子育て情報『「逃げ恥」ヒットで見えてくる、現代女性の「妊娠・出産・育児」のリアル』

2021年1月27日 11:00

「逃げ恥」ヒットで見えてくる、現代女性の「妊娠・出産・育児」のリアル

だったことに気づき、自身の意識の低さを反省しましたが、逆ギレする夫も多いですから、ド正論が必ずしも正しい対処法とも言えないのが難しいところです。

論理的かつ合理的なはずの2人。でも思うようにできない

また、妊娠初期の妙な眠気や、ホルモンバランスの乱れによって起こる、わけのわからない不安や悲しさも描かれます。つわりで何も食べられず、欲しいモノを聞かれたみくりが「グレープフルーツゼリー」と言うと、平匡が律儀に近所中を探し回ってくれたものの、ようやく見つけて帰宅したときにはすでに寝ているとか。にもかかわらず、翌日は友人の差し入れのフライドポテトを喜んで食べていたとか。妊娠経験者は共感するものの、当事者以外はおそらくわけがわからない行動でしょう。

その上、みくりは尿漏れや、足のつりなど、小さいけれど、当人には地味につらいトラブルにも悩まされていました。そのため、みくりは宅配便を受け取れず、トイレットペーパーが切れたと言われた平匡が、残業からやっとのことで抜け出して買って帰ると、家にはすでにトイレットペーパーがどっさり……。
これは再配達によるものでしたが、「メールくれればいいのに」「元気なら少しぐらい部屋を片付けてくれてもいいのに」と、珍しく愚痴がこぼれる平匡に対し、「つらい」と泣き出すみくりと、「泣きたいのはこっちですよ!」とやはり泣き出す平匡。

本来であれば論理的かつ合理的な二人なのに、頭の中はグチャグチャ、混沌としています。でも、理屈で理解できないことばかり起こるのが、ホルモンの乱れであり、新しい生命を迎え、一緒に生きていくということなのでしょう。

しかも、二人の間だけでも混乱はたくさんあるのに、妊娠・出産をめぐる社会的な問題もいろいろあります。例えば、女性の多い職場ならではの理不尽な「妊娠順番ルール」というマタハラや、夫婦別姓制度、平匡の育休問題などなど……。現代女性が抱える妊娠・出産・育児とはこんなにもハードルが多いのか!という認識を、視聴者に与えたことでしょう。

妊娠・出産・育児の多様性。そこには正解はない

さらにこのドラマの大きな特徴は、「あるある」の共感に終始しないこと。
ネット上では、例えば、平匡の育休に対して「簡単に育休がとれて羨ましい」という声があったかと思えば、コロナ禍で結局、育休が返上となったことを疑問視する声もありました。

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