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わが家の子ども達は、聴覚・視覚・臭覚が過敏で…出典 : 我が家の凸凹兄妹には、聴覚や視覚、嗅覚などにそれぞれ過敏があります。でも、それと同時に持ち合わせているのは「鈍麻」。刺激を欲し、自分で自分に刺激を与えることによって、集中を維持したりしているようです。これは兄の方が顕著で鉛筆や爪、何も噛むものがなければその辺にあった紙類をガムのように噛んでいたり、伸ばした髪の毛を絶えず口に入れていたりします。そして2人とも、大きな変化や絶叫マシンなどの大きな刺激は嫌うわりに、「目新しいもの」「単純ではない、ちょっとした刺激が持続するようなもの」「変化に富んだもの」を好む傾向があります。単調なものでは飽きて多動になりがちなのです。先日、子ども達の大好きな「山登り」へ出典 : 先日、兄を連れて山に登った時のことです。彼は山登りが好きで、これまでの登山ではけっこう高度なルートの山道を歩いてきました。今回のルートはほぼ舗装路で、傾斜は急ですが初心者が普通の靴で登れそうなルート。当然、私を置いてスタスタと登ってしまうのだろうと思っていました。しかし、歩き始めてすぐに「疲れた」と文句を言い始めた息子。その後ずっと文句を言い続け、私もなだめたり励ましたり、時には叱ったりでグッタリ。ドッと疲れた後半、山道の様子に変化が。すぐ脇が崖だったり、木の根や岩がむき出しだったりする未舗装の道にガラリと変わってきました。すると…それまでとは別人のように、息子はイキイキと歩き始めました。一見、多動や不注意もある彼を歩かせるには、危険のように思える険しい道です。そんな彼の様子を見て私は、「こんなところにも彼を満たす刺激があったのか!」と合点がいきました。運動音痴な息子。でも山登りは上手。なぜ?Upload By Chie彼は、基本的に近所を歩く時も「道なき道」を好んで歩くタイプ。歩道脇の草の生えているところや、植え込みのような所の中、1段高い場所や、除雪されていないところ、水たまりのど真ん中…そんなところを楽しんで歩き、山登りも大好きで上り下りもハイペースなのです。私が変なところに力を入れながら慎重に歩くような場所を、いとも簡単に歩いていきます。ですが、いわゆる「運動競技」となると全く様子が違い、走り方もなんだか変、球技も苦手、鉄棒も跳び箱も苦手、体も固く筋力もバランス感覚もどこへ行った?という状態です。「あんなに険しいところを上手に歩くのに、何で運動音痴なの?」なんて今まで思っていたのですが、運動能力も云々よりも、彼の場合「退屈か?刺激的か?」の影響が大きかったようなのです。注意力散漫の原因の1つは「退屈」だった!出典 : いつも刺激を求める兄妹にとって、単純に「ただ歩く」というのは退屈きわまりなく、集中力の置き場に困ってしまう。また、騒々しい街中は刺激でいっぱいですが、視覚や聴覚が刺激されるばかりで「歩く」ということがおざなりになってしまう。それらのことが原因なのか、・何もないところでコケる・普段みんなが避けて通るような障害物に簡単にぶつかる・楽な道なのに、すぐ疲れたと言うということがよくあります。その点、山歩きなどは刺激のほとんどは「歩く」ことに直結しています。余分な刺激がない環境下、自分の身体をしっかりと意識することもでき、目に入るものも適度に好奇心を刺激してくれるので、退屈すると多動になる子どもにとって山歩きはとてもいい遊びだと改めて思いました。もしお子さんが退屈に疲れ、刺激を求めているな…と感じたら、まずは近所の木々の間や公園の脇、歩いてみませんか?
2016年07月26日小学校の体育の授業って結構大変!?Upload By 荒木まち子Upload By 荒木まち子腕の力がない!鉄棒の授業は1年生からありますが、我が子の学校では「逆上がり」の練習が始まるのは2年生からです。1年生の「前回り」や「豚の丸焼き」はクリアしたものの、腕の力が弱い我が子にとって「逆上がり」は難しく“補助板”や“くるりんベルト”が必須でした。放課後の校庭や近所の公園で必死に練習しましたが、補助具無しでは・足を真上に蹴り上げること、・腕の力で体を鉄棒に引き上げることがどうしてもできないのでした。出典 : 出典 : 「ま、出来なくてもいいか」で収めた私。でも娘は…そこで登場するのは、我が家で定番の「逆上がりは出来なくても生きていけるしね。」「逆上がりの単元が終われば次は比較的得意なマットの単元だし」「ま、いいか」でした。出典 : しかし4年生になったころ、娘は室内用のジャングルジムを見て「逆上がりができるようになりたいから、このジャンルジムを使って練習する」と言い出しました。2年生の時どれだけ練習しても出来なかったので、もうあきらめていたと思っていた私はビックリ。「実はずっと逆上がりできるようになりたいと思ってた。でも練習しているのを友達に見られるのだ嫌だったんだ。これなら家の中で練習できるから恥ずかしくない。」その時、娘は心の底では「ま、いいか」とは思っていなかったことに私は初めて気が付いたのでした。特訓開始その日から娘の逆上がりの練習がはじまりました。最初は鉄棒部分を壁に寄せ、壁を補助板代わりにし、私は勢いで鉄棒がずれないよう毎回押さえながらの練習です。毎日練習を続けるうちに娘の手にはマメができました。そのマメが潰れても、娘は練習をやめませんでした。2年越しの夢が叶う時そしてその日は突然やってきました。練習を初めて1ヶ月ほどしたある日…“くるん”娘は何の補助もなく、逆上がりができたのです。「諦めないで良かった!」と娘。「そうだね。時間がかかっても諦めなければ希望は現実になるんだね!おめでとう!!」ちょっと涙目の母なのでした。
2016年07月26日ハンチントン病とは?出典 : ハンチントン病とは、運動症状・精神症状などの症状がみられる遺伝性の神経変性疾患で、国の指定難病にされています。平均30歳~40歳頃に発症する方が多く、症状は本人が気づかないうちにいつの間にか始まっていることが大半で、約15年をかけてゆっくり進行していきます。アジアでの発症確率は10万人に0.4人と、比較的稀な疾患です。運動症状としては、不随意運動(舞踏運動)によって手足が自分の意思とは関係なく動く、精神症状としては苛立ちやうつ状態が続くことなどがあります。これらの症状は時間に伴って進行していきます。参考書籍:日本精神神経学会/監修『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』医学書院/刊ハンチントン病の症状出典 : ハンチントン病の症状には運動症状と精神症状があり、初期・中期・後期と症状が進行していきます。しかし、人によって症状の程度には個人差があり、またすべての症状が発症するわけではありません。不随意運動(舞踏運動):自分の意思とは関係なく体が運動することを不随意運動と言います。ハンチントン病では、手足を勢いよく曲げたり伸ばしたりする動き、頭部を回したり伸ばしたりする動きや、舌を出したり、しかめ面をしたりなどの表情の動きなどがみられます。進行するにつれて、歩行・食事・着脱・排泄等も難しくなり、介護が必要になることがあります。短気・いらだち・うつ状態・不安・無気力状態等の症状がみられます。進行するにつれて症状は悪化していきます。認知能力が低下し無目的な言動が増えてきます。また、抑うつ状態が続くせいで、自殺を図ろうとすることもあります。精神症状も進行すれば介護が必要となることがあります。Upload By 発達障害のキホン症状の発症や程度には個人差があり、運動症状は初期症状でも、精神症状は中期症状等というように、症状のパターンは様々です。また上記の症状以外の症状も発症する場合があります。ハンチントン病の原因出典 : ハンチントン病は、第4染色体に局在する遺伝子(IT15 またはハンチンチンと呼ばれます)の繰り返し配列の異常によって引き起こされます。第4染色体の遺伝子の通常の繰り返し配列の長さは26回以下ですが、ハンチントン病の方は36回以上と染色体が伸長しています。この反復配列の数の長さによって発症年齢が決まり、伸長するほど若い時期に発症するといわれています。また、ハンチントン病の主な症状である不随意運動(舞踏運動)は、脳の一部で随意運動を司っている大脳基底核と大脳皮質が萎縮することで発症します。ハンチントン病は常染色体優位性遺伝といって、発病の原因となっている遺伝子が親から子に伝わる病気です。両親のうちのどちらか一方がハンチントン病の原因遺伝子を持っている場合、子どもには50%の確率で遺伝します。ただし、祖父母から孫に世代をまたいで原因遺伝子が遺伝することはありません。ハンチントン病の診断基準は?出典 : ハンチントン病の診断基準は問診や画像検査によって分かることがあります。また、受診機関もその時々の症状に合わせて横断的に受診し、専門医にも診てもらうことをおすすめします。ハンチントン病の診断は主に問診によって行われ、家族歴、臨床所見により臨床判断が可能です。しかし、確定診断は遺伝子検査により診断されます。■家族歴:近親にハンチントン病を患った方がいるか、または神経疾患や精神疾患がある方がいるかどうか。ハンチントン病の原因は親から子への遺伝によるものです。したがって、近親でハンチントン病になったことがある方がいるかどうかを問うことがあります。■特徴的な臨床所見:上記で述べたようなハンチントン病特有の運動症状(不随意運動)や精神症状を自覚または他覚できるかどうか。初期症状では日常生活中のふとした瞬間に手が震える等の軽い不随意運動が起こります。初期症状を他覚するのは難しいですが、自覚があるならば問診時に話してみることをおすすめします。神経内科や精神科を受診して、専門医に診てもらうことをおすすめします。近親にハンチントン病の方がいらっしゃる場合には、その旨を医師にお伝えください。■CT検査・MRI検査ハンチントン病の不随意運動(舞踏運動)は脳の一部の大脳基底核と大脳皮質の異常により生じるため、CT検査やMRI検査を行います。さらにこれらの検査は他の病気である可能性を否定するために行うものとされています。また、うつ病の方は共通して大脳基底核と大脳皮質の萎縮が見られますが、これらの特徴がうつ症状にどのように影響しているかはまだ分かっていません。■遺伝子検査確定診断のために遺伝子検査を行います。近親にハンチントン病の方がいて、ご自身にも自覚症状がある場合には遺伝子検査を受けることをおすすめします。近親にハンチントン病の方がいるが、ご自身に自覚症状がない場合は、遺伝カウンセリング等を受けることが一般的にすすめられています。ハンチントン病の治療法出典 : ハンチントン病の原因治療はなく、対症治療がメインになります。主に薬物療法を用いて運動症状・精神症状を和らげています。不随意運動(舞踏運動)の治療薬には2013年から使用が許可されたテトラベナジンがあり、精神症状には抗精神病薬を使用しています。参考サイト:テトラベンジン添付文書ハンチントン病と診断されたら…出典 : ハンチントン病が進行するにつれて、自分の意思を伝えることが困難になってきます。そのため、本人が自分の意思・希望を伝達するための方法を確保することが重要です。また、難病指定がされている疾患のため、医療費の助成支援を受けることもできます。以下では、診断を受けたらしておくと良い手続きなどをご紹介します。事前指示書とは本人が医療についての決断を下すことができなくなった場合に、医療についてのその人の希望を伝達するための文書です。以下の文書を作成し、手続きを行っておくと自分の意思や尊厳を優先することができます。■リビングウィル医療に関する患者の指示や希望をあからじめ表明した文書■医療判断代理委任状本人が決断を下すことができない状態に陥った場合に本人の代わりに決断を下す(代理人)を指定するための文書参考サイト:メルクマニュアル医学百科事前指示書(アドバンス・ディレクティブ)ハンチントン病は国の指定難病にされているため、医療費の助成を受けることができます。指定難病の医療費の自己負担割合は2割です。また、その他の制度による医療費がすでに1割負担となっている患者さんの場合、負担割合は1割のまま変わりません。難病医療費は世帯の所得に応じた医療費の自己負担上限額(月額)が設定されます。自己負担上限額は、受診した複数の医療機関などの自己負担をすべて合算したうえで適応されます。参考サイト:難病医療費助成制度の対象疾病についてまとめ出典 : ハンチントン病は、10万人に0.4人が発症するという極めてまれな病気です。人から人へ感染する病気ではなく、親から子へ遺伝によって原因遺伝子を引き継ぎ発症するため、生活習慣の悪化によって発症したり進行したりする病気ではありません。根本的な治療方法はまだ見つかっていませんが、不随意運動を和らげる薬や、精神症状を和らげる抗うつ薬や抗てんかん薬等があり症状を和らげることができます。症状を緩和するためにも早めに医療機関の受診をおすすめします。参考サイト:難病情報センター参考サイト:メイクマニュアル参考サイト:ハンチントン病と生きる参考サイト:メディカルノート
2016年07月25日私は、子どもの支援ツールを作って、情報発信をしています私は子育てのかたわら、アイデア支援ツールを多数発明し「楽々かあさん」として、凸凹子育てや支援に役立つ情報の発信を続けています。最近、「どうしたらそんなにアイデアが出るんですか?」という質問を、取材等で頂く機会が増えました。子どもに合わせた支援ツールを作るコツは、・子どもの話を否定せずによく聴く・行動をよく観察し、困りや作業性に注目する・使用感を確かめながら調節する…ということになりますが、本当の理由は「体質的にアイデアが出やすい」から。そう、実は私「大人の凸凹さん」なんです。うちの子達と同じような凸凹傾向があり、得意なことがある反面、できないことや苦手なこともたくさんあるんです。楽々かあさんの活動「発達障害アイデア支援ツールと楽々工夫note」(Facebookページ)わが家は、片付けが得意な人が1人もいない!出典 : 我が家には、片付けの得意な人が1人もいません。家族5人+犬1匹、全て出しっぱなし、散らかしっぱなしです。最低限の工夫、ゴミだけは拾い、無くすと困るものには専用BOXやヒモをつけて管理する、という事だけはしています。そんな私は以前ネットで見た「天才は机が汚い?」といったまとめ記事を、とても励みにしています。スティーブ・ジョブズやアインシュタインなど、革新的なアイデアと創造性を持った著名人の多くは机の上が散らかっている、というのです。「片付けられない」のは必ずしもマイナス面ばかりではない、と、ものの見方を変えるきっかけになりました。実際の所、クリエイティブで革新的なアイデアのひらめきを得るには、モノが散らかっている状態は、理にかなっています。ハリウッドの脚本チームなどが用いる「ブレインストーミング」というアイデアを生み出す手法も、キーワードの書かれたカードをランダムに並べて、一見無関係な情報同士を結びつけ、斬新な発想を得ようとする試みです。「片付けられない」人たちは自分の頭の中だけで、いつでも実行できてしまうのだと思います。部屋の散らかりは、単にその特徴の表れに過ぎないのです。私は「片付けられない」のは、クリエイティブで発想力豊かな証拠だと思っています。Upload By 楽々かあさんまとめ「歴代の天才たちも…デキる人ほど机が散らかっていた」「情報が捨てられない」苦しさはあるけれど…出典 : そして、私自身の頭の中も、情報の選別が苦手です。視覚と聴覚両方に過敏性があり、長期記憶が得意なのであれこれと見聞きしたことは、大事なことも些細なことも、大量の情報を受け取ったまま、分別せずにストックし続けてしまいます。つまり、記憶の整理整頓も苦手なんです。これは、ちょっぴりしんどいことでもあります。何十年も前のイヤなこと、腹の立つこと、悲しいこと、あるいは自分の失敗体験なども忘れることができず、ちょっとしたきっかけで、芋づる式に次々と頭の中で再生されて、その度に、何度も同じ気持ちを味わうからです。そして、文字情報もまるごと受け取ってしまうので、大量の文字と一緒にそれを書いた人の苦しさなどの感情にも共鳴しやすく、文字の羅列に目が回ったり、一緒に胸が苦しくなってしまったりもします。大量の「ちょっとほろ苦い情報」も、冷蔵庫の奥のパック寿司のオマケのショウガやわさびの小袋と同様、なかなか捨てられないのです。でも、こういった膨大な情報のストックがあるからこそ、できることもあるんです。そして、いつも頭の中は臨月の妊婦のごとくパンパンで苦しいので、「なんとかそれを形にして産み出して早く楽になりたい!」という気持ちも強いのです。良い言い方だと、これは、「創作意欲」と呼ばれます。Upload By 楽々かあさん誰しも、凸と凹はセット。苦手克服だけに頑張らないつまり、私の「アイデアが出やすい」「創作意欲が強い」という長所は、「片付けができない」「モノが捨てられない」といった短所と、表裏一体なんです。凸と凹は、セットです。我が家の育児でも、苦手な凹の克服を頑張り過ぎてしまうと、せっかくの素敵な凸も消えてしまいます。ですので、最低限、本人や周りの人が日常生活に大きく困らない程度の工夫をして、自分と上手につき合う方法を身につければいい、と考えています。うちの子達が何かに困ったりつまずいたり、学校で何かやらかしたりすると、それをきっかけにアイデアを生み出すための「スイッチ」が入ります。トラブルがあるから、アイデアが出るんですね。ピンチはチャンス、とはよく言ったものです。そして、「どうしたら」ハードルが下がるのか、伝わり易いのか、自信になるのか、と具体的に考えます。そんな時に例えば、洗濯たたみなどの単純な動きの手作業をしながらぼんやり考えていると、過去の膨大な雑情報が次々と結びつき、ジグソーパズルのようにピタピタとアイデアのピースがはまっていきます。そして、「いいこと思いついた!」という瞬間がやってきます。でも短期記憶が弱く、すぐに大事なことを忘れてしまいがちな私は、その場でふせんにメモを書いて、A4の大きなスケジュール帳に、その都度貼っておくのです。そんなことを家事の合間にしていると、いつも「ついうっかり」こんなことになります。Upload By 楽々かあさん…同時処理の苦手な私は、うっかり者の長男のことを偉そうに注意できる立場ではないのです。苦手なことが多いから、できない人の気持ちが分かる。出典 : でも、そんな苦手なことや、短所・欠点・失敗も多い私だからこそ、子どもの凹の部分の「できない目線」に合わせることができます。うちの子が何につまずいているのかが手に取るように分かり、どんな子にも分かりやすい工夫のアイデアが次々と浮かびます。そして、アイデアが出やすいことを活かして「楽々かあさん」として、日々の発信や執筆活動を通し、多くのお子さん・お母さんの役に立つことができるのです。反面、対人関係の苦手さや集中力の偏りもあり、環境に左右されやすく、メンタルも決して強くはありません。だからこそ、「育児・療育を頑張り過ぎて疲れてしまう」「我が子が可愛いと思えない時がある」なんてお母さんのお悩みにも共感できるし、できない気持ちに寄り添うことができるのです。「お母さんはいつも笑顔で!」「イライラしてはダメ!」ではなく、育児を毎日頑張っていればつい怒ってしまうのも、イライラするのも当たり前。子ども同様、親にだって「頑張ってもできないこと」があるのを大前提にしながら、「どうしたら」怒らなくても子どもに伝わり易いだろうか、と日々考えています。その考えが「声かけ変換表」を作ったり絵や図で説明したり、道具を工夫し、子どもやお母さんたちのハードルを下げることにつながっています。育児を頑張りすぎて疲れてイライラしてしまう時、「どうしたら」コンディションを持ち直すことができるのか?他の人の力をどう借りていけばいいのか?という具体的な対処法も伝えることができます。言葉の選び方へのこだわりも強いので、デリケートな育児をしているお母さんたちに、思いやりのある表現で文章を書くことができます。このように、私は自分の凸の部分と同じくらい、凹の部分を財産のように思っています。凸も凹も、どっちも大事。両方あるからこそ、私の「アイデア支援ツール」が、次々と生まれて来るんです。関連ブログ「『今が100点』からスタートする。療育を頑張り過ぎて疲れているお母さんへ。」参考書籍・著書「発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母の毎日ラクラク笑顔になる108の子育て法」
2016年07月25日女優を始めてから、東京での1人ぐらしを開始出典 : 編集部:女優を始めたときは、地元の奈良から通われていたんですか?津田:最初はそうですね。お仕事を始めてからは、できるだけ学校も頑張って行こうと思っていました。お仕事で学校を休む必要がある場合も、そもそも不登校だったのでむしろ「仕事」という明確な理由がある欠席はあまり気にならないというか…(笑)編集部:奈良から毎回東京まで通うの、大変そうですね…津田:いや、新幹線に座っているだけなので(笑)長期間講演する舞台が決まったときに本格的に上京しましたが、それからの方が大変でした。編集部:1人暮らしですか?津田:そう、1人ぐらし。21歳ごろかな。それまで親がやっていくれていた家事の大変さと、「1人じゃ何も出来ないんだ」ということを痛感しました。トイレから水が出てきちゃった時は、業者よりも先に父に電話して、「なんや、どしたん」と助けてもらい、指示されるがままトイレのタンクを開けて…と、初めてのことだらけでしたね。編集部:あはは(笑)津田:料理もしてこなかったから、唐揚げをつくったときに火災警報器がなってしまった事もありました!編集部:えっ…でも最初から揚げ物とは、難易度の高い挑戦ですね。津田:いや〜ホントですよね(笑)聞こえないのにわかったフリをしていた。それも、もう出来ない。津田:この1人暮らしのおかけで強くなれました。今も親とは離れて暮らしていますが、もし今近くに親がいたら、息子の市役所も保育園も「着いてきて」って甘えてしまうと思います。やっぱり大勢の中でのコミュニケーションが聞き取れないので…1対1なら「もう少しゆっくりお願いします」と言えるのですが、集団になるとどうしても言えずに「何言っているんだろう」という時間が続いてしまうんです。編集部:そんなときはどうしているんですか?津田:例えば保育園の保護者会とかは、終わって他のお母さん達が帰ったあとに先生に声をかけて、「すいません、もう1回お願いします」と言うようにしています。津田:昔はそれが出来なくて、いつも「わかったフリ」をしていました。アルバイトをしていたときも、店長がスタッフ2,3人に指示をだしたとき、隣の子が「はい」って言ったら、何を言われたのかわかっていなくても、とりあえず私も「はい!」と返事をする。後で「あれ、何注意されたんやっけ」と困ることもしょっちゅうありました。それは舞台の稽古でも同じで、監督に言われたことが聞こえてないのに質問できずに後で困る。小さい頃から、「わかったフリはしないで、ちゃんともう1回聞けばいいんだよ」と親には言われてきたけれど中々できず、社会に出てその大切さを痛感しました。編集部:そうなんですね。津田:「わかったフリ」が私の癖になっていたので、最初の頃は「もう1度教えて下さい」と聞き直すのはとても勇気が必要でした。でも、聞かないと自分が困るし周りにも迷惑かける。だからちょっと勇気を出して聞いておこう。そう思えるようになったのは、1人暮らしのおかげですね。聞こえないことを恥ずかしいと思ってた。変えてくれたのは友人の「手話ってかっこいいね」出典 : 編集部:「自分は聞こえにくいんだな」と気づいたタイミングなど聞いてもいいですか?津田:幼稚園くらいの時は、大人が話しているのが「喋っているんだろうけど、何言ってるのかわからない」という状況でした。でもそれを「聞こえないな」とは思っていなくて、「まだ子どもだから」だと考えていたんです。編集部:あ、なるほど。津田:はい、「大人になるとあんな感じで話すんかな」と思っていました。聞こえる人とのコミュニケーションが家だけだったので、自分が周囲と違うという事に気づいていませんでした。小学校に入り、聞こえる学校とろう学校を行き来する中で「自分は聞こえづらいんだ」と知り、中学に入ってからは「聞こえないことは恥ずかしい」に変わりました。補聴器も、人前で手話をするのも恥ずかしい。編集部:恥ずかしい、ですか。津田:そうですね、そう感じていました。人より聞こえないから補聴器をつける、人より出来ないから手話を使う。でも、少しずつ変わっていきました。学校を卒業して、コンビニや焼き鳥屋さんの店員など接客のアルバイトをしていた頃です。お店に聞こえない友達が来てくれて、自然と手話で接客をしていたら、バイト仲間が「手話ってかっこいいね」と言ってくれたんです。それから恥ずかしいとは思わなくなっていきました。編集部:確かに、私たちからすると「もう1つ言語を持っている」と感じるから、かっこいいなと思うときはありますね。津田:そうですか?嬉しいです。ろう学校のクラスメイトの中には、大学に行く子もいましたし、重複障害があって職業訓練校に進む子もいました。私のようにアルバイトをしていた子は、あまりいなかったと思いますね。
2016年07月25日苦手な「感情のコントロール」のために、イライラしたら読書をする息子出典 : 息子は小4のころ、感情のコントロールがとても苦手でした。ある日、家に1冊の本をランドセルに入れて学校へ持っていくようになりました。「番ネズミのやかちゃん」という本で、小さい時から読んでいたなじみのある本です。その理由はさっぱりわからずにいたのですが、しばらくして、息子の支援級の連絡帳を見て謎が解けました。先生からのコメントで、「凄いですね~。自分の感情をコントロールすることを覚えています。イライラしたり落ち着かなくなった時に、番ネズミのやかちゃんを読むとクールダウンするのだと教えてくれました。素晴らしいことです。」と書いてありました。本を見ていると落ち着くことを自分で発見したことに感心しました。私は、それなら「気持ちのコントロールが苦手な子どもに合った絵本はないかな?」と探し、1冊の本を見つけました。自閉症のお父さんが綴るブログで見つけた1冊は、「子ども主体に学ぶ本」Upload By なちゃりんこれは、息子と同じ自閉症スペクトラムのお子さんを持つお父さんのブログで発見しました。毎日子どもと向き合うお母さんやお父さんからのリアルな情報は、専門書を読むより、すごいですね!お子さんの「イライラ」に悪戦苦闘したお父さんが紹介していた、記入式のワークブック。これはきっと息子にも合うだろう、と思った私は早速購入!したものの…実際には全く目を通す暇がないまま放置していました。そんなある日、ふと思いたって「この本良いらしいから、クールダウンしたいときに読んでみて」と、息子のランドセルに本を突っ込みました。その日の連絡帳に「今日1日、『だいじょうぶ』の本をお借りしてもよろしいでしょうか」と先生からコメントがありました。いきなり突っ込んだあの本、息子が読まずに先生に見せたのだろうか?何があったのだろう…?その翌日、丁寧に封筒に入れて本は返却されました。「目からうろこでした。私、今まで対応を間違えていたかもしれません。この本は子ども主体に考えられていて、考えされられる内容でした。早速明日から、〇君と一緒にワークに取り組んでみたいと思っています。」と先生からのメッセージが書いてありました。「借りたい」というのは、そういう事だったんですね!その日から、毎日学校でちょっとした時間に息子と一緒にワークに取り組んでくださいました。そして、息子が持ち帰ったワークブックを開いてびっくり!いっぱい書き込まれていました。Upload By なちゃりんUpload By なちゃりん「本人のいない支援」「大人主体の支援」をなくしていけるように。発達に特性を持つ子どもを取り巻く環境を整えることは、言葉ほど簡単ではないことも痛感しています。「環境」には「人」も入ってくるのです。幸い、何より本人の思いを尊重し一緒に考えてくれる先生方に見守られ、息子は安心して学校生活を過ごせています。この先生は、いつも子ども自身と相談して決めてくれる方でした。学校行事の参加についてなど、大人が主体で考える事が多く、ともすれば本人の気持ちや感覚障害からくる辛さ・苦しさをも無視されてしまいがちです。ですが、行事に参加するときには、息子のどんな行動が予測され、どうすれば本人がつらくないのか?「できた。がんばれた。」と自信に変えていけるにはどんな工夫があるか、考えてくれるのです。Upload By なちゃりん支援が必要な子の親でいると、ついそこに「親が望む知識と理解と支援」を求めてしまい、ほんのわずかなズレを感じて学校や先生とのコミュニケーションが上手くいかなくなることもあるかと思います。それでも私は、「これはいいかも」「こんな方法はどうかな」と考えていることを、有りのままにお伝えし周囲の大人(先生方)に協力をお願いすると共に、子どもを蚊帳の外には絶対おかないよう心がけています。小学校6年になり思春期に突入した息子は、まだまだ感情・行動のコントロールが苦手な場面もありますが、現在でも時々このシリーズに目を通しています。自分の特性に向き合い、自己コントロールすることを覚えたのです。「だいじょうぶ!きみならきっとできるよ!」私も時々口にしては、親子で自己暗示をかけています。お子さんが障害を受容し、自己コントロールができそうな年齢になったらお勧めの本です。だいじょうぶ 自分でできる怒りの消火法ワークブック
2016年07月24日使いたくて仕方なかったベビースリング出典 : 子どもが生まれたら使ってみたいと思っていた赤ちゃんグッズには、何がありますか?私はベビースリングでした。現在小学1年生の息子がまだお腹にいたころ、出産のための里帰り直前まで仕事を続けていた私。それもあって母親学級には行かず、健診先の産科でもらったパンフレットを見ながら必要なものを購入、欲しい情報についてはインターネットで検索していました。そんな過程で知ったのがベビースリングという抱っこ紐の存在。詳しく調べてみたら、赤ちゃんは子宮の中にいるのと同じように背中を丸めて膝を曲げ、股関節を外側に向けた体勢でいると安心できる。それに最適なのがスリングであるとのことでした。お母さんのお腹の中にいるような安心感で、ぐっすりすやすや眠る赤ちゃんの姿を想像し、たいそうときめいたものです。生後2週間から2,3歳まで使えて持ち運びも便利!とても魅力的なものに感じられ、私はすぐに購入。使えるその日を楽しみにしていたのですが…。スリングの使い方まとめ。新生児に使うときの注意点は?どうしてスリングが使えないの?出典 : 生後2週間を過ぎ、息子を連れて産科へ行く日が訪れました。いよいよスリングが使えるチャンスです。前日に練習をしようと、購入したお店からもらったガイドに従い、息子を優しく抱き抱えスリングの中に入れたところ…息子、まさかのギャン泣き。「こんなところに俺を入れるな」とばかりに手足を伸ばし、顔を真っ赤にして怒るのです。様子を見ていた私の母は、「この子は単にこれ(スリング)が嫌いなんじゃない?」と声をかけてくれたのですが、「赤ちゃんはスリングの中で安心できる」とインプットされてしまったアスペルガーの私には、そんな言葉をにわかに受け止められるわけがありません。「スリング嫌がるなぜ」といった語句で検索すると、「股関節の異常」「母親のイライラが伝わっている」「コミュニケーション、スキンシップ不足」などなど、出るわ出るわネガティブな情報が!!!産後で気力も体力も低下していた私はこれらの情報で不安を煽られ、一気に落ち込みモード。「どっちみち明日病院に行くんだし、心配なら相談すればいいじゃないか」と両親になだめられながらも、めそめそと泣きながらその日を過ごし、翌日は別のベビーキャリーを使って息子を連れて行くことにしたのでした。不安はスリングのことだけじゃなかった…!出典 : 「うーん、どこも悪くないと思うよ。息子さん、足腰しっかりしてるし」スリングを嫌がる件について相談した私に向かって、産科の先生はニッコリと微笑んでそう言いました。「でも、スリングって初めてだと難しいかもしれない。ちょっと試しに息子さんを入れるの見せてもらってもいい?」先生に促されて前日同様スリングに入れると、やはり息子は手足を伸ばしてギャン泣き。「先生、私のやり方、おかしいですか…?」オロオロしながら問うと、「ううん、ちっとも」と再びニッコリ。「ノゾミさんのお母さんがおっしゃるとおり、息子さんは単にスリングが嫌いなのかもね。だって、正しい入れ方をしているし、股関節だって異常がない。もしインターネットの情報通り、イライラが伝わっているとしたら、スリングを使わなくても泣いてるんじゃない?」言われてみれば、確かに先生のお言葉どおり。「30代の女性がみんなノゾミさんと同じかといったら、そんなことは全くないでしょ?赤ちゃんだってそう。スリングが好きな子がいれば、どうしたって嫌いな子もいるんだよ」納得できると感じつつ、まだ不安が払拭できずにいる私を見て、先生はこう続けました。「あとね、“お母さんのイライラが伝わる”っていうの、確かにあるかもしれない。でもね、だからって大騒ぎするほど赤ちゃんはヤワじゃないよ。お母さんと一緒に頑張って、命懸けで生まれてきたんだから。息子さんの強さを信じてあげて!心配なことがあれば、私たちに相談してくれてもいいし、ご両親に聞いてもらってもいい。ただ、息子さんの強さだけは信じてあげて欲しいの」その言葉で私は気づきました。スリングのことだけじゃなく、たくさんの不安を抱えていたことに。初めての育児はわからないことだらけで、怖くて怖くてたまらなかったことに。こわばっていた何かが一気にほどけたような感覚がこみ上げ、私は無言で頷いたあと、ボロボロ落涙したことを今でもよく覚えています。息子のおかげで力づけられた出典 : その後スリングを使うことなく息子は成長、数年が経過して自閉症スペクトラムの可能性を指摘されました。発達障害に関して無知に等しかった私が情報収集していると、「自閉症スペクトラムの赤ちゃんは、抱っこを嫌がることがある」という記述に出くわし、ハッとしました。乳児だった息子がスリングを嫌がったのは、自閉症スペクトラムと併発する感覚過敏があったからなのかもしれません。とはいえ、「今更わかったところでなんなのよ」という話で…。当時を振り返ると不安だらけで落ち込むことも多かった乳児期ですが、スリングの一件で気付けたこともあったのです。それは、「息子さんの強さを信じてあげて!」という産科の先生の言葉に力づけられ、迷ったり悩んだりもしつつ「息子の強さを信じよう!」と私が思えたこと。これは息子がスリングを嫌がったからこそ。つまり、育児の不安で頭がいっぱいだった私を先生が力づけてくれたのは、息子のおかげでもあるのです。「そう考えると、やっぱりうちの息子は強いんだなあ」と妙なことに感心しながら、「でかした、アスペ息子」と思わずつぶやくアスペ母こと私なのでした。
2016年07月24日入学早々の「もう学校行かれへん」!一緒に学校に行ってわかった躓きの原因新しい環境に慣れるまで時間のかかる長男は、入学早々「学校行かれへん!」となりました。学校に慣れるために、私は付き添い登校を始めましたが、様子を観察するうちに長男には「通訳」役が必要だということが分かってきました。付き添って始めて見えた、学校生活の躓きを3つご紹介します。もし、今登校しぶりをしている子も、似た出来事で躓いているかもしれません。■1取り組むだけで精一杯、そのときに言われる「早くして」の一言出典 : 手洗い場を使っているとき、後ろに並んでいた女の子が「早くして」と言いました。その瞬間、ものすごい勢いで振り向き、怒った顔で私のほうを見た長男は、今にも暴れ出しそうでした。長男からすると、たくさんの子どもたちの前で手を洗うだけでも精一杯なのに、「早くして」という今以上に努力することを要求された、もうどうしていいかわからない!と、頭がいっぱいになってしまったのだと思います。「そういう時は『わかった』って言えばいいねん。『早くしてね』は『スピードアップしてね』という意味もあるけど、『待ってる人のことをちょっと気にしてね』という意味よ。『オッケー、あなたの気持ちは受け取った』という印に『わかった』って言えばいいねん。そしたら、相手もホッとするから。」すると、長男は落ち着きを取り戻し、手を洗うことができました。私たちは言葉を、文字上よりも広い意味合いで使っていることがあります。「そんなに騒ぐなら、もうお終いだよ」という言葉も「静かにしてね」と伝えたいだけ。定型発達の子どもたちなら、言葉に含まれるメッセージを自然に察することができるかもしれませんが、長男には戸惑ってしまう原因にもなるのです。■2「さあ始めよう」だけでは、何をしたらいいかわからなくなる出典 : 掃除の場面でも躓きがありました。「机ぞうきん係」の日、先生から「さあ、がんばろうね」と言われても何をしていいのかわからずイライラしていたのです。「机ぞうきん係の仕事は、ほうきが終わったころに、ぞうきんで床をふいて、だいたい全部ふき終わったころに、机を移動させることだったよね。先生の『さあ、がんばろうね』という言葉を聞いたら、ぞうきんを手に持つ、そして床ふきを始めること。じゃあ、まず、手に持ってみよう」と長男に伝えてみました。先生には、・「今からこの机を一緒に運ぼう」など、今やることを具体的に指示してほしい・「怒っている」「さぼっている」ように見える時でも、言葉の意味がわからなくてどうしていいかわからないときが多い・何をするかわかれば落ち着けること・粗大運動が苦手なので、できれば「できる仕事」を振り分けてもらえるとありがたいの4つを伝えました。「指示される」→「実行できる」→「助かったよ、ありがとうと言われる」という経験を重ねると、先生との信頼関係が増すように感じます。もし分からないことがでてきても「先生に質問する」という気持ちが新たに芽生え、教室で困っている時間が減るのでは、と考えています。■3友達に謝る場面、同級生からの注目で混乱してしまう出典 : 感覚が過敏な長男は、ちょっと肩がぶつかり合うだけで反射的に反応してしまい、強く払いのけてしまうことがよくあります。お互いに「あ、ごめんね」と言えば場が収まるのですが、長男はとっさに言葉で伝えるのがとても苦手。相手の子は、払いのけた手が当たり、痛みと驚きの表情で長男を見ています。そんなとき、周囲の子ども達は「かわいそう」「早く謝ってあげてよ」と注目するのです。こういう「出来ないことを要求される」「大勢の人に注目される」という長男がとても苦手な場面が学校生活には沢山あるのです。これではパニックを誘発するのは時間の問題です。思い切って間に入り、「ほら、○○ちゃん、痛かったって」と話しかけ、長男の注目を私に向けました。それから「混み合ったところが苦手なのはわかるけど、こういう時は『ごめんね』って言えるといいね」と伝えました。そして相手の子や周りの子ども達には「お話しするのがとても苦手で、『ごめん』って言うの、いま練習中やねん」と説明しました。「『ごめんね』って、ホントにすごく大事な言葉だね」と子どもたちに伝えることで、場の緊張が解けるのを肌で感じました。息子の成長、クラスの友達の見る目にも変化があった出典 : 付き添って「通訳」すると、落ち着いて取り組めることも増え、長男は成長していきました。そして先生やクラスメートの長男への見方も変わっていきました。少しずつ学校生活に慣れ、困ることも少なくなり、2年生から特別支援級に所属したところで、「通訳」を支援級の先生にバトンタッチしていきました。・明確、端的に伝えてもらえるとありがたい・時間があれば、前もって1対1で少し話しておいてもらえるとよりスムーズと、先生へ伝へています。先生方へ伝える事を「迷惑じゃないかな」と心配する保護者の方もいるとは思いますが、困っている本人だけでなく、支える周囲の人も「何をすればいいのか」具体的にわかれば、サポートできる事が増えると思いますし、お互いに気持ちよく過ごすヒントにもなっていくと、私は考えています。
2016年07月23日文字に全く興味を持たなかった息子長男は幼稚園の頃、文字の読み書きが非常に苦手でした。手紙のやり取りなどで自然に文字の読み書きが上達していく女の子に比べ、長男は一向に興味を持たず。その成長のしなさ加減ったら例えようがありません。しかし私は、これもADHDの特性の1つなのだろうなと思っていたので、好きなことを思う存分楽しんでくれたらそれで良し!文字の読み書きは小学校に入るまでになんとなくできるようになればいいだろう、と思っていました。長男の場合、興味のないことを無理強いさせてもストレスになるだけで逆効果。このため、私は「自然に興味を持ったらやらせる」というスタンスにしています。小学校に入り、現在はそうは言ってられない場面もありますが。一向に文字に興味を持たず迎えた年長の3学期。息子のなかで急に意識が変わってきた出来事がありました。それは…Upload By ラム*カナすごろくを作ることがマイブームになったのです。息子はもともと数字が大好きだったので、数字が大いに関係するすごろくゲームが大好きでした。自由な表現をすることが大好きなのも相まって、手作りすごろくに大ハマリしたのです。出来上がったすごろくを見てみると…字はふにゃふにゃ鏡文字もたくさん読めない字もたくさんでハテナゾーン満載!不完全な感じがとても愛おしいすごろくでした。そして息子はこんなことを言ったのです。「ぼく、字をかくのはすきじゃないんだけど、すごろくをつくるためにかかなきゃいけないから、そこで字をかくのをがんばるっていうことなの」うん。それでいい。興味のあるものから入ればいいんだよ。しかし問題が1つあった。親としては非常にカワイく思えるのだが…あまりの字の汚さに…Upload By ラム*カナUpload By ラム*カナトラブルと隣り合わせなのでした(笑)
2016年07月23日発達障害の子は「切り替えが苦手」って、他の子と何が違うの?出典 : 発達障害児の特性として「切り替えが苦手」ということがよく言われます。たとえば、「好きなことに夢中になっていると、次の行動に移れない」といった例が挙げられますが、その程度なら「子どもは誰だってそんなものだよ」とも思いませんか?わが家の息子もそうでしたが、あらかじめ遊べる時間を予告し、タイマーをセットして終わりの合図がわかるようにしたら、克服できたように思います。では、発達障害の子における「切り替えが苦手」とは、他の子といったい何が違うのでしょうか。どうやら、息子が一番苦手で困っていたのは、活動ではなく気持ちの切り替えだったのです。気持ちの切り替えができないとき、息子の頭の中は出典 : 「友達に嫌なことを言われた、」、「先生に叱られた」そういったネガティブな経験は、誰にでもありますよね。でも、息子場合、それが頭の中にずーっと離れずに残ってしまうようなのです。嫌なことを言われてもお互い「ごめんね」と言って済ませれば良い場面でも、自分の頭の中でネガティブな気持ちがどんどん増幅してしまいます。その結果息子は、「あの子にあんなことを言われた」「どうして」「なんで」「僕は悪くない」「あ~もう腹立つ」「ああーー!」と、ブツブツブツブツと言い続けながら、体をどこかにガンガンぶつけるようになるのです。その時、周囲の人や友達が「おまえが悪いんだろ」などと言おうものなら火に油。一気にパニックに陥ります。こうなると、もう、活動も気持ちも、切り替えどころではなくなってしまうのです。以前、こんなたとえ話を聞いたことがあります。「発達障害の子どもの頭の中には、パソコンのようにいくつものウィンドウが立ち上がっている。その量に本体が悲鳴を上げているのに、×マークを押してウィンドウを消すには、ものすごい時間がかかる」息子の頭の中もまさにそんな状態なのでしょう。お友達に言われた不愉快なセリフを頭から消してしまいたい、けれども×マークを押しても押しても全然消えてくれないのです。そして、ウィンドウがいくつも立ち上がって熱くなり始めたパソコンを強制終了させようと、息子は体の一部をどこかにぶつけ始めるのです。これが子どもにとってどんなに苦痛なことか、想像に難くないでしょう。私の腕をつかみながら「助けて…」と言う息子に出典 : 切り替えができずに苦しいとき、息子は私の両腕を握りしめながら「ああもう!うぅっううううっ」と呻き続けます。息子自身も、切り替えなければならないことは理解しているのです。たまに、私の両腕を握りしめながら「助けて…」と言うことすらあります。こういうときに「納得いくまで話し合う」は、意味を成しません。子どもからすると、次々とたたみ掛けられるように感じ、頭の中で乱立するウィンドウは増えていってしまうだけです。そんな時は場所や話題を変えて、少しでも落ち着きを取り戻せるような環境をつくり、それから「大丈夫だよ」と言葉をかけ続けるようにしています。そのうちに、ふっと気持ちが変わることがあり、そこですかさず「あ、切り替えられたね。よくできたね」と伝えるのです。この経験を積み重ねながら、「気持ちを切り替える」という感覚を理解し、身体で覚えていったようでした。最近では、嫌な気持ちから解放されたとき「はあ、切り替えられた~!」と言って喜んでいます。大人が思っている以上に、「できないこと」に子ども本人が苦しんでいるから出典 : 「切り替えができるようにする」という言葉は、子どもにとってあまりにも漠然としています。こういう漠然としたものを習得させるには本人が「できた!」と実感を持てる経験を増やしていくことが大切です。切り替えが苦手という事は、私たち大人が思っている以上に子ども本人にとって苦痛なのです。うまく折り合いをつけていけるように、サポートしていけると良いですね。
2016年07月23日なんてダメな母親だろう…自己嫌悪がつづく子育てUpload By みくたくママ長男は、小さなころから多動や衝動性があり、外に連れ出せば手を振りほどいて走りだし、あっという間に姿が見えなくなってしまいます。「子どもができたら、いっぱいほめて可愛いがるんだ!」と夢見ていた私ですが、ほめる回数よりも増えるのは叱ってばかりの日々…。それが影響したのか、幼稚園に入り集団行動や工作などの活動についていけずに自信をなくした息子は、「どうせぼくなんかダメだもん…」「ぼくは最低だ~!!」とネガティブなことを言って、泣いたり怒ったりすることが増えました。「ほめてるつもりなのに…私がダメな親なの?こんなにいっしょうけんめいやってるのに!!」と、つのるイライラ…。「もういいよ、お母さん知らない!」「勝手にしなさい!」とキレてしまい、大泣きする長男を見て「私はなんてダメな母親なんだろう…」と親子2人で落ち込んでばかりいました。受講の決め手は「こんな私が変われるなら…」出典 : そんなとき、転機が訪れました。長男がお世話になっている通級学級の先生が「ペアレントトレーニング講座」を開いてくれることになったのです。ネガティブ思考な長男にイライラし、感情的に怒ってしまう日々に、ほとほと疲れ果てていた私。「子どもを変えたければ、まず親が変わってみましょう!」という先生の言葉に、「こんな私が変われるなら…」と受講してみることに。どうして私たち親子は変われたのか。いまでも、ペアトレで学んだこと全てを実行できているわけではありません。だけど、たった3つだけ、がんばって実践してきたことがあります。Upload By みくたくママほめる時は、①具体的に②ひとつひとつの行動に対して言うと教わりました。子どもが宿題を終えたら、「宿題、自分から始められたね!」「丁寧に書けてるね!」「遊ばないで最後までできたね!」という言い方に。このように、1つひとつの行動を具体的に褒められると、子どもは「自分を見ていてくれた」ことが嬉しく、それが自信につながるのだそうです。でも、「自分が褒められてこなかったから、なんて言って褒めたらいいのかわからない」「叱るところは山のようにあるけど、ほめるところなんて見つからない!」という意見の保護者は私だけではありませんでした。無理やり「えらいね~」と言っても、子どもの年齢によっては「何がえらいの?」「適当に言ってるんじゃないの?」と、心に届かない事もありますよね。そんなときは頑張って無理して褒めるよりも「ありがとう」と言うようにしています。Upload By みくたくママUpload By みくたくママ「ほめるのが大事!」とはいえ、子どもにはダメな事を伝える必要があります。その時に私はついカッとなって感情をぶつけがちでした。そんなときは①目を見て②短い言葉で、具体的に③声のトーンを抑えてきっぱりと言い切るがポイントです。「何やってるの!?ダメでしょう!前にもここでケガしたの忘れたの?あんたって子は…何回言えばわかるの?…(続く)」よりも「すぐに降りなさい。」(降りたら)「ありがとう、あなたがケガしたらお母さん悲しいからね」の方が伝わりやすいという事でした。伝えるだけでなく「反応しない」というのも1つの方法でした。ネガティブな事を言い続ける、という長男の困った行動が始まったら、私はその場を離れ読書でもするようにしました。すると、落ち着かせようとあれこれ話しかけていたときよりも、気づいたら自分から切り替えて遊び始めている事も増えてきたのです。Upload By みくたくママゲームをやめて宿題させたいとき、もう寝る時間というとき、子どもに指示する機会は毎日たくさんありますが、これが1度で言うことを聞かないと、イライラして「ドカーン!」となります①心の準備「予告する」「あと5分で夕食よ」「あと3回で終わろうね」と終わりを伝える②約束しても行動できないときは「選択させる」「あと何回したら終われる?」「お風呂と宿題、どっちを先にする?」と、決める権利を与え、気持ちよく行動してもらうただし、「あと100回!」など受け入れられないような提案の場合は、・「みんなお腹すいてるので、そんなに待てません」と親の事情を冷静に話す・どうしても良い選択ができなかったら、「あなたのためにお母さんが選びます」と冷静に宣言するの2つが重要です。③「ブロークンレコード(ぶっこわれレコード)テクニック」で伝える子どもが言うことを聞かなかったり、屁理屈を言って気をそらそうとするときに、シンプルにただ指示を繰り返す方法です。効果的にするためには、親は「穏やかに言い続ける」「言い方を変えない」の2つが重要でした。私も、ブロークンレコードテクニックを使ううちに、自分の気持ちを抑えられるようになってきました。ペアトレ4ヶ月間、辛いこともあったけど嬉しい変化が!Upload By みくたくママペアトレの受講期間は、2週間に1度、約4ヶ月続きましたが、正直あきらめたくなるときもありました。「変わりました!」と目を輝かせて報告する他のお母さんのエピソードを聞くたびに、「こんなの理想論だよ、うちの子には効かないんだよ…」といじけた気分になりました。ですが、受講を終えてしばらくたったころ、ふと気が付いたんです。最近、カッとなってどなりつけることがなくなった自分がいる。そして、私だけでなく、子ども本人にも変化がありました。通級の先生が、「最近、『ぼくなんか…』と後ろ向きな発言が減りましたね!それに、得意なこと、好きなことについて、うれしそうに話してくれるんですよ」と言ってくれたのです。まず始められるのは親自身が「自分を大事にすること」出典 : ペアトレで学んだ3つのコツは、たまたま私と息子との関係には良い結果となりました。ですが、子どものタイプも、親の性格や状況も千差万別。あてはまらない方もいると思います。大事なのは、「あなたが大事なんだよ」というメッセージを送り続けることだと思っています。そのためには、お母さんお父さんが、自分のことを大事にしてあげてください。余裕がないと、褒めることもできないし、怒るときも感情的になってしまいがちです。その子と自分に合った方法を探して、少しずつ、「あなたが大事なんだよ」というメッセージを伝えてみてください。ペアレントトレーニング学習塾&幼児教室のLeaf
2016年07月22日幼稚園からのおたより。そのプリントの数々は私の天敵で…Upload By モンズースー子どもが幼稚園や保育園へ通いだすと、園からよくプリントを受け取りますが、私はこれらの管理が大の苦手でした。元々整理整頓が苦手で手帳も持てなかった私。ADHDと自覚してからは、どうにか手帳を使うようになりましたが、細かい行事を毎回記入するのはやっぱり苦手。2人の息子の行事やプリントの多さに対応できず、ミスが続いてしまいました。家のカレンダーに書いたり、スマホのアプリを利用したり、アドバイスを頂いて色々実践してみたのですが私に合う方法が中々見つからず悪戦苦闘の日々…悩む私を救った100均の万能グッズ!Upload By モンズースー最近では100円均一などでもよく見るマスキングテープ、通称マステです。Upload By モンズースーUpload By モンズースープリントなどの配布物は、メモをとるよりその紙自体を貼るのが一番簡単でミスも少ないので、マステで手帳や壁にそのまま貼るようになりました。病院の予約券も同じ。手帳などにそのまま貼れば忘れません。テープなので綺麗にはがせない材質の紙もありますが、大体は綺麗にはがせるので、はがして学校や病院に提出も可能。予定やプリント管理が苦手な私でも、これで忘れ物を減らすことができました。…よし!
2016年07月22日1身体感覚を育てる「人間ジャングルジム」Upload By ヨーコ赤ちゃんの頃から母親にべったりで、すり寄ってくる事が多かった娘に、それが好きならそれを楽しめる遊びを!と考えたのが「人間ジャングルジム」です。身体を支えてあげて私の体をよじ登ったり、足を閉じたり開いたりしてその間を飛んだり、ジャングルジム代わりにして遊ばせます。だんだんバランスをとるのが上手になり、立っている私によじ登っておんぶしてもらうこともできるように。この人間ジャングルジムは難易度も自由に調節でき、なによりスキンシップになってよかったです。ママにはちょっと体力が要りますけどね。両手両足で支えて「飛行機ブーン」、脇を持ってくるくる回したり、ブランコを揺らすように体を揺らす遊びもよくしました。外でやっていたらよその子にもよくせがまれたものです。こういう遊びをしてあげると、子どもって本当によく笑うんですよね。怖がる子もいるので、表情をよく見ることは大切です。段ボールに新聞紙を何重にも貼り付け、最後に布を張って補強し、穴をあけて引っ張る紐をつけると乗り物の出来上がり。そこに入れて引っ張って運んであげるのも喜びました。あとシーツの四隅を持ってゆりかごのようにしてゆらゆら揺らすのも大喜びです。こういった遊びで平衡感覚や身体感覚が鍛えられたのではないかと思います。また、「この人は安全だ」という親子の信頼関係も育まれた気がします。2言葉のやり取りを覚えたおままごとあそびUpload By ヨーコおままごとで遊ぶ娘は、楽しそうに野菜を切って花はじきや布を組み合わせ料理を作り、ごにょごにょ独り言をいいながら、満面の笑顔で「ハイ、どーぞ」といっていました。ちゃんと食べて「ごちそうさまでした」を言わないと怒ったり、「おいしかった?」「つぎは○○を作るよー」など、言葉のやり取りの楽しさを知るのに役立ったと思います。ちなみに、最近ではワンコインショップなどでボウルやなべなどは本物を買ってくると嬉しそうに使っています。3形の認識を助けた知育パズル・ブロックUpload By ヨーコ長さや大きさの違う長方形、四角形、三角形、丸をマグネットにひっつけて遊ぶマグネットセットや、モザイクブロック。こういったおもちゃは図形を使って好きなように見立てて遊ぶことができますし、モザイクブロックになると見本通りに作って遊ぶタングラムもできます。娘はこれらのブロック遊びが功を奏したのか空間認知面では苦労をしていないようです。ジェンガのような積み木でもよく遊びました。塗装もなく、しっかりと詰める積木は子どもがいろいろなものに見立てて想像力を引き出し、自分の世界を広げるのに役立ちます。精密に積むことのできるブロックなら、手先の器用さも育ててくれます。キッズいわき ぱふ絵本と木のおもちゃ子どもの本とおもちゃ百町森公園で思いきり好きなように遊ばせるUpload By ヨーコ立ち歩きができるようになってからはよく公園で遊びました。娘は高いところが怖く、ロープを使った遊具では絶対に遊びませんでしたが、木の茂ったところで木の実で遊んだり、井戸水で水遊びをしたり、砂場で靴に砂を詰め込み、砂場の中に足を埋めたり。靴の中に砂を詰めるなんて、後始末を考えてしまい「やめなさい」とつい叱りそうになりますが、遊ぶ時くらい自由にさせてあげたかった私は「でも、面白い遊び方をする子だなぁ」と思いながら見守っていました。気の合った子と一緒に遊んだり、思いっきり走り回ったり、のびのび自由に遊ばせることができて良かったなと思っています。私はママ友と関わるのが苦手だったので、ずっと子どもたちと遊んでいました。子守り代わりにされたこともありますが、遊びの中で子どもたちの成長を見守ることができたのは貴重な体験でした。思いきり遊ばせたり一緒に遊んだりしたことは、あとから振り返ると娘の想像力や基礎体力などの底上げにつながったのではないかと思います。子どもは遊びの中から学ぶんですね。
2016年07月22日学校でのトラブルが続くと、子どももしんどい様子…出典 : 娘は、学校でお友だちに指摘したことが発端となり、長期間ケンカをしていた時期があります。その頃、チック症状が増え始めていました。今はでは仲直りをし、普段通りに笑って話せるようになっているものの、それでも1度出現したチック症状はなかなか治まらず、学校へ行くのがつらいと言うようになりました。学校から帰ると頭痛を訴えたり、娘が精神的に追い込まれているときよく出る右足の痛みも、頻繁になっていました。チック症|クラスメイトとのトラブルが原因?新たなチックが出現しました学校を休む基準は、しんどさの度合いで決めればいいのだろうか?Upload By GreenDays私たち家族は、学校を「どうしても行かなくてはならない場所」という位置づけで考えてはいません。熱が出れば休むのと同じように、心が苦しくなった時には積極的に学校を休んで心をほぐす時間に当てようと考えています。ですので、チックが発症して以来、娘は登校日の半分ぐらいの割合で学校を休んでいます。少しずつチックは治まってきましたが、1番症状が激しく出るのは「今日は学校を休むかどうか」を決める瞬間です。娘なりに色々な葛藤もあるのでしょう。行くと決めていたのに、朝食の途中で足が痛みはじめ、結局学校を休んだ日もあります。幼い娘に「学校を休む」という決断をさせるのは酷なようにも思いますが、「しんどい」の度合いは本人にしかわかりませんので、私が決めるというのもなかなか難しく、何か良い方法はないかなと考えていました。娘の「しんどい」を洗い出して可視化!私が娘と話し合うときにいつも困っていたのは、「しんどい」と訴えられても、その詳細な度合いまで共有できない事でした。「ちょっとしんどいけど、まあ頑張れる」レベルなのか、「これ以上頑張ったら苦しい」レベルなのか、「すごくしんどくて心が壊れる寸前」なのか。たくさん会話をしながら探っていきますが、本人も自分の状態をきちんと把握できていないので、私と娘の認識が大きくずれていることもあります。そこで、娘が「しんどい」と思う出来事を「1~10」にレベル分けしてみました。「レベル5」までは、なんとか頑張れる程度。「6~10」は、チックや頭痛・吐き気・足の痛みなどの身体症状が出始めるため、何らかのサポートが必要になってきます。Upload By GreenDaysこうして娘のストレスを数値化することで、「しんどい」と訴えられたときに「今、1~10で言うとどのぐらい?」と確かめ、そのレベルを推測することができるようになりました。しんどいレベルが「4」か「5」の時は、そっと背中を押してあげれば前に進む勇気が出ることもあります。「6」以上の時に背中を押してしまうと「ママの期待に応えなければ」という気持ちが芽生え、余計に娘を追いつめてしまうことになるので「まずは心を休めようね」と声をかけることにしています。この数値化のおかげで娘と私の認識は大きくずれることなく、その認識を前提に話ができるようになりました。出典 : 「しんどさ」がわかれば課題や手立ても見えてくる!また、娘のストレスを書き出してみることで、わかった事もたくさんありました。雨の日と晴れの日では同じ出来事でもストレスの度合いが違うこと、児童精神科への通院前には、娘にとんでもない負荷がかかっていたことお友だちとバイバイする時間になると激しく怒り、泣いて抵抗する娘にも、その瞬間はかなりのストレスがかかっていることも判明しました。わがままなのではなく、自分ではどうしようもない感情の揺れに振り回されていたのです。「お友だちと遊ぶときには、あらかじめ帰り際の対策をたてておく」という課題も見えてきました。こうして娘と一緒に「今はどんな状態だろうね」「こんな状態の時はどうしたらいいかな?」と話し合っていくことで、娘は安心してSOSを発することができるようになっていると思います。年齢が上がるにつれ、いろいろな感情やプライドが邪魔をして、本当のことを話してくれなくなる時期が来るかも知れません。それでも、「SOSを出せば一緒に解決策を考えてもらえる」という経験は、娘の今後の人生できっと役立ってくれることと思います。客観的に自分の状態を判断できるようにUpload By GreenDays「今、自分はどういう状態にあるのかを知る」ことは、とても大切なことだと思います。同じ出来事が起きても、なぜ今回は怒ってしまったのか、なぜ今回は平気だったのか。それを自分自身が少しずつ理解していくことで、自分自身の理解は少しずつ進んでいくと思います。理解が進めば対策が立てやすくなり、対策が立てられれば毎日穏やかに過ごせることも増えるのではないでしょうか。「己を知る」手立てを伝えることは、いずれ私の手を離れて巣立つ娘へ贈る大切なプレゼントです。焦らずゆっくりと。娘に合った方法を模索しながら、いつの日か客観的に自分の状態を判断できる力を身につけてあげたいと思います。
2016年07月21日「学校に行かなくても、自分の道はみつけられる」−吉開拓人(高校生エンジニア)現役高校生でありながら、エンジニアとして「株式会社ウィンクル」というIT企業に勤務、「Gatebox」というホログラム映像を使ったコミュニケーションロボットの開発に携わり、数々のコンテストでの受賞経歴もある吉開さん。株式会社ウィンクルそんな吉開さんには、3年半ほどの不登校経験があります。「当時の経験が今の自分をつくっている」と力強く語る吉開さん。不登校になってから、エンジニアとして活動するまでの道のりをうかがってきました。「学校に行く意味がわからない」―小さな疑問からはじまった不登校時代Upload By 発達ナビ編集部編集部: 現役高校生でありながら、エンジニアとしても活躍されている吉開さんですが、不登校の時期があったとお聞きしました。そのときのきっかけは何だったんでしょうか?吉開さん: 何か大きなきっかけがあったわけではないのですが、一番の理由は学校の空気に窮屈さを感じていたことでしょうか。中学に上がると急に受験に向けた詰めこみ教育がはじまって「何のために勉強してるのかわからないなぁ」と悩み始めたんです。勉強やスポーツが特別出来る方じゃなかったので、気づいたらドラえもんの「のび太くん」状態になってましたね。あとは、中学生特有の人間関係というか、学校の中に流れるギクシャクした雰囲気も苦手でどんどん嫌気がさし始めたんです。編集部: 大きなきっかけがあったわけじゃなかったんですね。吉開さん: そうなんです。特にいじめがあったとか家庭環境が悪かったというわけではなかったですね。だけど、中学生になって半年経ったところで「1日、ちょっとずる休みしてもいいかな」って気持ちがもたげてきて。そこで学校をサボってみたんです。一度「えいっ」と休んじゃうと心のハードルが下がるんですよね。そのまま1日、また1日と休む日が増えて、気付いたら中学1年の秋頃から不登校になってました。出典 : 編集部: そこから始まったんですね。吉開さん:はい。16歳まで、約3年半ほど続きました。だから中学は最初の半年だけしか行ってないです。編集部: どんなことをして過ごしていたんですか?吉開さん: 最初はゲームばかりして過ごしていましたね。別にゲーム好きじゃなかったんですが、何がしたいのか思い浮かばなくて暇つぶしでやってました。その時は家からぜんぜん外に出なかったので、親以外との交流もほとんどありませんでしたね。編集部: ちなみに、そのときご両親との関係は?吉開さん: 不登校になってから、仲が悪くなりましたね。母は「休んだらいいんじゃない?」と言ってくれていたのですが、父は早く学校に行かせたいという気持ちが強かったみたいで。それが原因でよく喧嘩をしてました。「父のおかげでとことん好きなことに向き合うことができた」Upload By 発達ナビ編集部編集部: そんな中から、エンジニアを目指すようになったんですよね?吉開さん: はい。実は、エンジニアになったキッカケは、父の一言だったんです。編集部: あ、そうなんですか!吉開さん: そう(笑)不登校になってからの1年間、ずーっとゲームをしてたら、父が「そんなにゲームをやるなら、自分でつくってみれば?」って言ったんです。“ゲームをつくる”っていう言葉にすごく惹かれて、それを境にプログラミングの世界にどっぷりはまりました。編集部: お父様の一言が今につながってるなんて、すごいですね。吉開さん: ほんとですよね。父には今でもとても感謝してます。プログラミングを始めると言ってから、勉強に必要なものは惜し気なく与えてくれました。今までに専門書は60冊くらい買ってもらいました。編集部: 60冊!?Upload By 発達ナビ編集部吉開さん: 「プログラミングを始めるぞ!」と決意してからは、父が買ってくれた本を片手にずっとひとりで勉強していましたね。編集部:独学で勉強していたんですか?吉開さん: はい。ずっと独学。自分のペースで勉強していました。編集部: ネットの掲示板やコミュニティで交流しながら勉強、という事も特になく?吉開さん: そうですね。情報収集のためにエンジニアのコミュニティを利用することはありましたが、他のプログラマーとの交流はしませんでした。僕の場合は、周りに左右されず自分のペースで勉強を進めるのが合っていたんだと思います。編集部: まっすぐ好きなことに向かえる環境にいられたということですね。吉開さん: そうですね。そういう点でいうと、僕は不登校という環境を選べてよかったと思っています。自分のやりたいことを自分に合ったペースで探求できたのは、不登校になったおかげだとおもっています。もし学校にそのまま通っていたらエンジニアも目指してなかったかもしれませんね。編集部: お父様からのサポートや、ひとりで勉強できる環境…いろいろなことが重なってエンジニアとしての道につながっていったんですね。吉開さん: はい、その中でも父のサポートは大きかったですね。学校にいかなくても自分なりの道がみつけられたのは、僕がプログラミングだけに集中して取り組めるように環境を整えてくれたおかげだと思います。自分にぴったりの高校に出会い、学校に通いながらエンジニアの道へ出典 : 編集部: そのあと高校に進学されましたよね。高校へ行こうと思ったのはいつごろからなのでしょうか?吉開さん: 実は、高校に行く年齢になっても、まだ学校には行きたくない気持ちの方が強くて1年ほどのんびりしていました。だから僕、みんなより1年遅れて高校に入学してるんです。そのときは行きたいと思える高校がなかったんですよね。編集部: という事は、逆に言うと今の高校は吉開さん自身が「行きたい!」と思えた…?吉開さん: はい。行くならこの学校しかない!と思ってすぐ願書を出しました。正直、この高校に入学してから人生が変わりましたね。今通っている学校は、「プログラミングの授業が必修」という謳い文句に惹かれて入学を決めました。それに、通信制高校なので自由に使える時間が多いんですよ。学校側も、外で自由に活動することを推奨していました。編集部: 自分のやりたいことにマッチした学びができるというのは、素敵ですね。Upload By 発達ナビ編集部吉開さん: うちの高校は面白い人が多くて、企業でインターンしている人、エンジニアとして働いている人や学生団体をたちあげる人…いろいろな人がいますよ。高校に入ってから活動的な人たちと交流することも増えていって、そこからどんどん外でやっているイベントに顔を出すようになりました。いま働いている会社に出会ったのも、この時期に参加したイベントがきっかけだったので、高校に入ったことは大きな転機だったなぁと思います。編集部: なるほど。高校に入ってからの出会いが転機だったんですね。吉開さん: 本当に、不登校の時代からは考えられないくらい毎日がガラリと変わりました。あの頃とは真逆で、家にいる時間はほとんどなくて、必ず外に出て何かをやってますね。学校や仕事を通じて、自分が成長している実感があることが楽しくて仕方がないんです。周りの人たちも自分のやりたいことに向かって目的を持って行動しているから、その環境の中に身を置けて良かったと思っています。学校法人信学会 コードアカデミー高等学校これからの社会に必要なのは、子ども達それぞれにあったサポート体制をつくること出典 : 編集部: これから大学進学が待っていますね。大学生になってから挑戦したいことはありますか?吉開さん: 僕には大きな目標が2つあるんです。ひとつは、コンピュータサイエンスの技術を活かした、モノづくりのサポーターになること。もうひとつは、不登校だったり学校での生きづらさを感じている子どもたちのための、教育支援の仕組みをつくること。これまでの仕事を通じて、自分の技術で人をサポートできるようになりたいと思ったんです。モノづくり自体が楽しくして仕方がないので、「誰かのアイデアをどう実現できるのか」を考えて実行できる人になれたらいいなと。そのためにもっと技術を身につけていきたいです。子ども達の支援も、自分と同じような境遇の人たちをサポートするにはどういう仕組みが最適なのかを考えたいと思います。学校教育を変えるとなると難しいかもしれないけれど勉強カフェのような溜まり場や塾みたいなものを作っていけばいいかもしれない…というようにアイデアを練っていきたいと思ってます。編集部: 素晴らしい目標ですね。そんな吉開さんがこれまでを振り返って、今、同じように不登校を経験している人に何を伝えたいですか?吉開さん: 一旦不登校になると、なかなか戻れないというイメージって強いと思うんです。でも不登校になってみてわかったんですが、出来ないことってそんなにないんですね。僕の他にも同じような環境から自分のやりたいことを見つけて活躍している人はたくさんいます。とくに今やりたいことがないという人には、少しでも興味のあることにはどんどんチャレンジしてほしいです。三日坊主になってもいいので、興味をもったらまずやってみることです。僕の場合は、色々と経験することで本当に自分に向いていることが見えてきたので、思い切ってチャレンジしてみるというのはいいのかもしれません。Upload By 発達ナビ編集部吉開さん: それと、お父さんお母さんには、その子が思いっきりチャレンジできる環境をつくってもらいたいです。父が一生懸命に取り組めるような環境を整えてくれたから今の僕があると思っています。だから、興味を持ったものを学ぶためのサポートをしてもらえれば、安心して自分の道を突き進むことができるんじゃないかなぁと思うんですよね。編集部: 最後に、吉開さんの考える「これからの学校や社会で必要だと思うもの・変えていきたいもの」を教えてください。吉開さん: 今ある学校に適応できなかったら失敗、という、ひとつのレールに子どもを乗せていくような教育観が変わっていけばいいなと思っています。好きな事には夢中になって取り組めますし、仕事にできるくらい極められるようになると思うんです。そういうふうに、型にはまった勉強以外にも子どもたちそれぞれの好奇心や意欲を活かせる場所をつくってあげれば、自立して社会で活躍する人材が育っていくんじゃないかと考えているんです。だから、学校の中に生きづらさを感じている人がいたら、その人たちの悩みに寄り添いながら、それぞれの「なりたい・やりたい」を実現できるような体制作りが必要だと思っています。出典 : 吉開さんは終始、物腰柔らかな受け答えをしつつも、自分のなかで育てた価値観を真正面から伝えてくれました。会話の中で印象的だったのは、お父様への感謝の言葉が何度も出てきていたところ。「本人にあった支援は何か」を考え続けられてきたからこそ今の活躍があるのだと思わずにはいられません。「学校に行かない」という選択から、不登校である時期を「自分にあった生き方を探す時間」として向き合ってきた吉開さんだからこそこれからの社会に必要なサービスを生みだしてくれそうだと、そう思わせてくれるほどに芯をもった方でした。
2016年07月21日ずっとこのままだったらどうしよう…Upload By こころ娘が自閉症かもしれないと疑い始めた頃、「私に障害児を育てられるの?」「これから先娘はどうなってしまうのだろう…?」と考えるととても不安になりました。外出すると、娘より小さな子がお話ししたり指を差したりして自己主張している姿につい目がいってしまい、他の子の成長を目の当たりにすると、素直に喜べない自分がいました。今まではただ可愛いと思って見ていたけれど、他の子たちと比べては辛くなる毎日。こんな風に自己主張する日が、娘にもくるのだろうか?前向きに考えられるようになったと思えばまたガクッと落ち込み、私の気持ちは上がったり下がったりの繰り返しでした。娘は少しずつ成長しているけれど、自閉症の特性はどんどん濃くなっているように感じました。娘を見てずっとこのままだったらどうしよう!と急に焦り、ずっと今の状態ではないと心で分かってはいても、いつ何ができるのか全く予測のつかない先の見えない育児は心配だらけでした。呼んでも振り返らない、あまり目も合わない、ママ友の子どもと一緒に遊べない…1日中独り言を言っている娘を見て孤独を感じ、そして悲しくなってしまう私なのでした。少しずつ成長が見え始めた娘Upload By こころずっと悲しんでいても、娘から障害は消えてはくれない。だったら悲しみながらでも娘ができることを見よう。好きなことはやらせてあげよう。得意なことがあれば伸ばしてあげたい。そしてたくさん褒めてあげるんだ。そう思いながら接していくうちに娘の好きなことや得意なことを発見しました。毎日の関わりの中で娘が徐々に私を意識するようになっていくのを感じ、私と娘に笑顔が増えました。少しの成長も、噛みしめていける!Upload By こころ悩むことが多い育児だけれど、成長をゆっくり感じる分、どんな小さなことでも何倍も嬉しいことを知りました。娘の発達障害を疑い始めてから1年と少し経ちます。本人のペースで確実に成長しているし、自閉症じゃない娘は娘ではない、そう思えるようなったことで人と比べて落ち込むことはなくなり、素直に他の子どもの成長を喜べるようになってきました。今では自閉症児ならではの行動や発想が可愛くて、私はいつも娘に笑顔にさせられています。
2016年07月21日自己完結型の娘Upload By SAKURA娘は赤ちゃんの時から母親にべったりする子ではありませんでした。手がかからず、育児でよくある「他の人では泣きやまなかったのに、ママが抱っこしたら泣きやんだ!」「やっぱりママじゃないとダメ」ということがなかったのです。それどころか、周りの人にもあまり興味がないようで、いつも1人で遊び、1人を好んでいた娘。他の人と遊んで、楽しさを共有しようとか、「みてみて~」と人と楽しさを共有する様子がなく、すべてが自己完結していました。側で遊んでみるUpload By SAKURAUpload By SAKURA娘と一緒に遊びたかった私。しかし、1人で遊んでいるときに私が入っていくと、途中で遊びをやめてしまったり逃げてしまったり。1人の時間がとても楽しいのか、そういう子なのかなと思い、私はそれ以上気にしませんでした。え?これって普通じゃないの?Upload By SAKURAそれが問題であると初めて分かったのは娘が2歳半のとき、発達支援センターでのことでした。教室に入るなり、私のそばから離れて遊び始めた娘。その間、私は先生とお話していました。先生「お母さんの所に戻ってきませんね。いつもこうですか?」その通り。いつものことなので正直に「はい、呼んでも来ないくらいです。」と言うと…「お母さん気づいてないかもしれませんけど、これはけっこう問題です。」えっ、問題なの?!お母さんに興味が無い?!Upload By SAKURAこのことがそんなに重要な問題だと思っていなかった私は、衝撃を受けました。先生から「この子はお母さんに執着がない…興味がないんです」と言われた私。この時のショックは相当なものでした。それはまるで、今までそばにいて過ごしてきた時間のすべてを否定されたような衝撃でした。娘と遊ぶ時間を作ろう!Upload By SAKURA先生から「まずは一緒に遊ぶことが楽しいと思ってもらうことが大事です」と教えてもらい、支援センター行われている「みんなおで母さんと遊ぶ時間」という活動に、親子で体験させてもらうことになりました。この活動は、他の子ども達も母さんと一緒に遊んでいるという環境の中、娘と遊ぶもの。これを繰り返しながら「楽しい気持ち」を共有する時間を増やし、人との関わりを学んでいくのだそうです。最初は戸惑っていましたが、みんなと一緒なら遊べるようで、少しずつ…少しずつ…娘は変わっていきました。あの日々があったからこそUpload By SAKURA現在5歳になった娘。名前を呼んでも来ない、いつも1人で遊ぶ、あの静かだった日々が嘘のようです。最近では「ママ!みて!」「ママいっしょにあそぼう!」「ママえほんよんで!」の毎日。他の人に対しても、自分から近づいて行ったり、度が過ぎるほど話しかけるようになりました。時間はかかりましたが、発達支援センターでの活動は無駄ではなかったと感じます。
2016年07月20日忘れられない辛さ、みなさんは経験がありますか?過去の辛い記憶や苦い経験、みなさんはどれくらいの時間が経てば消化できますか?思い切り泣いたらスッキリする、一晩寝たら気持ちを切り替えられる、失敗したときと同じ状況になったとき初めて消化できる、など人それぞれだと思います。発達障害には、記憶に関する凸凹があると言われており、特に自閉症は忘れられない障害とも言われるそうです。その「忘れられない」という特性は、アスペルガー症候群の息子にも、色濃く出ています。何かのキッカケで、苦い記憶が、まるで5分前に起きた出来事かのように鮮明によみがえり、ストレスを感じます。忘れてはならない予定や持ち物などは、しょっちゅう忘れてしまうのに、苦い記憶や自分の中で消化できていない事は何年経っても覚えているのです。そのストレスが原因で、パニックを起こしてしまうこともありました。どうしたらこのフラッシュバックから解放されるのでしょうか?当たり前ですが、パニックが起きたときに一番辛いのは本人。息子だって、平穏な生活を望んでいます。息子のパニックを誘発したのは、1年前の出来事Upload By kaoru息子に「苦い記憶を忘れられない」という特性があると気づいたのは、学校からの1本の電話でした。「ある同級生を見かけた途端、飛びかかり、蹴った」との事でした。先生は「理由を聞いても、わからない」と言うのです。「同級生を見かけた途端、飛びかかった」という状況で、息子の言い分は「僕が先にやられたからやり返した!」という内容。息子が跳びかかったときの目撃者も多く、先生は息子の言い分に戸惑ったようでした。私が息子に話を聞くと、確かに相手が先に手を出したのは事実なのですが、それはなんと1年以上前、学校ではなく放課後デイでの出来事だったのです。「突然相手から椅子をぶつけられたから押し返した。そうしたらぼくだけ先生に怒られた。だから今度は僕が先にやった。やり返しただけだ!」これでは学校が対応に苦慮するのも、当然だと思いました。1年前にトラブルになった際、大人の仲裁に納得できず、モヤモヤを忘れられなかったらしいのです。かつてのトラブル相手を見つけた途端、モヤモヤした記憶が鮮明によみがえり、半ばパニック気味になっていたのでしょう。納得ができないことは、息子の中で未消化のまま終わらないのです。消化できないままの出来事は、何年経っても終わらない。そう気付いてから出典 : 今回の件を考えれば、理由があっても手を出すのはいけないことです。そして当時その同級生は椅子をわざとぶつけたわけではなかったのかもしれません。ですが、まずは子どもの気持ちに寄り添い、「口惜しかった」「納得がいかなかった」という気持ちを認めてあげる事に徹しました。1年前に、息子の言い分を聞いてから「わざとじゃなったかもしれないね」と伝え、それから「でも手を出すのはいけないと思う」と言っていたら、この1件は納得して息子の中できちんと消化できていたかもしれません。今回の1件で、息子は1年前のトラブルが頭から離れず、ストレスを感じ毎日のように私に口惜しい気持ちを話し続けるようになりました。Upload By kaoruなんとか、息子の苦い記憶を消化させてあげたいけれど、なかなか情報がありませんでした。ですが、打開策のヒントは息子自身が言った言葉にありました。「お母さん、僕は忘れたほうがいいのかな?」この言葉にピンときたのです。きっと、忘れたいけど忘れ方が分からないのではないだろうか?「そうだね、君のためには忘れたほうが良いかもしれない。納得できないかもしれないけど、忘れられたら楽になれると思う。口惜しかったよね?納得できなかったよね?その気持ちはお母さんが覚えておくから。」このやり取りを境に、息子はこのトラブルを口にしなくなりました。忘れる事が苦手なのは「忘れてもこの先大丈夫なのかどうか」がわからないからUpload By kaoruこれは私の考えですが、息子は「忘れていい」と言って欲しかったのだと思います。本当は思い出したくないし、パニックになって問題も起こしたくないのが本音でしょう。私が「お母さんが覚えておく」と言ったのは、息子が自閉症スペクトラムである以上、行き場のないネガティブ記憶の処分先を、明確にしたほうが良いのではないか?と思ったからです。その後、息子は忘れたいけど忘れられない記憶ができると、私に「忘れる許可」を求めに来ます。「忘れたい」とは言いませんが「忘れたほうが良いのか?」と聞いてくるのです。自閉症スペクトラムの子は、見通しを立てたり応用する事が苦手と言われますが、「忘れていい」と明確にわかり「忘れてもこの先問題ない」という見通しがないと、忘れることさえ不安なのかもしれません。親子で一歩ずつ、「苦い記憶」と上手に付き合っていけるように出典 : アスペルガー症候群である息子は、知的に遅れもなく言語も達者です。だからこそ「理解できるだろう」と安易に解決を求められ、消化できない苦い記憶が増えてしまうのかもしれません。こうやって積み重なった苦い記憶は、二次障害の原因のひとつにもなると私は感じています。私は、息子に関わる大人にいつもお願いしていることがあります。それは特別扱いをして欲しいとか息子の肩を持って欲しいとかではなく、「本人の言い分を聞いた上で、息子も相手も納得できる解決をして欲しい」ということです。こうした関わりが、消化できない苦い記憶ばかりを増やさない大切なプロセスだと思うからです。周囲の協力と、家でのコミュニケーションを重ね、息子は成長と共に「ある程度流せること」も増えてきました。私に気持ちを話し、共感してもらえると落ち着けるようにもなってきました。それでも、過去の苦い記憶を思い返してグズグズする事もあれば、私が十分に話を聞けない時はなかなか切り替えられない事もあります。ストレスが多いときほど、苦い記憶は忘れにくく、そして思い出しやすくなるように感じます。全ての要因を排除するのは無理だとしても、二次障害を誘引しない程度に、ネガティブな要因を避ける術を学ぶのが目標です。まだまだ「苦い記憶を忘れる」ハードルは高いけれど、親子で1歩ずつ飛び越えて行きたいと思います。
2016年07月20日Instagramで人気のこのTシャツ、見たことありますか?出典 : 出典 : 出典 : このTシャツは神戸にある「Seashore」というクラフトチームのオリジナルTシャツ。人気インスタグラマーたちがこのTシャツを紹介していることで注目されています。Seashoreは2013年、神戸で誕生したcraft teamです。“全てのお客様に海、ロハス、自然、癒しを感じてもらい気持ち良い空間を楽しんでもらいたい。”そんな思いをメンバー一同が共有しています。各アーティストが作るアイテムが皆様の日常の一瞬を素晴らしいものに変える事が出来たら嬉しく思います。福祉への気持ちがこもったTシャツ出典 : 実はこのSeashoreは「JOIN US活動」と称して、障害のある方の仕事づくりに積極的に取り組んでいるのです。このTシャツのタグ制作と取り付け、包装は福祉施設に業務委託されているのだとか。そのほかに販売されているグッズでも制作の過程を業務委託し、障害のある方々の自立を応援しています。福祉雇用などに積極的に参加し自身が作るアイテムの一部を業務委託しています。ハンディキャップを持っている方が笑顔で自立できるように共に歩んで行きたいと思い活動を続けます。(JOIN US活動)「オシャレ!」からはじまる支援があってもいいよね私がこのTシャツを知ったときに、日頃から障害者支援や福祉活動をしている方達だけでなく、InstagramをはじめとするSNSを使いオシャレなライフスタイルを提案している人たちが沢山参加している事にとても驚きました。これまで福祉に興味がなかった人たちも「オシャレなTシャツだな〜」という切り口から、福祉を知るキッカケになっているかもしれません。いくつかご紹介しますね。出典 : 出典 : 出典 : 出典 : 出典 : 出典 : 出典 : 福祉とファッション、手を取り合って大きなパワーにUpload By OKASURFER以前、いつもオシャレな私の友人が、「自分の見た目ばかり着飾っていないで子どものことをちゃんとしろ、と主治医に言われた…」と話してくれました。彼女はいつも子ども達のことを考え、日の出前から起きて一日中駆けずり回っているのに、オシャレ見えたからといって「子どものことをやっていない」と言われるのは心外だ、と怒りを覚えたそうです。私も、障害児の子育ては別に喪中でもなんでもないんだから、どうして無理に地味にして、大変そうに演出しなきゃいけないの?と疑問に思うこともあります。わざわざ派手に着飾る必要はないですが、ことさらに髪をふり乱す演出を求められることは、不自然ではないでしょうか。結局、相手の見た目で何かを判断するということが今の社会には残っていて、それは医療従事者や福祉業界にいる支援者の方にも少なからずある事なんだ、という現実にがっかりした経験でした。福祉の分野とファッションはこれまで距離があったからこそ、手を取り合えば、とっても大きなパワーになるんじゃないかと期待しています。福祉とファションの今後を担う活動を、これからも応援していきたいです! inc. 公式サイト inc. 通販サイト
2016年07月19日ある日の夜ご飯、モリモリ食べるわが家の子ども達。Upload By ChieUpload By ChieUpload By ChieUpload By Chie発達に凸凹のあるわが家の子ども達。これは娘の「るん」が3歳くらいの時の話です。当時、るんの語彙年齢は、実年齢プラス2〜3歳でした。口は達者で、その喋りっぷりはまるで「小さい政治家」のよう。実年齢よりも+2〜3歳の語彙力を持つ、るん。いろいろな言葉を知っているのですが、「本当の意味や使い方をよく知らず、使っている」ということも少なくないのです…。今回の「おなか、爆発!?」エピソードも「壊れる」という言葉を知っていても、慣用句としての使い方を知らない、典型的なお話。そこら辺は、まだまだ年相応なんですね(笑)口は達者でも、やっぱり3歳なんだなぁ!そう思った出来事です。6歳になった今でも、時々可愛らしい、でも年相応な間違いを見せてくれます。よく自閉症スペクトラム系の特性として「言葉をそのまま受け取ってしまう」「例えがわからない」などが挙げられますよね。確かに発達特性の議論としてはそうなのですが、よくよく考えてみれば、私たちの誰もが、小さい頃にはこういう可愛らしい言葉間違いをしたことがあると思うのです。言い間違えや、知らない言葉があるのは自然な事。わが家の子ども達は凸凹が大きいですが、こんな日々のやり取りは、あまり神経質にならずに楽しんで見守ってもいいのかな、と思っています。本記事は、イラストレーターのkatahoさんにご協力いただきました。ブログ『暇つぶしになればいいんです』
2016年07月19日こんなに小さくなっちゃって…Upload By 荒木まち子Upload By 荒木まち子我が家のルーチン我が家では学校からのお手紙や連絡帳は、子ども自らが玄関のトレイに入れることになっています。conobie記事「発達障害のこだわりは強みにもなる」いったいカバンの中で何が起きているの!?Upload By 荒木まち子親は時間のある時にそのお手紙や連絡帳をチェックするのですが、娘が持ち帰るお手紙やプリントはなぜか下半分がいつも蛇腹折り(またはクシャクシャ)です。なぜそうなるのかを娘に聞いても「分からない。学校で鞄に入れる時はきれいだよ。」の一点張りなのでした。クリアファイルを使ってみた!プリントがクシャクシャにならないように、お手紙用のクリアファイルを使用してみましたが、帰宅後に確認するとクリアファイルもろとも下半分が蛇腹に折れ曲がっていました。納得の理由、それは…出典 : よくよく話を聞くと娘は、帰りの支度を「決められた時間内に準備をしなければ!」と必死だったようです。手紙を鞄に入れると、その上から連絡帳や筆箱をあわてて詰め込入んでいることが判明しました。手紙がクシャクシャになることなど気にせずに。周りに話すと意外な反応が返ってきました出典 : このことをお友達のお母さん達に話すと、「くしゃくしゃだって読めればいいじゃん!」「うちの子はお手紙を出してくれないよ」「お手紙が鞄の中で地層みたくなってる」「無くさないだけ良いよ!」など娘を褒める意外な返事が!周囲に打ち明けることで気が楽にそれまで私はプリントがクシャクシャなのはだらしないと考えていましたが、他のお母さん達の話を聞いて「娘はきちんとプリントを決められた場所に出せていたし、ちょっとくらい破れてもビリビリってわけじゃなし、読めるからま、良いか」と思うようになりました。出典 : 家で記入した個人面談日時の希望のプリント。子どもが学校に提出する時にはさらにくしゃくしゃになっているかもしれないけれど、締め切りまでに提出しているし、先生も大目に見みてくれるといいな!
2016年07月19日自閉症とは?Upload By 発達障害のキホン自閉症は先天的な発達障害の一つで、社会性と対人関係の障害、コミュニケーションや言葉の発達の遅れ、行動や興味の偏りの3つの特徴があると言われています。世界保健機関(WHO)の『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版)では広汎性発達障害というカテゴリーのもと、自閉症という障害名が使われています。一方、2013年に発行されたアメリカ精神医学会の『DSM-5』(『精神障害のための診断と統計のマニュアル』第5版)において自閉症のという障害名は廃止され、自閉症スペクトラムの障害名のもとに統合されました。そのため、今後自閉症という名称での診断は少なくなることが予想されますが、自閉症という名称は現在も一般的であり、また発達障害者支援法などの法律や文部科学省・厚生労働省などでも使用されています。以上をふまえ本記事では、下記の文部科学省の定義で示されるような概念における「自閉症」についてご紹介します。自閉症とは、3歳位までに現れ、①他人との社会的関係の形成の困難さ、②言葉の発達の遅れ、③興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする行動の障害であり、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される。自閉症の原因は何?出典 : 様々な議論が交わされていますが、自閉症の原因はいまだ特定されていません。しかし、何らかの生まれつきの脳機能障害であると考えられており、しつけや愛情不足といった親の育て方が直接の原因ではないことがわかっています。脳機能障害を引き起こすメカニズムとして、遺伝的な要因が原因の一部であると推測されています。何らかの先天的な遺伝要因に様々な環境的な要因が重なり、相互に影響しあって脳機能の障害が発現するのではないかという説が現在有力とされています。関連する遺伝子や環境要因については、現在さまざまな研究が進められていますが特定には至っておらず、また複数の要因や組み合わせが存在すると考えられます。それらがさまざまな道筋をたどって自閉症の特性となって現れると言われているのです。そのため全ての人にあてはまる唯一の原因はないとも考えられています。自閉症は親から子どもへ遺伝するの?確率は?出典 : 自閉症に関しては、双生児研究や家族間での一致率に関する研究が活発に行われ、遺伝子が近いほど一致率が高くなる傾向があるといわれています。このことからも、現段階で医学的な根拠はありませんが、自閉症の発現に何らかの遺伝的な要因が関係している可能性が高いと考えられます。ですが、これまでの研究で自閉症は単一の遺伝子が原因で起こる「メンデル型遺伝疾患」と呼ばれるタイプではなく、複数の遺伝子の変化が影響して起こる「多因子遺伝疾患」であることも推測されています。つまり親の遺伝子が単純に子どもに遺伝して自閉症になるわけではないということです。自閉症の遺伝要因は原因の一部にすぎず、自閉症のある親から、自閉症ではない子どもが生まれることもあれば、両親とも定型発達の場合でも自閉症のある子どもが生まれることもあるのです。遺伝する確率については、現在のところ不明です。親が自閉症だった場合で子どもも自閉症である確率も、調査によって数値がまちまちで確かな結果は出ていません。このことも、遺伝要因と環境要因の相互影響が複雑で、偶然性に左右される部分が多いことを示唆していると言えるでしょう。きょうだい(兄弟・姉妹)で自閉症である確率は?出典 : きょうだいに自閉症の人がいる場合はその弟妹も自閉症である確率はあるのでしょうか?きょうだい間での自閉症の一致率に関しては、以下のような報告があります。一卵性双生児のうちの1人が自閉症の場合に、もう1人も自閉症である割合は、報告によって差がありますが91~96%、二卵性では0~24%と、大きな開きがあります。兄弟姉妹では、1人が自閉症と診断された場合その兄弟姉妹が自閉症である割合は一般よりも高く、5~10%くらいと言われています。(服部 陵子/著『Q&A家族のための自閉症ガイドブック―専門医による診断・特性理解・支援の相談室』明石書店,2011年/刊P.19より引用)医学的にはっきりした結論は出ていませんが、遺伝子配列が同じ一卵性双生児で一致率が高いことから、やはり遺伝的要因の関与が推測されます。一方で遺伝子配列が一致しても100%発現するのではないこともわかりました。これは遺伝要因と環境要因の相互影響説の根拠の一つとも言われています。また、きょうだいに自閉症の人がいる場合、一般より発現率が高くなる傾向があると言われていますが、遺伝的要素が強かったとしても、必ず自閉症が現れるわけではありません。兄・姉の特徴の全てがそっくりそのまま次に産まれてくる子どもに伝わるとは限りません。きょうだいだけでなく両親や祖父や祖母に顔が似ていたり、遺伝子の突然変異により両親にはない特徴が子どもにみられたりなど、受け継がれる要素や表れ方はさまざまです。もし、きょうだいに自閉症の子どもがいても、本人はそうでないこともあります。またきょうだいに自閉症のある人がいなくても自閉症の子どもが生まれてくる可能性もあるのです。つまり生まれてくるまで自閉症かどうかはわからないのです。自閉症は男女で発現率が違う?出典 : 調査によって数値にばらつきはありますが、自閉症は男性の発現率が女性に比べ高い傾向があると言われています。男女比は3~4:1で男子に多いと考えられてきたが、近年の調査では男女比の差は少なくなりつつある。(岡崎祐士/総編集『ICD-10精神科診断ガイドブック』中山書店、2013年/刊P.587より引用)男性と女性では脳の構造が違うことや、染色体の違いから、男性の方が自閉症の発生率が高いのではないかという説もありますが、原因はまだはっきり分かっていません。一方、男性と女性では症状にも少し違いがあり、男性は「コミュニケーション能力が低い」「言語の発育不足」などの症状がよりみられるといわれています。ところが女性の場合は男性と比べて症状が軽いので、自閉症であるとわかりくく、気づかないまま暮らしている人もいると推測されます。そのため統計に反映されていないのでは、という可能性も指摘されています。そのため、実際のところ4:1よりは男女差は少ないとする研究者もいます。自閉症を検査する方法はあるの?出典 : 現在の医学では妊娠中の羊水検査、血液検査、エコー写真などの出生前診断で判明することはありません。また、出生後も遺伝子検査や血液検査といった生理学的な検査ではわかりません。これは自閉症の原因が完全には解明されておらず、またその原因も複雑で単一ではないと考えられるためです。生理学的な検査方法を確立するのはかなり難しいとも言われています。自閉症の人の多くが幼児の頃から12歳ぐらいに何らかの症状をきっかけに専門機関を受診し、医師によって自閉症だと診断されます。診断は問診と心理検査・知能検査などの様々な検査を総合的に判断して行われます。その他MRIを使い脳の器質的な疾病がないかを確認する場合もあります。検査や診察は一度ではなく、何度か行われたうえで慎重に診断が下されることが多いです。自閉症の原因はまだ解明されていない出典 : 現在の医学では、自閉症の原因は完全には解明されていません。自閉症については現在研究がさまざまな角度から盛んに行われ、検査法や治療法を含め原因の解明が切望されています。その中で、遺伝要因と環境要因の相互影響説といった輪郭がおぼろげながら見えてきたといえます。遺伝するかどうかというのは本人や家族にとって大きな関心事でしょう。また遺伝的要因が関係していると聞くと、不安を感じるかもしれません。しかし、現段階でわかっている範囲でも、自閉症の発現は様々な要因が複雑に影響しあい、いわば偶然性が大きいといえるのです。少なくとも「遺伝のせいで自閉症が発現した」というのは正確ではありませんし、単純に親から子へと遺伝するのではないことがお分かりいただけたのではないでしょうか。また「親の育て方のせい」というのも医学的に否定されています。自閉症は早期に症状に気づき、早期に療育や環境調整といった支援を始めることで、本人の生きづらさがかなり緩和できることがわかっています。個々のケースにとって原因をあれこれと追及し悩むことは、子どもの成長や支援にとってはあまり有益ではないかもしれません。周りや本人が適切な対処法を学ぶことによって、どうすれば本人にとって生きやすい環境が作れるかを考えていきましょう。参考書籍:鷲見聡/著『発達障害の謎を解く』(日本評論社,2015)参考書籍:服部 陵子/著『Q&A家族のための自閉症ガイドブック―専門医による診断・特性理解・支援の相談室』明石書店,2011年/刊
2016年07月18日健全な凸凹男子の長男。「やって」と言われたことを素直にやってくれるのなら、こんなに苦労はしません。そんな好奇心旺盛で集中力に偏りがあり、興味のあることにはエネルギーを全力投入する彼には、・本人の興味、関心に合わせる・できるだけ楽しく、負担の少ない方法にする・合理的にメリットを説明するなどで、受け容れやすいアイデアをあの手この手で提案しています。それでも息子のほうが一枚上手で、一瞬で母の努力が水の泡になり上手くいかなかったことは数知れず。でも、そんな試行錯誤の過程も、結構楽しいと思えるようになりました。今回は、そんな大失敗のアイデアの一部と、どうしたらめげずに支援ツール作りを続けていけるかのコツをお伝えします。「漢字が覚えられない」長男、あの手この手でやってみるも…出典 : 漢字を「書いて覚える」が苦手な長男は、漢字書き取りでどれだけノートに書いても、頭に入りません。こういったお子さんには、書く以外の方法でアプローチを試してみるといいようです。例えば・・・・モールやブロック、粘土などで、立体的に作ってみる・パーツに分解した漢字カルタや、漢字の足し算など、パズル的にやってみる・漢字の成り立ち(象形文字)や部首の意味などを、絵や動画で理解するなどなど、いろんな方法が考えられます。あるとき漢字の再テストが続き、うんざり気味で意気消沈している長男を見て、なんとかしてあげたい親心。そこで早速、100円shopでカラー粘土を買って来て「これで、漢字作ってみたらいいかもよ?」と、そっと置いておきました。すると、長男が楽しそうに粘土をこねて文字を作りはじめ、「しめしめ。食いついたな」とほくそ笑み、離れたキッチンから見守る母。「かあちゃん!見て!超うまくできた!」自信に溢れて、得意そうな長男。やった!どれどれ?と、見に行くと…Upload By 楽々かあさんコレですよ、コレ。親の心子知らず。元気に小学生男子の王道を歩んでいます。参考「新版あわせ漢字ビンゴゲーム 1」(太郎次郎社エディタス)参考「読み書きが苦手な子どもへの〈漢字〉支援ワーク 1~3年編 」著・村井 敏宏(明治図書出版)参考・もりの学校HP「漢字の成り立ち」動画移動教室の困りに「行動表」を作成!ところが…出典 : 支援級に移ってから、支援級→交流級→実技系の教室など、移動教室がとても多くなった長男。あるとき教室を間違えてしまい、他のクラスの子達に笑われて悔しかったのだそう。よっしゃ!かあちゃんがひと肌脱いであげよう!先の見通しをつけて行動するのが苦手な子や、予定変更が苦手な子には「行動表」を作ってあげるといいようです。作るポイントは・・・・始まりから終わりまでの流れを、簡潔に順番に書く・ゴール(終了時刻や、何をしたら終わりか)を教える・もし、予定どおりに行かない場合は、どうすればいいかを書くなどの工夫で、落ち着いて行動できると思います。うちでは過去、運動会の「本人用プログラム」や、家族旅行の「しおり」などでも同様の「行動表」を作って、うまくいっていました。そこで、今回も学校用の「行動表」で落ち着いて行動できるように、サポートしようと思い立った母。・小学生は係活動、図書館で本の返却などもあるため、時間割だけでなく、朝/昼/放課後の予定も書ける・天気の変化に弱いので、その日の天気予報と最高気温/最低気温も書いて心の準備ができるように・「(前日水筒を持ち帰り忘れた時)古いお茶は飲まないでね」など、母からの伝言メモ欄も…と、工夫を凝らしたフォーマットを作り、連絡帳を元に母が書いたものを朝、担任の先生にチェックして頂くという連携体制もバッチリ整えています。無くさないよう行動表には携帯ストラップの紐もつけ、首から下げられるようにしました。ところが、導入数日後から「行動表」を持ち帰らない長男。理由を聴くと、衝撃の一言。「な・く・し・た」…んだそうです。はあ〜。おそらく、首にかけるのが煩わしかったのでしょう。良いアイデアでも、「本人の使い勝手が良くないと、定着しない」という教訓です。Upload By 楽々かあさん苦肉の策。あのひみつ道具を実際にやってみた!4年生の通常学級の時。長男のクラスでは、1年間百人一首の暗唱に取り組んでいました。ところが、3学期になっても一首も暗記できていないのは長男だけ。先生からは「せめて一首だけでもいいので、がんばって下さい」とのお願いが。そんなこと言われてもね。私もこれまで、できることは全部やってみたんですよ。CD付きの百人一首一式を買って一緒にやってみたり、学習マンガで楽しく内容を理解させてみたり。身近な例で面白おかしく例えてみても、それでも1年間できなかったんですから…。良いアイデアが、なんッッッ!!にも思いつかないときは、片っ端から参考になりそうなものをとりあえず丸パクりでもいいので、実際にやってみることも大事です。そうやっているうちに、うちの子に合った支援のコツを掴んでくるので「アタリ」が増えていきます。そんな訳で、万策尽きて心折れそうな母はついに、苦肉の策に手を出してしまいました。暗唱テストのある日の朝食。もう、私にできるのはこれくらいしか思いつかないのです…ジャーン!「暗記パン!!」Upload By 楽々かあさん母「どう?」長男「うん、フツーにうまいよ。もぐもぐ」母「覚えた?」長男「別に」…で・す・よ・ね~(笑)時には「ムリなものはムリ!」とスッパリ諦めることも必要です。そして、支援がなかなかうまくいかない時には、本人の話をじっくり聴いてみることが解決への糸口になります。そこで、長男本人に「どんなことなら覚えられそう?」と聞いたところ、明解な答えが。「おれが覚えられるのは、興味のあることと、サバイバルに必要なことと、うまいもの情報。それから、母ちゃんがイヤがりそうなコトだけ!脳みそのメモリ容量は限られているんだから、百人一首は入る場所がないよ」…とのこと(笑)がんばっても興味の持てないことは入力自体ができないように、長男の脳はとても合理的にできているのかもしれません。そして、健全な凸凹男子は母のイヤがりそうなことだけは、本当によく覚えていて、毎日有言実行できるのです。参考「ドラえもんの国語おもしろ攻略 百人一首で楽しもう (ドラえもんの学習シリーズ)」著・藤子F不二雄、監修・浜学園(小学館)それでもめげずに「支援ツール」を作り続けられるコツは…?出典 : こんな調子で、毎日試行錯誤し、失敗も多い私の「アイデア支援ツール」ですが、「長男という巨大な壁」を前に、それでもめげずに作り続けられるコツは…・努力や失敗の過程を、子どもと一緒に楽しむ・子どもの小さな進歩に目を向けるということです。物事を部分で見てしまうと結果に左右されて、期待どおりに動かない子どもに腹が立ってしまいます。今までの経過や、その子の人生経験の一部として、全体的に見ながら子どもの小さな進歩に気が付くようになると、「失敗か成功か」は些細なことになって、支援する過程自体を楽しめるようになっていきます。私は、1つひとつの支援アイデアが有効だったかよりも、子どもが困っている時に親が気持ちに寄り添い、一緒に考え応援している姿を見せ続けていくことのほうが、大事だと考えています。例えば、うちの子達も大好きなマンガ「ドラえもん」を思い出してみると…「ドラえもん」の道具は、できないことの多いのび太君の問題を、必ずしも全て解決してくれる訳ではなく、時に調子に乗って悪用され、時に甘やかし、時に大失敗して、一緒に痛い目に遭うこともありますよね。それでも、「ドラえもん」が側にいてくれる、困った時にはいつでも助けてくれる、という安心感がのび太君の心の安定と、困難さに挑戦し立ち向かう意欲、楽天的に物事を捉えられる大らかさなど、「生きる力」そのものを伸ばしているように思えます。私もそんな、いつも子どものそばで一緒に歩んでいける、「ドラえもん」ならぬ、「ママえもん」であり続けたいな、と思っています。Upload By 楽々かあさん参考書籍・著書「発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母の毎日ラクラク笑顔になる108の子育て法」
2016年07月18日ろう学校で学んだ手話は、全国共通じゃなかった!編集部:前回は、学校生活について教えていただきました。ちょっと気になるのですが、ろう学校では授業をどんな風に進めるんですか?津田:学校独自の手話を使ってましたね。編集部:独自?津田:そうなんです。東京に来て「これは全国共通じゃないんだ」と気づいたんです(笑)舞台で難聴の女性の役をやらせていただいた時、これまで自分が使ってこなかった日本語対応手話を使うことになりました。とにかく覚えるのが大変で、4ヶ月くらい練習したのかな…編集部:手話にもいくつか種類があるんですか?津田:そう。日本手話と、日本語対応手話、と別れていたり、方言と同じように関西と東京で違ったりもするんですよ!関西での「水飲みたい」は東京だと「岩飲みたい」になってしまう(笑)編集部:そうなんですね!知らなかったです。津田:学校では口話や文字、学校独自の手話で勉強してたんですけど…なぜかあの頃は「手話は社会にでたら役にたたないんだ」と思っていました。生徒の中でそんな風潮も少しあったのかな…理由はわからないですけど。過去の自分を想うと「あと1歩踏ん張ろう」と頑張れる編集部:女優を辞めたいと思ったこと、ありますか?津田:あります!即答しちゃいましたね。(笑)お仕事を辞めたいと思ったとき、親は「頑張りなさい」じゃなくて「帰っておいで」と言ってくれました。その言葉を聞いて「いつだって受け入れてくれる暖かい家族がいるから頑張ろう、頑張りたい」と思いなおしました。編集部:なるほど。津田:家族の応援は本当に心強い。でも、映画の撮影現場に来てくれたときは、緊張して20回くらいNG出しました!現場は1人の方が良いですね。(笑)編集部:あはは(笑)出典 : 津田:家族の存在も私の支えですが、事務所に応募する前の自分自身を想うと「もう少し踏ん張ろう、辛いけどまだ頑張りたい」と強く前へ進めるんです。学校にも行けず、毎日に何も見いだせなくて、すごく辛かった時期がありました。「死のう」と思うこともありました。そんな過去の自分自身を振り返ると、今やりたい事があって挑戦できている。こんなに変われたんだ、と励まされるんです。だからあの頃を考えると、まだ頑張れる。もう一歩頑張ろう、頑張りたい、そう踏ん張れますね。自分を守れるのは自分だけですからね。編集部:なるほど。その想いが踏ん張るときのエネルギーになっているんですね。津田:はい。事務所に所属してすぐに週刊朝日の表紙をさせていただきました。私にとっての一番最初のお仕事です。そのときに「あぁ、勇気だして挑戦して、本当に良かった…」と自分の決断を認める事ができました。右も左も分からない最初のお仕事でそう思えるなんて、私は本当にこの仕事をやりたいんだと痛感した経験でしたね。今も昔も変わらない「興味にまっすぐな性格」が自分を支えている編集部:「やりたい」と思って実際に応募するまで行動ができる、というのは津田さんの突破力といいますか…津田:確かに、昔から興味のあることは、迷わずとことん調べたり動くタイプでした。例えば…坂本龍馬がブームの時期があったんですけど、歴史の授業には全く関係ないのに「龍馬龍馬龍馬…」って本も映画も調べて四六時中頭のなかは坂本龍馬。(笑)編集部:授業と関係ないのに。(笑)津田:そうなんです、もったいない。(笑)今も気になることがあればすぐウィキペディアです。小さいころ学校で勉強したことが、大人になってもっとよくわかる、というのは面白いですよね。編集部:興味のあることにまっすぐなんですね。津田:そうかもしれないです。逆に興味が無いと全く…。読書も好きですが、最初の1ページを読んで「入り込めないな」と思うとすぐやめてしまいます。もういいやって。編集部:わかります、わかります。津田:あ、入りこめるから女優が楽しいのかもしれませんね。夫は照明関係の仕事をしていて、よく舞台の台本を持って帰ってくるんです。それを読むのが特に好き。スッと入りこめて楽しいんです。編集部:なるほど、入りこめる、かあ。津田:台本を読んで、現場にいって、その空気を感じる瞬間がとっても好きです。自分がやるこの役は、こういう環境で育ってきたのかな、と思索したり研究したりする時間を大切にしています。答えはないけど、じっくり考える。もちろん頭でわかっていることと出来ることは違いますから、演じるのは難しいですけど、それは女優の面白さですね。
2016年07月18日わらにもすがりたい母親の心境Upload By かなしろにゃんこ。息子は、家事をしていて少しでも音を立てるとすぐに昼寝から目覚めてしまう子でした。起きたとたん大声で泣きだし、足を激しくバタバタします。息子の鳴き声がヒステリックに感じてイヤだった私は、毎日音を立てずに家事をしていたのですが、それがとても疲れました。この大泣きは私が息子の側から離れるときも、抱っこから降ろすときもあり、「この子は一生抱っこしていなきゃならないのかも…」と思ったくらいです。今考えると、抱っこから降ろすと泣くのは、乳児期に自分で好きな場所に移動できないため、つまらなかったのが原因なのではないかと思います。夫は「疳の虫が強いんだよ、漢方を飲ませて様子をみよう」と言うので市販の漢方を与えてみましたが、息子の育てにくさは変わらず、なんとか楽にならないものか?という悩みは消えませんでした。よそのお宅の育児が楽しそうで輝いて見え、「あのお宅の育児は楽なのかな?幸せなのかな?」とぼんやり考えることも。義母の時代にあった、民間療法の話。あるとき、義母から「疳の虫が強い子の虫封じ」の話を聞きました。「昔は民間療法で疳の虫の強い子は虫封じをしてもらったりしたのよ」と義母は笑いながら話すのです。夫も育てにくい乳幼児だったようで、義母は困って地域に住んでいる、あるお婆さんを訪ねたそうです。「そのお婆さんは息子の身体から虫を本当に出したのよ!私ね、この目で見たの!にゅる~ってなんか出てきたんだから」本当かな〜と疑う私に義母は「でも、お婆さんは亡くなってるかも、30年前の話だから!でもね、そのあと気性の荒い息子が少しだけマシになったのよ!」と教えてくれました。精神的にも追い詰められていた時期、あのころの育児が1番キツかった。育てにくい子が少しでも穏やかになってくれるのならば眉唾な話ではありますが、民間療法だってなんだってすがりたくなる気持ちになるものです。それほど発達障害がある子の母親は、心もくたびれてしまうのですね…。さて、その「虫封じ」ですが…いったいどんな内容だったのだろう?とちょっぴり気になります。(笑)
2016年07月17日●連載の目次は こちら から●発達障害についての基本的な知識を持っておくことで、当事者(母や子ども)は、随分と楽になる。それは私が実体験を通じて感じていることだ。けれども、知識があったとしても、やっぱり発達障害の子を育てるのは大変! 最終回の今回は、私のそんな心境を綴ってみます。■「発達障害」の子育ては疲れます発達障害についての特集記事を、さもわかったように書いている私。けれども、私自身、いまだに「発達障害の子を育てること」と完全に折り合いがつけられているわけではない。発達障害の子を育てるのは、普通の子育てより疲れる。それは、紛れもない事実だ。少し息子の調子が良いと、その事実を忘れてしまう。そして、普通の子のようなつもりで接していると、ある日ドカンと現実を突き付けられ奈落の底に突き落とされる。そんなことの繰り返しだ。 ■専門家と繋がろう子どもに親が「キレる」ことが多くなったら、そろそろ限界値。赤信号が点滅していると思い、早めに周囲にSOSを出すよう心がけている。私が頼りにしている方々は、今のところこんな感じだ。・家族・保育園の園長をしている友人(専門知識のある一般人)・司馬先生(専門知識のある医師)・小学校の担任の先生・小学校の特別支援学級(通級)の先生(専門知識のある教員)最初に相談する相手は、発達障害についての知識がある人のほうが良いと思う。たとえば、ママ友に愚痴を言ってガス抜きをするのは大切なことだが(私も、よくやっている)、それはあくまで、「ガス抜き」でしかない。「うちの子、発達障害かも!?」と気になっているのであれば、 しかるべき相談窓口 に、一度行ってみたほうが回り道をすることなく、適切な対応策に辿り着けるのではないかと思う。 ■1人で抱え込まないで!「周囲に助けを求められるかどうか?」は、発達障害の子育ての肝だと思う。繰り返すようだが、「発達障害」の子育ては疲れる。「キレイごと」では、どうにもならない現実の毎日がそこにはある。「もうイヤだ!」と思うことがあるのは、当たり前だ。そんなときは「良いママでなければ!」と一人で抱え込まず、周囲に助けを求めよう。私は、夫や長男に「ママを閉店します」と言い置いてプチ家出をしたり、小学校に行って、「最近、大変です」と状況を正直に話して、担任や通級の先生に支援を仰いだりしている。月1回の司馬先生の診察は、自分を客観視できる良い機会になっている。先日、保育園の園長をしている友人にSOSを出したところ、物言いのストレートな彼女からは、「(虐待だと)通報されない程度に、頑張れ!(笑)」と言われた。「すごい励まされ方だなぁ」と笑ってしまったが、しんどいときは、うんとハードルを下げて自分の生活を眺めてみることも効果がある。「頑張りすぎないようにしよう」。そう日々、自分に言い聞かせている。頑張りすぎて、母の心が不安定になるようでは、本末転倒。お母さんの一番大切な役割は、毎日、機嫌よく過ごすこと。そして、わが子をいつくしむことだと思うから。
2016年07月17日●連載の目次は こちら から●発達障害についての基本的な知識を持っておくことで、当事者(母や子ども)は、随分と楽になる。それは私が実体験を通じて感じていることだ。今回は、私が質問されて答えに困った「発達障害の診断」について、軽度の発達障害クリニックの院長である、司馬理英子先生にお話を伺った。■診断はレッテルを貼るのではなく、対処法を知るため私は息子を支援学級に通わせていたので、ママ友から子育ての相談を受けることがある。そのときに、よく聞かれることは、「発達障害の診断を受ける必要ってあるの?」ということだ。発達障害は病気ではなく、「脳の発達のかたより」。そうだとすれば、「診断は本当に必要なのか?」と思ったり、「わが子に、発達障害のレッテルなんて貼りたくない」と思ったりするのは当然のことだと思う。「診断は子どもにレッテルを貼るためのものではなく、それによってどんなことで困っているのかを教えてくれるものです」(司馬先生)診断は、いわば大きな方向つけ。「これから何をするのか?」「どんな対処方法があるのか?」を考え始めるスタート地点の指標のようなものだ。もちろん、わが子を育てる作戦(司馬先生は、よく“作戦”という言葉を使われる)を立てるのに、診断を受けるだけでは充分ではない。 ただ、ADHDといってもどんなタイプなのか、その子の能力のどんなところにどう影響しているのか、それらがわかればわかるほど作戦(対策)は立てやすくなる。また診断することによって、子どもが専門家から的確なアドバイスを受けられるほか、親が本や勉強会などから、ピンポイントで情報を得ることもできるようにもなる。■診断を受けるための一般的な経路「発達障害かどうかが気になるのだけれど、誰にどんなふうに相談すればよいかわからない」これも、よく相談される内容だ。一般的には、まずは学校の担任の先生に相談するのが良いだろう。学校には、週に1~2回ほど来て、子どもや保護者の相談に乗ってくれるスクールカウンセラーという職種の人もいる。また、自治体の教育相談所や教育センターなどで、相談業務を行なっていることもある。最近では、発達障害の診断や治療の経験がある小児科の先生も増えているので、かかりつけの医院の先生に相談してみてもよいだろう。■大切なのは、早く気づいて二次障害を防ぐこと私が相談を受けたときに必ず言っていることは、「発達障害の子を育てるのは、すごく大変だし、一緒に生活するのはしんどいよね。でも、発達障害の子を育てる上で、一番大切なのは、二次障害を防ぐことだと私は思っている。診断を受けることで、子どもの特徴に早く気づければ、必要とする支援がわかり、より二次障害を防ぎやすくなると思うよ」ということ。二次障害とは、発達障害に対する対応が十分に行われないために、二次的に起こる問題のことだ。たとえば、学校に行くのをイヤがったり、学校に行けなくなったり、うつ状態になって元気がなくなったり、親にひどく反抗したりというのが二次障害だ。発達障害の子は何かにつけて叱られることが多く、「ぼく(私)はダメなんだ…」というように自尊心が低下しがち。いったん二次障害が起きると、もともとの発達障害そのものへの対応以上に、扱いが難しいこともよくあると言われている。次回は、最終回。「発達障害の子育ては疲れます」です。
2016年07月17日●連載の目次は こちら から●ひとことで「発達障害」と言っても、その状態はさまざま。基本的な知識を持っておくことで、当事者(母や子ども)は、随分と楽になる。今回はさまざまな発達障害について、軽度の発達障害クリニックの院長である、司馬理英子先生にお話を伺った。「 発達障害って、何? 」で、発達障害には、おもに以下の3つがあるとお伝えした。今回はその内容を、もう少し詳しく見ていこう 1.不注意・多動性・衝動性が目立つ 「ADHD(注意欠如・多動性障害)」2.人との関わりが難しい「アスペルガー症候群」など「自閉症スペクトラム障害」3.特定の領域の学習がうまくいかない「LD(学習障害)」「発達障害のわが子」と向き合う本(司馬理英子/大和出版) ■ADHD(注意欠如・多動性障害)とは?不注意・多動性・衝動性を特徴とする。たとえば、忘れっぽくて集中力が乏しく、宿題などをしているときに気が散りやすい。落ち着きがなく、いつもそわそわしていて、順番を待てずなんでも我先にとやりたい。こんなふうに、年齢に応じた「注意力や行動・衝動などのコントロール」がうまくできない。そのため、毎日の生活習慣や学校での活動を行うのに苦労をする。■「アスペルガー症候群」など「自閉症スペクトラム障害」とは?「アスペルガー症候群」を含む「自閉症スペクトラム障害」の特徴はおもに「人との関わりの困難さ」にある。言葉やしぐさなどコミュニケーションをする力にかたよりがあり、興味を持つ範囲が狭く、興味のない活動には取り組めない。こうしたこだわりの強さがあるため、毎日の生活がスムーズに進まないこともある。「広汎性発達障害」や「自閉症」も「自閉症スペクトラム障害」に含まれ、なかでも言葉の遅れが見られないものは「アスペルガー症候群」と呼ばれている。 ■LD(学習障害)とは?LDでは特定の学習能力の困難さが見られる。全体的な知的発達に遅れがないのに、特定の学習能力での遅れが、小学校の低学年では1年程度、高学年では2年程度見られる場合に診断される。文章を読むことが困難な状態を「読字(どくじ)障害」、鏡文字が多く見られ、漢字や作文などを書くことに関する遅れを「書字(しょじ)障害」、計算または文章問題など算数の学力がほかの科目に比べて低い場合「算数障害」と言いわれる発達障害は決してまれなものではなく、多くの子どもにみられる。ADHDは5%、アスペルガー症候群などの自閉症スペクトラム障害の子どもは1~2%、LD(学習障害)は10%程度いると言われている。わが子に、こういった傾向を感じるとしたら、まずは本などから子どもへの対応の仕方を学んでみるのも一手だ。たとえば、『「発達障害のわが子」と向き合う本』(司馬理英子/大和出版)は、「ADHDの子どもの特徴」「ADHDの子育てのヒント」「アスペルガー症候群の子どもの特徴」「アスペルガー症候群の子どもの子育てのヒント」と、こどもの傾向別に説明と対処法の項目が分かれており、とても読みやすい。本などから得た情報で、少しでも子育てが楽になったら、ハッピーなことだと思う。また、本を読むことが、子どもへの支援を次の段階に深めるキッカケになるかもしれない。<次回は、「発達障害の診断を受けることは必要?」です。>
2016年07月17日素晴らしい才能も時には…ADHDの長男はほっとけばいつも動いています。「多動」とは良く言ったもので、本当に動きが多い!外に遊びに行けば、4~5時間ぶっ通しで走る!登る!跳ぶ!その上、全く疲れを見せません。私は長男のそんな動きと体力を、素晴らしい才能だと思っています。しかし、これほど動く子にとって長時間じっとしていることは非常にハードルの高いもの。けれど社会に出れば、たくさんのそういう場面を避けては通れません。いよいよ始まった卒園式の練習ある日、幼稚園の担任の先生から…Upload By ラム*カナ「今週から卒園式の練習が始まりまして、じっとしていなきゃいけない時間が増えるので、きっと息子くんストレスがたまっちゃうと思うんです。もし、息子くんから『やりたくない』とか『つらい』という声があったら、教えてください。」と言われました。卒園式の練習内容は、卒園証書を受け取りに行く練習以外はほぼ「静かに座る練習」なんですよね。これは、長男がもっとも苦手とする練習でした。(笑)しかも、静かに座る時間は1時間以上。それを卒園式当日までの1ヶ月以上こなさねばならなかったのです。今までも、幼稚園で行なう「やりたくないこと(運動会の練習やお遊戯会の練習など)」はたくさんあったけど、それでも動きのあるものだったから、どうにかできていました。ですが、卒園式の練習ばかりは親の私も「うへ~」と思うほど辛そうなものでした。どんな気持ちか本人に聞いてみたその日の帰り道、長男に聞いてみました。Upload By ラム*カナUpload By ラム*カナUpload By ラム*カナか、掛け算?!なんていい時間の潰し方を考えたんだ!息子の発想に私は感心してしまいました。3~4歳の頃、やりたくないことがあれば泣いたり逃げたりしていたこの子が、自分なりに「やりたくないことをやり過ごす方法」を考えたことに、純粋に感動したのです。現実逃避という荒業ではありますが。(笑)この時間潰しに掛け算をしていることは担任の先生に伝えました。「本人なりにじっとしている術を考えているみたいなので大目に見てくださると嬉しいです」ということも。ただ、好きなことに集中しすぎると立つタイミングなどを聞き逃すこともあるかも、と担任の先生は心配されていましたが「うまく声掛けしてみます」と言ってくださいました。これから社会に出て、大人になる過程にはたくさんの試練がまだまだたくさんあるでしょう。でも、今回のように自分なりに考えながらいろいろな場面で切り抜ける力を身に付けて欲しい。そう願う私なのでした。
2016年07月16日「自分に自覚がないのに突然叱られる」こんな経験ありますか?Upload By モビゾウ身に覚えの無いことを指摘されても「どうして叱られるのかわからない!」と、納得できないものですよね。それは子どもも同じこと。ADHDの診断を受けていた息子は、気になるものには弾丸のように突進していったかと思えば、寝っ転がって床をゴロゴロと転がっていきます。おまけに、みんなが振り向くぐらい大きな声で話をしたり、静かに過ごす時間にふざけて周りから変な目で見られたり…。その度に周囲は困った顔をして、これだけ注意されたり制止されたりしていたら、いつか自分で自分をコントロールできるようになるだろう…そう思っていました。ところが、息子のハイパーなテンションはいつまでもコントロールできませんでした。私は、「どうしてこの子は学ばないのか」と変わらない息子に苛立ったものです。息子がいつまでたっても変わらない理由がわかったUpload By モビゾウある日私は、息子が跳ねて回っている姿を携帯で撮影して、その動画を息子に見せてみたのです。そのとき、息子が「いつまでたっても学ばない」理由がわかりました。息子は動画に映し出される自分の姿を見て「誰、この変な動き方してる男の子?」と言ったのです。「これは君だよ」と私が答えると「えぇ~!!これは僕じゃないよ」と息子は言います。「僕、こんなに落ち着きなくないよ!!」と。息子は、自分の身体がどう動いているか、自分が周りから見てどの程度の音声で喋っているか、全く自覚がなかったのです。これは、発達障害の特性である「他者の目線を想像するのが苦手」であることと「ボディイメージの弱さ」が原因であると思われます。自覚がないものをどれだけ叱られたって分かりっこありません。むしろ息子は、「自分は何もしていないのに突然叱られる」という認識だったのです。これでは、反省どころか被害者意識が育つばかりです。現に息子は、被害者意識が非常に強くて困った時期があります。理不尽な思いを繰り返しても、何も学べない。Upload By モビゾウ「自分に自覚がないのに突然叱られる」これは本人の目線から見れば、とても理不尽なことだ、ということを忘れてはいけないと思います。このような理不尽なことを繰り返していても、本人は何も学べません。むしろ、いたずらに自尊心が傷つけられていくばかりだと思います。だとすれば、どうしたらいいのでしょう。それは、本人が自分のことを客観的に見ることができる工夫をしていくことが大切なのだと思います。我が家が採用している支援はシンプルに以下の3つだけです。これだけでも息子は相当変わりました。声の大きさを数字にして、自覚しやすいようにします。我が家では1から5までが書かれたボードを作りました。「今のあなたの声は4だよ。ここでは2にしよう。」などとボードの数字を指さしながら説明し、自分の声の大きさを自覚できるようにしました。Upload By モビゾウスイッチが入る前にクールダウンさせるようにすること。スイッチが入ってしまうと、自覚どころではなくなります。ふざけてしまう前に、「あと何分で終わるからもう少し頑張ろうか」と声をかける。そうすることで、「スイッチが入っていない自分」を定着させました。スイッチが入っていない「普通の状態」のときにすぐに褒めること。ただ座っているだけ、ただ手をつないで歩いているだけ、ただ黙ってテレビを見ているだけ、そんな普段は見過ごしてしまうような当たり前の状況のときに「今、座ってられているね、頑張ってるよ」と褒めるのです。そうすることで、自分のより良い状態というのが自覚することができるようになります。自分で気づけることは、本人も嬉しいこと!この3つを繰り返したことにより、息子は自分がふざけているときや、ヒートアップしてしまっている状態のときに自分で気づくことができるようになりました。療育でたまにふざけてしまったときに、私のほうを振り向いて「ママ、今の僕の態度はダメだよね~」とニッコリ笑う姿は、最高に頼もしいです!
2016年07月16日STEAM教育って何?
子育て楽じゃありません
細川珠生のここなら分かる政治のコト