子育て情報『こどもの皮膚科ドクターが語る 秋 -季節の変わり目‐ になぜ湿疹が悪化するのか』

2018年10月4日 12:00

こどもの皮膚科ドクターが語る 秋 -季節の変わり目‐ になぜ湿疹が悪化するのか

専門家・プロ:野﨑誠

目次

・第2回冬の始まりが湿疹を招く
・夏のさなかに、一瞬だけ秋がやってきた
・湿度と湿疹の切っても切れない関係
・対策は水分補給?
・小春日和に要注意
・関連記事


秋 -季節の変わり目‐ になぜ湿疹が悪化するのか

第2回冬の始まりが湿疹を招く

今回は秋の湿疹のお話2回目です。さて、ここ数カ月の日本の気象を表すとどうなるでしょうか?皮膚科の立場で言えば、「慌ただしかった」とのひと言です。
梅雨は非常に短く、その後一気に熱波が到来しました。お盆前後には台風が日本を何度も襲い、そのあとは8月なのにもう秋の天気がやってきましたね。その後また少し暑さが戻ってきたようですが、そんなかけ足の季節に足下をすくわれ、秋から冬にかけての湿疹の発生も例年よりもはるかに早い印象を受けます。


夏のさなかに、一瞬だけ秋がやってきた

先程、8月なのに秋の天気と書きました。ほんの数日のできごとですが、8月の暑い時期に秋が来ていたのです。気がついていました?気象庁のデータをのぞいてみると・・・ありました。8月中旬のお盆を過ぎてからの数日間、湿度は最低29%、気温もだいぶ下がった日が何日かあります。その日だけは、「秋」だったんですね。

なぜ皮膚科医がそんなお話をするかというと、その直後に一気に乾燥肌の患者さんがやってきたからなんです。

前回お話をしたように夏の湿疹は汗で悪化します。つまり、温度が関係してくるのですが、乾燥肌の患者さんがやってきたのは気温があまり上がらず、汗も比較的かくことのない「秋の季節」の直後です。
となると、こうした患者さんの湿疹が増える背景には、汗や温度ではなく湿度が関係しているのではないかという話になるのです。

湿度と湿疹の切っても切れない関係

もともと秋は湿疹、特に乾燥性湿疹やアトピー性皮膚炎が悪化してくる季節として認識されてきました。その悪化状況をくわしく見ていくと、だいたいの傾向がわかってきます。
それは日中の湿度が50%を切ってくると、乾燥からくる湿疹が一気に出現し、悪化してくるということです。

当然といえば当然のことですが、空気の乾燥具合に皮膚の乾燥状況は影響を受けます。したがって湿度の低下は湿疹の拡大・悪化を招くということは容易に想像がつくのではないでしょうか。ちょうどその境目が湿度50%くらいということのようです。完全に実証はされていませんが、少なくとも東京ではそのような傾向が見られます。


対策は水分補給?

ではどのようにすれば良いのでしょうか?加湿器・・・を準備するにはまだ暑いですね。シャワーで皮膚に水分を補給してもすぐに乾燥してしまいますからあまり意味はありません。

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