子育て情報『「そんなに頑張らなくてもいいのよ」が心の支えに。母親ひとりで子育ては本来の姿ではない【孤育て支援の現場から】』

2022年3月15日 21:30

「そんなに頑張らなくてもいいのよ」が心の支えに。母親ひとりで子育ては本来の姿ではない【孤育て支援の現場から】

母親の負担がまだまだ大きい現代の子育て。コロナ禍では親子だけで家の中で過ごすことが増え、より孤立感が高まると危惧されています。孤立する子育て「孤育て」の背景を支援団体や専門家に尋ねました。

目次

・共感だけでなく、一緒に手伝ってもらえるとより孤立感が解消
・サービスを利用する気になれない人の支援が課題
・母親ひとりの子育て、人類の歴史上ではイレギュラー


「そんなに頑張らなくてもいいのよ」が心の支えに。母親ひとりで子育ては本来の姿ではない【孤育て支援の現場から/後編】


妊婦や子育て中の親を無償で訪問し、話をしながら一緒に家事や育児をするサービスサービス「ホームスタート」。NPO法人ホームスタート・ジャパンが中心となり、提携する全国の子育て支援団体などが地域でボランティア(ホームビジター)を派遣している。

NPO法人ホームスタート・ジャパン

対象は妊婦、乳幼児(未就学児)がいる家庭

「すごいわよ!そんなに頑張らなくてもいいのよ」

ビジターのこの言葉に救われたのは、第一子を産んだあとにこのサービスを利用した30代の女性だ。コロナ禍の冬は、乳児を連れて外出する気にもなれず引きこもっていた。
抱っこしていないと泣く状況が続き、初めての子育ては緊張感と隣り合わせの状況だった。

「『赤ちゃんは泣くもんだし、大丈夫よ』と言い続けてもらえて。それが心の拠り所になりました。子どもを抱っこしてもらっている間、作りたい料理を作ることもできて、自分の気持ちに余裕ができるのを感じました。一緒におしゃべりすることも楽しみで、『一生懸命がんばってるね』と労ってくれると励みになりました」と、この女性は振り返る。

こうした利用者の声から、事務局長の山田幸恵さんはコロナ禍でも「そこにいること」の大切さを実感している。

「そこにいるから一緒に手を動かせる。上の子と手作りおもちゃで遊ぶこともできるし、離乳食を一緒に作ったり、味見したり、交代で抱っこしたり、買い物に行ったりできる。
お母さんと一緒にいる支援の意味を改めて感じています」と話す。

共感だけでなく、一緒に手伝ってもらえるとより孤立感が解消

「孤立感の解消には精神的なサポートと物理的なサポートがセットであることが重要」と語るのは家庭支援にくわしい明治大学文学部心理社会学科教授、加藤尚子先生だ。

「子育ての悩みを相談して『そうですよね、確かに大変ですよね』と共感的に話を聞いてもらうことも大事なのですが、それと同時にセットで子育てを手伝ってくれる物理的サポートがあることが、一番の子育て支援になるんです。そうすることで、より親の負担感も減りますし、孤立感の解消につながるのでメンタルヘルス的にも効果があります」

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