2021年6月24日 17:30
「幸せにしてあげたい!」さみしげな表情を見せる彼が抱えていた秘密は…
夫とは、お見合いパーティーがきっかけで出会いました。ほどなく始まった交際は順調でしたが、ときおり見せる淋しげな表情が気になって……。その理由がわかったのはプロポーズを受けたあとでした。
お見合いパーティーで出会い交際10カ月でプロポーズ
私が31歳のとき、地元の結婚相談所が開催したお見合いパーティーのイベントに参加しました。そこで出会ったのが夫です。
あまり大勢ではないイベントでしたが、落ち着いた大人っぽい彼に好印象を抱いた私。誠実で真面目そうな雰囲気も、これまで周りにいなかったタイプで「素敵だな」と思い、お付き合いすることになりました。
2月に始まった交際は順調そのものでした。
でも、少し気がかりなことが……。
それは彼の表情。いつもどこか淋しげに見えるのです。「何か悲しいことでもあった?」と聞いてみすが、彼はとくに何も言いません。彼が時折見せる淋しげな表情に、いつしか私は「この人を守ってあげたい。私が幸せにしてあげたい」という思いが芽生えてきたのです。
そして、その年のクリスマスのこと。ディナーの後に「ちょっと見学しよう」と隣の教会を訪れた私たち。
スタッフさんに「カーテンを開けると湖が広がって素敵なんですよ。お見せしましょうか?」と声をかけられて頷くと、なんとカーテンを開けた先には花束と指輪が! そして「全力で貴方を幸せにします。結婚して下さい」と彼にプロポーズされ、私も彼の気持ちを受け取りました。
ご両親に挨拶へ行った帰りに彼から聞かされた事実
幸せな気持ちのなか、年が明け、私の両親、彼のご両親の順で、結婚の挨拶に行くことに。そして、彼のご両親に挨拶をした帰りの車中、私は衝撃的な報告を受けました。
彼のお母さんは、”がん”で余命いくばくもないということを……。
お付き合いをしている間、彼が深刻な思いを抱えていることなんて、隣にいた私はまったく気づきませんでした。そんな様子を私に微塵も感じさせなかった彼……。
私は思わず、涙を流してしまいました。と同時に、彼のいつもどこかさみしげな表情の理由は、ここにあったのかと腑に落ちました。
それから3カ月後、彼のお母さんは亡くなりました。亡くなる直前、病室に呼ばれてお母さんとお会いました。お母さんは「息子をよろしくね」と、やせ細った姿で言われたとき、私はなんて言葉をかけたらいいのか戸惑いつつも、しっかりとうなづきました。