教えて! 陰山先生 第31回 いつも忘れ物をする小5の息子
専門家・プロ:陰山英男
質問
小5の息子が忘れ物や時間を守れないので困っています。
とにかく忘れ物が多く、掃除当番などを忘れて帰ってしまったということもありました。
時間も守れず、塾や習い事などにもよく遅刻しています。
絵を描くことやゲームなど、好きなことをしていると集中しすぎて、時間を忘れてしまうようです。
わたしが働いているので、塾や習い事がある日は、携帯のタイマーが鳴るようにセットしてみましたが効果はありませんでした。
お友だちと遊ぶことよりも、一人でいるほうが好きですし、学校の行事などにも消極的で、協調性があまりないようです。
好きじゃないことは、できるだけやりたくないという傾向が強く、夏休みの宿題もギリギリまでやる気配がありませんでした。
小さいころからそういう傾向はありましたが、成長すれば改善するのではないかと思っていました。
もしかしたら、発達障害なのではないかと思うこともあります。
担任の先生には「そこまで心配しなくてもいい」と言われましたが、やはり心配です。
カウンセリングを受けたほうが良いのでしょうか?
また、ほかに改善する方法がありましたら教えてください。
回答
極端な忘れ物でお悩みですね。その内容を読みながら、わたし自身の子ども時代みたいだと思わず笑ってしまいました。わたしも子どものころから極端に忘れ物が多く、ずっと先生に叱られていました。そしてそれは大人になっても直らず、最近は何か忘れたとき、「歳からくる健忘症かな」と言うと、家族から「以前からずっとそうだった」と突っ込まれます(笑)。
ネガティブに考えずに、対策を立てましょう
天才的な野球選手である長嶋茂雄氏も忘れ物がひどく、野球場に子どもを連れて行っておきながら子どものことを忘れて、ひとりで帰宅したというのは有名な話です。
ですから、お子さんのことはネガティブに考えないことが一番だと思います。
人には長所短所が必ずあります。なかには、そう簡単には直らないような欠点をもつ場合もあるでしょう。また学校の先生も大丈夫と言っておられるなら、障害かどうかと心配されることもないと思います。
それよりまず大切なのは対策です。
メモを取る習慣とその時間を確保すること
わたし自身が忘れ物対策としてやっていることは、
- ことあるごとにメモをし、それを何回も見ること。
- メモはいつも持ち歩いているカバンの決まった箇所にしまい、毎朝、電車に乗ったらそこからメモを取り出してチェックする。