こどもの皮膚科ドクターが語る 秋 -季節の変わり目- になぜ湿疹が悪化するのか
専門家・プロ:野﨑誠
第1回夏の戻りが湿疹を呼ぶ
楽しかった夏休みも終わり、秋がやってきました。しかし、今年の夏は少し変でしたね。梅雨はあっという間に終わり、その直後から熱波が襲来。8月には毎週のように台風がやってくるという慌ただしい夏休みでした。そして待ちに待った秋があっという間にやってきた印象がありますね。道端の朝顔が今頃になって咲いているのを見るとなんともはや。
過ごしやすく活動的になる秋ですが、一般に湿疹が悪化する傾向があるとされています。実際に外来でも湿疹が悪くなって受診される患者さんが結構いるのも事実です。
一体なぜでしょうか。今回はそのお話を数回に分けてしていきたいと思います。
1回目は夏の戻りについての話です。
夏が戻ってきた?要注意だ!
三寒四温というように、日々の温度の変化が大きいのも秋の季節の特徴です。まず気をつけたいのが、しばらく涼しかったのがある日突然暑くなる、いわゆる夏の戻りです。もう少し先の季節だと小春日和のときも同じことがいえるでしょう。そのあとに湿疹が悪化する子が非常に多くなります。どちらかというと男の子が多いような気がします。
なぜでしょう。
原因は・・・汗?
その原因は汗です。涼しくなって徐々に厚着をしていく途中にやってきた暑い日。そのときに前の日と同じような格好で外に出たら、当然汗をかきますよね。その汗が原因となり湿疹を作ることが十分に予想されるのです。そうです、夏のあせもや汗かぶれの再来です。そのまわりを引っ掻いているうちに、だんだん湿疹の範囲が広がってしまう。そして湿疹の季節の冬に突入というパターンが秋に多く見られる特徴です。
そう考えると、男の子に多く発生するのもうなずけます。だって彼ら、どんなに暑くっても洋服をぬがないんですもの。横着というかなんというか・・・そういう女の子もときには見かけますが。
だからシャワーは必要なんだ
対策はどのようにすればよいのでしょうか。最も良い対策方法はしっかりとシャワーを浴びることです。学校帰り、外出帰りにはしっかりと浴びたいところですし、できれば朝にもしっかりと浴びたいです。学校が始まってなんとなく朝のシャワーの習慣がなくなった。その後、湿疹が悪くなったということはありませんか?夏の湿疹の、しっかり洗う、しっかり流すという原則はこの時期も有効です。
できれば最高気温が20度を下回るくらいまではしっかりと流してあげたいところですね。