11歳、ひとり旅でパリへ!成し遂げた自信が生んだものは
と走ってきて、お互い涙を流しながらひしっと抱き合う図を想定していたものの、娘はすましたもの。「あれが母です」と冷静にアテンドの人に伝えています。係員の女性はこちらへやってきて名前を確認すると、娘のパスポートの返却、事前に登録していた出迎えの人のIDとして、私のパスポートを確認、書類にサインを求めると、「バゲッジクレームまで案内しますから、荷物を回収してください」。感動の再会をする間もなく、本当にあっさり(笑)。
某ヨーロッパ系エアラインでは、このように子どもだけで飛行機に乗るケースは年間7万件にものぼるというので、たいして珍しいことでもなく淡々と仕事をこなす、といった感じでした。
あきらかにいつもと態度が違う!
なんだか肩透かしでしたが、やはり驚きもありました。
バゲッジクレームで、娘はひとつだけ残されて寂しくまわっている自分のスーツケースを見つけるや、即座に走って行って、自力でそれをコンベアからおろしたのです。これにはちょっとびっくり。
というのも、以前なら、私が自分のも娘のも両方回収するのが当たり前だったのです。約13時間のフライトのあと、疲れていることもあり、ずるずるとママに甘えるだろうと思っていたのに、自分の荷物はずっと自分で管理しています。
その後も、駅で行き先がわからなければ自ら係員に聞きに行ったり(英語ですが)、レストランなどでも自分の要望を自分で伝えようとする(筆者が作った「旅のしおり」に書いてあるとおり、お願いするときは「please」と丁寧にを意識していました)など、そこここで自立心が見えた娘。これまでの「ママよろしく」感とは明らかに違い、今回はきっちりと自立した旅のパートナーでした。
成功体験が娘を大きく
空港内では迷子にならないようゲートまで係員による送り迎えがありますし、機内でも時々様子を見に来てくれたそうですから、実はそれほど難しいことをしているわけではありません。それでも娘にとってはひとり旅を「成し遂げた」ということが自信につながり、自立心を育てたのではないでしょうか。また、子どものひとり旅とわかると近くにいる人々が「えらいわねぇ」などと声をかけてくれたこともよかったのかも。この成功体験は娘をとても大きく成長させてくれたような気がします。
ちなみに、エールフランス航空の場合、アテンドサービスをお願いしないことも可能(逆に、15歳から17歳までのティーンでもお願いすることができます)。次は本当に自力で行かせてみようかな、などと考えています。
<文・写真:フリーランス記者岩佐史絵>