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発達障害のある5歳の娘は、とにかく褒め上手!Upload By SAKURA広汎性発達障害がある現在5歳の娘は、とてもよく人のことを褒めます。年少さんの頃から、お友達の服やカバンなど、身につけているものを褒めたり、お友達の描いた絵や、作った折り紙、行動を褒めたり…。ねたんだり、嫉妬することなく素直に人のことを褒められる娘を、私たち親は尊敬しています。お友達だけでなく、親のこともベタ褒め!!娘は幼稚園のお友達だけでなく、私たち親のこともいつも褒めてくれます。当たり前の行動でも、娘に褒められるとなんだかいい気持ちになります(笑)。Upload By SAKURA親とお友達だけじゃ物足りない!最近娘が褒めだしたのは…しかし、最近は親や周りのお友達を褒めるだけでは物足りないのか、外出先で見かけた知らない子まで褒めています。Upload By SAKURAそして私にも強制…。こうやって私は、いつも他人の子を全力で褒めさせられています(笑)。
2016年12月14日言葉の理解が遅かった娘。時間の概念を理解できず…出典 : 私が娘の成長を気にするようになったのは、2歳頃でした。言葉が出始めるのが遅く、コミュニケーションもほとんどとることができませんでした。多動もあり、いつも自分の好きに行動していました。そんな娘も3歳頃から徐々に言葉が出てくるようになり、それと共に、少しずつ会話もできるようになりました。それはそれで嬉しかったのですが、新たな問題も現れました。それは、会話を時系列に話せないのです。つまり、過去と現在をごちゃまぜに話していたのです。娘は、昨日起きたことも1週間前に起きたことも、全て「さっき」で話していました。抽象的な概念を、わかりやすく説明するにはどうしたらいい?出典 : それだけではありません。朝と昼の区別や、朝起きると次の日になっているということも理解できていませんでした。発達障害の子どもで、こういった概念系の言葉に非常に弱い子どもも多いのではないでしょうか。娘に時間の概念を理解してほしかった私はまず、昼と夜の区別を理解させることから始めました。昼の絵(太陽がでている)、夜の絵(暗くなってる)を描いて冷蔵庫に貼りました。そして、昼間に「今は昼だね~」と昼の絵を見せます。暗くなると、「今は夜だね~」と夜の絵を見せていました。このように、イラストと実際の空の色を見せながら、理解を促していったのです。娘が理解するまでに数ケ月はかかったと思いますが、徐々にわかるようになってきました。「曜日」と「きのう、きょう、あした」はセットで教えると楽チン!出典 : その頃、家庭内療育を始めていた私は、ヒントとして使えそうな教材を求めて100円ショップによく通っていました。そこで磁石を3個買ってきて、エクセルで簡単な日曜日から土曜日まで書いた1週間の表を作り、冷蔵庫に貼りました。3個の磁石には「きのう」「きょう」「あした」と書いた紙をそれぞれ貼りつけました。例えば、今日が月曜日なら「きょう」の磁石を月曜日のところにくっつけて、日曜日のところには「きのう」をくっつけます。火曜日のところには「あした」をくっつけます。次の朝に娘と、「朝が来たから今日は○曜日になったね、昨日は×曜日だったね」などと、一緒に曜日1つ分、3個の磁石を移動させました。このように、目で見て確認ができない日付や曜日の概念も、文字や道具を使うことで「曜日は毎日変わっていくもの」だと理解していったようです。時間を教えるには、大好きな予定と組み合わせて!出典 : 曜日や朝晩の理解ができた後は、時間の理解です。これも頭を悩ます問題です。小学生にもなっていない娘にいきなり、時間の概念(1時間が60分だということや、分刻みで時間が経過することなど)を教えるのは無理でした。このため、○時○分などの細かい時間は教えませんでしたが、おおまかな時間(○時)を教えるのは必要だと考えました。まず、身近なところからと考えていたのですが…そうだ、おやつの時間だ!と思い付きました。毎日、「午後3時はおやつの時間」と決め、「3時になったらおやつだよ」と娘に伝えたのです。これも根気よく伝えるようにしたところ、そのうち自分から時間が来たら時計を見せ「3時になったね、おやつだよ」と言うようになりました。こうして娘は、時計の針の位置で「3時」を理解することができるようになりました。時間通りに準備をしなければならないのは大変ですが、朝ごはんや昼ごはんなどそれに関連した行動と合わせて教えるのが、時間を理解するには早いような気がします。目で見て理解しやすい子なら、それを活用しない手はない!出典 : 発達に遅れのあるお子さんの場合は、これらの方法を実践しても、もしかしたらすぐに理解できないかもしれませんし、何年もかかるかもしれません。また、こだわりなどの特性があるお子さんの場合には、例外や急な予定の変更が苦手で、曖昧さを理解するのに一苦労するかもしれませんね。実際娘も、小学生に上がっても、しばらく朝でも昼でも「おはよう!」と言っていました。しかし、年齢が上がるにつれ、徐々に挨拶の曖昧さや昼ごはんの時間にもいろいろあるのだと理解できるようになっていきました。今では曜日はもちろん、過去、現在、未来の時間の区別も問題なくできています。時系列の理解が弱いお子さんの場合は、目で見て確認できるツールがあると大変便利です。ご家庭で試してみてはいかがでしょうか?
2016年12月14日常に刺激を求めて生きるADHDの息子…フツウの遊び方じゃ満足できない!我が家のADHD息子は、フツウの遊び方だと満足しないところがあります。常に刺激を求めて生きているようなのです(笑)。元気なのはいいことですが、救急車で運ばれるようなケガも何度かありました。小学生のころから、とにかくヒヤヒヤする遊び方が大好きなんです。Upload By かなしろにゃんこ。頼むから…その好奇心が活かせるまで生きていてくれ!Upload By かなしろにゃんこ。Upload By かなしろにゃんこ。面白そう!と思った遊びは「その先の危険」を考えずにすぐに実行してしまうところがありました。3・4年生くらいになると外で勝手に遊んでくるので、キケンな遊びは事後報告…聞きたくなかった報告ばかり…特にスケボーで十字路のある坂を滑って遊んでいた話を聞いたときは心配を通りこして「この子はいつか大けがするタイプの子だわ…」と少し諦めました。子どものやりそうなことは先回りしてキケンを知らせておかないといけないな!と心に決めながら、頼むからその好奇心がいい方向に働くときまで生きててねと祈りながら育てていた息子の小学生時代でした。
2016年12月13日怒りっぽいアスペルガーの娘が、ある日私に聞いてきたこと出典 : 現在小学3年生の娘は、アスペルガー症候群及びADHDの診断がおりています。アスペルガーの特徴である「怒りっぽさ・キレやすさ」は娘の中にもしっかりと息づいており、幼稚園の頃からずっと親子でアンガーコントロール(怒りの感情コントロール)に取り組んできました。ある日、寝る前に騒いでいた息子に、本を読んでいた娘が「もうちょっと静かに楽しんでくれるかな!?」と声をかけました。そして、その後で私に「ママ、今の言い方はどうだった?」と聞いてきました。私「う~ん、そうねぇ。80点っていうところかな?語尾に『〇〇してくれるかな!?』ってつけると、それが正しいからそうするべきだ!っていう感じが出ちゃうでしょ?そうすると、『なんだよ!』ってムッとする人も多いと思うの。」娘「でも、集中して本を読みたいから静かにしてほしいんだもん。」私「『本を読みたいから静かにしてほしい』っていう自分の気持ちを先に伝えたらどう?その後で、『だからこうしてほしいな』ってお願いをするんだよ。相手に『こうするのが正しい』って押し付けると上手くいかないことが多いからね。」娘「じゃあ、『今本を読んでるけどうるさくて集中できないから、もうちょっと静かにしてくれる?』って言ったらいいの?」私「そうそう!それだったら、静かにしてほしい理由もちゃんとわかるし、お願いされたら『は~い!』って素直に聞ける気がするよ!」娘「わかった!じゃあ、今度からそうしてみる!」どうすれば相手を不快にさせず、自分の思いを伝えられるか。そんな会話がこの半月のあいだに幾度も繰り返されました。怒りっぱなしだった娘がニコニコしている…なぜ?出典 : そんなある日、ちょっとはにかみながら、娘が私に問いかけたのです。「ねえママ、最近の私、ちょっと変わってきたと思わない?」この半月ほどで、確かに娘には変化がありました。今までは怒りの感情に流されっぱなしで、どうすることもできずに足掻いていた娘が、その都度なんとか怒りと向き合おうとしている。自分の感情によって他人にもたらされる影響を考え、言葉を選ぶようになっている。娘の人生の中で、とても大きな変化が起ころうとしているようです。私「もちろん、すごく良い方に変わってきているよ!カチンときても、ムカッときても、一生懸命言葉を選んで、相手に嫌な思いをさせないようにしようって、毎日努力してるよね!」娘「ママ、わかってくれてたの!?」私「もちろんだよ!すごいな、すごいな~って、毎日ちゃんと見てるよ。嬉しいなって思いながら、あなたが努力している姿をずっと見てるよ。気付いた時はたくさん褒めるようにしてるよ。」娘「ちゃんと見ててくれたんだね。ありがとう!私も嬉しい!」娘を変えるきっかけとなった、1冊の本との出会い何が娘を変えてくれるきっかけだったのか?娘に聞いてみました。それは、『怒っていい!?』(ひすいこたろう著)という本との出会いでした。娘とアンガーコントロールに取り組むようになってから、「怒り」に関するたくさんの本を継続的に図書館で借りては、娘の目の届く場所に置くようにしていました。本を読むことが大好きな娘がそれを手に取り、たくさんの本の中から、いずれぴったり来る方法を自分で見つけてくれればいいな、と思っていたのです。「怒ってもいい!?〈誰にも嫌われない〉〈相手を傷つけない〉怒り方」その内容は娘にピッタリだったようで…出典 : タイトルを見た娘は「え?怒ってもいいの?」と言いながら、あっという間に1冊を読み終えました。何度か気になった部分を読み返した後、「ママも読んでおいてね」とリクエストがあったので、私も目を通してみました。簡単にまとめると・・・●怒りの感情というのはとても大きなエネルギーを秘めている●人間が進化する過程で怒りの感情が残されたのは必要な感情だから●自分と自分にとって大切なものを守ろうとする怒りの感情を責められるのはおかしいと、怒りを肯定的に捉えようとする内容になっています。娘はまずこの部分を読んで、安心したのだそうです。今まで怒りの感情に振り回され、「どうして自分はこんなに怒ってしまうんだ」「どうしてみんなは怒らずにいられるんだ」と悩んでいた娘にとって、「怒ってもいいんだよ」という言葉がどれほど救いになったかわかりません。だからこそ、『悪いのは怒ることではなく、怒りによって人や物を傷つけてしまうこと』『ではどうすれば良いのか』という次のステップへの導きをすんなりと受け入れられたのだと思います。娘は自分なりにこの本の内容を消化し、なんとか相手を傷つけることなく自分の怒りの原因を伝えようと努力し始めたのでした。本を活用し、我が家で決めたルール出典 : この本を読んだきっかけに、娘とこんなルールを設けました。怒りに火がついてしまった時は、自分が何に怒っているのかをしっかり考え、次の手順で相手に話をする。① 怒りの原因となった相手の行動を伝える② その行動で自分がどんな気持ちになったかを伝える③ どうして欲しいのかを具体的に伝える初めに紹介したトラブルを例にとると、娘は息子に対してこのように伝えることになります。① 楽しそうだけど、ちょっと声が大き過ぎるよ② お姉ちゃんは今本を読んでいるんだけど、騒がしくて集中できなくて困ってるの③ もう少し小さな声で遊んでもらえると嬉しんだけどなこれを機に、今まで弟に対しては「静かにしなさい!」など、お願いではなく指図をしていた娘の話し方が少しずつ変わってきました。そして、その都度「今の言い方はどうだった?」と私に確かめ、反省しながら次に繋げることができるようになってきたのです。じゃあ、家の外ではどうする?出典 : また、正義感の強い娘は信号無視やたばこのポイ捨て、公共の場でのマナー違反を見かけると、自分とは全然関係のない人に対しても強い憤りを覚え、怒ってしまいます。そんな時は、「あの人は間違っている!」と怒った後で「でも自分はあの人とは違う」「自分はあんな行動をとる人にはならない」と、怒りの原因となった行動から何を学べるかを考えるようにしようと決めました。疲労が溜まっていてイライラし過ぎているときは、怒鳴り散らしてしまうこともありますが、何よりも「自分で意識ができるようになった」ということが大きな進歩だと思います。親だけが「もっとこうして欲しい」といくら願っていても、親の目が届く範囲でしか注意ができませんが、自分で意識ができるようになったら、成長するチャンスはとても多くなるからです。適切な方法も身に着くまでは時間が必要。だからこそ焦らずに出典 : イイな!と思う方法を見つけ、それが身に付くまでには、年単位の時間が必要です。上手くいかなかったときは子どもを責めるのではなく、一緒にどこをどうすれば良かったのかを考え、上手くいった時にはハイタッチをしながら一緒に喜ぶ。そんな時間を過ごすことで、きっと子どもも前向きにチャレンジを続けてくれるのではないでしょうか。来年、再来年の姿を想像しながら、親も子もゆっくりと成長を続けられるといいですね。
2016年12月13日戸惑いを隠せなかった診断結果。この子に一体何が起きているの?出典 : 我が家で行っている、「ゆらゆら」体操。その動きは、両足をゆらゆら揺らすという、簡単なものです。もともと身体の感覚が過敏だった長男の、緊張をほぐしてくれたこの体操を、今回はご紹介したいと思います。幼稚園の時から個性的だった長男。小学校入学をきっかけに大混乱し、登校を渋るようになりました。このままでは完全に不登校になってしまう…と考えた私は、長男の登校に付き添いながら、ゆっくりと学校に慣れていきました。そんな中、先生の勧めで学習支援を受けることに。支援を受けるため医療機関を受診したところ、「自閉症スペクトラムおよび知的障害」という診断が出たのです。この診断結果には正直戸惑い、「自閉症スペクトラムって何?」と、我が子をどう捉えていいのかがわからなくなりました。いうなれば、自分と長男の間に訳のわからないモノが挟まり、我が子が見えなくなってしまった感じがしたのです。戸惑いの中出会った1冊の本。自閉症への理解が深まった、その内容とは栗本啓司 (著), 聞き手 浅見淳子 (編集), 『自閉っ子の心身をラクにしよう!』, 花風社, 2014年その頃からでした。自閉症について気になることを本で調べるようになったのは。さまざまな本を読むうちに、「もしかして、息子もこんなふうに世界を見てるのかも?」と思ったのを覚えています。医師に聞いてもはっきりと答えてもらえなかった、「自閉症スペクトラム」の世界観に触れ、息子との間に感じていた壁が初めて少し薄れたように感じたのです。そんなとき出会ったのが『自閉っ子の心身をラクにしよう!』という本でした。感覚に過敏さを持ち合わせる自閉症の人たち。この本は、少しでもその感覚を和らげ、睡眠の質を高めたり生活の質を向上させたりするコツが載っています。この本によると、発達に遅れのある子は足裏にある「拇指球(ぼしきゅう)」というところが弱く、立ったり歩いたりするだけでとても疲れやすいのだそうです。出典 : さっそく妹と長男の足裏を触り、本の内容がすぐ腑に落ちました。妹と比べても長男の「拇指球(ぼしきゅう)」の存在感が薄かったのです。立ったり歩いたりするのにも、いちいち踏ん張る―頑張る必要があるんだ…。そりゃ、毎日背骨がカチカチに固まるよな。日常生活でも疲労度は他の子どもたちより倍になるだろうな…と、思い至りました。その他、触覚過敏があるからいつも身を縮めているような感じなのでしょう。赤ちゃんのように反射的な動きに優れ、自分で自分の体を十分にコントロールできてない段階なんだということなどが見えてきました。拇指球が育てば、もっと日々の動きがラクになるのではないか。そしたら色々なことにもチャレンジできるようになるかも…。そう考えました。本を参考にしながら、足に触れる。いざ実践!出典 : やるタイミングですが、短くてもいい睡眠をとって欲しいという思いから寝る前に「ゆらゆら」と「足裏さわり」をやっています。手順はこんな感じです。私「じゃあ、ふとんに寝転んで~。手をパーにして思いっきり伸びよう。伸びて、伸びて、はい、ゆるめて。じわ~っとした?」長男「ちょっときた」私「いいやん。じゃあ、次、”ゆらゆら”します」。足首を持って、自分の腰のあたりに軽く当て、腰を気持ちよくゆすります。「どう、振動、キミのアタマの先まで伝わってる?」長男「きてる、きてる」私「いい感じ。では、足の裏をさわるね」親指の付け根の下、正式には「拇指球(ぼしきゅう)」といわれる部分をそうっと触ります。「拇指球よ、しっかり育てよ」と心の中で声をかけます。触る時の力はほんの少し「赤ちゃんを抱くぐらい、そっと」でいいそうです。私は刺激しながら「育てよ~」と念じています。こわばっていた心と体をゆるめる「ゆらゆら」。そのコツは出典 : 実践は毎晩こんな感じです。基本はこの流れですが、その日の長男の様子を見て、足の指の間に手の指を入れて少し広げてみたり、足裏全体をなでることもあります。背骨、背中をリラックスする、頭に集中している意識を全身、特に下半身に下ろすことが狙いです。1番大事にしているのは一緒に「心地よさを感じる」ことです。自分があまりにくたびれすぎている時は「また明日ね」。足首を持った時にくすぐったがったりして「やめて~」と言ったりしたときもやめます。ちょうどこの時期はイヤイヤ期でもあったのですが、布団に入った後自分から「そろそろゆらしていいよ」と声をかけてきたり、逆に「今日はやってあげるわ」と揺らしてくれたりするようになりました。幼い頃は絵本の読み聞かせも行っていましたが、「ゆらゆら」の方が入眠効果があるように感じます。気付けば2年も続けているゆらゆら。その効果は子どもだけではないようで…出典 : 足首を持って腰に当て、腰を揺らして揺れを伝える「ゆらゆら」は、本では「金魚体操」という名前で載っています。他にもいろいろな親子の動きが載っていて、「いいな」と思ったら試しています。気が付けばこうした身体のスキンシップは2年程ほぼ毎日続けています。小3の今も、登校はスムーズにはいきませんが、これまでは「理解できない行動」だったものが、「こういう理由で、そうしてるんだね」と理解できるようになりました。そして、ゆっくりでもいいから発達を積み重ねていけば、きっと大丈夫…!と、子どもを信じられるようになりました。
2016年12月13日LITALICO初の書籍が発売!Upload By 鈴木悠平(発達ナビ編集長)発達ナビの運営会社である株式会社LITALICOの代表、長谷川敦弥の新著が発売されました。SB新書から、『発達障害の子どもたち、「みんなと同じ」にならなくていい。』というタイトルでの発売です。LITALICOがこれまで学習支援や就労支援のサービスの中で出会ってきた方々のエピソードを中心に、それぞれ違った個性を持った方たちが、どのように自分にあった学び方、働き方を見つけていったのかをご紹介するとともに、多様な個性が活かされる「障害のない社会」とはどのような社会なのか、私たちのビジョンや想いを記した書籍です。発達ナビ編集長である私も、この書籍の構成・編集に携わりました。これまで、発達が気になる子どもたちの学習支援教室や就労支援センターの現場スタッフとして、また自分自身の特性に悩んだ日々も思い出しながら、同じようにご自身やお子さんの将来について悩める方々に届けられるようにと編集させていただきました。『発達障害の子どもたち、「みんなと同じ」にならなくていい。』新著の構成と見所は?以下では、書籍の構成とともに、各章の見所をご紹介します。『発達障害の子どもたち、「みんなと同じ」にならなくていい。 』第1章:ADHDはぼくの強み第2章:子どもが一番の先生だ!第3章:子どもの心に火をつける第4章:「多様性」を力に変えていく働き方第5章:障害のない社会をつくる-------------第1章は、LITALICO代表である長谷川敦弥自身の人生のエピソードです。ADHDの特性を強く持つゆえに、周囲との関わりに悩んだ幼少期の学校生活。人生の転機となる焼肉屋の店長夫妻との出会い。上京後、自身のADHD的特性を活かして働き、LITALICOを運営するに至るまでの歩みをお伝えします。第2章は、発達支援の教室「LITALICOジュニア」で出会った子どもたちのエピソードです。「困った子だ」「問題児だ」と言われているその子自身が、実は一番困っている。お子さんの特性を理解し、その子が過ごしやすい環境づくりをしたり、その子ならではの学習方法を探して成功体験を積み重ねることの重要性などについてお話します。第3章は、IT×ものづくり教室「LITALICOワンダー」で出会った子どもたちのエピソードです。学校で決められた「枠」からはみ出る子どもたちが、自分の「好き」や「得意」を伸ばしていくことで、苦手を克服したり、新たな進路を切り開いていったエピソードをご紹介します。第4章は、働くことに障害のある方を支援する「LITALICOワークス」の利用者さんのエピソードです。困難と直面しながらも自分らしい働き方を諦めずに探し続け、一人一人違う自分だけの「天職」を掴み取るまでの過程をご紹介します。ご自分の特性や働き方に悩まれている大人の発達障害当事者の方だけでなく、お子さんの将来について悩まれている保護者の方の姿を思いながら、執筆・編集いたしました。第5章は、こうした取り組みを続ける中でLITALICOが大切にしている思い、発達ナビなどのメディア発信や、研究・政策提言活動を通して、「障害のない社会」をどのように実現していきたいかを記しました。発達ナビ読者のみなさまにも、ぜひお読みいただきたい内容となっております。書店やネットショップで手に取っていただけると幸いです。『発達障害の子どもたち、「みんなと同じ」にならなくていい。』立ち読みページ『発達障害の子どもたち、「みんなと同じ」にならなくていい。』
2016年12月12日9階から飛び降りを強制した小学校の4年生の女の子、裁判で両親の監督責任はどう問われた?出典 : こんにちは。『子どもも親も幸せになる発達障害の子の育て方』著者の立石美津子です。2013年、江東区のマンションで起きた事件です。当時4年生だった女の子が、校門前で縄跳びを振り回していた当時2年生の女の子を注意。さらに説教しようと9階建ての自宅マンションの屋上に連れて行き「飛び降りないと殺すぞ。ここから落ちて死んでしまえ」と言いました。それに従った2年生の女の子は飛び降り、木や水槽にぶつかりながら約26メートル下に転落、足や胸の骨を折るなどの全治11週間の重傷を負いました。被害者の両親は4年生の女の子の両親に3千万円の損害賠償を求め、裁判長は両親に監督義務があったと認め、約1,025万円の支払いを命じました。加害者の4年生の女の子は重度の難聴があり、両親は専門のクリニックに通って育て方の指導を受けていました。小野瀬厚裁判長は、このことについては「子育てに相当の努力を払った」と認めています。しかし、女児が事件後にアスペルガー症候群との診断を受けたことを挙げ、「他者が思い通りに動かないと怒りを持つ女児の傾向に気づいておらず、対応は不十分だった」として賠償責任を負うと判断しました。参照: 東京新聞 TOKYO Web, 飛び降り強要加害小4の親に1000万円命令参照: 朝日新聞デジタル, 小2に飛び降り強要、小4両親に1千万円賠償命令「育てにくい子の孤独な子育て」と事件によって追い込まれる親たち出典 : こういう情報が流れると、正しい理解をしていない世間の人から、まるでアスペルガー症候群などの自閉症スペクトラムに代表される発達障害児を持つ親は「将来、そんな事件を起こす可能性がある子」という誤った偏見の目で見られてしまうことがあります。この事件では、当時の報道記事などで明確に発達障害の診断名が書かれていましたが、今は「社会性の問題がありコミュニケーションが苦手と分かった」といった報道のされかたに変わってきています。かつて、新聞やテレビのニュース報道で加害者の精神鑑定の結果を明確に出したことにより様々な誤解を生んだため、現在では報道機関が自主規制を行っているようです。けれども、一度こうした衝撃的な事件が精神障害や発達障害の診断名と共に報道されてしまうと、診断名に対するネガティブなイメージが付着しやすく、誤解や偏見を払拭することは容易ではありません。そのため、発達障害のある子どもの保護者は、ただでさえ育てにくい子の子育てで孤独に悩んでいるのに、さらに追い打ちをかけられ苦しむことになります。参照: シノドス, アスペルガー症候群の特性と犯罪――『アスペルガー症候群の難題』著者による解説 井出草平 / 社会学ルールを忠実に守る子どもたちと、それだけでは通用しない社会の難しさ出典 : アスペルガー症候群を含む自閉症スペクトラムの子どもたちは、他人の気持ちへの想像力や社会性に困難があると言われることが多いですが、一方で、決められたルールを真面目に忠実に守るという、場合によっては長所にもなり得る特性も持っています。ですが、ルールを忠実に守ることにこだわるあまり、自分だけでなく他者にもルールを守ることを強く求めてしまったり、その場に応じた臨機応変な対応が出来ないために、対人トラブルにつながることも少なくないのです。例えば、見知らぬ人であっても横断歩道を赤で渡っている人に「信号無視をしてはならない!」と注意してしまったり、携帯電話を電車内でしている人を許すことができず、声を荒げて怒ってしまうことがあります。これはルール上正しいことです。だから本人にとっては正論なのです。でも、見知らぬ相手から叱られた人はたいてい嫌な思いをします。また、学校生活の中でも正論ばかり振りかざしていると“付き合いの悪いヤツ”と言われ友達作ることもできずトラブルメーカーになることもあります。白と黒だけでない曖昧なグレーな判断が世の中には存在すること、ルールは場合によっては柔軟に変更されたり、例外措置が取られることもあること。これが自閉症スペクトラムの子どもたちにとっては理解が難しいことなのです。はじめは融通がきかない子どもでも、育て方で未来は変わる出典 : ですが、たとえルールへのこだわりが強く融通が効かない子どもでも、適切な支援や教育によって、社会性を獲得していくことは可能です。幼い頃に子どもの発達障害に気付いていれば、本人の特性を理解し、その上で「知らない人がルール違反をしていても声をあげて注意するものではない」と教えていくこともできます。友人であってもルール違反の罰則を厳しくする方が誤っていることも教えることもできます。専門機関でソーシャルスキルトレーニングを受けることもできます。親も、ペアレントトレーニングなどを通して、子どもの特性に応じた関わり方を学んでいけば、「どうしてお前だけ皆とうまく付き合っていけないんだ!」と叱責するのではなく、「どうやったらいいのか」をアドバイスする姿勢で子育てができるようになります。逆に、そうした機会が無ければ、子どもは年中、親や先生から叱られ、友達もできずに「自分は価値がない人間」と自暴自棄になり自己否定し、心の病を発症したり自傷したり、他害に走ることもあります。この事件では両親は難聴の専門クリニックに相談はしていたようですが、発達障害だとは気が付いていなかったようです。「もう少し早く、子どもの特性に気が付く機会があったならば…」と、なんともやりきれない気持ちになります。発達障害そのものが事件を起こすのではないということを、知ってほしい出典 : 二次障害という言葉があります。先天的に脳にあった一次的な発達障害に対して、鬱、家庭内暴力、自殺、他害(反社会的行動・犯罪)など、様々な要因によって二次的に発生した障害や問題を意味する言葉で、これらは後天的に起こります。本人にとって不適切な環境にさらされたことに対するストレス反応としての側面が大きいと思います。発達障害そのものが事件を引き起こすのではなく、本人や周囲がその特性を理解せずに適切な関わり方や環境づくりをできなかったために、二次障害が発生し、冒頭に挙げたような悲しい事件が起こる場合があります。これは、健常児だって生まれたときは天使のような可愛い赤ちゃんでも、育ち方によっては将来犯罪を犯すこともあるのと同じです。そこを理解してもらいたいと思いますが、なかなか一面的にしかクローズアップされないので誤解を招いてしまいます。この事件では親に賠償責任を求める判決が下されました。親の責任はどこまで問えるのか、なんとも考えさせられる事件でした。Upload By 立石美津子立石美津子, 『立石流 子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方』, すばる舎, 2016年
2016年12月12日教育相談とは出典 : 教育相談とは、子どもの発達と教育にかかわる問題について、子ども本人、保護者、学校の教員などに対して行われる、心理的・教育的援助のことです。教育相談というと、学校からすすめられてはじめて相談に行くことが可能となる、というイメージがある方もいらっしゃるかもしれませんが、学校からすすめられなくても悩みごとがあれば相談できます。相談できるのは、18歳までの子ども本人のほか、保護者、学校の教員など、子どもの教育・養育に関わる全ての人です。相談を受けているのは、学校や、校内のスクールカウンセラー、地域の教育相談センター、特別支援学校などです。教育相談は今、非常に広い概念として捉えられています。「何らかの問題が起こったときに悩みを抱えた人が、学校の教員や専門家に相談をすること」これが以前まで、教育相談という言葉が指していた意味合いでした。ですが、近年子どもの問題が多様化、深刻化するにつれ、教育相談に求められる役割は多岐にわたっています。求められる役割の広がりに伴い、「相談」という言葉から連想されにくい事柄についても教育相談の担う範囲とされています。教育相談の内容は、主に2つに分けることができます。一つ目は、問題を解決するために、問題を抱えた人が専門家に対して相談する、問題解決型の教育相談です。例えば・学校以外の機関が行う、匿名での電話相談サービス・特別支援学校や教育委員会が行う、発達が気になる乳幼児の保護者への子育て相談などがこれにあたります。二つ目は、問題が起こる前に、学校の教職員などによって行われる予防的な教育相談です。例えば、教師が学級活動の中で、児童生徒に対して行うロールプレイングや感情コントロールのトレーニングなどです。このように、教育相談が担うのは、問題が起こったときのみに行われる相談業務だけではありません。何か問題が起こったときに保護者や子どもが自ら課題を突きとめ、主体的に問題解決をできるように、これらの支援や活動は日ごろから行われています。教育相談の事業を通して、困りごとがあるときにも、子どもに関わる誰もが気軽に相談をできるような体制づくりが目指されています。学校を中心として、教育センターや特別支援学校、NPOなど、地域全体を通して、そのような体制づくりが行われています。教育相談ではどんな相談に乗ってもらえるの?出典 : 教育相談が取り扱う事柄はさまざまです。例えば、いじめや不登校、学習に対する不安などの学校生活に関わることから、就学や進路、子どもの発達のことなど、子どもの教育、養育上の問題に関するあらゆる内容を取り扱っています。心配ごとがあるときに、教育相談では以下のような相談を行うことができます。例えば、◇学校生活のこと・クラスでいじめにあっています。もう学校に行きたくありません。・子どもが朝になるとお腹が痛いと言って学校を休むようになりました。無理矢理、学校へ連れていった方がよいでしょうか。・学級に不登校の児童がいます。どのように対応したらよいでしょうか。◇子育てや家庭のこと・子どもが発達障害ではないかと心配しています。・忘れ物が多くて困っています。・子どもが自傷行為をしているようです。・子どもが反抗的で親の言うことを聞きません。◇就学先のこと・障害が重くても、地域の学校で学ぶことができますか。・小学校や特別支援学校に就学したあとに、転学の相談はできますか。◇情報関係・SNSに子どもの悪口が書かれています。どうしたらよいでしょうか。教育相談では、相談者の意見を尊重し、肯定的に受けとめながら、相談者にとって最適な解決方法を一緒に考えていきます。教育相談はどこで誰がしてくれるの?出典 : では、教育や養育に関する悩みごとがあり教育相談を受けたいと思ったら、どこへ行ったらいいのでしょうか。教育に関する相談を扱っているのは、学校の教職員、学校内の相談室、教育センター、特別支援学校などです。それぞれの相談先の特徴と、ご自身の悩みごとの内容に合わせて、相談先を選ぶことが大切です。出典 : 教育相談の活動で中心的な役割を担っているのが学校です。学校では、学級担任や管理職をはじめとして、養護教諭などの全ての教職員が協力をして、子どもの悩みを解決する体制が作られています。学校では、通学する児童生徒本人や保護者が教職員に対して相談することができます。いじめや不登校などの問題の他にも、子どもの気になる行動や、学習についての不安を中心に相談ができます。学校は子どもが毎日通うなじみのある場所であり、そこにいる教職員は毎日子どもに接しています。相談を行うことは、教員が子どもに対してより配慮のある対応をしてくれることにもつながります。学校における教育相談に特徴的なのは、教職員の側から子ども、保護者に対し、相談できる機会を積極的に設けていることでしょう。通称、呼び出し相談や定期相談といわれています。教職員が積極的に子どもや保護者に声をかけていくことにより、問題が起こる前に、その火種を発見でき、問題を未然に防ぐことが可能となります。学校における教育相談には、もう一つの側面があります。それは、悩みごとを抱える一部の子どものみを対象とするのではなく、全ての子どもを対象とする予防的な教育相談活動です。いじめを例にして考えてみましょう。いじめの被害者に対する心のケアは重要ですが、いじめに対して「やめてほしい」と主張をする力や助けを出すための力が必要な場合もあります。また、いじめの加害者側が高いストレスに晒されていることもあります。そのような子どもが加害者にならないようにするために、事前の予防的な教育が行われています。具体的には、授業やホームルームの中で、自分の言いたいことを適切に主張するためのアサーション・トレーニング、自分の怒りの感情をコントロールし、衝動的な行動に出ることを防ぐためのアンガーマネジメント、相手の立場になりきるロールプレイングなどが取り入れられています。出典 : 学校内に設置されている心の相談室・カウンセリングルームでは、スクールカウンセラーに相談することができます。学校の教職員に言いづらいことは、学校内の相談室で相談をするのがよいでしょう。スクールカウンセラーとは、臨床心理士、精神科医、心理学系の大学の常勤教員などの心の専門家です。また学校によっては、「子どもと親の相談員」というスタッフが相談に乗ることもあります。平成25年には、スクールカウンセラーが派遣または配置されている学校数は、20,310か所であり、平成7年に比べ、その数は約130倍となりました。これは、いじめや不登校問題の多発に注目した文部科学省が、教育相談に専門的に携わるスタッフを増やす施策をとったことによる変化です。学校内の相談室で相談をするメリットは、学校の教員とも保護者とも違う立場から話を聞いてもらえることでしょう。これらの相談員は、保護者や他の教職員とも利害関係がないために、客観的で中立な立場から冷静に話を受け止めてくれます。注意点は、相談者により話された秘密は原則として守られますが、問題解決のために事実関係の整合性を取る場合などに限って、相談から得られた情報を学級担任や管理職に共有することがあるということです。最終的な目的は問題の根本的な解決なので、相談員だけではなく、学級担任から見た子どもの姿や保護者から見た子どもの姿など、多角的な視点を用いた判断が必要とされる場合があるためです。また、相談員は外部の機関との連携を密に行っています。ですので、相談員や学校のみでは問題解決ができないと判断した場合には、児童相談所や医療機関などの機関と連携することもあります。スクールカウンセラーや子どもと親の相談員は、各学校に配置されている場合と教育委員会から派遣されて学校へやってくる場合があります。週に1~2回、学校内、あるいは学校の近くにある心の相談室・カウンセリングルームなどの場所で勤務を行っています。出典:スクールカウンセラー等配置箇所数|文部科学省スクールカウンセラーについて|文部科学省「子どもと親の相談員」について|文部科学省出典 : 教育に関する相談の受け付けを行っているのは学校だけではありません。教育相談センターや、教育センターという施設でも子どもの育ちや教育に関する悩みごとの相談をすることができます。例えば、不登校やいじめの問題について、学校が対応しきれず困りごとの解決が難しいときもあると思います。学校に言いづらい悩みごとは、学校以外の機関に相談するという選択肢があると知っておくことで、新しい問題解決の道が開けることもあります。これらのセンターは都道府県・市区町村が設置している施設であり、さまざまな専門をもつ相談員が相談に乗ってくれます。相談をすることができるのは、18歳までの子どもとその保護者、および教員です。相談には、心理相談を専門とする相談員が対応し、必要に応じて、継続的な面接やプレイセラピー、心理検査などを行います。またこれらのセンターでは、定期的に不登校に特化した相談会や、学校復帰・社会参加に向けた講演会が開かれていたりします。学校では得ることのできない情報を知ることができる場としても活用できるでしょう。相談者の状態や、何らかの事情によりセンターに来所することが困難な場合には、メールや電話でも相談をすることができます。相談内容によっては、児童相談所や医療機関などの関係機関を紹介される場合があります。例えば、相談員のみでは解決ができない、医学的な診断の必要である、また福祉的・法的な措置が必要な場合などです。また、相談の内容によっては、保護者の方にあらかじめ確認をとった上で、相談の内容を学校に伝えることがあります。というのも、学校の教職員と保護者が子どもの状況を共通理解することにより、柔軟で充実した対応を行うことができ、結果的に問題の解決への近道となることもあるためです。これらの機関は、学校や教員に対して直接的な指導を行うことはできません。ですので、以下に挙げるような対応の難しい相談事に関しては、あらかじめ相談先が断る場合もあります。・学校の運営・教員による子どもへの指導の内容・教職員の人事学校の運営や教員に対する意見がある場合には、まずは学校の管理職へ相談して、それでも解決しない場合は管轄の教育委員会へ相談を行うのがよいでしょう。出典 : 特別支援学校には、学校に在籍する子どもへの教育の他に、大切な役割があります。それが地域の障害のある子どもたちへのサポートです。この役割の一つとして、特別支援学校では、地域の子どもたちや保護者、小中学校の教職員から相談を受け付けています。以下のような相談を受け付けています。・子どもの発達についての相談・特別支援学校への入学や転学への相談・小中学校での教育についての相談相談には、特別支援学校の教員が対応してくれます。子どもの発達とその支援に関する知識や経験のあるスタッフが対応してくれるので、就学のことや、子どもの発達で心配がある場合には気軽に相談してみるとよいでしょう。特別支援学校で行われる教育相談は、就学以後の子どもに限らず、乳幼児やその保護者に対しても行われています。これは、平成23年に改正された障害者基本法を受けて、障害のある、または支援の必要な乳幼児とその保護者に対し、就学前から情報の提供の機会をより増やそうという国の動きによるものです。相談対応の他にも、特別支援学校では以下のように障害のある子どもに関わる大人や、本人を手助けするさまざまなサポートを行っています。例えば、・学校への巡回訪問・心理検査の実施・研修会の講師の派遣・授業や教材の工夫・個別の教育支援計画、個別の指導計画の作成のサポートなどです。保護者や教師など、子どもに関わる大人は、子ども発達や障害に専門とする教員やコーディネーターとともに、遊びの工夫や、子どもとの適切な関わり方などを一緒に考えていきます。教育相談にはどんな方法があるの?出典 : 相談の内容や、相談者の状態によっては、来所により話をすることが困難な場合もあります。教育相談では、来所に限らずさまざまな方法で相談をすることができます。ここではそれぞれの相談方法の特徴をご紹介します。全ての相談機関で、来所による相談を受け付けています。継続的に担当の相談員に対応してもらえるのが来所による相談の特徴です。相談者一人につき担当の相談員が一人つくことが多いので、来所するごとに、前回から変わった点や新たに加わった困りごとなど、問題解決までの間、その道のりを長期的に支援してもらえます。初回面接の際には、電話で相談内容を話した上で予約をする必要があります。電話による相談の特徴は、現在いる場所に関わらず、相談ができる点です。電話相談だけでは解決の道が見つからない場合には、実際に相談機関に来所することが可能です。匿名でも相談にのってくれる他、電話により相談員の対応を知った上で、来所による相談へ安心して移ることができます。電話相談では、相談員を指名しての継続相談は受け付けていないことがありますので注意が必要です。スマートフォンやPCの普及とともに、メールで相談を受け付ける機関が増えています。メールによる相談の特徴は、名乗らない限り、相手から相談者の身元がわからない点や、時間や場所に関わらず24時間メッセージを送信できる点です。一方、相談の返信が返ってくるまでに、ある程度の時間がかかったり、文字だけのやりとりのために、細かいニュアンスや表現が伝わりにくい場合があることには注意が必要です。機関によっては、文字数の制限があったり、メールの返信の回数制限があったりする場合もあります。詳しくはそれぞれの機関のウェブサイトをご参照ください。学校では通常、メール相談の受付は行われていませんが、教育センターや教育相談センター、NPOなどはメールによる相談を受け付けていることが多いです。学校や相談機関等に通うことが難しいお子さんを対象として、相談員が家庭・学校を訪問し、子どもへの支援や、その保護者の方との相談を進めます。学校や相談機関に通うことが難しい子どもでなければ利用できないことがあります。教育相談をしたいときには何をすればいい?出典 : 学校に相談を希望する場合には、学級担任のもとに連絡して実際相談をしますが、学校の教職員以外に相談をしたいときには、どのような手順で相談をすればよいのでしょうか。相談の流れやそれぞれの相談先の注意点についてご紹介いたします。学校の教職員ではなく、スクールカウンセラーや「子どもと親の相談員」に相談したいときの窓口は、学校により異なります。学級担任・養護教諭を通じて予約をする場合と、直接相談員に声をかける場合や、相談室の前にホワイトボードが置いてあり、誰にも知られずに予約をするシステムがある学校などさまざまです。また、通っている学校にスクールカウンセラーが配置されていない場合、近隣の学校に配置されているスクールカウンセラーに相談することになります。スクールカウンセラーが配置されている近隣の学校については都道府県教育委員会、もしくは市町村教育委員会に問い合わせ、その学校を通じて勤務されている日やスケジュール等を確認し、予約の上、相談室へお越しください。教育相談センターでは、希望する相談の方法により予約が必要な場合とそうでない場合があります。来所相談は、予約制となります。センターの業務時間内に電話で予約をとる必要があります。予約の際には、相談の概要を聞かれるので、子どもの様子や相談の内容についてまとめておくとよいでしょう。市区町村により、相談の受付時間や予約方法が異なります。1回の面接は50~90分間で相談費用は無料です。継続相談を行ったり、相談内容によっては他機関を紹介してくれることもあります。ご参考までに、東京都教育相談センターの申し込みから相談までの流れを以下に示します。申込みは、保護者からのお申込みをお願いいたします。電話相談にてご相談のうえ、お申込みください。↓初回日時のご連絡担当相談員が決まり次第、お電話等でご連絡差し上げます。↓初回面接※原則、1回の面接は50分間です。相談費用は無料です。以後、継続相談を行いますが、ご相談内容によっては、他機関を紹介する場合もあります特別支援学校での相談は、学校へ足を運んで直接相談をすることができます。FAXまたは電話で予約を入れ、相談日を設定する必要があります。詳しくは、お住まいの近くの特別支援学校のウェブサイト等をご覧ください。まとめ出典 : この記事では、教育相談を扱う機関や相談の流れや、内容などを具体的にご紹介しました。教育相談とは、悩みをもつ子ども、保護者、教員の、悩み事の解決に向けて行われる相談活動のことです。教育相談が担う役割は大きく分けて2つあります。一つ目は、問題を解決するために、問題を抱えた人が専門家に対して相談する、問題解決型の教育相談です。二つ目は、悩み事や問題が起こる前に教職員などによって行われる、予防的な教育相談活動です。物事の捉え方、人との関係づくりなどを子どもが学ぶ機会を日常的に設けることで、子ども本人が主体的に問題解決に取り組める力を育む役割があります。子どもと関わる保護者や教員は、問題が大きくなる前に、子どもから発せられるサインを見落とさないことが大切です。子どもの様子や子育てのことで少しでも心配ごとのある場合には、一人で抱え込まずに、気軽に相談にいってみましょう。悩みの解消に向けて、一緒に考え、共に解決策を探してくれるスタッフが必ずいるはずです。
2016年12月11日とにかく運動不足・運動オンチな私…勢い余ってADHDの息子と親子マラソンへ!息子たちが幼稚園生になったら出場してみたいなと思っていた親子マラソン。先日、運動不足なうえにそもそも運動神経がない!にも関わらず、勢い余ってエントリーしちゃいました。しかもパートナーは体力の限界を見たことのないADHDの元気息子。さて、どうなる…?Upload By ラム*カナUpload By ラム*カナUpload By ラム*カナ速い!速すぎる!マラソンだというのに、ダッシュな長男!“親子”マラソンの定義はどこへやら…。とても並走ができません…!先を走る長男に向かって「待ってー!」と叫び、その場で止まっててもらい、どうにか追いつくものの、Upload By ラム*カナUpload By ラム*カナ結局長男には自分のペースで走ってもらい、ゴールで待ち合わせという、“親子マラソン感”ゼロな状態で2キロを走りました。Upload By ラム*カナ出典 : 著書『カラフル男子牧場 -ADHD長男とお調子者次男の兄弟物語- 』
2016年12月10日誕生日当日、みんなに祝福を受ける長男Upload By モンズースー言葉を覚えるのが遅く、コミュニケーションが得意ではない長男ですが、少しづつ自分の気持ちを周囲の人に伝えられるようになってきました。待ちに待った誕生日が嬉しすぎる長男は、周囲にそのことを数日前まで話して歩き回っていました。そして誕生日の朝、幼稚園へ登園すると…長男を知っている幼稚園中の人から、次々にお祝いの言葉をかけられたのです。最初の2人までは照れながらも嬉しそうだったのですが、3人目からキャパオーバー。段々口数が減り、ついには自分の世界に引きこもってしまいました。長男にはたくさんのお祝いが想定外だったのかもしれませんし、思ったより恥ずかしかったのかもしれません。構ってもらえるのは嫌いじゃない、自分から話すのも好き、でも向こうからぐいぐい来られるのは苦手…という、何ともややこしい長男なのです。実はこうした理由で、子どもに受けのいいオーバーリアクションの面白い人や、激しい遊びをしてくれる楽しい人、積極的に関わってくれる人は苦手なのです。でもよく周囲の子を見ていると、自分から行くのは好きだけどぐいぐい来られるのは苦手…という子はけっこう多いようです。それでも、慣れてきたり、落ち着いた環境なら同じ対応でも楽しく過ごせることも多いようですし、成長すると少しづつ変わっていくようにも思います。コミュニケーションが得意ではない子との接し方は、近付きすぎず、最初はゆっくり接する方が、打ち解けやすいのかもしれません。
2016年12月09日娘の不登校で心労が重なり…批判的な世間の目に押しつぶされそうだった私出典 : 小2から不登校の娘は現在中学2年生で、アスペルガー症候群の診断が出ています。そしてシングルマザーである私にも、アスペルガー症候群の診断があります。娘は小2の2学期から徐々に学校を休み始めたました。それに対し、学校からの電話や訪問は毎日続き、2学期の終わりには付き添い登校もしましたが3学期から完全に行けなくなってしまいました。その間の心労で私は5キロ太り、「こんなに醜くなってどこへも行きたくない」と実家のトイレで1人ボロボロ涙を流しました。近所の人やママ友からは「学校には行かせなきゃダメよ」と会えばプレッシャーをかけられ、道端で大泣きしたこともあります。一方で娘はというと、登校しようとしても校舎を見ただけで「気持ち悪い、しんどい」と震え出します。精神的に限界がきているのがわかりましたが、放課後には勉強しないことを条件に登校することができていました。そんなとき提案された入院。日常から切り離されたことによる変化は出典 : そんなとき、娘の主治医から提案されたのが入院でした。「日常から離れてリラックスするために、親子で1週間入院しませんか?」と薦められたのです。疲れ切っていた私はさっそく手続きをし、親子2人で個室の入院生活を始めました。私は付き添いなので食事は出ませんが、ソファーベッドもあり、院内にはコンビニがあるので結構快適な入院生活でした。学校には「お見舞いは先生も生徒も一切お断りします」と言っておきましたし、主治医も休養目的ということでほとんど介入してこなかったので、日常から切り離され病院という場に守られ、親子共にゆっくりと過ごすことができたのです。娘もその生活が快適だったのか、1度も「退屈」とか「帰りたい」とは言いませんでした。私も日常生活の雑事や、学校、近所の目などから切り離され、すっかり安心して娘とリラックスできました。完全に不登校になった娘。2人きりの時間が辛くなった私はとうとう…出典 : しかしその後、小学3年生になった娘は、相変わらず学校に行くことができないままでした。この頃から夜眠れなくなり、「布団に一緒に入って」と言ったり「眠れない」と言って泣いたりする日が続くようになりました。「生きてるのに疲れた。引きこもりやし、ママとケンカばかりしてるし。不登校児かって大変やねんで。しんどいし、心許せる人としかよう会わんねん。家におっても時々しんどくなったり、お腹が痛くなる。」娘はそう言い、私が怒るたびに泣いていました。娘が不登校になり、家にいる時間が増えたとき、私は仕事を失った直後でした。2人きりで閉じこもり、娘の辛い気持ちをぶつけ続けられているうちに、私もだんだんと精神的に追い込まれていったのです。そして訪れた2度目の入院。苦渋の決断だったけれど、他に選択肢は無かった出典 : あまりに2人きりの生活が辛く、娘の主治医に「この頃本気ではないけれど、死にたいってよく考える」と打ち明けると、●一時保護を利用して娘と一度離れる●支援学校の訪問指導を受けるために入院するという2つの案を出されました。どんなに辛くても一時保護だけは嫌だった私は、訪問指導付きの入院を選んだのでした。入院してすぐに特別支援学校に転籍した娘。支援学校の先生が病室へやって来て、親から離れ勉強する日々が始まりました。残念ながら娘は先生と相性が合わず、2人っきりで勉強することをとても嫌がりました。「先生と勉強したら学校に連れ戻されるんやろ。」といって、身体は拒否感から体調不良が悪化、苦しむようになったのです。その様子を見ていて私も辛かったですが、もし先生の薦めに従わず家に2人きりだったら…虐待に走っていたか、自分が完全に壊れていたのではないかと、今でも思います。このときはその選択しかなかったのだと、今でも思っています。親子関係が煮詰まったとき。入院することで救われることもある出典 : 子どもにとって入院は賛否両論あるでしょうが、不登校だった娘にはいいこともありました。入院の最中、私と初めて引き離された娘は、看護師さんや同じ境遇の患者さんと出会い、私以外の人に頼ること、思い通りにならないときは気持ちの折り合いをつけることを学んだのです。最初は泣いて駄々をこねるだけだったのに、看護師さんの仕事を手伝ったり、ちょっとお姉さんの患者さんには上手に甘えたりと、私と2人だけの世界からちょっとだけ出て、たくましくなったように思います。私が所属する親の会でも、親御さんが精神的に追い詰められているケースをよく見かけます。私もうつ状態が続いた結果、希死念慮がひどくなり母子共にとても危険な状態に何回か陥りました。そんなとき、主治医の先生は入院を勧めてくれ、結果として私の精神状態も落ち着き、娘に危害を加えてしまうことを防げました。親子だけで関係が煮詰まってどうしようもなくなったり、親が疲れ果ててしまったとき、入院というのも1つの選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。少し距離を置くことで関係が変わることもありますから。
2016年12月09日不登校の経験を、今の子どもたちにつなげたい僕は現在、JERRY BEANSというバンドの一員として、各地の学校を回り「講演ライブ」をしている。講演ライブとは、道徳の授業や特別授業の一貫などで学校に呼んでいただき、歌だけでなく僕たちの過去の経験や未来への思いを伝えるという、ライブと講演を合わせた活動だ。「過去の経験」というのは、メンバー3人ともが経験した、不登校のこと。バンドの中の役割でいうと、「想いを伝える役目」を担うことが多い。講演ライブでも、他の2人に見守ってもらいながら、生徒さんたちに気持ちを届けている。話すのが得意というわけではないけれど、「今、困っている子どもたちに、届けたい」という思いが強いので、続けていきたいと思っている。「ここから逃げ出したい…」同級生へのイジメを前に、何もできなかった自分僕が不登校だったのは、小学5年生から中学3年生までの間。高校には行っていない。きっかけは、小学5年生のときに見たクラスのいじめ。女の子をクラスみんなでいじめていて、そのストレスが一番大きかったんだと思う。いじめは突然始まった。女の子に向かって一人の男の子が、「歯並び悪いな~」と、酷い言葉を投げつけた。それを聞いたみんなは大笑い。その日からクラス全員が暗黙の了解のようにいじめを始めた。僕は怖くてどうすることもできなかった。その子は、僕がかつて入院をして学校を休んでいた時に、とても親切にしてくれた子だったんだ。「感謝してるのに、いじめをとめられない…」「自分が次の標的になったらどうしよう…」という恐怖から、何も出来ずにいた。そんな自分にストレスが溜まるばかり。クラスの友達が、女の子に聞こえるように悪口を言ったり、その子がケガするとあざ笑ったり…、人間の二面性を見たような気持ちになった。その現実にどう対処したら良いのかわからず、ただただ怖かった。怖い怖いと思いはじめたら、それが体の不調として現れだした。それでも、親や先生に悩んでいるとは言い出せないでいた。とにかく逃げ出したくて、学校に行く時間になると、ベットの下に隠れて怯えていた時期もあった。「逃げちゃいけない」、「行かなきゃいけない」という気持ちはあるのに、身体が動かない。そんな自分の状態が、自分でも理解できない。混乱していたのだと思う。一番つらかったのは、みんなの登校する姿を見ることだった。人との関わりの中で、じっくりと変化してきた不登校になり、学校に行けずに立ち止まっていた時期は、それでも僕にとってかけがえのない時間となった。人生の中で壁にぶつかった時、我慢して根性で乗り越えるのも、もちろん大事だと思う。だけど、「立ち止まること」も同じくらい大切だ。周囲の友達とは違った時間の流れの中で、自分らしく過ごせたことは、自分自身をちゃんと知るキッカケになった。本当に良かったと思う。と、いうのは大人になった今だから言えることだけど(笑)あの時の僕は、「自分は夢を見る価値もない人間だ」と思っていたし、「生きていても仕方ないし」という気持ちでいた。だけど、沢山の人に出会って、手を差し伸べてもらって…。人との関わりの中で、だんだんと感謝の気持ちを持てるようになり、「不登校」も僕の人生の大切な一部だったと受け止められるようになった。今、未来が見えなくて真っ暗な日々を過ごしている人たちも沢山いると思う。だけどいつか、その経験があなた自身にとって大切な時間だったと思える日がくるはず。僕はそう信じています。今この瞬間だって、あなたは1人きりじゃない。学校を休んでいたとき、家族に何とも言えない罪悪感を感じていたという山崎さん。そんなとき、山崎さんを救ったお母さんの一言がありました。
2016年12月08日発達障害の息子にとって、とにかく大変だった幼稚園1年目出典 : 我が家には発達障害と診断を受けた6歳の男の子がいます。今でこそ多動がだいぶ落ち着き、いろいろなことが一緒に楽しめるようになりましたが、3~4歳の頃の大変さは、今となっては思い出すのも辛いレベルでした。幼稚園年少の頃、参加する全ての行事が初めてで、そのたびに荒れる息子を、私は励まし続けました。お友達にも全く興味を示さず、1年間の間に1人の名前も覚えませんでした。遠足に出かければパニックになって座り込み、結局全行程おんぶして回ったこともありました。私にとっても辛いことがたくさんありましたが、「初めてが苦手」「集団生活が苦手」な息子にとっては、幼稚園年少の1年間は一杯いっぱいだったのでしょう。息子は初めての幼稚園生活を1年間よく頑張りました。そして、ストレスが爆発した3月。息子はまるで別人のように荒れ始め…出典 : ところが、息子の気力が崩れ落ちる日は、ある日突然やってきました。3月。全ての行事が終了し、「4月から上の学年になりますよ」と繰り返し告げられる時期です。いろいろなことが大きな変化の渦に巻き込まれていくこの季節、不安定になる発達障害児が多いのではないでしょうか。学年の切り替わりという見通しの立たないイベントに、息子の不安はマックスになり、さらに慣れない環境で頑張り続けた疲れが一気に爆発することになりました。息子は幼稚園から帰宅すると突然、家のクローゼットに頭を打ち付け始めたのです。頑丈なクローゼットは陥没し、それまで落ち着いていた奇声等の自己刺激行動も復活し、とにかくあっという間に息子は別人のような振る舞いを見せたのです。「一体何が起きたのだろう…」と思いながらも、何の手立ても思い浮かばず、私は夜も眠れないほど憔悴する日々が続きました。タイミングよく訪れた発達外来での診察。医師に勧められたのは投薬だった出典 : その時期、ちょうど発達外来の診察がありました。息子が調子を崩していることは、かかりつけの先生にも一目瞭然だったようです。診察室で息子は、部屋中のものをひっくり返して脱走し、隣の診察室に飛び込みました。その後、看護師さんにつかまえられて戻ってきましたが、興奮は冷めやらず診察室で大声でわめき続けます。「先生、3月になって急にこんな感じなんです。どうしたら良いでしょうか」と先生に助けを請うと、先生は静かに言いました。「このままじゃお母さん、倒れちゃうね。そしてね、1番辛いのは本人なんですよ。お母さん、ちょっとお薬使ってみますか?このままじゃ2人とも辛いですよ」この言葉を聞き、私はショックで倒れそうになりました。わずか4歳の息子に薬を飲ませて良いのだろうか、私は大変なことをしているのではないか…そんな気持ちでいっぱいだったからです。このとき先生から処方された薬は、精神安定剤の一種でした。しかし、投薬に対する周囲の意見は厳しく…反対派の意見が刃のように刺さる出典 : その当時、私が付き合っていた発達障害児のママ友さんたちは「お薬反対派」の方がほとんどでした。薬の服用を勧める医師をまるで敵のようにみなしている方が多く、とてもじゃないけれど、息子に薬を服用させるか迷っていることなど打ち明けられませんでした。投薬に対する意見の中でも、私が1番辛かったのは「本人の意思ならいいと思うけど」という言葉でした。4歳の息子には、「本人の意思」なんて確認できないのです。「薬を飲みたいか」と聞いたら、4歳では「美味しいなら」ぐらいの回答しかできません。本人の意思ならば薬を飲ませても悪くない、じゃあ本人の意思が確認できない年齢のときは、どうしたらいいのでしょうか…。このまま、暴れ狂う息子と一緒に暮らしていくしかないの?私は誰にも相談できず、悶々としていました。溢れる子育て情報。正解がないからこそ、周囲に振り回されない意思を持ちたい出典 : 投薬について悩んでいると、ママ友だけではなく、親や教師などからあれこれと反対されることが、よくあります。ネット上にも、薬の副作用などについて、ネガティブな情報が溢れています。そんな中、決断をしなければならないのは、本当に辛いことだと思います。けれども、発達障害児を育てていたら薬だけではなく、様々な場面で外野の声に左右されます。そんなとき、いちいちその言葉に傷ついて自分を責めていたところで、何も事態は改善しません。私は投薬を迷っていたときに決めました。外野のアドバイスは、「ほどほどに」聞いておけば良い、と。そうでなければ、心が壊れてしまうと思ったのです。迷った時は、とことん納得するまで確認して出典 : そして私は、●あり得る副作用●副作用がひどいときにすぐに薬が中止できるかどうか●半永久的に飲むのではなく状態が改善したら服薬をやめることができるのか…等を、繰り返し医師に確認しました。その結果、自分で納得できる答えを得ることができました。結論から言えば、息子は服薬を1年程度したことで落ち着いたため、現在は薬の服用をしていません。けれども今後就学してから、また状態が変わる可能性もあります。また薬が必要だと医師に提案されれば、そのときまた考えようと思います。そうやって、親も周囲の声と折り合いをつけながら、育児をするしかないのだと思います。
2016年12月08日多忙な学校現場に投じられた「個別の支援」というミッション出典 : 年以上も前のことですが、日本にも発達障害の概念が広まり、学校で個別の支援についての研修がさかんに行われだした頃、大学教員である私も、研修会の講師として各地へ頻繁に出かけていました。子どもの状態を正しく評価し、その子に応じた支援計画を立て、学内外と連携し、たとえ障害があっても活き活きと生きられるように支援するのだと、学校の先生に向けて話して回っていたのです。そんな中、受講した教師の言葉が風の便りに聞こえてきました。「大学教員は新しいことをやれやれと言うが、実際に行うのは自分たち教師だ。日常業務で多忙な中、評価だ、個別の支援計画だと次々に言われたらパンクする。無責任にあれやれこれやれと言わないで欲しい」表立って口には出す人は少ないけれど、多くの現場の教員は心の中で叫んでいたことだと思います。今思えば、発達障害についてよく理解していない上に誰も助けてくれない中で、個の特性に応じた教育をと言われても、ただただ難題を突きつけられただけだったのかもしれません。現場の教員への負担の軽減や、育成体制の充実などは、今も残る課題の一つです。しかし、子どもたちのための新たな教育を開発するためには、やはり多少のストレッチというか、現場の先生たちの自己変革がなければ前進しないと思います。そして実際に、心ある教師はこの10年間にその知識とスキルを目覚ましく発展させてきています。先生たちがフランクに話せる場所が生まれると…出典 : 今回の記事では、私が関係した心ある教師たちの進化と実践を紹介したいと思います。地方の中高一貫校の教育相談担当教員に事例検討会の助言を頼まれた時のことです。2週間に1回の割合で夕方2時間くらい教育相談室に行き、学校教員と子どもたちの事例について話し合うという内容でした。参加は自由、途中参加、途中退席可で始めましたが、最初はだれも来ず教育相談担当教員とよもやま話で時が過ぎてしまったこともありました。そのうち、だんだんと若い教員が顔を出すようになりました。「クラス運営がうまくいかない」、「保護者からきつい言葉をいただいた」などと、初めはほとんど、グチをこぼすために集まっていうるようなものでした。ですが、そうした弱音も含めてフランクに吐き出せる場を続けていくと、いつしか真剣な生徒指導上の議論も飛び交うようになりました。先生同士で話せる場があれば、問題解決の根拠を見い出しやすくなる出典 : 事例検討会が軌道に乗ってきたそんなある日、赴任して間もない若い男性中学教員が会に顔を出しました。そしてクラスの女子生徒のことについて話し始めました。大柄なその女子生徒が教室の中で口論になりカッとなって木製の椅子を持ち上げ床にたたきつけて粉々にしたというのです。「もしその椅子が他の生徒に当たったらと思うとぞっとする、どうしたらよいだろうか」という相談を持ちかけたのでした。その教員は生徒との面談の内容も話してくれました。「幼稚園児の頃から体が大きく力が強かった。カッとなりやすい性格で、一度カッとなったらすぐ相手を殴ってしまうので、みんなから乱暴者と言われていた。小学校もずっとそんな調子だった。」生徒はこのようなことを話してくれたそうです。その学校は私立でした。地元では評判が良くなく受け入れられていないと感じる子が、地元の公立ではなく遠く離れた知り合いのいない私立の学校に進学するケースがよくありますが、この生徒もそのような子でした。ですが、相談してくれた担任教師自身が彼女に対して抱いている印象は、「乱暴者には見えない、自分のことをきちんと言える生徒」ということでした。普段の姿と暴力的な姿とのギャップに戸惑いを感じて、対応に悩んでしまったのです。「カッとなりやすい生徒」を多角的な視点で見てみると…出典 : みんなで良い知恵を出そうと話し合いましたがなかなか妙案が出てきません。その生徒のイメージがつかめないのです。私は教員と話し合い助言する立場ですので、直接生徒や保護者と会うことはまれでした。しかしこのケースではもう少し生徒の状態を知りたいと思ったので、私も直接面談させてもらうことにしました。一番気になったのは、カッとなったら頭が真っ白になり、自分がしたことを覚えていないということでした。もしかしたらてんかんなどの意識障害があるのではないかと疑ったのです。担任が面談を設定してくれてその生徒から話を聞きました。しっかりと話のできる生徒でした。内容はほぼ担任から聞いたことと同じでした。「カッとなってからのことは覚えていない。気がついたら目の前にばらばらになった椅子がある。でも、カッとなって自分が何かをしでかしそうになるところまでは覚えている」と、話してくれました。議論の場があったからこそ発想できた、生徒のストレスを発散させる妙案出典 : 生徒から聞き出したことをヒントにして考え、再び事例検討会に臨みました。この生徒には、・カッとなった自分を内省する力はある・しかし、ひとたびカッとなると感情を自分で抑えることは難しいという特徴が見られます。そこで、「カッとなったと思ったときは、その場を離れてストレスを発散させられるようにすれば良い」のだと話しました。すると担任教師は、「教室を出たところの階段を昇れば広い場所がある。そこに教材が置いてある。今は紙粘土がたくさんある。それを板に投げつけさせるのはどうか」と提案しました。皆もいい案だと言い、早速担任が中心となり実行させることになりました。次の事例検討会で、その後の経過を聞きました。担任が生徒に、「カッとなったら教室を出て教材置き場に行き、そこで紙粘土を気が済むまで板壁に投げつけるように」と言うと生徒は了解し、実行したとのことでした。これを行うことによって教室での暴力沙汰は無くなりました。生徒を見守るチーム体制ができ、保護者と学校の関係性にも変化が出典 : 私はこの生徒がカッとなった後に意識が無くなることをまだ気にしていました。親が正しく子どもの状態を学校に伝えないことが多いからです。そこで担任に親から直接精神的、身体的なことを聞きたいと言い、親と会う設定をお願いしました。母親が来て私と担任が会いました。母親は看護師でした。幼児の頃から乱暴だと言われていたところから話していただけました。肝心の記憶がない、意識がないということについては、脳波検査を受けたが異常はなく、てんかん等の神経学的異常は認められなかったとのことです。その話を聞いたので、「お呼びだてしてすみません。娘さんの指導が間違っていないかどうかを確かめたくて来ていただきました。お忙しいのにすみません。」と丁重にお礼を述べようとしたのですが、まだ私が話し終わらないうちに、母親がすっと立ち深々とお辞儀をし、「これまでの学校の中で一番子どもをよく見てもらっています。ありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。」とおっしゃいました。問題を起こす子どもの親が学校に呼び出されると、苦情を言われていると思って嫌な気持ちになることを知っていたので、その言葉には驚きとともに安堵し幸せな気持ちになりました。「すばらしい担任ですからご安心ください。」と伝え、私は面談を終えました。担任の先生の果たした大きな役割出典 : それからひと月ほど経った事例検討会の時、担任にまだ紙粘土投げは続いているかと尋ねました。担任は、「実はもうそれをやっていない、紙粘土も乾いてしまっているし…。」と歯切れ悪く答えました。よくよく聞くと紙粘土投げを何度か行った後、カッとなって階段を上って教材置き場に向かう途中、気持ちがスーと落ち着いて教室に戻ると生徒が言うというのです。もはや紙粘土を投げる必要はないのではないか、すると、乾いた紙粘土の代わりにほかのストレス発散の手段を考える必要はないのではないかとその担任は思い悩んでいたのでした。私が「それは自分の気持ちをコントロールできるようになったという証拠。もうストレス発散は止めても良いと思います」と伝え、この対応を終わりにしました。なぜその生徒が、こんなにも早く気持ちのコントロールができるようになったのか、理由は定かではありませんが、こう推測できます。一つには中学2年生になり気持ちをコントロールする機能が成熟したことが考えられます。もう一つは担任が親身になり、対応策を考え生徒に実行させたこと自体が、生徒の自信や安心につながったことが考えられます。あるいはこの二つの相乗作用として、成熟しつつあったコントロール機能が、担任の親身な寄り添いと手段によって加速されたということかもしれません。また、子どもが落ち着いてきたことによって親子関係が良くなったり、クラスメートのからかいが減少したことも影響しているのかもしれません。いずれにしても事例研究会での相談事からはじまり、知識とスキルを発展させ、生徒の問題解決に収斂させていった担任の果たした役割は大きかったと思います。まとめ出典 : 発達障害児の概念が生まれ個別の支援が叫ばれるようになってから、教育現場では上記のような取り組みをはじめ様々な取り組みを試みています。個の教育的ニーズ(必要性)に合った教育というスローガンが空々しくならないように、教育する側も努力する必要があると思います。そのためには教師や学校に根拠に基づいて助言できる人材を増やさなければならないように思います。現在は特別支援学校に在籍する教員が各学校を回って助言する巡回コーディネータを務めていますが、さらに発達障害児童のための専門的な教員を増やすよう文部科学省も動いているようです。障害を正しく理解し正しく支援できる人が増えてみんなの知恵と力で一人一人が大切に教育される社会が作り上げられることを願っています。
2016年12月07日発達障害の娘は、いつでもどこでもマイワールド全開!そんな娘に疲れることも…Upload By SAKURA発達障害の娘は、人の目を気にせず、とことんマイペース。いきなり発動するマイワールドや、神経質なこだわりなど、周りから浮いてしまう行動をとることも多いです。これが自分の娘なんだ、娘はこういう子なんだと頭ではわかってはいても周りからの冷ややかな目を感じ、疲れてしまうことがあります。そんなとき、定期健診で主治医の先生がくれた言葉そんな悩みを抱えていたとき、たまたま発達外来の定期健診がありました。娘の主治医は、いつも的確なアドバイスを私たちにくれる先生です。その日、私は特に自分から何も相談せず、検診を終えようとしました。Upload By SAKURAすると先生は私を呼びとめ、こんな話をしてくれたのです。「親はみんな個性個性っていうけど、実際…、『個性』で我が子が他の子と違うことをしたときは、他の子に合わせようとする。みんなと同じことをさせようとするんですよ。でも、みんな生まれ持ったそれぞれの個性があるんです。発達障害の子はその個性がたくさんあるから目立つ。娘さんは『個性の塊』なんですよ。これがこの子なんです。1人の人間なんです。」この言葉に私は、ハッとしました。Upload By SAKURAUpload By SAKURA「娘の個性を、もっと楽しもう!」そう思えるようになった!娘が人と違う行動をとった時、私は心の中で少しだけ…「恥ずかしい」という思いがありました。そして、「みんなと同じようにできないかな~」といつの間にか考えてしまっていたのです。しかし、先生のこの言葉で「娘を自分の中の型に入れようとしてはいけない!」と思い直しました。これが娘の個性…。これが娘なんだ。そう考えると、もっと娘の個性を楽しもうと思えました。この言葉にとても救われた私は、娘のちょっと変わった行動も、今では楽しい気持ちで受け入れられるようになりました。Upload By SAKURA
2016年12月07日中学生の息子、友達と遊びに行くのは良いことなんだけど…Upload By かなしろにゃんこ。息子が中学生だったときのことです。当時は、毎月3000円のお小遣いを渡していました。しかし中学2年生のころからゲームセンターやファーストフード店に友達と週1回程度行くようになると、友達はもっとお小遣いをもらっているようで、遊びに行くたび「小遣いを前借りさせてくれ」とお願いをしてくるようになりました。遊びに行くのも大切な社会勉強!Upload By かなしろにゃんこ。お金を渡さないと親の財布からお金やカードを盗ることもありました。これはたまらん!と思い、息子との話し合いの末、お金を「貸す」ことにしました。ただし、高校生になったらアルバイトをして返済するルールです。子どもにお金を借りさせるなんて…と思われるかもしれませんが、今まで人間関係でつまづいてきた息子にとって、人付き合いは大事な勉強の場で、社交代は必要だと考えたのです。でも、ただお金をあげて甘やかすのはイヤですし、そんなお金は我が家にはありません。遊んだ分はきちんと返済させ、「お金を借りるって苦しいこともあるんだ」ということもわかってもらえればいいかな?と思いました。高校生になり、アルバイトを始めた息子。お金を返し始めたと思いきや!Upload By かなしろにゃんこ。高校生になるとイヤイヤではありましたがアルバイトをはじめた息子。毎月少しづつ返済をするようになりました。でも中学生時代に借りた分が返済し終わるころ、またお金を借りに来るようになりました。高校生の遊びはカラオケにキャンプにと中学生の頃よりもお高くなるようで…高校3年生、未だに借金は0になりません(笑)。そろそろお母さんローンは返済だけの受付にしようかと考えています。
2016年12月06日子どもの成長を実感できなかった私。支えになっていたのは「プランニングシート」だった出典 : みなさんは日々の子育ての中で、子どもの成長にすぐ気付く方ですか?私は日々の子育てに追われて自信を失い、子どもの成長に目を向ける余裕がありませんでした。そんなとき私を励ましてくれたのが、保育園で作ってくれる「プランニングシート」でした。自分の子育てにほんの少し自信を与えてくれたり、気付かなかった子どもの成長を実感できたりするこのシート。どんなものなのかご紹介したいと思います。これは保護者向けに園が、発達の気になる子どもの成長や目標を記録するシートです。私の住んでいる地域では園や自治体が主体で作っていて、我が家では別園に通っていた長男と次男のどちらも作っていただきました。次男の保育園では年2回、担任の先生との懇談後に目標を設定、プランを作っています。児童発達支援で作成する「個別支援計画」よりも、もっと簡潔なもので、料金は一切かかりませんでした。「個別の支援計画」とは、乳幼児期から学校卒業後までの長期的な視点に立って、医療、保健、福祉、教育、労働等の関係機関が連携して、障害のある子ども一人一人のニーズに対応した支援を効果的に実施するための計画です。シートを見て感じる、不思議な違和感出典 : 次男の進級から半年後の10月。「そろそろ、シートの評価をしましょうか」と、担任の先生が声をかけてくださいました。久しぶりに、シートに書かれた半年前の様子を見てみると、●他人への興味が薄く独り言が多い●大人とだけ関わりを持つなどが書かれていました。「…あれ?次男の半年前ってこんな感じだっけ?」なかなか半年前の様子と、人懐っこくいつも笑顔の次男とが結びつかず、不思議な違和感を感じました。出典 : そして先生が新たに記入してくださった「今のようす」には、・お友だちと平行遊びができるようになったこと・「かして」「いや」「シーシー」など3文字程度の発語で周囲に意思を伝えられるようになったことが、書かれていました。なるほど。確かに今はこんな様子だけど、こんな風に成長したのって、たった半年の間のことなんだっけ…?そしてまた、不思議な感覚を覚えます。「あぁ息子、けっこう成長してるんだな…」と。振り返ってみれば、辛い気持ちすら封印して苦しかった日々出典 : これまでの次男との日々を振り返ってみると、園や療育での送り迎えの繰り返しで、気の休まらない毎日でした。保育園では言わずもがな、療育先でもなかなか落ち着くことができない次男。「療育先でも彼は落ちこぼれなのか」と涙したりもしました。(…いえ、実は今でもします笑)周囲からは「泣いて何になる」「できていることに目を向けろ」と言われ、「辛い気持ち」を持つことさえも禁じられた気持ちになり、孤独を感じることも。必死に頑張っている子育ての中で、「障害を前向きに捉えるポジティブさがなければ失格」みたいに思われると悲しいのです。子どものことを思って動いて泣いて、それでもいわゆる「良い結果」に結びつかない日々。やっぱり私のやり方が悪かったのか、「送り迎え」に一生懸命で何も見えていなかったのだろうか…?結局は自分の満足ためにやっていたんじゃないの?そうやって自分を責めてまた涙する日々です。無我夢中で走り続けていると、気付きにくい子どもの成長。ときどき立ち止まって振り返ってみると…出典 : そうやってがむしゃらに、自分自身でも誰のために何をやっているのかわからなくなるとき、「半年の成長シート」をゆっくり眺めてみるのです。ああ、あれができなかったのはたった半年前のことなのか。ああ、ママと言ってくれるようになったのはこんなに最近だったのか。すごく、成長したんだね。そう心から思える瞬間があるのです。子育てに頑張っている私たち。ときにはその頑張りを認めるきっかけを出典 : わかってはいるけれど、悲しくなるとき。子どもの成長、自分の毎日に納得できないとき。そんなふうにふと思ってしまうことは、誰しもあるのではないでしょうか。そんなときにはプランニングシートを見直しながら、昨日と今日の、先週と今週の、誰かと我が子を比べるのではなく、半年前の我が子と今の我が子を見つめ直してみるのはいかがでしょうか。もし、利用中の園でお願いしても作ってもらえない場合には、連絡帳ノートなどにその日できたことや頑張っていたことなどを書いておくのもいいかもしれません。半年、1年後に振り返って覗いてみると、お子さんの変化や成長にきっと気付けるはずです。先生に書いていただくのもいいかもしれません。そこには良し悪しでは測りきれないような、我が子とその周囲を取り巻く人々の、たくさんの愛情が詰まっているはずです。そして、子どもの成長を支えているのは、泣いて叫んで葛藤している私たち親の存在なのではないか?と、少しの自信と勇気が湧いてくるはずです。子育てに自信が持てず、辛い思いをしている方のヒントになれば嬉しいです。
2016年12月06日お出かけ大好きな凸凹兄妹。いつも一緒に楽しく計画!出典 : 我が家の凸凹兄妹はおでかけが大好き。私も時間があるときには色々調べて外へ出かけることにしています。自分の買い物に行きたいときも、途中に子どもたちが楽しめるようなスポットを用意したり、逆に子どもたちが行きたいところへ出かけるついでに、私が買い物に寄れる場所を調べたり…子どもたちと一緒に、どこに行って何をするか相談して決めています。場所だけでなく、電車の乗り継ぎも「乗り換えがあるけど早く着けるのと、ちょっと時間がかかっても乗り換えなしで行けるのとどっちがいい?」などと子どもたちに聞いてみます。こうして、おでかけするときは、できるだけ子どもたちが楽しめるよう、余裕をもって計画しているのです。いざ、お出かけ!でも数時間後、子どもたちの様子は…出典 : こうして子どもたちと一緒に計画をして、さらにかなり余裕をもたせて休憩することなども考慮しているのですが、当の子どもたちは、自分の中の1番の興味が満たされてしまうと「疲れたからもう帰ろう」と言いだします。私の心の中は「あれだけ相談もしたし、休憩も入れたのに何で?!」「せっかく出てきたんだから、もっとあちこち寄れば良いのに…」「入場料もったいない…」という不満のオンパレード!(笑)なので、「本当にもういいの?!」「ここはなかなか来られないよ?!」「あっちの方まだ見てないよ?!」と子どもたちにしつこく確認してみるのですが、子どもたちの「疲れたからもう帰ろう」が覆ることはありません。結局、不完全燃焼な気持ちを抱えながら、私1人後ろ髪を引かれつつ帰宅します。しょうがなく帰宅してみると…あれ?「疲れた」って言ってなかった!?出典 : しかし、いざ帰宅してみると…帰宅後の子どもたちは「え?!疲れたって言ってたのはどちらさまでしたっけ?!」というほど元気なのです。そんな姿を目にして「なんだよ、まだ帰らなくてもよかったじゃないか!!」という気持ちに何度もなっていた私。そこであるとき、子どもたちに「疲れたから帰るって言ったから帰ってきたのに、なんでそんなに元気なの?」と聞いてみました。理由を聞いて納得。そういうことだったんだ!出典 : すると返ってきたのは、私の予想外の答えでした。「家に帰ってくるとホッとして、元気が出てくるんだよ。」なるほど~!外だとたくさんの刺激にさらされるから、「疲れて帰ろう」となるわけなのか。私は妙に納得しました。そして、帰宅して元気になった子どもたちの横で私はというと…疲れ果てて何もできず、ソファーに横になっているのでした(笑)。「せっかく来たんだから…」という気持ちや状況にとらわれず「帰ろう」と言えていた子どもたちに対しての、自分の情けない姿に唖然としました(笑)。私よりも子どもたちのほうが、自分の気持ちや状態をきちんと理解してコントロールできていることに気づいて、「ああ、子どもたちに偉そうなことなんて言えないな…」なんて思った出来事でした。
2016年12月04日ある朝。気分の良い息子は大声で歌い出し…出典 : 子どもの純粋な発想や言葉というのは、ときどき大人をハッとさせることがあります。ある朝のこと。ずいぶんと上機嫌な息子は大きな声で独り言を言い、歌を歌いながら学校へ行く支度をしていました。その様子は、こう書き出すと和やかな雰囲気に感じるかもしれません。ですが、息子はADHDとアスペルガーの特徴を併せもっています。その場に合わせた行動が難しく、声の大きさや気持ちのコントロールが苦手。息子の歌声は私にとっては、とても耳障りで心をザワつかせるものでした。周囲の様子に気付けない息子にとって、独り言は自分だけが楽しくあればいいという気持ちのみで、口からとめどなく出続けます。歌は音量も音程も考慮されていない「騒音レベル」の代物だったのです。この騒音、穏やかではいられない…でも出典 : 確かに歌声はうるさいですが、息子は誰かを責め立てているわけでもなく、言葉遣いが目に余るほど悪いわけでもなく、支度も進んでいました。取り立てて注意する必要はないと思いながらも、私はザワザワとする心を押しつぶして食卓につきました。ふと前を見ると、私と同じように苦虫をかみ潰したような顔をしている夫が…。目配せとため息をつきながら、「しょうがない。ガマンしよう」…そのとき、私たち2人は息子の行動に対し、おそらく同じ気持ちを感じていました。そのとき、娘の呟いた一言が私達の考えを一変させた出典 : 「お兄ちゃんが笑っていて嬉しい」娘の一言を聞いてハッとしました。そうだ。息子は機嫌が良くて心地よさそう。そして、娘はそれを見て喜んでいる。私たちは、これ以上何を望もうとしているんだろう…。いつも娘は、息子に大きな声で責められると、怖くて黙ってしまいます。でも娘は兄のことが好きで、息子は妹のことが大好き。その2人が幸せを感じているこの瞬間を、私達も一緒に感じるだけでいいのかもしれない…。そんなことに気が付いた一言でした。「そうだね、お兄ちゃんが笑ってるとみんな幸せになるね」子どもたちに気付かせてもらった、家族が笑顔になる方程式出典 : 私は最初、息子の歌声を「不快」と感じていました。それを無くすため、例えば「もう少し小さな声にして」と息子に声をかけたとすると、楽しく歌っていたはずの息子にも「不快」が生じます。そこにでき上がる公式は私の「不快」+息子の「不快」=2人の「不快」です。息子への注意によって私の不快が消える訳ではないので、2人とも「不快」を感じることになるのです。しかし、娘の投じた一言は、私の感覚を根底からひっくり返してしまう考え方でした。つまり、私の「不快」を「快」にしてしまうことにより、息子の「快」も保たれたままになり、結果として2人ともが「快」になるのです。根本の見方を変えるだけで、家族全員が楽しい気持ちのままいられるということを、2人の子どもたちから教わりました。「物事の捉え方は考え方次第」と、年長さんの娘から教わるとは出典 : 言うまでもありませんが、この朝は家族全員がご機嫌に過ごすことができました。どれだけ狭い固定概念の中にいたのだろう…と、娘に思い知らされた朝でした。だからといって、毎日自分で気が付いて、聖人君子のように息子と接することができるわけではありません。ただ、1度でもそんな貴重な経験ができたことは、これから先息子を育てていく長い時間の中で、きっと役に立つときがあるだろう、と信じてやみません。
2016年12月04日「障害児と健常児を比べるのはナンセンス」そう言っていた私自身が…こんにちは。『子どもも親も幸せになる発達障害の子の育て方』著者の立石美津子です。私の息子は知的障害を伴う自閉症です。2歳で診断を受けてから月日はあっという間に経ち、もう16歳になりました。診断された直後の私は、「息子が自閉症である」という事実を受け止めきれず、必死に治療法や教育法を探したり、周りと比べて落ち込んだり焦ったりしていましたが、その後は障害を受け容れ、「息子は息子のペースで育っていくのだ」と考えられるようになりました。そんな私は、障害のある子どもを持って悩む保護者たちに向けて、「障害のあるわが子と他の子と比べるのは、百害あって一利なし」などと、子育て本やコラムで「比べる病」に対する警鐘を鳴らすようになりました。けれども、そうやって偉そうに書いている私自身の「比べる病」が未だに完治していなかった……そんな事実を痛感させられた出来事がありました。子連れのハロウィーンパーティ、ちびっ子たちに混ざって16歳のわが子が出典 : <span><a class="linkclass" href="">先日、地域のハロウィンパーティに出かけた日のことです。パーティーは「子連れOK」だと聞いていたので、息子を連れて行きました。でも、16歳なんて年齢の大きい子は我が家だけ。周りはみーんな未就学のちびっこ達でした。そりゃそうです。健常の高校生なら、部活をやったり、恋人がいたり、友達同士で集まって遊んだりする年齢です。“親と一緒にハロウィンパーティーに行く”なんてことはないでしょう。でも、うちの子の精神年齢は、実年齢とは大きくかけ離れていて、巷の高校生と同じように青春を謳歌することができません。親しい友達もいません。だから、今でもこういう場に連れていくようにしていました。当日早めに会場に着いたので、待ち時間の間、私のスマホを渡して遊ばせたところ(※息子は携帯を持っていません)いつものように大好きな“トイレの動画”を見始めました。Upload By 立石美津子自閉症の子は限定された物事に対して強い執着を示すことが多いですが、息子の場合は、そのこだわりが「トイレ」に対して出ています。水を流す音を聞いただけでトイレのメーカーや種類が分かるほどですが、一度動画を見出すとのめり込んで止められなくなります。Upload By 立石美津子ハロウィンパーティーがスタートしましたが、相変わらず息子はトイレの動画を見続けていました。「このままスマホを見ることを許してしまうと、場の雰囲気を壊してしまう」そう考えた私は息子からスマホを取り上げました。しかし!ここでスイッチが入ってしまったのです。息子は涙を流してパニックを起こし、それがどんどん酷くなっていきました。「みんなが楽しんでいるのにまずいぞ」と思った私は、外の空気を吸いに連れ出したり、説得したりしましたが、息子のパニックは一向に収まりませんでした。完治したと思っていたのに…「比べる病」が再発出典 : <span><a class="linkclass" href="">ハロウィンパーティーに参加している3~5歳の子ども達は、席に座って楽しそうに食事を食べ、食べ終わると初対面の子ども同士で仲良く交流しています。それに比べて息子は……泣いて怒って、しまいには「死んでやる!」「電車に飛びこむ!」なんて叫びだす始末。息子は不安定になったとき、自分の身体を傷つける自傷行為も出るのですが、それだけでなく、「学校辞めてやる」「放課後ディを退会する」「ご飯をもう二度と食べない」「癌になる」「入院する」などと自分に向けて暴言を吐き、言葉でも自傷に走ってしまいます。息子をなだめながら、叫び声が周りに聞こえやしないかとヒヤヒヤしていた私の中に、黒い気持ちが広がってゆきました。「周りの小さい子でもお行儀よく座っていられるのに、どうしてうちの子は…」「比べる病」の再発です。16歳の自閉症の息子と、うんと歳の離れた小さい子を比べるなんて、ナンセンスだと頭ではわかってはいるのですが、凄く情けなく、悲しい気持ちになりました。この病はいつまで続く?息子を「情けない子だ」と思った私の心思い返せば私の「比べる病」が最も重症だったのは、息子が2歳で自閉症だと診断された直後の時期。健常児の姿を見ることが、私の最大のストレスでした。息子を保育園に迎えに行くと、他の親は保育士から「今日も一日楽しく過ごしていました」と言われているのに、私は担任から「今日も一日、保育室に入れず朝からずっと玄関にいます」と報告を受けます。「私が仕事であちらこちら訪問し、昼にはランチし、変化のある充実した時間を過ごしているのに、息子は朝からずっとこの状態なんだ」と思うと胸が締め付けられました。いつしか健常児とその家族に対する「羨ましい」という気持ちは、「妬ましい」→「憎らしい」と加速していき、異常な心理状態に陥っていきました。ついに私は鬱になり、外出するのも嫌になって家に引きこもるように。出典 : <span><a class="linkclass" href="">でも、そんな私もだんだんとわが子の特性を受け入れ、周りと比較することはなくなっていきました。だから「卒業できた」と思っていたのです。それなのに、息子が16歳になってもなお、“比べる病”は消えてはいませんでした。息子と周りの子を比べることは、ミスユニバースに選ばれる人と自分の体型を比べるようなもの。大富豪と自分の生活を比べるようなもの。バカげたことなのに、そんなことわかっているのですが……いつもは偉そうに子育てコラムなど書いている私ですが、この日は自己嫌悪に陥り、悲しい気持ちでいっぱいになりました。最後に主催者の方が息子に「今日は来てくれて本当にありがとう」と言ってくださいました。これに少し救われて帰路につきました。息子はすっかり疲れてしまいその夜はすぐに寝てしまいました。ハロウィンパーティーで、あなたのことを「情けない子だ」と思ったお母さんを、どうか許してほしいです。でも、でも……一体、いつ治るのかな?この病……皆さんの比べる病は完治していますか?出典 :
2016年12月03日ADHD長男の授業参観へ!算数の時間をのぞいてみると…出典 : 先日、小学校の授業参観がありました。長男が通っている学校は教室を1日中開放していて、好きなときに好きなだけ見てくださいという“見放題スタイル”。本当は無限の体力を持つADHDの長男が本領発揮していそうな体育を見たかったのですが、その日は体育がありませんでした。代わりに長男が大好きな3時間目の算数の時間を覗いてみると…ときどき外を眺めつつ先生の話も聞き、たまに姿勢を直されながらもきちんと席に着き、上の空になりながらもノートを取って、ワンテンポ遅れつつも挙手して発表もして…まるで小学生!(小学生なんですけどね笑)あぁ、すばらしい!頑張っている!私はとても感動し、授業が終わったあと長男を褒め、帰ろうとしました。すると長男が、「おかあさん!また5じかんめもきてほしいなー。ぼく、5じかんめがいちばんテンションあがるんだもん!」とお願いをしてきたのです。へー、そうか。テンションあがるってことは、張り切る授業なんだね!よし、じゃあ5時間目もまた来ようじゃないか。ということで、一旦帰って、また5時間目も学校に来たのです。「いちばんテンションがあがる!」という5時間目。どれどれ、その様子を見てみましょうかねUpload By ラム*カナUpload By ラム*カナUpload By ラム*カナ何度も副担任の先生に起こされたものの、起きるのは一瞬で、結局授業のラスト10分はこっくりこっくり夢の世界へ行っていたようです。おーい、テンショーンどこいったー!!帰宅後、長男に「5時間目、テンションあがるって言わなかった?」と聞いたら、「あぁ、もうすぐかえれるー!とおもってテンションあがっちゃうんだよねー!」との答え。授業内容、全く関係なかった!(笑)
2016年12月03日自閉症ってどんな障害なの?出典 : 自閉症(Autism)は先天的な発達障害のひとつで、社会性と対人関係の障害、コミュニケーションや言葉の発達の遅れ、行動や興味の偏りの3つの特徴が発達段階で現れると言われています。自閉症の人が登場する映画は、洋画・邦画問わずたくさんあります。自閉症がある主人公や登場人物が、物語のカギを握っていることもしばしばです。今回は、自閉症の人が登場・活躍するハリウッド映画やドキュメンタリー映画、日本ではあまり知られていない話題作をご紹介します。自閉症の人と周りの人々のふれあいを描く映画3作品最初に紹介する3作品は、自閉症のある人物と、偶然であった周囲の人々の関係を描いた映画です。オススメ映画1: 『ぼくはうみがみたくなりました』出典 : 自閉症の青年と看護女学生が繰り広げる心温まるロードムービー。看護学校に通う女子大生、明日美は学校をやめようか悩んでいた。一人でドライブに出た道中、ある青年と出会い、彼を海へと誘う。青年は自分の名前も教えてくれないし、一言もしゃべらない。はじめは退屈に感じていた明日美だったが、だんだん彼のことを、自閉症のことを理解していく。企画・原作・脚本の山下久仁明さんは、自閉症の息子を事故で亡くしています。この作品は「もっと自閉症のことを知ってほしい」という思いからできた自主製作映画で、全国の様々な場所で上映会が開催されました。特に自閉症の青年・浅野淳一を演じる伊藤祐貴(現在は改名して伊藤祐輝)さんの演技は非常に高く評価されています。自閉症について知識がある人も無い人も,ぜみ見てほしい作品です。この作品で自閉症に対する知識や理解が深まるというよりも,自分は人としてどう生きていこうかと考える機会になると思います。自閉症、発達障害というと、正しく理解してもらえず、誤解されがちな障害である。その障害のことを紹介しつつ、当事者の生きにくさ、支援者の苦労、偏見・差別、そられを、よくここまでまとめて作品にできたなと思う。監督: 福田是久出演: 大塚ちひろ、伊藤祐貴DVD参考価格: ¥4,104ぼくはうみがみたくなりました[DVD](Amazon)映画「ぼくはうみがみたくなりました」製作実行委員会オススメ映画2: 『スノーケーキを君に』出典 : アレックスは旅の途中、ヒッチハイカーのビビアンと出会う。アレックスはビビアンの人懐こさとユーモアに次第に心を開き始めるが、突然現れた雪上車が彼らの車に激突し、ビビアンは即死。罪悪感に苛まれるアレックスは、彼女の家族へ訃報を直接伝えに行くことにする。辿り着いた小さな町の実家には、娘の訃報に大した動揺も見せない自閉症の母親リンダだけがいた。日常を支えていた娘を失ったリンダが気に掛かり、アレックスはビビアンの葬儀の日まで町に滞在することを決意する。偶然関わり合った人たちが、お互いに心を癒し合いながら生と死を見つめ直していく。暗い過去を持つ主人公のアレックスが、リンダや周囲の人たちとかかわりながら成長していきます。最初は分かり合えなかったアレックスとリンダですが、アレックスは次第にリンダの感性を理解し始め、リンダも次第にアレックスを受け入れていく様子が素敵に描かれています。日本では劇場上映されていなかったため知名度は低いですが、とても心温まる作品です。監督: マーク・エバンス出演: アラン・リックマン, シガニー・ウィーバー, スコット・ウィックマンDVD参考価格: ¥3,000(輸入版・英語のみ)スノーケーキを君に[DVD](Amazon)オススメ映画3: 『ミリィ少年は空を飛んだ』出典 : 歳のミリィは、最愛の父を事故で亡くし、田舎町の小さな家に引っ越してきた。隣の家には、両親を事故で亡くした自閉症の少年エリックが住んでいた。学校からも社会からものけ者にされるエリックの友達になって欲しいと頼まれたミリィは、彼の心を開こうとするが…。少年と少女の心のふれあいが描かれたファンタジー映画です。80年代を代表するような青春映画として高く評価されています。自閉症について詳細に描かれているわけではありませんが、エリック少年の不思議な力や非日常的で美しい世界観、魅力的な登場人物たちに心癒されます。心閉ざしてしまった少年の、シリアスなストーリーの部分もあるけれど、優しい愛で接した少女とのふれあいが奇跡を呼ぶ。デリケートで、とてもきれいなファンタジー映画で、優れた作品だと思います。私にとって忘れがたい映画です。現代が忘れがちな大切なこと、優しく見る人に伝えてくると思います。監督: ニック・キャッスル出演: ルーシー・ディーキンズ, ジェイ・アンダーウッドDVD参考価格: ¥2,945ミリィ少年は空を飛んだ[DVD](Amazon)自閉症の子どもとその家族の絆を描いた、心温まる3作品次に紹介するのは、自閉症のある人物とその家族の関係を描いた3つの映画です。親子関係やきょうだい関係、また親族間での葛藤と歩みが描かれます。オススメ映画4: 『海洋天堂』出典 : 水族館で働くシンチョンは、泳ぐことが大好きな息子のターフーを男手ひとつで育ててきた。ある日、シンチョンはガンに冒され、余命がわずかであることを知らされる。残された時間で、自分が亡きあともターフーが一人で生きていける術を見つけなければならない。施設探しに奔走し、買い物の仕方やバスの乗り方などひとつひとつ息子に教えるシンチョン。そして最後に、息子にあることを伝える決意をする。障害のあるお子さんをもつ方であれば、誰でも心配する「親亡きあと」の問題について、真剣に向き合った作品です。監督のシュエ・シャオルー氏は、14年間自閉症支援施設でのボランティア活動をしており、このときの体験が元になっている映画です。自閉症の息子がいる父親役シンチョンを演じるのは、世界的アクションスターであるジェット・リー氏。脚本を読んでノーギャラでの出演を申し出るほどこの作品に感銘を受けたそうで、本作品ではアクションを封印して出演しています。私の住む地域では上映していなかったので、車で3時間もかかる映画館まで観に行った映画です。とても淡々と進んでいくストーリーですが、親の愛がたくさん詰まった物語でした。監督が14年間も自閉症の施設でボランティアをしていたというだけあって、ウソのない映画だったと思います。父親役のジェット・リーさんも、息子役の俳優さんもとても素晴らしかったです。私の子も、さらに重度の知的障がいを併せ持つ自閉症ですが、夫は、あの息子役の人は本当の自閉症なの?そんなハズはないよね、演技なんかできないものね。というほど違和感なく観る事ができました。親亡き後、障がいを持つ子の親がだれしも心配している事です。障がい者に関わっている人、少しでも興味がある人すべての人に観ていただきたいと思います。監督: シュエ・シャオルー出演: ジェット・リー, ウェン・ジャン, グイ・ルンメイ, ジュー・ユアンユアン, ドン・ヨンDVD参考価格: ¥4,104海洋天堂[DVD](Amazon)海洋天堂公式HPオススメ映画5: 『星の国から孫二人~「自閉症」児の贈りもの~』5年前に夫に先立たれた、作家の太田弓子は自分一人の人生を満喫し始めたばかり。しかし、娘・陽子の子どもである孫のかおるに自閉症の疑いがあるとの診断が降りる。動揺しつつも弓子は「かおるは、よその子とは違うかも知れないけど、発想は豊かだし…。あの子は星の国から来た子どもなのよ。」と、陽子を励ます。だが、陽子の義母の「こんな子はうちの血筋にはいない」という言葉は、これからの葛藤の日々を予感させるのに十分だった…。自閉症と言う見た目には分かりにくい障害について、家族や学校、地域の人々にどう理解してもらえるのか…障害のある子どものいる家族の視点から、その葛藤がよく描かれています。自閉症のお子さんがいる保護者の方なら共感できるシーンは多いのではないでしょうか。とても考えさせられた映画に思います。素晴しい作品に感動する反面、理解ある家族・地域がどれくらいいるかと思うと、大変苦労が多い現実に考えさせられます。自閉症ばかりでなく、地域の中で、子供が成長していく。人々の目で、子供を見守り、育てて行く事が大切と考えさせられました。監督: 槙坪夛鶴子出演: 馬渕晴子, 加藤忍, 比留間由哲, ミョンジュDVD参考価格: ¥15,000企画制作「パオ」(有)星の国から孫二人~「自閉症」児の贈りもの~オススメ映画6: 『くちびるに歌を』出典 : 舞台は長崎県の離島にある中五島中学校。産休に入る音楽教師の代わりに、数年ぶりに故郷に帰ってきたのは、美人な元ピアニストの柏木ユリ。嫌々合唱部の顧問になった柏木は、もともと女子だけだった合唱部に男子を入部させ、さらに混声での全国コンクール出場を決めてしまい、合唱部は大混乱に。柏木は、責任感の強い部長のナズナや、引っ込み思案だが合唱に魅せられた男子部員のサトルなど、15歳の生徒たちが人には言えない悩みを抱えており、みんなが一つになれる合唱に救いを求めていたことを知る。シンガーソングライターのアンジェラ・アキさんの楽曲「手紙~拝啓 15の君へ~」がモチーフになっている作品です。中学生の合唱部員たちはそれぞれさまざまな悩みを抱えています。男子部員の1人、サトルには自閉症の兄がいます。兄のことを思う気持ちがありながら、自分ができないことをどこかで兄のせいにしてしまう、15歳の少年の葛藤が繊細に描かれています。自閉症の兄役を演じているのは、ロックバンド「黒猫チェルシー」のボーカルである渡辺大知さんです。彼は役作りのために、実際に施設に行って自閉症の方たちと一緒にご飯を食べたり、仕事をしたり、遊んだりしたそうです。彼の演技やサトルと心を通わせるシーンは必見です。映画のテーマは人生の困難さです。15歳の少年少女たちが主人公で、少年は自閉症の兄を持ち、大切に思いつつも兄のせいで自分のしたいことができなくなっていると考えています。また、少女は大好きな母を病気で亡くし、父には捨てられています。それぞれに人生の困難を抱えていますが、演技やカメラで語られるその困難に対する感情が絶妙で、そしてとても自然に感じました。皆、真っ直ぐで一生懸命で、可愛い子たち!人一倍熱心なナズナは、家庭にある問題が…。透き通るような美声を持つ内気な男子、桑原。彼と自閉症の兄のサブエピソードが感動に一役買っている。自分が生まれてきた理由と兄への思いを綴った十五年後の自分へ宛てた手紙には、目頭が…。監督: 三木孝浩出演: 新垣結衣, 木村文乃, 桐谷健太, 恒松祐里, 下田翔大DVD参考価格: ¥4,104くちびるに歌を[DVD](Amazon)映画「くちびるに歌を」公式HPありのままの姿の自閉症を映し出す、ドキュメンタリー映画3作品次に紹介するのは、実際の事例をもとにしたドキュメンタリー映画3作品です。自閉症者を取り巻く日常の現実が描かれ、私たちの胸を打ちます。オススメ映画7: 『ちづる』出典 : 立教大学現代心理学部映像身体学科の赤﨑正和が、自身の卒業制作として撮影した作品。重度の知的障害と自閉症をもった赤﨑監督自身の妹・千鶴とその母を1年に渡り撮り続けた、みずみずしくも優しい家族の物語。最も身近な存在でありながら正面から向き合えなかった妹にカメラで対話した監督は、映画を撮り終える頃、家族との新しい関係を築きあげている自分に気づく。もともとは卒業制作として、担当教授や親しい友人たちだけに見てもらうために撮影された作品でした。しかし学内の上映会で大変な評判を呼び、立教大学の友人たちが「上映委員会」を結成。担当教授であり、映画監督・ドキュメンタリー作家である池谷薫さんの後押しもあって劇場公開に至りました。カメラの前でいつも通り天真爛漫にはしゃいだり、落ち込んだりと、ありのままの姿を見せてくれる千鶴さん。カメラを回しているのがお兄さんだからこそ、千鶴さんの素敵な表情が映し出されているのでしょう。これは“知的障がいと自閉症をもつ妹”の映画でもありますし、亡きご主人もふくめた、あるひとつの家族の物語でもあります。また、正和さんというひとりの青年の成長を(まるで、偶然のように)刻印した映画でもあると思いましたし、母親であり、ひとりの女性である久美さんの映画でもあると強く思いました。監督: 赤﨑正和DVD参考価格: ¥4,104ちづる[DVD](Amazon)ちづる公式HPオススメ映画8: 『彼女の名はサビーヌ』出典 : 女優サンドリーヌ・ボネールの初監督作品。自閉症でありながら、正確な診断を受けることなく、長期にわたる不適切なケアをうけた自身の妹に起きてしまった悲劇を公にした、心を揺さぶるドキュメンタリー。25年の歳月をかけて撮影された映像は、過去の生き生きとした若かりし頃の妹と、入院期間を経て施設に暮らす現在の彼女の「変化」を容赦なく見せつける。美しいサビーヌが年月を経て変わり果てていく過程には衝撃を受けます。監督のサンドリーヌは、この映画の目的を、「自閉症者のケアの現状について、公の機関に訴えること。少なくともその実態に目を向けてもらうこと」だと語っています。悲壮感をあえて排除し、淡々と「自閉症者と一緒に過ごす時間」を描かれた本作品は、第60回カンヌ国際映画祭監督週間に出品され、国際批評家連盟賞を受賞しました。監督のサンドリーヌが、「家族」としてだけでなく「監督」として妹を撮り続けたからこそ、この思いは果たされたといえるでしょう。自閉症の実妹を長年追ったドキュメンタリーである。今のサビーヌの不安に満ちたまなざしが印象的である。自傷や他害を繰り返し、過剰投薬の影響で太り、よだれを垂らし、不安定なままで日々を送るしかないサビーヌ。 彼女自身を含め、誰も解消できないところまで追い込まれてしまった状態を、見るしかない。多分、それしかできない。 いちばん苦しいのはサビーヌなのだ。 安定や穏やかさから遠く離れ、一度あったものを失い続けることはどんな状態であれつらいことだ。自閉症本人による手記が多々あり、自閉症をテーマにした映画も増えてきたが、これは下手な感動なんか呼ばないと思った。サビーヌの眼差しを通じて、こちらがどうすればよいのかを突きつけられる。そのために必死にこちらが受け取る必要がある。フランスは日本よりもはるかに手厚い福祉がある国だと勝手に思い込んでいましたが、この記録映画を観て、何も知らない自分を恥じました。本当に良い医療とは、福祉とは何なのだろうか、たとえ自分の親族や知人にサビーヌのような人がいないとしても、自分はどう考え、どう行動してゆけばよいのだろうか、などと、時に辛く重い気持ちになりながら最後まで観ました。監督: サンドリーヌ・ボネール出演: サビーヌ・ボネールDVD参考価格: ¥4,104彼女の名はサビーヌ[DVD](Amazon)オススメ映画9: 『able エイブル』出典 : アリゾナに住むキャサリンとマーク夫妻は、知的発達障害のある日本の少年2人をホストファミリーとして受け入れ、数カ月間、一緒に暮らすことを決めた。19才のゲン・ワタナベはダウン症、17才のジュン・タカハシは自閉症である。キャサリンとマークには、ほとんど障がいについての知識がない。果たして本当に2人と暮らしていけるのだろうか…。2人の少年が、言語も文化も違う異国の地で奮闘する様は、障害のある人々が持つ可能性を私たちに教えてくれます。ユーモアのある魅力的な2人の個性が映し出されています。「当初、小栗(監督)は、障がい者への注目を集めるために、たとえば映画『レインマン』のダスティン・ホフマンのように数を覚えることに際立った才能がある、また障がい者でありながら100メートルを10秒で走る抜ける、といった「出来る=able」が一目でわかるような登場人物を配した方がいいのではないかと逡巡したという。しかし、最終的に、小栗は、無口でどこも特別には見えないゲンとジュンを選んだ。誰か特別な障がい者の物語ではなく、どこにでもいる、でもそれぞれに特別な個性を持った少年の「可能性=able」の物語がこうして生まれた」監督:小栗 謙一出演:渡辺 元,高橋 淳, キャサリン・ルビ,マーク・ルビDVD参考価格:¥2,000 エイブル[DVD](Amazon)の会公式HP自閉症の人物の成長・活躍にハラハラドキドキする!2作品最後に紹介する2作品は、自閉症のある少年や青年本人の変化や成長にスポットを当てた映画です。オススメ映画10: 『マーキュリー・ライジング』出典 : ブルース・ウィリス主演のサスペンス・アクション。自閉症のある少年サイモンはある日偶然、国家の極秘コードを解読してしまう。事実を知った国家安全保障局にサイモンは命を狙われるが、ブルースウィリス演じるFBI捜査官アートが彼を守りながらともに逃亡する。アートはこの事件の背後にある大きな陰謀を嗅ぎ取るが…。この物語に登場する少年サイモンは、サヴァン症候群と言われる特性があり、人並み外れた高い認知能力を持っています。サイモン役を演じているマイコ・ヒューズの演技は、「本当に自閉症の子どもが演じているのではないか」と話題になるほどでした。自閉症に理解のある方が見ても納得のいく演技だと思います。自閉症についてもとても丁寧に説明されていて、かつハラハラドキドキしながら楽しく見ることのできる映画です。自閉症の小児は、情緒が内向的であり情緒不安定であるが、サヴァンとしてある種の特殊な能力を秘めていることは、他の映画でもよく描かれているが、サイモン役のマイコー・ヒューズ君の演技は、迫真に迫っており、天性の演技力を感じた。監督: ハロルド・ベッカー出演: ブルース・ウィリス, アレック・ボールドウィン, マイコ・ヒューズ, チ・マクブライド, キム・ディケンズDVD参考価格: ¥1,543マーキュリー・ライジング[DVD](Amazon)オススメ映画11: 『マラソン』出典 : 実話が元になっている韓国映画。主人公のチョウォンは、自閉症がある19歳の青年。走ることに何よりも喜びを感じている。母親のキョンスクは、チョウォンの走りの才能を伸ばそうと、かつての有名ランナーにコーチを依頼する。フルマラソン完走を目指すチョウォンと、それを必死に支える母親との感動ストーリー。母親ギョンスクの子育てには賛否両論ありますが、自閉症それ自体に加えて、自閉症の子どもを育てる大変さがとてもリアルに描かれています。息子に対して過保護になったり、逆に打ちひしがれてこりごりになったりする母親の様子が丁寧に描かれています。日本でも、この作品を原作としたTBS系テレビドラマ「感動ドラマ特別企画マラソン」(主演:二宮和也)が2007年に放映されました。冒頭で、医者が「自閉症は病気ではなく障害です」なぁんて正しいことを言う。しかも「自閉症児は意志の疎通が図れない」「だから家族が疲れます」と正確なことを言う。ちゃんと解った監督が作った映画です。だから、『治る』物語ではなく、『克服する』物語が展開します。・・・(中略)・・・主軸となるのは、母子の物語。というか、むしろ主人公は、この母親なのかもしれない。母親は、息子より1日後に逝くのが願い。しかし、その想いが息子を過保護にしたり、必要以上に物事を強いたり...。監督:チョン・ユンチョル出演:チョ・スンウ, キム・ミスク, イ・ギヨン, ペク・ソンヒョン, アン・ネサンDVD参考価格:¥4,104マラソン[DVD](Amazon)まとめ出典 : いかがでしたか?ひとくちに「自閉症」といっても症状や特徴は一様ではなく、また歩む人生も人それぞれであることが、映画で描かれる自閉症の人の姿を通して分かります。また、「天才児」というイメージで語られることもあるこの障害ですが、ドキュメンタリー作品は私たちに、世間のイメージとはまた違った自閉症の一面を伝えてくれます。映画を通して、自閉症の存在をもっと身近に感じたり、自閉症の人とその家族、周りの人々が抱える葛藤に共感したりと、新しい発見をしてみてはいかがでしょうか。
2016年12月02日テレビに近づきすぎる子どもたち。もう少し離れて、と言ってもその距離が伝わらず・・・Upload By モンズースーテレビを見るとき、画面の近くに近寄りすぎてしまう子どもたち。「もう少し離れて」と言っても伝わらず、私は何度も注意していました。そんなことが続いたある日、思い切って床に目印を付けてみたのです。部屋にテープを貼るのは抵抗がありましたが、マスキングテープなら何かあったときにすぐ剥がせます。マスキングテープは、テレビの周囲を囲むように貼りつけました。子どもたちには「この線から外側で見なさい」と伝えたところ、言いつけを守り、離れてテレビを見るようになりました。言葉で注意するよりも、目印があった方が子どもたちには伝わりやすかったようです。畳など、床の素材によっては使えないお家もあるかもしれませんが、テレビとの距離でお困りの方は、ご参考にしていただけたら嬉しいです。
2016年12月02日小2から不登校の娘は現在中学2年生。漠然とした将来への不安に、つい出た言葉は…出典 : アスペルガー症候群の診断を受けている娘は小2から不登校になり、全く勉強しないまま中学2年生になりました。勉強することを頑なに拒否し、パソコンとゲームにのめり込む日々。それでも、何も考えていない訳ではなかったようで、小5の頃でしょうか…ある日、こんなことを呟いたのです。娘「私はブラック企業しか行くところがない…」それを聞いた私は答えました。私「高卒資格がないと就職は厳しいのが現実だよ」娘「働いてお金を稼げるようになりたいよ」私「ママの経験から、コンビニでバイトするのにも小学校卒業くらいの学力は必要だと思う。学校には行かなくても、高卒資格を取るにはいろいろな道があるから大丈夫よ」娘なりに、漠然とした将来への不安を感じていたようでした。その後中2になった娘は、「そろそろ勉強しようと思う」と言い出し、日記を書いたり九九を覚えたり、電子書籍として学習できる「デイジー教科書」を読んだりと、本当に勉強をし始めたのでした。そして、「高校へ行きたい。私は通信制高校で、あまり通わなくていいところに行きたい」と、現実的な希望を描き始めたのです。娘の変化に応えるように、紹介してもらった通信制高校。見学に行くと…出典 : そんな娘の様子を、中学の支援コーディネーターの先生に話したところ、「小学校からずっと不登校だった生徒が通っている学校があるんです。見学に行ってみませんか?」と誘われました。そして地元にある小さな塾のような学校に、担任の先生と見に行くことになったのです。そこはもともと本当に塾だったところで、今は通信制高校の技能連携校になっています。技能連携校というのは、通信制高校の分校のようなところで、通信制高校と技能連携校の両方に入学することで、技能連携校の方で卒業に必要な出席日数、レポート提出、試験をすべて済ませることができるそうです。私が見学したところはとてもアットホームな雰囲気で、小さな教室がいくつかあり、授業は昼から行われていました。制服もなく、生徒さんが好きなときに来て、自分のペースで学習している様子でした。出典 : 不登校だった生徒にも手厚く、1対1で小学校の勉強から教えてくれ、心配な必要出席日数も1年に6日なので安心したのを覚えています。学園長に詳しくお話を伺うと、自身のお子さんも不登校だったそうです。当時、手をあげて学校に無理に行かせようとしたらお子さんが家出し、探し回ったこと。父親である自分自身がいいお医者さんと出会い、それまでの考え方が180度変わったことなど、たくさんのエピソードを話して下さいました。学園長の話を聞いて、「ああ、ここだったら娘も安心して学べるな…」と手応えを感じ、自宅へ戻りました。通信制高校という新たな選択肢を前に、本音を話してくれた娘出典 : 家に帰って、娘が「どうだった?」と聞いてきたので、学校の様子と学園長の話を伝えました。すると娘はこう言ったのです。「そういうところだったら不登校の子も、毎日来ない子がいるのも最初からみんなわかってるやろ?だから『不登校』とか『あの子学校来ない』とかいろいろ言われなくて済むから良い。」「小学校はみんな行かなきゃいけないから来てる。だから行かないといろいろ言われる。だけど、その学校なら目的がはっきりした人が来るから、自分のペースで自分のやりたいようにできるからいいと思った」その言葉で、娘がどれだけ今まで傷ついてきたのかを思い知らされました。そして、学校という場所の本質を突いた言葉に、感心させられたのでした。親の会で知った、不登校児のさまざまな進路のかたち出典 : 娘の本音を聞いて、ふと親の会で聞いた話を思い出しました。不登校の親の会では、すでに義務教育が終わった子の親御さんが多いのですが、そこで高校進学後の話を聞くと、様々な道があることを知りました。以下は一例です。・親の希望で通信制高校に進学したけれど、スクーリングに通えずに休学中・5年遅れて高校に入学し、現在は大学に通っている・高校はやめたけれど、支援機関を通じて少しずつ働いている・自分でさっさと高校を決め、海外の大学を卒業した…通信制高校は、面接のみで入学できるところも多いので入学するのは簡単ですが、卒業するにはスクーリングができるかどうかがポイントだと感じました。学校やスクーリング会場に登校して、先生から直接指導を受けることをスクーリングといいます。通信制高校は「自学自習」が基本ですが、勉強する中でわからない部分が出てくることや、レポートをまとめようとしても、 どうしてもうまく書けないということもあるでしょう。そこで、そういった課題をスクーリングで先生と一緒に解決していくのです。子どもの進路、親はつい口出ししたくなるけれど…出典 : 本当はまだ家で休んでいたいけれど、どこにも所属しないのは不安だし、親の期待にも応えたい…という風に、自分の意思ではなく家族や世間の負い目を感じて進学した場合、つまづいてしまうことが多いようです。でも、自分の意志で立ち上がった子どもは、何年遅れても最後までやり遂げる傾向にあるようです。娘には、何年かかってもいいから、本当に自分がやりたいと思ったことを自分の意志で選んでほしいと思っています。中学を卒業したらすぐに高校に行かなくてはいけないわけではありません。これまで、自分のペースで歩いてきたのだから、これからも自分に納得できるよう、生きていってほしいな…と願っています。
2016年12月02日息子は来年小学生。主治医から就学に向け、言われたアドバイスは出典 : 私の息子には発達障害の診断が降りています。息子が2歳頃まで、私には気持ち休まる時間がありませんでした。多動で動き回り、癇癪で泣き続ける声にどうしたら良いのか分からず、思わず「うるさい!!」と泣いてしまったこともありました。そんな息子が、来年度いよいよ小学校に入学します。自由保育の幼稚園で先生方にしっかりと支えて頂きながらのびのび育ち、困りごとは今でも形を変えて継続していますが、大変さの度合は以前と比べものにならないほど和らぎ、6年間で別人のように成長しました。しかし、就学について発達外来で相談したとき、ずっと息子を診てくださっていた医師の先生からこんなことを言われたのです。「普通級でも支援級でも、お母さんのお考えに任せます。ただ1つだけ言えることは、小学校に上がると上からガツーンと押さえつけられるような叱られ方で、一気に二次障害に陥ってしまう子もたくさんいるんです。息子君がここまで成長できたからこそ…気を付けてあげてください。」このときの先生のやるせなさそうな顔を、今でもふっと思い出すことがあります。そして迎えた就学時健診。じっとしていられない息子の衝動性はピークに達し…出典 : そして、就学時健診で小学校に息子を連れていったとき、私はこの先生の言葉を噛みしめることとなりました。ほとんどの先生たちが来年入ってくる可愛い小さな子どもたちに、穏やかでわかりやすい指示を心がけていらっしゃいました。うちの息子は、学校に貼ってあるポスターを見て先生を質問攻めにし始めたかと思えば、教室に置いてある本を読み始め、返事もせず…という場面が何度かありました。そのとき、恐れていたことが起こりました。私が受付をする間、衝動性がありじっとすることのできない息子は、健診で使う道具をパッと手に取ってしまったのです。出典 : それを見ていた受付の先生は、大きな声で「さわるな!!!」と怒鳴りました。あまりの大きな声に、私ですらビクッとしてしまいました。息子はその先生の大きな声にパニックに。その拍子にまた別の器具を触ってしまいました。先生はさらに畳みかけるように大声で「おい!!さわるな!!!」と怒鳴りました。息子の顔を見ると真っ青。その直後、体育館の床にうずくまってしまったのです。「小学校って最悪」「ぼく怒鳴られた」「怒鳴る先生がいるなら僕は小学校なんて行きたくない」帰り道、息子は真っ青な顔をしながらそう言ったのでした。子どもの成長を阻まないで…!発達障害児と関わる先生に知ってもらいたい、3つの大事なこと出典 : 健診で起きた事件を振り返り、私は学校の先生にも知っていてほしいな、と思ったことがあります。それは、発達障害児に怒鳴っても、百害あって一利なしということです。発達障害児を特別扱いしろ、優しくしろと言っているわけではないですし、発達障害児の逸脱行動を無条件に受け入れて欲しいと思っているわけでもありません。まずは発達障害児に厳しく怒鳴ると、どんなことが起こるのか?私の息子を例に挙げ、詳しくご説明したいと思います。■1. 多くの発達障害児は耳に入る音や身体に触れられることに敏感です息子の場合は聴覚・触覚・味覚に過敏性があります。女の人の甲高い声や男の人の大声は、耳元でドラを鳴らされたかのように大音量に響いているようです。耳元で大音量で聞こえる人間の声にパニックになると、指示はほとんど聞き取れないそうです。こうなると、冷静に行動することは難しくなります。■2. 気持ちの切り替えが苦手です息子は気持ちの切り替えが苦手で、怒鳴られて不快な気持ちになってしまうと、そこからなかなか抜け出すことができません。不快な気持ちをなんとかするため、パニックになるのだそうです。また、嫌な記憶は数年経っても鮮明に残り、フラッシュバックとなって本人を苦しめ続けます。息子はこのフラッシュバックの影響で、新しいことにチャレンジしようという気持ちがなかなか起こらないようでした。■3. 極端な考え方をする傾向があります発達障害の子は極端な白黒思考の子が多いようです。息子も1度嫌なことがあると、「ここは嫌な場所だ」とか「先生に怒鳴られた自分はダメだ」という考えになり、後からどれだけ励まそうが説明しようが、辛い記憶に引きずられて一気に思考がネガティブな方向へ傾いていきます。それまで「この場所は楽しいところだ」と思えるよういろいろな準備や工夫をしていても、1回嫌な体験をしたら、その思い出は嫌な記憶になるようです。このネガティブ思考を、程よいところまで戻すためには、たくさんの励ましと成功体験が必要になってきます。怒鳴るより簡単!発達障害児に伝わる、指示のコツ出典 : 発達障害児に指示をする場合、怒鳴って言い聞かせるよりもずっと簡単な方法があります。それが、CCQというテクニックです。CCQとは、C(Calm) = 穏やかな声でC(Close) = 子どもに近づいてQ(Quiet) = ゆっくりと話してというものです。うちの息子も、このテクニックを使えばすぐに理解し、サッと指示を聞いてくれます。私たち親が発達障害児を育てる中で、怒鳴りたくなることは日に1度や2度ではありません。でも、怒鳴ったところで自分も子どもも辛いだけだとわかっているので、「どうしたら怒鳴らずに、育てていけるか?」ということに日々頭を悩ませています。子どもの笑顔と成長を促すため、必死に悩み、育ててきました。だから正直、簡単な気持ちで怒鳴らないで欲しいな…と思うのです。学校の先生、どうかパニックになっている子どもたちを、行儀が悪いと睨みつけないでください。適切な方法で指示を出せば、子どもも落ち着いて行動できるでしょう。もし指示がわからなかったとしても、穏やかに話しかけられれば、パニックになることはグッと減るはずです。子どもの成長を願うのは、親も先生も同じ。そのための方法は、1つとは限らないと思います。
2016年12月01日夫と今までにないくらいの大ゲンカをした夜のことUpload By 553kmn(こころ)我が家には自閉症の娘がいます。ある日、夫と大喧嘩をした夜のことです。いつもお互い言いたいことは言うので、喧嘩にまで発展することはほとんど無いのですが……この日はこれまでにないくらい激しい言い争いをして、「今日は絶対に口聞かない!」なんて思っていました。お互い無言を貫こうとしたそのときでした。お互い意地を張ろうとした瞬間、私たち夫婦が見たものは…Upload By 553kmn(こころ)Upload By 553kmn(こころ)自閉症の娘が、DVDを見ながら音楽に合わせて初めてジャンプをしたのです…!娘は運動発達が遅れていると言われていて、まだ走ることやジャンプができませんでした。この驚きと嬉しさを共有したくて、気がついたときには喧嘩のことをすっかり忘れて夫に「見て…!」と話かけていました。Upload By 553kmn(こころ)娘を見て夫も驚いていました。でもあの日以来、娘がジャンプをするところは1度も見ていません。あのタイミングでのジャンプ、もしかすると娘は私たちに仲直りして欲しかったのかな…。娘の成長を目撃したことをきっかけに、意外な形で夫と仲直りしたのでした。
2016年11月27日少年マンガから飛び出した!?身近にいるいる、こんなタイプ!出典 : 「あわてんぼさん」…それは、目的地に着いたと思ったら2秒でいなくなり、思い立ったら即行動!後先考えずにフライング。向こう見ずで、ちょっぴり血の気も多いトラブルメーカー。見ているほうは、いつも心配しっぱなしで、ハラハラドキドキ。とにかく危なっかしくて、気の休まるヒマもありません。でもね、本当はそんな「あわてんぼさん」は、不動の人気を誇る少年マンガ「ワンピース」の、夢と冒険に生きる主人公・ルフィのように、行動力とバイタリティに溢れ、仲間思いの頼りがいのある人物なのかもしれません。そんな健全な少年マンガの王道をゆく「あわてんぼさん」のトラブルを減らすために、親や周りの人達ができる接し方のコツと、自分でも簡単にできる自己管理の工夫を、楽々かあさんこと大場美鈴がお伝えします。あわてんぼさんの短所を長所に「凸凹変換」すると…?Upload By 楽々かあさん一見、後先考えないような印象の「あわてんぼさん」は、実はめちゃくちゃ頭の回転が早いのかもしれません。「思考のスピード・オーバー」。それが「あわてんぼさん」が慌ててしまう理由のようです。時に、自分自身の思考の高速スピードに、身体や言葉がついていけず、ドンガラガッチャーン!と「自損事故」や、途中で「エンスト」したり、つい言い過ぎたり手が出たりで「衝突事故」になることも。「あわてんぼさん」はF1カーのように、ハンドル操作やブレーキングの難易度が高いのです。自分でも、頭の考えについていくのに必死で、猛スピードで目的地までの最短直線距離を突っ走り、高速道路の走行と同じく、周りが見えにくくなってしまいます。出典 : でもこれは、見方を変えれば「行動力・決断力がある」とも言えますよね。瞬間的に判断し、それを即・行動に移すことができる、頼りがいのある長所としても見ることができます。そして、「あわてんぼさん」は感情が素直に顔や態度に出やすく、お説教もどこ吹く風。ウジウジといつまでも昔のことを引きずらない、カラッとした「立ち直りの早さ」もあるようです。また、いつも動き回っていれば体力も自然とついてきます。長所を活かせば、タフで頼れるナイスガイなのです(勿論、女性もです!)。また、「うっかりさん」と「あわてんぼさん」のハイブリッド・カーのタイプは、まさに破壊と創造。持ち前の好奇心の強さと想像力、それを実現できる行動力とエネルギーで、時代の先端を切り開いていくようなパワーがあります。前回の「うっかりさん」の記事も併せてご参照下さいね。出典:Facebook記事「凸凹変換表」(初出:2015.12.25)「凸凹変換表」の無料ダウンロードは、楽々かあさん公式HPより。あわてんぼさんがスピードダウン!一旦停止できる、接し方のコツと声かけUpload By 楽々かあさんもしかしたら、エネルギッシュな「あわてんぼさん」に毎日つき合う家族や仲間達は、休む間もなく振り回されて、クタクタになっているかもしれません。実は、新幹線には新幹線の、ジェット機にはジェット機の専用ブレーキがあるように、「あわてんぼさん」にも、圧倒的な馬力に見合ったブレーキと制御システムが必要なのですが、本人の努力や頑張りだけでは、自分のエンジン出力に追いつかずブレーキをかけられないこともあります。新幹線やジェット機には、副操縦士がいますよね。これと同じように、「あわてんぼさん」がスピード・オーバー気味の時に周囲の人が、ちょっとだけブレーキの手助けをしてあげることで、スピードダウン・左右確認できると、もっと安全運転しやすくなるかもしれません。出典 : 実は、「あわてんぼさん」のブレーキを補助するのは、ちょっとした声かけで大丈夫なんです。【落ち着かせる声かけ】◇「ゆっくりでいいよ」「待ってるよ」「大丈夫だよ」「あわてんぼさん」は、穏やかでシンプルな声かけで、アクセルが緩みます。NGなのは、「早く!早く!」と急かすこと。ただでさえ頭の中は猛スピードなのに、更に急がせてしまうと、事故率がUPしてしまいます。でも、こちらにも都合がありますよね。学校の登校班には集合時刻があり、お仕事には締め切りや納期がありますから。そんなときは、◇「あと3分しかない!」→「あと3分待てる」と、伝え方を肯定的に変換するだけで、かえって効率UPできると思います。また、高速走行では視界が狭くなるのと同じで、「あわてんぼさん」は集中し過ぎると、周りに気付きにくくなってしまいます。そこで、視野を広げて状況に気づかせたり、一旦停止を促して考えをまとめます。【左右確認する声かけ】◇「ちょっとこれ見てくれる?」「今、時計は何時?」「みんな今、何してる?」「具体的に」視線を動かして視野を広げると、周りに気付きやすくなります。また、親しい人の場合、肩や頭のつむじを、軽く指でつんつん、トントンとして気づかせる、などの手も使えます。出典 : また、「あわてんぼさん」は、いいことを次々と思いつくと、相手が「わかってる・知ってる」前提で夢中で話し、先へ先へと進んで、周りがおいてきぼりになってしまうこともあります。そこで…【一旦停止する声かけ】◇「それってつまり、◯◯ってこと?」「~まではわかったんだけど、◯◯っていうのは、例えばどんなこと?」…と、助手席役の人は、時々話を復唱して要点をまとめたり、内容確認して「具体的に」立ち止まって考えるように質問してあげると、話がわかりやすくなるかもしれません。そして、事故防止に大事なのは、時々休憩させること。実は、「あわてんぼさん」は集中すると、自分自身の疲れにも気付きにくい場合があります。本人は、動いていたほうがストレスが溜まらないのですが、いくらタフでも、頑張り過ぎれば疲れが溜まります。でも、集中し過ぎていると、なかなか自分では高速道路を降りられないんです。そんな時には…【休憩を促す声かけ】◇「ちょっとおやつタイムにしようか?」「トイレ休憩、大丈夫?」「どこまでだと、キリが良さそう?」…など、感覚に訴えたり、相手の世界に話を合わせながら、時々サービスエリアに寄って休憩し、ゲージを確認して給油すれば、突然「ガス欠」になることを防げます。こんな、ちょっとした声かけと接し方で、お互いに安心・安全で快適なドライブになると思います。もう事故らない!頭の交通整理とナビで、安全運転できる身近な工夫Upload By 楽々かあさん「あわてんぼさん」が事故らないために、自分でもできる身近な工夫は、頭の交通整理とナビゲーションです。先の見通しをつけるのが苦手なところのある「あわてんぼさん」、「具体的に」ほんの少し未来を想像したり、大事なことを思い出せるようにするといいと思います。【思考の交通整理をする工夫】・思いついたことをマインドマップや、ふせんメモに書き出し、並べて配置して眺め、全体を把握する。書き出したアイデアを分類したり、一覧表にまとめるのも良い。・ふせんやリストに、メリット/デメリットなどを書き出して点数をつけ、ものごとを両面から比較検討する。【環境の交通整理をする工夫】・個室ブースやついたて、カーテン、ヘッドフォン、耳栓、PCメガネなどで、情報量を減らして、集中しやすい環境にする。・よく忘れることや間違うことに、マークやアイコンで標識/貼り紙などをして、気をつけることを「見える」ようにする。・電車やバスの車掌さんの指差し確認(指差喚呼)のように、注意/安全確認するフレーズで、(心の中でもいいので)復唱/点検する習慣をつける。(例:「持ちもの確認。カギ良し、サイフ良し、ケータイ良し」「戸締まり確認。火の元OK、窓OK、ドアOK」等)出典 : 【安全性を高めるための工夫】・すぐにいなくなる小さな子には、GPS搭載の子ども用ケータイや腕時計型の携帯端末、リード付きリュックやハーネスなど。・すぐにいなくなる大人の場合は、愛する家族やパートナーの写真等の「お守り」を、待ち受け画面など、いつも見える所に置く。【計画的に実行する工夫】・工程表や計画表を作る。スモール/ステップで「具体的な行動」にわけること、ゴールはどこか目的地を明確にするのがポイント。・「うっかりさん」同様、完成図で全体を把握したり、手順カードやマニュアルの掲示、ふせんで優先順位をつけることも有効。そして、「あわてんぼさん」の方も、時々は心配しながら見守っている家族や周りの人達に、「元気だよ」「大丈夫だよ」と伝えて、安心させてあげて下さいね。頼りになる!圧倒的なパワーとリーダーシップのある「あわてんぼさん」出典 : 仲間達の協力を得て、自分の運転上手になった「あわてんぼさん」は、もう、危なっかしいトラブルメーカーではありません。そう!「あわてんぼさん」は、そのあふれるエネルギーを効率よく活かせれば、行動力と決断力があり、それを実行できるバイタリティ、失敗してもへこたれないタフさを兼ね備え、強力なリーダーシップを持った、頼れるキャプテン・タイプなのです。そして、頭の回転スピードに行動が追いついて、本来の実力が発揮できると、自信が持てて気持ちに余裕が生まれます。すると、それまで自分のことで一杯いっぱいで気付かなかった「あわてんぼさん」の周りの家族や仲間達のことを、大事に全力で守っていけるんです。ジェット機のように多くの人たちを乗せ、飛び立てる、圧倒的なパワーのある「あわてんぼさん」。時々休憩しつつ、安全運転でよい旅を!きっとそこには、新世界が広がっているでしょう。次回の楽々かあさんコラムは「マイペース君」編の予定です。お楽しみに!参考書籍:著書「発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母の毎日ラクラク笑顔になる108の子育て法」記事で使用のイラストは、「楽々かあさん公式HP」より無料ダウンロードできます
2016年11月26日食欲の秋!芸術の秋!わんぱく息子を連れて出かけたは良いけれど…出典 : 秋って地元のイベントが目白押しな季節です。作家さんたちのマルシェ、農協や商工会のお祭り、図書館でのイベントと、色んな場所で週替わりに楽しいことがあり私もわくわくしてしまいます。でも、我が家の小1長男(ADHD)と年中次男(お調子者)はそんなものには目もくれず…騒がしく、相変わらず遊ぶことにしか興味がないご様子です。先日、野菜の直売所の感謝祭があったので、息子たちを連れてお出かけしてきました。目玉は何と言っても新鮮で安いお野菜!それから無料の豚汁や、つきたてのお餅や、地元の食材を使ったお菓子…。個人的には非常に心躍るイベントで、わくわく気分でお出かけしました。しかし!…はっ、しまった!内容としては息子たちが食いつくには少し足りない…!!予想通り、全然満足できていない様子の息子たち…でもふと気がつけば、息子たちの周りにはこんな光景が広がっていました。…あれ?今日何しに来たんだっけ??Upload By ラム*カナおかしいな、直売所の感謝祭に来たはずなのに、なぜこんな光景が…?えぇ、理由は『そこに水場があったから』これに尽きます!え?11月?ちょっと寒いよね?そんなのは関係ありません!穴があったら入りた…もとい、水があったら遊びたい。そんな息子たちなのです。あぁ、水遊びにきたわけではないのに…。でもね、突然の水遊びでも大丈夫。この子たちの母ならね…Upload By ラム*カナ行き先がデパートでも図書館でも直売所でも、持ち物に着替えとタオルとビニール袋は、基本中の基本であります!そして車の中には替えの靴。いつ砂場にダイブしようとも!いつ水たまりに寝そべろうとも!いつでも対応できる母でありたいな、と思う私なのでありました。
2016年11月26日負けず嫌いの長男がすごろくでビリに!そこに現れた救世主のそらくんUpload By モンズースーUpload By モンズースー大人と取り組むすごろくで、集団で遊ぶ楽しさを知った長男。この日は初めて同年代の子と一緒に、すごろくをやりました。最初は優勢だったのですが、負けたくない相手がまさかの1番でゴール!想定外のできごとに号泣し、ゲームを続けられなくなりました。このままではすごろくが嫌いになってしまうかも…と心配していたら、その日の午後、果敢にリベンジに挑んでいました。でもまた負けそうに…そんなとき、上級生のそらくんが、たくさん励ましの言葉をかけてくれたのです。おかげで、ビリとなった長男も楽しくすごろくを終えることができました。そらくんは去年、誰よりも1番になりたい、勝ちたい気持ちが強く、そのためにトラブルになることも多かった子です。そらくんは意識して言ったわけではないかもしれませんが、普段あまり話さない彼が、たくさん励ましの言葉をかけてくれたのは、去年周囲から同じ言葉をたくさんかけてもらったからなのかな…なんて思いました。成長したそらくんの姿を見て、長男も来年変われたらいいな…と思えました。
2016年11月25日親の会で偶然出会った大学の先生。その研究内容に興味津々!出典 : 読み書きが苦手なお子さんの場合、どんな学習方法やツールを選べばいいのか?悩む親御さんも多いと思います。今回は、お子さんの苦手に合わせてカスタマイズが可能な、パソコンやタブレット端末で利用できる図書の1つ「デイジー教科書」というものをご紹介したいと思います。以前、発達障害の親の会で「マルチメディアデイジー教科書」の研究をしている、大学の先生とお会いする機会がありました。私はこの研究に興味を持ち、勉強会に参加させていただくことに。これは、パソコンやタブレット端末で使う電子書籍の1つで、音声と文字と画像を同時に再生することができます。先生はこのシステムを利用し、教科書を読むことが苦手な子どもの、読んで理解する力を伸ばす研究を行っています。会場ではiPadに入れたものを体験したのですが、操作も簡単で直感的に使えるので、スマホなどに親しんでいる今の子どもたちには、とても使いやすいだろうな…と感じました。娘にも触らせると、説明書も読まずにどんどん使いこなしていましたよ。「すごい簡単」と言っていました。デイジー教科書でどんなことができるのでしょうか?その多機能ぶりがスゴいUpload By ヨーコマルチメディアデイジー教科書でどんなことができるのか、簡単にご紹介します。これは、パソコンやタブレットで教科書や一般図書を再生することのできるシステムです。その使いやすさの秘密は、①文字・音声・画像を同時に再生する②音声で読み上げる部分の文字がハイライトされる③読むスピードを変えることができる④文字の大きさ・文字色・背景色も細かく変えることができる⑤章・節へのジャンプも簡単などなど、1人ひとりの理解力に合わせ、再生方法がカスタマイズできる点にあります。娘は中1の英語と国語の教科書、1冊の絵本の英語版と日本語版を使っています。娘にディスレクシアはありませんが、小2から不登校なので、英語は読めません。しかしデイジー教科書なら、今どこを読んでいるのかハイライトで表示しながら、音声で流ちょうな発音の英語が流れてきます。また、普段聞きなれない難しい古文なども読みあげてくれるので、苦手意識を持つことなく、興味深そうに音声を聞いていました。読むことが苦手な子が使った場合、どんな効果が期待できるの?出典 : まず、読むことが苦手なお子さんには、以下のような困りごとがあるようです。・読むときの大半は、一字一字拾い読みになる・字を飛ばしたり、間違った読み方をする・読めても、内容が理解できない・授業がわからないから、学校に行きたくなくなる・紙の教科書が読めないだけで、自分は勉強ができないと思いこんでしまうデイジー教科書を使うことで、以下のような効果が期待できるそうです。・音読の困難さが軽減される・子どもが自分で、勝手読みに気をつけやすくなる・教科書に振り仮名を振るなどと言った、保護者の負担が軽減される・予習で使っていた場合、授業中につきっきりにならず、担任の負担が減る学校で使うことを認められなかった場合、自宅で活用しても出典 : 娘が籍を置いている中学校で、電子教科書の話をしたところ、先生方はその存在を知りませんでした。他の方の話を聞いていても「お宅のお子さんだけ特別扱いはできない」「教員に知識がないので」といった理由でタブレットの持ち込みを断られるケースもまだまだ多いようです。学校で使うことができれば1番いいのですが、無理なら家庭で使うだけでも大きな効果が期待できるようです。特にオススメしたいのは、授業の前に家で予習に使うことです。あらかじめ音声読み上げで内容を把握しておくことで、授業中の理解度が全く違ってくるのだそう。娘は不登校ですので、家庭学習のみに使っています。これまで、教科書を見るのも嫌がっていた娘ですが、「iPadに教科書がまとめて入っているから便利。だから勉強しやすい。」といっています。九九を覚えたり、日記を書いたりという取り組みと合わせ、週に3、4回勉強しています。利用は無料。実際に使ってみましょう出典 : マルチメディアデイジー教科書 申請方法1. 上部URLを開くと、「デイジー教科書申請フォーム」という赤いボタンがあるのでそれをクリックします。2. 申請フォームを開き、名前、メールアドレス、自分で決めたパスワードを打ち込んで登録すると、申請できる状態になります。(丁寧な説明がのっています)3. 申請理由は、「読み書きが困難なため」でOKです。保護者でも、使う本人でも申請できます。1度承認されたら、教科書の追加は簡単です。4. 申請が承認されると、約1週間以内にメールが届きます。それで手続きは終了です。ちなみに申請できる教科書は、現在の自分の学年とそれから下の学年の分です。たいていの教科書会社に対応しているので安心ですね。パソコンでデイジー教科書を使うためのソフトは、「デイジーポッド3」というものを使います。このソフトで教科書データのダウンロードから再生までできるようになっています。以下のURLからソフトをインストールしてみてください。 PC で使用する場合実際にダウンロードして操作してみました。デイジーポッド3をダウンロードして立ち上げると、申請の承認メールに書いてあるログイン名と自分で決めたパスワードを入力する画面になります。入力すると、こんな画面が出てきます。Upload By ヨーコまず、ダウンロードタブをクリックして、教科書を選んだところです。ページの左隣にチェックを入れ、ダウンロードボタンを押します。ダウンロードが終わったら、再生タブを押します。するとダウンロードした教科書の見出しが出るので、好きなところを選んで再生ボタンを押します。もちろんiPadでも同じような手順で使うことができます。iPadで利用したい方は、以下のURLをご参照ください。 / iPhone / iPod touchで使用する場合勉強嫌いでも、ツールを変えれば好きになるかも!?出典 : DAISYのホームページでは、わかりやすい動画も載っていますので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。我が家では、マルチメディアデイジー教科書を取り入れたことによって、ちょっとした隙間時間に教科書を読むことが増えました。それがきっかけで、ノートとペンを使った学習にも抵抗がなくなってきたように思います。
2016年11月25日子育て楽じゃありません
細川珠生のここなら分かる政治のコト
私の愛すべき家族