子育て情報『正社員11年目の管理職、「不妊治療バレ」せずに続ける難しさ【中編】』

2021年3月26日 13:00

正社員11年目の管理職、「不妊治療バレ」せずに続ける難しさ【中編】

との思いがずっとあった。そして、自宅から1時間以上かかるこのクリニックに望みをかけることにした。

午前6時半に出発…通院と仕事との両立に疲弊

ベビーカレンダーの独自調査によると、「仕事をしながら不妊治療を行ったことがある人」のうち、「不妊治療を辞めた」理由として最も多かったのが「通院スケジュールを事前に立てることが大変だった」という結果になった。

正社員11年目の管理職、「不妊治療バレ」せずに続ける難しさ【中編】


豊華さんも通院スケジュールに悩まされていた。卵の大きさによっては「明日来てください」「明後日来てください」と急に来院日を指定された。タイミング法を選んでいた豊華さんの診察は、排卵前後になると頻回になった。2日おき、3日おきになることも。

けれどもメーカーとのアポイントもあった。
仕事を休むことはできない。かといって遅刻や早退もできない。信頼を失いたくなかった。平日の診察は始業前に通院するか、残業しないで駆け込むかの二択だった。

会社の始業は9時から。クリニックの平日の診察は午前8時からだった。できるだけ早い順番を取るため、午前7時半には到着するようにした。診察のある日は午前6時半に家を出る。
冬の朝はまだ薄暗く、突き刺す寒さがえらくこたえた。

朝一番の待合室では、いつも時計との睨み合いだった。午前9時までのカウントダウン。診察では超音波で卵の成長を確認する。「今回はだめだねぇ」と言われ沈む日もあった。

診察はたった5分で終わる。よし、終わった。足早にクリニックを後にする。
渋谷駅に着くと何事もなかったかのように“いつもの顔”をして出社した。診察が遅れて会社に遅刻した日は、「電車に乗り遅れました」と苦しい嘘をついた。

「こんな生活、いつまで続くの」

そんな想いがふと胸を過った。

◇◇◇

仕事と不妊治療。心身ともに限界……。

次回、豊華さんに訪れた思いもよらぬ奇跡とは……?

>後編へつづく

【調査概要】出産のタイミング・不妊治療に関するアンケート
調査対象:株式会社ベビーカレンダーが企画・運営している
「ファーストプレゼント」「おぎゃー写真館」「ベビーカレンダー全員プレゼント」
のサービスを利用された方

調査期間:2021年1月28日(木)

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