ネット動画とのつきあいかた どこから手をつける、長時間利用問題
の大切さを子どもとよく話し合い、理解させたうえで、毎日守らせることです。
「一晩くらい大丈夫」、「寝るときにベッドで動画を見たい」、「友だちもみんな遅くまで起きている」などの反論には、
- 寝だめはできないこと
- 寝る直前の光の刺激は睡眠の質を下げるので同じ睡眠時間でも効果が下がること
- 人間の身体は適切な睡眠なしで能力を発揮できないので、ロナウドや大谷翔平など有名なスポーツ選手はだれもが睡眠をとても大切にしていること
などを説明しましょう。
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また「子どもがなにを見ているか」の不満は、いったん切り離して考えることが大切です。
保護者は、「子どもにはヘンなもの、クダラナイものは見せたくない」と考えます。しかし、その動画の価値を、わたしたち大人が将来を予見して判断することなどできません。
「見たい」「分かる」「価値がある」という子どもなりの判断を頭ごなしに否定する方がマイナスと考えましょう。
「終わりの時間」さえ動かなければ、いずれ子どもの側も見るものに優先度をつけるようになるのです。
Windows10など、パソコンの基本ソフトには利用時間帯を制限する機能が備わっています。
この秋以降、スマホやタブレットにも同様の機能が標準装備される見込みです。そうしたツールを使えば、さらに確実に「終わりの時間」を守らせることができるでしょう。
ネット動画について考えるうえでは、家庭学習時間や他の遊びとのバランスなども気になります。しかし、睡眠リズムが守られていなければ、学習や遊びは充実させられません。まずは睡眠の確保に集中しましょう。
次回は、まだあまり知られていない、「子ども専用のYouTubeアプリ」についてご紹介します。
※1平成29年度 青少年のインターネット利用環境実態調査
※2米国睡眠医学会(AASM)
※3子どもたちのインターネット利用について考える研究会
高橋大洋(たかはしたいよう)株式会社ミヤノモリ・ラボラトリー 代表取締役。2008年より、「子どもとインターネット」領域での保護者や学校支援に取り組んでいる。
「ネットとのつきあい方をオトナにもわかりやすく」をモットーに研修講師、教材開発、執筆、自治体の会議委員など幅広く活動中。子どもたちのインターネット利用について考える研究会(子どもネット研)