子育て情報『え、もうこんな時間…。「ワンオペ育児」初日の夜に思うこと/連続小説 第8話』

え、もうこんな時間…。「ワンオペ育児」初日の夜に思うこと/連続小説 第8話

https://conobie.jp/article/10736
【前回のお話はこちら】

今夜の夕飯はコンビニで適当に買ってきた。

泣いて愚図る奏太を連れていると、コンビニで買い物することすら大変だった。

奏太はから揚げと鮭のおにぎりを食べ、大好きなプラレールで遊び始めている。

俺は焼き肉弁当を食べ、弁当の容器をコンビニの袋に突っ込むと、スマホを手にする。
(母ちゃんに電話してみるか)

俺の実家は岐阜県岐阜市にあり、西岐阜駅近くで小ぢんまりとしたラーメン店「おぼろさん」を経営している。

父親が29歳でオープンさせてからもう30年以上経つが、まあまあの繁盛店で、今では兄夫婦も両親と一緒に働いている。

兄夫婦は二十代前半で結婚し、子どもは二人。二人ともすでに高校を卒業し、家を出ている。

俺は、まだ営業真っ只中の「おぼろさん」に電話を掛けてみる。

満の母「はい、おぼろさんです」

満「ははっ」

満の母「…満?なに笑ってるのよもう」

満「はい、おぼろさんです、ってどうしても笑っちゃうんだよね。うちは円田さんでしょ」

満の母「それで?どうしたの?」

満「あぁ…」

え、もうこんな時間…。「ワンオペ育児」初日の夜に思うこと/連続小説 第8話の画像

出典 : Upload By 連続小説『夫婦の言い分』

俺が端的に状況を話すと、母は「ちょっと待ってて」と受話器を伏せた。

いつものことだ。父に返答の確認をしているのだ。

父は一家の大黒柱であり、お店の経営者。亭主関白で、絶対的存在。

父が右と言えば、左の物だって右。というのが、円田家。

満の母「もしもし?心配だけど…忙しくて、手伝ってやるのはちょっと…ムリかな。お父さんが、夫婦二人でどうにかしろ、家族の問題だろ、って言ってるし…」

(思った通りと言えば、思った通りの返答かな。…でも確かに、これは俺の家族の問題だしな。奏太の親である俺とキリの二人で、なんとかするべきか)

満「父ちゃんがそう言ってるなら仕方ないね」

満の母「ごめんね。ちょっと忙しいから、またね」

電話が切れ、活気に溢れた店の音が消える。
(仕方ない。明日は仕事を休んで、市役所に行ってみよう)

満「さてと。奏太、お風呂に入ろう」

大好きな東西線をレールの上で動かしていた奏太は顔を上げ、キッと俺を睨む。
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出典 : Upload By 連続小説『夫婦の言い分』

奏太「はいんない!ぼく、はいんないよ!」

満「えー…」

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