な教育資金など、お子さまのライフプランを考える上で必要な情報を幅広く得ることができます。※本プログラムは、保護者さま向けセミナーとなります。年齢問わずお子さま連れでのご参加はご遠慮いただいておりますUpload By 発達ナビ編集部「サポートブックのことは知ってはいるけれど、作ったことがない」「何を書けばいいのか分からない」という方も多いのではないでしょうか。このワークショップでは、サポートブックの使われ方や書き方のコツをご紹介。参加者の皆さんとお話ししながら、リラックスして書いてみましょう。※12:30~13:30、16:30~17:30は、同じ内容のワークショップとなりますサポートブックとは?入園/入学/進学などお子さまのライフステージが変わる際に、お子さまの普段の様子や関わり方や知っておいて欲しい情報を、園や学校の先生、支援者と共有するためのツールです。情報を共有することでお子さまを取り巻く全ての人が、同じ方針、同じ方法でお子さまに関わることができ、お子さまが安心して毎日を過ごすことができます。※本プログラムは、予約受付前となります追加プログラムの情報は、次回のコラムでご紹介していきます!ほかにも、まなびフェスタに関連するコラムは特設ページにて、一覧でご確認いただけます。ぜひチェックしてみてください。お申し込みの流れUpload By 発達ナビ編集部Upload By 発達ナビ編集部Upload By 発達ナビ編集部LITALICO発達ナビ まなびフェスタ2020開催概要【日程】2020年3月8日(日)10:00-17:00【対象】発達の気になるお子さまの保護者さま・お子さま【料金】無料(ワークショップなども無料でご参加いただけます※要事前予約)【会場】大田区産業プラザPiO(京急蒲田駅より徒歩3分)東京都大田区南蒲田1-20-20大田区産業プラザPiO
2020年02月14日学校から帰宅後、娘がいきなり泣き出した理由は…広汎性発達障害の娘は、小学3年生。1年生のときは通常学級に在籍し、2年生からは特別支援学級に在籍しながら、国語と算数以外のほとんどの時間を、交流学級で同級生と過ごしています。ホームルームや休み時間、掃除や給食…みんなと仲良く順調に過ごしていると思っていたのですが…3年生になったある日、学校から帰ってきた娘の元気がありません。気になってどうしたのか聞いてみると、いきなり泣き出しました。Upload By SAKURA「男子が『死ね』とか『バカ』とか言ってくるのが嫌だ」ということでした。小学生…そういう言葉を使ってみたいお年頃です。悪い言葉に惹かれてしまうのでしょう。自分が小学生のときを思い出してみても、そういうシーンはたびたびありました。夫にも相談してみましたが、Upload By SAKURA夫も私と同じ意見。私はどう対応すればいいか迷いましたが、まず娘の気持ちを聞き、「嫌だよね~わかるよ~ママも小学生のときそんなことあったよ。」とその気持ちに同調しました。この時期特有のものに、どう対処するべきか…それからさらに数日経つと…Upload By SAKURA今度は娘が「隣に男の子が来てほしくない」と言うようになりました。どうやら娘は、言葉だけではなく、ちょっかいをかけてくることに対しても苦痛に感じているようでした。叩く真似をしてくる…虫を見せにくる…大きな声を出してくる…これらも、やはり今の時期特有の部分でしょう。娘が苦痛を頻繁に訴えるようになり、学校でも男の子とのやり取りで泣き出すようになったと連絡帳にも書かれるようになったので、私は担任の先生に相談に行きました。Upload By SAKURA小学生を見るプロである先生たちの意見も、私たちと同じものでした。先生方は、娘がこのことで「学校に行きたくない」と言い出すかもしれないと心配してくれ、話し合いの結果、今後席替えのときは娘とクラスメートの相性を踏まえた座席にしてくれることに。そして娘が嫌なことを言われたときは、すぐ仲裁に入ってくれることになりました。聞こえただけで嫌な気持ちに…無視もできない…『死ね』や『バカ』は使っていい言葉ではありませんし、人の嫌がることはしてはいけません。とはいえ、先生の目がない場面で起こるトラブルもあるでしょう。「無視すればいいよ」とそう言えたら楽なのですが、娘はそれができず、言われた言葉を聞き流すことができませんでした。Upload By SAKURAさらに娘は、自分が関わっていないところから「死ね」などの言葉が聞こえてくるのも嫌で仕方ないそうで、聞こえるたびに自分に言われているような気持ちになるそうです。しかし、相手に完全に言わせないようにすることは難しい…。そこで、男の子たちがなぜそういう言葉を言ってしまうか話すことにしました。思ってもないことを言ってしまうことがある…気になる相手にちょっかいを出して、意地悪してしまう…そういうこともあるということを説明しましたが、なかなか理解できない娘。相手の気持ちを考えることで、わかってくること。そこで、もっとも身近な人で説明することにしました。身近な男子…それは弟!Upload By SAKURAお調子者で我が強い息子は、モデルとしてぴったりでした。たとえば息子が「あっち行け!」と言った時…Upload By SAKURA「『あっち行け』って言ったからあっち行ったのに、泣いてるでしょ?本当はあっちに行ってほしくないんだよ。クラスの男の子も、あーさんに『死ね』って言っても、本当に死んでほしい訳じゃないんだよ?」と話しました。さらに息子が娘の物をとって逃げた時…Upload By SAKURA「反応が見たくて、ついつい意地悪なことしちゃうの。だから本気の意地悪じゃないの。」と説明しました。弟の行動で説明したのが娘にとってはわかりやすかったようで、少しだけ相手の男の子の気持ちを想像することができていました。ちゃんと対応できるようになるまでは、距離をとって…もちろんこの「嫌がる言動をしてくるのは興味をひきたいから」という説明は、全員に当てはまる訳ではありません。若干距離感が近く空気を読めない娘に対して、苦手意識を持っている子もいると思います。でもきっとそういう場合は、娘には近づいてこないでしょう。そこで「しばらくは、自分から男の子の輪に入っていかないこと」と話しました。とりあえずの対策として、娘からは極力近づかない。そして自ら近づいてきた男の子に対しては、弟をモデルに説明した"その行動は本気ではない"ことを思い出しながら見るように、と伝えました。Upload By SAKURA親がどこまで口を出していいか。男の子との関係や距離感に対して、正直自分がどこまで口を出していいのかわかりませんでしたが、娘が嫌な思いをしているというSOSを受け取ったら、その対応の仕方や考え方を教えることも必要だと私は思います。Upload By SAKURAかといって何もかもから守って避けていても成長にはならないので、その加減が難しいなと何かあるたびに感じています。正直…本音を言えば、「嫌がることしないで~!」という気持ちがこみ上げます。この年頃で特有のものというのも理解しつつも親としては複雑で、葛藤は常にあります。しかし学校の先生から「あと2年ぐらいしたらかなり男の子たちは変わりますよ。」と言われたので、今はそばで見守っていきたいと思います。さきざきには女の子特有のコミュニケーションに苦戦することもあるかもしれないですし、友達との関わりはうまくいくことばかりではないですよね。とりあえずはうちにも男の子がいるので、言われる側の親としての気持ちと経験を、息子が同じ年頃になる5年後に活かしたいと思います。
2020年02月12日お気に入りの水槽の前で2時間動かない息子Upload By taekoUpload By taeko今6歳の長男ミミ。3歳10か月頃に自治体の療育センターで精神科医の先生と面談をした際に、口頭で「アスペルガーですね」と言われました。そんなミミが2歳の頃、休みといえば朝から水族館に行っていました。お気に入りの水槽の前から2時間も動かないミミを見ながら、こんなものかな~と漠然と思っていたこの頃、保育園から療育を勧められました。初めて聞いた「療育」…!すぐにパパに話してみると、「個性だから心配ない、考えすぎだ」と一言。相談するのを諦めて、私なりにネットで調べたり本を読みましたが混乱するばかり。混乱しながらも、息子との生活を楽しもうとする毎日Upload By taekoUpload By taekoUpload By taekoひとまず保育園の先生を信じて療育に通わせることにしたものの、「これはどんな意味があるんだろう」「こんなことも出来ないのか...」とモヤモヤしていた私。ミミは、療育で集中力が切れてくると「やらない」「やりたくない」と言いながらも、先生が課題のハードルを下げて少しでも出来たら褒めてくれることもあり、頑張って取り組んでいました。そんなミミを見ながら私も気持ちを切り替えて、家で楽しみながらミミのために出来る事をしたいと思い、ダンボールを切り抜いて魚を作ったり、好きな魚の絵をTシャツに描いたりしました。すると、ミミは大喜び。毎日保育園に着て行くほどTシャツを気に入ってくれたので、結局12着描きました。園でも先生やお友達に自慢していたようで、コミュニケーションの形成に役立ったかもしれません。4月から小学生、通級もスタートUpload By taeko4月からミミも小学生。通常学級に在籍しながら、週に2時間、通級で特性に合った指導を受けることになりました。私も初めてのことばかり。一緒に成長していきたいと思います!
2020年02月12日「自分最高!」と思えなければダメ? 私が思う「自己肯定感」とはさて、前回紹介した『LITALICO仕事ナビ』の記事だが、実はタイトルを見て一瞬固まった。なぜなら私は自己肯定ができているつもりだからだ。「自分には特別な才能などない」と自覚することは、「自己肯定感低め」という判断につながってしまうのか。いや、それは自己肯定感ではなく、相対的な「自己評価」の間違いではなかろうか。なんにせよ私は、「特別な才能などない」自分を受け入れている。しかし、文面はほぼ初稿のままであるし、タイトルには「ターゲットに届きやすいように」という意図があるのだろうし、「自己肯定感低め」が私を指していると断定はできないため、異論は述べなかった(おそらく、「自己肯定感低め」とされる人がターゲットになりそうな文章であるからあのようなタイトルになったと私は解釈しており、不満はない)。「自分には才能なんてない」自己肯定感低め人間に贈る”イカダ下り”型キャリア形成のススメタイトルの件はさておき、「私はすごい!素晴らしい!天才!」という万能感があってこそ「自己肯定感が高い」と判断される風潮に、私は疑問を抱いてきた。「私はすごい!素晴らしい!」と賞賛できることこそが肯定ならば、「すごくないし素晴らしくもない、天才とも思えない自分」がチラついた途端、自己否定に繋がってしまわないだろうか。それが私の杞憂であったとしても、「自己肯定感は万能感に裏づけされるもの」というのは、どうにも納得がいかない。ここで「自己」と「肯定」、そして「賞賛」、それぞれの言葉の意味を調べてみよう。じ‐こ【自己】[名]1 おのれ。自分。自身。2 自我。『新選国語辞典[第六版]』(小学館)こう‐てい【肯定】[名](他サ)1 そうだと認めること。⇔否定。『新選国語辞典第六版』(小学館)しょう‐さん【賞賛・称賛】[名]賞×讃・称×讃(他サ)ほめたたえること。『新選国語辞典第六版』(小学館)この言葉どおりに捉えると、「自己肯定」とは「自分をそのとおりであると認めること」という意味になる。すごくなくても素晴らしくなくても、ましてや天才だとは思えなくても、自分は自分である。賞賛も肯定の一部ではあるが、イコールではない。現在の私は、自分を賞賛できずとも肯定はできており、不燃ごみを3週、びんと缶のリサイクルを2週連続で出し忘れているのだが、「こんなこともできない自分は駄目な人間だ」と落ち込んだりはしない。「駄目な人間かもしれないけれど、次回出せたらまあいいじゃん」と思っている。次回は出したい。次回こそは。「苦難を糧に」――無駄を「無駄」と言えない空気に追い詰められた私さりとて「すごくないし素晴らしくもない、天才とも思えない自分」をそのまま肯定するのは容易ではない。私も、大島渚氏の随筆を読んですぐに自己肯定感を得られたわけではなく、何十年もの時間がかかった。あるかどうかも分からない自分の非凡性探しを、長い間諦めきれずにいたのだ。当たり前だ、とかく今の世は「役に立たない」物事や人に厳しすぎる。『発達ナビ』始動から4年、休みつつもこちらで執筆を続けているのは、「障害は人ではなく、社会の側にある。」という前提の下に掲げている「障害のない社会をつくる」というビジョンに強く賛同しているからだ。生きづらさを抱えている人自身に問題があるわけではなく、社会との間にずれがあるから、障害が生じているのだと私は考えている。これは発達障害に限った話ではなく、障害という診断の有無も問わない。誰しもそうであるように、私だっててんかんや発達障害であることを自ら選んだわけではない。気づいたら、たまたまハンディキャップとなる特性を持っていただけだ。そう、たまたまでしかないのに、たまたま「普通」にできないことが多かっただけなのに、敗北感や挫折感、時として「自分は世の中の役に立たない、無能な人間だ」と自分を強く否定する事態に見舞われた。そして、「敗北感や挫折をも糧にして、成長すればいい」と言われるたび、「体験を糧にできない自分は、無能のみならず救いようのない人間なのではなかろうか」とさらなる自責を繰り返した。自己肯定感どころの話ではない。自己賞賛なんぞ、夢のまた夢。そしてこれは、あらゆる「生きづらさ」を抱える人たちの多くに共通する体験であるのだと、『発達ナビ』での執筆を始めて知ることになった。理不尽だと憤りながらも、何もできずほぞを噛んでいた私は、「まさにそうだ!」と是認の思いで叫びたくなる文章に出会う。「ナンバーワンでなくても良い。オンリーワンであれ!」素晴らしい。しかし反面、「オンリーワン、……結局、何かしら特別でないと駄目なのか……」と恐ろしくもなる。殆どの人間は、ナンバーワンでも、オンリーワンでもない。本当は、何も取り柄が無い人間だっている。無駄や失敗に塗れた日々を過ごす人間も少なくない。そんな人間が、ただ生きていても、責められることがない社会……それこそが正常だと僕は思うのだ。「文庫版あとがき」『ヒキコモリ漂流記[完全版]』収録(山田ルイ53世著/角川文庫)P261-262より上記はお笑いコンビ「髭男爵」の山田ルイ53世氏の著書『ヒキコモリ漂流記[完全版]』のあとがきからの引用で、山田氏はインタビューや講演会でも、同じ旨の言葉を繰り返している。10代のときに6年間の引きこもり生活を経験した氏は、その期間を「(自分にとっては)完全に無駄だった」と断じている。すると「その6年間があったからこそ、今の山田さんがあるんですよね?」と、「はい!あの日々が今の糧になっています!」という一言を引き出そうといわんばかりの質問が飛んでくるのだそうだ。「あくまでも自分の感覚ですが」との前置きをしても、「いや、無駄でした」との答えはすこぶる不評らしい。確かに、はた目から見た山田氏は、その6年間について語ることで執筆や講演などの仕事を手にしているのだから、無駄ではないように感じられるだろう。しかし、「得られたかもしれないものが得られなかった6年間」を振り返ったとき胸に去来する思いは、山田氏にしか分からない。話は逸れるが、私は過去にそこそこの大病を患ったことがある。命に別状はなかったが、まあ、自分なりには大変だった。それを知った知人から「でも気づきや学びもあったでしょう?何事も経験だよね!」とキラキラした笑顔で言われたとき、「なぜそんなことを君が決めるのだ」という言葉が喉元まで出かかった。山田氏の「無駄だった」という発言に対して、「いやいやそんなことはないでしょう!」とばかりに明るい言葉を引き出そうとするのも、もしかしたら似たようなことなのかもしれない。当の本人が「無駄」と言うなら、周囲が躍起になって否定することはないように思える。どうも、世間の大部分にとって、人生に“無駄”があっては拙いらしい。何しろ、本人が、無駄だった、失敗だったと断じていることでさえ、「そんなことはない!」「それを糧に成長すればいい!」と、なにがなんでも意味を与えようとするのだ。まるで、“意味の松葉杖”無しでは歩けない怪我人である。そんな“無駄を許せない空気感”こそが、人々を追い詰めているのではなかろうか。大体、皆が、キラキラした人生を送れるわけではないし、そんな必要も義務もない。全員が何かを成し遂げ、輝かしいゴールを切ることなど不可能である。「文庫版あとがき」『ヒキコモリ漂流記[完全版]』収録(山田ルイ53世著/角川文庫)P260-261より本当にそうだ。私は深くうなずいた。『仕事ナビ』では、ポンコツながらの職業経験が糧になったと書いたが、人生全般は「全てが糧になっている」とは言い難い。てんかんや発達障害を含めて、苦難を経験したからこそ見える風景は確かにある。だからと言って、「あの経験があって良かった!」とは思えない過去もたくさんあるのだ。「苦難を糧に」という言葉に従おうとしたころの私は、糧に糧にと必死になるあまり、自分の心の傷に向き合うことができていなかった。「無駄だった。あんな経験したくなかった」と素直に言えるようになって初めて、事実を事実として受け入れ、前を向けるようになった気がする。そこからようやく少しずつ、自分という存在を肯定できるようになった。実のところ、疲れが溜まっているときなどは、自己否定感が頭にちらつくことが今でもある。まだまだ完全に回復はできていない。人生に無駄があったっていい。苦難を糧にできなくてもいい。そこも含めてこその自分だと今は思えるし、何を糧にするかは自分で決めたい。そして、糧にするものが、必ずしも苦難である必要はないのだから。「特別な才能」や「役立つなにか」を持たなくても、許される空気になれば。そのために私が今できることテレビなどの発達障害特集では、特別な才能を持った当事者が多く紹介される。分かりやすい「天才」当事者を掲げることで、「発達障害」を知ることへのハードルを下げたり、発達障害当事者のご家族の不安を和らげるなどの狙いもあるのだろう。でも、こうした特集を見て「発達障害児者=天才」説を、なぐさめの言葉として採用する人が存在し、その言葉を受けて、息苦しさを募らせる当事者が少なくないことも事実だ。番組についての意見は各局の視聴者窓口に投稿するとして、地方に住まう無名のライターに何ができるのかを考えてはみたのだが、凡庸な私がきらりと光る鋭いアイディアを思いつけるはずもなく、多くの人が実践できるような「自己肯定感の作り方」などを語るすべも持ち得ない。毎度ながらの「延々とぼやいて解決策なし」へと着地してしまいそうだ。「不可能の発見」を繰り返して、手のひらに残ったものが「役立つなにか」じゃなくても、できないことだらけでも、誰にも責められず、自分を責めることもない――それが当たり前の世の中になれば、誰かの、自分を否定するかたくなな心がほどけることもあるのでは、などと思っている。とはいえ、私にできるのは些細なことでしかない。「糧にもできなかった無駄な体験」や、「特別な才能がなくても、人と社会の間に生じる“障害”について語ること」を、まずは私が許容し、これからも私なりの言葉で、失敗体験も含めて発信していきたい。早速だが、私は不燃ごみ、びんと缶のほか、週3回出せる可燃ごみを3回出し忘れていた。今日こそ出すぞと意気込んでいたのだが、朝ごはんづくりに夢中でまたもや出し忘れてしまった。次回こそ出したい。次回こそは。
2020年02月10日ポジティブでもネガティブでもなく発達障害を受け入れる私が抱く、「発達障害児者=天才」説への強い違和感日頃から方々で申し上げているが、私はとても凡庸な人間である。発達障害があるという点ではマイノリティであり、その特性によって失敗をしたり、罪悪感に苛まれるなどの悩みはあるが、平々凡々に生きている。「発達障害があったっていいことがない!」と嘆き続けているわけでもなければ、「特性は強み!ポジティブに捉えていきましょう!」などと啓発する気もない。「まあ、厄介事はいろいろあるけど、発達障害がなければ人生イージーモードとも限らないし、なければないなりの悩みもあるでしょうよ。これが基本設定なのだし、どうにかやっていくしかないよね」というのが、私のスタンスである。いつでもポジティブではないが、ずっとネガティブでいるわけではない。この辺りの考え方は「いつでもポジティブ」から「ずっとネガティブ」までの幅があって、度合いは人それぞれ、どれが正しいという話ではない。もちろん、「いつでもポジティブではないが、ずっとネガティブでいるわけではない。揺れがある」という私が中庸だとも思わない。一口に発達障害と申し上げても、十人十色というわけだ。以前もそんな話をコラムに書いた。ところが、なぜかそれを許してくださらない方が時折いらっしゃる。例えば、息子には発達障害があると私が明かしたとき、「え、じゃあ今から何か習い事をさせたほうがいいんじゃない!?そういう障害がある人って、常人にはない特別な才能があるっていうし、今のうちに伸ばしてあげないと!」などとアドバイスをくださる、いわゆる「発達障害児者=天才説」支持者である。息子の持てる才能を伸ばすにしても、なぜ本人が希望しているわけでもない習い事をさせにゃならんのだなど、突っ込みたい点はさまざまある。しかしそれ以前に「ハンディがあるのだから、それぐらいのアドバンテージがないと不公平。かわいそう」という考えが根本にあるのだと、会話の端々から分かるので、真面目に返答する気になれない。「本人が望んだら考えるけどね」「えー!もったいない!せっかく天才になれるかもしれないのに!」(天才はなろうとしてなれるものじゃないし、息子はこのままでも最高なんだ。ほっといてよ)との言葉をグッと飲み込み、私は曖昧に笑うのだった。「非凡性」での形勢逆転を狙って苦しむ私の視点を変えた「不可能性の発見」前述のような考え方に私が強い反発心を抱くのは、かつての私がそうした考えの持ち主で、それによって自分の首を絞めていたからだ。飛び抜けて勉強ができるわけでもなければ、高い身体能力を持ち合わせてもいない。容姿も十人並み以下で、まともな人間関係を築くのにも困難が生じるほどのコミュニケーション下手。一家庭の構成員としては、そうした事実もほぼ問題にならないのだが、保育園や小学校などで集団生活を送ることになると、能力は相対的に評価され、自分ではどうにもならない容姿さえジャッジの対象となる。それらによって周囲の扱いは変わり、凡庸かつコミュニケーションに難がある私は、嫌われ者へとまっしぐら、教師による吊るし上げの対象になったことも、一度や二度ではなかった。この苦しみから脱するには、自分の中にあるかもしれない非凡さを見つけて、それにすがるしかない――幼いながらに私は、もがいた。どうしたら自分の非凡性を見つけ出せるのか分からないまま。そんな最中の小学4年生のとき、国語の授業で『人生は不可能性の発見』という文章に出会う。映画監督・大島渚氏による随筆だ。ざっくり説明すると、組織や集団など、新しい世界に飛び込んで行くとき、どのような心構えを持てば良いのか、どのように自分の魅力や才能を見つけ出せば良いのかについて、大島氏の経験から導き出した意見を述べる内容だった。魅力を磨くといえば自分の長所を出してゆくことだ、と考えるかもしれないが、じつは組織や集団に入って知ることは、自分がいかにダメな人間かということである。私の持論で言えば、人生とは自己の可能性の発見ではなく、不可能性の発見なのである。自分は何ができないのかを、まず自覚することによって、自分のできることを探す。それを探り当てることができれば、今度はそれを意識的にやろう、と頑張るから、最終的に魅力が出てくるのだと私はおもう。「人生は不可能性の発見」『理屈はいい こういう人間が愚かなんだ』収録(大島渚著/青春出版社)P73よりこのくだりは衝撃だった。何かを頑張ってもできないのは、自分の努力不足であり、諦めることは悪だと思っている節さえあったのだ。悪だと思いながらもできないことだらけで苦しんでいた私には、救いのようにさえ思えた。「できないことはできないと認めて、次にできることを探せばいいのか…!」「人間には無限の可能性がある」だとか、「何事も諦めず、粘り強く続けることが大事」だというような言説が、あらゆる場面で強く唱えられていた昭和60年、件の随筆は学校教育の場にふさわしくないと、担任教師か誰かが判断したのだろう。全員でざっと音読をするのみで、以後授業で触れられることはなかったが、私の心には強く残った。「できないことはできないと認めてもいい」この思いが逆に、新しいことに挑戦する際の恐怖心を薄れさせてくれた。できなければ次に行けばいい、可能性探しは消去法でもいいのだ、と。そして、できないことや諦めることが悪ではないのなら、非凡さでの形勢逆転を図ることは、さして必要ないのかもしれない、とも思えてきた。(とはいえ、あっさり手放せたわけではないのだが。詳細は次回に)何十年も“不可能性の発見”を繰り返し、挫折も散々味わいつつ、「文章を書くこと」が手元に残った。そこからライターが生業になるに至るまでの話は、過日『LITALICO仕事ナビ』に寄稿したのでご覧いただければお分かりになるだろうが、私のトライ&エラーは華々しいものでは全くない。しかし、「やはり、可能性探しは消去法でも悪くない」という実感があるから、私は今後も“不可能性の発見”を続けていくだろう。「自分には才能なんてない」自己肯定感低め人間に贈る”イカダ下り”型キャリア形成のススメ育ちゆく息子に、「凡庸な発達障害者」である私が願うことところで、昨年春に復学した小学4年生の息子だが、近頃また登校したり休んだりを繰り返している。学齢や、本人の成長につれて問題となることも変化しており、壁にぶつかるたびに苦心する息子を、学校の先生方やかかりつけ医の協力を得て、どうにかこうにか私なりに支えている。とはいえ、「できないこと」があったら、まずは方法を変えてみて、それがだめならタイミングを変えてみる。何度試してもだめなら、「できなくても困らない方法」を考える――これらのトライ&エラーのパターンを、私が教えずとも息子が自ら繰り返しており、支えるというよりも「がんばっておるのだな」と眺めている、という表現が正しかろう。彼は自身の経験から、「不可能性の発見」を体得しているのだろう。この先、息子はなにがしか特別な才能を発揮するかもしれないが、もちろん私と同じく、発達障害のある凡庸な人間として生きるのかもしれない。はっきり言って、どっちでもいい。天候ひとつで体調を崩すなどアップダウンを繰り返す私が、彼の見本になれるとは思えない。それでも、「発達障害と特別な才能を併せ持っていなくたって、こんなにヘラヘラ生きている大人もいるんだし、凡庸って悪くないな」なんてことを感じてくれたら嬉しい。反面教師になってしまう可能性もあるが、それでもいい。息子が自分という存在を受容し、肯定できさえすれば。私は息子の存在を、全力で肯定する。
2020年02月07日「障害のない社会」の実現に向けて――児童発達支援・放課後等デイサービスのこれからを考えるLITALICOは「障害のない社会をつくる」というビジョンを掲げ、社会の課題と向き合ってきました。お子さま一人ひとりにとって最適な学び方と環境を提供するLITALICOジュニア、就労移行を支援するLITALICOワークス等の取り組みの中で培ってきた支援の経験と、日本全国で運営されている児童発達支援事業・放課後等デイサービスの素晴らしい取り組みを皆さまとシェアし合うことで、その先にいるお子さまやご家族がいきいきと暮らしていける「障害のない社会」へつなげていきたいと願っています。Upload By 発達ナビ編集部その想いから、LITALICO発達ナビではサイトの運営のみでなく、全国の児発・放デイ等の施設さま向けに、お子さまの支援に活用いただけるさまざまな教材のご提供や、支援スキル向上に役立つ研修、施設運営のサポートなどを行っています。全国の児童発達支援・放課後等デイサービスの運営者が集う「児発・放デイのこれからを考える『全国発達支援フォーラム2020』」を開催LITALICO発達ナビでは、2020年3月7日に、児発・放デイを運営される方向けのフォーラムを行うことになりました。このコラムでは、フォーラムの内容について詳しくご紹介しています。実際に施設経営を担う方々が講師に!実例紹介を交えたさまざまなセミナーを開催Upload By 発達ナビ編集部人材採用・育成、ブランディング、事業拡大、保育所等訪問支援、実地指導などの障害児通所支援事業所の経営に必要な情報・ノウハウを、交流型のセミナー形式で学ぶことができます。セミナー内容・事例紹介1(株式会社ワンセルフ 清水様)- 就労支援施設との接続を意識した発達支援施設のあり方- 地域社会の中での支援のあり方・事例紹介2(株式会社LITALICO 芳賀)- 就労移行支援の現場で感じる発達支援への課題と期待・会場参加者同士での意見交換、登壇者への質疑応答セミナー内容・児発・放デイの現在の開所・運営状況について・開所の各種手続きと連携先・開所前後につまずきやすいポイントと対策・年間収益計画の立て方・開所資金の準備について(資金調達)・FCの施設とは?加入前に知っておきたいこと・児発・放デイそれぞれのサービス設計のコツセミナー内容・事例紹介1(株式会社ダンデライオン 佐野様)- 訪問支援実施前の園、学校との事前の関係性づくり・事例紹介2(NPO法人発達わんぱく会 小田様)- 保育所等訪問支援とは(制度理解)- 実現する上でのハードルと進め方・会場参加者同士での意見交換、登壇者への質疑応答Upload By 発達ナビ編集部お申し込みはこちらの特設サイトから!
2020年02月07日今日は寒い?暖かい?重ね着で調節したい季節だけど…Upload By 丸山さとこまだまだ寒さの続く2月ですが、日差しは日に日に暖かさを増してきました。風の少ない日は日向にいればポカポカと暖かいこともあります。息子の話によれば、朝の登校時はキーンと冷えていても日中の教室は暑い日もあるようなので、「今日はこれでいいの?暑すぎ?寒すぎ?」と衣類の用意に迷うこの頃です。Upload By 丸山さとこ暑さ寒さを自覚しにくいコウとはいえ、汗をかけば「あっつい!」と言って服を脱ぐことはあります。一日の中での寒暖差が激しい季節の変わり目には重ね着をして対応するようにしています。ですが、”重ね着”はどうやらコウにとっては難しく苦手なもののようでした。いくつかある重ね着の「苦手」。ひとつは"布がよれる"こと!Upload By 丸山さとこUpload By 丸山さとこ苦手なポイントの一つは、重ね着によって起こる違和感です。「もこもこ感」や「布がよれる感じ」が苦手なコウ。重ね着によって腕周りの布がよれるのが特に気になるようなので、上着は裏地がツルツルしているものか腕周りに余裕のあるものを選ぶようにしています。布地が擦れにくい上着であれば、シャツやトレーナーの袖口をつかんで上着を着るようにすることで袖が巻き上がったりねじれたりするのを防ぐことができます。インナーは「なんか違和感がある…」Upload By 丸山さとこ冬でもインナーは袖のないものしか着れないコウ。なぜ着れないのか聞くと、「もぞもぞして…なんか違和感がある」と言います。シャツやトレーナーに比べてインナーはタイトな作りのものが多いため、シワやよれができやすい上に”まとわりつく感じ”があって、どうにもダメなようです。半袖のインナーを着ても「肩がモゾモゾする~!」と言うコウは、氷が張るような寒い日もインナーは頑なにタンクトップオンリーです。そんな彼が少しでも暖かく過ごせるように、冬は毎日裏起毛のトレーナーを着ています。裏起毛の服は肌が乾燥していると刺激があるようなので、クリームなどで保湿を心掛けるようにしています。はみ出てしまう“インナーすそ問題”Upload By 丸山さとこ感覚以外にも、コウには重ね着に対してもうひとつ「苦手」があります。それは…インナーのすそをボトムの中にしまうこと!園児の頃は目立たなかったそれも、小学生になると、それこそ”違和感のある”光景になってきました。「”重ね着によるモゾモゾの違和感”だけではなく”インナーが出ている見た目の違和感”にも気を配ってくれ…!」という母の願いもどこ吹く風。コウ本人は何も気にしていないようで、「気がついたら出ちゃってるんだよねー」とニコニコしながらタンクトップのすそを出しっぱなしにしています。Upload By 丸山さとこ「学校でインナーのすそが出ていても、せめて目立たないように!」と思い、ネイビーやカーキなどの”濃い色のインナー”を学校用にしています。ホワイトやグレーなどの淡い色のインナーはすそのはみ出しが目立つので、家庭では気付きやすくて丁度いいかな?と思っています。Upload By 丸山さとこ一応「タンクトップしまってー」と言えば「あ、出てるね!」としまってくれるので、頻繁になり過ぎないよう気を付けながら時々指摘しています。最近では、たまーに「今日はタンクトップ出てないね!バッチリしまっているね!」と言える日も見られるようになりました。今後、少しずつでも「しまってある日」が増えることを願いながら、今日も濃い色のタンクトップを用意する私でした。
2020年02月05日宿題をやったことがなかった小学校時代と将来のために本気で勉強した高専受験出典 : 私は昔から、興味がないことにはまったくやる気が出てこないという特性がありました。おそらく深くて狭い領域に興味を持つASDの特性と、自分にとって刺激的なものでないと集中できないADHDの特性がかみ合った結果なのかなと思っています。例えば小学校のころはよく宿題が出ていたのですが、そのほとんどは提出はおろか手すらつけていませんでした...。先生には毎回怒られ、宿題を集めるときに肩身が狭い思いもしていたので、たまに気が向いたときには誰にも読めなくてもいいからとにかく早く書いて宿題を片付けたりして、なるべく時間をかけずにこなしていた記憶があります。そんな私でも、高専の受験は本気で取り組みました。小学生のころは不登校にもなりましたが、中学生になった私はようやく「将来プログラマになりたい!」と思うようになり、その第一歩が地元の高専に進学することだったからです。それまでは宿題すらろくに取り組まなかった私でしたが、高専受験のときは家で参考書を見ながらほぼ毎日勉強をしていました。自分にとっての目的がはっきりしていれば家でしっかり勉強できることがわかり、自分でも驚きました。得意不得意がはっきり分かれた高専の成績出典 : 高専進学後は、小学校高学年のころからずっと勉強しようと思っていた、プログラミングの勉強ばかりしていました。夏休みのバイトで得たバイト代のほとんどを専門書につぎ込んでいたり、晩ごはんを食べて寝る準備をしたら寝るまでずっとパソコンや専門書とにらめっこしているような状態でした。そのおかげか、プログラミング関連の教科はいつもかなりいい点数を取ることができていました。強い興味がある教科だと、自然と集中して取り組むことができて、少ない時間でしっかり覚えることもできました。さらに意外なことに、プログラミングに関係がありそうだなと思っていた物理などの教科についてもそれなりにいい点数をとることができていました。まったく興味がなかった電気系の教科は、いつも赤点ギリギリのひどい状態でしたが...とはいえ得意なプログラミングを好きなだけできていたので、とても楽しい学生生活を送ることができていました。興味がないことでも成果を出さなければいけない...社会人生活で感じた困難出典 : 学校を卒業してシステムエンジニアとして就職、大好きなプログラミングを仕事にすることができたのですが、仕事の中ではまったく興味がない分野のタスクもこなすことが求められます。例えば説明用の資料作成だったり、他の人と協力してひとつのものを作り上げたり。仕事なので期日もあり、やらないわけにはいかないのですが、どうしても集中して取り組めず、「他の人の倍以上の時間をかけてようやく人の半分くらいのものができあがる」ということがよくありました。社会人になってすぐのころは、この「興味を持てないけれどもやらなければならないこと」へどう取り組むかがずっと自分の中での課題になっていて、数年間悩んでいました。それから色々と試してみて・・・出典 : 「興味を持てないけれどもやらなければならないこと」へどう取り組むかーーそのなかにはうまくいったものもあれば、まったくうまくいかなかったり、逆効果になってしまったりというものもありました。その一部をご紹介いたします。結論から言うと、私にとってこれは全然うまくいかないどころか完全に逆効果でした。思い込みで好きになろうとするのは、興味がないまま自分なりにやってみる以上に疲れるものでした。ただ、数年間試行錯誤してみて『そのタスクが好きな人にどこが好きなのか聞いてみること』は自分にとって少し効果があるように感じました。自分が興味を持てないことでも、得意だったり好きだなと思っている人は誰かしらいます。そういう人に話を聞いて好きなポイントを知ることで、自分の中でそのタスクへの見方が変わり、興味を持てるようになることがありました。興味を持てないタスクをこなしていると、集中できず周りのいろんなことが気になり、ますます作業が進まない...という悪循環に陥ります。そういうときには会議室を借りるなどして、”そのタスクしかできない状況”に自分を追い込んで何とかこなしていました。興味がないことに取り組むとかなりのストレスがかかるので、終わった後には好きなものを食べるなど、ストレス発散するイベントをセットで用意しておくのもポイントかなと思っています。ストレスが溜まる方法でしたが、とりあえず目先のタスクを何とかするためには多少効果がありました。高専のときにプログラミングと関連する教科を好きになったように、興味を持てないタスクについても自分が好きだったり興味があったりする分野と関連する部分を探してみるアプローチです。うれしいことに、これは自分にはある程度効果がありました。例えば興味がない分野の資料作成をするときには、「こういう風に表現するとプログラムの設計書を書くときにも使えそう」とか「もともとの資料のこの書き方、すごくいいな。次に技術系の資料書くときにマネしてみよう」というように、自分が興味を持っている分野に活かせそうなポイントを探しながらタスクをこなすよう意識してみました。この方法は興味があれば集中できる私にはピッタリでした。どうしても集中できなかった仕事もちょっとだけ楽しくなって、それまでよりも集中して取り組めるようになりました。いろいろと試行錯誤してみた結果、いまの私が心がけていること出典 : 十数年をかけて試行錯誤し、私の場合興味がないことに対してはかなりの工夫をしないと集中して取り組めないのだということがわかりました。色々と試してみましたが、興味がないことをやらなければならないときには、もともと興味を持っている分野に関連させて取り組むのが私には合っているようでした。もちろんどうしても難しいときもありますので、そういうときには他のことができない状況にして、無理やりなんとかする方法をとっています。もし私と同じような特性のある当事者の方は、興味がないことに取り組む際にはもともと興味を持っているものと関連する部分を探してみるのはいかがでしょうか。そしてどうしても関連するところが見つからないときには、周りの方を頼ってみると自分ひとりだけでは気づけなかった視点での発見があるかもしれません。サポートする側の方は、その方の興味に関連する部分を探す手助けをしていただけたらなと思います。今回のお話が、発達障害当事者の方とその周りの方のご参考になれば幸いです。
2020年01月31日その執着はすごい。ボールとの付き合いはかれこれ10年長男はピンクのボールが大好きです。とにかく手から離れることがないのです。ボールは友達!といった感じなので、ドリブルなんて得意です。運動が苦手な次男よりもはるかに上手です(笑)Upload By シュウママ長男とボールとの付き合いは長く、それこそ赤ちゃんのころから、くるくるくるくる、ひたすら回転させていました。その執着はすさまじく、学校から帰ってくると母よりも、次男よりもまず先にボールを探します。万が一見つからないと、この世の終わりのように泣き崩れます。長男のこだわり炸裂。似たような相棒じゃダメ!そんなある日。小学4年生のときです。長男がわーっと騒ぐので走っていくと、ボールがぺしゃんこに潰れていました。空気を入れてやっても元に戻りません。見る影もなくなったボールを見つめ長男は悲しそうにうつむいています。「明日、新しいボールを買ってくるよ」と言うと、少しほっとしたような顔になりました。Upload By シュウママ次の日、私はボールを買いに行き、学校から帰ってくる長男を待っていました。「ほら新しいボールだよ~」と長男に新品のボールを見せると、長男は顔色を変えました。「ボールない!ピンク!ない!」長男は青いボールを見て怒りました。Upload By シュウママそう、お店には同じピンクのボールがなかったのです。仕方なく買った青いボールに長男は満足しませんでした。「似たようなもんじゃん」は通用しないのです。結局私は他のお店に行って、ピンクのボールを買い求めるはめに。長男はやっと満足しました。そして安心したように、ボールを抱えて眠ったのです。Upload By シュウママえっ。それでいいの?こだわりを少しずつ脱ぎ捨てて長男のピンクのボールへのこだわりは、なくならないだろうなと思いました。単なるこだわりというより、長男はピンクのボールがないと、不安そうなのです。精神安定剤みたいなものなのでしょうか。だからそれは仕方がないなと思っていたのです。ところが、今年の冬休みに実家に帰省したときのことです。荷物の中にボールを入れ忘れたため、私はかなり焦りました。実家で穏やかに過ごせるだろうか...するとたまたま実家に置いてあった青いボールを見て、長男は目を輝かせました。そして結局、帰省している1週間の間、長男は青いボールを大事そうに抱え、楽しそうに過ごしていたのです。Upload By シュウママそれ以来、長男はピンクのボールひとつに執着するのではなく、他のボールでも遊べるようになりました。ただボールは片時も離しませんけどね。何か一つのものに対する固執や愛着といった感情は、決して珍しいものではないと思います。それをゆったり見守っていると、少しずつ少しずつこだわるポイントが減っていって、いつか卒業できる日がくるのかなと思います。長男も今年小学6年生。心も成長しているのかもしれません。
2020年01月30日専修学校卒業間近!と思っていたら...先生からの電話で顔面蒼白にUpload By かなしろにゃんこ。車の整備士を目指し専修学校に通っていたリュウ太は、高等課程から専門課程に進み、専門的に自動車整備について学んでいました。リュウ太20歳の頃のこと。半年後にはいよいよ卒業、そしてついに社会人へ!という、将来の目標に向かって期待を膨らませている時期...のはずでした。しかし、そううまくはいかないのがわが家のリュウ太です。高1でアルバイトを始めて自由に使えるお金を手にしたことで夜遊びが多くなり、結果翌朝登校できない日が増え、卒業が難しくなってきたのです。そのことを知ったのは秋のこと…「リュウ太君はこのままだと卒業できませんよ」と学校の先生から電話がありました。母「えーーー!?補習25時限分ですか!!それと再試も!」実技の実習が多い学校です。サボりは命取りなのです。出席日数不足のため、卒業するまでもう1日も休むことはできません。遅刻もできませんし、通常の授業の後に補習を2時限ずつ受けなければ卒業はできなくなりました。Upload By かなしろにゃんこ。確かに毎朝寝坊はしていたけど、学校にはちゃんと行っていると思っていたのに…20歳になっても学校からの電話に悩まされるなんて…「どうなってんのよっ!まったくもうっ!(怒)」と、リュウ太を問いつめてみると…「朝起きたときは元気なんだけど、車で学校に行く途中に眠くなって…」リュウ太の学校は車通学ができます。就職に免許が必須なこともあり、生徒の半数近くがバイクか車の通学です。「渋滞で眠くなってきた…ヤバイこのまま運転したら危険だ」と、車を停められる場所で仮眠をとり...「ハッ!今何時だ!?」慌てて起き上がると、すでに陽が傾いて学校の授業が終わる時間。「またやっちまった…寝すぎた!部活(カート部)だけ顔出していくかな」と学校には一応向かうけれど、授業は受けられない日が続く...ということだったようなのです。どうにもならないくらい成績も最悪で順位は後ろから数えてすぐでした。(涙)母は「バカたれ――――!!遊びはほどほどにして毎日早く寝なさい!」と息子にカンカンに怒りますが、「そうしたいんだけど…遊びたいんだ。みんなが遊んでるのにオレだけ家に居るのはイヤなんだよ」と言います。目の前の楽しいことに全力な息子。気持ちはわかるけど、学校をおろそかにしてまで遊ぶのは良くないですよね。バイトもしていて体が疲れているんだから休まなくちゃ。Upload By かなしろにゃんこ。卒業したら整備士としての就職を視野に入れており、そうなると整備士資格が必須です。卒業認定証をもらえないと整備士の国家試験の受験資格は得られません。学校には奨学金制度を利用して通っていたので、資格が取れず就職できない場合、奨学金返済にも影響が出かねません。こんなことを親子で話し合い、卒業と資格取得を再度目指していくこととなりました。遊ぶの禁止!アルバイトは週1日!補習を毎日受けて、なんとか卒業へUpload By かなしろにゃんこ。周りの子はアルバイトもして国家試験対策もして就職活動もして、すでに内定をもらっている子もたくさんいましたが、リュウ太は補習や日々の授業をこなしていくことだけで精一杯です。卒業するまで遊びに行くの禁止!アルバイトは週1日だけ!と約束しました。そこからは毎日放課後に補習を受け、補習のあとには夜間に開いている試験対策の特別授業を受けて、帰宅するのは11時。そこまでしても万年落ちこぼれな子ですから整備士試験問題集はわからないものだらけです。試験前の合宿で3日間ぶっ続けで勉強して、ようやくみんなに追いついたようです。そして卒業2日前にギリギリ補習を終わらせ卒業できることになりましたが、結局就職活動ができないまま卒業式を迎えることになってしまいました。あとは国家試験を突破するのみ!しかし、ここで大きなハプニング...Upload By かなしろにゃんこ。卒業式2日後、整備士の国家試験の日。「大丈夫?受験票はしまったの?時間は間に合うの?」心配な母はソワソワ。母の心配をよそに、リュウ太は「受験票はカバンに入れたよ!大丈夫だって、いってきまーす」と元気に出発していったのです。…が!! 「ヤダ―――大事なもの忘れてる!」廊下に、そこにあってはいけないものが置いてありました。試験に必須の電卓と筆箱です。「まぁここまで頑張っただけでヨシなのかな?リュウ太だもんね、無事に済むわけないじゃない!大事な場面でやらかすのがあの子よ…」と母は諦めムードでした。試験会場前のコンビニで、リュウ太は青くなっていました。「やべー筆箱忘れてきた...電卓もない」と大慌て。「弁当買うついでにカバンの中確認してよかった。気づかず試験会場に入っていたら終わってたな...とはいえ所持金が800円しかないのにどーする…」Upload By かなしろにゃんこ。結局筆記用具は友だちに借りて、昼飯をオニギリ1つにして残金で電卓を買ったのでした。本当は11桁電卓が必要なところ、お金が足りなくて8桁電卓を購入。試験中に「わー計算できないっ」と少しパニックになりつつ、アナログで計算して乗り切るというスリル満点な1日だったようでした。それでもなんとか、自己採点では、多分…合格?と思っていたそうです。大丈夫でした。ちゃんと合格していました。うっかりハプニングも、乗り越えて強くなる!ADHD息子流の成長Upload By かなしろにゃんこ。息子はハプニングとお友だち。いつも何かが起きる、でもその度なんとか乗り越える。そうやって土壇場に強くなっていってるのかもしれません。それがADHD!と感じる母でありました。ちなみに忘れっぽくウッカリな特性がありますが、好きなものや得意なものでは集中力を発揮するので、仕事ではウッカリ整備不良ということはないように気をつけられるのでした。
2020年01月29日前回のあらすじむっくんの就学を意識し始めたころ、にぎやかすぎる兄弟を叱ってばかりの生活に追い詰められ一軒家を建てることに。前編では、それまでの生活での困りごとを意識して工夫したポイントを紹介してきましたが、後編では、ちょこっと先の将来を見据えて意識したことについてです。ちょっと先の未来を意識した間取りと設備現在6歳のむっくんは、もうすぐ小学生になります。これから生活習慣について声かけが必要なシーンも増えてくるだろうと考え、間取りでカバーできそうなことは取り入れるようにしました。登校前や帰宅後の流れが、毎日の難関になりそうだと考え、玄関まわりの間取りは工夫しました。玄関入ってすぐに「上着を掛ける場所」「荷物置き場」を作り、学校へ持っていく持ち物、靴下、ハンカチなども収納できるように。更に洗面台も作りました。意味を持つ場所が次々と目に入るので、声を掛けずとも自然に習慣を整えることにつながるといいなと考えています。Upload By ウチノコ感覚が敏感なむっくんは、刺激の強い場所では疲れてしまいます。自宅を落ち着ける場所にするため、壁紙や床は模様や強い色が入らないよう気を付け、インテリアも同系色に。シンプルな内装で視覚から入る刺激を減らすよう心がけました。また、将来勉強に使ってほしい子ども部屋は北側に配置。理由は日の光が強く入らず変化が少ないこと、更に我が家の場合は道路に接していない方角が北側だったので、音の刺激も減らせるということで決めました。(勉強するかどうかは別問題ですが…)Upload By ウチノコモノの管理や片付けがものすごく苦手なむっくん。私にとって将来一番心配なことはコレかもしれません。そこで、モノの管理や、自分が管理できる量の上限などを学びやすい環境になるよう意識しました。我が家のモノはどこに何をしまうか決めたうえで設計し、備え付け家具のみで賄えるようにしてあります。私が管理できるモノの上限量がそれだけであること、後付け家具はない方が部屋の情報量が減らせるという理由もありますが、全てのモノが決まった場所に収まっている環境で育ててあげたいという思いもありました。「どこに何をしまうのか」を明確にして、「入りきらないものは増やさない」「増やしたいなら前のものを減らし、スペースを作ってから」ということを日々の暮らしの中から学んでいけたらいいなと思っています。Upload By ウチノコまた頻繁に片づける必要のある衣類は、管理の楽なハンガー収納のみで全て賄えるよう、一人100cmのクローゼットスペースを確保しました。私自身の家事時短にもなりますし、衣類が増えすぎてしまったことにも気が付けます。将来むっくんが自分で衣類管理する時も、このやり方が適していると考えて習慣化に繋げたいと思っています。現在も衣類がハンガーで並ぶことで視覚的に全て確認でき、比較もしやすく、衣類を選ぶ負担が減らせているようです。Upload By ウチノコ住んでみたら…、予想外の効果部屋や階ごとに役割が分けられた一軒家での生活で、今まで大変だったお風呂や就寝がスムーズになりました。我が家は間取りの都合上、1階リビング、お風呂は2階にあるのですが、2階に行く=お風呂→寝るという習慣ができたのです!今までの賃貸アパートでは、遊ぶ部屋と眠る部屋が同じ、お風呂の後はリビングで着替える、など一つの部屋に複数の役割を持たせる生活をしていたので、余計に切り替えが難しかったのかもしれません。Upload By ウチノコまた、入眠に時間がかかるむっくんですが、以前より入眠時間が短縮されました。家が広がったことで、動く距離が増えエネルギーが発散できているのかもしれませんし、周囲からの音など刺激が減ったことも要因かもしれません。こればっかりはうまくいかなかった…階段に慣れていなかった我が家の2人は、引っ越しのために手すりを外していた初日にそれぞれ階段から落下しました…。我が家はコの字階段なのですが、一直線にのびる直階段だったらと考えると怖くなりました。可能であれば、折返し階段にしてコーナー部分に踊り場を設けるか、段の高さを低めにするなどで事故に備える必要があるかもしれません。Upload By ウチノコそして家が広がった弊害がおもちゃの片付け!おもちゃが1階のリビングと2階の子ども部屋に分散されたことにより、片づけるトータル量は変わりませんが面積は増えました。おもちゃ地獄はまだ続きそうです。更に我が家恒例の激しい兄弟喧嘩は相変わらずです。広くなったんだから離れて遊べばいいのにと思うのだけど、部屋の隅で引っ付き合って相変わらず喧嘩をしています。Upload By ウチノコ家を建ててみて思うことハッキリ言うと、今のところ我が家のデメリットは35年住宅ローンのみ!生活はとても楽になりました。子どもと私のトラブルを減らしたくて、かかわり方や声掛けやら様々な方法などを学びましたが、直接的なかかわり方よりも、間接的に感じる環境を変えることが何より子どもに大きな変化をもたらすのだなぁと痛感しています。環境調整は子ども自身の負担も少ないので理想的だなとも思いました。Upload By ウチノコもちろん相変わらず大変なこともありますが、確実に叱る回数は減りました。注意ワードNO.1が静かにしなさいから、パンツ履きなさいに変わったかも…。いや、離れなさい!かな。おかげでむっくん妊娠時から7年半ぶりに、自分のためにコーヒーをいれよう。と思うゆとりも産まれました。この7年半1度もなかったの、本当に。子どもたちの変化は、ひょっとしたら私の心のゆとりが生み出しているのかもしれません。子どもたちが私と遊んでくれる残り時間はあと10年程度。その10年をこの家で一日一日楽しく過ごしていけたらいいなと思っています。Upload By ウチノコ
2020年01月28日ASDの兄、新しい環境で大学生活をスタートUpload By 寺島ヒロ子どものころから、できることとできないことの差の大きかった息子です。高校3年生になっても「早起き」「雑事を何かのついでに片付けること」「スケジュールを覚えておいて実行すること」が著しく苦手だったので、これは一人暮らしは無理と判断。合格した大学のなるべく近く...歩いてたやすく通える範囲にアパートを借り、当面は私がついて行って自活への道を探ろうということになりました。ええ、最初は息子と私2人だけで引っ越し、1年もすれば私は夫や娘の住む大分に帰ってくるつもりだったんです。ところが、大学進学というものを理解していなかった娘が「お兄ちゃんもうおうちに帰ってこないの?ヤダ!私も行く!!」と言い、タイミングよく失職していた夫が「置いてかないでよ!」と言い...なぜだか家族全員で引っ越すことになってしまいました。Upload By 寺島ヒロそれまで予定していたのは2DKの部屋だったのですが慌てて3LDKの部屋を探したり、荷造りが膨大なことになったりと大変でした...が、息子もなんとか第一志望の大学に合格し、家族で新生活をスタートさせました。遅まきながら「いずれは全部一人でやるのよ!」といいつつ家事を教えているところです。大学生活の最初のハードル、『履修登録』さて、「大学進学と同時に一人暮らし」というプランは早々に放棄していたので、身の回りのことはゆっくりでいいと思っていたのですが、大学生活の中には”締め切り厳守で提出する必要があるもの”が結構あります。私が特に心配していたのが「履修登録」...大学では学ぶ授業を学生が自分で選び、登録手続きを行う必要があるのですが、これが発達障害のある学生さんには難しいと聞いていたのです。というか、実は私も大学生時代に履修登録や単位計算が出来なくて留年したことがあるのです!目の前の紙に書いてある計算問題を解くことはできても、息子があんな手順の多い複雑な作業を締め切りを意識しながら自力でこなせるとは思えませんでした。Upload By 寺島ヒロでも支援課にいけば大丈夫!でも支援課にいけば大丈夫!息子の通う大学には、学生支援課の中に『障がい学生支援室』があり、大変細かい支援をしてくれるのです。私はこのことを昨年のオープンキャンパスに参加して知りました。オープンキャンパスの会場に、障害のある受験生向けの入学後の支援について相談できるブースがあったのです。まだ願書も出していない時期なのですが、履修登録や、課外学習でのフォローなどについて既に相談して、詳細なカルテを作ってもらっていました。なお、この時点では匿名での作成でした。合否に影響するのでは…?と思われないようにするための配慮のようです。Upload By 寺島ヒロ登録の実作業のフォローや、キャリア形成を視野に入れた授業の取り方のアドバイスはもちろん、「起立性調節障害があり朝早く起きる自信が無いので、2時限目からの授業でなるべく賄いたい」「実習や課外授業は出来るだけ多く経験したい」などのワガママな希望も聞いて必要な手続きを指示してくれます。奨学金の申請も書類の書き方から丁寧に教えてくれました。※支援課で受けられるサポートは大学によって異なるので、それぞれの大学の情報を調べてみてくださいね。Upload By 寺島ヒロまさに"大学生活の駆け込み寺"!障がい学生支援室などのおかげで、学校生活が思ったよりスムーズに進められるようになった息子。自分の欲しいものを自由に自分のお金で買いたいという事と、将来仕事をする時のため、お給料をもらう経験をしたいという事で、会場設営などのアルバイトも始めました。駅から離れている場所には私が車で送迎しますが、駅の近くの現場だとひとりで電車に乗って仕事に行きます。ほんの半年前には電車の乗り換えも不安で、大学に歩いて通える範囲にアパートを借りたことを思うと、なんだか感動してしまいます。現場で指示を受けながら瞬時に的確に動くのは、息子にとってはなかなか大変なようですが、今のところ大きな問題もなくやれているようです。アルバイトや、大学の授業での様子については、また折に触れレポートしていきたいと思います。
2020年01月24日母娘旅のはじまりUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみ優しい空港警備員さんの気遣いのおかげで、無事に入場ゲートを確認。少し時間もあったので、一休みすることにしました。思いもよらぬストレートな質問に考えさせられる...Upload By ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみ私がヘルプマークの着用を娘に勧めたのは、トラブルがあることを「認知してもらう」ことで、聴覚過敏があるためイヤーマフをしている娘が冷たい視線を浴びることなくノビノビできたらと思ったからです。これまで、イヤーマフのことを聞かれるたびに、私が説明し理解してもらってきました。ですが空港で、こんなにも真っ直ぐで温かい質問を受けた私は、どう答えていいものか、しばらく黙り込んでしまったのです。「例えば座り込んで動かない...とか、顔色が悪く様子がおかしいといったときは、他の体調不良のお客様と同じように、持病を伺ってもいいと思いますよ」とは言ったものの、それは「何か起きてしまったときの措置」というだけで、「ヘルプマークを付けている人になにができるのか」という答えではないように思います。ヘルプマークを付けている人に何かしらトラブルが起きてからでなければ、手助けできないということなのか?...とも考えました。ヘルプマークには、はっきりとした効力はないように思いますが、ヘルプマークのことをわからないながらも電車の席を譲ってくれたら私は涙が出るほどうれしいです。そして、今回のようにわからないことを真っ直ぐ聞いてくれることも、母としてすごく嬉しかったです。「私にできることってなんだろう」と思ってくれている人に出会えたことは、おそらく私も娘も一生忘れないと思います。
2020年01月23日広汎性発達障害の娘の友達関係は...広汎性発達障害の娘(小学3年生)は、小学2年生の時から特別支援学級に在籍しています。現在は、国語と算数以外の時間を交流学級で過ごしています。特別支援学級所属になった当初、私は友達関係のことを心配していました。特別支援学級にいることでからかわれたり、いろんなことで少しずつ配慮されることを「特別扱い」と言われるんじゃないかと不安だったのです。しかし、実際の友達関係は私の想像と違いました。わが家には、幸運なことに娘の友達がよく遊びに来ます。今回は私が見た、娘と友達の様子を紹介したいと思います。言い間違いを優しく訂正。娘はまだまだ「て・に・を・は」や、言葉自体の言い間違い、使い間違いがよくあります。そんな時、娘の友達は…Upload By SAKURA言い間違いをバカにすることなく、優しい口調で教えてくれます。これが娘にも合っているようで、私が言ったら反抗してきそうな指摘を、友達だと素直に聞いていました。そんな関係がありがたく、いつも私はお礼を言っています。勘違いも笑ってくれる。娘は、言い間違いも多いですが、聞き間違いも多いです。知らない言葉もたくさんあるので、他の友達同士が話している会話を聞き間違えて、違う意味で捉えてしまったりすることがあります。Upload By SAKURAそんな時も娘の友達は、笑ってくれます。笑うといってもバカにする感じではなく、その場の和みとして捉えてくれた笑いで、娘の聞き間違いひとつで、みんなが長時間笑っていることもあります。聞き間違いがあって大丈夫、そう思うと安心して見守ることができます。人と違うことをしても受け入れてもらえる。遊びの中でも、周りをみたり、場の空気に合わせて行動を選んだりすることが少し苦手な娘。周りと比べて、突拍子のない選択をしてしまうことがあります。Upload By SAKURAあまりに周りとかけ離れた選択をしても、それはそれとして楽しんでくれる友達。娘の特性や性格をわかってくれているような、その言葉かけに驚いてしまうこともあります。好かれている安心感。親がついつい助け舟を出したい場面もあるのですが、普段から仲良しなこともあって、思ったよりなんとかなっていることもあります。Upload By SAKURA私たちがいろんな面で娘に対して不安に感じることは、友達の中ではもしかしたら大したことないのかもしれないと感じることができました。親としてできることは…社会に出ていく前の人間関係の勉強になる学校生活…。友達とのコミュニケーションは私にとってかなり心配となる部分でしたが、娘は思ったよりも楽しそうにやれているようでした。学校ではどうか…担任の先生に聞いてみても、仲良しグループ内での様子は変わらないようで、他の子たちがうまく娘をカバーし、サポートしてくれるようです。私が娘の友達関係で気を付けていることがいくつかあります。1つは…友達が遊びに来るという提案をなるべく断らないこと。近くで友達との関係性を見たい私にとって友達が来てくれることはありがたいので、友達が「あーさんの家に行きたい!」と言ってくれた時や、娘が「友達連れてきてもいい?」と言った時、私はよろこんで「いいよ」と言うことにしています。もう1つは…お礼を忘れないこと。娘に普段から「友達にお礼を忘れないように」と話すことはもちろんですが、娘が助けてもらった時は、その場で私からも娘の友達にお礼を言うようにしています。「いつもありがとうね」「優しいから嬉しいよ」「助けてくれてありがとう」と言葉にしています。そうすることで、"友達の親"という立場からほんの少しだけ近づくことができています。おかげで、子どもたちの世間話や遊びに誘ってもらえることもあります(笑)いい友達に恵まれていることに感謝しつつ、何か起こった時にはサポートできるよう、引き続き出過ぎず…見守っていきたいと思います。
2020年01月22日未然に防ぎたいトラブル...弁護士がまとめた事例と対策『事例で学ぶ発達障害の法律トラブルQ&A』発達障害のある人が生活していく中で、当人同士では解決できないトラブルが起こったとき、法律に照らし合わせて解決するとどうなるか、34の事例とQ&Aの形で分かりやすくまとめられた書籍が発売されました。発達障害のある人のトラブルを多く扱う弁護士、鳥飼康二さんの著書です。お金や仕事、恋愛でのトラブルから、「いじめ被害にあった場合」「合理的配慮を学校に求める」など学齢期に起きる可能性のあるものまで、当事者にとっても保護者にとっても他人事ではない事例が並びます。法律に関する内容ときくと難しそうに感じますが、法律の解説、解決のヒントが易しい言葉で書かれているので、専門知識がない人にも読みやすい書籍です。トラブルは未然に防ぎたいもの。読んでおくと、トラブルを防ぐために日常生活の中で気をつけたいポイントも見つけられそうです。わが子に合った手立てを考えるヒントがたくさん!『発達障害&グレーゾーンの小学生の育て方』発達ナビユーザーに向けて実施したアンケートから、ニーズの高かったお悩みについて、どのように考えて対応していくとよいかを紹介している書籍です。鳥取大学大学院教授の井上雅彦先生が監修しています。ユーザーアンケートがもとになっているので、取り上げられているお悩みは家庭生活から対人関係に関する内容まで、小学生の生活の中で困りごととしてあがりやすいものばかり。「やることの優先順位付けや時間配分が苦手」「同じ質問や確認を何度もする」「人と協力して何かをすることが難しい」など、気になる内容が並んでいます。それぞれのお悩み事例につき3つの対策が提案されていますが、それらはあくまで例であり、お子さんに合う方法はこの3つ以外のものかもしれません。本に書いてあることを参考にしながら、ご自身のお子さんの得意や苦手にあわせたサポート方法はどのようなものか、考えていくきっかけとなる一冊です。当事者であり支援者でもある。だからこそ伝えられるメッセージ。『こちら、発達障害の世界より』自閉スペクトラム症とうつ病の当事者であり、支援者でもある著者の難波寿和さんが、当事者・支援者の2つの目線からみた発達障害の世界についてまとめています。子どものころから生きづらさを感じていた難波さんが、発達障害であると診断されたのは大人になってから。診断を受けたあと、支援者として仕事を続けるかどうか葛藤した胸中、二次障害のこと、再び支援者として活躍するようになるまで...当事者としての日々が赤裸々に綴られています。後半には支援者として活躍する難波さんの支援に対する思いや自身のライフハック術が紹介されています。根底に当事者としてのスタンスがあるためとても具体的で支援者としての信念も伝わってきます。最後には当事者に向けてのやさしいメッセージも書かれており、当事者がみる世界を改めて捉え直したいときに読みたい一冊です。育児で絶望した日々を経て、後輩ママたちへ伝えたい『そのママでいい発達障害の子を育てるあなたに贈る43のエール』発達障害のある人やその家族が生きやすい社会になるよう活動している、発達障害コンサルタントの橋口亜希子さん。前向きに社会に向けて発信を続ける橋口さんにも、過去には子育てに悩み辛い日々を過ごしていた時期がありました。過酷な日々の中で抱えた葛藤や、気になった周りの人の目。現在はイキイキと活動している姿が印象的な橋口さんは、壮絶な毎日からどのように前を向いていったのでしょうか。そのきっかけとなった人との出会いやお子さんからの言葉、現在に至るまでと、20年の子育ての経験がありのままに綴られています。現在の活動に込める思いや原動力などにも本の中で触れており、その中にも1人のママとしての経験、後輩ママへの思いが溢れていることが分かります。辛いことや不安が尽きない日々の子育てに悩んでいるママたちを包み込み、勇気づけてくれるような一冊です。
2020年01月21日そうだ!家を建てよう。子どもが産まれてからずっと賃貸の集合住宅で暮らしていた私たち家族。むっくんが年中さんになり、就学を意識したところ、環境の変化に弱いむっくんを転校させることは避けたいという思いが大きくなり、小学校入学前に生活拠点を落ち着けようと動き始めることになりました。当時はマンションもいいよねーなどのんきに考えていましたが、5歳と2歳の激しい男子との生活はとにかく賑やか。「跳ぶな座れ!」「走るな歩け!」「追いかけっこ禁止!」「アリさんの声~!!」と叱ってばかり。更に休日はうるさくて自宅で過ごせず、朝から晩まで車で彷徨うように…今の暮らしは私がツライ!静かにしなさいって叱りたくない!と追い詰められ、一軒家を建てることになりました。Upload By ウチノコ住宅メーカーを考える予算、性能、デザイン、標準仕様、工期など様々な選択基準はあると思いますが、我が家は災害に強いことを一番に考えました。被災したとしても我が子は避難所で長く生活することが難しいと考え、できれば災害時も自宅で安心して過ごせることや、仮に大きく被災しても災害後に早期住居再建ができるかどうかも大切でした。住宅再建には住宅メーカーの力が不可欠ですし、広い地域での災害の場合はメーカーの組織力も必要だと考え、災害時の対応が早く、実績もあるメーカーから選択することに決めました。Upload By ウチノコ設計にあたり、私たちのコンセプトは「子どもが叱られない家」でした。子どもたちと過ごせる時間はそう多くはないので、私たちが老いた後に住みやすい家ではなく、子どもが楽しく過ごせる家に焦点を絞りました。遠い未来のことはわからないので、その時リフォームすればいいや!の心意気で、現在の困りごとをできるだけ解決できるよう考えました。困りごとを意識した住宅設計Upload By ウチノコ我が家はもともと音への配慮があるメーカーを選んだので、標準仕様のみで何か追加したわけではないのですが、・窓に複層ガラス・外壁に遮音効果のあるものが採用してある、気密性もある住宅です。実際住んでみてとても静かで驚いています。以前の賃貸では窓を閉めても子どもたちの声が漏れていましたが今はそんなこともなく、屋外からの音も以前より静かになりました。Upload By ウチノコ出かける前などに、興奮して勝手に外へ飛び出してしまうことが危険だったので対策を取りました。・玄関ドアはサムターン(ドアの内側に取り付けられている、施錠・解錠用つまみ)を外して・手動開錠ではなく電子錠を採用・更にドアを開けると警報音が鳴るようにこれらは防犯仕様ですが、逃走防止にも役立っています。また、間取りでもリビング階段を取り入れ、リビングを通らないと外出できないように設計しました。Upload By ウチノコドアが凶器の我が家。むっくんは力加減が苦手なため、ドアに走り込んで正面衝突したり、勢いよく閉めた所に弟が挟まったりする怪我が頻繁に起こるので、・室内ドアは全てガラス面が少なく・扉がゆっくり閉まるソフトクローズ機能付きの引き戸で統一割れることもなく、力をかけてもゆっくり閉まるので以前より安心です。また、好奇心旺盛な兄弟は窓からの落下事故が心配でした。そこで・2階の子ども部屋の窓には一時的に柵も設置窓の高さにも、気を使いました。・大きく開放できない滑り出し窓を多く採用・窓の高さも高めに設計・それでも心配な窓には内格子を装着珍しい内格子ですが、落ちないので安心できています。Upload By ウチノコ前項と同じく、力加減が苦手で行動が激しいため、どうしても色々壊すことが多いむっくん。・壊れても諦めがつくよう、屋内の壁紙や床などに高価なものは使用しませんでした・また家具は少なめに・インテリアも必要最低限にして壊れるものを減らしました・きっと何かされる壁紙は汚れの取れやすい素材の白の無地で統一壁の下地は白なので、破れても剥がされても目立ちません。実際もうやらかしていますが、白色なら市販の補修材があるのでとても助かっています。・更に火災保険で家財にも補償をつけ・子どもが壊したテレビなどの家電も補償対象にそれだけでもいくぶんか心穏やかに過ごせています。Upload By ウチノコ次回につづきます次回は子どもたちの少しだけ未来に向けて意識したこと、更に新しい家での予想外の効果について書いていこうと思います。
2020年01月17日安静にさせたい母vs遊びたい子どもの終わりなきバトル!インフルエンザなどの感染症が流行るこの季節。感染してしまった時、発熱・咳・鼻づまり・倦怠感などの症状で辛い頃はグッタリとして静かなコウです。辛くてグズグズすることもありますが、少なくとも“横になって休むこと”はしてくれるので助かります。問題は、高熱が微熱まで下がったりして「ちょっと辛いけれどまぁまぁ動ける」レベルまで回復してきた頃です。Upload By 丸山さとこUpload By 丸山さとこコウは「寝てるの飽きた!遊びたい!」と起きようとするし、私は「いや、まだ治りかけだから!」と寝かせようとするしで、両者共に一歩も譲らない激しい戦いになりがちです。最終的には「微熱は平熱ではない」「発熱後は体力を消耗している」と安静を迫る私が半ば強引に寝かしつけるパターンが大半ですが、バトルが激しすぎる時にはしばらく放置することもあります。“病み上がりのわずかな体力が尽きるのを待つ”パターンです。疲れ始めてきた頃を見計らって「少し横になって、また元気になったら遊ぼう。」と寝かしつけると、コウも横になった時に「あ、楽だ。」と感じることで割合すんなり体を休めてくれます。とはいえ、インフルエンザにかかったり風邪をひきこんだりする度にバトルをするのは不毛です。何かよい方法はないか…と考えた結果、コウにも“体内で起きているバトル”を理解してもらうことになりました。Upload By 丸山さとこ戦うべきは、親子ではなくウイルスと免疫!ということで…親子でバトルしている場合ではない、戦いは現場(体内)で起きているんだ!というわけで、人体図鑑やDVDを一緒に見ることで“体内で起きているバトル”をコウに理解してもらいました。図鑑好きなコウは「図鑑に書いてある」というだけで一定の信頼感をもって受け入れてくれるので、大分話がスムーズに進むようになりました。また、DVDに収録されたCGによる動画は、体内で起きていることをイメージしやすくしてくれました。実際の細胞を撮影した動画はリアリティによって説得力を与えてくれて、コウは「本当にこうやって体を守っているんだね!」と興奮した様子で見ていました。Upload By 丸山さとここうして免疫のしくみを知ったコウは、自由帳が免疫の絵でいっぱいになるくらい免疫のことが好きになったのです。“何のために安静にするのか”を知ることUpload By 丸山さとこそうして、コウは“僕の体が頑張るために”安静にできるようになりました。横になっていても眠れないと「ヒマ~」と起きてきてしまうことも多いのですが、そういう時はDVDや音声絵本などを楽しみながら横になるようにしています。Upload By 丸山さとこそれでも彼なりに“頭も含めて休むこと"を忘れないように意識しているらしく、「頭を使わないようにして休んでないとね!」と自ら目を閉じることもあります。「血液を脳にばっかり集めて酸素や栄養を使ってたら、全身の免疫細胞達は『今はこっちに回してほしいな~』って困っちゃうよね。」とうれしそうにしている彼にとって、“僕”と“免疫細胞”は助け合う仲間のような感覚なのかもしれません。インフルエンザシーズンまっただ中の今!そんな“コウと免疫細胞達”による免疫バトルに加勢するべく、加湿器に給水し空気を入れかえながら、「手は洗った?」「水分とってる?」と声をかける毎日です。Upload By 丸山さとこ
2020年01月16日授業中は床にゴロン!気が向いたときしか勉強しなかった息子Upload By かなしろにゃんこ。ADHDと広汎性発達障害がある息子のリュウ太は小学校では勉強らしい勉強をやらずにきました。なにせ授業中は廊下が友だちでゴロンですから、やってもいいかな~♪と気分がのったときだけ授業を受けるという気ままな子です。そんな状態ですから、中学に進んでなんでも自主的!に行うことを求められるようになると、勉強についていくことができなくなっていきました。テスト勉強ももちろんほとんどやらず、テストで平均点を取ることも難しくなりました。テスト前、「勉強しなさいよ」と声をかけると、部屋の中から「今やってるよ!」と返事が返ってきていました...が、本当はやっていなかったと思います(笑)周囲は受験対策を始める時期...うちの子のやる気スイッチが見つからない(涙)Upload By かなしろにゃんこ。中1のときだけ理科担当の担任の先生がテスト前に朝の特別授業をしてくれたので理科だけは平均点を獲得しましたが、他の教科はボロボロですよ…あはははは…(涙)テスト前に息子は「寝る間も惜しんで勉強しないといけないなんてオレにはムリ!勉強はやらない!」と”勉強を一生懸命やらない宣言”をしやがりまして、以後本気で勉強に向き合うことを避けていました。とは言っても、中2の冬頃になると周りは少しずつ高校受験の準備をはじめます。一緒に遊んでいた子も塾に通いはじめるし、家庭教師をつける子もいたり...うちも受験前に何もしないのはさすがにマズイだろうと家庭教師や英会話教室なども挑戦しましたが、やる気スイッチが発動しなくてどれも長続きしませんでした。勉強が面白くないのは先生の教え方が悪い、教材がわかりにくいなどと難癖をつけ...やる気がないときは全身の力が抜けて床に寝転がり、数時間充電しないと何もできず...好きなことでは記憶力が良くても、その他のことでは短期記憶も苦手で...Upload By かなしろにゃんこ。塾に通わせようにも、こんな息子の特性を理解してもらわないと授業にもならないので、大手の素晴らしい個別指導塾でもダメなんじゃないかしら?どうやって受験対策をしたらいいのやら...と悩んでいました。そこで地域の先輩ママに相談したところ、個人宅で小さな塾をしている方が近くにいることを知りました。息子の同級生のママが先生をしている塾でした。Upload By かなしろにゃんこ。落ち着きのない子でも見てくれるというので、見学に行って息子が発達障害であることや特性を話して相談したら、「それでも大丈夫ですよ!本当は男の子は小学校5年生から受験の準備をはじめたほうが受験問題をきちんと理解できるようになるんですけど、受験までにやれるところまで頑張りましょう!」と言ってくださり、通ってみることになりました。救世主は意外にも近くに...!Upload By かなしろにゃんこ。その個人塾は、息子にはぴったりの塾でした。静かな場所だとそわそわしてしまい、誰かと話したくなってしまう息子。授業中に他の子に話しかけてしまうことが度々あったのですが、個人塾の先生はそんな息子の特性に合わせ、プリントをする間はイヤホンで音楽を聴いて良いという特例のルールを設けてくれました。Upload By かなしろにゃんこ。それに、何かやらかしたときに感情的に話す息子に対して、先生は落ち着いた口調で必要なことを短く言葉にして伝えてくれる方だったので、イライラした気持ちが打ち消されていったと息子は言います。力を力で返すのではなく吸収してくれるような先生で、息子にぴったりでした。あぁこの塾があって良かった、ADHDの気性の荒い子でもなんとかなった!と思えました。テスト前は臨時で授業を開いてくれたり、塾をさぼっていないか親が確認できるようにメールもいただけたりして、親子でなにかと助かりました。親も子もストレスフルな受験期...理解ある先生にお任せできてよかったUpload By かなしろにゃんこ。おかげで苦手感があった数学に自信がついてきて、その後、車の整備士を目指すための専修高校に進んだ息子は、必須の数学を学ぶ際に挫けないですんだようです。大手の有名塾にも憧れましたが、息子には個人塾が合っていたのかもしれません。いろいろ悩みましたが、口コミから息子にぴったりのところに出会えて、本当によかったなと思います。今は発達障害がある子を専門にみてくれる塾もできてきました。いい塾が増えましたね♡反抗期の子どもと受験のアレコレでぶつかって疲れる毎日です。親子だけでどうにかしようとせず、理解のある先生にお任せすることで心の負担が軽減できました。
2020年01月14日STEAM教育って何?
子育て楽じゃありません
細川珠生のここなら分かる政治のコト