シリーズ 専門家にきく! 自分の責任で自由に遊ぶ、冒険遊び場「プレーパーク」~‟こがねい子ども遊パーク“インタビュー~
って知って新しい工夫をしたり、できなくてもできる子に教えてもらって挑戦しているうちに、身体の能力があがってできるようになったり。
邦永:自然と年下の子たちの面倒を見るようになりますね。
遠藤:自分も遊びを通して痛い思いをしたりしていろんな経験をしているからか、さりげなく年下の子をフォローするようになるんです。たぶん自然と体が動いちゃうんだと思います。
松下:自分も以前はさんざんやっていたようなやんちゃをする子に「こんなことしちゃだめじゃん」なんて言うようになったりね(笑)。
邦永:大人とは違う子どもの視点から上手に注意するんですよ。
遠藤:夕方、ひと通り遊んで疲れたら、年上の子が自分の持ってきたおやつを広げて、「おやつタイムをやるぞ。1人1個ずつ、○年生から取っていいからな」なんて言いながらわけあっていたりすることもありますね。
松下:その輪に入れない子に気を遣って声をかけてあげる子も出てきます。
遠藤:集団で遊ぶうちに、共感する力が育っていくのだと思います。けがをした小さい子に「痛かったよねー」などと言いながら寄り添ってあげたり、子どもたちの自然な思いやりを見ていると本当に癒されます。地域の中の大きなきょうだいという感じかな。
邦永:誰かが「面倒見てやりなさい」なんて言うわけじゃないんですけどね。自分もそうしてもらってきたのでしょうね。
松下:影響しあうということでは保護者の方もそうで、他の子どもや親子を見て「もう少し大きくなったらああいうこともできるんだな」などと自分の子が育っていく様子を知って安心したり、気が楽になったりする感じがあります。
「遊びを通したいろいろな経験が共感する力を育てるのだと思う」と遠藤さん。
地域の中で安心できる場に
――プレーパークを始められたきっかけは何だったのでしょうか。
邦永:現在のNPO法人の前身を立ち上げたのが2002年、NPO法人になったのが2009年です。公民館で子育てに関する10回の講座があって、そこに参加していた人たちでプレーパークをつくろうということになりました。現在は「いけとおがわプレーパーク」を火~木、土曜日、「くじらやまプレーパーク」を金曜日に開設していますが、当初は常設ではなく、毎月やるようになったのも1、2年経ってからです。
松下:自分の子どもが小さかった頃、遊ばせるときにいつも窮屈さを感じていました。