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「あれ?ひょっとして音読できない…?」長女の発達が気になり、いつもの小児科へ…出典 : こんにちは。『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て』著者・楽々かあさんこと、大場美鈴です。今回は、グレーゾーンの娘のお話をしますね。小学校入学を心待ちにしていた娘。勉強もやる気まんまんで、ひらがなの練習も自ら進んでしていました。ところが、入学してしばらく経ったころのこと。宿題の教科書の音読が、ひらがな文があやふやで、ひと文字ひと文字拾い読み。「あれ?ひょっとして音読できない…?まあ、まだ小さいから、ひらがな読めない子も他にもいると思うケド…」なんせ、うちには字が書けない・漢字が覚えられないことで、本当に学習面でしんどい想いをしてきた長男がいます。もしかして、長女にもLD(学習障害/学習症)のうちの「ディスレクシア(読字障害/発達性読み書き障害)」の傾向があるのかもしれない…という不安が私の頭をよぎりました。そこで、まずは、「いつもの小児科」へ。うちでは、余程のことがなければ、子どもたちの発達面で気になることは、「いつもの小児科」で、カゼやアレルギー症状での受診のついでに、3人まとめてこまめに相談しています(そして「余程のこと」がある場合には、先生から専門病院に紹介状を書いて下さいます)。小さなころから娘の成長を見守り続けてくれた「いつもの小児科」の先生は、今までの成長の過程や、普段の娘の様子、他の病気との関連なども合わせて判断することができます。また、併設の内科で私も夫も時折診て頂くため、家族関係などもよくご存知の上、数多くのタイプのお子さんたちを毎日診続け、総合的な診察ができるので頼りになります。長女のように、乳児健診などで発達について特に何も言われなかった場合でも、もしも日頃のお子さんの様子から「あれ?」と疑問や不安を感じたら、まずは「いつもの小児科」で、気軽に相談してみるのがいいのではないでしょうか。「子どもの心の診療ネットワーク事業」国立成育医療研究センター娘は「発達の時差」があるだけなのかも…出典 : 「いつもの小児科」の先生は、「ひょっとして、娘にLDがあるのでは…?」という私の不安に対して、その場で絵本を読ませたり、口頭で簡単な計算問題などを出して、長女の様子(目の動かし方や、考える時間、話し方など)を観察し…「お母さん、これはね、全然大丈夫。心配いらないよ」と断言して下さいました。要するに、「これくらいであれば、通常の成長の個人差の範囲内」ということのようです。そして実際に、数ヶ月経った夏休みの最中に、娘はある時すっと、ひらがな文の音読がすらすらできるようになりました。娘は学習面では万事この調子で、「あれ?ココができないなあ」と思っても、成長を少しの間待てば、ゆっくり部分の発達も自然と育つことができるタイプのようでした。長女の発達のしかたは、発達の凸凹差が大きく「障害物」になっていた長男とはまた違っていて、部分的にほんの数ヶ月だけ、平均的な発達との間に「時差」があるだけなのかも…私はそう思うようになりました。これは、小さなころは同学年の4月5月生まれの子より、例え健全に成長していてもなんとなく2月3月生まれの子を幼く感じてしまう、「早生まれ・遅生まれ」の差に、似ているのかもしれませんね。だから、私は「自然な成長を待てば、娘の場合は問題なし!」と、気楽に構えることにしました。ところが娘自身は、次第に学習に対する自信と意欲を失いかけていったのです。その理由は、「定型発達(ニューロティピカル)」に合わせた、学校の授業進行にありました。「定型発達症候群って何?」NHK発達障害プロジェクト「こんなハズじゃないのに…」学校でできない体験を積んでしまう娘出典 : 親バカな私から見れば、娘はよく機転が利く、しっかり者の利発な子です。言葉も達者で話がとても分かり易いし、観察力が鋭く、うっかり屋の私や長男が探し物をしていると、「あ、それ、ゲンカンに落ちてたよ」なんて、いつも教えてくれます。ですから、決して「勉強のできない子」ではないと思っています。…ところが学校では、ゆっくり部分が育つまでの「発達の時差」の間に、長女は「できない体験」を積み重ねてしまいます。大半の子がひらがな文をスラスラ読めるころでも、つかえつかえ、シドロモドロになって、悔しくて泣き出してしまう。それが自然とできるころには、クラスは漢字学習に入っていて、また「漢字混じりの文が読めない」となってしまう。"それができるころ"には、みんなはまた次の学習に…常にこの繰り返し。算数も同様に、数唱も、足し算も、繰り上がりも、みんなからワンテンポ遅れた「時差」がありました。出典 : テストでも、ひらがな文が音読で読めるようになってからも、どの教科もトンチンカンな答えでペケばかり。「こえに出してよめば、イミは分かるんだけど、テストのときは、おハナシしちゃダメでしょ。でも、アタマの中でこえを出すのが、◯子、まだむずかしいから、えを見て『たぶん、こうかな?』って、こたえかいてるの…」と、娘は半ベソで訴えます。私は、長男の経験から、テストが何点でも本人を責めないようにしていますが、それでも「こんなハズじゃないのに…ホントはもっとできるのに…」と、負けず嫌いな彼女はどこか納得いかずにいる様子。6歳の娘にだって、小さなプライドはあるのです。ほんの数ヶ月待てば自然とできるのに、「ティピカルな発達」に合わせた教科書どおりの一斉授業では、いつまで経ってもクラスの中で「できない体験」が続いてしまいがちです。大人になれば、100歳も101歳も大した違いではありませんが、小さな子にとっては、ほんの数ヶ月の部分的な「発達の時差」が、大きな違いに感じられてしまいます。実は、「障害」という診断がつく程ではなくとも、この「発達の時差」によって、娘のように人知れず、悔しい想いやできない体験を積み重ねてしまうお子さんは、通常学級の中にも一定の割合いるようです。私にはむしろ、なんでもまんべんなく、平均的に育ってゆく子のほうが貴重だとすら思えます。そしておそらく、娘のこの「発達の時差」は、同級生たちが成長期の終わりを迎えるころには、ほぼ自然に解消されるものと予想されますが、その間の10数年、「できない自分」というイメージを抱えたままになってしまうのは、なんとか避けたいところです。そのために、私は「今」何ができるのでしょう。ほんの数ヶ月の「発達の時差」の間にできること出典 : まず、大事なのは娘が「自分に対する自信と、勉強に対する意欲を失わないこと」です。ここを護ってあげないと、自分に否定的なイメージができたり、本来理解力のある子であっても、勉強に対する苦手意識ができてしまったり、興味が持てずに学習機会自体が減ってしまい、本当の「学力低下」へとつながってしまう可能性があるからです。これは、グレーゾーンの子であっても起こりうる、学習面での「二次障害」だと、私は思います。経験上、これだけはなんとしても回避したいところ。そのために…出典 : まず、担任の先生が、長女のテストの点などの印象だけで、「勉強ができない子」「サボっている子」などのマイナスイメージを持たないように、私は保護者面談などで、次のように伝えました。「◯◯クリニックの先生に診察していただいたところ、娘は発達面での心配はないとおっしゃっていました。一学期はできなかったひらがな文の音読も、自然とできるようになりました。、本人も勉強に対する意欲が強く努力家なので、テストや宿題の直しもイヤがらずに家でも頑張っています。◯子は、こういう成長のしかたをする子のようです」お子さんの発達の特徴については、「お医者さんがこう言っていた」「検査結果ではこうだった」「臨床心理士さんのお話では…」など、お医者さんや専門家の意見や、客観的な「証拠」があると、理解してもらいやすくなると思います(必要に応じて文書化すると良いでしょう)。また、親の感情ではなく「事実」を伝え、できないことや心配なことよりも、できるようになったことや本人の意欲など、ポジティブな情報のほうが多くなるように伝えます。そして、診断がつく程でもないグレーゾーンの子であっても、「こういう成長のしかたをする子です」と伝え、それが「本人の努力不足」や「親の育て方のせい」などではなく、個性の一部であることを分かってもらえるまで、丁寧に説明するのがいいでしょう。出典 : また、ゆっくり部分に「発達の時差」がある間、本人は宿題にすごく時間がかかったり、今の学習単元の内容が難しく感じられると思います。この負担を減らすために、長男同様、長女の場合も「一時的に」ツールを使い、私も宿題サポートをしています。こういった、補助的なツールやサポートは、負担の大きな時期だけして、できるようになったら卒業すればいいのです。例えば、宿題の音読の負担が大きな時は、長女は「耳からの情報」は良く受け取れるので、・最初は私が文を一節ずつ読み、その後を長女が復唱する。慣れてきたら文章を次第に長くしていき、最終的には全部一緒に読む。(例:母「むかしむかし」娘「むかしむかし」→母「あるところに」娘「あるところに」→…)・よく読み間違えるところにラインを引いたり、単語を◯で囲ったりする(娘の好きな色でOK!)…など。この場合のポイントは、教科書の文字をペンや指でなぞりながら「文字と音をセットで入力し、体感して読む」ことだと思います。長女が字を目で追わずに、私の声だけを頼りに読んでいたなら、手を添えたり、「字も一緒に見てね」と声かけしました。お母さんやおうちの方が一緒に読んでくれるだけでも、負担感がずいぶん違うと思います。Upload By 楽々かあさん同様に、計算ドリルの宿題も、指やブロック、お菓子、ビーズなどは好きなだけ使って良いことにし、必要があれば、私の両手も両足も、その辺に寝転がっている次男の足の指も使いました(笑)。LDのある子に限らず、小さな子は数や量の感覚が未発達なことが多いので、「その子のタイミング」が来るまで、実物を見て、触って、確かめながら考えればいいんです。そして、長男の時の反省を活かし、長女が「宿題イヤだな、つらいな」とならないよう、「なるべく」明るく楽しいイメージでできるように心がけました(とはいえ、私もいつもニコニコしながら気長につき合えた訳ではありませんので、ご安心下さい)。そうしているうちに、「きょうは1人で読めるよ」「あ、これはユビつかわなくても、◯子わかる!」が増えてきました。出典 : そして、私の想像上の生き物である「フツーの一年生」とではなく、長女自身との比較で、「その子なりに」できるようになったこと、頑張れていること、小さな進歩などを、キモチ大盛り気味で伝えています。「最近、漢字が入ってる文も、読めるようになってきたね」「テスト、よくがんばったね。ペケのとこも意味は合ってるモン、かあちゃんならマルにしちゃう(長女の手のひらに◯)」「◯子は本当に丁寧でいい字を書くね。かあちゃん、この字大好き!」…とか。そして、学習以外のところでも、「◯子は本当に細かいことによく気がつくね。観察力がある証拠だね」「なるほど〜、さすが◯子の話は分かりやすい!賢いなあ(ナデナデ)」「◯子は踊りをすぐ覚えちゃうね。身体の動きの記憶力がいいんじゃない?」…などと、学校のテストや成績表には反映されにくい、長女のいいところ、すごいところ、素敵なところを、できるだけその都度言葉にして伝えるようにしています。長女が自分のことを肯定的に思え、好きでい続けられるのなら、私は喜んで親バカになります。たった一度の、わが子の育児です。謙虚さや奥ゆかしさが「美徳」とされる国であっても、親がわが子の素晴らしさを本人に伝えるのに、誰に遠慮することもありません。大人たちには「今」何ができるだろう出典 : 長女は今、宿題に進んで取り組み、教科書以外の勉強も自分で沢山発見しては、私に教えてくれます。それでも、「きょうはつかれてるから、がっこう休みたい。ママといっしょにいたい」と、くっついて離れないときもあります。学校のテストや成績表だけで、子どもが「自分は勉強ができない」と思い込んだり、進学を諦めたり、将来の夢が消えてしまったり、大人になっても「勉強=つらくて苦しいもの」と苦手意識を持ってしまうのは、あまりにもモッタイナイことだと、私は思います。「成長のしかたの違い」だけで、無限に広がるその子の可能性の芽が間引かれていかないように…。「個性の違い」だけで、未来を担う子どもたちのキラキラした瞳が曇らないように…。私たち大人には「今」何ができるでしょうか。
2018年06月21日吃音当事者のインタビューからまとめた『どもる体』を伊藤さんが語るUpload By 発達ナビニュース2018年6月に刊行された『どもる体』は医学書院のシリーズ「ケアをひらく」の新刊。著者の伊藤亜紗さんは、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授で、これまでに『目の見えないアスリートの身体論』(潮出版社)など視覚障害に関する著書も手がけています。吃音を題材とした今回は、伊藤さんが吃音当事者8人に丁寧にインタビューし、調査したことなどをまとめています。「しゃべりにくさ」という目や耳でとらえられる表面的なことで語られがちな吃音ですが、「連発」「難発」などの症状がある時、体の中では何が起きているのか。「治る/治らない」という考え方から離れ、これまでとはまったく違う身体的なアプローチで「どもり」の背景に迫ります。今回のイベントは、刊行から間も無く開催されたため、「予習なしでもOKなゼミ」と銘打って開催されました。会場は満員です。前半は、書籍の内容に沿って、吃音の症状とその時に体や心の中ではどんな動きがあるのかをインタビューした当事者の声を交えて紹介しました。しゃべりにくさという表面の問題だけではない、根っこの深い「吃音」Upload By 発達ナビニュース伊藤さんが考える「しゃべる」ための要素は、「自分の体」「言葉」「社会(環境)」の3つがあり、その中心に「しゃべるわたし」がいて成り立っています。伊藤さんは、自身に「母親」や「大学の教員」としての人格があることに触れ、「みんななんらかの人格があって、それぞれの社会的な要因の上で、演技をしてしゃべっている」と話していました。それは、本当は言いたくないことでも、立場上言わなければいけなかったりすることで、「自分と言葉にギャップが生まれる」ということです。さらに重要なのは「ギャップはできるけど、本当の自分の確固たるものが存在するのでなく、ギャップとともに自分が形成されていくというのがしゃべるということ」なのだと言います。これは吃音のある人に限らず、誰にでも当てはまることです。吃音については、代表的な症状として最初の音を連続して言う「連発」、最初の音が出ない「難発」があることを解説。「難発」は息が詰まるような苦しさが体にあるのに対し、「連発」はとても楽な状態だといいます。しかし、会話をする上ではいずれも困りごとの原因です。「連発」を避けようとする"対処"が最初の音が出てこない「難発」を誘い、その後、出てこない言葉を別の言葉に置き換える「言い換え」を習得する人も少なくないそうです。こうした過程が、幼少期には20人に1人と言われる吃音が成人では100人に1人まで少なくなる要因ではないかと考えられます。しかし、「言い換え」は工夫であって表面的に流暢に話すことができているだけに過ぎません。言葉を常に探していたり、「この言葉は言えないからこれにする」というパターンを追っている状態で、体の中はどもり続けているのです。さらに、言い換えによって生じる「本当に言いたいことを言えない自分」を受け入れられる人と、そうでない人に分かれます。伊藤さんがインタビューした当事者の中には、言い換えをやめ、再び連発になってでも「本当の自分」を取り戻した、と語る人もいました。言葉の問題と思われがちな吃音ですが、その根っこは、もっと深いところにあるようです。「そのしゃべりやすさの理由は?」──和やかに議論が飛び交ったゼミ後半はゼミ形式で参加者が議論しました。参加者に配られた紙には、次のような質問が並んでいました。Q以下のそれぞれの選択肢のうち、どの状況がいちばんしゃべりやすいですか。また、なぜそう感じるのか、理由も教えてください。[1]指名されて発言/指名なしで発言[2]台本あり/台本なし[3]対面/電話/スカイプ[4]30人の前で話す/1台のカメラに向けて話す[5]開会のあいさつ/演劇[6]パワポでプレゼン/アバターで実況中継みなさん、自分の「しゃべる」ことについて真剣に考えていました。そして、伊藤さんによるゼミが開始。それぞれの設問で当てはまる回答に参加者が手を挙げ、伊藤さんが「それはなぜ?」と質問していきます。[1]で「指名なし」を選んだ男性は「指名されて発言するときは『ストライクを投げないといけない』感じ。指名なしだとみんなで一斉にやる『玉入れ』みたいな。外れても構わない感覚がある」と例えていました。[3]でスカイプ派だという女性は「まずいことがあっても何か飛んでくることがない。テレビみたいな遠い世界を見ている感じ」と話していました。「声」は目に見える形としては存在しません。一人ひとりの中に感覚としてあるしゃべりやすさの条件がとてもユニークに語られていきました。伊藤さんは「なるほど!」「面白い」と意見を汲み上げながらも、最後には「理由を聞いてはみたけど、みんな合理的じゃない」と言い放ち、会場は笑いの渦に。「その人の何年分ものしゃべりの蓄積の結果論であって、普遍性がない世界」、「みんな言っていることが違う。多様であることをのっける枠組みはつくれるけど正解はない。身体を研究するというのはこういうことだなってつくづく思った」と研究のエピソードを語って締めくくりました。会場にいた人たちの声Upload By 発達ナビニュース伊藤さんが「リズムがあって、かっこいい連発なんですよ」と紹介した八木智大さん(25)。『どもる体』にも登場していて、この日のイベントに駆けつけました。八木さんにとって連発は、次の言葉に繋がる音を手探りしている感覚だそうです。会場からは「吃音の人と会話をしたことがなくて。最後まで話したいことを言うのを待っていたらいいですか」と質問があがりました。それに対し八木さんは、「ほとんどの人は自分が言い切るのを待ってくれる。吃音の本にもそれがいいと書いていることが多い。でも僕は言えないでいる時は、待たずに『こういうこと?』って言って欲しい」と回答。しかし、八木さんも最初からそう思っていたわけではありません。高校生のころまでは、先に言われてしまうと「言えなかったションボリ感」があったそうです。大学生になり、吃音で悩まなくなってから心境も変わったといいます。「どもる」こと自体は変わらなくても、吃音との距離感が変わっていった八木さん。最後まで待ってほしい人と、言葉を汲んでほしい人がいる訳でなく、同じ人の中でもその時々によって変化していくようです。八木さんの言葉の一つひとつに、参加した人達は耳を傾けていました。伊藤さんのデビュー作から読んでいるという細江幸世さん(53)。本に登場する1人の吃音当事者の方から「インタビューを受けて、自分がこんなふうに考えていたんだって分かった」と言われて興味を持ち、イベントに参加しました。仕事では子ども向けの本をつくっていて、言葉と体について考えることも多いそうです。「伊藤さんがどんなふうに研究をしているのかも分かって面白かった。本の中でインタビューを受けていた方の幼少期のことなど考えを広げながら、新しい知見を仕事にも生かしたい」と感想を話してくれました。まとめUpload By 発達ナビニュース特に来場者が自分の考えを率直に語ったゼミの時間は、「へえー」「あるある」といった相槌もあれば、吃音当事者の思わぬ本音に笑いが起こることも。「吃音」という一つの障害をテーマに語る場としては意外なほど、穏やかで温かい空気に包まれていました。「しゃべる」ということはそこにいる全員に共通する身体運動であるということが、吃音のある人、ない人の距離を埋めてくれているのだと思いますが、本来、障害やコンプレックスを話すときにはこれくらいの空気感がいいかもしれないと思わずにはいられない時間でした。「治る/治らない」という議論ではなく医学的、心理的とも違った新しいアプローチで吃音に迫った『どもる体』。障害のある人や障害が身近でない人をつなぐ架け橋のヒントになるようなイベントでした。東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授。専門は美学、現代アート。生物学者を目指していたが、大学3年次より文転。東京大学大学院人文社会系研究科美学芸術学専門分野博士課程修了(文学博士)。研究のかたわらアート作品の制作にもたずさわる。主な著書『目の見えない人は世界をどうみているのか』(光文社)、『目の見えないアスリートの身体論』(潮出版社)など。
2018年06月21日双子を可愛がってくれた、ひいおじいちゃん今年の桜は例年より早く咲き、本来ならまだ満開であろう時期に散っていきました。時を同じくして4月の初め、わが家の双子を可愛がってくれたひいおじいちゃんが亡くなりました。双子とひいおじいちゃんの関わりは深く、以前、コラムにもその様子を書いていました。連絡を受けた時、私はしばらく呆然としていました。頭の中には長男の頭を撫でてくれていたひいおじいちゃんの姿が駆け巡ります。知らぬ間に涙があふれ、私の隣りでは次男が悲しそうな顔をして膝を抱えていました。楽しそうにテレビを見ている長男に「ひいおじいちゃん、死んでしまったよ。もう二度と会えないんだよ」と告げました。けれど長男はぽかんとして私の顔を見つめ、またテレビへと視線を戻しました。長男は死というものがどういうものか分かっていなかったのです。Upload By シュウママ不安もある中、子どもたちと葬儀へ参列することに葬儀には、子どもたちも一緒に参列しようと思いました。2人を大切に思ってくれたひいおじいちゃんのもとへ、どうしても連れて行きたかったのです。そうは言っても、本当に大丈夫だろうか、長男は騒いだりしないだろうかーー。乗り込んだ新幹線の中で不安が募ったことを覚えています。Upload By シュウママパニックになってもおかしくない中、意外だった長男の姿初めて入る葬儀場、そして大勢の人。長男にとってはパニックを起こす要素だらけの状況です。Upload By シュウママ通夜がしめやかに営まれている間、私は多動の長男が騒ぎ出したりしないかと気が気ではありませんでした。ところが予想に反して、長男は握り締めた手を膝の上に置いて、きちんと座っていました。ひいおじいちゃんの遺影を見ながら、感じるものがあったのでしょうか。長男はじっと写真へと視線を注いでいたのです。Upload By シュウママなぜひいおじいちゃんはこの場にいないんだろうという寂しさがあったのかもしれません。周囲に漂う重い空気を察したのかもしれません。どちらにせよあの瞬間、長男はひいおじいちゃんの不在を心の底から哀しんでいたのです。長男にとって、ひいおじいちゃんはやはり特別な人だったんだと改めて感じました。ふっと2年前、最後にひいおじいちゃんと会ったときのことが蘇りました。長男を丸ごと可愛がってくれた長男が言葉を話せなかった7歳ごろは、頻繁に癇癪を起こしていました。それは夏休みに私の実家に帰省した時も同じでした。些細なことで泣き出す長男に対し、ひいおじいちゃんは「シュウの頭の中には言葉があふれているよ」と優しく言い続けてくれました。そして冬休みに再び帰省した時のことです。皆と楽しい時間を過ごし、いよいよ家に帰る日。「また会おうな」と言って頭を撫でてくれたひいおじいちゃんに向かって、長男は「バイバイ」と言って手を振ったのです。その瞬間、ひいおじいちゃんは驚いた顔をしてぼろぼろと涙をこぼしました。これが初めて長男がひいおじいちゃんに向かってしゃべった言葉だったのです。言葉があふれているよーーそう励ましてくれたひいおじいちゃんは、誰よりも長男の力を信じてくれていました。でも本当は話さない長男のことを誰よりも心配していたのだと思います。人前で決して泣くことのなかったひいおじいちゃんが、長男のために流した涙。その優しさは長男の心に届いていたのでしょう。Upload By シュウママ長男が葬儀の席で静かに見送ることができたのは、ありったけの愛情で包んでくれたひいおじいちゃんに必死で応えたからだと思います。愛された記憶は、長男の心の中に宝物のようにしまわれているのかもしれません。葬儀に参列できたことで、改めてひいおじいちゃんの残してくれた優しさが心に沁みていきました。そしてそれは長男も同じだったんだということに気づかされて、悲しみが少しだけ癒されていくのを感じたのです。
2018年06月20日司馬理英子先生の新刊を記念して行われた、トークイベントを取材!Upload By ひらたともみUpload By ひらたともみ6月2日に紀伊国屋新宿本店で行われた、『わたし、ADHDガール。恋と仕事で困ってます。』の出版記念トークショーに行ってきました!発達障害のある子どもや女性のためのクリニックの院長である、精神科医・司馬理英子先生による著書の出版を記念して開催されたこのイベント。司馬先生と、自身もADHDがあり、発達障害がある3人のお子さんを育てる笹森理絵さんのトークが聞けるうえ、モデレーターは発達ナビの鈴木編集長が!イラストレーターひらたともみがこのイベントを取材!そこで見えてきたのは、生きづらさと共存する苦悩でした――。イベントでは、ADHDのある女性の特性と悩み、解決法が語られて…!Upload By ひらたともみADHDと聞くと、みなさんどんなことを想像されますか?今から20年近く前にテレビで、一人の主婦が高校生の息子のお弁当づくりで早起きしても間に合わず、毎日お昼ギリギリに、息子さんの高校まで届けてるという、ドキュメンタリー番組を観ました。その女性は毎日5時に起床し、息子のお弁当をつくろうとするのですが、途中で庭の花壇の水やりをしたり、ニュース速報に手が止まったり、砂糖をこぼして掃除機を出したと思ったらそのまま部屋掃除を始めてしまったり…。時間だけがどんどん過ぎて、息子の朝食の準備すら間に合わないという毎日で、本人も家族も悩んでいました。今思えば彼女には発達障害があったのかもしれません。私の中でのADHDのイメージは、片づけられない、手際が悪い、ケアレスミスが多い…くらい。今回、司馬先生と笹森さんの分かりやすいトークを聞いて、特性による人間関係の悩みにも気づくことができました!Upload By ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみ片づけられないことばかりが取り上げられがちなADHDですが、『わたし、ADHDガール。恋と仕事で困ってます。』(東洋館出版社)では、多動性や衝動性による不注意で起こる人間関係でのトラブルや、恋愛の問題を回避するコツなどに触れられています。イラストとマンガ、そして川柳で誰にでも分かりやすく解説され、ADHD当事者はもちろん、ご家族や支援者にもオススメしたい1冊です。ちょっとうっかりしがちな私のような人にも、解決のヒントが楽しく描かれています!Upload By ひらたともみUpload By ひらたともみ発達ナビでの告知後、わずか数日で満席となったこのイベント。司馬先生のトークの軽快さやあたたかさにほっこりし、笹森さんの経験談に泣いたり笑ったり…あっという間の2時間でした!そして帰路…。人柄というものは著書にでるんだなぁ~と、この本を読みながら電車で一人唸った私でした…。2018年6月14日(木)発売、司馬理英子著、東洋館出版社刊。冒頭では、コミック形式で特性の概要が紹介されていたり、本文中でも気をつけたいポイントが川柳で紹介されるなど、読みやすくまとまっています。ADHDがあることで悩んだり困ったりしている人にぜひ参考にしてもらいたい1冊。
2018年06月19日寝かしつけが大変な子どもだったUpload By かなしろにゃんこ。ADHDの特性からか、起きている間は楽しいことに全力で活動したりワクワクすることを探したりと、休まず動きまわっている息子。また、うまくいかなくてイライラしていると、布団に入る時間になっても興奮して寝るどころじゃない…と、寝かしつけに手がかかる子でした。毎晩の夜泣き。真夜中に散歩に出かける日々…Upload By かなしろにゃんこ。赤ん坊のときは、夜泣きは毎日。寝かしつけても2時間おきに目を覚ましては泣くので、真夜中にふらふらになりながら散歩に出かけなければいけませんでした。その上、火がついたように大声で力いっぱい泣くので、まぁ近所迷惑!!体をこわばらせて、どこからこんな声が出てくるの?と思うくらい、全力で泣いてくれちゃいます…。小さな体のどこに、こんなエネルギーがあるのだろう?といつも思っていました。部屋中に張り巡らせた手づくりメリーで気づいたことUpload By かなしろにゃんこ。市販のメリーはすぐ飽きてしまい、見向きもしなくなった息子。部屋の中のかわり映えのしない景色にうんざりして、ぐずってしまいます。そこで、何か寝かせていても楽しめるものを用意しようと、部屋の中に何本ものロープを張って、そこにオモチャをぶら下げて揺らして眺められるようにしました。吊るすオモチャは息子が飽きないよう頻繁に取り替えて、ロープを伸ばして遠隔でおもちゃをゆすれるように工夫すると、息子は部屋中に張り巡らされた手づくりメリーを眺めて、ようやく落ち着くようになりました。このおかげで、私自身、家事と育児が楽になっただけでなく、精神的にも落ち着けた気がします。そしてまた、息子は好奇心が強く「新しいもの、揺れるもの、不規則な動きのあるもの」を見ると落ち着くのだとわかりました。光るものやキラキラしたものに癒される!?Upload By かなしろにゃんこ。幼児期から児童期にかけては、モーションライトという動きのある照明や、キラキラしたものなどを用意すると、喜んで眺めるようになりました。手に取ってカラーオイルの流れを自分で操作できるオイルタイマーなどは、特にお気に入りでした。それが、自閉症のある子が眺めて穏やかな気持ちになるアイテムだと知るのは15年後のことでしたが…。ある日のこと、保育園でイライラすることがあったのでしょう。家に帰ってきてオモチャに当たり散らすので、ストレスを和らげて穏やかに眠れるようにと、寝室で星型のライトを点けてあげました。すると、ぐずっていた息子が徐々に落ち着き、ライトをぼんやりと眺め始めたのです。最強の寝かしつけグッズに出合えた!Upload By かなしろにゃんこ。息子は、動く灯りを眺めているときは大人しくなるのだと実感しました。ぼーっとする時間は疲れた脳を休ませてストレス解消になったり、日中に体験した物事を整理することができていたのかもしれません。ぼんやりと一点を眺めている息子の姿を見て、今日あったことを振り返っているのか?またまた何か新しい空想の世界に飛び立とうとしているのか?落ち着いている様子から、心が鎮まっているのだと感じました。ようやく出合えた、息子にぴったりの寝かしつけグッズ!光るアイテムで特別な空間を演出して、イイ感じに眠りに誘導できた日は嬉しいものでした♪大人になった今も、癒されていた…!Upload By かなしろにゃんこ。息子が小さいころ使っていたモーションライトがまだ動くのか、久々に灯りを点けていたら、現在20歳の息子が居間にやってきて懐かしそうに眺め始めました。そしてパンを食べながら、久々にぼーっとしているではありませんか!あのころのかわいい寝顔はなく…アホ面でうっとりしています。幻想的なライトを灯して、久々に癒しの時間を楽しもうと思います。
2018年06月18日兄弟を両肩に乗せてくれる、力持ちな父出典 : 父は若いころ漁師をやっていたため、がっしりとした体格でした。私と兄が小さい頃は、右肩に兄、左肩に私を乗せて遊んでくれたものです。サングラスをかけるとなかなかの強面。駐車場でトラブルになりかけたとき、相手の車の人が勢いよく車から出てきたと思ったら、父の顔を見るなり回れ右をしてすぐ車に戻り走り去って行ったというような逸話があるほどです。知らない人から見たら、一見怖そうな父ですが、私たち兄弟に手をあげたことはありません。しかし、たった1度だけ叩かれた記憶があります。優しかった父が、1度だけ私を叩いた理由出典 : 私が小学校に入る少し前のこと。当時の私は気に入らないことがあると、すぐ他の子どもを叩いてしまいました。そのことで、幼稚園から連絡があったのでしょう。ある日、父は私を居間に呼び出して目の前に座らせ、バシッ!と私の頭を叩きました。いつも優しい父に突然叩かれ、私は痛さとショックで動けませんでした。そんな私に、父は「叩かれると嫌な気持ちになるだろう?だから他の人の頭を叩いちゃだめなんだ」と言ったのです。父に叩かれた時の衝撃は、とても嫌なものでした。そしてまた、他の人にとっても叩かれることはとても嫌だと気づきました。それ以来私は誰かを叩くということはなくなりました。不登校になった私は、だんまりを決め込んだ出典 : 小学校高学年になったころ、私は不登校になりました。そのころ父は出張が多く、ほとんど家にいませんでした。ふだん私の対応をするのはもっぱら母でした。父はたまに帰って来ては「今のうちからこんなに休んで、将来どうやって食っていくつもりなんだ?」と言ってきました。そんな言葉をかけられた私は下を向きじっとしていたり、いたたまれなくなって自分の部屋に逃げ込んだりしていました。それが面白くないのか、父の私に対する言い方が徐々に厳しくなっていき、「本当にそれで生きていけると思ってるのか?」「考えが甘い」「世の中が見えてない」と言われるようになっていきました。私は反論する気力もなく、だんまりを決め込むようになりました。このころは、父とほとんど話をしていなかったと思います。アウトドア派の父が、私を外に連れ出すようになって出典 : 「父親の言い方がきついのはあなたにもっと反発して欲しいからだ」と母親に言われるも"ガス欠状態"だった私。そのことが伝わったのか、少しずつ父の態度も変わってきました。それまでは私にプレッシャーをかけ、責めるような言い方が多かったのですが、「休むのはいいけれども、将来どうやって生きていくのかは考えておかなきゃいけないよ」と優しい口調になったのです。たまに職場に連れていってくれて、父が働いている姿を見せてくれることもありました。当時の私は「家でゆっくりしていたいなぁ」なんて思っていましたが、今考えてみると働くことがどういうことなのかを父なりに私に見せたかったんだろうと思います。他にも父の趣味である釣りに連れ出してくれたり、いつの間にかテントを手に入れてキャンプにも行くようになりました。当時、同級生から「学校休んでるのになんで外で遊んでるの?」と言われるのが嫌でほとんど外に出ない生活をしていました。さらに、かなりのインドア派であまりアウトドアは好きではないのが正直なところです。しかし、父が外に連れ出してくれて、過ごした時間はいい気分転換になっていました。父の買ってくれた1冊の技術書が、今の自分につながる出典 : 中学校になり不登校も落ち着いてきたころ、父も出張ばかりだった仕事が一段落して、よく家にいるようになりました。そのころに、口を酸っぱくして言われたのが、「とにかく手に職をつけろ」ということでした。「プログラマーになりたい」と思いはじめていた私にとって、父の言葉は心に自然に刻まれました。高専に入学したばかりのころだったでしょうか、父親と本屋に行く機会がありました。書店で、私がとある技術書をじーっと見ていたところ、父はその本を手に取り「しっかり勉強しろよ」と言って買ってくれました。わが家は裕福ではなかったし、技術書はそれなりの値段がしました。父が使えたお小遣いの結構な割合を占める買い物だったと思います。そして、それは私にとって初めて手にした技術書でした。その本に書いてあったことをみっちり勉強するところから、私の技術者人生は始まりました。今でこそ数十冊の技術書を持っていますが、この時父に買ってもらった1冊は大切に本棚にしまってあります。大人になった今、困ったことを相談できる人生の先輩に出典 : 一時は気まずい雰囲気もあった私たち親子ですが、社会人になってから、困ったことがあったりすると父に相談していました。うつでつらい状況になった時も「そんな会社辞めて少し休め」と言ってくれました。その一言に背中を押され、当時勤めていた会社を辞める決心をしたことを覚えています。その言葉のおかげで、ゆっくり休め、現在の会社で希望の職に就き、働けるようになったとも感じています。たまに帰省すると、仕事の近況を話したり、アドバイスをもらったり、時には父の政治についての愚痴を聞いたりして過ごします。保護者の皆さんの中にも、不登校の子どもとどう接していいのか困惑している方がいるかもしれません。父が私にしてくれたことすべてが「正解例」というわけではありませんが、外へ積極的に連れ出してくれたこと、将来のために本を買い与えてくれた父の不器用な優しさがあったからこそ、今の私につながっているということを伝えたいと思います。
2018年06月15日父親として自閉症がある息子の子育てに向き合う出典 : もうすぐ父の日ということで、父親としての自分の思いや考えを振り返ってみました。母親の立場からは考え方や悩みの観点が違うこともあるかもしれません。父親なりのお話をできればと思います。私は自閉症児の父親として、心に決めていることがあります。息子の障害が分かった当時から想定していたこともあれば、日々の生活を過ごす中で見出した部分もあります。家族を持つ男性として「当たり前」のようなことも、障害という現実によって「当たり前」と思えなくなるケースもあるだろうと考えてお伝えします。自閉症児の父親として心に決めている3つのこと出典 : つ目は、自分から情報収集して自閉症をより理解することです。私の主な手段はテレビや本、WEBサイトやSNSです。本は図書館などで借りれば無料ですので、気兼ねなく情報収集ができます。WEBサイトでは、個人ブログの場合、療育の実体験や症状について知ることができます。また、発達障害などの専門サイトは日本の制度や社会情勢、新しい動向や特徴的な事例などもよくチェックしています。子どものために参考になることが多く、定期的に見るようにしています。情報を得ることがなく、「何も知らない状態」というのは、余計な不安を感じたり希望を見出せなくなったりしてしまうと考えています。私自身が、そうだったからです。3歳頃に自閉症と言われた当時の息子は、話すことはもちろん、目を合わせることもできない状態でした。そのまま容姿だけが年を重ねていくものだと考えてたため、将来の不安や成長しない(と思っている)ショックはとても大きなものでした。でも、情報を集めたことで少しずつ自閉症の全体像が見え、息子が成長することが分かって前向きになることができました。特に大きかった「発見」は、重度の自閉症でありながら小説家として活動をしている東田直樹さんを知ったことでした。東田さんは息子と同じように手をかざす、ジャンプする、急に動く、歌うなどの症状がありました。しかし、自らパソコンをタイピングして小説の執筆をするだけでなく、文字盤を利用してリアルタイムで人と会話をしていました。特徴的なケースかもしれませんが、当時の私には大きな希望でした。東田さんの姿を通して、わが子の自閉症という障害を理解し、受け入れることができたのだと思います。今後も年齢など息子のステージが変わるにつれて、初めての経験や知らないことが増えていくでしょう。意識的に自閉症やその周辺のことを知ろうとする努力を続けていきたいです。2つ目は、妻のことを意識して気に掛けることです。「夫なら当たり前だ」と思われるかもしれませんが、息子に障害があることが分かり、より意識が高くなりました。ただでさえ大変と言われる子育てです。障害があり、生きにくさを感じることがある子どもを育てていくのは、とても困難が多いだろうと診断された時に覚悟しました。特に考えたのは、精神的な負担です。私は仕事で外に出ていることが多いため、ずっと妻が中心となって子どもを見てくれています。息子と街中を移動する時の周りの視線、保育園や学校に行った時の先生の反応のほか、さまざまな場面で健常児との違いを感じて、落ち込んだり悲しくなることがあり得ると想定しました。そして、それらは実際に全て起こりました。そんな時は、仕事が立て込んでいたり、疲れていたとしても、妻の気持ちが落ち着けるようにできる限り話を聴く時間を取るようにしてきました。妻から話かけてくれることもありますし、明らかに気分が落ちている時はこちらから聞くようにしています。アドバイスや無理に共感するというよりはとにかく話を聴くことが大切。ひと通り話を聴いた後に、短期的に考えるのではなく少し長いスパンで考えてみる、今後(未来)の話をすることで良い形に転換できているのかなと思います。結果的に早く前向きになって、次のことを考えて行動することに繋がっています。また、息子の進学について悩んだ時などは、妻以上に妻のことを考えて発言をしました。息子の当時の状況(発達度合い)を考えた際、特別支援学校ではないところに進学すると、何かが「できない」状況が増えてしまうと考えていました。それにより息子が自尊心を失う可能性もありましたし、何より妻が「自分の教育が悪い」などと自己否定をして落ち込んでしまうことが一番の心配でした。妻が自信を無くしてしまったり、傷ついたりしてしまうと本人も辛いですし、息子もそれを感じ取って悲しい気持ちになるでしょう。もちろん、私も辛くなります。だから、できる限り元気にいて欲しいのが夫としての願いです。3つ目は息子の成長の可能性を探り、伸ばしてあげることです。息子は言葉を話すことが困難なタイプですので、発話がほとんどありません。診断された当時は、息子にこちらの話は通じておらず、コミュニケーションはできないものだと考えていました。しかし、息子と一緒に過ごす中で、彼には意思があり、状況や話を理解していることが分かってきました。教えたことを覚えたり、話したことを行動することが少しずつできるようになったからです。少しずつ自閉症を理解をしていく中で、「できるようになるためには、どうすればよいか?」と思うようになっていた私は、「『声』というアウトプット手段が難しいのであれば、他の手段を習得すればよい」と考えました。それから紙と鉛筆で文字を書く練習を始め、今ではパソコンのタイピングの練習をしています。文字にすれば1文で済んでしまう簡単な話ですが、実際は苦節2年程の時を経て今があります。そもそも鉛筆を握れないところから始まり、線をなぞれない、なぞれるようになっても時には完全に無視することがありました。息子の集中力が切れて1枚のプリントを終わらせるのに2時間かかる日も…。でも、諦めずに可能性を頼りに継続して進めてきたことにより、確実に前進しています。実際に息子がタイピングの練習をしている動画がこちらです。私も「タッチパネルの製品を使おう」と言ったり「好きな数字のタイピングから始めてみよう」「文字のタイピングの前にローマ字を覚えよう」という提案をしながら一緒に進めてきましたが、この練習を全面的に支えてくれたのは妻です。妻のひたむきさと息子自身の努力の成果なので、2人に本当に感謝しています。妻と息子が幸せであるために出典 : 私は、父親として妻や息子に幸せであって欲しいと願っています。そして、そのように導くことが使命だと思っています。これらは自閉症とは何ら関係はありません。今は私たち家族に自閉症という要素が入りましたが、それによって妻や息子が不幸になるものではなく、私たち家族がどのように行動するか?ということが少し変わっただけです。どのような状況下にあっても、まずは父親である私自身が自ら心に決めたことを、継続していくことが全てだと感じています。とはいえ実際には自分一人ではやり切れないことばかりです。妻や息子自身、周りの方の協力があって成り立つものですが、まずは紹介した3つのことを大切にしながら、父親としての使命を果たしていきたいと思います。
2018年06月14日2年生から特別支援学級に転籍する娘。大丈夫かな…?2年生から特別支援学級在籍になった娘。1年生の10月、慣らしのために特別支援学級へ行くと決まった時は、1日1時間だったこともあり、簡単な説明で済ませてしまった私…。Upload By SAKURA娘も深く考えていないような、あっさりとした返事でした。しかし2年生からは、「自分のクラス」が特別支援学級になります。通常学級での娘は交流という扱いになるので、出席番号も一番最後に変わります。色んな変化で娘が戸惑うかもしれない…。ちゃんと理解することは難しいとは思いますが、私は娘に、なぜ特別支援学級に行くのかを丁寧に説明しようと決めました。「こんな時、あるよね?」娘に説明してみたそこで私は娘に、こんな風に話をしました。Upload By SAKURAUpload By SAKURAなんとなくわかっただろうか…いよいよ特別支援学級での新学期がスタート!初日の感想はまさかの…?心配しながらも2年生になる初日の朝、娘を送り出しました。この日、私は放課後、娘を学校まで迎えに行きました。通常学級のホームルームと、特別支援学級のホームルームを終え、出てきた娘は、ちょっと疲れているように見えました。初日の感想を聞くと…Upload By SAKURA2つも教室があってすごい…!?なんとも前向きなその考え方に、脱帽しました。教室移動もバッチリ!対応できている娘に一安心娘は今、国語と算数の授業を支援学級で受け、他の時間は通常学級で過ごしています。Upload By SAKURA本人も「国語と算数は特別支援学級」という流れをきちんと把握し、時間になれば、教科書をもってクラスを移動するそうです。娘は、変化に対して柔軟に対応できていました。娘に伝えたい「特別支援学級にいる意味」より大切なこと私たちが、迷いに迷って決めた特別支援学級という選択。娘に受け入れてもらえないんじゃないかと心配もしていました。しかし娘は、私の予想以上に支援学級をすんなり受け入れてくれ、なじんでくれています。おそらく娘は、特別支援学級にいる意味を完全には理解していないと思います。何故ここにいるのか、自分は何が苦手なのか…親としては、自分の特性や苦手を知る上で、将来的にはある程度理解してほしいと思っています。特別支援学級はみんなは通わないけれど、あーさんが成長する過程で必要な場所…ここは後ろめたく思う場所ではないということも。でも、ちゃんとわかるのは今じゃなくていい。それより、伝えたいのは『いる意味』よりも大切な、娘に合う場所で『マイペースに、ゆっくり頑張ろう』ということ。Upload By SAKURA新しくスタートを踏み出した娘を、引き続きサポートしていきたいと思います。
2018年06月13日子どもから大人まで。自閉症のある人が、幸せな人生を生きるためのサポートをUpload By 発達ナビ施設インタビュー仙台市の放課後等デイサービス「発達トレーニングジムしゃ〜れ」(以下、しゃ〜れ)は、就労移行支援事業所「Schaleおおまち」、さらにカフェと厨房を併設する施設です。カフェのイートインは現在お休み中ですが、クッキーやお菓子を販売しています。自閉症に特化した支援を行っており、利用者の9割がASD(自閉症スペクトラム)のある人です。現在、放課後等デイサービスに子ども36人が登録、成人は、就労移行支援に8人、自立訓練に11人が登録しています。「しゃ〜れ」を運営する「一般社団法人ぶれいん・ゆに〜くす」の歩みは、代表の伊藤あづささんと自閉症のある息子さん、親子2人の歩みでもありました。自閉症のある人のライフステージごとに必要な支援とは何か、本人と家族が地域で幸せに生きるためには何が必要か。考え抜いてサポートを続けてきた、ぶれいん・ゆに〜くすと「しゃ〜れ」の取り組みをご紹介します。「働く大人」になるために、生きる力をつける実践的な発達支援Upload By 発達ナビ施設インタビューしゃ〜れは、「発達支援トレーニングジム」と冠して、自閉症のあるお子さんが「働く大人」になるための発達支援を目指しています。アメリカ・ノースカロライナ州ではじまった、ASD(自閉症スペクトラム障害)の当事者とその家族を対象とした支援である「TEACCH」の理念を基盤に、プログラムを設計。「一人でできること」を積み上げていくために、一人ひとりの特性を自閉症eサービス開発の評価キットやTTAP(ティータップ)を使用してきめ細やかなアセスメントを行っています。その結果をもとに、その子の強みを活かした個別のプログラムを組んでいるそうです。児童指導員の引地さんに支援内容を案内してもらいました。Upload By 発達ナビ施設インタビュー引地さん「平日は、子どもたちは一人ひとりに合わせた課題に取り組みます。アセスメントを元に設定した生活スキルの課題や、パソコンを使ってのITスキルのトレーニングもやっています」ーー個別トレーニングは大人の利用者さんと子どもが一緒の空間を共有しているんですね。引地さん「子どもたちのスペースは、成人の方々のスペースとタイムシェアしているんです。午前中は自立訓練の成人利用者さん、午後の早いうちは小学生、夕方から中高生、といった感じで上手に棲み分けています。個別のトレーニングスペースはそれぞれ仕切りがあります。余計な情報が入らないためです。それぞれがトレイに順番にセットされた自分の課題に黙々と取り組みます。今来ている小学1年生のYくんは、指先を使ったトレーニングに取り組み中。教材の多くはその子に合わせて手作りしています」ーーYくん、集中していますね。手の込んだ教材がたくさんあって驚きました!伊藤さん「それはどこにも負けません(笑)。提携しているKaienさんのコンテンツも使っていますが、うちで使うために”リメイク”しています」Upload By 発達ナビ施設インタビューUpload By 発達ナビ施設インタビュー引地さん「しゃ〜れでは、ライフスキルトレーニング・プログラムとして調理スキルのトレーニングにも力を入れています。1人1台ずつクッカー(電気調理鍋)を使って調理します」ーーたくさんレシピがありますね。どれも本格的でおいしそう!引地さん「小学生は混ぜるだけのホットケーキで、”できた!”を感じてもらうところからスタートします。スタッフより上手につくる高校生もいますよ。生姜焼きや酢豚などのおかず、クリスマスにはハッシュドビーフ…前につくったものと重ならないようにと考えているうちに、レシピが増えてしまって…80〜90くらいになってしまいました(笑)」視覚からの指示を理解しやすい自閉症のある子どもに合わせ、手順書も工夫しているとのこと。手順のカードは、材料や指示は分かりやすく写真つきでまとめられています。手順ステップがずいぶんと細かいのが目を引きました。引地さん「調理しながら細かく工程を写真に撮り、言葉の説明ではなく目で見て分かり「1人で」完成できることを心がけています。”切ったものどこに入れるの?”と子どもによく聞かれるので、”材料をボウルに入れる”も工程に入っています。道具や調味料のパッケージも、実際に使う物を撮影します。食材もマス目のついたまな板を使って、何センチに切るのか分かるようにします。当日はなるべく子ども本人が1人で調理に挑戦できるようにしています。料理ができたら、お迎えに来たおうちの人にも一緒に食べてもらいます。自分でつくったら苦手な食べ物だったけど意外と食べられちゃった、という偏食のお子さんもいるんですよ」出典 : ーー併設しているカフェの厨房設備を活かした、素敵なプログラムですね!引地さん「本人にとっても親御さんやきょうだいに”美味しいね””つくったの、すごいね”って褒められることが、何にも変えられない贈り物になっています。しゃ~れで使っているのと同じクッカーを買ったり手順書を持ち帰ったりして家庭でも実践している親子もいます。美味しく楽しいトレーニングを通じて、調理スキルをはじめ段取りや買い物、栄養に関する知識など、生きていく力が習得できるといいな、と思っています」Upload By 発達ナビ施設インタビューUpload By 発達ナビ施設インタビュー将来働くことを見据えたプログラムも積極的に取り入れています。ITスキルのトレーニングやパートナーシップを結ぶKaienのツールを使い、カフェの店員役、厨房スタッフ役、お客さん役に分かれてカフェのお仕事体験もしています。指先の巧緻性を高めることと、将来の仕事につながることを見据え、袋詰め作業も取り入れています。この日も高校生がビーズとカードを袋に入れるトレーニングに取り組んでいました。引地さん「実は、近くの漢方薬局からお茶の袋詰めも請け負っているんです」ーーどういった経緯でお茶の袋詰めを?伊藤さん「知り合いの漢方薬局で2000円ぐらいする高級なお茶を売っているのを見たんです。”自分たちでパッケージしている”と聞いて、じゃあ、うちでこの袋詰めやらせてくれませんか!と言って(笑)。まず、うちの支援員でやってみて、1時間で完成できる数から単価を出しました。"この金額で発注してもらえるか、検討してください!"と…」ーー受注の金額を提示して交渉したんですね。伊藤さん「同じ仕事を同じ時間、同じ精度でやるんです。障害者だからといって値段を下げられ、報酬に差があるのはおかしな話でしょ。利用者や利用する子どもの価値を値下げしたくないと思って、強気に交渉しました。もし同じ工賃だったらうちはもっと丁寧にできますよって(笑)」ーー放課後等デイのお子さんも袋詰めをやっているのですか?伊藤さん「最初は就労移行支援の方でやっていたんですよ。でも放課後等デイの中高生が試しにやってみたら、彼らの方が圧倒的に上手だったの(笑)。私は、お金を得るための手段として働いて、誰かの役に立って喜ばれて、お給料をもらって…それで自己実現できる事が仕事と思うんです。お金のつかない仕事はない。中高生のうちにそれを経験しておくのは大事だと思うんです。取り組む際には、これはお客さんに届く商品なんだよ、と伝えます。そうすると、みんな丁寧に取り組みますし、衛生管理もきっちりやっています。実際に取引先の会社も喜んでくれていますね。袋詰めをしたら”タスク・アローワンス”と言う名前で、お手伝い分の対価が得られます。それで日曜日にファミレスで家族にご馳走したりするんですって。本人も嬉しく、励みにもなっているようですね」ーー細かい作業に見えますが、どんな風に取り組むんですか?引地さん「最初は砂や豆を使って感覚をつかみます。袋詰めには、スプーンや秤の扱いも必要になります。マスクをするなどの衛生面の管理も含めて、トレーニングしています。入れる順番、使う順番に実物を並べた見本と手順もつくって、段階を踏んで課題に取り組みます。そうやって、最終的には本人が製品をつくれるようにしています」トレーニングで終わらず、最終的には商品をつくって仕事にしてしまうとは、驚きました。地域社会との関わりを大切に、子ども達の「生きる力」を信じる「しゃ〜れ」らしい取り組みです。Upload By 発達ナビ施設インタビューその人の人生に、サポートのはしごをかけ続ける就労移行支援事業Upload By 発達ナビ施設インタビュー就労移行支援での取り組みについて、担当する李さんに伺いました。李さん「就労移行支援は制度上、最大2年使えますが、「Schaleおおまち」では就職活動まで1年半〜2年たっぷり使います。企業の仕事と利用者をつなぐジョブマッチングではなく、人と人をつなぐマンマッチングだと思ってやっています」ーーマンマッチングとは、具体的にはどういうことでしょうか?李さん「仕事が合っているということだけでなく、一緒に働く人との関係性もとても重要です。実習も2〜3日やってフィードバック、次に1週間やってフィードバック、お互いにやってみたいとなったら2ヶ月くらいやって見るなど、丁寧に時間をかけて積み上げていきます。自閉症の人は言葉のコミュニケーションだけでは難しいこともあるし、困っていても、うまく言えない人もいますよね。だから、就職後も困った時に「Schaleおおまち」を思い出して欲しいんです。その思いから、フォローアップを大切にしています」「しゃ〜れ」では、制度上の職場定着支援を終えてからも、つながりを持ち続けるケースもあります。そうすることで、14人が就職し、12人が今も就労を継続している定着率85%を実現しているとのこと。継続3年目、5年目の人も出てきているそうです。「しゃ〜れ」を卒業した利用者も気にかけ続けたいUpload By 発達ナビ施設インタビュー伊藤さん「卒業した子がどうなっているか気にかけることが必要だと思っています。放課後等デイは18歳まででしょ。特別支援学校に通っている子はB型事業所に行くことが多いから、実は「Schaleおおまち」の就労移行支援に来ることは少ないんです。そうすると支援が途切れてしまう。高校卒業後、専門学校や大学に通う場合なんかも、放課後等デイと大人の支援制度の隙間で利用できなくなってしまう場合もありますね」ーーせっかく「しゃ〜れ」と出会っても、卒業せざるをえないこともあるんですね。伊藤さん「はい、でも中学からうちに通って高校卒業後、専門学校に行きながら、2年間自費で通った利用者さんもいるんですよ。実はそのあと就労移行支援に通って今、パティシエとしてこのカフェで働いているんです!もう3年目になるかな」ーーそれは嬉しいですね!調理スキルのトレーニングがダイレクトに生きたケースですね!一度ここに来た人にかけた支援のはしごは外さない出典 : ーー卒業した利用者さんはどんな風にフォローしているんですか?伊藤さん「折々電話やメールをしたり、お母様たちとお目にかかったり、年に1回みんなで集まったり。『虹の環(にじのわ)パーティー』と呼んでいます。卒業した人や子どもが集まる会です。卒業してもそこで再会できるの。卒業した利用者と保護者の方が遊びに来て、後輩の子がつくった料理を食べるんです」ーーブログで様子を拝見しましたが、美味しそうなお弁当でした。70人分とありましたが、お子さんたちがつくったんですね!パーティーはどんな様子ですか?「卒業生には、近況を教えてもらいます。それはいい報告じゃなくてもいい。意思表示が苦手な人もいるし、ずっと同じ環境にいる子もいます。定型発達の人には分からないこともたくさんあるでしょう。発達障害のある人はエネルギーを貯めるのに精一杯チャージが必要なんです。そんな人たちが疲れた時に帰ってくる、母港の充電ステーションになりたいと思っています」ーー充電して、また外に出ていけるんですね。伊藤さん「子どもだけではなく、就労移行支援についても同じです。制度上の期間が終わったら、支援や関係が切れるんじゃないかという不安が利用者さんにありますね。でも「Schaleおおまち」では企業に確認して、誤解や行き違い、何らかのトラブルの芽があったら担当の李さんが仲立ちしています。いつも誰かが自分を気にしてくれている、と実感できることが大切だから」ーー「しゃ〜れ」「Schaleおおまち」を利用していなくても支援は続く…伊藤さん「うちに通っている間というのは、その人の人生の、切り取った何年かの支援です。でも、一度「しゃ〜れ」や「Schaleおおまち」に来たら、かけた支援のはしごは外さない。利用しなくなったとしてもそのはしごは残っていて、いざとなったら使えるということが重要だと思っています」自閉症のある子と親のために!TEACCHとの出会いが変えた支援Upload By 発達ナビ施設インタビューーーその子が生きるための力を、生涯を通じてサポートし続けるという一貫した支援方針を実感しました。そもそも「Schale」を始めたきっかけは?伊藤さん「私には今年23歳になる息子がいるんですけど、その子が4歳の時に自閉症があることが分かったんです。でも今から17、8年前って、仙台の街では自閉症のわが子に合った療育を受けられる場所がなかったんです」ぶれいん・ゆに〜くす代表の伊藤あづささんは、仙台にある福祉の大学の教員でした。当時、仙台市には母子通園型の施設は、知的・身体・精神の3障害が一緒でした。伊藤さん「例えば7月のある日、施設に行ってみたら突然、七夕さまが飾ってある。そうすると変化が苦手な自閉症の子はびっくりするわけです。息子は騒がしいところや集団がとっても苦手な子だったんです」ーー自閉症の子に特化した支援を始めたのは、それがきっかけだったんですね。伊藤さん「もう一つ、自閉症って、育てる中で障害特性があると分かるでしょ。親御さんがわが子のことを知ったり気づいたりするのにも、他の障害に比べて圧倒的に時間がかかるんです。そして、母親支援の仕組みも整っているとは言えない。お母さんは不安で、ものすごく心がざわざわして、検査して障害が分かって…いまさら障害児と言われる戸惑いもあると思うんです」伊藤さんは当初、息子さんに勉強ができるようになってほしい、学校に行って学習面で困らないようになってほしいと考え、育つ支援、療育の場が欲しかったそうです。しかし、その直後、自閉症について学ぶ中でTEACCH(ティーチ)と出会いました。伊藤さん「なんて私は愚かなお母さんだったんだろう、と痛感したんです。いわゆる学力ではなくて、自閉症のその子として、長い生涯にわたって生き抜くための力…自閉症のその人として社会の中で生きていくための知恵や、体の使い方を教えてあげられる場所が欲しいと気持ちが変わってきた」そこでたどり着いたのが、就学前から育ちの支援ができる児童デイ(児童発達支援・放課後等デイサービスの前身)という制度でした。伊藤さん「じゃあ自分たちでやろうか、と言って「しゃ〜れ」の前にやっていた事業所を始めました。で、自閉症児の療育をやるのであれば、集団じゃなくて個に応じた育ちの支援ができることをやりたいなと思ったんです。TEACCHの理念を取り入れ、「しゃ〜れ」でも一貫してそのスタイルを続けています」TEACCHはアメリカ・ノースカロライナ州で行われているASD(自閉症スペクトラム障害)の当事者とその家族を対象とした生涯支援プログラムです。伊藤さんは2010年にTEACCHの本拠地、ノースカロライナにある強度行動障害の人たちのグループホームを訪ねました。そこでは10年前まで強度行動障害のあった人が、食べたいものを食べ、自分の好みにしつらえた部屋で選択権を持って暮らしていました。そして鼻歌を歌いながら仕事をしている、その姿に伊藤さんは感動しました。伊藤さん「ここではどんなに重い障害の人でも自分の役割が果たせる。すごい!と感動しました。でもその現場を見て、アメリカでできるなら、日本でもできる、日本でできるなら仙台でもできるでしょ!って思っちゃったんです(笑)」子どもの育ちに伴走して育ってきた支援のかたちUpload 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発達ナビ施設インタビューーー放課後等デイサービスの他にも就労移行支援、カフェ…複数の形態の事業を始めたのはどうしてですか?伊藤さん「息子の育ちのステージに沿って事業が広がってきているんです。でもうちの子だけではなくて、どんな子でも、運もチャンスもあるし、力もある。そこを引き出すのが私たちの仕事だと思っています。親御さんはそうした、子どもの持っている力を信じきること。そのための応援として今、放課後等デイと成人期の支援をやっているんです」ーー息子さんは今、どうされているんですか?伊藤さん「息子は、18歳で独り立ちしました。去年の11月からは大阪の特例子会社で働いています」以前、伊藤さんは放課後等デイと就労移行支援事業所をつくったように、将来はグループホームをつくって、息子さんが住み慣れている環境で穏やかに暮らせるようにしようと考えていたそうです。伊藤さん「でも息子が18歳以降どうなるんだろう、って考えた時に、いや、ここにいたらこの子は24時間お母さんと一緒だよね。それは相当まずい!と思えた(笑)」仲間にも後押しされて、息子を手放す決意ができたという伊藤さん。伊藤さん「うちの息子は本当に重たい自閉症の子です。でもその子が今、お給料をもらって働いている。それで"どんな子でも働けるようになる"と確信しました。改めてTEACCHで育ったことの素晴らしさも感じましたね」――伊藤さん親子が特別ではない…?伊藤さん「こういう仕事もしているし、いろんな意味でいろんな人とのつながりも深かったりするので、伊藤さんだからできたんじゃないのと言われるんですが…。私はダメなお母さんだったんです。自宅の構造化も不十分で、おばあちゃんにあれこれ息子の世話を焼いてもらっていました。息子が小さい時にはくどくど叱って"お母さんと仲良しになりたい"って言われ、親子で泣いたこともあります。でもその一言で変われたと思っています。TEACCHの理念に出会い、たくさんの仲間、共感を持って手伝ってくれるスタッフもいてくれて、私を育ててくれた」――だから、どんな親子でもできると信じているんですね。伊藤さん「TEACCHには"自閉症の人は成人期に幸せでなくてはならない。またその家族も幸せでなければならない"という象徴的な言葉があります。息子が働く会社で"あせらない・あきらめない・あなどらない"、という言葉にも出会いました。自閉症のその子として、どんな子でも一人ひとりの子どもが自分自身を"いいね!"と肯定して生きていける、幸せな成人になってほしい。その子の生きる力を信じて、あきらめず、どんな手伝いができるか考え続けたいですね」伊藤さん親子のライフステージはこれからも進みます。そして、ここに集まる子どもにも大人にも、ハシゴをかけ続ける。自閉症のある子どもが幸せな働く大人になる、そんな未来を目指して、これからも「ぶれいん・ゆに〜くす」の支援は形を変え、広がっていくのかもしれません。撮影:小林啓樹(OPEN TOWN)ぶれいん・ゆにーくす
2018年06月12日「事前予告」によって得た自信出典 : 発達障害のある子どもを育てるうえで、「事前予告」の大切さは何度となく言われてきました。普段と違うことをする場合は、まず「事前予告」。見通しを立てることによって、想定外の出来事でパニックになるという最悪の事態は防ぐことができます。わが家の息子は自閉症スペクトラム障害とADHDがあると3歳のときに診断されました。言葉がまだしっかりと理解できない幼少期は、絵カードをつくって見せることで見通しを持たせるようにしていました。言語能力がついてきたら、言葉で予定を事細かに説明したものです。おかげで、息子は普段と違う状況であっても、パニックを起こすことがなくなりました。パニックを起こさずに過ごせることを積み重ねたことによって、息子は着実に自信をつけていきました。やがて、突然予定と違うことが生じても、息子はそれほど動揺することなく、取り組むことができるようになってきました。「事前予告」を積み重ねていくうちに、息子も成長したのです。しかし、その成長は、思わぬ余波をもたらすことに…。「事前予告」をすることがかえって息子のQOL(Quality of Life)を落としてしまう傾向が見え始め、私は愕然としたのです。成長と共に鍛えられていく「想像力」で思わぬ方向に…出典 : 今思えば、幼少期というのはまだまだ知っている世界が狭く、人間関係も表面的で、何かに対する想像力もかなり限られたものだったのかもしれません。想像力が限られているからこそ、想定外の出来事が起きたときに、パニックになってしまったということも考えられます。息子はさまざまな経験をし、何かに取り組む自信をつけていくと共に、その積み重ねた経験によって先のことを想像する力もついてきました。やがて、自らの想像力が生み出す「不安」に翻弄されるようになります。これは、私にとって予想もしてない「副産物」でした。息子がパニックを起こさないように事前予告をすると、息子は「うんうん、分かった、頑張るよ」と言うのですが、次第に想像力が暴走し、不安で身動きができなくなっていくのです。「もしかしたらこうなるかもしれない」「こうなったらどうしたらいい?」「やっぱ無理かも」「怖い」さまざまな想像に絡めとられ、うまくいかないイメージばかりが頭に浮かぶようになってしまいました。息子の自信をつけるために必要不可欠だった「事前予告」だったのに、今度は彼の生活が不安でぐちゃぐちゃになってしまいました。こんなにQOLを落としてまで「事前予告」をする必要があるのか…。私は本来の目的から結果がかけ離れてしまったことに迷いが生まれてきました。息子の申し出、そして先生から言われた「成長の証」出典 : そんなある日、息子が私にこんなことを言ってきたのです。「前々から言われると不安になっちゃうから、何があるとかもう言わないで。いきなりだったとしても、僕はちゃんとできるから」息子の言葉を聞いて、私は療育の先生に「事前予告」をやめることを相談してみました。そのとき、療育の先生がこう言ったのです。「先のことに対する想像力がついたんですよ。これは、成長の証なんですよね。想定外の出来事でパニックになることを防ぐために事前予告をしてきたけど、それはもう起きないってこと、本人も分かっているはずです。だからこそ、もう言わないでって言ったんじゃないでしょうか。これからは伝えなくていいと思います」私はこれを聞いて、通り一遍な"発達障害のある子どもへの接し方"ではなく、息子の成長をしっかりと見ながら、息子に合った接し方を考えていかなければならないのだと思い知らされました。発達障害の特性が一人ひとり全く違うのと同じように、成長の仕方も、それに応じて取るべき対処法も、きっと一人ひとり違うのです。「事前予告」にこだわっていた私の気持ちが、この時、一気に緩んだのでした。そしてまた、息子は着実に成長しているのだと、嬉しく思ったのでした。
2018年06月12日小学校入学のタイミングで子どもの学習障害が明らかになることがあります。そもそも「学習障害」とひと言でいっても、その内容は様々です。学習障害とはどんなものなのか?改善するためにはどんな方法があるのかを探ります。学習障害を持っていても活躍をしている人は沢山います。子どもの将来を考え、子どのを育てる時なにが一番大事なことなのか、ママテナの記事から「学習障害」についてまとめました。●学習障害とは?学習障害とは、自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)、発達性協調運動障害というおもな4種類の発達障害のひとつです。「聞く、話す、読む、書く、計算する」など、特定の「学習」の基礎的な能力に困難を示す状態で「ただの勉強不足」と誤解されてしまうことも多いようですが、本の朗読でどこを読んでいるのかわからなくなるなどの詳しい症状です。▼続きはこちら▼●日本語では気が付きにくい「ディスレクシア」では学習障害はどのような状況で発覚するのでしょうか?その一つとして「小1プロブレム」があります。これは保育園や幼稚園から小学校への環境が大きく変わったタイミングで、小学校への不適応が見れらた事をキッカケに知能テストなどを受け、注意欠陥多動性障害(ADHD)や学習障害などと診断されるケースがあると専門家は指摘しています。▼続きはこちら▼●学習障害の疑いがわかるキッカケ小1プロブレムでは学習障害はどのような状況で発覚するのでしょうか?その一つとして「小1プロブレム」があります。これは保育園や幼稚園から小学校への環境が大きく変わったタイミングで、小学校への不適応が見れらた事をキッカケに知能テストなどを受け、注意欠陥多動性障害(ADHD)や学習障害などと診断されるケースがあると専門家は指摘しています。▼続きはこちら▼●学習障害改善のための方法発達障害と診断された場合、「療育」という障害をもつ子どもが社会的に自立することを目的として行われる治療と保育があります。医師の診察後、検査などでお子さんの状態を把握し、診断が出てから、作業療法士や言語療法士などによる訓練を療育センターで受けることになります。学習障害の対応は早い対応が大切です、学校に行ってもわからないことだらけになってしまい、だんだんと学ぶ意欲をなくし、「どうせ自分なんか」と自己評価も低くなってしまいます。中には学校に行きたくなくなってしまう子もいます。気になる事がある場合は、早い段階で相談し、子供の能力を伸ばしてあげたり、関わりを変えてあげた方が絶対にお子さんのためになる、と専門家は指摘します。▼続きはこちら▼●道具の利用学習障害を抱える子どもにとって黒板に書かれた事をノートに書き写すのが苦手な場合があります。このような場合、授業終わりに黒板をデジカメで撮影し、家でプリントアウトしてノートに貼る、などによって問題を解消する方法もあります。「できない」事を、道具の力を借りて「できる」ようにする方法にです。▼続きはこちら▼●学習障害をもった子どもを育てる一番大事なことアインシュタイン、トム・クルーズ、スティーブン・スピルバーグ、ジョン・レノンはディスレクシアでした。ミッツ・マングローブさんが「暗記が苦手だった」と告白しています。大きな功績を残してる人や第一線で活躍している人でも学習障害を持っている人はいます。学習障害を持った子供を育てる上で一番大事な事はなんなのか?専門家の意見です。▼続きはこちら▼
2018年06月11日便の異常とつらい腹痛が続く「潰瘍性大腸炎(UC)」とは?出典 : 潰瘍性大腸炎(Ulcerative Colitis:UC)は、大腸の粘膜に炎症が起きて、びらんや潰瘍ができる大腸の炎症性疾患です。びらんも潰瘍も粘膜が傷ついた状態を指しますが、傷の深さが異なります。びらんは粘膜の表面がただれている程度なので、傷は浅く症状も比較的軽めです。一方で潰瘍は傷が深く、粘膜の深部まで傷が及んでいるので重症な場合が多いです。潰瘍性大腸炎は、病変の広がりや症状の重さなどによって下記のように分類されています。1)病変の拡がりによる分類:全大腸炎、左側大腸炎、直腸炎2)病期の分類:活動期、寛解期3)重症度による分類:軽症、中等症、重症、激症4)臨床経過による分類:再燃寛解型、慢性持続型、急性激症型、初回発作型炎症は一般的に肛門に一番近い直腸から広がっていき、その範囲によって大きく3つに分けられます。・大腸全体に炎症が広がる「全大腸炎」・直腸から大腸の左側部分(左側結腸)まで炎症が及ぶ「左側大腸炎」・直腸のみに炎症が起こる「直腸炎」潰瘍性大腸炎は完治が難しく、治療は、症状が一時的に軽くなる、もしくは消える「寛解」と言う状態を目指します。また、症状がおさまる寛解期(かんかいき)と、治療によって落ち着いていた症状が再燃する活動期を繰り返すのが特徴です。再び悪化する可能性もあるため、定期的な検査や寛解を維持する治療をしていく必要があります。潰瘍性大腸の患者数は増加傾向。男女比率や発症年齢は?出典 : 日本での患者数は毎年増えていて、平成25年度末時点では16万6,060人を超えました。その後も急速に増加し続け、潰瘍性大腸炎の患者数は指定難病の中で最も多くなっています。出典:潰瘍性大腸炎(指定難病97)|難病情報センター発症年齢のピークは男女ともに20代で、性別による差はありません。0歳から高齢者まで、どの年齢でも発症します。参考:特定疾患医療受給者証所持者数|難病情報センター潰瘍性大腸炎の症状は?重症になるとどうなる?出典 : 潰瘍性大腸炎で多く見られる症状は、便の異常(血便、下痢、軟便など)や腹痛です。「軽症」であれば、1日の排便回数も4回以下と少なく、下痢や血便の程度も軽いです。ただし「重症」になると、1日の排便回数が6回以上と多くなり、37.5度以上の発熱や体重減少、強い腹痛、貧血などの症状も現れます。潰瘍性大腸炎は、起きている間だけでなく寝ている間も症状が出るので、質の良い睡眠が取れなくなってしまいます。またトイレに自由に行けない環境に不安を感じる場合も多く、生活の質は著しく下がります。精神的に落ち込む人も少なくありません。ちなみに軽症と重症の中間の症状を「中等症」、重症よりもさらに重篤な状態を「劇症」と呼びます。劇症になると、38.5度以上の持続する発熱や1日に15回以上の排便などの症状が起こり、早急な治療が必要になります。出典 : 潰瘍性大腸炎になると、合併症を発症することもあります。合併症には、腸管(小腸・大腸)に起こる合併症と、腸管外に起こる合併症があります。腸管の合併症では、腸管に穴があいたり(穿孔:せんこう)、狭くなったり(狭窄:きょうさく)、大量出血したりといった症状から、中毒症状を引き起こす中毒性巨大結腸症などが見られます。これらの合併症が出た場合は、緊急手術が必要になる可能性が高いです。腸管外の合併症としては、皮膚症状、関節や眼の痛みがあります。例えば口内炎や関節炎、脊椎炎、結膜炎などがあり、全身に症状が現れます。手術率は、発症時の重症度と炎症範囲によって決まります。重症で炎症範囲が広いほど、手術率は高くなります。潰瘍性大腸炎の死亡率はきわめて低く、潰瘍性大腸炎の患者とそうでない人の平均寿命は大体同じです。ただし、重症の場合の早期手術、大腸がんの早期発見が重要です。潰瘍性大腸炎の原因は?ストレスや食生活の乱れは関係があるの?出典 : 潰瘍性大腸炎のはっきりとした原因は、いまだに分かっていません。しかし、潰瘍性大腸炎の炎症に白血球が関わっていることは確認されています。白血球は本来、体内に入ってきた異物を食べて体を守る働きをします。ところが、免疫機能の異常が起こると、白血球が自分の腸管粘膜を外敵だと判断して攻撃してしまいます。その結果炎症が起き、潰瘍性大腸炎の発症につながってしまうのです。どうしてこのような免疫機能の異常が起こるのかは不明です。最近では、遺伝的要因、食生活の変化、環境要因など、さまざまな要因が絡み合って潰瘍性大腸炎を発症すると考えられています。潰瘍性大腸炎の診断・検査出典 : 潰瘍性大腸炎の診断はたいてい以下の流れで行われます。1.症状の経過と病歴などの問診…便の状態、排便回数、お腹の調子、これまでにかかった病気を聞かれます。いつから調子が悪いのか、血便は出ているか、発熱はあったかなど、答えられるようにしておくことがポイントです。2.血液検査…炎症の程度や栄養状態を調べるために行われます。3.便潜血検査 / 便培養検査…便に血液が混ざっていないか、血便を起こす菌がいないかを調べます。4.大腸内視鏡検査や注腸X腺検査、腹部X腺検査など…どの部位まで炎症が広がっているのか、炎症状態はどの程度か、腸内ガスは溜まっていないかを調べます。これらの検査から総合的に診断されます。潰瘍性大腸炎とクローン病の違いは?出典 : 潰瘍性大腸炎と見分けにくい疾患としてクローン病があります。どちらも原因不明の慢性炎症性疾患であり、難病に指定されている病気です。患者数も増加傾向で、現れる症状(下痢、腹痛、体重減少)も似ています。潰瘍性大腸炎とクローン病の大きな違いは、炎症が起こる部位です。潰瘍性大腸炎は大腸のみですが、クローン病は口から肛門までのすべての消化管の部位に炎症が起こります。特に炎症が起きやすい部位は小腸や大腸ですが、どの消化管にも炎症が起こりうるのがクローン病です。発症年齢や男女比も違います。10歳代~20歳代の若年者に好発します。発症年齢は男性で20~24歳、女性で15~19歳が最も多くみられます。男性と女性の比は、約2:1と男性に多くみられます。また、クローン病は合併症が伴うケースも多く手術率も高い病気です。潰瘍性大腸炎と同様、再燃にも気をつけたい病気で定期的な検査が重要です。潰瘍性大腸炎では薬物療法がメイン。具体的な治療法は?出典 : 潰瘍性大腸炎の治療は、活動期にはまずは大腸の炎症を抑えて寛解させる治療を行います。症状が落ち着く寛解期には、寛解状態を維持して再燃させないための治療に移行します。・薬物療法と食事改善薬物療法では、大腸の炎症を抑える薬を使います。食事は、腸に刺激を与えるような食べ物や飲み物を控えることが重要です。例えば脂っこいものや香辛料は避けて、食物繊維を多く含む食品や発酵食品を摂取するようにします。・血球成分除去療法薬物療法で改善が見られない場合に用いられます。腕から抜いた血を専用の装置に通すことで、炎症を起こす白血球を取り除き、浄化された血を再び体内に戻す治療法です。1回の治療時間は1時間程度で、副作用に吐き気、発熱、頭痛などがありますが、一過性のものです。・手術(大腸の全摘出)最終手段として、切除手術が考えられます。大腸に穴があく(穿孔)、大量出血、重症なのに薬物療法や血球成分除去療法の効果がない、ガンの疑いがある場合などは、切除手術が必要な場合が多いです。術後は、潰瘍性大腸炎でない人とほぼ変わらない生活を送れます。潰瘍性大腸炎は再燃しやすい病気。普段から気をつけておきたいことは?出典 : 潰瘍性大腸炎は一度症状が良くなったと思っても、再び悪化することが多い病気です。ですが、自分に合った治療をきちんと続け、コントロールしていくことで、再燃させずに寛解を保つことができます。実際に、潰瘍性大腸炎にかかっていても、多くの人は仕事や学業を続けていて、妊娠や出産も可能です。再燃させないためには「質の良い睡眠」「規則正しい生活」が基本です。症状が落ち着いている寛解期に、食事の制限は特にありませんが、普段からバランスの良い食事を心がけておくと良いでしょう。腸を刺激しやすいアルコール、香辛料、脂っこい食べ物、冷たい飲み物、乳製品などはとり過ぎないようにして、よく噛んで食べるのも大切です。また発病後7、8年経つと、大腸がんを合併する可能性もあります。たとえ症状がなくても、1~2年に1回は内視鏡検査を受けることをすすめます。潰瘍性大腸炎は「医療費助成制度」を受けられる病気出典 : 潰瘍性大腸炎は国の指定難病に定められています。中等症以上の場合に限られますが、申請手続きをして認定されると「医療受給者証」が交付され、治療費の助成が受けられます。受給者証の有効期間は申請日から1年間で、医療費の自己負担割合が3割負担から2割負担になります。指定難病医に診断書を書いてもらい、お住まいの都道府県に指定難病であることを申請すれば手続きは完了です。所得や治療状況により、1ヶ月あたりの自己負担上限額が決まり、超過分は公費で助成されます。まとめ出典 : 潰瘍性大腸炎は原因不明の指定難病ですが、症状をコントロールできる病気の一つです。血便が出たり、排便回数が異常に増えたり、ひどい腹痛が襲ってきたりと、不安がつきまといますが、自分に合った治療を受けることで、再燃せずに過ごせる場合も少なくありません。治療には薬や手術だけではなく、普段の生活習慣(規則正しい生活リズム、バランスの良い食事)の見直しも有効です。中等症以上の患者さんは医療費助成制度を受けられるので、検討してみるのも良いと思います。
2018年06月11日食べ盛りな息子たちへの食事の準備ある夕飯の準備をしていたときのこと。私は食欲旺盛な息子たちに急かされていました。Upload By ラム*カナUpload By ラム*カナUpload By ラム*カナUpload By ラム*カナやっとおかずができたと思ったら、ごはんのスイッチを押していなかったことが判明しました。あんなに騒いでいた息子たちにバレたら絶対怒られる…。どうしよう…。空腹の息子たちに怒られたくない!母の秘策は…Upload By ラム*カナそうだ、あの作戦しかない。Upload By ラム*カナ必殺技「悲劇のヒロインぶる」いつも、私にハプニングがあるとすぐに駆けつけてくれる長男。このときも「お母さんどうした!?」と駆けつけてくれました。お腹が空いているはずなのに…。"困っている"母に発動した長男の優しさUpload By ラム*カナUpload By ラム*カナUpload By ラム*カナ長男は、想像と違ったことが起きたときや受け入れがたい何かに直面したとき、へそを曲げてしまったりすねたりすることが多く、そこから気持ちを切り替えるのに時間がかかります。しかし、“お母さんが困ってる”事態には、優しい気持ちのほうが勝ります。このときも気持ちを切り替えて対応してくれました。行動面も脳内も多動な長男。でも、頭の中は楽しいことと優しいことで溢れているような気がします。
2018年06月08日モデル・俳優の栗原類さんの母が、自身の子育てについて語る手記を出版!Upload By K2U関川香織モデル・俳優の栗原類さんの母、栗原泉さんは6月12日に『ブレない子育て』(KADOKAWA)を出版。ADD(注意欠陥障害)という発達障害のある類さんを、どんな信念のもとに育ててきたのか。本の刊行に先立って、泉さんの子育て論のエッセンスをLITALICO発達ナビ編集長の鈴木悠平が伺いました。栗原泉さん通訳・音楽ジャーナリスト。モデル・俳優の栗原類の母。24歳で留学先のロンドンで息子・類さんの父親と知り合う。離別後、妊娠が分かり、シングルマザーに。生活のために音楽関連の通訳、翻訳をフリーランスで始める。息子が8歳の時に発達障害・ADDと診断され、自身もADHDと分かる。言葉にしてみることで、自分自身がほんとうに考えていることを再確認できるUpload By K2U関川香織――今回、ご自身の子育てを8つのルールに整理して、子育ての本をまとめることになったきっかけはどんなことでしたか?泉さん 息子、類の本(自叙伝『発達障害の僕が輝ける場所をみつけられた理由』KADOKAWA刊)に寄稿したことで、もっと子育ての話を聞きたいという声が多く届いたことがきっかけではありました。私自身、書き足りないと感じた部分もあって。ただ、自分がしてきたことを本に書いて、それがほかの人の役に立つのかどうか、はじめはよく分からなかったんです。私がやってることは当たり前のことだと思っていたので。たしかに、発達障害がある子の子育ては大変です。でも、核になる部分は、どんな子どもにも共通しているはず。だからこの本では、発達障害がある子の子育てだけではなく、広い視野で子育て全般に役立つことを書く、ということを、はじめからの方針としていました。発達障害がある子の子育てだけに言及しても、すでに育てている人には知っている内容も多いでしょう。今の世の中、いくらでも調べる方法はありますから。私が読者だったら、他のメディアなどで得られる情報以外のことを読みたいはずと思ったんです。――類さんを育ててきた23年の間に、たくさんの経験があったと思いますが、ご自分なりの信念を、どうやって言語化されてきたのでしょうか?泉さん 私自身が、明確に言語化されて説明されないと動けない人なので、子どもには、きちんと言葉で説明できないといけないと思ったんです。説明すればできるのに、「察しろ」「慮れ(おもんぱかれ)」というだけでは、できない子どもがいるんです。「いいから宿題やりなさい」「ちゃんとしてちょうだい」と言ったって、具体的に言ってもらえないと何をどうしていいか分からないし、できない。説明されたらできるのに、説明もしないでただやってみろと言い、できないと叱るというのはおかしいと、私自身が子どものころから思っていました。自分の説明不足を棚に上げて、子どもに責任転嫁するようなことはしたくないんです。子どもには明確に説明するのが親の務めだと思います。自分の子どもにも言葉にして伝えたいと思って、その都度、そうしてきたということです。――でも、なかなか具体的にこの方向が正しい、と思い切ることができないことも多いのではないでしょうか。泉さん たしかに、子どもが小さいうちは、自分自身も、いまやっていることが正しいかどうかなんて、確信が持てないかもしれません。でも、その時々で「これが正しいはず」と思って積み上げていくんですよね。進行形の育児の中で、「これが理にかなっている」と思う部分を説明していくことが大事だと思っています。そうすると、自分がうまく説明できないことって、実は自分で納得してないことだった、って気づくことがあります。私は賛成していないけど、先生がそう言っているからと、タテマエだけで言ってしまうことって、子どもに対しても実はうまく説明ができないんですよね。いいと思ってもないことを、納得したふりして喋るうちに、「これ、違うんじゃない?」と分かってくることがあるんです。だから、言語化するのは、自分自身の再確認ですね。――僕自身も、言葉で納得しないと動けないタイプです。泉さん 納得できれば、ススっと動けるでしょう?――はい。職場でもそうですね、自分の方針を理由まで説明できるとうまく進みますね。一方で、類さんの場合、伝えることを大切にしても、すぐ忘れてしまうこともあるのでは?泉さん 記憶に残っていないということもあるけど、類の場合は、ハングリー精神がないんです。それが私のイライラの根源ですね。私自身は、納得できたらあとは一気に進める方だし、そこからは主体的に動くタイプ。エンジンがかかったら自力で走れるというか。類の場合、主体的に取り組むという感性が鈍感なんです。これをする必要があると納得することと、やるという行動が一致しないですね。それが私にはありえないから、「分かったならやりなさいよ!」となってイライラする。説明するために労力をかけて、そのあとも、自転車を後ろからいつまでも押し続けなきゃならないというか。私とは違う人だということは、小さいころから分かっていたけど、それでも何度も再確認しては徒労を感じるわけなんですよね。でも、それを徒労と言ってもいられないというか…徒労にしてはいけないんですよ、親としては。短期記憶で抜けていくことも問題はあったけど、それよりも主体的に動かないところの方が、今でも気にはなります。中学生になったころから、親子とはいえ違う人間としての距離感を考え始めたUpload By K2U関川香織――親子だけど、真逆の人間ということですよね。そんな類さんを育てる中で、類さんが成長するにつれて、泉さんの親としての関わり方は、どう変わっていったんでしょうか。どこまで介入してどこから見守るのかといったことは、成長とともに変化すると思いますが。泉さん そのあたりのことを考え始めたのは、中学校時代、類がメンズ雑誌のモデルを始めたころからですね。少し早いけど、類は仕事をすることで一社会人として生活する時間ができたわけでしょう。親と子、先生と生徒、友だち同士といった関係ではない、社会人対社会人の関係をもつことが始まったわけです。その中で、子どもはいくつになっても子どもと思っていたのでは、彼の成長を阻害すると思ったんですよね。距離感をとらないと、と。試行錯誤の中で、私自身は、子どもの個としての権利を意識していたはずなのに、できていなかった部分に気づいたということもあります。一社会人に対して、こういう物言いをしたのではダメじゃない?と気づくことがありました。――社会人として。泉さん たとえばダメ出しするときに、私がすごく雑な言い方しているなと思ったんです。仕事のチームの中で、うまくできない若手に対してそんな言い方は通らないよね、というような、ダメな上司の典型みたいな言い方です。それは、親子だから分かるよね、という甘えがあったからなんですよね。そこで、「この子の人権、私は無視していないか?」ということを、3年、5年と時間をかけて考えてきました。一社会人として、ということを意識して、どの距離感がいいの?と手探りで進んできました。今みたいな関係になるまで、時間はかかりましたよ。それまで十数年、子どもとして接してきたのですから。やっと、ですね。――なるほど…。泉さん それでも、本人の特性として、できることとできないことがありますから、助けないことが職業人として大きなマイナスにならないかということも、考え合わせる必要はありました。一周回ったところで、今はあまり距離感など考えなくなりましたね。手伝って、と言われればしょうがないから手伝いますし。ふつうの23才よりも、親として何でもやらされるというか、関係性としては近いのだと思います。自分の時間を大切にすることが、子どものためになっていくUpload By K2U関川香織――ところで、ここ数年、泉さんから見て類さんが変わってきた点はどんなところですか?泉さん 自立したいという気持ちは強くなってきたと思います。最近、友だちと遊びに行くのも、深夜までお酒飲んだりする機会も増えています。友だちとの関係が密接になると、親が知らない世界が居心地よくなるじゃないですか。でも、親がいないと生活が成り立たない。それは不便と思っているようで、それでも自分の世界を確立するために、自立したいと思っているのかなって。――発達障害があるお子さんの保護者さんは、お子さんの困り感の強さもあいまって、「わが子のために」と、ものすごく頑張られている方が多いように感じます。そうなると、子離れのためのギアチェンジってすごく難しいんじゃないかと思うのですが。泉さん 難しいと思いますよ。社会の中でも、子どものことを最優先することこそ、いい親の条件という固定観念がありますよね。仕事をしていてもしていなくても、子どもとの生活が100%でいる親がいい親というイメージ。保育園に預けていても、仕事の休憩時間には「今ごろ、お昼寝しているのよね」と考えたりするような。でも、子どもの方は親との生活が、だんだん100%じゃなくなっていきます。それなのに親の方はいつまでも”子ども100%”でいたのでは…そこの切り離し作業は、遅くなるほど年齢が上がるほど、大変になっていきます。ほんとうは、保育園・幼稚園で集団生活に入った時点から、親が子離れを考えた方がいいと思います。仕事などをして離れている間、親は「あ、私、子どもいたんだっけ!」と時々思い出すくらいが健全なのではないでしょうか。子どもとの生活は別にあって、それと自分の時間を合わせて100%にしていかないと。――ケアやサポートの必要性は別として、気持ちの面で手放すことは大事ですよね。泉さん 自分がリフレッシュする時間は死守してほしい。自分の人生を大切にしてこそ、子どもを育てられます。子どもとの距離感を大切に考える、ってそういうことだと思います。長い目で見たら、「子どものためにも、私は遊びに行きます」というくらいの感覚で育てていい。だって、自分の子どもに、自分自身以外の人のためだけに人生をささげる人になってほしいと思います?頭で分かっていても、実行するのはこわくてできないということがありますよね。経済的な問題や物理的な時間の問題から、なかなかできないことも多いかもしれない。それでも、自分の時間を守ることが大切だと思うんです。自分の人生は森を育てるように育てたい。それは結果として、子どものためになるものです。そして、早い段階から子離れを始めないと、健全な子離れはできないと思います。よその人の悪口は、聞き流すのが重要なポイントです。子どもに「自立したい」と言われてから子離れを考えたのでは、やっぱり遅いです。自分自身の生活を、小さいうちから大事にしてこそ健全な子離れができるはず。子どもが20歳になって突然できるものではないですよ。将来の夢を見させるだけじゃない、具体的にどう積み上げるかも見せるということUpload By K2U関川香織――『ブレない子育て』の中で、本編はもちろんですが、巻末の類さんとの対談が面白かったです。夫婦漫才みたいというか、掛け合いが自然で楽しそうで。その中で、モデルをやりながら、ユーチューバーになりたいと言ったのを、全面反対していましたよね(笑)泉さん もうね、それは絶対にやめさせたい!類に限らずどんな子どもにも!1から10まで理由をしっかり挙げて反対します。だって、時間がもったいないじゃないですか。類の場合だったら、そんなことしている時間があったら、俳優としてもっと勉強しなくちゃということになるし、なぜもっと大きいオーディエンスを目指さないのかと思うわけです。ユーチューバーって、ロイヤリティーの率は低くてなかなかお金にならないから、企画から演出まで演者が1人でやることになる。大きいメディアでちゃんとそれぞれの役割のプロが作っているものとは、クオリティが比較になりません。Upload By K2U関川香織――(す、すごい迫力だ…笑)ユーチューバーでもトップランナーとなると、それ一本で仕事になるような方もおられますし、子どもも憧れを持ちやすいと思いますが…。泉さん そういうごく一部のトップランナーもいますけど、ビジネスモデルとしては未来への発展性がなかなか見えないじゃないですか。表現や発信をする仕事は色々あるのに、子どもが夢を見る先が、ユーチューバーしかないというのではダメです。それを教えるのは大人の務めでしょう。夢を見るならもっといい方法があるよって、教えてあげたいだけです。――なるほど。なんというか、整然と”理”が立っていて、ほんと泉さんブレないですね…(笑)泉さん もう今日はね、この話は絶対原稿に入れておいてください。――はい、分かりました(笑)泉さんは、子どもと向き合う時に、ただ夢だけを見させるんじゃなくて、将来のビジョンに向けてどう積み上げていくのかを、しっかりと見せていかれているんだなと感じました。今日はありがとうございました。(インタビュー終わり)これまでの23年間にたくさんの試行錯誤があった泉さん。それでも、将来へのビジョンを具体的に見せていくことを含めて、ブレずに子育てしてきたということが、言葉の端々に溢れていました。育児の本質をつづった『ブレない子育て』は、まさに栗原類を伸ばした母の信条が詰まっています。撮影:田島寛久構成・執筆:関川香織田島寛久「まなざすひと」栗原泉 著。2018年6月14日発売。発達障害を公表した、モデルで俳優の「栗原類」氏(23)の母が、わが子をどのように育て、導いてきたかを綴った手記。KADOKAWA刊。
2018年06月08日自分自身が救われた子育ての経験からつづられる『発達凸凹を感じたらタッチライフをはじめよう!』広凡性発達障害の息子さんを育てる、発達障害カウンセラー・おーこさんの著書。息子さんが3歳の時から15年間実践してきたことなどに基づいた「タッチライフ」について紹介しています。自身の子育ての経験が他の親子にも役立つのではないかと、「脳・皮膚・神経との関係」や「体のこと、発達凸凹との関係性」について10年ほど学び、その知識も生かされています。タッチライフに出会う前、おーこさんは息子さんと意思疎通ができず、多動や癇癪に疲弊した経験がありました。触れ合うコミュニケーションを取り入れて、おーこさんと息子さんの生活がどのように変化していったのか。その過程を綴っているほか、体のどの部分をどのようにタッチしたらいいのか、すぐに実践できるスキンシップについてイラストでわかりやすくまとめられています。発達に凸凹のある子どもにとって安心、信頼できる親子の関係性をつくることが、日常生活の安定にも影響するそう。親子ともに”落ち着いて過ごす”ことが土台となり、子どものやる気を育むことで、できることも増えていきそうです。(発行:2018年5月22日)高まる需要に学校はどう応える?『30の事例で理解する校長・教頭の合理的配慮』子どもたちの学校生活で生じる困りごとを軽くするための合理的配慮。保護者から学校の先生へどう求めるかについては少しずつ情報を見かけることも増えてきました。学校側でも合理的配慮の具体的な内容の提示やデータベースの構築・公開などが始まっているそうです。この本では、管理職が悩む「子どもの困り感・保護者の思いをどう理解する?」「学校は何をどこまでやる? 教委は何をする?」「支援はうまく機能している? アフターケアはどうする?」といったポイントについて、大学教授や現場に勤務する校長・教頭らが、事例で解説しています。「合理的配慮とは何か」という基礎から、友人を叩いてしまったり、ノートに書き写すのに時間がかかったりといった困りごとの事例を紹介。現状や課題の分析、学校の体制づくり、そして管理職としてできることなどがケースごとにまとめられています。さまざまな現場に応用できそうです。子どもたちが安心して学校で過ごすために、管理職が考えることのヒントが詰まっています。(発行:2018年5月15日)バディって、どうすればいい?がよく分かる『自閉スペクトラム バディ・システムスタートブック:仲間づくりとコミュニケーションの支援』自閉スペクトラム症(ASD)をはじめとする発達障害のある子どもの仲間関係、友達づくりにポイントを置いた新しい支援システムを紹介しています。ASDなど発達障害のある子どもたちへの発達支援活動で何年もの間、試行錯誤して生まれた臨床上のアイデアが盛りだくさんです!バディ・システムは、友達とのやりとりが苦手といった課題がある同世代のASDの子どもが、2人1組でかかわりあい、「信頼」や「絆」を育んでいくことを目的としていています。実際にバディ・システムを始めるための準備やアセスメントから、イラストや表でわかりやすく紹介。実践の中で子ども同士の会話が増えたり、相互作用がみられた遊びをプログラムに取り入れています。さらにバディを解消する時の伝え方やタイミングまで解説されているので、支援側として初めて取り組む人も先を見通して始めることができますね。実際、多くの子どもたちや保護者の悩みにあげられる「友達づきあい」や「仲間とのコミュニケーション」。保護者や学校教員、療育・発達支援専門家など子どもたちを支援する人におすすめです。(発行:2018年5月10日)当事者への丁寧なインタビューから"しゃべりのシステム"を考える『どもる体』医学書院のシリーズ「ケアをひらく」の新作です。この本は、吃音の治療や改善について語られているものではありません。東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授の伊藤亜紗先生が、吃音当事者に丁寧にインタビュー。医学や心理といったこれまでとはまったく違うアプローチで、体の中で起こってる「どもり」の謎に迫ります。「あなたはなぜしゃべれるのか」と題した第1章では、「しんぶん」と「ぺんぎん」の「ん」をどのように発音しているか──。という問いかけがあります。「唇を閉じている」「舌先が歯裏につく」「舌の根元で喉をふさぐ」とう3つの発音方法があげられますが、同じ「ん」を2回繰り返す単語でも、どれが一番多いか、最初の「ん」と2回目の「ん」では変わるのか、統計をとって調査されています。「連発型」と「難発型」で体の中で起きていることの違い、そして「言い換え」ることは当事者にどんな影響を与えるのか。読み進めるほどに「しゃべれるほうが変。」という言葉の意味がじわじわと飲み込めてくる展開は、吃音のあるなしにかかわらず夢中になってしまいそうです。(発行:2018年6月1日)困難を経験したさまざまな家族の姿をたどる『家族のコトバVol.1 子供と向き合う編』女性向けファッション雑誌『VERY』で11年目を迎えた連載「家族のコトバ」は、さまざまな困難を乗り越えた家族を紹介する人気連載です。今回、子どもにまつわる25のエピソードがまとめられ、「子供と向き合う編」として、書籍化されました。発達障害をはじめ、ダウン症やアンジェルマン症候群、ウエスト症候群、小児がん、といった障害のある子どもを育てる家族や、流産や不育症、子宮外妊娠など母親に起こった困難を経験した家族など、25組を紹介しています。それぞれの家族を支えた「コトバ」とは…。紹介されている中には聞きなれない障害や病気もあるかもしれません。同じ診断名でも、症状などは一人ひとり違います。そして、家族のかたちも1組ずつ異なります。それぞれの家族に、困難に向き合い、乗り越えてきたストーリーがあります。総集編では、掲載当時の記事と写真に加え、新たに取材した「その後の私たち」で、近況や当時を振り返った思いが寄せられています。同じような困難の渦中にいる人、かつて経験した人だけに限らず、読んだ多くの人に勇気や優しさを与えてくれる本ではないでしょうか。(発行:2018年5月26日)
2018年06月07日社会科はいつも20点前後…机上の勉強では興味が持てずUpload By かなしろにゃんこ。旅行でのさまざまな体験は、子どもの好奇心を刺激したり、視野を広げたりしてくれますよね。旅を通して子どもの力を育むことを「旅育」というそうです。わが家の家族旅行にもそんな効果があったのかと、数年たってから気づいたことがありました。ADHDがあるリュウ太が小学生だった頃…興味のない授業のときは、廊下に寝そべってボンヤリと先生の話を聞くという怠惰さでした。中学生になると、さすがに廊下に寝そべることはないものの、机に突っ伏して寝ていました。特に興味がない教科は「社会科」!地理も歴史も自分には一生縁のないものとでも思っているのか、テストでは20点前後をいったりきたり…トホホです。都道府県の位置もちゃんと覚えていないので、福岡と福島と福井をよく間違えていました。高校生になって開花!?家族旅行で訪れた土地への興味が突然わきはじめたUpload By かなしろにゃんこ。そんなリュウ太に変化が出てきたのが高校生になってから!バイト代で夜行バスや新幹線で地方に遊びに行くことが増えてきて行動範囲が広がったからでしょうか…。ある日突然、小学校の頃に連れていった遠方の観光地について「あそこは何県のどこだったの?今度、行ってくる」と言い出しました。小さい頃の旅の記憶なんてたいして覚えていないだろう…と思っていたのですが、聞いてみると、世界遺産の白川郷や、飛騨高山で食べた飛騨牛のジューシーさをよく覚えているというのです。ほかにも、訪れた観光地の建物や滝、川に入ったときの冷たさや田畑の美しい景色もよく覚えているようです。「あの川はなんていう川だったの?あの建物は何県にあるの?今の自分なら一人で行けるんじゃない?」と、もう一度見てみたくなってきたと言うのです。訪れた場所は、五感で覚えているUpload By かなしろにゃんこ。当時は、怠そうにしている様子を見て、「仕方なくついてきているのかな?この子は自然に興味ないのかな?」と思っていたので、思いのほか息子の心に刻まれていて、うれしくなりました。「あのとき食べたアレをもう一度食べたい」「あの電車にまた乗りたい」など、家族旅行で訪れた場所を懐かしんだり、観光地の美しさや名産をようやく理解したりしてくれたよう。あははは、やっとだわ~(涙)地理に興味がなく机上の勉強ではなかなか覚えられなかった息子ですが、家族旅行を思い出し、今度は自分で訪れる計画を立てることで、日本各地の特色や名産などに興味を持って、調べるようになりました。自分から気候や特色まで調べるように!Upload By かなしろにゃんこ。いろんな観光地に連れて行ったことがきっかけで「好きなところ」が増えてくれるのは嬉しいものです。20歳になった今は、郷土愛が強くなったのか?自分が住んでいる県の地域ごとの特色や、難読地名情報を調べるのも好きになっていきました。地元あるあるのディスりネタを言っては面白がっています(これも郷土愛が強いせいとしておこう…)。また、日本各地の気候の特色などにも少しずつ興味を持っていったようで、ネットで各県の情報などをチェックしては、面白いネタを私にも教えてくれます。まだまだ歴史まで興味は広がっていませんが、ようやく苦手教科と向き合いだした感じでしょうか?旅行がきっかけで、いろんなことを調べたり、考えたり、人に伝えられるようになったり。旅って子どもを育ててくれてたんだなぁと思いました。それにしても子どもの頃の家族旅行が、高校生になってからの学びにつながるとは…時間差に驚きつつも、何がきっかけで興味が出てくるか本当にわからないものだな~とうれしく思いました。Upload By かなしろにゃんこ。障害がある子どもや大人の支援の現場を取材したマンガルポを、「実践障害児教育」(学研プラス刊)で隔月連載しています。1回目のレポートは、”障害がある人の就職支援をしている「就労移行支援事業所」はどんなところ?”と題して、「LITALICOワークス柏」のセンター長や利用者にインタビュー!「支援ってどんなことをしているの?」を、6月号、8月号、10月の3回にわたってマンガで紹介します。是非読んでくださーい♡
2018年06月05日父になったことを感じる日Upload By 黒木 聖吾もうすぐ父の日だ。父の日は自分が父親であることを感じる日。いつからぼくは父親になれたのだろう?いや、本当になれているのだろうか?わが家には小学校4年生になった長男、ダウン症のある脩平(しゅうへい)がいる。朝、脩平が元気に家を出て、小学校へ向かう。そんな姿を見ると心からほっとする。「学校へ行く」そんな簡単なことでさえも、困難な時期があったから。起きない、着替えない、玄関にしがみつく、泣き叫ぶ…。一体、彼が何につまずいているのか、親として何をしてあげたらいいのか。夫婦でさまざまなことを話し合い、時には迷いながら子育てをしてきた。わが家の、夫婦の役割分担出典 : 妻は出版社に勤務し、書籍の編集者をしている。ある日、取材先から帰ってきた彼女が言った。「あそこで脩平が働けたらいいな」妻がそんなことを言ったのは初めてだったので驚いた。というのも、脩平の障害が判明してから、僕と彼女とでなんとなく役割の区分が違ったのだ。僕は父親として、どちらかというと、子どもの「遠い将来」を考えて活動をしてきた。障害者を取り巻く社会環境を変えたい、将来、自分の子に選択肢を増やしてあげたい。そんな思いから、アクセプションズというダウン症啓蒙のためのNPOに携わっている。一方妻は、日々の子どもの世話を通して、教育環境を整えたり、地域コミュニティでの理解に尽力している。つまり、子どもの近い将来を考えた活動だ。と、そんなふうに書くと僕も妻も、なんとも素晴らしい親のように聞こえてしまうかもしれないが、そんなことはない。実のところ、共働き夫婦の僕たちは、目の前の子どもの世話や教育で毎日がいっぱいいっぱい。とくに妻などは戦場のような毎日で、脩平の将来などまだまったく考えられないし、就労なんて想像さえできないという状態。だから、そんな彼女が突然、口にした言葉に驚いたのだった。その日、彼女が本の取材で訪れたのは、栃木県足利市にある『こころみ学園』。何がそんなに妻の心を動かしたのだろうか。法人アクセプションズ妻の心を動かした、こころみ学園とは?Upload By 黒木 聖吾こころみ学園とは、1969年、栃木県足利市に誕生した知的障害者施設のこと。当時、中学校を卒業すると行き場を失っていた知的障害のある子どもたちのために、教師だった川田昇先生が私財をなげうって山を購入し、子どもたちとともにぶどう畑を開墾したのがすべての始まりだった。僕も以前、NPO法人アクセプションズでココ・ファーム・ワイナリー(こころみ学園と併設)へ見学にいったことがあった。こころみ学園では、知的障害のある園生たちが住み込みの形で、ぶどう栽培やしいたけ栽培、ワインづくりをしている。Upload By 黒木 聖吾学園開設当時、「障害があるのだからおまえは何もしなくていい」と親に言われ、「何もやりたいことなんかない」と言っていた子どもたち、白魚の手をしていた子どもたちが、大自然の中で格闘しながら農業をするうちに、たくましく、したたかな農夫へと変わっていったという。そして、そこで栽培されたぶどうで丁寧につくったワインは、やがて沖縄サミットにも出されるほどの日本を代表する高品質のワインになった。夫婦の考えを変えた農夫たちの姿出典 : 見学に行く前、そうは言っても農業なんて大変だろうと、都会暮らしに慣れた僕は考えていた。でも、そこで働く知的障害のある人々の屈託のない笑顔を目の当たりにして、180度考えが変わった。妻もまた、別の日に取材で初めてこころみ学園を訪れたわけだが、「それぞれができる仕事を、それぞれが自主的にやる」という学園の自然体な働き方と、そこで働く人々の姿にピンと来るものがあったようだ。妻が編集した、学園についての本そして著者との二人三脚で完成した本がこれだ。妻が編集をしたこの本には、学園の創設者・川田先生の言葉が登場する。人が人間らしく生きるためには、あるていどの過酷な労働は、必要なのではないかと思います。どんなことに対しても『まだできる』とがんばり、これでもかこれでもかと挑戦して、汗を流してじぶんのものを築く。そういうことのたいせつさがわかったとき、ほんものの人間になれるような気がするのですこの言葉は深く僕の心に刺さった。中年サラリーマンである自分、そして、障害のある子の父親である自分に、「働くとは何か」「人間らしく生きるとは何か」とても根源的で大切なことを突き付けられた思いがする。それは、障害があってもなくても、なんら変わりはない。息子には「人間らしく」生きてほしい。そのために父親の僕ができること。それは息子に「まだできる」「挑戦したい」という環境を用意することかもしれない。そして、息子が人間らしく誇りをもって自分の人生を歩みはじめた瞬間、僕はようやく本当の父親になれるのかもしれない。こころみ学園だより | ココ・ファーム・ワイナリー
2018年06月04日【ニュース】手に入れられない人たちに届けよう!啓発用「ヘルプマーク」を先着5,000人に無料で郵送配布Upload By 発達ナビニュースヘルプマークを必要としていても、手に入れられない人たちのために「全国ヘルプマーク普及ネットワーク」が全国キャンペーンとして文字入りの啓発用ヘルプマークの無料配布を5月18日からスタートさせました!ヘルプマークは、外見からは分からない難病や障害のある人が周囲への支援や配慮を求めるためのものです。東京都が2012年から導入し、キャンペーンが始まった2018年5月18日現在で21都道府県でも取り入れられているそうです。認知が広まり需要も高まる一方で、当事者本人がさまざまな症状などから配布場所に取りに行きたくても行けない状況も知られるようになってきました。こうした理由でヘルプマークを受け取ることができない人たちに、本来無料で手に入るはずのヘルプマークをインターネット上で転売する騒動も起き、問題となりました。この流れを受けて、同ネットワークが今回の全国キャンペーンに乗り出したのです!このキャンペーンでは、啓発用のヘルプマークを無償で郵送配布します。住んでいる自治体で導入していない人、または導入しているが、身体、精神状態により配布場所に取りに行けない人、ヘルプマークを現在持っていない該当当事者が対象です。公式ホームページから申し込みできるので、ぜひチェックしてみてください。また、公式ホームページでは、症状や必要な援助などを書き込んでおける「折り紙ヘルプカード」もダウンロード版として常時無料で提供しています。全国の自治体のマスコットキャラクターなどとコラボした独自のデザインもあるので、お気に入りの1枚を探すのも楽しそうですね。【開始日】2018年5月18日【個数】5,000セット(無くなり次第終了)【申し込み対象者】ヘルプマーク使用対象の本人、またはその家族(1人1セット、1回限定)【配布内容】「援助が必要な方のマークです」文字入りヘルプマーク、名刺サイズのヘルプカード、くまモントーチデザイン「折り紙ヘルプカード」、ヘルプカード収納用透明ケース、リーフレット全国ヘルプマーク普及 ネットワーク 公式ホームページ【ニュース】ラミちゃん LINE公式スタンプが発売開始!収益はダウン症のある子どもたちへUpload By 発達ナビニュース横浜DeNAベイスターズのアレックス・ラミレス監督のLINE 公式スタンプ「ラミちゃん ボイススタンプ」が発売されました!ダウン症の子どもたちへの寄付を目的にラミレス監督自ら発案したそうです。お子さんがダウン症であることから、同じ境遇の子どもたちをサポートしたいという思いが込められています。LINE 公式スタンプの売上利益は、ダウン症など知的障害のある若者たちの新しい成長の機会を提供するスペシャルビューティージャパンの活動に寄付されます。スタンプは全24種類。ユニークで表情豊かなラミレス監督がデザインされています。「ラミちゃん」と呼ばれ選手時代から愛されている人柄が表れていますね。そして、野球に関連した言葉はもちろん、日常会話にもどんどん使いたいワードばかりです!今回の、LINEスタンプ発売にあたり、ラミレス監督はこのようにコメントを寄せています。「子どもが産まれると分かった時、妻と私の心に最初に湧いたのは、『神様ありがとう、偉大な祝福をありがとうございます!』という気持ちでした。そして産まれてくる息子がダウン症だと分かった時、神様によってもっと祝福されたのだと思いました。なぜなら、神様は選ばれし人にしかスペシャルニーズのある子どもの親になる機会を与えてくださらないと思ったからです。そして今、私たちは息子から無垢の愛を毎日毎日もらっていることに感謝しています。ダウン症の子どもだけでなく、スペシャルニーズのあるすべての子どもたちに美と愛をお届けできるように。たった一つのハグ、たった一つのキス、たった一つの笑顔があなたの一日を変えていきます! 皆さんに神様の祝福がありますように!」スタンプとともに、この素敵な思いとダウン症の子どもたちへの応援が広がっていくといいですね。【名称】ラミちゃん ボイススタンプ【価格】240円/全24種類【寄付先】スペシャルビューティージャパン横浜DeNAベイスターズ 公式ページ:ダウン症の子どもたちを支援するA.ラミレス監督オリジナルLINE公式スタンプが登場【イベント】「Challenged Open!2018障がい者働きがいフェア 東北」が2018年6月19日(火)に開催!(宮城県)出典 : 一般社団法人 日本障がい者就労支援センターが主催する「Challenged Open!2018 障がい者働きがいフェア 東北」が2018年6月19日に開催されます!健常者と障害者という垣根を取り払い、誰もがやりがいをもって働ける多様性のある社会を目指すのがこのイベントの目的です。障がい者就労支援団体と企業のマッチングイベントとしては日本初だそうです!!障害者が当たり前に企業で働ける社会の実現のためには、障害者就労支援事業所と企業をマッチングして、共に支え合えうことが大切ですね。当日は、障害者就労支援事業所による商品の展示即売や福祉団体、民間企業による展示プレゼンテーションなどが行われます。また、障害者就労支援施設と企業のマッチング、求人企業と就活学生のマッチングも企画。講演会では障害者受け入れの最新情報や実践企業のお話を聞けるそうです。さらに障害者によるパフォーマンスやミニコンサートもあり、盛りだくさんの内容となっています。【日時】2018年6月19日(火) 10:00~17:00【会場】夢メッセみやぎ西館展示場【参加】参加自由 入場無料【内容】福祉団体や一般企業、NPOの展示プレゼンテーション障がい者就労支援施設と企業のマッチング求人企業と就活学生のマッチング講演多数(企業の障がい者受け入れの取り組み等)ワークショップ(希望の星マッサージ/障がい者によるデータ入力/ミニコンサート/ダンスパフォーマンス等)【問い合わせ】一般社団法人 日本障がい者就労支援センター (事務局 :長南)TEL:022-236-0632一般社団法人日本障がい者就労支援センター【ニュース】記念講演は為末大氏(元陸上選手)!日本自閉症協会全国大会・全国情緒障害教育研究協議会の参加者募集中!(広島県)出典 : 年9月15、16日の両日に広島県で開かれる第25回日本自閉症協会全国大会(広島大会)第51回全国情緒障害教育研究協議会広島大会の参加募集が開始されました!『つながろうや わかりあおうや 平和のまち 広島じゃけぇ』のスローガンを掲げて、記念講演や各種シンポジウムが計画されています。記念講演では、開催地の広島市出身で元陸上選手の為末大氏を講師に招きます。「誰もが分け隔てなく自分を表現することを楽しんでいる風景を作る」とうコンセプトの新豊洲Brilliaランニングスタジアムの館長も務めており、選手時代や現在の活動など興味深い話が聞けそうです。シンポジウムは、「楽しさ」に軸を置いて「療育」「学校」「地域」のそれぞれのテーマで、専門家らが登壇してディスカッション。現状行われている実践についてや今後の課題、自閉症スペクトラムの子にとっての学校、当事者が地域で生活することが当たり前の社会になるための生活や支援のあり方などを考えます。日本自閉症協会と全国情緒障害教育研究会は同時期に発足し、今年は共に50周年という節目の1年でもあります。日本自閉症協会は前身が「親の会」で親や支援者で構成、全情研は教員と支援者の研究会です。会員や会の性質はそれぞれですが、創設期から深い関わりがあったそうで「自閉症スペクトラム」の支援における教育、福祉等の推進をはかることを目的としています。その2つの会が共催して、現状の課題や実現したい将来を共有することはとても重要な機会と言えそうです。こちらは、誰でも参加可能なので、興味のある方は気軽に応募してみてください!【日時】2018年9月15日(土)12:50〜17:45(18:00〜懇親会)16日(日)9:20〜16:00【会場】JMSアステールプラザ(広島市中区加古町4-17)懇親会:広島市文化交流会館3階【参加】2日間5,500円、15日のみ3,000円、16日のみ3,500円(自閉症協会会員は各500円引き)、学生一律2,500円、懇親会5,500円【内容】〈記念講演〉「わかりあうこと~違うことへのリスペクト~」為末大氏(DEPORTARE PARTNERS代表、新豊洲Brilliaランニングスタジアム館長)〈シンポジウム〉「楽しめる"療育"をめざして。~自閉症特性を伸ばす子育て~」「楽しさのある"学校"へ。~毎日笑顔で過ごせる学校~」「楽しく生きる"地域"で。~ひとりひとりが大切~」【申し込み・問い合わせ】一般社団法人自閉症協会(担当:小松)TEL:03-3545-3380 FAX:03-3545-3381Eメール:2018hiroshima@autism.or.jp※クリックすると、株式会社東武トップツアーズのページに遷移します第25回日本自閉症協会全国大会(広島大会) 第51回全国情緒障害教育研究協議会広島大会【ニュース】自閉症の弟の母親代わりとなった少女のドキュメンタリー。映画「祝福~オラとニコデムの家~」が6月23日(土)からロードショーUpload By 発達ナビニュースポーランドのワルシャワで自閉症の弟、アルコールに依存する父親と暮らす14歳の少女・オラに密着したドキュメンタリー映画『祝福~オラとニコデムの家~』が6月23日(土)から順次全国で公開されます。家を出て行ったまま戻らない母親の代わりに、家事や13歳の弟の世話をするオラ。ばらばらになった家族の間に立ち、周囲の大人に苦しさを見せない姿は14歳という年齢を忘れさせるほど、たくましさを感じます。そんな中、弟の初聖体式が近づき、オラはそれが成功すれば、また家族が一つになれると信じてニコデムと練習を重ねていきます。久しぶりに家族がそろった初聖体式の日、初めて見せたオラの眩しい笑顔に、彼女の日常はこの日のためにあったと感じさせられます。「自分自身がこの映画の少女だった」と語るアンナ・ザメツカ監督だからこそ、自身の経験と重ね合わせて、オラに寄り添い、撮ることができた繊細な作品。子どもたちの切なる願いや声にならない心の叫びが心を打ちます。2017年ヨーロッパ映画賞最優秀ドキュメンタリー賞、2017年山形国際ドキュメンタリー映画祭大賞、2017年ポーランド映画賞最優秀ドキュメンタリー賞など数々の賞を受賞。©HBO Europe s.r.o., Wajda Studio Sp. z o.o, Otter Films Wazelkie prawa zastrzeżone. 2016【公開】6月23日(土)より、ユーロスペースほか全国順次公開【作品データ】脚本&監督:アンナ・ザメツカ撮影監督:マウゴジャータ・シワク編集:アグニェシュカ・グリンスカ、アンナ・ザメツカ、ヴォイチェフ・ヤナス原題:Komunia|英語題:Communion2016年|ポーランド|DCP|カラー|5.1ch|75分|配給:ムヴィオラ【問い合わせ】ムヴィオラTEL:03-5366-1545映画『祝福〜オラとニコデムの家〜』公式サイトまとめ6月も、さまざまなイベントやニュースをご紹介しました。ヘルプマークを受け取りに行けない人たちへの無料郵送やLINEスタンプでの支援など、今困っている人たちの助けになりたいという優しい気持ちが感じられる取り組みがありますね。映画や講演会などは改めて自分の立場を俯瞰して見つめ直すきっかけになるかもしれません。今後も、発達障害に関するニュースやイベントを紹介していきます!7月に全国各地で開催されるイベント・講演会などを募集します。情報をお待ちしてます!
2018年06月01日広汎性発達障害の娘が特別支援学級に通い始めた!小学校入学後に通常学級が合わなくなってきて、2年生からの特別支援学級への転籍が決定した娘。特別支援学級在籍のための手続きが無事終わったのは9月でした。あとは3月ごろ、教育委員会から最終決定の書面が届くのを待つのみとなりました。そして養護教諭の先生から提案され、翌月の10月から、娘は1日1時間だけ支援学級へ通い始めました。Upload By SAKURA娘は、支援学級に行くことをすんなり受け入れてくれました。娘は「楽しい!」と言ってるけど…実際どんな風に過ごしてる?特別支援学級の慣らしが始まって、初日から「楽しい」という娘の言葉を聞くことはできたのですが、肝心の雰囲気、勉強のやり方、周りの様子など、特別支援学級での授業の様子が気になります。ところが、娘に聞いてみたところ…Upload By SAKURAすぐに、担任の先生、養護教諭の先生にお願いしましたが、授業参観やそれ以外の都合がなかなか合わず…年が明けた1月、やっと念願の見学できることになったのです。特別支援学級での国語の授業を見学見学する授業の教科は選ぶことができたので、私たちは娘が苦手とする、国語の授業を見学することにしました。娘が座る机の前に、養護教諭の先生が座り、家庭教師のような状態。本読みする時は、先生がそばにいてくれるようです。Upload By SAKURA娘が読むのに疲れ、集中が切れてしまったと感じると、深呼吸させたり、背伸びをさせたり、気分転換させてくれています!選ぶことが難しい娘、先生の対応は…?この日のメインは調べ物の授業。通常学級で後日やるお題選びを、特別支援学級で決めておく、というものでした。娘は、選択が苦手。自分が興味のないことだとなおさら。とりあえずなんでもいいから決める、ということがなかなかできません。この時も、案の定、先生から『この中でどれにする?』と言われた娘は、なかなか選ぶことができません。Upload By SAKURA親としては、見ていてなんとも歯がゆい感じ。娘は、「ちょっと考える…」と言ったままフリーズ。しかし、先生は娘を焦らせることなく待ちます。「どうするのかな」と思いながら見ていると、しばらく待った先生はお題の中から2つ取り、娘に聞きました。Upload By SAKURA常に先生は娘に二択から選択させました。二択になった娘はすんなり決めることができ、最後に残った一つにお題が決まりました。これなら娘も選びやすい!娘に合わせる特別支援学級のやり方に感激!娘に合わせてくれたこのやり方に、私は感動!特別支援学級という場所で、本当に娘に合った方法を取ってくれるのかと、不安だった私ですが、見学をしたことで、私の不安は一気に吹き飛ばされました。ここでいい!いや…ここがいい!ここで学んだら、娘も伸びるかもしれない!Upload By SAKURA不安が希望に変わりました。娘は2年生から、この特別支援学級に在籍し、国語・算数の授業のみ、特別支援学級で受けています。そして、特別支援学級の担任は、見学の時に担当してくれた養護教諭の先生です。特別支援学級の担任と通常学級の担任の連携も取ってくれ、連絡もこまめに取ってくれます。一年生の時あんなに迷った進級先でしたが、私の選択は、今のところいい方向に行った気がしています。娘が笑顔で学校生活を送れるように、私も引き続きサポートして行きたいと思います。
2018年05月30日『子どもも親も幸せになる発達障害の子の育て方』著者の立石美津子です。障害基礎年金は自動的に受給はできない!申請のために必要なものとは…Upload By 立石美津子障害のある人は障害基礎年金を20歳から受け取ることができるのは、知っていますか?息子は現在17歳。年金受給できる年齢まであと2年ちょっとです。私は「療育手帳を持っていれば、障害基礎年金は自動的に受け取れるもの」と勘違いしていました。学校の個人面談で担任から、「立石さん、主治医はいますか?いないのであれば、20歳になったら障害基礎年金を受給できるように、申請に必要な診断書を書いてくれる医師を、今から探しておいてください」と言われました。私は、障害基礎年金の受給の申請のためには療育手帳だけ持っていてもダメで、主治医の診断書が必要なのだとこのとき初めて知りました。参考:日本年金機構小児科・児童精神科には年齢制限がある出典 : 私の家の近所に小児専門の国立病院があります。もちろん、発達障害児のための専門外来もあります。でも高校生以上の初診は受けつけていないそうです。発達障害のある子どものかかりつけは、小児科や児童精神科が多いと思います。ですが小児科や児童精神科は、原則として中学生までしか受診ができません。以前は成人期になっても小児科・児童精神科にかかる場合もあったようですが、発達障害の診療ニーズが高まる中、継続しての支援が難しくなってきたという背景もあるようです。また、幼児期は療育に通ったり病院を受診していたりしたけれど、小・中学校時代にはトラブルなく過ごせ、思春期以降も問題行動などの二次障害もなく落ち着いている場合、投薬もなく、主治医を持たないケースもあるでしょう。友人にも「子どもが小さい頃は病院に行っていたけれど、今は定期通院していない」という人が多くいます。そうすると、「障害はあるのに問題行動が落ち着いて病院を離れていた結果、主治医がおらず、年金申請に必要な書類を書いてもらえない」という状態になり、慌てることになってしまうのです。つまり、20歳を迎える前に年金受給申請することになりますが、それまでに成人を診られる病院で主治医を見つけておく必要があります。障害のある子を育てているママ友のなかには、子どもが幼い頃から「年金申請のこと」まで見越して、最初から大人の精神科が併設されているクリニックに通わせている人もいます。でも私は、担任に言われるまで、まったくその知識がありませんでした…。主治医探しの旅へ出典 : 現在、息子は強迫性障害のために大学病院に通院しています。ただ、この病院は「病気の診断を確定して治療方針を立てるところ」です。定期的に通う場合は、住まいの近くのクリニックに転院する必要があるようです。そういう意味ではずっと診てもらえる主治医がいない状態です。わが家の場合、大学病院から他の病院への紹介などはないため、自力で見つける必要があります。都内の精神科のクリニックに電話をしてみました。しかし、まず電話がつながりません。30分電話をかけ続け、やっとつながったとしても「来月の初診枠は満員となりました!」と言われてしまいました。さらに「年金申請の診断書記入目的の新患は受けつけていません」と言われてしまったのです。こうして、病院探しの放浪の旅の途中にあるわが家ですが、医師の立場に立てば、18歳になっていきなり来られても「幼い頃からずっと診てきている訳ではないので、受診してすぐ診断書を書くことは難しい」と考えるのも頷けます。参考:発達障害診療における小児科から精神科へのトランジション | 精神科治療学 第32巻12号(星和書店)精神科医へのスムーズな引継ぎがあれば…出典 : 障害基礎年金の申請支援までして引き継いでもらうことができたら…小児科で診られる年齢と、年金申請までの期間があることなどによって、このような問題が出てきてしまいます。せめて、小児科・児童精神科医が、患者の状態を要約して書面にして成人期の病院へ引き継いでくれたら、精神科医も対応しやすくなると思います。「障害のある人が月に6.5万円(※)を稼ぐことはとても大変です。障害基礎年金があることで、無理なく働くことができるのです」と、知人の社会保険労務士は言います。私もそう思います。ライフラインともいえる障害基礎年金の申請がままならない、制度のはざまでもがく、わが家のような家族はたくさんいると思います。障害基礎年金の申請にも関わる社会の仕組みが、改善されてほしいと強く願っています。そしてまた、わが家のように路頭に迷わないよう、発達障害のある子どもを育てている保護者のみなさんには、中学生になるぐらいから、成人期を見据えた主治医探しをはじめておいてほしいとも思います。(※)「障害基礎年金」年額より算出。障害基礎年金は1級で年額974,125円、2級で779,300円(2018年度)
2018年05月26日「普通の高校生活」を送るために、病院へ学校から、高次脳機能障害の後遺症の悪化を避けるため、体育の授業も部活動も、果てには自転車通学も「ご遠慮いただきたい」と言われてしまった私たち。確かに「もしも」を考えると不安はありますが、けがをした後も中学校では、周りの友達と同じように過ごしていました。それが、高校に入って状況が変わってしまったのです。体育も部活動も自転車通学も…ごく普通の活動をさせてもらうために、ハードルがあるなんて、思ってもみませんでした。リクの望む高校生活を得るため、高校に指示された「医師の許可」の書類をもらうべく、病院の発達支援コーディネーターさんと診察室に入りました。あれもこれもダメ出し!リスクばかりを懸念する主治医Upload By ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみ「お母さん、目立たない方がいいよ」に激怒。これは私たちの意思なんだ!主治医は何を言っても首を縦に振りません。ついには、こんな言葉を私に投げかけてきました。Upload By ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみ禁止ばかりの高校生活は「空っぽだ…」。かけがえのない経験をさせてあげたいけれどUpload By ひらたともみ悲しかったです。心の底から悲しみであふれ、しばらく食事も喉を通らないほどでした。リクが昨年、外傷性クモ膜下出血で入院したとき、確かに医師に「二度めはダメだよ!当分は慎重にね」と言われました。再び頭部を強打したり、脳に強い揺さぶりがあると、後遺症の症状も重くなるケースが多いそうです。私もリクもそれは十分に理解しています。ですが、15歳の息子に好きなスポーツを禁じ、転倒を恐れて自転車を禁止し、限られたことをこなしていくような生活が、本当にいいのか。リクは今、体だけでなく心も成長しているまっただ中で、リスク回避ばかりの「安全」は、決して幸せな高校生ではないような気がしてなりませんでした。リクがけがをし、高次脳機能障害を負ってから、高校や病院だけでなく、かかわったすべてのものに、不信感を抱くようになりました。「もしも」の責任の所在など、リクも私たち家族も正直、どうでもいいのです。「●●病院なら書いてくれるんじゃない?」と言ってみたり、意見すると「お母さんは目立たない方がいい」と言ったり…。私の不安な気持ちをあおり、対応から逃げようとする姿勢が、悲しみを大きくさせた気がします。結局、そんな不信感からいまだ脱することができず、「コーディネーターさんに高校とのパイプ役になってもらったら?」という提案もお断りしました。そして主治医に「●●病院で書いてもらえば?」と言われた病院にも行けずにいます。結局リクは、体育の参加も自転車通学も認めてもらえず、毎日私の送迎で登校し、体育は見学で過ごしています。しかし、以前のように不満を吐くこともありません。それがなんだか、もの寂しくもあります。「学校はどう?」と先日聞いたら、たった一言「空っぽだ…」と言って自分の部屋に行ってしまいました…。その肩を落とした後ろ姿が、私の脳裏に焼きついて、悩み、考えあぐねている日々です。
2018年05月25日無表情だった長男に変化が!2歳ではじめてしゃべった言葉自閉症の長男が赤ちゃんの頃のことです。定型発達の双子の次男に比べ、長男は呼びかけに対する反応も薄く言葉も出ませんでした。そのころは長男が自閉症だとは診断されていなかったので、表情の乏しい長男と接することに不安を覚える毎日でした。言葉もなかなか出ず、「この子は何か障害があるのではないだろうか」─そんな思いが頭をかすめ始めていました。しかし、2歳を過ぎた時、長男が朝ごはんを食べている最中に大きな声で言ったのです。Upload By シュウママ発音は聞き取りにくかったけれどついに言葉を話してくれた!とても嬉しかったことを覚えています。それからしばらくごはん前になると「いただきます」と言うようになりました。このままどんどん言葉が増えていくんだと思っていました。けれどある日ふと気づいたんです。「あれ、最近『いただきます』って言わないな」─。私は長男に「いただきますは?」と聞いてみました。消えてしまった「いただきます」…。もう一度言ってみてけれど長男はじっと私の顔を見つめるだけで、何も言おうとしませんでした。Upload By シュウママ強制してはいけないのかと思い、促すことはやめました。その代わり家族で大きな声を合わせて「いただきます」と言うようにして言葉が戻ってくるのを待っていました。けれど、その後も、長男が「いただきます」と言うことはありませんでした。それから2年の月日が流れました。再び長男に変化!4歳になったころには歌を聞かせてくれました変化があったのは長男が4歳になったころ。その当時、長男は療育施設に通っていたのですが、園で覚えてきた手遊び歌を真似して歌うようになりました。笑顔で歌っていたのです。Upload By シュウママ「ああ、また言葉が出始めた!」本当に嬉しかったです。けれどその喜びも長くは続きませんでした。またしても言葉が出なくなったのです。あんなに楽しそうに歌っていたのに、どんなに呼びかけても歌わなくなってしまったのです。このときの私のショックはとても大きく、主治医の先生に相談に行きました。言葉はどこにいったの?悩む私に先生がかけてくれた言葉私の話を聞いた先生は「今は辛いかもしれないけど、どんどん話しかけてあげてください」と言ってくださいました。Upload By シュウママけれど私は「もう一生言葉が出ないんじゃないかと思うんです」と半ば投げやりに言ってしまいました。「どうせまた言葉は消えてしまうんじゃないか、それなら期待しないでおこう」と思ったからです。けれど先生は「今は言葉の種まきだけしておいてくださいね。またきっと言葉が話せるようになりますよ。一度しゃべったんだもん。大丈夫ですよ」と笑顔で声をかけてくれました。正直、そのときは半信半疑でした。しかし、それからまた長男の言葉が戻ってくるときが突然やってきました。7歳になった頃、「おかあさん」と呼んでくれたのです。Upload By シュウママ成長はそれぞれみんな違うもの涙が出るほど嬉しかったけれど、同時にまた言葉が消えるかもしれないという不安がありました。それでも長男の姿を見た主治医の先生は、素直に喜んでくださいました。Upload By シュウママ息子が9歳になった現在まで、先生の言葉の通り、長男は発音は不明瞭ながら、たくさんの言葉を話すようになってきました。発達障害のある子どもは階段状の成長はしていかないと感じています。ある時は一気に上り、また下がりまた上がり…その繰り返しだと思います。けれど後退しているように見えても、実際はそうではなく着実に前へと進んでいるのだと気づかされました。かけ続けた言葉は、きっとお子さんの心の中に根づいていきます。いつか言葉の花を咲かせる日が来るかもしれません。どうか、言葉の種をまき続けてください。そして、お子さんの言葉の世界を豊かに育ててあげてくださいね。Upload By シュウママ
2018年05月23日発達障害があるなしに関係なく、子どもの就学は親にとって大きなイベントですが、障がいのある子を持つ親にとっては、就学先を考えることに加えて、さらにもうひとつ大きな問題があります。それは、放課後の過ごし方。学童に問題なく通える子はいいけれど、障がいの程度によっては、学童利用が制限されることがあります。そこで代わり通うのが放課後等デイサービス(※)です。筆者の息子(自閉症スペクトラム)も、来年は小学生。就学先と並行して、いろいろな施設を見学に行っている最中です。そんな中で知ったのが、パソコンを学んだりサッカーができるという 放課後デイサービス「あいだっく」 。普通の施設とは一風変わったプログラムを実施していることに興味を感じ、取材に行ってきました。代表の上田宏樹さんにお話を伺いました。※放課後等デイサービスとは、障がいのある就学児(小・中高校生)が放課後や長期休暇中に通うことができる施設のこと。対象は、障がいのある子ですが、障がい者手帳がなくても、専門家などから必要が認められれば通うことができます。単に預かるだけでなく、子どもが楽しんだり成長したりできる場所を提供したい―― 御社はもともと福祉系ではなく、様々なサービス業をしていますが、放課後等デイサービス(以下、放課後デイ)事業に参入したきっかけを教えてください。上田宏樹さん(以下、上田さん):私はサービス業が大好きで、世の中に独自の新しいことを作っていきたいという思いがあります。ある時、ふとしたきっかけで、放課後に行き場がなくて困っている子どもたちがいることを知り、「じゃあ、我々で居場所を作ろうよ」と、この事業に参入しました。―― はじめの放課後デイで、絵を描く「アトリエあいだっく」を始めたのはなぜですか?上田さん:それまで放課後デイ事業は、単なるお預かり事業のような側面がありましたが、弊社がやるならば単に預かるのではなく、子どもたちが楽しんだり成長したりできる場所にしたい、と思ったからです。そして、働くスタッフもやりがいを感じられるような働き方をしてほしいと思いました。もともと弊社がデザイン会社からスタートしたというのもあり、「子どもたちが自由に楽しく絵を描ける場所をつくろう!」と。民間独自のアイディアで福祉業界に新しい風を吹き込んでやろう! という意気込みもありましたね。―― 子どもたちは絵を描くことが大好きですものね。上田さん:それが、私たちの予想に反して、最初の頃はみんなぜんぜん絵を描かなかったんですよ(笑)。でも、スタッフの情熱と子どもへの上手な働きかけ、子どもたちの成長で、少しずつ興味を持ってくれる子が増えてくれました。「アトリエあいだっく」で子どもたちが描いた作品。ここでは絵画や工作などの作品作りを通し、時間や決められた流れに沿った集団行動を継続して行えるよう、サポートしている。 「アトリエあいだっく」詳細はこちら >> とはいえ、やっぱり絵には興味を持てず、体を動かす方が好きな子もいます。そこで、そういう子も楽しめるように、歌やダンス、楽器が楽しめる「スタジオあいだっく」を設立しました。「スタジオあいだっく」では、通常活動や年二回の発表会を通し、歌、ダンス、楽器を集団行動で行うことをサポート。仲間たちと協力し合いながら活動することで、他者との関わりや集団で行動することの楽しさ、思いやりの心を養う。 「スタジオあいだっく」詳細はこちら >> その後、パソコンが好きな子もいたので、生徒全員がパソコンに触れられる「パソコンあいだっく」も設立しました。「パソコンあいだっく」では、いろいろなソフトやハードを使用して、子どもたちが自分自身で「やりたいこと」を見つけて、タイピングの技術向上につながるようサポート。長時間課題に取り組める集中力も養える。また、作品発表や質問をすることで、自己主張や表現力の向上にもつながるという。 「パソコンあいだっく」詳細はこちら >> ―― 子どもたちのニーズに応えて、どんどん進化しているのですね! 月曜から金曜日まで、ワンパッケージで子どもたちはさまざまな体験ができますし、「あいだっく」として全体で情報共有して支援体制を考えられるのも、保護者にとっては心強いですね。上田さん:「はじめると決めたら赤字になってもつぶさない!」という覚悟で運営していますよ。飲食業のような他のサービス業と違って、運営が立ちいかないからといって、子どもたちを追い出すようなことは絶対にしたくないですからね。チャンスは、すべての子どもに平等であるべき―― 放課後デイの運営にあたって、「あいだっく」が大切にしていることは何でしょうか上田さん:子どもの表現方法の幅を広げることを大事にしています。障がいがある子たちは、いろんなことが制限されがちですが、そこを広げて、今までできなかった表現方法を見つけられる機会を提供できたらと思っています。例えば、パソコンに関しては、よく保護者から「パソコンの練習するんですか?」と聞かれるのですが、そうではなくてパソコンはあくまでツール。パソコンで小説を書く子もいますし、絵を描く子もいますし、動画を作る子もいますし、話すのは苦手だけどチャットならコミュニケーションがとれる子もいます。パソコンは “自己表現の幅を広げるきっかけ” にしてほしいと思っています。――なるほど。上田さん:他の子どもたちは、放課後は自分で自由に遊びにいけますし、習い事にも行けます。でも、障がいがある子たちは、行動が非常に制限されてしまいます。でも、同じ人として、それは違う。チャンスはすべての子どもに平等にあるべきだと思うのです。―― 本当にそうですね。お友達のお子さん(自閉症スペクトラム)で、水泳教室の入会を断られた方がいました。水泳は命に関わる危険もあるので、受け入れ側も体制が整っていない場合は難しいのかもしれませんが、こうして様々なチャンスが奪われてしまうのは非常に悲しく残念でして…。上田さん:だから、弊社は「サッカーあいだっく」も作ったのです。オリンピック開催が決まってこれからスポーツが盛り上がるという時に、他の子と一緒になって盛り上がれるように、と。また、サッカーをはじめたもうひとつの理由は、保護者のためです。自分の子どもの試合を観戦することは、親の最大の楽しみ。そんな機会がないことも、親にとっても機会損失です。試合をした時に、私が何より感動したのは、お母さんたちの熱狂具合でしたよ(涙)。ルールを守り、集団の中の一員という意識を持ちながら運動活動することを学ぶ「サッカーあいだっく」。サッカーを通して、探求心や協調性、コミュニケーション能力の向上を目指す。 「サッカーあいだっく」詳細はこちら >> いろんな人がいて当たり前な世の中になってほしい――「あいだっく」では、文化祭や卒業式などのイベントもしているそうですね?上田さん:成果がわかる発表の場があるというは、子どもにとってもスタッフにとっても、やりがいのあることだと思います。みんなとても張り切って楽しそうでした。卒業式では、毎年号泣してしまいますね。今、卒業後もみんなが生き生きとしたつながりを持てる場を作れればと、例えば劇団なんかどうだろう? といろいろ考えているところです。――「ただのお預かり施設にはしたくない」という上田さん思いが、ここにも表れているのですね。上田さん:正直、僕はこの事業をはじめるまで、障がいのある方と身近に接する機会がなかったんです。だから、みんなにはもっと外に出て欲しいし、まわりの皆さんにも知ってほしいです。隣にいろんな人がいて当たり前、そんな世の中になってほしいと思います。最近、盲目の方がR-1で優勝しましたけど、あんなふうに、障がいを持った人がどんどんいろんな場に出て、本人も笑いのネタにしちゃうくらいの自信を持って生きてほしい。そのために弊社ができることは何だろう? と、常に自分に問いかけています。取材に同席してくださった、現場責任者である柴岡康大さんからは、「『あいだっく』では障がい者手帳のあるなしにかかわらず、専門の相談支援員がさまざまな相談に電話でお答えしているので、いつでも気軽にお問い合わせくださいね」との心強いお言葉もいただきました。実際、診断が出ていないグレーゾーンの方からのお問い合わせはとても多いそうです。「すべての子どもに平等のチャンスを提供したい」という「あいだっく」の熱い思い、福祉業界の枠を超えて、世の中にどんどん広がっていってほしいと思います。 放課後デイサービス「あいだっく」 >> 相談支援事業所「あいだっく」 >> 取材・文:まちとこ出版社N[PR] 放課後デイサービス あいだっく
2018年05月23日5/26 (土)「ちゃんと知りたい!子どもの発達障害」すくすく子育て×ウワサの保護者会 コラボスペシャルの内容は?Upload By 発達ナビニュース2018年5月26日(土)にEテレで発達障害特別番組「ちゃんと知りたい!子どもの発達障害」すくすく子育て×ウワサの保護者会 コラボスペシャルが放送されます。幼児の子育ての悩みや疑問に専門家が答える「すくすく子育て」と、小・中学生の保護者が教育について尾木ママと語り合う「ウワサの保護者会」が初コラボ。最近は、若い親世代の間で発達障害が知られてきています。それによって、「言葉がなかなか出ない」「他の子と比べて落ち着きがない」など少しでも気になる様子が子どもにあると、「もしかして発達障害かも…?」と心配をする親も増えているといいます。しかし、発達障害は社会性や人間関係に表れる特性のため、乳幼児の間は診断ができないことが多いとされています。「様子を見ましょう」という医師の言葉に不安と期待を抱きながら過ごす時期は、心も揺れ、どう対応するべきか分からずかえって苦しい思いをしている場合も…。今回の番組は、乳幼児期から就学にかけての年齢の子どもたちを育てている保護者にぴったりな内容です。 Eテレ「すくすく子育て」「ウワサの保護者会」乳幼児期から就学にかけて…成長の段階で変わっていく不安や悩みは?Upload By 発達ナビニュース番組の前半では、乳幼児期の「もしかして発達障害?」という悩みを専門家と一緒に考えます。■発達障害のある子もない子にも共通する子育ての基本■初めての集団生活である幼稚園や保育園でできる対応などを紹介しながら、発達障害とは何かを小児科医の榊原洋一先生が解説します。後半は、発達が気になる子の就学にはどんな支援があるのか、現在の特別支援教育についてを詳しく解説。■発達が気になる子の就学、どんな支援がある?現在の特別支援教育についてなどの疑問にも答えてくれます。また、「地域の中で、他の子どもたちと関わりながら一緒に育ってほしい」「将来の自立のために、手厚い支援を受けさせて能力をのばしてあげたい」という思いを当事者の親が語り合い、発達障害のある子どもにとって、必要な教育とは、学校とはどうあるべきなのか?を考えます。どちらを選んでも感じるジレンマ。その選択は悩ましいものです。そのどちらの思いも両立する「インクルーシブ教育」に向けて、親と行政と学校が手を組んで始まっている取り組みについても、番組内で取り上げられます!同じ悩みや不安を共有するだけでなく、先進的な事例も知ることができそうです。番組の詳細はこちら!Upload By 発達ナビニュース【番組名】Eテレ「ちゃんと知りたい!子どもの発達障害」すくすく子育て×ウワサの保護者会 コラボスペシャル【放送日時】2018年5月26日(土) 21:00~21:54、2018年6月2日(土)12:00~12:54【出演者】司会:尾木 直樹(教育評論家)、高山 哲也(アナウンサー)、山根 良顕(お笑いコンビ「アンガールズ」、優木 まおみ(タレント)、専門家:汐見 稔幸(東京大学名誉教授)、榊原 洋一(お茶の水女子大学名誉教授)、ナレーター:笠間 淳、鈴木 麻里子発達障害プロジェクト
2018年05月22日息子カムの謎の行動カムが突然、道で出会った人に抱きつくということがあり、以前、その出来事をコラムにも書きました。今までカムは何人かの人に抱きついたことがあります。そのときは笑って許してもらい、むしろ良いご近所関係のキッカケになることもありました。カムは慎重派です。そんなカムがいきなり知らない人に抱きつくのは稀ですが、やはり突然抱きつかれるとびっくりしてしまうし、トラブルになってしまうこともあるかもしれない。そう思って、外を歩く時は常に気をつけています。それにしても、なぜ知らない人に抱きついたのだろう?それは分からないままでした。お散歩中の突然の出会い気持のいい陽気のとある日、カムと公園を散歩していました。すると…Upload By shioriUpload By shiori3〜4歳くらいの女の子が突然カムに抱きついてきたのです!カムはキョトンとしているが嫌がる様子はない。女の子はニコニコ笑顔で嬉しそう。あれ?知っている子??じゃないよね???すると向こうからこの女の子のお母さんらしき人が走り寄ってきました。女の子から教えられたことUpload By shioriその子のお母さんが言うには、女の子には小学生のお兄ちゃんがいるそうなのですが、そのお兄ちゃんのことがとっても好きなんだそうです。大好き過ぎて、お兄ちゃんと同じくらいの年恰好の男の子を見ると抱きついてしまうことがあると言うのです。そんなことがあるのか!カムに抱きついて嬉しそうにしている女の子を見て、あることに気がつきました。今までカムが抱きついた人のことを思い出すと…みんな、ジージ、バーバの特徴と重なるところがあることに気づきました。男の人なら、メガネをかけている人、背が高い人、ちょっとぽっちゃりしている人。女の人なら、ヘアスタイルはショートボブくらいの人、目が大きい人、ニコニコ笑顔の人。そしてみんな60代くらいの人でした。ジージとバーバは父方と母方にそれぞれいて、両方のジージ、バーバのイメージが混ざっていたために気がつきませんでした…。これは、ジージとバーバに似ている人に抱きついていた可能性があるかも!?大好きな人に会いたい?北海道に引っ越す前は、夫婦両方の実家に近い場所に住んでいました。私は実家の仕事を手伝っていたので、昼間は仕事場で自分の両親と過ごし、夜は夫の実家に寄ってから帰るという日々を過ごしていたので、どちらのジージ、バーバとも、毎日のように会っていました。だからなのか、カムはどちらのジージ、バーバも大好き!ですが、引っ越してからはそうはいかず…。発達が遅く、言葉で表現することをしないカムの、ジージとバーバに会いたいという意思表示だったのでしょうか?Upload By shioriキョトンとしていたカムも女の子に気に入られ、ちょっと嬉しそう。抱き合う2人を眺めながら思いました。自分の置かれている状況を敏感に感じ、分からないようで分かっているのかもしれない。発信していないようで伝えようとしているのかもしれない。子どもの行動にはちゃんと意味があるのだと再認識することになりました。カムが突然誰かに抱きつくことがあるという原因が、この女の子と同じかどうか、はっきりとは分かりませんが、もう少し、注意深くカムの様子を観察してみよう。そう思ったのでした。
2018年05月22日保育園に迎えに行くたびに受ける、トラブルの報告Upload By かなしろにゃんこ。Upload By かなしろにゃんこ。ADHDと軽度の広汎性発達障害がある息子リュウ太は、2歳半から保育園に通いはじめました。お迎えに行くと、先生からその日の息子の様子を教えてもらいます。ですが、「リュウ太くんはオモチャへの執着が強いようで、ほかの子とオモチャの取り合いをして、パニックになって暴れました」と報告を受けることが頻繁にありました。先生に注意されても、イライラしてしまうとやっぱりおもちゃを投げてしまう…。先生から耳の痛い報告を聞くたびに、息子がどうしてそんなことをしてしまうのかも分からず、申し訳ない気持ちでいっぱいになっていました。息子の気持ちが分からない…保育園からの帰り道は、いつもつらくてUpload By かなしろにゃんこ。保育園からの帰り道には、「親子で消えてしまいたいな…」と考えてしまいます。「きちんと育てなきゃ」とあせったり、「なんでおもちゃを投げるの?どうして乱暴なことするの?」と息子が可愛く思えなくなったり…。どうしてそんなに不満に思うのか、わが子の気持ちが分からないことが、なによりつらかったのです。13年後に分かった、息子の気持ちとはUpload By かなしろにゃんこ。そんな息子も、20歳になりました。ふと先日、保育園時代にどうしておもちゃを投げたり、乱暴なことをしたのか聞いてみました。すると「好きなおもちゃをゲットできない日は、朝から調子が上がらずイライラしちゃっていたんだよね」と。親の都合で保育園到着が遅れると、人気のおもちゃはもうほかの子が使っていて遊べず、イライラしていたようなのです。それから、「気分よくミニカーで遊んでいるときには、自分の世界に没頭してるから、誰にも邪魔されたくなかったんだよ」とも教えてくれました。息子の前に広がっていた、空想の世界Upload By かなしろにゃんこ。1人で夢中になって遊んでいるとき、息子の目の前には、空想の世界が広がっていたのです。棚は崖で、積んである布団は雪山で、床の溝は道路のラインー。でもその世界は、クラスメートが近くに来た瞬間、パチンと消えてなくなってしまうのです。「それが嫌で、誰にもそばに来てほしくなかったし、声もかけてほしくなかったんだ」。だから、「出て行ってはいけません」と言われていた廊下に避難して、1人で過ごすようになったのだとようやく分かりました。お迎えが待ち遠しくて、窓のそばにいたUpload By かなしろにゃんこ。誰にも邪魔されることがない家が大好きだった息子は、早く家に帰って遊びたくて、廊下の窓から家の方向を見ていたのだそうです。「そうだったんだ!お母さんが迎えに来るのを窓を眺めながら待っていてくれたんだ!」と知って、ウルウル…。保育園時代の息子の姿を思い出して、思い出に浸ってしまいました。息子には、ADHDだけでなく軽度の広汎性発達障害があります。小さい頃は、今よりずっとマイルールを優先する子でした。通常の保育園での集団生活は、息子には無理があったのかもしれません。障害にもっと早く気づいて、息子に合った療育をしてあげるべきだったのかもしれないとも思います。でも、マイルールを貫き通す息子を、あたたかく受け入れてくれていた保育園には、今もとても感謝しています。ゆっくりだけど成長する!20歳の息子は、人づきあいもできるようにUpload By かなしろにゃんこ。ちなみに、手に負えないほど気性が荒かった息子ですが…20歳ともなるとそこそこ落ち着いてきました。たまーに反抗することもありますが、おもちゃを投げることもありません(笑)し、人づきあいもまぁまぁできるようになってきました。ゆっくりですが、息子も確実に成長しています。13年前、親子で消えたいと思うほど悩んでいた私ですが、根気よく「やってはいけないこと」を伝え続けていたことは、無駄ではなかったと感じています。
2018年05月20日ユナイテッドアローズ社とコラボ。どんな人もおしゃれを楽しめる「新レーベル」が誕生Upload By 発達ナビニュースよだれが多くて小学生になってもスタイが欠かせない。筋力が弱くてボタンを留められない。車いすでの生活に合うパンツがないー。障害や病気があり、おしゃれをあきらめなくてはいけない人がいます。そこで、社会課題と向き合うソーシャルユニットSocial WEnnovatorsは、誰もが「着ること」を楽しめる社会を目指したプロジェクト「041(オールフォーワン)」を2016年に始動。「具体的な誰か1人」の課題を起点に、スポーツや電車移動などのテーマで新しいサービス開発に取り組んできました。そして今回、「041」はユナイテッドアローズ社とともに、新レーベル「"UNITED CREATIONS" 041 with UNITED ARROWS LTD.」を立ち上げ、「着ること」に困難がある1人のニーズを掘り下げることで、すべての人にとって快適な服をつくるという「インクルーシブデザインの服づくり」への挑戦を始めました。インクルーシブは、「除外(Exclude)」の対義語である「Include(含める)」が語源です。「インクルーシブデザイン」とは、これまでサービスや商品のターゲットとはされていなかった人を、サービス開発の初めから巻き込んで、一緒に構想するデザイン手法のことを言います。そうすることで、今まで気づかれることがなかった視点や問題点を発見できます。つまりこのプロジェクトは、たった1人の「おしゃれな服を着たい」という思いを受けて、着ることについてのさまざまな困難を解決でき、さらには「誰が着てもおしゃれで快適な服」を生み出そうとする、今までにない新しい試みです。参考:041 | WEnnovators1人のニーズにこたえることで、みんなにとって必要なデザインが生まれるUpload By 発達ナビニュースユナイテッドアローズ社の上級顧問、栗野宏文氏は「障害がある方に共通する、サイズ・着脱・デザイン・素材についての悩みは、レベルの差こそあれ、だれもが持っている悩みと同じ。この悩みを解決出来たら、既製服の服づくりも進化する」と言います。1人の悩みに徹底的に寄りそい、ニーズを叶える服をつくることで、どんな人にも着心地がいいインクルーシブな服がつくれるのではないか。それが服づくりのスタンダードとなれば、装うことをどんな人も楽しめる社会になるー。ユナイテッドアローズ社では、このプロジェクトに関わるスタッフを社内で公募。多くの社員が応募し、プロジェクトに携わることに。そして、障害や年齢、性別も異なる5人のニーズに合った6つのアイテムが完成しました。新しい服づくりの試みが、はじまったのです。Upload By 発達ナビニュース先天性筋ジストロフィーのために口まわりの筋肉が弱く、よだれで服が濡れてしまうという加藤真心さん(8歳)。「市販のスタイはベビー向けのものしかなかったので、常にタオルを握りしめてヨダレをせっせと拭いたり、タオルを娘の膝に置いて予防していました。8歳の女の子でも使いやすいスタイがあればいいのにと感じていました」というお母さま。そこでつくられたのが、スタイにもなるエプロンドレス(税込5,400円)です。身頃の一部に吸水速乾素材が使われているので、よだれで洋服や下着まで濡れてしまうことがありません。「ワンピース型にしたのは、おなかまでしっかりカバーできて、裾で口元を拭くこともできるようにしたかったからです。スカート部分は二枚重ねにして、拭いたときにも中に着ている服が見えないようなデザインにしました。また、ベビー用のスタイとは違う、お姉さんらしさも大切にしたかった」(ユナイテッドアローズ社デザイナー)「よだれが垂れても大丈夫なので、膝のタオルもいらずそばにいる私も心のゆとりができました。その上ワンピース風デザインなので、スタイに見えません。ドレスコードを気にする場面でも、エプロンドレスのおかげで主役級のおしゃれができました」(お母さま)真心さん自身も「かわいいね!」「おしゃれだね」と言われると、とてもうれしそうにしていると言います。Upload By 発達ナビニュース難治性てんかんによって、手足を自由に動かせない菊池亮さんのニーズを叶えながらも、どんな人がはいてもきれいなシルエットのパンツをつくるためには、高度なパターン技術が必要でした。フルオープンなZIPパンツ(税込17,280円)には、後ろ中心の縫い目がありません。体が自由に動かせない人にとって、縫い目は床ずれの原因になるからです。他にも、おむつを着用するためヒップに余裕を持たせる、着脱しやすいようサイドジップで開口部が大きく開くようにする、座った時きれいなシルエットが出るよう裾を前下がりに、トップスがずりあがらないようウエスト部分に滑り止めをあしらうなど、随所に工夫が施されています。ストレッチ素材で履きやすく、体が不自由だったり手先が不器用でも、着脱しやすいパンツ。どんな人にとってもはきやすく、おしゃれな仕上がりです。Upload By 発達ナビニュース他にも、車いすでもスカートがはきたいと願う、頚髄損傷の関根彩香さんのニーズにこたえた、マジックテープで留められるウエスト仕様のラップスカート(税込16,200円)なども。このプロジェクトで開発されたアイテムの、制作ストーリーは、ユナイテッドアローズ社のホームページで見ることができます。引用:誰もが“着ること”を楽しめる社会へ。「041」の新たな挑戦が始まります | UNITED ARROWS LTD.クラウドファンディング型での商品販売で、持続可能なプロジェクトにUpload By 発達ナビニュース今回のプロジェクトによってできた6つのアイテムは、クラウドファンディング型で販売されます。一定数の注文が集まったら、製造・販売となる、新しい取り組みです。商品の注文は、041のサイトで受付しています。2018年5月下旬をめどに受注期限を設けており、一定数の注文が集まった商品のみ生産され、販売されます。※クリックすると「041」のページに遷移します受注販売方式をとることで、大量生産・大量消費というファッション業界が抱える課題解決にもつなげようとしています。また、必要な人に必要な数届けられるという形をとることで、1回きりのプロジェクトとするのではなく、持続可能なものとしたいとも考えているそうです。今回は、身体に障害がある人を起点に商品開発が行われましたが、今後も、さまざまな障害や特性のある人に寄り添った服づくりが行われることで、どんな人にとっても着やすい、インクルーシブデザインの洋服がスタンダードになるー。そんな未来への、第一歩となりそうなプロジェクト、ぜひ注目したいですね。
2018年05月19日子どもの小さな「できた」を一緒に育む仕事、みつけませんか?児発・放デイの「求人検索サービス」スタート!Upload By 発達ナビ編集部いつもLITALICO発達ナビをご利用いただき、ありがとうございます。LITALICO発達ナビでは、児童発達支援事業所と放課後等デイサービスの求人情報を検索できる「求人検索サービス」を新たにスタートいたしました!求人情報はもちろん、各支援施設の理念や研修環境、職場の魅力について詳しくまとめています。子どもたちの成長に寄り添う仕事がしたい、もっと自分に合った職場環境を探したい!と思っている方は、ぜひご覧ください。発達支援施設の魅力を届け、子どもの支援に携わる人を増やしていきたいUpload By 発達ナビ編集部さまざまな業界で人材不足が問題となっていますが、これは、児童福祉の分野でも同様です。魅力的な施設であっても、スキルや志のある人材は十分とは言えず、力のある志望者との出会いを求めている施設が数多くあります。現在、LITALICO発達ナビは月間300万人以上の方にご利用いただいています。ご利用いただいている方は、子どもの発達が気になる保護者の方や、成人の発達障害当事者の方だけでなく、支援施設をはじめ、学校や保育所などで働く「支援者」の方も多くいらっしゃることがアンケートで分かっています。そこで、各支援施設の職場の特徴や魅力をLITALICO発達ナビ上でお伝えすることによって、支援者のみなさんと施設が出会える機会をつくりたいと考え、求人検索サービスをスタートするに至りました。子どもだけでなく、大人も「自分に合った環境」を選ぶことが大切Upload By 発達ナビ編集部子どもが学ぶ場所を選ぶ時には「どんな環境がこの子に合っているか?」を念頭に考える保護者さんが大半だと思いますが、自分に合った環境を選ぶのは大人にとっても大切です。自分に合う企業理念や働き方、文化・風土の職場に出会えると、働く上でも力を発揮しやすくなるはずです。支援に携わる方自身が、自分に合った職場に出会うことは、お子さまへのより良い支援に繋がっていくのではないでしょうか。そこで、LITALICO発達ナビの求人検索ページでは、求人一覧を掲載するだけではなく、企業理念や、働く人の魅力をより深く伝えるインタビューページを設けています。勤務地や給与に関する情報掲載が中心の一般的な求人情報だけでは分からない、職場の魅力や、働く現場のリアルを知ることができます。「わが子に障害があって立ち上げた」など、設立のきっかけや、研修制度もわかるUpload By 発達ナビ編集部例えば、わが子に障害があり、自分の子どもを預けたいと思える施設をつくりたいと思って立ち上げた、というエピソードや、未経験であっても教育研修制度が充実しているので安心して飛び込んできてください、というメッセージもあります。給与や待遇だけではなく、その施設が何を目指しているのか、どういう思いでお子さまの支援に携わっているのかも含めて、求人応募を検討する際の参考にしてみてください。未経験であっても、あなたの子育て経験の活かせる場所があるかもUpload By 発達ナビ編集部有資格者の応募が優遇されるところが多くはありますが、未経験であっても、研修制度や指導員同士のフォロー体制が充実しており、「未経験者大歓迎」という施設もあります。指導経験はなくとも、発達が気になる子どもを育てた経験のある方などは、その子育てで得た知見や経験を活かせる場所がきっとあるはずです。お子さまが大きくなり、新たなスキルを身につけ、働きたいと考えている方も、自分に合う職場を探してみてはいかがでしょうか?「エントリー」とはありますが、まずは気軽に施設見学をして、話を聞いてみるところから始めてみてください。あなたの子育て経験の活きる場所が見つかるかもしれません♪今後は全国各地で展開!Upload By 発達ナビ編集部今はまだ掲載している求人数に限りがありますが、今後は全国各地に展開予定。北海道から沖縄まで、さまざまな地域の求人情報を掲載していければと思います。児童福祉のお仕事に関するイベントも各地で開催予定ですので、ぜひご参加ください!研修サービスも企画しています、乞うご期待!Upload By 発達ナビ編集部LITALICO発達ナビでは、児童福祉という分野で活躍する人材を増やしていくことはもちろん、働く方たちの知識・スキルの向上も実現していただきたいと考えています。株式会社LITALICOは児童発達支援・放課後等デイサービスを行う「LITALICOジュニア」を運営していますが、その指導ノウハウを生かし、従事者向けの研修サービスも企画中!発達支援に関わる業界全体のサービスの質向上に貢献し、ひいてはお子さまの成長に関われればと思います。これからもLITALICO発達ナビの進化をお楽しみに!※掲載情報について、LITALICO発達ナビの求人検索サービスは、求人情報の掲載サービスであり、職業紹介業ではありません。
2018年05月16日「正直、もう学校と波風立てたくない…」そんな私に喝を入れたパパの一言8月。進級問題に悩んだわが家でしたが、無事、主治医の先生から診断書を受け取り、学校に提出しました。次年度からの特別支援学級希望の手続きに移り、ようやく終わりが見えてきた時…主人が「最後にこっちの気持ちを話すから、先生に時間取ってもらって」と、担任の先生との面談を希望しました。「こっちがモヤモヤする思いは伝えないとダメ。それを先生たちがどうとらえるかは、わからないけど、 こういうことは言ってほしくない…ってことは伝えるべき」 と言う主人に私は、「え!言うの!? 波風立てないようにして!うまくやっていきたいもん!」 と猛反対。それを聞いた主人は呆れながら「あのなぁ…そういう問題じゃないの!これからあーさんのような子がきっと入学してくる。 その子たちのため、その子たちの親のためにも…言わなきゃいけないこともある。 俺たちがもうこれでいいから、いいや! 波風立てないように…じゃないんだぞ?俺たちが通った道は、後から通る人のために、少しでも歩きやすくするのが俺たちの役目だ!」と言いました。Upload By SAKURAこの時、私は主人の思いに胸をうたれました。同時に、自分のことしか考えてなかった自分が、とても恥ずかしくなりました。「嫌なら、俺だけでもいいよ?」と主人は言ってくれましたが、その思いに、納得した私は腹を決めました。そして、進級問題最後の面談に向かったのです。私の代わりに学校に伝えてくれた、モヤモヤするけど言いにくい気持ち面談では初め、担任の先生、同席した養護の先生から、決定事項の確認や次年度の説明がありました。話が終わると主人は、 「僕たちから、ちょっとお話してもいいですか?」 と言い、落ち着いた口調で、それでいてストレートに、今まで私が学校に対して思っていたことを話していきました。「夏休みの宿題の件ですが…やる前から、 "やらなくてもいい"というのは言わないでほしかったです。良かれと思っての気持ちも分かりますし、気にかけてもらってありがたいのですが…母親が頑張って必死にやってくれていますから、今のところ大丈夫です。 本当にできなかったときに、こちらから言いますので、その時は甘えさせてください」などと、私たちが今までモヤモヤしたこと、疑問に思っていたことを一つひとつ丁寧に伝えていきました。そして、最後に…「これから、発達障害のある子は増えていくと思います。今のクラスの子たちもきっと、中学、高校と進学して大人になっていく過程で、必ず出会うと思います。その時、あぁ、そういえば小学校の時にいたな?って、僕たちが今大人になって思うように思い出す。娘が、同級生たちの…経験の一つになれば嬉しいです。 娘は本当に純粋ないい子です。 あの子の良さを尊重しつつ、社会に出ていけるような状態にするのが、 僕たち親の役目だと思っています。先生もたくさんの子どもたちを一人で見られて、 本当に大変と思いますが、残りの1年生の間と、特別支援学級在籍になってから… 娘のこれからの成長のため、できる範囲で構いませんので、どうかご協力をお願いします」そう言うと、頭を下げました。そして、9月…特別支援学級進級の手続きはすべて終了しました。Upload By SAKURA進級問題は私たちだけじゃない!他の親子も通る凸凹道を歩きやすくこの主人の行動と言葉に驚きました。「わが子のためにできることはやる」だけではなく、これからの子どもたちのことを考える主人は、私の何歩も先を行っていたのです。今回の進級問題、振り返って見ると、一つひとつに大騒ぎして動揺していた私とは違い、いつも状況把握は、聞いた話のみだった主人。そんな主人は、一緒に考えてくれていても、きっと私の話を100%理解してはくれないだろうと内心思っていました。しかし、私のモヤモヤする思いも代わりに伝えてくれ、これから入学してくるだろう発達障害のある子と、その親御さんのことまで考える姿勢に、感動しました。今回の進級のことで、私たちの通ってきた道は…Upload By SAKURAもちろん、わが子の進路を決めるのに、簡単な道はないと思います。でも、少し距離の短くなる橋や、登りやすい階段…私たちが通っただけではそんな立派なものはできないかもしれないけど、川があったときに橋に使う材料ぐらいは、置いてあげられていたら嬉しいな(笑)辛かった進級・進学問題から学んだ今、できること偉そうかもしれませんが、娘の小学校入学、1年生、進級…と、経験した私たちが、進学・進級問題において今、振り返って言えることは、以下の4つです。「自分が(子どものために)どうしたいのかという思いを大切に」「子どもとそして自分が、笑顔になれる道を一番に考える」「周りの意見に流されない」「学校、地域のリサーチはしっかりと」周りの意見をたくさん聞くことも大事ですが、聞きすぎると自分の意見が消えてしまいます。そして、周りはそれぞれの立場で違うことを言うものだということも…「良かれと思って…」と、色んなことを言ってくる人がいるかもしれません。でも、「みんなが納得する答え」や「絶対に誰にも何も言われない判断」なんてないのではないでしょうか?もし、そんな場面に出会い迷ったら、自分がどうしたいのか…それを大切にしてほしいと思います。親御さんが悩んで悩んで、苦しみながら決めたことです。 その決断は「誰よりも優先されるものであってほしい」。少なくとも私は、そう思います。…と言っている私ですが、今選んだ道が、正解だったか、正解じゃなかったか、分かりません。それが分かるのは、ずーっと後だと思います。今信じることを、今できることを、選択する。 結局それしかないと思います。Upload By SAKURAこれで、私たちと娘が経験した進級問題はひとまず終わりです。このコラムが、少しでもお役に立てたら嬉しいです。最後まで読んでくれてありがとうございました。
2018年05月16日もはや見慣れてしまった「忘れ物」にまつわるやりとり…Upload By ラム*カナわが家では、この春次男の入学式があり、兄弟そろって同じ小学校に通い始めました。年度初めは学校でもいろいろな準備や手続きがありますが、そのなかの一つに集金があります。最初の集金ってわりと金額が大きいですよね。1円単位までと金額が細かく、お釣りがないように提出しなければなりません。数日しかない締め切りまでに急いでピッタリ用意したかったので、兄弟それぞれの集金額を早く知りたくて長男のプリントを急かしたんですが…。Upload By ラム*カナはい、よく見る光景です。そしてこれまたよく言う「入れたはずなんだけどなー」というセリフにも要注意。入れたつもりの記憶にいつの間にかすり替わってしまい、実際は入れていないというこの現象。自信を持って“入れたはず”と思い込んでいるせいで、見直しをしなくなってしまい、忘れ物につながってしまうんですよね。それだけではありません。忘れ物は1日一つ、とは限らないUpload By ラム*カナUpload By ラム*カナプリントの話からわずか10分後のことです…。整理整頓も苦手な長男は、物を紛失してしまうことも多々あります。ランドセルにも学校の机にもお道具箱のなかにもないなんて…!はぁー、どうしたもんだかなぁー、と頭を抱えていた私でしたが、翌日が運よく授業参観だったので机のなかを覗ける機会を得られました。これぞ奥の手!?直接確認できる、授業参観の日!Upload By ラム*カナUpload By ラム*カナ心の声「あるじゃん!!」Upload By ラム*カナUpload By ラム*カナ心の声「あるじゃん!!」長男の忘れ物が多い原因にはいろいろあると思います。・入れたつもりになってしまう・探しかたが下手(視界に入っているのに見つけられない)などなど…。今回はたまたま授業参観があったから私が探せる機会がありましたが、いつもはそうはいきません。先生に特性は伝えてあるので気にして見てくれてはいますが、これからはやはり長男自身が身の回りのことをできるようになることが、どうしても必要です。何か方法はないものか…と考え、ひとつ試してみることにしました。学校に着いてから必ず見るであろう連絡帳に目立つように書いてみたのです。Upload By ラム*カナ「連絡帳に書いた物、しっかり入れてね」と口頭で伝えただけでは、どうしても頭にとどまりにくいタイプなので、視覚的に刺激できるよう書いてみました。毎日ページが変わるので、その都度私もイラストを書き換えて楽しみながら伝えています。これをし始めてからは、忘れ物がぐんと減ったので、少しずつでいいから長男の力になってくれたらいいな、と思っています。
2018年05月16日STEAM教育って何?
子育て楽じゃありません
細川珠生のここなら分かる政治のコト