子どもが伸びる親力 ノウハウコレクターの親は、なぜうまくいかないのか?
専門家・プロ:親野智可等
親子関係がよければうまくいく
親子関係をよくすることは、しつけや勉強よりもはるかに大事です。
これは、子どもが幼児であろうが小中学生であろうがそれ以上であろうが、まったくかわりません。
そして、親子関係をよくするために絶対必要なのが、子どもが「自分は親に受け入れてもらえている」「わかってもらえている」「大切にされている」「愛されている」と実感できるようにしてあげることです。
これが、すべての土台であり始まりです。
子どもがそういう実感を持てていれば、生きる力がわいてきます。
いろいろなことでがんばるエネルギーがわいてくるのです。
そして、親の言うことも素直に聞くようになります。
親が「ゲームのやり過ぎに気をつけよう」とか「友達の家に行ったらあいさつを忘れないでね」などと言えば、それを素直に受け入れます。
すぐにはできないことでも、やってみようという気持ちにはなります。
親が「いけないことや危ないことに誘われたり巻き込まれたりしたら、心配だよ」とか「危ないことしないでね」などと言えば、「大好きな親を心配させちゃいけない」ということで心のブレーキになります。
叱りすぎると子どもは親の愛情を疑うようになる
この反対に、「自分はいつも叱られている」「自分は親に受け入れてもらえていない」「自分の気持ちを分かってもらえていない」「あまり大切にされていない」「あまり愛されていない」などと感じている子もいます。
もちろん、親は愛しているつもりです。
でも、子どもの方はそれが実感できていないというのです。
こういうケースはけっこうたくさんあり、多くの場合その原因は親の叱りすぎです。
このような場合、親がいくら口でいいことを教えても、いくら正しいことを教えても、子どもはそれを素直に聞くことができません。
親の心配が心のブレーキになるどころかかえって反発材料になり、よけい危ないことをしてしまうことすらあるのです。
こういうわけで、いい親子関係をつくることこそが最優先なのです。
それのないところで、「しつけをしなければ」とか「勉強をさせなければ」などと思っても絶対にうまくいきません。
ある親の実例
これらのことは、私が教師時代にいろいろな親子を見てきてわかったことです。
ある親が次のように言ったことがありました。
「懇談会で先生が教えてくれたように、2学期のはじめに節目の高揚感を活かして「○○するために□□する」