子育て情報『【菅政権で注目】世界最下位の日本の不妊治療。驚きの理由と踏み出すべき一歩とは?』

2021年3月1日 19:30

【菅政権で注目】世界最下位の日本の不妊治療。驚きの理由と踏み出すべき一歩とは?

目次

・出産率6.2%、日本の不妊治療の実態
・菅内閣が打ち出す不妊治療の保険適用の課題とは
・家族を考える、すべての人に伝えたいこと
【菅政権で注目】世界最下位の日本の不妊治療。驚きの理由と踏み出すべき一歩とは?


日本は世界で最も体外受精の実施件数が多いのに、1回の採卵あたりの出産率は世界最下位―2016年に国際生殖補助医療監視委員会〈ICMART〉が世界60ヵ国を調査したレポートからわかったのは、衝撃的な現実でした。そうしたなか、2020年の菅内閣誕生で不妊治療の保険適用が動き出すなど、不妊治療への世間の注目はますます高まっています。

しかしショッキングな現実が明らかになったものの、決して日本の不妊治療の技術すべてが劣っているわけではありません。赤ちゃんを望む人が赤ちゃんと出会える世の中になるために、日本の不妊治療の仕組みは、一人ひとりの意識はどうすべきなのか? 日本における顕微授精の草分け的存在の浅田レディースクリニック理事長・浅田医師にお話を伺いました。

出産率6.2%、日本の不妊治療の実態

日本の体外受精の出産率は世界最下位―その裏付けとなるのは、ICMARTが発表した下記のレポートです。

日本の体外受精の出産率は世界最下位


※ICMARTが2016年に発表したレポートより、2010年の60ヵ国・地域のデータから抜粋して作成。顕微授精、体外受精を合わせた数値。


参考:『不妊治療を考えたら読む本 科学でわかる「妊娠への近道」』(講談社ブルーバックス 著:浅田 義正、河合 蘭)

浅田医師(以下、カギカッコはすべて浅田医師の発言):「日本の体外受精からの出産率は、世界でダントツの最下位なんです。採卵件数に対しての出産率が非常に低く、1回の採卵あたりでは出産率6.2%。これは、世界平均20.1%の3分の1にも満たない数値です」

なぜ、日本の不妊治療はこんなにも成績が悪いのでしょうか。その理由は2つ考えられると、浅田医師は語ります。

「まずはそもそも晩婚化が進み、不妊治療を始めるタイミングが遅く、卵子の老化が進んでしまっているからです。

もうひとつ、世界では推奨されていない『自然周期採卵』を推奨する風潮も原因だと考えられます」

自然周期採卵とは、体外受精において排卵誘発剤を使わずに採卵する方法。日本ではこの自然周期採卵を“体にやさしい”として推奨するクリニックも多いのです。

しかし浅田医師は「体外受精で自然周期採卵を推奨するのは日本だけ」

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