子育て情報『「え。今日何もしてへんの?」どうして自分だけ…不妊治療、一番苦しめたのは心の闇だった』

2021年3月5日 12:30

「え。今日何もしてへんの?」どうして自分だけ…不妊治療、一番苦しめたのは心の闇だった

生まれるまで心からの安心はできませんでした」。妊娠8カ月まで、血糖値の薬は飲み続けた。

妊娠の経過は良好だった。不妊治療からおよそ3年経った28歳の春、元気な男の子を出産した。

やっと会えた……。

立ち会った夫の目は、うるんでいた。治療を通して夫とぎくしゃくしたこともあったが、負の感情もぶつけ合い、より深く互いを知ることができた。2人は、ただただ純粋な喜びに包まれた。


タイミング法、人工授精、顕微受精に費やした治療費は200万円を超えた。

「今は『あの子は高級な子やからな〜』って夫婦で冗談を言うこともあります。まさかこんな幸せな日が来るなんて。医療に感謝です。医療の進歩があったから、この子に会えたんだと思います」

ベビーカレンダーの独自調査


▲不妊治療をしたことがある人のなかで、赤ちゃんを授かるまでにかかった金額は「50万円以下」が半数以上。一方、200万円以上かかった人は全体の約18%と多額の不妊治療費を負担している実態が見える。

2人目の夢を吹っ切れた直後の奇跡


不妊治療


母になって2年が経ち、かなさんはいろいろ吹っ切れるようになっていった。2人目は欲しかったが、夫は1人で十分だと言った。夫と息子の家族3人で生きて行こうと決めた。

年間5万円かけ凍結保存してきた受精卵。愛おしかったが、サヨナラする決断をした。仕事を辞め、友だちと飲みに行くようにもなった。

すると半年後、体調に異変が。2人目の命が自然妊娠で宿ったのだ。


「これまで何十本使ったかわからない検査薬で、初めて陽性が出たんです。お世話になった先生たちは『奇跡だ!』っておっしゃいました」

受精卵(胚)の凍結保存


▲第一子出産後も受精卵(胚)の凍結保存を更新した時の領収書「凍結保存した受精卵にも愛着がありました」

浅田レディースクリニックの浅田義正院長はこう言う。

「体外受精後の自然妊娠は数百人に1人というデータがあり、安藤さんは特殊な事例です。不妊治療にはいろいろな方法があります。不妊の原因も、施設も、医師も、成績もいろいろ。不妊治療にスタンダードも、ガイドラインもまったくありません。

中にはつらい思いを続けて、努力しても妊娠できずに自分を責める人もいますが、本来、医療である不妊治療は痛い、つらいものであってはいけないと思っています。

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