子育て情報『AI時代を生き抜くために 「失敗力」を育てる6つの栄養素 子どもの脳の発達は環境しだい』

AI時代を生き抜くために 「失敗力」を育てる6つの栄養素 子どもの脳の発達は環境しだい

専門家・プロ:中曽根陽子

目次

・すぐキレる問題児。どうしたらいい?
・生活習慣の乱れから悪循環に
・よい脳が育つ環境を用意すれば、何歳からでも脳は育て直せる
・関連記事


子どもの脳の発達は環境しだい

すぐキレる問題児。どうしたらいい?

近ごろ、子どもの教育にたずさわる人たちから、「キレやすい、人の話を聞けない、すぐあきらめる、まわりの子に手をあげるなど、気になる子どもの割合が増えている気がする。」という話をひんぱんに聞くようになりました。

公的な調査などで明らかになっているわけではありませんから実際に増えているのかははっきりとわかりませんが、子どもと直接ふれあう立場の人たちの生の声ですので、気になりますね。

小学4年生のA君もその一人。「授業中に立ち歩く」「宿題をしない」「まわりの子に手をあげる」など、学校の先生からいつも怒られる問題児でした。

お母さんはなんとかしなくては! と、A君が学校から帰ったらすぐに、お母さんが宿題の有無をチェックして、つきっきりで宿題をさせました。

すぐに飽きてしまうA君をきつく叱るお母さん。宿題が終わらないと夕食の支度もできないので、食事の時間が遅くなることもたびたび。
宿題が終わったら制限なしにゲームをしてもいいことにしていたので、寝るのも遅くなりがち。

朝はぎりぎりまで寝かせてお母さんが起こす。忘れ物をしてはいけないので学校の準備はお母さんがする。という対応をしていたそうです。
果たしてうまくいくようになったのでしょうか?

結果は×。

少しも良くならないどころか、どんどんひどくなり、家でもキレることが多くなっていきました。
さて、このお母さんの対応のなにが問題なのでしょうか?

生活習慣の乱れから悪循環に

このお母さんの対応で問題だったのは、宿題をさせることを優先順位の一番にしてしまったことです。その結果、日によって夕食や入浴、寝る時間がまちまちになり、朝起きられないという生活習慣の乱れにつながりました。
また、宿題ができなければ感情的にきつく叱り、反対に学校の用意など子どもが自分でやるべきことを親が代わりにやって甘やかすというように、子どもの自律を妨げる対応をしていました。その結果毎日の生活が落ち着かず、子どももお母さんもイライラがつのり、きつく叱るとA君はますます反発するという悪循環に陥ってしまっていたのです。

これは発達脳科学の専門家、成田奈緒子先生のところに訪れた実際の親子の話です。実は、このコーナーの第2回「キレる子どもたちの原因は眠りにあり」で紹介したように、規則正しい生活を送らないと、さまざまな問題が起きてきます。

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