2018年9月20日 19:00
プロレスラー・棚橋弘至さんが実践する、子どもを叱った母親を悪者にしない絶妙フォローとは?【子育て、わたしの場合】
学生時代からずっとプロレスを続けてきて、今のプロレス人気の立て役者ともいえる存在になった棚橋さんにとって、プロレスの一番の魅力とは?
「プロレスって、人生の縮図みたいなところがあって。やられているほうに声援が集まるんです。人生、いいときばっかりじゃないけど、悪いときばっかりでもないぜ。だから、がんばっていこうぜ、っていうメッセージを試合にこめる。勝つこともあるし、もちろん負けることもあります。でも、その試合までに過ごした時間、試合の中で勝とうとして戦った過程も大事なんですよね。結果だけ見せられても、おもしろくないんです。
どういう気持ちで戦い抜いたか。
生き様というか、人間としてのエネルギーが問われる。僕の子どもたちも、これから受験もあるし、就職もあるし、挫折ももちろん経験するでしょう。でも、それらをぜんぶ含めて、彼らがどういうふうに生きていくかっていう過程を見ていってあげたいなと思います」
映画出演の話に、
家族は僕の演技力を心配
できれば家族みんなで
劇場に観に行きたい
9月21日公開の棚橋さんの初主演映画『パパはわるものチャンピオン』は、プロレスラーという一見、特殊な職業を扱っていながら、どんな仕事をしている人も深く共感できる普遍性のある感動作。
「プロレスのおもしろさをいろんな人に届けたいなという想いでこれまでやってきて。プロレスというジャンルを飛び越えて、活動の場が広がっているのは僕が望んでいたことなんですけど……さすがに映画の主演の話がくるとは思っていなかったですね(笑)。今、41歳。これだけ報われているレスラーもいないなと思います。本当に幸せです」
彼が演じるのは、かつてプロレスの世界でトップまで上りつめながら、ケガのためにすべてを失い、後にマスクをかぶった悪役レスラーとして復活した男という役どころ。
「僕はヒールの経験こそないものの、今回の役と同じくらいブーイングを受けていた時代があるんですよ。なので、悪役をやることに関しては、実は免疫があったんです。この映画の脚本を初めて読んだときは、大村孝志という主人公と棚橋弘至というレスラーがすごく重なって見えました。かつてのエースで、でもケガで苦しんで、さらに若い選手が台頭してきて……っていうのが、まんま棚橋だなと思いながら、現在進行形で演じました」
妻役は木村佳乃さん、9歳の息子役は天才子役と絶賛される寺田心くん。