学習指導要領の改訂で学校教育が変わる 身近な生き物をみてみよう!「鳥」
水辺の鳥はサギやカモなど体が大きく、動きがゆっくりしているものが多いので、見つけやすく、焦らずじっくりと観察できます。先にお話ししたように、秋から冬にかけては渡りをしてきた鳥もいて、いろいろな種類が見られますよ。
くわしい人から直接教えてもらえるバードウォッチングのイベントにも参加してみましょう。日本野鳥の会でも開催しています※2。あると良い道具は双眼鏡、野鳥図鑑、見た鳥を書き留めておくノートなどですが、はじめからそろえなくてもリーダーが望遠鏡などで鳥を見せてくれますし、鳥や道具のことをいろいろ教わることができます。
堀本さんおすすめの双眼鏡(左・ニコンモナーク78×30/右・ニコンプロスタッフ7S8×30)。
「双眼鏡は長く使えるものなので、最低でも1万円以上のものを選んでほしい」と堀本さん。
「何をしているのかな?」しぐさをじっくり観察しよう!
鳥の大きな特徴は羽毛があることです。
羽毛は飛ぶためだけでなく、体温を維持するためにもとても重要なものです。鳥たちは羽づくろいをしたり、ダニや寄生虫を落とすために水浴びや砂浴びをしたりして、しょっちゅう羽毛の手入れをしています。
ほかにも鳥はいろんなしぐさをしますので、お子さんといっしょに「何をしているんだろうね?」などと想像しながら見ると、たとえ鳥の種類がわからなくても楽しいですよ。
何かを食べていたら、鳥がいなくなったあとに近くに行って、何を食べていたか調べてみましょう。また、全く動かない鳥をよく観察していたら、まぶたが閉じかけてうつらうつらしていることもあります。経験が増えるほどに楽しさ、興味も増していきます。
それに、一生懸命に鳥たちが生きている様子、例えば餌の乏しい時期でも必死で何とか餌を探していることや、ツバメは子育てのために3,000~4,000キロも渡ってくることを知ると、きっと生き物や自然に対する子どもたちの見方も変わると思います。
「鳥を観察することで、鳥の暮らしの背景にある事情にも思いを馳せてほしい」と話す堀本さん
人間のルールで判断しないで
野鳥と付き合ううえで忘れてはならないことは、野鳥は人間とは違った環境の中で生きているということです。
だから人間の感覚で判断せず、野鳥の立場に立ってほしいと思います。
例えば、野鳥の子育ての時期になると、ヒナが落ちていることがあります。「このままでは死んでしまう、ネコやカラスに食べられてしまう」