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発達ナビの「求人検索サービス」を通して、就職が決まった人も!LITALICO発達ナビでは2018年4月より、児童発達支援事業所と放課後等デイサービスの求人情報を検索できる「求人検索サービス」を新たにスタート。リリースから3ヶ月が経ち、各都道府県における求人数も増えて、発達ナビ経由で面接・内定と進み、就職される方も出てきました。支援者が就職・転職の際に知りたい情報とは?475名にアンケート!そこで、発達ナビでは、教育・児童福祉業界で働く支援者向けにアンケートを実施!475名の方にご回答いただきました。「就職・転職時に知りたい情報は?」との質問に対して、アンケート結果はどうだったかというと…!?Upload By 発達ナビ編集部1位は「勤務時間・休日」、2位は僅差で「支援方針・支援への想い」という結果に。実際に働くとなると、無理なく働き続けられる勤務時間か、休みはしっかり取れるか、ということはもちろん気になりますよね。一方、どんなに働く環境として良さそうに見えても、支援方針が合わないと、日々子どもたちに接する中でモヤモヤが募ってしまうのでしょう。給与はもちろん、「働きやすい環境で、かつ、自分にあった支援方針の場所を見つけたい!」という支援者の声が反映された結果となりました。<調査対象について>「LITALICO発達ナビ」会員へのメールから、アンケートフォームにて回答いただいた発達障害の当事者475名の回答を集計しました。(調査期間:2018年6月3日~6月10日)※設問によっては475名全員が回答していないもの、複数回答可のものがあります。※調査結果の構成割合は四捨五入をしているため、合計が100%にならない場合があります。支援者自身も「自分に合った環境」を選ぶことが大切Upload By 発達ナビ編集部子どもが学ぶ場所を選ぶ時には「どんな環境がこの子に合っているか?」を念頭に考える保護者が多いでしょう。それと同様に、大人にとっても、自分に合った環境を選ぶことは大切です。自分に合う企業理念や働き方、文化・風土の職場に出合えると、働く上でも力を発揮しやすくなるはずです。支援に携わる方自身が、自分に合った職場に出会うことは、お子さまへのより良い支援にも繋がっていくのではないでしょうか。しかし、各施設のホームページは保護者向けにつくられていることがほとんどで、働く環境や支援方針を知ることは難しいですよね。発達ナビの求人検索サービスは、勤務スケジュールや支援方針を確認できる発達ナビでは、支援に携わりたい皆さんが自分に合った施設に出会えるように、各施設の勤務スケジュールや具体的な支援方針を掲載しています。ここからは実際にスマホでの使い方をみてみましょう。まずは発達ナビトップから「求人検索サービス」の青いバナー、もしくは「施設求人情報」のアイコンをタップし、求人検索サービスのコーナーにいきます。Upload By 発達ナビ編集部その後ご自身が働きたい都道府県を選択すると、そのエリアの求人一覧が出てきますので、気になる求人をタップしてみましょう。Upload By 発達ナビ編集部募集一覧以外にも、「働く人の声」や「基本情報」のタブを選択すると、実際の勤務時間や、理念などを知ることができます。Upload By 発達ナビ編集部例えば、「わが子に障害があり、自分の子どもを預けたいと思える施設をつくりたいと思って立ち上げた」というエピソードや、「未経験であっても教育研修制度が充実しているので安心して飛び込んできてください」というメッセージもあります。給与や待遇だけではなく、その施設が何を目指しているのか、どういう思いでお子さまの支援に携わっているのかも含めて、求人応募を検討する際の参考にしてみてください。未経験であっても、子育て経験を活かせる場所があるかもUpload By 発達ナビ編集部有資格者の応募が優遇される施設も多いですが、未経験であっても、研修制度や指導員同士のフォロー体制が充実しており、「未経験者大歓迎」という施設もあります。指導経験はなくとも、発達が気になる子どもを育てた経験のある方などは、その子育てで得た知見や経験を活かせる場所がきっとあるはずです。お子さまが大きくなり、新たなスキルを身につけ、働きたいと考えている方も、自分に合う職場を探してみてはいかがでしょうか?まずは気軽に施設見学をして、話を聞いてみるところから始めてみてください。あなたの子育て経験の活きる場所が見つかるかもしれません。お役立ち情報が届く、支援者向けメールサービスもスタート!Upload By 発達ナビ編集部また、発達ナビでは支援者向けのメールサービスもスタート!支援者や支援者を目指す方に役立つ情報を定期的にお届けします。ぜひお気軽にご登録ください。※掲載情報について、LITALICO発達ナビの求人検索サービスは、求人情報の掲載サービスであり、職業紹介業ではありません。
2018年07月27日鉄道系博物館以外は興味なし。駅で電車を見ているほうがいいと言われて…Upload By かなしろにゃんこ。ADHDと軽い広汎性発達障害がある息子リュウ太。小さいころから鉄道が好きだったので、夏休みには必ず鉄道系博物館に連れていきました。鉄道の展示物を見ると興奮して喜ぶので「こんなに夢中になるんだから、科学館や歴史博物館に連れて行ったら、理科や歴史も好きになるかしら?」と考えて連れていくと…、実験できる展示物も、歴史的な展示物も、息子にとってはイマイチなのか?口数も少なくテンションは低め。さらには「博物館はもういいよ、駅で電車を見よう!」と先を急ぎ、平均滞在時間は30分。せっかく連れてきた母としては、残念な気持ちに…。美術館だけは特別!?展示物に夢中になった息子Upload By かなしろにゃんこ。そんな息子ですが、中学生になると絵を描き始めました。そこで、一流の芸術品を自分の目で鑑賞することで、なにかよい刺激になればと、今まで連れて行ったことがなかった美術館に一緒に行ってみることに!本物の芸術に触れると、クリエイティブな脳になるきっかけになったり、脳の血流が良くなったり、癒されたりとさまざまな効果があると耳にしたこともあり、少し期待していたんです。すると!私の予想以上に美術館を楽しんでいるではないですか…!展示物を見て美術の教科書の情報を思い出してみたり、テレビから得た情報を思い出したようで、「この作品、知ってる!」とか「実物はこんなに大きいんだ!」など、いつもは口数の少ない息子が、自分の感動をスルスルと口にするのです。「芸術は自由に楽しんでいい」と教えてみると…Upload By かなしろにゃんこ。でも、大きな美術館では何百点という展示物があり、全て見て回るのは大変です。その上、息子は飽きっぽいという特性があります。そこで、息子が飽きないように「気に入った絵を探して、好きなものだけ見てみよう!」ということにしました。美術鑑賞のポイントを伝えてみると「そういうふうに見ていいんだ、全体を見なくても部分的にじっくり見たりもしていいんだ!」と目からウロコの様子。美術の専門家のように目利きして理解しながら見る必要があるんじゃないかと思っていたようです(笑)教科書で知っている作品が目の前に!Upload By かなしろにゃんこ。それまでは、美術館=堅苦しいイメージがあったようですが、「芸術は、自由に感じたり見たりしていいものだ」と分かると、巨匠の作品を眺めたり、気に入る絵を探して館内を回ったりと、飽きっぽい息子には珍しく2時間くらい集中して鑑賞していました。ピカソやモネなど、「教科書で有名な画家の絵が、目の前にある」というのは、美術鑑賞初心者の息子でも、やはり感動したようです。また、作品のパワーを感じていたのでしょうか?ゴッホなどの力強い作品の正面に立つと、惹きつけられるようで足を止めて見入っていました。今や美術鑑賞が趣味に。好きなものの幅が増えた!Upload By かなしろにゃんこ。ちなみに、「美術館オモシロイ」と言った息子が一番気に入った作品は画家の直筆の手紙でした。紙の端が汚れて茶ばんだ古い紙に、筆記体で書かれた文字が、なんともカッコイイのだそうです。まるで、ゲームに出てきそうな謎の預言書みたいだと感じたようです。「オイオイ、これは絵じゃないだろう!」と心の中でツッコミましたけど、まぁ何にグッとくるかは人それぞれですから、それも良しです。その後、絵画鑑賞がすっかり好きになった息子。好きな画家の展覧会に行くようになったり、息子から美術館に誘ってくれるようになりました。息子の創作に何か反映されているかは分かりませんが、鉄道系以外にハマれるものと出合えたことが、母は嬉しかったのでした。絵が好きな子どもには、美術鑑賞はいい刺激になるはずです。中高生は入場無料という施設も多いし、屋内なので涼しいですし、夏休みに親子で行くのもいいかもしれませんね♡
2018年07月26日いつもと変わらぬ夜。夕飯後の片付けの時…Upload By shioriいつものように台所で洗い物をしていたら、カムが近づいてきて、しばらく私の様子をじっと見ていました。そして、洗ったスプーンを拭き始めた時、「ちょうだい」の手話をしてきたのです。カムは、耳が聞こえず、言葉もしゃべれません。カムが使う手話は「ちょうだい」の一語のみですが、こんな風に手話で話かけてくるときがあります。ちなみに、「ちょうだい」の手話は、開いた両手を重ね、上になった手をトントンと下の手に軽く打ちつけます。カムは手を打ちつける動作がまだできないので、上になった手を下の手でモミモミする変形型の「ちょうだい」です。これは、スプーンがほしい=おやつ(バナナ)が食べたい、という合図。ご飯を食べ終わったばかりなのにバナナ!?まだ食べるの?カムのちょうだいは止まりません。仕方なくスプーンを渡しました。するとカムは、素早くスプーンを食器棚に片付けたのです。あれ?バナナじゃないの??そして再び「ちょうだい」の手話。とりあえずもう一本スプーンを渡してみる。またもや素早く食器棚へ。早く次のをちょうだい!と急かすように手話もスピードアップ。もうスプーンは全て片付いたので、カムのお椀を渡してみたら、これまた素早く食器棚へ。そうか!これは「お手伝い」これはビックリ!カムが自主的にお手伝いを始めました!これは面白くなってきたよ。次はちょっと難しいかも?カムが普段使わない食器です。どこに片付けるか分かるかな?すると、食器棚をあちこち見わたし、同じ食器を見つけて重ねました。お見事〜〜〜!大きさは違うけど同じ柄のものは重ね、大きさも柄も違うけど、似たような形のものは同じところへ。Upload By shioriちゃんとマッチングできているじゃないか!素晴らしい!!マグカップまで重ねるもんだから、ちょっとグラグラ危なっかしいけど、ここまでできたことに、とにかく感動。すごいすごい!!すると今度はカムが私の手を取りました。そのままソファへ連れていき、私を座らせたのです。Upload By shioriそばに夫もいたのですが、ソファに誘導されたのは私だけ。もしかして、私を休ませようとしている?肺炎で寝込んだ6月実は私、その少し前に肺炎になりまして、今までになく長いこと寝込んでいました。何より困ったのがカムの世話。実家の母や、義母が何日も泊まり込みで助けてくれて、なんとか生活を回してきました。だいぶ調子が良くなってきた状態でも、またぶり返すのが怖くて家事は控え目に。そしてこの日、すっかり元気になったので久しぶりにガッツリ家事をやったのでした。カムもカムなりに私の体調不良を心配してくれていたのでしょうか。私を休ませたカムは再び台所へ。仕上げ作業にかかりました。Upload By shioriまずは、開いている扉を閉めます。お次は自分の使うお椀。重ね方にこだわりがあるようで、何度も確認しながら丁寧に重ねていました。鍋つかみは、特に置き場は決まっていなくて、いつも二つに折りたたんで適当に棚にポンと置いているだけなのですが、それもちゃんと分かっているようです。そして流しの周りの水滴を綺麗に綺麗に拭き取る…。そんなカムの姿を見て、普段の私の何気無い行動もしっかり見ているんだなと驚きました。非日常から得たものカムはゴミ捨てが大好きで、丸まったティッシュがあるとゴミ箱に捨ててくれます。好きなこと、得意なことからお手伝いしてもらおうと思っていたので今まではゴミ捨てがカムの仕事でした。今回のようなお手伝いを、しかも自分からやってくれたことに驚かされました。ちゃんと同じものを探して重ねるというマッチングができているし、普段私がやっていることをしっかり覚えて、同じようにやってくれたり。これは大きな発見でした。そして何よりも、肺炎で寝込んだ私を気遣うようように、食器をしまうという初のお手伝いに挑戦してくれたことが嬉しくて嬉しくて。Upload By shiori今すぐカムに飛びついてハグしたい気持ちを抑え、お手伝いが終わるのを待ちました。満足げな顔で台所から出てきたカムを「助かったよ!ありがとう!」と何度もハグ。今日は本当にスペシャルな日だ。肺炎は辛かったけど、あの、非日常がカムを動かしたのかもしれない。世話されるだけのカムじゃないよ!ママの手助けできるんだよ!と言われたような気がしました。
2018年07月24日VRで自閉スペクトラム症のある人の視覚を体験「ASD知覚体験ワークショップ」が開催発達障害のひとつである、自閉スペクトラム症(ASD)。これまで、「コミュニケーションや対人関係の障害」などとその特徴が説明されることの多かった障害ですが、その背景に、自閉スペクトラム症のある人に特有の「世の中のとらえ方・感じ方」が影響しているかもしれないということは、今まであまり語られてきませんでした。そうした、自閉スペクトラム症のある当事者の立場からコミュニケーションの困難さを解き明かし、より良い相互理解・発達障害支援につなげていこうとする学際融合研究プロジェクトがあります。「CREST認知ミラーリング」プロジェクトと呼ばれるその研究プロジェクトでは、”コミュニケーション”というアウトプットの部分での困難さのみに注目するのではなく、自閉スペクトラム症のある人の”世の中のとらえ方・感じ方”というインプットの部分での特性について着目した研究を行い、当事者の知覚を疑似体験できる技術を開発しました。そして、自閉スペクトラム症のある人たちが世の中をどのように見ているかをVR映像を通して疑似体験する「ASD知覚体験ワークショップ」を開催しています。この記事では、そのワークショップの様子をご紹介します。Upload By 発達ナビ編集部認知ミラーリング自閉スペクトラム症の人たちが見ている世界を知ることの目的とは?Upload By 発達ナビ編集部「ASD知覚体験ワークショップ」では、VR機器を用いて、自閉スペクトラム症(ASD)のある人たちの「視覚」を体験したり、専門家による講義、当事者の体験談映像上映、参加者による座談会など、さまざまなプログラムを通して、自閉スペクトラム症当事者の見ている世界を知り、理解することができます。自閉スペクトラム症がある人たちの中には、知覚過敏や知覚鈍麻といった「感じ方」の特異性がある人が多いと言われています。それが、自閉スペクトラム症のある人たちに特徴的な行動や、コミュニケーションの難しさの原因の一つになっていると考えられています。ワークショップでは、疑似体験を通して、特有の見え方となるメカニズムやASD当事者が生活の場面で実際に感じる困難さを理解し、参加者同士で感想や気づいたことを共有します。当事者や家族だけでなく、支援者をはじめ多くの人たちが、感じ方の特性のために起こる生きにくさや暮らしにくさを理解することで、何が必要なのか・できるのかを考えられるようになるのではないか?と考え、実施されています。どんな研究がされているの?専門家が解説Upload By 発達ナビ編集部ワークショップでは、認知ミラーリングシステムを用いたシミュレータ開発を行う情報通信研究機構の長井志江先生から、自閉スペクトラム症のある人たちはどのように世界をみているのか?脳のメカニズムや、感じ方の特性について科学的な知見に基づいた研究結果について解説講義が行われました。Upload By 発達ナビ編集部また、実際にどのように世界が見えているのか、映像を見ながら知ることができます。例えば、暗いところから明るいところに出てきたとき、普通の人よりも瞳孔が狭まるのが遅い、そのために一面真っ白な世界になってしまうという例。「ずっと家にいたい」という理由は、実は外が眩しすぎるせいかもしれません。眩しさへの対策なしに、無理やり連れだされることは、視覚過敏のある当事者にとって苦痛でしかないのです。また、たくさんの人がいる場所では、コントラストが強くなってしまい、人の顔の印影がとても濃く見えてしまう人の場合、相手の表情の変化をとらえにくくなります。相手の表情の微妙な変化から気持ちを読み取る力は、子どもの頃から経験を重ねて獲得していくものです。見え方の特性からこの経験の機会が少なくなってしまうことで、気持ちの読み取りがうまくできず、コミュニケーションに影響していることもあります。また、目に映るさまざまなものの情報がすべて入ってきてしまう人の場合、相手との会話に集中するために視線を斜めに外すことで脳に入ってくる情報を制限し、会話に集中しようとすることがあります。ですが、その様子を見て「人の目を見て話せない、自信のない人だ」と思われることで、見え方が原因であるにも関わらず”人の目を見られるような訓練が必要だ”とか”自信をつけられるような支援が必要だ”など、誤解をされてしまうこともあります。このように、具体的にさまざまな見え方・とらえ方のパターンを知ることでコミュニケーションの障害と考えられているものの多くに、特有の感じ方・とらえ方が関係していること、その特性を考慮しないで支援をしても解決はされることは少ないだろうという理解につながります。VR機器を使って、自閉スペクトラム症のある人の「見え方」を疑似体験!Upload By 発達ナビ編集部専門家による話のあと、参加者は実際にASD当事者の立場になり、VR機器を用いて、見え方を体験することができます。体験した後は、参加者みんなで、感じたことをシェアします。どんな風に感じたか、どうしたらいいのかなど、さまざまな意見をグループワークで出し合います。Upload By 発達ナビ編集部「自分はよく視線をそらして話を聞くことがあるが、それは直接見ると入ってくる情報量が多いからであって、話を聞いていないということではない」「(当事者が見ている世界は)コントラストが強く、顔が黒くなるので表情が分かりにくいことが分かり驚き。人の顔をあまり見ない理由の一つなのか」「ASDのある人とそうでない人との、根本にある身体的な違いを理解することで、定型発達の人に合わせるのではなく、その違いをサポートするものや配慮の必要性を感じた」など、疑似体験を通して、相手の目を見て会話をすることが難しい背景に「見え方・とらえ方」の特性があることが分かれば、どのようなコミュニケーションをとるとよいのか考えるきっかけになる、という声が挙げられました。脳に入ってくる情報の取捨選択が難しいことで、見え方にノイズが起きてしまう。それならば、掲示物や雑音などの刺激を減らした、静かで落ち着いた屋内で支援をすることで、学びやすくなったり生活しやすくなるということが、疑似体験を通してよりリアルに理解できます。また、支援者からは「他の子どもに説明するときのヒントになった」「どのような環境で支援すればいいのかが分かった」という意見もありました。参加者から寄せられた「障害のある人が、社会の一員として活躍できるよう配慮や理解のあるインクルーシブな世の中にしたい」という言葉にもあるように、感覚の特性を理解することで、どのような支援やコミュニケーションをとればよいかを考え、さまざまな人たちが生きやすく活躍できる世の中にしていくきっかけとして、このワークショップを活用していく必要を、参加者の多くが感じたようです。「CREST認知ミラーリング」プロジェクトのこれからUpload By 発達ナビ編集部「CREST認知ミラーリング」のプロジェクトは、今後数年かけて、さまざまな研究を進めていくそうです。視覚過敏についてのアプリ開発などをはじめ、大学など大きな研究機関でしかできないことを、当事者や家族、学校や企業などに届けていこうとしています。ワークショップは今後も開催予定。最新のスケジュールは下記のページからご確認ください。※クリックすると、「CREST認知ミラーリング」のページに遷移します。
2018年07月24日親子で悩んだ、同じ学校の子からの「報告」出典 : わが家の発達障害の息子は、小学校でそれほど大きな問題を起こすタイプではありません。むしろ、問題を起こさないように尋常ではない気の遣い方をするため、たまに疲れて動けなくなってしまうことがあります。そんな律儀な息子ですが、ADHDの特性があるため、どうしても注意欠陥や衝動性が原因で、集団行動から外れてしまうことがあります。気になるものがあると、ボーっとしてしまって、先生の指示を聞き逃してしまう…。あるいは、過去には掃除のやり方が分からず、掃除中にずっと教室をフラフラしていたこともありました。どれも少しのサポートで解決できるため、大した問題にはなっていないものの、周りの子どもたちの目にとまってしまうのでしょう。私が学校に行くと、「ねー、〇〇くんさー、課外活動のときに話を聞かないでボーっとしてたよー」「〇〇くんのお母さーん、〇〇くんが整列するときにぐにゃぐにゃしてジッとしてないんだよー」などと、子どもたちのちょっとした「報告大会」が始まるのです。スルーだ…スルーするんだ…私は心の中で必死に唱えていますが、それでもイライラしてきます。言いに来た子どもに対してではなく、息子に対してイライラしてきます。「なんでそんな、どうでもいいことができないんだよ…」報告に来た子どもたちには、「ごめんねー」「温かく見守ってやってねー」と大人な返答をしながら、お腹のなかでイライラ爆弾の導火線が燃えはじめます。無条件に息子を信じることは想像以上に難しい…出典 : 息子が帰宅するのと同時に、イライラ爆弾が爆発。私は息子を問い詰めてしまいます。先日も、冷静さを失った私は、息子の帰宅時に鬼のような顔で出迎えていました。普段は「ただいま!」「おかえりー!」とニコニコしながら出迎えているからこそ、私の変化に息子は凍りつきます。「僕、なんかやっちゃった…?」「お母さん、なんで今日は笑ってお帰りって言ってくれないの?」私は息子の話も聞かず、「今日、こんなことやったんだって?〇〇くんに聞いたよ!」「どうしてなの!」「いい加減にしてよ!」と声を荒げてしまうのです。息子のことを信じて育てていこう、いつもそう思って頑張ってきたのに…。それは想像以上に難しく、私は息子に対してひどくイライラしてしまったのです。時間が経ち、冷静になれば思います。「どれも大した話ではなかった…」「まず本人に真偽を確認すれば良かった」「なぜもっと息子を信じてあげられなかったのだろう」私はいつも、息子が「困った行動をする」のは何かそうしてしまう原因があるはずだから、ということを肝に据えて、なるべく頭ごなしに叱らないようにしてきました。どうしてそんなことをしてしまったのか、まずは本人の話を聞いて考える、考えたうえで環境調整ができないか考えるようにしてきたものです。けれども、同じ学校の子どもから息子の行動を報告されると、私はどうしても冷静になれません。私が息子を叱ることが義務づけられているような強迫観念を持ってしまうのです。なぜこんなに余裕がなくなってしまうのか…。「息子が何かやらかしてしまうのではないか」という恐怖で、いっぱいいっぱいなのだと思います。思い出した母の言葉出典 : 学校に行くたびに、息子のことを報告されることに疲れてしまった私。けれども、それ以上に傷ついているのは息子です。息子は私が鬼のような顔で帰宅を迎えた日の翌日、学校を休んでしまいました。お休みの連絡のため学校に電話したところ、息子には全く非がなかったことが分かったのです。息子は、いくら説明しようとしても、私が聞く耳を持たなかったことがショックで寝込んでしまったのでした。「もうどうしたらいいんだろう…。何か報告をさえれるたびに私が過剰反応を起こしていたら、息子はもっと傷つくよな…」一人で抱え込んで悩んでいたとき、私は自分の幼少期に母が言ってくれた言葉を思い出しました。私もADHDがあったため、小学校では「報告係」のような子の標的になっていました。帰りの学級会では、こんなことしてました、あんなことしてました、といろんな同級生に報告されていました。当然、私の母に報告する子どももいました。わざわざ自宅まで電話をかけてくるのです。けれども、それに対して、母は「ごめんねー」と言いながら、私を叱ったり責めたりすることはありませんでした。そのとき、母が言った言葉が忘れられません。「私、大人に報告して叱ってもらおうって考え方があまり好きじゃなくてね。他の子が言ったことだけを真に受けて、自分の子どもを叱りたくないしね」今思えば、母は精一杯私を守ってくれていたのです。自分の子どもを信じるということは大変なこと。特に、発達障害の子どもを持つと、親もいろいろと自信を失いがちです。けれども、まずは自分の子どものことを信じるんだよ、というあのときの母の言葉を思い出し、少し勇気をもらえた気がしました。そして、息子を信じていられるように、もう少し強くいたいと、母の顔を思い出しながら思ったのです。
2018年07月23日自閉スペクトラム症の人が見ている世界を研究自閉スペクトラム症のある人が見ている世界を、工学技術とのタッグで解析し、支援に役立てていく「CREST認知ミラーリング」プロジェクト。VRを使って、自閉スペクトラム症の特徴の一つである、視覚過敏症状を疑似体験できる、「ASD知覚体験シミュレータ」や、それを活用したワークショップなど、さまざまな研究を行っています。参考:CREST認知ミラーリングUpload By K2U関川香織この研究プロジェクトでは、4つの拠点が連携しています。発達障害の当事者視点の提案を東京大学の熊谷晋一郎先生から、多様な認知過程についての神経回路の計算モデルの提案を国立精神・神経医療研究センターの山下祐一先生から。そして、認知ミラーリングシステムを用いたシミュレータ開発を情報通信研究機構の長井志江先生が、実際の社会実装として障害者支援の立場からLITALICOが。さまざまな立場から、自閉スペクトラム症のある人たちの世界を研究し、伝え、社会の中にある障害をなくそうというプロジェクトです。では、自閉スペクトラム症のある人が見ている世界を体験できるシミュレータとは、どういう役割を果たす技術なのでしょうか。長井志江先生とLITALICO発達ナビの鈴木悠平編集長との対談で、紐解いていきましょう。自閉スペクトラム症の世界を体験するシステムを開発するきっかけは、ロボット開発にあったUpload By K2U関川香織LITALICO発達ナビ編集長・鈴木(以下、鈴木) 長井先生、今日はよろしくお願いします。CRESTプロジェクトで研究をご一緒していますが、今回は、CRESTが始まる以前のことからお話を聞かせてください。そもそも、長井先生が自閉スペクトラム症に関わるシステムの開発をしようと思ったきっかけは何だったのでしょうか。長井志江先生(以下、長井) ロボットの開発をしていたときに、人工知能を賢く発達させていくために、人間の脳から学ぶことが多くありました。入力したことから引き出す結果である出力が、うまくいくときといかないときがあり、エラーが出てしまうのはどういうケースなのかを探る中で、自閉スペクトラム症についても研究することになったのです。そこで、東京大学で自閉スペクトラム症のある方々と「当事者研究」を実施している熊谷晋一郎先生ともつながることになりました。鈴木 なるほど、より賢いロボットをつくるために人間を理解する過程で、定型発達ではない人の脳についても研究することになったんですね。コミュニケーションについて研究するときに、行動の面ではなく、知覚に注目した理由はなぜでしたか?長井 以前から、自閉スペクトラム症は「コミュニケーションの障害である」という説明は聞いたことがありました。ですが、実は当事者は、「出力」としてのコミュニケーションの方法・行動に問題がある以前に、情報が脳に入ってくる「入力」の時点で、定型発達の人とは違う感じ方をしているのです。この視点をもって、CRESTプロジェクトを展開しています。コミュニケーション障害の問題点が、情報を受け取る知覚の違いにある、と気づいたのは、自閉スペクトラム症当事者である綾屋紗月さんとの出会いが大きく影響していました。ヒントとなったのは、綾屋さんの著書にあった写真です。ある景色を普通に撮ったものと、綾屋さん自身にはこう見えるという、コントラストを非常に強くしたものが比較されていました。このコントラストを強くしたものが自閉スペクトラム症の人が見ている世界なら、工学技術で再現ができると思いました。この「自分が何をどう見ているのかを客観的・理論的に分析したい」というニーズに、工学技術がマッチしたと言えます。人間は、自分が何をどう見ているかを自分では気にしていない、隣の人も同じだと思っているUpload By K2U関川香織鈴木 綾屋さんに出会う前から、今回の「ASD知覚体験シミュレータ」開発の基盤となる、技術自体はあったということなんですね。長井 そうですね。ロボット開発をするときは、「入力」と「出力」をセットで開発していきますから。でも、ロボットではない私たち人間は、ふだん自分が何をどう感じているかという「入力」について気にすることは、あまりないんですね。鈴木 たしかに、人から「何がどう見えているの?」と聞かれることはないし、聞かれても客観的に答えることは難しいかもしれませんね。そこに気づいてから、シミュレータのアルゴリズムが完成するまでにはどんな研究があったのでしょうか?長井 知覚の中でも、工学技術的に取り組みやすかった視覚から研究が始まったわけですが、この自閉スペクトラム症のある人の見え方には、個人差が非常に大きくあります。さらに、ノイズなどの特別な見え方は、いつでも見えるわけではなく、ある一定の条件下で起こるということも分かってきました。そこで、データをとって背後にあるメカニズムを探ることになりました。どういう刺激が入るとどう見えるのか、という自分でもよく分からないことを、たくさんのデータを積み重ねることで、分析できるのでは、と。鈴木 なるほど。長井 ここに、自閉スペクトラム症当事者22名(平均年齢38歳)を対象にした認知心理実験の結果があります。29種類の動画を見てもらい、どのように見えることがあるか、というフィルタを6種類用意して、見え方が近いものを自閉スペクトラム症当事者に答えてもらう、という実験をしました。動画は、それぞれのシーンごとに、輝度(まぶしさ)、エッジ量、動き、音の強度などについて調整されているので、自閉スペクトラム症の人たちが選んだ見え方と合わせて分析すると、どういうシーンでどう見えるかが分かる、ということになります。その結果を解析したところ、3つの共通したパターンが分かってきました。Upload By K2U関川香織長井 広いスキー場の映像を見てもらった結果、「画面が白く飛んで見える」と答えた人が非常に多くいました。これは、瞳孔の調節機能にも関係している現象です。定型発達の場合でも、暗い室内から急に明るい屋外に出たときに「まぶしい」と感じますね。自閉スペクトラム症のある人は、「まぶしい」と感じたときに起こる瞳孔の収縮率が低く、ゆっくりなので、「まぶしい」状況がもっと長く・強く続くことから、この現象が起こるようです。Upload By K2U関川香織長井 ホームに入ってくる電車の映像です。電車の車体の緑色のラインが、ときどき白黒に見える、色が消えるという現象を訴えた人が多くいました。色覚異常がないにもかかわらず、です。定型発達でも自閉スペクトラム症でも、視野の中心部分では色や形がはっきりと見え、周辺に行くほど色も形もはっきりしないことが分かっています。また、動くものをとらえるのは基本的に周辺視野です。動く電車の色が消えるという現象は、自閉スペクトラム症の人たちは、周辺視野でものを見やすいという傾向と関係があると考えられます。Upload By K2U関川香織長井 スクランブル交差点で信号が変わり、たくさんの人が渡るときの映像では、砂嵐のようなノイズが見えるということがある、という結果が得られました。これは個人差が大きく、出る場合の条件もさまざまでした。ただ、動きや音強度の変化が大きいときに砂嵐状のノイズは起きやすく、変化が小さい場所ではノイズが起こりにくい、ということが共通していました。この現象は、片頭痛がある人にも見られる現象で、脳の特異的な活動に関係があるらしいということまで分かっています。こうしたノイズは幻覚ではなく、脳の働きによって現れるものなのです。情報のインプットのされ方への理解が、コミュニケーションの足掛かりになるUpload By K2U関川香織鈴木 アウトプットの問題だと言われていたことが、実は刺激=インプットの情報によるものだと分かったわけですね。自閉スペクトラム症のある人は、相手の表情を「見ない、見ようとしない」と言われてきたけれど、「見ない」のではなく、刺激への過敏性があることによって、相手の表情がよく見えない、という場合も少なくないのでは、と思います。このシミュレータを使って、経験することによって、「こう見えているのか」と分かることがたくさんありますね。本人が感じているしんどさの部分への想像を働かせやすくなりそうです。長井 自閉スペクトラム症のある子どもの保護者や、当事者もですが、「なんでそういう行動をするのか」という理由が分かるようになった、ということが大きいですね。「バーチャルだとしても、本人の困難さを体験できる」ことが重要です。鈴木 これまでのワークショップを通じて、いろいろな声を聞かれたと思います。当事者以外の方からの声で、印象深いエピソードがあれば、教えてもらえますか?長井 あるお母さんが、ワークショップ中に「子どもがいつもやっていることをやっていいですか?」と、天井を見ながら、手をひらひらと振って見せてくださったことがあります。「こうやりながら、子どもがいつも『キラキラして楽しいね』と言うんです。天井には何もないのに、と思っていたんですが、シミュレータをつけたら、たしかにキラキラしたものが見えました。楽しいといえば楽しい。これまでは『キラキラなんてないよ』と言っていたけど、あるんだ、ということが分かりました」と。このようにして、行動にまつわる「なんで?」の論理的な背景を、シミュレータの体験によって、理解することができると思っています。親も支援者も、当事者も、「なんで?」「どうして?」の理由が1個ずつ分かって、スッとするのだと思います。「安心しました、肩の荷が下りました」とおっしゃる方もいます。鈴木 なるほど。長井 現象そのものは「ある」だけで、それ自体にはいいも悪いもありません。キラキラが見える子は、困ってはいない場合もあるので、「そんなの見えないでしょ、落ち着いて」とか言わなくてもいい、ということになるんです。支援を考えるときのステップがスムーズになるというか。鈴木 支援以前に、まず知ること・理解することができるギアとして、シミュレータが役に立ってくれそうですね。長井 自閉スペクトラム症の人には視覚の過敏性がある、と漠然とは言われていたものが、もっとはっきり分かるようになります。どういうときにどう見えるか、が客観的に分かることによって、周りも本人も、自分の状況を整理できると思うんです。自閉スペクトラム症の人に参加していただいた実験やワークショップのときには、見え方のパターンを教えるだけで、生活上のアドバイスはしていませんが、後日、「実験に参加してからからサングラスをかけたり、こまかく調光できるLEDの照明に変えたりしました」と話してくれた当事者の方もいました。自分の見え方・感じ方に対して理解を深めることで、自分で解を探り当てたんですね。鈴木 すばらしいですね。自分の体験を客観的に見るという体験を通じて、ホワイトアウトやノイズが当たり前だった人が、そうならないための工夫を理解する、ということですね。長井 自分の中で起こっていることは、外在化されないと、自分でも納得できないでしょう。現象をデータ化することで、自分でも認めて、周りにも認めてもらうことになるんです。鈴木 キラキラして見える、と言うと周りからは「疲れてるだけでは?」と言われたりするけど、一定のロジックで説明されると、言う方も言われた方も両方納得する。説得力のあるシステムですよね。長井 こういうことを、周りが聞いてあげるといいんですよね、どう見えるの?って。そうすると、当事者としては、共有できた!と思える体験になるんです。「そんなのは気のせい」と片づけられるのではなく、コミュニケーションのきっかけになるんですよ。鈴木 この体験を足場にしてコミュニケーションが始まるんですね。見え方の個人差による違いはあるけど、代表的にはこういうものがある、と分かれば、それを足場にしていくことができる。より解像度の高い理解ができると思います。これからの課題は、学術的な知見を社会実装につなげることUpload By K2U関川香織鈴木 今後の展望を教えてください。家庭や支援者だけでなく、企業や教育現場へと広げていくことで、どんな課題がありますか?長井 これまでは、「ASD知覚体験ワークショップ」の対象は、保護者や支援者など、自閉スペクトラム症当事者への理解がある人たちでした。これからは企業や教育現場へ広げて、自閉スペクトラム症とかかわりが今までなかった人にも体験してもらいたいと思っています。鈴木 そうですね。今後は、もっと広く社会に向けて、このシミュレータやワークショップを広げていきたいですね。実際に企業や学校の現場に導入する際、このシミュレーションシステムは、どういう役割を担っていくことになるでしょうか。長井 ものの見え方の「翻訳機」なんだと思います。たとえば言語の違う人たちの間で、同じ思いがあったときに、言葉の通訳や翻訳があれば、相互理解する一歩となりますよね。それと同じように、「こう見えている」ということを翻訳するのが、このシミュレータの役割だと思っています。相互理解に、科学的根拠を加えるのが技術の力です。今、CRESTのシミュレータの研究は、学術的なところにとどまっているけれど、これを社会に役立てていこうとするときに、熊谷先生やLITALICOさんの力が、より必要となるはずなんです。大学の研究と当事者の間をつなげる役割を、LITALICOさんにぜひ担っていただきたいと思っています。鈴木 対話や試行錯誤が、ここから始まっていくんだと思います。これからのワークショップも、一緒につくっていきましょう。どうぞよろしくお願いします。撮影:鈴木江実子
2018年07月21日大人気漫画「透明なゆりかご」がドラマ化!原作は発達障害当事者としても知られる沖田×華さんUpload By 発達ナビニュース2018年7月20日にドラマ「透明なゆりかご」がスタートします。累計325万部超の沖田×華さんの大人気コミックのドラマ化で、主演は清原果耶さん。町の小さな産婦人科を舞台に命を見つめていく物語です。原作者の沖田×華さんは発達障害当事者でもあり、ご自身の体験を綴ったエッセイ漫画の作者としても知られています。沖田さん自身が学生時代に産婦人科でアルバイトをした経験を生かし、時に明るく、時に切ないそれぞれの命の物語がみずみずしく描かれます。「不器用でコミュニケーションが苦手」という自身の特性とともに生き、仕事に向き合おうとする主人公アオイの成長と、娘との距離を感じながらも見守る母史香の親子の関わりにも注目です。 ドラマ10「透明なゆりかご」小さな産婦人科を舞台に、命との出会いと別れを描くUpload By 発達ナビニュースドラマでは、幸せな出産ばかりでなく、中絶や死産といった産婦人科での命との別れも描かれます。重いテーマですが、原作漫画のふんわりと優しいタッチを失わないように心がけたという製作陣、これが連続ドラマ初主演となる清原果耶さんらキャストの演技と繊細なストーリー…。見た人それぞれの心に深い印象を与えつつ、一筋の光が感じられるドラマです。■7月20日放映の第1話のあらすじ看護師見習いとして「由比産婦人科」へやって来たアオイ(清原果耶)がいきなり中絶手術の現場を目撃します。衝撃を受けながらもはじめて出産にも立ち会い、産まれて来る赤ちゃんの生命力に心を揺さ振られたアオイ。院長の由比(瀬戸康史)、看護師の紗也子(水川あさみ)・榊(原田美枝子)らが妊婦ひとりひとりに向き合う中、田中さん(安藤玉恵)という女性が訪れる。彼女はいわゆる未受診妊婦で、出産直後に失踪してしまう…。番組の詳細はこちら【番組名】ドラマ10「透明なゆりかご」(NHK総合)【放送日時】2018年7月20日から毎週金曜(連続10回)22:00〜※再放送 NHK総合 毎週水曜 午前1:30〜(火曜深夜)【出演】 清原果耶瀬戸康史酒井若菜マイコ葉山奨之野村麻純淵上泰史水川あさみ原田美枝子【脚本】安達奈緒子【音楽】清水靖晃【主題歌】 Chara「せつないもの」
2018年07月20日これって普通じゃないの?社会人になってから気づいた兄弟仲の良さ出典 : 先日、突然弟から連絡がありました。弟は昔から自分が好きなことに周りを巻き込んで楽しむタイプで、今回も急に何かを思いついて私に連絡してきたようでした。よくよく話を聞いてみると、近いうちに兄の誕生日があるので、それに合わせてプレゼントを贈りたい!ということでした。兄は流行りものにはまったく興味がなく自分が好きなことに黙々と取り組むタイプだったので、プレゼントの選定はかなり迷いました。いろいろと話し合った結果、私も弟もワインが好きだったので「兄にもワインを好きになってもらおう!」ということになりました。そして私はワイングラスとソムリエナイフを、弟はワインをそれぞれ購入してプレゼントしました。兄は突然送られてきたプレゼントに驚いたようですが、後日「おいしく飲んだよ」という連絡をくれました。そんなことを会社の同僚に話してみたところ「きみの兄弟はずいぶん仲がいいんだねぇ。私なんてもうずいぶんプレゼントなんて贈っていないし、たまに帰省したときに顔をあわせてもお互い好きなように過ごしているよ」と言われました。それほど特別なことをやっていたつもりはなかったのでかなり驚きました。これまで特段に仲が良いと思ったことがなかったのですが、今のような私たちの関係ができたのは「人と比較されないで育った」ことがポイントだったのではないかと思い始めてきました。「周りの子と比べてこの子は…」と言われなかった環境出典 : 私の実家は新興の住宅街だったので、近所には同年代の子どもがたくさん住んでいました。運動が得意な子や勉強が得意な子などいろいろな子がいましたが、両親は「その子たちと比べてうちの子は…」ということはまったく言いませんでした。例えば、私が小学生で不登校になったころ、両親はきっと「どうしてうちの子だけ学校にいけないんだろう」と何回も思っんじゃないかなあと今も想像します。ですが、実際にそういうことを言われたことは一度もなかったのです。また、「兄弟がちゃんと登校してるのになんでお前はできないんだ!」と兄弟を引き合いに出すこともありませんでした。ところが何回か「兄弟全員がそろって登校するところを見てみたいなぁ…」と言われたことはありました。それを受けて、数日だけ登校した記憶があります。その日の夜は両親とも、とてもうれしそうでした。もちろん学校に行くことは当時の私にはとても強いプレッシャーでした。でも、人と比べられている訳ではなかったので、行ってみようという気になったのかもしれません。耳が痛い忠告をしてくれた両親出典 : 高専に入ったとき、私はとにかく自分が好きなプログラミングだけに夢中になっていました。将来のために何か資格を取ろうなんていう気もさらさらありませんでした。一方で、兄は高校に通う間に10以上の資格を取っていました。ここでも両親は「お前は資格とらないんだ?お兄ちゃんはいっぱいとってるよ!」という話はまったくしてきません。その代わり、成人してから数十の資格を取った父から「大人になってから資格を取るのはとても難しいから、今のうちに取っておいたほうがいいよ」と言われました。苦労した経験がある父からそう言われたことで、私は少し危機感を持ちました。おかげで、すぐに資格勉強にも取り組むようなったのです。その結果、卒業するまでに情報系の国家資格をいくつか取ることができました。弟が同じ高専に入ってから1年目にして留年しそうになったこともありますが、やはり両親は私と比べたりはしませんでした。とは言え、留年しそうな状況を簡単に認めるのではなく「留年した分まで学費を払うのはうちの家計では難しいよ」という忠告をしていました。(この顛末は以前コラムにも書かせていただきました)両親の私たちへの接し方は、誰かと比較することで「負けず嫌い」な気持ちを刺激したり、やる気を出させようというのとはちょっと違います。自分たちがかつての経験から得た教訓のようなものや、私たちが置かれている状況がどうなのかを教えてくれていました。そして3人の息子に同じように接してくれていたのは、私たちの兄弟関係にも良い影響があったのではないかなと考えています。ケンカをしない兄弟関係をつくった『鉄の掟』出典 : 兄弟は、それぞれゲームと漫画が大好きでした。好きなものが同じだと取り合いになったりコントローラ争いになったりと、ケンカになりそうなイメージがあるかもしれませんが、私たち兄弟の間ではほとんどケンカになりませんでした。ゲーム時間に関しては兄弟間で「前日長く遊んだ人は1日我慢すること」という鉄の掟がありました。これは兄弟の間で自然に生まれたルールで、「昨日も今日もゲームしてたら不公平だよね!」という考えでいつの間にかできあがっていました。兄弟の中では私が一番せっかちで短気だったので、よくルールを破ってゲームを占有しようとしていたのですが(笑)兄弟のどちらかから「昨日ずっとやってたじゃん!」と言われるので、渋々譲っていました。当時の私はこの掟に従わないと他の兄弟も従わなくなって、その都度ケンカになったりしたら結局自分のゲーム時間が減ってしまうという思いがありました。長い目で見たら今は譲った方がいい、と判断していたのです。「我慢する」だけじゃない選択肢を自分で持ち、家でできないときには、友達の家に遊びに行って延々ゲームをするか家で攻略本を延々と読んで過ごしていました。弟もよく同じようにしていたと思います。順番待ちの間は攻略本を読むのがそれぞれ定番だったので、誰かがつまずいたら他の2人に相談したり、手本を見せてもらったり協力することもできていました。ケンカのもとになりそうなゲームですが、鉄の掟のおかげでコミュニケーションツールになっていたのかなと思います。互いに競わない関係の蓄積が、大人になっても仲が良い秘訣に出典 : 私が大人になって発達障害の診断を受けたときも、兄弟それぞれ自分もそうかもしれないと関心を持ったらしく各々でいろいろと調べているようでした。診断がついた後も、家族の関係は子どものころからそれほど変わっていません。それに今でも、誰の給料が高いとか誰のほうがいい家に住んでるとか比較するような話はまったくしません。というか兄弟全員そんなことに興味がないのだと思います。もしかしたら特殊な例なのかもしれませんし、私たち兄弟の気質によるものもあるとは思いますが、お互いに競争しない関係が築けたから、いまも仲が良いのかなと思っています。
2018年07月19日その言葉…可愛すぎ!「あーさんのマイワールド」にママはメロメロ広汎性発達障害の娘は、小学2年生。言葉が出るようになってきた幼稚園のころから、「そう受け取ったの!?」「そんな考え方!?」というような、娘ならではの発言が炸裂していました。私たち家族は、その世界を『あーさんのマイワールド』と呼んでいます。Upload By SAKURA私たちは娘の、ユーモアと愛がいっぱいな世界が大好きです。例えば、雨上がり…Upload By SAKURA特に虹を見て言う言葉は、私たち家族の中では、幼稚園のころからおなじみの発言でした。小学生になった娘、「虹ってなんで出るんだろう」…?親子二人で買い物へ出かけたある日のことです。虹を見つけた娘。おっ、例の名言、出るかな出るかな?Upload By SAKURA嬉しいような、寂しいような…ちょっとショックな親心Upload By SAKURA内心、いつものお決まりの言葉を期待していた私。予想もしていなかった娘の言葉に、驚きました。と、同時に、「もう2年生だもんね。たくさんの経験から、また変わった見方ができるようになったんだ…」ちょっぴり大人になった、娘を感じました。ところが、私が感傷に浸っていると…しばらく考えた娘…やっぱり出ました「あーさん語録」!Upload By SAKURAが…結局、「あーさんのマイワールド」は健在でした(笑)揺れる親心。変化を喜びつつ、今の娘の姿もしっかり残しておこう♡長く娘ならではの発言と世界観につかっていた私たちは、オリジナルな表現方法を、個性として受け止められるようになりました。その一方で、娘がだんだん一般的な考え方や言葉遣いをするようになってきて、物足りないと感じるようになってしまったのかもしれません。独特の目線で物を見て、周りが想像していなかったようなみずみずしい表現は、大きくなるにつれて、きっと落ち着いていってしまうのかな…。普段、娘の言葉の発達を促すため、発育を追いつかせるため、あーでもないこーでもないと療育している私ですが、「成長が嬉しい!」と感じる反面、親としては「寂しい!」と思ってしまいます。きっと、娘はこれからどんどん成長し、変わっていくでしょう。この時期の表現を、今のうちに思う存分楽しんでおこうと思いました。Upload By SAKURA
2018年07月18日「なんか、今、生きてるってカンジがする」長男、衝撃の言葉。出典 : こんにちは。『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て法』著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。小学校時代、学校があんまり好きではなかった長男。小1の時に発達障害の診断を受けた彼なので、私は「うちの子は、そういう個性なんだから、まあ、しょうがない」と思っていました。ところが、自分に合った私立中学で毎日楽しく学校に通う姿が見られるようになり、私はそこに「障害」をほとんど感じなくなりました。そんな中、ある日彼がふと言った衝撃の言葉…!「かあちゃん、おれ…なんか、今、生きてるってカンジがする」…え!?一体どういうコト!?私は今、長男がどんなに頑張っても小学校を好きになれなかった原因は、本当に「発達障害だから」だったのか、疑問を抱いています。確かに、一斉授業や集団教育を受ける上で、長男の生まれながらの体質的に「ものすごく苦手なこと」が、クラスの皆や先生、長男自身の足を引っ張っていたこともあるでしょう。でも、彼は卒業間近のころ、「小学校の全てがイヤだったワケじゃない。いい人もいたし、いいこともあった」と言えるようになりました。ではなぜ、長男は今まで「生きてるってカンジ」がしなかったのでしょう。実は、私たちが信じていた学校の「当たり前」は、もしかしたら、もう違うのかもしれません。長男は中学で、まるで開国まもない日本から初めて異国に渡った使節団のような衝撃を経験しました。もちろん、長男の中学独自の校風や設備、教育カリキュラムや生徒層の違いといったものもあります。でも…彼が心底感動しているのは、もっともっと「人として」本当に基本的なことなのです。私はそれを「私立だからできること。公立なら仕方ない」とは到底思えません。だって、長男が目を輝かせて語る「中学のスゴイこと」は、やろうと思えばどの学校でも、今すぐできることばかりだからです。では、その「衝撃体験」をご紹介します。出典 : 「かあちゃん、スゴイよ。体操座りじゃなくていいんだって!」そう長男が嬉々として真っ先に報告してきたのは、全校集会などの際の「体操座り」のこと。小学校では、体育館や校庭に集まった時は、全員体操座りで、一言も喋らずに待たなくてはなりませんでした。どんなに集会が長引こうが、足を崩したら注意されてしまうので、長男には長時間じっと動かずにいることが苦行だったようです。ところが、息子が通う中学では、好きなように座っていいのだそう。隣の生徒に迷惑のかからない範囲であれば、少しばかり体操座りを崩そうが、あぐらをかこうが、ペタンコ座りしようが、痺れた足を組み替えようが自由だそうです。先生が話し始めるまでは、生徒同士の雑談もOK。しかも、全校集会自体の回数が少なく、ことあるごとに番号順で廊下に整列する機会も随分減ったのだそう。…言われてみれば、どうして今まで「全員体操座り」でなければならなかったのでしょう?確かに、静かに先生の話を聞けてさえいれば、必ずしも体操座りである必然性はありません。それとも「貧血で退場するまで、全員起立していた親世代よりマシ」と、ポジティブに捉えるべきなのでしょうか?出典 : 学校のロッカーに教科書類を保管する「置き勉」禁止に加え、教科書が大型化しているため、重いランドセルや通学カバンが子どもたちの負担になっている話題をテレビやネットで見かけました。うちの地区も小学校まで遠いほうです。小学生が重いランドセルに鍵盤ハーモニカや習字道具を両手に持ってヨロヨロ歩く姿は危なっかしいです。ましてや小さな1年生たちが真夏に汗だくで道端で座り込んでいる姿は、かわいそうで見ていられません。「学校行きたくない」と、うちの子たちは朝、時々登校をしぶります。何か不安に感じることがあったり、行事や季節の変わり目で負担の大きな時期だったり理由は一つでないにしろ、重い荷物がより一層学校への足取りを重くしているのは否めません。ところが長男の中学は、「宿題に必要なもの以外は、ロッカー保管でいい」のだそうです。教科書・副教材や辞書類、弁当・部活道具など、小学校の比ではないほど持ち物が増えましたが、合理的でほっとしました。それに、うっかり屋の長男にとっては、忘れ物の心配もかなり減りました。今までなぜ「全部」持ち帰っていたのでしょう。…これは正直、今でも毎日汗だくでランドセルを背負い登下校している次男と長女にはとても言えません。「脱ゆとり」で重くなるランドセル児童体重の半分にそれでも「置き勉」禁止のなぜ |AERA dot.出典 : 長男より私が感動したのは、学校との連絡が専用SNSでできることです。小学校では毎日、子ども3人分の大量のプリントを受け取っていました(今も、2人分ありますが…)。もちろん、テストや宿題のプリントなど、必要な紙もあるのですが、同じお知らせが3通来たり、なぞのチラシや案内も沢山貰います。取捨選択が苦手な私は、本当に必要な情報をプリントの山から発掘しなくてはなりません。さらに困るのが、長男が大事なお知らせを持ち帰り忘れて提出期限が過ぎてしまったり、必要な持ち物の用意に慌てたりすること。ところが今は、生徒・保護者・先生間の連絡のやりとりや、欠席連絡は全てネット。スマホにメールで配信通知も来ますし、先生にも生徒・親が読んだことが分かります。発掘作業も必要ないし、うっかり資源ゴミに出す心配もなく、必要な書類はいつでもネットで確認・ダウンロードできます(小学校でも折角、電話連絡網が廃止されメール配信になったのに、使われるのは基本的に緊急時か、PTA活動のお知らせのみ…です)。地球に優しい長男は「ムダな紙を減らせて、エコだね!」と言います。出典 : 小学校の下校時刻。習い事の日などに子どもたちを迎えにゆくと、毎回先生方の「○組、遅いですよ」「○班、早くして下さい」「皆さん、5分遅刻です」という声が聞こえてきます。いわゆる「連帯責任」で、日本の学校ではよくある光景でしょう。多くの子どもたちをまとめる先生方は本当に大変だとは思うのですが、私はこれが長男の友達トラブルの元凶だったようにも思えます。マイペースでうっかり屋の長男は、何かと集団行動から遅れがち・注意されがち。もちろん、彼にも努力の余地はあり、怒られるのがイヤで改善した部分もあります。でも長男は、先生に自分だけが注意されるより、長男のいる班やクラスごと注意を受けて、皆から冷ややかな目で見られたり、「おまえのせいだ」「ちゃんとやれ!」と、上級生たちに何度も注意の上書きをされることのほうが、よほど辛かったようです。また、高学年になり早めに集合できるようになると、今度は「自分はちゃんとやっているのに、なんで一緒に怒られないといけないんだ」という、できている側の理不尽さも感じるようになりました。日常的な「連帯責任」は、子どもたちの中で「この子のせいなのだから、注意すべき」という空気ができてしまいます。もちろん、危険なときや周りの迷惑になるときなど、本当に注意が必要な場合はあります。集団生活では「時間を守る」などのルールも必要でしょう。でも、些細なことまで、人と違うことをする子を皆で注意し合うのが「いいこと」だと思い込んでしまうと、結果的に、それがいじめの芽になってゆく可能性もあるのではないでしょうか。長男は中学で、登校班自体がないのがとても気楽なようです。また、先生から全く注意がないワケではありませんが、長男が何かやらかしても個人の問題なので、かえって「おれのミスは、おれのせい」と素直に受け止められているようです。他のお子さんがそばで叱られても自分まで一緒に不安になることもありません。そのせいか、クラスの様子を楽しそうに話してくれるようになりました。集団教育上どうしても注意が必要な場面も、私だってあると思います。危機管理上、登校班も必要な場合もあるでしょう。でも連帯責任だと言って「みんなで、お互いに」責め合う必要はないと思いませんか?出典 : 昨今、何かと話題になる部活動とPTA。長男の中学の部活動は「参加は任意」です。部活自体に入るかどうかも含めて、自分の意思で選択できます。そして、全国大会を目指して練習するハードな運動部から、「来たい時だけ顔出せばいい」ゆる〜い文化部まで、選択肢は様々。家庭や習い事での自分の時間も大事にしたい長男は、活動がゆるめの部に入って「部活、超楽しい♪」のだそう(ちなみに顧問の先生は部室の鍵と部費の管理以外、生徒たちに運営を任せています)。またPTA活動も、正直な話、うちには少々手のかかる子が3人もいるので、負担感が大きいように思っていました。それでも、御多分にもれず小学校では「全員必ず1回は役員をやる」ルール。ところが、中学の保護者会の「役員選出の事前アンケート」にはナント!□役員をやりたい□誰もやらなければやっても良い□引き受けられない…の3択が。「やる」1択ではないことに、ものすごく感動しました(引き受けられない理由を書く欄もありませんでした)。これで良いイメージを持てたため、保護者会の諸活動も、予定が合えばできる限りの参加をしたいと思えました。自分の意思を尊重されること、プライバシーを晒け出さなくても個人の都合を考慮されること、本来任意の活動に参加を強制されないこと…これが本当は「当たり前」なのではないでしょうか。部活の強制入部 やめるべき「自主的な活動」に全員参加の矛盾(内田良)|YAHOO!ニュースなぜPTAは「必ずやってください」と強制できるのか? ふつうなら炎上するやり方が通用するワケ(大塚玲子)|YAHOO!ニュースどんな子にも、時代にあった「合理的配慮」を…!出典 : 「今、生きてるってカンジがする」と長男が言った理由…これでお分りいただけたでしょうか。もしかしたら、小学校6年間「学校キライ」と言い続けた長男は、他のお子さんたちよりも、ほんの少し、自分の気持ちに正直だっただけなのかもしれません。発達障害のある・なしに関わらず、どんな子だって、心身共に大事にされたいのは「人として」当たり前です。そして、私の育児経験上、「こうでなければならない」「絶対にこうあるべき」という、大人の側のこだわりが多ければ多いほど、教育やしつけが難しく感じられます。こちらが柔軟におおらかに対応できれば、子どもにも素直に伝わりやすく、「問題」として気になることが減っていくように思います。中には「子どもに甘い。これだから今の親は…」と嘆く方もいるかもしれません。確かに、昔はもっと厳しかったものです。でも、もしこれが「今の」大人社会だったら…と想像してみてください。長い会議を姿勢を一切崩さずに座り続けられますか。毎日米袋を担いで通勤したいでしょうか。大量に紙のプリントを渡されたら、ため息が出ませんか。同僚とミスを責め合いながら、良い人間関係が築けますか。本来任意の飲み会やボランティア活動を強制されて、喜んで参加できますか。そんな職場で「毎日仕事が楽しい」「会社行きたい」と、前向きに思えるでしょうか…。長男は今、毎日満員電車に乗り、授業時間も宿題も増えましたが、文句ひとつ言いません。私には「あの」長男が信じられないほどガマン強くなったように思えますが、本人は「学校が楽しいから、これくらい平気」と、やる気十分です(勿論私立の中にも、より規律が厳しい学校もあるでしょう)。小学校時代、先生方はご多忙の中、何かと制限の多い環境で、できる限り一生懸命やってくださり、私は心から感謝しています。でも、そもそも、その前提となっている公教育での「当たり前」が、既に時代にそぐわなかったり、妥当性・合理性を欠くものであったり、旧時代の価値観に基づくものであったりするならば、思い切って見直す時期なのではないでしょうか。時代に合わせて「常識」「当たり前」も、変わっていくのです。新しい学習指導要領の導入で、小学校から英語・プログラミング教育が始まり、また、外国からのお子さん・保護者も増えている中、「Why?」と聞かれて合理的に説明できないことは、私はもう役目を終えているように思います。新しいことを始める前に、今ある負担を減らさなくては、子どもたちも親も先生方も疲れ切ってしまうでしょう。そして、人として基本的な「合理的配慮」が必要なのは、障害のある子だけではないと思います。いわゆる「フツーの子」たちも、心身の負担やストレスが減ることで、お互いを思いやったり、個性や考え方の違いを認め合う心の余裕ができるかもしれません。長年の教育現場の慣習として、すぐに変えるにはハードルが高いこともあるでしょう。でも、少なくとも「体操座りじゃなくてもいいですよ」って言うのに、1円だってかからないのですから。大場美鈴(著), 汐見稔幸(監修), 『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て法』ポプラ社, 2017年
2018年07月17日LITALICO発達ナビは、「児童福祉現場で働きたい人・働く人」を応援します出典 : 発達ナビでは、発達が気になる子どもの保護者の方々をサポートするサービスに加え、発達が気になる子どもをサポートする「支援者」向けのサービスを、パワーアップさせていきます!当事者・家族だけでなく、発達が気になる子どもを親とともに見守る「支援者」に対しても、正しくて役に立つ情報や、支え合えるコミュニティを提供したい。それが子どもを取り巻くもっと多くの方へのサポートにつながり、子どもの成長や育つ場がよりよいものになるのではないか。そんな思いから、児童福祉現場で働きたい人・働く人向けのサービスをはじめました。児童発達支援事業や、放課後等デイサービス、特別支援教育の現場などで日頃働いている方、また働きたいと思っている方へ向けて、情報提供や支援者どうしで繋がれる場を提供していきます。2018年4月より開始した児童発達支援事業所と放課後等デイサービスの求人情報を探すことができる「求人検索サービス」をはじめ、今後支援者向けメールマガジンサービスや各種イベントを開催予定です。支援者向けメールマガジンサービスでは、他ではなかなか得られない児童福祉業界におけるニュースや、支援に役立つコラムなど、手軽に情報収集ができるほか、お住まいの地域に合った魅力的な事業所の求人情報をお届け。これから開催予定の支援者向けイベントは、「児童福祉業界で働きたい・業界をもっと良くしていきたい・学びや交流の場がほしい…」のような、児童福祉業界に対してさまざまな思いを持っている方どうしでつながり、学びあうことができます。メールマガジンサービス、イベントの詳細について、以下で詳しくご紹介します。児童福祉業界で働きたい人・働いている人に、もっと豊かな情報を。支援者向けメールマガジンサービススタート!出典 : 児童福祉業界で働いている方、またこれから働きたいと思っている方の中には、「普段は忙しくて、自分の仕事に関連するニュースや新着情報を追えない」「就職・転職を考えているが、未経験で不安…役立つ情報や自分に合った求人を効率的に見たい!」などと考えている方も少なくないと思います。そんなみなさまへ向けて、最新の業界ニュースや、普段の支援に役立つコラム、またお住まいの地域に合わせた求人情報をまとめた「支援者向けメールマガジンサービス」の配信を開始します。業界の動向に定期的にふれ、事業所で働くうえでの参考にするもよし、LITALICO発達ナビのコラムなどから、自分の抱えているケースへのヒントを得るのもよいでしょう。また、児童福祉業界へ就職・転職をしたいと考えている方には本サービスを活用して効率的に自分に合った事業所を探すことが可能です。受信をご希望の方は、こちらの申込フォームからご登録ください。児童福祉業界ならではのやりがいや課題を共有し、学び合う支援者向けイベント情報出典 : これまでLITALICO発達ナビでは、「児童福祉業界、これからの働き方を考える」フォーラムをはじめとした支援者向けイベントを開催してきました。未経験の方、児童福祉現場で働きはじめたばかりの方、現場で長く働いているベテランの方…「この業界で働くことに興味がある」みなさまそれぞれの知りたい情報や得たい機会にあったイベントを開催していきます。「児童福祉業界で働くことに興味はあるけど、基礎的な業界知識を知ってから求人に応募したい」「子どもと関わる仕事に就きたいけど経験はない。そんな私でも本当に働けるのか不安…」児童福祉業界で働いてみようかな?と考えている方の中には、いきなり個々の事業所に応募するには不安やためらいがある、という方も多いのではないでしょうか。本イベントはそんな思いを抱えるみなさまにぴったり。児童福祉業界や子どもと関わる働き方に関心がある方々を対象に、業界の最新情報や具体的な働き方についてざっくばらんにお伝えする座談会形式のイベントです。「学童と放課後等デイサービスのちがいとは何か?」「子どもへの支援とは具体的にどのようなことを行うのか?」「子育てをしながらフルタイムでなくても働けるのか?」発達ナビ運営事務局スタッフがそんな不安や疑問を解消いたします。現在、以下の2日程で開催予定。・7月18日(水)19:00-20:30(18:45開場)・7月21日(土)13:30-15:00(13:15開場)ご参加希望の方はこちらのフォームからお申し込みください。発達ナビ『子どもの「できた」を育む働き方座談会』Facebookページこちらは「児童発達支援管理責任者」を対象にした初のイベントです。子どもへの支援だけでなく、個別支援計画の作成やスタッフの育成、事業所運営のための日々の事務的な業務など…さまざまな業務を担う児童発達支援管理責任者。中には「日々業務に悩んでいるけど、児童発達支援管理責任者は事業所内で自分1人だからなかなか相談できない…」「もっと良い支援方法を実現していくために、好事例を学びたい!」などと感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回の児童発達支援管理責任者サミットでは、LITALICOジュニアの現役児童発達支援管理責任者による取り組み事例(地域資源との連携やスタッフ育成など本来注力したかった業務に集中するために行なった事業所内外での協力体制づくり、工夫したポイントなど)を紹介。また、普段なかなか関わる機会のない他施設の児童発達支援管理責任者と情報交換することができます。発達ナビ「児童発達支援管理責任者サミット」Facebookページ今回LITALICO発達ナビは、保育と社会との接点づくりを目指す若手保育士コミュニティHohanaと共同で保育士の方を対象にした「キャリアについて知る会」を開催。「保育士=保育園で働く」というイメージがまだまだ強くはありますが、実は保育士といっても多様な活躍のフィールドがあります。一例としてLITALICO発達ナビ求人検索サービスでも、保育士を募集している事業所は数多く、障害児支援の現場でも保育士が求められています。また、「もっと子ども一人ひとりに寄り添った保育がしたい」「集団で生活するのが難しい子どもにもっと適切な支援ができるようになりたい」という思いで、保育園から障害児支援の事業所に転職したというケースも少なくありません。本イベントではフリーランス保育士やベビーシッター保育士、児童発達支援・放課後等デイサービスで働く保育士など、保育士のさまざまなキャリア事例を知ることができます。そして多様なバックグラウンドをもった保育士どうしで交流を深めることが可能です。「保育士資格は持っているが、子どもに関わる仕事はしたことがない」「子育て中なので、短時間働きたい」「園以外にもどのような働き方があるのか知りたい」「子どもと個別・少人数で関わりたい」「発達支援に関わりたい」「児童福祉業界での保育士の役割・活躍を知りたい」と感じている方にとって、多くの学びと情報が得られるイベントとなっています。発達ナビ・若手保育士コミュニティHohana「保育士のキャリアを知る会~園だけでない様々な働き方~」Facebookページまた、8月下旬には関西にて「働き方座談会」と「児童発達支援管理責任者サミット」も開催予定です。ご自身の興味に合わせて、ぜひお気軽にご参加ください。LITALICO発達ナビでは児童福祉現場で子ども一人ひとりに向き合うすべての方を応援します出典 : 今後もLITALICO発達ナビでは、日々子どもと親に寄り添う支援者の方、支援者になりたい方がより活躍できるようなサポートを行なっていきます。ご紹介したメールマガジンサービスやイベント開催はもちろんのこと、現在支援者の方向け研修サービスも企画中。子どもの発達支援に関わる人が、より充実して働けるようなサービスをこれからも発信していきます。LITALICO発達ナビ、支援者向けサービスの発展をご期待ください。
2018年07月16日息子だけ泳げない!不器用すぎて、思い通りに体を動かせない…!?Upload By かなしろにゃんこ。ADHDと軽い広汎性発達障害がある息子リュウ太。自分の体のコントロールも下手なので、水泳などフォームが決められているスポーツは、先生に説明をされても、自分の体のどこをどう動かしたら同じようなフォームになるのかが分からないのです。小学校5年生になっても、水に顔をつけることができませんでした。あるプール参観の日に他の子はスイスイとクロールをする中、一人ビート板キックをする息子。他の子はスイミングスクールに通っているためか上手に泳げているのに「リュウ太だけ泳げてなーい!」と少し恥ずかしい気持ちになってしまいました。「こりゃスイミングスクールに入れてなんとかしないと」と焦った私は、スイミングスクールに申し込みに行ったのでした。スイミングスクールに入会しようとしたけれど…Upload By かなしろにゃんこ。スイミングスクールの受付で、リュウ太には発達障害があり、普通の子よりも覚えが悪いことを伝えることにしました、そのような子どもでも他の子と同じように泳げるようになるのか、丁寧に教えてもらえるものなのか聞きたかったのですが…。発達障害があると伝えたところ、「専門のコーチがいない。今は定員いっぱいで生徒募集をしていない」と断られてしまいました。ですよねー、スクール側もいきなり来られても困ってしまうよね、とあきらめてトボトボ家に帰りました。水泳なんてムリ!逃げようとする息子の前に立ちはだかったのは…!Upload By かなしろにゃんこ。指先しか動かさない”靴ひもを結ぶ”ことすら、リュウ太にとってはとても難しい。苦手感からすぐに逃げ出そうとします。ましてや、体のいろんな部分をさまざまな形でいっぺんに動かす水泳なんて…どう教えたらできるようになるのか想像もつきません。困り果てた私が、夫に相談すると夫も歯がゆさを感じたのか、急に「よし!特訓するぞー‼」と立ち上がったのです。父親流・短期集中スパルタ特訓の成果はUpload By かなしろにゃんこ。息子にとって、世界で一番怖い存在が、この父親です。もちろん「えー!泳げなくていいから逃げ出したい」とイヤがっていました(笑)夫の教え方は、短期集中型です。自転車の乗り方も、箸の持ち方も、短期集中で厳しく教わった経験から、プールに向かう前からブルブルおびえている息子でしたが、私は泳げないし頼りの綱は夫だけ!ここはお任せすることにしました。市民プールで水に顔をつけて慣れるところからはじめて3時間もすると…父親に手とり足とり教わった息子は、息継ぎができるようになりました。オレ、泳げてる!?Upload By かなしろにゃんこ。施設の休憩以外はほとんど休まずスパルタ式の特訓を行った結果、クロールを20メートル泳げるようになったのです!覚えが悪い息子にイライラはしていた父親ですが、時には「やればできるじゃねーか」と息子を励ます姿もありました(父親なりの褒め方のようです)。「泳げるようにならなくってもいいのに」と言っていた息子も、「アレ、オレ、泳げてる!?」と嬉しそうでした。忘れっぽい息子に合っていた!Upload By かなしろにゃんこ。父親から息継ぎするときの細かいコツや手の伸ばし方、足の使い方を短時間で丁寧に教えてもらえたのが、息子にはよかったようです。息子も最初はイヤイヤでしたが、結果的には成功体験にもなって「オレは泳げる!」と自信がつきました。私も、「教え方によっては短期間で伸びるんだな~」と発見できました。小学5年生のたった一日の猛特訓で、水泳への苦手感を克服できた息子、中学生になっても水泳の授業はイヤがることもなく参加することができていました!短期集中で体に覚えこませた夫のやり方は、ちょっと強引でしたが、忘れっぽく苦手なことからなるべく逃げようとする息子には合っていたのではないかなと思っています。
2018年07月13日長引く原因不明の腰の痛みに医師が予想外の診断出典 : 昨年の秋ぐらいでしょうか。私は突然、原因不明の腰の痛みに苦しみ始めました。最初は少し気になる程度だったので我慢していたのですが、痛み出してから半年を迎えるころには、時間帯によっては七転八倒するほどの痛みになりました。整形外科に行っても、湿布と痛み止めをもらうだけだろうと思い、通院もしていませんでした。けれども、今年の5月の中ごろは、もう痛む間は言葉を発することもできないほど悪化していました。さすがに家族もこのまま見過ごすわけにはいかないと思ったようで、夫につき添われて、近所の整形外科に行ったのでした。整形外科ではレントゲンを撮って、触診などもしましたが、「特に異常はないんですよねえ」というお話。こんなに痛いのに…とガックリした私。けれども、整形外科の先生が予想外のことを言ったのです。「あなたの痛みは、筋肉や骨の異常から来ているわけではないよ。脳から来てるんですよ。脳が、痛みを抑える物質を出せなくなって、ちょっとした刺激でも激痛に感じるようになってるんです。長期に渡る心理的ストレスなんかがかかると、痛みを抑える物質が出しづらくなるんです。ストレスのかかる場面で、痛んだりするでしょう?」私はこの先生の言葉を聞いて、ハッとしました。思い返すと不思議なことに、全く痛まない時間もあったのです。何かに夢中になっているときは痛みを感じていませんでした。「ですよね。痛みで身体が緊張して血管が収縮して、それによってさらに痛みを起こす物質が脳から出てきちゃうんです。悪循環なんですよね」整形外科の先生は、湿布でも痛み止めでもなく、沢山のリラックス法を書いた冊子をくれました。さらに、「明日、当院でタッピングタッチの講習会をやりますので、良かったら来てみてくださいね」と言われたのです。「タッピングタッチ…?」私には、ある記憶がよみがえりました。発達障害や愛着障害の子どもたちに出典 : それは、発達障害の専門医の講演会に行ったときのことです。講演会で登壇した医師は、発達障害や愛着障害等でフラッシュバックや不安に苦しむ子どもたちの診察で、専用の器具を用いて、トラウマの処理を行っているといいます。しかし、一般の人は手に入れられないため、この器具の原理に似たリラックス法で、気軽に実践できる方法として「タッピングタッチ」をすすめていました。やり方は本当にシンプルで、相手の背中側から身体を左右交互にトントンとゆっくり優しく叩くだけです。あまりにシンプルだったため、そのときは半信半疑でした。けれども、発達障害の息子を育てながら、私はいつも、その身体の不自然な緊張の仕方が気になってはいました。身体が脱力気味でぐにゃぐにゃとしているのに、変なところに力が入っていて、頻繁に頭痛がしたり、身体が疲れてしまうのです。思わぬきっかけで"再会"した「タッピングタッチ」。発達障害の専門医による講演のことも思い出し、もしかしたら、このシンプルなリラックス法で、息子がうまく身体の力を抜くことができるかもしれない、と考えたのです。ついでに、自分の身体の痛みも和らぐのであれば、一石二鳥です。私は、整形外科ですすめられた講習会にも参加してみることにしたのです。される側だけでなく、する側もリラックス!家族のコミュニケーションにもUpload By 林真紀整形外科の講習会では、身体のさまざまな痛みに苦しむ人たちがいました。二人一組になり、15分ずつ、相手の背中などをトントンと叩き合いました。体験すると、痛みでガチガチだった身体が少しずつゆるんでいくような感じがしました。そして、手足がポカポカとしてくるのでした。講習会が終わったときには、リラックスしてみんな頭がボーっとしてしまい、「車の運転はしばらく休憩してからにしてくださいね~」とスタッフが声をかけるほどでした。その後、わが家でも実践してみました。息子は触覚過敏があるため、首や頭などはくすぐったく感じてしまうようですが、背中や腕などの部分は大丈夫だったので、緊張が高まったときにタッピングタッチをしてあげています。私も寝る前に、夫からやってもらうようにしたり、セルフタッピングタッチを実践したりしています。すると、とてもリラックスした状態で眠ることができるようになりました。東日本大震災のときにも、被災された方が震災のストレスで不眠になった折に、夫婦でタッピングタッチをやり始めてからよく寝ることができるようになったそうで、避難所でのリラックス方法としてメディアでも取り上げられていたようです。また、「タッピングタッチ」は家族のスキンシップにもなります。触られることがダメな子でも、相手にタッピングタッチをしてあげることはできます。「タッピングタッチ」は、されるほうだけではなく、するほうもリラックスできるからです。家族のコミュニケーションに、寝る前に15分の「タッピングタッチ」、取り入れてみると良いかもしれません。する方もされる方も、ちょっと優しい気持ちになれるのです。一般社団法人 タッピングタッチ協会
2018年07月11日読み書きが苦手な人への支援のポイントがまとまった『ディスレクシア 発達性読み書き障害 トレーニング・ブック』医学博士の平岩幹男先生が、ディスレクシアのある子どもの「読み」「書き」の困難を改善させる効果があると考える学習方法を集めたトレーニングブックです。前半は「どうして診断と対応が必要か」「フォントのさまざま」など前置きとして知っておきたいことが解説されています。そして、ひらがな、カタカナ、ローマ字を読むための練習方法を例題として段階的に紹介。後半は、ひらがなの単語の音読から文章を読み、文脈を読み取るといった練習シートもあります。例題のページに練習の進め方のポイントもきちんと記載されているので、家庭でも気軽に取り組めそうです!また、この本自体が、読むことに苦手がある子どもにも読みやすいよう、書体をはじめ文字サイズや単語の選定といった細部に配慮を施しています。最初にそれが紹介されているので、支援する人にとっても、どんな配慮が必要か、課題が何なのかをイメージして読み進められそうですね。(発行: 2018年7月5日)スモールステップで自信をつける『誤学習・未学習を防ぐ! 発達の気になる子の「できた!」が増えるトレーニング』金銭トラブルやスケジュール管理といった生活面で、発達障害のある大人の人が壁にぶつかることがあります。これは子どものころの「誤学習」(間違ったやり方で覚える)や、「未学習」(知らない、教わっていない)があることが考えられるといいます。この本では、約30年の間、療育現場に携わる橋本美恵さんと成人の当事者支援をする鹿野佐代子さんが、「誤学習」「未学習」を防ぎ、子どもたちの「できた!」を増やすトレーニングを紹介!対象は主に幼児から小学生までで、「あいさつをしない」「好きなものだけを食べてすぐに席をはなれてしまう」といった具体的な困りごとに対し、どうしたらできるようになるかを、イラストも交えて分かりやすくまとめています。紹介されている方法が「うちの子には難しい」という場合でも、工夫のポイントが解説されているので、その子に合ったトレーニングを探してみてください。(発行: 2018/5/21)子どもの発達障害とは違った問題があるーー大人の発達障害の"今"を医師が語る『大人の発達障害ってそういうことだったのか その後』5年前に発行された『大人の発達障害ってそういうことだったのか』の続編です!一般精神科医である宮岡等先生(北里大学精神科学主任教授)と児童精神科医の内山登紀夫先生(よこはま発達クリニック院長)が自閉スペクトラム症やADHDといった大人の発達障害について対談形式で意見を交わしています。「大人」と一言で言っても大学生から高齢者まで幅広く、診断や治療は複雑。子どもの発達障害については、診断や治療についてある程度、精神医学としてまとまりつつある一方で、大人になってからの診断については議論の途中だといいます。当事者だけでなく、家族や職場なども巻き込んで、不確かな情報が一人歩きしていることも。前著以降の国内外の動向や最新事情を踏まえながら、過剰診断や過小診断、支援をめぐる混乱など浮き彫りになってきた問題点にも踏み込んでいます。大人の発達障害の今の課題を知り、これからの支援を考えるためにも手に取りたい1冊です!(発行: 2018年7月1日)当事者はもちろん、企業の工夫や大学の支援まで!インタビュー満載『発達障害の人が就職したくなる会社: 発達障害者の自立・就労を支援する本2』『発達障害と仕事』に続くシリーズの新刊です!特集1「特性と困難さを理解してサポートしている働きやすい職場の条件」では、当事者が悩んでいた過去や職場で行った働きかけを率直に語っているほか、企業側などの生の声をインタビュー!障害者を雇用するための専門の部署を設けたり、発達障害のある職員のキャリア支援に力を入れていたり、勤務時間の配慮をしたりとさまざまなな取り組みをしている企業の紹介も充実しています。また、特集2の「発達障害の学生が安心して学べる優しい大学」では、発達障害のある学生にまつわる全国の統計から、学生の大学生活を支援する組織・プロジェクトの具体的な実例までを掲載。ほかにも、ハローワークが行なっている取り組み、法律から見た発達障害がある人と働くためのポイントなど、あらゆる視点でまとめられています。就職活動中の人から雇用する企業、支援する学校など多くの人にとって学びと発見がありそうです。(発行: 2018年6月30日)
2018年07月11日メイクができない!過敏さのために、化粧品の匂いも塗るのもイヤだった…出典 : 子どものころから化粧品や香水の人工的な香りが大嫌い。べったりとメイクした大人を見て「気持ち悪い」と思っていました。そんな私は周りの友達がメイクする年ごろになっても全くメイクに興味を持たず、口紅一本すら持っていない始末。だけど、就活が始まってまもなく「面接にすっぴんで行ってはいけない」ということを知ったのです。メイクをすることが礼儀だなんて、知らなかった!…まさかの社会常識に直面です。メイクの基礎すら知らなかった私は慌てました。「基礎化粧って何?」「ファンデーションって?」という初心者以下のレベルだったので、慌てて実家に帰り、母親に最低限の化粧の仕方を習い、ついでに化粧品をもらってきたのでした。今では無香料の化粧品も増えましたが、嗅覚過敏だけでなく感覚過敏もある私は皮膚の上に何かを塗りつけるという感覚がとても不快です。マスクを貼りつけられて息がしにくいような感覚になるんですよね。だから、アラフィフになった今でも必要がないとメイクはしていません。「顔色が悪く見えるな~」というときは色つきリップを使ってしのいでいます。メイクの仕方からして?マークだった私。20年以上かけて、なんとか私でもできる方法を編み出してきました。その方法とは…■化粧水、乳液のあとにフェイスパウダーをブラシでさっと塗る。化粧直しは脂取り紙で優しく押さえてフェイスパウダーを塗り直すだけ。簡単だし、圧迫感はかなりマシでした。■口紅は、化粧品売り場で「肌が弱くてメイクができないけれど、ノーメイクでも浮かない口紅はありますか?」と聞いてみる。フルメイクと超簡単メイクでは似合う口紅の色は全然違います。プロに聞くと肌色を見てアドバイスしてくれるので安心。■口紅もちょっと…という場合は色つきリップがおすすめ。気軽につけることができるので私も愛用しています。■メイクを忘れて出勤してしまった!そんな時のためにバッグに色付きリップは常に入れておくのがおすすめ。最低限口紅や色付きリップをつけているだけでもノーメイクとは全然印象が違います。■最初に上司や周りの人たちに「アレルギーがあるのでメイクができないんです」と説明する。これはけっこう納得してくれやすい一言。感覚過敏のためなのですから嘘ではないと思います。TPOに合わせた服装が分からない出典 : スカートは大嫌い、女の子らしいフワフワした服装には関心がないし流行を追いかけることは恥とすら思っていた私。みんなと同じことをするのが嫌だったのです。そもそも「人からどう見えるか」ということに関心が薄かったですし、体を締めつけられる感覚が嫌だったので、自分の好きなジーンズにTシャツやトレーナーといった楽な服装ばかりしていました。大学を卒業するまでフォーマルな服装は親任せ。私服の高校へ進学するまでは普段着も親任せだった私は服装を選ぶセンスは壊滅的。TPOに合わせた服装をすることもできませんでした。就活のときも周りの人たちが紺のリクルートスーツに身を包む中、一人持ち合わせのスーツで行って浮いていました。よく採用してくれる会社があったなと今振り返ると思うくらいです。就職するときにそんな私を心配した親に仕事向きの服を何着も買ってもらったのですが、それでも着回し方も分からず困っていました。そんな私も、今はTPOを踏まえつつ、自分が辛くならない服装のバランスを取れるようになってきました。そのポイントとは…■新しい職場では初日はスーツで様子見。同じ立場の人(正社員、アルバイト、派遣社員などによって服装も変わってくるので)がどんな服装をしているのか観察する。そして少しずつ合わせていく。■黒のキレイめなパンツorスカートに、襟つきの無地ブラウスは最強の無難アイテム。(白ブラウスは必須です)■仕事用の服を買いに行くときは、店員さんに「仕事に着ていく服を探している」と相談する。プロのアドバイスは的確ですし私は何度も助けられました。■ファッションセンスを勉強するには実際に洋服売り場に足を運ぶのが一番。いろいろな店のマネキンを見て回るだけでも参考になる。ちなみに私は、ファッションコーディネートの方法をなじみの美容師さんからすべて教わりました。相談できる同年代の友達がいなかったので…。職場での人間関係につまずきがち…どうして「みんな」は器用に立ち回れるの?出典 : 社会人になって、みんなが本音と建て前を使い分けて上手に立ち回ることを目の前にして驚きました。休憩時間には「こんな会社なんて…、あの上司は…、あの子は…」とさんざん悪口を言っていたのが嘘のように器用にそつなく立ち回る様は、私にとって驚きとともに誰を信じたらいいのか混乱させるものでした。不器用で自分の気持ちに正直な私は自分が認めた人しか尊敬できないし、気持ちがないとフリでも媚びることはできません。そして自分の感情がそのまま顔に出てしまうので(ポーカーフェイスができない)、周りの人に生意気だと思われたり、お客様を怒らせてしまったこともありました。人間関係でつまずき、仕事が続けられなかったこともある私。そんな私が勤められた職場には次のような共通点がありました。■同じ業務をする人がいない職場。自分のペースで作業を進めていくことができる。■小規模(10人以下くらい)で、私以外の女性従業員はもう一人だけ。サバサバした人で「お昼はお互い好きに過ごそう」と提案してくれた。よけいな気を遣わず仕事に集中できたので精神的にとても楽だった。■大学の秘書。研究室に秘書は一人だったので人間関係が楽な上、仕事場は教授室で独立スペースを与えられていたので人目も気にならない。先生方や事務部門とのやり取りもメールが中心だったので、視覚情報優位な自分にとって理解しやすかった。■一人派遣の短期案件。人間関係を築く必要がなく気を遣わずに済む。女子トークは苦手だったので、 最初から昼休みになると一人で出かけるようにしていました。 自然豊かな公園でお弁当を広げたり、ランチがおいしい店を開拓したり、雑貨屋さんを巡ったりと一人時間を満喫。気分転換にもなるし、いろいろ発見もあってとても楽しく過ごすことができます。今だったらSNSに投稿して楽しんだりしていたかもしれません。最初から「ランチタイムは一人で過ごしたいタイプ」だとアピールしておくのがコツ。会社の人たちも「あの人はそういう人だ」と思ってくれるので、特に何も言われることもなく快適でした。自分の特性を知り、必要な対策を。合う職場を選び取れる力を持って出典 : メイクが苦手だったり、TPOに合わせた服装ができないといった特性は、克服するというよりも、いろいろな人の知恵を借りてうまくカバーしていくのがおすすめです。今は女性の発達障害にスポットを当てた本も出ていますので、そういった本でヒントをつかんでいくのもいいと思います。SNSでの情報交換が盛んなので検索してみるといいかもしれません。なにより大切なのは職場選びです。私は42歳で診断されるまで自分が発達障害とは全く気づきませんでした。発達障害がほとんど認知されていない時代に社会人になったため、「自分はどうしてこんなに何もかもうまくいかないのだろう」と悩み続けるしかなく、自分の特性に合わせた職場を選ぶこともできませんでした。適応できないのに無理して頑張り続けては挫折しすることを繰り返すと、心がぽっきりと折れてしまう日がくるかもしれません。自分の特性を理解したうえで、快適に働けそうな職種・職場環境を選ぶことが大切だと、今はしみじみ思っています。発達障害のある女性が、幸せに働くことができますように。
2018年07月10日見て聞いて魅力がいっぱい!クラシックやミュージカル、絵画など本物の芸術に触れよう!質の高い音楽や芸術にたくさん触れさせてあげたい。でも、静かにしていなければならない環境だと、お子さんの特性によってはハードルが高いかもしれません。子どもと一緒に楽しむことがむずかしく、なかなか足を運べないという保護者の方もおられるのではないでしょうか。ですが、最近はどの子どもたちにも楽しんでもらえるように、親子連れや子どもたちを対象にしたコンサートやプログラムなども企画されるようになってきました。こういった機会に参加することで、子どもたちの興味や視野が広がるかもしれませんね。なにより間近に"本物"を体験できるので、大人も楽しめそうです!Upload By 発達ナビニュース「赤ちゃんから本物を。家族で本物体験!」と銘打って、各地でコンサートを開いているエリーゼ音楽企画によるオーボエ・フルート・ピアノの演奏を楽しむことができるコンサート。クラシックコンサートは、小さい子どもが入場できないことも少なくありません。ですが、このコンサートは、赤ちゃんはもちろん、どの子どもたちにも本物の音楽に触れる機会を提供し、日々、子育てを頑張っているお母さん、お父さんなど家族にも生演奏を楽しんでリフレッシュしてもらおうと開かれています。今回は、夏の名曲の演奏を約50分にわたり繰り広げます!プロの演奏家による爽やかな音色を家族で楽しんでみませんか?【日時】2018年7月21日(土)午前の部 10:30〜、午後の部13:30〜【会場】旧大津公会堂(滋賀県大津市大津1丁目4-1)【参加費】 1人1,500円(大人・子ども共通、膝の上に抱っこの赤ちゃんは無料)【申し込み】ホームページから申し込み完全予約制【問い合わせ】エリーゼ音楽企画TEL: 06-6123-7452※クリックするとエリーゼ企画 0歳からの親子コンサートvol.20【in滋賀】のページへ遷移しますエリーゼ音楽企画[生演奏派遣・コンサート企画]Upload By 発達ナビニュース乳製品メーカーとしておなじみの雪印メグミルクが1,800人を無料招待して開催する「夏休みファミリーミュージカル」です。東京と大阪で今年も上演され、大阪公演では、応募者の中から抽選で1,000人が招待されます!※東京公演は6/15(金)をもって応募締め切り「将来の日本を担う子どもたちのすこやかな心の成長に貢献したい」という願いから開催されるようになったコンサートは、34回目を迎えました。公演は2部構成で、前半は子どもたちが大好きな歌がいっぱいのファミリーコンサート!後半はオリジナルミュージカル『少女ひかりとおはなしの国』で、歌のお姉さん「クッキーズ」のメンバーが楽しいステージを披露します。ミュージカルは、歌や演劇、衣装、照明、舞台装置などでつくられる総合芸術です。楽しい歌や物語の世界をたっぷり味わえます。ぜひ、応募してみてください。【日時】2018年8月21日(火)、22日(水) 両日10:30開演【会場】メルパルク大阪(大阪市淀川区宮原4-2-1)【参加費】無料招待【定員】各日500人【対象】12歳以下の子ども1人以上および保護者(1組4人まで)【応募方法】ハガキに以下の(1)~(6)の必要事項をご記入(1) 代表者氏名(2) 郵便番号・住所(3) 電話番号(4) 参加希望人数(5) 4)のうち、12歳以下のお子様の人数(6) 観覧希望日〒105-0012 東京都港区芝大門1-6-5 4F「雪印メグミルク 夏休みファミリーミュージカル大阪公演係」※応募締め切り 7月23日(月)当日消印有効【問い合わせ】ファミリーミュージカル キャンペーン事務局TEL: 0120-951-236※クリックすると雪印メグミルク 2018年夏休み ファミリーミュージカル のページへ遷移します雪印メグミルクUpload By 発達ナビニュース東京都美術館では、特別展ごとに「障害のある方のための特別鑑賞会」(事前申込制)を行なっているのを知っていますか?特別展は人気があり混雑しているので、障害のある人が作品の近くでゆっくり鑑賞することは難しいことも…。そこで、特別展ごとに「障害のある方のための特別鑑賞会」を実施しているのです!今年の夏は、「没後50年藤田嗣治展」の特別鑑賞会が行われます。アート・コミュニケータ(とびラー)が受付や移動をサポートするほか、展覧会を担当した学芸員による手話通訳つき展覧会ワンポイント・トークなど、作品や作者の魅力を分かりやすく伝えるプログラムも用意されています。作品の見どころを知ることで、より展示を楽しめそうですね。【日時】2018年8月27日(月)10:00~16:00(受付終了時刻は15:00)【開催場所】東京都美術館 企画展示室 「没後50年藤田嗣治展」【費用】無料【対象】身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳などをお持ちの方各回350名とその介助者(1人まで)【申し込み】ホームページから希望の受付時間帯を選択して申し込み※締切7月16日(月)【問合せ先】東京都美術館 アート・コミュニケーション係 アクセスプログラム担当TEL: 03-3823-6921Eメール: access@tobikan.jp※クリックすると東京都美術館 障害のある方のための特別鑑賞会のページへ遷移しますUpload By 発達ナビニュース東京都美術館では、「キッズデー」という子どものためのプログラムも開催。通常休室日となっている月曜日を、子どもたちのために特別に開放し、周りを気にすることなく子どもたちのペースで作品を鑑賞することができるのです。2018年は8月20日(月)に「おべんとう展」という展覧会で開催されることが決定しました!詳しい企画はこれからのお楽しみ。追加情報が分かり次第こちらでもご紹介していきます。【日時】2018年8月20日(月) 9:30~16:00(最終入室時刻15:30)【場所】東京都美術館 ギャラリーA・B・C(「BENTO おべんとう展」)【対象】高校生以下の子どもとその保護者 ※小学3年生以下は、保護者同伴での入室をお願いします【申し込み】不要東京都美術館 おべんとう展 特設ウェブサイト キッズデー東京都美術館Upload By 発達ナビニュースポップな画風とユニークなアニメーション、そして一度耳にすれば忘れられない音楽などが特徴の井上涼さんの作品展です。井上さんは「みんなが見て楽しいものをつくる」をコンセプトに、幼児から大人まで幅広い年齢層の人々を魅了する作品を多く生み出しています。独特なセンスでつくられたアニメーションやメロディを楽しむだけでなく、子どもたちの想像力や創作意欲も高まりそうですね。今回の展示のために制作した新作も含め、映像、平面、立体、インスタレーションなど約30点が展示される予定です。【日時】2018年7月6日(金)〜2018年9月2日(日)※月曜日休園(祝日の場合は翌日休園、8月13日(月)は臨時開園) 9:00〜17:00(入園は16:30まで、7月20日(金)〜8月31(金)の土日祝は19:00まで 入園は18:30まで)【会場】鹿児島県霧島アートの森アートホール【観覧料】一般: 800(600)円、高大生: 600(400)円、小中生: 400(300)円※( )内は前売りまたは20人以上の団体料金【問い合わせ先】TEL: 0995-74-5945霧島アートの森井上涼展 夏休み!オバケびじゅチュ館夏に満喫したい自然は海や山だけじゃない?少人数のツアーで一味違った自然体験を!海や山でのキャンプに水遊びなど、アウトドアのレジャーも盛り上がる季節ですね。でも、この時期に楽しめる自然はほかにもまだまだありそうです。人混みに出かけるのが心配だったり、ちょっと苦手といった子どもたちでも、通常の営業時間外に行われるツアーや少人数で実施しているところがあれば気軽に参加できるかもしれませんね。Upload By 発達ナビニュース北海道の天然指定記念物「当麻鍾乳洞」で今年から始まった洞窟ツアーの夏季限定ツアーです!通常の入洞時間終了後に行われ、約1時間かけてヘッドライトとランタンだけで中を散策します。2人から10人までで催行されるツアーなので、ほかの人に気を遣ってしまったりすることもあまりなく、家族でゆっくりと参加できそうですね。ガイドさんが案内してくれるので、ただ歩くだけでは分からないさまざまな鍾乳洞の魅力を発見できます。また、鍾乳洞の中は、ひんやり冷たい空気に包まれていて真夏の体験にぴったり!夕方からの探検というのもワクワクドキドキしますね。探検家になったつもりで、大自然の神秘を感じませんか?【日時】2018年7月21日(土)〜2018年8月19日※2018年8月5日を除く16:50集合【会場】当麻鐘乳洞(北海道上川郡当麻町開明4区)【参加費】大人2,000円、子ども1,000円(入洞料・ガイド料・保険料含む)【定員】 各日最少催行人数2人(定員10人)【対象】小学3年生以上【申し込み】ホームページから申し込み事前予約制(前日18:00時まで・当日応相談)【問い合わせ】旭川まるうんトラベルTEL: 0166-22-3398※クリックするとアサヒカワ モトクラシー洞窟ナイトツアーのページへ遷移しますアサヒカワ モトクラシー人気の動物園が休園日などに障害のある子やその家族のために特別開放!動物園は、家族連れに人気のお出かけ先の一つ!ですが、人混みが不安でなかなか連れて行けない…という人もいるのではないでしょうか?特定の日に障害のあるお子さんと家族を動物園に招待し、楽しいひとときを過ごしてもらおうと「ドリームナイト・アット・ザ・ズー」というイベントがあるんです!1996年にオランダのロッテルダム動物園で始まった国際的な運動で、日本国内でも動物園や水族館で賛同する施設で随時、実施されています。ここでは夏休みシーズンに開催されるところをご紹介します!Upload By 発達ナビニュース日本で初めてできた動物園である上野動物園では、今年も「ドリームデイ・アット・ザ・ズー」と銘打ち、休園日の2018年8月27日(月)に開催!全園自由に見学可能で、人気のジャイアントパンダも見られます!話題の「シャンシャン」にも会えるかもしれませんね。小動物や両生爬虫類とのふれあい、東京動物園ボランティアーズによるガイド、また「でこぼこスタンプラリー」など、さまざまな催しが企画されています。さらに、この日は、視覚障害者も参加できるイベントや聴覚障害者向けの手話対応などもあるそうです。動物たちとのふれあいやスタンプラリーにぜひ参加しましょう!【日時】2018年8月27日(月) 10:30〜15:30(入園は13:00まで)【会場】上野動物園(東京都台東区上野公園9-83)【参加費】無料【対象】「身体障害者手帳」「療育手帳(愛の手帳)」「精神障害者保健福祉手帳」「小児慢性疾患受給者証」をお持ちのお子さまとそのご家族及び介助者※申請中の方を含む【問い合わせ】上野動物園 教育普及係TEL: 03-3828-5171FAX: 03-3821-2494東京ズーネット 「ドリームデイ・アット・ザ・ズー」Upload By 発達ナビニュース千葉市動物公園の「ドリームナイト・アット・ザ・ズー」は、2018年8月22日(水)に開催されます!同園といえば、二本足で立つレッサーパンダとして一大ブームとなった「風太」が暮らしています。今年は、風太の15歳を記念したイベントもあり一層盛り上がりを見せています。もちろん、ゾウやライオン、キリンをはじめさまざまな人気の動物たちを間近で見ることができます。小動物とのふれあいや動物の卵や羽の展示など子どもたちの好奇心を高めてくれそうな催しが満載です。可愛さも迫力も満点な動物たちに会いに行きませんか?【日時】2018年8月22日(水)14:00~17:00(入園は16:00まで)【会場】千葉市動物公園(千葉市若葉区源町 280番地)【参加費】入園料、駐車料金ともに無料【対象】次のいずれかに該当する18歳までの方とその家族(保護者同伴)①身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方②千葉県内の特別支援学校に通学している方③千葉県内の特別支援学級に通学していて、①と同程度の障害をお持ちの方【応募方法】千葉市の電子申請システムまたは往復はがきによる申し込み【問い合わせ】千葉市動物公園「ドリームナイト・アット・ザ・ズー2018」実行委員会TEL: 043‐252‐7566※クリックすると千葉市の電子申請システムのページへ遷移します千葉市動物公園 ドリームナイト・アット・ザ・ズー2018人気のサッカーからオリンピック競技のセーリング体験も!体を動かすことが好きな人、観るのが好きな人などスポーツの楽しみ方は人それぞれありますね。2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控え、いろいろな競技の体験会も各地で開催されています。興味があっても継続して練習に通うことが難しかったりして、スポーツを始めるのに躊躇することもあるかもしれません。でも、体験会なら気軽に参加できます。道具や環境が整った中でじっくり指導をしてもらえたり、珍しい競技を知ることもできますよ。Upload By 発達ナビニュース今年はサッカーワールドカップが開催され、サッカーが盛り上がっていますね。そんな中、障害のある子どもたちにもサッカーを楽しんでもらおうというイベントが8月に開かれます!スポーツを通じて「元気に楽しく、そして思いっきり動き回る」経験を大切にしたプログラムで、サッカーJ1の「浦和レッズ」を運営する浦和レッドダイヤモンズのハートフルクラブコーチングスタッフが指導してくれます!今回は、障害のある小学生から中学生が対象。サッカーはもちろん、スポーツそのものの魅力を味わえるイベントになっています。暑い夏こそ、体を動かして気持ちのいい汗を流しましょう!【日時】2018年8月4日(土)10:00〜12:00【会場】埼玉県障害者交流センター ソフトボール場(さいたま市浦和区大原3丁目9 大原3丁目10−1)【対象】障害のある小・中学生(立位保持が可能な方)【参加費】無料【定員】30人(保護者同伴可)※申し込み多数の場合は抽選【申し込み】申込書に必要事項を記入の上、同センターに持参、もしくはFAX、Eメールで申し込み※2018年7月21日(土)必着【問い合わせ】埼玉県障害者交流センター スポーツ指導担当 「子どもスポーツハートフルサッカー」係TEL: 048-834-2248FAX: 048-834-3333※クリックすると埼玉県障害者交流センターのページへ遷移します埼玉県障害者交流センター子どもスポーツハートフルサッカー参加者募集Upload By 発達ナビニュースセーリングという競技がオリンピックにあることをご存知ですか?通常は種目によって1、2人で操作を行う競技ですが、実は東京オリンピックに向けて、木造の大型帆走クルーザー「やまゆり」に小さな子どもから参加できる乗船イベントがあるんです!元々は「ヨット」という競技名でしたが、2000年のシドニー大会から現在の呼称に変わりました。帆のついた船で風の揚力を動力として、水上を滑走する速さ・技術を競う競技です。イベントの会場は東京オリンピックのセーリング会場である江ノ島ヨットハーバーというのもワクワクします!1日のうち1時間ごとにコースがあり、各時間帯に最大20人が参加可能です。10月まで実施日が設けられています。海の上で風を感じながら2年後の東京オリンピック・パラリンピックに向けて競技の魅力を模擬体験してみませんか?【日時】2018年7月8日、22日、29日、8月11日、12日、19日、9月8日、9日、30日、10月14日、21日、28日①10:00〜11:00②11:00〜12:00③13:30〜14:30④14:30〜15:30⑤15:30〜16:30※サンセットクルーズ開催時は⑤の出航はなし【会場】江ノ島ヨットハーバー内 指定停泊場(神奈川県藤沢市江の島1丁目12-2)【対象】未就学児も可【参加費】大人1,500円、小人(小学生以上中学生未満)500円、未就学児無料※小人のライフジャケットをお持ちの方はご持参ください【定員】20人(操船者を除く)【申し込み】ホームページのカレンダーから希望日時を選択【問い合わせ】やまゆり倶楽部TEL: 0466-90-3824FAX: 0466-90-3825Eメール: info@yamayuri-club.jpやまゆり倶楽部東京2020参画プログラムやっぱり外せない夏祭り!食べ物の屋台や遊べる出店、やぐらを囲んでの盆踊りなどは夏の風物詩ですね。地域の夜店がならぶ夏祭りもいいですが、イベントとして障害のある人と市民が広く交流できるようにと企画された夏祭りもあります。誰でも気軽に訪れ、楽しめるような催しが用意されているので、家族でおでかけしてみませんか。Upload By 発達ナビニュースこの夏まつりは、「障害者が主人公になった夏まつりをつくろう」という一言をきっかけに、誰もが気軽に参加できるまつりとして始まったそうです。そして今回で41回目の開催を迎えます!今年のテーマは「スマイル41あなたとわたしの夏まつり」。地元中学校の吹奏楽部による演奏から、ダンスや合唱、よさこいといった多彩なステージが組まれているほか、屋台も出店されます。障害の有無に関係なく交流する夏の風物詩として地域に定着したお祭りです。【日時】2018年7月21日(土)17:00~21:00【会場】和歌山城西の丸広場(和歌山県和歌山市一番丁)【参加費】無料(抽選券つき参加協力券を1枚300円で販売)【対象】障害の有無を問わず誰でも【内容】コンサート、ダンス、ちんどん、ゲーム大会~ラムネ一気飲み大会~、合唱、よさこい、盆踊り、大抽選会、平和のパネルづくり、夜店出店(18店舗予定)※ 雨天の場合、内容を変更【問い合わせ】第41回障害者・市民の夏まつり実行委員会 事務局TEL: 073-423-2267史跡 和歌山城第41回障害者市民の夏まつりUpload By 発達ナビニュース恒例となっている京都市障害者スポーツセンターの夏祭り。ゲームコーナーやちびっこ広場、手づくりおもちゃコーナーなど、子どもが楽しめる催しが盛りだくさん!模擬店を巡りながらステージパフォーマンスを見たり、パスワードラリーに参加したりと、障害の有無や年齢などにかかわらず家族全員で楽しめそうですね。【日時】2018年8月5日(日)11:00〜16:00【会場】京都市障害者スポーツセンター(京都市左京区高野玉岡町5)【参加費】無料【対象】障害の有無を問わず誰でも【内容】ステージ、模擬店(飲食店販売・製品販売)、ゲームコーナー、ちびっこ広場(フリースペース)、展示(書道教室、お花の体験会作品など)、手づくりおもちゃコーナー、パスワードラリー【問い合わせ】京都市障害者スポーツセンターTEL: 075-702-3370京都市障害者スポーツセンター 夏祭り苦手があったって、それ以上に楽しめるものがあればいい!多彩なワークショップ苦手なことを伸ばすのは誰だって大変ですね。うまくいかない経験が積み重なることで、自信をなくしてしまうこともあります。発達凸凹のある子どもたちを支援する団体などでは、好きを伸ばしたり、苦手なことを忘れて思い切り楽しめる催しを企画しているところもあります。あらかじめ、発達障害に理解のある人たちが準備をしてくれているので、より気軽に参加しやすいかもしれませんね。Upload By 発達ナビニュース読み書きに困難のあるディスレクシアの子どもたちの支援や普及活動を展開している認定NPO法人エッジが主催するワークショップです!音楽や身体運動、自然、空間など多彩なテーマで開催されます。好きなことを思いっきり楽しんだり、初めてのことに挑戦して「好き」を見つけるきっかけにできるといいですね。いずれも読み書きに困難がある子どもたち向けのワークショップになります。内容によって対象の学年が違うので、チェックして応募してみてください。1.ジャンベに親しもう絵本でジャンベを知ろう + 実際にジャンベを叩いて親しもう(言語/音楽)【日時】2018年7月30日 9:30~12:00【場所】会員制多目的サロンレタス(東京都千代田区神田美土代町11-2第一東英ビルB1F)【内容】音楽を通して、コミュニケーションやクリエーティビティを促します【講師】濱崎祐一、一期JAM他【参加費】2,000円【対象】小学校1~4年生【定員】15人2.アナログゲーム ― テーブルロールプレイングゲーム(対人)【日時】2018年7月30日 13:30~16:30【場所】三田いきいきプラザ(東京都港区芝4丁目1−17)【内容】カードゲームやボードゲームを用いてコミュニケーション能力を伸ばす「アナログゲーム療育」を体験【講師】加藤浩平他【参加費】2,000円【対象】中学生【定員】15人3.こんなトコでも自然体験~"OBAKEうちわ"造り(自然)【日時】2018年7月31日 13:30~16:30【場所】神明いきいきプラザ(東京都港区浜松町1丁目6−7)【内容】東京タワーのふもとで画題(妖怪などのモチーフ)探し、大昔の絵の具や意外な画材で団扇を造ります。※外を歩くので飲み物を持参してください【講師】村松洋一他【参加費】2,000円【対象】小中学生(ご家族参加可)【定員】15人4.体を使って数を理解する(論理数学)【日時】2018年8月1日 10:30~12:00【場所】三田いきいきプラザ(東京都港区芝4丁目1−17)【内容】体を使って数を学ぶなど、楽しみながら算数に親しみます【講師】トモエそろばん【参加費】2,000円【対象】小学生【定員】15人5.ドイツ生まれのボール遊びレッスン(身体運動)【日時】2018年8月2日 10:00~12:00【場所】ヒューマンぷらざ(東京都港区芝1丁目8−23)【内容】基礎運動能力・社会性・思考性・自発性を身につけられる教育研究を背景に持ったボール遊びに挑戦します【講師】バルシューレ【参加費】2,000円【対象】小学生【定員】15人6.クリエーティブセッション(空間)【日時】2018年8月3日 9:00~12:00【場所】国立オリンピック記念青少年総合センター センター棟305(東京都渋谷区代々木神園町3-1)【内容】自分の好きな場所を見つけ、そこで何をしたいかを具体的に問う。様々な画材を使って画用紙に作品として仕上げていきます【講師】藤堂高直他【参加費】2,000円【対象】小学校5・6年、中学生【定員】15人【応募方法】ホームページから申し込み【問い合わせ】認定NPO法人エッジFAX: 03-6435-2209Eメール: edgewebinfo@npo-edge.jp※クリックするとGoogleフォームのページへ遷移します認定NPO法人エッジまとめ気になるイベントはありましたか?障害のある子を対象としたものもあれば、障害の有無に関わらず、誰でも参加できるものもありました。発達障害のある子どもの場合、イベントの内容だけでなく、会場までの交通手段、アクセスなども下調べして準備をしたいですね。また、特性によって、いつもと違う環境になるので、お気に入りのおもちゃなど子どもが安心できるグッズもあるといいかもしれません。前もってパニックや癇癪などに対して、対応策を練ることで、親御さんの不安やストレスも軽減できるのではないでしょうか。発達ナビのコラムもぜひ参考にしてくださいね。夏休みに合わせて、各地でいろいろな企画があるので、ぜひ身近な場所で開かれる催しもチェックしてみて、家族で特別な夏の思い出をつくりましょう!
2018年07月08日不登校の息子にも来た新年度。学校からの連絡は気が重く…出典 : 小学2年生の秋に不登校宣言した発達障害のある息子は、学校に顔を出すことさえなく3年生になった。以前コラムに書いたとおり、私はそれを受け入れており、自宅学習に勤しむ息子と共に毎日を過ごしている。エネルギー出力が安定せず、「毎日少しずつコツコツ」と勉強することはできていない。しかし、教科書やそれに準じた学習ドリルのみならず、ゲーム機を使って漢字の読み書きを学べるソフトをお小遣いで購入したり、インターネット上の学習サイトを自分で見つけて利用するなど、彼なりに意欲を持って学ぶ姿勢が見られる。新年度からは担任の先生が変わった。教科書や教材の受け取り等の際にお目にかかって、ご挨拶は早々に済ませている。悪い印象はなく、むしろ好感を持っていたが、私は警戒を解ききれなかった。なぜなら、前年度までに繰り返された学校との面談では、散々な目にあってきたからだ。「学校に行かない」という息子の決断を尊重し、「苦手を克服するために復学を」と勧められても揺るがない――そう決意はしていても、平行線にしかならない会話というのは、存外に疲れるものだ。だから、新年度はできるだけ面談は避けたいと持っていたが、そう思うように事が運ぶはずもない。「校長と教頭も新年度から新しくなりましたので、ご挨拶も兼ねてお話の場を設けたいのですが」と、担任の先生から電話をいただいた。(またあんなやり取りを繰り返さなくちゃいけないのか…)断りきれずに承諾した私は、終話後にがっくりとうなだれた。いかに場をやり過ごすかが課題だった面談。しかし校長先生から意外な言葉が出典 : 面談の場に居合わせたのは、校長先生と教頭先生、担任の先生と私の4人。去年まで同席していた支援コーディネーターさんは不在だったので、少しホッとした。とはいえ、油断はできない。挨拶のあと、「お母さんからしたら、また改めて最初からご説明しなければならないので、面倒だとは思いますが…」そうおっしゃって校長先生がファイルから取り出したのは、息子が受けたWISC(知能検査)の結果、主治医の先生が書いてくださった診断書と支援情報書、それぞれのコピーだった。正直、面食らった。前年度まではWISCのWの字も話に出てこず、ほぼ根性論で、早期の復学をと促されるばかりだったから。「何のための診断書なの?」という疑問がなかったわけではない。しかし、息子は私にとっての第1子であり、ただ1人の子ども。前例、比較対象がほかにないものだから、学校で行われる面談は「そんなもの」なのだと思い込んでいた。一気に毒気を抜かれた私に、先生方はコピーを眺めながら質問を投げかけてくる。それに対し、私が答える。私の返答に頷きながら、先生方はメモをする。そしてまた次の質問。この繰り返し。言葉こそ交わされているが、何とも言えぬ静かな空気が流れていた。一通りの質疑応答が終わり、息子の特性や現在の状況があらかた伝わった。「では、現時点で息子さんに、復学の意思はないということですね」校長先生の言葉に、私は不意に拳を固くし、無言で頷いた。「それでは、自宅学習を進めていくうえで、こちらがサポートできることはありませんか?例えば、息子さんが解いたドリルをこちらが拝見して、採点やアドバイスを書いてお返ししたり…」私は再び面食らった。復学させろと言われないどころか、自宅学習を応援してもらえるとは…。それまでの半年強、私にとって面談とは、こちらの言い分など取り入れてもらえないと諦め、先方の言葉を受け流し、いかにして場をやり過ごすかが課題の、不毛かつ、多大なストレスを受ける場だった。それが今年はどうだろう、こんなにも手厚い。「大人だって、自分に合う環境や向いている仕事はそれぞれ違います。それは子どもだって一緒でしょう。既存の学校の仕組みでは、自分らしさを出せない子だっていますよ」校長先生がそうおっしゃると、教頭先生も担任の先生も頷いておられた。なんとありがたい話だろう。先生方からいくつかの学習計画案を提示していただき、私はそれらについて息子と一緒に検討、いずれかを採用することにした。そして先生方に何度も何度も頭を下げてから、学校を後にした。気のおけないはずの友達にさえ、つい気を遣ってしまう私たちの「前提」Upload By 鈴木希望話は変わるが、ゴールデンウィーク初日、隣県から友人母子が新潟まで遊びに来てくれた。全員診断済みの発達障害当事者。なんとなくではあるが、相互の特性を把握しており、変に気を遣わずに済む間柄である。4人でとある施設へと遊びに出かけたところ、ある庭園近くを通ることになった。園内には、咲き誇る初夏の花とその色合い、香りを楽しむ人たちで溢れている。そこを突き抜けて進めば、私たちが目的とする場所まで早く着く。しかし、友人の息子さん・Aくんは嗅覚過敏。多くの人が心地よく感じる程度の花の香りでも、体調に影響が出てしまう。「園の中を通らなくても済む道があるから、そっちから行こうか」何の気なしに提案した私に向かって、「ありがとう。本当にありがとう」と、Aくんはお礼を繰り返していた、目を少し潤ませながら。それを見て、私は胸が苦しくなった。Aくんとその親御さんである友人は、ただごく普通に、当たり前に時間を過ごすために、今まで神経をすり減らしてきたのだろうか。ただできないことをちょっと助けて欲しいだけの場面で、どれだけ心を痛めてきたのだろうか。それから少し後に、こちらの息子が自分の興味ある話題について、夢中かつ一方的にしゃべり続ける場面があった。Aくんたちとの再会が嬉しくて、はしゃぐあまりのことだとわかってはいたものの、私は「さて、どのタイミングでほかの人の話を聞く姿勢に誘導するか」と焦っていた。すると今度はAくんが、「自分もこんなふうに、嬉しくなってたくさんしゃべって止まらなくなること、あるよ。だから(うちの息子の気持ちが)分かるよ。大丈夫」と、私たちに微笑みかけてくれた。そう、私も気を遣っていたのだ、変に気を遣わずに済むはずの相手に。そしてふと思った、友人たちも私も、無意識のうちに「理解されない」ということを前提に動いているのではないかと。「理解されないことが当たり前」と思っている私の、今後の課題と願い出典 : 当たり前と言えば当たり前だ。発達障害の特性による不便を明かして、あっさり受容されることはほとんどない。まず相手が発達障害というものを知らないケースはまだまだ多い。ここで説明して、なんとなくでも知ってもらえればかなりラッキー。「気のせいだよ」「考えすぎ」、ともすれば「わがまま」と突き放され、理解どころか、発達障害というものの認知を拒否されることだってあるのだ。そんなことを繰り返していれば、自分の心を守るために「理解されなくて当たり前」という構えになるのは致し方ない。しかし、息子や私自身に関する配慮を願い出るとき、「すみません」「ごめんなさい」を連呼している自分に気づき、「ここまで卑屈になる必要はあるのか」と、疑問が頭をもたげることもある。不登校の件だってそうだ。周囲には学校に行かないことを選んだ児童・生徒とその親御さんが何組かいるが、皆さんそれぞれにかなりご苦労されたようだ。中には「もう理解を求める気力なんてない。辛いけど、問題児扱いに甘んじている」という親御さんもいらっしゃる。無論、「理解・配慮されて当然」などと思っているわけじゃない。前述した、息子の自宅学習について学校側が配慮してくださった件についても、実にありがたいご対応だと感じている。じゃあ、何が疑問なのか。地域自治体や学校、個人によって受けられる配慮に格差があることだ。身近に発達障害や不登校の当事者がいない人はもちろん、支援者と呼ばれる立場の人であっても違いすぎる。原因は、情報量だろう。発達障害ブームと言われて久しいが、かつての私もそうであったように、まず「発達障害を知る」という機会に触れられる人がひと握り。こと、私の住んでいるような地方では、理解や認知以前の問題に留まっているように見受けられるのだ。その差をどう埋めていくかを考えるのは、全当事者・関係者の課題だろう。声を上げる・上げない、影響力の大小にかかわらず、だ。…なんて偉そうに書いている私も、妙案を持ち合わせているわけでもない。ただ、「理解されないことが当たり前」という悲しい前提が、まずは「現状、理解してもらえたらありがたいけど、本来は保証されるべき権利」に変わり、次に「正当な権利だけど、伝わらなければ説明が必要」へ、最終的には構えることなく配慮を願い出られる社会になってほしいと、おそらく皆さんと同じように願っている。過度にへりくだったり、卑屈になる必要ないだろうと、わが身を振り返って思う。ただ毎日を「自分らしく生きたい」と望んでいるだけなのだから。
2018年07月06日2018年5月開所!プレ幼稚園のような児童発達支援事業所「ふじニコニコキッズ」Upload By 発達ナビ施設インタビュー子どもたちが思い思いに園庭をかけ回る。園児たちの楽しそうな声が園庭に響き渡る。そんな元気いっぱいの子どもたちが通う「ふじ保育園」は埼玉県川越市にあります。2018年5月10日、その園内に児童発達支援「ふじニコニコキッズ」がオープンしました。「保育」を中核に置いた児童発達支援事業所で、代表は全日本幼児教育連盟の会長を務めている、畠山國彦さんです。ふじニコニコキッズの特色は、誰もが気軽に親しめる音楽を取り入れた療育で、楽しみながら、体のちからやソーシャルスキルを身につけることができること。ふじニコニコキッズでは、「やらさせるのではなく”やりたい”気持ちがあってこそ、子どもの力を伸ばすことができる」と考えています。2018年6月現在、4人の子どもたちが利用しています。指導員1名に対して園児1~2人の支援体制で、細かいサポートが可能です。預かり時間は9時半から14時まで。小集団での療育を行います。1食370円でアレルギーに対応した手作り給食も食べられます。ふじ保育園は、1990年に家庭保育室として保育業務を始めました。その後1992年10月にふじ保育センター・ふじ幼児学園が開かれ、現在は約150名の子どもたちが通っています。体育・音楽を通してたくましく心豊かに育てる音体教育が特徴です。保護者の就労の有無にかかわらず保育を提供したいと、開園以来ずっと認可外保育を貫いていると言います。子どもたちの笑顔がキラキラ。ふじニコニコキッズの一日の“かつどう”Upload By 発達ナビ施設インタビューふじニコニコキッズの一日は、あつまり→おんがく→さんぽ→きゅうしょく→じゆうあそび→あつまりの流れで進んでいきます。朝10時、瞑想で一日が始まります。瞑想を終えると今度は一人ずつあいさつ。「〇〇くん」「〇〇ちゃん」と先生が名前を呼ぶと、「はい!」と元気な返事が。そして、みんな一緒に「おはようございます!」。先生たちは子どもたち一人ひとりに「上手~!」と声をかけます。あいさつに続いて、今日の日にちと天気の確認をすると…次はみんな大好き『ふうせんのうた』のペープサートが始まります。色とりどりのペープサートが入った箱から「今日は何色が出るかな?」と先生。あ、黄色い風船が出た…!黄色い風船るるるーそっと風に上げたらふわっふわーふわっふわー黄色いバナナになった「ふうせん(うたってあそぼ)」(湯浅とんぼ/著、森川百合花/イラスト、アリス館/2003年刊行)子どもたちは歌に合わせて、「ふわっふわー」のところでは手をヒラヒラ揺らします。次は、子どもたちも大好きな「おんがく」の時間。ふじニコニコキッズでは、「おんがく」を通して、楽しむだけでなく、さまざまな動きができるよう自分の体をコントロールしたり、お友達と一緒に奏でたり、楽器を順番に演奏することで、人と一緒に行動する楽しさや大切さを自然と学んでいきます。■リズム遊びピアノの演奏に合わせて動き、演奏が止まると同時に止まるという動作を繰り返します。いつも歩いているスピードで歩いたり、ゾウさんの真似をしてのっそりと歩いたり、小走りしたり。どうやったら体をコントロールできるのかな?子どもたちはイキイキと体を動かしながら、自分の体を動かす術を見つけていきます。リズム遊びでは、「演奏を注意深く聴く集中力、先生の動きをまねる観察力、自分で考えて動く表現力、さらに体を動かすことによる筋肉の成長など、多くの効果が期待できる」のだそう。■タンバリンと太鼓リズム遊びの次は演奏の時間。ピアノの音に合わせてタンバリンと大太鼓を奏でます。子どもたちの大好きな大太鼓は「順番」に叩くことができます。自分の順番が来るのを待ち、”やりたい気持ちをコントロール”する。ふじニコニコキッズでこの力を養うことで、幼稚園や小学校生活にスムーズに移行できるよう考えられたプログラムです。太鼓を叩く子どもたちの笑顔がなんとも印象的。太鼓、大好きなんだね!Upload By 発達ナビ施設インタビュー「おんがく」のあとは、お散歩の時間。園の周りは小川が流れ、いろいろな植物や生き物と出合えます。しっかりと歩くこと、新しい経験をすることもまた、ふじニコニコキッズは大切にしています。お散歩から戻るとおいしい給食の時間が待っています。「おんがく」やお散歩で体をいっぱい使った後の、できたてのごはんは格別です。みんなで一緒にテーブルを囲めば、偏食がある子もおかずをパクパク。友達の力は大きいのです!午後はそれぞれの子どもの力に合わせて、字を書く練習をしたり、お昼寝したりと、自由時間を過ごします。先生たちの「できた~!」に子どもたちの笑顔がはじけるUpload By 発達ナビ施設インタビュー教室では、子どもをほめる先生たちの声がたくさん聞こえてきます。片づけることができたら「よく片づけられたね!」返事とあいさつができたら「上手~!」太鼓が叩けたら「かっこいいね~!」その子の目の前にすわって名前を呼び、両手を握ってほめます。子どもたちも大喜びで、可愛い笑顔がはじけます。とはいえ、ふじニコニコキッズの先生たちはほめるだけではありません。自分で片づけるべきところは片づける、決まった時間にその行動を取るなど、集団生活で必要な自立心を培うトレーニングもバランス良く取れ入れています。子どもたちが安心して過ごせる「構造化」を活用した教室Upload By 発達ナビ施設インタビューふじニコニコキッズにのスタッフは、「TEACCH」を学んだ保育士などの専門性の高いスタッフが中心。一人ひとりの特性や課題に合わせて丁寧な療育を行います。また、音楽大学でも教鞭をとる藤井むつ子副園長が、スタッフの音楽指導にあたっています。TEACCHはアメリカで生まれた、自閉症スペクトラム障害のある当事者の生活の質向上を目的としたプログラムです。生活の質を上げるために、当事者の家族、地域を含めた周りの環境を生涯にわたって整えていきます。ふじニコニコキッズでも、子どもたちが過ごしやすい環境となるよう、部屋づくりをはじめプログラムにTEACCHを取り入れています。ふじニコニコキッズの教室では、このTEACCHの「構造化」が活用されています。構造化にはイラストや写真を通してコミュニケーションを整える「視覚的構造化」と、活動と場所を結びつける「物理的構造化」の2つの手法があり、環境を整理することで子どもたちが理解しやすく、過ごしやすい工夫がされています。例えば、イラスト入りの絵カードや、おもちゃの写真が貼られたカード、行動を表すカードなどがあり、なるべく子どもたちの力でコミュニケーションが完結できる仕組みになっています。また、「クールダウンする場所」「荷物を置く場所」「おもちゃを片付ける場所」が決まっていて、子どもたちはそれぞれの場所で休んだり整頓したりできます。給食のときには床にブルーシートを敷くことで、子どもたちが給食の時間を意識する仕組みになっています。ふじニコニコキッズからふじ保育園への移行や併用もUpload By 発達ナビ施設インタビューふじニコニコキッズからふじ保育園に移行することも、併用することもできます。少人数での丁寧な小集団療育に慣れ、みんなで一緒に行動する、かんしゃくをコントロールできるなど、無理なく力をつけてから、保育園に移行できる体制が整っているのです。併用の場合は週3回はふじニコニコキッズに、週2回は保育園に通うなど、発達や成長に合わせて通園スタイルを自由自在に選べます。ふじ保育園は認可外保育園なので、柔軟な対応も可能なのだそう。同じ施設内に児童発達支援施設と保育園があるので、移行・併用する場合も今までと同じ場所に通い、同じ給食を食べます。環境の変化に敏感な子どもにとって、最小限のストレスで移行・併用できるのは併設の長所です。もちろん、地域の幼稚園とふじニコニコキッズを併用している子どももいます。「幼児期にふじニコニコキッズで無理なく集団保育に慣れ、年中・年長さんで地域の保育園や幼稚園に移る。そうすると、地域の子どもたちと一緒に小学校に入学できる」と、ふじニコニコキッズの溝井さんは言います。「私自身、自閉症のある息子はふじ保育園卒園です。保育園の仲間たちが、小学校に入っても息子を理解してくれ、自然にサポートしてくれました。成人した今も、地域で生き生きと活動しています」音楽は誰もが楽しめて心が一つになるツール。だからこそ療育に取り入れるUpload By 発達ナビ施設インタビュー障害のある子どもが音楽に触れることにはどんなメリットがあるのか、ふじニコニコキッズの溝井さんに伺いました。――障害がある子にとっての音楽教育やリトミックには、どんな良さがあると思いますか。溝井さん「音楽って、人種も性別も年齢も関係ないじゃないですか。人類が太古の昔から、嬉しいことがあれば踊ったり歌ったりして心を一つにしてきたように。今日見ていても分かる通り、子どもたちは理屈なしに音楽を楽しめるんです。楽器が出てきた途端に、触りたい、鳴らしてみたいって」子どもたちは音楽を通して、楽しみながら身体的・精神的なスキルを身につけることができます。みんなが気軽に触れられる音楽で生きていくのに大切な力を培えることは、障害がある子にとって大きな希望に。また、溝井さんはこれからの福祉についてこう話します。溝井さん「これからの福祉って、押し付けられるものではなくなって、選んでいかなきゃいけない選択型になっていくと思うんです。「自己決定」という言葉があるように、「わたしはこれが好きです」って言えるものがないと、支援してもらいにくい時代になるんじゃないかな、と。自閉症のある息子は、ふじ保育園時代に出合った太鼓を今も楽しんでいます。太鼓を通して地域交流活動に参加し、地域に根づいて生きています。そんな息子の姿を見て、音楽のように理解し合えるツールが一つでもあればいいなって思ったんですよね」幼いころに出合った太鼓のおかげで、生活にメリハリがつき、公演に出たり、太鼓の腕を人からほめてもらうことで自己肯定感も向上しているそうです。溝井さん「”音を楽しむ”という点で、技術は関係ありません。その場をみんなで共有して楽しむって、障害のあるないにかかわらず、すごく大切なことだと思うんです。それはこの先、生きがいや居場所につながっていくと思うから」ふじニコニコキッズとふじ保育園では、さまざまな本物の楽器に触れることができます。世界的にも有名なサヌカイトや300個以上保有するという和太鼓、マリンバなど…。サヌカイトとは、珍しい自然石を使ってつくられた石琴で、上品な音を出す貴重な楽器です。子どもたちは、併設するカルチャースクールに通うこともできます。集団レッスンで行うヒップホップ、モダンバレエ、マリンバアンサンブルから、個人レッスンで行うピアノ、マリンバまでとラインナップも豊富。教えてくれるのは専門の講師たち。保護者が一緒に参加できるレッスンもあります。14時にお迎えに来たら、そのままピアノレッスンを受けに行くこともできます。保護者への支援にも力を入れるUpload By 発達ナビ施設インタビューふじニコニコキッズでは保護者支援にも力を入れています。ふじニコニコキッズには専門の療育日報があり、保護者が毎日子どもの様子を書いて提出します。複写式になっているため、1枚はニコニコキッズ、もう1枚は保護者が保管できるようになっています。ニコニコキッズは一人ひとりの状態を把握でき、保護者は日報を日記代わりに保管できる、どちらにも実用的な日報です。保護者様への日課報告欄には、音楽教育に力を入れているニコニコキッズらしく、メロディオンや美しい姿勢づくり(発声法、うたなど)など音楽で使われる用語がたくさん載っています。日報を保管しておくことで、幼稚園・保育園へ移ったり、小学校入学の際に連携する資料としても役立ちます。保護者面談はいつでも受け付けていて、困ったことがあったときは何でも相談可能です。教室の様子は、面談室にあるモニターで確認できるので、普段の子どもの様子を確認しながら面談できるようになっています。ふじ保育園との出合いで救われた溝井さん。ふじニコニコキッズで実現したいこととは?Upload By 発達ナビ施設インタビュー溝井さんの息子さんには重度の自閉症があります。お子さんとの向き合い方に悩み、うつを患っていたときに救ってくれたのが、ふじ保育園でした。ふじ保育園は、うつ病で就労ができない状態であっても、認可外なので受け入れが可能でした。また、「世の中は、障害のある人もない人も混じっている状態が普通」という園長の考えから、障害のありなしで受け入れの判断をしませんでした。息子さんは保育園で、のびのびと過ごし、その後地域の小学校に進学後も、保育園時代の仲間に支えられて成長していったそうです。成人した息子さんは現在、さをり織職人としてアトリエを構え、作品を紡いでいます。溝井さんはうつから脱した後、「チューリップ元気の会」を立ち上げ、発達障害や学習困難がある子どもの保護者が交流できる場所をつくる活動に取り組んできました。そして昨年、ふじ保育園の会長・畠山國彦さんと再会します。畠山会長はふじ保育園の創設者であり、息子さん在園中に園長をつとめていました。以前から障害のある子の療育に関心を持っていた畠山さんに施設開設を提案し、ふじニコニコキッズ開設に至りました。溝井さん「ふじニコニコキッズのスタッフは、社会福祉士やTEACCHの知見がある保育士など、専門性を持っています。そういったスタッフが一人ひとりの課題を丁寧に見極め支援しながらも、普通の保育園や幼稚園のような「普通の保育」をしてあげたいと思っています。親御さんたちの相談にも乗りながら保護者も支えていきたいと考えています。この施設は、9時半から14時までと半日預かりです。お子さんに「最適な専門家による、普通の保育」を提供するだけでなく、日々お子さんに向き合う親御さんにも、半日というある程度まとまった時間、自分だけのために過ごせる時間が必要だと感じているからです」そう語る溝井さんの挑戦は始まったばかり。音楽を通して子ども達の「やりたい」を育み、体や心の育ちを支援する。最適な専門家が一人ひとりに寄り添いながらも「普通の保育」を行う、ふじニコニコキッズ。その挑戦の先には素敵な未来が待っているのだろうと思えました。取材・文/皐月麻衣写真/鈴木江実子
2018年07月06日LITALICO発達ナビ・求人検索サービス開始記念!児童福祉業界で「働く」を語るフォーラムvol.2開催Upload By 発達ナビ編集部LITALICO発達ナビでは、児童発達支援事業所と放課後等デイサービスの求人情報を検索できる「求人検索サービス」を2018年4月10日(火)からスタートしました。求人情報はもちろん、各支援施設の理念や研修環境、職場の魅力を詳しく知ることができます。この求人検索サービスのリリースを記念し、「児童福祉業界、これからの働き方を考える」フォーラムを開催!第1回を5月20日(日)に開催、好評につき6月24日(日)に第2回を開催しました。前回から引き続き、「児童福祉業界の現場のリアルを伝える」ことをテーマにパネルディスカッションを開催。事業所の個別ブースでは参加者と事業所双方が深くコミュニケーションをとり、「児童福祉業界でどのように働いていけばよいのか」について語り合いました。その様子をレポートします。【パネルディスカッション】3事業所登壇「活躍する人の働き方」講座Upload By 発達ナビ編集部パネルディスカッションは「活躍する人の働き方とは?~事業所のリアルに迫る~」と題し、参加者の関心が強い「現場での働きやすさ」「キャリアアップ」を中心に、活発な議論が交わされました。スタッフが活躍できる仕組みや、児童福祉業界における個々のキャリアアップについてどのようにお考えなのかについて、登壇した3事業所の代表から、次のような話がありました。Upload By 発達ナビ編集部千葉県で保育所等訪問支援、児童発達支援事業を運営する杉野さん。◇働きやすさへの取り組みは?スタッフが楽しく働けるよう、働き心地を追求したユニークな制度を導入。「オンとオフ、メリハリをつけて働くことが大切との考えから、長期休暇制度も充実させている」とのこと。希望休の受け入れはもちろん、7連休制度も用意しているそうです。スタッフが、仕事でもプライベートでもイキイキ輝けるよう、さまざまな取り組みを実践している様子がうかがえました。◇スタッフのキャリアアップをどのように支援している?「この事業所で働くことが、スタッフの自己実現につながってほしい…そんな思いがあり、スタッフとは毎月面談を行います。スタッフ自身がこれからどんなことをしたいのか耳を傾け、それに対して事業所として何を提供できるか一緒に考えています」職場が自己実現の場であってほしいーーこの思いを軸に、スタッフと向き合う杉野さん。児童福祉業界におけるキャリアは、「まずは児童指導員として経験を積み、その後児童発達支援管理責任者にキャリアアップする」という選択肢が多くとられています。一方杉野さんは、そのようなキャリア以外の選択肢や、児童発達支援管理責任者になったその先に目指すキャリアがあってもいいのではと感じ、その一つとして保育所等訪問支援を開始したとのこと。先駆的なキャリアの取り組みに関して、参加者はとくに熱心に聞き入っていました。Upload By 発達ナビ編集部続いてお話しいただいたのは、埼玉県で放課後等デイサービスを合計4つ運営する吉成さん。◇働きやすさへの取り組みは?「支援対象は、子どもであり保護者であり、私たち支援者自身。その想いのもと、『相手の考えや想いに寄り添う』療育を実践しています」ご自身が臨床発達心理士として支援者の支援を行う中で、スタッフがどうすれば心地よく働くことができるか考えているそうです。有限会社ストラーダが運営する4事業所は、すべて埼玉県川口市内で各事業所間が徒歩10分ほどの距離。この4事業所は通う子どもがどんな発達課題を抱えているかでおおまかに分けており、子どもにとって居心地の良い、通いやすい事業所にしています。そしてこの「居心地の良さ」は採用したスタッフの配属を決める際にも基準としています。例えば、保育園から転職してきた方には、低学年の子どもや知的に遅れがある子どもが多い事業所へ。未経験だが子どもとのコミュニケーションが上手な方は、コミュニケーションが苦手な子どもが多くいる事業所へというように、適性やキャリアを踏まえて、スタッフにとっても働きやすく活躍できる事業所であるように、スタッフの想いに沿う姿勢を追い求めていました。また、こちらではフレックスタイム制を導入。個々の都合があっても、柔軟に働けるように制度面もしっかりと整えている点が印象的でした。◇スタッフのキャリアアップ、どのように支援している?有限会社ストラーダが運営する4事業所では、未経験者が多いため、資格取得支援を積極的に行っているそうです。専門的な知識を得ることはキャリアにおいて強みになることも多いため、資格取得はもちろん外部での教育・福祉系の講座への参加も支援しています。Upload By 発達ナビ編集部続いて、認定NPO法人フローレンスの村田さんと、同法人が運営する障害児保育園ヘレン経堂で施設長を務める中村さんに、採用側・現場側両視点でお答えいただきました。◇働きやすさへの取り組みは?業界の特性上、女性が多いので、産前・産後休業や育児休業といった基本的な制度を整えています。また、保育スタッフ・児童発達支援管理責任者・看護師・リハビリ職といったさまざまな職種の方々がチームとなって施設運営、子どもへの支援を行っているほか、研修も座学・実習と両方実施しているので、「障害のある子どもと接した経験があまりない…」という方に対してもしっかりとフォローできる体制が整っています。◇スタッフのキャリアアップ、どのように支援している?「障害児保育園ヘレン、障害児訪問保育アニー、訪問型病児保育、みんなのみらいをつくる保育園、おうち保育園…同法人でさまざまな保育現場を有していることが私たちの強みです。入社研修の時点で配属先以外の現場で実習することが可能です。1つの現場でキャリアアップを目指すことも、他現場に異動してより多様な子どもと関わることもできます。スタッフ一人ひとりの意向を大切にしています」毎年「来年度はどんな働き方をしたい?」というような意向調査をスタッフ全員に実施。現配属部署で一定期間の経験を積んだ後、異動希望先と調整・相談し、お互い体制が整えば他施設への異動も可能な環境です。「障害児保育園での経験を生かして、今度は訪問型でもっと一人ひとりの子どもと向き合いたい!」「もう少し大勢の子どもたちと接する機会が欲しい…」現場での経験を積むにつれて生まれた「次はこんなことをやりたい!」という思いが、転職せずともかなえられる環境にあるとのことでした。【6事業所個別ブース】~事業所の取り組み事例紹介~出典 : パネルディスカッションの後は、関東近郊6つの事業所がそれぞれ個別ブースを展開。事業所ごとに支援・運営方針はもちろんのこと、実際に働いているスタッフの事例やキャリアアップ応援制度に関して紹介していました。「未経験なのですが、この業界で働きたいと思っていて」「子どもと関わることがこれまであまりなかったので自信がなくて…」「ゆくゆくは児童発達支援管理責任者にキャリアアップしたいんです!」など、参加者によってこの業界でどのように働きたいか、また働くにあたって何に不安を感じているかはさまざま。個別ブースではそんな参加者一人ひとりに事業所のスタッフや代表が向き合い、お互いの考え方を共有していました。今後、LITALICO発達ナビでは児童福祉業界で働く人・働きたい人をもっと応援!出典 : これから、LITALICO発達ナビでは児童福祉業界で活躍している方々が「知りたい」と思う情報と機会を、よりたくさん提供していく予定です。2018年7月21日(土)に、LITALICO発達ナビ初の児童発達支援管理責任者を対象にした「児童発達支援管理責任者サミット」を開催します。児童発達支援管理責任者サミットでは、個別支援計画の作成や、家族や地域とのより良い連携方法、スタッフのマネジメントなど児童発達支援管理責任者ならではの悩みや課題に対して、LITALICOジュニアでの実践事例を紹介。普段なかなか関わる機会の少ない、他事業所の児童発達支援管理責任者と交流を深め、意見交換をすることができます。LITALICO発達ナビでは、会員登録してくださった方々へ、新着コラムやQ&Aをまとめたメールマガジンをお送りしています。今回新たな取り組みとして、児童福祉業界で働く方、支援者の方を対象にした新たなメールマガジン配信を開始!最新の業界ニュースや、普段の支援に役立つコラム、またお住まいの地域に合わせた求人情報をお送りします。受信をご希望の方は、こちらの申込フォームからご登録ください。
2018年07月06日障害がある人も、自分のことを自分で決められるーー啓発冊子との出合いUpload By 荒木まち子快諾したものの…Upload By 荒木まち子後日届いた4冊の冊子を見て、その内容の濃さにびっくり。そして、あっという間に付箋だらけに…。Upload By 荒木まち子障害がある人の、さまざまな権利に気づいたUpload By 荒木まち子「親が子の権利を侵害する可能性がある」知的障害者成人期権利擁護事例集日常にある確かな権利“気づいてほしいわたしのためのあなたのための26の権利”別冊より By 荒木まち子Upload By 荒木まち子「どんなに障害が重い方も権利に対する責任がある」知的障害者成人期権利擁護事例集日常にある確かな権利“気づいてほしいわたしのためのあなたのための26の権利”別冊より By 荒木まち子「知的障害のある人も結婚できるし子育てできるし幸せな人生を送ることができる」知的障害者成人期権利擁護事例集日常にある確かな権利“気づいて欲しいわたしのためのあなたのための26の権利”別冊より参考:自己決定支援ハンドブック・成人期権利擁護事例集 | 新宿区手をつなぐ親の会発達障害がある娘の反応は…!?Upload By 荒木まち子Upload By 荒木まち子先回りして、親がすべて決めてしまうと…Upload By 荒木まち子Upload By 荒木まち子親はどうしても子どもを守ろうとする気持ちが強くなります。でも進路や就職、成人後の暮らし方など、すべてを親の考えで決めたり、親が子どもの「権利擁護」をしすぎると、結果的に本人の権利を侵害することになってしまいます。私自身、身に覚えがありすぎました…。冊子には・小さいうちから療育を受け、自分の思いや意思を伝える手段を身につけること・成長段階に合わせ「自分で選ぶ」経験を積むこと・自分の特性(障害)を理解すること・本人に権利と責任、人権について学ぶ機会を与えること・親以外の支援者(伴走者)の必要性・家族や後見人が専門家と連携を取ること・ときには「頑張らなくてもいい」というのも権利だということなどさまざまな“大切なこと”が書いてあります。障害当事者向けの啓発冊子を!出典 : 既刊のものは親や支援者向けの内容になっています。新宿区手をつなぐ親の会では、障害がある当事者向けの権利擁護の啓発冊子の作成に向け検討が行われているそうです。娘も私も発行を心待ちにしています。
2018年07月05日通常学級から特別支援学級への転籍。クラスの子どもたちの反応は…?2年生から特別支援学級在籍になり、順調に通い始めた娘。本人もすっかり慣れているようでした。しかし、私が心配なのは、クラスの子の反応でした。Upload By SAKURA娘が通常学級で過ごしていた1年生の時は、準備が遅いことや、すぐ泣いてしまうこと、失敗をからかわれて、一部の子たちとのトラブルが絶えませんでした。クラスの子が直接私に、娘のことを言いに来ることもありました。そんなことがあったので、娘が通常学級から特別支援学級に行くことを、からかわれたりするんじゃないか…と気になっていたのです。学校側で子どもたちに話してくれたそんな気持ちを汲んだ学校側が配慮してくれました。Upload By SAKURA1年生の時には、娘が慣らしで支援学級に行く時に、担任の先生が前もってきちんとクラスの子に説明を。2年生になってからは、道徳の授業に、養護教諭の先生が特別支援学級について話す機会をつくってくれました。保護者にも伝えておきたい娘のこと私も、自分ができる行動が何かないかと考えました。そういえば、娘が特別支援学級に通うのを見た保護者の方が疑問に思うかもしれない。子どもに聞かれて、答えにくいかもしれない。保護者の方にもきちんと伝えておいたほうがいいんじゃないかな。そこで、2年生の最初の保護者会で、お話しすることにしました。娘の障害のこと、2年生から特別支援学級在籍になったこと、国語と算数の時間以外は、みんなと一緒に過ごさせてもらうこと…Upload By SAKURAドキドキしながら、顔をあげると、ポカンとする人…驚く人…黙ってうなずく人…。反応や表情は様々で、みんなどう反応したらいいかわからないような感じでした。それでも一度話しておくことで私が娘の特性を認めて、特別支援学級に通っている、決して悲観的ではないと伝わった方が、後々のためにいいと思ったのです。子どもたちの反応が変わった?2年生になり娘の新しい学校生活が始まって、私が一番驚いたのはクラスの子たちの変化でした。道徳の時間での説明のおかげで、子どもたちの意識も何らか変わったのでしょうか…娘が特別支援学級在籍になってから、お友達とのトラブルがほとんどなくなったのです。娘は普段、スクールバスで帰宅しますが、様子を見に行くために、週に何度かは学校まで迎えに行っています。学校へ着くと、私を見つけた子が声をかけてくれます。Upload By SAKURA更には別の子が、娘の手を引き、荷物を持つのを手伝ってくれ、私のところまで送り届けてくれます。「今日はあーさんね!絵を上手に描いてたよ!」や「体育頑張ってたよ!」と報告をしてくれます。さらに、1年生の時に娘と揉めることが多かった子たちが、娘をフォローする姿をたびたび見かけるようになりました。周りの理解とフォローが嬉しい!Upload By SAKURA子どもたちの優しさを感じるたび「いつもあーさんを助けてくれてありがとうね」と声をかけます。学校のイベントの際には、いつも助けてくれる子の保護者の方々にも、「いつも優しくしてもらってます、ありがとうございます。」とお礼を忘れないように心がけています。私たち親が娘の障害を認めていても、私たちだけでは、起こるすべてのことを乗り越えることはできません。周りの理解があって、助けてくれる…それが本当にありがたく、感謝の気持ちでいっぱいです。人は一人では生きていけない…発達障害がある娘はなおさらそうです。いつも周りの人たちに感謝の気持ちを忘れないように、これからの娘を応援していきたいと思います。
2018年07月04日「喋れないんなら紙に書けばいいじゃん」閉ざされていた志乃の毎日に風穴を開けたのは、加代のぶっきらぼうな一言でしたーー。漫画家・押見修造さん原作の映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』公開記念トーク、後編。主演の南さんも原作者の押見さんも、「喋れない」けど「伝えたい」ことを、演技やペンで伝えようとしています。「普通」とは何なのか。「普通」にならなくても、伝えられることがあるー。トークの後半では、映画のクライマックスシーンを振り返りながら、伝えること、表現することに対するそれぞれの思いを語りました。ズレがあるから愛おしいUpload By 柳瀬徹鈴木吃音に限らずコミュニケーションの困難は、誰かがサポートすることで緩和されることもあるんですけど、まったくなくなるわけではありません。ゼロが100になったり、100がゼロになるわけではないし、そもそも誰もがコミュニケーションにズレを感じているんだと思うんです。加代は音楽が好きだけど、自分で歌おうとすると世間の「いい歌」の基準からズレてしまう。志乃はスムーズな日常会話はできないけど、加代のギターで歌うとそのズレから解放される。菊地はしゃべりまくってみんなの注目を集めようとすればするほど、周囲から浮いて孤立していく。でも本当は、全員がポンポンと会話をする必要なんてないですよね。押見僕はズレがないとその人を愛おしいと思えないです。コミュニケーションがつるっとスムーズにできる人よりも、どこかにズレを抱えているほうが、人間の振れ幅が大きいんじゃないかな、って。マンガでもそういう人物のほうがキャラが立ちますね。鈴木女優は自分と違う人間を演じながら、振れ幅を意図的につくるお仕事でもありますよね。役を演じることで、ふだんの自分自身の振れ幅が大きくなることもありますか?南ありますね。私は、プチ反抗期はあっても大きな反抗期がぜんぜんなかったんですが、ある作品で親にすごく反抗する子を演じていた時期は、両親に対するあたりが強かったです。鈴木ご両親はイヤだったでしょうね(笑)。南イヤがってましたね(笑)。ふだんはチャンネル争いなんてしないのに、勝手に変えられるとイラッときて、ケンカになったりとか。押見撮影が終わって変わりましたか?南少し優しくなりました(笑)。「魔法」はいらないのだと思うUpload By 柳瀬徹鈴木映画の『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』ではどのシーンがいちばん印象に残っていますか?南やっぱりクライマックスの、体育館のシーンです。どうやって演じるか、監督さんとすごく話しあったんですけど、最後に「思ったことをそのまま表現してください」と言われました。鈴木押見さんはその撮影現場にいらっしゃったんですよね。押見南さんの後ろのほうで、スケッチしながら見ていました。肩にすごく力が入って背中が丸くなってて、本気で泣きながら、絞り出すようにして叫んでいましたよね。ああ、本当に志乃になってくれたんだなと思って、嬉しかったです。映画のはじまりから、志乃はずっとうつむいていましたよね。南うつむいてましたね。押見最後もうつむきながら叫ぶところがすごくよかった。鈴木そのあとに来るラストは明かせませんけど、志乃の日常が少しだけ新しいものになったことを予感させるシーンでしたね。南志乃にもこんなことが起こるんだって、私も嬉しかったです。押見ラストシーンでも、志乃はちゃんとどもってるんですよね。鈴木そういえば映画のなかで加代が歌う「魔法」は押見さんの作詞ですよね。押見マンガで加代が歌っていた詞に曲をつけていただいたんですが、この「魔法」は「普通」に置き換えても意味は同じだと思うんです。鈴木普通にならなくても、伝えること、つながることはできるんだって、加代から志乃へのメッセージのような歌でしたね。「魔法」作詞:押見修造作曲:まつきあゆむ魔法をください魔法をくださいみんなと同じに喋れる魔法みんなと同じに歌える魔法それさえあればそれさえあれば私は外へ出かけてゆくよでもどこへ行こうでもどこへ行こう私は今すぐ帰りたい私は今すぐ帰りたいみんなの知らない秘密の場所にあのコの座る校舎の裏に魔法はいらない魔法はいらないみんなと同じに喋れる魔法みんなと同じに歌える魔法魔法はいらない魔法はいらないみんなと同じに喋れる魔法みんなと同じに歌える魔法魔法はいらない魔法はいらないみんなと同じに喋れる魔法みんなと同じに歌える魔法つばを吐き捨ててバスに乗ろう私は遠くに出かけていくから映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』より押見これは加代が初めて作った曲なんですが、蒔田さんの歌い方にもメロディにも、初めて作った稚拙な感じがほどよくあって、すごくよかったですね。鈴木映画の中盤で、志乃と加代が初めて街に出て歌うシーンもよかったですね。僕はあそこから泣いてしまいました。押見2人で歌う、そのキラキラ感がすごい。南歌うのは好きなんですけど、人前で歌うのは緊張します。むちゃくちゃ練習しました。押見志乃が歌うとしたらこんな感じだろうな、と思いましたね。濁っているものを「返す場所」Upload By 柳瀬徹押見僕は吃音について親にまったく相談しませんでしたし、誰にも相談しませんでした。でもちょっとした糸口、閉じた世界にちょっとした穴が開けば、考え方が変わるチャンスはあると思うんです。僕自身は学校なんて行きたくなければ行かなくていいと思っている親なんで、あまり参考にはならないかもしれませんが。僕には小4の娘がいるので、同級生のお母さんたちと接する機会が多いんですけど、子どもについての認識が自分自身にくっつきすぎているんじゃないか、そう映る人が少なくないんです。子どものつまずきはあくまでも子どものものであって、自分自身の人生のつまずきではないと思うんです。気持ちはわかるんですけど、自分と違う人間として、もう少し切り離したほうがいいんじゃないかな、と。自分とは違う人間なんだから、お互いの違いは否定しないほうがいいんじゃないですか。14歳に戻ったら、自分の親にそう伝えたいですね(笑)。南『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』をはじめて読んだときに、もちろん考え方が変わったんですけど、これは誰にでもあることだな、自分の中にもあることだな、ってすごく思いました。自分の中にある白くないものとか、濁っているものとか、真っ黒なものとか。志乃を演じてみて、濁っているものを返す場所があるんだ、って思いました。どこに戻せばいいかわからなくなるときもあると思うんですけど、自分の濁っている部分も、きっと元のままでいられる場所が、あるんじゃないかって。押見「返す場所」って、すごい表現ですね。そうか、返してあげればいいんだ。今、すごく腑に落ちました。映画の志乃は、はたして「返す場所」を見つけることができたのでしょうか。その答えはぜひ劇場で確かめてください。(完)文: 柳瀬徹写真: 鈴木江実子スタイリング(南さん担当): 道券芳恵ヘア&メイク(南さん担当): 藤尾明日香(kichi inc.)Upload By 柳瀬徹2018年7月14日(土)より、「新宿武蔵野館」ほか全国順次ロードショー。押見修造氏の人気コミック、待望の映画化。高校1年生の志乃は、喋ろうとするたびに言葉に詰まり、名前すらうまく言うことができない。同級生の加代は、ギターが生きがいだけれど音痴。コンプレックスから目を背け、人との関わりを避けてきた志乃と加代が出会い、小さな一歩を踏み出すけれど…。青春時代にだれもが抱いた苦悩や葛藤を、みずみずしく描いた作品。出演: 南沙良、蒔田彩珠、萩原利久他原作: 押見修造『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(太田出版)監督: 湯浅弘章脚本: 足立紳音楽: まつきあゆむ映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』公式サイト
2018年07月04日伝わらなくても伝えたい──。少女たちの青春を描く『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』が映画化!2018年7月14日(土)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開される映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』。原作は押見修造さんの人気コミックです。中学生のころに話しづらさを感じたというご自身の経験からつくられた物語です。高校1年生の大島志乃は上手く言葉を話せないことで周囲と馴染めずにいた。そんな時、ひょんなことから校舎裏で同級生の加代と出会い、一緒に過ごすようになる。人と距離を置き卑屈になりがちな志乃だったが、加代からバンドを組まないかと誘われたことで少しずつ変わっていく。ふたりで過ごす夏休みが平穏に過ぎていくと思っていた志乃だったが、自分をからかった同級生の男子・菊地が強引に参加することになり…。志乃は、人前でうまく喋ることができません。映画の序盤で、教室で徐々に自己紹介の順番が近づいてくるときの志乃の姿が描かれます。うまく喋れるだろうか、自己紹介がきちんとできるだろうか――志乃の緊張感が、画面を越えて伝わってきます。そして、練習の甲斐なくうまく名前を言えずにクラスメートたちに笑われて、うつむいてしまう志乃…。そこから、志乃の世界へと一気に引き込まれていきます。励ましのつもりでかけた大人の言葉が志乃を傷つけてしまうのと対照的に、「病気なの?」とストレートに質問しつつもありのままの志乃を受け入れる加代の姿…。うまく言葉が話せないことを母親や担任の先生、加代、そして志乃本人がどう捉えているのかを感じさせるシーンが、端々に散りばめられ、「話せない」志乃を取り巻く状況を浮かび上がらせています。志乃と加代、2人の葛藤と挑戦を中心に編まれていく物語Upload By 発達ナビニュース高校に入学したものの、最初の自己紹介でみんなに笑われてしまった志乃は、クラスに馴染めないまま一人ぼっちの高校生活を送ります。そんな志乃に、「喋れないなら、書けばいいじゃん」とメモとペンを渡したのがもう一人の主人公の加代でした。加代は音楽が好きだけれど音痴だという悩みを抱えています。おっとりとした志乃にクールな加代と、全くタイプの違う2人ですが、ある日、加代は志乃の歌声に心を奪われ、「一緒にバンドを組もう」と誘います。文化祭に出ることを目標に練習を重ね、一緒に歌い演奏することを通してお互いが抱えるコンプレックスと向き合うと同時に、友情も急速に深まっていくのです。ぶつかり合いながら、少しずつ前に進む志乃と加代。そこへ…Upload By 発達ナビニュース初めは、バンドを組むという加代の誘いに戸惑った志乃。「しのかよ」として初めての路上ライブは、場所を決めるところまで一つひとつが緊張の連続。高校1年生らしい初々しさが感じられます。声をかけた加代にとっても部屋を出て人前でギターを弾くのは初めて。指の動きがおぼつかず、ぎこちない演奏と歌が始まります。路上ライブを繰り返すなかで、お互いを認め自分のありのままを受け入れていく2人。いつしか志乃はうつむいたり、会話で言葉につまることが少なくなり、加代も穏やかな表情で過ごすことが増えていました。たどたどしい雰囲気で路上ライブを始めた2人の演奏と歌声に少しずつ自信が満ちていく様子はとても眩しく爽快な気分になります。しかし、新学期の教室で自己紹介の際に志乃をからかった菊地が、街中で演奏する2人と遭遇したことから状況は一変します。菊地自身、人と触れ合いたい気持ちが空回りして、学校で浮いてしまっていたのです。「仲間に入れて欲しい!」という菊地を加代は引き入れますが、これによって志乃と加代の間に微妙な空気が…。志乃は菊地を前に、自分の殻にこもっていってしまうのです。3人のそれぞれの思いが溢れ、重なり、離れて──ほんの少しのすれ違いで関係が崩れてしまう10代のヒリヒリするような友情が描かれます。「しのかよ」で出演するための練習を続けてきた文化祭のステージ。2人は舞台に立てるのか、志乃は再び前を向くことができるのか──。原作とは少し異なるクライマックスまで、目が離せません。志乃役の南沙良さん、加代役の蒔田彩珠さん、菊地役の萩原利久さんは、演じた役と同世代。等身大の体当たりな演技に心を打たれます。また、志乃と加代が歩く海辺の景色や、オレンジ色の夕日に照らされながら歌う姿など、随所に盛り込まれた美しい情景も見どころです。2018年7月14日から全国順次公開!Upload By 発達ナビニュース人とうまく話せないことに悩む志乃だけでなく、加代や菊池もそれぞれがコンプレックスを抱えています。「自分とは何か」について考え、悩みを抱く思春期。今、高校生の人も、かつて高校生だった人にも、全ての世代の人に共感できるところが見つかる映画です。『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』は、2018年7月14日(土)より新宿武蔵野館ほか全国で順次公開されます。不器用だけど、まっすぐで一生懸命な志乃と加代、そして菊地の3人に"会いに"ぜひ劇場へ!【出演】南 沙良 蒔田彩珠/萩原利久/小柳まいか 池田朱那 柿本朱里 中田美優/蒼波 純/渡辺 哲/山田キヌヲ 奥貫 薫【監督】湯浅弘章【原作】押見修造 「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」(太田出版)【脚本】足立 紳【音楽】まつきあゆむ【配給】ビターズ・エンド【制作プロダクション】東北新社【製作】「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」製作委員会(日本出版販売 カルチュア・エンタテインメント 東北新社 ベンチャーバンク)2017年/日本/カラー/シネスコ/5.1ch/110分(c)押見修造/太田出版(c)2017「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」製作委員会※記事中の挿入動画及び画像すべてに関して映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』公式サイト映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』Facebookページ
2018年07月02日【イベント】車いすバスケにハンドアーチェリー、ボッチャなどパラスポーツの魅力を発信する体験会が開催!(茨城県)出典 : 年に茨城県で国民体育大会(国体)とともに開催される全国障害者スポーツ大会「いきいき茨城ゆめ大会」を前に、つくば市でパラスポーツ体験会が開かれます!つくば市が会場となっている車いすバスケットボールやハンドアーチェリーをはじめ、5種目の体験ができます。種目は、車いすバスケットボール、ハンドアーチェリー、ボッチャ、卓球バレー、ブラインドサッカー(シュートのみ)です。見たり聞いたりしたことがあるものから、「どんなスポーツなんだろう?」というものもあるかもしれませんね。パラスポーツに親しむ絶好の機会です!体験した種目を来年の大会で応援しに行くという楽しみもできそうですね。車いすバスケのみ事前申し込み制ですが、ほかの種目は当日参加自由ですので、気軽に会場に足を運んでみてください。【日時】2018年7月15日(日)13:00〜16:00【会場】桜総合体育館(茨城県つくば市金田1608番地)【内容】車いすバスケットボール、ハンドアーチェリー、ボッチャ、卓球バレー、ブラインドサッカー(シュートのみ)【持ち物】運動のできる服装、タオル、飲み物、体育館シューズ、熱中症対策に「凍らせたペットボトル」など【参加費】無料(車いすバスケのみ100円)【対象】障害の有無は不問(申込時に障害内容を確認)、車いすバスケのみ小学生以上【定員】参加自由(車いすバスケのみ定員50人、定員になり次第締め切り)【申し込み】申し込みフォームもしくは、国体推進課窓口にて直接申し込み(車いすバスケのみ)【問い合わせ】つくば市 市民部 国体推進課TEL: 029-883-1111FAX: 029-828-4966クリックするといばらき電子申請・届出サービスのページへ遷移しますつくば市パラスポーツ体験会いきいき茨城ゆめ国体・いきいき茨城ゆめ大会【ニュース】偏食や食物アレルギーなどがある子どもたちの栄養をサポート!「チョコレート味のサプリ」をつくるクラウドファンディングがスタートUpload By 発達ナビニュース発達ナビでも以前、コラムで紹介した「こどものサプリmog」が、チョコレート味のサプリメント開発に挑戦するため、クラウドファンディングを2018年7月29日まで実施しています!mogのサプリメントは、極度の偏食や除去食(アレルギーや代謝障害)、摂食障害(小食や嚥下困難)など、食事で十分な栄養をとることが難しい子どもたちのためにつくられたもので、現在はパイナップル味を製造・販売しています。食べられるものが限られ、栄養補給をサプリメントに頼らざるを得ない中で、パイナップル味の酸味が苦手という子もいました。しかし、そういった子どもでもかなりの確率で「チョコレートは食べられます」という声があったそうです。そして、より多くの子どもたちの栄養をサポートするため、今回のチョコレート味の開発が立ち上がりました!今回のクラウドファンディングで集まった資金は、開発に必要な実機試作の費用に充てられます。リターンは、応援のタイプによって6種類のコースを用意。実機試作で製造するサンプルなどがいち早く届けられます。「こんなのが欲しかった!」という人から「食事で栄養を摂るのが難しい子どもたちを応援したい」という人まで、プロジェクトを支持する人が集まって実現するといいですね。※クリックするとクラウドファンディングサービス「GoodMorning」のページへ遷移しますこども用サプリ【mog(モグ)】で、持病のある子に笑顔を!パパママに安心を!【イベント】自閉症、ダウン症などの最新の研究内容や音楽療法を紹介!NPO法人ヘルシーチルドレン・ヘルシーライブスが設立1周年記念講演会を開催出典 : 医師がレクチャーするキッチンワークショップのほか音楽療法、療育などを展開するNPO法人ヘルシーチルドレン・ヘルシーライブスの設立1周年を記念した講演会が開かれます。同NPO法人は「こどものときからの病気予防」をテーマに統合的なアプローチで活動を⾏うことを目的に、昨年7⽉に設立。当日は、小児科医・公衆衛生専門医の伊藤明子さんと音楽療法士の濱谷紀子さんが講師を務め、子どもの発達に関する医学的な最新情報や音楽療法について紹介してくれます!伊藤さんは、軽度から重度まで、発達にさまざまな課題のある子どもの体と脳の状態について、学術研究に基づいて紹介。また、自閉症スペクトラムについての脳の研究、ダウン症についての代謝系の研究など、最新研究の情報も解説してくれるそう。濱谷さんは心理的援助といった視点からも評価される音楽療法について、実際の事例に触れながら紹介します。発達が気になる子どもの支援に関わる医療者や福祉関係者、教育関係者、また保護者の方にオススメのイベントです。【日時】2018年7月15日(日)13:00〜16:00【会場】TKP赤坂駅カンファレンスセンター ホール13B(東京都港区赤坂2丁目14−27 国際新赤坂ビル 東館 13F)【参加費】3,000円【対象】医療、教育、福祉従事者、お⼦さんの発達に関して興味のある⽅【定員】180人【内容】伊藤明子氏「脳の発達・身体機能の強化と栄養」~発達障害・自閉症・ダウン症児の病態についての最新知見と対策~濱谷紀子氏「発達を助ける音楽療法」~心と身体、コミュニケーションに深くかかわる音楽療法~【申し込み】ホームページから申し込み可能【問い合わせ】NPO法人ヘルシーチルドレン・ヘルシーライブスTEL: 03-5562-8825FAX: 03-5562-8826Eメール: info@hchl.org※クリックするとNPO法人ヘルシーチルドレン・ヘルシーライブスのページへ遷移します法人ヘルシーチルドレン・ヘルシーライブス【ニュース】世界で初めての合同会議が広島で開催!「吃音・クラタリング世界合同会議 in Japan 2018」出典 : 「科学と吃音コミュニティ:ことばがつなぐ一つの世界」をテーマに世界で初めての吃音とクラタリング(早口言語症)の合同会議が日本の広島で開かれます!国際クラタリング学会、国際流暢性障害学会、世界吃音者連盟、日本吃音・流暢性障害学会、NPO法人全国言友会連絡協議会が主催。世界各国から研究者や当事者といった関係者が訪れて4日間にわたり、基調講演、交流会などが行われる予定です。ある複数の組織が吃音やクラタリングの体験や感覚、態度、認識などを共有し、効果的な連携の実現を目指すという画期的な取り組み!この合同会議によって、研究者主体の学会だけでなく、当事者団体を含む3つの国際組織と2つの国内組織による新しい連携が生まれることが期待されます。この会議は一般からの参加も可能となっています。最新の知見や海外の事例などこれまでになかった情報を得られる機会になりそうです。【日時】2018年7月13日(金)〜2018年7月16日(月)【会場】広島国際会議場(広島県広島市中区中島町1−5)【参加費】1日14,000円、4日間40,000円【基調講演】「癒しの社会基盤」Bruce Wampold博士「クラタリングの概念化に向けた3方面からのアプローチ(TPA-CC)」Florence Myers博士(ニューヨーク州ガーデンシティのアデルフィ大学)、Charley Adams博士(サウスカロライナ大学で臨床助教授)、Susanne Cook博士(吃音セラピスト)「吃音のある青年・成人に対する集団CBTアプローチの適用について」森浩一博士(国立障害者リハビリテーションセンター病院第三診療部長)「吃音・クラタリング当事者・臨床家・研究者間の協力・連携関係の育成」Annie Bradberry氏(国際吃音連盟会長)、Mitchell Trichon博士(米国音声言語聴覚協会 認定言語療法士)【申し込み】当日参加可能【問い合わせ】TEL:082-424-7179Eメール:registration@jointworldcongress.org世界合同会議ホーム【ニュース】病と向き合う子どもたちの姿に何を感じる?ドキュメンタリー映画「子どもが教えてくれたこと」が2018年7月14日に公開!Upload By 発達ナビニュース病と向き合いながら生きるアンブル、カミーユ、イマド、シャルル、テュデュアルという5人の子どもたちに密着したフランスのドキュメンタリー映画が今月、日本で公開されます!5人は動脈性肺高血圧症、神経芽腫、腎不全、表皮水疱症といった病をそれぞれ患っています。一人ひとり自分の病気についてよく理解し、そしてどう生きるかをその小さな体で考え、体現しています。懸命に日々を生きる姿から、家族や友人と過ごす時間がかけがえのないものだと改めて考えさせられます。監督はフランスの女性ジャーナリスト、アンヌ=ドフィーヌ・ジュリアン。監督自身、2人の娘を病気で亡くした経験があります。今作品は、伝統ある世界最大規模の子ども映画祭「ジッフォーニ映画祭」のGEx部門で作品賞を受賞しました。監督は作品について次のようにコメント。人生を一変させる試練というものは、自ら選んだものではないけれど、そうした試練をどのように生きるのかは自ら選ぶことができる。なぜなら人生をどのように導くか、決めることができるのは自分でしかないのだから。これもまた、彼らが気づかせてくれたことです。人の子どもたちが、見た人たちにきっと生きることへの気づきや新しい価値観を与えてくれるのではないでしょうか。(c)Incognita Films – TF1 Droits Audiovisuels【公開】2018年7月14日シネスイッチ銀座ほか全国順次公開【作品データ】監督: 脚本:アンヌ=ドフィーヌ・ジュリアン出演: アンブル、カミーユ、イマド、シャルル、テゥデュアル配給: ドマ/宣伝: VALERIA後援: 在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本日本語字幕 : 横井和子字幕監修: 内藤俊夫2016年/フランス/フランス語/カラー/80分/ヴィスタサイズ/DCP原題: 『 Et Les Mistrals Gagnants 』映画『子どもが教えてくれたこと』公式サイトまとめさまざまなジャンルの話題を紹介しましたが、気になるニュースはありましたか?障害の有無に関わらず参加できるパラスポーツ体験会をはじめ、子どもたちのためのサプリメントの開発や、保護者にも開かれた講演会など…。こうした取り組みが盛り上がることで障害のある人のことを考えたり、誰もが暮らしやすくなるための活動が全国に広がるといいですね。今後も、毎月の発達障害などに関するニュースやイベントを紹介していきます。8月に全国各地で開催されるイベント・講演会などを募集します。ぜひ情報をお寄せください!
2018年07月01日これは思春期だから…?リクの言葉が引っかかるUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみ人生で厄介なのは思春期と更年期…。次男リクの私に対する態度の悪さは、思春期か、それとも高次脳機能障害の後遺症なのか定かではありません。とにかく私は、ただただ台風が過ぎるのを待つかのように、じっと堪えています。家族を見渡してみると父親もそんなところが…Upload By ひらたともみ確認の意味でした話を「無駄」と言われるのはシンドイ…。なんだか、リクの言葉や態度と重なり、やはりここでもじっと耐えています。Upload By ひらたともみ自分のことしかしてない?仕事ばっかり?この言葉は本当にショックでした。母親だって家族の理解が欲しい!Upload By ひらたともみUpload By ひらたともみ母親は子どものサポート役になることが多いと思います。私もそうです。一生懸命できることはやってあげたいけど、ときにはくじけるし、ヘコむし、嫌になる。「母は強し」とはよく聞く言葉ですが、世の中が言うほど、いつも強くいられるわけじゃない。私は今、心が折れそうです…。家族を支えるのは家族であり、またその支え方も千差万別あるのでしょう。それなら、いつもは支える側になることが多い母親を支えてくれる人も家族の中にいて欲しいという本音があります。お弁当づくりだって、いろんな家事だってなにひとつ母親がして「当然」なことなんてないのだから…。不器用でもいい。感謝されたり、感謝したりを家族でしたい。ほんのちょっとでも言葉で感謝を伝えてくれたり、理解があれば、頑張れるし元気でいられるのです。
2018年06月29日ゲーム依存症って?Upload By 発達ナビ編集部ゲーム依存症(ゲーム症・障害)とはどういう症状を指すのでしょう?2018年6月、世界保健機構(WHO)は■ゲームをする衝動を止められず、コントロールできない■ゲームを最優先する■日常生活に支障が出てもゲームを続けるといった症状が、12か月以上に渡って続くと、「ゲーム症・障害」という疾患とみなすという方針を出しました。参考:国際疾病分類の第11回改訂版(ICD-11)が公表されました | 厚生労働省参考:Gaming disorder (ICD-11 for Mortality and Morbidity Statistics) | 世界保健機構(WHO)ゲームがないと落ち着かない…!?子どもとゲームのつきあい方、悩んでいませんか?Upload By 発達ナビ編集部LITALICO発達ナビユーザーの中にも、お子さんのゲームに悩んだり心配している人がいるのではないでしょうか。例えば、ゲームとの関わり方について約束をしても守れない、ゲームに夢中で勉強が手につかない、一晩中ゲームをしていて朝起きられず学校に行けない――といった状況を前に、お子さんとゲームとの適切な距離感をどうとったらいいのかなど…。対して、試行錯誤の結果、お子さんに合った対応策を見つけ、上手に楽しめているご家庭もあると思います。アンケートを実施!子どもとゲームのつきあい方についての声を募集出典 : お子さんとゲームとのつきあい方に悩む保護者の皆さんの声から、ゲームとの適切な距離を保ち、楽しめているご家庭がとった解決策などまで、発達ナビユーザーからのさまざまなご意見を募集しています。下記のフォームから、ぜひご意見をお寄せください!(2018年7月16日まで)寄せられた悩みや、ご家庭での解決策の紹介に加え、専門家による解説やアドバイスも合わせてコラム化する予定です。イラスト: ひらたともみ
2018年06月27日不安障害(不安症)とは出典 : 不安障害とは、状況や具体的なものに対して、過剰に不安、恐怖を感じ、それにより様々な影響が身体と精神に現れ、社会生活を送ることに支障が出てしまう疾患です。不安障害は、近年では「不安症」と表記されることも多くなっていますが、この記事では「不安障害」という名称をもちいて解説します。不安や恐怖は、人間誰しもが感じる自然な感覚です。不安、恐怖を感じて、体が緊張したり、用心深くなったりすることは、危機に対する準備とも言え、人間が安全を守る上で必要な身体反応です。しかし、不安や恐怖を、その対象に釣り合わないほど過剰に大きく感じ、それによって現れた身体的、精神的苦痛が日常生活を送れないほどのものである場合、不安障害の疑いがあります。ちなみに精神神経学では、不安とは未来や将来起こり得るかもしれない脅威に対して抱く感情、恐怖とは現在または今差し迫った脅威に対して抱く感情と区別されています。しかし不安障害には、現在起きていることや状況だけでなく、これから起こること、未来の状況に対して不安を過剰に感じることも含まれます。不安障害のある人が「不安、恐怖を感じる対象」は、多岐にわたり、クモや飛行機といった具体的なものから、愛する人との別れ、大勢の人の前で話す、広い場所にいるなど、経験や状況も含まれます。また、不安障害によって生じる症状も人によって様々です。例えば、憂うつな気分、不安感、意欲や集中力の低下、イライラ感などといった精神的な反応が挙げられます、また、身体的な反応として、頭痛、動悸、汗が異常に出る等の症状も挙げられます。不安障害は、不安、恐怖の対象と症状が様々で漠然としているため、疾患とは認識されづらく、「性格の問題だ」と片付けられてしまうことが多い疾患です。特に、10代という人格形成期に不安障害を発症すると、慢性化しやすく、本人も周囲の人々もそれが性格の一部であるととらえる傾向が強いです。疾患であるという認識ができず、医療機関の受診に至らないと、重症化を招く恐れがあります。不安障害は早期発見と対処が重要です。不安障害の種類と症状出典 : アメリカ精神医学会の『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)によると、不安障害は、不安、恐怖を感じる対象ごとにパニック障害や広場恐怖症などいくつかの疾患に分類することができます。不安障害は精神疾患のひとつであり、不安障害の中にパニック障害や広場恐怖症などといった疾患があるという位置づけです。Upload By 発達障害のキホン 精神疾患の診断・統計マニュアル個々の疾患ごとに以下で説明します。◇症状高い所が怖い高所恐怖症や、犬や虫といった生き物、注射針や血液など、特定のものや状況に出くわすと、毎回、著しく不安、恐怖を感じ、社会的、職業的学業的な困難がおこります。特に子どもでは、泣く、癇癪(かんしゃく)を起こす、凍りつくなどの症状が現れます。ときどきパニック発作が起こることもあります(パニック発作については後述します)。◇不安恐怖の対象局所性恐怖症の不安、恐怖の対象は以下の5つに分けられます。人によって複数のもの(クモと高所など)に不安、恐怖を感じることがあります。・動物…例:クモ、虫、犬・自然環境…例:高所、嵐、水・血液・注射・負傷…例:注射、医療行為全般・状況…例:飛行機、エレベーター、閉所・その他…例:子どもにとっての大きな音◇原因この疾患は明確な原因はまだ分かっていません。心的外傷出来事などがあげられますが、限局性恐怖症を発症している本人がその出来事を覚えていないこともあるなど、一人ひとりの明確な原因が特定できないことも多いようです。◇症状自身の行動への他者の反応が気になり、他者の注目を浴びる社交場面や他者の前で飲んだり食べたりすることに強い不安感、恐怖を感じます。強い不安、恐怖を感じると、赤面、震え、発汗、言葉に詰まる、凝視などの症状が現れます。そのような不安感や恐怖心、症状により社会的、学業的、職業的に日常生活を送ることが難しくなります。◇不安恐怖の対象他者の反応に不安や恐怖を感じます。自分の振る舞いや行動が他者に否定的な評価を受けるのではないか、当惑させられるのではないか、他者に拒絶されるのではないか、他者に迷惑をかけるのではないかと不安を感じます。◇原因アメリカ精神医学会のDSM-5によると、神経質・心配性といった性格も一因になります。このような性格は、性格自体が遺伝する可能性が高いと言われています。親族に社交不安症を発症している人がいる人は、いない人より、発症の機会が2~6倍高いという研究結果が出ています。このような性格の人が、失敗や、恥ずかしい体験をすることが発症の原因になることが少なくありません。このような経験が大きなストレスとなり、過剰に他者の反応を気にするようなる可能性があります。◇選択性緘黙との違い人前で話せなくなる点は選択性緘黙と似ています。ですが、不安、恐怖の対象が明らかに違います。選択性緘黙を発症している人は、社交不安を発症している人と違い、他者の反応が気になる場面であっても話す必要のない場所では恐怖を感じません。しかし、選択性緘黙と社交不安が併発することはあります。◇対人恐怖症との関連対人恐怖症とは、社会的交流のなかで、自己の外見、行動が他者にどう思われているか不快に思われていないだろうか、評価がさがってないだろうかと過剰に不安、恐怖に思い、社会的交流の場を避けるといった症状が出るものです。日本の場合「他の人の目」「他者からの評価」を気にしやすい文化背景が原因となっているのではないかといわれています。アメリカの精神疾患概念であるDSM-5の社交不安症/社交不安障害と対人恐怖症がほぼ同じなのかどうか、今も議論されています。パニック障害は不意に起こるパニック発作を発端とする疾患をさします。パニック障害における発作はきっかけがなくても起こるのが特徴です。◇症状パニック発作は、数分以内でピークに達し以下のようなパニック発作が起こります。激しい恐怖または強烈な不快感の突然の高まりが数分以内にピークに達し、その時間内に、以下の症状のうち4つ(またはそれ以上)が起こる。注:突然の高まりは穏やかな状態または不安な状況から起こりうる.(1)動悸,心悸亢進,または心拍数の増加(2)発汗(3)身震いまたは震え(4)息切れまたは息苦しさ(5)窒息感(6)胸痛または胸部の不快感(7) 嘔吐または腹部の不快感(8)めまい感,ふらつく感じ,頭が軽くなる感じ,または気が遠くなったりする感じ(9)寒気または熱感(10)異常感覚(感覚麻またはうずき感)(11)現実感消失(現実ではない感じ)または離人感(自分自身から離脱している)(12)抑制力を失うまたは"どうかなってしまう"ことに対する恐怖(13)死ぬことへの恐怖感『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版) (P212-213)このようなパニック発作が4つ以上起こる場合、パニック障害と特定されることがあります。◇症状仕事への責任やお金、健康、家庭など、さまざまな出来事または活動に対する過剰な不安と心配があり、以下のうち3つ以上の症状を伴います。(子どもの場合は一項目以上当てはまります)・落ち着きがなく、緊張感と神経の高ぶりを感じる・疲労しやすい・集中力が切れやすく、ぼーっとすることが多い・怒りっぽい・筋肉が緊張する・睡眠障害◇不安恐怖の対象不安、恐怖の対象は、多数の出来事、または活動です。具体的に仕事への責任、学業、本人の健康や家計、家族の健康、子どもへの災難、といった生活の些細な出来事に対して常に心配する傾向があります。本人の有能さやパフォーマンスの質に関して過剰に心配する傾向もあります。◇原因全般不安障害を発症している人の多数は他の不安障害も併発しています。そのため、そのほかの不安障害の原因に当てはまる性格的気質は、この疾患の原因になると考えられています。例えば、否定的思考、危険回避などです。そして小児期の逆境と親の過保護は、全般性不安障害に関連するといわれていますが、必ずこれらを経験しているわけではありません。発症した人の多くは大きなストレスが原因であると言われています。仕事のストレスや学校でのストレスが少しずつ蓄積されて、発症するケースが多いです。◇症状広場恐怖症を発症している人は、公共交通機関や広い場所などといった特定の状況下で何か恐ろしいことが起こるのではないか、そしてそれを回避できないのではないかと不安感、恐怖心を感じます。そのことにより社会的、学業的、職業的に日常生活を送ることが難しくなったり、パニック発作を起こしたりすることがあります。パニック症を併発していることも多いです。そして、重度である場合、恐怖や不安を回避するために、家にこもり出ることができなくなります。一方で軽度な場合、パートナーや友人、専門家が一緒であるとその不安、恐怖に立ち向かえることもあります。◇不安恐怖の対象:以下のうち2つ以上に不安感、恐怖心を抱きます。・公共交通機関…例:自動車、バス、列車、船、飛行機・広い場所…例:駐車場、市場、橋・囲まれているところ…例:店、劇場、映画館・列に並ぶ、または群衆・家の外に一人でいる◇原因広場恐怖症を発症している人の大多数は他の不安障害も併発しています。そのため、そのほかの不安障害の原因に当てはまる性格的気質は、この疾患の原因になると考えられています。例えば、否定的思考、心配症などです。また、小児期の環境もこの疾患の要因になるとされていますが、原因は一人ひとり異なり、また明確に特定できないことも多いようです。◇限局性恐怖症との違い限局性恐怖症の場合は、不安、恐怖の対象自体に不安感と恐怖心を感じます。それに対して、広場恐怖症は、何か不吉な出来事がその不安、恐怖を感じる状況下で発生し、それを回避できないのではないかと感じます。これが違いです。◇症状症状は主に5つあります。・愛着のある人から離れることに対して過剰に心配します。例えば、その人が病気になるのではないか、災害に巻き込まれ死んでしまうのではないか。また本人が迷子になる、誘拐されるなどして愛着のある人ともう一生会えないかもしれない、と過剰に心配になったりします。・愛着のある人から離れることへの不安・恐怖で、移動できなくなります。例えば、家から離れ学校や仕事に行くことを拒んだり、他の場所に一人で出かけたりすることができなくなります。・一人で家にいる、愛着のある人がいない場所に一人でいることにたいして過剰な恐怖を感じ、その状況に置かれることを拒むようになります。特に子どもの場合、つきまとい行動(親の影のように常にすぐそばにいる)を行うことがあります。・愛着のある人なしで就寝することを拒み、旅行や友達の家に泊まりに行くことができなくなります。上記の症状により、社会的、学業的、職業的に日常生活を送ることが難しくなります。◇不安、恐怖の対象対象は愛着のある人、例えば親、パートナー、重要人物との別れです。別れることを予期し、過剰に恐怖心、不安感を抱きます。◇原因後で述べる「不安障害を発症しやすい特徴」のある人が、何かを失った経験がストレスとなり発症することが多いです。身内またはペットの死、転校、両親の離婚、移住、転校、20代前後では親からの独立や恋愛関係の終始などがストレスとなりえます。アメリカ精神医学会のDSM-5によると、ストレス以外にも遺伝的な要因もあるのではないかといわれています。DNAが同じ一卵性双生児が生まれた場合、この疾患が双生児両方で発症する確率は73%です。そして女子ではさらに高い確率であるといわれています。医学的な診断名としては「選択性緘黙(せんたくせいかんもく)」と名付けられていますが、日本では「場面緘黙症」「緘黙症」と呼ばれるのが一般的です。◇症状他の状況では話すことができるにも関わらず、話すことが期待される特定の状況において一貫して話すことができなくなります。人によっては、家の中で家族や親しい友人とは話せるのに、学校に行くと話すことができなくなることがあります。そのような症状が一カ月以上続き、学業上、職業上の成績や対人コミュニケーションに悪い影響を与えてしまいます。◇不安恐怖の対象選択性緘黙の不安、恐怖の対象は、社会的交流、人と話すこと、人前で話すことです。◇原因この疾患の明確な原因はまだ分かっていません。原因の一つに考えられているのが性格です。過度な内気、否定的思考、強迫的傾向はこの疾患の原因となる可能性があります。さらに、親が管理的であったり過保護であったりする子どもは、そうでない子どもよりこの疾患を発症しやすいという研究もあります。不安障害を発症しやすい人の特徴出典 : 不安障害は、男性より女性の方が発症しやすいといわれています。以下のような特性の人は不安障害を発症しやすいという研究があります。・感受性が高い・自己評価が低く、自信がない・周囲の人を気にしすぎる・理想主義・完璧主義このような特性を持っている人は不安・緊張状態になりやすく、不安障害を発症しやすいと言われています。一方、発症した結果としてこのような特性が出たり、強まったりすることもあるとも考えられます。他者の反応が気になる傾向にあり、病院へ行きづらさを感じたり、病院へ行くこと自体を拒否してしまったりする人もいるようですが、治療を進めることで特性が和らぐこともあります。不安障害の相談先と治療先出典 : まずは、全国精神保健福祉センターや身近な精神科、心療内科へ行き相談しましょう。病院へ行くことに不安や恐怖を感じる方は、電話で相談から始めると良いでしょう。全国保健福祉センターでは相談ダイヤルが設置されており、時間は自治体によりますが、電話で相談できる環境が整っています。各都道府県、政令市には、ほぼ一箇所ずつ設置されている、精神保健に関する公的な窓口です。当事者活動の支援や組織化の手伝い、精神保健福祉に関する相談をすることができます。精神科医、臨床心理技術者、精神科ソーシャルワーカー、作業療法士、保健師、看護師などの専門職が配置されています。相談については、予約制、健康保険の適応があるところが殆どです。詳細は、それぞれのセンターにお問い合わせ下さい。以下はセンターの連絡先一覧です。全国の精神保健福祉センター一覧主に心の症状、心の病気を扱う科です。心の症状とは具体的に不安、抑うつ、不眠、イライラ、幻覚(幻視・幻聴など)、妄想などのことです。主にストレスと関連して現れた身体の症状を扱う科です。過敏性腸症候群やアトピー、喘息などを扱うこともあります。精神科、心療内科どちらに行ったらいいか迷う方もいらっしゃるかもしれませんが、不安障害の場合、身体にも心にも症状が出るので、どちらの診療科でも治療対象となります。不安障害の治療出典 : 治療法は、主に薬物治療と精神療法に分かれます。以下の治療法は一例です。疾患やその症状が様々であるように治療法も様々です。医師と相談の上で決めていきましょう。ここでは主に、社交不安症・社交不安障害(ICD-10では社交不安)の薬物療法について詳しく説明します。◇主に使われる薬・抗うつ剤(SSRI):抗うつ剤はうつ病への治療薬というだけでなく不安や恐怖の改善のためにも使用されています。不安や恐怖にかかわる脳内物質であるセロトニンを増やし、恐怖や不安を軽減します。・抗不安薬(安定剤):上記の抗うつ剤と違い、即効性があります。ですが、長期服用すると依存性と耐性が現れます。・漢方薬:漢方の中でも不安障害に効く薬がありますが、個人差が大きいです。なんらかの理由で上記の抗うつ剤が使えない場合などに用いられることが多いです。◇治療の流れ初めは抗うつ剤と抗不安薬を両方服用しながら、抗うつ剤を徐々に増やし、不安、恐怖心をなくします。抗うつ剤が十分な量まで増えたら、次に徐々に抗うつ剤を増やし、抗不安薬を減らします。これは抗うつ剤の効果が現れるのに時間がかかるためです。そして、完全に抗不安薬をなくします。そこから約一年、抗うつ剤を服用しながら、不安や恐怖の無い状態に慣れていきます。さらに詳しい薬物療法については比較的分かりやすく記載されている以下のサイトなどを参考にしてみてください。なんばながたメンタルクリニックせせらぎメンタルクリニック◇認知行動療法強いストレスにより、私たちの認知はゆがめられてしまうことがあります。それにより過度に不安感や恐怖心を抱き疾患を発症している可能性があります。認知行動療法ではストレスの原因である物や状況への捉え方を変えることでストレスを軽減していきます。◇曝露(ばくろ)療法曝露療法は、不安障害を発症している人が当然ながら避けようとする不安、恐怖に慣れて克服しようとする方法です。自ら、または家族や医師と一緒にその不安や恐怖を感じる場所やものに足を踏み入れ自分をさらしていきます。初めは大きなパニック発作や不安感、恐怖心を伴いますが、一歩踏み入れることができたという事実が自信につながり、徐々に自信を大きくし克服していきます。◇森田療法森田療法は、精神科医、森田正馬(1874~1938)によって創始された神経症に対する精神療法です。森田療法は、対人恐怖や広場恐怖などの恐怖症、強迫神経症、不安神経症(パニック障害、全般性不安障害)、心気症などが主たる治療の対象であり、これまでに高い治療効果をあげてきています。人間が本来もっている人間らしい欲望や不安、感情のメカニズムなどを医学的に解明―その理論にもとづき、「あるがまま」の心を育てることによって神経症をのりこえていくのが、森田療法です。日常生活でできること出典 : 生活習慣が乱れると精神状態は不安定になり不安が高まってしまいます。睡眠不足や栄養の偏りが続くと、いつもよりネガティブになってしまったり怒りっぽくなってしまったり、精神的に不安定になってしまいます。まず、決まった時間に寝起きし生活リズムを整えましょう。十分な睡眠は不安感や恐怖心を軽減させます。次に食生活を改善しましょう。脳へ十分、必要な栄養を送ることで不安感の高まりは軽減します。特に過度なアルコールは控えましょう。「リラックスなんて誰にだってできる」、と思うかもしれませんが、意識的に不安、恐怖を取り除くためにリラックスをすることは難しいです。不安がどうしても治まらないときに特別なリラックス法を知っておくと、不安や緊張を多少なりともコントロールすることができ、とても役に立ちます。こうしたリラックス法は、具体的に自立訓練法や呼吸法があります。本やDVDを用いて自分で習得することもできます。症状があるときだけでなく、定期的に行うのがよいでしょう。不安障害のある人のために、周囲の人はどう対応すべき?出典 : 不安障害を発症している人が周りにいる人は以下のことを気をつけ、その人を支えていきましょう。不安障害の克服のためには、その不安や恐怖に立ち向かう必要があります。そんな時、家族やパートナーなどの周囲のサポートは不可欠です。以下は、不安障害を発症している人と接する際、家族やパートナーが気をつけることです。・気持ちの問題と性格だと決めつけない・「頑張れ」と言わない・辛い時は休める環境を整え、安心感を与える・できないことがあっても責めないまとめ出典 : 不安障害の症状や原因は、その不安、恐怖の対象別に様々です。この記事では、『DSM-5』の診断基準に準じて、不安障害の種類別にその特徴を紹介してきました。不安障害のある人が、一人ひとりどのような不安、恐怖を抱えているかを考える参考にしていただければ幸いです。様々な症状と疾患がある分、治療法も多岐にわたります。性格の問題、気持の問題と決めつけずに精神科、心療内科などの専門家に相談し、自分に合った治療法を探していただければ幸いです。
2018年06月26日みんなの「弟」だった保育園時代Upload By shioriカムが子どもの集団に入ったのは保育園に入園した5歳のとき。未熟児で生まれたカムは、同い年の子に比べるととても小さく、一人で歩くのもおぼつかない状態でした。重い知的障害もあり、できないこともたくさん。そんなカムに対し、同じクラスの子たちは競い合うようにカムの世話をしてくれたり優遇してくれたり。それはもう、本当に可愛がられていました。みんなの弟状態でした。カムがお兄ちゃん!?可愛がられる。世話をしてもらう。常に「弟」役だったカムに、小さないとこができました。ゆったん(4歳)とワタル(2歳)。2年ほど前にゆったんの家族が同じ市内に引っ越して来て、そのすぐ後にワタルが生まれました。まだ赤ちゃんのワタルを見たカムは、この小さな子にどう接したらいいのか?この赤ちゃんはなんなのか?困惑している様子で、力加減も分からず、強くつかんでしまうことも…。ヒヤヒヤで目が離せませんでした。だけど、ワタルもヨチヨチ歩き始め、だんだんとしっかりしてきたころ、カムの様子が変わってきたのです。ワタルのお兄ちゃん・ゆったんにも優しかったカムですが、ワタルに対しても可愛いと思っているようで、ニコニコ笑顔で優しく接するようになっていきました。そして、このころのワタルは、ママの後追い真っ盛り。ママがちょっと出かけた間、大泣きのワタルをあやしていたら…Upload By shioriとにかく可愛いと思っている様子。扱い方も優しい。こりゃ〜ワタルにメロメロだな。その後、もともとゆったんにも優しかったカムは、2人のいとこにおもちゃを取られようが、大好きなバナナを取られようが、何をされても、この2人なら仕方ないか〜と寛大な対応。優しいお兄ちゃんのような姿を見せました。走るのも回るのも大好きなカム!しかし!狭い家の中でも走るの大好き、くるくる回るの大好きなカム。普段は優しく接していても、身体の大きなカムとヨチヨチ歩きのワタルがうっかりぶつかる!そんな衝突事故が起きてもおかしくない。そう思って注意して見ていました。すると…Upload By shioriなんと!ちゃんとワタルにぶつからないようにしている!カムにこんなことができるなんて!これも年齢差のある小さな子と接してみないと分からなかったこと。大きな発見でした。カムとゆったん、ワタルがそれぞれ成長した時、また新たな変化や発見を見せてくれるかもしれません。この3人のこれからが楽しみです。
2018年06月26日障害のある人に、さらなる活躍の場をUpload By 発達ナビニュース障害のある人たちの活躍の場は、今はまだ十分とは言えません。きちんと評価され、報酬を得られることが、障害のある人の自立にもつながります。そんな社会への一歩として開催されるのが「Paralym Art World Cup2018〜パラリンアート世界大会2018〜」です。参考:パラリンアート世界大会2018大会を通して、絵を描いてみようという心を育む、そして障害のある人が自分らしく描いた絵がきちんと認められる。さらにはアートだけでなく、さまざまな場面できちんと評価され、障害のある人が社会に参加し、自立できる社会へつなげていく――。そんな未来を志向し、開催される大会に、お笑いタレントとして活躍中の麒麟・川島明さんがアンバサダーとして就任しました。大会を開催するのは、一般社団法人障がい者自立推進機構。この機構は、障害のある方の社会参加と経済的自立を目的とした「パラリンアート」というアート事業を11年間にわたり運営しています。民間企業・個人の継続的な協力で障害のある方々の支援を行っている「パラリンアート」は、現在200社以上の企業から賛同を受けています。障害のあるアーティストが生み出す作品をさまざまな形で、世に送り出しているそうです。「パラリンアート」を通じ、多くの人が障害のある方が生み出すアートに魅了されている反面、日本国内で860万人、世界中では10億人にものぼると言われる障害のある人の活躍や挑戦の場は、まだまだ少ないというのが現状です。そんななか、障害のある人の活躍の場をさらに増やしていくことを目的として開催されるのが「Paralym Art World Cup2018〜パラリンアート世界大会2018〜」です。参考:パラリンアート第1回目の応募総数は、国内外合わせておよそ1,300!Upload By 発達ナビニュース「Paralym Art World Cup2018〜パラリンアート世界大会2018〜」は、第1回目の今回から、2020年までは日本で毎年開催。そして2020年以降は4年ごとにオリンピックが行われる国で開催が予定されています。今回のテーマは「祭り」。5月27日の締め切りまでに、国内外からおよそ1300作品の応募があったそう。これから実行委員会や各国大使館による一次選考を経て、審査員やスポンサーによる最終選考が行われ、グランプリや準グランプリ、その他各賞が8月までに決まる予定です。また、今回の審査員に名を連ねるのは、アンバサダーでもある川島明さん、書道家の金澤翔子さん、画家のDaniel Kellyさんや遠藤彰子さんなど錚々たる顔ぶれ。それぞれの感性がどのようなアートをグランプリに選ぶのかにも注目が集まっています。作品から感じた、想像を超える大きなパワーUpload By 発達ナビニュース記念すべき第1回目の「パラリンアート世界大会」のアンバサダーに就任した麒麟・川島明さん。もともと絵が好きで、絵の知見があること、またお笑いタレントという立場で発信力があるということから、川島さんのアンバサダー就任が実現したのだといいます。子どもの頃から絵が好きで、よしもとの芸人仲間と個展を開いたことがあるというほどの腕前だそうですが、今回の就任にあたり、障害のある方が描いた絵を見てとても驚いたといいます。「作品を通じてものすごいパワーを感じました。そのパワーは想像をはるかに超えていて、この才能が埋もれてしまっていたのだとしたら本当にもったいないですよね。これから、作者が思いのたけをぶつけて取り組んだ作品に出会えるのが楽しみです」(川島さん)そんな川島さんも、今回のテーマ「祭り」をイメージした絵を描きあげました。とにかく、明るく楽しく、そして何かが始まるというワクワクを絵に込めたといいます。世界中の人たちが、それぞれのスタイルで、でも一緒にお祭りを楽しんでいる様子はまさに「Paralym Art World Cup2018〜パラリンアート世界大会2018〜」のテーマそのもの。全て手描きで、鉛筆と筆ペン、水彩絵の具だけで描いたそうです。Upload By 発達ナビニュース一緒に絵を描き、そこで学んだことを伝えたいUpload By 発達ナビニュースこの大会のアンバサダーとして、ぜひ、障害のある方と一緒に絵を描きたいと話す川島さん。「絵を描くのは大好きなのですが、絵についての知識は、みなさんの方がずっとたくさん持っていらっしゃると思うんです。なので、いろいろ教えていただきたいという気持ちです。そこで教わったことを、お笑い芸人としていろいろな場所で話す機会が多いので、そこで伝えていきたいですね」(川島さん)また今回、海外からは、イランや東ティモールからの応募が多かったことにも驚いたといいます。いろいろな事情や政治的背景があり、その国の政府の手が障害のある人まで回っていないからと、大会にとても興味を持ってくれたことが、応募数に反映されたそう。「海外の方とは、言葉だと通じ合えないことがあるかもしれませんが、絵を通じてなら色々なコミュニケーションが取れるんだなと感じています。海外の障害のある方の絵からも、本当にたくさんのことを受け取りました。この先、機会があれば日本だけではなく、海外の方とも一緒に絵を描く機会があれば嬉しいです」(川島さん)「自分をアートで表現したい」そんな気持ちを後押しする大会へUpload By 発達ナビニュース子どもから大人まで、年齢制限は設けていない本大会には、多くの子どもたちも参加しています。川島さんの言葉のなかには、障害のある子どもを育てるお母さんへのメッセージもありました。「僕自身も育児中の身ですが、予想していなかったことがたくさん起きますし、うまくいかないことも多いです。障害のあるお子さんを育てられているお母さんやお父さんは、とても大変な思いをしていると思うんです。でも、どんな場面でも正解はなくて、でも、育てていること、それ自体は正解だなって感じています。多くの子を持つ親が、『しんどい』『辛い』『こんなことあった』って表現できる場がもっとあればいいのにと思います」(川島さん)そうやって大切に育てられている子どもたちのなかに、いつか「絵を描きたい!」「自分をアートで表現したい!」という気持ちが生まれるかもしれません。「パラリンアート世界大会」はそんな気持ちを後押しする大会へと今後大きく育っていくはず。その力になりたいと川島さんは話します。「この大会が大きくなればなるほど、『応募してみよう』『絵を描いてみよう』という気持ちになる方が増えるんじゃないかな。それがきちんと正当な評価や報酬に繋がることが一番大切だと思っています」「Paralym Art World Cup2018〜パラリンアート世界大会2018〜」の結果発表は8月。どんな思いが表現されている作品がチャンピオンに輝くのか、全世界が注目しています。また、この大会が数を重ねるたび、多くのアーティストや作品が誕生するはずです。川島さんもこれからが楽しみとのこと。お話からも、そのわくわくした気持ちがたっぷりと伝わってきました。取材・文:秋定美帆
2018年06月25日「あれ?ひょっとして音読できない…?」長女の発達が気になり、いつもの小児科へ…出典 : こんにちは。『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て』著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。今回は、グレーゾーンの娘のお話をしますね。小学校入学を心待ちにしていた娘。勉強もやる気まんまんで、ひらがなの練習も自ら進んでしていました。ところが、入学してしばらく経ったころのこと。宿題の教科書の音読が、ひらがな文があやふやで、ひと文字ひと文字拾い読み。「あれ?ひょっとして音読できない…?まあ、まだ小さいから、ひらがな読めない子も他にもいると思うケド…」なんせ、うちには字が書けない・漢字が覚えられないことで、本当に学習面でしんどい想いをしてきた長男がいます。もしかして、長女にもLD(学習障害/学習症)のうちの「ディスレクシア(読字障害/発達性読み書き障害)」の傾向があるのかもしれない…という不安が私の頭をよぎりました。そこで、まずは、「いつもの小児科」へ。うちでは、余程のことがなければ、子どもたちの発達面で気になることは、「いつもの小児科」で、カゼやアレルギー症状での受診のついでに、3人まとめてこまめに相談しています(そして「余程のこと」がある場合には、先生から専門病院に紹介状を書いて下さいます)。小さなころから娘の成長を見守り続けてくれた「いつもの小児科」の先生は、今までの成長の過程や、普段の娘の様子、他の病気との関連なども合わせて判断することができます。また、併設の内科で私も夫も時折診て頂くため、家族関係などもよくご存知の上、数多くのタイプのお子さんたちを毎日診続け、総合的な診察ができるので頼りになります。長女のように、乳児健診などで発達について特に何も言われなかった場合でも、もしも日頃のお子さんの様子から「あれ?」と疑問や不安を感じたら、まずは「いつもの小児科」で、気軽に相談してみるのがいいのではないでしょうか。「子どもの心の診療ネットワーク事業」国立成育医療研究センター娘は「発達の時差」があるだけなのかも…出典 : 「いつもの小児科」の先生は、「ひょっとして、娘にLDがあるのでは…?」という私の不安に対して、その場で絵本を読ませたり、口頭で簡単な計算問題などを出して、長女の様子(目の動かし方や、考える時間、話し方など)を観察し…「お母さん、これはね、全然大丈夫。心配いらないよ」と断言して下さいました。要するに、「これくらいであれば、通常の成長の個人差の範囲内」ということのようです。そして実際に、数ヶ月経った夏休みの最中に、娘はある時すっと、ひらがな文の音読がすらすらできるようになりました。娘は学習面では万事この調子で、「あれ?ココができないなあ」と思っても、成長を少しの間待てば、ゆっくり部分の発達も自然と育つことができるタイプのようでした。長女の発達のしかたは、発達の凸凹差が大きく「障害物」になっていた長男とはまた違っていて、部分的にほんの数ヶ月だけ、平均的な発達との間に「時差」があるだけなのかも…私はそう思うようになりました。これは、小さなころは同学年の4月5月生まれの子より、例え健全に成長していてもなんとなく2月3月生まれの子を幼く感じてしまう、「早生まれ・遅生まれ」の差に、似ているのかもしれませんね。だから、私は「自然な成長を待てば、娘の場合は問題なし!」と、気楽に構えることにしました。ところが娘自身は、次第に学習に対する自信と意欲を失いかけていったのです。その理由は、「定型発達(ニューロティピカル)」に合わせた、学校の授業進行にありました。「定型発達症候群って何?」NHK発達障害プロジェクト「こんなハズじゃないのに…」学校でできない体験を積んでしまう娘出典 : 親バカな私から見れば、娘はよく機転が利く、しっかり者の利発な子です。言葉も達者で話がとても分かり易いし、観察力が鋭く、うっかり屋の私や長男が探し物をしていると、「あ、それ、ゲンカンに落ちてたよ」なんて、いつも教えてくれます。ですから、決して「勉強のできない子」ではないと思っています。…ところが学校では、ゆっくり部分が育つまでの「発達の時差」の間に、長女は「できない体験」を積み重ねてしまいます。大半の子がひらがな文をスラスラ読めるころでも、つかえつかえ、シドロモドロになって、悔しくて泣き出してしまう。それが自然とできるころには、クラスは漢字学習に入っていて、また「漢字混じりの文が読めない」となってしまう。"それができるころ"には、みんなはまた次の学習に…常にこの繰り返し。算数も同様に、数唱も、足し算も、繰り上がりも、みんなからワンテンポ遅れた「時差」がありました。出典 : テストでも、ひらがな文が音読で読めるようになってからも、どの教科もトンチンカンな答えでペケばかり。「こえに出してよめば、イミは分かるんだけど、テストのときは、おハナシしちゃダメでしょ。でも、アタマの中でこえを出すのが、◯子、まだむずかしいから、えを見て『たぶん、こうかな?』って、こたえかいてるの…」と、娘は半ベソで訴えます。私は、長男の経験から、テストが何点でも本人を責めないようにしていますが、それでも「こんなハズじゃないのに…ホントはもっとできるのに…」と、負けず嫌いな彼女はどこか納得いかずにいる様子。6歳の娘にだって、小さなプライドはあるのです。ほんの数ヶ月待てば自然とできるのに、「ティピカルな発達」に合わせた教科書どおりの一斉授業では、いつまで経ってもクラスの中で「できない体験」が続いてしまいがちです。大人になれば、100歳も101歳も大した違いではありませんが、小さな子にとっては、ほんの数ヶ月の部分的な「発達の時差」が、大きな違いに感じられてしまいます。実は、「障害」という診断がつく程ではなくとも、この「発達の時差」によって、娘のように人知れず、悔しい想いやできない体験を積み重ねてしまうお子さんは、通常学級の中にも一定の割合いるようです。私にはむしろ、なんでもまんべんなく、平均的に育ってゆく子のほうが貴重だとすら思えます。そしておそらく、娘のこの「発達の時差」は、同級生たちが成長期の終わりを迎えるころには、ほぼ自然に解消されるものと予想されますが、その間の10数年、「できない自分」というイメージを抱えたままになってしまうのは、なんとか避けたいところです。そのために、私は「今」何ができるのでしょう。ほんの数ヶ月の「発達の時差」の間にできること出典 : まず、大事なのは娘が「自分に対する自信と、勉強に対する意欲を失わないこと」です。ここを護ってあげないと、自分に否定的なイメージができたり、本来理解力のある子であっても、勉強に対する苦手意識ができてしまったり、興味が持てずに学習機会自体が減ってしまい、本当の「学力低下」へとつながってしまう可能性があるからです。これは、グレーゾーンの子であっても起こりうる、学習面での「二次障害」だと、私は思います。経験上、これだけはなんとしても回避したいところ。そのために…出典 : まず、担任の先生が、長女のテストの点などの印象だけで、「勉強ができない子」「サボっている子」などのマイナスイメージを持たないように、私は保護者面談などで、次のように伝えました。「◯◯クリニックの先生に診察していただいたところ、娘は発達面での心配はないとおっしゃっていました。一学期はできなかったひらがな文の音読も、自然とできるようになりました。、本人も勉強に対する意欲が強く努力家なので、テストや宿題の直しもイヤがらずに家でも頑張っています。◯子は、こういう成長のしかたをする子のようです」お子さんの発達の特徴については、「お医者さんがこう言っていた」「検査結果ではこうだった」「臨床心理士さんのお話では…」など、お医者さんや専門家の意見や、客観的な「証拠」があると、理解してもらいやすくなると思います(必要に応じて文書化すると良いでしょう)。また、親の感情ではなく「事実」を伝え、できないことや心配なことよりも、できるようになったことや本人の意欲など、ポジティブな情報のほうが多くなるように伝えます。そして、診断がつく程でもないグレーゾーンの子であっても、「こういう成長のしかたをする子です」と伝え、それが「本人の努力不足」や「親の育て方のせい」などではなく、個性の一部であることを分かってもらえるまで、丁寧に説明するのがいいでしょう。出典 : また、ゆっくり部分に「発達の時差」がある間、本人は宿題にすごく時間がかかったり、今の学習単元の内容が難しく感じられると思います。この負担を減らすために、長男同様、長女の場合も「一時的に」ツールを使い、私も宿題サポートをしています。こういった、補助的なツールやサポートは、負担の大きな時期だけして、できるようになったら卒業すればいいのです。例えば、宿題の音読の負担が大きな時は、長女は「耳からの情報」は良く受け取れるので、・最初は私が文を一節ずつ読み、その後を長女が復唱する。慣れてきたら文章を次第に長くしていき、最終的には全部一緒に読む。(例:母「むかしむかし」娘「むかしむかし」→母「あるところに」娘「あるところに」→…)・よく読み間違えるところにラインを引いたり、単語を◯で囲ったりする(娘の好きな色でOK!)…など。この場合のポイントは、教科書の文字をペンや指でなぞりながら「文字と音をセットで入力し、体感して読む」ことだと思います。長女が字を目で追わずに、私の声だけを頼りに読んでいたなら、手を添えたり、「字も一緒に見てね」と声かけしました。お母さんやおうちの方が一緒に読んでくれるだけでも、負担感がずいぶん違うと思います。Upload By 楽々かあさん同様に、計算ドリルの宿題も、指やブロック、お菓子、ビーズなどは好きなだけ使って良いことにし、必要があれば、私の両手も両足も、その辺に寝転がっている次男の足の指も使いました(笑)。LDのある子に限らず、小さな子は数や量の感覚が未発達なことが多いので、「その子のタイミング」が来るまで、実物を見て、触って、確かめながら考えればいいんです。そして、長男の時の反省を活かし、長女が「宿題イヤだな、つらいな」とならないよう、「なるべく」明るく楽しいイメージでできるように心がけました(とはいえ、私もいつもニコニコしながら気長につき合えた訳ではありませんので、ご安心下さい)。そうしているうちに、「きょうは1人で読めるよ」「あ、これはユビつかわなくても、◯子わかる!」が増えてきました。出典 : そして、私の想像上の生き物である「フツーの一年生」とではなく、長女自身との比較で、「その子なりに」できるようになったこと、頑張れていること、小さな進歩などを、キモチ大盛り気味で伝えています。「最近、漢字が入ってる文も、読めるようになってきたね」「テスト、よくがんばったね。ペケのとこも意味は合ってるモン、かあちゃんならマルにしちゃう(長女の手のひらに◯)」「◯子は本当に丁寧でいい字を書くね。かあちゃん、この字大好き!」…とか。そして、学習以外のところでも、「◯子は本当に細かいことによく気がつくね。観察力がある証拠だね」「なるほど〜、さすが◯子の話は分かりやすい!賢いなあ(ナデナデ)」「◯子は踊りをすぐ覚えちゃうね。身体の動きの記憶力がいいんじゃない?」…などと、学校のテストや成績表には反映されにくい、長女のいいところ、すごいところ、素敵なところを、できるだけその都度言葉にして伝えるようにしています。長女が自分のことを肯定的に思え、好きでい続けられるのなら、私は喜んで親バカになります。たった一度の、わが子の育児です。謙虚さや奥ゆかしさが「美徳」とされる国であっても、親がわが子の素晴らしさを本人に伝えるのに、誰に遠慮することもありません。大人たちには「今」何ができるだろう出典 : 長女は今、宿題に進んで取り組み、教科書以外の勉強も自分で沢山発見しては、私に教えてくれます。それでも、「きょうはつかれてるから、がっこう休みたい。ママといっしょにいたい」と、くっついて離れないときもあります。学校のテストや成績表だけで、子どもが「自分は勉強ができない」と思い込んだり、進学を諦めたり、将来の夢が消えてしまったり、大人になっても「勉強=つらくて苦しいもの」と苦手意識を持ってしまうのは、あまりにもモッタイナイことだと、私は思います。「成長のしかたの違い」だけで、無限に広がるその子の可能性の芽が間引かれていかないように…。「個性の違い」だけで、未来を担う子どもたちのキラキラした瞳が曇らないように…。私たち大人には「今」何ができるでしょうか。
2018年06月21日子育て楽じゃありません
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