ついやっちゃう「怖いモノ」で脅かす戦法。育児に「絶対」がなさすぎる
注意警告効果なし
「お願いだから、それは絶対やらないで」
という注意警告を、私は子どもに素直に聞いてもらえたためしがない。
今、長男が11歳、長女が9歳。
言葉全般を特に問題なく操って理解できる年頃の2人の子ども達さえ、苛烈なきょうだい喧嘩を始めると、最初の内は止めなさいよ、どっちかが泣くことになるんだよと柔らかく注意しているけれど結局、全然言う事を聞いてくれなくて
「お母さんがやめろって言ったら、それは止めろって意味なんだよ! 」
オラオラお前たちいい加減にしないかと、アイドルの握手会の剥がしよろしく小学生2人の襟首をつかんで引き離さないといけない。
だから3歳の末っ子、次女なんか言うに及ばず。
親のいう事、特に「これはやっちゃダメよ」という注意なんか、全く聞く耳を持ってくれない。
だからつい、使ってしまうのが
「怖いのが来るよ!」
これ、児童の精神発達とかその界隈ではどう言われる類の事なのか、あまり褒められた方法ではないような気もするけれど、とにかく今、絶対それだけはやめて、命に係わるからという事をやっている時はつい使う。
そしてその「怖いもの」は同じ親から生まれたきょうだいでも、全然バリエーションが違ってなかなか興味深い。

出典 : Upload By きなこ
長男がコワイもの
長男は、歩き始めた1歳児の頃から3秒後の動きの見えない子だった。
3秒目を離した隙に、器用に台所の流し台の引き出しを開けて、キッチンばさみを持ってニコニコしていた猟奇的な1歳半時代。
帰省していた実家の玄関で、私が少しもたついている隙に庭に駆け出し、実家で飼っている柴犬のお外用の犬小屋を占拠した、瞬間移動可能なエスパー2歳児時代。
3歳の頃はもう何をしたか、ここに列挙する事が出来ない位の量だ。
それ位目を離せない子どもだった。
ママとのお約束事項が毎日増え続けて立派な本になる位の恐ろしい子ども。
だから私は毎日ひたすら長男に
「あのね、ハサミは危ないから持っちゃダメ、ワンちゃんの家に入ったらワンちゃんが嫌がるからダメよ」
そういう事を呪文の如く唱え続けたが、まあ聞いちゃいなかった。この子は今も昔もはっきりと
「イヤダ!」
とは言わない、でも無言で従わない、お客様そういうの困ります。
それで、触って欲しくない場所、刃物なんかがある棚には、100均によくある赤ちゃん用の鍵をかけるついでに、某絵本で有名な寝ないオバケのイラストをプリントアウトして張り付けた。
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