発達障害はひとつの個性 すべてに通じる読みの流暢さ。読みの苦手を早いうちに見つけましょう
専門家・プロ:原田浩司
小学校に入学すると、まずは教科書が全員に渡されます。
子どもたちは、真新しい教科書にくぎづけになり、早く中身を見ようとします。
1年生の教科書は、楽しいイラストがある一方で、文字や数字がたくさん出てきます。
文字の学習を行なう国語の教科書では、ひらがなの読み書きから、ゆっくり学べるようになっています。
しかし、ひらがなをスムーズに読むことができなかったらどうでしょう。
あるいは、ひらがな1文字であれば読めても、単語になるとスムーズに読めない子もいます。また、「おばあさん」と「おばさん」、「ねこ」と「ねっこ」、「いしや」と「いしゃ」など特殊音節の読みの違いがわからない子も多くいるのが事実です。
たとえば、「じどうしゃ」をこんなふうに読む子がいます。
「じ・・・ど・・・う・・・し・・・や」
このように読む子は、ことばの意味が分からないでしょう。
ひらがなは1文字の読み方だけでなく、単語としてスムーズに読むことが大切なのです。
もし、読むことが苦手な子がいたら、早く見つけて読めるようにしてあげることがとても重要です。
読むことが苦手な子を見つけて支援する教材があります
読みの苦手な子の発見と指導には、小学校で使われている教材「MIM読みのアセスメント・指導パッケージ」が役立ちます。
これは、文部科学省の研究費で3年間に渡って行なわれた『学習につまずきのある子どもへの多層指導モデル(MIM)の開発に関する研究』で効果の確かめられた実績に基づく教材です。通常の学級の国語の授業内で、読みの苦手な子の発見と指導の両方に活用できる点で画期的です。
毎月実施するテスト「MIM-PM めざせよみめいじん」で個々の読みの習熟度データを入力することにより、個人別・学級別で学齢に応じた平均的な伸びがあるかが分かり、早期支援につなげることができます。
たった2分のテストで見る、読みの苦手な子の特徴
ここで、「MIM-PM めざせよみめいじん」がどんなものか、少し説明しておきましょう。
「MIM-PM めざせよみめいじん」は2つのテストで構成されています。
テスト①は「絵を見て正しいひらがなを選ぶ課題」です。たとえば、おばあちゃんの絵を見て「あばちゃん」「おばあちょん」「おばあちゃん」の中から正しいことばを選びます。
テスト②は「単語の切れ目に線を入れる課題」