シリーズ 専門家にきく! 教育とテクノロジーの融合で子どもたちの教育格差解消をめざす スタディサプリ
専門家・プロ:渡邉純子(コドモット)
中学生の6割弱が使っているスマホ※1。いまスマホはコミュニケーションや遊びの場面のみならず、学びにも使われはじめています。
スマホを学習に活用する先端的なサービスとして、総務省の情報通信白書にもとりあげられた「スタディサプリ」※2。スタディサプリは、株式会社リクルートマーケティングパートナーズが運営する有料の授業動画サービスです。家庭だけでなく学校でも利用が広がっているスタディサプリで、子どもたちはどんな学びを実現しているのでしょうか。
スタディサプリを含め、次世代の教育を考える目的で設立されているリクルート次世代教育研究院の院長、小宮山利恵子さんに話を聞きました。
※1内閣府平成29年度青少年のインターネット利用環境実態調査より
※2総務省平成28年版情報通信白書
小宮山利恵子(こみやまりえこ)リクルート次世代教育研究院院長。同研究院はリクルートマーケティングパートナーズにおける次世代の教育を考える調査研究機関で、小宮山さんは立ち上げからかかわり、未来の教育を研究している。超党派国会議員連盟「教育におけるICT利活用促進をめざす議員連盟」有識者アドバイザー。2018年8月より東京学芸大学客員准教授。
第1回国内外で累計約74万人が利用している動画授業とは
未来の学びについて研究している小宮山利恵子さん
渡邉:スタディサプリとはどんなサービスなのですか?
小宮山:スタディサプリは、月額980円で5教科18科目の授業動画が見放題、ドリルが解き放題というオンラインサービスです。2011年に受験サプリという名称でサービスを開始し、2016年にスタディサプリとブランド名を変えて展開しています。
有料会員の数は、2017年度、国内の累計で約64万人です。Quipperというブランド名で、インドネシア、フィリピン、メキシコの3カ国でもサービスしていて、海外でも約10万人に使っていただいています。
講座は小学校、中学校、高校、大学受験対策まであります。もともと受験対策として始まっているので、高校生の利用が多いのですが、小学生でも4年生から使っていただけるようになっています。渡邉:どのような背景でスタディサプリは生まれたのでしょうか。
小宮山:現在の社長の山口が教育の課題を追及し全国をまわるうち、経済格差や地理的な格差が教育環境格差になってしまっている、それをどうにか改善したいという思いで事業を立ち上げました。