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心療内科とは出典 : 心療内科とは、何かしらのストレスが招いた体の不調を診ることを専門とする診療科です。「内科」とついているところからも分かるように、頭痛やめまいなど体に表れた症状を主に診ます。精神疾患の中には、症状として頭痛や吐き気、めまいなどの体調不良が現れるものがあります。しかしその不調の原因が精神的なものと分からないまま対処しても、なかなか症状が改善しないことがあります。そんなとき、症状の原因となる精神的なストレスに、カウンセリングなどを通してケアも同時に行うのが心療内科です。そのため、本来は精神科の領域のものでも程度が軽いものは心療内科でも診てもらえます。心と体の関係を考えながら、体の不調をケアしてくれるのが心療内科なのです。精神科・内科と心療内科の違い出典 : 心療内科は1996年に政令で表示を許された、比較的新しい名称の診療科です。名前のイメージから、精神科や内科と混同する人も多いようです。それぞれの科によって、診療できる疾患や得意とする診断領域、治療のアプローチが異なることもあります。心療内科ともっとも混同しやすいのは精神科ではないでしょうか。心療内科は大きなくくりで言うと内科です。体に表れた症状を治す診療科ですが、原因がストレスにあるため、カウンセリングなどで精神的なケアも行います。体と心の両方にアプローチして治療をするのが心療内科なのです。一方、精神科は不安や落ち込み、イライラなど心に現れた症状に向き合います。対象となる病気は躁うつ病、アルコール依存症、統合失調症などです。とはいえ厳密にはっきりと線引きされているわけではなく、両方の看板を掲げる病院も少なくありません。うつ病など、本来は精神科の範囲にある病気でも症状や程度によっては心療内科で診ることもあり、心療内科で相談したら精神科を紹介されたというケースもあります。心療内科も内科も、体の不調を治療するという点では同じです。違うのは、心療内科は体だけでなく心も含めて治療をするということです。内科はさまざまな症状に対応してくれるイメージもあるため、原因のよく分からない不調はとりあえず内科へ行く人も多いでしょう。そのため内科の検査では異常が見つからず、心療内科を紹介されたというケースもあります。心療内科や精神科ではなく、「メンタルクリニック」「メンタルヘルス科」という看板を掲げる病院も多くあります。これらは病院によって診療内容のとらえ方が違います。「精神科」という名前に抵抗のある人が多いと考え、精神科でありながらあえて名前を変えているケースもあります。また心療内科と精神科の両方の診療をするため、メンタル全般を診るという意味合いで看板を掲げるケースもあります。【参考】みんなのメンタルヘルス|厚生労働省心療内科の専門領域は、ストレスが招く体の不調出典 : ストレスが招く体の不調には以下のようなものがあります。・頭痛・倦怠感・めまい・不眠・過呼吸・食欲減退、過食・吐き気・腹痛、胃痛・動悸・発汗・抜毛頭痛や吐き気など、身近な症状が多く並びます。このような不調の背景には、以下のような疾患が隠れている可能性があるのです。心療内科の対象となる病気や障害など出典 : 心療内科の対象になる病気をいくつか挙げました。症状の程度や原因によっては精神科など、他の診療科を勧められる可能性もあります。何らかの理由で学校や会社にいけない、あるいは行きたくても行けないのが不登校・出社拒否です。登校や出社をしたい気持ちはあるのに、体がそれを拒否して腹痛や頭痛といった症状が表れるというケースもあります。休んで家にいれば症状が落ち着くこともあり、休むための嘘だと思われてしまうこともあります。ですが、子どもの不登校や配偶者の出社拒否から、本人だけでなく周りの人までストレスで体調を崩してしまうことも少なくありません。そのため、早めのケアが重要となります。主な症状は吐き気や腹痛、倦怠感、動悸などです。うつ病の中でも、心の不調が体の不調に隠れてしまっているものが「仮面うつ病」と呼ばれています。うつ病によくある気分の落ち込んだ状態が見られず、頭痛やめまい、不眠といった症状が目立つため、内科で診断を受けても異常は見つからず、単に調子が悪いだけだと思い込んでしまうことも多くあります。腹痛や下痢、便秘といった腸の不調が見られる病気です。日常生活への支障は痛みによる不快感だけではありません。急におなかが痛くなってトイレへ駆け込む、出勤前にトイレから出られなくなる日が多いなど、学校や仕事に影響が出ることもあります。症状を訴える人は男性と比べると女性が約1.6倍多く、年齢では30代までの比較的若い人に多く見られます。【参考】機能性消化管疾患心療ガイドライン2014|日本消化器病学会自律神経とは、体のバランスを整える神経です。その自律神経のバランスが崩れているというのが自律神経失調症ですが、自律神経の働きは検査ではなかなか正確に測れません。そのため、何となく体調が悪いのに検査では異常の見つからない状態が長く続いているものを自律神経失調症と呼んでいます。症状は倦怠感、不眠、めまい、頭痛、動悸、食欲不振などさまざまです。寝込んで起き上がれないほどの症状になることは少なく、多くの人は「なんだか調子が悪い」という状態がずっと続きます。片頭痛は名前の通り頭の片側に起こる頭痛ですが、両側に起こることもあります。ストレスなどにより頭部の血管が収縮、その反動で血管が広がったときにズキンズキンという痛みが起こります。主な症状は頭痛ですが、ひどくなると吐き気をともなうこともあります。頭や体を動かすと痛みが増すこともあるので、光や音の刺激を避けて安静にすると症状が緩和されます。発達障害とは、生まれつきの脳機能の発達のアンバランスさ・凸凹(でこぼこ)と、その人が過ごす環境や周囲の人とのかかわりのミスマッチから、社会生活に困難が発生する障害のことです。広汎性発達障害、学習障害、ADHD(注意欠陥・多動性障害)など、症状や特徴でいくつかの種類に分類されます。不登校やうつ(気分が落ち込んでいる)状態をきっかけに心療内科へ行ったところ、発達障害が判明したというケースもあります。発達障害の場合、環境とのミスマッチや人間関係がストレスとなったりすることも多く、発達障害の二次的な障害として、睡眠障害やうつ、不安障害などが併存するケースもあります。甲状腺の機能異常により起こるのがバセドウ病で、動悸や疲労感、発汗が主な症状です。脈拍も早くなり精神的にも落ち着かないため、「体が常に全力疾走をしている」と形容されることもあります。まぶたの筋肉が緊張することで常に目を見開いているように見えたり、眼球の周りの筋肉が肥大して眼球が突出することもありますが、バセドウ病が必ずしも眼球への変化をきたすとは限りません。突然息苦しさを感じ、呼吸が乱れ、息が入ってこないように感じるのが過換気症候群の特徴です。動悸や胸の圧迫感のほか、手足のしびれや筋肉のけいれんを感じることもあります。発症した場合、呼吸を遅くしたり止めたりすると症状は改善しますが、本人が呼吸をコントロールするのは難しいものです。紙袋などを口に当てて呼吸をするという対処法もありますが、医師の指示を仰ぐのが良いでしょう。【参考】過換気症候群|日本呼吸器学会突然息苦しさや動悸、冷や汗、恐怖感などを感じてパニック状態になり、そのせいで社会生活に支障の出ている状態をパニック障害と言います。電車やエレベーターなど閉鎖された空間では「逃げられない」と感じるため、外出ができず、学校や会社へ行くことができなくなることもあります。状況によってはだれもがパニック状態に陥る可能性はありますが、自宅でテレビを見ているときに突然、寝ているときに突然など、予期しないところで発作が起きるのが特徴です。食事をうけつけなくなる「拒食症」と、無謀な食べ方を繰り返す「過食症」。この両方を合わせて摂食障害と呼びます。食べては吐く、を繰り返すこともあり、その場合は体内のカリウムが下がって不整脈を起こすこともあります。拒食により栄養状態が悪くなり、月経が止まることもあります。拒食と過食、行動は正反対ですが根っこは同じです。拒食から過食へ、過食から拒食へと症状が変化することも少なくありません。「やせたい」という思いから治療を拒むケースもあるため、まずは治療の必要性を理解するところから始まります。生活習慣病と言われる糖尿病ですが、ストレスがホルモンバランスに影響して血糖値を上げることもあります。倦怠感やのどの渇きなどが症状として挙げられます。治療は一般の糖尿病と変わりませんが、運動や食事などの生活コントロールがうまくいかずにストレスをためることにならないよう、注意が必要です。40代以降に見られる、様々な体調不良や情緒面での不安定な状態を更年期障害と呼びます。ホルモンの影響を受けやすい女性に多いのですが、男性にも症状が表れます。症状は自律神経失調症に似ていて、動悸やめまい、疲労感、イライラ、不眠など様々です。ちょうど子どもが就職や結婚で親元を離れる時期と重なることも多く、環境の変化に心がついていけずにうつ状態となることもあります。皮膚に病気や傷がないのに円形に毛が抜けてしまうのが円形脱毛症です。痛みはなく、社会生活に直接の支障はありません。自覚症状がないのが特徴で、美容院で髪を切ってもらうときに指摘され気が付くということもあります。しかし容姿が変わることでショックを受けて、他人の視線が怖くなり外出を拒むなど、間接的に影響が出ることはあります。皮膚に症状が現れるため皮膚科を受診するのが一般的ではありますが、背景にはストレスがかかわっている場合もあります。その点から考えると心療内科で治療を受ける選択肢もあります。心療内科における治療の流れ出典 : 心療内科ではカウンセリングを含めた診察、検査を経てそれぞれの症状に合わせた治療を行います。まずは医師に現状を伝えます。病歴や症状、薬を飲んでいるかなどはもちろん、原因になりそうなストレスや家族との関係、生育歴などを話します。もし同じ病状で他の病院にかかっていた場合はそれも話しておくと良いでしょう。うまくまとめて話せないことも多いため、受診前に簡単に話す内容をまとめてメモしておくとスムーズです。話しているうちに人間関係や仕事の相談をしたくなる気持ちも出てくるかもしれません。ですが、心療内科の医師は体の不調の原因を探るために話を聞いています。悩みを聞いて答えを探してほしいという場合は、カウンセリングルームを利用するという方法もあります。じっくりと話を聞いてもらえますが、保険が適用されないため、1時間で1万円くらいの費用がかかることもあります。問診の後は体の不調の原因や程度を探るため、必要に応じて血液検査、心電図、MRIなどが行われます。心理状態や性格を知るために、心理検査(心理テスト)をすることもあります。簡単な質問に答える検査のほか、カードに描かれた模様を見て何に見えるかを答えるロールシャッハテストなど、あいまいな質問で深層心理を見る検査が行われることもあります。心療内科の対象となる病気は、原因にストレスなどがあると考えられます。そのため、生活習慣や考え方を変えることにより、症状が改善することもあります。内科的な治療としては薬物療法があります。病気やその症状に合わせて抗不安薬、抗うつ薬、睡眠薬、自律神経調整薬といった薬が使われます。最終的には薬物を使わなくても安定して社会生活を送れるように、徐々に薬を減らしていきます。ほかには患者の無意識を探りストレスの原因をあぶり出す精神分析療法、行動を変えて不安を減らす行動療法、認知のゆがみ(思い込み)を正して心を軽くする認知療法といった心理療法が用いられることもあります。診療にはどのくらい費用がかかる?出典 : 心療内科へ行こうと思ったとき、気になるのは費用ではないでしょうか。内科と違って問診(カウンセリング)の分の時間もかかるので、高額なイメージはあるかもしれません。しかしカウンセリングルームとは違って保険が適用されますし、カウンセリングと言っても何十分も時間をとれるわけではないため、驚くような額にはなりません。保険適用で3割負担のため、初診で払う費用の目安は2500円~5000円程度です。症状によっては薬や検査代が別途かかることもあります。臨床心理士によるカウンセリングを行っている場合など、別途予約料が必要なところもあります。予約の要不要を含めて、行く前に病院のシステムを調べておくと安心です。心療内科では、子どもが不登校の場合など、本人以外だけで話を聞きたいという要望にも応えてくれます。ただし本人不在の場合は自費診療となるため、費用も高額になってしまいます。パニック障害など、心療内科の対象となる病気には、自己負担が1割となる「自立支援医療制度」が適用されるものもあります。利用には医師の診断書と市町村での申請が必要で、市町村や都市に指定された「指定自立支援医療機関」でなければ適用されません。治療に時間と費用がかかる場合は、制度の適用について医師に相談してみると良いでしょう。【参考】自立支援医療制度|厚生労働省まとめ出典 : 心療内科は、ストレスが原因と考えられる多様な症状に対応してくれます。費用もほかの診療科とそれほど変わらず、特に高額ではありません。症状の中には自覚しづらいものも多くあるので、気になる症状があれば、一人で抱え込まずに一度心療内科へ行ってみるのも良いでしょう。ストレスの内容や症状について話すことで、客観的に自分を見つめることもできます。あわせて普段からストレスをためないような生活を送ることも重要です。ストレスは多くの病気の引き金になります。学校や仕事、人間関係など、ストレスと無縁に生きることはできませんが、できる限りため込まず上手に発散できると良いですね。
2018年04月05日娘の進級先、選択肢は増えたけど…みんなの意見が違う娘の次年度の進級先について、担任の先生との話し合いの中で、知らなかった情報がわかった私たち。今後の選択肢が、①通常学級②通常学級在籍で、支援学級へ通級③支援学級在籍で、交流学級へ通級の3つに増えたと分かった6月…。選択肢が増えたことで、さらに悩みも増えてしまいました。Upload By SAKURA最初、この話を聞いた私は、今まで通常学級で過ごした娘の日々の様子や、授業での問題、お友達とのトラブル…いろいろな出来事を踏まえ、「支援学級があるなら、支援学級がいいんじゃないかな?」と考え始めていました。しかし、直前の定期検診で主治医の先生に「通常学級がいい」と言われていたし、主人や、主人の両親は、(支援級があったことを知っても)通常学級を希望していました。娘が通常学級で学んでいることで成長している、そのことに大きな価値を感じていたからです。でも、私は、このままではいけないとも感じていました。何かしら支援は必要…でも、みんながそういうなら、通常学級在籍のまま、通級という選択の方がいいのかもしれない。自分の気持ちと、周りの考えに揺れつつ、自分の思いと決断に自信がなかった私は、無意識に周りの意見に流されていったのです。進級の希望を伝えた面談で、担任の先生が話した言葉そして、後日、再び担任の先生との面談が。前回言われた、3つの選択肢の中で、どれにするかを決める話し合いでした。私は、周りと意見が分かれてしまい、モヤモヤしていた状態でしたが、担任の先生に、「まだ考え中ですが…主治医の先生も、通常学級を勧めてくれているし…主人も、身内も、通常学級を希望していますので、通常学級在籍で、通級にしようかと考えています。」と伝えました。しかし、それを聞いた先生は無言…。そして、自分の経験を話し始めました。Upload By SAKURA私たちは、娘の最大の課題は、学力ではなく、「人とのコミュニケーション」の部分だと考えていました。先生やお友達とのコミュニケーションを学校生活で一つひとつ学ぶことで、今娘が抱えている、「授業での問題」「お友達とのトラブル」は改善するのではないか…。そんな思いを話すと、先生は、「コミュニケーションの部分が課題…ということですが、支援学級在籍でも、朝の会、体育や道徳などの教科、給食や掃除、帰りの会は、通常学級で受けられます。ということは、支援学級在籍でも十分ではないでしょうか?」と、娘に支援学級在籍を勧めました。Upload By SAKURA担任・主治医・家族の意見が違う。そして私は…?主治医の先生、主人、担任の先生…。それぞれが、違う意見だったのです。Upload By SAKURA担任の先生の「支援学級」を勧める話を聞いた時、私は正直、ショックでした。きっと…担任の先生は、親である私たちの意見を尊重してくれる…私たちが出した決定には、何も言わないはず…そう思い込んでいたからです。「私たちの考えは甘い、現実はもっと大変なんだ」と暗にさとされた気がしました。しかし、現場で実際に娘を見ている人の意見は、説得力がありました。私は、ショックな気持ちと、そうか…と納得するような複雑な感情になりました。娘にとって一番いい場所を探したいからこそ、ますます決定できないその日は結局、決定を保留にして帰宅。私は主人に、担任の先生から言われたことを報告しました。主人は、「最終的に決めるのは、俺たち親なんだろ?先生の意見はわかるけど、親の意見が優先だろ?俺たちは、通常学級のままという希望を出すこともできるんだぞ」と言いました。主人は、娘のコミュニケーション能力を上げるためには、少人数の支援学級より、大人数の通常クラスの方が多くの刺激を受けられるのではないか…。そう考えていたのです。Upload By SAKURA娘の将来を決める、大事な決定。周りを気にして、決めてはいけない。それを理解しつつも、このまま先生の意見を無視して、通常学級にすることは、先生に申し訳ないし、気まずい…と思ってしまいました。結局私は、周りに気を使うというより、自分の意見を押し通して、批判されるのが怖かったのです。そんな私とは違い、揺るがない意志で、娘のために、娘のことを真剣に考え、進級についての意見を言う主人を見て、私は自分の弱さに、嫌気がさしていました。娘にとって、何がいいか…それがわからない状態で私の頭は、どんどん混乱していきました。結局、すぐに答えは出ることはなく、とりあえず、進級についての決定の最終期限である9月まで、私たちは考えることにしました。「宿題、やらなくていいですよ」の言葉に、感じた複雑な気持ちそれから一か月ほど経った、7月。修了式に、大荷物を抱える娘を迎えに行ったときのこと。担任の先生と、夏休みの宿題について話をしているときのことです。先生が、「宿題は無理して全部やらせなくていいですよ。暗記の宿題は、毎年クラスで数人しか覚えてこないんです。だから…娘さんはもうやらなくてもいいですよ。」と言いました。私は…娘がみんなと同じ宿題を、同じ課題を、できるようにするため、今までいろんなやり方で娘と頑張ってきました。宿題も、やらなかったことは一度だってありません。そんな思いでやってきていたこともあって、やる前に「やらなくていい」と言われて、とても悔しくなりました。しかし、それと同時に、先生が良かれと思って言っているであろうことも理解できたのです。私は、両方の感情が入り混ざって、自分の気持ちがわからなくなってしまいました。Upload By SAKURA無意識に負い目を感じていた私。感情も抑え込んでいたのかもUpload By SAKURA私は…こういう発言に、傷ついてもいいのかな…?もしかして「そういう子を通常学級に入れてるんだもの、当たり前だよね」と思わなければならないのかな…?小学校に入学して、娘がいろんな問題にぶつかるたびに、親として感じる思いはありましたが、「これに傷つくくらいなら、そもそも通常学級は向いていないんじゃないか…」そう自分に自問自答しながら、無意識に、自分の感情に自分でブレーキをかけるようになっていたのです。娘が小学校に入学してから、私は学校でよく謝っていました。娘ができないこと(作文や授業中の指示への反応など)を報告されるたび、「いつもすみません」「迷惑かけてすみません」と謝る。それは、手のかかる子を通常学級に入れているという申し訳なさがあったからでした。だけど、娘ができないのは娘のせいではない…娘が悪くないことで、私は謝りたくない…そう思いながらも、「発達障害がある子を通常学級に入れるというのはこういうことだ…」と自分に言い聞かせていました。自分の抱いた感情を自分で抑えているせいで、感情の行き場がなく、必死にこの思いの行き場を探していました。もう耐えられない…正直に気持ちを打ち明けてみた担任の先生、主治医の先生、家族の意見が違う中で、肝心の娘は、というと。通常学級がいいか、支援学級がいいか…今が辛いのか、楽しいのか…はっきりとは言いません。それなのに、大人が進級先を決めていいのだろうか。考えれば考えるほど、自分以外の人の話に、耳を傾ければ傾けるほど、もうどっちを選べばいいか、わからなくなりました。そして主人に、「このまま通常学級にいたら、私の頭と心が耐えられない…」と、今の私の正直な気持ちを伝えました。Upload By SAKURA主人の正直な思いは、通常学級だったと思います。でも、私の話を黙って聞いて、それから言ってくれたこの言葉が、私の悩みを楽にしてくれました。「わかった。たぶんお前は支援学級の方が、気持ちが軽くなると思う。直接向き合ってきたのも、見てきたのもお前だから、お前が『支援学級』と思うなら、そうだろうと思う。いいよ、支援学級にしよう!俺たちの子なら、どこにいても伸びると思う!」そして、ようやく、2年生からの進路が「支援学級」に決まったのでした。完璧な正解なんてわからない。だからこそ親として…娘の大事な進路を決めるあたり、悩む時間は不可欠だったのかもしれません。周りの意見は大事だし、話し合いも必要です。悩まなければ、結論は出ない。でも…周りを気にしすぎた結果、私は必要以上に悩んでいたような気がします。もっと自分の意見を大切にしていたら…主張していたら…もっと周りに流されずにいたら、冷静に決められたのかな、とも思います。周りの立場や思惑を気遣いすぎないようにして、我が子のために、自分が本当はどうしたいのかを大切にした方がいいのかもしれません。もちろん、この決断が正解なのかはわかりません。今回の私たちの決定に「間違ってる!」と思う人もいるでしょう。でも、何を選んでも、みんなが『それでいい!』という決定はないのではないかと思います。どっちにしても、反対意見はある。それに、正解か不正解か分かるのは、もっとずーっと先なのではないでしょうか。親が必死に考えた決断が、現状では最善なのです。もし、この先、「あぁ…あの時、間違ったな~」と思えば、そこから切り替えていけばいい。今も、これからも、最善の方法を娘のために探していく。それが決断をした私の…私たちの、親として役目かなと思います。Upload By SAKURA
2018年04月04日診察室で、日々、出会うのです。親たちの思いと、言葉に…出典 : わが子のそだちに寄り添うなかに生じる違和感、「なにかが違うんです」という親の思い。そこには、わが子のこころに自分のこころが重ならないことの悔しさともどかしさがある。それが時に自分へのふがいなさとなり、自分を責めたり、わが子のわがままとしてつい追い詰めてしまう。発達障害という診断は、生来的にわが子にある特性として、その日その時にできる関わり方で対応するという医学モデルを提案するもの。診断が下ったとしても、誰も責めあう必要はないのです。親は「私の育て方でも、この子が私を嫌っているからでもないのですね」という安堵と、「でもこれからずっと、その特性と私もこの子もつき合っていくしかないのですね」という荷を背負う覚悟を、時には疲れ果てた思いとともに、語る。画期的な治療方法があれば、なにか魔法のようなものがあれば、ある日、朝起きたときにすべての課題が霧のように消えてしまっていたら。そういう願いを、いつもこころのどこかに抱きながら、親は毎日を送っているのだろうなぁ。僕は診察室での出会いから空想する。診察室で話をしながら、僕は、この子と親が自宅で悪戦苦闘している姿を空想する。リビングで、食卓で、トイレの前で。ゲーム機やタブレット、携帯を間に、激しい言葉のやりとり。モノが飛び交い、時に破損していく姿。そうした光景を走馬灯のように頭のなかで巡らせながら、僕はその子と親を診る。わが子のそだちにつき合っていくのは、もちろん楽しみでもある。しかし、苦痛でもある。先のゴールが見えないだけでなく、今歩いているこの道さえも、本当に正しい道かどうかすら、誰からも正しい助言を、親はもらえない。「日々のわが子の言動に迷いと途方にくれる思いを持ちながら、眼の前のわが子の言動に一喜一憂しながら、親としての時間が過ぎていく」「こんな苦労もそのうち終わると思っているのですが、ひょっとして終わりのない苦労なのじゃないかと思うのです」「いつまで私はこの大変さとつき合っていかないといけないのでしょう」「小さい喜びのあと、決まって大きな哀しみが来ます。最近は笑いながら泣いています」「この子が変わらないなら、私が家を出るしかないと、先日荷物をまとめたことがあります」「家族ですら、私の気持ちを分かってくれる人はいません。本当に疲れてしまいました」「本当は、私のせいではないのですか」僕は、診察室で、このような言葉と出会うのです。そしてその言葉の後ろにある、思いにー。子どもの生きる力を、思いを、翻訳して親に伝える。それが、僕ができることー出典 : 診察室でできることは限られている。育ちの見通しを明確に告げる予言は僕にはできない。せめてこの子の行動に裏にある意味や行動を説明する仮説を設定し、それを言葉にして親に伝えようと、僕は苦心する。時にそれは発達段階としての生物学的説明であったり、思いを言葉にできないゆえの行動であったり、強い個性から生じるちょっと分かりにくい個性的思考であったりする。同時に、言葉を届ける相手の気持ちに思いを馳せる。僕にとってそれほど的を外していないと思われる言葉であっても、今の眼の前の親には届かない場合もある。今、欲しい言葉でないときに、聴きたくないときに、言葉は対話とならずに宙をさまよう。今、最大限伝わると思われる言葉を選りすぐり、僕は親に言葉を贈る。何年やっても、その選択には自信がない。語り合うなかでの、微妙な表情の変化を読み取り、僕の言葉がシャットアウトされていないか、スルーされていないか、誤解されて伝わっていないか、恐る恐る微調整していく。気持ちの乗せ方、発語のスピード、抑揚、一期一会のやりとりである以上、できる限りこころを砕く。思いがこもる発話は、侵襲性が高い場合もある。記号化した言葉よりも、思いが過剰に残像となる場合もある。時に僕は紙に説明文を書き、それを説明して音としての言葉でなく、文字としての言葉を遺すこともしている。言葉は、恐ろしいものである。誤解も簡単に作ってしまう。そもそも、育ちという先の見えない、しかも、すべてが例外という育ちを、平均的に説明すればするほど、眼の前の子どもの有り様が消えていく。発達障害臨床、あるいは子どもの精神医療とは、マニュアル、ガイド化しにくいもので、診断名がついたことで、先が見えるというものではない。常に「じゃ、今を、明日を、これからを、どのように生きていけばよいのですか」。答えのない疑問を共有し、今できる小さいことを提案し、それを積み重ねていく作業を応援していく、それがそだちに関わる僕の仕事である。そのために、なにをおいても親には先に倒れることなく、焦らずに、日々の小さいできごとを、きちんと受け止め、喜び、泣き、次に生きる糧にしてもらいたいと、願う。子どもの育ちの速度を変えることは僕の臨床ではできない。子どもの力を一新することも、僕にはできない。僕にできることは、今のこの子の生きる力を捉え、同時に、この子の思いに近づく努力をし、それを周囲に翻訳し伝えることである。そのためには常に、大きく貢献してきた親への感謝と労いを、言葉にすることが重要なのである。「よく、ここまでそだてましたね」「この子に上手に寄り添っていますね」「この子も安心していることでしょうね」「お疲れさまです。ちょっと休んでよいかと思います」いくら言葉にしても、足りないくらいである。その子のこころに近づこうとすることー発達障害を突き詰めることより、大切なもの出典 : 医学は個々の発達のなかで、ある特性を強く持つ状況を、医学的に病態としてグループ化し、それぞれのグループに診断名をつけた。大きな括りは「発達障害」である。そのなかを、自閉スペクトラム症とか注意欠如多動症とかさまざまな名称で区分けをした。その特性の度合いは一定ではなく濃淡というイメージで、非常にバリエーションがあり、個々のなかでも、生活状況によって流動的だ。しかも、その区分けの境界線も非常に脆いもので、時に複数が混じり合っている場合もある。その特性は、突き詰めると、すべての子どもに濃淡があり、まったくないという子どもは、そもそも存在しないのではないか、鍵は濃淡の度合いになってしまう。すると、時にその特性は、医学的に診断されるものに該当し、ある特性は、存在するが診断されるほどの濃さではないと、医学的に判断される、ということになる。もちろん、大きな戸惑いもなく、判断される濃さもある。診断する側によって右往左往してしまう微妙な濃さもある。発達障害があるかないかという境界線は、実際には、明確さに欠ける部分がある、という感想を僕は診察室で常に抱く。それは、問題視するべきではない、全然大丈夫、という判断をしてもよいということではない。少なくとも、これまで述べてきた親の言葉は生活のなかで紡ぎ出された思いである。子どもたちも、どこか生活場面に戸惑い、追い詰められ、自己判断を否定され、思いを拾い上げてもらえず、糾弾されてしまう、という体験のなかで、苦しみうめいている。この事実に、僕はより生活がしやすい方法を探し、環境調整に苦心するのが精神科臨床であると思っている。明確な診断がつかなくても、診断という海図におおよその目途をたて、難破することなく、巡航できることを計画することはできる。あとは天候に応じて微調整を計り続けるだけである。海図は、あくまでも海図である。そこにリアルタイムな関わりを創造していくのが僕たちの臨床なのだ。発達障害を突き詰めるよりも、この子のこころにより近づこうとするほうが、実際は難しいが必要なことであり、近づく人は、この子の生活に実際に関わるすべての人たちでないといけない。その橋渡しが僕の役割である。僕は、日々を送られる子どもたちとその親を、こころから応援したいと思っている。そしてそれを支える周囲の生活者に敬意を払いたいと思います。
2018年04月03日個性を生かすさまざまなプログラムを盛り込んだ “放課後デイサービス” を展開する「あいだっく」(株式会社アイダックデザイン)は、このたび、障がいをもつ就学児にパソコンの楽しみを教える「パソコンあいだっく」の新事業所を、神奈川県川崎市にオープン。同社はこれまでも都内を中心に「パソコンあいだっく」のほか、芸術性(絵画や工作など)を支援する「アトリエあいだっく」、表現活動(ダンスや歌・楽器など)を支援する「スタジオあいだっく」、「サッカーあいだっく」など、各施設ごとに特化したコンセプトを掲げて展開、数多くの子どもたちを支援してきました。障がいを持つ子どもたちも、大人になればいつかは働かなければいけません。いまは、どんな職業に就いたとしても「パソコンの利用」を避けることは難しい時代。だからこそ、少しでもパソコンを楽しいと感じてもらいながら、楽しく学べる場所が必要だと考え、「パソコンあいだっく」をスタートさせたといいます。「パソコンあいだっく」は、2014年4月都内にオープンし、これまで延べ約250人が登録。たくさんの子どもたちの成長をサポートしてきましたが、現在他県にも事業所を拡大しています。「あいだっく」では、芸術(絵画や工作など)、表現活動(ダンスや歌・楽器など)、PCの操作、スポーツといった、さまざまな体験が可能。そのなかで子どもたちが新たなものを吸収し、自らの能力を伸ばしてほしいという想いから、各施設において「活動」という時間を設けている。その時間の中で吸収したことや制作した作品をお披露目するイベントを各施設ごとに毎年実施。今年度は、より多く方に子どもたちの日々の頑張りを見て欲しいという想いから、6施設合同でイベントを開催。高校3年生たちのために「卒業式」も挙行した。<お問い合わせ> 放課後デイサービス「あいだっく」 Tel/FAX: 0120-92-2010(もしくは03-5338-9100)電話受付時間:平日10:00~16:00メールでのお問い合わせ: 放課後デイサービス「パソコンあいだっく」川崎事業所神奈川県川崎市川崎区藤崎4-7-1-2F対象:就学児童(小学生~高校生)時間:月~金曜日 14:00~17:30 定員:10名※「放課後デイサービス」とは放課後等デイサービスとは、2012年4月に児童福祉法に位置づけられた、障害のある就学児向けの学童保育のような福祉サービス。今まで不足していた障害児自立支援施設を増やすことを目的とした大幅な規制緩和も進み、住んでいる地域で、乳幼児から高校卒業まで一貫したサービスを受けられるように。現在は、多くの放課後等デイサービスが誕生し、保護者が複数の施設を選択したり、施設を比べながら選べるようにもなっている。
2018年04月02日薬ってそもそも何だろう?出典 : 私たちは、誰もが心や体のバランスを崩すことがあり、そのためにつらい体験をすることがあります。病気やけがを治したり、心や体のバランスを取り戻したりするために「薬」が用いられることがあります。薬の歴史は古く、紀元前には、草や木の根、一部の動物や鉱物などが薬として使用されてきました。しかし薬は、適切な状態に対して使用されなければ、利益をもたらすことも害をもたらすこともあります。そこで、薬を使うことは、現在の患者さんの病状を正確に診断し、それに対して処方すること、すなわち医学の専門的領域として発展してきたのです。現代の日本では、主にヒトや動物の病気の診断・治療・予防に使うものを薬機法という法律で定め、医薬品と呼んでいます。今日の医薬品は、漢方薬のように植物や動物などの生薬により生産されているものもありますが、多くは化学的に合成された薬品です。製薬会社はさまざまな候補物質を作成し、薬理学的活性や動物実験などによって、その物質が「薬」の候補となり得るかどうかを調べています。そのなかで有効性と安全性の両面で優れていると考えられる物質が、開発候補となります。これは製薬会社が合成した候補の中のほんの一握りの物質であり、慎重な検討のもと、開発候補(治験薬)が選定されるのです。しかし、実際にヒトで安全であるのか、患者さんで有効であるのかは、明らかではありません。第Ⅰ相試験では、健康人を対象にして治験薬が投与され、その体内での動態や安全性が検証されます。これをクリアした場合に、第Ⅱ相試験が実施されます。この試験では、試験への参加同意の得られた比較的少数の患者さんに対して、治験薬の安全性とともに、投与量と効果の関係が検討されます。第Ⅲ相試験では、第Ⅱ相試験の結果を踏まえ、より大きな規模で有効性と安全性が調べられます。このとき、仮に患者さん100人に治験薬を使用したところ、80人に有効であったということがあっても、この薬が有効であるかどうかは分かりません。第Ⅱ相、第Ⅲ試験では、プラセボ、つまり治験薬とみかけは変わらず薬効成分のない薬との有効性と安全性を比較することが普通です。プラセボは有効成分がないのだから効果も副作用もないだろうと考えるでしょう。しかし、実際にはプラセボでも効果や副作用があるように感じることがあります。人のからだは不思議で、薬と信じて服用すると、その安心感から自然治癒力を引き出すことがあります。このような効果を「プラセボ効果」と言います。この「プラセボ効果」と「薬の候補の効果」を、医者も患者さんも分からないという条件の下で、有効性と安全性を調べ、プラセボに比べて薬の候補が有意な効果を認め、安全性にも問題が無い場合に薬の候補となるのです。最終的には、これらの臨床試験の結果を踏まえて、規制当局が薬として承認することになります。このようなステップを経て開発された新薬には特許があります。新しく合成した化学物質には「物質特許」がありますし、その効能・効果には「用途特許」があります。それ以外に、製造方法に与えられる「製法特許」、製剤上の新しい工夫に関する「製剤特許」です。原則6年間がたつと、物質特許と用途特許は切れて、後発医薬品、つまりジェネリック医薬品の生産が可能になります。ジェネリック医薬品は、先発医薬品と同じ薬効成分を有しており、服用後の血中濃度の変化が同等であることが求められています。しかし、製法特許や製剤特許は切れていないため、ジェネリック医薬品のメーカーにより製法は様々で、薬効成分以外の成分は異なっている場合もあります。したがって、先発医薬品とジェネリック医薬品が全く同じ、というのは事実ではないのですが、国全体としては医療費を抑制していくことが急務ですし、ジェネリック医薬品メーカーも、より質が高いジェネリック医薬品の提供や安全性情報の提供などに努めています。ドラッグストアなどで一般の人が自分の判断で使用することのできる一般用医薬品もあります。このなかには薬剤師からの指導、文書での情報提供の要否や努力義務によって、第1類、第2類、第3類などの指定があります。軽い身体不調に対して自分で手当てするというセルフメディケーションも現在推奨されている方法の一つです。しかし、この記事でこれからご紹介する向精神薬は、医療機関でしか処方できない医薬品がほとんどです。「薬が効く」ってどういうこと?出典 : 風邪を引いたら風邪薬を飲む、熱が出たら解熱剤を飲む、というのは、幼い頃から当たり前のようにやってきたことで、何の疑問も持たないでしょう。しかし、風邪薬を飲んだから病気が治ったのでしょうか?実際のメカニズムは、それほど単純ではありません。初期の風邪には、葛根湯を飲んで体を温めたり、免疫機能を高めたりすることがあります。これは、身体自体に備わっている風邪を治す機能を後押ししているのです。風邪で病院を受診し、抗生物質を処方されることもあるでしょう。最近では風邪に対してお決まりのように抗生剤を処方されることはなくなってきています。これは風邪の多くがウイルスによるもので、抗生物質は無効であるばかりか、抗生物質の効かない耐性菌を作ったり、腸内の細菌叢のバランスを崩してしまうからです。しかし、風邪をこじらせた場合には、細菌感染を合併していることが、採血の結果や咽頭ぬぐい液の培養によって確かめられることがあります。このような場合には、細菌を殺す(殺菌)あるいは細菌の増殖を抑える(静菌)ことを目的として抗生物質が処方されることがあります。これは原因療法といってもよいでしょう。原因療法とは異なり、症状を軽減する目的で薬が処方される場合もあります。それを対症療法といいます。対症療法というと、なにか原因を踏まえないつけ焼き刃の治療法のように聞こえるかもしれません。しかし、症状を緩和することで、日常生活の質が改善したり、別の治療的アプローチが有効に機能することがあるとしたら、対症療法も一つの治療法というべきでしょう。総合感冒薬(いわゆるかぜ薬)をみると、頭痛を軽減したり、鼻づまりを治したり、痰を出しやすくする一方、咳を止めたり、熱を下げたりする成分が入っています。これらは、風邪を治すというよりも対症療法として、その間の苦痛を軽減し、食事がとれたり、睡眠がとれることで体力の消耗を抑えることによって、身体の回復を助けようとする薬です。発達障害における薬の効き方出典 : 発達障害に対して薬物療法はしばしば行われることですが、発達障害自体を完全に治癒させる薬物療法はありません。発達障害における薬物療法は、対症療法であると言えます。注意欠如・多動症(ADHD)の中核的な症状である多動性—衝動性、不注意に対して、メチルフェニデート徐放錠(コンサータ®)、アトモキセチン(ストラテラ®)、グアンファシン徐放錠(インチュニブ®)が使用できます。それぞれの薬剤は、効果が出現するまでの時間や効果の強さ、効果がみられる時間の長さや副作用のプロフィールが異なっており、患者さんの状況や薬物への反応性に応じて使い分けられます。ADHD症状が軽減すると、全体を見渡して判断したり、順序立てた行動ができるようになったり、感情的になることが少なくなったりしますが、そのような思考や感情表出のパターンが本人にとっては新しい体験であったりします。また、保護者の方にとっても、「この子らしくない」とみえ、戸惑うこともあるでしょう。本当のその子らしさは、ADHDの症状が消えてみるとみえてくるものなのですが、それまでの間は戸惑いの方が大きいものです。日本では薬にまつわる否定的な表現も多くあります。薬に頼る、薬漬け、薬から卒業する、といった具合です。薬を使うことがネガティブに感じられ、本人や家族の努力不足であるかのような表現に聞こえる方もいるかもしれませんね。このような背景には、精神医学的な問題は、根性で立ち直るべき、といったような精神主義的な考え方があるのかもしれません。ADHDの治療においても、薬物療法か、薬物療法をしないかといった対比で語られがちです。ですが、これもそのような単純な図式では語れません。その子が行動上の問題を抱えているとき、望ましい行動を増やし、好ましくない行動を減らすためにはどうすればよいか、行動療法の考え方に基づいて最もよい対応を相談することが大切です。また、そのためのスキルを、ペアレント・トレーニングとして学ぶことも可能でしょう。また、学校や家庭で起こった現実的な困りごとについて、現実的な解決や調整を図ることも大切です。しかし、そのような行動変容を期待するとき、本人の動機付けを高めることも大切ですし、何よりも本人や家族が衝突ばかりを経験しており、疲弊しているようでは効果的な介入を期待できません。ADHDの子どもは小さな報酬に対して、脳の中の報酬系(快と感じる行動を選択しようとする脳の働き)が活性化されにくいと言われています。つまり、言葉で褒められただけでは行動が動機づけられにくく、食べ物やゲーム、お小遣いのようなわかりやすい報酬にしか反応しない傾向があるのです。しかし、メチルフェニデート徐放錠(コンサータ®)を服用すると、小さな報酬に対しても報酬系の活性化が見られるという研究結果が報告されています。このことは、行動療法を行う場合にも、これまでには動機づけられなかったような小さなフィードバックに対しても、子どもたちが動機づけられる可能性を示しています。薬物療法は行動療法と相乗的に効果をもたらす可能性があるといえます。また、自閉スペクトラム症(ASD)の易刺激性に対しては、リスペリドン(リスパダール®)やアリピプラゾール(エビリファイ®)といった抗精神病薬が使用されます。易刺激性とは、かんしゃく、人への攻撃的な言動、自傷、気分の変わりやすさとして観察される感情のコントロールの難しさです。しかし、易刺激性の精神医学的な意味は必ずしも明確ではありません。薬剤は、抑うつ症状や気分の波、衝動性、こだわり、感覚過敏などのさまざまな面で効果を示している可能性があります。他方、易刺激性の背後には、相手の気持ちや社会的文脈を読み取りにくい、見通しを持ちにくい、コミュニケーション障害といった認知特性や対処スキルの乏しさがあります。薬物療法の実施がその子の社会適応状況を一時的に改善したとしても、そのうえで認知特性に応じた支援やスキル獲得を目指した援助を実施する必要があります。どういう場合に子どもに薬物治療を行うの?出典 : 発達障害という診断を受けたからと言って薬物療法を受けなければならないわけではありません。発達障害自体を治癒する薬はなく、薬物療法が唯一の治療的アプローチでもありません。そうすると、薬物療法は、どういう子どもの状態が対象になるのか、ということが問題になります。子どもが抱えている問題について、さまざまな治療的アプローチを行った上でなおも残存する問題があり、薬物療法を実施することが、その子の問題の解決を促進すると考えられ、かつ、本人や家族がその治療を望む場合に、薬物療法が開始されることになります。実際に薬物療法を実施し、そのことによって期待される効果が得られるか、効果と副作用のバランスを見て、その治療がポジティブな結果をもたらすと考えられる場合に薬物療法は継続され、その治療が不利益の方が大きいと考えられた場合には、薬物療法は中止されることになります。薬物療法を継続された場合でも、問題が解決し、薬物療法を継続しなければならない理由がなくなってきたならば、薬物療法を中止することになるでしょう。薬物療法を開始する前に大切なことは、いま困っている問題がどのような背景であるのか、ということを見立てることです。たとえば、クラスのなかが騒がしく、いつも話し声が聞こえたり、たちあるく人がいる状況では、その子が不注意になってしまうのは当たり前のことです。その子が不注意だからといってADHD治療薬を使用しても十分な効果があるはずはありません。その状況が、学校や家庭などの複数の場面で発達水準に認められるという診断基準に立ち返り、本当にADHDといえるのかを検討する必要があります。発語がない自閉スペクトラム症の子どもがかんしゃくを起こしているならば、自分の思いが伝えられない状況で起こっているのか、こだわりが崩される状況の中で起こっているのかなどを確認し、コミュニケーション支援や周囲の対応や環境の作り方を考えることが先で、まず抗精神病薬を使えばいい、ということではありません。そのような見立てのためには、その状況について、親御さんや周囲の大人と医師が話し合いを行うことが大切ですし、その見立てを共有する中で、薬物療法の是非についても議論されるはずです。十分な見立てのないまま「問題行動」に対して薬物療法が実施されるとしたら、それはデメリットしかもたらさないでしょうし、漫然とした薬物療法が継続されることとなります。発達障害の治療に使われる代表的な薬出典 : の中核症状である多動性—衝動性、不注意を軽減する薬剤として、メチルフェニデート徐放錠(コンサータ®)、アトモキセチン(ストラテラ®)、グアンファシン徐放錠(インチュニブ®)が使用できます。メチルフェニデート徐放錠、アトモキセチンは、小児のみならず成人に使用可能ですが、現時点ではグアンファシン徐放錠は小児にのみ使用可能です。それぞれの薬剤は、効果が出現するまでの時間や効果の強さ、効果がみられる時間の長さや副作用の現れ方が異なっています。メチルフェニデート塩酸塩|PMDAアトモキセチン塩酸塩|PMDAグアンファシン|PMDA古くから発達障害に適応を有する薬剤として、ピモジド(オーラップ®)があります。添付文書によれば「小児の自閉性障害、精神遅滞に伴う下記の症状:動き、情動、意欲、対人関係等にみられる異常行動、睡眠、食事、排泄、言語等にみられる病的症状、常同症等がみられる精神症状」に有効とされており、これだけをみるとあたかも万能薬のようにみえてしまいます。ですが、当時と現在では適応症の決められ方が異なっており、この薬剤が他の抗精神病薬に比べて広範な効果を特別に示すとは考えられていません。この薬剤は、心電図のQT時間を延長させる作用があり、特に高用量では致死的な不整脈を起こすことがあります。そのため、最近では使用の機会が少なくなっています。自閉スペクトラム症に伴う易刺激性に使われる薬には、前述のとおりリスペリドン、アリピプラゾールがあります。使用する用量は低用量から中用量であり、鎮静を期待する量を使用することは好ましくありません。一般的には、うつ病や強迫症、その他の不安症に対して用いられる薬剤です。自閉スペクトラム症やADHDに抑うつ症状を伴うことがありますし、自閉スペクトラム症に強迫症状や社交不安などの不安症状を伴うこともあります。これらの症状に効果を示す可能性はありますが、逆にいらいらとした気持ちを高めたり、死にたい気持ちが高まることもありますので、注意が必要です。自閉スペクトラム症に伴う強迫症状には、抗精神病薬の方が有効なこともあります。気分の波やいらいら、感覚過敏などを伴う場合に使用されることがあります。気分安定薬の多くは抗てんかん薬としても使用されます。一般的に使用されるベンゾジアゼピン系の抗不安薬や睡眠薬は、脱抑制といって、興奮を強めたりすることがあるので、特に小児では避けられることが多い薬剤です。自閉スペクトラム症に伴う不眠には、メラトニンの有効性を示す報告が多くあります。メラトニンは覚醒と睡眠を切り替えて眠りをうながすホルモンです。日本では、メラトニン受容体に作用するラメルテオン(ロゼレム)が使用可能です。ベンゾジアゼピン系でない薬剤では、オレキシン受容体拮抗薬であるスボレキサント(ベルソムラ)が使用可能ですが、小児における有効性と安全性のデータが報告されていません。リスペリドン|PMDAピモジド|PMDAアリピプラゾール|PMDAラメルテオン|PMDAスボレキサント|PMDA発達障害の子どもへの薬物療法を行う際に気を付けたいこと出典 : 治療決定についての考え方は、昔と大きく変わってきました。以前は医師が専門的知識に従って治療方針を決定し、患者はそれに従うものでした。薬物療法についても、医師の指示通りに患者が薬を飲むかというコンプライアンス(服薬遵守)が問題とされてきました。近年では、医師は専門的知識に基づいて治療決定に必要な情報を提供し、患者がその方針を決定するものに変化し、その方針への積極性もアドヒアランスという言葉で表現されるようになっています。子どもの場合、法的には保護者が意思決定を行うことになりますが、保護者が決めた意思決定に子どもを従わせるというのは現実的にも不可能なことです。最近では、子どもにおいても自己決定を尊重し、子どもには子どもにわかる範囲の最大限の説明を行い、積極的な同意(アセント)を得ることが求められています。その子どもがわかる範囲というのは、その子の年齢だけでなく、知的な水準やそのパターンによっても異なってきます。病名や薬剤名を伝えるというよりも、その薬がどのような影響(効果、副作用、日常生活に期待される変化)をもたらし得るのか、実際にどのような薬剤(色、味、剤型など)なのか、いつまで服用するのか、など、わかりやすく説明し、子どもの意思を最大限尊重する必要があります。副作用のモニタリングも大切です。とはいえ、発達障害の診療に訪れる子どもは、すでに「お注射はされない」「お話だけ」などと説得されていることもありますし、検査が苦手な子も多く、専門医療機関が少ない現状の中で、子どもに嫌われたくないという医療機関側の思いも相まって、本来期待されるよりも少ないモニタリング頻度になっていることが多いでしょう。それらのモニタリングも含めて治療の枠組みとして説明しておくことが大切かもしれません。一方、モニタリングは採血や心電図など、本人の負担のある検査ばかりではなく、体重、脈拍、血圧、日々の様子など、さまざまな観察で行うべきものもあります。その点についても親御さんと医師で話し合っておく必要があります。まとめ発達障害の治療において、薬物療法だけですべてが解決することはありません。解決したい子どもの行動の成り立ちを医師と家族が一緒に見立て、環境調整や行動療法などと組み合わせることが大切です。いま何のために薬を飲んでいるのか、子どもと保護者、主治医が目的を共有し、その後の効果と副作用を見極めながら、薬物療法を継続していくか否か、意志決定していく必要があります。
2018年04月02日新生活のスタート、あなたの背中を押してくれる新刊を紹介!4月、新しい環境に移ったり、学校や職場で新たな出会いがあったり…ワクワクもする一方で、ちょっとドキドキ、そんな季節ですね。今回は、楽しく一歩を踏み出すためにあなたの背中を押してくれる一冊、勉強や仕事のコツを伝え、あなたの不安を解消する手助けになってくれる一冊など、新生活のスタートにぴったりな新刊情報をお届けします。偏食との向き合い方は!?『手作り弁当は、ママから発達障害の娘へのラブレター』自閉症スペクトラム障害がある長女の偏食に向き合ったブログが多くの人に読まれ、共感された桜井奈々さんの子育てエッセイです。「どうして食べてくれないの?」お弁当づくりに悩む保護者は少なくないのではないでしょうか。この本の著者である桜井さんもその一人でした。幼稚園では、お弁当に手をつけなかったり、お昼の時間内に食べきれないという日が続きます。小学生になり、給食を食べられるようになった背景には、お友だちの配慮や本人の努力がありました。お弁当を通して繰り広げられる親子のやりとりとともに、子どもの成長記録が綴られています。食べてもらうためにさまざまな工夫を凝らし、彩りやにもこだわった可愛らしいお弁当の写真は見ているだけでも楽しくなります。「撃沈」「痛み分け」「大勝利」と、長女の反応もユーモアを込めて紹介されています。気に入った料理を連日食べ続ける長女に合わせた家族用のおかずアレンジ法などもあり、生活に取り入れられそうなアイディアが盛り込まれています。(発行:2018年3月17日)親子で一緒に取り組めるワークシート『イラストでわかる子どもの認知行動療法: 困ったときの解決スキル36』同志社大学教授で臨床心理士の石川信一先生が手がけた子どもたちに向けたワークシートです。感情がストレートに行動に出てしまうことで、周囲との人間関係でつまづいてしまうことがあります。この本では、子どもたちにイライラしたり嫌だなと思う気持ちは「あっていいんだよ」と認めながら、認知行動療法によって行動をコントロールしていくための考え方を育みます。「じぶんの気持ちをじぶんでコントロールしてみよう」という章から始まり、学校の授業や休み時間、掃除の時間などさまざまな場面について、その時の感情と行動について考えられるようになっています。子どもが自ら経験して学んでいく過程を大切にするためにも、大人も一緒に読みたい一冊です。認知行動療法は、医療現場を中心に普及しつつありますが、その一方で、教育の現場に生かせる本はまだ多くはありません。この本は、子どもに語りかけるような優しい言葉遣いでまとめられていて、子ども一人でも取り組めることがコンセプトにされています。親子で一緒に書き込んだり、大人が聞き取りしながら進めていくこともできそうです。(発行:2018年2月18日)英単語勉強は暗記だけじゃない『読み書きが苦手な子どものための英単語指導ワーク (特別支援教育サポートBOOKS」』神戸山手短期大学准教授で英語教科の特別支援やユニバーサルデザインの啓発活動に取り組む村上加代子先生の著書です。学習障害(LD)のある子どもたちを対象にした「チャレンジ教室」を主催する村上先生が、小学生から高校生までのLDの子どもたちに実際に指導して効果が見られた「音から文字へ」落とし込むという暗記に頼らない勉強の指導方法についてまとめています。学校向けの指導ノウハウについてのシリーズを展開している出版社が手がけている専門性の高い本です。こちらは、小学校高学年から中学校くらいまでの「アルファベットはわかるけど、英語の単語の読み書きに苦手がある」子どもたちを想定して書かれています。今後は、小学校でも教科として英語が導入され、低学年から英語に触れる機会も増えるのではないでしょうか。英語の勉強は単語がわからなければその先になかなか進めません。苦手を克服できないままでいると、授業がつらくなり、後に進路の選択肢を狭めることにつながってしまうことも。教員向けの本なので、専門用語もみられますが、小文字のアルファベットの指導法からスタートするので、これから英語を学ぶ子どもたちの備えとしても取り入れられるかもしれません。(発行:2018年2月8日)進学!就職!親元を離れたあなたに。『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に暮らすための本』言語聴覚士であり、自閉症スペクトラム障害の当事者でもある村上由美さんが自身の経験も踏まえて専門的な視点からわかりやすく解説します。この本では、ADHD、ADD、ASD、LDという代表的な発達障害に対して、進学や就職などで親元を離れた時に身につけたいスキルを紹介。章ごとに時間管理やお金の悩み、コミュニケーションの問題などの「あるある」という困りごとを取り上げ、イラストや写真を添えて解決策を提案しています。例えば、「物をどこに置けばいいかわからない」という項目では、使用頻度で置き場所を決めるべき物の例をグループ別にイラストで掲載。さらには、具体的なアイテムの使用実例を写真で紹介してあり、取り入れやすい工夫がされています。当事者や家族はもちろん、身近な人が「もしかしたら発達障害かも?」と思う人にとっても、何をどう手助けしたらというヒントになる具体的な解説が盛りだくさんです。(発行:2018年3月14日)家族や同僚に気になる人がいるという方にも『〈大人の発達障害〉アスペルガー症候群・ADHDを解決するコツがわかる本』社会人向けには、アメリカでADHDの研究に取り組んだ後、発達障害専門の司馬クリニック院長・司馬理英子さんの著書。アスペルガー症候群とADHDそれぞれの特徴と違いを踏まえて、より良いコミュニケーションについての教科書的な本です。会話をするときの相手との距離や目線の位置、要点を抑えた話の順番など詳細に解説してくれています。電話対応やメールの送り方、会議や打ち合わせの基本など、ビジネスシーンについて取り扱っているページが多いので、会社勤めをしている人などは、特に参考になりそうです。また、「ADHDの妻を支える妻・夫を支える方法」という項目もあります。なんでも言える相手だからこそ、うまくいかないことに対して、「なんで?」とつい責めてしまうこともあるかもしれません。本人は家庭のことや仕事がうまくできなく落ち込んでしまう時もあるでしょう。つまづきがちなことができるようになるためのちょっとした工夫や、ほっとする声かけを知っておくと、自宅が安心して過ごせる場所になります。(発行:2018年2月15日)夢中になれることにとことん!『はじめアルゴリズム(2)』計算に夢中になる小学校5年生の「関口ハジメ」が繰り広げる数学をテーマにしたコミックです。自然豊かな島で育つハジメは、独学で自由な発想のもと、難解な数式を作り出しては解くことに夢中になっていました。同じ島出身の老数学者・内田豊が天才的なハジメの才能に惚れ込んだことから物語が展開されていきます。かつて、数字に執着して会話が成り立たないこともあったハジメに不安を感じていた母親も、ハジメの好きなことを思う存分に伸ばせる環境へと背中を押します。内田が暮らす京都移り住み、本格的に数学を学ぶ道に進んでいきます。2巻では、京都に移り住んでからのストーリーが始まります。柔らかなタッチで描かれる絵にも癒されます。興味やできることに波がある子も、「得意」をうんと伸ばしてあげられるような周囲のサポートでのびのびと過ごせるようになることも多くあります。子どもの「できること」に目を向けた環境づくりの大切さを感じさせてくれます。(発行:2018年2月23日)まとめ子どもから大人まで参考になる、新しい生活が始まる4月に読んでみたい本を紹介しました。専門用語が出てくるものもありますが、どの本もイラストや図で丁寧にわかりやすく解説されています。実際に今、困りごとがある人、不安がある人だけでなく、「発達障害の人はどんなことで困っているの?」「家族の人が抱える悩みってどんなことがあるの?」と気になっている人にも読んでもらいたい本ばかりです。ちょっと大変なことがあっても、「きっと大丈夫」と勇気をくれる本と出合って、この春からの生活を楽しんで過ごしましょう!
2018年04月01日新生活は引っ越しの季節!「親子で一緒に事務手続き」のススメ出典 : もうすぐ新年度。大学進学や就職をきっかけに子どもが親元を離れ、一人暮らしを始める家庭も多いでしょう。一人暮らしを始めるうえで欠かせないのはさまざまな事務作業の数々。細かい注意事項が多い契約や間違えてはいけない提出物など、注意力が必要とされる作業がたくさんあります。親御さんはこれらの事務作業を子どもに任せるか、やってあげるか、迷うところでしょう。本人の自立のためには任せるべきだけれど、親心としてはトラブルの心配が勝ってしまい、結局全部やってあげてしまう、ということもあるのではないでしょうか。確かに、特性がある子どもに重要な手続きを一任することは心配ですよね。でも、この機会は、子どもが生活インフラや住居環境についてまとめて把握できるチャンスでもあるのです。例えば、生活インフラの手続きを親が全部やってしまうと、子どもはいざ自分で公共料金を支払うときにシステムの理解が足りておらず、トラブルに巻き込まれる場合もあるかもしれません。子どもには何ができて、何ができないのか、そこを理解し、対策を打つことができれば、苦手なことにも前向きに取り組めるのではないでしょうか。次の章から、引っ越しに関連し起こる業務の中でADHDのある人がつまづきやすいポイントと、その対策をご紹介します。引っ越し関連の手続き、ADHDならではのつまづきポイント出典 : 引っ越しに際して、やるべきことはたくさんあります。届出を出すことや、契約の更新、各種サービスの登録内容の変更など、どれも生活に重要なことばかりでミスや抜け漏れはできません。これらの作業をこなしていくうえで、ADHDの特性ならではの困りごとが出てきます。忘れっぽさや注意力の弱さがある場合、事務作業にはどうしても苦手が生じてしまうのですそれでも、どこでつまづきうるのかをあらかじめ把握しておくことで対策が可能です。以下の項目を参考に、それぞれの特性を踏まえて、引っ越しの際に起こりそうな問題をあらかじめリストアップしておきましょう。■忘れっぽい・書類の提出期限を忘れてしまう・各種申請に必要なものを忘れてしまう■気が散りやすい・片づけが終わらない・書類の記入がなかなか進まない■注意の持続性が弱い・書類のミスが多い・提出の抜け漏れがある■感情や欲求のコントロールが難しい・引っ越しに必要な資金が足りない・引っ越しギリギリまで予定を入れてしまい、準備する時間が取れない■優先順位が付けられない・大事な手続きを後回しにしてしまう・やることのスケジューリングができない※上記は一例です。特性を踏まえて親子で注意すべき点をリストアップしてみましょう。ADHDの引っ越し、苦手を知って上手に対策!出典 : つまづくポイントが分かったら、対策を考えていきましょう。■チェックリストをつかう引っ越しの事務作業で難しいところは、細かい作業や必要なものがたくさんあるところです。あらかじめ、するべき契約や申請をリストアップし、それぞれの必要なものをひもづけた表を作ってみましょう。やるべきことを体系的に把握でき、頭の中を整理できるはずです。資金についても、何にどれくらいお金がかかるのかを書き出しておき、半年~1年前から貯金のスケジュールを立ててみるとよいでしょう。引っ越しのやることリストは、引っ越し業者などがネットで公開しているので、そちらも参考にしてみてください。この記事では、日本マイクロソフトが無料で提供しているエクセルシートタイプのテンプレートをご紹介します。引越し To Do リスト | 日本マイクロソフト「楽しもう Office」■カレンダーアプリを使う・リマインダー機能で抜け漏れ防止申請や契約をカレンダーアプリに記入しておくと、期日が近づいたときにリマインダーが教えてくれます。引っ越し3週間前、2週間前、前日、といった間隔で作業の進捗状況を確認する日を設定しておくと、全体の流れも把握しやすくなるでしょう。・契約ごとの持ち物も記入し、忘れ物ゼロへ契約や各種申請には、それぞれ持ち物が必要なことがあります。カレンダーアプリに予定を記入する際に、持ち物も書いておくことで、いつまでに何が必要かを把握し、リマインダーで知らせてもらうことができます。・引っ越し前の忙しさ段階で色を分けるカレンダーアプリに作業する時間を設定しておくと、そこに予定を入れてしまう心配も減ります。また、3週間前は緑、2週間前は黄色、1週間前は赤、のように色分けをしておくことで、忙しさを感覚的に理解することができ、スケジュールの調節に役立つでしょう。■できないことは人の力を借りる書類のミスが心配な場合は家族や知人にお願いすることも大事です。本人以外のダブルチェックを挟むことで、よりミスを防ぐことができるでしょう。期日忘れが心配な場合はカレンダーアプリは複数人で共有することも可能なので、可能な間柄であったら予定を期日を把握しておいてもらってもいいですね。できないことはプロにお任せ!引っ越し関連の相談先まとめ出典 : 工夫をすることで、解消されるお悩みもたくさんあると思います。けれども、お金の計算や引っ越し後の整理整頓、各種契約など、どうしても苦手意識が勝ってしまうこともあると思います。そんな時、相談にのってくれたり、代行してくれるプロがいます。できないことを無理にやろうとしてつかれてしまったり、自己肯定感を下げてしまうよりは、プロの手を上手に借りることも一つの手段です。・整理収納アドバイザー整理収納アドバイザーとは、住まいのレイアウトや収納方法の提案を専門的に行っている人たちです。新しい住まいに家具や、物品をどのように収納するか迷っている人は、相談してみるのもひとつの方法です。引っ越し業者の中には、整理収納アドバイザーの資格所持者が所属しているところもあるので、問い合わせてみましょう。アドバイザー一覧│特定非営利活動法人ハウスキーピング協会・各社の問い合わせ窓口水道やガスの手続きなど、ホームページや書類を見ているだけだと理解できない部分も多いこともあります。そこで、分からないことはまとめて、各社のお問い合わせ窓口に相談し、話しながら整理していくことで、解決できる部分も多いでしょう。※下記は一例です。問い合わせ窓口は、お住まいの地域によっても異なります。確認して連絡してみましょう。受信料関係のお問い合わせ先│NHK HPお引越しの申込み│TEPCO HP水道局お客さまセンター(23区) | 東京都水道局東京ガスお客さまセンター│東京ガスまとめ出典 : いかがでしたか?複雑な作業がたくさんあり難しい印象がある引っ越しも、どこが大変でどんな対策が打てるかを理解できると、少し気が楽になるのではないでしょうか。しっかり準備をして臨むことで、新しい生活が始まった後のことも具体的にイメージできるようになるはずです。少し手間がかかったとしても、本人に任せてみることでお子さんの自立した新生活の第一歩となるのではないでしょうか。
2018年03月31日思いついた。アメリカに行こう。出典 : 成人になってからADHDと診断された私は、言葉で語りつくせないほどの生きづらさを抱えて日々を過ごしてきました。中でも生きづらさのピークだったのが大学生時代です。厳しい受験勉強を乗り越えて、やっと掴んだ自由な生活だと思ったのに、その自由に翻弄されることになりました。私が通っていた大学では、「変わっている」ということが許されないという暗黙の了解をひしひしと感じる日々でした。そこで私の特性(周囲の話を聞かずに喋ってしまう、思ったことをそのまま口に出してしまう等)は周囲から嫌われる原因となり、いつしか「マシンガントーク」「毒舌」「言葉のナイフ」といったあだ名をつけられ、人間関係が良好とは言い難い日々が続きます。当時の私は、大学を中退したいと思うほどに追いつめられていました。けれども、中退して何をするのか、別の大学を受験し直したとしても、またうまくいかないに違いない…と、鬱々とすることになります。そして考え抜いた私は、一旦学生生活の仕切り直しをする決意をしました。アメリカの大学に、1年間留学することに決めたのです。異国の地で周りにかけられた言葉は…出典 : 私のアメリカ留学生活は、大学寮でスタートしました。大学寮では2人部屋になり、ルームメートと寝食をともにすることになります。今まで一人部屋で自由気ままに生活してきた私にとって、ルームメートが常にいる生活はなかなか大変でした。四六時中一緒に生活していると、当然お互いに不満や要求も出てきます。ルームメートは遠慮なく不満や要求を私に言ってきましたが、私はグッと我慢して言わないようにしていました。日本の大学で「言葉のナイフ」というあだ名をつけられ、散々嫌われた思い出がどうしても引っかかっていたのです。しかし、ある日、どうしても我慢ができないことがあり、「前から思ってたんだけど…」とおそるおそるルームメートに話をしました。そのときのルームメートの言葉が忘れられません。"I can’t read your mind!!" (私、あなたの心は読めないわよ!)そのとき、初めてルームメートと深く話をしました。そして、彼女が言ったのです。「言わないで分かってもらおうとするのは、日本の文化なのかもしれない。でも私は、口に出して言ってもらわないと、何も分からない。約束してね、ここにいる間は、心にためないで、全部話して。さっきも言ったけど、私はあなたの心は読めないから。」このときの私の衝撃たるや凄まじいものがありました。それまで「思ったことを言い過ぎる」と注意され続けて嫌われてきたのに、ルームメートは私に「思ったことは全部話して」と言うではありませんか。このときの彼女の言葉。"I can’t read your mind!!"は、今でも私の中で鮮明に記憶しています。日本では散々だった私が、「社交性がある人」と言われて出典 : 自分のマイナスの特性が、ここではプラスに評価される!?私はしばらく混乱しました。世界がまるであべこべになってしまったのです。「だからダメなんだ」と日本の大学でダメ出しをされ続けてきたことが、アメリカでは「そういうあなたが好きよ」と言われることが多かったのです。その後も、同じ授業を履修していたクラスメイトに、こんなことを言われました。「あなたは表情が豊かでとても可愛い。」これも私には衝撃でした。小学校の頃から、私は「感情がすぐに顔に出るから良くない」と周囲から注意され続けてきたのです。けれども、自分を客観的に見る力に欠けていた私は、「感情が顔に出る」という状態が良く分かりませんでした。心の底から、どうやったら感情を隠すことができるかも分かりませんでした。他人からそう言われるのが嫌で、作り笑いをするようになり、怒っているときに限ってゲラゲラ笑っていたりしたものです。けれども、クラスメートはそんな私に、「表情が豊か」という言葉をくれたのでした。今まで忌み嫌われ、治せ治せと言われてきた特性が褒められる滑稽さ。常にカルチャーショックを受ける続ける日々が続きました。そして、ある授業で、教授が私についてこう話したのです。「彼女は、"sociable"の代表みたいな人だからね」クラスメートたちも、うんうん、と頷いて笑っています。"sociable" とは「社交的な」という意味があります。そうです。 「マシンガントーク」で「毒舌」で「言葉のナイフ」と言われて嫌われ続けた私は、「社交的な人の代表」とまで言われるまでになりました。そして帰国までの1年間、私は素晴らしい仲間と先生たちに囲まれて留学生活をおくることができたのです。世界は広い。日本のあの大学の小さな仲間内の評価が全てではない。日本に帰国する飛行機の中で、ただそんなことを考えていました。そして、母になった今。出典 : 悩みで押しつぶされそうだった私にとって、あの1年間の留学生活はその後の人生の大きな支えとなりました。周りのネガティブな評価にくじけそうになったときには、アメリカ人の友達が言ってくれた言葉を思い出し、ポジティブな言葉に置き換えてみました。20歳のときの経験が、その後の20年を支えてくれたのです。そして先日、ある大学教授の発達障害に関する講演会に行ったときのことです。講演者の先生がこう言ったのです。「相手が年長であろうと偉い人であろうと、ズバズバと思ったことを言ってしまうのがASDの方の特性なわけですが。この特性は、アメリカなどでは、割とウェルカムなんですよね。ですから、問題になりにくいし、ご本人もそれが原因で生きづらさを感じることはあまりない。つまり、発達障害は実は社会との関連なんですよ。」この講演を聞いたときに、私は自分を支え続けてくれた20年前のアメリカでの経験が蘇ります。発達障害は社会との関連。まさにこの言葉を、私は20年前に体感していたのでした。だからこそ、今、発達障害児の息子を育てていても、私は全く悲観的になることはないのです。 それは、息子が心地よいと感じられる場所は、この世界には必ず存在していると信じているから。そして、私たちの周りも、今や教育環境も発達障害への理解も大きく変わりつつあるから。今この場所が辛いとしても、それを全てだと思わないことの大切さを、私はあのとき学んだのです。
2018年03月29日療育入園初日。椅子から脱走し走り回る長男3歳当時、自閉症の長男は一日中走りまわっているような子どもでした。多動の特性も強いゆえ、仕方のないことだと思うのですが、母親の私も追いかけるのに一苦労。公園に連れていくと立ち止まったり座ったりすることもなくひたすら駆け回ります。Upload By シュウママ既に療育の通所支援に通うことが決まっていたので、まあ訓練で多動はおさまってくれるだろう…と思っていたのですがそれは甘かった!療育施設の入園日、何度座らせようとしても椅子からおりて脱走する長男を見ながら目の前が真っ暗になりました。Upload By シュウママ他にも座れずに泣いている子もいます。けれど長男ほど活発に動き回る子はいなかったのです。「1か月で座れるようになりますよ!」先生の言葉に半信半疑だったけど…現実をつきつけられたような気がして「この子が椅子に座れる日が来るんでしょうか」思わず尋ねると先生は笑顔で答えてくださいました。Upload By シュウママ「みんなそうです。大丈夫ですよ」優しい先生の言葉にうなずきながらもそう簡単にいくのだろうか――不安が募りました。少しずつ少しずつ。変化があらわれてきた長男それから長男は毎日療育施設に通いました。私は週に2回ある親子通園日に長男の様子を見ることができるのですが、「あの多動がおさまるはずがない…」とやはり半信半疑でした。けれど先生方の日々の取り組みはまさに目から鱗だったのです。その療育施設では手を洗って牛乳を飲み、椅子に座ってみんなで手遊び歌を行うのが日課になっています。はじめ長男は牛乳を泣いて嫌がり、吐き出したりコップを倒したりしていました。けれど先生は牛乳が嫌ならお茶にしようかという妥協は一切なく、他の子と同じ牛乳を飲ませていました。「一口だけでも飲むんだよ」と先生はスプーン1さじから始め、1さじ飲めたら次の日は2さじという風に量を増やしていきました。Upload By シュウママその間、飲み終わった子ども達は自分の椅子を並べて先生と手遊び歌をしています。そうすると不思議なもので自分も遅れを取りたくない、みんなと一緒に手遊びしたい!という意識が芽生えてきたのでしょうか――長男は徐々に牛乳を飲める量が増えていき、最後には一人で全部飲み干し、自分で椅子を持って手遊びに参加できるようになったのです。Upload By シュウママ大切なのは妥協しないことそして長男は、教室以外の大きなホールでお誕生日会をする時でもきちんと座って待つことができるようになったのです。「あの子がちゃんと椅子に座って待てるようになるなんて…」と私は先生に言いました。すると先生は「園では基本みんなと同じものを食べ、同じ行動をするよう促します。そうするとね…」先生はくすりと笑って言いました。Upload By シュウママそして「ご家庭でも、お母さんが子ども用に別におかずを作ったりするのは控えたほうがいいんです。家族みんな同じものを食べるほうが楽しいし、苦手なものも食べられるようになるんですよ」とアドバイスしてくださいました。そういえば療育の給食の時間、子ども達は「シュウちゃんにんじん食べられたね~」とおしゃべりしながら食事していました。お友達が食べられたなら自分も食べれるかもしれない、と感じながらお互いを育てあうのかなと感じました。療育施設ではたくさんのことを教えてもらったのですが、子どもの自主性は重んじても妥協はしないという姿勢や向き合い方も、教えて頂いた大切なことでした。
2018年03月28日世界自閉症啓発デーってなに?出典 : 「世界自閉症啓発デー」は、2007年12月18日に開かれた国連総会で、カタール王国王妃から提案され、決議されました。毎年4月2日は世界中で自閉症の啓発活動が各地で行われます。日本でも世界自閉症啓発デーの4月2日から8日までを発達障害啓発週間として、シンポジウムの開催やランドマークのブルーライトアップなどが実施されています。世界自閉症啓発デーは、自閉症に関する理解を深め、身近に考えることで、すべての人が過ごしやすい世界を実現していくための日です。世界自閉症啓発デー 日本実行委員会公式サイト自閉症とは出典 : 自閉症は先天的な発達障害の一つで、育児の方法や環境など後天的な原因で生じるものでもありません。対人関係の障害、コミュニケーションや言葉の発達の遅れ、行動や興味の偏りといった特徴が発達段階で現れると言われています。具体的には、他の人の気持ちを理解することや、言葉を適切に使うこと、予定外の変化などが苦手な傾向があります。自分の感じたままに話したり、行動したりすることがあります。外見からはわかりにくく、真面目に取り組んでいても、誤解や偏見を受けることもあります。大人のなかでも、自閉症であるのにそのことに気づけずにいる場合もあります。そのため、必要な支援を受けられず、自閉症の二次障害であるうつや不安障害などの精神疾患にかかる人もいます。一方で、自閉症のある人たちは関心のあることにまっすぐに取組むことが得意であることが多いです。鋭い感覚を生かせたり、記憶力が抜群な人もいます。そういった長所を得意な分野で生かして活躍している人もいます。自閉症についての理解や支援が十分に広まることで、自閉症のある人がより住みやすい環境で生活することができるようになるでしょう。全国でイベント開催。自閉症をもっと知ろう!Upload By 発達ナビニュース2018年の世界自閉症啓発デーに合わせて企画された各地の注目イベントを紹介します。自閉症のある人だけでなく、誰もが自分らしく暮らせる社会とは?あなたも自閉症啓発デーに合わせて実施されるイベントに参加して、一緒に考えてみませんか?Upload By 発達ナビニュース今年のテーマは 「知りたい、知らせたい 発達障害のこと ~こども、若者、スポーツ、アートの視点から~」。「安心してください!地域のみなさん」、「やりたいんだ!アート・スポーツ・ミュージック」 、「知ってほしい!街の中の味方」という題材でシンポジウムが開かれます。【日時】4月7日(土) 10:00~16:20【会場】全社協・灘尾ホール(新霞が関ビル内)【参加】要事前申し込み(定員250名)世界自閉症啓発デー2018出典 : 歌やダンスのパフォーマンスがステージで繰り広げられ、自閉症や発達障害を体感するブースなども設けられます。また、4月2日はSNSのタイムラインをブルーで埋め尽くそうと、「#WB2018」「#MAZEKOZE」のハッシュタグつきで写真の投稿も呼びかけています。イベントにはぜひ青い物を身につけて参加を!【日時】4月2日14:00〜18:30【会場】東京タワー広場 特設ステージ一般社団法人 Get in touch出典 : 月5日から4月13日まで各所で続々と関連イベントを開催。メインとなる4月1日、2日も多数の会場で「青いものづくり」「LD・ADHD等の擬似体験プログラム」といった参加型の企画されていたり、「自閉症啓発デー・アート展」が開幕します。主な会場ごとのイベントはこちら。五稜郭タワー・アトリウム【日時】4月1日(日)13:00【内容】開会式&オープニングセレモニー、「Blueの音楽祭」棒二森屋店【日時】4月1日(日)10:00〜16:00【内容】LD・ADHD等の擬似体験プログラム、「ハッピー」こどもイベントサークル、歌声ライブ&あおいろライブ函館市芸術ホール【日時】4月2日〜7日(月)10:00〜19:00【内容】第5回自閉症啓発デー・アート展、発達相談、羊毛フェルトで作る「地球玉」(2日のみ、14:00〜17:00)世界自閉症啓発デーin HAKODATE 2018出典 : 寸劇や疑似体験をはじめ、キャラバン隊公演や障害のある方々などによるバンド演奏とダンス、ミニコンサートなど。【日時】4月7日 (土)11:00〜17:00【場所】Qiball(きぼーる)1階アトリウム第10回世界自閉症啓発デーinちば~みんな大切な仲間です~自閉症の当事者であり、少年画家として活躍する濱口さんと交流できる小学生以上を対象としたワークショップです。濱口さんのインスタレーションとともに参加者も自由に絵を描きながら、絵で表現することを一緒に楽しみます。【日時】4月8日(土)10:00~11:30、14:00~15:30【場所】海老名市立中央図書館【参加】3月24日から参加券を海老名市立中央図書館で配布。(各定員10人)少年画家 濱口瑛士の世界自閉症啓発デーの4月1日から8日までの「発達障害啓発週間」スペシャルイベントとして企画された、発達障害のあるミュージシャンによるコンサートです。手作り楽器で「キミダケノオト」を奏でて、気持ちを音に乗せて表現する楽しさも体験できます。【日時】4月8日(土)10:15~11:30【場所】三茶しゃれなあどホール【参加】要事前申し込み大人1,000円/小学生以下無料キミダケノオトでフリーセッション!そらコンサートこのほかにも、全国各地で自閉症の啓発に関する活動が展開されています。各自閉症協会や自治体ごとの一覧も公開されているので、みなさんのお住まいの地域ではどんな活動があるのか、ぜひチェックしてみてください。世界自閉症啓発デー 全国都道府県市の自閉症協会の取り組み計画世界自閉症啓発デー2018自治体等啓発取り組み一覧世界自閉症啓発デー2018自治体等啓発取り組み一覧(教育関係)世界を包む青い光。「ライト・イット・アップ・ブルー」出典 : 世界自閉症啓発デーに合わせて、世界中のランドマークや名所旧跡を青色でライトアップするライト・イット・アップ・ブルー(Light It Up Blue)が、近年日本でも広がりをみせています。青色は「癒し」や「希望」をあらわすとして、世界自閉症啓発デーのシンボルカラーになっています。自閉症はわかりにくい障害と言われ、障害を知らない人から誤解を受けたり、うまくいかないことに直面することもあります。そんな自閉症の人の存在を多くの人に気づいてほしいという願いから始まったのがこの青いライトアップなのです。ニューヨークに本拠地のある世界最大の自閉症支援団体「Autism Speaks」が2010年にはじめて以来、日本でも各関係団体や賛同する施設でライトアップが広がり、定着しつつあります。点灯式にあわせてイベントも実施するなど、各地でさまざまな取り組み行われています。誰でも気軽に足をは込めるライトアップ。おすすめの会場を紹介します!画像は過去のものです。実際とは異なる場合があります。【日時】2018年4月2日(月)18:15〜22:00【場所】東京タワー屋外特設ステージ世界自閉症啓発デー2018出典 : 大阪の象徴である通天閣もブルーに!大阪府内では、ほかにも大阪城天守閣や天保山大観覧車も青色に染まります。【日時】4月2日(月)日没から23:00まで(天保山大観覧車は22時まで)「世界自閉症啓発デー」(4月2日)のブルーライトアップ及び発達障がいに係る啓発活動を実施します出典 : 長野県の茅野市民館では、ライトアップだけでなく、日中イベントも企画されています。自閉症をはじめ、発達障害の当事者や関係者のメッセージの展示。誰でも参加できるダンボールと絵の具を使ったアートワークショップもあります。点灯式は4月1日18:00から行われます。【日時】4月1日(日)、2日(月)アートワークショップ「みんなでつくろう 光る!まぜこぜドーム」【日時】4月1日(日)13:00~15:00【会場】茅野市民館 ロビー、他【参加】要問合わせ It Up Blue ちの 2018 ~ひろがれ!青い光がつなげるこころ~出典 : ココウォークでは2014年からこの運動に賛同して参加しています。長崎県ではほかにも、女神大橋、稲佐山、ハウステンボス、大村市周辺施設がライトアップされます。【日時】4月2日(月)~4月8日(土)長崎県こども家庭課4月2日は、世界自閉症啓発デー今年のライトアップは全国100ヶ所余りで行われる予定です。幻想的な青に染められた夜の街を歩いて、自閉症について考えてみませんか?世界自閉症啓発デー2018ライトアップ施設一覧世界自閉症啓発デー2018ライトアップイベント詳細一覧まとめ出典 : 近年、発達障害への社会の関心が高まりつつありますが、誰もが暮らしやすい社会を実現するに正しい理解の広がりがもっと必要です。自閉症のある人はコミュニケーションをとるのが苦手であったり、こだわりがあったり、いつもと違うことが苦手であったりといった特性があります。外見からはわかりにくいため、いまだに「心を閉ざしている」「親の育て方のせい」などといった誤解を受けることもあります。しかし、周りの人が自閉症について理解し、接し方や環境調整といった工夫をすることで、自閉症のある人やその家族が抱える困りごとは減らすことができるのです。イベント会場に足を運べない人も、当日は青い服やアイテムを身に付けてみてはどうでしょうか。青いものを写真に撮ってSNSに投稿することで、同じように自閉症について考えている仲間とつながることもできるかもしれません。世界中の人が自閉症について考える4月2日の「世界自閉症啓発デー」を通じて、あなたも自閉症の人が安心して暮らせる社会への一歩を踏み出しませんか?取材協力:一般社団法人日本自閉症協会
2018年03月28日恐怖の新学期…この春、5年生になる息子のカム。「なるべく大きな変化は避けてほしい!」と学校にはお願いしていて、進級しても使用するロッカーの場所はいつも同じところ、息子のお気に入り絵本は必ず教室に完備されています。でも、教室や先生、クラスメイトが変わるのは避けられません。いつもと違う雰囲気の教室に連れてこられた息子はびっくりしてガチガチになってしまいます…。Upload By shiori心の支えをフル活用!息子はタオルやハンカチ、手袋や靴下、アクリルたわしなどの布や毛糸の小物をコレクションしています。ハンカチや靴下の刺繍やワッペン、様々な色の糸や毛糸で織り込まれた生地を見るのが大好きなのです。不安な時は、大好きな"おもちゃ"であるこれらを持って学校に向かうことで、少し気分が楽しくなるようです。教室に到着すれば、お気に入り絵本が待っているので、教室に行くまでの道のりの心の支えとして大好きなおもちゃを持っていきます。持っていくおもちゃは、毎朝その日の気分で息子が選んでいます。ハンカチやタオルはそのまま学校でも使えるので特に問題ないのですが、手袋や靴下は学校に到着後、息子が落ち着いたら回収しています。さて、問題なのは…。息子の大好きなおもちゃの中にトランクスがあります。トランクスを持って学校に行くのはちょっとなぁ…。息子本人は全く気にしていませんが…。んん〜…。そうだ!トランクスに見えなければいいんだ!息子はトランクスの柄が大好きなだけなので、トランクスに見えないように加工しちゃおう!Upload By shioriとりあえず適当に切って、縫って、なんだかわからない筒状のものができました。息子の宝物にハサミを入れるのは緊張しました。その心配に反して、一つの宝物(トランクス)が二つに増え、むしろ息子は大喜び。よかったよかった〜。散乱する宝物たちが悩ましい…さて、トランクス問題も解決し、次なる問題は溢れかえる宝物(布小物)たちをどうするか!いつもは毎朝、持っていくものを選ぶために、カゴいっぱいの宝物をばらまいて、その日の一枚を決定します。お気に入りを探すのにも時間かかるし、散らばったハンカチ類の後片付けも大変です。なんとかしたい!Upload By shiori散らからないまま見られるようにするには!?そこで、こんな対策をしてみました。Upload By shioriゴムを半分にして、適当に結び目をつけて、カゴに取り付ける。結び目と結び目の間、ゴムの輪っか部分に布小物たちを挟んでいきます。すると、なんと素晴らしい!カゴの中がスッキリしました!さらに、この収納法のメリットはこれ!Upload By shioriじゃーーーん!なんと、バラバラになることなく全ての布小物を見ることができるのです!しかもなんかパーティの飾りみたいで楽しげじゃないですか?さて、心の支えのおもちゃたちの整理整頓は完了!どんとこい新学期!雪が解け、真っ白の世界から草花の色あざやかな世界になり、暖かい空気にウキウキする春。せっかくの心地よい春を存分に楽しめますように。
2018年03月27日障害のある方の「働く」を応援する、LITALICO仕事ナビがオープン!Upload By 鈴木悠平(発達ナビ編集長)働くことに障害のある方と、就労支援事業所(就労移行支援事業所・就労継続支援A型事業所・就労継続支援B型事業所)を繋ぐ情報サイト、「LITALICO仕事ナビ」が、2018年3月26日にサービスを開始しました。LITALICO仕事ナビでは、全国の就労支援事業所の情報を分かりやすく掲載するほか、障害のある方が受けられる支援の利用方法や就職に向けた実践的なノウハウを紹介する専門家監修記事や、就職者インタビュー・企業インタビューといったコンテンツを幅広く発信していきます。障害のある方一人ひとりが、自分のニーズに合った事業所を選ぶことができる情報プラットフォームをつくることで、誰もが自分らしく働くことのできる社会の実現を目指します。Upload By 鈴木悠平(発達ナビ編集長)障害がある方の「働く」を取り巻く社会の課題は?LITALICO仕事ナビ、サービス開始の背景そもそも、障害のある方の「働く」を取り巻く状況はどのような状況なのでしょうか。また、就労移行支援をはじめとした、障害のある方の「働く」を支援する事業所の運営状況は、現在どのような課題があるのでしょうか。この記事では、「LITALICO仕事ナビ」のサービス開始の背景となる社会課題や、運営スタッフの思いをご紹介します。Upload By 鈴木悠平(発達ナビ編集長)運営スタッフ プロフィール:鈴木悠平(写真左)2014年に新卒として株式会社LITALICOに入社。LITALICOジュニアの指導員として、発達が気になるお子さんや保護者の方々の学習・生活支援を経験したのち、LITALICO研究所の立ち上げ・事務局長を担当。現在は国内最大級の発達障害ポータルサイト「LITALICO発達ナビ」編集長としてコンテンツ制作を統括するほか、LITALICO仕事ナビ創刊編集長としてコンテンツの企画・制作を推進。昆野祐太(写真中央)2012年に新卒として株式会社LITALICOに入社。「LIALICOワークス」支援員として、障害のある方一人ひとりの就労・定着の支援を経験したのち、延べ4センターでのセンター長・新規開設を担当する。現在は、LITALICO仕事ナビの地域連携担当として、全国各地の就労支援事業所を訪問。勝俣友紀子(写真右)2016年に新卒として株式会社LITALICOに入社。子育てメディアConobie(コノビー)の企画営業職を経て、2017年よりLITALICOワークスの新規センター開設チームへ。主にご利用検討者さまの初回相談面談(年間300名ほど)と地域連携(関係機関訪問、セミナー講師)等を担当。障害のある方の就職者数は年々増えており、昨年は47万人以上が民間企業に雇用され、13年連続で過去最高を更新しています※1。また、今年は4月に障害者雇用促進法が改正され、企業の障害者法定雇用率が現行の2.0%から2.2%に引き上げられるなど、障害のある方の雇用に対する企業の関心も、年を追うごとに高まっていると言えるでしょう。株式会社LITALICOは、就職を目指す障害のある方のための就労移行支援事業所「LITALICOワークス」を全国で運営しており、これまでに5,000名以上が企業への就職を果たしています。こうした障害のある方の「働きたい」を支援するのが、障害者総合支援法に定められた就労系障害福祉サービス(就労移行支援事業・就労継続支援A型事業・就労継続支援B型事業)です。これらの事業所は2016年10月時点で全国に17,000近くあり、3年前と比べて約 1.4 倍に増加しています※1。ところが、障害のある方の就労・雇用への関心の高まりや、障害のある方を支援する事業所数の増大にもかかわらず、実際に就職を目指す障害のある当事者にとっては、必要な情報が十分に届いていない、自分にあった支援にたどり着くことが難しい、という課題が残っています。※1 厚生労働省「平成28年 障害者雇用状況の集計結果」よりUpload By 鈴木悠平(発達ナビ編集長)LITALICO仕事ナビが昨年12月に就労支援事業所を探したことのある方(877 名)を対象に実施した調査では、就労支援事業所を探すにあたり困ったこととして、8割以上(81.4%)の方が、「自分にふさわしい事業所の探し方がわからなかった」の項目に「(非常によく/まあ)あてはまる」と回答しました。※2また、就労支援事業所をどのように探したかという問いに対して、「パソコン(PC)で検索した」の項目に 「(非常によく/まあ)あてはまる」と回答した方が最も多く、6割以上(64.5%)に上っています。※2しかし、就労支援事業所としては、インターネットでの情報発信には費用や手間がかかることや、現利用者への支援で手一杯になってしまうなど、新しい利用者を集めるための活動が難しい状況にある場合も少なくないようです。厚生労働省の調査によると、就労移行支援事業所の7割弱は定員に達していないというデータもあります。※3就労支援事業所は、それぞれが特色のあるサービスを提供しているものの、利用を希望する方にとって、どの事業所が自分に合った事業所かを探す手段に乏しいのが現状と言えるでしょう。※2 LITALICOプレスルーム掲載、LITALICO仕事ナビ実施の調査より※3 厚生労働省 「平成 28 年 社会福祉施設等調査の概況」よりプレスルーム: 働くことに障害のある方と就労支援事業所をマッチングする情報サイト「LITALICO仕事ナビ」を2018年3月開始Upload By 鈴木悠平(発達ナビ編集長)昆野「私はこれまで、LITALICOワークスの複数のセンターで就労支援に携わるなかで、さまざまな特色ある魅力的な事業所さんと繋がってきました。障害のある方の就労に向けたニーズや、必要とする情報や支援の性質は一人ひとり異なります。LITALICOワークスに限らず、お住まいの地域にあるさまざまな就労支援事業所を比較検討し、ご自分に合った支援に繋がってほしいという思いがありました。ですが、障害のある方も、そもそもどうやって就労支援事業所を探して良いのかわからなかったり、事業所の運営者さんたちも、日々の支援と、地域への情報発信をなかなか両立することが難しいという課題もあるようです。今回、LITALICO仕事ナビのオープンに先立ち、さまざまな事業所さんと意見交換をさせていただいていますが、インターネットでわかりやすく、多くの当事者に情報を届けていくことの重要性は、多くの方が実感しておられました。LITALICO仕事ナビを通して、多くの事業所さんに、事業所の特色や、支援に対する想い、プログラムの内容などを発信していただきたいと思っています。」Upload By 鈴木悠平(発達ナビ編集長)勝俣「LITALICOワークスの新規拠点開設担当として、各地で障害のある方向けの就職相談会を行うなかで、忘れられない一言があります。精神障害のある当事者の方に、就労移行支援サービスについてご説明した際、「あと1年早く、こんな支援制度があることを知りたかった。そうすれば私の人生はもっと変わっていただろうに…」と言われたんです。その方は、精神障害によって以前の仕事を辞め、病院での治療を受けたのちにご自身で就職活動を始められたそうです。しかし、ご自分の障害について企業にどう説明すれば良いか、ご自分の症状や体調に合わせて働けるにはどのような仕事・企業を選べばよいかといった、障害のある方の就職活動におけるノウハウを持たれないなか、なかなか内定を得ることができませんでした。一年間、就職活動を続けるなかで、貯金もだんだんと減っていき、また一緒に暮らすご家族の健康状態にも変化があり…と、再就職に向けた"溜め"がなくなっていくなかで、就職に対して希望が持てない状態に陥ってしまっていたのです。障害のある方が就労に至る方法はさまざまですが、ご自分の環境や願いにあった選択をするためにも、適切な「情報」を得ることや、就職活動に伴走する「支援者」に繋がることは、とても重要だと感じています。あの日お会いした方のように、情報や支援に繋がることが出来ず困っている方は全国にもっとたくさんいるのではないか…こうした状況をなんとかしたいという思いから、LITALICO仕事ナビの立ち上げに携わっています。」LITALICO仕事ナビのサービス概要「LITALICO仕事ナビ」は、働くことに障害のある方と、障害のある方の「働きたい」を支援する就労支援事業所双方の課題を解決するプラットフォームです。障害があり、仕事を探しているユーザーの方々は、LITALICO仕事ナビ上で多くの事業所情報を閲覧・比較することができ、現利用者の障害種別や施設運営のこだわりポイント、就職者実績などを調べることで、ご自分の状況に最適な就労支援事業所を選んでいただきやすくなります。また、障害のある人の「働きたい」を支援する、就労支援事業所の方々は、LITALICO仕事ナビ上で自身の事業所紹介ページを設けることができます。ページ運営や問い合わせ管理をLITALICO仕事ナビ上で一括して対応することが可能となり、事業所を探す新規利用者の方々への情報発信に必要な時間や費用を減らし、現在の利用者の方々への支援に一層注力できる環境を提供します。LITALICO仕事ナビのサービスを通して、障害のある方、就労支援事業所双方のお悩みを解決し、一人ひとりが自分らしく働ける社会の実現を目指します。Upload By 鈴木悠平(発達ナビ編集長)撮影: Junichi Takahashi
2018年03月26日LD(学習障害)とは?LD(学習障害)は、全般的な知的発達に遅れは見られないものの、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論する」能力の1つ以上の習得や使用に困難がある状態のことです。イラストや例でLDの全体像が分かる『LD 学習症(学習障害)の本』筑波大学教授で発達行動小児科学を専門とする宮本信也先生が監修している本です。裏表紙に ”きちんとした対応、サポートで、LDの子供たちの生きにくさは、ぐぐっと改善されるのです”とあるように、当事者だけでなく広くLDを知ってほしいという思いが込められています。内容は「LDとは」「ウチの子がLDだったら」「LD教育とは」という3章に分かれ、イラストと短い文で構成されています。第1章ではLDの特徴や具体例が挙げられています。鏡文字を書く、似た文字を判読することが苦手、数字の繰上りができないなど、子どもの行動と照らし合わせやすくなっています。また、その行動が引き起こすトラブルについても書かれているので、心当たりのある人もいるかもしれません。第2章ではLDのサインや相談先、接し方などが説明されています。LDは育児に問題があったのか、子供にLDについて聞かれたらどうすればいいかなど、さまざまなケースを想定して解説がされています。どのようにサポートしたらよいか悩む保護者に寄り添う内容です。第3章ではLD教育へと話は変わり、LDのある子どもを持つ親が不安に思う学校の体制などが分かります。特別支援学級など、聞いたことはあっても具体的なことは分からない……というサポートについて知ることができ、LDの子供の将来を考える希望となります。全体を通してフラットな語り口で、分かりやすく解説されています。1時間程度で読み終わるボリュームですが、一通りLDについて理解することができます。LDとの付き合い方が分かる『怠けてなんかない!ゼロシーズン』国際ディスレクシア協会会員で教育ジャーナリストでもある品川裕香さんの著書です。ディスレクシアとは「読み書きのLD」とも言われます。文字と音が結び付きにくく、読み書きに困難が生じるのが特徴です。この本ではディスレクシアの特徴やものの見え方感じ方、さらには苦手を緩和する訓練についても書かれています。前述の『LD学習症(学習障害)の本』よりも少し踏み込んだ内容です。日本語の音韻ルールや脳の情報処理システムなど、より専門的な解説が多いのが特徴です。言葉を聞く力が弱いなら音韻を意識して手を叩く遊び、見て覚えるのが苦手なら神経衰弱ゲームを取り入れるなど、子どもの苦手に合わせた数十の訓練も紹介。苦手、分からない、難しいで終わらず、それを緩和して生きやすくする方法がわかるため、安心につながります。子どもの苦手をサポートしたいのに何をすればいいのかわからない。苦手をイメージできずどう声をかけてよいかわからない。不安や焦りで感情的になってしまうときこそ読みたい一冊です。“どの子もみな、「できないこと、苦手なことが少しでもできるようになりたい」と願っています”ディスレクシアを個性だからと放置するのではなく、苦手を緩和し社会での不自由をなくしてあげたいと考える著者のメッセージに勇気づけられます。親の手記に共感『ぼく、字が書けないだけど、さぼってなんかいない』LDやディスレクシアの概要や特徴が分かる上記2冊と異なり、この本は親たちの手記を中心として編まれた本です。LDを含む読み書き困難を抱えた発達障害の子供たちの苦労、そしてそれを目の当たりにしている親たちのリアルな苦悩が伝わってきます。編集したのは窪島務先生をはじめとするNPO法人滋賀大キッズカレッジの手記編集委員会。ほかの先進国と比較すると、日本は読み書き障害のある子どもへの対応が遅れていると窪島先生は語ります。LDの子を持つ親が抱く思いや願いをまとめ、学校や行政の理解とサポートを訴える本です。本書の半分を占める親や本人の手記は、切実な思いであふれていました。子供の声を聞かない先生、こころない言葉を浴びせる周りの親たち、保護者とのかかわりを避ける学校…読むだけで心が張り裂けそうになります。でも、もちろんつらい話ばかりではありません。担任が代わったことがきっかけで学校へ行けるようになった子供もいますし、LDに理解を示す友達ができたことで学校生活が楽しくなった子供もいます。そしてキッズカレッジに救われた親たちも。「もしかしてLDかも」と思った段階で読むには少々苦しい内容かもしれません。LDをとりまく親子の現実に不安と戸惑いを覚えるかもしれません。ですが、そんな現実を知ることで漠然とした不安ではなく、子供とともに何をすべきなのかを考えることができます。本人や親の生の声は多くのことを教えてくれます。会ったことはなくとも、先輩として仲間として励ましてくれているように感じることができそうです。一通り知識を得た後に読むと心に響きます。LDを受け入れ、ともに生きていくことを考えるとき、味方になってくれる一冊です。まとめ「うちの子はLDかもしれない」と思ったときに手に取りたい3冊を紹介しました。どの本も専門的な内容ではあるものの、LDについての知識がなくても読みやすく、分かりやすい文章で書かれています。すらすらと頭に入ってくるので、読み終わったときには「子どもと話してみよう」「本に書いてあったアレをやってみよう」とポジティブになれるでしょう。いずれも、LDのある子どもとのつきあい方や、サポートのヒントが詰まった本です。
2018年03月25日突発性難聴とは出典 : 突発性難聴は、突然片耳の聞こえが悪くなる病気です。2000年以降、何人もの人気歌手が発症を公表したことで、多くの人にこの病気が認知されました。何の前触れもなく生じた難聴のうち原因が不明、もしくは不確実なものが突発性難聴とされています。診断も治療法も確立していないという、まだまだ分かっていない部分の多い病気でもあります。耳の奥、内耳という部分に何らかの障害が起こっていると考えられています。突発性難聴の原因は分かっていませんが、いくつか有力な説はあります。一つはウィルス感染です。ウィルスと言っても、難聴を引き起こすウィルスがあるわけではありません。インフルエンザやはしかなどのウィルスに感染し内耳が炎症、結果として難聴につながってしまうという説です。もう一つは内耳循環障害説です。内耳に十分な血液が届かない、血流に問題があるとされる説ですが、ほかの器官は正常です。ほかにはストレスも関係しているとも言われます。体調不良や過労を含めたストレスは多くの病気の一因となりますし、直接の原因とはならなくとも、発症をしやすくすることはあります。とはいえすべて原因としては可能性の域を出ません。この原因不明なところが、突発性難聴の特徴なのです。突発性難聴の症状出典 : 突発性難聴の代表的な症状は病名の通り、突然耳が聞こえにくくなるというものです。朝起きたときや店を出たときなど、本人には聞こえにくくなった瞬間がはっきりと分かります。「まったく聞こえない」から「なんとなく聞こえづらい」まで、聞こえにくさの程度は人によって異なります。突発性難聴の診断を受けるまで難聴の自覚がないこともあります。共通しているのは、片耳にだけ症状が表れるということです。両耳の場合は別の病気である可能性が高いです。ほかに突発性難聴でよく見られる症状は、耳鳴りとめまいです。キーンという高音、ジーというセミの鳴くような音などの耳鳴りが起こることがあります。飛行機に乗った時のような、耳の詰まった感じを訴える人もいます。耳鳴りの強さや種類は様々ありますが、それで突発性難聴かどうかを鑑別することはできません。難聴は軽度でも、耳鳴りがあることで突発性難聴と診断されることもあります。めまいには、目が回る感覚の「回転性」、体がフワフワ浮いているように感じる「不動性」、立ちくらみのような「失神性」などの種類があります。突発性難聴で現れるめまいは「回転性」です。耳の病気によく見られるもので、ふらついて立っていられなくなったり真っすぐ立てなくなったりします。嘔吐や吐き気を伴うこともあります。突発性難聴と症状が似ている病気出典 : 突発性難聴は突然片耳が聞こえにくくなる病気ですが、原因がはっきりしていません。難聴、耳鳴り、めまいなどの症状だけでは他の病気の可能性もあるのです。突発性難聴と症状が似ている病気には以下のようなものがあります。・外リンパ瘻(ろう)・メニエール病・急性低音障害型感音難聴・加齢性(老人性)難聴・聴神経腫瘍・騒音性難聴・音響外傷・内耳炎外リンパは内耳の中を満たす液体のことで、それが内耳から中耳に漏れてしまう病気が外リンパ瘻です。主な症状は難聴やめまい、水の流れるような耳鳴りなどで、突発性難聴と誤診されやすい病気でもあります。突発性難聴とは違い、原因ははっきりしています。原因は内耳と中耳を仕切っている部分が破れてしまったこと。気圧の変化や外傷などきっかけが分かることもあれば、はっきりとは分からないこともあります。仕切り部分が破れてしまうときに「ポン」「パチン」という破裂音(ポップ音)が聞こえる人もいます。薬物治療や点滴治療で治らなければ、手術で治療を行うこともあります。激しいめまいが特徴のメニエール病。吐き気や冷や汗、頻脈をともなうこともあります。回転性のめまい、耳鳴り、難聴と、症状が突発性難聴とよく似ているうえ、多くは片耳だけにその症状が見られることも似ています。しかし、メニエール病には繰り返し症状が起こるという特徴があり、発症が一回限りの突発性難聴とはこの点で異なっています。原因は内耳にリンパ水腫ができたことだと考えられていますが、水腫が発生する原因はまだ解明されていません。過労やストレスがメニエール病を引き起こすとも言われ、その点でも突発性難聴と共通しています。低音の難聴や耳鳴り、耳の詰まる感じが特徴の急性低音障害型感音です。突発性難聴の男女比がほぼ同じであるのに対して、急性低音障害型難聴は圧倒的に女性の患者が多いのも特徴です。突発性難聴と比べると症状は軽く、再発の可能性もあります。ストレスや過労で発症しやすくなりますが、原因はメニエール病と同じく内耳の蝸牛部分の水腫です。めまいの有無がメニエール病との大きな違いです。難聴の中では最も一般的なもので、名前の通り原因は加齢です。徐々に聞こえが悪くなるのが突発性難聴との大きな違いです。聞こえの悪さにも特徴があります。年齢を重ねたことで聞こえなくなるのはまず高音で、交通機関のアナウンスが聞き取りづらくなります。また、聞き間違いも増えます。加齢によるものなので治療はできません。日常生活の不便を取り除くため、補聴器をつける人もいます。内耳から脳へ情報を送る聴神経に腫瘍ができる病気が聴神経腫瘍です。腫瘍が神経を圧迫することで、難聴、耳鳴り、めまいといった症状が生じます。聴神経のすぐ近くを通る顔面神経を圧迫すると、顔面マヒが起こる場合もあります。良性の腫瘍で発育のスピードも遅いため、腫瘍が小さければ診断後は経過観察となることもあります。腫瘍が大きくなった場合は耳鼻咽喉科で摘出手術をしたり脳神経外科で開頭手術をします。どちらも音が原因で起こる難聴です。騒音性難聴は、長期間騒音にさらされていたことで徐々に進行する難聴です。内耳にある蝸牛の膜が破れたり血流が滞って細胞が傷ついたりすることで起こります。両耳に症状が現れる点や徐々に進行する点が、突発性難聴とは異なります。長時間騒音を発する場所で働いている人によく見られることから、職業性難聴とも呼ばれます。コンサートの大音量や爆発音など、短時間の騒音が原因で耳鳴りや難聴を感じるのが音響難聴です。耳の痛みを感じることもあります。騒音性難聴と同様、蝸牛の細胞が傷ついて起こります。軽度であれば、時間の経過で細胞は修復され、元に戻ることもあります。主に中耳炎の症状が内耳に広がって起こるのが内耳炎ですが、おたふくかぜやインフルエンザなどのウィルスが内耳に感染する場合もあります。内耳には痛みを感じる神経がないため、炎症があっても痛みは感じません。症状は突発性難聴と同じく、難聴、めまい、耳鳴りなどです。内耳炎は診察や画像診断で判断します。突発性難聴の治療法出典 : 突発性難聴の治療には内服や点滴での薬物治療が一般的ですが、症状に合わせて追加治療を行うこともあります。発症後すぐや症状が重い場合は入院を勧められることもあります。薬物療法の代表はステロイド薬の投与ですが、「米国耳鼻咽喉科頭頸部外科アカデミーが提唱した診療ガイドライン(2012年)」によると、ステロイド投与は選択肢の一つという程度です。強く推奨されるものではないということです。しかしステロイド投与以上に科学的根拠の裏付けがされ、有益で害のない治療法は確立しておらず、難聴に伴うハンディキャップを考えると、ステロイド投与が一般的な初期治療になっています。【参考】突発性難聴治療のEBM(2014) Practice Guideline: Sudden Hearing Lossほかに血管拡張薬や血流改善薬、ビタミン剤などを併用することもあります。原因がはっきりと分かっていないため、薬物といっても直接病気の元を絶つものではありません。内耳の血液循環を良くし、細胞や神経に栄養を与えて動きを活性化させる働きがあるものを用います。発症からの時間や症状に合わせて、薬物治療と並行して別の治療法が用いられることがあります。たとえば内耳に大量の酸素を送る高気圧酸素療法や星状神経節ブロックなどです。高気圧酸素療法は循環改善を目的に行われます。地上よりも気圧の高い環境で高濃度の酸素を吸入し、内耳へ多くの酸素を送り、症状の改善を促します。脳梗塞や一酸化炭素中毒などの治療に使われていましたが、突発性難聴にも活用されるようになりました。同じ循環改善でも交感神経(星状神経節)を麻痺させて緊張を緩めるのが星状神経節ブロックです。交感神経が過緊張になると血管は収縮し、血流が悪くなります。星状神経節の近くに局所麻酔を注射して交感神経の働きをブロックすることで、緊張がゆるんで血流も良くなるという治療法です。突発性難聴の治療は通院でも可能ですが、症状が重い場合は特に入院を勧められることがあります。集中して治療に努めることができ、安静にもしやすいというのが理由です。一般に早期に治療を始めたほうが治りが良いとされています。突発性難聴の診断後すぐに服薬や点滴で治療を開始すると考えると、入院は有効な手段と言えます。また、ストレスも一因と考えられます。家事や仕事などをせず休養や睡眠をしっかりとって安静にする環境を作るのにも、入院は有効です。たとえ重症でなくとも、入院できると治療も安静もしやすくなります。病院で診断を受けるときには入院という選択肢も考えておきましょう。突発性難聴は完治するのか出典 : 年の論文には、121例を観察したところ76%が聴力改善に至ったとのデータがあります。聴力改善とは完治以外に、ある程度回復したという状態も含みます。突発性難聴で完治する、つまり以前の聴力まで戻るのは約3割です。残りはある程度まで聴力が改善した、もしくは変化なし(不変)です。参考:突発性難聴における聴力改善経過と改善率に関する検討(2016年)症状が軽ければ治りやすいと思われがちですが、一概にそうとも言えません。確かに難聴の初期症状が軽いほど治療によって完治する可能性は高いと言えます。しかし同時に、まったく症状が改善しないことも多くあるのです。たとえ症状が軽くとも、しっかりと治療をするのが良いでしょう。参考:突発性難聴の治療成績(2016年)突発性難聴は原因、治療法とも確定されていませんが、できるだけ早く治療を受けることが良いとされています。特に「発症から2週間以内の治療を」という文言は多くの病院で言われています。ですが、早期に治療を開始すると治りが良いというデータの中には、自然治癒の症例が含まれている可能性もあります。治療が早かったことで症状が改善されたのか、自然治癒によるものかは判別できません。もちろん治療は早く始めるに越したことはありませんが、発症から時間をおいてしまったからといって諦める必要はないのです。参考:突発性難聴 ―診断・治療の問題点とそれに対する対応―(2010年)後遺症には、程度に差はありますが聴力障害や耳鳴りが挙げられます。高齢であったり難聴の症状が重かったりした場合は回復しにくいと言われます。また、発症して2週間以降に治療を開始した場合も同様です。聴力が改善せず、日常生活に不便さがあるなら補聴器を使うという選択肢があります。補聴器を使うことで会話もスムーズになり、仕事や人間関係での不便が緩和されます。難聴と一口に言っても、聞こえの状態は様々です。補聴器も耳穴に収まる小型のものや耳にかけるタイプのものなど、さまざまな種類があります。症状の変化に応じて再調整も必要です。最近ではインターネットで手軽に買うこともできますが、補聴器を検討する場合はまず耳鼻科で聞こえの状態をチェックしましょう。病院に補聴器外来があったり補聴器相談医がいたりするなら、相談してみるのが良いでしょう。参考:補聴器相談医名簿 | 一般社団法人日本耳鼻咽喉科学会販売店で補聴器を購入する場合は以下の項目が参考になります。・日本補聴器販売店協会の加盟店・認定補聴器技能者の在籍店・認定補聴器専門店しっかりと話を聞いてくれ、対応にあたってくれるお店を選びましょう。参考:補聴器が必要になったら | 一般社団法人日本補聴器販売店協会ストレスも突発性難聴の一因とされているため、治療と並行して生活習慣も見直してみると良いかもしれません。家事に仕事に子育てと、ストレスは気づかないうちにどんどんたまってしまいます。趣味や休養などで定期的に発散させましょう。突発性難聴の症状としてあげられるめまいや耳鳴りのせいで、寝つきが悪くなったりすぐに起きてしまったりすることもあります。ですが、まとまった睡眠がとれないことを気にしてしまうのは逆効果です。時間ではなく、自分が寝られたと感じられる睡眠をとることが重要です。突発性難聴の治療法に血流を良くするものが多くあります。その点では適度な運動や入浴も効果的です。食生活では塩分を控え、血流を促進させる食材を積極的にとりましょう。お酒は適量であれば良いのですが、たばこは血管を収縮させてしまうので避けます。まとめ出典 : 突発性難聴は、ある日突然発症します。まったく聞こえない状態ならすぐ病院へ行く人がほとんどでしょうが、少し聞こえないくらいだとそのまま放置してしまう人もいるかもしれません。ですが、早めに受診することで症状が改善することもあります。発症に気づいたらすぐに耳鼻科へ行きましょう。同時に、しっかりと休養をとる準備もしましょう。家事や育児、仕事など、毎日を忙しく過ごしていた場合はストレスがたまっている可能性もあります。リラックスしてゆっくり休める環境を作ることも大切です。
2018年03月24日4年前のできごとを話し始めた長男先日のこと、Upload By ラム*カナ小学2年生のADHD長男が、いきなり4年前の年少だったころのできごとを話してくれたのです。しかも、すごく詳しく。何気ないことかもしれませんが、驚いたのには理由がありました。当時は、幼稚園から帰ってきても、その日あったことを話してくれませんでした。幼稚園に行かなければならないことすら忘れちゃうほどのうっかりさんでもあったので「何をしたのかもう思い出せないんだな」と思っていました。そんなこともあり、年少の頃のことを思い出して教えてくれたのにとても驚きました。思い出すことは、やっぱり「レア」だけどとは言うものの、今でもその日のことをすぐに忘れてしまいます。兄弟に質問をしてみるとこんな感じです。Upload By ラム*カナ長男のすっとぼけ具合にズッコけ(萌)、次男の記憶力の良さにいちいち感動するのが毎度のお約束。そして、それはものの場所を訪ねた時も同じです。Upload By ラム*カナハサミをしまっている場所を把握していて、すぐに持ってきてくれる次男と、リモコンがどこにあったかわからず、あたふたしてしまう長男。長男はとにかく短期記憶が弱いのです。でも「記憶が消えている」のではなく、「すぐ思い出せないだけ」なのはわかっていました。4年前のできごとをくわしく話してくれた様子を見て、頭の中の仕組みが少し分かったような気がしたのです。頭の中は好きなものやアイデアでぎっしり。「なくなってる」わけじゃない!Upload By ラム*カナ脳内は絶えず好きなもので溢れていて、それが常に同時進行。好奇心やアイデアでいっぱいだということ。いつもフル回転なのです。だから、その日あったことやもののありかを聞いても、新しい興味で頭の中は埋め尽くされていてすぐに答えられない。そして、それは記憶だけでなく、実生活のものの探し方と同じだと気づきました。普段から整理整頓ができる次男は、Upload By ラム*カナ頭の中の引き出しも整理されていて、聞かれたこともすぐに取り出せるし、話したいこともすぐに取り出せるのかもしれない。一方、片付けが苦手な長男は、Upload By ラム*カナどこに何の引き出しがあるのかもわかりづらいし、そもそも入っていないものもあるしで、記憶を見つけにくいのかもしれない。でも、たまにUpload By ラム*カナたまたま落ちていた記憶を拾ったりして、急に昔を思い出して話してみたりするのかもしれない。ずっと忘れないテーマパークのこととか、大好きなかけ算のことは、見やすい場所に貼ってあって見つけやすい(忘れない)のかもしれない。見つけられない(思い出せない)だけで、捨ててる(記憶がない)わけじゃないんだよなぁ。そう思うと、普段の整理整頓力と頭の中がつながる気がして面白いなぁっと思いました。4年前、多動がピークだった長男は、きっと頭の中に引き出しさえなかったのでしょう。その日あったことが、ただただ頭の中でバラ撒かれていたんだと思うんです。そう思うと…今はちゃんと頭の中に引き出しがあって、すぐには見つけられなくても時間をかければ見つけられるようになっています。引き出しの中を片付けようと少しずつ努力はしているんだもの。しっかり成長しているなァって心強く思いました。少しずつでいいから、頭の中と普段の生活の整理整頓を頑張ろうねと思ったのでした。Upload By ラム*カナ
2018年03月23日高校の卒業式で大号泣。小・中学校の式では涙を見せなかった娘なのに…。出典 : それは卒業式の中盤での出来事でした。「卒業生の言葉」の途中で娘が泣き出しました。嗚咽だった泣き声は、徐々に号泣に変わっていきました。小学校でも中学校でも卒業式で涙を見せたことがなかった娘。ましてや高校では「学校を辞めたい」と遅刻や欠席が続いた日もあったのに、なぜ?その理由を私は知っていました…。卒業式の数日前に開かれた、ナゾの学習発表会出典 : 卒業式を目前に控えたある日、学校から「学習発表会のお知らせ」が届きました。卒業式の数日前に開催される学習発表会って?授業参観とも違うみたいだけど、今さら何を発表するというの?娘に内容を聞いても「学習発表会は学習発表会だよ」としか教えてくれませんでした。ナゾの学習発表会、その内容とは…?出典 : 客席には在校生と卒業生の保護者、先生達。会場の外では卒業生たちが円陣を組んで掛け声を掛けあっていました。らしからぬ雰囲気の中始まった学習発表会は司会進行もスクリーンの映像もすべて卒業生が主体となって行っていました。一般的に学校の学習発表といえば、一年間で学んだ学習の内容を保護者の前で発表したり、歌や楽器の演奏、お芝居などが主です。確かに今回の学習発表会も生徒が高校生活で学んだこと、身につけたこと、感じたことの発表でしたが、その内容は赤裸々で「発表」ではなく「告白」に近いものでした。一味も二味も違う学習発表会の内容は出典 : 「私は一年生の時は一人ぼっちでした。クラス行事の時、私は一人で行動してました。すごく辛かったです。でも二年生になって徐々に友達ができました。今“友達がいない”“一人ぼっち”だと思っている一、二年生も、あきらめなければきっと友達ができると思うよ。」と発表する生徒。「私は学校を辞めたくて仕方なかった。休みや遅刻ばかりで一年生の時点で出席日数が足りなくてやばい状態だった。」そう語ったのは今までそんな風に悩んでいたようには見えなかった生徒。「ダルマって凄いと思うんです。僕は転んでも転んでも起き上がるダルマのようになりたい。」とニコニコと語った生徒はそれまでどれだけ多くの壁にぶちあったてきたのでしょう。「○○先生から愛をもらった!」と言って先生を驚かせた生徒。「私は将来、実況者(ユーチューバ―)を目指してます。でもね、後輩のみんなはネットやラインの時間を5分減らしてその時間を家族や自分の為に使うといいよ。きっとそれが将来の役に立つと思うから。」確たる夢を持ち自分の経験を後輩に伝える生徒。表面上は毎日を飄々と過ごしていたように見えていた生徒たちが、実は皆、娘と同じような悩みを持ち葛藤していたんだと私は知りました。「ありのままの自分」って?娘が発表したこととは…出典 : スクリーンに映し出された「ありのままの自分」というメッセージの前で、娘は、はにかみながら語りました。「このタイトルからして、皆さん某アニメを思い浮かべるでしょ? 私はずっと周りの大人が望む“良い子”を演じていました。自分を良く見せようとしていた私は“張りぼての優等生”で、就活も空回りして上手くいきませんでした。でも、ありのままの自分を出したら就職も上手くいきました。本当の自分を出すのは怖かったけど、出したら何だか楽になって今みたくなりました。えへへ」素の自分を出せるようになった娘に、思うこと出典 : 学校に心を開ける友達がいない。学校を辞めたい。就職や自立が不安で仕方ない。感情のコントロールができない。大人に反抗したくてたまらない。もっと自分の好きなことをしたい。私は高校の三年間、娘のさまざまな悩みを目の当たりにしてきました。私が一番心に残った娘の言葉は、最後の娘の「えへへ」でした。(本当の自分を出せて良かったね。実はあなたの周りにはそんな素のあなたを受け入れてくれる人ばかりだったんだよ。時間がかかったけどそれに気が付けて良かったね。)私は心から思いました。発表の内容を知らなかった先生方も意外な生徒たちの一面を知ったようでした。それまでの娘の様子を知っていたお友達のお母さんも「娘さん、吹っ切れたみたいで良かったね。」と言っていました。この学習発表会を見ていなければ卒業式の娘の号泣の本当の訳は、私には分からなかったと思います。卒業後にも、きっと深まる関係に出典 : 卒業式では娘以外にも沢山の生徒が泣いていました。その背中を優しくとんとんと叩く同級生の姿を見て、私は(娘はあの時この学校を辞めなくて本当に良かった)と思いました。素の自分を受け入れてくれる先生と友達が傍にいた。気づくのが少し遅かったかもしれないけれど、きっとその分これから長く長く素敵な関係が続いていくことでしょう。
2018年03月22日通常学級?それとも通級?娘に合う居場所探しに悩む日々私たち夫婦は色々と迷った末に、広汎性発達障害の娘を小学校の通常学級へ進学させました。しかし、最初は順調だった学校生活も、だんだんと娘には合わなくなってきました。娘の学校での様子を、実際に見て…先生から聞いて…通常学級を選択したことを後悔し始めた私。主人も私の話を聞き、娘の学校生活を以前より、さらに気にかけるようになりました。しかし…今通う学校には支援学級がなく、通級として支援用の教室に通うしか選択肢がありませんでした。通級だけで大丈夫だろうか?それとも…もし、娘には支援学級が合っているなら学校を転校しても支援学級に通わせるべき?迷った私たちは、ちょうど予約していた5月末の発達外来の定期検診で、主治医の先生に現状を相談することにしました。学校での娘の現状、授業への遅れ、友達とのトラブル、私自身が感じる不安…全て話しました。Upload By SAKURA私は、すぐに結果を求めすぎていたのだろうか…結論を決める前に、もう少し様子を見てもいいのかもしれない…そう思い、定期検診を終えました。いざ、今後の方針を話し合う個人面談へ!そして、6月。発達外来の定期健診の報告を兼ねた個人面談で、今後の方針を先生と話すことになりました。そこで先生は、「今後は3つの選択肢があります」と言いました。3つ…?2つ(通常学級か、通級か)じゃないのかな…?思わず私が聞き返すと…Upload By SAKURA先生「通常学級、通常学級在籍で通級、支援学級在籍で通常学級に通う…この3つですね。」私「…え?…支援学級…この学校にないんじゃ…」先生「え?支援学級ありますよ?」そう…今通っている学校に、支援学級はあったのです!支援学級があった!?知らなかった事実に動揺Upload By SAKURA私たちは就学前に、「(娘の通う)○○小学校は、支援学級がなく、通級のみ。」と聞いていたのです。聞いた話と違う!なんで!?と、私は驚き、動揺しました。しかし、同時に「良かった!この学校にも支援学級あるんだ!この学校内での選択肢が増えた!」とホッとしました。3つの選択肢を喜んだ私たちでしたが、内心・・・「もし・・・もし入学前に、この3つの選択肢のことをしっかり知っていたら・・・何か違っていたかもしれない。」過ぎてしまったことを、今更後悔しても仕方ないのかもしれないけど、そんな気持ちでモヤモヤしていました。行き違いが生まれたわけは、わからないけれどそもそも、この行き違いはどこで生まれたか。私たちは引っ越し前の就学相談の段階で、支援員の要請などの手続きをするため、引っ越し先の地区の行政に、事前に受けていた「就学前発達検査の結果」「支援員要請書」の提出をしました。その際に、娘が通う小学校の支援体制の説明を受け、「(娘が通う予定の)○○小学校は、支援学級がありません。通級のみですが、大丈夫ですか?」と言われていたのです。この時には、すでに主治医の先生から「支援員の要請さえすれば、通常学級で大丈夫」と言われていたので、支援学級がないことを知った上で、家から一番近い小学校への入学を決めました。その後、入学前に何度も小学校の先生とお話をする機会はあったのですが、話の中で「通級」という言葉は出ても、「支援学級」という言葉は、私たちからも先生からも私たちからも先生方からも出ませんでした。そのため、私たちはすっかり「支援学級」はないものと思っていたのです。その上、後からわかったことなのですが、最初、学校側は、娘が「支援学級希望」だと聞いていたようです。それなのに、入学直前になって「やはり通常学級で」と行政から言われたそうです。支援学級入学で動いていた先生たちは、かなり慌てたとか。私たちは、最初に受けた(支援学級はないという)説明を聞いて、「支援学級がないのであれば、通常学級しか選択肢もないし…主治医の先生も大丈夫と言ってくれてるし、就学前の発達検査でも通常学級の判断だったので…通常学級で。」と言っただけなのです。学校の先生方は、私たち親が急遽変えたことを不思議に思っていたようなのですが、「保護者が通常学級を(強く)希望している」と思ったのかもしれません。それもあってか、入学して数か月間、「支援学級」の言葉が出なかったのかもしれません。その結果、ここに行き違いが生まれたようなのです。今となっては、何故こんな行き違いが生まれたか…詳しくわかりません。Upload By SAKURA大切なわが子の進路。行き違いから学んだことは今になって、冷静な頭で考えると、行政に頼りっきりでいたこと…人から聞いた話を、確認もせずに信じ切ってしまったこと…直接、自分で学校へ出向かなかったこと…娘の就学先を決めるにあたり、それは、私たちの失敗でした。ただでさえ初めてのことで、どういう手順で動いていいかわからないのに、直前に引越しをすることになったことで、通常より複雑な手続きになってしまった。わからないから、できるだけ行政や就学相談の時に聞いて、その通りに動いたつもりでしたが、結局行き違いが生まれました。もし選択肢が、就学前にあったら…今さらそれを考えても仕方ないのかもしれません。でも、大切な我が子の進路。人任せにするのではなく、自分で動いて、きちんと重ねて確認する…しつこいと思われるぐらいの確認でちょうどいい、そう思いました。皆様が私のような失敗をしないよう、良くも悪くも参考にしていただけたら、嬉しいです。Upload By SAKURA
2018年03月21日世界中で広まる、てんかんの啓発活動出典 : 月26日は、世界的なてんかん啓発の日である「パープルデー」です。てんかんという病気について、正しい情報を多くの人に知ってもらえるように、さまざまなイベントが企画されています。ここでは、2018年のパープルデーに関するイベントについてご紹介します。てんかんって、どんな病気?てんかんの発作には、突然倒れて意識を失いけいれんを起こすといったいわゆる大発作と、体の一部が勝手に動いたり、会話の途中にぼんやりしたと思ったら意識を失っていたりといった小発作などがあります。子どもからお年寄りまでどの年齢にもみられる脳疾患です。治療によって発作をコントロールできる人も多くいますが、約2割の人は発作をコントロールできずにいます。周りに受け入れてもらえず、てんかんを打ち明けられないまま悩みを抱える人も少なくありません。パープルデーとは?出典 : パープルデーは、7歳でてんかんと診断されたカナダのキャシディー・メーガンさんが、9歳を迎えた2008年に周囲にてんかんを打ち明けた時の葛藤がきっかけで生まれました。てんかんによって差別や孤独を感じている人たちに「あなたは一人ではない」と伝えるために始まった活動です。今では、世界中で賛同が広がり、さまざまな活動が展開されています。参考:PURPLE DAY | The Anita Kaufmann Foundation日本では、全国てんかんリハビリテーション研究会の医師を中心としたパープルデー企画実行委員会や関係団体が、啓発活動に取り組んでいます。パープルデーにちなんだライトアップも各地で同時に行われ、その規模は年々拡大しています。世界に広がる「てんかん」啓発キャンペーンPURPLE DAYてんかんをもっと知ろう!パープルデーに合わせて開催される講演会&イベント2018年のパープルデーイベントとしては、まず「皇居RUN&WALK」が3月4日に行われました。このイベントでは、参加した人たちが紫の物を身につけて、皇居外周をそれぞれのペースで走ったり歩いたりして汗を流しました。出典 : 月26日に向けて、パープルデーの関連イベントはこれから数多く開催される予定です。みなさんも紫の物を身につけてパープルデーのイベントに参加してみませんか。出典 : 「チャレンジ」をテーマに開催。専門医によるてんかん講座や、地元アイドル・アーティストのパフォーマンスステージがあります。プロレスの特設リングでは「何事にもあきらめない気持ち」を伝えるために伝説のマスクマン「パープルマン」が戦うなどユニークな企画が盛りだくさんです。【日時】3月25日(日)11:00~16:00【場所】久屋大通公園名古屋テレビ塔下パープルデーNagoya2018出典 : パープルデー仕様の大型フラワーウエルカムボードが設置され、風船が配布されます。小児、成人のてんかん、教育関係者向けの公開講座や親子で参加できる紫の花を仕様したフラワークラフト教室、てんかんクイズラリーも計画されています。また、インスタグラムに「#パープルデイ大阪」「#パープルデー大阪」のハッシュタグをつけて投稿すると、公式ホームページに写真がアップされます。紫を取り入れた写真を投稿しパープルデーを応援する仲間とつながりましょう!【日時】3月24日(土)11:00〜16:00【場所】花博記念公園鶴見緑地・咲くやこの花館パープルデー大阪2018 鶴見緑地・咲くやこの花館 in 3/24東北大学病院てんかんセンター長の中里信和教授による啓発セミナーや東北ゴールデンエンジェルスによるパフォーマンスも予定されています。【日時】3月26日(月)18:00〜19:00【場所】楽天生命パーク宮城内イーグルスドームてんかん啓発活動「PURPLE DAY in イーグルスドーム」パープルデーについての展示、てんかんに関する相談会などを実施。来場者には紫色のグッズが配布配布され、数量限定で「パープル」にちなんでラベンダーの苗のプレゼントがあります。【日時】3月24日(土)25日(日)各日10:00〜16:00【場所】葵スクエアSBSラジオパーク会場てんかん啓発キャンペーン パープル・デー 静岡「もっと知ろう!てんかんのこと」と題し、市民公開講座や専門医の個別相談を行います。スペシャルサポーターにサッカーJ1のV・ファーレン長崎を迎えた特別企画もあります。【日時】3月25日(日)13:00〜16:30【場所】長崎県庁エントラスホール・大会議室パープルデーながさきシンボルカラーの紫にライトアップイベントの開催地や全国各地の名所でライトアップも行われます。パープルデーのシンボルカラーである紫色に照らされ、普段とは違った雰囲気になった街を散策しながら、てんかんについて考えてみませんか。出典 : 月26日鳥取駅前市道太平線バード・ハット鳥取市3月26日(月)バード・ハットで『パープルデー』ライトアップ演出を行ないます3月23日〜26日【場所】江ノ島シーキャンドル(24日〜26日)、川崎マリエン(24日〜26日)、横浜象の鼻パーク(23日〜26日)、横浜開港記念会館(25日〜26日)、大船観音(26日)てんかんパープルデーライトアッププロジェクト in Kanagawa3月15日〜28日静岡市役所ライトアップ・セレモニー ~市庁舎を紫に~パープルデー応援サイトFrom Shizuoka2018年3月26日長崎市稲佐山山頂電波塔パープルデーながさきまとめ出典 : 「てんかん」という言葉を聞いたことはあっても、正しい理解はまだ十分ではありません。パープルデーのほかにも、毎年2月の第2月曜日に国際てんかん協会と国際抗てんかん連盟が定める「世界てんかんの日」があります。今年は2月12日に日本てんかん学会、日本てんかん協会主催のイベントが開催されました。プログラムでは昨年秋の練習中に倒れ、てんかんによる発作だったことを公表し、注目されたサッカーJ1のコンサドーレ札幌FWのジェイ選手から寄せられたビデオメッセージも上映されました。クラブでは、薬の保管をしてジェイ選手をサポートするとしており、こうしたケースがモデルとなって社会に広がっていくことが望まれます。大発作が起こった際に、驚いて救急車を呼ぶ方は多いと思います。一方で小さな部分発作や、会話の途中にぼんやりとしてしまうなどの症状がある場合、数分でもとに戻ることから、てんかんではないかと疑うのは難しい場合もあるかもしれません。てんかん発作は場所や時間を選ばずに発症します。水辺にいるときや、入浴中、車の運転をしているときなど、日常生活を送る中で発作が起こる可能性もあります。本人がてんかんを打ち明けやすい環境をつくり、周囲の人がサポートすることで安心して生活を送れるようになります。そのためには、多くの人がてんかんについて正しい知識を身につけることが必要です。どんな人も生活しやすい社会になることを願って、3月26日のパープルデーには、イベントに足を運んだり、紫の物を身につけて応援の意思を示したりしてみませんか?取材協力:全国てんかんリハビリテーション研究会パープルデー企画実行委員会
2018年03月21日我が子の取扱説明書「サポートブック」Upload By 楽々かあさんこんにちは。楽々かあさんこと、大場美鈴です。うちでは、通常学級・支援級の担任の先生に、発達障害のある長男のことを詳しく知って頂き、集団生活の中でのパニックやトラブルを事前に予防したり、困ったときの伝え方のコツを伝えるために、「サポートブック」を作って渡してきました。「サポートブック」とは、いわば「我が子の取り扱い説明書」のようなもの、と思って頂けたらと思います。(※今回ご紹介するのは、私の自作の「楽々式サポートブック」のフォーマットが前提ですが、支援機関や行政機関等でも配布されています。ご家庭のニーズに合ったフォーマットのものをご使用になるといいでしょう)それを毎年の担任の先生に渡しながら、試行錯誤で学校と連携し、小学校時代をなんとか乗り切ってきました。ただし率直に言うと、「発達障害」という言葉がようやく広まったばかりの現在の日本では、残念ながら、まだまだ「レッテル貼り」と背中合わせの面があるようにも感じられます。それでも、発達障害のある子の困り感やその具体的な対応は、こちらから言わなければ伝わらないこと・気づかれないことは沢山あるように思います。特にうちの長男は、知的・言葉の発達面で大きな心配がなく、一見「フツーの子」と見分けがつきにくいタイプのため、通常学級の中で「障害」として伝えるメリット・デメリットの間で悩みながら、迷いながら、私も歩んできました。それでも、長男にとって環境との段差の大きい時期は、学校で注意や叱責を受け続けたり、友だち関係でつらい思いをしたり、授業中を無為にぼーっと過ごし続けるよりは、キチンと「形にして」対応を伝え、サポートをお願いしたほうが良いと判断したのです。その伝達手段の一つが「サポートブック」でした。では、その具体的な内容を、うちの実物の写真とともに、著書『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母の毎日ラクラク笑顔になる108の子育て法』より転載し、【特別公開】致します。Upload By 楽々かあさん私たち親子の「サポートブック」の内容と渡し方のコツ学校とよりしっかり連携したい、毎年の担任の先生にノウハウを引き継いで欲しい、という場合「サポートブック」を作って渡してみるといいかもしれません。「サポートブック」は、支援者(担任の先生や支援機関のスタッフさんなど)に我が子をサポートしていただく場合に、具体的な対応や話のきっかけのヒントになる、子ども本人の情報をまとめたものです。私が作った「楽々式サポートブック」では、次のような内容を必要に応じて記入します(サポートブックの記入内容は配布機関等によって異なります)。Upload By 楽々かあさん①プロフィール: 名前、生年月日、家族構成、住所、緊急連絡先、かかりつけ医、相談先・支援機関②発達の特徴・特別な個性: 診断の有無、診断名、投薬の有無、薬名、発達・知能検査の有無、言葉の心配の有無、知的な心配の有無、多動性・衝動性・不注意性の有無、学習の困りの有無、感覚の過敏性の有無、言語理解の特徴、その他発達上の心配③検査結果のまとめ: 検査の種類、実施機関、検査年月日と当時の年齢、IQ値、特に優れた項目、特に心配な項目、全体的なバランスや発達の特徴、主治医または臨床心理士等の意見・助言のまとめ(またはコピーを添付)④人間関係MAP: 家族、同居・別居の親族、本人が心を開いている友人、よく トラブルになる友達、頼れる先生や近所の人など、人的な援助資源の書き込みMAP⑤発達の凸凹~体質的な得手・不得手〜: 得意な行動・作業、苦手な行動・作業⑥いいところリスト: できること・がんばっていること⑦すごいところリスト: 特技・とても詳しいこと⑧好き・嫌い: 好きなこと・もの、嫌がること・もの、落ち着くこと・もの⑨パニック・問題行動記録: いつ、前の状況や要因、本人の行動、その時の対応⑩サポートの必要レベル: 生活面・学習面・社会面のサポートの必要性の程度⑪サポートテクニック集: 本人のつまずき、その困りの理由、サポート方法(家庭で実際に効果があり、学校でも対応可能なアイデアを、具体的な実例や声かけ例で書く。必要なら写真も添付)⑫引継ぎ時のサポートブック取り扱いの希望: 進級時等の引き継ぎの希望などUpload By 楽々かあさん検査結果などの実際の資料を添付したり、第三者にチェックしてもらえると、説得力があり、信頼性の高いものになります。そして、先生と子どものコミュニケーションのヒントとなるよう、少しでもできていること、がんばれていること、いいところ・長所や、特別な才能のあるところなど、ポジティブな情報は必ず入れます。子どもの心配な面については、「行動・困り」でみるようにします。「ワガママ」といった人格的な表現は避け、どんな具体的な行動が心配なのか、その背景にはどんな発達上の困りがあるのか、を書いていきます。お母さんの育児テクニック・うちの子ノウハウは、対応の「実例・具体案」として伝えます。声かけなどもできるだけ具体的な台詞を書き、写真も添付したりするといいと思います。Upload By 楽々かあさん進級等で担任の先生が変わっても支援のノウハウを活かして欲しい場合は、直接担任の先生個人に渡すのではなく、まず、特別支援コーディネーターやスクールカウンセラーなど、発達障害に理解の深い先生にアポイントをとって「サポートブックを作って渡したい」旨を相談し、内容をチェックして貰うといいと思います。担任の先生に渡す場合も、できれば管理・指導的立場の先生にご同席いただき、一緒に説明しながら手渡せるといいと思います。これは、継続的なサポートをお願いするのと同時に、担任の先生1人に過大な負担を強いることを避けるためでもあります。Upload By 楽々かあさん家庭での対応はあくまで「参考」ですので、学校の集団教育の中ではそのまま取り入れるのは難しい場合もあります。私は、あまり多くを期待し過ぎず、実際の状況に合わせて、先生自らの判断にお任せする気持ちで渡しています。「サポートブック」は、我が子をサポートして貰うことと同時に、支援者である先生もサポートするもの、という視点を持って作ると、学校と家庭がお互いにサポートし合う、良好な連携関係につながって行くと思います。(以上、『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母の毎日ラクラク笑顔になる108の子育て法』p.226-p.229より転載)本文出典:「発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母の毎日ラクラク笑顔になる108の子育て法」p.226-p.229より「サポートブック」を先生に渡して、実際どうだったの…!?出典 : では、ここからは更に一歩踏み込んで、「ぶっちゃけ、どうだったの?」という実際の結果と、率直な私の意見です。先述の通り、うちでは、サポートブックを記入したら、まず内容を一度スクールカウンセラーの先生にもチェックして頂きました。私の親としての想いはどうしても強くなりがちなので、第三者の客観的な意見も伺えればベターです。そして、事前にアポイントを取って面談をお願いし、特別支援コーディネーターの先生同席の元、その年の担任の先生に渡しました。面談のタイミングは、新学年のクラスに早めに慣れるためには、1学期の早いうちがいいのですが、新しいクラスへの子どもの反応と、担任の先生の個性や教育方針などを見極めた上で、ご判断するのがいいかもしれません。ですから、最初の授業参観の後や、家庭訪問の時期などが良いのではないでしょうか。そして、実際に毎年渡してみての結果ですが…正直に言うと、先生によって受け止め方に差があり、子どもにとって、プラスにも、マイナスにもなる可能性があると言えると思います。うちの場合、1.快く受け取り、よく活用して、自分でも工夫を考えて下さった先生2.パラパラと目を通す感じで、参考程度にして下さった先生3.一切目を通さず、かえって「できない子」「面倒な親」として扱われてしまった先生…がいます。私は「お母さんがその子の最大の専門家」だと思っていますが、教育者として自信のある先生程、現実的には素人扱いされがちなお母さんの家庭でのノウハウは、すんなりとは受け容れにくいのかもしれません。但し、3.の先生の場合、私は後に、近隣の福祉系大学の発達相談室に、知能検査の結果や長男のテストやノートを持参して相談にゆきました。そこで、臨床心理士でもある大学の先生からご助言を頂き、それを自分で文書にまとめて「◯◯大学の◯◯先生が、こうおっしゃってました」と伝えると、急に動いて頂けました。例え、同じことを伝える場合でも「相手によっては、伝え方を変えたほうが良い」という教訓です。サポートブックに限らず、学校連携で「うまくいかないな」「なかなか分かってもらえないな」と思った時、無理にお母さん1人でなんとかしようとすると、ただでさえ大変な育児の上に、更に消耗してしまいます。また、子どもが先生と親の板挟みになってしまうのも避けたいところ。ここは、管理職の先生やスクールカウンセラーに間に入って頂いたり、医療・福祉教育の専門家や第三者の外部機関・支援団体、周りの人達(パパや同じクラスのお母さん達など)にも頼るなど、省エネしながら、上手に「別ルート」を考えましょう。出典 : もちろん、サポートブックが長男にとって良い結果につながることもありました。1.の先生は、元々工夫するのが好きなタイプ。サポートブックをヒントに、以前のコラムでご紹介した「ファイルに紐を一本つけて、プリントくちゃくちゃ対策」のアイデア等、ご自身でも柔軟にいろいろと考えて下さったようです。2.の先生は、真面目で根気強いタイプ。サポートブックの対応そのままではないけれど、「こういう子に伝わりやすい方法があるんだな」ということに気づいて下さり、ご自身でも発達障害に関する書籍を手に取ってみて、ご多忙の中勉強して下さったようです。ですから、うちの試行錯誤の経験上言える事は、集団教育の中では家庭とは状況も違い、担任の先生にも個性や教育方針があるので「ダメ元」で渡してみる。それで少しでも何かのきっかけになればラッキー!もし、うまく行かなければ、別のアプローチをしたり、家庭でフォローすればいい…くらいの気持ちでいるといいと思います。そして、子ども・周りのお子さん達の成長や関係性、授業内容、環境の変化などによって、困っていることが変わったり、できるようになったこともあるので、うちではサポートブックは毎年学年末に回収して、情報の見直し・更新をしました。また、グレーゾーンの次男の場合は、もう少し簡潔にまとめた、紙一枚の「サポートシート」をワープロ打ちの文書で作成し、それを元に面談で相談させて頂くと、話がスムーズに運びました。(詳しくは、文末「楽々かあさん公式HP」または、本書の続編「発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て法」p.186-をご参照下さい)その上で、「成長に伴い、やや落ち着いてきた」「サポートや療育で、できることが増えた」など、比較的集団教育への適応が良くなってきた場合、「もう大丈夫」と思ったら「特別扱いが必要な子」というイメージを固定化させないためにも、サポートブックは返却して頂くのがいいと思います。そして、長男が6年生の時には、中学以降を見据えて、学校生活上で困った事があれば「自分で周りの人に相談できるように」練習したかったので、「サポートブックはナシ」で挑戦してみました(私自身は、長男の話や意思を聞きながら「誰になんて相談したらいいか」教え、裏で根回し…いえ、補助的にフォローしました)。大場美鈴/著「発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母のどんな子もぐんぐん伸びる120の子育て法」2017年/刊/ポプラ社どうか、子ども・親・先生に、社会全体でサポートを…出典 : 「子どもも頑張っている、親も頑張っている、先生も頑張っている…それなのに、なんでうまくいかないんだろう」「その子のために何かしてあげたい、という気持ちは同じなのに、なんで親と先生がスレ違ってしまうんだろう」…私は、そんなもどかしさを、今だにまだまだ存在する学校側の理解不足や対応の遅れに直面した、お母さん達からの切実な訴えのお声と、毎日お疲れ気味の現場の先生方の姿を目にする度に、痛切に感じます。「個人の努力」でできることには限界もあります。私は、「サポートブックが、子どもと親と先生をつなぐ架け橋になれれば…」と願っています。ですが、本来公教育があるべき姿は、サポートブックがなくても、どんな学校でもどんな先生でも、発達障害のある・なしに関わらず、どんな子でも安心してお任せできる状態だとも思っています。どうか、学校全体、地域全体、社会全体で、毎日本当に頑張っている子ども・親・先生を支えてあげて下さい。楽々かあさん公式HP「楽々式サポートブックの書きかた・渡しかた」大場美鈴/著『発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母の毎日ラクラク笑顔になる108の子育て法』2016年/刊/ポプラ社
2018年03月20日新卒時代、会社で出会った「暗黙のルール」の壁。周りを観察して「具体的なルール」に翻訳出典 : 新卒で入社した会社には、数多くの「暗黙のルール」がありました。誰も教えてくれないのに、ルールを守らないと孤立してしまいます。ですが、発達障害があると、「暗黙の」ことを察するのが、困難なのです。ちなみに、私が新卒で入った会社ではこんな「暗黙のルール」がありました。■若い考えを取り入れたいと言われるけれども実際に発言すると聞いてもらえないことが多い■打ち合わせや会議では議論になるような考えを言ってはいけない■周りの人たちに対して敵意がないことを示すために適度に雑談をする必要があるルールを理解できていないと、自分は普通だと思って行動しても批判されたり、社会人として失格だ!というレッテルを貼られてしまうこともあります。せっかく頑張って仕事をしようと思っているのに、ちょっとした意識のずれで同僚や上司とうまくいかなくなってしまうのは残念です。「何かルールがありそうか」周りの人たちの行動を見てみましょう。話を聞いてくれそうな先輩や同期がいたら、「こういうことってやっちゃいけないんですか?」なんて聞いてみてもいいかもしれません。「暗黙のルール」を「具体的なルール」に翻訳することで、自分も周りの人も気持ちよく仕事をできるのではないかなと思います。1日中、同期と一緒の寮生活。いつの間にか集団から外れ、迷惑をかけてしまう…予防策は?出典 : 私が新卒で入った会社では研修期間の数か月は同期の人たちと寮生活を行っていました。そこでは同期全員がいつも集団で行動していました。このころは朝ごはんを食べるときから帰宅後、そして休日もずっと全員一緒に行動しなければならないような雰囲気がありました。そうしないと孤立してしまい、今後の会社生活にも悪影響を与えてしまうという雰囲気がありました。会社の寮ですから、仲がいい友達とばかり一緒に行動する学生時代とは違って、いろんなタイプの人がいます。加えて、自分の行動を自分で決めることができないことにストレスを感じていました。その上、何も意識していないと、集団から外れてどこかにいってしまうことが多いようで、よく同期に迷惑をかけていました。「これから何をするのかよくわからないまま移動する状況が怖い」と感じることも多かったと記憶しています。現在もこうした傾向は多少残っています。そこで、集団から外れてどこかに行こうと思ったときには近くの人に一声かけたり、これから何をやるのかがよくわからない場合には、何をやるのか知ってそうな人に聞いてみるなどの対応策をとり、トラブルにならないよう気をつけています。判断基準や行動パターンが、周りの人たちと違うことに気づく出典 : 入社して半年くらいたったころ、自分の判断基準や行動パターンが、周りの人と違うことに気づきました。例えば交流を深めようと思った場合、当時の私は相手の部屋や自分の部屋でじっくり話すようにしていました。しかし、周りの人たちはお酒を飲みに行ったり焼き肉を食べに行って、そこで話すことが多いようです。また、同期の人たちはお互いに何も話していなくても意思の疎通が取れているようで、私からすると事前になにか決めごとをしているのではないかと思うくらい状況ごとの行動が一致していました。何か具体的なエピソードがあるわけではないのですが、日々一緒に行動している中で少しずつ「なんだか違うなぁ」と思うことが積み重なっていき、それが不安の原因になっていました。みんなが楽しがっていることが自分は全然楽しくなかったり、面白いなと思うポイントが全然違っていたり、つらいなぁと思うことが違っていたりと、その違いを痛感するようになっていきました。別の人間なんだから、他の人たちと感じ方が違っていても問題ないと今なら思えますが、当時は「どうして自分だけがこんなに違うんだろう…」と悩んでいました。自分の思う「当然」で答えてしまうと、話がかみ合わなくなる出典 : 上司「凸庵くん、これどうやって実装したらいいと思う?」私「○○のようにするのがいいと思います」上司「どうしてそう思ったの?」私「それが一番いいと思ったからです」これは新卒のころによくあったやり取りです。メールなどで連絡するときにも、同じような状況でした。上司の「どうしてそう思ったの?」という質問は、私が「○○のようにするのがいい」と思った理由を聞いているのですが、当時の私はそれをよくわかっていませんでした。私が答えるべきだったことは「今後機能を増やしていくときにこの方法なら修正が簡単になるとおもったからです」ということでした。でも、相手が何を聞いているのかを想像することは当時の私には難しいことでした。「自分がなぜそう考えたのか。相手は自分の考えの何を知りたいのか」…そういう意識がそもそもなかったのです。自分の中では当然だと思っていることは、他の人がまったく思いもよらなかったことかもしれませんし、実は問題があることがわかっていてすでに却下された考えなのかもしれません。自分の考えや、なぜそう考えたのかの理由を伝えられれば、答え合わせをすることができます。その結果自分の知識が増えたり、お互いにどんなことを考えているのかを知ることができます。最近の私はこれがとても面白いと思うようになってきました。自分の知識を深めることができるし、それにより自分と違う考えの人がいることを歓迎することができるからです。珍しい経験をしていて他の人と違う考え方をしている方は、私と同じように自分の考えを伝えるところでつまずくことが多いのではないかと思います。しかし自分の考えやその理由を相手に伝えることができるようになると、他の人と違う考え方をしていることそのものが強力な武器になります。とても難しいことだと思いますが、自分がなぜそう考えたのかを自分なりに伝える訓練を続けてみると、それまで見えていなかった道が開けるかもしれません。人と違う特性は、ターゲットにされやすい。心に傷を負う前にすべきことは…出典 : もう一つ気づいたことは、人と違うところを指摘したり馬鹿にしたりして面白がる文化が日本にはあるようだということです。周りと少し違う特性がある人は、社会生活を送る上で、このターゲットになりやすいと思います。私には考えるときに人差し指を立てて唇をなぞるクセがあります。ある日私が考え事をしていたとき、当時の上司が「なんでそんなことしてるの?」といいながら私のマネをして笑っていました。周りの人たちもそれをみて笑っていました。それ以降、私がこのクセをしてしまうと、他の人がマネするようになりました。その後、飲み会でもネタにされ、どんどん広がっていきました。その後数年して転職をし、ネタにされることはほとんどなくなりました。私自身そういうマネを無視できるようになったこともあるのかもしれませんが、何を面白いこととするかは会社の文化によるところが大きいのだと思います。もし自分がいろいろやってみても辛いなと感じる職場なら、転職などで環境を変えてみるのが有効なのだと思います。環境を変える活動はとてもエネルギーを使いますし、必ずしもうまくいくわけではありませんが、周りの人たちの意識や考え方を変えたり変わるのを待っているより現実的な方法です。心が元気ならいくらでも次の職場を探すことができますが、一度心に傷を負ってしまうと私のようにうつ病を患ってその後何年もその影響を受け続けるかもしれません。そうなる前に他の環境へ逃げてもいいと私は思います。発達障害のある新入社員が、会社でうまくやっていくための4つのアドバイス出典 : 社会人となると、学生時代にくらべて、さまざまな年齢層、さまざまなバックグラウンドを持つ人と一緒に仕事をすることになります。人と違う特性のある人の場合、つまづいてしまうことも多くあると思います。私自身、試行錯誤中のところもあり、すっきりと解決策を紹介できない部分もあります。ですが、次のポイントを意識して生活すると、トラブルを減らすことができるのではないかと思います。■会社の「暗黙のルール」を「具体的なルール」に翻訳する■トラブルを起こしがちな行動パターンに気づき、予防策をはる■自分の「当然」は人と違うかもしれないので、なぜそう考えるのかを言葉にして説明する■いじめのターゲットにされたら環境を変える今回のコラムでは、私が新卒時代につまづいたことと、そこから学んだことを紹介しました。これから社会に出る人や、社会に出たものの困っている人の力になればうれしいです。
2018年03月17日世界ダウン症の日とは?Upload By 発達ナビニュース3月21日は世界ダウン症の日です。4月2日の「世界自閉症啓発デー」と並んで、国連が定めた啓発デーです。2012年に国連で制定されたもので、ダウン症のある人は23対の染色体のうち21番目の染色体が3本あることが由来となっています。日本ではさらに3月がダウン症啓発月間とされています。世界ダウン症の日は社会の中でダウン症をより広く知ってもらい、周囲の人がより理解を深めることで、ダウン症のある人がよりその人らしく安心して暮らせることを目的としています。国際ダウン症連合(DSi)から、毎年世界ダウン症の日のテーマが発表されます。2018年のテーマは「WHAT I BRING TO MY COMMUNITY」。日本語では「いるだけで伝わることがある~どんな街にも あなたのそばにも~」です。参考:世界ダウン症の日|公益財団法人日本ダウン症協会参考:World Down Syndrome Dayダウン症をもっと知りたい!講演会・体験イベント出典 : 世界ダウン症の日に先駆けて2月12日に開かれた日本ダウン症協会主催のキックオフイベントを皮切りに、3月3日には山梨大で「なんとかなるさ」をテーマにフォーラムが開催されました。キックオフイベントでは、次のJDSアピール文(2018年版)が採択されました。生まれてきて良かった。私にはたくさんの仲間がいます。みんなといっしょに学び 働き 楽しみます。私はみんなを笑顔にしたいです。私はみんなと幸せに暮らしたいです。ダウン症のある人をはじめ、どんな人も生き生きと自分らしく暮らせる社会とは?講演会や体験型のイベントなど、2018年の世界ダウン症の日に合わせて企画されたさまざまなイベントを紹介します。みなさんも世界ダウン症の日のイベントに参加してみませんか?出典 : ダウン症のある人たちによるダンスグループ「Wings(ウイングス)」によるダンス、元劇団四季メンバーによる「ライオンキング」「キャッツ」などのメドレー、バレエのステージなどが楽しめるスペシャルコンサートです。一緒に歌ったり、客席で声を出してもOK!障害のある人も、サポートするひとたちも、みんな一緒に楽しめます。【日時】2018年4月22日(日)15:00開演【場所】練馬文化センター小ホール【参加費】チケット2,000円(税込、全席指定) For One 2018 スペシャルコンサート | All For One出典 : ダウン症があるアーティストたちによる、「Love & Peace」をテーマとした絵画や写真を展示。豊かな才能と自由な創造性を感じることができます。また、2017年に東京・新宿で開催された「バディウォーク新宿 2017」で制作されたアート作品の写真パネル等も合わせて展示されます。3月23日(金)には、ミニコンサートも予定されており、音楽を楽しみながら、作品を鑑賞することができます。【出展作家(予定)】あべけん太/いかわあきこ/トモタカイ/渡並琢磨/萩原幹大/範田賀彦/平井礼央奈/丸尾賢司(アイウエオ順)【日時】2018 年 3 月 19 日(月)-~3 月 30 日(金)11時30分~19時 (土・日・祝日は休館)【場所】カフェパピエ神谷町【参加費】無料(ミニコンサートは大人1,200円、乳幼児無料、小中学生500円にワンオーダーが必要)ダウン症のあるアーティスト8人展「Love & Peace」|NPO法人アクセプションズ出典 : 今年で8回目となる写真展です。さまざまな年代のダウン症のある人たちの写真を約50点展示。3月21日(水・祝)の13時からは「ダウン症の日フェスタ」が行われ、さまざまなイベントが開催されます。【日時】2018年3月16日(金)~4月11日(水)【場所】大阪市立中央図書館【参加費】入場・観覧無料ダウン症ニュースWeb 「ダウン症の日写真展3月16日から大阪市立中央図書館で」出典 : テレビでも活躍する、あべけん太氏とお父さまによる講演会です。ご家庭でのエピソードなど、さまざまな話が聞けそうです。【日時】2018年3月18日(日)9:30開場【場所】福山市人権交流センター1階ホール【参加費】無料(先着200名)※子どもの同席可能、授乳室有(託児はありません)トイロニジ特別支援学校で27年間の勤務経験がある川合浩司氏を講師に迎え、長い経験の中から得た、知的障害のある子どもたちの成長についての話を聞くことができる講演会です。【内容】川合 浩司 氏 (奈良東養護学校)による講演会【日時】3月21日 10:30-12:00【場所】奈良市総合福祉センター 3階 集会室【参加費】JDS 奈良北支部会員以外は一人500円奈良北支部主催第9回公開講演会JDS栃木支部の活動紹介や、ダウン症のある人たちの写真展、作品の展示などがあります。また、歌とダンスのミニステージなども企画され、楽しみながらダウン症について知り、身近に感じることができる企画です。【日時】3月19日~3月21日10:00-18:00(初日は11:00から。最終日は16:00まで)【場所】ショッピングモールベルモール(栃木県)【参加費】無料世界ダウン症の日JDS栃木支部啓発展 「知ってほしいな ぼくたちわたしたちのこと」ダウン症児親の会 北海道小鳩会によるダウン症に関するパネル展や啓発動画・関連書籍などをみることができます。【日時】3月21日 10:00-17:00【場所】札幌地下歩行空間憩いの空間【参加費】無料『世界ダウン症の日』「来て!みて!チ・カ・ホ」啓発キャンペーン富山県内3ヶ所のショッピングセンターでリーフレットやグッズが配布されます。【日時】3月21日【場所】フィーチャーシティファボーレ、イオンモール高岡、アピタ魚津店【参加費】無料日本ダウン症協会富山支部(つなGO)ダウン症啓発活動出典 : 第1部では、新型出生前診断(NIPT)の現状と課題について、4人の専門家が登壇し講演します。第2部では「これからNIPTを受けるかもしれないカップル夫婦へのメッセージ」というテーマでパネルディスカッションが行われます。【日時】2018年3月24日(土)13時~15時30分【場所】東京女子医科大学弥生記念館【参加費】無料公開シンポジウム「わかって欲しいダウン症候群~出生前診断を受ける前に考えて欲しいこと~」| NPO法人アクセプションズ普段、ダウン症に接することのない人たちに「ダウン症のありのままの姿を見てもらうこと」を目的にしたイベントです。関東では3月3日に代々木公園野外ステージで開催。関西では3月25日に行われます。アーティストやダウン症のあるダンサーによる、歌とダンスを楽しむことができます。また、ダウン症のある人の家族や支援者が集い、交流を深めることができる場でもあります。【日時】関西:3月25日(日)12時〜14時半(予定)【場所】関西:あべのキューズモール【参加費】無料グッズ販売あり世界ダウン症の日2018〜ONE+LOVE WORLD 関西公演紹介した以外にも、さまざまなイベントが開催されます。イベントの開催予定は、下記ページで確認することができます。世界ダウン症の日公式サイトUpload By 発達ナビニュース日本ダウン症協会は、「自閉症啓発デー東京タワーライトアップイベント2018」にも参加します。ブルーのアイテムを身につけて参加したいですね。【日時】2018年4月2日(月)15時15分~22時【場所】東京タワー屋外特設ステージ【参加費】無料参考:世界自閉症啓発デー2018どんな人も暮らしやすい社会を作る、第一歩にUpload By 発達ナビニュースダウン症のある人は、性別や人種に関わらず、世界中で約1000人に1人の割合で生まれます。同じダウン症であっても個人差が大きく、さまざまな特性や性格の人たちがいます。そのひとりひとりがその人らしく、安心して暮らしていくためには、周囲や社会の理解が欠かせません。3月21日は、世界中でたくさんの人がダウン症について考える「世界ダウン症の日」です。みなさんもイベントに参加して、どんな人も暮らしやすい社会を作っていく第一歩を、踏み出してみませんか?取材協力:公益財団法人 日本ダウン症協会公益財団法人 日本ダウン症協会
2018年03月16日突然襲ってくる、負の感情の波に翻弄されるリクUpload By ひらたともみ少し前のことですが、高校が決まりつつある頃、リクはまた独り、うつうつとした感情の渦の中にいました。時々、なにかに取りつかれたように、不平不満を吐き出すのは体調のせい。突然、ケガした際に接触した同級生を逆恨みしだすことも…!いつもは恨んだりしていないのに、急に負の感情の大きな波に襲われてしまうのです。頻繁にある激しい頭痛と疲労感からか、リクは寝言でまで「どうしてこんな体になっちゃったんだ…」と言うほどでした。Upload By ひらたともみ中学も残すところ1カ月…というとき、リクの周りの友だちは、目の色を変えて受験に取り組んでいました。親から期待され、塾で喝を入れられ、目指すものに近づこうと、皆、必死の形相です。そんな時期だというのに、リクは、早々に受験勉強ができなくなり、思っていた未来に向かう切符すら手にいれることができなくなりました。イライラするのは後遺症のせいだとわかっていても、口からでてくる悪態は、本心ではなく、なにかスッと別人格に取りつかれてしまう瞬間があるようです。でも、少し時間が経つと、憑きものが取れたかのように「自分はなにを言ってしまったのだろう」と自己嫌悪を繰り返す日々。「自分の言葉で、周りの人たちは傷ついたり怒ったりしている?おかしい、変だ、なんだ?こいつらなんで怒ってるんだ?」と、自分の放つ言葉や態度に不安を感じていたのです。心のモヤモヤを学校の先生に打ち明ける…「みんなに僕の後遺症を知ってほしいんだ!」Upload By ひらたともみUpload By ひらたともみ病気や障害に、なんら恥ずかしいことはないと思ってはいるものの、思春期の受験真っ只中で、周囲に公表するのはどうだろうか…迷惑ではないだろうか…と、私ひとりで躊躇していたのですが、リクは誰にも促されることなく、ストレートに「知ってほしい」と学校に告げました。「ありのままの自分を受け入れてもらえる」ことが、リクの心の支えにUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみUpload By ひらたともみさて、後遺症を公表したリクですが…リクの言う通り、なにも変わっていない様子です。嫌悪されることも特別扱いもなく、「今まで通り」でいてくれています。つまりそれはリクの言う「本心ではないことを言ってしまうこともある」という特性をわかってくれているんだと思います。リク自身、後遺症があることをすべて受け入れられているわけではありません。でも、どんなに嘆いても体の状態が変わるわけではない…。そんな自分を丸ごと認めてもらえる友達の存在が、リクを支えています。友だちに、ありのままのリク受け入れてもらえている…それが、母としても、心からうれしいのです。
2018年03月13日いよいよ就職が決まり、憧れの一人暮らし。けれどもトラブル続出!?出典 : 私が一人暮らしを始めたのは、大学を卒業し都内の企業へ就職したタイミングでした。後にアスペルガー症候群、ADHDと診断される私ですが、このときはまだ、自身の特性を自覚しておらず、新しく始まる新生活の期待に満ち満ちていました。しかし、新しい生活のスタートするやいなや、それまで両親がやってくれていたことを自分一人でこなすことが必要になり、新たな困難さに直面することになったのです。それまではやはり、両親が私自身の苦手な部分をカバーしてくれていたから問題が表面化しなかっただけなのでしょう。今回は、私が特に困った重大なポイント4つをご紹介したいと思います。1. ゲームやスマホがやめられない。出典 : 一人暮らしをすればゲームに夢中になる自分に「もういいかげんにしなさい」と両親が声かけをしてくれることもなくなり、「あと少し…あと少し」と繰り返していくうちに、気づけば深夜だったことが何度もありました。私は、過集中の傾向と凝り性な一面があり、やり出したら止められなくなってしまうことが多くあります。また、最近のゲームの多くは、強いカードや珍しいキャラクターを手に入れるためにお金を使わせる仕組みになっています。射幸心を煽る演出もあいまって、もう1回もう1回と衝動的にのめり込んでしまうことに。結局、ゲーム課金で、気付いたら1万円近く使ってしまったことがありました。2. 給与をもらってすぐに、欲しいものを衝動的に買ってしまう。出典 : ヶ月に生活費がいくら必要なのかを考えずに、衝動的に欲しいものを買ってしまうことがありました。私は、衝動性が高いタイプのADHDだと自覚していますが、特に新しい物好きです。パソコン関係などの家電や新製品を見つけると、ついつい目を奪われてしまいます。同時に、手元にあるお金を今自由に使えるお金と錯覚してしまい、即使ってしまうのです。その結果、給料日の1, 2週間前になって、「アレ?足りない…。…。あのー…母さん、お金が足りないんだけど…」とお願いすることがしばしばありました。実際の一人暮らしでは、振り込まれた給料から、家賃や光熱費、上下水道代....その他諸々のお金が引かれるので、今あるお金は、今使えるお金ではない。ときちんと認識することが大切だと痛感しました。3. どこに何を置いたのか、しまったのかを忘れる。出典 : 思いがけないタイミングで、かつ高頻度で発生するのがコレです。不意に置いたメガネや自宅の鍵、定期、スマホなどをどこに置いたか、翌日になるとすっかり忘れてしまっていました。出かける直前になって、コレがないッ!!アレがないといことが日常茶飯事。特によく無くすものは、キーケース。ちょっと出かけるためにテーブルに置いていたり、ポケットに入れておいたりと、絶対的な位置に置いておくのが難しいものは、日常的に捜索をかけなければならない状況になってしまいます。その結果、家を出る時間が予定よりもだいぶ遅くなり、遅刻しそうな状況に陥ることも珍しくありませんでした。4. 自分の疲れているサインに気づかず、無理をしてしまう。出典 : 自分が疲れていることに気づかず、無理をしてしまうことが今でもあります。中でも一番多いのが過集中による休憩を全く挟まないことで生じる疲れです。過集中でいる間は疲れを感じないだけで、疲労が蓄積されていないわけではありません。ゲーム、パソコンを12時間以上、朝から晩までぶっ続けで行って、目に痛みを覚えて鏡を見たら、目が酷い充血をおこしていることが今でもあります。もう一つ多いのが、外出中の刺激過多による疲れです。特に都心部では街のネオンや、たくさんの雑音、人混みなど、自身が疲弊してしまう刺激が雨のように降ってきます。そうした環境下で無理をすると、翌日に寝込んでしまうことまでありました。やっぱり、一人暮らしは難しい。だけど、出典 : 一人暮らしの中で日々直面する多くの困りごと。しかし、そんな毎日であっても、一人暮らしは決して不可能でないと私は確信しています。それでは私が実践してきた一つひとつの対策を見ていきたいと思います。過集中に関しては、自分一人の力では解決が難しく、東京発達・家族相談センターを訪ね、「大人のADHD時間管理セミナー」のグループセラピーに参加して、少しずつ出来るようになりました。それらを含め、実際に私が取り組んだ内容をご紹介したいと思います。(1)睡眠ログを取る1日を睡眠不足と感じること無く、有意義に過ごすために、自分は何時間寝ることが必要なのかを把握します。睡眠時間の把握には、スマホアプリが便利です。iPhoneでもAndorodでも、無料で使えるアプリが公開されています。睡眠のログをとり、自分の日々のコンディションと対比してみることで、自分の特徴というのがだんだんとわかってきました。私の場合であれば、23時頃に寝て、6時くらいに起きる生活であれば、日中に眠くなることなく、仕事に熱心に打ち込めるようです。(2)自動で消灯や調光ができるLEDライトを使用する。また自宅ではスマートフォンアプリで調光や消灯が設定出来るLEDライトを使っています。今は、23時前になると明るさが段々暗くなり、23時に消灯するように設定して、寝る時間が迫っていることを体感的に分かるようにしています。私の場合、家電量販店などの白色灯が眩しいなと感じるため、調光機能を使って、自分好みの明るさと色温度に設定しました。(※製品は一例です。各機能の利用の可否、利用に必要な条件については、製品情報を参照してください。)後先考えずお金を使ってしまうことへの対策は、今現在使った金額を直感的にわかるようにすることで解決しようとしています。まずレシートの量で、視覚的にどのくらい使っているのかを分かるようにするために、ポケット収納を壁に吊り下げました。また私は、視覚優位なタイプなので、項目ごとに色分けしてあると、より直感的に理解しやすいように思います。次の画像の場合だと、外食のカテゴリーに失費が多いということがひと目で分かります。Upload By ツーちゃんまた、Excelなどの表計算ソフトや家計簿アプリなども併用しています。レシートを1回1回撮影するのは、手間が掛かるので、仕事がお休みの日に表計算ソフト上で合計金額を計算し、その値を家計簿アプリで把握しています。さらに家計簿アプリは、ネットバンキングとも同期できるため、非常に使い勝手が良くなっています。鍵、腕時計、ハンカチなど忘れると困るものを、こんな風に置き場所を決めています。Upload By ツーちゃんまた、バッグの中でごちゃごちゃで汚い、探し物がすぐに見つからないことでも悩んでいましたが、バッグインバッグという方法を用いて、今ではスムーズに必要なものが見つかります。障害者手帳や、お薬手帳、受給者資格証など比較的よく使うものなどの場所を取り出しやすい手前のポケットに入れるなど対策をしています。Upload By ツーちゃんそれから、出来るだけ平積みをしないように心掛けています。場所を区切って置き場所を作る事で、一番下のものを引っ張り出す必要がなくなり整理整頓が簡単になります。Upload By ツーちゃん出典 : 週に1度、休憩を取る、早く寝る日を作っています。その日は家事も、夕飯作りも、友達づきあいも全てしないと割り切り、シャワーだけを浴びてすぐに就寝します。強制的に脳と体を休ませることによって、たとえ、疲れているサインに気づかなかったりしても、問題がないようにしています。私の場合は、初対面での対話や、刺激がたくさんある場所を複数箇所訪れるような場合に、疲れが溜まりやすいと感じます。また、疲れているサインとしては、眠気のない疲労によるあくび、刺激過多による偏頭痛などの予兆が起こることがわかってきました。この予兆を感じとれるようになったことで、事前の対策が可能になってきたのです。そして4年の月日が流れ…出典 : 上述したような困り事もあり、大変ではありますが、もうすぐ一人暮らしを初めて4年になります。これまで失敗することも数多くありましたが、それだけ対応策を作ることもできました。もし、この記事を読んでいる親御さんがいらっしゃったら、ぜひ覚えておいてほしいことがあります。それはそれはどう頑張っても一人では対策が難しい面があるということです。それを前提にした上で、失敗そのものを責めずに、どうすれば出来るようになるか、一緒に考えるパートナーとして温かく見守って欲しいなと思います。このコラムが、将来の一人暮らしを考えるときの参考になればと思います。
2018年03月10日好きなことに集中できた幸せな高校生時代出典 : 女の子の発達障害は、男の子に比べて特性が目立ちにくく、気づかれづらいと言われています。大人になってからADHDと診断された私も、幼少期や学生時代に発達障害と疑う人はいませんでした。私の幼少期は、ただひたすら「お喋りが止まらない」という特性ばかりが強く出ていました。その他の特性がそれほど強く出ていなかったために、おしゃべりが止まらない点については「自分勝手」と評され続け、自分の自己肯定感は低くなるばかりでした。それでも、中学生、高校生のころは、私にとって平和な日々と言えるものでした。それは先生に恵まれたのも大きな要因だったと思います。嫌いな科目(数学)は、授業を聞こうとしても聞こうとしても、別のことを考えてしまうようになり、常に赤点でした。それでも、中学高校は好きな科目を極めることを許される環境だったことが幸いします。「好きな科目で一番を取れていたら、別の科目もそれに準じて成績が上がってくるものだから」と、認めてくださる先生がいたのが、今思えば本当にラッキーでした。おかげで、得意を伸ばすことができ、好きな科目(英語や国語)は大学生レベルの本でも時間を忘れて読んでしまうようなことができたのです。周囲からはちょっとおっちょこちょいで、授業中もうるさい子だと思われていたようですが、好きなことに集中することを許され、周囲にもそれを尊重されるという、とても幸せな毎日だったと思います。しかし、穏やかで楽しい日常は、大学に進学すると同時に消え去ったのです。「変人」というレッテルに苦しむ出典 : 大学に進学した私を待っていたのは、「行動の指針」も「スケジュール」も全く自由になってしまった世界でした。高校生までは、登校時間・下校時間から学校の時間割まで、全て決められていました。ところが大学には全くそれがないのです。さらに、高校生の頃は、「同じクラス」「席順」という一定の決まりごとのなかで気が合う友達を見つけることができました。ところが、大学ではどこで友達を作ればいいのか、どこに気の合う友達がいるのか、授業はどうやって組み立てたら良いのか、終わったらどこに行けば良いのか皆目見当がつかないのです。地図もないなか、大海原でぽっかりと浮いているような心もとなさを感じたのを今でも覚えています。そんな風に心細さに悩む私を、たまに食事に誘ってくれるようなグループもちらほら現れました。友達の作り方も分からなかった私は、誘われれば大喜びでついて行きました。ところが、私が食事に参加すると、必ずグループの雰囲気が気まずくなるのです。そして、そのうち「あいつ(私)が行くなら行かない」というメンバーが出てきました。何が起きたのか分からず、一人悩んだ私は、一緒に食事にいったグループの友達に「私何か悪いことやった?」と聞いてみました。すると、こう言われたのです。「思ったことストレートに言い過ぎちゃうから、みんな嫌がってるみたい」「あと、一人で喋り過ぎちゃうっていうか…」「まっすぐでいい子だなっていうのはみんな分かってるんだけど」言われた瞬間、私は頭がクラクラしました。全部、小学生の頃に通信簿に書かれていたことでした。私、何も変わってない…、そう思って逃げ出したくなりました。そのうち、周囲の人たちが私にこんなあだ名をつけていたことが分かったのです。「マシンガントーク」「毒舌」「言葉のナイフ」そのうちに、大学に行くためのバスに乗ろうとすると、呼吸ができなくなってバスに乗れなくなる症状に苦しみました。「どうしたら自分を変えられるのか…」「自分なんて消してしまいたい」、私にとって大学までの道のりは、とんでもなく遠く思えました。さらに、ある人から言われた言葉が私に重くのしかかりました。「変な自分を受け入れてくれるほど、大学の友達なんて甘くないよ?少し普通になる努力しなくちゃ」普通になる努力、どんなに探しても答えが見えない命題を、私は突然突きつけられたのでした。悩む私に与えられた「答え」出典 : こうして始まった大学生活は、「友達を作る」なんて優雅なものではありませんでした。自分自身の特性に怯え、自分自身を責め、何から変えていけば良いのか全く分からない毎日。人間関係は相変わらずいつまでたってもうまくいかず、大学でカウンセリングを受けるようになりました。そこで、「あなたはあなたで良いんだよ」と繰り返し言われましたが、「通りいっぺんのことを言わないで欲しい。私が求めているのはそんなことじゃない。私は今の私ではいけない。」と思い、カウンセリングも途中でやめてしまいます。しかし、大学3年のある日、今も忘れられない大変革が起こることになったのです。大学の帰り道に一緒になった同級生と喋りながら一緒に帰っていたときのことです。その人が、私にこう言ったのです。「あのさ。いつも思うんだけどさ。おまえ、人の話を最後まで聞けよ。そしたらそれについて自分の思ったことを話してくれよ。俺はおまえはとても面白いやつだと思う。だから、俺の話についておまえがどう思っているのか俺は聞きたいわけよ」この言葉は衝撃的でした。衝撃的だったと同時に、今までどうやっても他人とうまくいかなかった自分に、1つの大きな答えを与えてくれたのです。「変人」とか「毒舌」と言われて、「普通になれ」と言われても、私には取るべき行動は分かりませんでした。けれども、「人の話を最後まで聞け。それに対して自分の考えを言ってみろ。」という具体的な行動指針で、私の悩みは一気に解決したのです。さらに、その人は「おまえはとても面白いやつだから」と肯定してくれました。これをきっかけに、私の人間関係は少しずつではありますが、好転していきました。その「答え」は子育ての中でも…今、発達障害のある息子を育てながら、私はあのとき自分に起きたことを思い出すのです。息子に「普通になれ」と伝えても、本人はきっと意味が分からない。そもそも「普通」になる必要なんてない。けれども、周りの人が息子の良い部分をもっと知るためには、適切な行動というのがあるということ。そしてその適切な行動について、私たち親は具体的に伝えていくのが大切だということ。そして、息子に具体的な行動について伝えるとき、私が常に心掛けていること、それは「私はあなたをもっと知りたいし、もっと話したい」と伝えることです。根本に相手への尊重があってこそ、具体的な行動指針が活きてくるのだと思います。子どもに適切な行動を促すのは、「普通にしてあげたいから」ではなく、「あなたをもっと知りたい、あなたともっと話をしたい」から。自分の辛かった経験は、その大切さを今でも自分に教えてくれています。
2018年03月09日真っ先に駆けつけるお助けマン先日、私がぎっくり腰になりまして、スムーズに動けない状態が続いた日がありました。いつも気がきく優しい長男は、母の具合が悪いと、その優しさがさらに増すようです。私は痛みのあまり、トイレに立つのもやっとでした。すると、息子のアンテナはピピピ!と信号を受信!Upload By ラム*カナUpload By ラム*カナ背中を差し出す息子の優しさが、心に沁みて…腰の痛い私を見た息子は、「自分の背中につかまって」というように、私がつかまりやすいようにかがんでくれました。ちょっと不恰好だけど、そんな息子らしい思いやりに母は思わず涙…Upload By ラム*カナUpload By ラム*カナ完全に見た目はお婆ちゃんですよね。息子の優しさがいつも以上に心に沁みて…息子につかまって歩きながら、涙が出そうでした。誰かが困っているとすぐに気付き(変化に弱い=観察力がある)、自分が何ができるか考え(脳内多動=アイディア力)、すぐ動く行動力(衝動性=瞬発力)。どれもADHDの素晴らしい特性だと思います。
2018年03月09日リュウ太、火事に遭遇する!Upload By かなしろにゃんこ。息子リュウ太が中学3年生のころのこと。目前に迫った受験に向けて塾通いしていた、冬のある夜のことです。塾からの帰り道、住宅街から煙が立ち昇っているのを発見したリュウ太。「火事かな~?それともフライパンでも激しく焦がしたのかな~?」と眺めていると、突然ドカン!という爆発音が。その音とともに窓ガラスが割れ、勢いよく煙が噴き出してきたのです。「火事だ!」リュウ太は慌てました。火事だ、通報しなきゃ!通報をお願いした高校生が、実は…Upload By かなしろにゃんこ。火事に遭遇したリュウ太。「通報しなくちゃ!」と思ったけれど、いつもは塾に持参している母の携帯電話を「今日に限って持ってねーしー(汗)」「あわわわ…誰かに通報を頼まなきゃ」と辺りを見渡したものの、こんなときに限って夜の静かな住宅街には誰もおらず。どうしよう…?とオタオタしていると、男子高校生が自転車でこちらに向かってくるのが見えました。「高校生なら携帯電話を持っているはず!」と考えたリュウ太は、「あのー、火事なんです!通報をお願いします!!」と頼みました。高校生は、火事に驚きながらも、すぐに消防署に通報してくれてました。ところがです!その高校生をよく見ると、なんと一番会いたくなかったお人!テニス部の元部長ではないですか~。犬猿の仲だった元部長に、2年越しの「すいませんでした」Upload By かなしろにゃんこ。中学1年生のころ、リュウ太はテニス部に入っていました。でも、根っからの怠惰野郎ですから、みんなが一生懸命に朝練に取り組んでいてもリュウ太だけは「寝坊」ということで朝練をサボり続け、3年生の部長からお叱りを受けることが、たびたびありました。「仕方ないだろ、起きられなんだから」というのがリュウ太の言い分ですが、頑張っている子からしたら「テニスなめてんじゃねーぞ」という態度に他なりません。「ワザと起きなかったわけではないのだから許される。ワザとじゃなかったらいいだろう!」という自分ルールがあるものですから、「真面目にやれ!」と説得する部長と、話がかみ合うわけもなく…。しまいには「オレより少し早く生まれてきただけで威張らないでほしいね」と言い出すリュウ太…自由奔放すぎです。ちなみにこの自分ルールは、ADHDの特性というよりは、軽度の自閉スペクトラム症の特性からくるものではないかな~?と、母は思っています。さらに、ADHDのリュウ太には「熱しやすく冷めやすい」という特性もあるので厄介です。テニス部に入ってみたものの、すぐ飽きてしまい、ヤル気がなくなっていたのでしょう。中学2年生になる前にテニス部は退部してしまったし、部長も卒業してしまい、謝るきっかけも失ったまま約2年が経過していたのでした。そんな時の火事場での再会…思いがけない場所、思いがけないシチュエーションで、逃げることもできない状態だったからか?「あのときはすいませんでした!」と頭を下げて謝ることができたのでした。元部長の先輩は、リュウ太のことを覚えていたようですが、テニス部時代のことを引きずることなく、謝罪を受け入れてくれたそうです。思いがけない出来事がきっかけで、心のしこりを解消Upload By かなしろにゃんこ。帰宅した息子は興奮していてガタガタ震えていましたが、この出来事を細かく話してくれました。火事にいち早く気づき、偶然再会した先輩と力を合わせて消防を呼べたこと。それが、実はずっとしこりになっていた先輩との確執を解消するきっかけとなったこと…。この子が自分から謝ることができるなんて!実は「ひどくナマイキなことを言っちゃったな」と反省する気持ちが芽生えていたなんて。びっくりするようなエピソードでしたが、リュウ太の心の成長を感じることができました。後日、ママ友から「あの火事のときにリュウ太くん見かけたけど、歩き方が変だったよ。大丈夫だった?」と心配の電話をもらいました。恐怖で緊張したからか?ロボットダンスのようだったそうです。パニックになりながらも、通報できたり謝れたりしたのだなぁと、改めて感心した母なのでした。
2018年03月08日入学前に通常学級を選択した話娘が広汎性発達障害の診断を受けたのは、4歳(年中)の時。しかし、それより前の3歳(年少)の頃から、進学先について、夫婦共々、真剣に考えていました。発達外来の主治医のアドバイスもあって、年中は「療育に積極的に取り組む一年」として、いろんなトレーニングや言語訓練、自宅療育に取り組みました。そして、年長になり、進学先を決める時期になりました。娘の進学に関しては、私たちも初めてのこと…。正直、どこを選ぶことが正解かわかりませんでした。基本は娘が楽しく過ごせるところ。そうであれば、特別支援学校でも、支援学級でも、通常学級でも、どこでもいいと考えていました。Upload By SAKURA進学先を決めるにあたり、色んな人に相談したり、話を聞いたりしました。夫婦で、たくさん話し合いました。最終的には、発達外来の主治医の先生から「支援員の要請さえすれば、小学校の、通常学級で大丈夫だと思いますよ。」と言われたことが決定打となり、地元の小学校の、通常学級に進学することに決めました。私たち夫婦も「できるならみんなと同じことをこなせるようになって欲しい…少しレベルの高い所にいた方が、頑張れるのではないか…」そう考えたのです。入学直前に引っ越した我が家。同級生と馴染むために工夫もしました私たちは、娘の小学校入学直前に引っ越しをしたため、今まで通っていた幼稚園から、同じ小学校へ進学する子が一人もいませんでした。さらに、娘の通うことになった小学校は、付属の幼稚園からそのまま持ち上がりのシステム。娘以外の全員が、すでに仲良しの状態なのです。そこで私たちは、入学式の2か月前から、同じ小学校に入学する子たちが通う幼稚園のスポーツの日に週一回、数時間だけ通わせてもらっていました。少しでも、入学前にみんなと仲良くなってもらい、入学してからのスタートがスムーズになるようにしたかったからです。事前に交流を持っていたこともあって、入学当初は順調でした。お友達もたくさんでき、喧嘩はあっても、それなりに楽しく過ごせていている様子。小学一年生の授業も最初はそんなに難しくないこともあって、なんとかついていけているようでした。Upload By SAKURA授業が進み難しくなった頃、担任からの相談&報告が増えて来て…しかし、入学してしばらく経った頃から、だんだんと授業についていけないようになりました。支援員が入らない時は、全くついていけず…特に作文や感想文、日記などの、文を書く授業は困難でした。元々、言語自体が得意ではないため、何を書くかを考えたり、そのことを頭に置きながら、文章を構成することが娘にとってはすごく難しいのです。文が書けず、1時間白紙のまま固まっていたり…。そのことを、担任の先生から相談される回数も、増えていきました。文章を書けないことを先生に注意され、本人も困ってしまいます。そして、お友達同士のトラブルの内容も、少しずつ、娘には難しいものになってきました。娘は、自分が思っていることを、言葉で表現するのが苦手です。お友達から、自分がやっていないことで責められても、「私じゃない!」と自分の主張をうまく言えず…責められ続け、泣く…そして、さらに責められる…そんな姿を見ることも増えていきました。そんな状況の中で、お友達から、「なんであーさんはすぐ泣くの?」「なんで日記が自分で書けないの?」などと言われることが、どんどん多くなってきたのです。Upload By SAKURAもしかして、親のエゴで娘が合わない環境にいるのかな…私はこの時、自分が通常学級を選択したことが、間違いであったのではないかと思いました。そのために我が子が嫌な思いをしているのであれば、その決定は親のエゴだったのではないか…と考えるようになりました。とにかく状況をなるべく詳しく把握しようと、私は、なるべく学校に出向き、娘の学校の様子を見に行くことにしました。Upload By SAKURAトラブルはいつもじゃない。楽しそうな様子も見えてきたことで、深まる悩みしかし、実際のところ、悪いこと(娘がつらい状況)ばかりではなく、お友達と楽しく遊ぶ様子や、お友達に助けてもらっている様子も見えます。娘に聞くと「学校は楽しい、お友達は優しい」と言います。ただ、それが本心かどうかもわかりません。この状況は、いったいどういう判断をすればいいのか。ただただつらいことがあるばかりではない…楽しいこともある。実際、娘も「楽しい」と言っている。でも、泣いて帰ったり…できないことを注意されたりする。通常学級にこのままいて、いいのだろうか。どっちつかずの考えが、私の頭の中でぐるぐる回る日々が続きました。娘が帰宅した時、どんな顔をしているか…泣いている?笑っている?学校は楽しかった?楽しくなかった?そればかり気になるようになりました。Upload By SAKURA悩んで悩んで、たどりついた大切なコトはその堂々巡りの日々の中で、私が考えなければならないのは…本当に大事にしなければいけないのは…なんだろう…と考え続けました。Upload By SAKURA気づいたこと…それは、当たり前かもしれませんが「娘が笑顔でいられること」。進学先を決めるときに、一番の基本にしたことでした。そして、「それを見守る私自身も、笑顔でいられること」だと、改めて気づくことで、自分の思いが、少し固まるような感覚になりました。私はこの気持ちを大切にして、娘の居場所について、改めて考え、前に進むことにしました。この進級に関するお話は、長くなりますので、数回に分けてお話ししたいと思います。しばらくお付き合いいただければ、嬉しいです。広汎性発達障害の娘の就学相談で、迷った末に通常学級への進学を決めた私たち夫婦でしたが…入学後、徐々に娘には合わなくなってきたことから、この先どうするか…また新たに迷い始めた私たち。そんな時、今まで知らなかった情報が分かったのです。情報が把握できず学校や行政と行き違いになったことへの後悔と、そこから学んだことをお伝えします。
2018年03月07日小さな時は嬉しかった「うちの子自慢」だったけど…Upload By ぽんぽんUpload By ぽんぽん「あなたたちのときは…」と言われるたびに、モヤモヤ…母は私や兄、妹のことが自慢のタネ。小さいころからよく褒めてくれました。Upload By ぽんぽんUpload By ぽんぽんUpload By ぽんぽん母は悪気もなく言っていたのでしょう。でも、会うたびに、私たち兄妹の自慢話をされると…。そのうち、私もだんだん辛くなってきてしまいました…。育児は、母にとっても大切な思い出だからUpload By ぽんぽんUpload By ぽんぽんUpload By ぽんぽんUpload By ぽんぽん昔からとにかく子ども(私たち兄妹)の自慢が多かった母。子育ての思い出話や、わが子の自慢話って、なかなか他人にはしにくいもの。だから、実の娘にくらい気兼ねなく話したかったのでしょう…。仕方ないのかな…とは思うのですが、それすら受け入れられないほど大変な時期もあり、その頃は母とは極力連絡を取らないようにしていました。療育に通っていること、言葉が遅いことなどを伝えてからは、あまり「うちの子自慢」をすることはなくなりました。きちんと子どものことを共有することも大事なのだと思います。
2018年03月06日私、アスペルガー。予定外のことが大の苦手!出典 : 「晩ごはんの最中に、大きなしゃもじを持ったあの落語家さんが来たらどうしよう?」「あのタレントさんが洗剤を持って玄関先に立っていたらどうしよう?」あなたはそんなことを考えたことがあるだろうか?ご存知ない方に説明すると、前者は民家を訪れ、その日の晩ごはんのメニューを紹介してもらうという、昔のワイドショーのワンコーナー。後者は主婦の方に台所用洗剤の使い心地を試してもらうというものだ。いずれも「アポイントなしで突撃する」という体を取っている。で、私ならどうするか。のんびり晩ごはんを楽しんでいるとき、もしくはその直後に面識のない落語家さんがいらしたら、失礼ながらびっくりして警察に通報してしまうかもしれない。大好きなタレントさんですら、丁重にお断りしてしまう気がする。もし、同様の企画で訪れたのが、私が“推し”と称してはばからない大ファンの俳優さんであったとしても、その場で少し考え込んでしまうと思う。「わーい!○○さんだ!」じゃないんだよ、私なのに!ちなみに、どれだけ”推し”が好きかは、前回のコラムを見ていただければわかると思う。ASD(自閉症スペクトラム)ないしアスペルガーの特性を持っている方ならご共感いただけるだろうか。私は急なスケジュールの変更など、予定外のことが大の苦手。特に一番強いストレスを感じるのが、突然の来客だ。フリーライターはイレギュラーの連続。そこで私が取った対策とは!?出典 : 以前は突然の誘いも苦手だった。それが楽しそうなことだとしても、だ。とにかく予定外、予想外のことに心をかき乱されてしまう。しかしフリーランスのライターなど、イレギュラーの連続だ。ピンチヒッターとしての仕事の打診や急な加筆の依頼、スケジュールの変更などなど。それら全てに「対応できません」と返事をしていたら食っていけない。幸い、仕事でお付き合いしている方々は、私の特性をご存知なので、想像し得る変更点について、前もって説明をしてくれる。もちろんそれ以外の変更だって起こらないとは限らない。そのため自分でも「何か変更が起こるかもしれない」と心構えをするようになった。そのようなことを繰り返しているうちに、私は「仕事に関してはある程度臨機応変に動ける人間」に擬態できるようになった。友人たちにも、私が急な予定変更が苦手であることは伝えてある。が、仕事上で「何か変更が起こるかもしれない」と心構えをすることが日常化したため、急な誘いに関しては、時間や体調の都合がつけば、喜んで出かけることも可能になった。それでもどうしても慣れないことがあるため、以下のようにきっちり伝えてある。「突然の訪問だけは嫌な顔をしてしまうかもしれない。せめて“近くにいるよ”って、事前に一報が欲しいな」。みんな私の難しい質を理解しようと努めてくれているため、両親ですら、息子と私が暮らすアパートを突然訪れることがない。私は心穏やかに日々を過ごしていた。ところが…。「突然の訪問はNG!」と、徹底周知しておいたはずが…出典 : その日突然現れたのは、この集合住宅の工事担当作業員だと名乗る人だった。「室内アンテナの工事があるので、お部屋に入らせてください」工事の業者さんから、事前の告知や日程調整の打診はなかった。私は、自分の顔が強ばるのを感じた。「お知らせをいただいていませんよね…?」「管理人さん経由でチラシが配られたはずなのですが…」確かにチラシは入っていた。しかしそれは「何月何日から、この棟全体に工事が入る。各部屋にも入ることがあるかもしれない」という内容のみ。我が家にいつ入るという連絡ではない。「今日が無理だとしたら、いつごろいらっしゃいますか?」「あの…鈴木さんのお宅の工事が終わらないと、他のお宅の工事ができないんですよ」ぐぬぬ。(勝手な言い分だなぁ)だとか(今日私が留守だったらどうするつもりだったのだろう)と思いつつ、作業員さんにお上がりいただいた。私同様にASDを持ち、急な来客が苦手な息子は、携帯ゲーム機を片手に、猫のごとく押し入れに籠ってしまった。念のためその場に立ち会わなくてはならない私は、押し入れに同行することはできない。頓服用の安定剤を飲み、部屋の隅で絵を描きながら、ざわつく気持ちを抑えていた。「次の予定は知らせてほしい」と願う私に、業者さんは…Upload By 鈴木希望1時間少々で工事は一旦終了したのだが、作業員さん曰く、古い室内アンテナの撤去工事が後日必要だと。「次回はいつごろいらっしゃいますか?」「うーん、他のお部屋の作業の進み具合もありますので、何とも言えませんねぇ」「何日辺りだとか、午前だとか午後だとか、ざっくり教えていただけないでしょうか?いない日もありますし、前日にでもお電話いただけると助かるので…」「いやー、それもできかねますねぇ。で、鈴木さん、必ずいらっしゃるのは何時ごろですか?」それがまちまちだから事前連絡を頼んでるんだろうが!!!!!ーと叫びたい気持ちを抑えつつ「それもまちまちなので、断言しかねますねぇ」と、図らずも作業員さんのような口ぶりで、私は返答した。先方は困っていらしたが…。こうなってくると、私の特性云々関係ないような気もするが、苦手なものは苦手だし、困るものは困る。私がいないときに訪問したら、先方だって困るはずだ。推測でしかないが、日程の詳細や事前連絡ができないのは、会社もしくはそのチームのやり方であるか、担当さんの一存で決めたり断言不可の件で、しかも伺いを立てる相手がその場にいなかったのかもしれない。だとしたら、作業員さんと私がああだこうだと問答を続けるのは建設的ではない。何となく話がうやむやになったまま、とりあえず挨拶をしてお帰りいただいた。翌日私は、私が暮らす集合住宅の管理会社に連絡を入れ、「在宅時間がまちまちであるため、事前の連絡が欲しいとの旨、工事業者さんに伝えていただきたい」とお願いをした。「今後こうした工事や点検が入る場合、鈴木さんには事前連絡を徹底した方がいいですか?」と、担当の方が気を利かせて質問してくださったので、そのようにお願いした。工事業者さんには、おそらくもう伝わっているだろう。ひとりで交渉しきれないときは、第三者の助けを借りる出典 : イレギュラーなことへの対応は、周知の徹底と心の準備でこれまでどうにか乗り切ってきた私だった。しかしそんなことは無関係に発生するイレギュラー中のイレギュラーもあるのだと、今回の件で学んだ。そりゃそうだ、向こうは私のことなんて知ったこっちゃいないのだから。幸い、今回は住宅管理会社さんという、間に入ってくれる第三者がいてくれたから助かった。今後もまた、自分ひとりで対応しきれないことが起こったら、間に入ってくれる誰かを探すつもりだ。これは何も発達障害の特性に絡んだトラブルに限った話ではない。人間ひとりでなんとかできることなんて、実はさほどないのだから。業者さんからの連絡はまだ届いていない。電話が鳴ることを願ってやまないが、もし次回の担当さんが、私のようなうっかりADD風味の方だったら…?うん、ない話ではない。連絡があることを信じながら、工事終了予定日まで「うっかりADD風味の作業員さん」がいらっしゃるかもしれないと覚悟をしておくとしよう。そして本当にそうなったら、またヤギさんの絵でも描いてやり過ごそう。ストレスがないわけではないが、なあに、スズキはやればできる子さ、ずっと続くことではなしに。がんばれ私、乗り切れ私。
2018年03月05日時計はよめる?入学前に、身につけておきたい理由とはUpload By 荒木まち子Upload By 荒木まち子幼稚園や保育園にくらべて、学校では「時間」を意識して行動することが必要となります。時計の読み方は学校の授業でも勉強しますが、入学前にある程度ご家庭でも練習しておくのがおすすめです。「時計をよむ」練習におすすめの絵本出典 : でも、「では練習しましょう!」と無理やり教えられても、子どもも親も辛いだけですよね。わが家では、絵本を使って遊び感覚で練習をすることにしました。数ある時計絵本の中で、私のイチオシはくもん出版の『はとのクルックのとけいえほん』です。この絵本には、針がうごく時計がついているので、子どもが動かして時刻を変えることができます。繰り返し絵本を読むうち、時刻を意識するように…出典 : 始めのうちは絵本についている時計の長針をグルグル回して楽しんでいた娘でしたが、しばらくすると、長針を回すと短針がゆっくり動くことに気がついたようです。そして次第に、絵本の物語にそって時計の時刻を合わせるようになりました。「遊び」や「食事」「お昼寝」など小さい子どもになじみのある内容に加え、ドキドキワクワクするストーリーも魅力で、娘のお気に入りの一冊になりました。工夫された文字盤だから、「分」と「時」の違いを理解しやすい長い針が「1」を示しているときに、なぜ「5分」を意味するのか…これを子どもに説明するのはなかなか難しいものです。でも、この絵本についている時計には、1分刻みのメモリがあるので、小さな子どもでも「分」と「時」の違いを理解しやすいのです。Upload By 荒木まち子部屋の壁掛け時計も同じ仕様のものにすると娘は好んで時計をよむようになりました。「時」は短い赤い針がさしている赤い数字をよむ「分」は長い緑針がさしている緑の数字をよむと繰り返すうちに、娘は自然に、1分刻みのメモリがない時計もよめるようになっていきました。小学校入学前に、スムーズに時計をよめるように!出典 : 「いつの間にかできるようになる」ことがあまりない娘ですが、「時計つき絵本」と「工夫のある時計」のおかげで、時計をよむことに関しては楽しくスムーズに身につけることができたのでした。
2018年03月04日STEAM教育って何?
子育て楽じゃありません
細川珠生のここなら分かる政治のコト