妊娠中、走ってもいいの?うっかり走ってしまったら?【医師監修】
走った後の30分間で1~2回以上の胎動が出現すれば正常と判断してよいでしょう。もし、胎動が少ない気がするときは、早めに産婦人科へ受診しましょう。
妊娠前から走る習慣がなかった方は、自身の体への負担も大きくなるため、妊娠中の運動不足の解消を目的として走ることを取り入れるのはやめましょう。
妊婦さんがうっかり走ってしまったときは?
【ケース1】妊娠に気づかず走ってしまったけど大丈夫?
妊娠していることに気づかず、うっかり走ってしまったことを思い出して妊娠への影響を心配される妊婦さんもいますが、正式に妊娠していると判明した後の経過が順調であれば、特に気にする必要はありません。
産婦人科診療を専門としない人が作成した書籍や雑誌、webの情報のなかには、「妊娠初期に走ると流産の原因となる」と書かれていることがありますが、このような情報も気にする必要はありません。妊娠初期(妊娠0~15週)に起こる流産の最も多い原因は、受精卵の染色体異常です。妊娠初期の流産は、走ったことが直接の原因ではありません。
【ケース2】体重コントロールのためのジョギングやランニングは大丈夫?
妊娠中の万が一の事故やケガを未然に防ぐため、腹部に振動が加わるもの、転びやすく外傷を受けやすい運動は避けたほうが良いため、大丈夫とは断言できません。
妊娠中に運動したい場合は、まず担当の医師や助産師へ相談しましょう。妊娠中に運動して良い条件は、妊娠12週以降で正常な妊娠経過であること、妊婦健診で医師や助産師から運動を禁止されていないことです。
妊娠前から運動習慣がある場合は、基本的には中止する必要はありませんが、妊娠前よりも運動量の制限は必要です。また、運動習慣のない妊婦さんが、体重管理のために突如負荷のかかる運動をし始める必要もありません。
全身運動として、走るのと同じような効果がある歩行がおすすめです。走ることが得意な妊婦さんは、走るよりもペースダウンしてウォーキングを。運動習慣がない妊婦さんは、少しずつ散歩程度から始め、歩く習慣を続けるだけでも十分な運動になります。妊娠中の運動については、医師や助産師、運動指導をするトレーナーから専門的な指導と助言を受けましょう。
特に高血圧、糖尿病、肥満などの妊娠中の合併症の予防と治療を目的とする運動については、主治医と相談して十分に注意しておこないましょう。