不妊の原因は男性にも… 妊活のために男性ができること・注意したいこと
妊活をおこなうにあたっては、女性だけでなく男性側の協力も必要だと言えます。なぜなら、妊娠できない原因は男性側にある可能性もあるからです。妊活がなかなかうまくいかない場合は、男性側の生活習慣や食事・サプリで摂取する栄養素を見直してみると良いでしょう。そこで、この記事では妊活に取り組んでいる人に向けて、男性不妊の概要と男性が気を付けたほうが良いことなどを紹介します。
男性不妊とは? 男性器と精子の役割
妊娠するためには、女性の卵巣内にある卵子と男性器から放出される精子が出合わなければいけません。男性器は主に睾丸と陰茎から成り立っています。睾丸は男性の生殖腺であり、男性ホルモンや精子を作り出す器官です。作り出された精子は勃起した陰茎が射精をおこなったときに放出されます。
陰茎は精子を女性の腟内に送り込むための交接器官の役目を持っているのです。
射精された精子は腟内を泳ぎながら卵管を目指します。一般的に一度の射精で数億もの精子が放出されますが、卵管にたどり着けるのはそのうちの100万分の1に過ぎません。つまり、精子に特段の異常がないケースでも卵子の周囲までたどり着けるのは、およそ100程度なのです。そのため、精子の動きが鈍かったり、精子数が少ない状態で射精したりすると、妊娠する確率はさらに低くなります。また、放出される精子は卵子に到達すれば必ず受精するというわけでもありません。
卵子に到達した精子は受精するために、卵子内に侵入を試みます。そのため卵子に近づくと先体反応と呼ばれる形状に変わらなければいけないのですが、うまく形状を変えられない奇形精子が多いと受精がスムーズにできません。
精子は数が多ければ多いほど卵子まで到達する可能性は高くなりますが、質が悪いと結果的に受精できないケースもたくさんあるのです。無事に受精できた場合は、卵子はその他の精子を侵入させないために、卵子の殻を厚くします。そして卵子は雌性前核を形成し、雄性前核となった精子と一緒に細胞分裂を繰り返して子宮内膜に着床し、赤ちゃんになっていきます。
つまり、男性不妊と言われるものの症状は大きく分けて2つです。1つ目は精子が放出されない(作られない)症状で、「無精子症」や「乏精子症」などが挙げられます。2つ目は「精子無力症」などの精子の運動効率が悪い症状です。