子育て情報『ネット動画とのつきあいかた 第5回 将来はユーチューバーになりたい』

ネット動画とのつきあいかた 第5回 将来はユーチューバーになりたい

専門家・プロ:高橋大洋

小学生の将来なりたい職業として最近おなじみのユーチューバー。大人はどう受けとめれば良いのでしょうか。

目次


・人気職業としてのユーチューバー
・ユーチューバーは子どもの良いお手本か
・家庭ではどう対応したらよいか



ネット動画とのつきあいかた 第5回 将来はユーチューバーになりたい

人気職業としてのユーチューバー

小学生がよく見るネット動画に、「ユーチューバーの番組」があります。

ユーチューバーとは、自らYouTubeに公開した動画の再生回数に応じて支払われる広告収入のみで暮らしている人のことをさします。

ヒカキンやはじめしゃちょーといった有名ユーチューバーの年収は1億円を超えるとされます。ふだんから彼らの動画を楽しむ子どもたちが、憧れをもつのはごく自然なことでしょう。

ユーチューバーの番組の多くは、「商品の紹介」や「ゲーム実況」「やってみた(歌う、踊る、食べる、作る、出かけるなど)」です。手作り感あふれる内容が多いのですが、いかにおもしろく、視聴者に飽きられず、再生回数を増やし続けるのか、企画はもちろん、字幕や編集にさまざまな創意工夫をこらした動画が日々つくり出されています。

「子どもユーチューバー」も人気です。未就学から小学校低学年の子どもが新作のおもちゃを紹介したり、アミューズメント施設を訪問したりする内容で、同世代の子どもたちには宣伝効果が絶大です。
出演しているのは子どもですが、保護者が企画・撮影・編集から対外折衝まで一手に引き受けているようです。

実在の人物ではなくCGキャラクターと声優の組み合わせによる「バーチャルユーチューバー」も同様ですが、ユーチューバーの世界も、個人のアイデア、タレント性や編集能力に頼るのではなく、企画やプロデュースなど組織力での勝負になりつつあると言えるでしょう。

ユーチューバーは子どもの良いお手本か

わたしたち保護者にとって、子どもが将来の職業としてユーチューバーに憧れても、素直に応援しようという気持ちになるのは難しいところがあります。

収入のしくみがよくわからないうえ、安定した職業にはみえないからです。

実際、ユーチューバーが、CMのように「好きなことで、生きていく」のは、やさしいことではないのです。広告収入の分配割合はサイトの運営元に一方的に決められ、いつ広告単価を切り下げられるかわかりません。英語圏と比べると、日本語を解する視聴者の数が圧倒的に少ないのも再生回数のうえでは不利だと考えられます。一方、短い時間で他者になにかを伝えるという点で、人気ユーチューバーに学べることは少なくありません。

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