生理不順は重い病気のサインかも!?受診のタイミングはいつ?【医師監修】
進行して5cm以上になってくると肥大した卵巣がねじれたりして急激な腹痛や吐き気が起きることがあります。
さらに、ねじれた箇所によっては救急車を呼ぶほどの激痛となり、進行具合によっては卵巣へ血液が届かなくなり壊死してしまうことも。腫瘍が10cmくらいになってくるとわき腹などにしこりが見つかったり、おなかだけがぽっこり出たりといった症状が見られます。
卵巣腫瘍はさまざまな種類がありますが、なかでもチョコレート嚢腫という子宮内膜症が卵巣内で起こるものは、大きさや高齢によりがん化する可能性が高まる腫瘍として知られています。
また、腫瘍が悪性の場合は卵巣がんです。卵巣がんは卵巣嚢腫と同様に自覚症状がほとんどなく、おなかのしこりや張りなどを自覚したころにはがんが進行していることも少なくありません。
卵子はあるのに排卵が起きない!?多嚢胞性卵巣症候群とは
多嚢胞性卵巣症候群は、必要な時に必要なホルモンの分泌ができずに、卵胞がうまく育たなかったために排卵がうまくいかない病気です。ホルモンバランスが崩れることで起きるとされていて、排卵が起きないために生理不順や無月経が起こります。
また、女性ホルモンの分泌が低下したり、体内での男性ホルモンの分泌が増加してしまうことから、ひげが生えたり毛深くなったり、ニキビができたりなどの症状が表れます。治療せずに放置してしまうと、子宮体がんやメタボリックシンドロームのリスクが高くなるといわれています。
そして、生理が起きなくなるということは、子宮内膜が体外へ排出されなくなるということ。生理は子宮内を掃除する役割を担っていて、生理が起こらなければ卵子を留めるために厚くなった子宮内膜が子宮内に残ったままになってしまうのです。その結果、細胞の異常増殖が原因である、がんを誘発する恐れもあります。3か月以上生理がない場合は婦人科を受診しましょう。
受診すべきタイミングは?生理中でもいいの?
生理不順の場合、考えられる病気は主に卵巣の病気の場合が多いですが、甲状腺疾患または授乳ホルモンの影響で生理不順になる場合もあります。
卵巣が正常に動いているかどうかを見るためには卵巣の活動が活発なとき、つまり次に排卵する卵子を準備している生理中の3~5日目に受診し、採血にてホルモンの検査をします。