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前回のあらすじ娘が18歳の時に学校主体で開催された、保護者向けの障害年金説明会をきっかけに、申請のための準備を少しずつ進めようと考えた私。役所の窓口の方にもまだ早いと驚かれましたが、少し早めに過去の記録を引っ張り出し、保護者が作成できる書類の記入に取り掛かることにしました。早めに準備ができる書類『病歴・就労状況等申立書』は障害年金を申請する際に必要な書類の一つです。医療機関に記載を依頼する診断書などには有効期限がありますが、これは請求者(本人や保護者)が作成する書類なので早めに準備しておくことができます。私は隙間時間に少しずつ作成していきました。Upload By 荒木まち子どこで区切るか『病歴・就労状況等申立書』の最初の欄は発病から初診までの間(先天性疾患は出生時から初診まで)の状況を、それ以降は期間を3〜5年に区切って書くので、私は娘の経過を、1.出生時~初診まで(娘の場合は0~2歳)2.未就園の期間3.幼稚園の期間4.小学校(低学年)5.小学校(高学年)6.中学校7.高校8.就職後に分けて書くことにしました。娘の場合、一枚では欄が足りなかったので『病歴・就労状況等申立書(続紙)』を使用しました。Upload By 荒木まち子状況記入欄に何を書くか状況記入欄には、(受診していた期間は)通院期間、受診回数、入院期間、治療経過、医師から指示された事項、転医・受診中止の理由、日常生活状況、就労状況などを書くのですが、私はそれらの他に・初診まで…親が感じていた困り事(視線が合わない。抱くとのけぞって嫌がる。手をつなぐのを嫌がる。発語が遅い。)など・就学まで…療育センタ―受診の経緯、療育内容、幼稚園での様子・学生時代…障害由来の学校での困り感、学校でのいじめの様子、感情コントロールの困難さ、支援機関との連携について・就職後…新たな環境に対する不安の強さ、精神的に不安定な様子、職場で行われている配慮などを記入しました。Upload By 荒木まち子当初「なんてサイズが大きいんだろう!」と思っていた『病歴・就労状況等申立書』用紙は、娘の20年間の困りごとで、みるみる埋まっていきました。それは「よくまあこれだけのことがあったものだ」と我ながら感心するほどで、最終的には枠内に書ききれず、割愛するエピソードがでるほどでした。手書きかPC作成か申請書類作成は手書きでも大丈夫ですが、『病歴・就労状況等申立書』と『病歴・就労状況等申立書(続紙)』は日本年金機構のHPからダウンロードすることができるので、私はエクセルで作成をしました。ここで注意しなければならないのは『病歴・就労状況等申立書』と『病歴・就労状況等申立書(続紙)』では裏面が違うということです。Upload By 荒木まち子Upload By 荒木まち子『病歴・就労状況等申立書』と『病歴・就労状況等申立書(続紙)』は、A3サイズで両面印刷をした後に、裏面の請求者署名欄に本人署名(または捺印)をする必要があります。(見本の赤丸で囲った部分)「自発的」の意味合い『病歴・就労状況等申立書』裏面には『日常生活状況』を4段階(※)の中から選ぶ項目があります。(見本の黄色枠で囲った部分)※「1」→自発的にできた「2」→自発的にできたが援助が必要だった「3」→自発的にできないが援助があればできた「4」→できなかったこの“自発的”には“すべてを自分一人で”という意味合いがあるということを知り、<着替え>の項目では一人で着替えられたとしても“自分で季節にあった服を選ぶこと”ができていなければ「1」にはならない、<食事>の項目でも食卓に出されたものを自分で食べることはできても“一人で暮らした時に栄養のバランスを考えた食事を取ること”ができなければ「1」にはならないなどの点も気をつけなければならないと思いました。なので本人が「自分でできている!」と思っていても、申立書の記入時には注意が必要です。参考になった勉強会学校での障害年金申請説明会から1年ほど経ったころ、娘が余暇支援やショートステイで利用している地域活動ホームで、保護者向けの勉強会がありました。講師は「親なきあと」相談室を主宰する、行政書士、社会保険労務士、ご自身も障害児の親でもある渡部伸さんでした。障害のある人の「親なきあと」についてのお話は、・暮らし方やお金に関すること・医療費、信託制度、成年後見人制度について・相談先や実際の事例など多岐にわたる内容でした。なかでも障害年金についてのお話は、ちょうど『病歴・就労状況等申立書』を作成していた私にとって、とても参考になる内容でした。親なきあと相談室|渡部行政書士事務所親目線は一味違う!日本年金機構(年金事務所)の方の説明会も勉強になりましたが、やはり親目線ももちあわせた先生からのお話は格別で、・『病歴・就労状況等申立書』には具体的なエピソードを書くと良い(書ききれない場合は別紙添付も可)・障害年金申請が通らなかった場合には審査請求、再審査請求などができる・働いている場合は職場からの意見書も有効など、前回の説明会では知りえなかったことを学ぶことができました。(勉強会を企画してくれた地域活動ホームに感謝、感謝です!)続く...
2020年01月07日3年前、小学5年生のときから一緒に、解決策を考えてきたUpload By 発達ナビ編集部発達障害がある音娘(いんこ・仮名)さんは、公立の中学校に通う中学2年生です。3年前から、LITALICO研究所所長・野口 晃菜(以下、野口先生)と一緒に「どんなことに困っているのか」「どうしたら解決できそうか」を考えてきました。野口先生と音娘さんが出会ったのは、小学5年生のときのこと。野口先生が訪問した小学校の校長先生に紹介されて出会いました。それ以来、毎月1回、音娘さんとお母さま、野口先生の3人で会って「今困っていること」を整理し、「どうしたらいいのか」一緒に考えています。たくさんのこだわりの背景にある要因や、そのこだわりのために彼女自身が困っていることを丁寧にひもとき、自分自身で「どうすればいいのか」を導き出せるように対話を続けます。生きづらさを抱えながらも自分の思い描く未来に向けて、支援者と一緒に考えながら少しずつ足を踏み出そうとする姿は、発達障害があるお子さんや保護者、そして支援者にとってもヒントとなりそうです。今回は、野口先生が音娘さんにインタビュー。こだわりや苦手なもの、その背景にあるもの、見出した解決策について、発達ナビにシェアしてくれました。たくさんの苦手なこと、その理由とは?音娘さんなりのライフハック方法もUpload By 発達ナビ編集部野口先生音娘さんには、どうしてもイヤだなって思うものがあるんだよね。例えば、特定の数字や、嫌なことが5回続くこと、日没の時間、冬…。イヤなことやものの理由、どういう風に対処しているのかを話してもらえるかな?まず、嫌いな数字から聞いてもいい?音娘さん24と58が嫌い。昔、24日に嫌なことがあってから24が苦手になった。24日が来ると逃げたくなる。日にちだけじゃなくて、24分も嫌い。24て数字は、「しつこい人」に見える。野口先生へー、しつこい人に見えるんだ! 24への対処法も見つけたんだよね?どういう風にしてるのかな?音娘さん24分がくるときは、時計をかくす。あとは、(24分って考えずに)23分60秒って考えて、それから15秒間息を止めて、23分75秒までタイムトリップするの。24分を秒単位まで分解して、(24分がまるまる全部あるんじゃなく)最初の15秒をカットする。24分45秒までしかない、24分は3/4しかないって考えると、イヤな感じがちょっと減る。でも、タイムトリップ中にメール受信とかをしちゃうとイヤな気持ちになる。受信履歴に24分の時間が残るのもイヤ。時計をカスタマイズできたらいいのに…。23分75秒のつぎに24分15秒がくるように。それから、58も嫌い。58分も、24分と同じ風にしてやりすごしてる。58は「声が甲高いおばさん」に見える。数字を見ていると、おばさんの声がして、細かいこと注意してくるからイヤ。朝起きて、着替えとか朝ごはん食べたりするほかに、ペットのインコに餌をあげるんだけど、インコを起こす時間や餌やりは気に入った数字(7時55分)のときにしたいし、嫌いな数字(24分や58分)の時は目をつぶって息を止めてやりすごすから、タイミングが難しくて、いつも遅刻しちゃう…。野口先生でも嫌いな数字は(秒単位に)分解して考えることでイヤな感じを減らせるようになったんだね。これは音娘さんが自分で考えた「ライフハック(生き抜くための術)」だね。Upload By 発達ナビ編集部音娘さんは、他にも「イヤなことが5回続く」のはイヤなんだよね。音娘さんうん。学校に連続5回行くのがイヤ。野口先生だから、一週間は、月・火・水・木・土・土・日、っていう風に考えているよね。曜日についての考え方をかえることで、対処してるんだね。音娘さんそう。LITALICOの人って、土曜日も働いてて大変だね。イヤなことが連続するのがイヤだから、電車に乗っているときも、急行に乗って、5駅飛ばすのもイヤ…。野口先生音娘さんは、冬も嫌いだから、冬眠したいんだよね。先生にも毎年「冬眠券」くれる。(注:音娘さんは毎年「冬眠券」をつくり、LITALICOのスタッフなどに配ってくれます。これを枕の下に入れて寝ると冬眠できるという設定です)Upload By 発達ナビ編集部音娘さん11月30日から3月5日までは冬だから冬眠する。5年前にひどい風邪をひいてずっとなおらなかったのがイヤで。寝込まないためにはどうしたらいいんだろう?って考えたとき、「冬眠すればいいじゃん」って思いついて。でも、それから毎年冬眠に挑戦するけど、どうしても次の日に目が覚めちゃう…。でも、冬眠しているって設定で…野口先生お、「っていう設定で」って初めて聞いた。これまでは「冬眠」することが音娘さんにとって当たり前って話し方をしていたけど、それを「設定」って捉えるようになったんだね!Upload By 発達ナビ編集部冬眠に毎年チャレンジするものの、挫折が続いた音娘さん。今年は「冬眠か安眠を選べる」設定にして、少しずつ折り合いをつけられるようになっています!将来に向けての不安Upload By 発達ナビ編集部中学2年生の音娘さんは、そろそろ中学卒業後の進路についても決めなくてはいけない、というプレッシャーを感じています。日々の生きづらさに加えて、将来の仕事までを見据えた進路選びへの不安は、彼女の心をしめつけているようです――。音娘さん将来のことが不安。将来の仕事を考えて進路を考えろって言われるから、仕事を決めないといけないし、ぼーっとしているとそれで一日が終わっちゃうから。何か決めたら頑張れるのかなって思うけど、明日から何したらいいか分からない。お母さま発達障害があると、将来のことを考えて高校選びしましょうって言われがちで。どんな専門性を身につけたらいいのかって…。娘は(それを生真面目にとらえてしまって)不安になっている面があるのではと。Upload By 発達ナビ編集部野口先生そんなに将来の仕事のことを今から心配しなくてもいいと思うよ。今幸せならきっと将来も幸せだと思う。どんな風だったら楽しいか考えてみよう。音娘さんチェックのスカートに胸元リボン、ブレザーの制服の高校に行ってみたい。かわいいヘアゴムで髪を結びたい。野口先生先生はアメリカの高校だったから、高校生のときに髪を染めて学校に行ったよ。先生は「アキナ、クール!」って褒めてくれた(笑)音娘さんいいな。今の学校は飾りのないゴムじゃなきゃダメだよ…。有名ブロガーになってブロガー会を開きたいUpload By 発達ナビ編集部たくさんの生きづらさを感じている音娘さんですが、自分で決めた「がんばりたいこと」があります。それが、ブログで有名になって、ブロガー会に出たいという目標。でもなかなか難しいことにも気付いているので、「それならば自分で会を開こう」と心に決めます。野口先生音娘さんは、ブログをやっているよね。どんなブログか説明してもらえますか?音娘さん「インコと住む日々」っていうブログ。基本は、インコについて書いてる。ブログにイラストを書きたくて、ペンタブも使えるようになった。参考:インコと住む日々野口先生音娘さんは、ブロガー会を開きたいんだよね?音娘さん有名ブロガーになると、選ばれた人しか出席できないブロガー会に招待されると知って、「いいなぁ」と思って会場になったホテルの外まで行ってみたことがある。(まだ自分には参加できる権利はないから)自分で企画してLITALICOの人を招待して会を開いてみたいなぁと思って。それを開きたいから、今年は冬眠をしないでおこうかって思ったりもする(注:取材時は11月)。でも、会を上手くできなかったらどうしようと思って不安になってる。野口先生じゃあ、どうすればいいか、整理してみようか。Upload By 発達ナビ編集部今年度、音娘さんは会を開くことができるのでしょうか。でも、挑戦しようと思うその気持ちも、大きな成長だと感じます。試行錯誤しながらも、前に進もうとする姿Upload By 発達ナビ編集部どうしても気になってしまうコトやモノ…たくさんのこだわりや苦手がありながらも、どうにか折り合いをつけられる方法を見つけ出し、ライフハックを試みながら成長していく音娘さん。まだお母さんと片時も離れられなかったり、がんばりすぎて呼吸ができなくなって具合が悪くなってしまったり…、困りごとはたくさんあるけれど、「好きなこと」を手掛かりに、少しずつ世界を広げていこうとしています。音娘さんとの対話を3年間続けている野口先生は、次のように話します。「音娘さんと出会ったとき、嫌悪感や不安な気持ちを音娘さんに抱かせる刺激、出来事の多さにびっくりしました。毎分毎秒嫌悪感や不安と向き合っていることを教えてくれ、その中でどうやって過ごしていくか?をこれまで一緒に考えてきました。出会ってからの大きな変化は二つあります。一つは好きなことややりたいことが増えたことです。好きなブロガーのブログを読むこと、ブログを書くこと、LITALICOに来ること、LITALICOで出会った先生たち、プログラミング。好きなことをしているとき、好きな人と話しているとき、好きな場所にいるときは、これまで毎分毎秒一緒にいた不安や嫌悪感を少し忘れることができると分かりました。そして、もう一つは不安や嫌悪感との付き合い方です。今回教えてくれたように、音娘さんなりの“ライフハック”がたくさんあります。不安や嫌悪感について、どう折り合いがつけられそうか?どう対処できそうか?をこれまでたくさんお話ししました。音娘さんの対処方法は本当にクリエイティブで私も自分が不安なときに使わせてもらっています。」野口先生と一緒に、丁寧に困りごとを整理し、どういう風にすればいいのか自分で考え、日常のなかでその「ライフハック」を試していく姿は、不器用だけれども一生懸命で、彼女のペースでゆっくり歩んでいってほしいと心から願わずにはいられませんでした。たとえ難しくても自分自身の中に「解決のための答え」はきっとある。そこに丁寧に寄りそい、一緒に考えるプロセスこそ、周りの大人が大切にしなくてはいけないのです。そしてまた、思春期らしい悩み――音娘さんが、将来への不安、進路選びでの不安を抱える様子からは、試行錯誤しながらゆっくり成長していく発達に課題がある子どもたちに、将来の仕事を決めてそこにむけてまい進するよう、早々に求めてしまう今の社会の側の課題も感じられました。撮影/鈴木江実子
2020年01月06日2020年も発達ナビは皆さまのパートナーとして進化し続けますUpload By 発達ナビ編集部新年あけましておめでとうございます。発達ナビは、皆さまのパートナーとして、2020年もお役に立つ情報を届けてまいります。また、ダイアリー機能の進化に加え、1月26日の発達ナビ4周年に合わせて、サイトのリニューアルを予定しています。より使いやすく、皆さまにとってなくてはならない存在となれるよう、2020年も進化していく所存ですので、ぜひ今年も発達ナビをご活用くださいね。1月26日は発達ナビの4歳の誕生日!皆さまの活用例をコラムに2020年1月26日は、発達ナビが誕生して4周年の日。この日を記念して、キャンペーンを行います。4周年記念プレゼント企画も予定しているほか、ユーザーの皆さま参加型のコラムもリリースさせていただきたいと考えています!「発達ナビと出合って変わったこと」「こんな風に使っています」「こんな機能があったらうれしいな」発達ナビを活用いただくことで変わったこと、変わるといいなと思っていることをぜひお寄せください!いただいたエピソードやご意見は、4周年記念コラムでもご紹介させていただければと考えています。シェアの方法は2つ!ダイアリーでシェアいただく、もしくはアンケートにご回答いただく形で受付ます。ダイアリー投稿の場合は・公開範囲を「全員に公開」にする・タイトルに【4周年アンケート】を入れる形でご参加ください!ぜひたくさんの声をお寄せくださいね!
2020年01月01日すごく温厚な普段の私と自分勝手に振舞う余裕がない私出典 : 私は普段、誰かに対してほとんど怒ることがありません。特に仕事中は顕著で、周りの人が初歩的なミスをして自分が全部対応しなければいけなくなったときも「なんでこんなミスしたんだ!」というような気持ちにはならず、「ああ、こういうミスをするとへこむよね。さっさと解決して立ち直ってもらわなきゃなぁ」と思うことが多いです。自分は温厚な人間だと思っていましたが、ある日、家に帰ってから妻に対して「これ片づけるって言ってたじゃん!」とか「これとこれはやっておかないとダメだよね!」と小言ばかり言っている自分に気づきました。普段は怒ることがほとんどない自分がイライラと小言ばかり言っていることが自分でも不思議で、その日の夜、お風呂に入って色々と考えているうちにふと、子どものころの自分の怒りの表現はどうだったかな・・・と思い返していました。幼稚園時代――他人にも感情があることを知らず、気に入らないと叩く出典 : 幼稚園時代は、気にくわないことがあると怒ってほかの子を叩いたり、ほかの子が話している内容に自分が知っていることが含まれていると「それ知ってる!F1ってセナがかっこいいよね!」みたいに口をはさんで勝手に話し始めたり...とても自分勝手な子どもでした。いま考えると顔が真っ赤になるくらい恥ずかしい話なのですが、そのころの私は「自分以外の人間も感情をもっていて、自分と同じようにいろんなことを考えている」ということがまったく想像できていませんでした。そのため、自分の感情や感じたことを何も考えずに周りにそのまま表現していました。その後父にたしなめられたことで、自分以外の人間も自分と同じように感情があり、いろいろなことを考えているということを想像できるようになり、だんだん自分勝手な振舞いは減っていきました。(父にたしなめられたときの出来事は以前記事に書いていますので、気になる方はご参照ください)学生時代――自己肯定感の低下から怒りの感情をもたなくなる出典 : 他人の感情が想像できるようになった私は、小学校にはいってからは従順な生徒として生活するようになっていました。その後不登校を経験してから高専に入ってある程度年数を経るまでも、他人に対して「自分が怒っている」と感じたことはありませんでした。不登校を経験したことにより自分自身への評価がかなり低くなっていたためか、いつの間にか「自分は誰かに怒りの感情を抱いてはいけない人間なんだ」と思い込んでいたのだと思います。納得できないことがあったときには、怒る代わりに納得できるまで説明を求めて問い詰めることで解決していました。「期待しない」「とりあえず受け入れる」処世術で温厚に仕事をこなす出典 : こうして社会人になったのですが、周りの人たちには「怒らないけど余計な質問が多くて面倒なやつ」と認知されていたことと思います。それからもいろいろな経験をしてきましたが、相変わらず仕事でもプライベートでも他人に対して怒りの感情を覚えることはほとんどありませんでした。例えば新卒で入社した会社では、先輩から「いじり」という名目で「おまえならだいじょうぶだよな?」とか「テレビのアレまねしてみろよ」みたいなことを言われていたことがありました。いま考えてみると人によってはとても耐えられない状況だったとは思うのですが、私としては嫌な気持ちはありつつ「自分が話すのが下手だから輪にいれようとしてくれてるのかな」と思い、その言動を受け入れようとしていました。このころは自分自身への評価の低さに加えて、独自の処世術として「自分以外の人に期待しない」だったり「相手が言ってきたことはとりあえず受け入れてみる」という考え方をしていたこともあり、そもそも誰かに怒りという感情を抱く以前に処理していたような気がしています。人には怒りを感じない一方で――思い通りにしたいものにはイライラが募るようにしかし、人に対しては怒りを感じない一方で、パソコンやアプリなど、自分がこう動いてほしい!と思っているのにそう動いてくれないものについてはイライラすることがよくありました。私がイライラするポイントは相手に対してこう動いてほしいという希望や、こうしてくれるだろうという期待を持っていて、その通りにならなかったとき。このあたりにヒントがあったのかなと思います。身近な人にイライラしてしまう自分に気づいて自分が期待しているものが期待どおりに動いてくれないととたんにイライラしだす傾向にあることを踏まえると、最近妻に対してイライラするようになったのは、自分の中で妻との距離が近くなったために、自分自身と同じようなレベルで妻に期待してしまうことが原因なのかなと思います。この状態は妻にとってかなり窮屈な状態だと思っているので、今後どうやって改善していこうか考えているところです。今のところは以下のように振舞うことで対応しています。私が家族以外の人間関係でイライラしないのは、「人に期待をしない」考えがベースにあるから。身近な人間に対してはこの考え方をするのがなかなか難しいですが、良くも悪くも自分と妻は違う人間であることを意識して、自分が期待していることと違うことをされた場合には、なぜ妻がそのような行動をしたのかを考えたり想像したりするようにしています。そうすることで、お互いの違いを理解していくことができると考えているからです。あっ!いまイライラしてる!と、自分の気持ちに気づくことはとても重要だと考えています。そして、何に対して・なぜイライラしたのか、そのときの自分のコンディションはどうだったかなど、可能な限りで振り返るようにしています。その上で、また同じような状態になったときに、自分にも周りの人にとってもよりよい状況になるような対処法を日々考えています。ちなみに私の場合、不必要に声が大きくなっていたり、説明している理由が論理的でない感情的な発言をしていたりしたら、自分が怒っていると判断するようにしています。自分がイライラしていることに気づいたときには、そのまま妻にぶつけてしまわないようすぐにお風呂に入ったり、自分の部屋にこもったりして物理的に妻と距離をとるようにしています。私は妻よりも口ゲンカが強いため、イライラをぶつけてしまうことで妻に嫌な思いをさせてしまうのが嫌だからです。ひとりになれば誰も傷つけることなく、なぜ自分がそのときイライラしたのかをじっくり考えることができるため、個人的にはかなり安全な策だと思っています。妻からは突然怒ったように見えると思うので、原因や理由を説明しないと「理由はよくわからないけどささいなことで夫が突然怒り出した」という状況になってしまい、かなり怖いのではないかと思います。そのため、怒った理由を言語化できるときにはなるべく妻に伝えるようにしています。「リモコンがいつも自分が置いている場所とは違う場所に置かれていたから、イラッとしてしまった」のようなささいなことでも、気づいたら言語化して伝えるようにしています。こうすることで自分で自分の怒りの原因を知ることができますし、妻にもそれを知ってもらうことで、今後同じような状況になったときに自分も妻も前回とは違う振舞いができるのではないかと期待しています。自分勝手に振舞うことは甘えていることの表現なのかも出典 : 身近な人に自分のイライラをぶつけてしまうことについて、もう一つ思い当たる要因があります。私は感覚過敏のためか他人との身体の接触があまり好きではないので、小さなころから両親にべたべたくっついて甘えることはあまりありませんでしたが、「自分の考えを好きなだけ話す」ということが私にとってべたべたくっついて甘える行為に相当していたのかなと今では思います。家族も仲の良い友人も、自分の考えをしっかり聞いてくれるしその考えについてちゃんとコメントをしてくれていたので、そのコミュニケーションが安心感を生み、自分なりの甘え方になっていたような気がします。そう考えると、自分自身の期待を投影してしまい妻にイライラしてしまうということも、妻に対して「なんで自分のことをわかってくれないの!」というような、かなり子どもっぽい甘え方をしている側面もあるのかなと思っています。これは私だけの感覚で他の発達障害当事者の方はまた違う感じ方になるのかもしれませんが、物理的に近づく以外にも甘えを表現する方法があるところをご参考にしていただけますと幸いです。社会人になってから家族にもこういう甘え方をしなくなっていたので、この状況にどう対応するのが良いのか戸惑っているところです。自分なりのコミュニケーションで人との距離感を縮めようとしている自分自身の特性を把握しつつ、これから状況を改善するためにいろいろと試していってみようと思います。
2019年12月27日冬の朝は布団から出てもらうのにも一苦労ですUpload By スガカズUpload By スガカズUpload By スガカズUpload By スガカズUpload By スガカズUpload By スガカズ次の行動に移れないときは何分後なら大丈夫なのか、教えてもらうことにしています。Upload By スガカズUpload By スガカズ2年前のある冬の朝のこと。当時小1だった次男は、布団からでることを嫌がりました。私はついイライラしてしまい、ケンカに発展…。その日は学校をお休みするという結果になってしまいました。私自身のアプローチに問題があったのだと深く反省しました。お互いにとって心地よいコミュニケーションを1番に考えようと改めて思いました。また、その後ペアレントトレーニングに半年間しっかり通い、そこでBBCチャート(より良い行動のためのチャート)に出会いました。そこから、「この子には今何が難しくて、どうすれば次の行動に移せるのか」と考える癖をつけるようになったのです。朝にギスギスした状態だと、その後の学校生活に影響しやすいですよね。発達凸凹の次男には、学校生活にも課題があります。せめて、学校に行く前にはできるだけ笑顔でいてほしいと思うのです。おんぶは年相応ではないですが、こういった短時間の触れ合いでも、親子の信頼関係や心の安定にも影響していると感じることが多いので、今年いっぱいは続けてもよいかなと思っています!
2019年12月26日弟の急激な成長。広汎性発達障害の娘(小学3年生)には、3歳の弟がいます。それぞれの成長を経て、今2人の姉弟関係は、また少し変化してきています。3歳になった息子は、いわゆる定型発達。口頭で説明してもすぐ理解し…空気を読むのもうまく…要領もよく…トイレトレーニングもあっさり終了。何事もあっという間にこなしてしまいます。ゆっくりペースの娘の育児経験しかなかった私にとって、成長っぷりは驚くものです。Upload By SAKURA特性の違い。言葉の理解力はまだまだ娘が上ではあるものの、急激に姉に追いつきつつある息子。要領がいいことに加えて、負けず嫌いな息子は、何でも「自分でやる!」スタイル。Upload By SAKURAのんびりペースで、何事もすぐ諦めてしまいがちな娘と、行動の違いも目立つようになってきました。観察が得意な息子は、姉が諦める様子を無言で見つめることもよくあります。Upload By SAKURA泣く姉をじっと見つめるその姿は、何か感じるものがあるように見えました。喧嘩はするが、仲のいい姉弟。息子が生まれた時、私たちは、息子には姉を見下したりは絶対にしてほしくないと思っていました。息子が2歳になったころから、2人は一緒に遊ぶ時間が増え、親が間に入らない会話も多くなりました。2人っきりの会話もしっかり成立するようになり、喧嘩もするけどなんだかんだで仲良くしていました。Upload By SAKURA喧嘩になっても、お互い自分の言い分のぶつけ合いをするだけで、相手のことを悪く言うことはありませんでした。息子は周りを見るのが上手なので、娘の様子に気がつくのも早く、「ねぇねぇ、いくよ~」と自主的に娘に声をかけてくれることもあり、このまま支え合ってくれるといいな~と感じていました。息子の成長で、姉弟関係に変化が…しかし、息子の成長の過程で、自己主張の時期になり…Upload By SAKURA誰に対しても順番を競うようになりました。そして、段々と娘の行動を指摘するようになってきました。Upload By SAKURA息子にとってこれは、いじわるをしようという思いがあるわけではなく、「僕、早かったでしょ?」「すごいでしょ?」というアピールなのだと思います。息子なりのコミュニケーションなのかもしれません。しかし、急かされるのが苦手な娘にとっては、言われたくない言葉…。徐々に娘は息子の声かけに不快な反応を示すようになり、加えて、弟のことを「いじわる…」「わがまま…」「もうやだ」と言うようになりました。かみ合わない、お互いの思いを微調整。それからの姉弟関係は、ちょっとかみ合わなくなり…Upload By SAKURA弟から急かされたり、いつの間にか勝負にされ、「負け」と言われ泣く娘…。そんなつもりはなかったのに、思ったものと違った反応の姉を見て、泣く息子…。どっちの気持ちもわかるだけに、どう対処したらいいか悩むこともありました。娘が急かされる言葉を嫌がるからと言って、娘を優先し、息子の言葉を必要以上に制限するのは少し違う…しかし、娘が嫌と感じる言葉は、息子にきちんと伝えて理解してもらわないといけない…。そこで私は息子に…Upload By SAKURA言葉を変えるように提案しました。すると息子は、娘を応援し始めました。Upload By SAKURA「急いで!」「早く!」「負け!」という言葉をかけてしまう前に、「頑張れ」と言ってもらうことで、娘も不快感を見せることはなくなりました。お互いの我慢を聞く。発達障害がある子は嫌なことや苦手なことも多いため、その対応に気を使います。しかしその子を優先してしまうと、きょうだい児である子に我慢を強いてしまい、不満が溜まっていきます。どちらにも気を使うため、2人を見つつ言葉を選ぶところが非常に難しく感じます。お互いが不満をもたないように、私たちは「嫌なことは言っていいんだよ」と話しています。その主張を通してあげられるかはわからないけど、お互いが嫌だと感じたことを伝え合うことで、子どもたちは自分の思いをため込みませんし、なにより私たち親がその度に子どもたちが何を不満に思っているか知ることができます。お互いが嫌なこと、その言い分、言葉に込められた意味をその度に伝え合うことが、これからの子どもたちの成長にいい影響を与えてくれると信じて、2人の成長に合わせつつ向き合っていきたいと思います。
2019年12月25日【イベント】鑑賞サポートあり!障害のある人による劇団ファマリーの公演「True Colors MUSICAL ファマリー『ホンク!〜みにくいアヒルの子〜』」Upload By 発達ナビニュース2020年7月まで開催中の、日本財団が主催する「True Colors Festival - 超ダイバーシティ芸術祭 -」。障害・性・世代・言語・国籍など、多様性があふれ、みんなが支え合う社会の実現を目指して開催されているこの催しの中では、ダンス・ミュージカル・音楽ライブ・演劇・ファッションショーなど、多彩な身体表現を生かしたイベント「True Colors パフォーミングアーツ」が展開されています。その第4弾演目として、アメリカで舞台芸術をツールに障害のある人たちの就労・自立・社会参加を実現している非営利劇団ファマリー(Phamaly)の新作ミュージカルの公演が行われます。上演されるのは有名な童話をもとにした「ホンク!~みにくいアヒルの子~」。この公演には障害のある日本のアーティストも2名出演しており、アメリカでの制作・初演を経た日本凱旋公演となります。公演当日は、公演内容についての事前解説や、開演前に実際の舞台美術を触りながら公演についての解説が聞ける「タッチツアー」など、初めてのことが苦手・ミュージカルが初めてで不安...というお子さんの鑑賞のハードルを下げる配慮も実施されます(要事前申込,申込多数の場合は抽選)。他にも、希望される方には、かんたん日本語字幕・英語字幕が表示されるタブレットを貸し出したり通路側席を用意したりなどの鑑賞サポートも(要事前申込)。英語での上演となりますが、日本語字幕がついています。お子さんのミュージカルデビューの機会にするのも良さそうです。【詳細】日時:2020年2月15日(土)/2月16日(日) 13:30開場 14:00開演(両日とも)場所:東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)東京都豊島区東池袋1-19-1上映時間:120分予定(休憩15分含む)座席:エリア指定席チケット:有料(料金の詳細はホームページでご確認ください)※両日ともにタッチツアーは12時、事前解説は13時開始。要事前申込。※「True Colors Festival」とは?あらゆる多様性があふれ、皆が支え合う社会を目指すパフォーミングアーツの祭典です。観て・学んで・参加できる、多彩なプロジェクトを展開します。【講座・セミナー】春のセミナー「自閉症スペクトラムの理解と支援」を開催Upload By 発達ナビニュースよこはま発達クリニックが、一般の方向けの「自閉症スペクトラムの理解と支援」セミナーを春に開催します。「基本特性の理解と評価」「支援の原則と実際 構造化」「問題行動とそれへの対応」の3つのテーマで開催され、具体的な支援方法についても紹介されます。支援に関わっている人も、自閉症とは何か基本から知りたいという人も、医師や専門家のお話を聞きながら学べる貴重な機会です。 ●春のセミナー詳細日時:2020年3月20日(金)~22日(日)場所:大正大学(東京都豊島区)費用:各日11,000円(税込)定員:150名(先着順)また現在、知的な遅れのある自閉症の人たちに関わる専門家や保護者を対象とした連続講座も開催しています。この講座を通して基礎知識や日常の支援に必要な情報、日ごろ支援に関わるクリニックのスタッフが大切にしている考えなどを学ぶことができます。WEBで受講する形式となっており、公開期間内であればいつでも受講可能です。●WEB講座受講期間・テーマ◇知っておきたい福祉制度や親亡き後のこと/佐々木康栄(2020年1月17日~24日開講)◇問題行動に対する対応の原則/内山登紀夫(2020年2月14日~21日開講)◇知っておくべき医学的問題~てんかん、カタトニア、薬物療法~/蜂矢百合子(2020年3月6日~13日開講)・受講料一般:単回4,400円※お申し込み方法等詳細はホームページにてご確認ください。【ニュース】日本自閉症協会が、当事者の生活や支援のあり方をまとめたDVDを発売『自閉症とともに 1〜3巻』Upload By 発達ナビニュース一般社団法人 日本自閉症協会が監修した、自閉症の人たちの生活を理解するために活用したいDVDがリリースされました。DVDは全3巻。第1巻は当事者や家族の日常をインタビュー、第2巻は自閉症の人の感じ方や学び方についての当事者や専門家による解説、第3巻は具体的な支援方法の紹介がまとめられたものとなっています。自閉症の人たちやその家族がより生活しやすくなるためには、当事者のものの見方や感じ方・学び方を知り、それにあわせて環境を整えたり的確に情報を提供したりすることが大切です。今回DVDとしてリリースされたのは、映像で観ることでその特性が理解しやすく、個々にあわせた支援が必要であることもより分かりやすいからだそう。幼児期から成人期まで実際の生活場面を観ながらその特性や学習スタイルを学ぶことができるので、支援者も保護者も、日々の支援をよりよいものにするために活用できそうです。●金額3巻セット 11,000円(税込) / 各巻 4,400円(税込)上記価格に送料が加算されます。※参考:1セット(3巻)のご注文の場合の送料は、370円(レターパック)になります。●お問い合わせ先一般社団法人 日本自閉症協会 事務局〒104-0044 東京都中央区明石町6-22 築地ニッコンビル6FTEL:03-3545-3380FAX:03-3545-3381e-mail:info@autism.or.jp※DVDのご注文は、下記HPより注文書をダウンロードの上、FAXにてお申し込みください。
2019年12月25日朝全然起きない息子...小学校時代は機嫌よく起きてもらうために試行錯誤Upload By かなしろにゃんこ。ADHDと広汎性発達障害がある息子は朝が苦手で一人で起きることができませんでした。保育園時代や小学校低学年のときは毎朝機嫌をとりながら起こしていました。少しでも怒らせるとその後ずっと不機嫌で着替えも嫌がる子です、トホホです。好きなテレビ番組がある日曜日だけは機嫌よく起きてきますが、平日の朝は何度呼びかけても布団から出てきません。というか熟睡していて呼びかけに反応してくれません。音をシャットアウトしながら寝ているのかしら?と思うほどスヤスヤ~。体をゆすったり、上半身を抱っこして起こしたりしないと起きてくれません。Upload By かなしろにゃんこ。寒い冬なんかは特に起きられず...十分に部屋を暖めておいて活動しやすいようにするなど気を配りました。しかしやっと抱き起こしても布団から出たらダッシュでヒーターの前に移り、そこから動きません。眠いし寒いしで、学校に行く気持ちができあがっていないので、顔も洗わないし服も着替えません。早く支度しなさい!と言いたいところですが...ここでガミガミ言うと学校を休みたいと言い出しかねないので、じっと機嫌がよくなるのを待つしかありません。当時は、もう学校は遅刻していってもいいか~という気持ちで付き合うことにしていました。8時半を過ぎると学校から電話が来るので、先生に「息子の気持ちがまだイマイチなので2時間目あたりに登校します」と伝える日もありました。中学生になり、自分で起きようと目覚ましをかけるようになるも...Upload By かなしろにゃんこ。Upload By かなしろにゃんこ。中学になってやっと目覚まし時計をセットして一人で起きる練習をはじめましたが、いやいやいや~忘れっぽい特性のせいで目覚まし時計を毎晩セットできないんです。目覚まし鳴らないじゃーんこの時計壊れてる!と怒る息子。自分がONにし忘れていただけなのに、時計を無能呼ばわりしたり、物にあたり散らしたり...テストや体育祭、文化祭、音楽祭など、いつもと違うイベントのある日はちゃんと目覚ましをかけて、その音で起きられるのですが、息子に聞くと、朝起きてから活動するまで気持ちを上げることがすごく難しいのだそうで...ワクワクすることがない日は体が動かないんだとか。これもADHDの特性なのかしら?だとしたら仕方がないですから、何度も声をかけて起こしても私も疲れるだけです。なるようになれと放っておくしかありません。いつも遅刻ギリギリか遅刻をして登校していました。Upload By かなしろにゃんこ。専修学校時代、出席日数がギリギリに...!危機感を感じた息子はUpload By かなしろにゃんこ。専修学校に通っていたときも遅刻ばかり、学校に着いたら授業が終わっていて部活だけ出て帰るなんてこともあったりして、先生から「授業のコマ数が達してないからあと1日でも休んだら卒業できないぞ!」と言われる始末。そんな脅しがかかると、それまでのんびり構えていた私ももっと必死に息子を起こさないといけないかも!と思い...普段夜型で朝は睡眠の真っただ中にいる私ですが、息子が起きる時間に合わせて毎朝布団の中から携帯電話で起こしていました。それと早く睡眠に入れるように冬は湯たんぽで布団を温めて、布団に入ったら湯たんぽを布団の外に出すなど睡眠導入しやすい温度の工夫もしていました(寝る前に手足を温め、その後は手足の体温を低くして眠るという効果)。寝る2時間前に息子が湯たんぽを布団に持って行き、布団を温めていました。息子も自分の2つの携帯電話のアラーム機能を使って時間差で10回アラームが鳴るようにセットしたり、携帯電話の上に枕や布団が乗ってしまい音が聞こえづらくなってしまうのを防止するために少し高い位置に携帯電話や時計を置いたりと、「起きなくてはいけない」と自覚してからは何重にも対策をするようになりました。さらに寝る前に自分に暗示みたいに、朝〇時に起きる!と心で唱えるようにしたようで、これも息子にはけっこう効果があったようです。必ず起きなくては卒業できなくなるという緊張感、何重にも重ねた対策、起きるぞという意識。それからは毎朝起きるようになっていきました。あんなに起きられなかったのに息子が、就職後は...!?Upload By かなしろにゃんこ。そして現在は、就職をして毎朝必ず決まった時間にスッと一人で起きて出社するようになったから、驚き~!!まぼろし~??ウソのようなホントの話!急にできるようになったんです。なんで起きられるようになったのか息子に聞いてみました。すると、「学校は行っても行かなくてもどちらでもいいと感じていたから、ヤル気になるのにも身体の調子が上がっていくのにも時間がかかってた。でも仕事は賃金が発生するから、アラームが鳴るとパッと目が覚めて体が動くようになってきた!多分会社の人に迷惑がかからないようにしなきゃ!という気持ちと、オレはお金が大好き♡だし、働くことは嫌じゃないし楽しいから♡」といいます。あんなに起きられなくて保育園時代から18年間私を困らせていたのに、社会人になると急に変わることもあるんだな~と思いました。息子にとって起きる動機があることがなにより重要だったみたいです。おかげで私は夜型で仕事をすすめて、早朝にゴミ出しした後に昼前までゆっくり眠れるようになって幸せです。
2019年12月23日~未就学期から将来の就労・自立まで~上尾市主催「発達障害児家族支援講座」「発達障害児家族支援講座」(埼玉県上尾市主催)は、発達障害があるお子さんの保護者を対象に、お子さんへの支援や関わり、社会的資源について、未就学期から将来の就労・自立までさまざまなライフステージにおける支援を学ぶ講座です。2019年10月14日(祝)に行われた鳥取大学大学院教授 井上雅彦先生の基調講演をかわきりに、お子さんそれぞれの発達を育むLITALICOジュニア、就労移行支援を行うLITALICOワークス、障害のあるお子さんとご家族のライフプランのサポートをするLITALICOライフプランニングのスタッフが全4回のリレー講座を行います。発達障害のある子どもへの支援~学習支援を中心に~お子さんの発達の心配や育児の悩みをサポートする「発達障害児家族支援講座」。講座第2回目は「発達障害のある子どもへの支援~学習支援を中心に~」をテーマに、・発達が気になるお子さんへの学習支援・ ”個”と”環境”へのアプローチ・学習支援の具体例について、LITALICOジュニアのスーパーバイザー・阿部先生が登壇、紹介しました。発達が気になるお子さんが通うLITALICOジュニアでの「授業についていけない」「特別支援学級在籍だが、学校ではなかなか勉強が進まない」という学習ニーズのあるお子さんへのサポート例について紹介。各単元の予習や復習より優先するのは・学習しづらい要因は何か どうすれば学びやすいか・困ったときに何ができるか等を一緒に考えること。学習でのつまずきの背景には、一人ひとり違う困難があります。それに気づき、解決策を考えていくのです。例えば、順を追って文章を読むのが苦手なお子さんには「国語のテストでは、定規を当てて印をつけながら読むと飛ばさずに読めるね」、計算が苦手でパニックになってしまうお子さんには「算数の公式をノートの上に書いてから計算を始めてみよう」というように、お子さん一人ひとりに合わせて考え、サポートすることが大切です。続いて、“個”と“環境”へのアプローチについて説明。Upload By 発達ナビ編集部お子さんの困りごとは、周囲との相互作用によって生まれます。個とは、子ども自身にある特性。環境とは、ご家庭・教育機関・地域・配慮などの個をとりまく全てを指します。双方がうまくかみ合わないと困りごとが生まれてしまいます。お子さんが「視界がせまい」「聞き取りづらい」「不安になりやすい」場合、「正面に座る」「静かな環境を整える」「相づちを打つ・笑顔を向ける」ことで、困りごとを減らしていくことができます。このように、お子さんにフィットするように、環境面を整えていくことが大切です。「氷山モデル」についてもご紹介しました。Upload By 発達ナビ編集部今は水面下に隠れているけれど、これから表出する可能性がある困難さがあるかもしれないという考え方です。例えば、板書を写すのが遅いお子さんの場合、(板書が)見えていない・書くことが苦手・モチベーションが上がらない・文字情報の認知の困難さ・記憶の困難さ、といった可能性が考えられます。また、お子さんを褒めることで「自己肯定感を上げる」重要性についてもお伝えしました。自己肯定感が下がってしまうと、環境を整えても本人が挑戦する気持ちが生まれにくくなります。褒めるポイントがうまく見つけられないときは、「褒めるハードルを下げる」「(結果ではなく)努力していることを褒める」「困った行動をしていないことを褒める」などのコツがあります。LITALICOジュニアでは、好きや得意を活かせたり、楽しく学べたりするためにさまざまなタイプの教材を用意しています。その理由は、お子さんがいろいろな教材を試してみて、覚えやすい方法を「自分で選ぶ・決める」体験をしてほしいと考えているからです。お子さん自ら「こうやってみよう!」と思いつく状態をつくることで、自信やモチベーションのアップにつなげていきます。学習支援の講座を終えてUpload By 発達ナビ編集部今日は40名以上の方にご参加いただきました。皆さんが熱心に聞いてくださり、また講義後のアンケートでも「環境を整えることが大事だと再確認できた」「学校との面談の参考にしたい」等のお声をいただくことができ嬉しかったです。お子さまの抱える困りはさまざまなので、一人ひとりの思いや願いを大切に日々の支援に携わるようにしています。特に今回のテーマでもあった学習支援においては、ご本人にあった学び方や考え方を見つけられると「これならできる!」という自信や「もっとやってみたい!」という意欲につながります。学習面での自己肯定感が低いお子さまも少なくないですが、自分の得意な学び方を見つけて今後に活かしていってほしいなと思います。私には短期記憶障害をもつ弟がおり、講義の中で彼の学生時代や仕事上の困難さについてもお話しさせていただきました。彼自身も学校のテストや実習で大変苦労していましたが、自分に合う学び方や苦手なこととの向き合い方を見つけながら一つひとつ乗り越えています。自分なりの方法が見つかるまでは少ししんどいですが、一人でも多くのお子さまが「これならできる!」「こうすれば分かる!」という自信を見つけてほしいと思っています。
2019年12月22日知的な遅れのあるASDのある人を支援したい人へ――WEB講座をひらきます私が院長をつとめるよこはま発達クリニックでは、2020年にいくつかの講座を行います。どれも、自閉症がある人の支援の質をよりよくしていくために生かしていただきたいという思いでひらきます。今日はその内容について、ご紹介したいと思います。自閉症スペクトラムは、40年ほど前に、ローナ・ウイングとジュディス・グールドがイギリスのある地域の子どもたちを調査研究した結果から提唱された概念です。最近では、自閉症スペクトラムの概念が社会の中に広がり、正常知能域(高機能)や成人、女性の自閉症スペクトラムに注目が集まっています。年齢や性別、知的な水準によってさまざまな現れ方をする自閉症スペクトラムの支援目標や支援の実際は、多岐に渡ります。そのような中で、知的な遅れの明らかな自閉症の人たちが感じている世界を知り、彼らの困難を理解することは、わたしたちが、自閉症スペクトラムを理解し支援を考えるための基本となると考えています。そこで、知的な遅れのある自閉症スペクトラムの人たちを理解するための基本および支援の原則について、わたしたちが日頃大切にしている考えを連続講座としてまとめました。これから受講が可能な講座は、次の3つです。◇知っておきたい福祉制度や親亡き後のこと/佐々木康栄(2020年1月17日~24日開講)◇問題行動に対する対応の原則/内山登紀夫(2020年2月14日~21日開講)◇知っておくべき医学的問題~てんかん、カタトニア、薬物療法~/蜂矢百合子(2020年3月6日~13日開講)自閉症スペクトラムの人々を理解するためのエッセンシャルー本質と基本を考えるための講座です。2020年春のセミナー「自閉症スペクトラムの理解と支援」を開催私たちは、毎年夏に一般の方に向けたASDに関するセミナーを行っています。1997年に当時としては珍しい発達障害を専門にする「仲町台発達障害診療所」を立ち上げ、2000年に現在のよこはま発達クリニックに改称し、以来20年以上にわたってASD(自閉症スペクトラム)を中心に発達障害の医療と支援を行ってきました。クリニックを受診される方々を支援するときに常に大事にしてきたのは「ASD(自閉症スペクトラム)でok」、「親子で穏やかな生活を目指す」、「家族と協力して子どもを支援する」、「一人ひとりの特性や興味・関心に合わせた無理のない設定をする」、「環境を整える」ということ。そのためには、より多くの人たちの理解が必要となります。ですから、診療所開設からこれまでの間、私たちは毎年「夏のセミナー」を続けてきました。2020年は、夏にオリンピック・パラリンピックが開催される関係で時期を少しずらし、春に「自閉症スペクトラムの理解と支援」セミナーを開催する運びとなりました。私、内山をはじめ、よこはま発達クリニックに所属する6人の医師や専門家がお話をします。春のセミナーのテーマは次の3つです。◇基本特性の理解と評価/蜂矢百合子・北沢香織◇支援の原則と実際構造化/佐々木康栄・飯塚直美◇問題行動とそれへの対応/宇野洋太・内山登紀夫この3つに焦点をあて、具体的な支援の方法についてもご紹介する予定です。ぜひお越しください。日時:2020年3月20日(金)~22日(日)場所:大正大学(東京都豊島区)費用:各日11,000円(税込)定員:150名(先着順)よこはま発達クリニック
2019年12月21日障害の有無にかかわらず競える場としてスタート!「ePARA 2019」は午前10時からスタート。メインMC岸大河さんを中心にバラエティー番組のようなスタイルで進行、YouTubeでも会場の様子を配信しました。まずはゲストの紹介から。ePARA 2019アンバサダーとなった乙武洋匡さん、車いすユーチューバーの寺田ユースケさんが挨拶しました。Upload By 発達ナビ編集部ePARA 2019アンバサダー乙武洋匡さん「車いすユーザーとして生活する中では、ほかの人ができるのに自分ができないことが多くて、ストレスをためることも多少あると思うんですが、きょうは、障害の有無に関係なくプレイできるという状況を作っていただいたので、ぞんぶんに楽しみたいです!」車いすユーチューバー寺田ユースケさん「足が悪い中、昔から野球をやってきました。(子ども時代に)eスポーツがあれば、もしかしたら人生の選択肢がもっとたくさん広がっていたのかもしれないと感じています。今日も車いすの子どもたちがいっぱい来てくれているので、ゲームで活躍できる姿を見せて、選択肢を増やしてもらえたらと思います!」メインMCによる「このePARAという大会が障害者雇用につながり、社会的課題の解決や、eスポーツの更なる発展、障害がある人・ない人にとって初の共通種目として戦える、唯一のユニバーサル競技となることを目標に、ePARA 2019をここに開催いたします」という宣言のあと、大会が始まりました。「ぷよぷよ」が、チームスポーツに進化する!?午前中は「ぷよぷよ大会」エキシビションマッチ。第一回戦は、寺田ユースケさんVS 乙武さん。2人とも車いすユーザーですが、ゲームにおいては不利と見えた乙武さんの圧勝となりました。次に、鳥越勝さんVS吉成健太朗さん(国立八雲病院からのオンライン参加)の対戦ののち、ePARA主催者加藤大貴さんの「戸田市加藤家」VS夫婦で参加の「武蔵野市加藤家」と続きます。加藤家対戦では、それぞれ家族が1組になってゲームを展開。家族で1人のプレーヤーとなるスタイルは、操作ボタンをそれぞれが担当するということ。この試合は、戸田市加藤家、主催者の加藤さんの勝利となりました。加藤さんは、「私たちは4人家族なので、4つのボタンをそれぞれ担当して練習したんです。ぼくは左ボタン、ママは回転ボタン、上の子は右ボタンというように。3才の子どもはよくわからないけど、『僕もやりたい!』っていう参加したい気持ちをくんで、落下ボタン(笑)。ひたすらボタンを押し続ける役です。実は、家族とこんなふうに、ひとつの目標に向かったのって、初めてのことだったと思います。練習中、6才、3才の子どもと、妻も一緒になって『ほら右!右!』とか、『そんなこと言ってない!』とか、わいわい言いながら、家族で盛り上がるのが楽しかったんです」と話してくれました。格闘技対決!キャラクターの闘いの中に公平性が見えた!昼の休憩をはさんで、午後のゲームは「鉄拳7」。3人一組のグループが4組参加、トーナメント方式で優勝争いが繰り広げられました。Upload By 発達ナビ編集部激しい闘いを大画面で見ているうちに、画面上のキャラクターたちには、プレイヤー自身が乗り移っているような気分になります。パワーとスピード、展開の速い攻防の中でビシッとKOが決まっていく様子を見ていると、リアルな格闘技中継を見ているときと同じ感覚になります。バーチャルなものとはいえ、この動きを生み出すこと自体がすごい!と感じるのです。この大会では、プレイヤーに障害があってもなくても、それはハンデにはならない、一緒の土俵に上がって対戦することができるということに価値がある、と実感しました。Upload By 発達ナビ編集部チーム「Whereabouts」(発達障害などがある選手で結成)は、チーム全員、日ごろからゲームを楽しんでいるけれど、格闘技ゲームは初めての経験だったといいます。(実際にプレイしたのは3人、1人は控え選手)。「すぐ負けちゃってくやしかった!でも、練習いっぱいして、コマンドも覚えて、来年も参加したいです!」(カホさん)、「格ゲー以外にも、パズル系、リズム系とか参加できるゲームのバリエーションが選べたらいいなと思いました。でも、楽しかったです!」(まやさん)という感想で、次回もあったら、参加したい!と意気込んでいました。元公務員・成年後見の専門家が企画!障害があっても参加できるeスポーツ大会への思いとは?Upload By 発達ナビ編集部大会終了後、主催の加藤大貴さんにお話を伺いました。加藤さんは元裁判所書記官 。たくさんの判例を見ているうちに、高齢者の成年後見人問題に着目。「高齢者とその家族が安心して暮らせる社会を創る」手伝いをということから、「認知症等で判断能力が不十分な人を地域社会が支える仕組みづくり」を目指して、NPO市民後見支援協会理事・品川成年後見センター職員に転身しました。ePARAを企画したそもそものきっかけは?「私はふだん、障害のある人と高齢者の法律上のサポートをする、成年後見人に関する仕事をしています。そのなかで関わる高齢者、障害のある人を見ていて、みんなテレビやゲームを楽しんでいると知ったんです。何か一緒の楽しみを共有できる空間はないものかなと考えました。障害のあるなし関係なく、誰でも参加して楽しめる、そんな場をつくりたいと思って、『ePARA』というスポーツ大会を開催する運びになりました。開催できて、実際に選手同士の公平性というか、ほんとうに誰でも参加できるし、ゲームの中で対等に戦えることがうれしかったですね」ゲームは社会的コミュニケーションツールになるはず!ゲームというと、なんとなく孤独に部屋にこもってするもの、というイメージがつきまといますが、使い方・やり方次第で変わるものだった、とも加藤さんは言います。「ゲームは、デバイスやルールを工夫することで、楽しみが増すんですよね。私が家族で『ぷよぷよ』をしたように、誰かと分担して1個のプレイヤーになるということも可能。ふだんはチームスポーツじゃないゲームでも、工夫することでチームスポーツになるんです。複数人で1個のプレイヤーになる、という発想にはきっかけがありました。この大会に招待した右半身まひの女性から、「『ぷよぷよ』をやりたいんだけど、体が半分動かないから、障害のない人をサポートにつけていいですか?」と言われて、すごく悩んだんです。それって公平なの?と。じゃあ、どうしたら公平なスポーツとして成り立つのかと考えたら、そもそも複数人で分担するルールにしちゃえばいいんじゃないか、と考えました。こんなふうに、ゲームはもっと、社会的なコミュニケーションツールになるはずです。eスポーツは、コミュニケーションのスポーツだという手ごたえを、実際にやってみて感じました。」どんな人でも、「参加したい」「何かボタンを押したい」という気持ちがあれば、参加できるということを、ePARAは実証してくれたようです。さまざまな特性に合わせたケアは必要。でもそれはクリアできる問題運営上で大変だったことは、どんなことだったのでしょうか。「まずは会場選びでした。eスポーツの専門の会場は都内にいくつかあるんですが、車いすの人も入れる会場がなくて。発想を変えて、人がたくさん集まれて車いすも対応の場所として、カラオケパーティールームを会場に選びました。機材はこちらで運び込むことにして、エレベーターがあり、トイレも車いす対応というところにしたわけです。今回は、会場の広さやスタッフの人数のこともあって参加いただけるチーム数が限られていました。初めて実施して分かったことが多くあるので、ルールなども整えてもっと大きな規模で第2回を開催したいと思います。初の「ePARA」開催、そのホームページには、こんな記述があります。大会やイベントを通して世の中の人に、”困難や限界を超える精神や力”を発信し、気づきを与えより良い社会の実現を目指します。障害者雇用の場では、まだまだ働く側の「できること」を、雇う側が正しく理解していないという現実があります。でも、ePARAを見ていると、障害がある人・ない人、異なる障害がある中でも、ゲームの中では公平に競い合えることがよく分かります。また、デバイスやルールを変えたら、公平性が増すことも、加藤家対戦となった「ぷよぷよ」の例からも分かりました。障害がある人・ない人にどうしたら公平な機会を与えられるかに、ゲームの中で「気づく」ことが、障害者雇用の偏見もなくしていくことにつながっていく、ということを実感できる大会でした。第2回開催にも期待がかかります!ぷよぷよ:(販売元)株式会社セガゲームス鉄拳7:(販売元)株式会社バンダイナムコエンターテインメントTEKKEN™7 & ©BANDAI NAMCO Entertainment Inc.
2019年12月20日発達ナビユーザーのたくさんの声を集めてできた、第1弾のコラボグッズ2019年度、発達ナビ×フェリシモによる、発達障害フレンドリーなコラボグッズ企画。この第1弾のコラボ企画では、みなさまの声を元に作った『メッシュリュックインナー』『メッシュお財布ポシェット』『タグカバーシール』『提示カードホルダー』の4つの商品がデビューしました。Upload By 発達ナビ編集部視覚優位なお子さまに向けて、忘れ物防止となるように作られたリュックインナーは、すぐに大人気に。TVで取り上げられたり、SNSでも話題となりました!2020年度、第2弾コラボ企画の実施が決定!皆さんの声をぜひお寄せください「これ、とてもいい!」「大人でもうれしい。」「さらにもっとこうなるといいな!」などたくさんのお声を受け、2020年度にも、第2弾となる新たなコラボグッズづくりにチャレンジすることになりました!さまざまな困りごとをお聞きし、よりたくさんの人たちが参加できるコラボ企画にしたいと思っています。そこで、「こんなことで困っている!」を解決できる”発達が気になるお子さまやママパパが快適に過ごせるためのグッズづくり”に関するアンケートをさせていただきます!アンケートやモニター調査などを通して、皆さんと一緒にグッズを作っていきたいと考えています。ぜひみなさんのご意見をお寄せください。アンケートへの回答は下記のボタンから!
2019年12月20日見るのは大好きな乗り物達。でも、実際に乗るのは…?帰省やレジャー、講習会や体験イベントなど、長期のお休みは普段よりも遠方へのお出かけが増える方も多いかと思います。Upload By 丸山さとこ私は実家が少し遠方にあり、年に2~4回は帰省で片道約5時間の電車旅をすることになります。バスや在来線はまだ数十分の乗車で済むのですが、問題は新幹線です。乗車時間が長く、景色は流れが早すぎて子どもが飽きやすいため、イライラグズグズからのパニックになりやすいのです。Upload By 丸山さとこそんな新幹線を何とか無事にやり過ごそうと、毎年小さな対策を心がけています。基本的にはおもちゃやオヤツで気をひいたりと、ごくごく普通の対応をするだけで特別な秘策があるわけではないのですが、とにかく“ストレスからの総崩れ”に気をつけて過ごすようにしています。移動中に“なんかヒマ”を作らない。Upload By 丸山さとことにかく“なんかヒマ”を作らないことが一番重要なのかなと思います。「なんかヒマ」が続いてしまうと、・なんかヒマ→移動したい→座らされる・なんかヒマ→他のオモチャで遊びたい→他にはもうないよという流れから、「こんな不自由な場所イヤだ!早く降りたい!!」とグズリが始まってしまいます。そうなってからでも一時的に気を紛らわすことはできますが、抜本的な解決(新幹線を降りる・家に帰る)はできないため、やがてパニックになるのもやむなしという状況に!そんな地獄絵図はできるだけ避けたいところです。その時の興味に合わせつつ、”NGなもの”を避ける。Upload By 丸山さとこ新鮮なおもちゃは興味を引きやすいですが、コウは「いつものアイテム」に安心しやすい子であったのと同時に「一発退場なNGポイント」も多い子であったため、できるだけ一度は触らせて反応を見るようにしていました。絵本は好きでも飽きるのが早かったため、小さい本を数種類持って行ったり、そこからクイズを出したりしていました。Upload By 丸山さとこ小さい頃はもちろん、今も有効なのは、スマホやタブレットに子ども向けアプリを入れたもの。お絵かきアプリがあると自分で線を引いたりして遊べるほか、記号や果物や動物を描いて、「さんかくは?」「ゾウは?」などと聞くことでマンネリを防ぐことができました。(目を使うので、あらかじめ酔い止めを飲ませておくようにしていました。)アイマスクやイヤーマフなどの“刺激を軽減できるもの”も、コウに試してもらった上で持っておくと親子共に安心できました。食べ物を落とさない”ひと工夫”Upload By 丸山さとこまた、パニック対策としては”食べ物をこぼさないようにすること”も重要でした。食べ物を口に運ぶ間、片手に持っている袋やテーブルの上の弁当箱を気にすることは、コウにとって難しいのです。「お菓子を口に入れようとしたら袋が傾いて中身がこぼれてしまった」「お弁当を食べている途中にお茶を飲もうとしたら、机の上をなぎ払って弁当を落としてしまった」ということはよくあることです。コウは、落としてはいけないこと自体は分かっているため「どうしよう!落としちゃった!!」「床が汚れちゃう!」「食べるものがなくなっちゃう!」とパニックになります。『そんなコウをなだめつつ床を片付けていたら足をバタつかせるコウに蹴られて、ついでにもう一つのお弁当まで落ちたりして私までパニックに・・・』という展開にならないために、“食べ物を落とさないor落としても散らからない”ためのひと工夫をするようにしています。落としにくい食べ物と、落としても大丈夫な容器で!Upload By 丸山さとこまずは、基本中の基本の対策「食事は両手で食べるものにする」のが確実に有効でした。おにぎりや具の少ないサンドイッチ、惣菜パンなどの食べ物です。カトラリーを使わずに手で掴むので、それだけでも「落としちゃった!」が減ります。おにぎらずやボリューミーなサンドイッチなどの“食べている途中で崩壊しやすいもの”は避けます。Upload By 丸山さとこおやつに対しては、容器で対策をしました。フタ付きの容器に入ったお菓子を選んだり、その空容器にボーロやラムネを入れて持ち運んだりすると、万が一床に落としても中身が大きくこぼれずに便利です。赤ちゃんのおやつケースとして販売されている中蓋付きのタッパーも有効でした。中蓋に手を入れる感覚を嫌がるお子さんもいるかもしれませんが、平気であれば便利なアイテムだと思います。(私は少し苦手で、コウは平気でした。)最後は…覚悟!Upload By 丸山さとこそれだけ対策をしてあっても、泣きぐずりやパニックでどうしようもなくなってしまうことはあります。そんな時は、とれたての魚のようになっているコウを抱えて車両連結部に行きました。「最終的には車両連結部」の覚悟を持って乗車することで、少なくとも「もう打つ手がない!どうしよう!」と私までパニックになることは減らせます。「どうしよう!…仕方ない、連結部で叫ばせよう。」となれば、白目になりつつ時間はやり過ごせます。そんな風に活きのいい魚みたいになっていたコウも、最近では自分で用意した本を読んだり編み物をしたりして時間を過ごすようになりました。その間、ずーっと「ここ面白いよ」「見て!こんなに編めたよ!」「この間ねー」と話しかけられているので、今でも“手が離せるようになりました!”という感じではないのですが、「そんなに話しかけてくれるのも今の内だけかもしれないな…」と思いながら、『ねー!お母さん!』に応えています。「思春期に入れば、『話しかけんなし!』というムード全開で離れた席に座ったりするのかな…?」などと想像しながら、今度の長期休暇の帰省に向けて準備を進めるこの頃です。
2019年12月18日ビバンセとはビバンセとは、リスデキサンフェタミンを成分とする薬の販売名で、不注意、多動-衝動性を改善させる効果があります。6~18歳の小児を対象に、2019年3月に販売承認され、2019年12月3日より販売が開始されました。6歳未満の子どもへの安全性は確認されていません。また、現時点では、本邦における成人期の適応は取得されていません。これまでにADHDの治療薬として、中枢神経刺激薬のコンサータ、非中枢神経刺激薬のストラテラとインチュニブが販売されています。ビバンセはコンサータと同じ中枢神経刺激薬に属します。かつてコンサータと同じ成分の「リタリン」について、不適切な流通や乱用者の存在が問題になりました。そのため、コンサータについては流通規制が行われています。具体的には、資格のある医師しか処方できず、調剤できる薬局も限られています。2019年12月よりコンサータの流通規制が強化され、患者さんの登録も開始されています。ビバンセについても同様の流通規制が敷かれており、加えてビバンセは体内で「d-アンフェタミン」に変わることから、覚せい剤取締法に規定する覚せい剤原料にされ、覚せい剤取締法による規制も加わっています。添付文書では「使用実態下における乱用・依存性に関する評価が行われるまでの間は,他のADHD治療薬が効果不十分な場合にのみ使用されるよう必要な措置を講じること」という記載もあります。このようにみていくと、ずいぶんと敷居の高い薬だと感じられるでしょう。日本の現状では、そのとおりです。ただ欧米では第一選択で使用されている薬剤です。最も大切なのは、正しい診断のもと適切な処方がなされ、医師の処方に従って正しく服薬すること、そして服用後の経過を正しくモニタリングすることです。これらの前提のうえで、この薬剤について詳しくみていきましょう。ビバンセがADHDを改善する仕組みビバンセは体内に吸収された後、血液中でアンフェタミンに変化します。このアンフェタミンがADHD症状を改善するのです。ADHDのある人は、脳内で神経に情報を伝える働きを担う神経伝達物質の作用が十分ではないと考えられています。特に、喜び、快楽に関連したドーパミンと、恐怖、驚き、興奮に関連したノルアドレナリンです。ビバンセは、神経と神経の間(シナプス間隙)における神経伝達物質のドーパミンとノルアドレナリンの働きを高める作用があるのです。詳しい仕組みをみてみましょう。Upload By 発達障害のキホン神経伝達物質のドーパミン、ノルアドレナリンが神経の末端から放出されると、次の神経細胞にある受容体で受け取り、それが信号となって神経伝達が行われます。このメカニズムは、神経と神経の細胞の間にある狭い空間(シナプス間隙)の神経伝達物質の濃度に依存します。神経伝達物質は、トランスポーターと呼ばれる再取り込み口から神経細胞に回収され、再利用されます。ADHDのある人では、何らかの理由で神経伝達物質の作用が少なくなっていると考えられています。アンフェタミンは、神経伝達物質を取り囲んでいるシナプス小胞に直接作用して、神経末端からの神経伝達物質の遊離を促進するとともに、トランスポーターにおける再取り込みを阻害することで、神経と神経の間(シナプス間隙)にある神経伝達物質の量を増やし、神経伝達を高めると考えられています。参考:ドパミン | 厚生労働省 e-ヘルスネットビバンセとアンフェタミンの違い出典 : ビバンセは、消化管から吸収された後、血液のなかで代謝されて、アンフェタミンになるというお話をしました。それなら、アンフェタミンを最初から服用したらいいのではないか、とお考えになるでしょう。実際に、欧米ではアンフェタミンの製剤が販売されています。しかし、ビバンセはそれ自身が薬効を持たず、代謝されてアンフェタミンになる、そのことによってアンフェタミンよりも安全性を高めている薬剤なのです。このような薬剤をプロドラッグといいます。プロドラッグとは、そのままでは体にはまったく影響を及ぼさず、体内に入って代謝されることでその効果を発揮する薬のことです。代謝を利用するため、血液中で急激に濃度が上がらず長時間効果が続くように設計されています。プロドラッグであるビバンセをもし意図的に吸入などの方法で接種したとしても何の効果も及ぼさないため、乱用のリスクが低いのです。また血液中の濃度も緩やかに変動しますから、多幸感が生じにくいのです。依存、乱用のリスクは、急激に血中濃度が上がり、急速に下がっていくときに高まります。したがって、プロドラッグであるビバンセの血中濃度の変化の緩やかさは、アンフェタミンが有している依存、乱用リスクを低めていると考えられています。依存、乱用リスクを軽減するために、もっとも重要なことは、その薬剤を本当に必要としている患者さんが定められた用量を服用するという適正使用です。医師は、患者さんや家族、学校等の情報から正しく診断する必要がありますし、患者さんは決まった用法・用量を守って服用しなければなりません。ビバンセには流通規制があり、登録されている医師のみが処方でき、登録薬局のみで調剤することになっています。患者さんをシステムに登録し、同じ患者さんが複数の医療機関でビバンセを受け取ることがないよう制度化されているのです。ビバンセの用法・用量ビバンセはカプセルの薬で、20mg、30mgの2種類が用意されています。通常は、30mgから服用を始め、70mgを上限として必要に応じて増量していきます。増量の必要があるかどうかは診察のうえで医師が判断するため、自分で増量して服用することはやめましょう。ビバンセには併用が禁止されている薬があることから、医師の診察では服用している薬を忘れずに報告してください。●モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤セレギリン塩酸塩(エフピー)ラサギリンメシル酸塩(アジレクト)※モノアミンとは、ドーパミンやノルアドレナリンをはじめとする神経伝達物質の総称のことです。ビバンセは、ドーパミンやノルアドレナリンの作用に深く関係していることから、併用すると神経の外に神経伝達物質が増えてしまい、命に関わるほどの高血圧をもたらす可能性があります。他にもビバンセを服用するにあたっては、併用に注意しなければならない薬があります。自己判断せず、必ず医師に相談しましょう。●尿のpHをアルカリ化する薬剤炭酸水素ナトリウム等※ビバンセの有効成分d-アンフェタミンは腎臓から排出されるため、腎臓で排出される分が少なくなってしまい、作用が強くなりすぎてしまう恐れがあります。●尿のpHを酸性化する薬剤アスコルビン酸等※尿のpHをアルカリ化する薬剤とは反対に、有効成分を過剰に腎臓から排出してしまうため、作用が弱くなりすぎてしまうことがあります。●セロトニン作用薬選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)セロトニン・ノアルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)三環系抗うつ薬等※ビバンセを併用することで、セロトニン作用薬の効果が強まり、セロトニン症候群を発症することがあります。●メチルフェニデート塩酸塩コンサータリタリン※ビバンセと同じ仕組みではたらく薬剤のため、作用が増強する恐れがあります。ビバンセ・添付文書ビバンセの有効性ビバンセが、ADHDに対して有効であることは国内、海外においても確立しています。また、海外のデータからは、ビバンセの効果は他のADHD治療薬よりも強力であることが報告されています。国内の6歳~18歳の小児162人を対象として、53週間にわたってビバンセを服用したグループと見た目の違わないカプセル(プラセボ)を服用したグループとを比較し、薬の効果と安全性を調べる試験が行われました。その結果、服用後1週間からビバンセのグループではプラセボを服用したグループに比べてADHDの症状が有意に改善したことが認められました。さらに53週後まで効果が減弱しないことも報告されています。ADHDの治療薬は、大きく分けて中枢刺激薬と非中枢刺激薬のふたつに分けられます。アメリカのADHD治療のガイドラインでは、コンサータやビバンセをはじめとした中枢神経刺激薬が第一選択で、非中枢刺激薬よりも優先されます。しかし、国内のガイドラインでは、中枢刺激薬と非中枢刺激薬を同列に第一選択としています。そもそも薬剤は、治療効果の強さだけでなく、症状の強さはどれほどか、どういった時間に困難がみられるか、早急に症状を改善しないといけないのか、過去にADHD治療薬を服用した際の副作用はどうか、治療費用の負担はどうなのか、身体的な状況から見て服薬に伴うリスクはどう見積もられるか、他の精神疾患を合併しているか、可能な通院頻度はどの程度か、患者の希望はどうかなど、さまざまな観点から、医師と患者(あるいは家族)とともに相談して決定していくものです。ビバンセは、効果が明確で、また、海外では第一選択に位置づけられるなど、強力な治療選択肢の一つです。しかし、ビバンセがプロドラッグであり依存リスクが軽減されているとはいっても、体内でアンフェタミンへ変化する物質であるということになりますと、患者さん側の思いとしても慎重になるでしょうし、患者さんが不安を感じる薬剤については医師も慎重になりがちです。日本では、海外に比べて厳格な流通規制を敷いていますし、添付文書にも「使用実態下における乱用・依存性に関する評価が行われるまでの間は,他のADHD治療薬が効果不十分な場合にのみ使用されるよう必要な措置を講じること」と書かれています。これらの理由から、当面はビバンセの使用は、アメリカなどとは異なり他のADHD治療薬が効果不十分な場合に限定されることになると思われます。ビバンセの副作用出典 : ビバンセの安全性を確かめる試験では172例中、154例(89.5%)で有害事象が認められました。有害事象は、その試験に参加している間に生じる有害な事象、ということで、必ずしも薬剤との因果関係があるわけではありません。特に注意が必要なのは、頻度の高い副作用、プラセボに比べて有意に高い頻度で認められる副作用です。代表的な副作用は、食欲減退 136 例(79.1%),不眠 78 例(45.3%),体重減少 44 例(25.6%),頭痛 31 例(18.0%),悪心 19 例 (11.0% )でした。成長期のお子さんですので、一番頻度も高く、ご心配になるのは、食欲減退、それに伴う体重減少でしょう。特に、薬剤が作用している昼の食欲が下がりますので、朝食や夕食、あるいは薬が切れてきた時間の間食などで補う必要があることもあります。以下に挙げる副作用は、安全性を確かめる国内外のいずれの試験でもあらわれていないため頻度は不明ですが、可能性として考えられるので注意が必要です。・ショック,アナフィラキシー・皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson 症候群)・心筋症(頻度不明)・依存性(頻度不明)ADHD薬の一覧表ADHDの処方薬といっても、仕組みや効き方はそれぞれ違います。Upload By 発達障害のキホンまとめADHDの治療薬として新たに承認されたビバンセについてご紹介しました。治療効果は明確な薬剤であるため、これまでの治療薬で効果が不十分であった場合の選択肢となります。アメリカと日本では、本剤の位置づけはかなり異なっています。また、日本では厳格な流通規制も敷かれています。ビバンセはプロドラッグであり、依存リスクが軽減されていますが、だから問題がないというのも間違いですし、他方でアンフェタミンだからと治療選択肢から完全に排除してしまうのも行き過ぎです。正しく知ったうえで、適切な治療を選択することが求められます。日本は海外に比べると、ADHD治療薬の選択肢は少ないものの、代表的な治療薬がそろったことから幅広い治療のニーズに応えることのできる環境は整いました。治療薬の選択を巡って、主治医と十分な意見交換をして治療を決定していくことが大切です。その際には薬物療法以外の対処についても検討し、必要に応じて両者を併用していくことが重要です。塩野義製薬株式会社・ビバンセ20mg、ビバンセ30mg・臨床に関する概括評価年12月3日薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会議事録 | 厚生労働省厚生労働省・リスデキサンフェタミンメシル酸塩製剤の使用に当たっての留意事項について Dealing with ADHD: What You Need to Know | U.S.FOOD & DRUG参考:『中枢刺激薬の依存・乱用リスクは製剤特性により軽減できるか?』 | 桑原秀徳著(臨床精神薬理.2019;22(10):983-991.)参考:『注意欠如・多動症-ADHD-の診断・治療ガイドライン第4版』| ADHDの診断・治療指針に関する研究会齊藤 万比古/編(じほう)参考:『Lisdexamfetamineの依存・乱用リスクを巡る国内の知見』| 高石久著(臨床精神薬理.2019;22(10):993-1000.)
2019年12月17日「お手伝い」は家事の全体像が見えづらい?わが家流の教え方は...子どもはお手伝いから家事の基本を学び、自らの生活に役立てていく...と、かつて聞いたことがありました。そこで私も、自分の子どもたちにはぜひお手伝いする子になってほしいと思っていました。ええ...思っていました...。しかし、我が家のでこぼこ兄妹は、調子のいいときは切れ目なく自分の楽しい活動に熱中しており、不調のときはお手伝いどころではないので、なかなかそのタイミングをつかむのが難しかったのです。Upload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロお手伝いをしてもらいつつ教えることができれば、作業もはかどるし効率的ではあるのですが、作業の一部を分担しても、自分が何をやっているのか、最終的にどうなったのかが分かりにくいようなのです。そのため、手が足りていない部分を”お手伝い”としてやってもらうというのは諦め、「やりたい!」とやってきたときには一つの仕事を最初から最後まで通してやってもらうことにしました。最終的には家事をできるようになってほしいのであって、お手伝いのうまい子になってほしいわけではないからです。効率はとても悪いですが、なんとか2人とも中学生になるころには、簡単な料理と後片付け、そしてお使いぐらいは出来るようになりました。「今やるべき家事」に気づけない凸凹きょうだいには...家事を「見える化」!現在、お兄ちゃんのタケルは19歳、妹いっちゃんは12歳です。2人とも作業自体は難なくこなすようになり、言えばやってくれるのですが、気づいて、先をみて行動することは難しく、家事ができるというレベルには至りません。ゴミ箱にゴミがいっぱいになっても捨てようとは思わないし、今から出かけるがお昼には帰るからご飯を炊いておこう...みたいなそういう見通しを持った自発的な行動が難しいのです。そこで...Upload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロUpload By 寺島ヒロよくホームセンターなどで売っている壁掛けポケットに、今やってほしいちょっとした作業のメモ書きとお金を一緒に入れておくことにしました。そうしたら、2人とも家事をちょいちょいやってくれるようになりました!家事をする気はなくもないけど、今どんな仕事が発生しているか分からなかったのが、こうしてクエストにすることで「見える化」でき、とりかかれるようになったようです。中に入れているお金は本当に小銭(10~100円ぐらい)なのですが、「そんなに入ってなくてもいいねん。ログインボーナスみたいなものだから!」と喜んでくれます。お金が目的ではないが何もないと寂しい...ということみたいです。先日、「カバンの手入れをする」というクエストをこなした後、いっちゃんが「今まで何度も土の上にカバン置いちゃダメって言われてもピンとこなかったけど、何でダメなのか分かった!汚れるからだね!」と言っていました。そのうちクエストごっこにも飽きてしまうのかもしれませんが、やめても何かいいものが残りそうな気がします。
2019年12月17日宇樹は発達障害と複雑性PTSDの当事者私は、発達障害(高機能自閉症)と、複雑性PTSDの当事者。30歳で発達障害を自覚、32歳で高機能自閉症の診断を受け、36歳のときに複雑性PTSDの傾向を指摘されました。そんな私が、初の単著『#発達系女子 の明るい人生計画』を発売しました。私がどんな人間であるかと、この本を書くに至った経緯、本に込めた想いについて語らせていただければと思います。私が発達障害を自覚したきっかけは、体調不良で通っていた鍼灸院で「耳が聞こえすぎている」と指摘されたことでした。「聴覚過敏」「感覚過敏」というキーワードでインターネット検索して出てきた例に、「これは私のことだ!」と目からウロコが落ちるような経験をして、発達障害の自覚に至ったのです。Upload By 宇樹義子発達障害の自覚当時、私は千葉県の実家で、精神疾患のある母と二人暮らしでした。自分自身の不調を抱えるなかで母の世話をするのは、私にとって大きな負担でした。毎日をなんとか過ごすだけで心身ともにクタクタで、発達障害について病院にかかる余裕はありませんでした。しかし、あるきっかけで急に実家を出て結婚することになった私は(詳しくは後述)、一年ほどかけて心身に多少の余裕を取り戻しました。そこで近所の心療内科を訪ね、高機能自閉症の診断を受けることになります。エビリファイという薬を処方され、飲んだところ、10年以上どうにもできずにいた昼夜逆転の症状がピタッとなくなり、とても驚きました。生活上のさまざまな段取りもスムーズに進むようになって、支援とつながることもできました。複雑性PTSD(複雑性心的外傷後ストレス障害)は、発達障害の二次障害と考えられます。服薬や環境調整で発達障害自体の症状はだいぶ乗り切れるようになったものの、人を信頼することができず、夫に対して要らぬケンカを吹っかけたりすることが続いたのです。「おそらくトラウマ(心の傷)が関係しているだろう」と、トラウマ治療の専門家にかかったところ、複雑性PTSDの傾向を指摘されました。Upload By 宇樹義子家庭での母との関係性も大きなトラウマでしたが、私の複雑性PTSDの直接的な原因となったトラウマは、小学校時代に児童から受けたいじめと、担任教師からの虐待だろうと、医師から指摘されています。あとで知ったことですが、発達障害のある人は、生きるにあたって大小の心の傷にみまわれることが多く、これらの傷の積み重ねだけでも慢性的なPTSDのような状態におちいることがあるそうです。私の場合、その中でも特に、実際にはっきりとしたトラウマとなるいじめや虐待を体験してきたタイプだったわけです。生きづらかった前半生いまの夫に助け出され、結婚するまでの私の人生は、生きづらさに満ちていました。小学校時代は周囲から浮きまくり、思春期以降は心身の調子を崩してしまって普通の生活が送れない。もともと狭かった周囲の人間関係が、年を追うごとに貧しさを増し、状況は悪化してゆくばかり。私は、気がついたときにはすでに、自分ではもう一歩も動けないほどに疲弊し、追いつめられていました。小学校時代は、地元の公立小学校で過ごしました。この6年間は、私にとって本当に苦痛なものでした。なんだか、自分だけが地面からちょっと浮いているような、自分とみんなの間に次元の境目があるような、深い孤立感のなかで暮らしていたのです。みんなが面白がっていることを面白いと思えない。でも、みんなが疑問を持たないことに疑問を持ってしまう。みんなが簡単にできることがどうしてもできない。でも、みんなができないようなことが簡単にできてしまう。 ……そして、そうした事実を素直に口に出しただけで、児童からも教師からも激しい攻撃を受けるのです。Upload By 宇樹義子学校での成績は、まったく勉強しなくても常にトップクラスでした(体育と算数除く)。そればかりか、学校の授業は簡単すぎるように感じて、退屈でした。みんなが家で親に尻を叩かれながら必死に勉強しても取れないような点数を、しれっと取ってしまう。「なんでわからないの? 考えればわかるじゃん」とか言ってしまう。授業中、ほおづえをついて「退屈だな―」みたいな顔をしてしまう。それでいて体格は周囲の子たちよりも一回り小さい。3学年ぐらい下の年齢に見えます。動作は鈍くてぎくしゃくしている。体幹がぐにゃぐにゃで姿勢が悪く、体育のたぐいはどれだけ練習してもうまくできない。国語は学年トップクラスなのに、算数だけはなぜか学年でビリっけつ。勉強ができることへの嫉妬や、できることとできないことの差が大きいことへの気味悪さも混じってでしょう、児童からは常にいじめられていましたし、教師からは常に叱責を受けていました。体育の時間は地獄そのものでした。Upload By 宇樹義子私は、誰かに何か矛盾やごまかしがあると敏感に察知し、相手が誰であろうとすぐに指摘するタイプでもありました。反抗的に見えるので、児童を力で支配したいタイプの教師からはすごく嫌われました。私には、ひたすら「人を尊敬するには合理的な理由が必要だ。彼らには尊敬してしかるべき理由が見当たらないから尊敬できない」としか考えられませんでした。大人たちを、単に大人だからという理由だけで尊敬し、従順にふるまう周囲の子どもを、むしろ不気味だと感じていたのです。下の画像は、私が32歳になって受けた知能検査(wais-Ⅲ)の結果の一部です。定型発達の人の場合、グラフはこれほどジグザグにならず、おおよそまっすぐになるそうなのですが、私の場合はご覧のとおりジグザグ。このジグザグ状態は、私の中で、分野によって得意・不得意の差が非常に大きいことを示しているそうです。Upload By 宇樹義子私は、小学校時代から20年以上経てこの検査を受けて初めて、小学校当時に自分の中にあった違和感や孤立感の原因を見たような気がしました。でも、当時は自分も周囲も、「発達障害」なんていう言葉を知る人はいない。私の、よくもわるくも平均から外れた部分は「わがまま」「努力不足」「甘え」「性格の悪さ」と判断され、私は常に叱責されたり嘲笑されたり、排除されたりしながら暮らしていたのです。中高は、私立の中高一貫お嬢様進学校でそれなりに幸せな学校生活を送った私。「『成績がよいこと』がいわゆるスクールカーストを上げる」「運動ができなくてもみんな似たようなものだから、大して目立たない」といった要素が良く影響したのかなと思います。しかし大学に入ると、だんだん雲行きが怪しくなっていきます。騒がしい都心への、長時間の通学。学校や親によって厳重に縛られていた高校までと比べて、あまりに自由度の高い学生生活。乗り切るのに周囲の学生とのコミュニケーション能力を必要とする、複雑な科目登録や単位取得のシステム。いま思えば、発達障害者にとって苦手な要素ばかりです。受験勉強で頑張りすぎたゆえの燃え尽きもあいまって、私は一気に生活リズムを崩していきました。夜に眠れず、朝に起きられない。身支度に何時間も時間がかかる。もともと強かった生理痛が、痛みで気を失うほどにひどくなり、PMSも悪化していきました。片頭痛も出るようになり、月の半分以上は体調が悪くて寝込んでいるような状態になったのです。Upload By 宇樹義子このころ、もともと精神的に不安定だった母が、本格的におかしな言動に出るようになっていました。並行するようにして、父や兄は、仕事を理由に家に寄りつかなくなります。こうして私はいつのまにか、母とほぼ二人暮らしとなり、家事や母の心身の世話にもエネルギーをとられはじめていました。気づけば、うつうつと寝て起きるだけでせいいっぱいで、ほとんど家を出られないような状態になっていたのです。いまの定義でいう「準ひきこもり」です。私はそれでも、「学校で成績がよかった」という、自分の過去の栄光にしがみついていました。なにかの拍子にふと沸いてくる、自分の人間としてのアンバランスさへの疑念を半ば無理やり払いのけながら、「私はこのまま、大企業に入ってエリートとして生きていくんだ」と思いこもうとしていたところがあります。そんな小さな抵抗も、大学3年次の就活でもろくも崩れさります。書類審査は通り、面接までは行ける。けれど、面接でことごとく落とされるのです。落とされるというか、面接では毎度、面接官を怒らせてしまったり、圧迫面接を受けてショックで怒ったり泣いたりして、最悪な終わり方をするのでした。ここは絶対に通る、と信じていたある会社の役員面接では、理不尽なことを言われつづけて泣きながら抗弁しました。当然、結果は不合格。父からも母からも「なんてバカなんだ、そういうときは素直にハイハイって言って従ってればいいんだ、面接ではそういうところを試しているんだ、常識だろう」みたいなことを言われ、本当にショックでした。それまで自分に向かって大きく開け放たれていたはずの社会への扉が、後ろ手にバタンと閉められる音を聞いたような感じでした。Upload By 宇樹義子私は怖い、この社会が怖い。そんな常識、私は誰にも教えてもらったことがない。私は小学校のころから変わっていない、いじめっ子のAちゃんが私に言ったとおり、私は「みんなが知らないことを知ってて、みんなが知ってることを知らない」んだ。私はどうやら人間として決定的な欠陥を抱えているみたいだ。でも、その欠陥の理由がなんなんだか、さっぱりわからない。私はこの社会でやっていける自信がない…… 私は、これまでに経験したことのない深い挫折感を覚えて、文字通り三日間泣き続けました。目がほんとうに開けられなくなるほどに腫れて、自分でも驚くほどでした。どうにか一社だけが私を拾ってくれました。しかし、この会社はいわゆるブラック企業でした。「こんな私を拾ってくれるような会社はここ以外にない」と思いつめた私は、必死にその会社に適応しようとしましたが、案の定、三ヶ月で心身の限界がきて、倒れてしまって辞めました。それからは、すべてが悪循環でした。夜はうつうつとして眠れず、朝はぐったりして起きられず、昼夜逆転が悪化していく。母の言動もどんどんおかしくなっていく。母も昼夜逆転でひたすらフラフラと寝起きするだけのなか、私はたったひとりで、日々の買い物や掃除、洗濯、食事の用意といった家事に加え、夜中の二時三時まで母の盲言の相手をする生活に追われました。日々の買い物のほかはほとんど外を出ない準ひきこもり生活のなか、心は焦りでいっぱいでした。刻々と大きくなっていく履歴書の空白を埋めようと、必死に仕事やアルバイトを見つけては、結局倒れて行けなくなり、やめてしまうのでした。Upload By 宇樹義子このころには、中高や大学の友人にも連絡をとりづらくなっていました。みんな、仕事で昇進したり、結婚して子どもを産んでいたりと、着実に人生を進めていっているように見えて、私だけが取り残されたような気分だったのです。あまりの余裕のなさに友人の幸せを素直に喜んであげられない自分も嫌だったし、現状を友人に話したとて、無為に心配をかけ、彼らの日常に水を差すだけだろうと思うと、つい連絡が遠のいてしまうのでした。あまりのストレスや絶望感にいよいよ追いつめられていた2011年3月、東日本大震災が起きました。もともと不安から突飛な言動に出る傾向だった母の調子は、さらに悪化しました。「このままでは私は近いうちに母と殺し合いになる」と感じる極限状態のなかで、私はほんとうに幸運にも、いまの夫となる人から助けを得て、同年5月に実家を脱出したのです。(詳細は本に書いています)それまでのあまりに強いストレスと疲弊、そして大きな環境変化のせいか、私には、夫のところに身を寄せてから半年ほどの記憶がほとんどありません。Upload By 宇樹義子心身ともに安全な環境でたっぷり休んで、ぼちぼち体調がマシになってきた12月、夫と入籍しました。いろいろな病院に行く元気も出てきて(逆にそれまでは病院に行く元気さえなかった)、翌年の2012年7月、32歳のとき、心療内科で高機能自閉症の診断を受けるに至ります。これが私の、深い心の傷からの回復のはじまりでした。「発達系女子」のみんなに、少しでも楽な近道をしてほしい現在39歳の私は、ほんとうにありがたいことに、たくさんの人に囲まれ、仕事にも恵まれて、とても元気に幸せに暮らしています。でも、ここに至るまでの道のりはつくづく大変なものでした。私は、31歳で夫のところに身を寄せて以来、現在に至るまで、一歩ずつ回復の道を歩んできました。発達障害のない人の人生にさえ、「こうしておけば正解」みたいな生き方の見えない時代です。なのに、私は障害者の中の、精神障害者の中の、さらに発達障害者。情報は、探せばあります。あるのですが、発達障害者の生活の役に立つ情報は、世の中のあっちこっちにバラバラと散らばっていて、ちょっとやそっとではたどりつけません。私が自分のなんとか幸せに生きていける道を探すためには、多くの人に頼り、無数のインターネット検索を積み重ねる必要があったのです。Upload By 宇樹義子生きづらさを軽減するためには、ともかく情報が必要なこと。信憑性のある情報をつかむためには、情報の探し方にコツがあること。いろいろな人に助けてもらうのが大事なこと。助けてくれる人にも、頼っていい人と、警戒しなければいけない人がいること。自分が苦しんでいる苦しみは、自分だけではない、きっと社会のみんなの苦しみであること。「結婚」や「モテ」だけが答えではないこと。発達障害者だけではない、世の中の誰にとっても、安心していられる「居場所」が必要なこと。自分を大事にし、元気にするために、もっともっとエネルギーを割いていいこと…。私は、実家を脱出したあと、8年ほどの時間をかけて、こういった、「発達系女子が楽に人間生活を乗り切るのに必要なこと」をひとつひとつ集めていきました。霧の立ち込めた石ころだらけの悪路を、杖をつきつきエンヤコラと歩いてきた8年間。あるとき突然目の前が開けて、自分がちょっとした丘のてっぺんに着いたことに気づきました。ふりかえれば、かすんでいたはずの風景は遠くまで見わたすことができます。自分の歩んできた道を見わたしてみて、「私はこんなに遠くまで来たのか!」と思うと同時に、「8年前の時点で、いや、もっとずっと前、たとえば30年とか前に、ここまでの道のりを描いた地図があったらよかったのに!」と、強い怒りや喪失感のようなものを覚えました。そのときの私には、多くの発達障害女性が、私と多かれ少なかれ似たような苦しみを抱き、似たような道を、それぞれバラバラに這い進んでいる姿が、ありありと想像できました。「いや、誰か助けてよ!! なんで誰も気づかないのよ!!」私はそう思い、次に、「ちょっと待って、私がやればいいんじゃない?」と気づきました。どうしたらいいだろう? 同じように五里霧中を歩んでいる仲間に、自分が苦労して集めてきた、発達障害女性の役に立つ情報を届けるにはどうすればいいんだろう?本を書くしかない、と思いました。私はもともと、人の役に立ちたい気持ちの強いタイプでした。何度も何度も「支援者になろうかな」と考えたのですが、そのたびに、「良くも悪くも繊細すぎる私は、きっと人を直接に支援する仕事には耐えられないだろう」と諦めてきたのです。幸い、私には文章が書けました。情報を集め、精査し、わかりやすく整理しなおして説明することが得意でした。なら、私が人の役に立てるとしたら、本を通して情報を渡すことなのではないか。そんなわけで、『#発達系女子 の明るい人生計画』の企画が動き出しました。Upload By 宇樹義子説得力のある企画書を出して版元を納得させなければならなかったため、念入りに市場調査や競合調査をしました。調査する中で、自分の考えている「発達障害女性の実生活にきちんと役立つ情報をたっぷり盛り込んだ実用書」が、企画当時の日本には全く存在しないと言っていいことがわかりました。ニーズは確実にあるのに、それに応えてくれている本がない。それなら、この本はなおさら、私が書かなければいけない ……そんな使命感のもと、企画から1年をかけて書き上げたのが、『#発達系女子 の明るい人生計画』です。『#発達系女子 の明るい人生計画』では、メインの読者を「成人の発達障害女性」と想定しています。でも同時に、「生きづらさを感じている/助けや生活のための情報を必要としている女性全般」にも役立ててもらえるような内容を広く盛り込んでいます。このため、この本は成人の発達障害女性以外にも、多くの人にお役立ていただけると思います。子育てに困りごとを抱えている人、経済的な苦労のある人、仕事や家に困っている人、周囲からの加害に悩んでいる人、母子家庭で大変な日々を送っている人、自分の娘に発達障害があって将来が不安な人、発達障害のある中高生女子、などなど ……多くの仲間の姿を具体的に思い浮かべながら書き進めました。自慢は分厚い巻末資料です。女性と子どもの支援に尽力されているソーシャルワーカーの鴻巣麻里香さんにご監修いただき、情報の正確性と網羅性を確保しています。正直言って、本編に描かれている私自身のケースなどはそれほど参考にならないと思うので(笑)、巻末資料だけでもめくってみていただきたいです。きっとお役に立てることと思います。宇樹義子「人のために書く」ことが、私自身を癒やしてくれた—ライターという仕事に出合って|LITALICO仕事ナビ
2019年12月16日長男を出産後、初めての年末は夫の実家で過ごしました。義父母、義兄、義弟と私たち家族3人で新年を迎えたのですが、夫の家族は全員、夜型の生活をしている人たちでした。 今回は、生後11カ月の長男を連れ、夜型家族と一緒に過ごした初めての年末年始で困ったことをお話ししたいと思います。 眠れなかった夜大晦日、夫と私と長男の3人で夫の実家へ行きました。家とは違う場所と、ほとんど面識のない義父母や義兄弟に会った長男は少しとまどっていました。それでも、無事に1日を過ごす事ができ、夜11時ごろ、お借りした一部屋で先に休ませてもらいました。 私も長男もすぐ眠りにつくことができたのですが、夜中に何度か大きな話し声が聞こえてきて、そのたびに私はびっくりして起きてしまいました。朝4時くらいまでの間に3回ほど目が覚めたので、その夜はよく眠れませんでした。 夫家族を気づかって外で過ごした元日の朝朝7時ごろに目を覚ました長男。朝4時くらいまで夫家族は話をしていたので、当然みなさん寝ていました。 長男に朝ごはんを食べさせようと思い、静かに居間へ行くと、居間で夫家族が雑魚寝をしていました。居間と台所がつながっていたので、台所を使わせていただくことも無理でした。さらに義母は台所に義母以外の人が入るのを嫌う方だったので、勝手に台所を借りるわけにはいきませんでした。 それで、夫家族を起こしてはいけないと思い、長男と外に出ることにしました。 行くところがなく、ひたすら歩いた午前中夫を含め、夫家族が夜型の生活をしていることは聞いていました。しかし、何に困るのか予想ができなかった私は、着替えや長男のおむつ、おやつ、絵本しか持って来ていませんでした。 どこかのお店で朝ごはんを食べようと近所をひたすら歩いて探してみましたが、運悪く食事をとれるお店がありませんでした。仕方なく、コンビニでプレーンなパンと水、ヨーグルトを買って、長男と食べました。 その後も行くところがなかったので、実家の近くを歩きながら過ごしました。そして11時半ごろ、夫から起きたという連絡があり、夫の実家に戻ることができました。 このときの経験から、生活パターンが違うことは仕方がないので、泊まりで夫家族と過ごすときは、パン類、水、自分用のカロリーメイトを持っていくようにしています。 イラスト:imasaku著者:川本 千華発達障害の長男、兄が大好きな次男を育てる2児の母。元ピアノ講師。自身の経験を活かし音楽・発達障害に関するライターとして活動中。
2019年12月16日通い始めたきっかけは、親子関係の改善。広汎性発達障害の娘は、現在、放課後等デイサービスに通っています。2年生ごろから、家での療育や、宿題への取り組みがうまくいかなくなり、関係性が悪くなっていった私たち。家族でずっと一緒にいると衝突も多い…ピリピリした親子関係をどうにかしたいと、放課後等デイサービスに通うことを決めました。娘は放課後等デイサービスが大好きになり、私との関係も改善していきました。Upload By SAKURA娘にとって楽しい場所が増えた…私はそれだけでも満足だったのですが、放課後等デイサービスは娘が成長するのにとても大事な場所だったのです。学校とはちょっと違った友達関係。娘は学校で、仲良しの子もいて、友達関係に特に不安はありませんでした。そのため、また新しく友達が増えるな~ぐらいにしか考えていなかったのですが、放課後等デイサービスでの友達関係はちょっと違います。学校とは違い、娘の他にも発達の偏りや障害がある子が通っているため、ここでは娘は特別ではありません。学校の場合、娘が何か間違ったことをしたり、突拍子もないことをしたりしても、周りの子どもたちはあーさんに合わせてくれます。しかし放課後等デイサービスでは、それぞれが自分の興味にしたがって動いていることが多いし、ときには予測不能の動きをすることもあります。Upload By SAKURA放課後等デイサービスの友達にはそれぞれ強いこだわりや特性もあるため、学校ではあまりみられないようなトラブルが起きることもありました。友達とのトラブル発生。放課後等デイサービスに通い始めて少し経ったころの話です。この日、お面で遊んでいた娘。Upload By SAKURA自分でかぶったり、先生にかぶせたりしていたそうです。そのとき、おやつを食べていた友達に…Upload By SAKURA後ろからいきなりお面をかぶせた娘。しかし、この友達はいきなり人が近づくことを、嫌がる子だったのです。娘に対して、「やめろ!だれだよ!おまえ!あっちいけ!」と怒鳴りました。娘は驚きながらも、「だれだ」という質問に対して、自分の名前を答えたそうです。娘はおそらく、一緒に遊ぼう…楽しませようという思いだったのでしょう。しかし、娘にも嫌なことや苦手とすることがあるように、この友達にとって娘が後ろからいきなりお面をかぶせるという行為は、ものすごく不快なものだったのでしょう。トラブルで、感じてもらいたかったこと。トラブルがあった日、放課後等デイサービスの先生からこの話を聞いた私。突然お面をかぶせてしまった子に申し訳ない…そう考えていたのですが、Upload By SAKURA先生は、「いきなり怒鳴られて、娘さんが嫌な思いをしたんじゃないかと心配です。これで、ここに来ることを嫌がったり友達を恐がったりしないか…止められなくてすみません。」と娘の精神面の心配をしてくれました。確かに、怒鳴られたとき娘は驚いたかもしれません。しかし私はこれは娘にとっていい経験になったと考えました。娘はたびたび、家でも学校でも、自分のこだわりで泣き出すことがあります。誰にでも嫌なことはあるということ…そして、自分以外の人のこだわりを客観的に見ることで、何か感じることがあるかもしれないと思ったのです。トラブルからの成長。家に帰り、私は娘と話をすることにしました。Upload By SAKURA娘は、全く"怒られた"という感覚はありませんでした。精神的には傷ついていなかった娘ですが、相手に嫌なことをしたという認識があったのか聞いてみると…Upload By SAKURA娘はその状況に立たされただけでは、まだ自分から学ぶことは難しいようでした。しかし先生が相手の気持ちを代弁してくれたおかげで、相手が嫌だったことを、ちゃんと理解することができていました。自分以外の個性を認める。通い始めて10か月が経った現在、娘はすっかり放課後等デイサービスと、そこに通うお友達関係にも慣れました。Aくんは、同じ曲を何度も聞くのが好きとか…Bくんは、仲良くしたいけどやり方がわからなくて、ちょっかいを出してお友達に怒られてしょぼんとしちゃうとか…Upload By SAKURA娘が自分以外の子のこだわりを理解し、それを頭において接している話を聞き、ここで過ごす日々は予想以上に娘を成長させてくれていると感じました。いろんなトラブルもあるけれど、娘は放課後等デイサービスが大好き。これからも楽しい時間を過ごしつつ、自分の成長に繋げていってくれたらいいな~と思います。
2019年12月11日『問題を読んで解く』はADHD息子にとっては大変なことだったUpload By かなしろにゃんこ。ADHDと広汎性発達障害がある息子リュウ太はドリルやテスト用紙の問題を読んで解いていくことが苦手でした。長い文章問題は本当に苦手で...「なんで中途半端な値段のリンゴを中途半端な数買ってきて割り切れない人数で割ろうとするんだよ~プンプン=3」問題の意図なんてもはやどうでもよく、「こんな面倒くさいこと計算させるなんて!」と怒りがわいてくるらしいのです。こんな息子ですから小学校のときは、テストやドリルの中の文章問題はほとんど手つかずでした。どんどんズレていく...解答欄のワナUpload By かなしろにゃんこ。中学生になると少しは冷静に問題に向かえるようになったものの、解き進めるにあたってニガテなことはまだまだたくさんありました。例えば、できない問題を飛ばして解答していく方法が苦手…飛ばした問題の解答欄に次の問題の解答を書き込んでしまい、1問ずつ答えがズレてしまうなんてことがしょっちゅうでした。トホホ…。上から順番に答えを埋めていく方法でないと自分は書き間違えると悟ったのが中1のときだったと息子は言います。余計な情報は隠す!特性に気づいた息子なりの工夫Upload By かなしろにゃんこ。また、問題がたくさん書いてあるプリントは情報量が多く気が散ってしまうので、1問解答が終わるごとに終わった問題の上に筆箱などを置いて問題を隠し、今取り掛かっている問題だけに集中できるよう工夫していたそうです。少しずつ自分のニガテに気づき、対処方法を身につけていったようでした。問題の解き進め方だけではなく、書かれている問題を正確に理解したり、よく確認しながら解答することも苦手で、時間がかかったりうっかりミスをしたり…。今となっては笑えるような珍解答も多数ありました。珍解答を連発!?それでも『見直しはしない主義』Upload By かなしろにゃんこ。中2のときの英語のテストで「好きな色を英語で書きなさい」という問題がありました。リュウ太には大好きな車の色があってスペルをちゃんと覚えていたので得意になって書いたら、テストを返してもらう際に先生から「お前、これ何語?」とツッコまれたそうです。自信満々で書いたものは、なんとイタリア語だったのでした…チーン☆(ちなみにお気に入りのイタリア車のカラー名「チャチャチャ・アズール」を思い出し、「アズール(水色)」のスペルを書いたそうです)もちろん解答は×でした。“英語の”テストですから、そりゃ×ですわ~。先生も「は?」ってなったと思います。冷静に考えてから書けば正解できたはずの問題ですが、そこはADHDの息子ですから、衝動的に頭に浮かんだ外国語の色のスペルをなんの疑いもなく書き、珍解答になってしまったわけです。Upload By かなしろにゃんこ。社会科の問題でも『バチカン』と解答する問題で、「これはわかるぞ!」と得意になり勢い余って書いた答えが『バチコン』でした。先生からは「おもしろかったけれど×にしました」と言われて、息子も自分の解答に爆笑。自分ではきちんと書いたつもりなのに、書き間違ってしまうことに本人もはてな????なんだそうです。こういった珍解答は、学校でよく言われている”見直し”をすれば気がつきそうですが…見直しをして書き直したら間違えた!なんてこともあり、自分がする見直しを信用できない!という不安もあったんだとか。Upload By かなしろにゃんこ。特性上細かい確認がヘタで、見直しをして間違いを発見できる確率ももともと高くないことが自分でわかっているので、不安になるくらいなら見直しはしないほうが良い!という結論になったようでした。テストの点がその人間の良し悪しを決めるわけじゃない!と本人は開き直ってますし、気にしていないみたいなので、私も「気をつけなさい!」とガミガミ言うより20歳で学校を卒業するまであたたかく見守ることにしたのでした。ん?『本人に任せて放っておいた』が正しいかな!?息子にテストにまつわるこれらの困りごとを聞いていたら、問題を読み解いて答えることって、ADHDの特性があると大変だったんだ!とわかりました。自分の苦手を把握して、自分で工夫しながら乗り越えていたんだということもわかって、改めて、頑張ってきたのだと頼もしくなったのでした。
2019年12月10日まずは情報収集「20歳になったら障害年金の申請ができる」ということはうっすらと知ってはいましたが、それが現実味を帯びてきたのは娘が高校3年(18才)のときです。きっかけは学校主催の保護者向けの障害年金説明会でした。講師の日本年金機構の担当の方の話によると、申請に必要な主な書類は1.医師による『診断書』2.初診時の医療機関が書く『受診状況等証明書』(初診時の医療機関と診断書を作成した医療機関が異なる場合)3.請求者(本人や保護者)が作成する『病歴・就労状況等申立書』で、その中で私が「一番大変そう」と感じたのは3.の『病歴・就労状況等申立書』(※1)でした。※1発症から現在までの日常生活状況や就労状況を3~5年に分けて記載する。「?」がいっぱい『病歴・就労状況等申立書』の記入欄には「発病日」(※2)や、「障害認定日」(※3)などといった、聞きなれない用語もありました。また、「初診日」(※4)にも細かな規定がありました。※2「発病日」・健康診断で異常が発見された場合は、異常を指摘された日・先天性疾患の場合は、症状を自覚したときまたは検査で異常が発見された日・生来性の知的障害(精神遅延)の場合は出生日※3「障害認定日」障害認定日は原則として初診日から1年6ヶ月後の日を言いますが初診日から1年6ヶ月を経過する前に20歳の誕生日が到来する場合は20歳の誕生日(正確には20歳の誕生日の前日)が障害認定日となり、その日以降に障害年金の手続きを行うことができる。一方初診日から1年6ヶ月後の日が20歳の誕生日以降に到来する場合は原則通り初診日から1年6ヶ月後の日が障害認定日となる。※4初めて診療を受けた日を記入するが、初めて診療を受けるよりも前に次のようなことがあったら、その日を記入。・健康診断で異常が発見され療養に関する指示を受けた場合は、健康診断日・生来性の知的障害(精神遅延)の場合は出生日娘の場合、どれにあてはまるのか私には判断できませんでした。Upload By 荒木まち子また「傷病名」(=診断書の病名)についても障害年金申請は審査基準が複雑で、複数の傷病がある(例:うつ病とパニック障害、知的障害と発達障害など)場合、どの病名で申請すれば良いのかなどは素人には到底判断ができそうにありませんでした。さらに「傷病があったとしても、薬などでコントロールできている(例:てんかんがあるが、薬で発作が抑えられている)場合は障害年金支給の対象外になる」など、障害年金の申請の難しさを感じました。説明会の後しばらくして別件で役所に行く機会があった私は、帰り際に年金課に寄り、障害年金の申請書をもらうことにしました。Upload By 荒木まち子早すぎた!私は「申請用紙をもらうだけ」と軽い気持ちで年金課の窓口に行ったのですが、窓口の職員さんからは娘の障害名や現在の状況など細かな聞き取りがありました。(職員さんはメモを取っていました)障害年金申請書類一式をもらうことはできましたが、職員さんに「時期が早すぎるので、20歳の誕生日の3カ月くらい前に改めて窓口に相談に来てください」と言われました。請求するときに必要な書類等 | 日本年金機構申請書のサイズの大きさにビックリ!Upload By 荒木まち子娘は20歳前の障害なので「障害認定日」は“20歳の誕生日の前日”になります。その場合、申請には障害認定日の前後3カ月以内に医師が作成した診断書が必要です。診断書作成は早すぎてもだめですが、保護者が作成する『病歴・就労状況等申立書』は早めに準備をしても大丈夫な書類です。私は少しずつ、『病歴・就労状況等申立書』の作成に取り掛かることにしました。娘が小学生以降の資料はコラムやブログを書くときに使用していたので、すぐに取り出せる場所にありましたが、産まれてすぐのときの細かな資料や記録は、娘が幼年期に作った作品やアルバムなどと一緒に『思い出ボックス』に保管してありました。何度も引越しを経験しているわが家には、以前の引越しのときに箱詰めしたままの段ボール箱があり、「思い出ボックス」もその中にありました。開けたら過去の思い出に浸ってしまうことは容易に想像ができましたが(笑)私は娘の20年分の記録を読み返す作業を始めたのでした。続く...年金受給者(老齢年金・障害年金・遺族年金)に関する届出・手続き | 日本年金機構
2019年12月06日はみがきなんて、だいきらい!むっくんは歯磨きがものすごく苦手な子どもでした。Upload By ウチノコ逃げ出す子どもを捕まえて、両足で押さえつけ、口をこじ開け磨く日々…。今考えれば、もう少し手を抜けばよかったのに…と思いますが、当時は「毎回完璧に磨かねばならない!」と思いこんでいました。Upload By ウチノコそんな日々に転機が!当時1歳半だったむっくんは、フッ素塗布のため小児歯科へ。そこで例のごとく大暴れしたむっくんを見た歯医者さんが、意外な言葉を口にしました。Upload By ウチノコ「一度にすべて磨こうとせず、4分の1ずつ複数回かけて1周磨くイメージで大丈夫!」なんて、まさに目から鱗!更に「お母さんの指を口の中に入れて、口にモノを入れられることに慣らしてあげてください」とアドバイスもいただきました。このアドバイスをきっかけに私自身の気持ちも楽になり、結果むっくんのストレスも減り、徐々に状況は改善。「どうして歯磨きをするのか?」を理解できるようになった頃から、むっくんは落ち着いて歯磨きをさせてくれるようになりました。協力してくれるようになったのに、磨けない!?むっくんは6歳になり歯磨きに協力的になってきました。しかし、相変わらず歯磨きの難易度が高い!なぜなら、現在のむっくんの歯磨き風景は…Upload By ウチノコUpload By ウチノコ邪魔したいの!?もう知らない!と、さじでも投げたい気分になるのですが、むっくんも悪意があってこれをやるわけではないのです。磨きにくい理由理由は、「むっくんの持ち前の特性」や「感覚に対する過敏さ」にあるように考えられました。Upload By ウチノコUpload By ウチノコUpload By ウチノコ更に、歯磨きの様子は口の中で行われるので見ることもできず、やめるタイミングなども私に委ねられています。苦手な刺激にさらされ、いつ終わるのかの見通しも立たず、不安感が増して、余計刺激に過敏になって、体を緊張させて耐える…と悪循環が生まれているのかもしれません。Upload By ウチノコ口を開けろと叱ったところで改善するものでもありません。むしろ苦手なのに頑張ろうと口を開けるむっくん。いじらしいじゃないか!というわけで、いろいろと対策を打っています。むっくんのストレスを減らす工夫Upload By ウチノコポジティブな声かけで口の開きをキープ!本人横になって口を開けるだけでめちゃめちゃ褒められるという仕組みです。Upload By ウチノコむっくんがおえっとならない角度を探して磨きます。日替わりですが、探せばあります。Upload By ウチノコ歌のフレーズで、終わりかな?という見通しが立つので、もう少し頑張ろうと思ってくれる日もあります。Upload By ウチノコむっくんは理屈を大事にする人なので、実況中継は見通しも立ち、有効です!Upload By ウチノコ言葉で教えても、見えない自分の口の中を理解することは難しいのですが、触って刺激することで具体的に理解してもらえます。これから磨くところをわかりやすく伝えることで、むっくんもどう頑張ればいいかわかりやすいようです。目標はきれいな歯でバトンタッチ一般的に子どもの手首の発達を考えると、自力で磨く力がつくのは小学校高学年だそうで、それまでは仕上げ磨きが必要とのこと。これから大人の歯が生えてくるにあたり、私の責任はますます重大だなぁと感じています。なんとか虫歯のない歯を維持して、大きくなったむっくんに歯磨きの責任をバトンタッチしたい!だけど今だってむっくんの協力なくしては、きれいな歯の維持はできません。これからも二人三脚で協力し合い、きれいな歯を維持できたらいいなと思っています。Upload By ウチノコ
2019年12月05日今、家族が医師に対して確認したいことを推し測りながら出典 : 僕は診察室で「子どもの発達の診立て」を行いながら、同時にわが子の育ちを心配する親や家族の思いも診立てていきます。僕が向き合っているのは、「発達障害」ではなく、多彩な個性の持ち主である一人ひとりの子どもであり、家族です。このコラムでは、発達障害の診断名よりも「大事にしていること」についてお話ししていきます。初回の診察場面で、親御さんから「診断はつきますか?」「なんの障害ですか?」と聞かれることがあります。そういうとき僕は、「何回か診ないとわからないですよね」「検査も必要でしょうし、第三者の方々の日常の評価も知りたいですよね」というふうに、時間をかけてその子を診ていけるように話をします。一方で、「この段階で診断名はつけたくないんです」「そんなことで途方に暮れたくないし、落ち込みたくないし、傷つきたくありません」と訴えるお母さんもいます。そんなとき僕は、「わかりました。急いで診断名をつけてもつけなくても、今できるかかわりのほうが大切ですから、しばらく診断名は棚上げしておきましょう」とお話しすることもあります。診断名がその子をみる視点を狭めてはならない医療である以上、診断はとても重要なものです。それは疑いのないものです。しかし、「その子にどのような診断がつくか」と急ぐよりも、一人ひとりの思いや周囲との関係性について思いを馳せ、今できる生活の応援を考えることのほうを大切にしています。僕は、1〜2回の診察で診断名を伝えることはほとんどありません。病院で医師がその子に接するのは、切り取られた一場面であって、おそらく普段の日常の姿ではないはずです。診察室でその子が僕に見せてくれる姿が素の姿なのか、よそいき外行きの姿なのかは、ほんの数回では到底わからないと思っています。また、診断名がつくことによって子どもの言動のとらえ方が狭まってしまう、画一的になってしまう心配もあります。「この笑顔も症状なの...?」診断名を前にした、あるお母さんの苦悩を知って数年前にお会いしたお母さんが、わが子の様子をこんなふうに語ってくれました。「うちの息子は原っぱが好きで、いつも竹の棒を持ってトンボや鳥を棒で追い払うようにしながら、何時間でも走り回っているんです。それに、とても几帳面でミニカーをきちんと並べては、素敵な笑顔を見せるんです。私がそのミニカーをちょっと触って列を乱したりすると、ほんと真剣に怒るんです。それもまたかわいく思っていたんです。でも…」ある日、子どもの発達について気になるところのあったお母さんが、病院で診てもらったところ、「お母さん、その行動は自閉スペクトラム症の〝こだわり〞ですよ」と告げられたそうなのです。「その瞬間、今までは『かわいいな、素敵だな、ユニークだな』と感じていた子どもの行動が症状なんだ…と、見る目が変わってしまって。症状だったら『治さないといけない』と。だったら、今後は棒も持たせられないし、ミニカーも…。そんなふうに考えたら、『あの笑顔も症状なの?』って、いろいろと悩むようになってしまいました」。興味関心まで「症状化」してみえてしまうことも「好きでトンボを追いかけて、好きでミニカーを律儀に並べる。それでいいと思いますよ。問題ありませんよ」そんなふうに僕の意見を伝えると、「先生、うちの子のこと、トンボが好きで鳥が好きで、走り回ることが好きで、ミニカーが好きで……そういうことが好きな子なんだって思っていてもいいですか?」と、逆に問い返されました。「もちろんです!」僕はそう答えながらも、考え込んでしまいました。医学の診断名というのは、ある意味で、その子の興味関心すらも「症状化」してしまうことがあるのか、と。診断名はあくまでもその子の一部に過ぎない同じ診断名がつく子どもであっても、一人ひとり、その思い、言動はみな違います。まずはその子の思いに近づく努力をしたいと僕は日々思っています。「自閉スペクトラム症のしょうたくん」「ADHDのあいちゃん」といった視点ではなく、その子どもの目線にまで達して、「しょうたくん、あいちゃんは、こんな気持ちではないでしょうか」というところからかかわっていきたいのです。「こういうタイプの子は電車が好き」なんてひとくくりにできない出典 : ほかにも、「電車が好き」という男の子がいたとしても、「電車」というひと言ではくくれなかったりもします。好きな電車の世界の中にもいろいろあって、特急車両が好きな子もいれば、寝台列車が好きな子もいて、「キハ6000」の走行音が好きな子もいるし、路線図が好きな子も、無人駅が好きな子もいます。そういうこだわりを僕は、つくづくおもしろいなあ!と感じますし、奥が深いなあと痛感します。「こういうタイプの子って、やっぱり電車が好きですよね」とひとくくりにされた日には、彼らから異議申し立てが出るんじゃないかと思うくらいです。わが子の豊かな世界を一緒に楽しんでせっかくバリエーションの豊富な子どもたちの言動が、「こだわりが強い」「衝動性が強い」「五感が鋭い」といった決まりきった言葉(発達障害の特性を示す)だけに置き換えられてしまうのだとしたら、僕は残念でなりません。例えば、車のタイヤがクルクル回ったり、換気扇が回ったりするのをずっと見続けているお子さんがいたとして、「やっぱり、自閉スペクトラム症ってこういう回るものが好きなんですよね」とひとくくりに表現してしまうのも、その子に失礼だなと思ってしまうのです。クルクル回るものを見て楽しむ子どもの気持ちが、「自閉スペクトラム症」という記号によって、「回っているものを見て、 喜ぶ資質です」といった説明で片付けられてしまうことに強い違和感も覚えます。その子が選択したものを突き詰めていくと、 もっと「それが好きなんだ!」「これを手に入れたかったんだね」といった価値観に近づけるのではないでしょうか。「発達障害」というメガネを外してわが子を見れば出典 : 「発達障害」と判断することは、その子を理解する手がかりの一部にはなるでしょう。でも、発達障害という「メガネ」をいったん外して、わが子のありのままを見つめてみることも大切です。生きる上での喜びも、生活の中での傷つきも、そしてそれに対する周囲の手当ても、一人ひとり個々に体験して生き続けます。その子、そしてその家族に対して、僕たち精神科医は、可能な範囲で発達促進的な環境を一緒につくろうとします。同時に、僕たちはどこまでいっても、自分自身も、また他者も十分に理解することはできません。だからこそ対話をし続けます。生活を重ね合わせていきます。「発達障害」だけで子どもを見ないで――あくまでも手がかりの一つに過ぎない、発達障害という「メガネ」に支配されないこと。そして、子どもの理解にゴールはないことを、みなさんの心に留めていただけたら幸いです。版立ち読み『「発達障害」だけで子どもを見ないでその子の「不可解」を理解する』
2019年12月04日一度崩れた生活リズムは立て直すのが大変息子が長期の休みに入ると、親子共々生活リズムが崩れやすくなります。息子本人はもちろんのこと、普段日中はいない彼がいることで私自身も生活の形が変わるのを感じます。Upload By 丸山さとこ生活リズムが崩れることによって、コウは機嫌が悪くなったりパニックになったりしやすくなります。一度そういうコンディションになった彼相手に生活リズムを整えようとするのは大変なので、極力「崩さない」をモットーに休みを乗り切りたいところです。「起床・食事・就寝」 時間を決めるのは3つだけ!Upload By 丸山さとことはいえ、コウだけではなく私もまた発達に凸凹のある成人当事者です。食事の支度が増えたり、作業中に子どもから声をかけられることが多くなったりする長期休みの生活。私自身も自分の生活リズムを保つだけで精一杯になりやすく、自分のことに加えて「保護者として子どもの生活リズムを管理する」というのは負担が大きく、難しいところがあります。Upload By 丸山さとこそのため、長期のお休みがある時は“生活が大きく崩れなければよし!”ということで、『食事・起床・就寝』の時間だけは決めて過ごすようになりました。気持ちや行動の切り替えが苦手な私とコウにとってはその3つを守るだけでも大変だったりするのですが、その3つが崩れると立て直しが本当に大変なので、「何とかそこだけは!」という気持ちで守るようにしています。また、その3つの時間に関しても、「夕飯は6時から7時の間」という感じで幅を持たせて決めるようにしています。あまりきっちり決めていると、予定変更が続いた時に形ばかりのルールになってしまい、ルールが存在する意味が無くなってしまうからです。お手伝いで“生活のリズム”を意識する。Upload By 丸山さとこコウには、普段から役割として頼んでいるお手伝いがあります。リビングのカーテンを朝開けて夕方閉めることと、お風呂掃除です。彼は時間を意識することや周囲の変化に気付くことが苦手です。すっかり日が沈んで暗くなった部屋でデスクライトだけをつけて黙々と折り紙をしていたりします。Upload By 丸山さとこそんなコウですが、”朝起きたらカーテンを開ける、暗くなったらカーテンを閉める”という作業を役割として任せられることで、少しずつ”窓の外の明るさ”や、それが季節や天候によって変わることを意識できるようになってきました。好きなことに夢中になれるのは彼のよいところですが、ふっと集中の途切れた時やタイマーの鳴った時など、周りが目に入る瞬間だけでも「生活のリズム」を意識できたらいいかなと思っています。息子の時間割は息子のものUpload By 丸山さとこ学校生活での長期休暇について、あらかじめコウには「暑さ・寒さ・進級準備のために学校を休んで家庭学習をする期間なので、ただの休みの日ではないんだよ。」と伝えています。「だから、学校がある日のように時間割は大事だよ。」という形で、前述の”生活リズムを崩さないための基本ルール”以外の計画表はコウ自身に作ってもらっています。立てた計画が雑でも、1回はその通りに行動して、うまくいかなければその時点で話し合います。自分が思っているよりも行動に時間がかかったり切り替えられなかったりするのだと自覚することは、予定を立てる上で大切なことだからです。Upload By 丸山さとこ自分の気分・体調・行動にかかる時間などが分かってくると、体調や時間の管理がしやすくなり気持ちのメンテナンスもできるようになります。長期のお休みは普段の生活リズムが崩れやすい大変な期間ではありますが、同時に“子どもの素の生活リズム”を知った上で安心して失敗することのできる絶好のチャンスでもあります。子ども自身が「できると思って作った時間割」と「実際の自分の姿やスケジュール」とのズレに気づいて修正していくことは自己管理力を身に付ける上で1つの方法になりますし、親の方にとっても「手を出さずに見守ること」のよい練習になっているのを感じます。何かと負担が増えがちな長期のお休み!親子共々生活リズムを意識しつつ、手を抜けるところはズバズバ抜きながら今度のお休みも切り抜けようと思います。
2019年12月03日スマホで動画を流してみるとスマホで歌を検索してみると、たくさんの動画がありました。さっそく長男に見せてみることに。すると動画を見た長男は目を輝かせて大喜び。「もっと見たいね~」と何度もリクエストしてきました。この歌に限らず、数字がランダムに表示されるもの、とにかく数字が画面上に出てくれば目が釘付けになります。それからは、毎日長男の歌を聞かされる羽目になるのです(笑)Upload By シュウママ時計やカレンダーも。1~12までの数字が言えるようにその後、長男はどんどん数字が大好きになっていきました。特別支援学校でも、数字の勉強をしているので、連絡帳には「さんすうの時間になるとウキウキしています」とのこと。今まではせいぜい、1~3くらいまでしか言えなかったのに、指で示して「これは何月?」と聞いているうちに、カレンダーをめくりながら「1月、2月、3月、4月~」と12月まで言えるようになりました。Upload By シュウママ時計の針も少しずつよめるようになりました。テレビの番組表を見ながら、テレビ局の番号を言って見たい番組を予約するようにも!数字が読めるようになったおかげで、日常生活のなかでできることが増えていきました。散歩中にプチパニック。どうしてあの数字がないの?けれど、一方で困りごとも。散歩中に長男が「あれ~?おかしいねえ」と騒ぎ始めたことがありました。どうしたのだろうと見ると長男は、近所のアパートの駐車場を指差していました。駐車スペースには番号が振ってあります。それを見ながら長男は首をかしげています。「いち、に、さん、ご?」Upload By シュウママ駐車場に「4」がないのは、死につながるからでしょうか。ただそう長男に伝えてもおそらく理解できません。なので私も、返答に窮してしまいました。それからというもの、長男はその場所を通るたび「4ないねえ、何でかねえ」と文句を言っています。「どっかに落ちているかもよ」と言うと、長男は4という数字を求めて、きょきょろと周囲を見渡しています。Upload By シュウママ自閉症のお子さんが数字大好き、というのはよく聞きますね。長男もこれから、数字の魅力にどっぷりはまっていきそうです。いつか、どうして数字に惹かれるのか、話してくれる日が来るといいな。
2019年11月29日ADHDとは?ADHD(注意欠陥・多動性障害)は不注意(集中力がない)、多動性(じっとしていられない)、衝動性(考えずに行動してしまう)の3つの症状がみられる発達障害のことです。人によって症状の現れ方の傾向は異なり、大きく3つのタイプに分けることができます。1.多動性-衝動性優勢型:多動と衝動の症状が強く出ているタイプです。2.不注意優勢型:不注意の症状が強く出ているタイプです。3.混合型:多動と衝動、不注意の症状が混ざり合って強く出ているタイプです。子どもの20人に1人、成人の40人に1人にADHDが生じることが示されています。以前は男性(男の子)に多いといわれていましたが、現在ではADHDの男女比は同程度に近づいていると報告されています。参考:DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル年齢別に見たADHDの症状の現れ方■生後すぐから診断ができるの?ADHDは発達障害のひとつですが、発達障害は、言語・認知・学習といった発達領域が未発達の乳児では、症状が分かりやすく出ることはありません。ですから、生後すぐにADHDの診断が出ることはありません。また、ADHDの症状は他の発達障害の症状と共通するものもあるので、判断には注意が必要です。ADHDと診断された人たちの中には、乳児期を振り返ってみると、「なかなか寝付かない、寝返りをうつことが多く落ち着きがない、抱っこされることを嫌がる」といった傾向がみられる場合もあるようですが、このような行動は定型の成長過程でもあり、一概にADHDと結びつけることはできません。気になる場合には児童センターといった身近な相談機関や小児科などで相談してみましょう。■トラブルの原因となる行動をとることが多いADHDのある子は、成長するに従い、以下のような行動をとる場面が目立つようになります。ただ、前述の通り、ADHDの症状は他の発達障害の症状と共通するものもあります。必ずしもADHDとはかぎらないので、特徴はあくまで参考程度にしましょう。・他の子をたたいたり、乱暴をすることがある・落ち着きがなくじっとしていることができない・我慢ができないので癇癪(かんしゃく)をおこすことが多くみられる・物を壊すなど乱暴・破壊的な遊びを好むことがあるいくら言葉だけで注意しても、これらの同じ行動を繰り返してしまいます。■言葉の遅れがみられることもADHDのある幼児は、他の発達障害との合併症状として、言葉の遅れなどの特徴がみられることもあります。■しつけの問題なの?幼児期になると、落ち着きがなかったり癇癪を起こしやすかったりといった様子から、ADHDに気づくことが多いようです。また、保育園や幼稚園でも他の子どもとトラブルを起こしがちになってしまいます。そのような行動が原因で誤解され、しつけがされていないなどと言われることもありますが、ADHDは先天的な脳の機能障害によるもので、しつけや育て方の問題ではありません。■症状が顕著に現れてくるADHDの子どもが小学校に入学すると、着席しての学習や集団行動が求められるようになることもあいまって、以下のような症状が目立ってきます。・授業中でもじっと座っていることができず、歩き回ったりする・注意力が散漫になって、興味の対象も次々と変化する・物を忘れたり、なくしたりすることが多い・突然話しかけて他の人の邪魔をしたり、他の人に話しかけられてもぼーっとしてうわの空に見られる・突発的な行動をおこすことがあり、自分の怒りの感情をコントロールできない・友達と仲良くできずトラブルを引き起こしてしまうことが多い■結果的に周りから問題視される何度も同じことを繰り返し注意されたり、授業態度などから周りに問題視されたり、怠けていると思われたりすることがあります。しかし、本人からすれば悪気があってしていることでもなければ、怠けているわけでもありません。■ADHDの診断がはっきりと下される時期小学校に上がるころになると、ADHDの症状が顕著に現れるため診断される場合が多くなります。文部科学省の定義では7歳前、DSM-5によるとADHDは12歳前に症状が現れるとされていますが、必ずしもこの年齢でというわけではなく、この年齢以前から症状がはっきり分かる場合には診断が下されます。■思春期のADHDは、合併症状にも注意思春期なると、立ち歩いたり突然周りの人に話しかけたりといった、幼児期や小学生時代に目立っていたADHDの特性による行動は落ち着いてくることが多いようです。しかし、・親・教師への強い反抗・友人とうまく付き合えず、トラブルになることが多い・ルールに従うことができないなどの行動がみられることがあります。また、学習障害(LD)などの発達障害との合併症状が目立ってくることがあります。対人関係がうまく築けない場合、自閉症との合併症状がある疑いもあります。ADHDの症状がみられる人は他の発達障害を合併している可能性もありますので、よくチェックして疑いがある場合には診断を受けてみましょう。■他人と自分を比較する思春期になると、他人と自分を比べて悩みやすくなります。ADHDのある子どもも例外ではなく、他人と自分をよく比べるようになります。完璧主義の傾向が強いと“できないこと”に過敏になることもあります。そして、他人にはできて自分ができないことにコンプレックスを感じてしまいがちです。コンプレックスから次の行動につながる場合があります。・勉強への意欲の低下、学力の低下が著しくなる・やる気がなく投げやりな態度・自分の世界に引きこもりがちになる場合もある知的機能に問題がない場合でも、不注意の特性が強いと、集団での学習に集中できず、学力の低下に結びつくこともあります。この結果、不登校やひきこもりなどの状態になることもあります。■薬の服用を嫌がる自分の障害を受け止めることができず、薬の服用を避けたり量を自己判断で変えて服用したりすることがあります。思春期の不安定な気持ちに寄り添いながら、家族が上手にサポートしましょう。■大人になるとADHDはどうなるの?子どものころにADHDと診断された人の中には、成長につれて症状が目立たなくなったり、軽くなったりする人もいます。自分の特性を理解し、苦手な場面にもどのように対処するかを学ぶことで、日常生活の困難を乗り越えている人もいると考えられます。ですが、ADHDのある大人は、子どものころより困難が多いと感じることも多いようです。・親や教師のフォローがなくなる・やることが多くなる・大人としての行動や責任を求められるなど、周囲の環境の変化が大きいことがその理由と考えられます。そのため、大人になって日常生活を送るのが難しくなった、と感じるADHDの人が多くいます。また、大人になってからADHDと診断を受ける人、診断を受けていなくとも同じ症状で困っている人も多くおり、大人の発達障害のなかではADHDの割合がもっとも高いといわれています。■大人のADHDに現れる症状大人の場合、ADHDによる特徴にはどのようなものが多くみられるでしょうか。・計画を立てたり、順序立てて仕事や作業を行ったりすることが苦手・細かいことにまで注意が及ばないので、仕事や家庭でケアレスミスが多い・約束などを忘れたり、時間に遅れたり、締め切りなどに間に合わない・片づけが苦手で乱雑になってしまう・同時に多くの情報を取り入れるのが苦手なので、一度に多くの指示や長い説明をされると混乱する・手間がかかったり、時間がかかったりして、集中が必要なものは後回しにしがち・何かに「はまる」と、ほどほどで止めることができず、なかなか抜け出せない(読書やネットサービス、ゲームなど)・長時間座っていることが苦手で、手足がむずむずしてくるADHDをもっと知るためのリンク集「もしかしてADHDがある?」気になる症状があるときには、次のコラムが参考になります。大人のADHDの困りごとへの対策を具体的に解説!職場ではADHDを公表したほうがいい?|LITALICO仕事ナビ大人のADHDのある人が受けられる就労支援・経済的支援とは?|LITALICO仕事ナビまとめADHDは特徴の現れ方によって、大きく3つのタイプに分けられるほか、年齢や性別などによっても目立つ症状は異なってきます。早期にその特性に気づき、適切なサポートを受けることによって、少しずつ困りごとを改善してゆくことができます。他の発達障害との合併や二次障害に気を配りながら、慎重に見守りサポートしていきましょう。
2019年11月29日聴覚過敏と診断された娘、対策はどうする?「聴覚過敏」と診断された小学校3年生の娘イロハ。特にイロハは「左耳が人より数倍よく聞こえている」ということもわかりました。Upload By ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみイヤーマフについて周囲に理解してもらいたいそれまで頻繁に頭痛を訴えていたため、学校の先生もとても心配してくださっていました。そのため、まずは口頭で聴覚過敏という診断結果やイヤーマフの使用について話しました。そしてもうひとつ、クラスのみんなにもわかるように説明してほしかったため、NHKの「わたしのトリセツ」をダウンロードして、イロハと相談しながら困りごとや対策とお願いを書いてみることにしました。そして学校だけでなく学童や通っている英会話スクールにも渡し、詳しく説明することにしたのです。Upload By ひらたともみNHK 印刷して使える”私のトリセツ”鳥取大学大学院教授・井上雅彦先生 By ひらたともみさて、イヤーマフを着用するようになったイロハの症状はその後どうなったか...おかげさまで学校や公共の場の音に悩まされることがグンと減り、保健室に通うこともなくなりました。担任の先生のおかげもあり、興味本位でイヤーマフ着用をからかわれたりするなど、嫌な思いは一度もないそうです。『治療法がない』と聞いて、「一生このままなのか」とも思いましたが、主治医によるとそうとも言えず、脳の発育や内耳の変化により、イヤーマフを手放せる日もくるかもしれない...と言われました。見えないところの苦痛を見つけることの難しさを、今回改めて知りました。さてさて、イロハは今後どうやって聴覚過敏とつきあっていくのでしょうか...。それも含めて、娘の成長がとても楽しみです。
2019年11月28日家でも外でもおかまいなしに、子どもが癇癪(かんしゃく)を起こして、泣いて叫んで大暴れ…。そうなると、お母さんはどうしていいかわからないですよね。「こんなに癇癪を起こすなんて、私の育て方が間違っているのかしら…」そう不安に感じるお母さんは多いでしょう。そもそも、子どもはどうして癇癪を起こすのでしょうか。その予防法はあるのでしょうか? 子どもの癇癪について、くわしく解説していきましょう。【監修】赤坂ファミリークリニック院長 伊藤明子 先生小児科医師、公衆衛生専門医、同時通訳者。東京外国語大学イタリア語学科卒業。帝京大学医学部卒業、東京大学医学部附属病院小児科入局。東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻修了。同大学院医学系研究科公衆衛生学/健康医療政策学教室客員研究員。2017年より赤坂ファミリークリニック院長、NPO法人Healthy Children, Healthy Lives代表理事。著書・共著に『小児科医がすすめる最高の子育て食』など。テレビ番組「林修の今でしょ!講座」などに出演中。二児の母。■癇癪(かんしゃく)とは癇癪(かんしゃく)を起こすとは?「癇癪」とは、激しい感情を抑えきれず、大きな声を出したり怒ったり泣いたり、時には物を投げたり暴れたりすることです。英語で癇癪は「temper」、特に幼児期の癇癪は「tantrum」、癇癪持ちは「hot tempered」「short tempered」「quick tempered」といいます。hot、short 、quickといった形容詞が、癇癪を起こした時の様子をよく表しているといえるでしょう。【癇癪(かんしゃく)を起こしている子どもの様子】癇癪を起こしている子どもは、突然叫び声を上げたり、泣いたり、怒ったり、手足をバタバタさせたりします。感情が高ぶりすぎると、大きな声で泣きながら床に寝そべってゴロゴロ転がったり、手足をバタバタ振り回したりすることも。外出先で子どもが癇癪を起こすと、お母さんは本当に困ってしまいますよね。▼癇癪(かんしゃく)パターン1: 嫌なことを取り除こうとしている子どもは、癇癪を起こすことで「嫌なことを取り除こう」としています。例えば、公園で遊んだ後、「もう遅いから帰ろう」と子どもに声をかけると、「まだ帰らない! 遊ぶ!」と子どもが泣いて叫んで帰られない…というのはよくありますよね。これは、「嫌なこと=遊びをやめて帰る」を取り除こうとして、お母さんに訴えているわけです。▼癇癪(かんしゃく)パターン2: 困っているサイン子どもが癇癪を起こすもう一つの原因に、「何か困っているサイン」があります。例えば、ブロックが組み立てられない、服のボタンがうまくとめられないなどで、キーッと癇癪を起こし何もかも投げ出してしまう時がこれに当てはまるでしょう。子どもの癇癪(かんしゃく)の原因子どもが癇癪を起こす原因は、大きく分けて次の2つが挙げられるでしょう。▼生理的なもの子どもの癇癪は、欲求不満があったり、疲れていたり、おなかが空いていたりといった、「生理的なもの」が原因というケースが多いでしょう。例えば、おもちゃ売り場で「これ買って!」とダダをこねて、最後には泣いて暴れて…というのは、よくある子どもの癇癪のパターンです。しかし、実はこの癇癪の本当の原因は、「おもちゃが手に入らないこと」ではないことも。疲れていたり、眠かったり、おなかが空いていたりなどの生理的な原因がもともとあり、「おもちゃが買ってもらえない」をきっかけに感情が爆発する場合もあります。▼コミュニケーション手段になっている子どもが癇癪を起こす原因のもう一つには、「コミュニケーションを取るため」というのが挙げられます。親にかまって欲しい、人の注意を引きたいという気持ちから、癇癪という形であらわれるのでしょう。「上の子は聞き分けが良かったのに、下の子は癇癪持ちで…」とこぼすママは少なくありません。上の子に比べ、2番目、3番目以降の子どもは、親を独り占めできることが少ないですよね。もしかしたら、気を引こうとして癇癪という表現方法を取っているのかもしれません。癇癪は、子どもが親に気持ちを伝えるコミュニケーション手段の一つといえるでしょう。癇癪(かんしゃく)が始まるのは1歳になる少し前から?子どもの癇癪を起こし始めるのは、1歳になる少し前くらいからといわれています。ちょうど、少し言葉が出始めた頃ではないでしょうか。赤ちゃんの頃は泣くことしかできなかったのに、言葉という伝達手段を手に入れ、親子でコミュニケーションが少しずつ取れるようになり始めた1歳前後。しかし、子どもは当然、言葉ではまだうまく気持ちが伝えられません。そのジレンマが、癇癪を起こすという行動に結びついているのかもしれません。その証拠に、言葉でうまく感情を伝えられるようになる5歳頃から、ほとんどの場合、癇癪の頻度は少なくなっていきます。■子どもが癇癪(かんしゃく)を起こすのは育て方のせい? 発達障害なの?癇癪(かんしゃく)を起こすのは育て方のせいではない子どもが癇癪を起こすと「私の育て方が悪いのかな…」と心配になったり自分を責めたりするお母さんも多いでしょう。しかし、子どもの癇癪は、お母さんの育て方というより、子ども自身の性格や、その時の状況、環境、子どもの成長の過程とが複雑に絡み合って起こるものです。ごくまれに、心理学的、医学的などの理由で癇癪を起こす場合があります。一度の癇癪が15分以上続く、1日に何度も癇癪を起こすようなら、その可能性が考えられます。癇癪(かんしゃく)持ち=発達障害とは限らない次の3つに当てはまる子どもの癇癪は、その子の性格や環境、成長過程によるものが多いといえます。発達障害と安易に関連づけることはできないでしょう。▼ほかの人と関わるのが苦手子どもは、行動範囲が広がるにつれて、さまざまな人とコミュニケーションを取るようになります。最初はお母さん、お父さん、きょうだいといった家族だけ、次に一緒に遊ぶ同年代のお友だちやその家族、幼稚園・保育園に通い始めたら先生や違う年齢の子どもたち…。関わる人が多くなる過程で、子どもはほかの人とコミュニケーションをとる練習をし学んでいきます。ただし、それも子どもの性格や環境によって、得手不得手の差は出てくるもの。ほかの人との関わりが苦手な子どももいるでしょう。例えば、お友だちとおもちゃの取り合いになった、ブランコの順番を待っていたのに抜かされたといった子ども同士のトラブルは日常茶飯事ですね。そういった時、相手に合わせる、相手と交渉するというのが苦手な場合は、癇癪を起こしてしまうでしょう。▼言葉が遅い言葉がまだうまく使えず、思ったことが伝えられない。また、何か言われても十分に理解できない。そういった時、子どもは自分の気持ちが伝わらず、状況も理解できなくて不安に感じます。それが、癇癪という形であらわれるのです。ほかの子より言葉が遅い子は、同じ年齢のお友だちと遊んでいても、うまく気持ちが伝えられません。そのため、泣いて怒って、時には手が出てしまうこともあるのでしょう。▼気持ちをまだコントロールできない子どもと比べて、大人が感情のコントロールをできるのは、その経験値からです。不快なことが起こらないようにあらかじめ準備をして避ける、嫌なことがあっても人に話すなどして鬱憤(うっぷん)を晴らす、別の楽しいこと思い出して気持ちを切り替えるなど、これまでの経験から自分の気持ちや行動をコントロールする術を知っているわけです。しかし、子どもはまだそういった経験が浅く、感情を抑えることも下手です。嫌なこと、不快なことがあったら、泣く、大声をあげる、怒る、暴れる…。でも、そういった激しい感情の起伏で癇癪を起こすことで、子どもも大きなストレスを感じているに違いありません。それを何度か繰り返すことで、感情のコントロールを学んでいくのでしょう。今は、その途中なのではないでしょうか。発達障害の子どもに見られる症状の一つに、癇癪を起こしやすい傾向があるということで、心配になるお母さんも多いでしょう。たびたび癇癪を起こすからといって、すぐに発達障害と結びつけることはできません。ただし、あまりに頻度と程度のひどい癇癪を起こすようなら一度、専門の小児科医に相談することをおすすめします。■子どもの癇癪(かんしゃく)への対処法癇癪(かんしゃく)が起こる前にできること癇癪は一度始まると、子どもの気持ちが高ぶっている間は、何を言っても通じません。きつく怒ったり、無理やり連れて行こうとすると、火に油を注ぐ結果にも。そうなる前に、先回りして対処し、癇癪を起こさせないようにできると良いですね。▼環境を整える子どもがスムーズに気持ちを切り替えられるような声がけを心がけると良いでしょう。例えば、急いでいる時に子どもが公園で遊びたいと言った場合。「急いでいるからダメ」と言うと、子どもは癇癪を起こしてしまうでしょう。そんな時は、「急いでいるから、滑り台3回だけね」と声がけすることで、子どもはもっと遊びたい気持ちはあるけれど、急いで移動しなければいけないことも理解し、滑り台3回の間に、気持ちをある程度切り替えられるのです。この時、注意したいのは「じゃあ、ちょっとだけね」という曖昧(あいまい)な表現を使うこと。子どもには「ちょっと」「少し」の感覚がわかりにくいので、回数や時間で伝えるようにしましょう。▼子どもに伝わりやすいツールの用意先に紹介したように、子どもに曖昧な表現は通じません。「ちょっと」「少し」といった大人の表現をわかりやすく伝えるツールを用意しておくと良いでしょう。例えば、時計を見せて「長い針がここまできたら終わりね」とか、ゲームやテレビなどはタイマーを使って時間の制限をわかりやすく伝えるなどで、子どもにわかりやすいツールを活用するのも一つの方法です。また、言葉がうまく伝えられない子どものために、気持ちを視覚で表せるツールもあるといいでしょう。例えば、「イライラしている」「怒っている」「落ち着いている」といった感情を表せるイラストを用意して、それを使って子どもが気持ちを伝えられるようにするのも一つの手です。癇癪を起こすきっかけとなる「気持ちをわかってもらえない」という子どものフラストレーションが解消できるでしょう。同様な効果が期待できるコミュニケーション支援アプリなどもあるので活用してみてください。▼癇癪(かんしゃく)が起こった時のルールを子どもと決めておくどんなに予防線を張っても、子どもは何をきっかけに癇癪を起こすかわかりません。いざ癇癪を起こしたら、どう対応すればいいか子どもと話し合っておきましょう。「イライラしたり怒ったりした時は、どうしたらいいかな?」と子どもに聞いて、子どもに決めさせるのです。例えば、一人になれる場所へ移動する、気持ちが落ち着くような言葉をつぶやく、好きなアイテム(ぬいぐるみや毛布など)を触るなど決めておくと、その行動=気持ちの切り替えとなって、感情がクールダウンするきっかけとなるかもしれません。▼食生活を見直す偏食がひどい子どもに、癇癪を起こしやすい、情緒不安定、不安障害といった症状が出る場合があります。青魚に多く含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)や、たんぱく質、鉄分を積極的に取り入れ、糖質、添加物を控えるバランスの良い食生活によって改善する場合もあります。食生活から見直してみるのもおすすめです。癇癪(かんしゃく)が起こったら1: クールダウンさせる子どもが癇癪を起こした時、落ち着かせるために昔から取り入れられている方法に、「タイムアウト法」があります。タイムアウト法は、次の手順で進めます。1.子どもが癇癪を起こして、泣いて暴れたり人に迷惑をかけたりしたら、まずはそれがいけないことだと説明します。2.一定時間いすに座っているように伝えます(必要ならいすまで連れて行きます)。3.年齢の数だけの分数、例えば4歳なら4分間、子どもをそこに座らせます(最長5分間)。ただし、途中で子どもが立ち上がったら、時間はリセットして最初から始めます。4.時間になったら、どうして叱られたのかを子どもに質問します。理由を答えられない場合は、もう一度教えて、思い出させるようにします。このタイムアウト法は、癇癪を起こすことは悪いことだと理解しているのに感情が抑えられない子どもには有効な方法です。そのため、良い悪いがまだ判断つかない2歳未満の子どもには効果がない場合もあります。ただし、癇癪を起こしている真っ最中の子どもを、言い聞かせていすに座らせること自体が難しいですよね。そうなる前に、あらかじめ癇癪を起こした時にはどうするといったことを子どもと話し合っておくといいでしょう。癇癪(かんしゃく)が起こったら2: 感情的に叱らないようにする子どもが大きな声をあげたり暴れたりすると、お母さんもついつい感情的になってしまいますよね。子どもよりさらに大きな声をあげて、なんとか抑えこもうとしてしまいがちです。すると、子どもはそのお母さんの声や態度にさらに興奮してしまいます。感情的に叱るのは、子どもの癇癪には逆効果となります。癇癪(かんしゃく)が起こったら3: ご褒美で釣るのはNGもし、子どもが「お菓子買って!」とスーパーで床に寝そべって泣いてねだったら…。お母さんは恥ずかしくて早く立ち去りたいから、「まあ、いいか…」と買ってしまいそうですよね。特に外出先で子どもが癇癪を起こした時は、なんとか早くなだめようといつもはダメと言っていることも「いいよ」とお母さんは許してしまいがちです。しかし、それを繰り返していると、子どもは「癇癪を起こす=ご褒美がもらえる」と覚えてしまい習慣化します。難しいことではありますが、どんなに癇癪を起こしても、ダメなものはダメと筋の通った態度を見せることは大切です。■子どもの癇癪(かんしゃく)に引きずられないためにまずは大人が落ち着けるようにする子どもが癇癪を起こすと、お母さんも冷静でいるのは難しいですね。しかし、大人同士でも、お互いが感情的になってしまうと「売り言葉に買い言葉」でケンカがヒートアップしてしまいがちです。逆に片方があくまで冷静な態度を崩さなければ、感情的になっている相手もだんだんとクールダウンするもの。「子どもの不機嫌と自分の感情は別のもの」と割り切って、子どもの激しい感情に引きずられないのが肝心。お母さんは常に冷静を心がけ、フラットに淡々と対応するのがいいでしょう。イライラしたらその場を離れるのも◯癇癪を起こしている子どもを目の前にすると、「自分が何とかしなきゃ」とお母さんは焦りますよね。でも、癇癪が長引いてくると、お母さんもイライラしてしまいます。お母さん自身がストレスをためないためにも、子どもの安全を確認したうえで、その場から少し離れるのもいいでしょう。気配は感じられるくらいの距離、例えば隣の部屋やトイレなどに一時避難すると、子どもの姿が見えないだけでも気持ちがリセットできます。その場を離れられない時は耳栓も有効まだ小さくて目が離せない、物を投げたり暴れたりして危ないなどの時は、子どもから離れることは難しいですね。そんな時は、耳栓をするだけでも効果があります。お母さんが一番イライラするのは、子どもが叫んだり大泣きする声ではないでしょうか。それが聞こえないだけで、ずっと気持ちは楽になります。■大人にも癇癪(かんしゃく)持ちっている?大人の癇癪(かんしゃく)持ちとは? 子どもとどう違う?大人でも、子どもほど激しくはありませんが、怒鳴ったり叫んだり、場合によってはつい手が出るなど癇癪を起こしてしまう人はいます。子どもと大きく違うのは、大人は「癇癪を起こすことは悪いこと」と理解していること。大人はこれまでの経験値から、コントロールできない感情は周りの人に迷惑をかける、悪いことだと理解しています。それでも、癇癪を起こしてしまうのが、子どもと大きく異なるところでしょう。大人の癇癪(かんしゃく)への対処法自分自身が「怒りっぽい」「子どもや夫にきつく当たってしまう」「人前でも怒りが抑えられない」といった癇癪持ちの自覚があるなら、次のことを試してみましょう。・その場から離れ、刺激の少ない静かな場所へ移動する。・耳栓をして、耳からの刺激を減らす。・深呼吸をしたり、瞑想する。・自分の怒りを数値化する。・イライラした原因を紙に書き分析する。 など上記の方法で、怒りをコントロールしましょう。もし、夫やきょうだい、父母など近い関係の大人が癇癪持ちの場合、自分自身や子どもに被害があることもあるでしょう。対処法は、子どもの癇癪の場合と似ています。・イライラしていることを自覚させる。・一人にしてクールダウンさせる。・話し合いは落ち着いてから。上記に加え、大人ならではの対応法は「伝えたいことは紙に書いて伝える」こと。直接話すと感情的になってしまうことも、手紙なら冷静に受け取ってもらえるでしょう。■子どもの癇癪(かんしゃく)に悩んだら早めに相談しよう子どもの癇癪で悩んだら、お母さん一人で抱え込まず、次の機関に相談してみましょう。子育て支援センター主に乳幼児の子どもを持つ家庭を対象に、市区町村ごとに公共施設や児童館などで地域に根ざした子育て支援サービスを行っています。自治体ごとに内容はさまざまですが、育児講座や親子で参加するイベントの開催、遊び場スペースの提供、子育て相談、保育サービスの案内などを行っています。詳細は、お住いの市区町村のホームページをご確認ください。児童発達支援事業所・放課後等デイサービス子どもの特性や、心身の発達の遅れ、障害などに合わせた支援を行う福祉施設です。児童発達支援は、主に就学前の子どもを対象に、日常生活に必要な動作の指導、知識や技能の教示、集団生活への適応訓練などを行っています。一方、放課後等デイサービスは、小学生〜高校生が対象。生活訓練や社会交流などの療育プログラムを放課後や夏休みなどの長期休暇を利用して実施しています。事業所によっては言語聴覚士や理学療法士、作業療法士などの専門家による支援も受けられ、子どもの発達や子育ての相談にも対応しています。発達障害者支援センター年齢に関係なく、発達障害を持つ方とその周囲の方(家族や教師など)の支援を行っている施設です。子どもはもちろん大人の発達障害や、その周囲の悩み、困りごとなどの相談もできます。■まとめ心の成長に必要な過程の一つだとわかっていても、子どもの癇癪は、困るし悩むし疲れますよね。あらかじめ、癇癪を予防する方法や、クールダウンの仕方、周囲の適切な関わり方を知っておくと安心ですね。もし、子どもの癇癪があまりに頻繁であったり、長引いたり、激しいもので心配があるようなら、ご紹介した子育て支援機関に一度、相談してみましょう。参考資料:・国立特別支援教育総合研究所 発達障害教育推進センター 「かんしゃくを起こすのですが・・・」 ・国立障害者リハビリテーションセンター 発達障害情報・支援センター 「こんなときどうする?」 ・日本小児精神神経学会 「応用行動分析 ─子どものパニック・癇癪への対応─」 ・国立教育政策研究所 「非認知的(社会情緒的)能力の発達と科学的検討手法についての研究に関する報告書」 ・厚生労働省 「障害児支援の強化について」
2019年11月27日小さいころからアトピー体質の娘広汎性発達障害の娘は、小さいころからアトピー体質です。小学3年生になった今も、毎日の保湿が欠かせません。幼稚園(3歳)ごろから、肌の荒れが目立つようになり、いつもどこかがカサカサで、赤く荒れている状態でした。病院に通い、飲み薬と、保湿クリームを使って、状態を安定させるのに必死で、私はいつも娘の肌に気を遣っている状態でした。娘は太陽の光や汗、ちょっとした刺激にも弱く、外を出る時は帽子と長袖が手放せませんでした。本人も無意識に掻いてしまうので、せっかく良くなりかけてもまたすぐ掻きむしってしまい、気がつくと出血していることもよくありました。イライラすると掻きむしるようにそれでも、小学生にあがるまでは安定している時期も長かった娘。しかし、小学1年生ごろから、ある変化が起きました。娘は、イライラしたりうまくいかないことがあったりすると、全身を掻きむしるようになったのです。Upload By SAKURA何かを我慢していたり、自分の中で葛藤していたり、そうしたことが体に現れてきてしまうのでしょう。かゆい訳ではないのに、掻いてしまうようでした。強く掻いてしまうと、血も出るし、傷になってしまう。私は娘に掻かせないようにしようと、日々必死でした。試したのは…簡単に「掻いちゃダメだよ~」「血が出ちゃうよ~」「治らなくなっちゃうよ~」と声を掛け続けましたが、娘はやめませんでした。今度は強めに声掛けし、時には叱ることも…しかし、娘はその時だけしかやめてくれず、またすぐに掻いてしまうのでした。Upload By SAKURAなぜ掻いてはいけないか…掻いたらどうなってしまうのか…理由をしっかり説明し、言い聞かせましたが、娘はまったくやめませんでした。3種類の関わりを試してみましたが、どれも効果はなく...娘は掻かないほうが良いことはわかっていても、イライラするとどうしても掻きたい気持ちをおさえられないようでした。皮膚科医に相談ここまで1年ほど試して、力尽きた私は、『嫌なことがあると、掻きむしってしまう現状』を皮膚科の先生に相談しました。皮膚科の先生は、「精神面のことは専門外だから、わからない。」と言いました。困り果て、会計待ちをしていると、看護師さんが寄ってきて…Upload By SAKURA「大変だろうけど…お母さんが『子どもが嫌なことがあると掻きむしっている』ということに気づいてるっていうことが大きいよ!子どもが掻きむしってても気がつかない親御さんをいっぱい見てきたからわかる。寄り添って、付き合っていくしかないの。」と言われました。学校でも目立つように…「なるほど…」とは思いましたが、正直…どうやってやめさせるか、答えがないことに落胆しました。そこからは寄り添うことを心がけてきましたが、なかなか治りません。2年生になったころから、娘の掻きむしりは学校でも目立つようになり…Upload By SAKURA学年が上がりすんなりいかないことも増えてきて、そのストレスが掻きむしる行動に繋がることが増えてきたのです。小児科医に相談…そこで、小児科を受診した時に、先生に相談してみました。すると、小児科の先生は専門ではなかったものの、「こういう時はね、掻くことを怒っちゃダメ。大丈夫だよ~って安心させてあげて。それから、掻く以外の手段を考えてあげて、タオルで抑えるとか、保冷剤で冷やすとか…特別支援学級の先生と方法を統一して、あーさんの精神安定剤のようにしてあげるといいよ。」とアドバイスしてくれました。Upload By SAKURA落ち着かないかゆみ。さっそく特別支援学級の先生と話し合い、娘が掻きむしった時には、怒らず、「大丈夫」と声掛けし、保冷剤をあてる…ということにしました。半年ほど続けましたが効果はなく、娘は「これじゃ効かない!かゆいのが消えない!」と騒ぐようになりました。Upload By SAKURA頭では「怒ってはいけない…大丈夫という声掛け…寄り添う!」とわかっていた私ですが、目の前で掻きむしられると、つい「こら!ストップ!」と声を出してしまい、自分の言葉を抑えながら冷静に声をかけるのは、思っている以上に難しいことでした。娘も辛いけど、見ている私も辛い…。ここからは試される「親のメンタル」!日々見えない敵と戦っているような気分でした。かゆくなっちゃうから!そしてついに、3年生になったころから娘は、何か注意されたり嫌なことを言われたりすると…Upload By SAKURA自分がかゆくなる原因を理解して、私の言葉を止める、盾のようにし始めました。そして特別支援学級や放課後等デイサービスでも同じように言い始め…Upload By SAKURA先生方が気を遣ってくださるのを見て、娘に対してイライラ、何も対策が取れない自分に対してイライラ…。娘が掻きむしるのを見ると、何か言ってしまいそうで、見ないように下を向き、無意識に出るため息…。そんな私の態度は娘にも伝わり…Upload By SAKURA苦しんでいるのは娘なのに、露骨に嫌な顔をして…私は何をやっているんだと情けなくなりました。試行錯誤中の現状。たびたびこのことについては、主人と話し合ってきましたが、お互いまったくいい考えが出ず…。いろんなことを試していたのに効果が出ない…娘になにかしら刺激を与えるのでは?と、かゆい時は、深呼吸をしよう!と妖精が出てきて教えてくれるというお話の絵本も作りましたが...絵本として楽しんでくれただけで、掻きむしりは止まりませんでした。Upload By SAKURA現状…今ここです(笑)いろんなことを試していたのに効果が出ない…おそらく、私の子育て…療育史上、最大の壁にぶち当たっているでしょう。普通の子育てでもなんだかんだ悩みは尽きませんが、娘のように特性を持つ子の悩みの壁は思った以上に高いですね。焦りは禁物。でも何かせずにはいられない。でもどの方法もうまくいかない…。そんなモヤモヤの中、私は今日も娘と向き合っています。
2019年11月27日料理のお手伝いは断固拒否する息子。そのワケは...Upload By かなしろにゃんこ。ADHDと広汎性発達障害がある息子は、これまで絶対に調理をしたがりませんでした。小5、小6のときに家庭科で調理の宿題があったときにしたぐらいで一切やりません。いつかは自立する日がくる、簡単な調理くらいはしてほしい!そんな思いで夕飯の下処理など少しずつ覚えてもらおうと声をかけても、調理に関するお手伝いは嫌がってしてくれませんでした。ある日なぜ頑なに嫌がるのか息子に聞いてみました。Upload By かなしろにゃんこ。●自分が料理することで失敗して食材をムダにするのがイヤ!●美味しく作れないことが明らかだから美味しく作ってあげられないのは食材がかわいそう。●手先が不器用で、調理道具が使いにくい。●包丁が恐い!火も恐い!不器用で調理器具を使うことに抵抗があったことと、失敗がイヤだったことが主な理由でした。「僕が作るよりもお母さんが上手に作ったほうが野菜も幸せだよ」というのです。息子は小さいときから"ご飯を残すのが嫌い"という強いこだわりを持っています。そのこだわりから、失敗作ができても本人の中ではすべて食べなければならず、それだったら最初から調理はしない!と決めてしまったのです。一度強く思ったことは貫き通す頑固者です。息子は高校生になるまで調理でキッチンに立つことはありませんでした。もう、仕方ないな~と私も諦めていたのですが、あるテレビ番組を観て、やっぱり息子に簡単なお料理くらいは教えなくちゃ!と思ったのでした。母の味を覚えてほしい!という親ゴコロUpload By かなしろにゃんこ。それは、亡き母が作ってくれた思い出のお弁当を、料理を再現するプロに作ってもらうというドキュメンタリー番組でした。亡き母の作ってくれた味と同じ味で再現された料理を食べた中年の男性は、懐かしんで喜んでいました。そうか、時代と共に変化していく調味料、母が生きていた時代の物が手に入りにくい問題、記憶を呼び起こして自分で再現する難しさなどがあり、母の味が恋しくなるんだ...ということが伝わるお話でした。私が死んでも息子が母の味を再現できるように教えなくちゃ!そのためにも簡単な献立を作れるくらいに教えなくちゃ!そしてそれには、まずは不器用な息子に合わせて調理器具の見直しをしていこう!と思い立ちました。探してみるといろいろある、便利な調理器具たちを活用!Upload By かなしろにゃんこ。息子の苦手や不安を軽減できるいろいろなグッズを探し、取り入れてみました。・包丁指を切りそうで恐いという気持ちを軽減するのに、包丁をくだものナイフのような小さい刃のものやキッチンバサミに変えて、実際切っているところを見せるようにしました。・火IHホットプレートを使って、焼肉やホットケーキから焼き加減を勉強してもらいました。そしてコンロの火は強火を使わないほうがイイと教えました。家庭料理なら弱火や中火で十分に調理できるものが多いからです。・菜箸菜箸だと力の入れ方が分からないのか、「腱鞘炎になる!」というので、トングにしました。私の時代なら菜箸を使わないことや、野菜の皮むきにピーラーを使うことなども、母やお姑さんに見られたら怒られるところですが、今は便利なものが巷に溢れています。安価で自分に合った道具も見つけられます。これらを積極的に頼ることは悪いことではない!と思うようになりました。Upload By かなしろにゃんこ。高校生になると徐々に調理のお手伝いをしてくれるようになりました。その中で、”昔ながらの計量スプーン”も息子には少し使いづらいと分かってきました。計量スプーンですりきり量ってお鍋などに調味料を入れる前に、手がプルプルして落としてしまったりします。すりきり1杯の調味料を落とさないように気をつければ気をつけるほど、手に余計な力が入ってしまうからのようでした。こんな簡単なことも一つひとつが大変なのが発達障害のある子なんですね。だからといって調味料を目分量で入れてしまうと、本当に美味しくないものができてしまいます。急がば回れ!美味しいものを作るコツは下処理とレシピを守ることです。息子に合う計量器具を見つけました!計量カップを小さくした調味料計量用のカップです。調味料が落ちる心配がなく、目標の鍋などに運べるので便利です。透明なカップなので、小さじってこのくらいなんだ!大さじってこんな量なんだ!と量の感覚もつかむことができます。Upload By かなしろにゃんこ。息子が小5のときにフライパンに油をどのくらいひいていいか分からない、いっぱい出ちゃったら恐い...と不安がっていたのを思い出して、あの有名な便利グッズのオイルボトル(1プッシュで1回分の油が出るオイルボトル)も導入!それに焼き料理用に幅広のフライ返しも使うことにしました。探してみると便利グッズって本当にいろんな種類がありますね。息子のために買いそろえていった道具ですが、超便利!!すごい楽チン~!!と私が手放せなくなりました。今では21歳の息子は、お肉や野菜を炒めてくれて皿にとりわけたり、キャベツの千切りをピーラーで大量にやってくれたりと、本当に少しずつですが調理に慣れていっています。Upload By かなしろにゃんこ。Upload By かなしろにゃんこ。小学校の頃は怖いと言っていた火も、友だちとキャンプに行くようになって慣れていきました。なんでも経験なんですね(笑)いつか自立する日がきて、母の味を優に超える美味しいご馳走を作ってくれるといいな~って思います。
2019年11月26日【最新動画5選】友達・学校の先生…学校生活のお悩みをピックアップユーザーの皆さまから寄せられた「学校生活」に関するお悩みについて、編集部が鳥取大学大学院教授 井上雅彦先生にインタビューした動画。新しいコンテンツをYouTubeにて続々公開中です。「行事が苦手だけれど、参加させたほうがいい?」「宿題に取り組むペースがつかめないみたい」などのお悩みについて、井上先生にお話しいただいています。「『友達関係を築くのが面倒だ』と言ってクラスメイトとも必要なこと以外話さず、友達をつくろうとしません。このままで良いのでしょうか?」友達と必要最低限しか交流しない、小学校高学年のお子さん。仲のよい友達がいたほうがよいのではないかと心配になりますよね。こういう場合、保護者はどのように考えたらよいのか、井上先生にお話しいただきました。「子どもが行事への参加を嫌がります。本人が嫌がっている場合やスキルに合わない内容でも、参加させたほうがよいでしょうか」普段と違う活動内容やスケジュールに対応する必要があり、苦手に感じるお子さんも多い学校行事。本人が嫌がっている場合はどうしたらよいでしょうか。アドバイスをいただきました。「宿題や家庭学習をすごい勢いで進めたり、全くやらなくなったりの繰り返しで、ちょうどよいペースで取り組むことができないようです。どうサポートしたらよいでしょうか」宿題や家での学習は、一定のペースで計画的に取り組むのがなかなか難しいというお子さんも多くいらっしゃいます。中学生からは定期テストなどもあって計画的に勉強してほしいと思いますよね。家庭学習のペースのつくり方について、井上先生にお話を伺いました。今後も、【LITALICO発達ナビ YouTubeチャンネル】では発達障害のあるお子さんの子育てで悩んだとき、考え方のヒントになるような動画を配信していきます。サイトとあわせてチェックしてみてくださいね。チャンネル登録もよろしくお願いします!
2019年11月25日STEAM教育って何?
子育て楽じゃありません
細川珠生のここなら分かる政治のコト